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JP2013208867A - ガスバリア性フィルムおよび電子デバイス - Google Patents

ガスバリア性フィルムおよび電子デバイス Download PDF

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JP2013208867A
JP2013208867A JP2012081871A JP2012081871A JP2013208867A JP 2013208867 A JP2013208867 A JP 2013208867A JP 2012081871 A JP2012081871 A JP 2012081871A JP 2012081871 A JP2012081871 A JP 2012081871A JP 2013208867 A JP2013208867 A JP 2013208867A
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昌二 西尾
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Konica Minolta Inc
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Abstract

【課題】優れたガスバリア性を有し、透明性、バリア層の屈曲性に優れたガスバリア性フィルムを提供する。
【解決手段】基材12の少なくとも一方に、SiO(ただし、xは、0.5〜2.3であり、yは、0.1〜3.0である)を含むポリシラザンから形成されるバリア層13、および硬化型樹脂層14をこの順に有する、ガスバリア性フィルム11。
【選択図】図1

Description

本発明は、ガスバリア性フィルムおよび電子デバイスに関する。より詳しくは、本発明は、主に電子デバイス等のパッケージ、太陽電池素子や有機エレクトロルミネッセンス(EL)素子、液晶表示素子等の等の電子デバイスに用いられるガスバリア性フィルムおよびこれを用いた電子デバイスに関するものである。
従来、プラスチック基板やフィルムの表面に酸化アルミニウム、酸化マグネシウム、酸化ケイ素等の金属酸化物の薄膜を形成したガスバリア性フィルムは、水蒸気や酸素等の各種ガスの遮断を必要とする物品の包装用途や、食品、工業用品及び医薬品等の変質を防止するための包装用途で広く用いられている。また、上記包装用途以外にも、液晶表示素子、太陽電池、有機エレクトロルミネッセンス(EL)基板等でも使用されている。
近年、軽量化、大型化という要求に加え、長期信頼性や形状の自由度が高いこと、曲面表示が可能であること等の要求が加わり、重くて割れやすく大面積化が困難なガラス基板に代わって透明プラスチック等のフィルム基材が採用され始めている。
しかしながら、透明プラスチック等のフィルム基材はガラスに対しガスバリア性が劣るという問題がある。ガスバリア性が劣る基材を用いると、水蒸気や空気が浸透し、例えば液晶セル内の液晶を劣化させ、表示欠陥となって表示品位を劣化させてしまう。
包装材や液晶表示素子に使用されるガスバリア性フィルムとしてはプラスチックフィルム上に酸化珪素を蒸着したものや酸化アルミニウムを蒸着したものが知られている。しかしながら、それらの技術では、せいぜい1g/m/day程度の水蒸気バリア性を有する。近年では、液晶ディスプレイの大型化、高精細ディスプレイ等の開発によりフィルム基板へのガスバリア性能について水蒸気バリアで0.1g/m/day程度まで要求が上がってきている。
上記蒸着以外でバリア層を形成する方法としては、例えば、パーヒドロポリシラザン(以下、PHPSともいう)または有機ポリシラザン膜をシリカ転化させる方法が知られている。シリカ転化の方法としては、加熱加湿処理や焼結処理があるが、これらの方法ではバリア層形成に長時間を要し、加えて、基材が高温環境化に曝されることにより、基材の劣化が免れ得ないという問題点があり、より簡便な方法で得られるガスバリア性フィルムが求められていた。
ガスバリア性を向上する目的で、特許文献1には、バリア層の上層に透明高分子層を設けることが開示されている。また、特許文献2に記述されているポリマー多層(Polymer Multilayer、PML)技法である。この技法では、ポリマーの層と酸化アルミニウムの層とから成るコーティングをフレキシブル基板に施してその基板をシールする。両方とも堆積工程は、ウエブ処理装置を使って極めて高速で操作することができる。水及び酸素の浸透性に対する耐性は、未コートのPET膜に比して3ないし4桁まで改善されることが開示されている。
一方、特許文献3には、ポリエステルフィルムに、PHPSまたは有機ポリシラザンを含有する塗布液を塗布し、プラズマ処理によりPHPSまたは有機ポリシラザンを硬化・重合させて酸化ケイ素系等から成る無機高分子層を形成する方法が開示されている。しかし、開示されている方法では、無機高分子層は、基材と金属蒸着層の中間層として、金属蒸着層の基材との密着性や、基材の化学的安定性を付与するための層である。
また、PHPSまたは有機ポリシラザンを主成分として含む薄膜(0.05〜5μm)膜を、透明性及びガスに対する高いバリア作用に優れる緻密なガラス様の層に転化するための方法が開示されている(例えば、特許文献3参照)。特許文献3に記載されている転化方法は、230nm以下の波長を有するVUV光及び300nm未満の波長のUV光の照射によって、各々の基材に適合したできるだけ低い温度において、できるだけ短い処理時間(0.1〜10分間)で行われる技術は開示されているが、得られるガスバリア性としては満足するものではない。
また、磁気ストリップの薄い保護層の製造において、酸素及び水蒸気の存在下で、オゾン、原子状酸素または真空紫外光子を使用して照射する酸化方法が開示されている(例えば、特許文献4参照。)。この特許文献4に記載の方法によって、室温下での処理時間を数分間まで短縮することができることが記載されている。この場合、使用される真空紫外放射線は、これらの反応性種を発生させるためだけに使用される。基材の許容温度限界(例えば、ポリエチレンテレフタレートの場合:180℃)まで同時に熱を供給することによって、約20nmのポリシラザン層において、数秒間から数分間の範囲の転化時間が達成されると記載されている。
しかしながら、このように、プラスチック基板で有機EL等を設計すれば、従来のガラスに対して大幅な軽量化を進めることができるが、その一方において上記の様な透過ガスに伴う素子劣化が起こるという問題があった。このため、素子の耐久性と軽量化を両立する技術の発現が望まれていた。
特開平6−234186号公報 米国再発行特許発明第40,531号明細書 特開平8−269690号公報 欧州特許第0745974号明細書
しかしながら、上記特許文献1〜4に記載の従来のガスバリア性フィルムでは、上述のように十分なガスバリア性を示し、透明性、バリア層の屈曲性が十分なものがないのが現状であった。
したがって、本発明は、上記課題に鑑みなされたものであり、優れたガスバリア性を有し、透明性、バリア層の屈曲性に優れたガスバリア性フィルムを提供することを目的とする。
本発明者は、上記の問題を解決すべく、鋭意研究を行った結果、基材の少なくとも一方の面にSiOを含むバリア層(セラミック膜)を形成し、その隣接に接着能を有する硬化型樹脂からなる層(硬化型樹脂層)を形成(付与)することによって、上記課題が解決された優れたガスバリア性フィルムが得られることを見出した。さらに、本発明者は、基材の少なくとも一方の面にSiOを含むバリア層(セラミック膜)を形成し、その隣接に有機珪素化合物層及び硬化型樹脂からなる層(硬化型樹脂層)を順次形成(付与)することによって、上記課題がさらに解決された優れたガスバリア性フィルムが得られることを見出した。上記知見に基づいて、本発明を完成した。
すなわち、上記目的は、基材の少なくとも一方に、SiO(ただし、xは、0.5〜2.3であり、yは、0.1〜3.0である)を含むバリア層(以下、単に「バリア層」とも称する)、および硬化型樹脂層をこの順に有する、ガスバリア性フィルムによって達成できる。
本発明のガスバリア性フィルムは、優れたガスバリア性を有し、透明性、屈曲性に優れる。
本発明のガスバリア性フィルムの層構成の一実施形態を示す概略断面図である。 本発明のガスバリア性フィルムの層構成の他の実施形態を示す概略断面図である。
本発明は、基材の少なくとも一方に、SiO(ただし、xは、0.5〜2.3であり、yは、0.1〜3.0である)を含むバリア層(以下、単に「バリア層」とも称する)、および硬化型樹脂層をこの順に有する、ガスバリア性フィルムに関する。
以下、本発明を実施するための好ましい形態について詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
<ガスバリア性フィルム>
本発明のガスバリア性フィルムの層構成について、図1及び図2を用いて説明する。
図1において、本発明のガスバリア性フィルム11は、基材12、ならびに上記基材12上に順次形成されたバリア層13及び硬化型樹脂層14から構成される。
また、図2において、本発明のガスバリア性フィルム11は、基材12、ならびに上記基材12上に順次形成されたバリア層13、有機珪素化合物層15及び硬化型樹脂層14から構成される。すなわち、図2のガスバリア性フィルム11は、図1のガスバリア性フィルム11のバリア層13と硬化型樹脂層14との間に有機珪素化合物層15がさらに形成される構造を有する。
ここで、バリア層は、珪素、酸素、窒素を主成分とするSiO(ただし、xは、0.5〜2.3であり、yは、0.1〜3.0である)を含む層である。本明細書において、「珪素、酸素、窒素を主成分とする」とは、珪素、酸素、窒素の元素の合計が、層全体を構成する全元素の、好ましくは90重量%以上、より好ましくは95重量%以上、さらに好ましくは98重量%以上を占める成分を意味する。
また、有機珪素化合物層は、炭素原子及び珪素原子を含む層を意味する。有機珪素化合物層は、炭素、水素、酸素、珪素を主成分とする珪素酸化物有機層であることが好ましい。本明細書において、「炭素、水素、酸素、珪素を主成分とする」とは、珪素、酸素、炭素の元素の合計が、層全体を構成する全元素の、好ましくは90重量%以上、より好ましくは95重量%以上、さらに好ましくは98重量%以上を占める成分を意味する。なお、バリア層及び有機珪素化合物層の元素構成比は、エッチングしながらX線光電子分光法(XPS)により公知の標準的な方法により測定することができる。
本発明のガスバリア性フィルムには、必要に応じてさらに別の有機層や保護層、吸湿層、帯電防止層等の機能化層を設けることができる。また、本発明のガスバリア性フィルムは、基材上に、バリア層、有機珪素化合物層、バリア層をこの順で互いに隣接して配置されてなる3層構造(3層構成ユニット)を有していてもよい。なおこの際、3層構造(3層構成ユニット)の、バリア層及び有機珪素化合物層は、各々の組成が同じであっても、異なっていてもよい。バリア層及び有機珪素化合物層のうち、少なくとも一層が、上記の好ましい条件を満たしているものが好ましい。
〔バリア層〕
本発明に係るバリア層は、SiOを含み、SiOからなることが好ましい。この珪素酸窒化物(SiO)は、主たる構成元素が珪素、酸素、窒素からなる組成物を有する。成膜の原料や基材・雰囲気等から取り込まれる少量の水素・炭素等の上記以外の構成元素は、各々5%未満であることが望ましく、各々2%未満であることが望ましい。このような組成を有する(特に窒素を含む)ことにより、バリア層の柔軟性が増すため、形状の自由度(屈曲性、曲げ性、可撓性)が上がり、曲面加工が可能であり、また、緻密な層になるため、酸素や水(水蒸気)に対するバリア性が向上できる。
バリア層を構成するSiOにおいて、xは、0.5〜2.3であり、0.5〜2.0であることが好ましく、1.2〜2.0であることが好ましい。また、yは、0.1〜3.0であり、0.15〜1.5であることが好ましく、0.2〜1.3であることが好ましい。ここで、上記x及びyの関係は特に制限されないが、x及びyの合計に対するxの組成比[x/(x+y)]が0.05〜0.95であるものが好ましく、0.1〜0.9であることがより好ましい。または、yに対するxの組成比[x/y]が、0.2〜12であるものが好ましく、0.3〜10であることがより好ましく、0.3〜2.2がさらにより好ましく、0.5〜1が特に好ましい。x及びyの合計に対するxの組成比[x/(x+y)]及びyに対するxの組成比[x/y]が上記上限以下であれば、十分なガスバリア能がより得られやすくなる。また、x及びyの合計に対するxの組成比[x/(x+y)]及びyに対するxの組成比[x/y]が上記下限以上であれば、隣接する基材や存在する場合には有機珪素化合物層との間で剥離が生じにくいため、ロール搬送や屈曲した使用にも、好ましく適用できる。また、x,yは、4−(2x+3y)=−0.5〜1.0の関係を満たすことが好ましい。また、4−(2x+3y)は0.8以下、より好ましくは0.4以下であれば着色が抑えられているためフィルムを広範な用途に用いやすい。4−(2x+3y)が−0.35以上であれば、珪素・窒素・酸素の構成元素比率が高くて欠陥比率を抑えやすく、より十分なガスバリア能が期待できる。このため、4−(2x+3y)は、−0.35〜0.4となる組み合わせが好ましく、−0.36〜0.40となる組み合わせがより好ましい。特に−0.32〜0.2の場合には可視光線透過率が高く、かつ安定したガスバリア能が得られるため最も好ましい。
バリア層の屈折率は、特に制限されないが、1.7〜2.1であることが好ましく、1.8〜2であることがより好ましく、1.9〜2.0であることが特に好ましい。このような屈折率を有するバリア層は、可視光線透過率が高く、かつ高いガスバリア能が安定して得られる。
本発明のバリア層の形成方法は、目的の薄膜を形成できる方法であればいかなる方法でも用いることができる。例えば、スパッタリング法、真空蒸着法、イオンプレーティング法、プラズマCVD法、湿式塗布方式などが適しており、具体的には特許第3400324号、特開2002−322561号、特開2002−361774号各公報記載の形成方法を同様にしてあるいは適宜修飾して採用することができる。
バリア層の厚み(塗布厚さ)は、目的に応じて適切に設定され得る。例えば、バリア層の厚み(塗布厚さ)は、乾燥後の厚さとして、10nm〜10μm程度であることが好ましく、50nm〜1μmであることがより好ましく、20nm〜2μmであることがさらにより好ましく、300nm以下であることが特に好ましい。バリア層の膜厚が10nm以上であれば十分なバリア性を得ることができ、10μm以下であれば、バリア層形成時に安定した塗布性を得ることができ、かつ高い光線透過性を実現できる。
また、バリア層の膜密度は、目的に応じて適切に設定され得る。例えば、バリア層の膜密度が、1.5〜2.6g/cmの範囲にあることが好ましい。この範囲を外れると、窒化珪素(SiO)膜の膜組成が崩れ、膜の緻密さが低下しバリア性の劣化や、湿度による膜の酸化劣化が起こる場合がある。本明細書において、窒化珪素(SiO)膜の膜組成は、光電子分光法(XPS)により測定が可能であり、具体的な装置としては、(株)島津製作所製:ESCA3200が挙げられる。また、膜密度はX線反射率法により測定が可能であり、本明細書では、具体的な測定装置としては、理学電機(株)製:ATX−Gを使用して測定した値(g/cm)である。
本発明に係るバリア層は、SiOを含むが、ポリシラザンから形成されることが好ましい。
(ポリシラザン)
