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JP2013194764A - 密封装置及び密封構造 - Google Patents

密封装置及び密封構造 Download PDF

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JP2013194764A
JP2013194764A JP2012059864A JP2012059864A JP2013194764A JP 2013194764 A JP2013194764 A JP 2013194764A JP 2012059864 A JP2012059864 A JP 2012059864A JP 2012059864 A JP2012059864 A JP 2012059864A JP 2013194764 A JP2013194764 A JP 2013194764A
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Nobuyuki Eguchi
信行 江口
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Nok Corp
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Abstract

【課題】摺動トルクを低く抑えつつ、流体圧力が低い状態においても封止機能を発揮させることのできる密封装置及び密封構造を提供する。
【解決手段】軸孔の内周面に対して密着する樹脂製のシールリング210と、シールリング210の側壁面212に対して摺動する摺動リング310と、摺動リング310を高圧側(H)に向けて押圧する押圧部材410と、を備え、無負荷時においては、シールリング210とテーパ面611との間、及びシールリング210の外周面と軸孔の内周面との間でシール部を形成し、高圧時においては、少なくとも、シールリング210の外周面と軸孔の内周面との間、及びシールリング210と摺動リング310との間でシール部を形成することを特徴とする。
【選択図】図1

Description

本発明は、軸とハウジングの軸孔との間の環状隙間を封止する密封装置及び密封構造に関するものである。
自動車用のATやCVTにおいては、油圧を保持させるために、相対的に回転する軸とハウジングとの間の環状隙間を封止するシールリングが設けられている。図22及び図23を参照して、従来例に係るシールリングについて説明する。図22は従来例に係るシールリングにおける油圧を保持していない状態を示す模式的断面図である。図23は従来例に係るシールリングにおける油圧を保持している状態を示す模式的断面図である。従来例に係るシールリング900の場合、軸800の外周に設けられた環状溝810に装着され、軸800が挿通されるハウジング700の軸孔の内周面と環状溝810の側壁面のそれぞれに摺動自在に接触することで、軸800とハウジング700の軸孔との間の環状隙間を封止するように構成される。
上記のような用途で用いられるシールリング900においては、摺動トルクを十分に低くすることが要求される。そのため、シールリング900の外周面の周長はハウジング700の軸孔の内周面の周長よりも短く構成されており、締め代を持たないように構成されている。したがって、自動車のエンジンがかかり油圧が高くなっている状態においては、シールリング900が油圧により拡径し、軸孔の内周面と環状溝810の側壁面に密着して十分に油圧を保持する機能を発揮する(図23参照)。これに対して、エンジンの停止により油圧がかからない状態においてはシールリング900が軸孔の内周面や環状溝810の側壁面から離れた状態となるように構成されている(図22参照)。
しかしながら、上記のように構成されたシールリング900の場合、油圧がかからない状態では封止機能を発揮しない。そのため、ATやCVTのように油圧ポンプによって圧送される油により変速制御が行われる構成においては、油圧ポンプが停止した無負荷状態(例えば、アイドリングストップ時)では、シールリング900がシールしていた油がシールされずにオイルパンに戻って、シールリング900の近傍の油がなくなってしまう。従って、この状態からエンジンを始動(再始動)させると、シールリング900の近傍には油がなく潤滑のない状態で作動が開始されるので、応答性や作動性が悪いという問題がある。
特許第4665046号公報 特開2010−265937号公報 特許第4196946号公報 特開2004−28273号公報
本発明の目的は、摺動トルクを低く抑えつつ、流体圧力が低い状態においても封止機能を発揮させることのできる密封装置及び密封構造を提供することにある。
本発明は、上記課題を解決するために以下の手段を採用した。
すなわち、本発明の密封装置は、
軸の外周に設けられた環状溝であって、その高圧側の側壁面には低圧側から高圧側に向かって拡径するテーパ面を有する環状溝に装着され、相対的に回転する前記軸とハウジングとの間の環状隙間を封止して、流体圧力が変化するように構成されたシール対象領域の流体圧力を保持する密封装置であって、
前記ハウジングにおける前記軸が挿通される軸孔の内周面に対して密着する樹脂製のシールリングと、
該シールリングの低圧側に配置され、該シールリングの側壁面に対して摺動する摺動リングと、
該摺動リングを高圧側に向けて押圧する押圧部材と、
を備え、
前記押圧部材により前記摺動リングを介して前記シールリングが高圧側に押圧されて、該シールリングの内周側が前記環状溝のテーパ面に接した状態では、該シールリングと該テーパ面との間、及び該シールリングの外周面と前記軸孔の内周面との間でシール部を形成し、
高圧側の流体圧力によって、前記押圧部材による押圧力に抗して前記シールリングが前記環状溝のテーパ面から離れた状態では、少なくとも、前記シールリングの外周面と前記軸孔の内周面との間、及び該シールリングと前記摺動リングとの間でシール部を形成することを特徴とする。
