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JP2013249397A - 塗料用樹脂 - Google Patents

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JP2013249397A
JP2013249397A JP2012125813A JP2012125813A JP2013249397A JP 2013249397 A JP2013249397 A JP 2013249397A JP 2012125813 A JP2012125813 A JP 2012125813A JP 2012125813 A JP2012125813 A JP 2012125813A JP 2013249397 A JP2013249397 A JP 2013249397A
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Keisuke Izu
啓介 伊豆
Toshiaki Omatsu
俊明 尾松
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Toray Fine Chemicals Co Ltd
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Abstract

【課題】 ナイロン、ポリエチレンテレフタレート、ABS樹脂、ポリカーボネート、アルミ、鉄、モルタルなどの種々被塗物に対して、耐水性、耐候性、耐薬品性等の各種塗膜性能が良好な塗料用樹脂を提供する。
【解決手段】 (a)(メタ)アクリル酸アルキルエステル50〜99.9重量部、(b)その他共重合可能な他のビニル系単量体0.1〜50重量部との混合物(A)100重量部及び重合開始剤(B)0.02〜20重量との混合物を反応させて得られる塗料用樹脂であって、混合物(A)の反応率が90%以上であり、重量平均分子量5,000〜200,000、分子量1,000未満の含有量が10重量%未満である塗料用樹脂。
【選択図】 なし

Description

本発明は、ナイロン、ポリエチレンテレフタレート、ABS樹脂、ポリカーボネート、アルミ、鉄、モルタルなどの種々被塗物に対して、耐水性、耐候性、耐薬品性等の各種塗膜性能が良好な塗料用樹脂に関する。
アクリル系樹脂は、その原料となるアクリル系単量体及びこれと共重合可能な単量体の種類が豊富で、これらの単量体の選択により付着性、接着性、硬度、透明性、耐光性、耐候性、耐薬品性等の物理的性質、化学的性質を随意にコントロールできることから、塗料用樹脂として幅広く用いられている。
近年、塗料用樹脂は、コストと性能の両立が求められている。特に、塗り替えが必須となっている橋梁、船舶、コンテナなどに用いられる塗料においては、施工がしやすく、ある一定の塗膜性能を保持し、かつ、低コストである常温乾燥型の塗料の要求が高い。
このような塗料の例として、重合性紫外線安定性単量体を共重合させ耐候性を改善する方法が考案されている(特許文献1参照)。しかし、一般に、重合性紫外線安定性単量体自体が高価であり、耐候性が不十分である。
低温で硬化反応可能な一液型の塗料用樹脂組成物が考案されている(特許文献2参照)。一液型の塗料用樹脂組成物は、塗料の安定性を良くし、良好な塗膜性能を発揮するために、分子量や残存モノマーの厳しいコントロールが必要であり、実用化できるレベルにはなっていない。
さらに、施工時の臭気を低減するために、ある特定のアルキル(メタ)アクリレートと炭化水素系溶媒を使用する塗料が考案されている(特許文献3参照)。特定のアルキル(メタ)アクリレートと炭化水素系溶媒を使用する塗料は、臭気の原因のひとつである残存モノマーの除去を行わなければならず、製造工程において手数を要する。
特開2001−172551号公報 特開2002−88296号公報 特開平6−184490号公報