本発明に係る「ポリシラザン」とは、構造内に珪素−窒素結合を有するポリマーであり、Si−N、Si−H、N−H等の結合を有するSiO、Si及びこれらの中間固溶体SiO等のセラミック前駆体無機ポリマーである。具体的には、本発明に係るポリシラザンは、好ましくは下記の構造を有する。
Figure 2013208867
上記一般式(I)において、R、R及びRは、水素原子、置換または非置換の、アルキル基、アリール基、ビニル基または(トリアルコキシシリル)アルキル基である。この際、R、R及びRは、それぞれ、同じであってもあるいは異なるものであってもよい。ここで、アルキル基としては、炭素原子数1〜8の直鎖、分岐鎖または環状のアルキル基が挙げられる。より具体的には、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、n−ペンチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基、n−ヘキシル基、n−ヘプチル基、n−オクチル基、2−エチルヘキシル基、シクロプロピル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基などがある。また、アリール基としては、炭素原子数6〜30のアリール基が挙げられる。より具体的には、フェニル基、ビフェニル基、ターフェニル基などの非縮合炭化水素基;ペンタレニル基、インデニル基、ナフチル基、アズレニル基、ヘプタレニル基、ビフェニレニル基、フルオレニル基、アセナフチレニル基、プレイアデニル基、アセナフテニル基、フェナレニル基、フェナントリル基、アントリル基、フルオランテニル基、アセフェナントリレニル基、アセアントリレニル基、トリフェニレニル基、ピレニル基、クリセニル基、ナフタセニル基などの縮合多環炭化水素基が挙げられる。(トリアルコキシシリル)アルキル基としては、炭素原子数1〜8のアルコキシ基で置換されたシリル基を有する炭素原子数1〜8のアルキル基が挙げられる。より具体的には、3−(トリエトキシシリル)プロピル基、3−(トリメトキシシリル)プロピル基などが挙げられる。上記R〜Rに場合によって存在する置換基は、特に制限はないが、例えば、アルキル基、ハロゲン原子、ヒドロキシル基(−OH)、メルカプト基(−SH)、シアノ基(−CN)、スルホ基(−SOH)、カルボキシル基(−COOH)、ニトロ基(−NO)などがある。なお、場合によって存在する置換基は、置換するR〜Rと同じとなることはない。例えば、R〜Rがアルキル基の場合には、さらにアルキル基で置換されることはない。これらのうち、好ましくは、R、R及びRは、水素原子、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、tert−ブチル基、フェニル基、ビニル基、3−(トリエトキシシリル)プロピル基または3−(トリメトキシシリルプロピル)基である。
また、上記一般式(I)において、nは、整数であり、一般式(I)で表される構造を有するポリシラザンが150〜150,000g/モルの数平均分子量を有するように定められることが好ましい。
バリア層の膜としての緻密性の観点からは、R、RおよびRのすべてが水素原子であるパーヒドロポリシラザンが特に好ましい。パーヒドロポリシラザンは、直鎖構造と6員環および8員環を中心とする環構造が存在した構造と推定されており、その分子量は、数平均分子量(Mn)で約600〜2000程度(ゲルパーミエーションクロマトグラフィによるポリスチレン換算)であり、液体または固体の物質である。ポリシラザンは、有機溶媒に溶解した溶液の状態で市販されており、市販品をそのままポリシラザン含有塗布液として使用することができる。ポリシラザン溶液の市販品としては、AZエレクトロニックマテリアルズ株式会社製のアクアミカ(登録商標) NN120−10、NN120−20、NAX120−20、NN110、NN310、NN320、NL110A、NL120A、NL120−20、NL150A、NP110、NP140、SP140等が挙げられる。
または、本発明に係るポリシラザンとしては、下記一般式(II)で表される構造を有する。
Figure 2013208867
上記一般式(II)において、R、R、R、R、R及びRは、水素原子、置換または非置換の、アルキル基、アリール基、ビニル基または(トリアルコキシシリル)アルキル基である。この際、R、R、R、R、R及びRは、それぞれ、同じであってもあるいは異なるものであってもよい。上記における、置換または非置換の、アルキル基、アリール基、ビニル基または(トリアルコキシシリル)アルキル基は、上記一般式(I)の定義と同様であるため、説明を省略する。
また、上記一般式(II)において、nおよびpは、整数であり、一般式(II)で表される構造を有するポリシラザンが150〜150,000g/モルの数平均分子量を有するように定められることが好ましい。なお、nおよびpは、同じであってもあるいは異なるものであってもよい。
上記一般式(II)のポリシラザンのうち、R、R及びRが各々水素原子を表し、R、R及びRが各々メチル基を表す化合物;R、R及びRが各々水素原子を表し、R、Rが各々メチル基を表し、Rがビニル基を表す化合物;R、R、R及びRが各々水素原子を表し、R及びRが各々メチル基を表す化合物が好ましい。
または、本発明に係るポリシラザンとしては、下記一般式(III)で表される構造を有する。
Figure 2013208867
上記一般式(III)において、R、R、R、R、R、R、R、R及びRは、水素原子、置換または非置換の、アルキル基、アリール基、ビニル基または(トリアルコキシシリル)アルキル基である。この際、R、R、R、R、R、R、R、R及びRは、それぞれ、同じであってもあるいは異なるものであってもよい。上記における、置換または非置換の、アルキル基、アリール基、ビニル基または(トリアルコキシシリル)アルキル基は、上記一般式(I)の定義と同様であるため、説明を省略する。
また、上記一般式(III)において、n、pおよびqは、整数であり、一般式(III)で表される構造を有するポリシラザンが150〜150,000g/モルの数平均分子量を有するように定められることが好ましい。なお、n、pおよびqは、同じであってもあるいは異なるものであってもよい。
上記一般式(III)のポリシラザンのうち、R、R及びRが各々水素原子を表し、R、R、R及びRが各々メチル基を表し、Rが(トリエトキシシリル)プロピル基を表し、Rがアルキル基または水素原子を表す化合物が好ましい。
一方、そのSiと結合する水素原子部分の一部がアルキル基等で置換されたオルガノポリシラザンは、メチル基等のアルキル基を有することにより下地である基材との接着性が改善され、かつ硬くてもろいポリシラザンによるセラミック膜に靭性を持たせることができ、より(平均)膜厚を厚くした場合でもクラックの発生が抑えられる利点がある。このため、用途に応じて適宜、これらパーヒドロポリシラザンとオルガノポリシラザンを選択してよく、混合して使用することもできる。
パーヒドロポリシラザンは、直鎖構造と6及び8員環を中心とする環構造が存在した構造と推定されている。その分子量は数平均分子量(Mn)で約600〜2000程度(ポリスチレン換算)で、液体または固体の物質があり、その状態は分子量により異なる。これらは有機溶媒に溶解した溶液状態で市販されており、市販品をそのままポリシラザン含有塗布液として使用することができる。
本発明で使用できるポリシラザンの別の例としては、以下に制限されないが、例えば、上記ポリシラザンにケイ素アルコキシドを反応させて得られるケイ素アルコキシド付加ポリシラザン(特開平5−238827号公報)、グリシドールを反応させて得られるグリシドール付加ポリシラザン(特開平6−122852号公報)、アルコールを反応させて得られるアルコール付加ポリシラザン(特開平6−240208号公報)、金属カルボン酸塩を反応させて得られる金属カルボン酸塩付加ポリシラザン(特開平6−299118号公報)、金属を含むアセチルアセトナート錯体を反応させて得られるアセチルアセトナート錯体付加ポリシラザン(特開平6−306329号公報)、金属微粒子を添加して得られる金属微粒子添加ポリシラザン(特開平7−196986号公報)等の、低温でセラミック化するポリシラザンが挙げられる。
本発明に係るバリア層中におけるポリシラザンの含有率としては、バリア層の全重量を100重量%としたとき、100重量%でありうる。また、バリア層がポリシラザン以外のものを含む場合には、バリア層中におけるポリシラザンの含有率は、10重量%以上99重量%以下であることが好ましく、40重量%以上95重量%以下であることがより好ましく、特に好ましくは70重量%以上95重量%以下である。
本発明に係るポリシラザン層の形成方法は、特に制限されず、公知の方法が適用できるが、ポリシラザン及び有機溶剤中に必要に応じて触媒を含むポリシラザン層形成用塗布液を公知の湿式塗布方法により塗布し、この溶剤を蒸発させて除去し、それによって基材上にポリシラザン層を形成し、次いで、空気またはオゾンの存在下で、上記のポリシラザン層に400nm以下の紫外光を照射してシリカ転化し、SiO(xは、1.2〜2.0である)を含むバリア層を形成することができる。
上記方法において、ポリシラザンを含むポリシラザン層形成用塗布液を基材上に塗布する方法としては、従来公知の適切な湿式塗布方法が採用され得る。具体例としては、スピンコート法、ロールコート法、フローコート法、インクジェット法、スプレーコート法、プリント法、ディップコート法、流延成膜法、バーコート法、ワイヤレスバーコート法、グラビア印刷法等が挙げられる。
ポリシラザン層形成用塗布液を調製するための溶剤としては、ポリシラザンを溶解できるものであれば特に制限されないが、ポリシラザンと容易に反応してしまう水及び反応性基(例えば、ヒドロキシル基、あるいはアミン基等)を含まず、ポリシラザンに対して不活性の有機溶剤が好ましく、非プロトン性の有機溶剤がより好ましい。具体的には、ポリシラザン層形成用塗布液を調製するための溶剤としては、非プロトン性溶剤;例えば、ペンタン、ヘキサン、シクロヘキサン、トルエン、キシレン、ソルベッソ、ターベン等の、脂肪族炭化水素、脂環式炭化水素、芳香族炭化水素等の炭化水素溶媒;塩化メチレン、トリクロロエタン等のハロゲン炭化水素溶媒;酢酸エチル、酢酸ブチル等のエステル類;アセトン、メチルエチルケトン等のケトン類;ジブチルエーテル、ジオキサン、テトラヒドロフラン等の脂肪族エーテル、脂環式エーテル等のエーテル類:例えば、テトラヒドロフラン、ジブチルエーテル、モノ−及びポリアルキレングリコールジアルキルエーテル(ジグライム類)などを挙げることができる。上記溶剤は、ポリシラザンの溶解度や溶剤の蒸発速度等の目的にあわせて選択され、単独で使用されてもあるいは2種以上の混合物の形態で使用されてもよい。
ポリシラザン層形成用塗布液におけるポリシラザンの濃度は、特に制限されず、ガスバリア層の膜厚や塗布液のポットライフによっても異なるが、好ましくは1〜80重量%、より好ましくは5〜50重量%、特に好ましくは10〜40重量%である。
ポリシラザン層形成用塗布液は、酸窒化珪素への変性を促進するために、ポリシラザンとともに触媒を含有することが好ましい。本発明に適用可能な触媒としては、塩基性触媒が好ましく、特に、N,N−ジエチルエタノールアミン、N,N−ジメチルエタノールアミン、トリエタノールアミン、トリエチルアミン、3−モルホリノプロピルアミン、N,N,N’,N’−テトラメチル−1,3−ジアミノプロパン、N,N,N’,N’−テトラメチル−1,6−ジアミノヘキサン等のアミン触媒、Ptアセチルアセトナート等のPt化合物、プロピオン酸Pd等のPd化合物、Rhアセチルアセトナート等のRh化合物等の金属触媒、N−複素環式化合物が挙げられる。これらのうち、アミン触媒を用いることが好ましい。この際添加する触媒の濃度としては、ポリシラザンを基準としたとき、好ましくは0.1〜10モル%、より好ましくは0.5〜7モル%の範囲である。触媒添加量をこの範囲とすることで、反応の急激な進行よる過剰なシラノール形成、および膜密度の低下、膜欠陥の増大のなどを避けることができる。
本発明に係るポリシラザン層形成用塗布液には、必要に応じて下記に挙げる添加剤を用いることができる。例えば、セルロースエーテル類、セルロースエステル類;例えば、エチルセルロース、ニトロセルロース、セルロースアセテート、セルロースアセトブチレート等、天然樹脂;例えば、ゴム、ロジン樹脂等、合成樹脂;例えば、重合樹脂等、縮合樹脂;例えば、アミノプラスト、特に尿素樹脂、メラミンホルムアルデヒド樹脂、アルキド樹脂、アクリル樹脂、ポリエステルもしくは変性ポリエステル、エポキシド、ポリイソシアネートもしくはブロック化ポリイソシアネート、ポリシロキサン等である。
このようなポリシラザン層形成用塗布液を用いることにより、亀裂及び孔が無いガスに対する高いバリア作用に優れる緻密なガラス様のバリア層を製造することができる。
ポリシラザン層の厚さ(膜厚)は、目的に応じて適切に設定され得る。例えば、ポリシラザン層の厚さ(膜厚)は、乾燥後の厚さとして、10nm〜10μm程度であることが好ましく、20nm〜2μmであることがより好ましく、50nm〜1μmであることがさらにより好ましく、300nm以下あることが特に好ましい。ポリシラザン層の膜厚が10nm以上であれば十分なバリア性を得ることができ、10μm以下であれば、ポリシラザン層形成時に安定した塗布性を得ることができ、かつ高い光線透過性を実現できる。
本発明に係るガスバリア層においては、上記説明したポリシロキサンをシリカ転化(改質処理)して、SiO(xが、0.5〜2.3であり、yは、0.1〜3.0である)とすることが好ましい。
ここで、ポリシロキサンのシリカ転化によりバリア層を形成する方法は特に制限されないが、ポリシラザン層への400nm以下の波長の光エネルギーを用いた紫外線照射、好ましくは300nm以下の波長の光エネルギーを用いた紫外線照射、特には、波長が180nm未満の真空紫外光(VUV)の照射により、ポリシロキサンをシリカ転化することが好ましい。ここで、シリカ転化では、Si−H、N−H結合の切断と、Si−O結合の生成が起こり、シリカ等のセラミックスに転化するが、この転化の度合はIR測定によって、以下に定義する式(1)により、SiO/SiN比で半定量的に評価することができる。
Figure 2013208867
ここで、SiO吸光度は約1160cm−1、SiN吸光度は約840cm−1での吸収(吸光度)により算出する。SiO/SiN比が大きいほど、シリカ組成に近いセラミックスへの転化が進んでいることを示す。
本発明において、セラミックスへの転化度合の指標となるSiO/SiN比は0.3以上、好ましくは0.5以上とすることが好ましい。0.3未満では、期待するガスバリア性が得られないことがある。
または、本発明に係るシリカ転化率(SiOにおけるx)の測定方法としては、例えば、XPS法を用いて測定することができる。
バリア層の金属酸化物(SiOx)の組成は、XPS表面分析装置を用いて、原子組成比を測定することで測定できる。また、バリア層を切断して切断面をXPS表面分析装置で原子組成比を測定することでも測定することができる。
〔バリア層(ポリシラザン層)の改質処理〕
