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JP2013233746A - ガスバリア性フィルム及びその製造方法 - Google Patents

ガスバリア性フィルム及びその製造方法 Download PDF

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JP2013233746A
JP2013233746A JP2012108051A JP2012108051A JP2013233746A JP 2013233746 A JP2013233746 A JP 2013233746A JP 2012108051 A JP2012108051 A JP 2012108051A JP 2012108051 A JP2012108051 A JP 2012108051A JP 2013233746 A JP2013233746 A JP 2013233746A
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gas barrier
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JP2012108051A
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Taketomo Tsutsumi
健智 堤
Hidetaka Amauchi
英隆 天内
Yasutsugu Yamauchi
康嗣 山内
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Mitsubishi Plastics Inc
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Abstract

【課題】生産性が良好であり、透明性が高く、耐アルカリ性及び耐薬品性が良好で、高いガスバリア性を示し、かつ構成層間の優れた密着強度を有し、カールの発生のないガスバリア性フィルム、及び該フィルムを製造する方法を提供する。
【解決手段】基材の少なくとも一方の面に、真空蒸着法により形成した無機層、化学蒸着法により形成した無機層、真空蒸着法により形成した無機層及び触媒化学蒸着法により形成した層をこの順で有するガスバリア性フィルム及びその製造方法である。
【選択図】なし

Description

本発明は、食品、薬品、薬液等の包装材料や包装シート、電子デバイス等のパッケージ材料や電子デバイスのフレキシブル基板、太陽電池用のバックシート及びフロントシート、電子ペーパー用、有機エレクトロルミネッセンス(EL)デバイス用材料や保護フィルム、断熱材等の建材などとして主に用いられるガスバリア性フィルム及びその製造方法に関し、更に詳しくは、ガスバリア性に優れたガスバリア性フィルム及びその製造方法に関する。
ガスバリア性フィルムは、主に、内容物の品質を変化させる原因となる酸素や水蒸気等の影響を防ぐために、食品や医薬品等の包装材料として用いられたり、液晶表示パネルやEL表示パネル、電子ペーパー、太陽電池等に形成されている素子が、酸素や水蒸気に触れて性能劣化するのを避けるために、電子デバイス等のパッケージ材料や電子ペーパー、太陽電池の材料として用いられている。また、近年においては、従来ガラス等を用いていた部分にフレキシブル性や耐衝撃性を持たせる等の理由から、ガスバリア性フィルムが用いられる場合もある。
このようなガスバリア性フィルムは、プラスチックフィルムを基材として、その片面または両面にガスバリア層を形成する構成をとるのが一般的である。そして、当該ガスバリア性フィルムは、化学蒸着法(CVD法)、物理蒸着法(PVD法)等の様々な方法で形成されるが、何れの方法を用いた場合であっても、従来のガスバリア性フィルムは、2cc/m2/day程度の酸素透過率(OTR)や、2g/m2/day程度の水蒸気透過率を有するにすぎず、より高いガスバリア性を必要とする用途に使用される場合には、未だ不十分なものであった。
また、このようなガスバリア性フィルムには、薬品やアルカリに曝される用途や屋外で用いられる場合には、耐薬品性や耐アルカリ性が求められていた。
以上のようなガスバリア性フィルムとして、特許文献1には、酸化珪素単独からなる第1層と炭素を5〜40at.%含む酸化珪素からなる第2層を、それぞれ真空蒸着、スパッタリング、イオンプレーティング等のPVD法またはプラズマ活性化反応蒸着法により順次形成した積層構成の透明ガスバリア材が開示されている。特許文献2には、基材の片面または両面に、プラズマCVD法によって形成された酸化珪素膜を有するガスバリア性フィルムであって、前記酸化珪素膜が、Si原子数100に対してO原子数170〜200およびC原子数30以下の成分割合からなっているガスバリア性フィルムが開示されている。特許文献3にはプラスチックフィルムと、該プラスチックフィルムの少なくとも一方の面に形成された、酸化物を主成分とする組成物からなる薄膜とを有するガスバリア性フィルムであって、該薄膜中に炭素が0.1〜40モル%含まれている、ガスバリア性フィルムが開示されている。特許文献4にはプラスチック基材の片面または両面に、酸化珪素膜(SiOx)をバリア層として積層してなるバリアフィルムにおいて、前記バリア層が少なくとも2層以上の酸化珪素膜で構成されており、前記酸化珪素膜1層あたりの厚さが10nm以上50nm以下であり、前記2層以上の酸化珪素膜で構成されているバリア層の厚さが20nm以上200nm以下であり、前記バリア層中の炭素原子の割合が10at.%以下である、ガスバリア性フィルムが開示されている。特許文献5には透明樹脂基板の片面又は両面に、酸窒化珪素層及び窒化珪素層がこの順に積層されている透明ガスバリア基板が開示されている。
特許文献1に記載のガスバリア材は、実際に炭素を5〜40at.%含む酸化珪素からなる第2層の厚みをバリア層の柔軟性を充分に発揮させる程度に厚くすると、着色が過大となる問題があった。またこのような炭素を含む酸化珪素からなる第2層は、表面エネルギーが低いため密着性が悪く、ある程度厚くしないと層間の剥離を生じる恐れがある。一方で炭素を含む酸化珪素からなる第2層を形成するにはプラズマCVD法によることが好適であるが、一般的にプラズマCVD法は物理蒸着による真空蒸着法よりも成膜レートが低いため、そのような厚膜を形成するためには成膜速度を低くせざるを得ず、生産性に劣るという問題がある。また、酸化珪素は、薬品、特にアルカリにより浸食されやすいという問題があるため、電子デバイスのフレキシブル基板、薬品、薬液の包装用途、雨水に曝される屋外用途としては不適であった。
特許文献2に記載のガスバリア性フィルムは、プラズマCVD法によって形成された炭素を含有する酸化珪素膜自体が主にバリア性を受け持っているので、実際に充分なバリア性を発揮させるにはある程度の厚さが必要となるため、着色および生産性の問題がある。
特許文献3に記載のガスバリア性フィルムも、同様に炭素を含む酸化物を主成分とする組成物からなる薄膜が主にバリア性を受け持っているので、実際に充分なバリア性を発揮させるにはある程度の厚さが必要となるため、着色および生産性の問題がある。
特許文献4に記載のガスバリア性フィルムにおいては、プラズマCVD法によって形成された同種の膜同士を積層することで炭素含有量の低いバリア層を形成しているが、物理蒸着による真空蒸着法と比較すると圧倒的に成膜レートが低く、また実際に充分なバリア性を発揮させるにはある程度の厚さが必要となるため、生産性の問題がある。
特許文献5に記載の透明ガスバリア基板においては、その実施例において、水蒸気透過率が0.23(g/m2/day)までの記載があるが、膜堆積速度が10nm/min以下であり、高速生産時のガスバリア層としては膜厚が不十分であった。また、さらなるガスバリア性の向上が求められる。
特許第3319164号公報 特開2006−96046号公報 特開平6−210790号公報 特開2009−101548号公報 特開2007−062305号公報
本発明が解決しようとする課題は、以上の従来技術の問題を解決することにあり、特に、真空下で連続的に成膜でき、生産性が良好であり、耐アルカリ性及び耐薬品性が良好で、透明性が高く、高いガスバリア性を示し、かつ構成層間の優れた密着強度を有し、カールの発生のないガスバリア性フィルム、及び該フィルムの製造方法を提供することにある。
本発明は、
(1)基材の少なくとも一方の面に、真空蒸着法により形成した無機層、化学蒸着法により形成した無機層、真空蒸着法により形成した無機層及び触媒化学蒸着法により形成した層をこの順で有するガスバリア性フィルム及び
(2)基材の少なくとも一方の面に、真空蒸着法による無機層、化学蒸着法による無機層、真空蒸着法による無機層及び触媒化学蒸着法による層をこの順で形成するガスバリア性フィルムの製造方法であって、前記触媒化学蒸着法による層の形成を1Pa以上1×103Pa以下の減圧下で行い、前記真空蒸着法による無機層の形成を1×10-7Pa以上1Pa以下の減圧下で行い、前記化学蒸着法による無機層の形成を1×10-2Pa以上10Pa以下の減圧下で行い、かつ前記触媒化学蒸着法による層、前記真空蒸着法による無機層及び前記化学蒸着法による無機層の形成時の基材の搬送速度20m/分以上で行う、ガスバリア性フィルムの製造方法、
に関する。
本発明は、真空下で連続的に成膜でき、生産性が良好であり、耐アルカリ性及び耐薬品性が良好で、透明性が高く、高いガスバリア性を示し、かつ構成層間の優れた密着強度を有し、カールの発生のないガスバリア性フィルム、及び該フィルムを製造する方法を提供する。
以下、本発明を詳細に説明する。
<ガスバリア性フィルム>
本発明のガスバリア性フィルムは,基材の少なくとも一方の面に、真空蒸着法により形成した無機層(以下、「PVD無機層(1)」ということがある)、化学蒸着法により形成した無機層(以下、「CVD無機層」ということがある)、真空蒸着法により形成した無機層(以下、「PVD無機層(2)」ということがある)及び触媒化学蒸着法(Cat−CVD法)により形成した層(以下、「Cat−CVD層」ということがある)をこの順で有するものである。
[基材]
本発明のガスバリア性フィルムの基材としては、通常の包装材料や電子デバイス等のパッケージ材料や、太陽電池用部材、電子ペーパー用部材、有機EL用部材に使用し得るプラスチックフィルムであれば特に制限なく用いることができるが、透明高分子フィルムが好ましい。該プラスチックフィルムを構成する樹脂としては、具体的には、エチレン、プロピレン、イソブテン等の単独重合体又は共重合体等のポリオレフィン、環状ポリオレフィン等の非晶質ポリオレフィン、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレン−2,6−ナフタレート等のポリエステル、ナイロン6、ナイロン66、ナイロン12、共重合ナイロン等のポリアミド、ポリビニルアルコール、エチレン−酢酸ビニル共重合体部分加水分解物(EVOH)、ポリイミド、ポリエーテルイミド、ポリサルホン、ポリエーテルサルホン、ポリエーテルエーテルケトン、ポリカーボネート、ポリアリレート、フッ素樹脂、アクリル樹脂、ポリ乳酸等の生分解性樹脂等が挙げられる。さらに、フィルム強度、コスト等の点から、ポリエステル、ポリアミド、ポリオレフィンが好ましく、表面平滑性、フィルム強度、耐熱性等の点から、ポリエチレンテレフタレート(PET)及びポリエチレン−2,6−ナフタレート(PEN)等のポリエステルが特に好ましい。
プラスチックフィルム中の樹脂の含有量は50〜100質量%であることが好ましい。
また、上記基材は、公知の添加剤、例えば、帯電防止剤、光線遮断剤、紫外線吸収剤、可塑剤、滑剤、フィラー、着色剤、光安定剤等の安定剤、潤滑剤、架橋剤、ブロッキング防止剤、酸化防止剤等を含有することができる。
上記基材としてのプラスチックフィルムは、上記の原料を用いて成形してなるものであるが、未延伸であってもよいし延伸したものであってもよい。また、単層又は多層のいずれでもよい。かかる基材は、従来公知の方法により製造することができ、例えば、原料を押出機により溶融し、環状ダイやTダイにより押出して、急冷することにより実質的に配向していない未延伸フィルムを製造することができる。また、多層ダイを用いることにより、1種の樹脂からなる単層フィルム、多種の樹脂からなる多層フィルム等を製造することができる。
この未延伸フィルムを一軸延伸、テンター式逐次二軸延伸、テンター式同時二軸延伸、チューブラー式同時二軸延伸等の公知の方法により、フィルムの流れ方向(縦軸方向)又はフィルムの流れ方向及びそれに直角な方向(横軸方向)に延伸することにより、一軸方向又は二軸方向に延伸したフィルムを製造することができる。
基材の厚さは、本発明のガスバリア性フィルムの基材としての機械強度、可撓性、透明性等の点から、その用途に応じ、通常5〜500μm、好ましくは10〜200μmの範囲で選択される。基材には厚さが厚いシート状のものも含む。また、フィルムの幅や長さについては特に制限はなく、適宜用途に応じて選択することができる。
[触媒化学蒸着法(Cat−CVD法)により形成された層]
本発明においては、Cat−CVD層は、真空下で加熱触媒体である金属触媒線を加熱し、1種又は2種以上の材料ガスをこの金属触媒線と接触させ熱分解することにより基材上に主原料ガスを構成する元素を主要骨格物質とする無機及び/又は有機の層を形成して得られる。
具体的には、Cat−CVD法においては、基材温度を好ましくは基材のガラス転移温度(Tg)以下、より好ましくは(Tg−10)℃以下に保つよう冷却する。これにより、金属触媒体からの輻射熱による基材のダメージを解消できる。また、反応圧力としては、空気中の不純物の膜への混入防止と成膜速度の点から、1Pa以上1×103Pa以下の減圧下で行い、好ましくは10Pa以上700Pa以下、より好ましくは20Pa以上500Pa以下である。