本発明は、低コストでかつ、ナイロン、ポリエチレンテレフタレート、ABS樹脂、ポリカーボネート、アルミ、鉄、モルタルなどの種々被塗物に対して、耐水性、耐候性、耐薬品性等の各種塗膜性能が良好な塗料用樹脂を提供することを目的とする。
低コストでかつ、各種の被塗物被塗物に対して良好な塗膜性能を有する塗料用樹脂を鋭意検討した結果、残存モノマーや低分子成分の極めて少ない塗料用樹脂の製造方法を見出し、これによって製造された塗料用樹脂が良好な塗膜性能を有することを見いだした。
すなわち、本発明は、(a)(メタ)アクリル酸アルキルエステル50〜99.9重量部、(b)その他共重合可能な他のビニル系単量体0.1〜50重量部との混合物(A)100重量部及び重合開始剤(B)0.02〜20重量との混合物を反応させて得られる塗料用樹脂であって、混合物(A)の反応率が90%以上であり、重量平均分子量5,000〜200,000、分子量1,000未満の含有量が10重量%未満である塗料用樹脂である。
本発明の塗料用樹脂は、ナイロン、ポリエチレンテレフタレート、ABS樹脂、ポリカーボネート、アルミ、鉄、モルタルなどの種々被塗物に対して、耐水性、耐候性、耐薬品性等の各種塗膜性能がよい。本発明の塗料用樹脂は、低コストである。
本発明は、(a)(メタ)アクリル酸アルキルエステル50〜99.9重量部、(b)その他共重合可能な他のビニル系単量体0.1〜50重量部との混合物(A)100重量部及び重合開始剤(B)0.02〜20重量との混合物を反応させて得られる塗料用樹脂であって、混合物(A)の反応率が90%以上であり、重量平均分子量5,000〜200,000、分子量1,000未満の含有量が10重量%未満である塗料用樹脂である。
本発明で用いられる(メタ)アクリル酸アルキルエステルは、例えば、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸ノルマルプロピル、アクリル酸イソプロピル、アクリル酸ノルマルブチル、アクリル酸イソブチル、アクリル酸ターシャリブチル、アクリル酸シクロヘキシル、アクリル酸2−エチルヘキシル、アクリル酸イソボルニル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸プロピル、メタクリル酸ノルマルブチル、メタクリル酸ターシャリブチル、メタクリル酸イソブチル、メタクリル酸シクロヘキシル、メタクリル酸2−エチルヘキシル、メタクリル酸イソボルニル等の(メタ)アクリル酸の炭素原子数1〜18の直鎖、分岐、環状アルキルエステル類が上げられる。これらは、単独で使用しても良いが、2種以上併用することにより種々の特性を得ることができる。
特に、本発明で用いられる(メタ)アクリル酸アルキルエステルのアルキル基は、耐水性を向上させるには、炭素原子数4以上のアルキル基が好ましく、より好ましくは、イソブチル基、ターシャリブチル基、2−エチルヘキシル基等の分岐アルキル基、シクロヘキシル基、イソボルニル基等の環状アルキル基が好ましい。
本発明で用いられる(メタ)アクリル酸アルキルエステルの使用量は、混合物(A)100重量部中、50〜99.9重量部である。
本発明で用いられるその他共重合可能な他のビニル系単量体は、例えば、アクリル酸2−ヒドロキシエチル、アクリル酸2−ヒドロキシプロピル、アクリル酸4−ヒドロキシブチル、シクロヘキサンジメタノールのモノアクリル酸エステル、メタクリル酸2−ヒドロキシエチル、メタクリル酸2−ヒドロキシプロピル、メタクリル酸4−ヒドロキシブチル、シクロヘキサンジメタノールのモノメタクリル酸エステル、ダイセル化学工業株式会社プラクセルFシリーズ(FM2D、FM3、FM5、FA1DDM、FA2D、FA10L)等のヒドロキシ基含有単量体、メタクリル酸、アクリル酸等のカルボキシル基含有単量体、メタクリル酸グリシジル、アクリル酸グリシジル、3,4−エポキシシクロヘキシルメチルアクリレート、3,4−エポキシシクロヘキシルメチルメタクリレート等のエポキシ基含有単量体、3−メタクリロイルオキシプロピルトリメトキシシラン、3−メタクリロイルオキシプロピルトリエトキシシラン、3−メタクリロイルオキシプロピルメチルジメトキシシラン等のアルコキシ基含有単量体、アクリルアミド、ダイアセトンアクリルアミド、ダイアセトンメタクリルアミド、N−ブトキシメチルアクリルアミド、N−ブトキシメチルメタクリルアミド等のアクリルアミド系単量体、2−[2´−ヒドロキシ−5´−(メタクリロイルオキシメチル)フェニル]−2H−ベンゾトリアゾール、2−[2´−ヒドロキシ−5´−(メタクリロイルオキシエチル)フェニル]−2H−ベンゾトリアゾール、2−[2´−ヒドロキシ−5´−(メタクリロイルオキシプロピル)フェニル]−2H−ベンゾトリアゾール等のベンゾトリアゾール系紫外線吸収性不飽和単量体(R−UVA)、4−メタクリロイルアミノ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、4−メタクアクリロイルオキシ−1,2,2,6,6−ペンタメチルピペリジン等のヒンダートアミン系光安定性不飽和単量体(R−HALS)、スチレン、酢酸ビニル、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート、ブタジエン、テトラフルオロエチレン、トリクロロフルオロエチレン、ジクロロフルオロエチレン、モノクロロフルオロエチレン、ブチルビニルエーテルおよびシクロヘキシルビニルエーテル等のビニル系単量体を上げることができる。これらの、共重合可能な他のビニル系単量体は単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
本発明で用いられるその他共重合可能な他のビニル系単量体の使用量は、(a)(メタ)アクリル酸アルキルエステルと、(b)その他共重合可能な他のビニル系単量体との混合物(A)100重量部中、0.1〜50重量部である。
本発明では、(a)(メタ)アクリル酸アルキルエステル、(b)その他共重合可能な他のビニル系単量体との混合物(A)混合物(A)の反応率が90%以上であり、好ましくは、93%以上、より好ましくは、95%以上である。
本発明で使用される重合開始剤(B)は、種々の重合開始剤が使用可能であるが、例えば、2,2´−アゾビスイソブチロニトリル、2,2´−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)、2,2´−アゾビス(2−メチルブチロニトリル)等のアゾ系開始剤、2−tert−ブチルパーオキシベンゾエート(TBPB)、tert−ブチルハイドロパーオキシド(TBHPO)、2−tert−ブチルパーオキサイド(DTBP)等の過酸化物系開始剤が使用される。これらの開始剤は、単独で使用しても良く、2種以上を併用してもよい。これらの重合開始剤(B)の使用量は、混合物(A)100重量部に対して、0.02〜20重量部、好ましくは0.1〜10重量部の範囲で使用される。重合開始剤の使用量が0.02重量部未満であると、重合反応が十分進行せず、生成する樹脂の分子量がバラツキ、品質が一定せず、20重量部より多いと、重合開始剤(B)の分解生成物の影響で、塗膜の耐水性や耐候性が悪化する。
本発明では、好ましくは、混合物(A)100重量部に対してチオール基を有する化合物(C)を0.01〜20重量部を含有する。
本発明で使用される、チオール基を有する化合物(C)は、種々のものが選択されるが、例えば、1−ブタンチオール、1−ヘプタンチオール、1−デカンチオール、1−ドデカンチオール等のアルキルチオール類、チオグリコール酸、2−メルカプトプロピオン酸、2−メルカプトエタノール、3−メルカプト−2−ブタノール等を上げることができ、単独で使用してもよく、2種類以上を併用して用いることもできる。チオール基を有する化合物(C)を用いることにより、樹脂の末端構造が制御され、耐候性の高い樹脂を合成することが可能である。
