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JP2014006493A - 位相差板の製造方法 - Google Patents

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JP2014006493A JP2013021394A JP2013021394A JP2014006493A JP 2014006493 A JP2014006493 A JP 2014006493A JP 2013021394 A JP2013021394 A JP 2013021394A JP 2013021394 A JP2013021394 A JP 2013021394A JP 2014006493 A JP2014006493 A JP 2014006493A
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ウェイ ツォー ホン
Yu-June Wu
ユイ チュン ウー
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ター レン チウ
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Abstract

【課題】製造工程が簡易で製造コストが抑えられた位相差板の製造方法の提供。
【解決手段】(a)第1の透光性基材10の一面に塗布でマスクパターン20を形成し、他面に光配向性材料層を形成する段階と、(b)第1の透光性基材10の上記一面側から上記他面側に向かって、第1の偏光方向を有する第1の直線偏光紫外線を光配向性材料層に照射し、また、第1の透光性基材10の上記他面側から上記一面側に向かって、第2の偏光方向を有する第2の直線偏光紫外線を光配向性材料層に照射することで、光配向性材料層を2つの異なる配向方向を具えた光配向層32とならしめる段階と、(c)光配向層32に液晶材料を塗布して液晶材料層を形成しこれを硬化させることで、2つの異なる配向方向を具えた位相差板52を形成する段階と、を有することを特徴とする位相差板の製造方法。
【選択図】図7

Description

本発明は、位相差板の製造方法に関し、特に2つの異なる配向方向を有する位相差板の製造方法に関する。
位相差板はいわゆる3D立体映像ディスプレイ技術に用いられている。3D立体映像ディスプレイは、その観賞方法によって、めがねをかけるめがね方式と、めがねをかけない裸眼方式とに分けられる。
裸眼方式は、一般に、ディスプレイの解像度及び輝度ともに比較的低く、また有効視野も狭いので同時に観賞できる人数が限られ、これらの点が克服すべき課題となっている。
めがね方式では、観賞時にめがねをかけなくてはならないところが多少の不便であるが、有効視野が比較的広いので、一台のディスプレイを同時に多くの人数で観賞できるという利点がある。まためがね方式は、概してシャッターめがね方式と、偏光めがね方式とに分けられるが、シャッターめがね方式はコストが比較的高く、また映像のちらつきが起こるという問題もあるため、低コストで、まためがねが軽いためかけやすく且つちらつきの問題がない偏光めがね方式が優勢である。
偏光めがね方式では、互い違いに投影される左眼用映像と右眼用映像とを観賞者の左眼と右眼に別々に投影させるために左右各映像の偏光状態をそれぞれ変えることができる光学フィルムが用いられている。このような光学フィルムとしては一般にパターン化された偏光板あるいは位相差板が用いられている。
特開平11‐84385号公報(特許文献1)では、基板上に設けられたポリイミドなどの配向性のある材料の表面において、ストライプ状に交互に区切られた2つの領域を、それぞれ異なる方向に摩擦することで、パターン化された2つの異なる配向方向(配向規制方向)を具えた配向性層とし、更にその上に液晶層を設けて配向させることで、位相差板を製造するラビング(摩擦)配向方法が開示されている。
しかし、この方法では、材料が摩擦されることで粉塵が発生する上に、摩擦で生じた静電気によりそれら粉塵が基板に付着するという問題がある。しかも、配向性材料の表面にパターン化された2つの領域を形成するために、パターンマスクを用いた複雑なフォトリソグラフィ工程を用いており、工程の精確なコントロールが難しいことから、歩留まりが低いという問題があり、量産には向かない。
特表2012‐517024号公報(特許文献2)では、上記ラビング配向方法の問題点を克服するべく、光配向方法が開示されている。これによれば、それぞれ通過させる偏光の偏光方向が異なる2つの領域を有する偏光板と、該偏光板を通過して異なる方向にそれぞれ偏光された直線偏光紫外線が選択的に通過するように光透過領域と光遮断領域が互い違いに配置されたパターンマスクとを用意し、基板上に設けられた光配向性材料層を、上記偏光板およびパターンマスクを介して平行光源により露光させて硬化させると共に配向性を付与することで、2つの異なる配向方向が具わった配向性層を得た後に、該配向性層に液晶を塗布して更にこれを非直線偏光紫外線の照射で硬化させることで、パターン化された2つの配向方向を具えた位相差板を得ている。
しかし、このような方法は、基板とは別に設けられる例えばガラス製等の硬質のパターンマスクの使用が必須であるので、例えば量産に有利なロールツーロール(roll to roll)方式に応用することが難しい。また、露光時に偏光板とパターンマスクとの位置決めが精確でなくてはいけない上に、パターンマスクと基板との間には一定の間隔があるので、光源が非平行光源、例えば点光源であると、パターンマスクを通過した光が斜めに配向性材料層に照射されたり、あるいはパターンマスクを通過する際の回折等により拡散したりすることで、硬化後の配向性層における2つの配向方向が具わった領域間の境界が不鮮明になるだけでなく、配向結果が不均一となってしまう。そこでこれを防ぐために、露光には平行光源を使用しなくてはならないが、これにより大面積の照射が困難となるだけでなく、製造費用も高くつくので、量産には向かない。
特開平11‐84385号公報 特表2012‐517024号公報
本発明は、上記問題点を解決するために提案されたもので、パターンマスクを使用せず、また配向性材料の露光に用いる光源が平行光源に限られないことで、製造設備や工程が簡易になることにより製造コストが抑えられた位相差板の製造方法の提供を目的とする。
前記目的を達成するために、本発明は、
(a)第1の透光性基材の一面に塗布でマスクパターンを形成し、該一面の反対面である他面に光配向性材料層を形成する段階と、
(b)前記第1の透光性基材の前記一面側から前記他面側に向かって、第1の偏光方向を有する第1の直線偏光紫外線を前記光配向性材料層に照射し、また、前記第1の透光性基材の前記他面側から前記一面側に向かって、前記第1の偏光方向とは異なる第2の偏光方向を有する第2の直線偏光紫外線を前記光配向性材料層に照射することで、前記光配向性材料層を、2つの異なる配向方向を具えた光配向層とならしめる段階と
(c)前記光配向層に液晶材料を塗布して液晶材料層を形成し、該液晶材料層を硬化させることで、2つの異なる配向方向を具えた位相差板を形成する段階と、を有することを特徴とする位相差板の製造方法を提供する。
