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JP2013254041A - ダイヤモンド微粒子を含有する膜を有する眼鏡用レンズ、及びその製造方法 - Google Patents

ダイヤモンド微粒子を含有する膜を有する眼鏡用レンズ、及びその製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】複雑な加工作業を行うことなしに、簡便な方法により、レンズ基材の物体側の屈折面及び眼球側の屈折面が、適切な光学性能が得られるように加工された眼鏡用レンズ、及びその製造方法を提供する。
【解決手段】レンズ基材と、前記レンズ基材の少なくとも1つの面に設けられたダイヤモンド微粒子を含有する膜とを有する眼鏡用レンズ。
【選択図】図1

Description

本発明は、ダイヤモンド微粒子を含有する膜を有する眼鏡用レンズ、及びその製造方法に関し、詳しくは面方向に厚み及び/又は屈折率が変化したダイヤモンド微粒子を含有する膜を有する眼鏡用レンズ、及びその製造方法に関する。
眼科用レンズは、一般に、ユーザーごとに処方された視力矯正の情報を基に、レンズ基材の正面及び背面の形状を、適切な屈折率となるように研削及び研磨することによって得られる。前記レンズ基材としては、一方の面には光学面が形成されており、他方の面は非光学面であるセミフィニッシュレンズ(半完成品)が使用され、このセミフィニッシュレンズの前記非光学面を研削及び研磨することによって完成品の眼鏡用レンズとする。
眼鏡用レンズ100は、図7に示すように物体側の屈折面100aと、眼球側の屈折面100bとの2つの面を有し、これらの面によって眼鏡レンズに要求される全ての性能、例えば、ユーザーの度数に合った頂点屈折力、乱視を矯正するための円柱屈折力、老視を補正するための加入屈折力、さらには斜位を矯正するためのプリズム屈折力を付与する必要がある。
累進屈折力レンズ200は、図8に示すように、遠くを見るための屈折力を有する遠用部領域201と、近くの物体を見るための屈折力を有する近用部領域202と、それらの間に配置され屈折力が累進的に変化する、遠距離と近距離との中間距離の物体を見るための累進部領域203とを有する。遠用部領域201と近用部領域202との屈折力の差を加入屈折力と呼び、眼鏡装用者の調節力の減少に応じて適切な値が設定される。累進部領域203から近用部領域202にかけての側方部は収差領域204という光学的使用に適さない部分であり、遠用部領域201と近用部領域202との屈折力の差を滑らかに繋げるために生じる、累進屈折力レンズ200では避けられない部分である。
累進屈折力レンズ200においては、一般に、物体側の屈折面200aの曲率を変えて面屈折力を調整し、遠用部領域201、近用部領域202、及び累進部領域203を構成している。さらに必要に応じて、眼球側の屈折面200bには乱視矯正用のトーリック面が設けられている。
累進屈折力レンズ200等の多焦点レンズにおいては、視力の補正対象となる度数が大きいほど像の揺れや歪みが発生しやすい。さらに、遠用部と近用部との屈折力の差を示す加入屈折力が大きくなると、遠用部と近用部との曲率差が大きくなるので像の揺れや歪みがさらに大きくなる。累進多焦点レンズにおいては、累進屈折面の非球面化が進むのでレンズに現れる非点収差も大きくなり、明視域が 狭くなる。また、非点収差の大きく変動する領域では、視線の移動によって像が歪んだり揺れたりするので、快適な視野が得られない。このため、非点収差が大きく現れる領域を通常使用するレンズの領域から外れるように設計し、急激な非点収差の変動がなくユーザーに快適な視野を提供できるように累進屈折面の改良が行われている。
さらに、多焦点レンズにおいては、遠用部領域201と近用部領域202との間に設けられた累進部領域203においては、遠用部領域201から近用部領域202にかけてその倍率が徐々に変動するので、眼鏡を装着したときに得られる像が揺れたり歪んだりする原因となっている。
国際公開第97/19383号(特許文献1)は、レンズの物体側の屈折面の遠用部の平均面屈折力と近用部の平均面屈折力の差を加入屈折力より数学的に小さくし、さらに、眼球側の屈折面の遠用部の平均面屈折力及び近用部の平均面屈折力を調整することにより所定の加入屈折力とした眼鏡用の多焦点レンズを開示しており、このような設計により、倍率差による像の揺れや歪みが少なく、さらに非点収差の改善された明視域が広く像の揺れなどの少ない快適な視野を有する多焦点レンズを提供できると記載している。
しかしながら、特許文献1に記載されたような方法は、レンズの物体側の屈折面及び眼球側の屈折面をそれぞれ研削及び研磨する必要があり、加工作業の複雑化や加工時間の延長等により製造コストの上昇を招くという問題がある。
特開2004-264365号(特許文献2)、特開2009-244600号(特許文献3)等も、累進屈折力レンズの薄型化、高性能化についての技術を開示しているが、特許文献1と同様に、加工作業の複雑化や加工時間の延長等により製造コストの上昇を招くという問題がある。
特表2008-537177号(特許文献4)は、レンズ基材の表面に感光性材料からなる層を形成し、光学的な書き込みにより屈折率が前記レンズ基材の面方向に変化させることにより、屈折率変化を有する層を備える眼鏡用レンズを開示している。このような技術により、眼科用レンズの光学的屈折力及び/又は非点収差の調節が可能であり、その結果、レンズ基材の種類を減らすことができ、特に累進屈折力レンズの設計の自由度が高まると記載している。特許文献4に記載の感光性材料からなる層に光学的な書き込みを行い、前記レンズ基材の面方向に屈折率を変化させる方法は、例えば、3−(トリメトキシシリル)プロピル・メタクリレート、ジルコニウムn−プロポキシド、及びメタクリル酸が共存する膜を前記レンズ基材の面に形成し、光照射によって、部分的に3−(トリメトキシシリル)プロピル・メタクリレートとメタクリル酸との光重合樹脂を形成させた後、残存するジルコニウムn−プロポキシドとメタクリル酸とによって、無機重合物を形成することにより、光照射した部分は低屈折率の有機ポリマー層、光照射しなかった部分は高屈折率の無機ポリマー層とするものである。
しかしながら、特許文献4に記載の前記レンズ基材の面方向に屈折率を変化させる方法は、活性物質を使用していることから、厳密なコントロールが必要であり、前記レンズ基材に形成する膜の経時での安定性が十分でないため、所望の屈折率変化を有する層を再現良く形成することは実用上困難である。
国際公開第97/19383号パンフレット 特開2004-264365号公報 特開2009-244600号公報 特表2008-537177号公報
