[go: up one dir, main page]

JP2013240839A - 研磨布 - Google Patents

研磨布 Download PDF

Info

Publication number
JP2013240839A
JP2013240839A JP2012113808A JP2012113808A JP2013240839A JP 2013240839 A JP2013240839 A JP 2013240839A JP 2012113808 A JP2012113808 A JP 2012113808A JP 2012113808 A JP2012113808 A JP 2012113808A JP 2013240839 A JP2013240839 A JP 2013240839A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
base material
yarn
polishing
heat
abrasive
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2012113808A
Other languages
English (en)
Other versions
JP5738232B2 (ja
Inventor
Yasunari Okamoto
康成 岡本
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Noritake Co Ltd
Noritake Coated Abrasive Co Ltd
Original Assignee
Noritake Co Ltd
Noritake Coated Abrasive Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Noritake Co Ltd, Noritake Coated Abrasive Co Ltd filed Critical Noritake Co Ltd
Priority to JP2012113808A priority Critical patent/JP5738232B2/ja
Publication of JP2013240839A publication Critical patent/JP2013240839A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5738232B2 publication Critical patent/JP5738232B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Landscapes

  • Polishing Bodies And Polishing Tools (AREA)
  • Finish Polishing, Edge Sharpening, And Grinding By Specific Grinding Devices (AREA)

Abstract

【課題】研磨性能を保証しつつ耐久性に優れた研磨布を提供する。
【解決手段】研磨材を保持する布状の基材24を備えた研磨布10であって、基材24は、芯部32の周囲にその芯部32よりも融点の低い鞘部34が設けられた熱融着糸30を、経糸26の少なくとも一部に用いた織物であることから、経糸26と緯糸28とが強固に固着されることにより、繊維のずれ及び織布の伸びが抑えられるため、基材表面と研磨層との接着力の低下を好適に抑制できる。
【選択図】図2