また、本発明の密封構造は、
高圧側の側壁面に低圧側から高圧側に向かって拡径するテーパ面を有する環状溝を外周に備える軸と、
該軸が挿通される軸孔を有するハウジングと、
前記環状溝に装着され、相対的に回転する前記軸とハウジングとの間の環状隙間を封止して、流体圧力が変化するように構成されたシール対象領域の流体圧力を保持する密封装置とを備える密封構造であって、
前記密封装置は、
前記軸孔の内周面に対して密着する樹脂製のシールリングと、
該シールリングの低圧側に配置され、該シールリングの側壁面に対して摺動する摺動リングと、
該摺動リングを高圧側に向けて押圧する押圧部材と、
を備え、
前記押圧部材により前記摺動リングを介して前記シールリングが高圧側に押圧されて、該シールリングの内周側が前記環状溝のテーパ面に接した状態では、該シールリングと該テーパ面との間、及び該シールリングの外周面と前記軸孔の内周面との間でシール部を形成し、
高圧側の流体圧力によって、前記押圧部材による押圧力に抗して前記シールリングが前記環状溝のテーパ面から離れた状態では、少なくとも、前記シールリングの外周面と前記軸孔の内周面との間、及び該シールリングと前記摺動リングとの間でシール部を形成することを特徴とする。
なお、本発明において、「高圧側」とは、密封装置の両側に差圧が生じた際に高圧となる側を意味し、「低圧側」とは、密封装置の両側に差圧が生じた際に低圧となる側を意味する。
本発明によれば、シールリングは、押圧部材によって摺動リングを介して高圧側に押圧され、その内周側が環状溝のテーパ面に接した状態では、テーパ面から外周側に向かう力を受ける。従って、シールリングは拡径方向に変形し、流体圧力が作用してない(差圧が
生じていない)、または流体圧力が殆ど作用していない(差圧が殆ど生じていない)状態においても、シールリングはハウジングの軸孔の内周面に接した状態となり、封止機能が発揮される。従って、シール対象領域の流体圧力が高まりだした直後から流体圧力を保持させることができる。
また、高圧側の流体圧力によって、押圧部材による押圧力に抗してシールリングが環状溝のテーパ面から離れた状態では、少なくとも、シールリングの外周面と前記軸孔の内周面との間、及び該シールリングと摺動リングとの間でシール部を形成する。これにより、本発明のシールリングは、摺動トルクを低減させた従来のシールリングと同様の密封メカニズムを実現できる。
高圧側の流体圧力によって、前記押圧部材による押圧力に抗して前記シールリングが前記環状溝のテーパ面から離れた状態で、更に、前記摺動リングと前記環状溝における低圧側の側壁面との間でシール部を形成するとよい。
また、前記押圧部材はゴム状弾性体製のゴムリングであり、
高圧側の流体圧力によって、前記押圧部材による押圧力に抗して前記シールリングが前記環状溝のテーパ面から離れた状態で、更に、前記摺動リングと前記ゴムリングとの間、及び前記ゴムリングと前記環状溝における低圧側の側壁面との間でシール部を形成することも好適である。
以上説明したように、本発明によれば、摺動トルクを低く抑えつつ、流体圧力が低い状態においても封止機能を発揮させることができる。
図1は本発明の実施例1に係る密封構造における無負荷状態を示す模式的断面図である。 図2は本発明の実施例1に係る密封構造における高圧状態を示す模式的断面図である。 図3は本発明の実施例1に係る密封装置におけるシールリングの側面図である。 図4は本発明の実施例1に係る密封装置におけるシールリングの外周面側から見た図である。 図5は本発明の実施例1に係る密封装置におけるシールリングの模式的断面図である。 図6は本発明の実施例2に係る密封構造における無負荷状態を示す模式的断面図である。 図7は本発明の実施例2に係る密封構造における高圧状態を示す模式的断面図である。 図8は本発明の実施例2に係る密封装置におけるシールリングの側面図である。 図9は本発明の実施例2に係る密封装置におけるシールリングの外周面側から見た図である。 図10は本発明の実施例2に係る密封装置におけるシールリングの模式的断面図である。 図11は本発明の実施例3に係る密封構造における無負荷状態を示す模式的断面図である。 図12は本発明の実施例3に係る密封構造における高圧状態を示す模式的断面図である。 図13は本発明の実施例4に係る密封構造における無負荷状態を示す模式的断面図である。 図14は本発明の実施例4に係る密封構造における高圧状態を示す模式的断面図である。 図15は本発明の実施例4に係る密封装置におけるシールリングの側面図である。 図16は本発明の実施例4に係る密封装置におけるシールリングの外周面側から見た図である。 図17は本発明の実施例4に係る密封装置におけるシールリングの模式的断面図である。 図18は本発明の実施例5に係る密封構造における無負荷状態を示す模式的断面図である。 図19は本発明の実施例5に係る密封構造における高圧状態を示す模式的断面図である。 図20は本発明の実施例6に係る密封構造における無負荷状態を示す模式的断面図である。 図21は本発明の実施例6に係る密封構造における高圧状態を示す模式的断面図である。 図22は従来例に係るシールリングにおける油圧を保持していない状態を示す模式的断面図である。 図23は従来例に係るシールリングにおける油圧を保持している状態を示す模式的断面図である。
以下に図面を参照して、この発明を実施するための形態を、実施例に基づいて例示的に詳しく説明する。ただし、この実施例に記載されている構成部品の寸法、材質、形状、その相対配置などは、特に特定的な記載がない限りは、この発明の範囲をそれらのみに限定する趣旨のものではない。なお、本実施例に係る密封装置は、自動車用のATやCVTなどの変速機において、油圧を保持させるために、相対的に回転する軸とハウジングとの間の環状隙間を封止する用途に用いられるものである。また、以下の説明において、「高圧側」とは、密封装置の両側に差圧が生じた際に高圧となる側を意味し、「低圧側」とは、密封装置の両側に差圧が生じた際に低圧となる側を意味する。
(実施例1)