従って、本発明の目的は、複雑な加工作業を行うことなしに、簡便な方法により、レンズ基材の物体側の屈折面及び眼球側の屈折面が、適切な光学性能が得られるように加工された眼鏡用レンズ、及びその製造方法を提供することにある。
上記目的に鑑み鋭意研究の結果、本発明者らは、レンズ基材の少なくとも1つの面に、ダイヤモンド微粒子を含有する高屈折率膜を形成することにより、例えば、遠近両用眼鏡レンズに中間距離用の領域を簡便に設けることができること、さらには前記ダイヤモンド微粒子を含有する膜を、面方向に厚み及び/又は屈折率が変化させたものとすることにより、例えば球面レンズの非点収差を簡便に改善することができることを見出し、本発明に想到した。
すなわち、本発明の眼鏡レンズは、レンズ基材と、前記レンズ基材の少なくとも1つの面に設けられたダイヤモンド微粒子を含有する膜とを有することを特徴とする。
本発明の第一の態様において、前記ダイヤモンド微粒子を含有する膜は、厚み、及び前記ダイヤモンド微粒子の単位面積当たりの量が、前記レンズ基材の前記面に沿って均一であることを特徴とする。
本発明の第二の態様において、前記ダイヤモンド微粒子を含有する膜は、厚み、及び/又は前記ダイヤモンド微粒子の単位面積当たりの量が、前記レンズ基材の前記面に沿って変化していることを特徴とする。
本発明の第三の態様において、前記レンズ基材が球面レンズであり、前記膜の厚み、及び/又は前記ダイヤモンド微粒子の単位面積当たりの量が、前記レンズ基材の中心から縁部に向かって、コマ収差及び/又は非点収差が改良されるように同心円状に変化していることを特徴とする。
本発明の第四の態様において、前記レンズ基材が、遠用部領域と、前記レンズ基材の下部に設けられた近用部領域とを有し、前記ダイヤモンド微粒子を含有する膜が、前記レンズ基材の中心と前記近用部領域との間に設けられることにより中間距離用の領域を形成していることを特徴とする。
前記ダイヤモンド微粒子を含有する膜は、前記レンズ基材の内表面に形成されてなるのが好ましい。
前記ダイヤモンド微粒子を含有する膜は、前記レンズ基材の中心部の厚みの1/5以下の厚さであるのが好ましい。
前記ダイヤモンド微粒子を含有する膜は、着色されているのが好ましい。
前記ダイヤモンド微粒子を含有する膜は、紫外線吸収剤を含有するのが好ましい。
前記ダイヤモンド微粒子を含有する膜は、ダイヤモンド微粒子の単位面積当たりの量が異なる複数の層からなるのが好ましい。
前記レンズ基材は、セミフィニッシュレンズであるのが好ましい。
前記ダイヤモンド微粒子は、天然ダイヤモンドもしくは人造ダイヤモンドを粉砕して得られたもの、又は爆射法によって得られたナノダイヤモンドであるのが好ましい。
前記ダイヤモンド微粒子は、表面処理を施したものであるのが好ましい。
本発明の眼鏡レンズは、前記レンズ基材の少なくとも1つの面に形状の異なる2枚以上の膜が積層して貼り付けられることにより、前記膜の厚み、及び/又は前記ダイヤモンド微粒子の単位面積当たりの量が、前記レンズ基材の前記面に沿って変化していていてもよい。
レンズ基材と、前記レンズ基材の少なくとも1つの面に設けられたダイヤモンド微粒子を含有する膜とを有する眼鏡用レンズを製造する本発明の方法は、前記レンズ基材の少なくとも1つの面にダイヤモンド微粒子を含有する分散液を塗布することにより前記ダイヤモンド微粒子を含有する膜を形成することを特徴とする。
レンズ基材と、前記レンズ基材の少なくとも1つの面に設けられたダイヤモンド微粒子を含有する膜とを有する眼鏡用レンズを製造する本発明の方法は、前記レンズ基材の少なくとも1つの面にダイヤモンド微粒子を含有する膜を貼り付けることを特徴とする。
レンズ基材と、前記レンズ基材の少なくとも1つの面に設けられたダイヤモンド微粒子を含有する膜とを有し、前記膜の厚みが、前記レンズ基材の前記面に沿って変化してなる眼鏡用レンズを製造する本発明の方法は、前記レンズ基材の少なくとも1つの面に均一に形成したダイヤモンド微粒子を含有する膜を、研削及び研磨することを特徴とする。
前記ダイヤモンド微粒子を含有する膜は、ダイヤモンド微粒子を含有する分散液を、前記レンズ基材の少なくとも1つの面に塗布することによって形成するのが好ましい。
前記塗布は、ディップコート法、インクジェット法、スピンコート法、スプレーコート法、又はフローコート法により行うのが好ましい。
前記ダイヤモンド微粒子を含有する膜は、あらかじめ作製したダイヤモンド微粒子及びバインダーからなる膜を、前記レンズ基材の少なくとも1つの面に貼り付けることにより形成するのが好ましい。
レンズ基材と、前記レンズ基材の少なくとも1つの面に設けられたダイヤモンド微粒子を含有する膜とを有し、前記膜の厚みが、前記レンズ基材の前記面に沿って変化してなる眼鏡用レンズを製造する本発明の方法は、前記レンズ基材の少なくとも1つの面に、ダイヤモンド微粒子を含有する分散液を、付着量を変えながら塗布することを特徴とする。
前記付着量を変えながら塗布する方法が、インクジェット法であるのが好ましい。
レンズ基材と、前記レンズ基材の少なくとも1つの面に設けられたダイヤモンド微粒子を含有する膜とを有し、前記膜の前記ダイヤモンド微粒子の単位面積当たりの量が、前記レンズ基材の前記面に沿って変化してなる眼鏡用レンズを製造する本発明の方法は、前記レンズ基材の少なくとも1つの面に、ダイヤモンド微粒子を含有し、ダイヤモンド微粒子の含有量の異なる少なくとも2種類の分散液を、インクジェット法により互いの吐出量を変化させながら塗布することを特徴とする。
レンズ基材と、前記レンズ基材の少なくとも1つの面に設けられたダイヤモンド微粒子を含有する膜とを有し、前記膜の厚みが、前記レンズ基材の前記面に沿って変化してなる眼鏡用レンズを製造する本発明の方法は、前記レンズ基材の少なくとも1つの面にダイヤモンド微粒子及びバインダーを含有する形状の異なる複数の膜を積層して貼り付けることを特徴とする。
前記眼鏡用レンズの製造方法において、前記ダイヤモンド微粒子を含有する膜は、紫外線吸収剤を含有するのが好ましい。
ダイヤモンド微粒子を含有する高屈折率膜を、塗布及び/又は貼り付けによって形成した眼鏡用レンズは、これまで複雑な加工作業が必要であった遠近両用眼鏡用レンズにおける中間距離用の領域の形成を簡便な方法で行うことができるので、レンズ基材の種類を減らすことができ、レンズの設計の自由度が高まる。
面方向に厚み及び/又は屈折率が変化したダイヤモンド微粒子を含有する高屈折率膜を、塗布又は貼り付けによって形成した眼鏡用レンズは、これまで複雑な加工作業が必要であった非球面レンズの製造を簡便な方法で行うことができるので、レンズ基材の種類を減らすことができ、レンズの設計の自由度が高まる。
さらに、ダイヤモンド微粒子を含有する膜は、可視光は通すが、近赤外線を反射する効果が大きいので、眼鏡用レンズに前記ダイヤモンド微粒子を含有する膜を形成することにより、近赤外線を遮断し、眼球の温度を下げる効果を発揮し、テレビ等を鑑賞するときの目の疲れを低減する。