Description

本発明は、研磨加工に用いられる研磨布に関し、特に、研磨性能を保証しつつその耐久性を向上させるための改良に関する。
研磨加工に用いられる研磨布が知られている。この研磨布は、例えば布状の基材の表面に粒状乃至粉状の研磨材が固着されたものであり、例えば、長手帯状の研磨ベルト、円盤状の研磨ディスク、或いはフラップホイールにおける翼片等がそれである。斯かる研磨布による研磨加工においては、ワークに対してその研磨布が摺接させられることで、そのワークにおける表面の仕上げ研磨等が行われる。例えば、特許文献1に記載された無端研磨ベルトがその一例である。
特開2011−77413号公報
しかし、前述したような従来の技術では、製品形状(帯状乃至円盤状等)への加工時や研磨加工における使用時等において、例えば研磨ベルトのスリットエッヂや研磨ディスクの外周端部等から繊維のほつれが発生し、研磨材を含む研磨層の脱落が発生したり、用途によってはほつれた繊維に起因してワークに傷をつける等の不具合が生じるおそれがあった。斯かる不具合を解消するために、従来は研磨布における布基材の表面に樹脂加工を行う等の対策がとられてきたが、上記不具合を十分には解消できなかった。このため、研磨性能を保証しつつ耐久性に優れた研磨布の開発が求められていた。
本発明は、以上の事情を背景として為されたものであり、その目的とするところは、研磨性能を保証しつつ耐久性に優れた研磨布を提供することにある。
斯かる目的を達成するために、本発明の要旨とするところは、研磨材を保持する布状の基材を備えた研磨布であって、前記基材は、芯部の周囲にその芯部よりも融点の低い鞘部が設けられた熱融着糸を、経糸の少なくとも一部に用いた織物であることを特徴とするものである。
このようにすれば、前記基材は、芯部の周囲にその芯部よりも融点の低い鞘部が設けられた熱融着糸を、経糸の少なくとも一部に用いた織物であることから、経糸と緯糸とが強固に固着されることにより、繊維のずれ及び織布の伸びが抑えられるため、基材表面と研磨層との接着力の低下を好適に抑制できる。すなわち、研磨性能を保証しつつ耐久性に優れた研磨布を提供することができる。
ここで、好適には、前記基材は、前記織物として織り上げられた状態において、前記熱融着糸における前記鞘部の少なくとも一部が加熱融着されたものである。このようにすれば、経糸と緯糸とが強固に固着されることに加え、熱加工時の温度条件によって経糸と緯糸との密着力の変化及び布の硬度(風合い)の調整が可能となり、薄い織布においても硬さ(こし)を与えることができる。
また、好適には、前記基材は、前記熱融着糸を経糸に10%以上含む織物である。このようにすれば、経糸と緯糸とを必要十分な密着力で固着することができる。
また、好適には、前記芯部は、ポリエステル繊維であり、前記鞘部は、その芯部よりも融点の低いポリエステル又はポリエチレンである。このようにすれば、実用的な材料から構成される熱融着糸を用いて、研磨性能を保証しつつ耐久性に優れた研磨布を提供することができる。
また、好適には、前記熱融着糸の芯部は、ポリエステル繊維によるフィラメント糸又は紡績糸である。このようにすれば、実用的な材料から構成される熱融着糸を用いて、研磨性能を保証しつつ耐久性に優れた研磨布を提供することができる。
また、好適には、前記基材は、経糸が1cmあたり11〜80本、緯糸が1cmあたり7〜60本の組織で平織、綾織、又は繻子織とされた織物である。このようにすれば、研磨性能を保証しつつ耐久性に優れた実用的な態様の研磨布を提供することができる。
また、好適には、前記研磨布は、研磨ベルトに用いられるものである。このようにすれば、研磨性能を保証しつつ耐久性に優れた研磨ベルトを提供することができる。
また、好適には、前記研磨布は、フラップホイールにおける翼片に用いられるものである。このようにすれば、研磨性能を保証しつつ耐久性に優れたフラップホイールを提供することができることに加え、熱融着糸の配合比率の調整により再生性(自生作用)のコントロールが容易になるという利点がある。
本発明の一実施例である研磨布が用いられた研磨ベルトについて概略的に示す斜視図である。 図1の研磨ベルトを構成する研磨布に備えられた基材の構成を例示する図であり、その一部を拡大して示す図である。 図2の基材における熱融着糸の構成を説明するために経糸の断面を概略的に示す図である。 本実施例の研磨布における基材の製造方法の一例の要部を説明する工程図である。 従来の研磨布の基材として用いられる一般的な織布の裏面写真である。 本発明の一実施例である研磨布に用いられる基材の裏面写真である。 図6の基材における経糸が加熱融着してゆく様子を説明する写真であり約190℃での加熱時の様子を示している。 図6の基材における経糸が加熱融着してゆく様子を説明する写真であり約200℃での加熱時の様子を示している。 従来の一般的な織布を基材として用いた研磨布を実際の使用条件で使用した後のスリットエッヂを示す写真である。 本発明の一実施例である基材を用いた研磨布を実際の使用条件で使用した後のスリットエッヂを示す写真である。 本発明の効果を検証するために本発明者が行った試験について概略的に示す斜視図である。 本発明の効果を検証するために本発明者が行った試験の結果を示す表である。 本発明の一実施例である研磨布が用いられたフラップホイールについて概略的に示す斜視図である。 図13のフラップホイールの翼片として好適に用いられる研磨布の基材の裏面写真である。
以下、本発明の好適な実施例を図面に基づいて詳細に説明する。以下の説明に用いる図面において、各部の寸法比等は必ずしも正確には描かれていない。
図1は、本発明の一実施例である研磨布10が用いられた研磨ベルト12について概略的に示す斜視図である。この図1に示すように、斯かる研磨ベルト12は、ワーク14の表面研磨加工に用いられるものであり、図示しない駆動モータによって回転駆動される駆動ホイール16と、従動ホイール18との間に、無端ベルト状(帯状且つ無端環状)に形成された本実施例の研磨布10が、研磨材の固着された研磨面20を外側としてかけ渡されて構成されたものである。
