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JP2014011979A - 容器詰め緑色食品の保存方法 - Google Patents

容器詰め緑色食品の保存方法 Download PDF

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JP2014011979A
JP2014011979A JP2012150906A JP2012150906A JP2014011979A JP 2014011979 A JP2014011979 A JP 2014011979A JP 2012150906 A JP2012150906 A JP 2012150906A JP 2012150906 A JP2012150906 A JP 2012150906A JP 2014011979 A JP2014011979 A JP 2014011979A
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東洋彦 佐藤
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  • Food Preservation Except Freezing, Refrigeration, And Drying (AREA)
  • Storage Of Fruits Or Vegetables (AREA)

Abstract

【課題】加熱殺菌することなく、野菜や海藻等の食品を自然な緑色としながら、また腐食しない状態で長期間にわたって常温で保存する。
【解決手段】容器詰め緑色食品の保存方法は、水にCu含有酵母とZn含有酵母を添加して、Cu含有酵母から銅イオンを、Zn含有酵母から亜鉛イオンを放出させて、銅イオンと亜鉛イオンとを含むイオン水とするイオン水調整工程と、イオン水調整工程で得られるイオン水から、銅イオンを放出したCu含有酵母と、亜鉛イオンを放出したZn含有酵母とを除去して、銅イオンと亜鉛イオンとを含む透明なイオン水を調整する分離工程と、分離工程で得られる透明なイオン水に、非加熱殺菌の緑色食品を浸漬する状態で、かつ実質的に空気を含まない状態で透明な密封容器に充填して、密封容器内のイオン水の温度を0℃以上であって50℃未満に保持して、含有される銅イオンでもって緑色食品を緑色としながら保存する保存工程とからなる。
【選択図】なし

Description

本発明は、緑色野菜や海藻などの緑色食品を密封容器に充填している容器詰め緑色食品の保存方法に関し、とくに、緑色食品を加熱殺菌することなく、緑色食品を緑色に保持しながら腐食しない状態で保存できる容器詰め緑色食品の保存方法に関する。
採取された野菜は、日数が経過すると緑色から茶色に退色する性質がある。また、海藻も熱湯に浸漬して緑色とした後も、日数が経過すると次第に退色する性質がある。この欠点を解消するために、緑色食品を着色料を使用することなく容器詰めして、通常の流通形態においても緑色に保存できる容器詰め緑色食品が開発されている。(特許文献1参照)
この容器詰め緑色食品は、緑色野菜原料を、特定の粒度に微細化して緑色野菜粉砕物とし、この緑色野菜粉砕物を含む液に、銅イオンや亜鉛イオンを添加して、着色料を使用することなく緑色に保存する。この方法は、重金属イオンの置換効率を高くすることで、添加する銅や亜鉛の濃度を低濃度として、緑色野菜の緑色を安定化させる。
特開2008−86269号公報
以上の容器詰め緑色食品は、銅イオンや亜鉛イオンを添加して緑色に保存するが、緑色食品を特定の粒度に微細化して粉砕物とするので、野菜や海藻をそのままの状態で保存できない欠点がある。また、この容器詰め緑色食品は、100℃以上で加熱殺菌した後、容器に充填するので、加熱殺菌によって食感が低下し、また粘りけのある食品にあっては粘りけが失われる欠点がある。また、加熱殺菌によってカロチン等の旨み成分や酵素などが失われる欠点もある。