また、本発明は、上記の製造方法で製造された位相差板を提供する。
更に、本発明は、上記の製造方法で製造された位相差板に、一面に感圧接着層を有する第2の透光性基材を貼着させてなった位相差板積層体をも提供する。
上記方法によれば、マスクパターンが第1の透光性基材の一面に直接塗布により形成されているので、露光の際に別にパターンマスクを用意する必要がない。また、マスクパターンと第1の透光性基材との間には間隔がないことから、マスクパターンを通過した第1の直線偏光紫外線が光配向性材料層に照射される前に拡散することがほぼないので、第1の直線偏光紫外線の光源が平行光源である必要がない。これらにより製造設備及び工程が簡易でありまた製造コストが抑えられた位相差板の製造方法を提供することができる。
本発明に係る位相差板の製造方法における、各実施形態に共通する段階(a)を示す概要断面図である。 本発明に係る位相差板の製造方法における、第1の実施形態での段階(b)において、第1の直線偏光紫外線を光配向性材料層に照射している状態を示す概要断面図である。 本発明に係る位相差板の製造方法における、第1の実施形態での段階(b)において、第1の直線偏光紫外線照射後に、1つの配向方向が光配向性材料層に形成された状態を示す概要断面図である。 本発明に係る位相差板の製造方法における、第1の実施形態での段階(b)において、第2の直線偏光紫外線を光配向性材料層に照射している状態を示す概要断面図である。 本発明に係る位相差板の製造方法における、段階(b)において、第2の直線偏光紫外線照射後に、2つの異なる配向方向が光配向性材料層に形成された状態を示す概要断面図である。 本発明に係る位相差板の製造方法における、段階(c)において、光配向層に液晶材料を塗布して液晶材料層を形成し、該液晶材料層を硬化させている状態を示す概要断面図である。 本発明に係る位相差板の製造方法における、段階(c)において、2つの異なる配向方向を具えた位相差板が形成された状態を示す概要断面図である。 本発明に係る位相差板の製造方法における、第2の実施形態での段階(b)において、第2の直線偏光紫外線を光配向性材料層に照射している状態を示す概要断面図である。 本発明に係る位相差板の製造方法における、第2の実施形態での段階(b)において、第2の直線偏光紫外線照射後に、1つの配向方向が光配向性材料層に形成された状態を示す概要断面図である。 本発明に係る位相差板の製造方法における、第2の実施形態での段階(b)において、第1の直線偏光紫外線を光配向性材料層に照射している状態を示す概要断面図である。 本発明に係る位相差板の製造方法の第4の実施形態において、第2の透光性基材を、硬化した液晶材料層に貼着させる段階を示す概要断面図である。 本発明に係る位相差板の製造方法の第4の実施形態において、第2の透光性基材が、硬化した液晶材料層に貼着された状態を示す概要断面図である。 本発明に係る位相差板積層体の製造において、位相差板が光配向層から剥離された状態を示す概要断面図である。 比較例において光配向性材料層の第1の領域のみが硬化した状態を示す概要断面図である。 比較例において光配向性材料層の第2の領域のみが配向された状態を示す概要断面図である。 実施例A1にて得られた位相差板の配向結果を観察した偏光顕微鏡図である。 比較例B1´にて得られた位相差板の配向結果を観察した偏光顕微鏡図である。 比較例B2´にて得られた位相差板の配向結果を観察した偏光顕微鏡図である。
以下、添付図面を参照しながら、4つの実施形態とそれらに係る具体例を挙げて本発明を詳しく説明する。
<位相差板の製造方法>
(第1の実施形態)
まずは図1〜図7を参照にして、本発明に係る位相差板の製造方法の第1の実施形態を説明する。第1の実施形態は以下の段階(a)〜(c)を有している。
(a)第1の透光性基材10の一面101に遮光性塗料を塗布することで、部分的に遮光性を有するマスクパターン20を形成し、一面101の反対面である他面102に光配向性材料層30を形成する(図1参照)。
(b)まず、第1の透光性基材10の一面101側から他面102側に向かって、第1の偏光方向を有する第1の直線偏光紫外線401を、第1の透光性基材10を透過して光配向性材料層30に照射することで(図2参照)、光配向性材料層30における、マスクパターン20により遮蔽されなかった第1の領域301に、第1の配向方向を付与する(図3参照)。
また、その後、第1の透光性基材10の他面102側から一面101側に向かって、第1の偏光方向とは異なる第2の偏光方向を有する第2の直線偏光紫外線402を光配向性材料層30に照射することで(図4参照)、第1の直線偏光紫外線401照射時にマスクパターン20により遮蔽されていた第2の領域302に、第2の配向方向を付与する(図5参照)。これにより光配向性材料層30を、2つの異なる配向方向を具えた光配向層32とならしめる。
(c)光配向層32に液晶材料を塗布して液晶材料層50を形成し、光配向層32の配向性により液晶材料層50を配向させ、その後これを硬化させる(図6参照)。これにより、2つの異なる配向方向を具えた位相差板52を形成する(図7参照)。
以下、各段階の詳細を説明する。
(段階(a))
第1の透光性基材10としては、透明であり且つ可撓性がある材料からなるものを用いればよい。材料の好ましい例として、ポリエステル(polyester)系樹脂、アセテート(acetate)系樹脂、ポリエーテルスルホン(polyethersulfone)系樹脂、ポリカーボネート(polycarbonate)系樹脂、ポリアミド(polyamide)系樹脂、ポリイミド(polyimide)系樹脂、ポリオレフィン(polyolefin)系樹脂、アクリル(acrylic)系樹脂、ポリ塩化ビニル(polyvinyl chloride)系樹脂、ポリスチレン(polystyrene)系樹脂、ポリビニルアルコール(polyvinyl alcohol)系樹脂、ポリアリレート(polyarylate)系樹脂、ポリフェニレンスルファイド(polyphenylenesulfide)系樹脂、ポリ塩化ビニリデン(polyvinylidene chloride)系樹脂、メタクリル酸エステル(methacrylic ester)系樹脂が挙げられる。
なお、第1の透光性基材10としては、トリアセテートセルロース(triacetate cellulose)またはポリカーボネート(polycarbonate)を材料とするとより好ましい。
段階(a)において、第1の透光性基材10の一面101に塗布することでマスクパターン20を形成するための遮光性塗料としては、特に制限はなく、遮断したい波長域の光を吸収あるいは反射できるものであればよい。例としてはベンゾフェノン(benzophenone)やベンゾトリアゾール(benzotriazole)などの紫外線吸収剤を含んだ塗料、または墨、グラファイト、アゾ顔料、フタロシアニン(phthalocyanine)などを有する遮光インクを含んだ塗料が挙げられる。
上記遮光性塗料は例えば印刷により第1の透光性基材10の一面101に塗布することができる。具体的な方法としては、実施時の利便性により選ばれればよいが、スクリーン印刷、凹版印刷、インクジェット印刷を用いることができる。