加熱触媒体である金属触媒体としては、タングステン、白金、ニッケル等従来の触媒が使用できるが、材料ガスが接触分解される温度においてその金属触媒体自身が溶融又は揮発せず、さらにシリサイド化が抑制され、ハロゲンによる腐食が抑制される点から、タングステンが好ましい。金属触媒体の線の形状は、直線状であってもよく、または直円筒状のコイルであってもよく、そのほかの形状であってもよく、さらに線以外の構造であってもよい。また、加熱触媒体の総面積は、膜の形成速度、及び加熱触媒体から基材への熱輻射量、加熱触媒体の供給電力などの点から、Cat−CVD成膜槽内に曝されているフィルムの面積の1/1000〜1/10が好ましく、1/100〜1/10であることがより好ましい。金属触媒体の温度は、材料ガスが接触分解される温度であって、さらに基材に熱ダメージを与えない温度が好ましく、500〜2500℃が好ましく、1600〜2000℃であることがより好ましい。
本発明において、Cat−CVD法により形成される層としては、無機層であっても、有機層であっても良い。
無機層としては、酸化及び又は窒化珪素化合物、酸素及び又は窒素を含有する炭化珪素化合物、酸化チタン、酸化アルミニウム等からなる層が挙げられ、珪素化合物層が好ましい。
また、有機層としては、モノマー架橋して得られた高分子を主成分とする有機層を用いることができる。モノマーとしては、架橋性を示す官能基を含有していれば特に限定は無いが、アクリロイル基、メタクリロイル基、又はオキシラン基を有するモノマーを用いることが好ましい。例えば、アルキルアクリレート、エポキシ(メタ)アクリレート、ウレタン(メタ)アクリレート、イソシアヌル酸(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトール(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパン(メタ)アクリレート、エチレングリコール(メタ)アクリレート、ポリエステル(メタ)アクリレート、グリシジルメタクリレートなどが挙げられる。
これらの中でも反応性、成膜レートの点で、アクリロイル基を含有するモノマーを含む組成物を主原料とした有機層が好ましい。
また、上記モノマーと共にラジカル重合開始剤を用いることができ、ラジカル開始剤としては、ハロゲン化合物、アゾ化合物、有機過酸化物等が挙げられる。
ラジカル開始剤は、加熱触媒体に接触することでラジカル種に分解される。ラジカル開始剤を用いることで、モノマーの反応速度が向上する。
本発明において、Cat−CVD法により形成される層としては、珪素化合物からなる無機層、又はメタクリロイル基、アクリロイル基、又はオキシラン基を有するモノマーを含む組成物を主原料とした有機層が好ましい。
使用しうる材料ガスは、目的とする層構成物質により異なるが、少なくとも1種以上のガスからなることが好ましく、例えば珪素化合物層の形成においては、珪素を含む第一材料ガスに対してアンモニア、窒素、酸素、水素やアルゴンなどの希ガスを第二材料ガスとして使用することが好ましい。
珪素を含む第一材料ガスとしては、モノシラン、テトラメトキシシラン、メチルトリメトキシシラン、ジメチルジメトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、ジフェニルジメトキシシラン、テトラエトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、ジメチルジエトキシシラン、フェニルトリエトキシシラン、ジフェニルジエトキシシラン、ヘキシルトリメトキシシラン、ヘキシルトリエトキシシラン、デシルトリメトキシシラン、デシルトリメトキシシラン、トリフルオロプロピルトリメトキシシラン、ヘキサメチルジシロキサン、ヘキサメチルジシラザン等を単独、あるいは2種以上組み合わせて使用することができる。また、材料ガスは、室温での状態は気体状でも液体状でもよく、液体状の原料は原料気化機により気化して装置内へ供給することができる。上記第一材料ガスの中でも、ガスの安全性や反応性・反応速度の点から、有機珪素化合物が好ましい。
アンモニアを使用した場合の加熱触媒体の表面及びその近辺での主な反応は、NH3→NH2・+H・であり、NH2・が主要な堆積種であると考えられている。水素の主な反応は、H2→2H・であり、H・は、主に気相反応、基材の表面反応を補助するために使われると考えられる。
材料ガスとして水素を用いなくてもH・は発生するが、水素を材料ガスとして真空装置内に流入させることで、H・を大量に発生させることができ、従来に比して絶大な効果を発揮している。そして、主に珪素含有活性種とNH2・が、基材表面での熱エネルギー、堆積種の熱エネルギー、H・等の反応補助成分の存在により反応し、珪素化合物膜となると推測されるが、詳しい気相反応や基板表面反応はわかっていない。なお、前記において、・印はラジカルの状態を示す。
材料ガス流量比は有機珪素化合物1に対して、アンモニアが好ましくは1〜100、より好ましくは2〜50、水素が好ましくは5〜400、より好ましくは20〜80、酸素が好ましくは0.1〜2.0、より好ましくは0.2〜0.8である。このようにすることで、水蒸気や酸素等の透過を阻止する能力の高い透明で密着性の良好な窒素及び酸素を含有する珪素化合物膜を成膜することができる。
すなわち、有機珪素化合物1に対するアンモニアの流量比が、有機珪素化合物1に対して、アンモニア1〜100の範囲内であれば、珪素化合物膜の着色がなく、また、アンモニアが加熱触媒体上での水素の分解を顕著に妨げることもなく、得られる珪素化合物膜の水蒸気や酸素等に対するバリア性も良好である。また、有機珪素化合物1に対する水素の流量比が、有機珪素化合物1に対して、水素が好ましくは5〜400の範囲内であれば、水蒸気や酸素等のバリア性が良好である。また、真空装置内で堆積種の濃度の低下も見られず、堆積速度も良好である。
上記Cat−CVD層の厚さは、100nm以下であると好ましい。Cat−CVD無機層の厚さは、断面TEM(透過型電子顕微鏡)法により測定できる。上記範囲であることにより、Cat−CVD法による生産速度を真空蒸着法と同等程度に高めることができるため、生産効率が向上すると共に製造設備も小型化、簡素化できるため、安価なバリアフィルムを製造することができる。上記観点から、Cat−CVD層の厚さは、80nm以下であると好ましく、60nm以下であることがより好ましく、50nm以下であると更に好ましい。
また、Cat−CVD層の厚さの下限値は、ガスバリア性の向上効果が発現するための最低限の層の厚さとして、0.1nmであると好ましく、1nmであるとより好ましく、5nmであると更に好ましい。厚さが0.1nm以上であれば、密着性、緻密性、ガスバリア性などが良好であり表面粗さも小さいため好ましい。上記観点から、Cat−CVD層の厚さは、0.1nm以上100nm以下であることが好ましく、更に1nm以上80nm以下であることが好ましく、5nm以上60nm以下であることがより好ましい。
上記Cat−CVD層の厚さの断面TEM法による測定は、透過型電子顕微鏡(TEM)を用いて行い、具体的には、以下の方法により行うことができる。
(触媒化学蒸着法(Cat−CVD法)により形成された無機層の厚さの測定)
