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JP2013209999A - コネクティングロッドの製造方法およびコネクティングロッドの半製品 - Google Patents

コネクティングロッドの製造方法およびコネクティングロッドの半製品 Download PDF

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JP2013209999A
JP2013209999A JP2012078657A JP2012078657A JP2013209999A JP 2013209999 A JP2013209999 A JP 2013209999A JP 2012078657 A JP2012078657 A JP 2012078657A JP 2012078657 A JP2012078657 A JP 2012078657A JP 2013209999 A JP2013209999 A JP 2013209999A
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connecting rod
large end
side connecting
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JP2012078657A
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Akiko Inami
顕子 稲見
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Subaru Corp
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Fuji Heavy Industries Ltd
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Abstract

【課題】本体部とキャップ部との破断面における品質不良の発生を抑制する。
【解決手段】吸気側連結部39の第1ノッチ23は排気側連結部40の第2ノッチ24よりも深く形成されることから、破断分割時には第1ノッチ23に対して第2ノッチ24よりも大きな応力が作用する。これにより、図8(b)に示すように、破断分割時には第2ノッチ24よりも先に第1ノッチ23に対してき裂Cが発生し、図8(c)に示すように、排気側連結部40よりも先に吸気側連結部39が破断する。続いて、図8(d)に示すように、第2ノッチ24にき裂Cが発生し、図8(e)に示すように、排気側連結部40が破断する。このように、ノッチ23,24の形状を変えることにより、吸気側連結部39と排気側連結部40との破断順序を定めることができ、破断面20,21の品質を安定させることが可能となる。
【選択図】図8

Description

本発明は、大端部が本体部とキャップ部とに破断分割されるコネクティングロッドの製造技術に関する。
エンジンには、クランク軸とピストンとを連結するコネクティングロッド(以下、コンロッドという)が組み込まれている。コンロッドの大端部にクランク軸のクランクピンを装着するため、コンロッドの大端部は本体部とキャップ部とに分割されている。一般的に、分割された本体部とキャップ部とを位置決めするため、本体部とキャップ部との間にはノックピン等が設けられている。しかしながら、ノックピンを用いて本体部とキャップ部とを位置決めすることは、コンロッドの高コスト化を招く要因となっていた。そこで、コンロッドの大端部を破断分割する所謂クラッキング製法が開発されている(例えば、特許文献1参照)。このクラッキング製法により、本体部とキャップ部との破断面に適度な凹凸を形成することができるため、ノックピンを用いることなく本体部とキャップ部とを高精度に位置決めすることが可能となる。
特開2005−188741号公報
ところで、大端部を破断分割するクラッキング製法においては、本体部やキャップ部の破断面における品質不良の発生、つまり破断面における欠けの発生を抑制することが重要である。しかしながら、劈開破面である破断面の品質をコントロールすることは極めて困難となっていた。
本発明の目的は、本体部とキャップ部との破断面における品質不良の発生を抑制することにある。