前記研磨ベルト12による研磨加工においては、ベルト状に形成された前記研磨布10の内周側(研磨面20の裏側)に台22が設けられ、前記ワーク14が前記研磨布10の外周側(研磨面20側)からその研磨布10を間に挟んで前記台10に押し付けられた状態で、前記駆動ホイール16の回転駆動により前記研磨布10が駆動されることで前記ワーク14の研磨加工が行われる。すなわち、前記駆動ホイール16が図1に矢印に示す方向に回転駆動されると、その駆動ホイール16との間の摩擦力により前記研磨布10は同じく図1に矢印で示す方向に駆動(循環)される。これにより、前記ワーク14(研磨面20との接触面)に対して前記研磨布10の研磨面20が摺接させられることで、そのワーク20における表面(研磨面20と摺接させられる面)の研磨が行われる。
図2は、前記研磨ベルト12を構成する研磨布10に備えられた基材24の構成を例示する図であり、その一部を拡大して示す図である。この図2に示すように、前記研磨布10は、図示しない研磨材を保持する布状の基材24を備えたものであり、その基材24は、好適には、平織、綾織、又は繻子織等の織物(図2では綾織の基材24を例示)である。すなわち、前記基材24は、経糸26と緯糸28とが組み合わされて所定の幅寸法及び長さ寸法の布面を構成するものであり、例えば、図1に示すようなベルト状の研磨布10においては、環方向(研磨ベルト12における循環方向)が経糸方向、幅方向が緯糸方向にそれぞれ対応する。実際の研磨布10においては、図2に示すような基材24の表面に図示しない研磨材が接着剤等により固定される。この研磨材としては、アルミナや炭化ケイ素等の一般砥粒、或いはダイヤモンドやCBN(立方晶窒化硼素)等の超砥粒が好適に用いられる。
前記経糸26は、好適には、その構成要素であるフィラメント糸乃至紡績糸等の繊維が1インチあたり30〜200本すなわち1cmあたり11〜80本の組織とされたものである。前記緯糸28は、好適には、その構成要素であるフィラメント糸乃至紡績糸等の繊維が1インチあたり20〜150本すなわち1cmあたり7〜60本の組織とされたものである。前記経糸26及び緯糸30それぞれの太さ寸法は、例えば恒重式番手(標準重量1ポンド、測長単位840ヤードの英国式番手)で前記経糸26に20番手、緯糸28に30番手のものが好適に用いられるが、前記研磨布10の仕様に応じて任意の番手のものが適宜用いられ得る。好適には、前記経糸26には、前記緯糸28よりも太い糸が用いられる。
本実施例の研磨布10に備えられる基材24は、前記経糸26の少なくとも一部に熱融着糸30を用いた織物である。図3は、この熱融着糸30の構成を説明するために前記経糸26の断面を概略的に示す図である。この図3では、前記経糸26を構成する複数(図3では7本)の繊維が何れも前記熱融着糸30である構成を例示している。図3に示すように、前記熱融着糸30は、芯部32の周囲にその芯部32よりも融点の低い鞘部34が設けられたものである。換言すれば、糸状の芯部32の周囲がその芯部32よりも融点の低い鞘部34により被覆されて構成されたものである。好適には、前記芯部32の融点は260℃程度、前記鞘部34の融点は180〜200℃程度である。好適には、前記芯部32は、ポリエステル繊維によるフィラメント糸又は紡績糸(スパン)であり、前記鞘部34は、その芯部32よりも融点の低いポリエステル又はポリエチレンである。
前記基材24は、好適には、前記熱融着糸30を前記経糸26の組織に例えば本数の比率で10%以上含む織物であり、余の組織は従来一般的であったポリエステル、綿の紡績糸や混紡糸、ポリエステルフィラメント等とされる。前記緯糸28は必ずしも前記熱融着糸30を含むものでなくともよいが、前記研磨布10の仕様によっては前記緯糸28の組織に前記熱融着糸30を含むものであってもよい。すなわち、前記基材24は、好適には、前記熱融着糸30を前記経糸26の組織に例えば本数の比率で10〜100%、前記緯糸28の組織に例えば本数の比率で0〜100%(0%は使用しないことを意味する)使用した布基材である。
前記基材24は、好適には、図2に示すように織物として織り上げられた状態において、前記熱融着糸30における前記鞘部34の少なくとも一部が加熱融着されたものである。更に好適には、前記熱融着糸30における前記芯部32は溶融させられないまま(鞘部34との境界部分において不可避的に溶融した部分を除く)、その周囲の鞘部34のみが溶融後固化されたものである。換言すれば、前記基材24においては、前記熱融着糸30における前記鞘部34の少なくとも一部が加熱融着されることで、例えば前記経糸26を構成するマルチフィラメント乃至紡績糸が融着(溶融後固化)された鞘部34によって相互に結合され、モノフィラメント(単一繊維)に近い状態となって繊維のほつれが抑制される。
図4は、本実施例の研磨布10における基材24の製造方法の一例の要部を説明する工程図である。先ず、織布工程P1において、少なくとも一部に前記熱融着糸30を用いた前記経糸26と、前記緯糸28とが、例えば経糸30〜200本/インチ(11〜80本/cm)、緯糸20〜150本/インチ(7〜60本/cm)の組織で平織、綾織、又は繻子織等の織物として織り上げられる。次に、ヒートセット工程P2において、前記織布工程P1にて織り上げられた織物が、例えばヒートセッタ等により180〜200℃の温度で熱処理される。このヒートセット工程P2における熱処理温度は、前記鞘部34の融点付近であり、且つ前記芯部32の融点未満であることが望ましい。この熱処理において前記経糸26における熱融着糸30の鞘部34の少なくとも一部が溶融させられ、更に熱処理後冷却されることで凝固(固化)される。すなわち、前記ヒートセット工程P2後の織物(基材24)においては、前記経糸26の熱融着糸30における前記鞘部34の少なくとも一部が融着されることで、その経糸26の組織同士が相互に固着させられると共に、前記緯糸28との接触部分において前記経糸26と緯糸28とが相互に固着させられる。このようにして得られた基材24の表面に図示しない所定の研磨材が接着剤等により固着されることで前記研磨布10が製造される。