図1〜図5を参照して、本発明の実施例1に係る密封装置及び密封構造について説明する。
<密封装置及び密封構造の構成>
図1〜図5を参照して、本実施例に係る密封装置及び密封構造の構成について説明する。本実施例に係る密封装置110は、軸600の外周に設けられた環状溝610に装着され、相対的に回転する軸600とハウジング700(ハウジング700における軸600が挿通される軸孔の内周面)との間の環状隙間を封止する。これにより、密封装置110は、流体圧力(本実施例では油圧)が変化するように構成されたシール対象領域の流体圧力を保持する。ここで、本実施例においては、図1及び図2中の右側の領域の流体圧力が変化するように構成されており、密封装置110は図中右側のシール対象領域の流体圧力を保持する役割を担っている。なお、自動車のエンジンが停止した状態においては、シール対象領域の流体圧力は低く、無負荷の状態となっており、エンジンをかけるとシール対象領域の流体圧力は高くなる。
軸600は、密封装置110の着脱を容易にするために、軸本体600Aと軸本体60
0Aに固定される環状部材600Bとから構成されている。この軸600の外周に設けられた環状溝610における高圧側(H)の側壁面には低圧側(L)から高圧側(H)に向かって拡径するテーパ面611が形成されている。
密封装置110は、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)などの樹脂製のシールリング210と、樹脂材や金属材などの剛体からなる摺動リング310と、摺動リング310を高圧側(H)に向けて押圧する押圧部材410とから構成される。
シールリング210は、周方向の1箇所に合口部210cを備えている。本実施例に係る合口部210cは、外周面側及び両側壁面側のいずれから見ても階段状に切断された、いわゆる特殊ステップカットを採用している。特殊ステップカットに関しては公知技術であるので、その詳細な説明は省略するが、熱膨張収縮によりシールリング210の周長が変化しても安定したシール性能を維持する特性を有する。なお、ここでは合口部210cの一例として、特殊ステップカットの場合を示したが、合口部210cについては、これに限らず、ストレートカットやバイアスカットやステップカット(外周面側及び内周面側のいずれから見ても階段状に切断された構造)なども採用し得る。
また、本実施例に係るシールリング210は、合口部210cを除く付近においては、軸線を通る面で切断した断面形状が、図5に示すように、五角形となっている。なお、図5は図3中のAA断面図である。より具体的には、シールリング210は、合口部210c付近を除き、内周側かつ高圧側(H)には高圧側(H)に向かって拡径するテーパ面213を有し、内周側かつ低圧側(L)には低圧側(L)に向かって拡径するテーパ面214を有している。
そして、本実施例に係るシールリング210の外周面211の周長はハウジング700の軸孔の内周面の周長よりも短く構成されており、締め代を持たないように構成されている。従って、仮に外力が作用しなければ、シールリング210の外周面211はハウジング700の軸孔の内周面には接触しない。ただし、後述のように、使用時においては、シールリング210の外周面211は、ハウジング700の軸孔の内周面に密着している。
摺動リング310は、環状の部材で構成されており、回転対称形状である。この摺動リング310は、内周側かつ高圧側(H)には高圧側(H)に向かって縮径するテーパ面312を有している。また、摺動リング310は、外周側かつ低圧側(L)には低圧側(L)に向かって突出する環状凸部313が設けられている。そして、この摺動リング310は、シールリング210の低圧側(L)に配置される。使用時においては、摺動リング310における高圧側(H)の側壁面311とシールリング210における低圧側(L)の側壁面212が摺動する。
押圧部材410は、環状溝610における低圧側(L)の側壁面と摺動リング310との間に配置される。また、この押圧部材410は摺動リング310の環状凸部313よりも内周側に配置される。押圧部材410は、摺動リング310を高圧側(L)に押圧可能であれば、特に限定されるものではなく、例えば、ゴム状弾性体製のゴムリングやコイルスプリングなどを採用し得る。
<密封装置の使用時のメカニズム>
特に、図1及び図2を参照して、本実施例に係る密封装置110の使用時のメカニズムについて説明する。図1は、エンジンが停止して、密封装置110を介して左右の領域の差圧がなく(または、差圧が殆どなく)、無負荷の状態を示している。図2は、エンジンがかかり、密封装置110を介して、左側の領域に比べて右側の領域の流体圧力の方が高くなった状態を示している。
無負荷の状態においては、シールリング210は、押圧部材410によって摺動リング310を介して高圧側(H)に押圧され、高圧側(H)かつ内周側の端縁215が環状溝610のテーパ面611に接した状態となる。また、このとき、シールリング210は、低圧側(L)の側壁面212が摺動リング310における高圧側(H)の側壁面311に押圧され、かつ低圧側(L)かつ内周側の端縁216が摺動リング310におけるテーパ面312に押圧される。従って、シールリング210は、環状溝610のテーパ面611及び摺動リング310のテーパ面312から外周側に向かう力を受ける。これにより、シールリング210は拡径方向に変形した状態となり、シールリング210の外周面211はハウジング700の軸孔の内周面に密着した状態となる。なお、シールリング210におけるテーパ面213,214のテーパ角度は、環状溝610のテーパ面611及び摺動リング310のテーパ面312のテーパ角度よりも大きく設定されている。また、環状溝610のテーパ面611のテーパ角度と摺動リング310のテーパ面312のテーパ角度は等しくなるように設定されている。これにより、シールリング210は、環状溝610のテーパ面611と摺動リング310のテーパ面312の両方から外周側に向かう力を均等に受ける。