本発明のコネクティングロッドの製造方法は、大端部が本体部とキャップ部とに破断分割されるコネクティングロッドの製造方法であって、前記大端部に設けられる貫通穴の内周面に、互いに対向する第1切り欠きおよび第2切り欠きを形成する切り欠き加工工程と、前記貫通穴を径方向に拡張させることにより、前記第1切り欠きからき裂を発生させて前記大端部の一方側を破断させた後に、前記第2切り欠きからき裂を発生させて前記大端部の他方側を破断させる破断分割工程とを有することを特徴とする。また、本発明のコネクティングロッドの製造方法は、前記第1切り欠きと前記第2切り欠きとの形状が異なることを特徴とする。また、本発明のコネクティングロッドの製造方法は、前記第1切り欠きは前記第2切り欠きよりも深く形成されることを特徴とする。
本発明のコネクティングロッドの半製品は、大端部を径方向に拡張して本体部とキャップ部とに破断分割する破断分割工程に投入されるコネクティングロッドの半製品であって、前記大端部に設けられる貫通穴の内周面に形成され、破断分割時にき裂の発生起点となる第1切り欠きと、前記内周面に前記第1切り欠きに対向して形成され、破断分割時にき裂の発生起点となる第2切り欠きとを有し、前記第1切り欠きと前記第2切り欠きとの形状が異なることを特徴とする。また、本発明のコネクティングロッドの半製品は、前記第1切り欠きは前記第2切り欠きよりも深く形成されることを特徴とする。
本発明によれば、第1切り欠きからき裂を発生させて大端部の一方側を破断させた後に、第2切り欠きからき裂を発生させて大端部の他方側を破断させるようにしたので、大端部が本体部とキャップ部とに破断分割されるコネクティングロッドの品質を安定させることが可能となる。これにより、本体部とキャップ部との破断面における品質不良の発生を抑制することが可能となる。
(a)はコンロッドを示す正面図である。(b)は分解されたコンロッドを示す正面図である。 コンロッドの製造工程の一例を示す説明図である。 破断分割工程において使用される破断装置の一例を示す概略図である。 (a)および(b)は破断分割工程におけるワークの加工状況を示す説明図である。 (a)は破断分割工程に投入されるワークを示す正面図である。(b)は図5(a)のA−A線に沿ってワークを示す断面図である。(c)は図5(a)のB−B線に沿ってワークを示す断面図である。 (a)は図5(a)に示したワークの大端部を示す部分拡大図である。(b)は図6(a)のA−A線に沿ってワークを示す断面図である。 破断分割工程において大端部の破断予定面に作用する応力を示す説明図である。 (a)〜(e)は破断分割工程における大端部の破断過程を順に示す説明図である。 破断分割工程において大端部に作用する引張荷重の変動状況を示す線図である。 (a)は本発明の他の実施の形態であるコネクティングロッドの半製品の大端部を示す部分拡大図である。(b)は図10(a)のA−A線に沿ってワークを示す拡大断面図である。 (a)は本発明の他の実施の形態であるコネクティングロッドの半製品の大端部を示す部分拡大図である。(b)は図11(a)のA−A線に沿ってワークを示す拡大断面図である。 (a)は本発明の他の実施の形態であるコネクティングロッドの半製品の大端部を示す部分拡大図である。(b)は図12(a)のA−A線に沿ってワークを示す拡大断面図である。 (a)は本発明の他の実施の形態であるコネクティングロッドの半製品の大端部を示す部分拡大図である。(b)は図13(a)のA−A線に沿ってワークを示す拡大断面図である。 (a)は本発明の他の実施の形態であるコネクティングロッドの半製品の大端部を示す部分拡大図である。(b)は図14(a)のA−A線に沿ってワークを示す拡大断面図である。
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。図1(a)はコネクティングロッド10(以下、コンロッドという)を示す正面図である。また、図1(b)は分解されたコンロッド10を示す正面図である。
図1(a)に示すように、コンロッド10は、ピストンピン穴11を備える小端部12と、クランクピン穴(貫通穴)13を備える大端部14と、小端部12と大端部14とを連結するロッド部15とを有している。小端部12には図示しないピストンのピストンピンが組み付けられ、大端部14には図示しないクランク軸のクランクピンが組み付けられる。また、図1(a)および(b)に示すように、コンロッド10の大端部14は、本体部16とキャップ部17とに分割されている。クランクピンに対してコンロッド10を組み付ける際には、分割された本体部16とキャップ部17とによってクランクピンを挟み込んだ後に、コンロッドボルト18を用いて本体部16にキャップ部17が締結される。