図5は、従来の研磨布において通常用いられる、経糸及び緯糸に従来の一般的なポリエステル、綿の混紡糸を使用した織布(紡績糸)の裏面写真である。図6は、本実施例の研磨布10に用いられる基材24の裏面写真であり、前記経糸26に前記熱融着糸30を100%使用すると共に、前記緯糸28には一般的なポリエステル紡績糸を使用した織布である。また、図6に示す基材24の糸組織としては、前記経糸26が約100本/インチ(約40本/cm)、前記緯糸28が約60本/インチ(約24本/cm)とされている。図7及び図8は、図6に示す本実施例の基材24に熱処理を施すことで前記熱融着糸30における鞘部34が融着してゆく様子を示す裏面写真であり、図7は約190℃での加熱時、図8は約200℃での加熱時の様子をそれぞれ示している。図6に示す状態から図7に示す状態、更には図8に示す状態への推移から明らかなように、熱処理(ヒートセット)における加熱温度の上昇に伴い前記基材24における前記経糸26の融着状態(融着の度合い)が強くなっていくことがわかる。熱処理において約200℃での加熱を施した場合、図8に示すように前記経糸26における低融点樹脂すなわち前記鞘部34は略全て融着し、所謂モノフィラメントに近い状態となる。斯かる状態においては、前記経糸26の繊維相互間が固着されていることに加え、前記緯糸28との接触部分において前記経糸26と緯糸28とが強固に固着されている。
図9及び図10は、ベルト状に加工された研磨布を実際の使用条件で使用した後のスリットエッヂ(スリット断面)を示す写真であり、図9は従来の一般的な布基材を用いた研磨布(図5に相当するもの)、図10は本実施例の基材24を用いた研磨布10(図7に相当するもの)にそれぞれ対応する。図9に示すように、従来の一般的な布基材を用いた研磨布のスリット断面では、明らかに繊維がほつれており毛羽だったようになっていることがわかる。このように繊維がほつれた状態では、研磨材を含む研磨層の脱落が発生したり、用途によってはほつれた繊維に起因してワークに傷をつける等の不具合が生じるおそれがある。これに対し、図10に示すように、本実施例の基材24を用いた研磨布10のスリット断面では、繊維のほつれはほとんど発生しておらず、良好な状態が保てていることがわかる。すなわち、本実施例の基材24を用いた研磨布10のスリット断面を従来技術のものと比較した場合、エッヂの状態に明らかな差異があり、本実施例の基材24を用いた研磨布10では繊維のほつれが好適に抑制されていることがわかる。
続いて、本発明の効果を検証するために本発明者が行った試験について説明する。図11は、この試験について概略的に示す斜視図である。この図11において、前述した図1の構成と共通する部分については同一の符号を付してその説明を省略する。本発明者は、従来一般的であった布基材を用いた研磨布及び本実施例の基材24を用いた研磨布10それぞれを用いて、図11に示すような研磨ベルト12を作成した。すなわち、一般的なポリエステル、綿の混紡糸を経糸及び緯糸に用いると共に樹脂加工を施した織布である従来基材による研磨ベルトと、前記経糸26に前記熱融着糸30を100%使用すると共に、前記緯糸28には一般的なポリエステル紡績糸を使用した織布であり、織り上げられた状態で約190℃の熱処理が施された本実施例の基材24である本発明基材による研磨ベルトとを用意した。本発明者は、斯かる従来基材及び本発明基材に関して、以下に示す試験条件で、前記研磨ベルト12を駆動(循環)させた状態でスリットエッヂにガラス片36の端面を接触させ、図11に矢印で示す方向(研磨ベルト12の幅方向)に押し込む試験を行った。
[試験条件]
・ベルト周速:100m/min
・ベルト寸法:幅50mm×周長2000mm
・ガラス端面のベルトへの押し込み量:約5mm
・試験回数:n=3
・状態観察:ベルト周長2000mmを1回転として図12の最左欄に示す頻度で状態を観察
図12は、前記試験の結果を示す表である。この図12に示すように、従来一般的であった布基材である従来基材を使用した研磨ベルト(研磨布)では、5回転時点で微量の繊維のほつれが発生し、10回転時点で前述した図9に示すような大量の繊維のほつれが発生した。この10回転時点での繊維のほつれは継続使用が不可能なレベルのものと判断されたため、従来基材を使用した研磨ベルトに関しては斯かる時点で試験を中止した。一方、本実施例の基材24である本発明基材を使用した研磨ベルト12(研磨布10)では、100回転時点まで繊維のほつれが発生しなかった。200回転時点で微量の繊維のほつれが発生したが、更に試験を継続したところ、400回転時点でも繊維のほつれの程度は微量なものに留まり、継続使用が不可能なレベルにまで達することはなかった。以上の試験結果から、本実施例の基材24である本発明基材を使用した研磨ベルト12(研磨布10)では、従来一般的であった布基材である従来基材を使用した研磨ベルトに比べて少なくとも10倍の回転に耐えられる繊維ほつれ抑制効果が得られ、更に微量のほつれを許容すれば、従来技術に比べて40倍以上の耐久性を示すことが確認できた。
このように、本実施例によれば、前記基材24は、芯部32の周囲にその芯部32よりも融点の低い鞘部34が設けられた熱融着糸30を、経糸26の少なくとも一部に用いた織物であることから、経糸26と緯糸28とが強固に固着されることにより、繊維のずれ及び織布の伸びが抑えられるため、基材表面と研磨層との接着力の低下を好適に抑制できる。すなわち、研磨性能を保証しつつ耐久性に優れた研磨布10を提供することができる。