本発明のガスバリア性フィルムの製造方法において、基材の少なくとも一方の面側に、バリア層(SiO層)を作製する。基材上にポリシラザンを含有する塗布液を塗布してポリシラザン層を形成した後、該ポリシラザン層に400nm以下の波長の光エネルギーを用いた紫外線を照射してシリカ転化して形成する。ここで、紫外線照射は、1回のみ行ってもあるいは2回以上繰り返して行ってもよいが、照射する400nm以下の紫外光の少なくとも1回は、300nm以下の波長成分を有する紫外線照射光(UV)、特に180nm未満の波長成分を有する真空紫外線照射光(VUV)であることが好ましい。例えば、約172nmに最大放射を有するXe エキシマラジエータや約185nmに輝線を有する低圧水銀蒸気ランプなどの300nm以下の波長の放射線成分を有する放射線源を使用すると、酸素および/または水蒸気の存在下において、上記の波長範囲におけるこれらのガスの高い吸光係数による光分解によってオゾンならびに酸素ラジカル及びヒドロキシルラジカルが非常に効率よく生じ、これらがポリシラザン層の酸化を促進する。両機序、すなわちSi−N結合の解裂と、オゾン、酸素ラジカル及びヒドロキシルラジカルの作用は、ポリシラザン層の表面上に紫外線が到達して初めて起こり得る。
それゆえ、層表面上に紫外線(特にVUV放射線)を出来る限り高い線量で適用するためには、場合によっては紫外線(特にVUV放射線)処理経路を窒素で置換し、そこに酸素及び水蒸気を調整可能なように供給することによって、上記紫外線のパス長を酸素及び水蒸気濃度を相応して目的通りに減少することが上記波長範囲には必要である。
ガスバリア性フィルムの製造において、水分が取り除かれたポリシラザン層は、紫外光の照射による処理で改質する。紫外線(紫外光と同義)によって生成されるオゾンや活性酸素原子は高い酸化能力を有しており、低温で高い緻密性と絶縁性を有する酸化珪素膜または酸化窒化珪素膜を形成することが可能である。
この紫外光照射により、セラミックス化に寄与するOとHOや、紫外線吸収剤、ポリシラザン自身が励起、活性化される。そして、励起したポリシラザンのセラミックス化が促進され、得られるセラミックス膜が緻密になる。紫外光照射は、塗膜形成後であればいずれの時点で実施しても有効である。
ここで、真空紫外線照射工程でポリシラザンを含む塗膜が改質され、SiOの特定組成となる推定メカニズムを、パーヒドロポリシラザンを例にとって説明する。
パーヒドロポリシラザンは「−(SiH−NH)−」の組成で示すことができる。SiOで示す場合、x=0、y=1である。x>0となるためには外部の酸素源が必要であるが、これは、(i)ポリシラザン塗布液に含まれる酸素や水分、(ii)塗布乾燥過程の雰囲気中から塗膜に取り込まれる酸素や水分、(iii)真空紫外線照射工程での雰囲気中から塗膜に取り込まれる酸素や水分、オゾン、一重項酸素、(iv)真空紫外線照射工程で印加される熱等により基材側からアウトガスとして塗膜中に移動してくる酸素や水分、(v)真空紫外線照射工程が非酸化性雰囲気で行われる場合には、その非酸化性雰囲気から酸化性雰囲気へと移動した際に、その雰囲気から塗膜に取り込まれる酸素や水分、などが酸素源となる。
一方、yについては、Siの酸化よりも窒化が進行する条件は非常に特殊であると考えられるため、基本的には1が上限である。
また、Si、O、Nの結合手の関係から、基本的にはx、yは2x+3y≦4の範囲にある。酸化が完全に進んだy=0の状態においては、塗膜中にシラノール基を含有するようになり、2<x<2.5の範囲となる場合もある。
真空紫外線照射工程でパーヒドロポリシラザンから酸窒化珪素、さらには酸化珪素が生じると推定される反応機構について、以下に説明する。
(I)脱水素、それに伴うSi−N結合の形成
パーヒドロポリシラザン中のSi−H結合やN−H結合は真空紫外線照射による励起等で比較的容易に切断され、不活性雰囲気下ではSi−Nとして再結合すると考えられる(Siの未結合手が形成される場合もある)。すなわち、酸化することなくSiN組成として硬化する。この場合はポリマー主鎖の切断は生じない。Si−H結合やN−H結合の切断は触媒の存在や、加熱によって促進される。切断されたHはHとして膜外に放出される。
(II)加水分解・脱水縮合によるSi−O−Si結合の形成
パーヒドロポリシラザン中のSi−N結合は水により加水分解され、ポリマー主鎖が切断されてSi−OHを形成する。二つのSi−OHが脱水縮合してSi−O−Si結合を形成して硬化する。これは大気中でも生じる反応であるが、不活性雰囲気下での真空紫外線照射中では、照射の熱によって基材からアウトガスとして生じる水蒸気が主な水分源となると考えられる。水分が過剰となると脱水縮合しきれないSi−OHが残存し、SiO2.1〜2.3の組成で示されるガスバリア性の低い硬化膜となる。
(III)一重項酸素による直接酸化、Si−O−Si結合の形成
真空紫外線照射中、雰囲気下に適当量の酸素が存在すると、酸化力の非常に強い一重項酸素が形成される。パーヒドロポリシラザン中のHやNはOと置き換わってSi−O−Si結合を形成して硬化する。ポリマー主鎖の切断により結合の組み換えを生じる場合もあると考えられる。
(IV)真空紫外線照射・励起によるSi−N結合切断を伴う酸化
真空紫外線のエネルギーはパーヒドロポリシラザン中のSi−Nの結合エネルギーよりも高いため、Si−N結合は切断され、周囲に酸素、オゾン、水等の酸素源が存在すると酸化されてSi−O−Si結合やSi−O−N結合が生じると考えられる。ポリマー主鎖の切断により結合の組み換えを生じる場合もあると考えられる。
ポリシラザンを含有する層に真空紫外線照射を施した層の酸窒化珪素の組成の調整は、上述の(I)〜(IV)の酸化機構を適宜組み合わせて酸化状態を制御することで行うことができる。
本発明における真空紫外線照射工程において、ガス、特に水蒸気及び酸素に対する優れたバリア作用は、上記のようにして塗布されたポリシラザン層(非晶質ポリシラザン層)が、100℃以下程度、好ましくは90〜40℃の温度で、0.1〜10分間で、ガラス様の二酸化ケイ素網状構造体に首尾良く転化される。ポリシラザン骨格から三次元SiO網状構造への酸化的転化をVUV光子によって直接開始することによって、単一の段階において非常に短い時間で成功裏にこの転化が行われる。この転化プロセスの機序は、VUV光子の浸透深さの範囲において、Si−N結合が切断されそして酸素及び水蒸気の存在下において層の転化が起こる程に強く−SiH−NH−構成要素がそれの吸収によって励起されるということで説明することができる。なお、本発明は、下記機構によって限定されない。
本発明における真空紫外線照射工程において、ポリシラザン層塗膜が受ける塗膜面での該真空紫外線の照度は30〜200mW/cmであることが好ましく、50〜160mW/cmであることがより好ましい。30mW/cm未満では、改質効率が大きく低下する懸念があり、200mW/cmを超えると、塗膜にアブレーションを生じたり、基材にダメージを与えたりする懸念が出てくる。
ポリシラザン層塗膜面における真空紫外線の照射エネルギー量は、200〜5000mJ/cmであることが好ましく、500〜3000mJ/cmであることがより好ましい。200mJ/cm未満では、改質が不十分となる懸念があり、5000mJ/cm超えると過剰改質によるクラック発生や、基材の熱変形の懸念が出てくる。
真空紫外光源としては、希ガスエキシマランプが好ましく用いられる。Xe、Kr、Ar、Neなどの希ガスの原子は、化学的に結合して分子を作らないため、不活性ガスと呼ばれる。
しかし、放電などによりエネルギーを得た希ガスの励起原子は他の原子と結合して分子を作ることができる。希ガスがキセノンの場合には、
Figure 2013208867
となり、励起されたエキシマ分子であるXe が基底状態に遷移するときに172nmのエキシマ光を発光する。
エキシマランプの特徴としては、放射が一つの波長に集中し、必要な光以外がほとんど放射されないので効率が高いことが挙げられる。また、余分な光が放射されないので、対象物の温度を低く保つことができる。さらには始動および再始動に時間を要さないので、瞬時の点灯点滅が可能である。
エキシマ発光を得るには、誘電体バリア放電を用いる方法が知られている。誘電体バリア放電とは、両電極間に透明石英などの誘電体を介してガス空間を配し、電極に数10kHzの高周波高電圧を印加することによりガス空間に生じ、雷に似た非常に細いmicro dischargeと呼ばれる放電であり、micro dischargeのストリーマが管壁(誘導体)に達すると誘電体表面に電荷が溜まるため、micro dischargeは消滅する。
このmicro dischargeが管壁全体に広がり、生成・消滅を繰り返している放電である。このため、肉眼でも確認できる光のチラツキを生じる。また、非常に温度の高いストリーマが局所的に直接管壁に達するため、管壁の劣化を早める可能性もある。
効率よくエキシマ発光を得る方法としては、誘電体バリア放電以外に、無電極電界放電でも可能である。容量性結合による無電極電界放電で、別名RF放電とも呼ばれる。ランプと電極およびその配置は基本的には誘電体バリア放電と同じで良いが、両極間に印加される高周波は数MHzで点灯される。無電極電界放電はこのように空間的にまた時間的に一様な放電が得られるため、チラツキが無い長寿命のランプが得られる。
誘電体バリア放電の場合は、micro dischargeが電極間のみで生じるため、放電空間全体で放電を行なわせるには外側の電極は外表面全体を覆い、かつ外部に光を取り出すために光を透過するものでなければならない。
このため、細い金属線を網状にした電極が用いられる。この電極は、光を遮らないようにできるだけ細い線が用いられるため、酸素雰囲気中では真空紫外光により発生するオゾンなどにより損傷しやすい。これを防ぐためには、ランプの周囲、すなわち照射装置内を窒素などの不活性ガスの雰囲気にし、合成石英の窓を設けて照射光を取り出す必要が生じる。合成石英の窓は高価な消耗品であるばかりでなく、光の損失も生じる。
二重円筒型ランプは外径が25mm程度であるため、ランプ軸の直下とランプ側面では照射面までの距離の差が無視できず、照度に大きな差を生じる。したがって、仮にランプを密着して並べても、一様な照度分布が得られない。合成石英の窓を設けた照射装置にすれば、酸素雰囲気中の距離を一様にでき、一様な照度分布が得られる。
無電極電界放電を用いた場合には、外部電極を網状にする必要は無い。ランプ外面の一部に外部電極を設けるだけでグロー放電は放電空間全体に広がる。外部電極には通常アルミのブロックで作られた光の反射板を兼ねた電極がランプ背面に使用される。しかし、ランプの外径は誘電体バリア放電の場合と同様に大きいため一様な照度分布にするためには合成石英が必要となる。
細管エキシマランプの最大の特徴は、構造がシンプルなことである。石英管の両端を閉じ、内部にエキシマ発光を行うためのガスを封入しているだけである。
細管ランプの管の外径は6nm〜12mm程度で、あまり太いと始動に高い電圧が必要になる。
放電の形態は、誘電体バリア放電および無電極電界放電のいずれも使用できる。電極の形状はランプに接する面が平面であっても良いが、ランプの曲面に合わせた形状にすればランプをしっかり固定できるとともに、電極がランプに密着することにより放電がより安定する。また、アルミで曲面を鏡面にすれば光の反射板にもなる。
本発明において好適な放射線源は、約172nmに最大放射を有するエキシマラジエータ(例えば、Xeエキシマランプ)、約185nmに輝線を有する低圧水銀蒸気ランプ、並びに230nm以下の波長成分を有する中圧及び高圧水銀蒸気ランプ、及び約222nmに最大放射を有するエキシマランプである。
このうち、Xeエキシマランプは、波長の短い172nmの紫外線を単一波長で放射することから、発光効率に優れている。この光は、酸素の吸収係数が大きいため、微量な酸素でラジカルな酸素原子種やオゾンを高濃度で発生することができる。
また、波長の短い172nmの光のエネルギーは、有機物の結合を解離させる能力が高いことが知られている。この活性酸素やオゾンと紫外線放射が持つ高いエネルギーによって、短時間でポリシラザン層の改質を実現できる。
エキシマランプは光の発生効率が高いため、低い電力の投入で点灯させることが可能である。また、光による温度上昇の要因となる波長の長い光は発せず、紫外線領域で、すなわち短い波長でエネルギーを照射するため、解射対象物の表面温度の上昇が抑えられる特徴を持っている。このため、熱の影響を受けやすいとされるPETなどのフレシキブルフィルム材料に適している。
したがって、波長185nm、254nmの発する低圧水銀ランプやプラズマ洗浄と比べて高スループットに伴うプロセス時間の短縮や設備面積の縮小、熱によるダメージを受けやすい有機材料やプラスチック基板などへの照射を可能としている。
また、波長185nm、254nmの発する低圧水銀ランプ(HgLPランプ)(185nm、254nm)またはKrClエキシマランプ(222nm)からの180nm以下の波長成分を含まないUV光の作用は、Si−N結合に対する直接的な光分解作用に限定され、すなわち、酸素ラジカルまたはヒドロキシルラジカルを生成しない。この場合、吸収は無視し得る程度に過ぎないので、酸素及び水蒸気濃度に関しての制限は要求されない。より短波長の光に対する更に別の利点は、ポリシラザン層中への浸透深度がより大きい点にある。
紫外線照射時の反応には、酸素が必要であるが、真空紫外線は、酸素による吸収があるため紫外線照射工程での効率が低下しやすいことから、真空紫外線の照射は、可能な限り酸素濃度及び水蒸気濃度の低い状態で行うことが好ましい。すなわち、真空紫外線照射時の酸素濃度は、10〜210,000体積ppmとすることが好ましく、より好ましくは50〜10,000体積ppmであり、さらにより好ましくは500〜5,000体積ppmである。また、転化プロセスの間の水蒸気濃度は、好ましくは1000〜4000体積ppmの範囲である。
真空紫外線照射時に用いられる、照射雰囲気を満たすガスとしては乾燥不活性ガスとすることが好ましく、特にコストの観点から乾燥窒素ガスにすることが好ましい。酸素濃度の調整は照射庫内へ導入する酸素ガス、不活性ガスの流量を計測し、流量比を変えることで調整可能である。
本発明においては、SiO格子の形のガラス様の層の形成は、層の温度を同時に高めることによって加速され、そして層の品質は、それのバリア性に関して向上される。熱の入力は、使用されたUVランプによってまたは赤外線ラジエータを用いて被膜及び基材を介して行われるか、あるいはヒートレジスタを用いて気相空間を介して行うことができる。温度の上限は、使用した基材の耐熱性によって決定される。PETフィルムの場合には約180℃である。
本発明の好ましい態様の一つでは、酸化転化プロセスの間に、基材は、赤外線によって50〜200℃の温度(被覆するべき基材の耐熱性に依存する)に加熱され、そしてこれと同時に放射線に曝される。更に別の好ましい態様の一つでは、転化プロセスの間の照射室中のガス温度は50〜200℃の温度に高められる。そうすることで、被膜が基材上で同時に加熱されて、ポリシラザン層の転化が加速される。
本発明の方法は、プラスチックフィルム上でポリシラザン層を照射することによって塗布、乾燥及び酸化転化を一つの作業工程で行うこと、すなわち例えばフィルムのコーティングにおいてこれを“ロール・ツゥ・ロール(Roll to Roll)”方式で行うことを可能にする。本発明に従い得られる被膜は、酸素、二酸化炭素、空気などのガスまたは水蒸気に対する高いバリア作用に有している。
なお、本発明に係るバリア層は単層構造でもよいし、本発明の方法を相前後して複数回行うことによって2層以上の多層構造であってもよい。これにより、バリア作用をさらに高めることができる。
〔有機珪素化合物層〕
上述したように、本発明のガスバリア性フィルムは、基材、上記基材上に形成されたバリア層に加えて、上記バリア層上に形成された有機珪素化合物層を有していてもよい。すなわち、本発明のガスバリア性フィルムでは、バリア層と硬化型樹脂層との間に有機珪素化合物層をさらに有することが好ましい。このようにバリア層と硬化型樹脂層との間に有機珪素化合物層をさらに設けることによって、屈曲性が高くなるため、バリア能、特に水蒸気や酸素に対するバリア能が向上できる。