ダイヤモンド微粒子を含有する膜に、紫外線吸収剤を含有させることにより、目に有害な網膜の機能低下を引き起こす比較的短波長な青色光、及び紫外線を遮断し、目の機能低下を防止する。特にLED発光の青色光(波長380〜495 nm)の強度を緩和し、網膜の機能低下を防止することができる。
本発明の眼鏡用レンズの一例を模式的に示す(a)正面図、及び(b)断面図である。 図1(b)のA部分を拡大して示す模式図である。 本発明の眼鏡用レンズの他の一例を示す模式断面図である。 本発明の眼鏡用レンズのさらに他の一例を示す模式断面図である。 非球面レンズの構成を示す模式図である。 本発明の眼鏡用レンズのさらに他の一例を示す模式図である。 従来の眼鏡用レンズの一例を模式的に示す断面図である。 従来の累進屈折力レンズの一例を模式的に示す(a)正面図、及び(b)断面図である。
本発明の眼鏡用レンズは、レンズ基材と、前記レンズ基材の少なくとも1つの面に設けられたダイヤモンド微粒子を含有する膜とを有する。第一の実施態様においては、前記膜の厚み、及び前記ダイヤモンド微粒子の単位面積当たりの量が均一であり、第二の実施態様においては、前記膜の厚み、及び/又は前記ダイヤモンド微粒子の単位面積当たりの量が、前記レンズ基材の前記面に沿って変化している。
[1]第一の実施態様
眼鏡用レンズ1の第一の実施態様は、図1に示すように、レンズ基材10の少なくとも1つの面(図では、内表面10b)にダイヤモンド微粒子12を含有する均一な膜11を設けたものである。第一の実施態様において、前記ダイヤモンド微粒子12を含有する膜11は、前記レンズ基材10の一部にのみ設けても良いが全面に設けるのが好ましい。前記ダイヤモンド微粒子12を含有する膜11は、図2に示すように、ダイヤモンド微粒子12及びバインダー13を含有してなるものが好ましい。前記ダイヤモンド微粒子12を含有する膜を設けた眼鏡用レンズ1は、ダイヤモンド微粒子12を含有する分散液を前記レンズ基材10の前記面に塗布することによって作製しても良いし、あらかじめ作製したダイヤモンド微粒子12及びバインダー13からなる膜を前記レンズ基材10の前記面に貼り付けて作製しても良い。
(1)レンズ基材
レンズ基材10としては、曲率半径が25〜150 mmの球面レンズ又は非球面レンズからなるものが好ましい。前記レンズ基材10は、セミフィニッシュレンズであるのが好ましい。
前記レンズ基材10は、ポリイソシアネート化合物、ポリイソチオシアネート化合物、及びイソシアネート基を有するイソチオシアネート化合物から選ばれる少なくとも1種と、ポリオール化合物、ポリチオール化合物、及びメルカプト基を有するアルコール化合物から選ばれる少なくとも1種とを重合して得られる屈折率1.59以上のポリウレタン系樹脂又はチオウレタン系樹脂からなるものが好ましい。
ポリイソシアネート化合物としては、例えば、ヘキサメチレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、ビス(イソシアネートメチル)シクロヘキサン、ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート、2,5−ビス(イソシアネートメチル)ビシクロ−[2.2.1]−ヘプタン、2,6−ビス(イソシアネートメチル)ビシクロ−[2.2.1]−ヘプタン、m−キシリレンジイソシアネート、2,5−ビス(イソシアネートメチル)−1,4−ジチアンが挙げられる。
ポリイソチオシアネート化合物としては、上記に例示したポリイソシアネート化合物のイソシアナート基をイソチオシアナート基に換えたものが挙げられる。
イソシアネート基を有するイソチオシアネート化合物としては、上記に例示したポリイソシアネート化合物のイソシアナート基の一部をイソチオシアナート基に換えたものが挙げられる。
ポリオール化合物としては、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、1,3−プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,3−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,4−ペンタンジオール、1,3−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,5−ヘキサンジオール、1,4−ヘキサンジオール、1,3−ヘキサンジオール、1,2−シクロヘキサンジオール、1,3−シクロヘキサンジオール、1,4−シクロヘキサンジオール、1,7−ヘプタンジオール、1,8−オクタンジオール、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、ソルビトール、キシリトール、1,2−ジヒドロキシベンゼン、1,3−ジヒドロキシベンゼン、1,4−ジヒドロキシベンゼン、m−キシリレングリコール、p−キシリレングリコール、o−キシリレングリコールが挙げられる。
ポリチオール化合物としては、例えば、ペンタエリスリトールテトラキス(2-メルカプトアセテート)、ペンタエリスリトールテトラキス(3-メルカプトプロピオネート)、ビス(メルカプトエチル)スルフィド、4-メルカプトメチル-1,8-ジメルカプト-3,6-ジチアオクタン、5,7-ジメルカプトメチル-1,11-ジメルカプト-3,6,9-トリチアウンデカン、4,7-ジメルカプトメチル-1,11-ジメルカプト-3,6,9-トリチアウンデカン、4,8-ジメルカプトメチル-1,11-ジメルカプト-3,6,9-トリチアウンデカン、2,5-ジメルカプトメチル−1,4−ジチアン、1,1,3,3-テトラキス(メルカプトメチルチオ)プロパン、4,6−ビス(メルカプトメチルチオ)−1,3−ジチアン、2−(2,2−ビス(メルカプトメチルチオ)エチル)−1,3−ジチエタンが挙げられる。
メルカプト基を有するアルコール化合物としては、例えば、2−メルカプトエタノール、3−メルカプト−1,2−プロパンジオール、グルセリンビス(メルカプトアセテート)、4−メルカプトフェノール、2,3−ジメルカプト−1−プロパノール、ペンタエリスリトールトリス(3−メルカプトプロピオネート)、ペンタエリスリトールトリス(チオグリコレート)が挙げられる。
前記ポリウレタン系樹脂又はチオウレタン系樹脂には、樹脂の改質を目的として、ヒドロキシ化合物、エポキシ化合物、エピスルフィド化合物、有機酸及びその無水物、(メタ)アクリレート化合物等を含むオレフィン化合物等の樹脂改質剤を加えてもよい。ここで、樹脂改質剤とは、ポリウレタン系樹脂又はチオウレタン系樹脂の屈折率、アッベ数、耐熱性、比重等の物性や耐衝撃性等の機械強度等を調節又は向上させる化合物である。