前記基材24は、前記織物として織り上げられた状態において、前記熱融着糸30における前記鞘部34の少なくとも一部が加熱融着されたものであるため、経糸26と緯糸28とが強固に固着されることに加え、熱加工時の温度条件によって経糸26と緯糸28との密着力の変化及び布の硬度(風合い)の調整が可能となり、薄い織布においても硬さ(こし)を与えることができる。更に、熱加工温度の上昇に伴い前記鞘部34における低融点樹脂は略100%溶融するため、前記基板24の表面の平滑性が向上するという利点がある。
前記基材24は、前記熱融着糸30を経糸に10%以上含む織物であるため、経糸26と緯糸28とを必要十分な密着力で固着することができる。
前記芯部32は、ポリエステル繊維であり、前記鞘部34は、その芯部32よりも融点の低いポリエステル又はポリエチレンであるため、実用的な材料から構成される熱融着糸30を用いて、研磨性能を保証しつつ耐久性に優れた研磨布10を提供することができる。
前記熱融着糸30の芯部32は、ポリエステル繊維によるフィラメント糸又は紡績糸であるため、実用的な材料から構成される熱融着糸30を用いて、研磨性能を保証しつつ耐久性に優れた研磨布10を提供することができる。
前記基材24は、経糸26が1cmあたり11〜80本、緯糸28が1cmあたり7〜60本の組織で平織、綾織、又は繻子織とされた織物であるため、研磨性能を保証しつつ耐久性に優れた実用的な態様の研磨布10を提供することができる。
前記研磨布10は、研磨ベルト12に用いられるものであるため、研磨性能を保証しつつ耐久性に優れた研磨ベルト12を提供することができる。
以下、本発明の他の好適な実施例を図面に基づいて詳細に説明する。以下の説明において、実施例相互に共通する部分については同一の符号を付してその説明を省略する。
図13は、本発明の一実施例である前記研磨布10が用いられたフラップホイール40について概略的に示す斜視図である。この図13に示すように、本実施例のフラップホイール40は、複数枚の翼片(フラップ)42と、軸部(回転軸)44とを、備え、前記複数枚の翼片42が放射状に配設されると共にその中心部において前記軸部44に固着されて構成されたものである。前記翼片42は、前述した本実施例の研磨布10である。以上のように構成されたフラップホイール40は、前記軸部44が軸心まわりに回転(自転)駆動させられた状態で、その軸部44に追従して回転させられる前記複数枚の翼片42が図示しないワークに接触(摺動)させられることで、そのワークの表面を研磨加工するものである。斯かるフラップホイール40による研磨加工は、前記翼片42の可撓性が大きいためワークの表面形状が比較的複雑な場合でも研磨加工が可能であり、また、研磨加工時に減耗した前記翼片42(研磨布10)の外周部は、その先端から順次飛散してゆくため、定常的に新しい研磨材が研磨加工に関与することとなり研磨性能が維持される。すなわち、研磨加工に係る研磨層の再生性(自生作用)を有する。
図14は、前記フラップホイール40の翼片42(研磨布10)に好適に用いられる基材24の裏面写真であり、前記経糸26に前記熱融着糸30を100%使用すると共に、前記緯糸28に前記熱融着糸30を50%、一般的なポリエステル紡績糸を50%の割合で使用した織布である。また、図14に示す基材24の糸組織としては、前記経糸26が約100本/インチ(約40本/cm)、前記緯糸28が約70本/インチ(約28本/cm)とされ、200℃程度の熱処理が施された状態を示している。この図14に示すように、前記フラップホイール40の翼片42に適用される研磨布10に用いられる基材24としては、前記熱融着糸30を、前記経糸26及び緯糸28それぞれの少なくとも一部に用いた織物であることが望ましく、そのようにすれば、前記経糸26及び緯糸28それぞれにおける前記熱融着糸30の配合比率の調整、及び熱処理における温度の調整等により、従来の技術に比べて、前記フラップホイール40の研磨加工に係る研磨層の再生性のコントロールが容易になる。
このように、本実施例によれば、前記研磨布10は、フラップホイール40における翼片42に用いられるものであるため、研磨性能を保証しつつ耐久性に優れたフラップホイール40を提供することができることに加え、熱融着糸30の配合比率の調整により再生性(自生作用)のコントロールが容易になるという利点がある。
以上、本発明の好適な実施例を図面に基づいて詳細に説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、更に別の態様においても実施される。
例えば、前述の実施例においては、本実施例の研磨布10が長手帯状の研磨ベルト12及びフラップホイール40における翼片42に適用された例を説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば、円盤状の研磨ディスク、フラップディスク、円筒状の研磨ロール、或いはセグメントとして可撓性を有する研磨布を使用しセンタープレート等によりユニットバフ状に構成された研磨布ホイール等、各種態様の研磨装置に用いられ得る。
また、前述の実施例においては、前記基材24の表面に予め研磨材が固定(接着)された態様の研磨布10について説明したが、半固定乃至遊離研磨材を用いて、研磨加工に際してその半固定乃至遊離研磨材を基材の表面に供給しつつ研磨加工を行う態様の研磨布においても、本発明は一応の効果を奏する。
その他、一々例示はしないが、本発明はその趣旨を逸脱しない範囲内において種々の変更が加えられて実施されるものである。
10:研磨布、12:研磨ベルト、24:基材、26:経糸、28:緯糸、30:熱融着糸、32:芯部、34:鞘部、40:フラップホイール、42:翼片

