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JP2013203962A - グリセリド組成物の製造方法 - Google Patents

グリセリド組成物の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】低温下での保存時における油脂の風味劣化を抑制する方法を提供すること。
【解決手段】本発明のグリセリド組成物の製造方法は、減圧条件下で水蒸気の吹き込みを行いながら原料グリセリド組成物を脱色する脱色工程を含み、上記水蒸気の吹き込みにおいて、上記原料グリセリド組成物の全質量に対して0.3質量%以上の水蒸気を上記原料グリセリド組成物に吹き込むことを特徴とする。上記水蒸気の吹き込みにおいて、上記原料グリセリド組成物の全質量に対して0.3質量%〜2.0質量%の水蒸気が上記原料グリセリド組成物に吹き込まれてもよい。
【選択図】なし

Description

本発明は、グリセリド組成物の製造方法に関する。
近年、油脂の風味や安定性を向上させるための試みが種々、なされている。油脂の風味や安定性等の品質の低下には、様々な要素が関係しており、それぞれの要素に応じた油脂の品質の改善方法等が報告されている。また、油脂中に存在する、生理活性に関係すると考えられる微量成分を調整する方法についても多数報告されている。
例えば、特許文献1には、3−クロロプロパン−1,2−ジオール等を含有するグリセリド組成物を、特定の温度条件にて脱臭処理等することにより、グリセリド組成物中のグリシドールの脂肪酸エステル等を低減する方法が開示されている。また、特許文献2には、少なくとも脱臭処理が施された精製パーム軟質油に、さらに、脱色処理と脱臭処理とを施すことで、特定の色度を有する、良好な風味を備えた再精製パーム軟質油を得る方法が開示されている。また、特許文献3には、規則充填材を具備した薄膜式カラムを用いた精製処理とトレイ式装置を用いた精製処理とを組み合わせて、全構成脂肪酸中のトランス脂肪酸含量が1質量%以下の油脂を精製する方法が開示されている。
また、油脂の酸化による劣化に伴う、油脂の風味上好ましくない化合物の生成を抑制するために、一般的に、精製された油脂は低温下で保存される。しかし、特にパーム系油脂に関しては、低温保存時において、油脂の風味の劣化を引き起こす「戻り物質」が生成することが知られている。「戻り物質」に関して、詳細は知られていないものの、この物質が、精製された油脂中に存在することにより、油脂の風味が精製前の状態に戻り、「戻り臭」と呼ばれる風味劣化が引き起こされる。
例えば、海外で圧搾された原油は、フィジカル精製工程と呼ばれる精製工程を施され、いわゆるRBD油(Refined Bleached Deodorized)として我が国へ輸入される。輸入されたRBD油の大半は、我が国において再精製されるものの、RBD油を低温下で保存中に、油脂中に「戻り物質」が生じることがあるため、戻り物質による油脂の風味劣化を抑制できる方法が望まれていた。
特開2011−074358号公報 特開2011−030482号公報 特許4516897号公報
本発明は、以上のような事情に鑑みてなされたものであり、低温下での保存時における油脂の風味劣化を抑制する方法を提供する。
本発明者らは、減圧条件下で所定量の水蒸気の吹き込みを行いながら原料グリセリド組成物を脱色することによって、低温下での保存時に生じる「戻り物質」の生成を抑制できることを見出し、本発明を完成するに至った。具体的には、本発明は以下のようなものを提供する。
(1) 減圧条件下で水蒸気の吹き込みを行いながら原料グリセリド組成物を脱色する脱色工程を含み、上記水蒸気の吹き込みにおいて、上記原料グリセリド組成物の全質量に対して0.3質量%以上の水蒸気を上記原料グリセリド組成物に吹き込むグリセリド組成物の製造方法。
(2) 上記水蒸気の吹き込みにおいて、上記原料グリセリド組成物の全質量に対して0.3質量%〜2.0質量%の水蒸気が上記原料グリセリド組成物に吹き込まれる(1)に記載のグリセリド組成物の製造方法。
(3) 上記脱色工程における上記原料グリセリド組成物の温度は、90〜180℃である(1)又は(2)に記載のグリセリド組成物の製造方法。
(4) 上記原料グリセリド組成物は、上昇融点が10℃以上の植物油である(1)から(3)のいずれかに記載のグリセリド組成物の製造方法。
本発明によれば、低温下での保存時における油脂の風味劣化を抑制する方法が提供される。