エポキシ樹脂包埋超薄切片法で試料を調整し、日本電子(株)社製の断面TEM装置(JEM−1200EXII)により加速電圧120KVの条件で測定する。なお、10nm以下のCat−CVD層の厚みについては、断面TEM法による測定においても正確な値を得ることは難しいため、同様の成膜条件にて成膜した20nm以上の比較的厚いCat−CVD層を、断面TEM法により測定して単位走行速度当たりの成膜レートを算出し、所定の走行速度で成膜した場合の厚みを算出した値とする。
Cat−CVD法によって形成された層は、Cat−CVD法は非プラズマのCVD法であるため、形成表面がプラズマに曝されず、プラズマによるダメージが無いため、緻密かつ表面粗さが小さな層が形成され、ガスバリア性に優れる。
さらに、内部欠陥のない緻密な膜を形成されるため、耐アルカリ性、耐薬品性に優れ、また表面粗さが小さな層が形成されるため、外部に曝される表面積が小さいので、アルカリ系溶液による腐食が抑制される。
また、Cat−CVD法で用いる原料ガスが、例えば有機珪素化合物であれば、Cat−CVD層を高速に形成することが可能である。
このような、耐アルカリ性・耐薬品性に優れたCat−CVD層を最表面に形成することで、ガスバリア性フィルムの耐アルカリ性、耐薬品性を高めることができる。
さらに、Cat−CVD層下に、PVD無機層、CVD無機層及びPVD無機層の順で積層構造とすることにより、CVD無機層自体はガスバリア性には直接は殆ど寄与しないが、PVD無機層に対しては、下層には目止め効果および上層にはアンカー効果を発揮するため、単にPVD無機層を厚く成膜した場合やPVD無機層同士あるいはCVD無機層同士を積層した場合と比較して、飛躍的にガスバリア性が向上する。
[真空蒸着法(PVD法)により形成した無機層]
本発明のガスバリア性フィルムにおいて、CVD無機層の上下層に設けられるPVD無機層の各々を構成する無機物質としては、珪素、アルミニウム、マグネシウム、亜鉛、錫、ニッケル、チタン、炭素等、あるいはこれらの酸化物、炭化物、窒化物またはそれらの混合物が挙げられるが、珪素酸化物が好ましい。また、ガスバリア性の点から、好ましくは酸化珪素、酸化アルミニウム、炭素(例えば、ダイアモンドライクカーボンなどの炭素を主体とした物質)である。特に、酸化珪素、酸化アルミニウムは、高いガスバリア性が安定に維持できる点で好ましい。上記無機物質は、1種単独で用いてもよいが、2種以上組み合わせて用いてもよい。
特に本発明のガスバリア性フィルムは、PVDにより形成した無機層(1)又は(2)の少なくとも1層が、酸化珪素からなることが好ましい。
上記基材上のPVD無機層(1)及び(2)の各々の形成には、ガスバリア性の高い均一な薄膜が得られるという点で、物理蒸着法の中でも真空蒸着法を用いる。
PVD無機層(1)及び(2)の各々の厚さは、その下限値が、一般に0.1nm、好ましくは0.5nm、更に好ましくは1nm、特に好ましくは10nmであり、その上限値が一般に500nm、好ましくは100nm、更に好ましくは50nmである。PVD無機層の厚さは、ガスバリア性、フィルムの生産性の点から、0.1以上、500nm以下が好ましく、10nm以上500nm以下がより好ましく、更に好ましくは10nm以上100nm以下、特に好ましくは10nm以上50nm以下である。PVD無機層の厚さは蛍光X線を用いて測定することができる。
(真空蒸着法(PVD法)により形成された無機層の厚さの測定)
この方法は、原子にX線を照射すると、その原子特有の蛍光X線を放射する現象を利用した方法で、放射される蛍光X線強度を測定することにより原子の数(量)を知ることが出来る。具体的には、フィルム上に既知の2種の厚みの層を形成し、それぞれについて放射される特定の蛍光X線強度を測定し、この情報より検量線を作成する。測定試料について同様に蛍光X線強度を測定し、検量線からその厚さを測定する。
上記PVD無機層(1)及び(2)の各々の形成は、緻密な層を形成するため減圧下で、フィルムを搬送しながら行う。PVD無機層(1)及び(2)の各々を形成する際の圧力は真空排気能力とバリア性の観点から、通常1×10-7Pa以上1Pa以下の範囲であり、好ましくは1×10-6以上1×10-1Pa以下、更に好ましくは1×10-4以上1×10-2Pa以下である。1×10-7Pa以上1Pa以下の範囲内であれば、十分なガスバリア性が得られ、また、PVD無機層に亀裂や剥離を発生させることなく、透明性にも優れている。
[化学蒸着法(CVD法)により形成した無機層]
本発明においては、前記PVD無機層(1)上に、CVD無機層を形成する。CVD無機層により、前記PVD無機層に生じた欠陥等の目止めが行われ、ガスバリア性や層間の密着性が向上するものと考えられる。
化学蒸着法としては、成膜速度を高くして高生産性を実現することや、フィルム基材への熱的ダメージを回避する必要があることから、プラズマCVD法が好ましく、プラズマCVD法により形成された層としては、有機物をプラズマ分解して得られる金属、金属酸化物、金属窒化物等から選ばれる少なくとも一種からなる層を挙げることができる。プラズマCVD法の中でもリモートプラズマCVD法でCVD無機層を形成すると好ましい。リモートプラズマCVD法とは、基板と別の場所にプラズマ生成部があるCVD法であって、例えば、三菱重工株式会社製のプラズマCVD装置「MAPLE」、島津製作所株式会社製SWP−CVD装置等が挙げられる。リモートプラズマCVD法によりCVD無機層を形成することにより、より炭素含有量が少なくなる。また、リモートプラズマ法によりCVD無機層を形成することにより、熱やプラズマによるダメージを受けず、緻密かつ表面粗さが小さな無機層が形成することができる。
本発明においては、CVD無機層は、X線光電子分光法(XPS法)により測定された炭素含有量が20at.%以下、好ましくは10at.%以下、より好ましくは5at.%以下である。炭素含有量をこのような値とすることにより、該無機層の表面エネルギーが大きくなり、無機層の間の密着性を妨げることがなくなる。そのためバリアフィルムの耐折曲げ性、耐剥離性が向上する。
また、CVD無機層の炭素含有量は0.5at.%以上であることが好ましく、1at.%以上であることがより好ましく、2at.%以上であることが更に好ましい。中間層となるCVD無機層に炭素が僅かながら含まれることで、応力の緩和が効率よくなされ、バリアフィルムのカールが低減される。
以上の点から、上記CVD無機層における炭素含有量は、好ましくは0.5at.%以上20at.%以下の範囲にあり、より好ましくは0.5at.%以上10at.%以下の範囲にあり、より好ましくは0.5at.%以上5at.%以下の範囲にあり、より好ましくは1at.%以上5at.%以下の範囲にあり、さらに好ましくは2at.%以上5at.%以下の範囲にある。ここで、「at.%」とは、原子組成百分率(atomic%)を示す。
本発明における上記X線光電子分光法(XPS法)により測定された炭素含有量を達成する方法としては、特に制限はなく、例えば、CVD法における原料を選択することにより達成する方法、原料や反応ガス(酸素、窒素等)の流量や比率によって調整する方法、成膜時の圧力や投入電力によって調整する方法等が挙げられる。