Claims (8)

  1. 研磨材を保持する布状の基材を備えた研磨布であって、
    前記基材は、芯部の周囲に該芯部よりも融点の低い鞘部が設けられた熱融着糸を、経糸の少なくとも一部に用いた織物であることを特徴とする研磨布。
  2. 前記基材は、前記織物として織り上げられた状態において、前記熱融着糸における前記鞘部の少なくとも一部が加熱融着されたものである請求項1に記載の研磨布。
  3. 前記基材は、前記熱融着糸を経糸に10%以上含む織物である請求項1又は2に記載の研磨布。
  4. 前記芯部は、ポリエステル繊維であり、前記鞘部は、該芯部よりも融点の低いポリエステル又はポリエチレンである請求項1から3の何れか1項に記載の研磨布。
  5. 前記熱融着糸の芯部は、ポリエステル繊維によるフィラメント糸又は紡績糸である請求項1から4の何れか1項に記載の研磨布。
  6. 前記基材は、経糸が1cmあたり11〜80本、緯糸が1cmあたり7〜60本の組織で平織、綾織、又は繻子織とされた織物である請求項1から5の何れか1項に記載の研磨布。
  7. 前記研磨布は、研磨ベルトに用いられるものである請求項1から6の何れか1項に記載の研磨布。
  8. 前記研磨布は、フラップホイールにおける翼片に用いられるものである請求項1から6の何れか1項に記載の研磨布。
JP2012113808A 2012-05-17 2012-05-17 研磨布 Active JP5738232B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2012113808A JP5738232B2 (ja) 2012-05-17 2012-05-17 研磨布