ここで、有機珪素化合物層は、炭素原子を含む層を意味する。有機珪素化合物層は、炭素、水素、酸素、珪素を主成分とする珪素酸化物有機層であることが好ましい。本明細書において、「炭素、水素、酸素、珪素を主成分とする」とは、珪素、酸素、炭素の元素の合計が、層全体を構成する全元素の、好ましくは90重量%以上、より好ましくは95重量%以上、さらに好ましくは98重量%以上を占める成分を意味する。
有機珪素化合物層を構成する材料は、特に制限されないが、シロキサン結合を有する化合物から形成されることが好ましい。バリア層はガラス様であるため、局部的にクラックが入りやすい。しかし、このようにバリア層と硬化型樹脂層との間に有機珪素化合物層をさらに設けることによって、バリア層との接着が良好なシロキサン構造をバリア層上に配置することによって、クラックが入ることを抑制・防止できる。
シロキサン結合を有する化合物としては、特に制限されないが、ポリシロキサン、有機無機ハイブリッドポリマーが好ましく使用される。以下では、ポリシロキサン、有機無機ハイブリッドポリマーについて詳述する。
(ポリシロキサン)
ポリシロキサンとしては、特に制限されず、公知のポリシロキサンを同様にして使用できる。例えば、(1)ゾルゲル反応等によりクロロまたはアルコキシシラン等を加水分解、重縮合して大きな強度を発揮するオルガノポリシロキサン、(2)撥水牲や撥油性に優れた反応性シリコーンを架橋したオルガノポリシロキサン等のオルガノポリシロキサンを好ましく使用できる。
上記(1)の場合、一般式:YSiX(4−n)(ここで、Yはアルキル基、フルオロアルキル基、ビニル基、アミノ基、フェニル基またはエポキシ基を示し、Xはアルコキシル基、アセチル基またはハロゲン原子を示す。nは0〜3までの整数である。)で示されるアルキルアルコキシシラン化合物の1種または2種以上の加水分解縮合物もしくは共加水分解縮合物であるオルガノポリシロキサンであることが好ましい。なお、ここでYで示される基の炭素数は1〜20の範囲内であることが好ましく、また、Xで示されるアルコキシ基は、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基であることが好ましい。
具体的には、メチルトリクロルシラン、メチルトリブロムシラン、メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、メチルトリイソプロポキシシラン、メチルトリt−ブトキシシラン;エチルトリクロルシラン、エチルトリブロムシラン、エチルトリメトキシシラン、エチルトリエトキシシラン、エチルトリイソプロポキシシラン、エチルトリt−ブトキシシラン;n−プロピルトリクロルシラン、n−プロピルトリブロムシラン、n−プロピルトリメトキシシラン、n−プロピルトリエトキシシラン、n−プロピルトリイソプロポキシシラン、n−プロピルトリt−ブトキシシラン;n−ヘキシルトリクロルシラン、n−へキシルトリブロムシラン、n−ヘキシルトリメトキシシラン、n−ヘキシルトリエトキシシラン、n−へキシルトリイソプロポキシシラン、n−へキシルトリt−ブトキシシラン;n−デシルトリクロルシラン、n−デシルトリブロムシラン、n−デシルトリメトキシシラン、n−デシルトリエトキシシラン、n−デシルトリイソプロポキシシラン、n−デシルトリt−ブトキシシラン;n−オクタデシルトリクロルシラン、n−オクタデシルトリブロムシラン、n−オクタデシルトリメトキシシラン、n−オクタデシルトリエトキシシラン、n−オクタデシルトリイソプロポキシシラン、n−オクタデシルトリt−ブトキシシラン;フェニルトリクロルシラン、フェニルトリブロムシラン、フェニルトリメトキシシラン、フェニルトリエトキシシラン、フェニルトリイソプロポキシシラン、フェニルトリt−ブトキシシラン;テトラクロルシラン、テトラブロムシラン、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、テトラブトキシシラン、ジメトキシジエトキシシラン;ジメチルジクロルシラン、ジメチルジブロムシラン、ジメチルジメトキシシラン、ジメチルジエトキシシラン;ジフェニルジクロルシラン、ジフェニルジブロムシラン、ジフェニルジメトキシシラン、ジフェニルジエトキシシラン;フェニルメチルジクロルシラン、フェニルメチルジブロムシラン、フェニルメチルジメトキシシラン、フェニルメチルジエトキシシラン;トリクロルヒドロシラン、トリブロムヒドロシラン、トリメトキシヒドロシラン、トリエトキシヒドロシラン、トリイソプロポキシヒドロシラン、トリt−ブトキシヒドロシラン;ビニルトリクロルシラン、ビニルトリブロムシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリイソプロポキシシラン、ビニルトリt−ブトキシシラン;トリフルオロプロピルトリクロルシラン、トリフルオロプロピルトリブロムシラン、トリフルオロプロピルトリメトキシシラン、トリフルオロプロピルトリエトキシシラン、トリフルオロプロピルトリイソプロポキシシラン、トリフルオロプロピルトリt−ブトキシシラン;γ−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリイソプロポキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリt−ブトキシシラン;γ−メタアクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン、γ−メタアクリロキシプロピルメチルジエトキシシラン、γ−メタアクリロキシプロピルトリメトキシシラン、γ−メタアクリロキシプロピルトリエトキシシラン、γ−メタアクリロキシプロピルトリイソプロポキシシラン、γ−メタアクリロキシプロピルトリt−ブトキシシラン;γ−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、γ−アミノプロピルメチルジエトキシシラン、γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、γ−アミノプロピルトリイソプロポキシシラン、γ−アミノプロピルトリt−ブトキシシラン;γ−メルカプトプロピルメチルジメトキシシラン、γ−メルカプトプロピルメチルジエトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリエトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリイソプロポキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリt−ブトキシシラン;β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリエトキシシラン;および、それらの部分加水分解物;および、それらの混合物を使用することができる。
アルキルアルコキシシランとして、市販品が使用できる。具体的には、JSR(株)製のグラスカHPC402H等がある。
また、特にフルオロアルキル基を含有するポリシロキサンが好ましく用いることができ、具体的には、下記のフルオロアルキルシランの1種または2種以上の加水分解縮合物、共加水分解縮合物が挙げられ、一般にフッ素系シランカップリング剤として知られたものを使用することができる。
フルオロアルキルシラン:CF(CFCHCHSi(OCH;CF(CFCHCHSi(OCH;CF(CFCHCHSi(OCH;CF(CFCHCHSi(OCH;(CFCF(CFCHCHSi(OCH;(CFCF(CFCHCHSi(OCH;(CFCF(CFCHCHSi(OCH;CF(C)CSi(OCH;CF(CF(C)CSi(OCH;CF(CF(C)CSi(OCH;CF(CF(C)CSi(OCH;CF(CFCHCHSiCH(OCH;CF(CFCHCHSiCH(OCH;CF(CFCHCHSiCH(OCH;CF(CFCHCHSiCH(OCH;(CFCF(CFCHCHSiCH(OCH;(CFCF(CFCHCHSi CH(OCH;(CFCF(CFCHCHSi CH(OCH;CF(C)CSiCH(OCH;CF(CF(C)CSiCH(OCH;CF(CF(C)CSiCH(OCH;CF(CF(C)CSiCH(OCH;CF(CFCHCHSi(OCHCH;CF(CFCHCHSi(OCHCH;CF(CFCHCHSi(OCHCH;CF(CFCHCHSi(OCHCH;およびCF(CFSON(C)CCHSi(OCH
上記のようなフルオロアルキル基を含有するポリシロキサンをバインダとして用いることにより、有機珪素化合物層の非露光部の撥インク性が大きく向上し、遮光部用塗料や着色用のインクの付着を妨げる機能を発現する。
また、上記の(2)の反応性シリコーンとしては、下記一般式(IV)で表される骨格をもつ化合物を挙げることができる。
Figure 2013208867
上記一般式(IV)において、nは、2以上の整数であり、R及びRは、炭素数1〜10の置換もしくは非置換のアルキル基、アルケニル基、アリール基あるいはシアノアルキル基であり、モル比で全体の40%以下がビニル、フェニル、ハロゲン化フェニルである。また、R及びRがメチル基のものが表面エネルギーが最も小さくなるので好ましく、モル比でメチル基が60%以上であることが好ましい。また、鎖末端もしくは側鎖には、分子鎖中に少なくとも1個以上の水酸基等の反応性基を有する。
また、上記のオルガノポリシロキサンとともに、ジメチルポリシロキサンのような架橋反応をしない安定なオルガノシリコン化合物を混合してもよい。
本発明における有機珪素化合物層には、さらに界面活性剤を含有させることができる。具体的には、日光ケミカルズ(株)製NIKKOL(登録商標) BL、BC、BO、BBの各シリーズ等の炭化水素系、デュポン社製ZONYL(登録商標) FSN、FSO、旭硝子(株)製サーフロン(登録商標)S−141、145、大日本インキ化学工業(株)製メガファック(登録商標)F−141、144、ネオス(株)製フタージェント(登録商標)F−200、F251、ダイキン工業(株)製ユニダイン(登録商標)DS−401、402、スリーエム(株)製フロラード(登録商標)FC−170、176等のフッ素系あるいはシリコーン系の非イオン界面活性剤を挙げることかでき、また、カチオン系界面活性剤、アニオン系界面活性剤、両性界面活性剤を用いることもできる。
また、有機珪素化合物層には上記の界面活性剤の他にも、ポリビニルアルコール、不飽和ポリエステル、アクリル樹脂、ポリエチレン、ジアリルフタレート、エチレンプロピレンジエンモノマー、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、ポリウレタン、メラミン樹脂、ポリカーボネート、ポリ塩化ビニル、ポリアミド、ポリイミド、スチレンブタジエンゴム、クロロプレンゴム、ポリプロピレン、ポリブチレン、ポリスチレン、ポリ酢酸ビニル、ポリエステル、ポリブタジエン、ポリベンズイミダゾール、ポリアクリルニトリル、エピクロルヒドリン、ポリサルファイド、ポリイソプレン等のオリゴマー、ポリマー等を含有させることができる。
このような有機珪素化合物層は、上述した成分を必要に応じて他の添加剤とともに溶剤中に分散して塗布液を調製し、この塗布液をバリア層上に塗布することにより形成することができる。使用する溶剤としては、エタノール、イソプロパノール等のアルコール系の有機溶剤が好ましい。塗布はスピンコート、スプレーコート、ディッブコート、ロールコート、ビードコート等の公知の塗布方法により行うことができる。また、紫外線硬化型の成分を含有している場合、紫外線を照射して硬化処理を行うことにより有機珪素化合物層を形成することかできる。
本発明において、有機珪素化合物層の厚みは、光触媒による濡れ性の変化速度等の関係を考慮して、0.1〜5μmであることが好ましく、特に好ましくは0.3〜1.5μmの範囲内である。有機珪素化合物層の厚さを0.1μm以上とすることにより、バリア層との充分な密着性が得られる。有機珪素化合物層の厚さを5μm以下とすることにより、有機珪素化合物層にクラックが発生しにくくなる。
(有機無機ハイブリットポリマー)
有機珪素化合物層は、有機無機ハイブリッドポリマーからなる層でありうる。有機無機ハイブリッドポリマーは、バリア層との密着性に優れている。有機無機ハイブリッドポリマーは、オルガノシラン、オルガノシランの加水分解物、オルガノシランの縮合物からなる群から選ばれる1種以上、およびシリル基含有有機ポリマーを加水分解・共縮合させて得られるポリマーである。
ここで、オルガノシランとしては、下記一般式(V)で表される化合物(以下、化合物(1)と記す)が好ましい。
Figure 2013208867
上記一般式(V)において、Rは炭素数1〜8の有機基を表し、Rは炭素数1〜5のアルキル基または炭素数1〜6のアシル基を表し、nは0〜2の整数を表す。
としては、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、2−エチルヘキシル基等のアルキル基;アセチル基、プロピオニル基、ブチリル基、ベンゾイル基等のアシル基;ビニル基、アリル基、シクロヘキシル基、フェニル基等が挙げられる。Rが2つ存在するときは、それぞれ同一の基であってもよく、異なる基であってもよい。
としては、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基等の炭素数1〜5のアルキル基;アセチル基、プロピオニル基、ブチリル基等の炭素数1〜6のアシル基が挙げられる。Rは、それぞれ同一の基であってもよく、異なる基であってもよい。
化合物(1)の具体例としては、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、テトラ−n−プロポキシシラン、テトラ−i−プロポキシシラン、テトラ−n−ブトキシシラン等のテトラアルコキシシラン類(n=0);
メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、エチルトリメトキシシラン、エチルトリエトキシシラン、n−プロピルトリメトキシシラン、n−プロピルトリエトキシシラン、i−プロピルトリメトキシシラン、i−プロピルトリエトキシシラン、n−ブチルトリメトキシシラン、n−ブチルトリエトキシシラン、n−ペンチルトリメトキシシラン、n−ヘキシルトリメトキシシラン、n−ヘプチルトリメトキシシラン、n−オクチルトリメトキシシラン等のトリアルコキシシラン類(n=1);
ジメチルジメトキシシラン、ジメチルジエトキシシラン、ジエチルジメトキシシラン、ジエチルジエトキシシラン、ジ−n−プロピルジメトキシシラン、ジ−n−プロピルジエトキシシラン、ジ−i−プロピルジメトキシシラン、ジ−i−プロピルジエトキシシラン、ジ−n−ブチルジメトキシシラン、ジ−n−ブチルジエトキシシラン、ジ−n−ペンチルジメトキシシラン、ジ−n−ペンチルジエトキシシラン、ジ−n−ヘキシルジメトキシシラン、ジ−n−ヘキシルジエトキシシラン、ジ−n−ヘプチルジメトキシシラン、ジ−n−ヘプチルジエトキシシラン、ジ−n−オクチルジメトキシシラン、ジ−n−オクチルジエトキシシラン等のジアルコキシシラン類(n=2)等が挙げられる。
これらの化合物(1)は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。また、化合物(1)は、加水分解物または縮合物として用いてもよい。