本発明は、さらにこの欠点を解決することを目的に開発されたものである。本発明の重要な目的は、加熱殺菌することなく、野菜や海藻等の食品を自然な緑色とし、かつ旨み成分を残しながら、さらに腐食しない状態で極めて長い期間にわたって常温で保存できる容器詰め緑色食品の保存方法を提供することにある。
課題を解決するための手段及び発明の効果
本発明の容器詰め緑色食品の保存方法は、水にCu含有酵母とZn含有酵母を添加して、Cu含有酵母から銅イオンを、Zn含有酵母から亜鉛イオンを放出させて、5ppm以上で100ppm以下の銅イオンと、2ppm以上で200ppm以下の亜鉛イオンとを含み、かつ亜鉛イオン濃度を銅イオン濃度の0.1倍〜4倍とするイオン水とするイオン水調整工程と、イオン水調整工程で得られるイオン水から、銅イオンを放出したCu含有酵母と、亜鉛イオンを放出したZn含有酵母とを除去して、銅イオンと亜鉛イオンとを含む透明なイオン水を調整する分離工程と、分離工程で得られる透明なイオン水に、非加熱殺菌の緑色食品を浸漬する状態であって、かつ実質的に空気を含まない状態で透明な密封容器に充填して、密封容器内のイオン水の温度を0℃以上であって50℃未満に保持して、含有される銅イオンでもって緑色食品を緑色としながら保存する保存工程とからなる。
以上の容器詰め緑色食品の保存方法は、野菜や海藻である緑色食品を、加熱殺菌することなく、極めて長い期間にわたって腐食することなく緑色にできる特徴がある。それは、以上の容器詰め緑色食品の保存方法が、Cu含有酵母から銅イオンを放出させ、Zn含有酵母から亜鉛イオンを放出させて、銅イオンと亜鉛イオンとを含むイオン水とし、このイオン水に、非加熱殺菌の緑色食品を浸漬し、かつ実質的に空気を含まない状態で透明な密封容器に充填して、密封容器内のイオン水の温度を0℃以上であって50℃未満に保持して、銅イオンでもって緑色食品を緑色として保存するからである。
とくに、以上の保存方法は、Cu含有酵母から放出した銅イオンと、Zn含有酵母から放出させた亜鉛イオンを含み、かつ、Cu含有酵母とZn含有酵母とが分離された透明なイオン水を緑色食品と一緒に透明な密封容器に充填して、透明な密封容器内には実質的に空気を含まない状態とすることを特徴とする。この状態で密封容器に充填された緑色食品は、Cu含有酵母から放出された銅イオンとZn含有酵母から放出された亜鉛イオンとで効果的に殺菌され、また、銅イオンと亜鉛イオンの両方でもって葉緑素をより自然な緑色としながら、常温で腐食することなく長期保存される。
さらに、以上の保存方法は、緑色食品を加熱殺菌することなく透明な密封容器に充填して、常温で保存して腐食を防止して緑色に保持するので、加熱殺菌によって食感や旨み成分や酵素などが失われず、旬の緑色食品に同等の栄養成分を含み、さらに粘りけのある緑色食品は、食品の粘りけを失うことなく、極めて美味な状態で長期保存できるという、正に理想的な特徴が実現される。
さらにまた、以上の容器詰め緑色食品の保存方法は、美味な風味と食感を旬の食品の状態に保持しながら、緑色食品を自然な緑色として長期保存できる特徴も実現する。それは、保存工程において、透明な密封容器に、銅イオンを放出したCu含有酵母と、亜鉛イオンを放出したZn含有酵母とを分離して、銅イオンと亜鉛イオンとを含み、かつ透明なイオン水と一緒に、実質的に空気を含まない状態で緑色食品を透明な密封容器に充填するからである。保存工程において、イオン水の銅イオンと亜鉛イオンの濃度を低くすることは大切である。それは、保存工程で長期保存されて、緑色となった緑色食品を、密封容器から取り出して消費者が食するからである。すなわち、保存工程で銅イオンと亜鉛イオンの濃度が高いイオン水に浸漬すると、密封容器から取り出した緑色食品に銅イオンや亜鉛イオンが付着して、緑色食品の風味を低下させるからである。本発明の保存方法は、Cu含有酵母から放出させた銅イオンと、Zn含有酵母から放出させた亜鉛イオンとを含み、しかも、銅イオンを放出させたCu含有酵母を除き、かつ亜鉛イオンを放出させたZn含有酵母を除いた透明なイオン水に緑色食品を浸漬する。Cu含有酵母から放出された銅イオンや、Zn含有酵母から放出された亜鉛イオンは、無機化合物から放出された金属イオンに比較して緑色食品に対する影響が強く、イオン濃度を低くしながら、緑色食品を緑色とし、かつ腐食させることなく長期保存できる特徴がある。このため、緑色食品に金属イオンが付着して風味を低下することがなく、自然な緑色としながら、長期保存できる特徴を実現する。