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2012113808A JP5738232B2 (ja) 2012-05-17 2012-05-17 研磨布

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2013240839A true JP2013240839A (ja) 2013-12-05
JP5738232B2 JP5738232B2 (ja) 2015-06-17

Family

ID=49842253

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2012113808A Active JP5738232B2 (ja) 2012-05-17 2012-05-17 研磨布

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP5738232B2 (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2017209050A1 (ja) * 2016-06-01 2017-12-07 富士紡ホールディングス株式会社 研磨パッド及びその製造方法、並びに、研磨物の製造方法
EP3546628A1 (en) 2018-03-27 2019-10-02 Habasit AG Fabric and abrasive products containing it

Citations (10)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS6392319A (ja) * 1987-04-30 1988-04-22 帝人株式会社 塗布及び払拭用の極細立毛織物
JPH0277192A (ja) * 1989-06-23 1990-03-16 Cmk Corp プリント基板の表面研磨装置
JPH1148381A (ja) * 1997-08-05 1999-02-23 Daiwabo Co Ltd ワイパー用積層物およびその製造方法
JP3057065U (ja) * 1998-08-28 1999-03-26 ミユキ産業株式会社 フランジ形研磨フラップホイール
JP2000301470A (ja) * 1999-04-16 2000-10-31 Nobuyoshi Minami 研磨ホイール
JP2004081850A (ja) * 2002-08-05 2004-03-18 Daiwabo Co Ltd ワイパー用不織布および洗浄用ワイパー
JP2005042290A (ja) * 2003-07-07 2005-02-17 Daiwabo Co Ltd キッチン用タオルおよびその製造方法
JP2006134805A (ja) * 2004-11-09 2006-05-25 Nissan Motor Co Ltd 燃料電池システム
JP2010064216A (ja) * 2008-09-12 2010-03-25 Fujibo Holdings Inc 研磨布
JP2011093083A (ja) * 2009-09-29 2011-05-12 Toray Ind Inc 研磨パッド