以上のような構成により、無負荷状態においては、シールリング210の外周面211とハウジング700の軸孔の内周面との間でシール部S1を形成し、かつシールリング210の内周側の端縁215と環状溝610のテーパ面611との間でシール部S2を形成する。このように、無負荷状態においては、密封装置110によって、2箇所のシール部S1,S2を形成することで、軸600とハウジング700との間の環状隙間を封止する。
そして、エンジンがかかり、差圧が生じた状態においては、図2に示すように、高圧側(H)からの流体圧力によって、押圧部材410による押圧力に抗して、シールリング210及び摺動リング310は低圧側(L)に移動する。差圧が一定以上になると、摺動リング310は、環状凸部313の先端面313aが環状溝610の低圧側(L)の側壁面に密着した状態となる。
シールリング210は、内周面側からの流体圧力によって、拡径方向に変形した状態が維持され、シールリング210の外周面211はハウジング700の軸孔の内周面に密着した状態を維持する。また、シールリング210は、高圧側(H)からの流体圧力によって、摺動リング310に対して押し付けられる。これにより、シールリング210における低圧側(L)の側壁面212と摺動リング310における高圧側(H)の側壁面311とが接触した状態が維持される。ここで、シールリング210の外周面211とハウジング700の軸孔の内周面との間の接触面積は、シールリング210における低圧側(L)の側壁面212と摺動リング310における高圧側(H)の側壁面311との接触面積よりも十分広くなるように設定されている。従って、軸600とハウジング700とが相対的に回転している間は、シールリング210における低圧側(L)の側壁面212と摺動リング310における高圧側(H)の側壁面311との間で摺動する。なお、シールリング210の外周面211とハウジング700の軸孔の内周面との間では摺動しない。
以上のような構成により、差圧が生じた状態(高圧状態)においては、シールリング210の外周面211とハウジング700の軸孔の内周面との間、シールリング210における低圧側(L)の側壁面212と摺動リング310における高圧側(H)の側壁面311との間、及び摺動リング310における環状凸部313の先端面313aと環状溝610の低圧側(L)の側壁面との間でそれぞれシール部S1,S2,S3を形成する。ただし、押圧部材410がゴムリングの場合には、押圧部材410と摺動リング310との間、及び押圧部材410と環状溝610の低圧側(L)の側壁面との間にそれぞれシール部
が形成される。従って、この場合には、摺動リング310における環状凸部313の先端面313aと環状溝610の低圧側(L)の側壁面との間ではシール部を形成しなくてもよい。そのため、摺動リング310における環状凸部313の先端面313aを環状溝610の低圧側(L)の側壁面に接触させる必要はないので、環状凸部313を設けなくてもよい。
<本実施例に係る密封装置及び密封構造の優れた点>
本実施例によれば、シールリング210は、押圧部材410によって摺動リング310を介して高圧側(H)に押圧され、環状溝610のテーパ面611及び摺動リング310のテーパ面312から外周側に向かう力を受ける。これにより、シールリング210は拡径方向に変形した状態となり、シールリング210の外周面211はハウジング700の軸孔の内周面に密着した状態となる。従って、流体圧力が作用してない(差圧が生じていない)、または流体圧力が殆ど作用していない(差圧が殆ど生じていない)状態においても、シールリング210はハウジング700の軸孔の内周面に接した状態となり、封止機能が発揮される。従って、シール対象領域の流体圧力が高まりだした直後から流体圧力を保持させることができる。つまり、アイドリングストップ機能を有するエンジンにおいては、エンジン停止状態からアクセルが踏み込まれることでエンジンが始動することによって、シール対象領域側の油圧が高まりだした直後から油圧を保持させることができる。
また、高圧側(H)の流体圧力によって、押圧部材410による押圧力に抗して、シールリング210が環状溝610のテーパ面611から離れた状態では、シールリング210に関しては、シールリング210の外周面211と軸孔の内周面との間、及びシールリング210と摺動リング310との間でシール部を形成する。つまり、シールリング210のみに着目した場合には、一般的なシールリングと同様の密封メカニズムとなっている。これにより、摺動トルクを低減させた従来のシールリングと同等に摺動トルクを低減させることができる。
このように、従来例に係るシールリングの場合には、摺動トルクを低減させる構成を採用することによって、流体圧力が作用していない状態では封止機能が発揮されなかったのに対して、本実施例に係る密封装置110によれば、摺動トルクを低減させる構成を採用したにも拘らず、流体圧力が作用していない状態でも封止機能を発揮させることができる。
(実施例2)
図6〜図10には、本発明の実施例2が示されている。本実施例においては、シールリングの構成のみが、実施例1とは異なる構成を示す。その他の構成および作用については実施例1と同一なので、同一の構成部分については同一の符号を付して、その説明は適宜省略する。
本実施例に係る密封装置120においても、上記実施例1の場合と同様に、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)などの樹脂製のシールリング220と、樹脂材や金属材などの剛体からなる摺動リング310と、摺動リング310を高圧側(H)に向けて押圧する押圧部材410とから構成される。摺動リング310及び押圧部材410については上記実施例1の場合と同一の構成であるので、その説明は省略する。
本実施例に係るシールリング220においても、実施例1と同様に、周方向の1箇所に合口部220cを備えている。そして、本実施例に係る合口部220cにおいても、外周面側及び両側壁面側のいずれから見ても階段状に切断された、いわゆる特殊ステップカットを採用している。なお、合口部220cについて、ストレートカットやバイアスカットやステップカットなども採用し得る。