さらに、本発明の容器詰め緑色食品の保存方法は、保存工程において緑色食品を浸漬するイオン水に、銅イオンを放出させたCu含有酵母と亜鉛イオンを放出させたZn含有酵母とを、分離した透明なイオン水を使用するので、密封容器から取り出された緑色食品の風味をさらに向上できる。Cu含有酵母とZn含有酵母とを除いた透明なイオン水に浸漬することで、酵母独特の風味を除去して、緑色食品本来の美味な風味を引き出すことができるからである。
さらに、本発明の保存方法は、保存工程で緑色食品を浸漬するイオン水の温度を0℃以上であって、50℃以下とするので、加熱も冷却もしない常温で長期保存することができる。常温での保存は、加熱エネルギーと冷却エネルギーを必要せず、緑色食品を緑色としながら長期保存するためのエネルギー消費を著しく少なくできる。
また、以上の容器詰め緑色食品の保存方法は、密封容器を透明容器とし、かつ密封容器に充填するイオン水には、Cu含有酵母とZn含有酵母を除去した透明なイオン水を使用するので、透明な密封容器に緑色食品を入れた状態で、緑色食品を密封容器の外部から綺麗で高品質な食品として見ることができて商品価値をさらに向上できる。
本発明の容器詰め緑色食品の保存方法は、イオン水調整工程において、Cu含有酵母から放出される銅イオン濃度を10ppm以上とすることができる。
以上の容器詰め緑色食品の保存方法は、Cu含有酵母から放出される銅イオンの濃度を10ppm以上とするので、より高濃度の銅イオンでもって、緑色食品の腐食を防止しながら、葉緑素を緑色として長期保存できる特徴がある。
本発明の容器詰め緑色食品の保存方法は、イオン水調整工程において、Cu含有酵母から放出される銅イオン濃度を20ppm以上とすることができる。
以上の容器詰め緑色食品の保存方法は、Cu含有酵母から放出される銅イオンの濃度を20ppm以上とさらに高濃度にするので、高濃度の銅イオンでもって、緑色食品の腐食をより効果的に防止しながら、葉緑素を綺麗な緑色として長期保存できる特徴がある。
本発明の容器詰め緑色食品の保存方法は、保存工程に使用する密封容器に、透明のプラスチックシートからなる透明袋を使用することができる。
以上の容器詰め緑色食品の保存方法は、密封容器を安価で梱包に便利な可撓性のプラスチックシートからなる透明袋としながら、充填している緑色食品の状態を外部から子細に観察できる特徴がある。
本発明の容器詰め緑色食品の保存方法は、保存工程で密封容器に充填する緑色食品をワラビ、みず、芋づる、キュウリ、ブロッコリー、きぬざや、野沢菜、おくら、ジュン菜、青梅の何れかとすることができる。
以上の保存方法は、ワラビ、みず、芋づる、キュウリ、ブロッコリー、きぬざや、野沢菜、おくら、ジュン菜、青梅等を自然な緑色としながら、腐食させることなく長期保存できる。
さらに、本発明の容器詰め緑色食品の保存方法は、保存工程で密封容器に充填する緑色食品を、メカブ、ワカメ、昆布、カゴメ昆布の何れかの海藻とすることができる。
以上の保存方法は、メカブ、ワカメ、昆布、カゴメ昆布等の海藻を自然な緑色としながら、長期保存できる。
以下、本発明の実施例を説明する。ただし、以下に示す実施例は、本発明の技術思想を具体化するための容器詰め緑色食品の保存方法を例示するものであって、本発明は容器詰め緑色食品の保存方法を以下の方法に特定しない。
容器詰め緑色食品の保存方法は、イオン水調整工程と保存工程とで、野菜や海藻などの緑色食品を緑色としながら長期保存する。緑色食品は、例えば、ワラビ、みず、芋づる、キュウリ、ブロッコリー、きぬざや、野沢菜、おくら、ジュン菜、青梅等の野菜や、メカブ、ワカメ、昆布 カゴメ昆布等の海藻である。