前記ポリウレタン系樹脂又はチオウレタン系樹脂には、必要に応じ、公知の成形法における手法と同様に、ジブチル錫ジクロライド等の触媒、ベンゾトリアゾール系等の紫外線吸収剤、酸性リン酸エステルなどの内部離型剤、光安定剤、酸化防止剤、ラジカル反応開始剤などの反応開始剤、鎖延長剤、架橋剤、着色防止剤、油溶染料、充填剤などの物質を添加してもよい。
前記ポリウレタン系樹脂又はチオウレタン系樹脂からなるレンズ基材は、例えば、公知の注型重合によって得ることができる。注型重合とは、ガスケット又はテープ等で保持された成型モールド間に、上述したイソシアネート系化合物及びアルコール系化合物を、必要に応じて硬化触媒とともに注入し、オーブン中又は水中等の加熱可能装置内で加熱することにより硬化させ、成形された樹脂を作製するものである。
(2) ダイヤモンド微粒子を含有する膜
ダイヤモンド微粒子を含有する膜11は、ダイヤモンド微粒子12及びバインダー13からなるのが好ましい(図2参照)。前記ダイヤモンド微粒子12は、天然ダイヤモンドもしくは人造ダイヤモンドを粉砕して得られたもの、又は爆射法によって得られたナノダイヤモンドであるのが好ましい。前記バインダー13は、特に限定されないが、前記レンズ基材を構成する樹脂と近い屈折率を有するものが好ましく、前記レンズ基材を構成する樹脂を用いるのがより好ましい。
ダイヤモンド微粒子を含有する膜中のダイヤモンド微粒子の含有量は、ダイヤモンド微粒子を含有する膜を形成するバインダー材料に対して、0.001〜30質量%であるのが好ましく、0.005〜10質量%であるのがより好ましく、0.01〜5質量%であるのが最も好ましい。ダイヤモンド微粒子を含有する膜の厚みは、特に限定されないが、前記レンズ基材の中心部の厚みの1/5以下の厚みであるのが好ましく、具体的には1〜200μm程度であるのが好ましく、2〜150μmであるのがより好ましい。ダイヤモンド微粒子を含有する膜の厚みが、前記レンズ基材の中心部の厚みの1/5(200μm)より大きい場合、強い衝撃を受けたときにひびや割れが生じる場合がある。
ダイヤモンド微粒子を含有する膜の前記ダイヤモンド微粒子の単位面積当たりの量は、0.1〜60 g/m2であるのが好ましく、0.5〜45 g/m2であるのがより好ましい。ダイヤモンド微粒子を含有する膜は、バインダー中に均一に分散されたダイヤモンド微粒子により高い屈折率を有するので、眼鏡用レンズの屈折力を効率よく高めることができる。
ダイヤモンド微粒子をバインダー中に均一に分散させてなる膜の屈折率は、加成性が成り立つので、ダイヤモンドの屈折率とバインダーの屈折率との加重平均で表すことができる。例えば、屈折率が1.60のバインダー(95質量部)に対して5質量部のダイヤモンド微粒子(屈折率2.42)を分散させて用いた場合、その複合材料の屈折率は1.64となる。このように、ダイヤモンド微粒子をバインダー中に分散させることにより、簡便に材料の屈折率を調節することができる。
ダイヤモンド微粒子及びバインダーからなる膜は、レンズ基材の表面に密着して形成されるので、それらの界面における反射ができるだけ小さくなるように、前記レンズ基材と屈折率の差が小さいことが好ましい。前述のように、バインダーにダイヤモンド微粒子を分散させることにより、得られる複合膜の屈折率はバインダーのものに対して高くなるので、バインダーとしてレンズ基材と屈折率が同程度のものを用いた場合、前記レンズ基材とバインダーとの界面付近で屈折率が同等となるためには、前記膜の前記レンズ基材と接する部分にはダイヤモンド微粒子が存在しないことが好ましい。従って、例えば、図3に示すように、ダイヤモンド微粒子及びバインダーからなる膜11を、レンズ基材10との界面11a付近ではダイヤモンド微粒子が存在せず、膜11の厚み方向中心付近でダイヤモンド微粒子の密度が最も高くなるような、層11-1〜層11-7からなる多層構成とするのが好ましい。
通常、眼鏡用レンズは研削及び研磨した後、その表面に反射防止膜及びハードコートを形成する。本発明の眼鏡用レンズの場合は、ダイヤモンド微粒子及びバインダーからなる膜の上に反射防止膜及びハードコートを形成するのが好ましい。つまり、従来のメガネ用レンズにおいて、レンズ基材の表面に形成されていた反射防止膜は、本発明においてはダイヤモンド微粒子及びバインダーからなる膜の表面に形成されることになる。反射防止膜が十分に機能を発揮するためには、反射防止膜が形成される基材の屈折率が所定の範囲である必要がある。この所定の屈折率範囲は、従来から用いられているレンズ基材の屈折率が含まれるように設計されているので、本発明においてもダイヤモンド微粒子及びバインダーからなる膜の表面付近の屈折率をレンズ基材の屈折率に合わせるのが好ましい。このような観点から、図2に示すように、ダイヤモンド微粒子及びバインダーからなる膜のレンズ基材とは反対側の界面11b付近も、レンズ基材と同程度の屈折率に合わせるように、ダイヤモンド微粒子が存在しない構成とするのが好ましい。
(a)ダイヤモンド微粒子
ダイヤモンド微粒子は、可視光により散乱(ミー散乱)が起こらない程度のサイズ、すなわち400 nm以下、好ましくは100 nm以下、より好ましくは50 nm以下のサイズのものを用いる。ダイヤモンド微粒子としては、ダイヤモンド微粒子を含有する膜中に均一に分散させるためバインダー及び膜を製造する際の溶剤との親和性に優れたものが好ましく、カルボキシル基、スルホン酸基、水酸基等の官能基が粒子表面に比較的多く存在するものが好ましく、必要に応じてこれらの表面を疎水性基等の官能基で修飾して使用するのが好ましい。これらのダイヤモンド微粒子としては、天然ダイヤモンドもしくは人造ダイヤモンドを粉砕して得られたもの、又は爆射法によって得られたナノダイヤモンドが挙げられる。
天然ダイヤモンド又は人造ダイヤモンドを粉砕して得られたものとしては、機械的な方法によって80〜100 nmに粉砕したものを使用するのが好ましい。粉砕して得られたダイヤモンド微粒子は、必要に応じてその表面を官能基で修飾して、溶剤等との親和性を高めた状態で使用するのが好ましい。
爆射法で得られたナノダイヤモンドは、ナノサイズのダイヤモンド微粒子の表面をグラファイト系炭素が覆ったコア/シェル構造を有しており、グラファイト系炭素が存在するため黒く着色している。このまま使用することも可能であるが、酸化処理によって粒子表面のグラファイト系炭素を一部除去し透明度を高めるとともに、その表面をカルボキシル基、スルホン酸基、水酸基等の官能基で修飾して使用することもできる。