また、本実施例に係るシールリング220は、合口部220cを除く付近においては、軸線を通る面で切断した断面形状が、図10に示すように、T字形となっている。なお、図10は図8中のBB断面図である。より具体的には、シールリング220は、合口部220c付近を除き、内周側かつ高圧側(H)及び内周側かつ低圧側(L)に、それぞれ凹部223,224を有している。
そして、本実施例に係るシールリング220の外周面221の周長はハウジング700の軸孔の内周面の周長よりも短く構成されており、締め代を持たないように構成されている。従って、仮に外力が作用しなければ、シールリング220の外周面221はハウジング700の軸孔の内周面には接触しない。ただし、実施例1の場合と同様に、使用時においては、シールリング220の外周面221は、ハウジング700の軸孔の内周面に密着している。
ここで、図6は、エンジンが停止して、密封装置120を介して左右の領域の差圧がなく(または、差圧が殆どなく)、無負荷の状態を示している。図7は、エンジンがかかり、密封装置120を介して、左側の領域に比べて右側の領域の流体圧力の方が高くなった状態を示している。
無負荷の状態においては、シールリング220は、押圧部材410によって摺動リング310を介して高圧側(H)に押圧され、高圧側(H)かつ内周側の端縁225が環状溝610のテーパ面611に接した状態となる。また、このとき、シールリング220は、低圧側(L)の側壁面222が摺動リング310における高圧側(H)の側壁面311に押圧され、かつ低圧側(L)かつ内周側の端縁226が摺動リング310におけるテーパ面312に押圧される。従って、シールリング220は、環状溝610のテーパ面611及び摺動リング310のテーパ面312から外周側に向かう力を受ける。これにより、シールリング220は拡径方向に変形した状態となり、シールリング220の外周面221はハウジング700の軸孔の内周面に密着した状態となる。
以上のような構成により、無負荷状態においては、シールリング220の外周面221とハウジング700の軸孔の内周面との間でシール部S1を形成し、かつシールリング220の内周側の端縁225と環状溝610のテーパ面611との間でシール部S2を形成する。このように、無負荷状態においては、密封装置120によって、2箇所のシール部S1,S2を形成することで、軸600とハウジング700との間の環状隙間を封止する。
そして、エンジンがかかり、差圧が生じた状態においては、図7に示すように、高圧側(H)からの流体圧力によって、押圧部材410による押圧力に抗して、シールリング220及び摺動リング310は低圧側(L)に移動する。差圧が一定以上になると、摺動リング310は、環状凸部313の先端面313aが環状溝610の低圧側(L)の側壁面に密着した状態となる。
シールリング220は、内周面側からの流体圧力によって、拡径方向に変形した状態が維持され、シールリング220の外周面221はハウジング700の軸孔の内周面に密着した状態を維持する。また、シールリング220は、高圧側(H)からの流体圧力によって、摺動リング310に対して押し付けられる。これにより、シールリング220における低圧側(L)の側壁面222と摺動リング310における高圧側(H)の側壁面311とが接触した状態が維持される。ここで、シールリング220の外周面221とハウジング700の軸孔の内周面との間の接触面積は、シールリング220における低圧側(L)の側壁面222と摺動リング310における高圧側(H)の側壁面311との接触面積よ
りも十分広くなるように設定されている。従って、軸600とハウジング700とが相対的に回転している間は、シールリング220における低圧側(L)の側壁面222と摺動リング310における高圧側(H)の側壁面311との間で摺動する。なお、シールリング220の外周面221とハウジング700の軸孔の内周面との間では摺動しない。
以上のような構成により、差圧が生じた状態(高圧状態)においては、シールリング220の外周面221とハウジング700の軸孔の内周面との間、シールリング220における低圧側(L)の側壁面222と摺動リング310における高圧側(H)の側壁面311との間、及び摺動リング310における環状凸部313の先端面313aと環状溝610の低圧側(L)の側壁面との間でそれぞれシール部S1,S2,S3を形成する。ただし、押圧部材410がゴムリングの場合には、押圧部材410と摺動リング310との間、及び押圧部材410と環状溝610の低圧側(L)の側壁面との間にそれぞれシール部が形成される。従って、この場合には、摺動リング310における環状凸部313の先端面313aと環状溝610の低圧側(L)の側壁面との間ではシール部を形成しなくてもよい。そのため、摺動リング310における環状凸部313の先端面313aを環状溝610の低圧側(L)の側壁面に接触させる必要はないので、環状凸部313を設けなくてもよい。
以上のように本実施例に係る密封装置120においても、上記実施例1の場合と同様の効果を得ることができる。
(実施例3)
図11及び図12には、本発明の実施例3が示されている。本実施例においては、摺動リングの構成のみが、実施例1とは異なる構成を示す。その他の構成および作用については実施例1と同一なので、同一の構成部分については同一の符号を付して、その説明は適宜省略する。
本実施例に係る密封装置130においても、上記実施例1の場合と同様に、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)などの樹脂製のシールリング210と、樹脂材や金属材などの剛体からなる摺動リング330と、摺動リング330を高圧側(H)に向けて押圧する押圧部材410とから構成される。シールリング210及び押圧部材410については上記実施例1の場合と同一の構成であるので、その説明は省略する。