これらのチオール基を有する化合物(C)の使用量は、混合物(A)100重量部に対して、0.01〜20重量部が好ましく、より好ましくは0.1〜10重量部の範囲で使用される。
本発明において、塗料用樹脂の重量平均分子量は、5000〜200,000、さらに好ましくは、10,000〜100,000の範囲で設定される。5000未満では、耐候性、耐薬品性などの塗膜性能が十分得られず。200,000以上であると塗料の粘性が高く、塗装作業性を著しく低下する。
さらに、塗料用樹脂の分子量の分散度(重量平均分子量/数平均分子量)は1.9〜3.0の範囲で設定することが好ましい。この範囲で設定することにより、塗料のタレが抑制された作業性が良く、仕上がり外観のよい塗膜を得ることができる。
本発明において、塗料用樹脂は、分子量1,000未満の含有量が10重量%未満であり。好ましくは、9重量%未満、さらに好ましくは、8重量%未満である。
本発明における塗料用樹脂は、酸化チタン、炭酸カルシウム、カーボンブラック、シリカゾル、チタニアゾル、紺青、酸化鉄等の顔料、レベリング剤、増粘剤、顔料分散剤、消泡剤、紫外線吸収剤、光安定化剤(HALS)、酸化防止剤等の塗料添加剤、フッ素樹脂、シリコーン、ブチルゴム、塩化ゴム、イソプレンゴム、ポリウレタンゴム、ゴム変性エポキシ樹脂、アルキッド樹脂、ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂、塩素化ポリオレフィン樹脂、アクリル樹脂等の塗料用樹脂、エポキシ、イソシアネート、メラミン、加水分解性シリコーン等の硬化剤をそれぞれ適宜配合させて塗料を調合することができる。
本発明の塗料用樹脂の製造方法では、(a)(メタ)アクリル酸アルキルエステル50〜99.9重量部、(b)その他共重合可能な他のビニル系単量体0.1〜50重量部との混合物(A)100重量部及び重合開始剤(B)0.02〜20重量との混合物を反応させて得られる塗料用樹脂であって、混合物(A)の反応率が90%以上であり、重量平均分子量5,000〜200,000、分子量1,000未満の含有量が10重量%未満である塗料用樹脂は、還流温度で反応させる工程と還流温度以下で熟成を行う工程により製造する。
本発明における、還流温度で反応させるとは、混合物(A)を還流下で反応させる方法、あるいは混合物(A)と溶媒の混合物の還流下で反応させる方法をいう。このなかでも、混合物(A)と溶媒との混合物を還流下で反応させる方法が重合の反応制御がやりやすく、重合暴走などを抑制し、高品質な樹脂を製造することができる。
混合物(A)と溶媒の混合物を反応させる方法の場合、使用される溶媒は種々のものが使用される。溶媒は、例えば、トルエン、キシレン、エチルベンゼン等の芳香族系溶媒、酢酸エチル、酢酸ノルマルブチル、酢酸イソブチル、酢酸ノルマルプロピル、酢酸イソプロピル、酢酸アミルなどの酢酸エステル系溶媒、メチルイソブチルケトン、メチルエチルケトン、ジイソブチルケトン、アセトン等のケトン系溶剤、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール、ノルマルプロピルアルコール、ノルマルブチルアルコール、イソブチルアルコール、ターシャリブチルアルコール、ベンジルアルコール等のアルコール系溶媒、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、プロピレングリコール等のグリコール系溶媒、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル等のグリコールエーテル系溶媒、メチルセロソルブアセテート、メトキシプロピルアセテート等のアセテート系溶媒、ノルマルヘキサン、シクロへキサン、メチルシクロへキサン、ヘプタン等の炭化水素系溶媒、エクソンモービル社のソルベッソ100、ソルベッソ150、丸善石油株式会社のスワゾール1000、スワゾール1500、スワゾール1800、出光興産株式会社のイプゾール100、イプゾール150等のナフサ系溶媒が上げられる。これらの溶媒は単独でも、2種以上を併用して用いることができるが、目的とする反応温度が還流温度となるように、適宜、沸点の異なる2種以上の溶媒を併用して用いることが好ましい。