未精製のナノダイヤモンドは、約2.55 g/cm3の比重を有し、200〜250 nm程度のメジアン径(動的光散乱法)を有する。この未精製のナノダイヤモンドを酸化処理等の方法で精製したダイヤモンド微粒子は2〜10 nm程度のダイヤモンドの一次粒子からなるメジアン径150〜250 nm程度の二次粒子である。ダイヤモンド微粒子は、分散度を高め散乱を低減させるためさらにメディア分散等の方法によりできるだけ凝集を解いて使用するのが好ましく、そのメジアン径は10〜200 nmであるのが好ましく、20〜150 nmであるのがより好ましい。
ダイヤモンド微粒子は、2.55〜3.48 g/cm3の比重を有するのが好ましい。ダイヤモンド微粒子の比重は、ナノダイヤモンドの精製度(グラファイト系炭素の除去率)に伴って増加するので、比重から粒子中のダイヤモンド含率(粒子表面に存在するグラファイト系炭素の量)を求めることができる。すなわち、比重が2.55 g/cm3の場合のダイヤモンド含率は24体積%、比重が3.48 g/cm3の場合のダイヤモンド含率は98体積%である。
ダイヤモンド微粒子の比重が2.55 g/cm3未満、すなわち酸化処理を行わない場合であっても、その表面にカルボキシル基、スルホン酸基、水酸基等の官能基を有しているが、さらに酸化処理を施すことによって、それらの数を増加させることができる。また過剰に酸化処理を施した場合、ナノダイヤモンドのシェル部分のグラファイト系炭素がほとんど除去されるため、逆にカルボキシル基、スルホン酸基、水酸基等の官能基が少なくなってしまう。その結果、溶剤等への分散性が低下することがあるので、比重は3.48 g/cm3を越えない程度であるのが好ましい。また必要に応じて溶剤への分散性を高める効果を有する官能基で表面修飾を行うのが好ましい。前記比重は、3.0 g/cm3(ダイヤモンド84体積%)以上3.46 g/cm3(ダイヤモンド97体積%)以下であるのがより好ましく、3.38 g/cm3(ダイヤモンド90体積%)以上3.45 g/cm3(ダイヤモンド96体積%)以下であるのが最も好ましい。なおナノダイヤモンド中のダイヤモンドの体積%は、ダイヤモンドの比重3.50 g/cm3及びグラファイトの比重2.25 g/cm3を用いて、ナノダイヤモンドの比重から算出した値である。
(b)バインダー
ダイヤモンド微粒子を含有する膜を構成するバインダーは、レンズ基材を構成する材料と同じもの、又は眼鏡用レンズのハードコートとして使用されている材料を用いるのが好ましい。これらの材料を用いることにより、レンズ基材とダイヤモンド微粒子を含有する膜との界面、及び/又はダイヤモンド微粒子を含有する膜とハードコート層との界面における屈折率の大きな変化を低減し、それらの界面における可視光の反射を低減することができる。
ダイヤモンド微粒子を含有する膜を形成するバインダー材料としては、前述のレンズ基材を構成する材料を使用するのが好ましい。
眼鏡用レンズのハードコート用の材料としては、シリコーン樹脂系ハードコート剤や有機樹脂系ハードコート剤等が挙げられる。特に爆射法によって得られたナノダイヤモンドは、水、アルコール等の親水的な溶剤に対する分散性が良好なので、このような親水的な溶剤に溶解又は分散されたハードコート剤、もしくは親水的なハードコート剤を用いるのが好ましい。
シリコーン樹脂系ハードコート剤は、シロキサン結合を持った硬化樹脂層を形成するものであり、3官能シロキサン単位に相当する化合物(トリアルコキシシラン化合物等)を主成分とする化合物の部分加水分解縮合物、好ましくはさらに4官能シロキサン単位に相当する化合物(テトラアルコキシシラン化合物等)を含む部分加水分解縮合物、さらにこれらにコロイダルシリカ等の金属酸化物微粒子を充填した部分加水分解縮合物等が挙げられる。シリコーン樹脂系ハードコート剤はさらに2官能性のシロキサン単位及び1官能性のシロキサン単位を含んでよい。これらには縮合反応時に発生するアルコール(アルコキシシランの部分加水分解縮合物の場合)等が含まれるが、さらに必要に応じて任意の有機溶剤、水、又はこれらの混合物に溶解又は分散させてもよい。前記有機溶剤としては、低級脂肪酸アルコール類、多価アルコールとそのエーテル、エステル類等が挙げられる。なお、ハードコート層には平滑な表面状態を得るためシロキサン系、フッ化アルキル系界面活性剤等の各種界面活性剤を添加してもよい。
有機樹脂系ハードコート剤としては、熱硬化型樹脂、紫外線硬化型材料、電子線硬化型材料、二液混合型硬化型樹脂等が挙げられる。
熱硬化型樹脂とは、熱の作用を受けて分子間架橋による硬化反応を起し、不溶不融性の三次元網目構造をとる樹脂であり、フェノール樹脂、ユリア樹脂、メラミン樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂、ケイ素樹脂、ポリウレタン樹脂、ジアリルフタレート樹脂等が挙げられる。
紫外線硬化型材料及び電子線硬化型材料としては、光重合性の官能基を2個以上、特に3〜6個有するモノマー又はオリゴマーが挙げられる。前記モノマー又はオリゴマーとしては、ウレタンアクリレート、エポキシアクリレート、ポリエステルアクリレート、ポリエーテルアクリレート、アクリレートモノマー、シリコンアクリレート等が挙げられる。紫外線硬化型材料とは、前記モノマー又はオリゴマーのうち、紫外線照射により重合や架橋を起すものであり、電子線硬化型材料とは、前記モノマー又はオリゴマーのうち、電子線照射により重合や架橋を起すものである。前記モノマーやオリゴマーは一種類でもよいし、二種類以上を併用してもよい。
二液混合型硬化型樹脂としては、エポキシ系樹脂、ウレタン系樹脂等が挙げられる。
これらハードコート剤のうち長期間の耐久性に優れ、かつ表面硬度が比較的高いシリコーン樹脂系ハードコート剤、又は処理が比較的簡便でかつ良好なハードコート層が形成される紫外線硬化型のアクリル樹脂等が好ましい。
シリコーン樹脂系ハードコート剤はプライマー層とトップ層から構成されるいわゆる2コートタイプ、又は1層のみから形成されるいわゆる1コートタイプのいずれも選択できる。プライマー層(第1層)を形成する樹脂としては、各種ブロックイソシアネート成分及びポリオール成分からなるウレタン樹脂、アクリル樹脂、ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂、メラミン樹脂、アミノ樹脂、ポリエステルアクリレート、ウレタンアクリレート、エポキシアクリレート、ホスファゼンアクリレート、メラミンアクリレート、アミノアクリレート等の各種多官能アクリル樹脂等を挙げることができ、これらは単独でも2種以上を併用して使用することもできる。これらの中でも好ましくはアクリル樹脂、多官能アクリル樹脂が50重量%、より好ましくは50重量%以上含有するものを挙げることができ、特にアクリル樹脂及びウレタンアクリレートからなるものが好ましい。これらは未反応状態のものを塗布後所定の反応をさせて硬化樹脂とすること、並びに反応後の樹脂を直接塗布し硬化樹脂層を形成することのいずれも適用可能である。後者は通常樹脂を溶媒に溶解し溶液とした後、塗布されその後溶媒が除去される。また前者の場合も溶媒を使用することが一般的である。