本実施例に係る摺動リング330も、上記実施例1の場合と同様に、環状の部材で構成されており、回転対称形状である。また、実施例1の場合と同様に、摺動リング330には、外周側かつ低圧側(L)には低圧側(L)に向かって突出する環状凸部333が設けられている。そして、本実施例に係る摺動リング330の場合には、高圧側(H)は平面で構成されており、実施例1の場合のようにテーパ面は形成されていない。
また、摺動リング330は、シールリング210の低圧側(L)に配置される。使用時においては、摺動リング330における高圧側(H)の側壁面331とシールリング210における低圧側(L)の側壁面212が摺動する。
ここで、図11は、エンジンが停止して、密封装置130を介して左右の領域の差圧がなく(または、差圧が殆どなく)、無負荷の状態を示している。図12は、エンジンがかかり、密封装置130を介して、左側の領域に比べて右側の領域の流体圧力の方が高くなった状態を示している。
無負荷の状態においては、シールリング210は、押圧部材410によって摺動リング330を介して高圧側(H)に押圧され、高圧側(H)かつ内周側の端縁215が環状溝
610のテーパ面611に接した状態となる。また、このとき、シールリング210は、低圧側(L)の側壁面212が摺動リング330における高圧側(H)の側壁面331に押圧される。本実施例の場合には、摺動リング330の高圧側(H)は平面で構成されているので、実施例1の場合とは異なり、シールリング210における低圧側(L)かつ内周側の端縁216は摺動リング330によって押圧されない。従って、本実施例の場合、シールリング210は、環状溝610のテーパ面611のみから外周側に向かう力を受ける。これにより、シールリング210は拡径方向に変形した状態となり、シールリング210の外周面211はハウジング700の軸孔の内周面に密着した状態となる。
以上のような構成により、無負荷状態においては、シールリング210の外周面211とハウジング700の軸孔の内周面との間でシール部S1を形成し、かつシールリング210の内周側の端縁215と環状溝610のテーパ面611との間でシール部S2を形成する。このように、無負荷状態においては、密封装置130によって、2箇所のシール部S1,S2を形成することで、軸600とハウジング700との間の環状隙間を封止する。
そして、エンジンがかかり、差圧が生じた状態においては、図12に示すように、高圧側(H)からの流体圧力によって、押圧部材410による押圧力に抗して、シールリング210及び摺動リング330は低圧側(L)に移動する。差圧が一定以上になると、摺動リング330は、環状凸部333の先端面333aが環状溝610の低圧側(L)の側壁面に密着した状態となる。
シールリング210は、内周面側からの流体圧力によって、拡径方向に変形した状態が維持され、シールリング210の外周面211はハウジング700の軸孔の内周面に密着した状態を維持する。また、シールリング210は、高圧側(H)からの流体圧力によって、摺動リング330に対して押し付けられる。これにより、シールリング210における低圧側(L)の側壁面212と摺動リング330における高圧側(H)の側壁面331とが接触した状態が維持される。ここで、シールリング210の外周面211とハウジング700の軸孔の内周面との間の接触面積は、シールリング210における低圧側(L)の側壁面212と摺動リング330における高圧側(H)の側壁面331との接触面積よりも十分広くなるように設定されている。従って、軸600とハウジング700とが相対的に回転している間は、シールリング210における低圧側(L)の側壁面212と摺動リング330における高圧側(H)の側壁面331との間で摺動する。なお、シールリング210の外周面211とハウジング700の軸孔の内周面との間では摺動しない。
以上のような構成により、差圧が生じた状態(高圧状態)においては、シールリング210の外周面211とハウジング700の軸孔の内周面との間、シールリング210における低圧側(L)の側壁面212と摺動リング330における高圧側(H)の側壁面331との間、及び摺動リング330における環状凸部333の先端面333aと環状溝610の低圧側(L)の側壁面との間でそれぞれシール部S1,S2,S3を形成する。ただし、押圧部材410がゴムリングの場合には、押圧部材410と摺動リング330との間、及び押圧部材410と環状溝610の低圧側(L)の側壁面との間にそれぞれシール部が形成される。従って、この場合には、摺動リング330における環状凸部333の先端面333aと環状溝610の低圧側(L)の側壁面との間ではシール部を形成しなくてもよい。そのため、摺動リング330における環状凸部333の先端面333aを環状溝610の低圧側(L)の側壁面に接触させる必要はないので、環状凸部333を設けなくてもよい。
以上のように本実施例に係る密封装置130においても、上記実施例1の場合と同様の効果を得ることができる。なお、本実施例においても、上記実施例2で示した断面形状が
T字形のシールリング220を採用することができる。
(実施例4)
図13〜図17を参照して、本発明の実施例4に係る密封装置及び密封構造について説明する。
<密封装置及び密封構造の構成>
図13〜図17を参照して、本実施例に係る密封装置及び密封構造の構成について説明する。本実施例に係る密封装置140は、軸600の外周に設けられた環状溝610に装着され、相対的に回転する軸600とハウジング700(ハウジング700における軸600が挿通される軸孔の内周面)との間の環状隙間を封止する。これにより、密封装置140は、流体圧力(本実施例では油圧)が変化するように構成されたシール対象領域の流体圧力を保持する。ここで、本実施例においては、図13及び図14中の右側の領域の流体圧力が変化するように構成されており、密封装置140は図中右側のシール対象領域の流体圧力を保持する役割を担っている。なお、自動車のエンジンが停止した状態においては、シール対象領域の流体圧力は低く、無負荷の状態となっており、エンジンをかけるとシール対象領域の流体圧力は高くなる。