Patent Citations (10)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS6392319A (ja) * 1987-04-30 1988-04-22 帝人株式会社 塗布及び払拭用の極細立毛織物
JPH0277192A (ja) * 1989-06-23 1990-03-16 Cmk Corp プリント基板の表面研磨装置
JPH1148381A (ja) * 1997-08-05 1999-02-23 Daiwabo Co Ltd ワイパー用積層物およびその製造方法
JP3057065U (ja) * 1998-08-28 1999-03-26 ミユキ産業株式会社 フランジ形研磨フラップホイール
JP2000301470A (ja) * 1999-04-16 2000-10-31 Nobuyoshi Minami 研磨ホイール
JP2004081850A (ja) * 2002-08-05 2004-03-18 Daiwabo Co Ltd ワイパー用不織布および洗浄用ワイパー
JP2005042290A (ja) * 2003-07-07 2005-02-17 Daiwabo Co Ltd キッチン用タオルおよびその製造方法
JP2006134805A (ja) * 2004-11-09 2006-05-25 Nissan Motor Co Ltd 燃料電池システム
JP2010064216A (ja) * 2008-09-12 2010-03-25 Fujibo Holdings Inc 研磨布
JP2011093083A (ja) * 2009-09-29 2011-05-12 Toray Ind Inc 研磨パッド

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2017209050A1 (ja) * 2016-06-01 2017-12-07 富士紡ホールディングス株式会社 研磨パッド及びその製造方法、並びに、研磨物の製造方法
US11565366B2 (en) 2016-06-01 2023-01-31 Fujibo Holdings, Inc. Polishing pad and method for producing the same, and method for producing polished product
EP3546628A1 (en) 2018-03-27 2019-10-02 Habasit AG Fabric and abrasive products containing it
WO2019185544A1 (en) 2018-03-27 2019-10-03 Habasit Ag Abrasive products comprising impregnated woven fabric and abrasive particles

Also Published As

Publication number Publication date
JP5738232B2 (ja) 2015-06-17

Similar Documents

Publication Publication Date Title
KR100788295B1 (ko) 연마기재 및 연마포
JP5222069B2 (ja) 研磨布
JP5738232B2 (ja) 研磨布
US3547608A (en) Method of manufacturing an impregnated fibrous grinding article
TWI451939B (zh) 研磨墊
CN109195745B (zh) 研磨垫及其制造方法、以及研磨物的制造方法
JP5531879B2 (ja) 研磨パッド
JP2015037823A (ja) 砥粒入りフィラメントを用いた研磨材
JPWO2006134805A1 (ja) 研磨用繊維及び研磨材
WO2017073556A1 (ja) ラッピング材及びその製造方法、並びに、研磨物の製造方法
JP5600400B2 (ja) 研磨装置及び研磨パッドの固定方法
JP4890751B2 (ja) 研磨布
JPH0376855A (ja) 研磨用チューブラフェルト
ES2907107T3 (es) Herramienta de rectificado y procedimiento para la fabricación de una herramienta de rectificado
KR102340572B1 (ko) 연삭 공구 및 이러한 유형의 연삭 공구를 제조하기 위한 방법
JP6835517B2 (ja) 研磨パッド及びその製造方法、並びに、研磨物の製造方法
JP7508249B2 (ja) 研磨パッド、その製造方法、及び研磨加工物の製造方法
JP6330735B2 (ja) ウェーハの両面研磨方法
JP5363057B2 (ja) 研磨用布帛およびその製法
JP2003166122A (ja) 研磨ブラシロールのブラシ毛材及び研磨ブラシロール
JP4482389B2 (ja) 研磨布
JP2010201531A (ja) 研磨布
JP2001315063A (ja) 回転砥石
JP2017213660A (ja) 研磨パッド及びその製造方法、並びに、研磨物の製造方法
JP3515505B2 (ja) 緯入れされるレーヨン糸に水分を含ませる装置及びそれが付設された織機

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20140324

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20141216

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20141218

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20150130

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20150331

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20150421

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 5738232

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

S111 Request for change of ownership or part of ownership

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313117

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313115

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250