また、マスクパターン20の遮光部分における光透過率は、上記遮光性塗料の塗布量により適宜調整することができる。ここでいう光透過率とは、遮断したい波長域の光線がマスクパターン20の遮光部分を通過する前の光量に対する通過した後の光量のパーセンテージである。光線の遮断が目的なのでマスクパターン20の遮光部分の光透過率は低ければ低いほどよく、本発明におけるマスクパターン20としては、光透過率が20%以下、好ましくは15%以下、より好ましくは10%以下となるように形成される。
上記段階(a)において、第1の透光性基材10の他面102に形成される光配向性材料層30には、第1の透光性基材10の一面101においてマスクパターン20の透光部分に位置対応する第1の領域301と、マスクパターン20の遮光部分に位置対応する第2の領域302が画成される(図1参照)。
光配向性材料層30としては、光を照射されることにより光化学反応が起こる樹脂が用いられる。ここでは主に三種類に分けられる。即ち、光異性化(photo-induced isomerization)型樹脂、光架橋(photo-induced cross-linking)型樹脂、光分解(photo-induced cracking)型樹脂である。これらの内どれを用いるかは特に制限されないが、光架橋型樹脂は特に好ましい。
上記光架橋型樹脂としては、ケイ皮酸エステル誘導体(cinnamate derivatives)、カルコン誘導体 (chalcone derivative)、マレイミド誘導体(maleimide derivatives)、キノリノン誘導体(quinolinone derivatives)、ジフェニルメチレン誘導体(diphenylmethylene derivatives)、クマリン誘導体(coumarin derivatives)からなる群より選ばれるとよい。
光配向性材料層30を第1の透光性基材10に形成する方法は、特に制限されないが、実施時の利便性により選ばれればよく、例としてはスピンコーティング(spin coating)法、バーコーティング(bar coating)法、ディップコーティング(dip coating)法、スロットコーティング(slot coating)法、またはスクリーン印刷、凹版印刷などが挙げられる。
(段階(b))
上記の通り、第1の直線偏光紫外線401照射時には、マスクパターン20により遮蔽されていない第1の領域301のみが露光されるので、第1の領域301のみが第1の配向方向を付与されると共に硬化する。つまり、マスクパターン20により遮蔽されている第2の領域302はこの時点では未だいかなる配向方向も有していないと共に未硬化である。第2の領域302は、後に第2の直線偏光紫外線402が照射されることで、第2の配向方向が付与されると共に硬化する。また第1の領域301は第1の直線偏光紫外線401の照射ですでに硬化しているので、後に第2の直線偏光紫外線402が照射されても配向方向は変化せず、つまり第1の配向方向を維持する。これにより、第2の直線偏光紫外線402の照射後には、光配向層32は2つの異なる配向方向を具える。
ここで言う直線偏光紫外線とは、単一の直線偏光方向を持ち、偏光面が平面となる偏光紫外線であり、偏光となっていない通常の紫外線を濾過して、一方向の偏光となっている偏向紫外線だけを透過させることにより得られるもので、一般に偏光フィルムや光学格子を用いることにより得ることができる。また、下述する非直線偏光紫外線とは、通常の紫外線光源が放つ光、つまりは円偏光紫外線であり、強度分布が各方向に均一であり、全方向を照射する。
光配向性材料層30として光架橋型樹脂を用いた場合を例にすると、所定の偏光方向を有する直線偏光紫外線が照射されると、光配向性材料の分子はその影響を受け、該紫外線の偏光方向に沿って再配列されると共に架橋反応により硬化することで、光配向層32となる。後に続く段階で液晶が光配向層32に塗布されると、塗布された液晶の分子が光配向層32のそれぞれの配向方向に沿って配向される。
なお、本実施形態において、以上のように、第1の直線偏光紫外線401を先に、第2の直線偏光紫外線402を後に照射して光配向性材料層30に2つの異なる配向方向を具えさせるためには、光配向性材料層30に対する第1の直線偏光紫外線401の積算露光量が、第2の直線偏光紫外線402のそれを上回るように照射する必要がある。また、第1の直線偏光紫外線401の積算露光量は500mJ/cm2以下であると良い。積算露光量をこれ以上に設定すると、比較的長い露光時間が必要となり、例えばこれをロールツーロール(roll-to-roll)製法で行う場合の支障となるばかりでなく、エネルギーが浪費されコストもかさむ。
なお、ここでいう積算露光量とは、光配向性材料層30が各直線偏光紫外線の一回の照射で露光された露光量の単位面積あたりの時間積分値である。
ここで特記すべきは、光配向性材料層30の第1の領域301と第2の領域302は共に第2の直線偏光紫外線402に露光されるが、第1の直線偏光紫外線401の積算露光量が第2の直線偏光紫外線402のそれを上回るので、第1の領域301が有する第1の配向方向は、第2の直線偏光紫外線402の照射によって変化することがないという点である。
第2の直線偏光紫外線402の積算露光量は、実施時の条件(照射設備や光配向性材料の種類など)によって適宜設定されればよく、光配向性材料層30として光架橋型樹脂を用いた場合は、5mJ/cm2以上であれば光化学反応を起こさせ配向させることができる。
(段階(c))
光配向層32に塗布して液晶材料層50を形成するための液晶材料としては、特に限定されないが、当業者の用い得るいかなる液晶材料を用いてもよく、例としては光架橋型の液晶材料が挙げられる。
また、これを塗布する方法も、実施時の利便性により決められればよく、例としてはスピンコーティング法、バーコーティング法、ディップコーティング法、スロットコーティング法、またはロールツーロールコーティング法などが挙げられる。
また、これを硬化させる方法も、特別な限定はない。例えば光架橋型の液晶材料であれば、非直線偏光紫外線60(図6参照)を液晶材料層50に照射することで、これを硬化させることができる。
液晶材料は光配向層32に塗布されると、光配向層32の配向方向に誘導され、液晶材料中の液晶分子が該配向方向に沿って配列される。この時、光配向層32は2つの異なる配向方向、即ち第1と第2の領域で第1と第2の配向方向を有しているので、液晶材料層50には、それぞれ第1の配向方向に対応して配向された複数の第1のエリア521と、それぞれ第2の配向方向に対応して配向された複数の第2のエリア522とが形成される。その後例えば円偏光などの非直線偏光紫外線60を照射することで、液晶材料層50は硬化し、これにより2つの異なる配向方向を具えた位相差板52が形成される。
(第2の実施形態)
次に図1、図5および図8〜図10を参照にして、本発明に係る位相差板の製造方法の第2の実施形態を説明する。第2の実施形態は第1の実施形態と類似して以下の段階(a)〜(c)を有している。なお、第1の実施形態との主な差異は、段階(b)において、第1の直線偏光紫外線401と第2の直線偏光紫外線402の照射の順番が逆になっている点である。
(a)第1の透光性基材10の一面101に遮光性塗料を塗布することで、部分的に遮光性を有するマスクパターン20を形成し、一面101の反対面である他面102に光配向性材料層30を形成する(図1参照)。
(b)まず、第1の透光性基材10の他面102側から一面101側に向かって、第2の偏光方向を有する第2の直線偏光紫外線402を光配向性材料層30に照射することで(図8参照)、光配向性材料層30における、第1の領域301及び第2の領域302全体に第2の配向方向を付与する(図9参照)。
また、その後、第1の透光性基材10の一面101側から他面102側に向かって、第2の偏光方向とは異なる第1の偏光方向を有する第1の直線偏光紫外線401を、第1の透光性基材10を透過して光配向性材料層30に照射することで(図10参照)、マスクパターン20により遮蔽されなかった第1の領域301の配向方向を、第2の配向方向から第1の配向方向へと変化させる。 一方、マスクパターン20により遮蔽された第2の領域302は、第1の直線偏光紫外線401に露光されないので、第2の配向方向を維持する。これにより光配向性材料層30を、2つの異なる配向方向を具えた光配向層32とならしめる(図5参照)。
(c)光配向層32に液晶材料を塗布して液晶材料層50を形成し、光配向層32の配向性により液晶材料層50を配向させ、その後これを硬化させる(図6参照)。これにより、2つの異なる配向方向を具えた位相差板52を形成する(図7参照)。
第2の実施形態における段階(a)および(c)は第1の実施形態と同様なのでここでは詳細を省き、以下では第1の実施形態と異なる点である段階(b)の詳細を説明する。
本実施形態において、以上のように、第2の直線偏光紫外線402を先に、第1の直線偏光紫外線401を後に照射して光配向性材料層30に2つの異なる配向方向を具えさせるためには、光配向性材料層30に対する第1の直線偏光紫外線401の積算露光量が、第2の直線偏光紫外線402のそれを下回らないように、つまり同量かそれ以上となるように照射する必要がある。また、第1の実施形態と同様に、第1の直線偏光紫外線401の積算露光量は500mJ/cm2以下であると良い。
ここで特記すべきは、光配向性材料層30の第1の領域301は、まず第2の直線偏光紫外線402に露光された際に第2の偏光方向を有するようになるが、その後に第1の直線偏光紫外線401に露光されると、第1の直線偏光紫外線401が第2の直線偏光紫外線402よりも積算露光量にして同量かあるいはそれ以上となるように照射されるので、第1の直線偏光紫外線401の影響を受けて配向方向が変化し、第1の配向方向を有するようになるという点である。
なお、本発明に係る位相差板により良好な3Dディスプレイ効果を得るために、上記各実施形態では、第1の直線偏光紫外線401と第2の直線偏光紫外線402とは、互いの偏光方向が垂直になるようにそれぞれ照射されることが好ましい。
本発明にて用いられる第1の透光性基材10は、上述の通り、透明であり且つ可撓性があるプラスチック材からなるものであるが、このようなプラスチック材は一般に所定方向に引き伸ばされて作られたポリマーからなるもので、複屈折性、つまりは位相差を有している。周知の通り、位相差と複屈折率の間には以下の式(a)が成り立つ。
Ro=△n・d (a)
式(a)において、Roは位相差値を示し、△nは異なる軸方向同士の屈折率の差、つまり複屈折率を示し、dは基材の厚さを示す。△nは、プラスチック材に用いる材質の物性によるもので、用いる材料によって変化する。そこで、プラスチック材の種類と基材の厚さを調整すれば、第1の透光性基材10の位相差値を調整することができる。
第1の透光性基材10に用いる材料の位相差値が高すぎると、第1の直線偏光紫外線401が第1の透光性基材10を透過する際にその偏光特性が変わってしまい、光配向性材料に配向方向を付与することができない円偏光や、光配向性材料に配向方向を付与する効果が比較的弱い楕円偏光に変化してしまい、光配向性材料層30の第1の領域301に均一の配向方向を付与することができなくなる。
そこで、上記各実施形態では、第1の透光性基材10として、位相差値が高すぎないものを用いる。具体的に言うと、第1の透光性基材10の遅相軸(屈折率が大きい方の軸)の方向と、第1の直線偏光紫外線401の第1の偏光方向または第2の直線偏光紫外線402の第2の偏光方向とが成す角度(夾角)が、0度または90度となるように配置する場合、つまり一方が0度、他方が90度となるように配置する場合、第1の透光性基材10としては、位相差値が300nmより小さいものを用いることが好ましい。また、同角度がそれぞれ45度となるように配置する場合、つまり一方が+45度、他方が−45度となるように配置する場合、第1の透光性基材10としては、位相差値が100nmより小さいものを用いることが好ましい。
(第3の実施形態)
次に、本発明に係る位相差板の製造方法の第3の実施形態を説明する。第3の実施形態では、上記第1または第2の実施形態での段階(c)に続いて、第1の透光性基材10の一面101に形成されているマスクパターン20を除去する段階を更に有している。
マスクパターン20を除去する方法は特に限定されないが、例として溶剤により溶解する方法や、機械的に削り取る方法が挙げられる。
(第4の実施形態)
次に、本発明に係る位相差板の製造方法の第4の実施形態を説明する。第4の実施形態では、上記第1または第2の実施形態での段階(c)に続いて、第2の透光性基材80を、位相差板52に貼着させる段階を更に有している。
なお、第2の透光性基材80として用いる材料の好ましい例としては、第1の透光性基材10と同様に、ポリエステル(polyester)系樹脂、アセテート(acetate)系樹脂、ポリエーテルスルホン(polyethersulfone)系樹脂、ポリカーボネート(polycarbonate)系樹脂、ポリアミド(polyamide)系樹脂、ポリイミド(polyimide)系樹脂、ポリオレフィン(polyolefin)系樹脂、アクリル(acrylic)系樹脂、ポリ塩化ビニル(polyvinyl chloride)系樹脂、ポリスチレン(polystyrene)系樹脂、ポリビニルアルコール(polyvinyl alcohol)系樹脂、ポリアリレート(polyarylate)系樹脂、ポリフェニレンスルファイド(polyphenylenesulfide)系樹脂、ポリ塩化ビニリデン(polyvinylidene chloride)系樹脂、メタクリル酸エステル(methacrylic ester)系樹脂が挙げられる。
<位相差板積層体の製造>
以下は、図11〜図13を参照に、本発明に係る位相差板を含んでなる位相差板積層体の製造方法を説明する。
該製造方法は、上記位相差板の製造方法により製造された位相差板52(図7参照)に、一面に感圧接着層70が設けられた第2の透光性基材80を、位相差板52の表面524と感圧接着層70の表面702とを密着させるように貼着させる段階と(図11、図12参照)、それらを充分に貼着させた後に、第2の透光性基材80と位相差板52とを含んだ位相差板積層体90と、第1の透光性基材10と光配向層32とを含んだ透光性基材積層体100とが分かれて形成されるように、位相差板52を光配向層32から剥離させる段階を含んでいる。