X線光電子分光法(XPS法)による炭素含有量の具体的な測定方法は以下の通りである。
(CVD無機膜層の炭素含有量の測定)
サーモフィッシャーサイエンティフィック株式会社製のXPS分析装置K−Alphaを使用し、XPS(X線光電子分光法)により結合エネルギーを測定し、Si2P、C1S、N1S、O1S等に対応するピークの面積から換算することによって元素組成(at.%)を算出できる。なお、CVD無機層の炭素含有量は、XPSチャートのCVD無機層の部分の値を読み取ることで評価できる。
CVD無機層を構成する無機物質としては、珪素、アルミニウム、マグネシウム、亜鉛、錫、ニッケル、チタン、ダイアモンドライクカーボン等、あるいはこれらの酸化物、炭化物、窒化物又はそれらの混合物等が挙げられるが、ガスバリア性、密着性の点から、好ましくは酸化珪素、窒化珪素、酸化窒化珪素、酸化炭化珪素、酸化炭化窒化珪素、酸化アルミニウム、窒化アルミニウム、酸化窒化アルミニウム、酸化炭化アルミニウム、酸化チタン、ダイアモンドライクカーボン等である。なかでも、酸化珪素、窒化珪素、酸化窒化珪素、酸化炭化窒化珪素及び酸化アルミニウムは、高いガスバリア性が安定に維持できる点でより好ましい。CVD無機層は上記無機物質を1種単独で含んでいてもよく、2種以上含んでいてもよい。
酸化珪素等からなるCVD無機層形成のための原料としては、例えば、珪素化合物が挙げられる。また、酸化チタン等からなるCVD無機層形成のための原料としては、チタン化合物が挙げられる。珪素化合物やチタン化合物等の化合物であれば、常温常圧下で気体、液体、固体いずれの状態であっても使用できる。気体の場合にはそのまま放電空間に導入できるが、液体、固体の場合は、加熱、バブリング、減圧、超音波照射等の手段により気化させて使用する。また、溶媒によって希釈して使用してもよく、溶媒は、メタノール、エタノール、n−ヘキサン等の有機溶媒及びこれらの混合溶媒を使用することができる。
また、本発明においてCVD無機層を形成する場合の原料として好ましくは気体(ガス)であり、該原料ガスが有機金属化合物であることが好適である。
上記珪素化合物としては、例えば、シラン、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、テトラn−プロポキシシラン、テトライソプロポキシシラン、テトラn−ブトキシシラン、テトラt−ブトキシシラン、ジメチルジメトキシシラン、ジメチルジエトキシシラン、ジエチルジメトキシシラン、ジフェニルジメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、エチルトリメトキシシラン、フェニルトリエトキシシラン、(3,3,3−トリフルオロプロピル)トリメトキシシラン、ヘキサメチルジシロキサン、ビス(ジメチルアミノ)ジメチルシラン、ビス(ジメチルアミノ)メチルビニルシラン、ビス(エチルアミノ)ジメチルシラン、N,O−ビス(トリメチルシリル)アセトアミド、ビス(トリメチルシリル)カルボジイミド、ジエチルアミノトリメチルシラン、ジメチルアミノジメチルシラン、ヘキサメチルジシラザン、ヘキサメチルシクロトリシラザン、ヘプタメチルジシラザン、ノナメチルトリシラザン、オクタメチルシクロテトラシラザン、テトラキスジメチルアミノシラン、テトライソシアナートシラン、テトラメチルジシラザン、トリス(ジメチルアミノ)シラン、トリエトキシフルオロシラン、アリルジメチルシラン、アリルトリメチルシラン、ベンジルトリメチルシラン、ビス(トリメチルシリル)アセチレン、1,4−ビストリメチルシリル−1,3−ブタジイン、ジ−t−ブチルシラン、1,3−ジシラブタン、ビス(トリメチルシリル)メタン、シクロペンタジエニルトリメチルシラン、フェニルジメチルシラン、フェニルトリメチルシラン、プロパルギルトリメチルシラン、テトラメチルシラン、トリメチルシリルアセチレン、1−(トリメチルシリル)−1−プロピン、トリス(トリメチルシリル)メタン、トリス(トリメチルシリル)シラン、ビニルトリメチルシラン、ヘキサメチルジシラン、オクタメチルシクロテトラシロキサン、テトラメチルシクロテトラシロキサン、ヘキサメチルジシロキサン、ヘキサメチルシクロテトラシロキサン、Mシリケート51等が挙げられる。
チタン化合物としては、例えば、酸化チタン、塩化チタン等のチタン無機化合物や、チタンテトラブトキシド、テトラノルマルブチルチタネート、ブチルチタネートダイマー、テトラ(2−エチルヘキシル)チタネート及びテトラメチルチタネート等のチタンアルコキシド類や、チタンラクテート、チタンアセチルアセトナート、チタンテトラアセチルアセトナート、ポリチタンアセチルアセトナート、チタンオクチレングリコレート、チタンエチルアセトアセテート及びチタントリエタノールアミネート等のチタンキレート類等が挙げられる。
上記CVD無機層は、PVD無機層への目止め効果を確実とするために、2層以上から構成されることが好ましく、より好ましくは2〜5層から構成されることが好ましい。
上記CVD無機層の厚さは、20nm以下であると好ましい。CVD無機層の厚さは、断面TEM法により測定できる。20nm以下であることにより、PVD無機層同士の分子間力が有効に作用することで、密着性がより向上する。また同時に化学蒸着法による生産速度を真空蒸着法と同等程度に高めることができるため、生産効率が向上すると共に製造設備も小型化、簡素化できるため、安価なバリアフィルムを製造することができる。上記観点から、CVD無機層の厚さは、10nm以下であることが好ましく、5nm以下であることがより好ましく、3nm以下であることが更に好ましい。
また、CVD無機層の厚さの下限値は、PVD無機層への目止め効果が発現するための最低限の層の厚さとして、0.01nmであると好ましく、0.1nmであるとより好ましく、0.5nmであると更に好ましい。厚さが0.01nm以上であれば、密着性、ガスバリア性などが良好であり好ましい。上記観点から、CVD無機層の厚さは、0.01nm以上20nm以下であることが好ましく、更に0.1nm以上20nm以下であることが好ましく、0.1nm以上10nm以下であることがより好ましく、0.1nm以上5nm以下であることが更に好ましく、0.1nm以上3nm以下であることが更により好ましい。
また、本発明においては、隣接するCVD無機層とPVD無機層において、その厚さの比(CVD無機層厚さ/PVD無機層厚さ)が、好ましくは0.0001〜1であり、より好ましくは0.0005〜0.5であり、さらに好ましくは0.001〜0.2である。PVD無機層厚さに比してCVD無機層厚さが0.0001以上であれば、全体の無機層に対するCVD無機層の割合が小さくなりすぎず、PVD無機層のみでは得られない、CVD無機層による目止め効果、及び応力緩和等の効果を得ることができる。また、PVD無機層厚さに比してCVD無機層厚さが1以下であれば、CVD法の成膜レートはPVD法に比べ極端に低くなることがなく、Roll to RollプロセスにてPVD無機層とCVD無機層を連続して成膜する場合、CVD無機層の成膜レートに基材の搬送速度を合わせても搬送速度が低下することなく生産性が良好となる。