混合物(A)と溶媒との混合物の還流下で反応させる方法としては、例えば、混合物(A)と溶媒を一括で仕込み、反応させる方法、混合物(A)の一部を溶媒中に仕込み、残りの混合物(A)を分割もしくは滴下により供給させて反応させる方法、混合物(A)すべてを溶媒中に分割もしくは滴下により供給させて反応させる方法等、混合物(A)を溶媒に供給させる種々の方法がある。
本発明の塗料用樹脂の製造方法では、還流温度で反応させる場合の温度は、重合開始剤(B)の1時間半減期温度を中心として、−20〜+20℃の範囲で設定することが好ましい。これ未満の温度では、未反応の開始剤が残存し、塗膜の耐水性、耐候性等の性能が悪化し、これより高い温度であると、開始剤の分解が早すぎるため、分子量が上がらなかったり、残存モノマーが多くなったりする傾向がある。さらに、反応温度としては、50〜200℃の範囲で設定することが好ましく、さらに好ましくは、70〜180℃の範囲で設定することが好ましい。
本発明の塗料用樹脂の製造方法では、還流温度以下で熟成を行う工程とは、混合物(A)を還流温度で反応させる工程において、混合物(A)の反応率が70%以上、さらに好ましくは90%以上になった時点で、還流が停止する温度まで反応温度をさげ、その状態で反応を継続させることをいう。
本発明の塗料用樹脂の製造方法では、還流温度以下で熟成を行う工程において、重合開始剤(B)を追加添加することが好ましい。還流温度以下で熟成を行う工程においては、さらに重合開始剤(B)を追加添加することにより、重合を短期間で完結させることができる。ここにおいても、重合開始剤(B)の1時間半減期温度が反応温度に対して、−20〜+20℃の範囲となるような重合開始剤を選択することが好ましい。
本発明の塗料用樹脂の製造方法では、重量平均分子量及び分子量の分散度は、混合物(A)を還流下で反応させるときの温度、重合開始剤(D)の種類及び量、チオール基を有する化合物(C)の種類及び量、混合物(A)の溶媒への供給方法等の条件を適宜組み合わせることにより調節することができる。特に、重量平均分子量が40000〜200,0000かつ分散度が2.3〜2.6の場合、タレ性を向上させることができる。
本発明における塗料用樹脂を用いた塗料は、一般の塗料に適用される種々塗装方法で塗装することができる。例えば、スプレー塗装、ロールコート、カーテンコート、刷毛塗り、静電塗装、アニオン、カチオン電着塗装、ディッピング等の方法を適用することができる。さらに、プライマー(接着層)、ベースコート用(中塗りで通常着色塗料)、トップコート用(表面仕上げ塗り)、ワンコート用等種々の塗膜構成に適用することができる。
本発明における塗料用樹脂を用いた塗料が適用できる基材(被塗物)としては、ポリスチレン樹脂、アクリル樹脂、アクリロニトリル−スチレン−ブタジエン樹脂(ABS)、ポリプロピレン、エチレン−プロピレン樹脂、ポリカーボネート樹脂、ノリル樹脂、ナイロン樹脂、エポキシ樹脂、ポリエステル樹脂のプラスチック類、およびこれらに、フィラー、ガラス繊維、炭素繊維などの補強材等をブレンドした複合材料、ガラス、モルタル、セメントスレート、岩石等の無機物、鉄(および合金)、銅(および合金)、アルミニウム(および合金)、マグネシウム(および合金)等の金属類、紙、ビニールクロスなどを上げることができる。
以下、実施例及び比較例により本発明をさらに詳細に説明する。
(重量平均分子量及び数平均分子量の測定)