感圧接着層70の材料としては、特に限定されないが、アクリル(acrylic)、ウレタン(urethane)、ポリイソブチレン(polyisobutylene)、ゴム(例えばスチレンブタジエンゴム)、ポリビニルエーテル(polyvinyl ether)、エポキシ樹脂(epoxy resin)、メラミン樹脂(melamine resin)、ポリエステル(polyester)、フェノール樹脂(phenolic resin)、シリコーン(silicone)またはこれらの混合物からなる感圧接着剤を用いることができる。
感圧接着層70を第2の透光性基材80の一面に設ける方法は、実施時の利便性により選ばれればよく、例としてはスピンコーティング法、バーコーティング法、スロットコーティング法などが挙げられる。
[実施例及び比較例]
以下には、具体的な実施例を示して、本発明の実施方法を更に詳しく説明する。また、各比較例も示して、本発明の実施方法による効果を比較説明する。なお、以下の実施例は説明に更なる具体性を供すために示すものであり、本発明を限定する意図を示すものではない。なお、以下の各実施例および各比較例においては、第1と第2の直線偏光紫外線の光源として非平行光源を用いた。
1. 光配向性材料層を形成する塗布液の作製(各実施例及び比較例共通)
(1) メチルエチルケトン(methylethylketone)とシクロペンタノン(cyclopentanone)とを1:1の重量比率で混合し、混合溶剤3.5gを得た。
(2) 光架橋型の樹脂(スイスRolic社製、型番:ROP103、ケイ皮酸エステル系樹脂、固形分10%)0.5gを該混合溶剤に加えて、固形分が1.25%となる光配向性材料塗布液を得た。
2. 液晶材料層を形成する液晶塗布液の作製(各実施例及び比較例共通)
3. 液晶材料(ドイツBASF社製、型番:LC242)1gをシクロペンタノン4gに分散させ、固形分20%の液晶塗布液を得た。
4. 位相差板の作製
5. A.第1の透光性基材の位相差値が異なる場合
<第1の直線偏光紫外線を先に照射した例>
(実施例A1)
実施例A1における位相差板の製造方法は以下の段階を含んでいる。
(a1)マスクパターン形成段階:
粘結剤(熱硬化性樹脂、型番:medium)と溶剤(トルエン)を1:1の重量比率で混合し、10gの混合液を得た。
続いて、この混合液に、紫外線吸収剤(台湾Everlight Chemical社製、型番:Eversorb51)を、重量比率が1:50(即ち、紫外線吸収剤と粘結剤が1:25)となるように混合した。
次に、該混合液を、凹版印刷法によって、ポリカーボネート基材(第1の透光性基材、厚さ60μm、複屈折率(△n)2.17×10-4、位相差値13nm)の一面に、所定のパターンが形成されると共に厚さが約1μmとなるよう塗布した。
その後、該基材をオーブンに入れ、60℃、30秒間の条件で加熱し、マスクパターンが形成された基材を得た。なお、該マスクパターンの遮光部分の光透過率は10%であった。
(a2)光配向性材料層形成段階:
上記光配向性材料塗布液4gを、スピンコーティング法(3000rpm、40秒間)にて、段階(a1)を経た第1の透光性基材の該一面の反対面である他面に平坦に塗布した。
続いて、該基材をオーブンに入れ、100℃、2分間の条件で加熱し、該塗布液中の溶剤(メチルエチルケトン及びシクロペンタノン)を除去した後に、室温に冷ますことで光配向性材料層を形成した。
(b1)一回目の露光段階(第1の直線偏光紫外線):
偏光方向の角度が第1の透光性基材の遅相軸に対して0°となる第1の直線偏光紫外線を、第1の透光性基材の上記一面側から他面側に向かって、第1の透光性基材を透過して光配向性材料層に照射した(積算露光量180mJ/cm2、図2参照)。これにより、光配向性材料層における、マスクパターンにより遮蔽されなかった第1の領域が第1の配向方向を具えたと共に硬化した一方、マスクパターンにより遮蔽されていた第2の領域は配向されず硬化もしていない(図3参照)。
(b2)二回目の露光段階(第2の直線偏光紫外線):
偏光方向の角度が第1の透光性基材の遅相軸に対して90°となる第2の直線偏光紫外線を、第1の透光性基材の上記他面側から一面側に向かって、光配向性材料層に照射した(積算露光量90mJ/cm2)。これにより、光配向性材料層の第2の領域が、第1の領域の第1の配向方向と直交する第2の配向方向を具えたと共に硬化した。よって、光配向性材料層を、2つの異なる配向方向を具えた光配向層とならしめた。
(c1)液晶材料層の形成段階:
上記液晶塗布液5gを、スピンコーティング法(3000rpm、40秒間)にて、光配向層の表面に塗布した。
続いて、該基材をオーブンに入れ、60℃、5分間の条件で加熱し、該塗布液中の溶剤(シクロペンタノン)を除去した後に、室温に冷ますことで液晶材料層を形成した。
(c2)位相差板の形成段階:
液晶材料層に非直線偏光紫外線を照射して(積算露光量120mJ/cm2)、液晶材料層を硬化させることで位相差板とならしめた。この際、位相差板においては、光配向層の第1の領域に対応して第1の配向方向を具えた第1のエリア(図16における521)と、第2の領域に対応して第2の配向方向を具えた第2のエリア(図16における522)とが形成された。
実施例A1にて得られた位相差板を、偏光顕微鏡で観察した結果、均一で良好な配向結果が得られていたことが観察された(図16参照)。
(実施例A2)
実施例A2では、第1の透光性基材として、複屈折率(△n)4.50×10-3、位相差値270nmとなるものを用いた。その他は実施例A1と同じである。
(実施例A3)
実施例A3では、第1の透光性基材として、複屈折率(△n)1.33×10-3、位相差値80nmとなるものを用いた。その他は実施例A1と同じである。
(実施例A4)
実施例A4では、第1と第2の直線偏光紫外線の偏光方向の角度が第1の透光性基材の遅相軸に対してそれぞれ+45°、−45°となるように露光した。その他は実施例A3と同じである。
(比較例A1´)
比較例A1´では、第1の透光性基材として、複屈折率(△n)5.00×10-3、位相差値300nmとなるものを用いた。その他は実施例A1と同じである。
(比較例A2´)
比較例A2´では、第1の透光性基材として、複屈折率(△n)1.67×10-3、位相差値100nmとなるものを用いた。その他は実施例A4と同じである。
<第2の直線偏光紫外線を先に照射した例>
(実施例A5)
実施例A5では、段階(b1)と(b2)が以下のように実施例A1と異なり、第2の直線偏光紫外線を先に、第1の直線偏光紫外線を後に照射した。その他は実施例A1と同じである。
(b1)一回目の露光段階(第2の直線偏光紫外線):
偏光方向の角度が第1の透光性基材の遅相軸に対して90°となる第2の直線偏光紫外線を、第1の透光性基材の上記他面側から一面側に向かって、光配向性材料層に照射した(積算露光量90mJ/cm2、図8参照)。これにより、光配向性材料層における、第1と第2の領域(つまり全体)が第2の配向方向を具えた(図9参照)。