PVD無機層の表面粗さ(AFM:原子間力顕微鏡により測定)は概ね5nm以下とすることが、蒸着粒子が密に堆積するため、バリア性発現のためには好ましい。この際にCVD無機層の厚みを上記値以下とすることで、蒸着粒子間の谷間の部分に存在する開放空孔を埋めながらも蒸着粒子の山の部分は極めて薄くしか被覆しない(もしくは部分的に露呈する)ため、PVD無機層間の密着性をさらに高めることが出来る。また、CVD無機層の厚みを0.1nm以上とすることで、上記した下層のPVD無機薄幕層の開放空孔の目止め効果が発現すると同時に表面が滑らかになり、上層のPVD無機層を蒸着した際に、蒸着粒子の表面拡散が良好となり、粒子同士がより密に堆積するため、バリア性がさらに向上する。
上記CVD無機層の厚さの断面TEM法による測定は、透過型電子顕微鏡(TEM)を用いて行い、具体的には、以下の方法により行うことができる。
(化学蒸着法(CVD法)により形成された無機層の厚さの測定)
エポキシ樹脂包埋超薄切片法で試料を調整し、日本電子(株)社製の断面TEM装置(JEM−1200EXII)により加速電圧120KVの条件で測定する。なお、10nm以下のCVD無機層の厚みについては、断面TEM法による測定においても正確な値を得ることは難しいため、同様の成膜条件にて成膜した20nm以上の比較的厚いCVD無機層を、断面TEM法により測定して単位走行速度当たりの成膜レートを算出し、所定の走行速度で成膜した場合の厚みを算出した値とする。
本発明においては、CVD無機層の形成は、1×10-2以上10Pa以下の減圧環境下でなされる。
すなわち、化学蒸着法(CVD法)により層を形成する際の圧力は、緻密な層を形成するため減圧下で行うことが好ましく、成膜速度とバリア性の観点から、通常1×10-2〜10Paの範囲であり、1×10-1〜1Paが好ましい。このCVD無機層には、耐水性、耐久性を高めるために、電子線照射による架橋処理を行う事もできる。
上記CVD無機層を形成する方法としては、前記原料化合物を蒸発させ、原料ガスとして真空装置に導入し、直流(DC)プラズマ、低周波プラズマ、高周波(RF)プラズマ、パルス波プラズマ、3極構造プラズマ、マイクロ波プラズマ、ダウンストリームプラズマ、カラムナープラズマ、プラズマアシスッテドエピタキシー等の低温プラズマ発生装置でプラズマ化することにより行うことができる。プラズマの安定性の点から高周波(RF)プラズマ装置がより好ましい。
またプラズマCVD法以外でも、熱CVD法、Cat−CVD法(触媒化学蒸着法)、光CVD法、MOCVD法等の公知の方法を用いることが出来る。このうち量産性や成膜品質に優れる点で熱CVD法、Cat−CVD法が好ましい。
[成膜方法]
本発明においては、ガスバリア性、生産性の点から、PVD無機層(1)、CVD無機層及びPVD無機層(2)、Cat−CVD層の形成を減圧下、連続して行うことが好ましい。すなわち、本発明においては、各層の形成終了後に、真空槽内の圧力を大気圧近傍にまで戻して、再度真空にして後工程を行うものではなく、真空状態のまま連続的に成膜を行うことが好ましい。
また、本発明のフィルムは、上記Cat−CVD層、PVD無機層(1)、CVD無機層及びPVD無機層(2)の基材の搬送速度は、生産性向上の観点から、20m/分以上であり、100m/分以上であることがより好ましい。上記搬送速度については、上限は特にないが、フィルム搬送の安定性の観点から1000m/分以下が好ましい。
このように、Cat−CVD層、PVD無機層及びCVD無機層の形成を同一真空槽内で行うことにより、極めて良好なガスバリア性を発現することができる。原理は明確ではないが、同一真空装置内で、Cat−CVD層形成及びPVD無機層形成とCVD無機層を形成することにより、PVD無機層(1)上に緻密かつ表面粗さが小さなCat−CVD無機層が得られる。またPVD無機層(1)上にCVD無機層を形成することで、PVD無機層(1)に発生した微小な欠陥が均一に目止めされ、更にPVD無機層(2)のガスバリア性をもさらに向上させることができるものと考えられる。
本発明においては、Cat−CVD層を形成する前に、PVD無機層(1)、CVD無機層及びPVD無機層(2)の形成を行うが、このCVD無機層及びPVD無機層の形成は、更に1回以上繰り返して行ってもよい。すなわち、本発明においては、品質安定性の点からPVD無機層(1)、CVD無機層及びPVD無機層(2)の上に、更にCVD無機層及びPVD無機層からなる構成単位を1あるいは複数有することが好ましく、1〜3単位有することがより好ましく、また、1又は2単位有することが更に好ましい。
なお、上記各無機層の形成を繰り返す場合も、同一装置内にて、減圧下、連続して行うことが好ましい。
[アンカーコート層]
本発明においては、前記基材とPVD無機層との密着性を向上させるため、基材とPVD無機層の間に、アンカーコート剤を塗布する等してアンカーコート層を設けることが好ましい。アンカーコート剤としては、生産性の点から、ポリエステル系樹脂、ウレタン系樹脂、アクリル系樹脂、ニトロセルロース系樹脂、シリコーン系樹脂、ポリビニルアルコール系樹脂やエチレンビニルアルコール系樹脂等のビニルアルコール系樹脂、ビニルエステル系樹脂、イソシアネート基含有樹脂、カルボジイミド系樹脂、アルコキシル基含有樹脂、エポキシ系樹脂、オキサゾリン基含有樹脂及びスチレン系樹脂等を単独あるいは2種以上含むものが好ましい。
また、アンカーコート層は必要に応じ、シラン系カップリング剤、チタン系カップリング剤、アルキルチタネート、無機粒子、紫外線吸収剤、耐候安定剤等の安定剤、潤滑剤、ブロッキング防止剤、酸化防止剤等を含有することができる。
基材上に設けるアンカーコート層の厚さは通常0.1〜5000nm、好ましくは1〜2000nm、より好ましくは1〜1000nmである。上記範囲内であれば、滑り性が良好であり、アンカーコート層自体の内部応力による基材からの剥離もほとんどなく、また、均一な厚さを保つことができ、更に層間の密着性においても優れている。
また、基材へのアンカーコート剤の塗布性、接着性を改良するため、アンカーコート剤の塗布前に基材に通常の化学処理、放電処理などの表面処理を施してもよい。
[保護層]
また、本発明のガスバリア性フィルムは、上記各層を形成した側の最上層に保護層を有することが好ましい。該保護層を形成する樹脂としては、溶剤性及び水性の樹脂をいずれも使用することができ、具体的には、ポリエステル系樹脂、ウレタン系樹脂系、アクリル系樹脂、ポリビニルアルコール系樹脂、エチレン・不飽和カルボン酸共重合樹脂、エチレンビニルアルコール系樹脂、ビニル変性樹脂、ニトロセルロース系樹脂、シリコーン系樹脂、イソシアネート系樹脂、エポキシ系樹脂、オキサゾリン基含有樹脂、変性スチレン系樹脂、変性シリコーン系樹脂、アルキルチタネート等を単独であるいは2種以上組み併せて使用することができる。また、保護層としては、バリア性、摩耗性、滑り性向上のため、シリカゾル、アルミナゾル、粒子状無機フィラー及び層状無機フィラーから選ばれる1種以上の無機粒子を前記1種以上の樹脂に混合してなる層、又は該無機粒子存在下で前記樹脂の原料を重合させて形成される無機粒子含有樹脂からなる層を用いることが好ましい。