以下、本発明の実施形態について具体的に説明する。なお、本発明では、グリセリドは、グリセリンに脂肪酸が1〜3個エステル結合したものであり、油脂の主要成分であるトリグリセリド(トリアシルグリセロール)のほか、ジグリセリド(ジアシルグリセロール)、モノグリセリド(モノアシルグリセロール)も含むものとする。
本発明の製造方法は、減圧条件下で所定量の水蒸気の吹き込みを行いながら原料グリセリド組成物を脱色する脱色工程を含むことを特徴とする。
本発明者による検討の結果、油脂の風味劣化は、下記の機構が一因となって生じる可能性があることが見出された。すなわち、油脂の脱色工程において、油脂中に存在する、ヒドロペルオキシド基(−OOH)を有する過酸化物が、白土等の存在下で加熱されると分解し、2−ノネナールを生成する。本発明者らは、脱色工程において生成された2−ノネナール及び/又はその誘導体等が、低温保存時の油脂の風味劣化をもたらす物質、すなわち「戻り物質」のひとつであることを特定した。また、脱色工程で一旦生成した2−ノネナール及び/又はその誘導体等は、その後、さらに脱臭工程等を行っても油脂中に残留していることも分かった。
つまり、油脂の精製を行っても、脱色工程の段階で油脂中に2−ノネナール及び/又はその誘導体等が含まれていると、油脂の低温保存時に、戻り臭が発生する可能性がある。
そこで、本発明者が鋭意検討した結果、脱色工程において、減圧条件下で所定量の水蒸気の吹き込みを行いながら原料グリセリド組成物を脱色することによって、生成した2−ノネナールが水蒸気によって原料グリセリド組成物から除去されることが見出された。その結果、低温保存時においても戻り臭が抑制されたグリセリド組成物を得ることができる。
(脱色工程)
本発明における脱色工程は、後述する原料グリセリド組成物に、減圧条件下で水蒸気の吹き込みを行いながら、原料グリセリド組成物を脱色する。
[水蒸気の吹き込み]
水蒸気の吹き込みにおいては、上記原料グリセリド組成物の全質量に対して0.3質量%以上の水蒸気が原料グリセリド組成物に吹き込まれる。水蒸気の吹き込みにおける水蒸気の量を0.3質量%以上とすることにより、脱色工程において生成する2−ノネナールを原料グリセリド組成物から除去できるため、得られるグリセリド組成物の戻り臭が抑制される。水蒸気の吹き込みにおける水蒸気の量は、原料グリセリド組成物の全質量に対して0.3質量%〜2.0質量%、0.3質量%〜1.5質量%、0.5質量%〜1.5質量%の範囲であってもよい。水蒸気の吹き込みにおける水蒸気の量が0.3質量%未満であると、2−ノネナールの除去効果が十分ではない可能性がある。水蒸気の吹き込みにおける水蒸気の量が2.0質量%を超えると、原料グリセリド組成物の加水分解が促進されたり、過量の水蒸気によって原料グリセリド組成物が飛散したりし、得られるグリセリド組成物の回収量が減る(つまり、歩留まり率が低下する)可能性がある。
[減圧条件]
上述の水蒸気の吹き込みは、減圧条件下で行われる。本発明における脱色工程の減圧条件は、0.1〜100Torrの真空度であってもよく、好ましくは1〜20Torrの真空度であってもよい。真空度が上記の範囲であると、水蒸気の吹き込みによる2−ノネナールの除去効果がより高まる点で好ましい。
なお、本発明における「真空度」は、絶対圧基準で表記される。この値は、絶対真空をゼロとして、理想的な真空の状態(絶対真空)にどの程度接近しているかを示す。
[温度条件]
本発明における脱色工程の温度条件は、原料グリセリド組成物の温度(油温)が、90〜180℃であってもよく、好ましくは95〜140℃となる条件であってもよい。原料グリセリド組成物の温度が180℃以下であると、原料グリセリド組成物の加水分解が抑制され、得られるグリセリド組成物の回収量(つまり、歩留まり率)の低下を抑制できる点で好ましい。原料グリセリド組成物の温度が90℃以上であると、脱色効果を維持し、さらには向上できる点で好ましい。
[その他の条件]
脱色工程におけるその他の条件は特に制限されず、通常の油脂の製造方法で使用される条件であってもよい。例えば、グリセリド組成物に酸性白土、活性白土、アルカリ白土等の白土を加えた後に、15〜30分間加熱してもよい。脱色を終えた後は、ろ過等により白土を除去し、脱色油を得ることができる。
(脱臭工程)
本発明の製造方法においては、上記脱色工程を行った原料グリセリド組成物に対して、さらに脱臭工程を行ってもよい。脱臭工程における温度条件は、通常の油脂の製造方法で用いられる温度条件を使用でき、例えば、180〜270℃、好ましくは210〜250℃、さらに好ましくは215〜245℃であってもよい。
脱臭工程におけるその他の条件は特に限定されず、減圧又は水蒸気吹き込みを行うことが好ましく、減圧及び水蒸気吹き込みを行うことがより好ましい。また、脱臭時間は、15〜150分、好ましくは40〜100分であってもよい。