(b2)二回目の露光段階(第1の直線偏光紫外線):
偏光方向の角度が第1の透光性基材の遅相軸に対して0°となる第1の直線偏光紫外線を、第1の透光性基材の上記一面側から他面側に向かって、第1の透光性基材を透過して光配向性材料層に照射した(積算露光量90mJ/cm2、図10参照)。これにより、光配向性材料層における、マスクパターンにより遮蔽されなかった第1の領域が第2の配向方向から第1の配向方向に変化した一方、マスクパターンにより遮蔽されていた第2の領域は第2の配向方向を維持した。
(実施例A6)
実施例A6では、第1の透光性基材として、複屈折率(△n)4.50×10-3、位相差値270nmとなるものを用いた。その他は実施例A5と同じである。
(実施例A7)
実施例A4では、第1と第2の直線偏光紫外線の偏光方向の角度が第1の透光性基材の遅相軸に対してそれぞれ+45°、−45°となるように露光した。その他は実施例A6と同じである。
(比較例A3´)
比較例A3´では、第1の透光性基材として、複屈折率(△n)5.00×10-3、位相差値300nmとなるものを用いた。その他は実施例A5と同じである。
(比較例A4´)
比較例A4´では、第1の透光性基材として、複屈折率(△n)1.67×10-3、位相差値100nmとなるものを用いた。その他は実施例A8と同じである。
各実施例A1〜A8及び比較例A1´〜A4´で作製された位相差板に対して、位相差測定装置(王子計測機器株式会社製、商品名:KOBRA−CCD)を用いて各位相差板の第1のエリア及び第2のエリアの液晶配向方向を測定した結果、以下の表1の通りとなった。
表1から読み取れるように、実施例A1〜A4では、光配向性材料層の第1の領域において、段階(b1)つまり一回目の露光段階で第1の直線偏光紫外線の照射により付与された第1の配向方向が、段階(b2)つまり二回目の露光段階で第2の直線偏光紫外線を照射されても変化しなかった結果、図5に示したように、2つの配向方向を具えた配向層が形成された。また、その後の段階(c2)を経て得られた位相差板は2つの配向方向を具えていた。
一方、比較例A1´では、第1の直線偏光紫外線の偏光方向の角度が第1の透光性基材の遅相軸に対して0°となる条件において、第1の透光性基材として位相差値が300nmとなるものを用いたので、位相差値が高すぎることにより、段階(b1)で第1の直線偏光紫外線が第1の透光性基材を透過した際に、その振動状態が変化して円偏光になってしまう。円偏光では光配向性材料を硬化できるのみで配向はできない。つまり露光された第1の領域は硬化するだけで配向方向は付与されなかった。一方マスクパターンにより遮蔽されていた第2の領域は一回目の露光段階では未硬化なので、図14に示したように光配向性材料層は間隔をおいて部分的に硬化した。続く段階(b2)では、第2の直線偏光紫外線の照射により第2の領域が第2の配向方向を具えると共に硬化した。この際、第1の領域は、前の段階(b1)ですでに完全に硬化しており、第2の直線偏光紫外線の影響を受けず、やはり何れの配向方向も有さなかったので、図15に示したように、光配向層においては第2の領域のみに配向方向が付与された。これにより、段階(c2)を経て得られた位相差板も単一の配向方向だけを具えていた。
同様に、比較例A2´では、第1の直線偏光紫外線の偏光方向の角度が第1の透光性基材の遅相軸に対して+45°となる条件において、第1の透光性基材として位相差値が100nmとなるものを用いたので、位相差値が高すぎることにより、第1の直線偏光紫外線に露光された第1の領域は、硬化するだけで配向方向は付与されなかった。これにより、段階(c2)を経て得られた位相差板も単一の配向方向だけを具えていた。
また、実施例A5〜A8では、二回目の露光段階(b2)での第1の直線偏光紫外線の積算露光量が、一回目の露光段階(b1)での第2の直線偏光紫外線の積算露光量を下回らないように照射されたので(第1と第2の直線偏光紫外線の積算露光量ともに90mJ/cm2)、段階(b1)にて光配向性材料層の第1と第2の領域全体が単一の配向方向(第2の配向方向)を付与された後に、段階(b2)にてそのうち第1の領域だけを第1の配向方向へと変化させることができた。その結果、実施例A1〜A4と同様に、図5に示したように、2つの配向方向を具えた配向層が形成され、また、その後の段階(c2)を経て得られた位相差板は2つの配向方向を具えていた。
一方、比較例A3´では、第2の直線偏光紫外線の偏光方向の角度が第1の透光性基材の遅相軸に対して90°となる条件において、第1の透光性基材として位相差値が300nmとなるものを用いたので、位相差値が高すぎることにより、比較例A1´及びA2´と同じく、段階(c2)を経て得られた位相差板は単一の配向方向だけを具えていた。
同様に、比較例A4´では、第2の直線偏光紫外線の偏光方向の角度が第1の透光性基材の遅相軸に対して−45°となる条件において、第1の透光性基材として位相差値が100nmとなるものを用いたので、位相差値が高すぎることにより、段階(c2)を経て得られた位相差板は単一の配向方向だけを具えていた。
以上の結果から以下の事が帰結される。
まず比較例A1´及びA3´並びに実施例A2及びA6の結果から、第1の透光性基材としては、位相差値が300nmより小さいものを用いることが好ましいことがわかる。
また、第1または第2の直線偏光紫外線のうち一回目に照射される方の偏光方向と第1の透光性基材の遅相軸の方向とがなす角度が±45°となる場合には、第1の透光性基材としては、位相差値が300nmより小さいものでも直線偏光紫外線の偏光状態が変わってしまう。そこで、比較例A2´及びA4´並びに実施例A4及びA8の結果からわかる通り、第1または第2の直線偏光紫外線の偏光方向と第1の透光性基材の遅相軸方向とが成す角度が45°となる場合には、第1の透光性基材としては、位相差値が100nmより小さいものを用いることが好ましい。
また、二回目の露光段階(b2)で照射する直線偏光紫外線の積算露光量が、一回目の露光段階(b1)で照射する直線偏光紫外線の積算露光量を下回らないように露光すれば、実施例A5〜A8のように、一回目の露光段階で付与された配向方向を二回目の露光段階で変化させることができる。ただ、二回目の露光段階での積算露光量も、エネルギーの浪費とならない範囲に収めるべきであることは言うまでもなく、よって上記各実施例では、一回目と二回目の露光段階での積算露光量が同量となるように露光した。
B.マスクパターンの光透過率が異なる場合
(実施例B1)
実施例B1での位相差板の製造方法は実施例A1とほぼ相同するが、マスクパターン形成段階(a1)だけが異なり、ここでは、マスクパターンの遮光部分における光透過率を実施例A1より高めるために、上記紫外線吸収剤の混合液における重量比率が1:75(即ち、紫外線吸収剤と粘結剤が1:37.5)となるように混合した。
(実施例B2)
実施例B2での位相差板の製造方法は実施例B1とほぼ相同するが、ここでは、マスクパターンの遮光部分における光透過率を実施例B1より高めるために、上記紫外線吸収剤の混合液における重量比率が1:100(即ち、紫外線吸収剤と粘結剤が1:50)となるように混合した。
(実施例B3)