コンロッド10の大端部14を分割する際には、生産性や位置決め精度を向上させるため、大端部14の内径を拡張させて破断分割させる所謂クラッキング製法が用いられる。このクラッキング製法を用いることにより、本体部16とキャップ部17との破断面20,21に対し、適度な粗さを持った凹凸を形成することが可能となる。これにより、本体部16に対してキャップ部17を組み付ける際には、破断面20,21の凹凸を互いに噛み合わせることができ、本体部16とキャップ部17との位置決め精度を向上させることが可能となる。また、コンロッド10から位置決め用のノックピン等を削減することができ、コンロッド10の生産性を向上させることが可能となる。
次いで、コンロッド10の製造方法について説明する。図2はコンロッド10の製造工程の一例を示す説明図である。図2に示すように、素材鍛造工程S1では、切り出された炭素鋼材やチタン合金材に熱間鍛造等を施すことにより、小端部12、ロッド部15および大端部14が一体となるワークが製造される。また、研削工程S2では、研削盤を用いて小端部12や大端部14の側面研削が施される。続いて、小端穴加工工程S3では、小端部12にドリル加工やリーマ加工等を施すことにより、小端部12にピストンピン穴11が加工される。また、大端穴加工工程S4では、大端部14にドリル加工やリーマ加工等を施すことにより、大端部14にクランクピン穴13が加工される。さらに、ボルト穴加工工程S5では、大端部14にドリル加工やリーマ加工等を施すことにより、大端部14にボルト穴が加工される。続いて、ノッチ加工工程(切り欠き加工工程)S6では、後述する大端部14の内周面22に対し、互いに対向する一対のノッチ(第1切り欠き,第2切り欠き)23,24が形成される。なお、ノッチ加工工程S6においては、切削加工や放電加工等を用いてノッチ23,24が形成されている。そして、破断分割工程S7では、後述する破断装置30を用いて大端部14の内径が拡張され、ノッチ23,24を起点に大端部14が本体部16とキャップ部17とに破断分割される。
続くボルト締付工程S8では、コンロッドボルト18を締め付けることにより、分割されたキャップ部17が本体部16に対して組み付けられる。また、仕上げ研削工程S9では、破断分割後における大端部14の段差を除去したり、小端部12および大端部14の平面度や平行度を確保したりするため、研削盤を用いて小端部12や大端部14の側面研削が実施される。さらに、油穴加工工程S10では、小端部12や大端部14にドリル加工を施すことにより、小端部12や大端部14に潤滑用の油穴が加工される。続いて、メタル溝加工工程S11では、大端部14に切削加工を施すことにより、大端部14の内周面22に軸受メタルを固定するメタル溝が加工される。また、ホーニング工程S12では、ピストンピン穴11やクランクピン穴13の加工精度を確保するため、小端部12や大端部14にホーニング加工が施される。そして、洗浄工程S13でコンロッド10に付着する切粉等を除去した後に、完成検査工程S14でコンロッド10の完成検査が実施される。
図3は破断分割工程S7において使用される破断装置30の一例を示す概略図である。また、図4(a)および(b)は破断分割工程S7におけるワークXの加工状況を示す説明図である。なお、図4(a)に示されるワークXは、破断分割工程S7に投入されるワークXであり、本発明の一実施の形態であるコネクティングロッドの半製品つまり製造過程における中間製品となっている。
図3に示すように、破断装置30は、ベース部材31と、これに移動自在に組み付けられる一対のスライダ32,33とを有している。一方のスライダ32には、小端部12のピストンピン穴11に挿入される位置決めピン34と、大端部14のクランクピン穴13に挿入される加圧治具35とが設けられる。また、他方のスライダ33には、大端部14のクランクピン穴13に挿入される加圧治具36が設けられる。さらに、破断装置30は、油圧シリンダ37によって上下に駆動される楔38を有している。この楔38は、上昇して加圧治具35,36から離れる退避位置と、下降して加圧治具35,36間に挿入される加圧位置とに移動自在となっている。破断分割時には、図4(a)に示すように、破断装置30のスライダ32,33を互いに近づけた状態のもとで、位置決めピン34にワークXの小端部12を取り付け、双方の加圧治具35,36にワークXの大端部14を取り付ける。