本発明の容器詰め緑色食品の保存方法は、緑色食品を加熱殺菌することなく、自然な緑色としながら、腐食させずに長期保存する。保存工程においては、緑色食品の品質を低下することなく、また粘りけのある食品にあっては粘りけを失わないように、緑色食品を密封容器に入れて保存するイオン水の温度を、0℃以上であって50℃未満とする。本発明の保存方法は、保存工程において、緑色食品をCu含有酵母から放出された銅イオンを含むイオン水に浸漬するので、Cu含有酵母から放出された銅イオンによって、退色した緑色食品の緑色を復元し、また緑色をしている新鮮な食品は、自然な緑色としながら、含有する銅イオンで殺菌状態に保存する。すなわち、保存工程は、緑色食品を殺菌状態に保存することに加えて、緑色食品の粘りけ等の品質を低下することなく、自然な緑色とする。保存工程は、実質的に空気を含まない状態としながら、Cu含有酵母から放出された銅イオンを含み、かつ温度を0℃以上で50℃未満とするイオン水に、緑色食品を浸漬する。Cu含有酵母から放出された銅イオンを含むイオン水は、銅イオン濃度を極めて低濃度としながら、緑色食品を自然な緑色とし、さらに、含有する銅イオンでもって緑色食品を殺菌状態に保持する。
保存工程でイオン水の銅イオン濃度を低くすることは大切である。それは、保存工程で長期保存されて、緑色となった緑色食品を、密封容器から取り出して消費者が食するからである。すなわち、保存工程で銅イオン濃度の高いイオン水に浸漬すると、密封容器から取り出した緑色食品に銅イオンが付着して、緑色食品の風味を低下させるからである。とくに、本発明の容器詰め緑色食品の保存方法は、保存工程において緑色食品を浸漬するイオン水に、銅イオンを放出させた後、Cu含有酵母とZn含有酵母をフィルターや沈殿法で分離したイオン水を使用することで、密封容器から取り出した緑色食品の風味をさらに向上できる。それは、金属酵母を除いたイオン水に浸漬することで、酵母独特の風味を除去して、緑色食品本来の美味な風味を引き出すことができるからである。
保存工程で緑色食品を浸漬するイオン水の温度は、好ましくは、加熱も冷却もしない常温とする。常温のイオン水は、加熱エネルギーと冷却エネルギーを必要としない。したがって、緑色食品を緑色とするために、さらに、長期保存するためのエネルギー消費を著しく少なくできる。ただ、イオン水の温度を常温よりも低くして0℃以上とし、あるいは常温よりも高く50℃未満として、食感を低下することなく、緑色に保存できる。
従来の保存方法は、高温に加熱殺菌して長期保存するが、本発明の容器詰め緑色食品の保存方法は、緑色食品を加熱殺菌することなく、保存工程で緑色食品を浸漬するイオン水の温度を、50℃未満として、緑色食品を綺麗な緑色に保持しながら長期保存できる。保存工程のイオン水に含まれるCu含有酵母とZn含有酵母から放出された銅イオンと亜鉛イオンが緑色食品を緑色にしながら、効果的に殺菌状態に保存するからである。
イオン水調整工程は、Cu含有酵母とZn含有酵母を水に添加し、Cu含有酵母から銅イオンを、Zn含有酵母から亜鉛イオンを放出させてイオン水とする。銅イオンと亜鉛イオンを含有するイオン水は、両方のイオンの作用で緑色食品をより自然な緑色にでき、また非加熱殺菌の緑色食品を長期保存できる。さらに、銅イオンと亜鉛イオンを含むイオン水は、銅イオンの濃度をより低くして、緑色食品を自然な緑色としながら長期保存できる。さらに、イオン水は、Fe含有酵母、Mg含有酵母、Se含有酵母、Mo含有酵母、Cr含有酵母、Mn含有酵母等のいずれか又は複数を添加して、これ等の金属イオンを含むイオン水とすることもできる。これ等の金属を含有する酵母は、金属を添加している培地で培養、酵素処理して不活性化し、洗浄の後、不溶成分を除去して、乾燥して製作される。たとえばZnを含有する酵母は、培地に塩化亜鉛を添加して培養され、Cuを含有する酵母は培地に硫酸銅を添加して培養される。金属は塩化物や硫化物の状態で培地に添加されて、金属を含有する酵母を培養する。
イオン水は、Cu含有酵母から放出された銅イオンと、Zn含有酵母から放出された亜鉛イオンとを含有する。イオン水の銅イオン濃度は、5ppm〜100ppm、好ましくは10ppm〜50ppmとする。亜鉛イオン濃度は、2ppm〜200ppm、好ましくは5ppm〜50ppmとする。