ハードコート層には、さらに必要に応じて、アニオン、カチオン性やノニオン性界面活性剤、光安定剤や紫外線吸収剤、触媒、熱・光重合開始剤、重合禁止剤、シリコーン消泡剤、レベリング剤、増粘剤、沈殿防止剤、垂れ防止剤、難燃剤、有機・無機顔料・染料の各種添加剤、添加助剤等を含むことができる。
(c)その他の添加剤
ダイヤモンド微粒子を含有する膜に、紫外線吸収剤を添加することにより、紫外光から目を保護する効果を眼鏡レンズに付与することができる。さらに、ダイヤモンド微粒子を含有する膜を染色することにより、眼鏡製造時の染色を行わずに着色した眼鏡レンズを得ることができる。
(3)形成方法
ダイヤモンド微粒子を含有する膜は、ダイヤモンド微粒子及びバインダー又はその前駆体を含む塗布液を前記レンズ基材の表面に塗布する方法、又はあらかじめダイヤモンド微粒子及びバインダーを含む膜を作製しておき、その膜を前記レンズ基材の表面に貼り付ける方法により前記レンズ基材の表面に形成することができる。また前記塗布方法と貼り付け方法とを組み合わせてダイヤモンド微粒子を含有する膜を形成しても良い。これらの方法を組み合わせる場合、ダイヤモンド微粒子分散液を塗布した後に前記膜を貼り付けても良いし、前記膜を貼り付けた後にダイヤモンド微粒子分散液を塗布してもよい。前記塗布液には必要に応じて、溶剤、各種添加剤を点有しても良い。
前記バインダー前駆体は、前述のレンズ基材を構成するバインダーを形成するためのモノマー、又は前述のハードコート剤である。この前駆体を含む塗布液には、重合開始剤、溶剤、触媒、増粘剤、界面活性剤等を含有させても良い。
塗布方法としては、ディップコート法、インクジェット法、スピンコート法、スプレーコート法、フローコート法等の方法から目的に応じて適宜選択することができる。中でも複雑な成形品形状に対応しやすいディップコート法、フローコート法、及びスプレーコート法が好ましい。
ダイヤモンド微粒子を含有する膜を前記レンズ基材に貼り付けて形成する場合、例えば押出成形によってダイヤモンド微粒子を含有する膜を形成し、それらをドライラミネーション、熱ラミネーション等により貼り合わせて行う方法が挙げられる。
前記ダイヤモンド微粒子を含有する膜が、前記レンズ基材の外表面に形成しても良いし、内表面に形成してもよいが、作業性の観点から内表面に形成するのが好ましい。
[2]第二の実施態様
眼鏡用レンズの第二の実施態様は、レンズ基材と、前記レンズ基材の少なくとも1つの面に設けられたダイヤモンド微粒子を含有する膜とを有し、前記ダイヤモンド微粒子を含有する膜の厚み、及び/又は前記ダイヤモンド微粒子の単位面積当たりの量が、前記レンズ基材の前記面に沿って変化していることを特徴とするものである。前記第一の実施態様で説明したダイヤモンド微粒子を含有する膜が均一な厚み及び均一なダイヤモンド微粒子密度を有するものであるのに対し、前記膜の厚み及び前記ダイヤモンド微粒子密度のいずれか又は両方をレンズ基材の面に沿った方向に変化させることにより、屈折力の変化させた眼鏡用レンズを得ることができる。
レンズ基材及びダイヤモンド微粒子を含有する膜は、前記ダイヤモンド微粒子を含有する膜が厚み、及び/又は前記ダイヤモンド微粒子の単位面積当たりの量が、前記レンズ基材の前記面に沿って変化している以外、前記第一の実施態様と同様のものを用いることができ、同様の方法により形成することができる。
前記ダイヤモンド微粒子を含有する膜は、前記レンズ基材の全面に設けても良いし、必要に応じて前記レンズ基材の一部に設けてもよい。
前記ダイヤモンド微粒子を含有する膜の厚み、及び/又は前記ダイヤモンド微粒子の単位面積当たりの量が、前記レンズ基材の前記面に沿って変化してなる眼鏡用レンズは、(a)前記レンズ基材の少なくとも1つの面に均一に形成したダイヤモンド微粒子を含有する膜を研削及び研磨する方法、(b)前記レンズ基材の少なくとも1つの面に、ダイヤモンド微粒子を含有する分散液を、付着量を変化させながら塗布する方法、(c)前記レンズ基材の少なくとも1つの面に、ダイヤモンド微粒子及びバインダー又はその前駆体を含有し、ダイヤモンド微粒子の含有量の異なる少なくとも2種類の分散液を、インクジェット法により互いの吐出量を変化させながら塗布する方法、(d)前記レンズ基材の少なくとも1つの面にダイヤモンド微粒子及びバインダーを含有する形状の異なる複数の膜を積層して貼り付ける方法等によって製造することができる。
(a) 均一に形成したダイヤモンド微粒子を含有する膜を研削及び研磨する方法
前記ダイヤモンド微粒子を含有する膜を、厚み、及び/又は前記ダイヤモンド微粒子の単位面積当たりの量が、前記レンズ基材の前記面に沿って変化するように設けられた眼鏡用レンズは、前記レンズ基材の少なくとも1つの面に均一に形成したダイヤモンド微粒子を含有する膜を、研削及び研磨することによって得ることができる。前記研削及び研磨は公知の方法によって行う。
前記レンズ基材の少なくとも1つの面にダイヤモンド微粒子を含有する膜を均一に形成するには、第一の実施態様で説明したように、前記ダイヤモンド微粒子とバインダー又はその前駆体とを含有する分散液を前記レンズ基材の少なくとも1つの面に塗布し、均一な膜を前記レンズ基材の少なくとも1つの面に成膜する方法、又はあらかじめ作製した、前記ダイヤモンド微粒子がバインダーに分散した膜を、前記レンズ基材の少なくとも1つの面に貼り付ける方法によって得ることができる。これらの塗布及び貼り付けは、第一の実施態様と同様にして行うことができる。
前記レンズ基材の表面にダイヤモンド微粒子を含有する膜を均一に形成した後、前記膜を研削及び研磨することによって、所望の屈折力を有する眼鏡用レンズとする。前記研削及び研磨は、通常の眼鏡製造において行うのと同様にして行うことができる。ダイヤモンド微粒子を含有する高屈折率膜を用いることにより、従来の研削及び研磨では取り切れなかった光学的な歪をとることが可能となり、さらに複雑な形状に加工することが可能となる。
(b) 付着量を変えながら塗布する方法
前記ダイヤモンド微粒子を含有する膜を、厚み、及び/又は前記ダイヤモンド微粒子の単位面積当たりの量が、前記レンズ基材の前記面に沿って変化するように設けられた眼鏡用レンズは、前記レンズ基材の少なくとも1つの面に、ダイヤモンド微粒子を含有する分散液を、付着量を変えながら塗布することによって作製する。付着量を変えながら塗布する方法としては、インクジェット法より吐出量を変化させながら塗布する方法が挙げられる。
原理的には、ダイヤモンド微粒子を含有する分散液は1種類で、前記レンズ基材の前記面に沿って付着量を変えながら塗布することが可能であるが、より高い精度で付着量を調節するためには2種以上のダイヤモンド微粒子の含有量の異なる塗布液を準備しておき、それらを用いて塗布するのが好ましい。