シリル基含有有機ポリマーは、有機ポリマーの末端および/または側鎖に、加水分解性基および/または水酸基と結合したケイ素原子を有するシリル基を有する有機ポリマーである。シリル基含有有機ポリマーとしては、シリル基含有アクリル樹脂、シリル基含有ビニル樹脂、シリル基含有ウレタン樹脂、シリル基含有エポキシ樹脂、特定シリル基含有ポリエステル樹脂、特定シリル基含有フッ素樹脂等が挙げられる。
シリル基としては、下記一般式(VI)で表される基が好ましい。
Figure 2013208867
上記一般式(VI)において、Xは加水分解性基または水酸基を表し、Rは水素原子、炭素数1〜10のアルキル基または炭素数1〜10のアラルキル基を表し、mは1〜3の整数を表す。ここで、加水分解性基としては、ハロゲン原子、アルコキシル基、アセトキシ基、フェノキシ基、チオアルコキシル基、アミノ基等が挙げられる。
有機無機ハイブリッドポリマーは、化合物(1)およびシリル基含有有機ポリマーに、加水分解・縮合触媒および水を加えて、化合物(1)およびシリル基含有有機ポリマーを加水分解・共縮合させて得られる。加水分解・縮合触媒としては、酸性化合物、アルカリ性化合物、塩化合物、アミン化合物、有機金属化合物、その部分加水分解物等が挙げられる。
このうち、酸性化合物としては、酢酸、塩酸、硫酸、リン酸等が挙げられる。アルカリ性化合物としては、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等が挙げられる。塩化合物としては、アルカリ金属塩等が挙げられる。有機金属化合物としては、4価スズの有機金属化合物等が挙げられる。アミン化合物としては、3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルトリエトキシシラン、3−(2−アミノエチル)−アミノプロピルトリメトキシシラン等が挙げられる。
有機珪素化合物層は、硬度をある程度高める点から、硬化剤によって熱架橋されていてもよい。熱架橋されていることにより、有機珪素化合物層の表面タックが抑えられ、また、熱膨張および熱収縮が抑えられ、バリア層のクラックが抑えられる。硬化剤としては、スズ化合物、アルミニウム化合物、ジルコニウム化合物(ジルコニア等)等が挙げられる。硬化剤の量は、有機無機ハイブリッドポリマー100重量部に対して、1〜20重量部が好ましい。
有機珪素化合物層は、無機フィラーを含有してもよい。無機フィラーとしては、シリカ、アルミナ、光触媒として機能しない酸化チタン、ジルコニア、酸化亜鉛、酸化セリウム等が挙げられ、親水性を維持する点から、シリカが好ましい。無機フィラーの量は、有機無機ハイブリッドポリマー100重量部に対して、1〜50重量部が好ましい。
有機珪素化合物層は、本発明の目的を損なわない範囲で、有機無機ハイブリッドポリマーを除く他の樹脂、公知の添加剤等を含有してもよい。
有機珪素化合物層の厚さは、0.05〜5μmが好ましい。有機珪素化合物層の厚さを0.05μm以上とすることにより、バリア層との充分な密着性が得られる。有機珪素化合物層の厚さを5μm以下とすることにより、有機珪素化合物層にクラックが発生しにくくなる。
有機珪素化合物層は、たとえば、有機無機ハイブリッドポリマー、溶媒、および必要に応じて硬化剤等を含む有機珪素化合物層用塗工液をフィルム基材上に公知の塗工法によって塗布し、加熱乾燥させる方法により形成できる。また、乾燥後、紫外線、電子線等の活性光線により架橋、硬化させてもよい。
また、上記のようにして形成された有機珪素化合物層は、さらに400nm以下の波長の光エネルギーを用いた紫外線照射、好ましくは300nm以下の波長の光エネルギーを用いた紫外線照射、特には、波長が180nm未満の真空紫外光(VUV)の照射されて形成されることが好ましい。これにより、有機珪素化合物層が緻密になる。紫外光照射は、塗膜形成後であればいずれの時点で実施しても有効である。また、紫外線照射については、上記「バリア層(ポリシラザン層)の改質処理」で述べたのと同様の条件が適用できるため、説明を省略する。
有機珪素化合物層は主たる構成元素が炭素・水素・酸素および珪素からなる組成物であることが好ましい。珪素の割合は10%〜30%の間であることが望ましい。
また、有機珪素化合物層の膜密度は、0.5〜1.5g/cmであることが好ましい。有機珪素化合物層の膜密度が上記範囲であれば、ガスバリア性フィルムは、クラックを生じることなく、十分なバリア性を発揮できる。本明細書において、有機珪素化合物層の膜組成は、光電子分光法(XPS)により測定が可能であり、具体的な装置としては、(株)島津製作所製:ESCA3200が挙げられる。または、膜密度についてはX線反射率法により測定もまた可能であり、具体的な測定装置としては、理学電機(株)製:ATX−Gが挙げられる。
また、本発明のバリア性及び屈曲性の両立を考慮すると、有機珪素化合物層の元素比率C/Siは0.2〜0.8が好ましく、特に好ましい0.35〜0.7である。
〔硬化型樹脂層〕
本発明のガスバリア性フィルムでは、上記バリア層上に硬化型樹脂層が配置される。このように硬化型樹脂層を配置することによって、表面のクラックの発生が抑えられ、バリア能、特に水蒸気や酸素に対するバリア能が向上できる。また、硬化型樹脂層は、接着能を有するため、バリア層と、さらには下記に詳述するように、表示素子に用いる場合には、表示素子と、良好に接着できる。
本発明において用いられる硬化型樹脂としては、各種の光(例えば、紫外線)硬化型樹脂、電子線硬化型樹脂、熱硬化型樹脂、2液硬化型樹脂等が含まれる。より具体的には、ユレア樹脂系、メラミン樹脂系、フェノール樹脂系、レゾルシノール樹脂系、エポキシ樹脂系、不飽和ポリエステル樹脂系、ポリウレタン樹脂系またはアクリル樹脂系等の熱硬化型樹脂;エステルアクリレート、ウレタンアクリレート、エポキシアクリレート、メラミンアクリレート、アクリル樹脂アクリレート等の各種アクリレートまたはウレタンポリエステル等の樹脂を用いたラジカル系光硬化型樹脂;エポキシ、ビニルエーテル等の樹脂を用いたカチオン系光硬化型樹脂などが挙げられる。具体的には、熱硬化性のエポキシ系樹脂(スリーボンド社製、2液製エポキシ樹脂;20X−325)等の、熱硬化型樹脂、紫外線硬化型接着剤(協立化学産業株式会社製、WORLD ROCK 8723L2)等の、紫外線硬化型樹脂などが挙げられる。
本発明に用いられる硬化型樹脂としては、層状を保持することが可能であれば、特に限定されない。この場合、比較的粘度が高い光硬化型樹脂組成物が用いられることが好ましい。比較的粘度が高い光硬化型樹脂を選択して用いても良いし、遅延硬化型光硬化型樹脂を用いても良いし、粘度が高くなるように硬化型樹脂に適宜フィラー等の添加剤を添加して用いても良い。
硬化樹脂層の厚みは、通常、1〜200μmの範囲であり、好ましくは、2〜150μmの範囲であり、さらに好ましくは、5〜100μmの範囲である。このような範囲であれば、ガスバリア性フィルムは、ひび割れを発生することなく、屈曲性に優れる。
〔基材〕
本発明のガスバリア性フィルムの基材としては、加熱や吸湿による変形を極力回避する意味で、熱膨張係数、若しくは湿度膨張係数の低いものを用いることが好ましく、熱膨張係数が100ppm/℃以下である、50ppm/℃以下であり1ppm/℃以上である、好ましくは20ppm/℃以下であり3ppm/℃以上である、より好ましくは15ppm/℃以下であり5ppm/℃以上である。これらの膨張係数は材料の選択や延伸倍率の選択により調整が可能である。ここで、熱膨張係数は、熱機械分析装置を用い、試料の合成樹脂フィルムとして、80℃の温度で10分間加熱して乾燥させたものを用い、温度;50℃〜150℃における寸法変化を読み取ることによって、求めたものである。
基材は、上記の熱膨張係数もしくは湿度膨張係数のいずれかの係数の規定、または熱膨張係数および湿度膨張係数の規定に加えて、基材を構成する樹脂のガラス転移温度(Tg)が150℃以上であることが好ましい。Tgが150℃未満であると、基材上にバリア層を形成する際にもたらされる熱により、基材が軟化しやすく、基材に加わる外力により、基材が変形しやすい。この意味で、Tgは高い方が好ましいが、以降に具体的に例示する範囲では、300℃以下である。ガラス転移温度が300℃を超えると、基材自体の可撓性が低くなり、柔軟性が失われるため、連続的な加工が困難である場合がある。
具体的な基材を構成する素材の合成樹脂としては、結晶性樹脂では、ポリアミド、ポリアセタール、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、(PEN)もしくはシンジオタクティック・ポリスチレン、ポリフェニレンサルファイド、ポリエーテルエーテルケトン、液晶ポリマー、フッ素樹脂、もしくはポリエーテルニトリル等を、好ましい樹脂として挙げることができる。
また、基材を構成する素材の合成樹脂としては、非結晶性樹脂では、ポリカーボネート、変性ポリフェニレンエーテル、ポリシクロヘキセン、もしくはポリノルボルネン系樹脂、ポリサルホン、ポリエーテルサルホン、ポリアリレート、ポリアミドイミド、ポリエーテルイミド、もしくは熱可塑性ポリイミド等をより好ましい樹脂として挙げることができる。中でも、ポリカーボネートは、吸水性が低いため、これを用いて構成された基材は、湿度膨張係数が低く、特に好ましい。さらに、光硬化性樹脂では、アクリレート系、メタクリレート系等を使用することができる。
基材に要求される熱的性質、特に外力に対する挙動としては、より実用的な指標である荷重たわみ温度によっても規定が可能であり、荷重たわみ温度が150℃以上であるものが好ましい。因みに、各樹脂の荷重たわみ温度は、ポリカーボネート樹脂;160℃、ポリアリレート樹脂;175℃、ポリエーテルスルホン樹脂;210℃、シクロオレフィンポリマー(日本ゼオン(株)製、商品名;「ゼオノア(登録商標)」);150℃、もしくはノルボルネン系樹脂(JSR(株)製、商品名:「アートン(登録商標)」);155℃等である。
あるいは、基材に要求される熱的性質は、最高連続使用温度によっても規定が可能であり、最高連続使用温度としては150℃以上であるものが好ましい。各樹脂の最高連続使用温度は、前段落に挙げた樹脂の範囲では、各々の樹脂の荷重たわみ温度と等しい。
基材は、ディスプレイの観察側に適用する場合には、映像の視認性の確保の意味から、透明性を有するものであることが好ましい。また、基材の厚みは、1〜400μm程度であり、用途により、適宜に選択するとよい。
基材は、最終製品の表面の平滑性を高め、また、バリア層を均一に形成するためには、表面の平滑性が高いものが好ましい。表面の平滑性としては、平均粗さ(Ra)が2nm以下であるものが好ましい。下限は特にないが、実用上、0.01nm以上である。必要に応じて、基材の両面、少なくとも、バリア層を設ける側を研摩し、平滑性を向上させておいてもよい。
また、本発明に係る基材は、透明であることが好ましい。基材が透明であり、基材上に形成する層も透明であることにより、透明なガスバリア性フィルムとすることが可能となるため、有機EL素子等の透明基板とすることも可能となるからである。
また、上記に挙げた樹脂等を用いた基材は、未延伸フィルムでもよく、延伸フィルムでもよい。
本発明に用いられる基材は、従来公知の一般的な方法により製造することが可能である。例えば、材料となる樹脂を押し出し機により溶融し、環状ダイやTダイにより押し出して急冷することにより、実質的に無定形で配向していない未延伸の基材を製造することができる。また、未延伸の基材を一軸延伸、テンター式逐次二軸延伸、テンター式同時二軸延伸、チューブラー式同時二軸延伸等の公知の方法により、基材の流れ(縦軸)方向、または基材の流れ方向と直角(横軸)方向に延伸することにより延伸基材を製造することができる。この場合の延伸倍率は、基材の原料となる樹脂に合わせて適宜選択することできるが、縦軸方向及び横軸方向にそれぞれ2〜10倍が好ましい。
基材の両面、少なくとも本発明に係るバリア層(硬化型樹脂層)を設ける側には、接着性向上のための公知の種々の処理、コロナ放電処理、火炎処理、酸化処理、プラズマ処理、もしくはプライマー層の積層等を、必要に応じて組み合わせて行なうことができる。
〔アンカーコート層〕
本発明に係る基材表面には、バリア層との接着性(密着性)の向上を目的として、アンカーコート層を易接着層として形成してもよい。このアンカーコート層に用いられるアンカーコート剤としては、ポリエステル樹脂、イソシアネート樹脂、ウレタン樹脂、アクリル樹脂、エチレンビニルアルコール樹脂、ビニル変性樹脂、エポキシ樹脂、変性スチレン樹脂、変性シリコン樹脂、及びアルキルチタネート等を、1または2種以上併せて使用することができる。上記アンカーコート剤は、市販品を使用してもよい。具体的には、シロキサン系UV硬化型ポリマー溶液(信越化学工業(株)製、「X−12−2400」の3%イソプロピルアルコール溶液)を用いることができる。
これらのアンカーコート剤には、従来公知の添加剤を加えることもできる。そして、上記のアンカーコート剤は、ロールコート、グラビアコート、ナイフコート、ディップコート、スプレーコート等の公知の方法により基材上にコーティングし、溶剤、希釈剤等を乾燥除去することによりコーティングすることができる。上記のアンカーコート剤の塗布量としては、0.1〜5g/m(乾燥状態)程度が好ましい。なお、市販の易接着層付き基材を用いてもよい。
または、アンカーコート層は、物理蒸着法または化学蒸着法といった気相法により形成することもできる。例えば、特開2008−142941号公報に記載のように、接着性等を改善する目的で酸化珪素を主体とした無機膜を形成することもできる。
また、アンカーコート層の厚さは、特に制限されないが、0.5〜10.0μm程度が好ましい。
〔プライマー層(平滑層)〕
本発明のガスバリア性フィルムは、プライマー層(平滑層)を有してもよい。プライマー層は突起等が存在する透明樹脂フィルム基材の粗面を平坦化し、あるいは、透明樹脂フィルム基材に存在する突起により、透明の第1のバリア層に生じた凹凸やピンホールを埋めて平坦化するために設けられる。このようなプライマー層は、基本的には感光性材料または熱硬化性材料を硬化させて形成される。
プライマー層の形成に用いる感光性材料としては、例えば、ラジカル反応性不飽和化合物を有するアクリレート化合物を含有する樹脂組成物、アクリレート化合物とチオール基を有するメルカプト化合物を含有する樹脂組成物、エポキシアクリレート、ウレタンアクリレート、ポリエステルアクリレート、ポリエーテルアクリレート、ポリエチレングリコールアクリレート、グリセロールメタクリレート等の多官能アクリレートモノマーを溶解させた樹脂組成物等が挙げられる。具体的には、JSR株式会社製のUV硬化型有機/無機ハイブリッドハードコート材 OPSTAR(登録商標)シリーズを用いることができる。また、上記のような樹脂組成物の任意の混合物を使用することも可能であり、光重合性不飽和結合を分子内に1個以上有する反応性のモノマーを含有している感光性樹脂であれば特に制限はない。また、上記のような樹脂組成物の任意の混合物を使用することも可能であり、光重合性不飽和結合を分子内に1個以上有する反応性のモノマーを含有している感光性樹脂であれば特に制限はない。