そして、図3および図4(b)に黒塗りの矢印で示すように、楔38を加圧位置に向けて下降させ、一対の加圧治具35,36を互いに離れる方向に移動させる。このように、加圧治具35,36を用いてワークXの大端部14の内径を拡張することにより、ノッチ23,24を起点に大端部14は本体部16とキャップ部17とに破断分割される。すなわち、大端部14の一方側を構成する吸気側連結部39がノッチ23を起点に破断され、大端部14の他方側を構成する排気側連結部40がノッチ24を起点に破断されることになる。なお、吸気側連結部39とは、コンロッド10をエンジンに組み付けた際に吸気ポート側に位置する部位である。また、排気側連結部40とは、コンロッド10をエンジンに組み付けた際に排気ポート側に位置する部位である。
ところで、大端部14を破断分割する破断分割工程S7においては、本体部16やキャップ部17の破断面20,21における品質不良の発生、つまり破断面20,21における欠けの発生を抑制することが重要である。しかしながら、同一の破断装置30を用いて大端部14を破断分割した場合であっても、破断面20,21の品質を安定させることが困難となっていた。そこで、本発明者は、破断面20,21における品質のバラツキを解決するため、鋭意研究を行った結果、吸気側連結部39と排気側連結部40との破断順序を定めることが、破断面20,21の品質を安定させる上で重要な要素であることを見出した。すなわち、従来の破断分割工程における破断状況としては、ワーク形状のバラツキやワーク固定状態のバラツキ等により、先に吸気側連結部39が破断したり先に排気側連結部40が破断したりする状況が混在していた。さらに、吸気側連結部39を破断させた後に排気側連結部40を破断させた場合と、排気側連結部40を破断させた後に吸気側連結部39を破断させた場合とでは、破断分割工程S7で得られる破断面20,21の品質に差が生じることもある。したがって、破断面20,21の品質を安定させつつ破断面20,21の品質を向上させるためには、ワーク形状やワーク固定状態等のバラツキに影響されることなく、予め設定された順序で吸気側連結部39と排気側連結部40とを破断させることが必要であった。なお、破断面20,21の品質を向上させる上で、先に吸気側連結部39を破断させた方が良いか、それとも先に排気側連結部40を破断させた方が良いかについては、材料、ワーク形状および破断条件等の影響を受けるものであり、破断試験等に基づいて決定されることになる。
ここで、図5(a)は破断分割工程S7に投入されるワークXを示す正面図である。図5(b)は図5(a)のA−A線に沿ってワークXを示す断面図であり、図5(c)は図5(a)のB−B線に沿ってワークXを示す断面図である。また、図6(a)は図5(a)に示したワークXの大端部14を示す部分拡大図であり、図6(b)は図6(a)のA−A線に沿ってワークXを示す拡大断面図である。
図5(a)〜(c)に示すように、ワークXの大端部14に設けられるクランクピン穴13の内周面22には、第1ノッチ23と第2ノッチ24とが互いに対向する位置に形成されている。また、第1ノッチ23と第2ノッチ24とは、内周面22を幅方向に分断するように、クランクピン穴13の中心線C1を含む平面Sに重なる位置に形成されている。この平面Sと重なる大端部14内の仮想面が、破断分割工程S7において破断面20,21となる破断予定面となっている。また、図示するワークXを用いて製造されるコンロッド10が、中心線C2に対して対称となる対称型コンロッドであることから、平面Sは中心線C2に対して垂直となっている。なお、図5に示す符号C3は、ピストンピン穴11の中心線を意味している。また、図6(a)および(b)に示すように、吸気側連結部39に形成される第1ノッチ23の寸法は、幅寸法がWであり、深さ寸法がD1である。一方、排気側連結部40に形成される第2ノッチ24の寸法は、幅寸法がWであり、深さ寸法がD1よりも浅いD2である。このように、吸気側連結部39の第1ノッチ23は排気側連結部40の第2ノッチ24よりも深く形成されている。すなわち、第1ノッチ23と第2ノッチ24とは異なる形状に形成されている。