インクジェット法としては公知の装置を使用して、公知の方法で実施することができる。本発明においては、重合性のバインダーを使用するため、インクジェットのノズルが詰まりやすい。このためノズルは使い捨てのタイプのものが好ましい。
(c) 2種類の分散液を吐出量を変化させながら塗布する方法
前記ダイヤモンド微粒子を含有する膜を、厚み、及び/又は前記ダイヤモンド微粒子の単位面積当たりの量が、前記レンズ基材の前記面に沿って変化するように設けられた眼鏡用レンズは、前記レンズ基材の少なくとも1つの面に、ダイヤモンド微粒子及びバインダー又はその前駆体を含有し、ダイヤモンド微粒子の含有量の異なる少なくとも2種類の分散液を、インクジェット法により互いの吐出量を変化させながら塗布する方法によって製造することができる。それらの各分散液のバインダー濃度及び吐出量は、バインダーの付着量が一定となるように設定するのが好ましい。インクジェット法については前述したように公知の装置及び方法を採用するのが好ましい。
(d) ダイヤモンド微粒子を含有する形状の異なる複数の膜を積層して貼り付ける方法
前記ダイヤモンド微粒子を含有する膜を、厚み、及び/又は前記ダイヤモンド微粒子の単位面積当たりの量が、前記レンズ基材の前記面に沿って変化するように設けられた眼鏡用レンズは、前記レンズ基材の少なくとも1つの面に、前記ダイヤモンド微粒子を含有する形状の異なる複数の膜を積層して貼り付けることによって作製する。前記レンズ基材の少なくとも1つの面に貼り付けるための前記ダイヤモンド微粒子がバインダーに分散した膜は、第一の実施態様で説明したような、公知の成膜方法によって作製することができる。
複数の膜の各厚みは、目的に応じて適宜設計することができるが、好ましくは0.1〜200μm、より好ましくは30〜100μmである。複数の膜の合計の厚みは、前述したように、前記レンズ基材の中心部の厚みの1/5以下の厚みであるのが好ましく、具体的には1〜200μm程度であるのが好ましく、2〜150μmであるのがより好ましい。
[3]第三の実施態様
眼鏡用レンズ2の第三の実施態様は、第二の実施態様をさらに具体化したものである。すなわち、第三の実施態様は、図4に示すように、レンズ基材20と、前記レンズ基材の少なくとも1つの面に設けられたダイヤモンド微粒子を含有する膜21とを有する眼鏡用レンズであって、前記レンズ基材が球面レンズであり、前記ダイヤモンド微粒子を含有する膜の厚み、及び/又は前記ダイヤモンド微粒子の単位面積当たりの量が、前記レンズ基材の中心から縁部に向かって、コマ収差及び/又は非点収差が改良されるように同心円状に変化していることを特徴とするものである。
球面レンズは、加工が容易であるため安価に大量に生産できるが、コマ収差及び非点収差の問題がある。このコマ収差及び非点収差の問題は、非球面レンズとすることにより解決できるが、加工に手間がかかるため、コスト高となりユーザーに負担がかかっている。前述のダイヤモンド微粒子を含有する膜を、前記球面レンズ基材の少なくとも1つの面に、膜の厚み、及び/又は前記ダイヤモンド微粒子の単位面積当たりの量を同心円状に変化させて形成することにより、簡便な方法でコマ収差及び/又は非点収差が改良された、非球面レンズと同等の眼鏡用レンズとすることができる。
非球面レンズは、レンズの光軸に対して回転対称な局面を有しており、レンズ中心から光軸に垂直な距離hにおける光軸方向の位置zは以下の式(1)で表すことができる(図5を参照)。
ここで、rは基礎となる球面の半径(近軸曲率半径)であり、kは円錐定数であり、k=0のとき半径rの球面、k>rのとき楕円面、k=-1のとき放物面、k<-1のとき双曲面となる。右辺第二項が非球面パラメータである。
コマ収差及び/又は非点収差の小さな、非球面レンズ構成とするためには、前記式(1)において非球面パラメータで表される部分を、ダイヤモンド微粒子を含有する膜を設けることにより構成することで達成できる。すなわち、図4に示すように、前記レンズ基材の少なくとも1つの面にダイヤモンド微粒子を含有する膜を、その厚みがレンズ中心部で薄く、レンズ周辺部にゆくに従って厚くなるように、及び/又は前記ダイヤモンド微粒子の単位面積当たりの量が、レンズ中心部で低く、レンズ周辺部にゆくに従って高くなるように設け、非球面レンズと同等の屈折力を球面レンズに付与することによって達成できる。
ダイヤモンド微粒子を含有する膜はレンズ基材よりも高い屈折率を有しているため、前述のようにダイヤモンド微粒子を含有する膜を設けることにより非球面レンズと同等の屈折力を球面レンズに付与する場合、レンズ基材の局面を非球面レンズ化するよりも、前記非球面パラメータで表される部分の厚みを小さくすることが可能である。従って、レンズを非球面化する場合よりも、レンズ周辺部の厚みの小さい眼鏡用レンズを提供することができる。
レンズ基材及びダイヤモンド微粒子を含有する膜は、前記ダイヤモンド微粒子を含有する膜が厚み、及び/又は前記ダイヤモンド微粒子の単位面積当たりの量を同心円状に変化している以外、前記第一の実施態様と同様のものを用いることができ、同様の方法により形成することができる。
[4]第四の実施態様
眼鏡用レンズ3の第四の実施態様は、第一又は第二の実施態様をさらに具体化したものである。即ち第四の実施態様は、図6に示すように、前記レンズ基材30が、遠用部領域31と、前記レンズ基材の下部に設けられた近用部領域32とを有し、ダイヤモンド微粒子を含有する膜が、前記レンズ基材の中心と前記近用部領域との間に設けられることにより中間距離用の領域33を形成していることを特徴とするものである。前記ダイヤモンド微粒子を含有する膜は、その厚み、及び/又は前記ダイヤモンド微粒子の単位面積当たりの量が、均一であっても良いし、前記レンズ基材の前記面に沿って変化しているものであってもよい。
領域33を形成する前記ダイヤモンド微粒子を含有する膜は、中間距離用の屈折力を形成するように構成され、遠用部領域31と近用部領域32とをなだらかに接続するように設けるのが好ましい。
レンズ基材及びダイヤモンド微粒子を含有する膜は、前記第一の実施態様と同様のものを用いることができ、同様の方法により形成することができる。
1,2,3・・・眼鏡用レンズ
10,20,30・・・レンズ基材
10a・・・外表面
10b・・・内表面
11,21・・・ダイヤモンド微粒子を含有する膜
12・・・ダイヤモンド微粒子
13・・・バインダー
31・・・遠用部領域
32・・・近用部領域
33・・・中間距離用の領域

Claims (25)

  1. レンズ基材と、前記レンズ基材の少なくとも1つの面に設けられたダイヤモンド微粒子を含有する膜とを有する眼鏡用レンズ。