光重合性不飽和結合を分子内に1個以上有する反応性モノマーとしては、メチルアクリレート、エチルアクリレート、n−プロピルアクリレート、イソプロピルアクリレート、n−ブチルアクリレート、イソブチルアクリレート、tert−ブチルアクリレート、n−ペンチルアクリレート、n−ヘキシルアクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート、n−オクチルアクリレート、n−デシルアクリレート、ヒドロキシエチルアクリレート、ヒドロキシプロピルアクリレート、アリルアクリレート、ベンジルアクリレート、ブトキシエチルアクリレート、ブトキシエチレングリコールアクリレート、シクロヘキシルアクリレート、ジシクロペンタニルアクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート、グリセロールアクリレート、グリシジルアクリレート、2−ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシプロピルアクリレート、イソボニルアクリレート、イソデキシルアクリレート、イソオクチルアクリレート、ラウリルアクリレート、2−メトリキエチルアクリレート、メトキシエチレングリコールアクリレート、フェノキシエチルアクリレート、ステアリルアクリレート、エチレングリコールジアクリレート、ジエチレングリコールジアクリレート、1,4−ブタンジオールジアクリレート、1,5−ペンタンジオールジアクリレート、1,6−ヘキサジオールジアクリレート、1,3−プロパンジオールアクリレート、1,4−シクロヘキサンジオールジアクリレート、2,2−ジメチロールプロパンジアクリレート、グリセロールジアクリレート、トリプロピレングリコールジアクリレート、グリセロールトリアクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、ポリオキシエチルトリメチロールプロパントリアクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレート、エチレンオキサイド変性ペンタエリスリトールトリアクリレート、エチレンオキサイド変性ペンタエリスリトールテトラアクリレート、プロピオンオキサイド変性ペンタエリスリトールトリアクリレート、プロピオンオキサイド変性ペンタエリスリトールテトラアクリレート、トリエチレングリコールジアクリレート、ポリオキシプロピルトリメチロールプロパントリアクリレート、ブチレングリコールジアクリレート、1,2,4−ブタンジオールトリアクリレート、2,2,4−トリメチル−1,3−ペンタジオールジアクリレート、ジアリルフマレート、1,10−デカンジオールジメチルアクリレート、ペンタエリスリトールヘキサアクリレート、及び、上記のアクリレートをメタクリレートに換えたもの、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、1−ビニル−2−ピロリドン等が挙げられる。上記の反応性モノマーは、1種または2種以上の混合物として、あるいは、その他の化合物との混合物として使用
することができる。
感光性樹脂の組成物は、光重合開始剤を含有する。
光重合開始剤としては、例えば、ベンゾフェノン、o−ベンゾイル安息香酸メチル、4,4−ビス(ジメチルアミン)ベンゾフェノン、4,4−ビス(ジエチルアミン)ベンゾフェノン、α−アミノ・アセトフェノン、4,4−ジクロロベンゾフェノン、4−ベンゾイル−4−メチルジフェニルケトン、ジベンジルケトン、フルオレノン、2,2−ジエトキシアセトフェノン、2,2−ジメトキシ−2−フェニルアセトフェノン、2−ヒドロキシ−2−メチルプロピオフェノン、p−tert−ブチルジクロロアセトフェノン、チオキサントン、2−メチルチオキサントン、2−クロロチオキサントン、2−イソプロピルチオキサントン、ジエチルチオキサントン、ベンジルジメチルケタール、ベンジルメトキシエチルアセタール、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインブチルエーテル、アントラキノン、2−tert−ブチルアントラキノン、2−アミルアントラキノン、β−クロルアントラキノン、アントロン、ベンズアントロン、ジベンズスベロン、メチレンアントロン、4−アジドベンジルアセトフェノン、2,6−ビス(p−アジドベンジリデン)シクロヘキサン、2,6−ビス(p−アジドベンジリデン)−4−メチルシクロヘキサノン、2−フェニル−1,2−ブタジオン−2−(o−メトキシカルボニル)オキシム、1−フェニル−プロパンジオン−2−(o−エトキシカルボニル)オキシム、1,3−ジフェニル−プロパントリオン−2−(o−エトキシカルボニル)オキシム、1−フェニル−3−エトキシ−プロパントリオン−2−(o−ベンゾイル)オキシム、ミヒラーケトン、2−メチル[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モノフォリノ−1−プロパン、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モノフォリノフェニル)−ブタノン−1、ナフタレンスルホニルクロライド、キノリンスルホニルクロライド、n−フェニルチオアクリドン、4,4−アゾビスイソブチロニトリル、ジフェニルジスルフィド、ベンズチアゾールジスルフィド、トリフェニルホスフィン、カンファーキノン、四臭素化炭素、トリブロモフェニルスルホン、過酸化ベンゾイン、エオシン、メチレンブルー等の光還元性の色素とアスコルビン酸、トリエタノールアミン等の還元剤の組み合わせ等が挙げられ、これらの光重合開始剤を1種または2種以上の組み合わせで使用することができる。
熱硬化性材料として具体的には、クラリアント社製のトゥットプロムシリーズ(有機ポリシラザン)、セラミックコート株式会社製のSP COAT耐熱クリアー塗料、アデカ社製のナノハイブリッドシリコーン、DIC株式会社製のユニディック(登録商標)V−8000シリーズ、EPICLON(登録商標) EXA−4710(超高耐熱性エポキシ樹脂)、信越化学社製の各種シリコン樹脂 X−12−2400(商品名)、日東紡社製の無機・有機ナノコンポジット材料SSGコート、アクリルポリオールとイソシアネートプレポリマーとからなる熱硬化性ウレタン樹脂、フェノール樹脂、尿素メラミン樹脂、エポキシ樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、シリコン樹脂等が挙げられる。この中でも特に耐熱性を有するエポキシ樹脂ベースの材料であることが好ましい。
プライマー層の形成方法は、特に制限はないが、スピンコーティング法、スプレー法、ブレードコーティング法、ディップ法等のウエットコーティング法、あるいは、蒸着法等のドライコーティング法により形成することが好ましい。
プライマー層の形成では、上述の感光性樹脂に、必要に応じて、酸化防止剤、紫外線吸収剤、可塑剤等の添加剤を加えることができる。また、プライマー層の積層位置に関係なく、いずれのプライマー層においても、成膜性向上及び膜のピンホール発生防止等のために適切な樹脂や添加剤を使用してもよい。
感光性樹脂を溶媒に溶解または分散させた塗布液を用いてプライマー層を形成する際に使用する溶媒としては、メタノール、エタノール、n−プロパノール、イソプロパノール、エチレングリコール、プロピレングリコール等のアルコール類、α−もしくはβ−テルピネオール等のテルペン類等、アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、N−メチル−2−ピロリドン、ジエチルケトン、2−ヘプタノン、4−ヘプタノン等のケトン類、トルエン、キシレン、テトラメチルベンゼン等の芳香族炭化水素類、セロソルブ、メチルセロソルブ、エチルセロソルブ、カルビトール、メチルカルビトール、エチルカルビトール、ブチルカルビトール、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノエチルエーテル、トリエチレングリコールモノメチルエーテル、トリエチレングリコールモノエチルエーテル等のグリコールエーテル類、酢酸エチル、酢酸ブチル、セロソルブアセテート、エチルセロソルブアセテート、ブチルセロソルブアセテート、カルビトールアセテート、エチルカルビトールアセテート、ブチルカルビトールアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート、2−メトキシエチルアセテート、シクロヘキシルアセテート、2−エトキシエチルアセテート、3−メトキシブチルアセテート等の酢酸エステル類、ジエチレングリコールジアルキルエーテル、ジプロピレングリコールジアルキルエーテル、3−エトキシプロピオン酸エチル、安息香酸メチル、N,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジメチルホルムアミド等を挙げることができる。
プライマー層の平滑性は、JIS B 0601:2001年で規定される表面粗さで表現される値で、最大断面高さRt(p)が、10nm以上、30nm以下であることが好ましい。10nmよりも小さい場合には、後述のケイ素化合物を塗布する段階で、ワイヤーバー、ワイヤレスバー等の塗布方式で、プライマー層表面に塗工手段が接触する場合に、塗布性が損なわれる場合がある。また、30nmよりも大きい場合には、ケイ素化合物を塗布した後の、凹凸を平滑化することが難しくなる場合がある。なお、最大断面高さRt(p)の下限は、特に制限されず、0nmであるが、通常、0.5nm以上であればよい。
表面粗さは、AFM(原子間力顕微鏡)で、極小の先端半径の触針を持つ検出器で連続測定した凹凸の断面曲線から算出され、極小の先端半径の触針により測定方向が数十μmの区間内を多数回測定し、微細な凹凸の振幅に関する粗さである。
プライマー層の厚さとしては、特に制限されないが、0.5〜10μmの範囲が好ましい。
(プライマー層への添加剤)
好ましい態様のひとつは、感光性樹脂中に表面に光重合反応性を有する感光性基が導入された反応性シリカ粒子(以下、単に「反応性シリカ粒子」ともいう)を含むものである。ここで、光重合性を有する感光性基としては、(メタ)アクリロイルオキシ基に代表される重合性不飽和基等を挙げることができる。また感光性樹脂は、この反応性シリカ粒子の表面に導入された光重合反応性を有する感光性基と光重合反応可能な化合物、例えば、重合性不飽和基を有する不飽和有機化合物を含むものであってもよい。また感光性樹脂としては、このような反応性シリカ粒子や重合性不飽和基を有する不飽和有機化合物に適宜汎用の希釈溶剤を混合することによって固形分を調整したものを用いることができる。
ここで、反応性シリカ粒子の平均粒子径としては、0.001〜0.1μmの平均粒子径であることが好ましい。平均粒子径をこのような範囲にすることにより、後述する平均粒子径1〜10μmの無機粒子からなるマット剤と組合せて用いることによって、本発明の効果である防眩性と解像性とをバランスよく満たす光学特性と、ハードコート性とを兼ね備えたプライマー層を形成し易くなる。なお、このような効果をより得易くする観点からは、さらに平均粒子径として0.001〜0.01μmのものを用いることがより好ましい。本発明に用いられるプライマー層中には、上述の様な無機粒子を重量比として20%以上60%以下含有することが好ましい。20%以上添加することで、ガスバリア層との密着性が向上する。また60%を超えると、フィルムを湾曲させたり、加熱処理を行った場合にクラックが生じたり、ガスバリア性フィルムの透明性や屈折率等の光学的物性に影響を及ぼすことがある。
本発明では、重合性不飽和基修飾加水分解性シランが、加水分解性シリル基の加水分解反応によって、シリカ粒子との間に、シリルオキシ基を生成して化学的に結合しているようなものを、反応性シリカ粒子として用いることができる。
加水分解性シリル基としては、例えば、アルコキシリル基、アセトキシリル基等のカルボキシリレートシリル基、クロシリル基等のハロゲン化シリル基、アミノシリル基、オキシムシリル基、ヒドリドシリル基等が挙げられる。
重合性不飽和基としては、アクリロイルオキシ基、メタクリロイルオキシ基、ビニル基、プロペニル基、ブタジエニル基、スチリル基、エチニイル基、シンナモイル基、マレート基、アクリルアミド基等が挙げられる。
本発明において、プライマー層の厚さとしては、1〜10μm、好ましくは2〜7μmであることが望ましい。1μm以上にすることにより、プライマー層を有するフィルムとしてのプライマー性を十分なものにし易くなり、10μm以下にすることにより、平滑なガスバリア性フィルムの光学特性のバランスを調整し易くなると共に、プライマー層を透明高分子フィルムの一方の面にのみ設けた場合におけるプライマーフィルムのカールを抑え易くすることができるようになる。
〔ブリードアウト防止層〕
本発明のガスバリア性フィルムにおいては、ブリードアウト防止層を設けることができる。ブリードアウト防止層は、平滑層を有するフィルムを加熱した際に、フィルム基材中から未反応のオリゴマー等が表面へ移行して、接触する面を汚染する現象を抑制する目的で、平滑層を有する基材の反対面に設けられる。ブリードアウト防止層は、この機能を有していれば、基本的に平滑層と同じ構成をとっても構わない。
ブリードアウト防止層に含ませることが可能な、重合性不飽和基を有する不飽和有機化合物としては、分子中に2個以上の重合性不飽和基を有する多価不飽和有機化合物、あるいは分子中に1個の重合性不飽和基を有する単価不飽和有機化合物等を挙げることができる。
ここで、多価不飽和有機化合物としては、例え、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、グリセロールジ(メタ)アクリレート、グリセロールトリ(メタ)アクリレート、1,4−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ジシクロペンタニルジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールモノヒドロキシペンタ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート等が挙げられる。
また、単価不飽和有機化合物としては、例えばメチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、イソデシル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、アリル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、メチルシクロヘキシル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、グリセロール(メタ)アクリレート、グリシジル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、2−エトキシエチル(メタ)アクリレート、2−(2−エトキシエトキシ)エチル(メタ)アクリレート、ブトキシエチル(メタ)アクリレート、2−メトキシエチル(メタ)アクリレート、メトキシジエチレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシトリエチレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、2−メトキシプロピル(メタ)アクリレート、メトキシジプロピレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシトリプロピレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシポリプロピレングリコール(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコール(メタ)アクリレート等が挙げられる。
その他の添加剤として、マット剤を含有してもよい。マット剤としては、平均粒子径が0.1〜5μm程度の無機粒子が好ましい。