亜鉛イオン濃度は、銅イオン濃度の0.1倍ないし4倍とする。ワラビ、みず、芋づる、キュウリ、ブロッコリー、きぬざや、野沢菜、おくら、青梅等の野菜、メカブ、ワカメ、昆布、カゴメ昆布等の海藻は、亜鉛イオンのイオン濃度を銅イオンのイオン濃度の約2倍〜4倍とするイオン水に浸漬して、すなわち、亜鉛イオン濃度の高いイオン水に浸漬して最も自然な緑色にできる。ジュン菜は、亜鉛イオンのイオン濃度を銅イオンのイオン濃度の約1/4倍〜1/2倍とするイオン水に浸漬して、すなわち、銅イオン濃度の高いイオン水に浸漬して最も自然な緑色にできる。
イオン水調整工程で得られたイオン水はCu含有酵母と、Zn含有酵母などの金属酵母を含有する。Cu含有酵母とZn含有酵母は、次の分離工程においてイオン水から除去される。分離工程は、銅イオンを放出したCu含有酵母と、亜鉛イオンを放出したZn含有酵母を除去して透明なイオン水とする。この工程で得られる透明なイオン水は、Cu含有酵母から放出された銅イオンと、Zn含有酵母から放出された亜鉛イオンを含み、かつ金属イオンを放出した後のCu含有酵母とZn含有酵母を含まない。この工程で得られる透明なイオン水は、銅イオンと亜鉛イオンの作用で緑色食品を自然な緑色とし、かつ腐食を防止して長期保存する。Cu含有酵母やZn含有酵母を含有するイオン水に緑色食品を浸漬すると、母酵独特の風味が緑色食品に添加されて食品の品質を低下させる。本発明の保存方法は、イオン水調整工程において、金属酵母から金属イオンを放出し、その後、分離工程でCu含有酵母とZn含有酵母を除去して銅イオンと亜鉛イオンを含む透明なイオン水とし、この透明なイオン水を透明な密封容器に充填する。Cu含有酵母とZn含有酵母の除去された透明なイオン水は、Cu含有酵母やZn含有酵母を水に添加して撹拌し、金属酵母から銅イオンや亜鉛イオンを放出させた後、撹拌を停止して金属酵母を底に沈殿させて、清澄な上澄み液を回収して得られる。また、フィルターで金属酵母液をろ過して、金属酵母の除去されたイオン水とすることもできる。
保存工程は、銅イオンと亜鉛イオンを含む透明なイオン水に緑色食品を浸漬して透明な密封容器に充填する。透明なイオン水と緑色食品とを充填する透明な密封容器は、内部の空気を排気して、すなわち、内部には実質的に空気を含まない状態で密閉する。この明細書において「実質的に空気を含まない状態」とは、密封容器内で保存される状態において、緑色食品が内部の空気に接触して変質しない状態を意味する。実質的に空気を含まない状態で密閉された透明な密封容器は、空気中に含まれる細菌が緑色食品を腐食することもなく、緑色食品の空気接触による変色と変質を防止できる。
ところで、保存工程において、緑色食品を浸漬している透明なイオン水は、イオン濃度が経時的に次第に低下しながら、緑色食品を緑色に保持しながら殺菌効果を維持する。たとえば、銅イオンの濃度を30ppm、亜鉛イオンの濃度を10ppmとするイオン水にワラビを浸漬して密封容器に密閉すると、1年経過後には、銅イオン濃度は5ppm以下となり、亜鉛イオンは3ppm以下となる。イオン濃度が低下すると、イオン水による緑色食品の殺菌効果は低下するが、イオン濃度が低下した状態では、イオン水と緑色食品とが既に殺菌された状態となるので、イオン濃度が低下して殺菌力が低下しても、密封容器を開封しない限り、緑色食品は腐敗しない。したがって、消費者が緑色食品を食するときに密封容器を開封するまで、緑色食品は腐敗することなく、自然な緑色に保存される。
保存工程は、イオン水の温度を0℃以上で50℃未満として緑色食品を緑色にしながら長期保存する。このため、この保存工程は、緑色食品とイオン水とを充填している密封容器を冷蔵することなく、また冷凍することもなく、常温で保存して、緑色食品を自然な緑色とし、さらに長期間にわたって腐食しないように保存する。保存工程は、50℃未満で保存して腐食しないので、この工程で、密封容器を冷蔵し、又は冷凍して保存できるのは言うまでもない。