  2. 請求項1に記載の眼鏡用レンズにおいて、前記ダイヤモンド微粒子を含有する膜は、厚み、及び/又は前記ダイヤモンド微粒子の単位面積当たりの量が、前記レンズ基材の前記面に沿って均一であることを特徴とする眼鏡用レンズ。
  3. 請求項1に記載の眼鏡用レンズにおいて、前記ダイヤモンド微粒子を含有する膜は、厚み、及び/又は前記ダイヤモンド微粒子の単位面積当たりの量が、前記レンズ基材の前記面に沿って変化していることを特徴とする眼鏡用レンズ。
  4. 請求項3に記載の眼鏡用レンズにおいて、前記レンズ基材が球面レンズであり、前記膜の厚み、及び/又は前記ダイヤモンド微粒子の単位面積当たりの量が、前記レンズ基材の中心から縁部に向かって、コマ収差及び/又は非点収差が改良されるように同心円状に変化していることを特徴とする眼鏡用レンズ。
  5. 請求項3又は4に記載の眼鏡用レンズにおいて、前記レンズ基材が、遠用部領域と、前記レンズ基材の下部に設けられた近用部領域とを有し、前記ダイヤモンド微粒子を含有する膜が、前記レンズ基材の中心と前記近用部領域との間に設けられることにより中間距離用の領域を形成していることを特徴とする眼鏡用レンズ。
  6. 請求項1〜5のいずれかに記載の眼鏡用レンズにおいて、前記ダイヤモンド微粒子を含有する膜が、前記レンズ基材の内表面に形成されてなることを特徴とする眼鏡用レンズ。
  7. 請求項1〜6のいずれかに記載の眼鏡用レンズにおいて、前記ダイヤモンド微粒子を含有する膜が、前記レンズ基材の中心部の厚みの1/5以下の厚さであることを特徴とする眼鏡用レンズ。
  8. 請求項1〜7のいずれかに記載の眼鏡用レンズにおいて、前記ダイヤモンド微粒子を含有する膜が、着色されていることを特徴とする眼鏡用レンズ。
  9. 請求項1〜8のいずれかに記載の眼鏡用レンズにおいて、前記ダイヤモンド微粒子を含有する膜が、紫外線吸収剤を含有することを特徴とする眼鏡用レンズ。
  10. 請求項1〜9のいずれかに記載の眼鏡用レンズにおいて、前記ダイヤモンド微粒子を含有する膜が、ダイヤモンド微粒子の単位面積当たりの量が異なる複数の層からなることを特徴とする眼鏡用レンズ。
  11. 請求項1〜10のいずれかに記載の眼鏡用レンズにおいて、前記レンズ基材が、セミフィニッシュレンズであることを特徴とする眼鏡用レンズ。
  12. 請求項1〜11のいずれかに記載の眼鏡用レンズにおいて、前記ダイヤモンド微粒子が、天然ダイヤモンドもしくは人造ダイヤモンドを粉砕して得られたもの、又は爆射法によって得られたナノダイヤモンドであることを特徴とする眼鏡用レンズ。
  13. 請求項12に記載の眼鏡用レンズにおいて、前記ダイヤモンド微粒子が、表面処理を施したものであることを特徴とする眼鏡用レンズ。
  14. 請求項3〜13のいずれかに記載の眼鏡用レンズにおいて、前記レンズ基材の少なくとも1つの面に形状の異なる2枚以上の膜が積層して貼り付けられることにより、前記膜の厚み、及び/又は前記ダイヤモンド微粒子の単位面積当たりの量が、前記レンズ基材の前記面に沿って変化していることを特徴とする眼鏡用レンズ。
  15. レンズ基材と、前記レンズ基材の少なくとも1つの面に設けられたダイヤモンド微粒子を含有する膜とを有する眼鏡用レンズを製造する方法であって、前記レンズ基材の少なくとも1つの面にダイヤモンド微粒子を含有する分散液を塗布することにより前記ダイヤモンド微粒子を含有する膜を形成することを特徴とする眼鏡用レンズの製造方法。
  16. レンズ基材と、前記レンズ基材の少なくとも1つの面に設けられたダイヤモンド微粒子を含有する膜とを有する眼鏡用レンズを製造する方法であって、前記レンズ基材の少なくとも1つの面にダイヤモンド微粒子及びバインダーからなる膜を貼り付けることを特徴とする眼鏡用レンズの製造方法。
  17. レンズ基材と、前記レンズ基材の少なくとも1つの面に設けられたダイヤモンド微粒子を含有する膜とを有し、前記膜の厚みが、前記レンズ基材の前記面に沿って変化してなる眼鏡用レンズを製造する方法であって、前記レンズ基材の少なくとも1つの面に均一に形成したダイヤモンド微粒子を含有する膜を、研削及び研磨することを特徴とする眼鏡用レンズの製造方法。
  18. 請求項17に記載の眼鏡用レンズの製造方法において、ダイヤモンド微粒子を含有する分散液を、前記レンズ基材の少なくとも1つの面に塗布することによって前記膜を形成することを特徴とする眼鏡用レンズの製造方法。
  19. 請求項18に記載の眼鏡用レンズの製造方法において、前記塗布を、ディップコート法、インクジェット法、スピンコート法、スプレーコート法、又はフローコート法により行うことを特徴とする眼鏡用レンズの製造方法。
  20. 請求項17に記載の眼鏡用レンズの製造方法において、あらかじめ作製したダイヤモンド微粒子を含有する膜を、前記レンズ基材の少なくとも1つの面に貼り付けることを特徴とする眼鏡用レンズの製造方法。
  21. レンズ基材と、前記レンズ基材の少なくとも1つの面に設けられたダイヤモンド微粒子を含有する膜とを有し、前記膜の厚みが、前記レンズ基材の前記面に沿って変化してなる眼鏡用レンズを製造する方法であって、前記レンズ基材の少なくとも1つの面に、ダイヤモンド微粒子を含有する分散液を、付着量を変えながら塗布することを特徴とする眼鏡用レンズの製造方法。
  22. 請求項21に記載の眼鏡用レンズの製造方法において、前記付着量を変えながら塗布する方法が、インクジェット法であることを特徴とする眼鏡用レンズの製造方法。
  23. レンズ基材と、前記レンズ基材の少なくとも1つの面に設けられたダイヤモンド微粒子を含有する膜とを有し、前記膜の前記ダイヤモンド微粒子の単位面積当たりの量が、前記レンズ基材の前記面に沿って変化してなる眼鏡用レンズを製造する方法であって、前記レンズ基材の少なくとも1つの面に、ダイヤモンド微粒子を含有し、ダイヤモンド微粒子の含有量の異なる少なくとも2種類の分散液を、インクジェット法により互いの吐出量を変化させながら塗布することを特徴とする眼鏡用レンズの製造方法。
  24. レンズ基材と、前記レンズ基材の少なくとも1つの面に設けられたダイヤモンド微粒子を含有する膜とを有し、前記膜の厚みが、前記レンズ基材の前記面に沿って変化してなる眼鏡用レンズを製造する方法であって、前記レンズ基材の少なくとも1つの面にダイヤモンド微粒子及びバインダーを含有する形状の異なる複数の膜を積層して貼り付けることを特徴とする眼鏡用レンズの製造方法。
  25. 請求項14〜24のいずれかに記載の眼鏡用レンズの製造方法において、前記ダイヤモンド微粒子を含有する膜が、紫外線吸収剤を含有することを特徴とする眼鏡用レンズの製造方法。
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