軸600は、密封装置140の着脱を容易にするために、軸本体600Aと軸本体600Aに固定される環状部材600Bとから構成されている。この軸600の外周に設けられた環状溝610における高圧側(H)の側壁面には低圧側(L)から高圧側(H)に向かって拡径するテーパ面611が形成されている。また、この環状溝610における低圧側(L)の側壁面には、段差612が設けられ、かつ段差612の内周側は低圧側(L)に向かって拡径するテーパ面613が形成されている。
密封装置140は、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)などの樹脂製のシールリング240と、樹脂材や金属材などの剛体からなる摺動リング340と、摺動リング340を高圧側(H)に向けて押圧する押圧部材440とから構成される。
シールリング240は、周方向の1箇所に合口部240cを備えている。本実施例に係る合口部240cは、外周面側及び両側壁面側のいずれから見ても階段状に切断された、いわゆる特殊ステップカットを採用している。特殊ステップカットに関しては公知技術であるので、その詳細な説明は省略するが、熱膨張収縮によりシールリング240の周長が変化しても安定したシール性能を維持する特性を有する。なお、ここでは合口部240cの一例として、特殊ステップカットの場合を示したが、合口部240cについては、これに限らず、ストレートカットやバイアスカットやステップカット(外周面側及び内周面側のいずれから見ても階段状に切断された構造)なども採用し得る。
また、本実施例に係るシールリング240は、合口部240cを除く付近においては、軸線を通る面で切断した断面形状が、図17に示すように、五角形となっている。なお、図17は図15中のCC断面図である。より具体的には、シールリング240は、合口部240c付近を除き、内周側かつ高圧側(H)には高圧側(H)に向かって拡径するテーパ面243を有している。このテーパ面243のテーパ角度は、環状溝610における高圧側(H)のテーパ面611のテーパ角度と等しくなるように設定されている。
そして、本実施例に係るシールリング240の外周面241の周長はハウジング700の軸孔の内周面の周長よりも短く構成されており、締め代を持たないように構成されている。従って、仮に外力が作用しなければ、シールリング240の外周面241はハウジング700の軸孔の内周面には接触しない。ただし、後述のように、使用時においては、シールリング210の外周面241は、ハウジング700の軸孔の内周面に密着している。
摺動リング340は、環状の部材で構成されており、回転対称形状である。この摺動リング340は、内周側かつ低圧側(L)には低圧側(L)に向かって拡径するテーパ面342を有している。このテーパ面342のテーパ角度は、環状溝610における低圧側(L)のテーパ面613のテーパ角度と等しくなるように設定されている。
そして、この摺動リング340は、シールリング240の低圧側(L)に配置される。使用時においては、摺動リング340における高圧側(H)の側壁面341とシールリング240における低圧側(L)の側壁面242が摺動する。
押圧部材440は、環状溝610における低圧側(L)の側壁面と摺動リング340との間に配置される。また、この押圧部材440は環状溝610における低圧側(L)の側壁面に形成された段差612の外周側に配置される。押圧部材440は、摺動リング340を高圧側(L)に押圧可能であれば、特に限定されるものではなく、例えば、ゴム状弾性体製のゴムリングやコイルスプリングなどを採用し得る。
<密封装置の使用時のメカニズム>
特に、図13及び図14を参照して、本実施例に係る密封装置140の使用時のメカニズムについて説明する。図13は、エンジンが停止して、密封装置140を介して左右の領域の差圧がなく(または、差圧が殆どなく)、無負荷の状態を示している。図14は、エンジンがかかり、密封装置140を介して、左側の領域に比べて右側の領域の流体圧力の方が高くなった状態を示している。
無負荷の状態においては、シールリング240は、押圧部材440によって摺動リング340を介して高圧側(H)に押圧され、テーパ面243が環状溝610のテーパ面611に接した状態となる。また、このとき、シールリング240は、低圧側(L)の側壁面242が摺動リング340における高圧側(H)の側壁面341に押圧される。従って、シールリング240は、環状溝610のテーパ面611から外周側に向かう力を受ける。これにより、シールリング240は拡径方向に変形した状態となり、シールリング240の外周面241はハウジング700の軸孔の内周面に密着した状態となる。
以上のような構成により、無負荷状態においては、シールリング240の外周面241とハウジング700の軸孔の内周面との間でシール部S1を形成し、かつシールリング240のテーパ面243と環状溝610のテーパ面611との間でシール部S2を形成する。このように、無負荷状態においては、密封装置140によって、2箇所のシール部S1,S2を形成することで、軸600とハウジング700との間の環状隙間を封止する。
そして、エンジンがかかり、差圧が生じた状態においては、図14に示すように、高圧側(H)からの流体圧力によって、押圧部材440による押圧力に抗して、シールリング240及び摺動リング340は低圧側(L)に移動する。差圧が一定以上になると、摺動リング340は、低圧側のテーパ面342が環状溝610における低圧側(L)のテーパ面613に密着した状態となる。
シールリング240は、内周面側からの流体圧力によって、拡径方向に変形した状態が維持され、シールリング240の外周面241はハウジング700の軸孔の内周面に密着した状態を維持する。また、シールリング240は、高圧側(H)からの流体圧力によって、摺動リング340に対して押し付けられる。これにより、シールリング240における低圧側(L)の側壁面242と摺動リング340における高圧側(H)の側壁面341とが接触した状態が維持される。ここで、シールリング240の外周面241とハウジング700の軸孔の内周面との間の接触面積は、シールリング240における低圧側(L)