透明な密封容器に充填される緑色食品は、野菜又は海藻である。緑色食品は、採取した後、塩蔵などの方法で保存していない緑色の新鮮なものを使用し、あるいは塩蔵して退色した野菜又は海藻を使用する。本発明の容器詰め緑色食品の保存方法は、退色した緑色食品の食感を低下させることなく緑色に復元し、また、退色していない緑色の緑色食品の食感を低下することなく、自然な緑色として長期間にわたって容器詰め緑色食品として長期保存する。
本発明の容器詰め緑色食品の保存方法が、退色していない新鮮な緑色食品、とくに野菜を緑色に保存するには、保存工程の前工程として、退色工程で緑色食品の緑色を退色させる。退色工程は、緑色状態にある新鮮な緑色食品を酸性水に浸漬して退色させる。この工程は、pHを3.5とする酸性水に緑色食品を浸漬して退色させる。退色工程は、酢酸やシュウ酸などの酢を水に添加して得られる酸性水を使用し、あるいは水を電解して得られる酸性水を使用する。退色工程は、酸性水の温度を20℃以上で50℃未満として、緑色食品を5分〜20分浸漬する。この状態において、緑色食品を酸性水中に浸漬する状態として、緑色食品全体を酸性水に接触させて均一に退色する。緑色食品を退色した後、上方開口容器に洗浄水を供給し、洗浄水で酸性水をオーバーフローさせて排出する。
[実施例1]
この実施例は、塩蔵して緑色から退色している惣菜を下記の工程で処理して、緑色食品である惣菜の緑色を復元し、自然な緑色としながら、常温で長期保存して腐食しない容器詰め緑色食品とする。惣菜には、ワラビ、みず、芋づる、キュウリ、ブロッコリー、きぬざや、野沢菜、青梅を使用する。
(1)イオン水調整工程
この工程は、水に、Cu含有酵母とZn含有酵母を添加して、20ppmの銅イオンと、40ppmの亜鉛イオンを含有するイオン水とする。Cu含有酵母には、5%の銅を含有するCu含有ビール酵母粉末(Kelatron Corporation USA製)を使用し、Zn含有酵母には、10%のZnを含有するZn含有ビール酵母粉末(Kelatron Corporation USA製)を使用する。この工程は、水にCu含有酵母とZn含有酵母とを添加し、これを撹拌して、銅イオンと亜鉛イオンとを放出させる。
(2)分離工程
この工程は、イオン水調整工程において得られるイオン水から、銅イオンを放出したCu含有酵母と、亜鉛イオンを放出させたZn含有酵母を除去して透明なイオン水とする。この工程は、イオン水調整工程で得られるイオン水を、撹拌することなく静かに置いてCu含有酵母とZn含有酵母とを底に沈殿させて、透明な上澄み液を取り出して得られる。
(3)保存工程
分離工程で得られた透明なイオン水を、透明のプラスチックフィルム製の袋に、惣菜と一緒に入れ、空気を排気して、すなわち実質的に空気を含まない状態として密閉して容器詰め緑色食品とする。
以上の工程で得られる容器詰め緑色食品は、冷蔵や冷凍して保存することなく、また加熱することもなく山形地域において、常温で1年半保存して、惣菜は腐食することなく、惣菜としての食感を失うことなく、自然な緑色として保存された。
[実施例2]
新鮮で退色していない新鮮な惣菜を使用し、この惣菜を退色工程で退色させた後、保存工程において、イオン水調整工程と分離工程とで得られた透明なイオン水と一緒に透明の袋に充填する以外、実施例1と同様にして製造された容器詰め緑色食品は、実施例1と同様に、開封しない状態で、常温で1年半保存して、惣菜は腐食することなく、惣菜としての食感をを失うことなく、自然な緑色に保存された。
退色工程は、新鮮で緑色をしている惣菜を酸性水に浸漬して退色させる。
この工程は、上方開口容器に、クエン酸を添加してpH3.5の酸性水を満たし、ここに粘りけのある新鮮な野菜を入れる。
酸性水の温度を40℃に調整して、緑色食品を10分間浸漬して退色させる。その後、上方開口容器に、底部から常温の洗浄水を供給して酸性水をオーバーフローして除去し、容器内を常温の洗浄水で満たす。
[実施例3]
イオン水調整工程で調製するイオン水の銅イオン濃度を10ppmとする以外、実施例1と同じようにして、惣菜の容器詰め緑色食品を製造する。
この実施例で製造された惣菜の容器詰め緑色食品は、実施例1と同様に、開封することなく常温で1年半保存して、惣菜は腐食することなく、惣菜としての食感を失うことなく、自然な緑色に保存された。