保護層を形成する樹脂としては、ガスバリア性向上の点から上記水性樹脂が好ましい。さらに水性樹脂として、ポリビニルアルコール系樹脂、エチレンビニルアルコール系樹脂、または、エチレン−不飽和カルボン酸共重合体樹脂が好ましい。
本発明においては、上記保護層は、上記樹脂1種で構成されていてもよいが、2種以上を組み合わせて使用することもできる。
また、上記保護層にはバリア性、密着性向上のため無機粒子を添加することができる。
本発明に使用する無機粒子には特に制限はなく、例えば無機フィラーや無機層状化合物、金属酸化物ゾル等の公知のものをいずれも使用することができる。
保護層の厚さについては、印刷性、加工性の点から、好ましくは0.05〜10μm,更に好ましくは0.1〜3μmである。その形成方法としては、公知のコーティング方法が適宜採択される。例えば、リバースロールコーター、グラビアコーター、ロッドコーター、エアドクタコーター、スプレイあるいは刷毛を用いたコーティング方法等の方法がいずれも使用できる。また、蒸着フィルムを保護層用樹脂液に浸漬して行ってもよい。塗布後は、80〜200℃程度の温度での熱風乾燥、熱ロール乾燥などの加熱乾燥や、赤外線乾燥などの公知の乾燥方法を用いて水分を蒸発させることができる。これにより、均一なコーティング層を有する積層フィルムが得られる。
[ガスバリア性フィルムの構成]
本発明のガスバリア性フィルムとしては、ガスバリア性、密着性の点から、以下のような態様を好ましく用いることができる。
下記で、例えば、A/B/Cの表記は、下から(あるいは上から)A、B、Cの順に積層していることを示す。
(1)基材/AC/PVD無機層/CVD無機層/PVD無機層/Cat−CVD層
(2)基材/AC/PVD無機層/CVD無機層/PVD無機層/CVD無機層/PVD無機層/Cat−CVD層
(3)基材/AC/PVD無機層/CVD無機層/PVD無機層/CVD無機層/PVD無機層/CVD無機層/PVD無機層/Cat−CVD層
(4)基材/AC/PVD無機層/CVD無機層/PVD無機層/Cat−CVD層/保護層
(5)基材/AC/PVD無機層/CVD無機層/PVD無機層/CVD無機層/PVD無機層/Cat−CVD層/保護層
(6)基材/AC/PVD無機層/CVD無機層/PVD無機層/CVD無機層/PVD無機層/CVD無機層/PVD無機層/Cat−CVD層/保護層
(7)基材/PVD無機層/CVD無機層/PVD無機層/Cat−CVD層
(8)基材/PVD無機層/CVD無機層/PVD無機層/CVD無機層/PVD無機層/Cat−CVD層
(9)基材/PVD無機層/CVD無機層/PVD無機層/CVD無機層/PVD無機層/CVD無機層/PVD無機層/Cat−CVD層
(10)基材/PVD無機層/CVD無機層/PVD無機層/Cat−CVD層/保護層
(11)基材/PVD無機層/CVD無機層/PVD無機層/CVD無機層/PVD無機層/Cat−CVD層/保護層
(12)基材/PVD無機層/CVD無機層/PVD無機層/CVD無機層/PVD無機層/CVD無機層/PVD無機層/Cat−CVD層/保護層
(なお、上記態様中、ACはアンカーコート層を指す。)
本発明においては、アンカーコート層を形成した後、あるいはCat−CVD層,PVD無機層又はCVD無機層を形成した後、あるいは保護層を形成した後に、ガスバリア性、密着性、構成層の安定化等の点から加熱処理を施すことが好ましい。
ただし、基材上にアンカーコート層がある場合の積層で、保護層が無い場合には基材の上から最上層のPVD無機層までの構成単位層、又は保護層がある場合には基材の上から保護層の下のPVD無機層までの構成単位層を2つ以上設ける場合、PVD無機層とその下に形成されたアンカーコート層の密着性の点から、後処理としての加熱処理はガスバリア性フィルムを構成する全ての層を形成後に行うことが好ましい。
加熱処理は、ガスバリア性フィルムの各構成層を構成する成分の種類や層の厚さ等によりその条件が異なるが、必要な温度、時間を維持できる方法であれば方法は特に限定されない。例えば、必要な温度に設定したオーブンや恒温室で保管する方法、熱風を吹き付ける方法、赤外線ヒーターで加熱する方法、ランプで光を照射する方法、熱ロールや熱版と接触させて直接的に熱を付与する方法、マイクロ波を照射する方法等が使用できる。また、取り扱いが容易な大きさにフィルムを切断してから加熱処理しても、フィルムロールのままで加熱処理してもよい。さらに必要な時間と温度が得られる限りにおいては、コーター、スリッター等のフィルム製造装置の一部分に加熱装置を組み込み、製造過程で加熱を行うこともできる。
加熱処理の温度は、使用する基材、プラスチックフィルム等の耐熱温度以下の温度であれば特に限定されないが、熱処理の効果が発現するために必要な処理時間を適度に設定できることから60℃以上であることが好ましく、70℃以上で行うことがより好ましい。加熱処理温度の上限は、ガスバリア性フィルムを構成する成分の熱分解によるガスバリア性の低下を防止する観点から、通常200℃以下、好ましくは160℃以下である。処理時間は、加熱処理温度に依存し、処理温度が高い程、短くすることが好ましい。例えば、加熱処理温度が60℃の場合、処理時間は3日〜6ヶ月程度、80℃の場合、処理時間は3時間〜10日程度、120℃の場合、処理時間は1時間から1日程度、150℃の場合、処理時間は3〜60分程度であるが、これらは単なる目安であって、ガスバリア性フィルムを構成する成分の種類や構成層の厚さ等により適宜調整することができる。
本発明においては、上記構成層に必要に応じ更に追加の構成層を積層した各種ガスバリア性フィルムが用途に応じて使用できる。
通常の実施態様としては、上記Cat−CVD層あるいは保護層の上にプラスチックフィルムを設けたガスバリア性フィルムが各種用途に使用される。上記プラスチックフィルムの厚さは、積層構造体の基材としての機械強度、可撓性、透明性等の点から、通常5〜500μm、好ましくは10〜200μmの範囲で用途に応じて選択される。また、フィルムの幅や長さは特に制限はなく、適宜用途に応じて選択することができるが、バリア性フィルムを用いて工業製品を製造する上では、長尺の製品を製造可能であること、一度のプロセスで多数の製品を製造可能であることなど、生産性、コスト優位性の点から、フィルムの幅、長さは長い方が望ましい。フィルム幅は0.6m以上が好ましく、さらに好ましくは0.8m以上、より好ましくは1.0m以上、フィルムの長さは1000m以上が好ましく、さらに好ましくは3000m以上、より好ましくは5000m以上である。また、例えば、Cat−CVD層あるいは保護層の面上にヒートシールが可能な樹脂を使用することにより、ヒートシールが可能となり、種々の容器として使用できる。ヒートシールが可能な樹脂としては、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、エチレン−酢酸ビニル共重合体、アイオノマー樹脂、アクリル系樹脂、生分解性樹脂等の公知の樹脂が例示される。