(原料グリセリド組成物)
本発明の製造方法においては、原料グリセリド組成物を上記の条件で脱色することでグリセリド組成物を得る。原料グリセリド組成物としては、特に限定されないが、精製油を用いてもよく、非精製油を用いてもよい。本発明の製造方法から得られたグリセリド組成物は、原料グリセリド組成物が精製油であるか非精製油であるかに関わらず、低温保存後においても「戻り物質」の生成が好ましく抑制されている。
精製油としては、例えば、常法に従って精製された、菜種油、大豆油、米油、サフラワー油、ぶどう油、ひまわり油、小麦はい芽油、とうもろこし油、綿実油、ごま油、落花生油、フラックス油、エゴマ油、オリーブ油、パーム油、パーム核油、ヤシ油等の植物油、これら2種以上を混合した調合植物油、又は、これらを分別したパームオレイン、パームステアリン、パームスーパーオレイン、パームミッドフラクション等の食用分別油、これらの水素添加油、エステル交換油等のほか、中鎖脂肪酸トリグリセリドのような直接エステル化反応により製造された食用油を用いることができる。低温時の風味の劣化が顕著であるという理由から、上昇融点が10℃以上の植物油、特にパーム系油脂(パーム油、パーム核油、パームオレイン、パームステアリン、パームスーパーオレイン、パームミッドフラクション等)及びその分別油が好ましい。なお、本発明の製造方法によれば、パーム系油脂と、他の精製油とを配合したブレンド油脂においても、「戻り物質」による低温保存時の風味劣化を好ましく抑制できる。
植物油の精製方法には、ケミカル精製(ケミカルリファイニング)と、フィジカル精製(フィジカルリファイニング)とがあるが、いずれの精製方法を用いてもよい。なお、前者のケミカル精製は、植物油の精製にて、通常、行われている方法であり、原料となる植物を圧搾・抽出した原油が、脱ガム処理、脱酸処理、脱色処理、脱ろう処理、脱臭処理を経ることで精製され、精製油となる。
これに対し、後者のフィジカル精製は、パーム油やヤシ油等にてよく行われている方法であり、原料となるパームやヤシ等を圧搾した原油が、脱ガム処理、脱色処理、脱酸処理、脱臭処理を経ることで精製され、精製油となる。フィジカル精製によって得られるグリセリド組成物は、RBD油(Refined Bleached Deodorized)と呼ばれる。
(本発明の製造方法により得られるグリセリド組成物)
本発明の製造方法により得られるグリセリド組成物は、グリセリド組成物中の「戻り物質」すなわち2−ノネナールの生成量が低減されており、戻り臭や油脂の風味劣化が抑制されている。
本発明の製造方法により得られたグリセリド組成物の戻り臭が抑制されているかどうかは、下記の方法で確認できる。グリセリド組成物を、100mlサンプル瓶に20〜70g分取し、密栓後5℃にて冷暗所に保存する。保存後(例えば7日間の保存後)においてサンプル瓶を取り出し、50〜80℃にて加温溶解した後に、数gを口に含んで官能評価(劣化臭や戻り臭の有無の判断)を行う。
本発明の製造方法により得られたグリセリド組成物中の2−ノネナールの生成量が低減されているかどうかは、下記の方法で確認できる。グリセリド組成物をヘッドスペース用バイアル管に分取し、50〜100℃にて30〜100分加温した際に発生する揮発性物質を吸着剤にて吸着させる。この吸着剤をガスクロマトグラフィーの注入口にて200〜250℃で1〜10分間再加熱し、揮発性物質をガスクロマトグラフィーのカラムに供する。次いで、カラムにて、単離した各成分を検出器にて検知し、2−ノネナールを同定した後、和光純薬工業製試薬(和光一級)によって定量する。
本発明によれば、得られるグリセリド組成物中の2−ノネナールの生成量は、例えば、脱色工程の直後では30ppm以下となる。また、脱色工程の後に脱臭工程を行った場合、脱臭工程から3日後では、グリセリド組成物中の2−ノネナールの生成量は、例えば、0.10ppm以下となる。
以下、本発明の実施例に基づいてさらに詳細に説明するが、本発明はこれらの記載に何ら限定されるものではない。
[実施例1]
RBDパーム油(原産国マレーシア又は/及びインドネシア製、質量;1.7kg)を、水蒸気(RBDパーム油の全質量に対して1.1質量%)を吹き込みながら、白土の存在下で、減圧下(約8Torr)、95℃で20分間脱色工程を行った。次いで、ろ過により白土を除去して、実施例1のグリセリド組成物を得た。なお、以下、温度条件は、RBDパーム油の油温を示す。
[実施例2]
脱色工程を水蒸気(RBDパーム油の全質量に対して0.9質量%)を吹き込みながら、115℃で行う以外は、実施例1と同等の方法により脱色工程を行い、実施例2のグリセリド組成物を得た。