実施例B3での位相差板の製造方法は実施例B1とほぼ相同するが、ここでは、マスクパターンの形成に紫外線吸収剤混合液を用いず、代わりに、マスクパターンの遮光部分における光透過率を0%とするために、金属クロムを第1の透光性基材の一面にスパッタリングしてから、所定のパターンが形成されるようにレーザーエッチングにより金属クロム層を部分的に除去した。
以下表2に、実施例A1、B1〜B3での各マスクパターンの光透過率と、これら実施例で形成された位相差板の配向結果を示す。
表2から読み取れるように、マスクパターンの遮光部分は完全に光を遮断するものでなくても、位相差板における2つの配向方向の形成に影響を及ぼさない。
B´. 硬質のパターンマスクを用いた場合の比較例
以下に、上記各実施例のように紫外線吸収剤混合液を塗布することにより直接第1の透光性基材の一面にマスクパターンを形成するのではなく、代わりに遮光手段として第1の透光性基材とは別に設けられた硬質のパターンマスクを用いた場合を比較例として示す。なお、本比較例では上記各実施例と同様に、第1と第2の直線偏光紫外線の光源として非平行光源を用いている点に留意されたい。
(比較例B1´)
比較例B1´での位相差板の製造方法は、実施例A5に類似するが、その内のマスクパターン形成段階(a1)が省かれており、その代わりとして、ガラス板の一面に金属クロムをスパッタリングした後に、遮光部分と透光部分が所定のパターンを形成するようにレーザーエッチングにより金属クロム層を部分的に除去したものをフォトマスクとして、以下に示すように一回目の露光段階(b1)と二回目の露光段階(b2)を行った。これ以外の、後に続く(c1)液晶材料層の形成段階及び(c2)位相差板の形成段階は上記各実施例と同じである。
(b1)一回目の露光段階(第2の直線偏光紫外線):
第1の透光性基材に設けられている光配向性材料層の上に、光配向性材料層との間隔が200μmとなるようにスペーサーを挟んで上記フォトマスクを配置した。なお、このように間隔を設けたのはフォトマスクが光配向性材料層に接触して影響を与えないようにするためである。続いて、偏光方向の角度が第1の透光性基材の遅相軸に対して90°となる第2の直線偏光紫外線を、フォトマスクを透して、光配向性材料層に照射した(積算露光量180mJ/cm2)。これにより、光配向性材料層における、フォトマスクの透光部分に位置対応する第1の領域が露光され第2の配向方向を具えた。
(b2)二回目の露光段階(第1の直線偏光紫外線):
偏光方向の角度が第1の透光性基材の遅相軸に対して0°となる第1の直線偏光紫外線を、フォトマスクが設けられていない側から、第1の透光性基材を透過して光配向性材料層に照射した(積算露光量90mJ/cm2)。これにより、光配向性材料層における、(b1)にてフォトマスクに遮蔽されていた第2の領域が露光され第1の配向方向を具えた。その後、フォトマスク及びスペーサーを第1の透光性基材から除去した。
(比較例B2´)
比較例B2´は各露光段階(b1)(b2)が以下のように異なる以外は、比較例B1´と同様である。
(b1)一回目の露光段階(第1の直線偏光紫外線):
偏光方向の角度が第1の透光性基材の遅相軸に対して0°となる第1の直線偏光紫外線を、第1の透光性基材を透過するように光配向性材料層に照射した(積算露光量90mJ/cm2)。これにより、光配向性材料層の全体(第1と第2の領域)が第1の配向方向を具えた。
(b2)二回目の露光段階(第2の直線偏光紫外線):
光配向性材料層の上に、光配向性材料層との間隔が200μmとなるようにスペーサーを挟んで上記フォトマスクを配置した。続いて、偏光方向の角度が第1の透光性基材の遅相軸に対して90°となる第2の直線偏光紫外線を、フォトマスクを透して、光配向性材料層に照射した(積算露光量90mJ/cm2)。これにより、光配向性材料層において、フォトマスクの透光部分に位置対応する第1の領域が露光され、第1の領域の配向方向が、第1の配向方向から第2の配向方向に変化した。その後、フォトマスク及びスペーサーを第1の透光性基材から除去した。
図17は比較例B1´にて得られた位相差板の配向結果を観察した偏光顕微鏡図であり、図18は比較例B2´にて得られた位相差板の配向結果を観察した偏光顕微鏡図である。
図示から見て取れるように、比較例B1´、B2´で得られた位相差板の配向結果は良好ではなく、特に位相差板における第2のエリア522の液晶配向方向が不均一であり、第2のエリア522の配向方向は前述の位相差測定装置では測定不能となった。また第1のエリア521と第2のエリア522との境界も実施例A1でのもの(図16)と比べて不鮮明であった。
このような結果は、(b1)(b2)での各露光段階における第1と第2の直線偏光紫外線として、設備が比較的廉価ですむ非平行光源を用いて、光配向性材料層との間に間隔を有するフォトマスクを通して光配向性材料層を露光したことにより、フォトマスクと光配向性材料層の間で第2の直線偏光紫外線が拡散してしまい、遮蔽されるべき領域(第2の領域)の一部も露光してしまったこと、及び、拡散により直線偏光紫外線の偏光方向が変化してしまったことに起因する。
1. 位相差板積層体の作製
<第1の直線偏光紫外線を先に照射した例>
(実施例C1)
位相差板積層体の作製に係る実施例C1は、上記した位相差板の作製実施例A1と類似するが、マスクパターン形成段階(a1)が以下のように実施例A1と異なり、且つ位相差板の形成段階(c2)の後に、更に以下に示す第2の透光性基材貼着段階(d1)と位相差板剥離段階(d2)とを有している。
(a1)マスクパターン形成段階:
遮光インクとして、ブラックインク(台湾、台箔科技社製)1gを、凹版印刷法によって、ポリカーボネート基材(第1の透光性基材、厚さ60μm、複屈折率(△n)2.17×10-4、位相差値13nm)の一面に、所定のパターンが形成されると共に厚さが約2μmとなるよう塗布した。
その後、該基材をオーブンに入れ、60℃、30秒間の条件で加熱し、マスクパターンが形成された基材を得た。なお、該マスクパターンの遮光部分の光透過率は1%未満であった。
(d1)第2の透光性基材貼着段階:
アクリル系感圧接着剤塗布液10g(固形分40%)をバーコーティング法によりトリアセテートセルロース基材(第2の透光性基材80)に塗布した。続いて、該基材をオーブンに入れ、100℃、2分間の条件で加熱し、該塗布液中の溶剤を除去した後に、室温に冷ますことで感圧接着層を形成した。該感圧接着層は、乾燥被覆厚さが20μm、ガラスに対する剥離強度が200gf/25mmであった。
このように一面に感圧接着層を設けたトリアセテートセルロース基材(第2の透光性基材)を、位相差板の形成段階(c2)で得られた位相差板の表面に、該感圧接着層を間に挟むように充分に密着させた。
(d2)位相差板の剥離段階:
その後、第2の透光性基材を、第1の透光性基材側に設けられていた位相差板ごと、第1の透光性基材から剥離することで、第2の透光性基材と位相差板とが積層されてなった位相差板積層体と、第1の透光性基材と光配向層が積層されてなった透光性基材積層体とがそれぞれ形成された。
(実施例C2)
位相差板積層体の作製に係る実施例C2は、上記した位相差板の作製実施例A2と類似するが、位相差板の形成段階(c2)の後に、更に実施例C1と同様に第2の透光性基材貼着段階(d1)と位相差板剥離段階(d2)とを有している。