続いて、図7は破断分割工程S7において大端部14の破断予定面に作用する応力を示す説明図である。また、図8(a)〜(e)は破断分割工程S7における大端部14の破断過程を順に示す説明図である。図7に示すように、吸気側連結部39の第1ノッチ23は排気側連結部40の第2ノッチ24よりも深く形成されることから、破断分割時には第1ノッチ23に対して第2ノッチ24よりも大きな応力が作用することになる(σ1>σ2)。このように、第2ノッチ24よりも第1ノッチ23に応力が集中することから、図8(b)に示すように、破断分割時には第2ノッチ24よりも先に第1ノッチ23にき裂Cが発生し、図8(c)に示すように、排気側連結部40よりも先に吸気側連結部39を破断させることが可能となる。そして、吸気側連結部39の破断が完了すると、図8(d)に示すように、第2ノッチ24にき裂Cが発生し、図8(e)に示すように、排気側連結部40が破断することになる。
ここで、図9は破断分割工程S7において大端部14に作用する引張荷重の変動状況を示す線図である。なお、図9に符号IN1で示した線は、図8(a)に符号IN1で示した部位に作用する引張荷重を意味し、図9に符号IN2で示した線は、図8(a)に符号IN2で示した部位に作用する引張荷重を意味している。また、図9に符号EX1で示した線は、図8(a)に符号EX1で示した部位に作用する引張荷重を意味し、図9に符号EX2で示した線は、図8(a)に符号EX2で示した部位に作用する引張荷重を意味している。図9に示すように、破断分割工程S7において加圧治具35,36の離反動作が開始されると、始めに第1ノッチ23を備える吸気側連結部39の内側から破断が開始され(符号α1)、その後、吸気側連結部39の外側までき裂Cが伸展して吸気側連結部39の破断が完了する(符号α2)。続いて、第2ノッチ24を備える排気側連結部40の内側から破断が開始され(符号β1)、その後、排気側連結部40の外側までき裂Cが伸展して排気側連結部40の破断が完了する(符号β2)。このように、第1ノッチ23と第2ノッチ24との形状を変えることにより、破断分割時における応力の集中具合に差を設けることができ、吸気側連結部39(大端部14の一方側)を破断させてから排気側連結部40(大端部14の他方側)を破断させることが可能となる。すなわち、吸気側連結部39の破断完了から排気側連結部40の破断開始までの間に時間差Tを設けることが可能となっている。
これまで説明したように、第1ノッチ23と第2ノッチ24との形状を変えることにより、吸気側連結部39と排気側連結部40とに作用する応力の集中具合に、明確な差を設けることが可能となる。これにより、ワーク形状やワーク固定状態等のバラツキに影響されることなく、吸気側連結部39と排気側連結部40との破断順序を定めることができ、破断面20,21の品質を安定させることが可能となる。なお、前述の説明では、吸気側連結部39を破断させた後に排気側連結部40を破断させているが、この破断順序に限られることはなく、排気側連結部40を破断させた後に吸気側連結部39を破断させても良い。前述したように、破断面20,21の品質を向上させる上で、先に吸気側連結部39を破断させた方が良いか、それとも先に排気側連結部40を破断させた方が良いかについては、材料、ワーク形状および破断条件等の影響を受けるものであり、破断試験等に基づいて決定されることになる。
また、図8および図9に示すように、吸気側連結部39の破断過程と排気側連結部40の破断過程とをオーバーラップさせることなく、吸気側連結部39を破断させてから排気側連結部40を破断させている。このように、吸気側連結部39と排気側連結部40との同時破断を回避することにより、破断面20,21の品質を向上させることが可能となる。すなわち、吸気側連結部39と排気側連結部40との破断過程を時間的に重ねた場合には、常に双方の連結部が拘束されていることから、双方の連結部が共に大きく塑性変形しながら破断すると考えられる。これに対し、吸気側連結部39と排気側連結部40との破断過程を時間的にずらした場合には、先に破断した連結部の拘束が解かれることから、後から破断される連結部については塑性変形量が抑制されるためと考えられる。このように、塑性変形量を抑制しながら破断させることにより、破断面20,21の品質を向上させることが可能となる。