[実施例3]
脱色処理を水蒸気(RBDパーム油の質量に対して1.0質量%)を吹き込みながら、127℃で行う以外は、実施例1と同等の方法により脱色工程を行い、実施例3のグリセリド組成物を得た。
[実施例4]
脱色処理を137℃で行う以外は、実施例3と同等の方法により脱色工程を行い、実施例4のグリセリド組成物を得た。
[実施例5]
脱色処理を水蒸気(RBDパーム油の全質量に対して1.3質量%)を吹き込みながら、105℃で行う以外は、実施例1と同等の方法により脱色工程を行い、実施例5のグリセリド組成物を得た。
[実施例6]
脱色処理を水蒸気(RBDパーム油の全質量に対して1.1質量%)を吹き込みながら、127℃で行う以外は、実施例1と同等の方法により脱色処理を行った。次いで、得られたグリセリド組成物に水蒸気を吹き込みながら、減圧下、257℃で80〜100分間脱臭工程した後に、ろ過を実施し、実施例6のグリセリド組成物を得た。
[比較例1]
脱色工程を、水蒸気を吹き込まずに107℃で行う以外は、実施例1と同等の方法により脱色工程を行い、比較例1(脱色工程)のグリセリド組成物を得た。次いで、得られたグリセリド組成物に水蒸気を吹き込みながら、減圧下、245℃で80〜100分間脱臭工程を行った後に、ろ過を実施し、比較例1(脱色工程+脱臭工程)のグリセリド組成物を得た。
[比較例2]
脱色工程を水蒸気(RBDパーム油の全質量に対して0.2質量%)を吹き込みながら、85℃で行い、脱臭工程を245℃で行う以外は、実施例6と同等の方法により、比較例2のグリセリド組成物を得た。
[比較例3]
脱色工程を水蒸気(RBDパーム油の全質量に対して0.21質量%)を吹き込みながら、127℃で行い、脱臭工程を257℃で行う以外は、実施例6と同等の方法により、比較例3のグリセリド組成物を得た。
<グリセリド組成物中の戻り臭の有無についての検討>
各グリセリド組成物を、100mlサンプル瓶に20〜70g分取し、密栓後5℃にて冷暗所に保存した。保存後7日目においてサンプル瓶を取り出し、50〜80℃にて加温溶解した後に、数gを口に含んで官能評価を行った。その際の5段階評価は、表1記載の基準に従った。
Figure 2013203962
各グリセリド組成物についての官能評価の結果が「3以上」であるものを、低温戻り臭「無し」とし、官能評価の結果が「3未満」であるものを、低温戻り臭「有り」とした。その結果を表2及び3に示す。
(グリセリド組成物中の2−ノネナール生成量の検討)
実施例及び比較例のグリセリド組成物1〜10gをヘッドスペース用バイアル管に分取した。なお、実施例1〜5のグリセリド組成物については、脱色工程の直後に分取した。実施例6及び比較例1〜3については、脱色工程の直後、脱臭工程から3日後及び7日後の各時点で分取した。
分取した各グリセリド組成物を、50〜100℃にて30〜100分加温した際に発生する揮発性物質を吸着剤にて吸着させた。この吸着剤をガスクロマトグラフィーの注入口にて200〜250℃で1〜10分間再加熱し、揮発性物質をガスクロのカラムに供した。次いで、カラムにて単離した各成分を検出器にて検知し、2−ノネナールを同定した後、和光純薬工業製試薬(和光一級)によって定量した。その結果を表2及び3に示す。
Figure 2013203962
Figure 2013203962
表2及び3の結果より、所定量の水蒸気を吹き込みながら脱色工程を行ったグリセリド組成物においては、2−ノネナール生成量が少なく、戻り臭がないことが確認された。また、表3の結果より、脱色工程の後に脱臭工程を行ったグリセリド組成物においても、2−ノネナール生成量が抑制されていた。

Claims (4)

  1. 減圧条件下で水蒸気の吹き込みを行いながら原料グリセリド組成物を脱色する脱色工程を含み、
    前記水蒸気の吹き込みにおいて、前記原料グリセリド組成物の全質量に対して0.3質量%以上の水蒸気を前記原料グリセリド組成物に吹き込むグリセリド組成物の製造方法。
  2. 前記水蒸気の吹き込みにおいて、前記原料グリセリド組成物の全質量に対して0.3質量%〜2.0質量%の水蒸気が前記原料グリセリド組成物に吹き込まれる請求項1に記載のグリセリド組成物の製造方法。
  3. 前記脱色工程における前記原料グリセリド組成物の温度は、90〜180℃である請求項1又は2に記載のグリセリド組成物の製造方法。
  4. 前記原料グリセリド組成物は、上昇融点が10℃以上の植物油である請求項1から3のいずれか1項に記載のグリセリド組成物の製造方法。
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