ゲルパーミレーションクロマトグラフィー(機器:東ソー株式会社、HLC−8220GPC、カラム:TSKgel SuperHZM−N、ガードカラム:TSKGuardcolumn SuperHZ−L、溶媒:テトラヒドロフラン、以下、GPCと略す)により、ポリスチレンをスタンダードとする相対分子量を求めた。
(分子量1000未満のものの測定)
GPCから得られたヒストグラムデータより、分子量1000未満の累計値を用いた。
(反応率の測定)
実測加熱残分に対する、混合物(A)の反応率100%を想定した理論過熱残分の百分率とした。すなわち、以下の計算式により求めた。
{(実測過熱残分(%))÷(混合物(A)の反応率100%を想定した理論過熱残分(%))}×100。
なお、加熱残分の測定はJIS K5601−1−2に準拠した。
(碁盤目テープ試験)
鋼板に乾燥膜厚が40μになるようスプレー塗装し、80℃で10分間の焼付けをした試験片を室温に冷却し、JIS K5400(1999年廃止)に準拠して、碁盤目テープ試験をおこない、下記の判断基準のとおり判定した。
90〜100/100 :良好
80〜89/100 :やや良好
79以下/100 :不良 。
(鏡面光沢試験)
鋼板に乾燥膜厚が40μになるようスプレー塗装し、80℃で10分間の焼付けをした試験片を室温に冷却し、JIS Z8741に準拠して、60°鏡面光沢試験をおこない下記の判断基準のとおり判定した。
45以上 :良好
40〜45 :やや良好
40未満 :不良 。
(耐水性試験)
鋼板に乾燥膜厚が40μになるようスプレー塗装し、80℃で10分間の焼付けをした試験片を室温に冷却し40℃±1℃に設定した温水に浸漬させ7日後に試験片を取り出した。 取り出した試験片は、水分を完全に拭き取り下記の判断基準のとおり目視判定した。
外観変化無し :良好
やや白化・部分白化 :やや良好
全面白化・部分剥離・全面剥離 :不良 。
(促進耐候性試験)
鋼板に乾燥膜厚が40μになるようスプレー塗装し、80℃で10分間の焼付けをした試験片を室温に冷却しQ−UV照射試験機(ランプ:UVB−313、BPT:63℃、照度:0.67W/m2、降雨条件:18/120分(降雨中は照射なし))にて照射時間500時間後の60°鏡面光沢保持率を日本電色工業製VG2000、視野角度60°にて測定した。60°鏡面光沢保持率は、下記の判定基準のとおり判定した。
60°鏡面光沢保持率50%以上 :良好
60°鏡面光沢保持率40〜50% :やや良好
60°鏡面光沢保持率40%未満 :不良 。
(タレ性試験)
鋼板にタレ性試験機タグテスターを用いて塗布後、試験片を垂直に立て塗膜の限界膜厚を測定し下記の判定基準のとおり判定した。
塗布膜厚14mils以上 :良好
塗布膜厚11〜14mils :やや良好
塗布膜厚10mils未満 :不良 。
(実施例1)
温度計、滴下ロート、コンデンサー、攪拌機を備えた4つ口フラスコに、溶媒として、ソルベッソ100(エクソンモービル社製)15重量部、キシレン34重量部を仕込み、窒素パージした後、溶媒が還流状態になるまで、オイルバスにて加熱した。このときの還流温度は138〜142℃であった。次に、メタクリル酸メチル37重量部、メタクリル酸ノルマルブチル62重量部、メタクリル酸1重量部、パーブチルD(日油株式会社製、ジターシャリブチルパーオキサイド)0.6重量部を秤とり、良く混合した後、滴下ロートに仕込んだ。この混合物を、還流状態の溶媒中に3時間にわたり滴下した。滴下終了時点の反応率を測定したところ、87%であった。次いで、4つ口フラスコ内の温度を90℃に調整し、溶媒の還流を止め、この状態を2.5時間保持した後、冷却し、ソルベッソ100を50重量部加えて塗料用樹脂の溶液を得た。得られた塗料用樹脂の重量平均分子量は47000、数平均分子量18000、分子量の分散度(重量平均分子量/数平均分子量)2.6、分子量1000未満のものの含有量8.3%、反応率は92%であった。
(実施例2)