続いて、本発明の他の実施の形態であるコネクティングロッドの半製品について説明する。図6に示すように、前述の説明では、第1ノッチ23と第2ノッチ24との深さ寸法を変えることにより、第1ノッチ23と第2ノッチ24との形状を変えているが、これに限られることはない。ここで、図10(a)は本発明の他の実施の形態であるコネクティングロッドの半製品(ワークXa)の大端部14を示す部分拡大図であり、図10(b)は図10(a)のA−A線に沿ってワークXaを示す拡大断面図である。また、図11(a)は本発明の他の実施の形態であるコネクティングロッドの半製品(ワークXb)の大端部14を示す部分拡大図であり、図11(b)は図11(a)のA−A線に沿ってワークXbを示す拡大断面図である。さらに、図12(a)は本発明の他の実施の形態であるコネクティングロッドの半製品(ワークXc)の大端部14を示す部分拡大図であり、図12(b)は図12(a)のA−A線に沿ってワークXcを示す拡大断面図である。なお、図10〜図12において、前述した部材と同様の部材については同一の符号を付してその説明を省略する。
図10(a)および(b)に示すように、第1ノッチ(第1切り欠き)41の寸法は、幅寸法がW1であり、深さ寸法がD1である。一方、第2ノッチ(第2切り欠き)42の寸法は、幅寸法がW1よりも広いW2であり、深さ寸法がD1である。すなわち、第1ノッチ41は第2ノッチ42よりも幅が狭く形成されている。このように、幅寸法を変えることでノッチ形状を変えた場合であっても、第1ノッチ41と第2ノッチ42とに作用する応力の集中具合を変えることができ、予め設定した破断順序で吸気側連結部39と排気側連結部40とを破断させることが可能となる。
また、図11(a)および(b)に示すように、第1ノッチ(第1切り欠き)51と第2ノッチ(第2切り欠き)52とを比較すると、幅寸法Wや深さ寸法D1は同一であるが、第1ノッチ51の先端は鋭角に形成されるのに対し、第2ノッチ52の先端は円弧状に形成されている。このように、幅寸法や深さ寸法が同一であってもノッチ51,52の先端形状を変えることにより、第1ノッチ51と第2ノッチ52とに作用する応力の集中具合を変えることができ、予め設定した破断順序で吸気側連結部39と排気側連結部40とを破断させることが可能となる。
さらに、図12(a)および(b)に示すように、第1ノッチ(第1切り欠き)61は、その長手方向の中央部において深さ寸法がD1となるのに対し、その長手方向の両端部においては深さ寸法がD1よりも浅いD2となっている。一方、第2ノッチ(第2切り欠き)62は、その長手方向に渡って深さ寸法がD2に保たれている。このように、ノッチ61,62の長手方向(内周面22の幅方向)において、部分的にノッチ形状を変えた場合であっても、第1ノッチ61と第2ノッチ62とに作用する応力の集中具合を変えることができ、予め設定した破断順序で吸気側連結部39と排気側連結部40とを破断させることが可能となる。
また、図6、図10〜図12に示すように、前述の説明では、第1ノッチ23,41,51,61と第2ノッチ24,42,52,62との形状を変えることにより、破断分割時における応力の集中具合を変えているが、これに限られることはない。ここで、図13(a)は本発明の他の実施の形態であるコネクティングロッドの半製品(ワークXd)の大端部14を示す部分拡大図であり、図13(b)は図13(a)のA−A線に沿ってワークXdを示す拡大断面図である。また、図14(a)は本発明の他の実施の形態であるコネクティングロッドの半製品(ワークXe)の大端部14を示す部分拡大図であり、図14(b)は図14(a)のA−A線に沿ってワークXeを示す拡大断面図である。なお、図13および図14において、前述した部材と同様の部材については同一の符号を付してその説明を省略する。
図13(a)および(b)に示すように、第1ノッチ(第1切り欠き)71と第2ノッチ(第2切り欠き)72とは同じ形状を有している。しかしながら、図13(a)にクロスハッチングで示すように、第1ノッチ71には深さD2で焼入れ層73が形成されるのに対し、第2ノッチ72にはD2よりも深い深さD3で焼入れ層74が形成されている。このように、ノッチ形状が同一であっても焼入れ深さを変えることにより、第1ノッチ71と第2ノッチ72とに作用する応力の集中具合を変えることができ、予め設定した破断順序で吸気側連結部39と排気側連結部40とを破断させることが可能となる。なお、ノッチ71,72に異なる深さの焼入れ層73,74を形成する際には、レーザ焼入れ加工や高周波焼入れ加工等を用いることが可能である。
また、図14(a)および(b)に示すように、第1ノッチ(第1切り欠き)81と第2ノッチ(第2切り欠き)82とは同じ形状を有している。しかしながら、図14(b)に示すように、吸気側連結部39と排気側連結部40との断面形状が異なって形成されている。このように、ノッチ形状が同一であっても連結部の断面形状を変えることにより、第1ノッチ81と第2ノッチ82とに作用する応力の集中具合を変えることができ、予め設定した破断順序で吸気側連結部39と排気側連結部40とを破断させることが可能となる。