また、別のガスバリア性フィルムの実施態様としては、Cat−CVD層あるいは保護層の塗布面上に印刷層を形成し、更にその上にヒートシール層を積層するものが挙げられる。印刷層を形成する印刷インクとしては、水性及び溶媒系の樹脂含有印刷インクが使用できる。ここで、印刷インクに使用される樹脂としては、アクリル系樹脂、ウレタン系樹脂、ポリエステル系樹脂、塩化ビニル系樹脂、酢酸ビニル共重合樹脂又はこれらの混合物が例示される。更に、印刷インクには、帯電防止剤、光線遮光剤、紫外線吸収剤、可塑剤、滑剤、フィラー、着色剤、安定剤、潤滑剤、消泡剤、架橋剤、耐ブロッキング剤、酸化防止剤等の公知の添加剤を添加してもよい。
印刷層を設けるための印刷方法としては特に限定されないが、オフセット印刷法、グラビア印刷法、スクリーン印刷法等の公知の印刷方法が使用できる。印刷後の溶媒の乾燥には、熱風乾燥、熱ロール乾燥、赤外線乾燥等の公知の乾燥方法が使用できる。
また、印刷層とヒートシール層との間に紙又はプラスチックフィルムを少なくとも1層積層することが可能である。プラスチックフィルムとしては、本発明のガスバリア性フィルムに用いられる基材としてのプラスチックフィルムと同様のものが使用できる。中でも、十分な積層体の剛性及び強度を得る観点から、紙、ポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂又は生分解性樹脂が好ましい。
本発明のガスバリア性フィルムは、高度なガスバリア性を発揮し、水蒸気透過率で5×10-3g/m2/day以下、好ましくは2×10-3g/m2/day以下のガスバリア性が得られる。
水蒸気透過率は、以下の様に測定できる。
<水蒸気透過率の測定>
JIS Z0222「防湿包装容器の透湿度試験方法」、JIS Z0208「防湿包装材量の透湿度試験方法(カップ法)」の諸条件に準じ、次の手法で評価する。
透湿面積10.0cm×10.0cm角の各ガスバリア性フィルムを2枚用い、吸湿剤として無水塩化カルシウム約20gを入れ四辺を封じた袋を作製し、その袋を温度40℃相対湿度90%の恒温恒湿装置に入れ、48時間以上間隔で重量増加がほぼ一定になる目安として14日間まで、質量測定(0.1mg単位)し、水蒸気透過率を下記式から算出する。
水蒸気透過率[g/m2/day]=(m/s)/t
m; 試験期間最後2回の秤量間隔の増加質量(g)
s; 透湿面積(m2
t; 試験期間最後2回の秤量間隔の時間(h)/24(h)
<用語の説明>
本明細書において、「X〜Y」(X,Yは任意の数字)と表現する場合は、特にことわらない限り「X以上Y以下」を意味する。
本発明のガスバリア性フィルムは、水蒸気や酸素等の各種ガスの遮断を必要とする物品の包装、例えば、食品、薬品、薬液等の包装材料や包装シート、電子デバイス等のパッケージ材料や電子デバイスのフレキシブル基板、太陽電池用のバックシート及びフロントシート、電子ペーパー、有機ELデバイス等の材料や保護フィルム、断熱材等の建材として好適に使用できる。また、本発明のガスバリア性フィルムは、生産性がよく、工業生産が可能である。

Claims (18)

  1. 基材の少なくとも一方の面に、真空蒸着法により形成した無機層、化学蒸着法により形成した無機層、真空蒸着法により形成した無機層及び触媒化学蒸着法により形成した層をこの順で有するガスバリア性フィルム。
  2. 前記化学蒸着法がプラズマCVD法である請求項1に記載のガスバリア性フィルム。
  3. 前記真空蒸着法により形成した無機層の膜厚が0.1nm以上、500nm以下である請求項1又は2に記載のガスバリア性フィルム。
  4. 前記化学蒸着法により形成した無機層の炭素含有量が0.5at.%以上、20at.%以下であり、かつ前記化学蒸着法により形成した膜厚が20nm以下である請求項1〜3のいずれかに記載のガスバリア性フィルム。
  5. 前記触媒化学蒸着法により形成した層の厚さが0.1nm以上、100nm以下である請求項1〜4のいずれかに記載のガスバリア性フィルム。
  6. 前記化学蒸着法により形成した無機層が2層以上からなる、請求項1〜5のいずれかに記載のガスバリア性フィルム。
  7. 前記触媒化学蒸着法により形成された層が、珪素化合物からなる無機層である請求項1〜6のいずれかに記載のガスバリア性フィルム。
  8. 前記触媒化学蒸着法により形成された層が、メタクリロイル基、アクリロイル基、又はオキシラン基を有するモノマーを含む組成物を主原料とした有機層である請求項1〜6のいずれかに記載のガスバリア性フィルム。
  9. 真空蒸着法により形成した無機層の少なくとも1層が酸化珪素からなる、請求項1〜8のいずれかに記載のガスバリア性フィルム。
  10. 基材と真空蒸着法により形成した無機層との間に、アンカーコート層が形成されている、請求項1〜9のいずれかに記載のガスバリア性フィルム。
  11. 基材が透明高分子フィルムである、請求項1〜10のいずれかに記載のガスバリア性フィルム。
  12. 請求項1〜11のいずれかに記載のガスバリア性フィルムから構成される電子ペーパー用保護フィルム。
  13. 請求項1〜11のいずれかに記載のガスバリア性フィルムから構成される太陽電池用保護フィルム。
  14. 請求項1〜11のいずれかに記載のガスバリア性フィルムから構成される薬品又は薬液の包装材料。
  15. 請求項1〜11のいずれかに記載のガスバリア性フィルムから構成される有機エレクトロルミネッセンスデバイス用保護フィルム
  16. 基材の少なくとも一方の面に、真空蒸着法による無機層、化学蒸着法による無機層、真空蒸着法による無機層及び触媒化学蒸着法による層をこの順で形成するガスバリア性フィルムの製造方法であって、前記触媒化学蒸着法による層の形成を1Pa以上1×103Pa以下の減圧下で行い、前記真空蒸着法による無機層の形成を1×10-7Pa以上1Pa以下の減圧下で行い、前記化学蒸着法による無機層の形成を1×10-2Pa以上10Pa以下の減圧下で行い、かつ前記触媒化学蒸着法による層、前記真空蒸着法による無機層及び前記化学蒸着法による無機層の形成時の基材の搬送速度20m/分以上で行う、ガスバリア性フィルムの製造方法。
  17. 真空蒸着法による無機層の形成、化学蒸着法による無機層の形成、真空蒸着法による無機層及び触媒化学蒸着法による層の形成を、減圧下同一真空槽内で連続して行う請求項16に記載のガスバリア性フィルムの製造方法。
  18. 前記ガスバリア性フィルムが、請求項2〜11のいずれかに記載のものである、請求項16又は17に記載のガスバリア性フィルムの製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2015193227A (ja) * 2014-03-24 2015-11-05 日東電工株式会社 透明基板
JP2016087815A (ja) * 2014-10-30 2016-05-23 凸版印刷株式会社 透明ガスバリア性フィルム

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