[実施例4]
緑色食品を粘りけのあるジュン菜とし、銅イオン濃度を40ppm、亜鉛イオン濃度を20ppmとする以外、実施例1と同様にして製造された粘りけのあるジュン菜である容器詰め緑色食品は、実施例1と同様に、開封しない状態で、常温で1年半保存して、開封すると、腐食せず、しかもジュン菜としての粘りけや食感をを失うことなく、自然な緑色に保存された。
[実施例5、6、7、8]
保存工程において、容器詰め緑色食品を30℃の恒温層に入れて一定とする以外、実施例1、2、3、4と同様にして保存された容器詰め緑色食品は、開封することなく、常温で1年半保存して、惣菜は腐食することなく、食感を失うことなく、自然な緑色に保存された。また、粘りけのあるワラビやジュン菜等の惣菜は、粘りけを失うことなく保存された。
[実施例9]
惣菜を、メカブ、ワカメ、昆布 カゴメ昆布の海藻とする以外、実施例1と同様にして、容器詰め緑色食品を製造する。ただし、使用する海藻は、短時間熱湯に浸漬して緑色としたものを使用する。この実施例で得られる海藻を充填している容器詰め緑色食品は、実施例1と3と同様に、開封することなく常温で1年半保存して、海藻は腐食することなく、また食感を失うことなく、自然な緑色に保存された。
[実施例10]
保存工程において、海藻の容器詰め緑色食品を30℃の恒温層に入れて一定とする以外、実施例9と同様にして保存された容器詰め緑色食品は、開封することなく、常温で1年半保存して、海藻は腐食することなく、食感を失うことなく、自然な緑色に保存された。また、粘りけのあるメカブは、粘りけを失うことなく保存された。
本発明の処理方法は、野菜や海藻を処理して、長期間にわたって腐食することなく、また粘りけを失うことなく緑色に保持して、商品価値の高い野菜や海藻として食用にされる。

Claims (6)

  1. 水にCu含有酵母とZn含有酵母を添加して、Cu含有酵母から銅イオンを、Zn含有酵母から亜鉛イオンを放出させて、5ppm以上で100ppm以下の銅イオンと、2ppm以上で200ppm以下の亜鉛イオンとを含み、かつ亜鉛イオン濃度を銅イオン濃度の0.1倍〜4倍とするイオン水とするイオン水調整工程と、
    前記イオン水調整工程で得られるイオン水から、銅イオンを放出したCu含有酵母と、亜鉛イオンを放出したZn含有酵母とを除去して、銅イオンと亜鉛イオンとを含む透明なイオン水を調整する分離工程と、
    前記分離工程で得られる透明なイオン水に、非加熱殺菌の緑色食品を浸漬する状態であって、かつ実質的に空気を含まない状態で透明な密封容器に充填して、密封容器内のイオン水の温度を0℃以上であって50℃未満に保持して、含有される銅イオンでもって緑色食品を緑色としながら保存する保存工程とからなる、容器詰め緑色食品の保存方法。
  2. 前記イオン水調整工程において、Cu含有酵母から放出される銅イオン濃度を10ppm以上とする請求項1に記載される容器詰め緑色食品の保存方法。
  3. 前記イオン水調整工程において、Cu含有酵母から放出される銅イオン濃度を20ppm以上とする請求項1に記載される容器詰め緑色食品の保存方法。
  4. 前記保存工程に使用する密封容器に、透明のプラスチックシートからなる透明袋を使用する請求項1ないし3のいずれかに記載される容器詰め緑色食品の保存方法。
  5. 前記保存工程で密封容器に充填する緑色食品をワラビ、みず、芋づる、キュウリ、ブロッコリー、きぬざや、野沢菜、おくら、ジュン菜、青梅の何れかとする請求項1ないし4のいずれかに記載される容器詰め緑色食品の保存方法。
  6. 前記保存工程で密封容器に充填する緑色食品を、メカブ、ワカメ、昆布、カゴメ昆布の何れかの海藻とする請求項1ないし4のいずれかに記載される容器詰め緑色食品の保存方法。
JP2012150906A 2012-07-04 2012-07-04 容器詰め緑色食品の保存方法 Pending JP2014011979A (ja)

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