本発明は前記実施の形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能であることはいうまでもない。前述の説明では、吸気側連結部39に設けられるノッチを第1切り欠きとして説明し、排気側連結部40に設けられるノッチを第2切り欠きとして説明しているが、これに限られることはない。破断分割工程S7において、先に排気側連結部40が破断する場合には、排気側連結部40に設けられるノッチが第1切り欠きとなり、吸気側連結部39に設けられるノッチが第2切り欠きとなる。また、図6、図10〜図14に示したワークX,Xa〜Xeを用いて製造されるコンロッド10は、中心線C2に対して対称形状となる対称型コンロッドであるが、これに限られることはない。例えば、中心線C2に対して非対称形状となる非対称型コンロッドであっても、本発明の製造技術を有効に適用することが可能である。
また、前述の説明では、熱間鍛造されたワークX,Xa〜Xeを用いているが、これに限られることはなく、冷間鍛造、焼結鍛造あるいは鋳造されたワークX,Xa〜Xeであっても良い。さらに、前述の説明では、ノッチ23,24,41〜82を形成する際に切削加工や放電加工等を用いているが、これに限られることはなく、COレーザやYAGレーザ等を用いるレーザ加工によってノッチ23,24,41〜82を形成しても良い。
10 コンロッド(コネクティングロッド)
11 ピストンピン穴
12 小端部
13 クランクピン穴(貫通穴)
14 大端部
15 ロッド部
16 本体部
17 キャップ部
18 コンロッドボルト
20 破断面
21 破断面
22 内周面
23 第1ノッチ(第1切り欠き)
24 第2ノッチ(第2切り欠き)
30 破断装置
31 ベース部材
32 スライダ
33 スライダ
34 位置決めピン
35 加圧治具
36 加圧治具
37 油圧シリンダ
38 楔
39 吸気側連結部(大端部の一方側)
40 排気側連結部(大端部の他方側)
41 第1ノッチ(第1切り欠き)
42 第2ノッチ(第2切り欠き)
51 第1ノッチ(第1切り欠き)
52 第2ノッチ(第2切り欠き)
61 第1ノッチ(第1切り欠き)
62 第2ノッチ(第2切り欠き)
71 第1ノッチ(第1切り欠き)
72 第2ノッチ(第2切り欠き)
81 第1ノッチ(第1切り欠き)
82 第2ノッチ(第2切り欠き)
S6 ノッチ加工工程(切り欠き加工工程)
S7 破断分割工程
X,Xa〜Xe ワーク(コネクティングロッドの半製品)
C き裂

Claims (5)

  1. 大端部が本体部とキャップ部とに破断分割されるコネクティングロッドの製造方法であって、
    前記大端部に設けられる貫通穴の内周面に、互いに対向する第1切り欠きおよび第2切り欠きを形成する切り欠き加工工程と、
    前記貫通穴を径方向に拡張させることにより、前記第1切り欠きからき裂を発生させて前記大端部の一方側を破断させた後に、前記第2切り欠きからき裂を発生させて前記大端部の他方側を破断させる破断分割工程とを有することを特徴とするコネクティングロッドの製造方法。
  2. 請求項1記載のコネクティングロッドの製造方法において、
    前記第1切り欠きと前記第2切り欠きとの形状が異なることを特徴とするコネクティングロッドの製造方法。
  3. 請求項1または2記載のコネクティングロッドの製造方法において、
    前記第1切り欠きは前記第2切り欠きよりも深く形成されることを特徴とするコネクティングロッドの製造方法。
  4. 大端部を径方向に拡張して本体部とキャップ部とに破断分割する破断分割工程に投入されるコネクティングロッドの半製品であって、
    前記大端部に設けられる貫通穴の内周面に形成され、破断分割時にき裂の発生起点となる第1切り欠きと、
    前記内周面に前記第1切り欠きに対向して形成され、破断分割時にき裂の発生起点となる第2切り欠きとを有し、
    前記第1切り欠きと前記第2切り欠きとの形状が異なることを特徴とするコネクティングロッドの半製品。
  5. 請求項4記載のコネクティングロッドの半製品において、
    前記第1切り欠きは前記第2切り欠きよりも深く形成されることを特徴とするコネクティングロッドの半製品。
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