このような無機粒子としては、シリカ、アルミナ、タルク、クレイ、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、硫酸バリウム、水酸化アルミニウム、二酸化チタン、酸化ジルコニウム等の1種または2種以上を併せて使用することができる。
ここで、無機粒子からなるマット剤は、ハードコート剤の固形分100重量部に対して2重量部以上、好ましくは4重量部以上、より好ましくは6重量部以上、20重量部以下、好ましくは18重量部以下、より好ましくは16重量部以下の割合で混合されていることが望ましい。
また、ブリードアウト防止層には、ハードコート剤及びマット剤の他の成分として熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂、電離放射線硬化性樹脂、光重合開始剤等を含有させてもよい。
このような熱可塑性樹脂としては、アセチルセルロース、ニトロセルロース、アセチルブチルセルロース、エチルセルロース、メチルセルロース等のセルロース誘導体、酢酸ビニル及びその共重合体、塩化ビニル及びその共重合体、塩化ビニリデン及びその共重合体等のビニル系樹脂、ポリビニルホルマール、ポリビニルブチラール等のアセタール系樹脂、アクリル樹脂及びその共重合体、メタクリル樹脂及びその共重合体等のアクリル系樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリアミド樹脂、線状ポリエステル樹脂、ポリカーボネート樹脂等が挙げられる。
また、熱硬化性樹脂としては、アクリルポリオールとイソシアネートプレポリマーとからなる熱硬化性ウレタン樹脂、フェノール樹脂、尿素メラミン樹脂、エポキシ樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、シリコン樹脂等が挙げられる。
また、電離放射線硬化性樹脂としては、光重合性プレポリマーもしくは光重合性モノマー等の1種または2種以上を混合した電離放射線硬化塗料に、電離放射線(紫外線または電子線)を照射することで硬化するものを使用することができる。ここで光重合性プレポリマーとしては、1分子中に2個以上のアクリロイル基を有し、架橋硬化することにより3次元網目構造となるアクリル系プレポリマーが特に好ましく使用される。このアクリル系プレポリマーとしては、ウレタンアクリレート、ポリエステルアクリレート、エポキシアクリレート、メラミンアクリレート等が使用できる。また光重合性モノマーとしては、上記に記載した多価不飽和有機化合物等が使用できる。
また、光重合開始剤としては、アセトフェノン、ベンゾフェノン、ミヒラーケトン、ベンゾイン、ベンジルメチルケタール、ベンゾインベンゾエート、ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2−メチル−1−(4−(メチルチオ)フェニル)−2−(4−モルフォリニル)−1−プロパン、α−アシロキシムエステル、チオキサンソン類等が挙げられる。
以上のようなブリードアウト防止層は、ハードコート剤、マット剤、及び必要に応じて他の成分を配合して、適宜必要に応じて用いる希釈溶剤によって塗布液として調製し、塗布液を基材フィルム表面に従来公知の塗布方法によって塗布した後、電離放射線を照射して硬化させることにより形成することができる。なお、電離放射線を照射する方法としては、超高圧水銀灯、高圧水銀灯、低圧水銀灯、カーボンアーク、メタルハライドランプ等から発せられる100〜400nm、好ましくは200〜400nmの波長領域の紫外線を照射する、または走査型やカーテン型の電子線加速器から発せられる100nm以下の波長領域の電子線を照射することにより行うことができる。
本発明におけるブリードアウト防止層の厚さとしては、1〜10μm、好ましくは2〜7μmであることが望ましい。1μm以上にすることにより、フィルムとしての耐熱性を十分なものにし易くなり、10μm以下にすることにより、平滑フィルムの光学特性のバランスを調整し易くなると共に、平滑層を透明高分子フィルムの一方の面に設けた場合におけるバリアフィルムのカールを抑え易くすることができるようになる。
《ガスバリア性フィルムの包装形態》
本発明のガスバリア性フィルムは、連続生産しロール形態に巻き取ることができる(いわゆるロール・トゥ・ロール生産)。その際、ガスバリア層を形成した面に保護シートを貼合して巻き取ることが好ましい。特に、本発明のガスバリア性フィルムを有機薄膜デバイスの封止材として用いる場合、表面に付着したゴミ(パーティクル)が原因で欠陥となる場合が多く、クリーン度の高い場所で保護シートを貼合してゴミの付着を防止することは非常に有効である。併せて、巻取り時に入るガスバリア層表面への傷の防止に有効である。
保護シートとしては、特に限定するものではないが、膜厚100μm程度の樹脂基板に弱粘着性の接着層を付与した構成の一般的な「保護シート」、「剥離シート」を用いることができる。
上記したような本発明のガスバリア性フィルムは、優れたガスバリア性、透明性、屈曲性を有する。このため、本発明のガスバリア性フィルムは、電子デバイス等のパッケージ、太陽電池素子や有機エレクトロルミネッセンス(EL)素子、液晶表示素子等の等の電子デバイスに用いられるガスバリア性フィルムおよびこれを用いた電子デバイスなど、様々な用途に使用できる。したがって、本発明は、ガスバリア性フィルムを表示素子に用いてなる、電子デバイスをも提供する。上記用途において、本発明のガスバリア性フィルムはいずれの場所に設置されてもよいが、硬化型樹脂層が表示素子に接するように設置されることが好ましい。
本発明のガスバリア性フィルムを表示素子(ディスプレイ)の基板として用いる場合には、各々のディスプレイの方式において必要な層を、ガスバリア性フィルムの表裏のいずれかに積層することもでき、場合によっては、基板とガスバリア性フィルムとの間に、他の層を積層することもあり得るので、本発明のガスバリア性フィルムは、基板とガスバリア性フィルムとの間に、ディスプレイの機能を持たせるための層が介在するものも含むものとする。
本発明のガスバリア性フィルムを適用するディスプレイとしては、種々のものがあり、特に制限されないが、代表的なものとして、液晶ディスプレイおよび有機EL素子があり得る。
液晶ディスプレイは、二枚のガラス基板に、いずれも内側に透明電極を配置し、配向層等を伴なった間に液晶が挟まれ、周囲がシールされたものであり、通常は、映像をカラー化するためのカラーフィルターを伴なう。このような液晶ディスプレイのガラス基板の外側に、本発明のガスバリア性フィルムを適用するか、もしくは、本発明のガスバリア性フィルム1をガラス基板の代りに用いることもできる。特に、二枚のガラス基板を、いずれも、本発明のガスバリア性フィルムで置き換えれば、全体がフレキシブルなディスプレイとすることができる。
有機ELディスプレイは、やはり、二枚のガラス基板に、いずれも内側に透明電極を配置し、二枚の基板間に、例えば、(a)注入機能、(b)輸送機能、および(c)発光機能の各機能を持つ層を積層した複合層等からなる有機EL素子層が挟まれ、周囲がシールされたものであり、映像をカラー化するためのカラーフィルターもしくはそのほかの手段を伴なうことがある。液晶ディスプレイにおけるのと同様、ガラス基板の外側に、本発明のガスバリア性フィルムを適用するか、もしくは、本発明のガスバリア性フィルム1をガラス基板の代りに用いることもできる。二枚のガラス基板を、いずれも本発明のガスバリア性フィルムで置き換えれば、全体がフレキシブルなディスプレイとすることができる。有機EL素子は、使用する蛍光物質が不安定で、湿気に極度に弱いため、製品となった後の高度な水蒸気バリア性が望まれるので、ガスバリア性フィルムの適用は、非常に有効である。
本発明のガスバリア性フィルムの各特性値は、下記の方法に従って測定することができる。
〔水蒸気透過率の測定〕
前述のJIS K 7129(1992年)に記載のB法に従って水蒸気透過率を測定するには、種々の方法が提案されている。例えば、カップ法、乾湿センサー法(Lassy法)、赤外線センサー法(mocon法)が代表として挙げられるが、ガスバリア性が向上するに伴って、これらの方法では測定限界に達する場合があり、以下に示す方法も提案されている。なお、
〈前記以外の水蒸気透過率測定方法〉
1.Ca法
ガスバリア性フィルムに金属Caを蒸着し、該フィルムを透過した水分で金属Caが腐食される現象を利用する方法。腐食面積とそこに到達する時間から水蒸気透過率を算出する。
2.(株)MORESCOの提案する方法(平成21年12月8日NewsRelease)
大気圧下の試料空間と超高真空中の質量分析計の間で水蒸気の冷却トラップを介して受け渡す方法。
3.HTO法(米General Atomics社)
三重水素を用いて水蒸気透過率を算出する方法。
4.A−Star(シンガポール)の提案する方法(国際公開第2005/95924号)
水蒸気または酸素により電気抵抗が変化する材料(例えば、Ca、Mg)をセンサーに用いて、電気抵抗変化とそれに内在する揺らぎ成分から水蒸気透過率を算出する方法。
本発明のガスバリア性フィルムにおいて、水蒸気透過率の測定方法は特に限定するところではないが、本明細書においては水蒸気透過率測定方法として、前述するCa法による測定を行い、当該方法によって行った値を水蒸気透過率(g/m・24h)とした。
本発明のガスバリア性フィルムの水蒸気透過率は、低いほど好ましいが、例えば、1×10−7〜5×10−2g/m・24hであることが好ましく、1×10−6〜1×10−2g/m・24hであることがより好ましい。なお、本発明のガスバリア性フィルムにおいて、水蒸気透過率の測定方法は、特に限定するところではないが、水蒸気透過率は、前述するCa法により測定された値として表す。
〔酸素透過率の測定〕
温度23℃、湿度0%RHの条件で、米国、モコン(MOCON)社製の酸素透過率測定装置(機種名、“オキシトラン”(登録商標)(“OXTRAN”2/20))を使用して、JIS K7126(1987年)に記載のB法(等圧法)に基づいて測定した。また、2枚の試験片について測定を各々1回行い、2つの測定値の平均値を酸素透過率の値とした。
本発明のガスバリア性フィルムの酸素透過率は、低いほど好ましいが、例えば、0.01g/m・24h・atm以下であることが好ましく、0.001g/m・24h・atm以下であることが好ましく、特に0.001g/m・24h・atm未満(検出限界以下)であることがより好ましい。
本発明の効果を、以下の実施例および比較例を用いて説明する。ただし、本発明の技術的範囲が以下の実施例のみに制限されるわけではない。また、実施例において「部」あるいは「%」の表示を用いるが、特に断りがない限り「重量部」あるいは「重量%」を表す。
ガスバリア性フィルムの各特性値は、下記の方法に従って測定される。
《ガスバリア性フィルムの特性値の測定方法》
〔SiOにおけるx及びyの測定〕
作製した各ガスバリア性フィルムのバリア層について、XPS法により測定した。具体的には、VGサイエンティフィックス社製ESCALAB−200Rを用い、X線アノードとしてMg、出力600W(加速電圧15kV、エミッション電流40mA)で測定して、SiOにおけるx及びyを算出した。
〔水蒸気バリア性(WVTR)の評価〕
以下の測定方法に従って、各ガスバリア性フィルムの透過水分量を測定し、下記の基準に従って、水蒸気バリア性を評価した。
(装置)
蒸着装置:日本電子(株)製真空蒸着装置JEE−400
恒温恒湿度オーブン:Yamato Humidic ChamberIG47M
水分と反応して腐食する金属:カルシウム(粒状)
水蒸気不透過性の金属:アルミニウム(φ3〜5mm、粒状)
(水蒸気バリア性評価用セルの作製)
試料のバリア層面に、真空蒸着装置(日本電子製真空蒸着装置 JEE−400)を用い、透明導電膜を付ける前のガスバリア性フィルム試料の蒸着させたい部分(12mm×12mmを9箇所)以外をマスクし、金属カルシウムを蒸着させた。その後、真空状態のままマスクを取り去り、シート片側全面にアルミニウムをもう一つの金属蒸着源から蒸着させた。アルミニウム封止後、真空状態を解除し、速やかに乾燥窒素ガス雰囲気下で、厚さ0.2mmの石英ガラスに封止用紫外線硬化樹脂(ナガセケムテックス製)を介してアルミニウム封止側と対面させ、紫外線を照射することで、評価用セルを作製した。また、屈曲前後のガスバリア性の変化を確認するために、上記屈曲の処理を行わなかったガスバリア性フィルムについても同様に、水蒸気バリア性評価用セルを作製した。
得られた両面を封止した試料を60℃、90%RHの高温高湿下で保存し、特開2005−283561号公報に記載の方法に基づき、金属カルシウムの腐食量からセル内に透過した水分量を計算した。
なお、ガスバリア性フィルム面以外からの水蒸気の透過がないことを確認するために、比較試料としてガスバリア性フィルム試料の代わりに、厚さ0.2mmの石英ガラス板を用いて金属カルシウムを蒸着した試料を、同様な60℃、90%RHの高温高湿下保存を行い、1000時間経過後でも金属カルシウム腐食が発生しないことを確認した。
以上により測定された各ガスバリア性フィルムの透過水分量(g/m・24h;表中の「WVTR」)をCa法によって評価した。
〔折り曲げ耐性(屈曲性)の評価〕
各ガスバリア性フィルムを、半径が10mmの曲率になるように、180度の角度で100回の屈曲を繰り返した後、上記と同様の方法で透過水分量を測定し、屈曲処理前後での透過水分量の変化より、下式に従って耐劣化度を測定し、下記の基準に従って折り曲げ耐性を評価した。
耐劣化度=(屈曲試験後の透過水分量/屈曲試験前の透過水分量)×100(%)
5:耐劣化度が、90%以上である
4:耐劣化度が、80%以上、90%未満である
3:耐劣化度が、60%以上、80%未満である
2:耐劣化度が、30%以上、60%未満である
1:耐劣化度が、30%未満である
〔可視光透過率(透明性)の測定〕
各ガスバリア性フィルムの可視光透過率(%)を、分光光度計 V−570(日本分光社製)を用いて測定した。
〔接着能の評価〕
各実施例で得られたガスバリア性フィルム(縦200mm、横200mm)を枠に固定した状態で70℃に加熱した水中に30分間浸漬してボイル処理を行なった。処理後、フィルムを取り出し、20℃、相対湿度(RH)65%雰囲気中で、万能材料試験機((株)島津製作所製、オートグラフ)を用い、引張速度200mm/分の条件にてT剥離試験を行い、層間剥離強度(N/cm)を測定した。層間剥離強度が1.5N/cm以上であると、本発明での接着能を有すると判断した。
実施例1〜7
〔ガスバリア性フィルムの作製〕
(ポリシラザン層の形成)
基材フィルムとして、ガラス転移温度が155℃、熱膨張係数が8ppm、湿度膨張係数が0.5ppm、および厚みが200μmのポリエチレンナフタレート樹脂フィルム(帝人デュポン(株)製、商品名;「テオネックス(登録商標)」)を用い、片面にシロキサン系UV硬化型ポリマー溶液(信越化学工業(株)製、「X−12−2400」の3%イソプロピルアルコール溶液)をグラビア印刷法により塗工し、120℃の温度で熱風乾燥を行なった後、紫外線硬化させ、膜厚が0.1μmのプライマー層を形成した。このプライマー層上へ、下記の方法に従ってポリシラザン層を形成した。
パーヒドロポリシラザン(アクアミカ(登録商標) NN120−10、無触媒タイプ、AZエレクトロニックマテリアルズ(株)製)の10重量%ジブチルエーテル溶液を、ポリオシラザン層形成用塗布液とした。
上記ポリシラザン層形成用塗布液を、ワイヤレスバーにて、乾燥後の(平均)膜厚が150nmとなるように塗布し、温度85℃、湿度55%RHの雰囲気下で1分間処理して乾燥させ、更に温度25℃、湿度10%RH(露点温度−8℃)の雰囲気下に10分間保持し、除湿処理を行って、ポリシラザン層を形成した。