<第2の直線偏光紫外線を先に照射した例>
(実施例C3)
位相差板積層体の作製に係る実施例C3は、上記した位相差板の作製実施例A5と類似するが、位相差板の形成段階(c2)の後に、更に実施例C1と同様に第2の透光性基材貼着段階(d1)と位相差板剥離段階(d2)とを有している。
1. マスクパターンの除去
(実施例D1〜D8)
実施例D1〜D8は、それぞれ実施例A1〜A8と対応するが、位相差板の形成段階(c2)の後に、トルエンが塗布されたクリーニングローラーにより、第1の透光性基材に設けられているマスクパターンを拭き取って除去する段階を更に有している。
以上、総括すると、本発明に係る位相差板の製造方法によれば、第1の透光性基材10の一面101に塗布でマスクパターン20を形成するので、別にガラスなどからなるフォトマスクを用意する必要がないだけでなく、マスクパターン20と第1の透光性基材10との間には間隔がないので、照射される直線偏光紫外線の拡散が防がれる。またマスクパターンが設けられる第1の透光性基材10は可撓性がある材料からなっている上に、上述のように別にフォトマスクが必要ないので、本発明に係る製造方法は例えばロールツーロール工程にも応用できる。更に、直線偏光紫外線の光源として平行光源の使用が必須である従来の製造方法のような光源の制限がなく、非平行光源を用いても2つの配向方向を具えた良質の位相差板が製造できるので、製造コストを大幅に抑えることができる。また、本発明に係る製造方法によれば位相差板積層体をも製造できるので、例えば薄型化が求められる3Dディスプレイに応用することができる。
以上、本発明の好ましい実施形態を説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能であることはいうまでもない。
本発明にかかる位相差板の製造方法によれば、簡易な工程でコストが抑えられた位相差板が製造できるので例えば3D立体映像を表示するディスプレイの製造に有用である。
10 第1の透光性基材
101 一面
102 他面
20 マスクパターン
30 光配向性材料層
301 第1の領域
302 第2の領域
32 光配向層
401 第1の直線偏光紫外線
402 第2の直線偏光紫外線
50 液晶材料層
52 位相差板
521 第1のエリア
522 第2のエリア
524 表面
60 非直線偏光紫外線
70 感圧接着層
702 表面
80 第2の透光性基材
90 位相差板積層体
100 透光性基材積層体

Claims (13)

  1. (a)第1の透光性基材の一面に塗布でマスクパターンを形成し、該一面の反対面である他面に光配向性材料層を形成する段階と、
    (b)前記第1の透光性基材の前記一面側から前記他面側に向かって、第1の偏光方向を有する第1の直線偏光紫外線を前記光配向性材料層に照射し、また、前記第1の透光性基材の前記他面側から前記一面側に向かって、前記第1の偏光方向とは異なる第2の偏光方向を有する第2の直線偏光紫外線を前記光配向性材料層に照射することで、前記光配向性材料層を、2つの異なる配向方向を具えた光配向層とならしめる段階と
    (c)前記光配向層に液晶材料を塗布して液晶材料層を形成し、該液晶材料層を硬化させることで、2つの異なる配向方向を具えた位相差板を形成する段階と、
    を有することを特徴とする位相差板の製造方法。
  2. 前記(b)段階において、前記第1の直線偏光紫外線を、前記光配向性材料層に対する積算露光量が前記第2の直線偏光紫外線のそれを上回るように且つ前記第2の直線偏光紫外線よりも先に照射することを特徴とする請求項1に記載の位相差板の製造方法。
  3. 前記(b)段階において、前記第1の直線偏光紫外線を、前記光配向性材料層に対する積算露光量が前記第2の直線偏光紫外線のそれを下回らないように且つ前記第2の直線偏光紫外線よりも後に照射することを特徴とする請求項1に記載の位相差板の製造方法。
  4. 前記第1の透光性基材としては、位相差値が300nmより小さい位相差を有するものを用い、且つそれを、その遅相軸の方向と、前記第1の直線偏光紫外線の前記第1の偏光方向または前記第2の直線偏光紫外線の前記第2の偏光方向とが成す角度が0度または90度となるように配置することを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の位相差板の製造方法。
  5. 前記第1の透光性基材としては、位相差値が100nmより小さい位相差を有するものを用い、且つそれを、その遅相軸の方向と、前記第1の直線偏光紫外線の前記第1の偏光方向または前記第2の直線偏光紫外線の前記第2の偏光方向とが成す角度が45度となるように配置することを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の位相差板の製造方法。
  6. 前記マスクパターンを、紫外線吸収剤または遮光インクを含んだ塗料の塗布で形成する
    ことを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の位相差板の製造方法。
  7. 前記第1の直線偏光紫外線と前記第2の直線偏光紫外線とを、それぞれの偏光方向である前記第1の偏光方向と前記第2の偏光方向とが垂直になるように照射することを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載の位相差板の製造方法。
  8. 前記(c)段階の後に、第2の透光性基材を、前記位相差板に貼着させる段階を更に有することを特徴とする請求項1〜7のいずれか1項に記載の位相差板の製造方法。
  9. 前記(c)段階の後に、前記マスクパターンを、前記第1の透光性基材の前記一面から除去する段階を更に有することを特徴とする請求項1〜8のいずれか1項に記載の位相差板の製造方法。
  10. 前記第1の透光性基材および前記第2の透光性基材としては、ポリエステル系樹脂、アセテート系樹脂、ポリエーテルスルホン系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリイミド系樹脂、ポリオレフィン系樹脂、アクリル系樹脂、ポリ塩化ビニル系樹脂、ポリスチレン系樹脂、ポリビニルアルコール系樹脂、ポリアリレート系樹脂、ポリフェニレンスルファイド系樹脂、ポリ塩化ビニリデン系樹脂、メタクリル酸エステル系樹脂からなる群より選ばれる材料からなるものを用いることを特徴とする請求項1〜9のいずれか1項に記載の位相差板の製造方法。
  11. 前記第1の透光性基材および前記第2の透光性基材としては、トリアセテートセルロースまたはポリカーボネートからなるものを用いることを特徴とする請求項1〜9のいずれか1項に記載の位相差板の製造方法。
  12. 請求項1〜7のいずれか1項に記載の位相差板の製造方法により製造された位相差板。
  13. 請求項12に記載の位相差板に、一面に感圧接着層を有する第2の透光性基材を貼着させてなった位相差板積層体。
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