実施例1と同様の装置、配合、還流温度条件で反応を行った。滴下終了時点の反応率を測定したところ、実施例1と同様87%であった。4つ口フラスコ内の温度を90℃に調整し、溶媒の還流を止め、次いで、2、2´−アゾビスイソブチロニトリル0.8重量部とソルベッソ100の10重量部のスラリーを調合し、これを30分置きに4分割して投入した後、さらに1.5時間熟成を継続した。4つ口フラスコ内を冷却し、ソルベッソ100を50重量部加えて塗料用樹脂の溶液を得た。得られた塗料用樹脂の重量平均分子量は46000、数平均分子量22000、分子量の分散度(重量平均分子量/数平均分子量)2.1、分子量1000未満のものの含有量0.8%、反応率は98%であった。
(実施例3)
実施例1と同様の装置に同様の配合で溶媒を仕込み、同様の条件、還流温度にした。次にメタクリル酸メチル37重量部、メタクリル酸ノルマルブチル62重量部、メタクリル酸1重量部、n−ドデシルメルカプタン0.01重量部、パーブチルD(日油株式会社製、ジターシャリブチルパーオキサイド)0.6重量部を秤とり、良く混合した後、滴下ロートに仕込んだ。この混合物を、還流状態の溶媒中に3時間にわたり滴下した。滴下終了時点の反応率を測定したところ、実施例1と同様87%であった。4つ口フラスコ内の温度を90℃に調整し、溶媒の還流を止め、次いで、2、2´−アゾビスイソブチロニトリル0.8重量部とソルベッソ100の10重量部(固形分調整溶剤50重量部の一部)のスラリーを調合し、これを30分置きに4分割して投入した後、さらに1.5時間熟成を継続した。4つ口フラスコ内を冷却し、固形分調整溶剤のソルベッソ100を40重量部(スラリー調合分を除いた残り)加えて塗料用樹脂の溶液を得た。得られた塗料用樹脂の重量平均分子量は45000、数平均分子量21000、分子量の分散度(重量平均分子量/数平均分子量)2.1、分子量1000未満のものの含有量0.8%、反応率は98%であった。
(実施例4〜13)
表1〜2に示すとおりの配合及び条件にて、チオール基を有する化合物(D)を使用しない場合は実施例2と同様の操作で、チオール基を有する化合物(D)を使用する場合は実施例3と同様の操作を行い、塗料用樹脂を得た。それぞれの樹脂の評価結果は表4〜5に示した。
(比較例1)
実施例1において、熟成温度を140℃の還流状態に保つ以外は同様の操作を行い、塗料用樹脂を得た。評価結果は表6に示した。
(比較例2〜4)
表3に示すとおりの配合にする以外は、実施例4と同様の操作を行い、塗料用樹脂を得た。それぞれの樹脂の評価結果は表6に示した。
Figure 2013249397
Figure 2013249397
Figure 2013249397
Figure 2013249397
Figure 2013249397
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Claims (4)

  1. (a)(メタ)アクリル酸アルキルエステル50〜99.9重量部、(b)その他共重合可能な他のビニル系単量体0.1〜50重量部との混合物(A)100重量部及び重合開始剤(B)0.02〜20重量との混合物を反応させて得られる塗料用樹脂であって、混合物(A)の反応率が90%以上であり、重量平均分子量5,000〜200,000、分子量1,000未満の含有量が10重量%未満である塗料用樹脂。
  2. (a)(メタ)アクリル酸アルキルエステルと、(b)その他共重合可能な他のビニル系単量体との混合物(A)100重量部に対してチオール基を有する化合物(C)を0.01〜20重量部を含有する請求項1記載の塗料用樹脂。
  3. 還流温度で反応させる工程と還流温度以下で熟成を行う工程により請求項1または2記載の塗料用樹脂を製造する塗料用樹脂の製造方法。
  4. 還流温度以下で熟成を行う工程において、重合開始剤(B)を追加添加する請求項3記載の塗料用樹脂の製造方法。
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