(バリア層の形成:紫外光によるポリシラザン層のシリカ転化処理)
次いで、上記形成したポリシラザン層に対し、下記の方法に従って、露点温度が−8℃以下の条件下で、シリカ転化処理を実施した。
Figure 2013208867
このようにして形成されたバリア層について、SiOにおけるx、yを、VGサイエンティフィックス社製ESCALAB−200Rを用い、XPS法により測定し、その結果を下記表1に示す。また、このようにして形成されたバリア層の膜密度を測定し、その結果を下記表1に示す。
(硬化型樹脂層の形成)
続いて、上記で形成されたバリア層上に、熱硬化性のエポキシ系樹脂(スリーボンド社製、2液製エポキシ樹脂;20X−325)を、表1に記載される膜厚(乾燥時)となるように、ディスペンサーを用いて塗布し、80℃、1時間硬化させて、硬化型樹脂層を形成し、ガスバリア性フィルム1〜7を得た。
このようにして得られたガスバリア性フィルムについて、接着能、水蒸気バリア性(下記表1中の「WVTR」)、折り曲げ耐性(下記表1中の「屈曲性」)および透明性を評価し、これらの結果を下記表1に示す。
実施例8〜10
〔ガスバリア性フィルムの作製〕
(バリア層の形成)
実施例5〜7と同様にして、バリア層を形成した。
(硬化型樹脂層の形成)
続いて、上記で形成されたバリア層上に、紫外線硬化型接着剤(協立化学産業株式会社製、WORLD ROCK 8723L2)を、表1に記載される膜厚(乾燥時)となるように、ディスペンサーを用いて塗布し、その塗布部のみに下記条件で照射し硬化させて、硬化型樹脂層を形成し、ガスバリア性フィルム8〜10を得た。
Figure 2013208867
このようにして得られたガスバリア性フィルムについて、接着能、水蒸気バリア性(下記表1中の「WVTR」)、折り曲げ耐性(下記表1中の「屈曲性」)および透明性を評価し、これらの結果を下記表1に示す。
比較例1
上記実施例1において、硬化型樹脂層を形成しなかった以外は、上記実施例1に記載の方法に従って、ガスバリア性フィルム11を得た。
このようにして得られたガスバリア性フィルムについて、接着能、水蒸気バリア性(下記表1中の「WVTR」)、折り曲げ耐性(下記表1中の「屈曲性」)および透明性を評価し、これらの結果を下記表1に示す。
比較例2
上記実施例10において、硬化型樹脂層を形成しなかった以外は、上記実施例10に記載の方法に従って、ガスバリア性フィルム12を得た。
このようにして得られたガスバリア性フィルムについて、接着能、水蒸気バリア性(下記表1中の「WVTR」)、折り曲げ耐性(下記表1中の「屈曲性」)および透明性を評価し、これらの結果を下記表1に示す。
Figure 2013208867
上記表1に記載の結果より明らかなように、本発明のガスバリア性フィルム1〜10は、比較例のガスバリア性フィルム11、12に比して、接着能、ガスバリア性(WVTR)、折り曲げ耐性(屈曲性)に優れ、高い可視光透過性を有していることが分かる。
実施例11〜12
〔ガスバリア性フィルムの作製〕
(バリア層の形成)
実施例1と同様にして、バリア層を形成した。
(有機珪素化合物層の形成)
続いて、シリカゾル(商品名:グラスカHPC7002、JSR(株)製)30重量部、およびアルキルアルコキシシラン(商品名:グラスカHPC402H、JSR(株)製)10重量部を、30分間撹拌混合して、有機珪素化合物層形成用塗布液とした。この塗布液を、上記で形成されたバリア層上に、スピンコーターを用いて塗布した。100℃、10分間加熱し、更に下記条件にて改質処理を行い、膜厚1μmの有機珪素化合物層(膜密度:0.5)を形成した。
Figure 2013208867
(硬化型樹脂層の形成)
続いて、上記で形成された有機珪素化合物層上に、熱硬化性のエポキシ系樹脂(スリーボンド社製、2液製エポキシ樹脂;20X−325)を、表2に記載される膜厚(乾燥時)となるように、ディスペンサーを用いて塗布し、80℃、1時間硬化させて、硬化型樹脂層を形成し、ガスバリア性フィルム13〜14を得た。
このようにして得られたガスバリア性フィルムについて、接着能、水蒸気バリア性(下記表2中の「WVTR」)、折り曲げ耐性(下記表2中の「屈曲性」)および透明性を評価し、これらの結果を下記表2に示す。
実施例13〜14
〔ガスバリア性フィルムの作製〕
(バリア層の形成)
実施例1と同様にして、バリア層を形成した。
(有機珪素化合物層の形成)
続いて、シリカゾル(商品名:グラスカHPC7002、JSR(株)製)30重量部、およびアルキルアルコキシシラン(商品名:グラスカHPC402H、JSR(株)製)10重量部を、30分間撹拌混合して、有機珪素化合物層形成用塗布液とした。この塗布液を、上記で形成されたバリア層上に、スピンコーターを用いて塗布した。100℃、10分間加熱し、更に下記条件にて改質処理を行い、膜厚1μmの有機珪素化合物層(膜密度:0.5)を形成した。
Figure 2013208867
(硬化型樹脂層の形成)
続いて、上記で形成された有機珪素化合物層上に、紫外線硬化型接着剤(協立化学産業株式会社製、WORLD ROCK 8723L2)を、表2に記載される膜厚(乾燥時)となるように、ディスペンサーを用いて塗布し、その塗布部のみに下記条件で照射し硬化させて、硬化型樹脂層を形成し、ガスバリア性フィルム15〜16を得た。
Figure 2013208867
このようにして得られたガスバリア性フィルムについて、接着能、水蒸気バリア性(下記表2中の「WVTR」)、折り曲げ耐性(下記表2中の「屈曲性」)および透明性を評価し、これらの結果を下記表2に示す。
Figure 2013208867
上記表2に記載の結果より明らかなように、本発明のガスバリア性フィルム13〜16は、接着能、ガスバリア性(WVTR)、折り曲げ耐性(屈曲性)に優れ、高い可視光透過性を有していることが分かる。
実施例15〜17
〔ガスバリア性フィルムの作製〕
(ポリシラザン層の形成)
基材フィルムとして、ガラス転移温度が155℃、熱膨張係数が8ppm、湿度膨張係数が0.5ppm、および厚みが200μmのポリエチレンナフタレート樹脂フィルム(帝人デュポン(株)製、商品名;「テオネックス(登録商標)」)を用い、片面にシロキサン系UV硬化型ポリマー溶液(信越化学工業(株)製、「X−12−2400」の3%イソプロピルアルコール溶液)をグラビア印刷法により塗工し、120℃の温度で熱風乾燥を行なった後、紫外線硬化させ、膜厚が0.1μmのプライマー層を形成した。このプライマー層上へ、下記の方法に従ってポリシラザン層を形成した。
パーヒドロポリシラザン(アクアミカ(登録商標) NN120−10、無触媒タイプ、AZエレクトロニックマテリアルズ(株)製)の10重量%ジブチルエーテル溶液を、ポリシラザン層形成用塗布液とした。
上記ポリシラザン層形成用塗布液を、ワイヤレスバーにて、乾燥後の(平均)膜厚が150nmとなるように塗布し、温度85℃、湿度55%RHの雰囲気下で1分間処理して乾燥させ、更に温度25℃、湿度10%RH(露点温度−8℃)の雰囲気下に10分間保持し、除湿処理を行って、ポリシラザン層を形成した。
(バリア層の形成:低圧水銀灯によるポリシラザン層のシリカ転化処理)
次いで、上記形成したポリシラザン層に対し、下記の低圧水銀灯を用いた方法に従って、露点温度が−8℃以下の条件下で、シリカ転化処理を実施した。
Figure 2013208867
このようにして形成されたバリア層について、SiOにおけるx、yを、VGサイエンティフィックス社製ESCALAB−200Rを用い、XPS法により測定し、その結果を下記表3に示す。また、このようにして形成されたバリア層の膜密度を測定し、その結果を下記表3に示す。
(硬化型樹脂層の形成)
続いて、上記で形成されたバリア層上に、熱硬化性のエポキシ系樹脂(スリーボンド社製、2液製エポキシ樹脂;20X−325)を、表3に記載される膜厚(乾燥時)となるように、ディスペンサーを用いて塗布し、80℃、1時間硬化させて、硬化型樹脂層を形成し、ガスバリア性フィルム17〜19を得た。
このようにして得られたガスバリア性フィルムについて、接着能、水蒸気バリア性(下記表3中の「WVTR」)、折り曲げ耐性(下記表3中の「屈曲性」)および透明性を評価し、これらの結果を下記表3に示す。
実施例18〜20
〔ガスバリア性フィルムの作製〕
(バリア層の形成)
実施例15〜17と同様にして、バリア層を形成した。
(有機珪素化合物層の形成)
続いて、シリカゾル(商品名:グラスカHPC7002、JSR(株)製)30重量部、およびアルキルアルコキシシラン(商品名:グラスカHPC402H、JSR(株)製)10重量部を、30分間撹拌混合して、有機珪素化合物層形成用塗布液とした。この塗布液を、上記で形成されたバリア層上に、スピンコーターを用いて塗布した。100℃、10分間加熱し、更に下記条件にて改質処理を行い、膜厚1μmの有機珪素化合物層(膜密度:0.5)を形成した。
Figure 2013208867
(硬化型樹脂層の形成)
続いて、上記で形成された有機珪素化合物層上に、熱硬化性のエポキシ系樹脂(スリーボンド社製、2液製エポキシ樹脂;20X−325)を、表3に記載される膜厚(乾燥時)となるように、ディスペンサーを用いて塗布し、80℃、1時間硬化させて、硬化型樹脂層を形成し、ガスバリア性フィルム20〜22を得た。
このようにして得られたガスバリア性フィルムについて、接着能、水蒸気バリア性(下記表3中の「WVTR」)、折り曲げ耐性(下記表3中の「屈曲性」)および透明性を評価し、これらの結果を下記表3に示す。
比較例3
上記実施例16において、硬化型樹脂層を形成しなかった以外は、上記実施例16に記載の方法に従って、ガスバリア性フィルム23を得た。
このようにして得られたガスバリア性フィルムについて、接着能、水蒸気バリア性(下記表3中の「WVTR」)、折り曲げ耐性(下記表3中の「屈曲性」)および透明性を評価し、これらの結果を下記表3に示す。
比較例4
上記実施例19において、硬化型樹脂層を形成しなかった以外は、上記実施例19に記載の方法に従って、ガスバリア性フィルム24を得た。
このようにして得られたガスバリア性フィルムについて、接着能、水蒸気バリア性(下記表3中の「WVTR」)、折り曲げ耐性(下記表3中の「屈曲性」)および透明性を評価し、これらの結果を下記表3に示す。
Figure 2013208867
上記表3に記載の結果より明らかなように、本発明のガスバリア性フィルム17〜19は、比較例のガスバリア性フィルム23に比して、また、本発明のガスバリア性フィルム20〜22は、比較例のガスバリア性フィルム24に比して、それぞれ、接着能、ガスバリア性(WVTR)、折り曲げ耐性(屈曲性)に優れ、高い可視光透過性を有していることが分かる。
実施例21〜27、比較例5〜7
〔有機EL素子の作製〕
(1)有機EL素子基板の作製
有機EL基板としてのITO膜を有する導電性のガラス基板(表面抵抗値10Ω/□、0.6mm厚)を2−プロパノールで洗浄した後、10分間UV−オゾン処理を行った。この基板(陽極)上に真空蒸着法にて以下の第1正孔輸送層、第2正孔輸送層及び発光層兼電子輸送層を順次蒸着した。
(第1正孔輸送層)
銅フタロシアニン:膜厚10nm
(第2正孔輸送層)
N,N’−ジフェニル−N,N’−ジナフチルベンジジン:膜厚40nm
(発光層兼電子輸送層)
トリス(8−ヒドロキシキノリナト)アルミニウム:膜厚60nm
最後に、フッ化リチウムを膜厚 1nmおよび金属アルミニウムを膜厚 100nmとなるように、順次蒸着して陰極とし、その上に厚さ5μm窒化珪素膜を平行平板CVD法によって付け、有機EL素子を作製した。
(2)ガスバリア性フィルムの設置
封止フィルムとして、実施例1〜3、11、12、16及び19で作製したガスバリア性フィルム1〜3、13、14,18及び21、ならびに比較例1〜3で作製したガスバリア性フィルム11、12及び23を用いて、有機EL素子を封止した。
具体的には、実施例1〜3、11、12、16及び19で作製したガスバリア性フィルム1〜3、13、14、18及び21では、硬化型樹脂層が、上記(1)で作製された有機EL素子の素子面に接するように、各ガスバリア性フィルムを有機EL素子と、窒素パージグローブボックス中に設置したバキュームラミネータでラミネートし、100℃で、1時間加熱して、有機EL素子を封止した。
また、比較例1〜3で作製したガスバリア性フィルム11、12及び23では、接着シート((株)スリーボンド製、熱硬化型シート状接着剤、商品名:1655)と、各ガスバリア性フィルムとを、接着シートとガスバリア性フィルムのバリア層とが接するように、順次重ね、100℃で、1時間加熱して、有機EL素子を封止した。
(3)有機EL素子の評価
上記で作製した有機EL素子について、下記の方法に従って、耐久性の評価を行った。
(加速劣化処理)
上記作製した各有機EL素子を、60℃、90%RHの環境下で750時間放置して加速劣化処理を施した後、加速劣化処理を施していない有機EL素子と共に、以下のようにしてダークスポット(非発光部)の数をカウントした。
すなわち、加速劣化処理を施した有機EL素子(表4中の「750時間後」)および加速劣化処理を施していない有機EL素子(表4中の「初期」)に対し、それぞれ1mA/cmの電流を印加し、24時間連続発光させた後、100倍のマイクロスコープ(株式会社モリテックス製MS−804、レンズMP−ZE25−200)でパネルの一部分を拡大し、撮影を行った。撮影画像を2mm四方に切り抜き、ダークスポット(非発光部)の数をカウントした。結果を、下記表4に示す。なお、表4中、ダークスポットの数の変化が2個以下であれば「OK」とし、それを超えて増加していれば「NG」と判定した。
Figure 2013208867
上記表4に記載の結果より明らかなように、本発明のガスバリア性フィルム1〜3、13、14,18及び21を有する有機EL素子は、比較例のガスバリア性フィルム11、12及び23を有する有機EL素子に比して、ダークスポットの数の変化が小さく、耐久性に優れることが分かる。
11…ガスバリア性フィルム、
12…基材、
13…バリア層、
14…硬化型樹脂層、
15…有機珪素化合物層。

Claims (9)

  1. 基材の少なくとも一方に、SiO(ただし、xは、0.5〜2.3であり、yは、0.1〜3.0である)を含むバリア層、および硬化型樹脂層をこの順に有する、ガスバリア性フィルム。
  2. 前記バリア層がポリシラザンから形成される、請求項1に記載のガスバリア性フィルム。
  3. 前記バリア層が300nm以下の波長の光エネルギーを用いた紫外線照射によって形成される、請求項1または2に記載のガスバリア性フィルム。
  4. バリア層の厚みが300nm以下である、請求項1〜3のいずれか1項に記載のガスバリア性フィルム
  5. 前記バリア層と硬化型樹脂層との間に有機珪素化合物層をさらに有する、請求項1〜3のいずれか1項に記載のガスバリア性フィルム。
  6. 前記有機珪素化合物層がシロキサン結合を有する化合物から形成される、請求項5に記載のガスバリア性フィルム。
  7. 前記有機珪素化合物層が300nm以下の波長の光エネルギーを用いた紫外線照射によって形成される、請求項5または6に記載のガスバリア性フィルム。
  8. 請求項1〜7のいずれか1項に記載のガスバリア性フィルムを表示素子に用いてなる、電子デバイス。
  9. 前記硬化型樹脂層が表示素子に接するように設置される、請求項8に記載の電子デバイス。
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