の側壁面242と摺動リング340における高圧側(H)の側壁面341との接触面積よりも十分広くなるように設定されている。従って、軸600とハウジング700とが相対的に回転している間は、シールリング240における低圧側(L)の側壁面242と摺動リング340における高圧側(H)の側壁面341との間で摺動する。なお、シールリング240の外周面241とハウジング700の軸孔の内周面との間では摺動しない。
以上のような構成により、差圧が生じた状態(高圧状態)においては、シールリング240の外周面241とハウジング700の軸孔の内周面との間、シールリング240における低圧側(L)の側壁面242と摺動リング340における高圧側(H)の側壁面341との間、及び摺動リング340における低圧側(L)のテーパ面342と環状溝610における低圧側(L)のテーパ面613との間でそれぞれシール部S1,S2,S3を形成する。ただし、押圧部材440がゴムリングの場合には、押圧部材440と摺動リング340との間、及び押圧部材440と環状溝610の低圧側(L)の側壁面との間にそれぞれシール部を形成させることも可能である。従って、この場合には、摺動リング340における低圧側(L)のテーパ面342と環状溝610における低圧側(L)のテーパ面613との間でシール部を形成しなくてもよい。
<本実施例に係る密封装置及び密封構造の優れた点>
本実施例によれば、シールリング240は、押圧部材440によって摺動リング340を介して高圧側(H)に押圧され、環状溝610のテーパ面611から外周側に向かう力を受ける。これにより、シールリング240は拡径方向に変形した状態となり、シールリング240の外周面241はハウジング700の軸孔の内周面に密着した状態となる。従って、流体圧力が作用してない(差圧が生じていない)、または流体圧力が殆ど作用していない(差圧が殆ど生じていない)状態においても、シールリング240はハウジング700の軸孔の内周面に接した状態となり、封止機能が発揮される。従って、シール対象領域の流体圧力が高まりだした直後から流体圧力を保持させることができる。つまり、アイドリングストップ機能を有するエンジンにおいては、エンジン停止状態からアクセルが踏み込まれることでエンジンが始動することによって、シール対象領域側の油圧が高まりだした直後から油圧を保持させることができる。
また、高圧側(H)の流体圧力によって、押圧部材440による押圧力に抗して、シールリング240が環状溝610のテーパ面611から離れた状態では、シールリング240に関しては、シールリング240の外周面241と軸孔の内周面との間、及びシールリング240と摺動リング340との間でシール部を形成する。つまり、シールリング240のみに着目した場合には、一般的なシールリングと同様の密封メカニズムとなっている。これにより、摺動トルクを低減させた従来のシールリングと同等に摺動トルクを低減させることができる。
このように、従来例に係るシールリングの場合には、摺動トルクを低減させる構成を採用することによって、流体圧力が作用していない状態では封止機能が発揮されなかったのに対して、本実施例に係る密封装置140によれば、摺動トルクを低減させる構成を採用したにも拘らず、流体圧力が作用していない状態でも封止機能を発揮させることができる。
(実施例5)
図18及び図19には、本発明の実施例5が示されている。本実施例においては、環状溝と摺動リングの構成のみが、実施例4とは異なる構成を示す。その他の構成および作用については実施例4と同一なので、同一の構成部分については同一の符号を付して、その説明は適宜省略する。
本実施例においても、軸600は、密封装置150の着脱を容易にするために、軸本体600Aと軸本体600Aに固定される環状部材600Bとから構成されている。また、この軸600の外周に設けられた環状溝610における高圧側(H)の側壁面には低圧側(L)から高圧側(H)に向かって拡径するテーパ面611が形成されている。また、この環状溝610における低圧側(L)の側壁面には、段差612が設けられている。本実施例の場合には、上記実施例4の場合とは異なり、段差612の内周側にテーパ面は形成されておらず、段差612の内周側は平面で構成されている。
本実施例に係る密封装置150においても、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)などの樹脂製のシールリング240と、樹脂材や金属材などの剛体からなる摺動リング350と、摺動リング350を高圧側(H)に向けて押圧する押圧部材440とから構成される。シールリング240及び押圧部材440については上記実施例4の場合と同一の構成であるので、その説明は省略する。
本実施例に係る摺動リング350も実施例4の場合と同様に、環状の部材で構成されており、回転対称形状である。本実施例に係る摺動リング350は両側壁面とも平面で構成されており、上記実施例4の場合のようにテーパ面は設けられていない。
そして、この摺動リング350は、シールリング240の低圧側(L)に配置される。使用時においては、摺動リング350における高圧側(H)の側壁面351とシールリング240における低圧側(L)の側壁面242が摺動する。
ここで、図18は、エンジンが停止して、密封装置150を介して左右の領域の差圧がなく(または、差圧が殆どなく)、無負荷の状態を示している。図19は、エンジンがかかり、密封装置150を介して、左側の領域に比べて右側の領域の流体圧力の方が高くなった状態を示している。
無負荷の状態においては、シールリング240は、押圧部材440によって摺動リング350を介して高圧側(H)に押圧され、テーパ面243が環状溝610のテーパ面611に接した状態となる。また、このとき、シールリング240は、低圧側(L)の側壁面242が摺動リング350における高圧側(H)の側壁面351に押圧される。従って、シールリング240は、環状溝610のテーパ面611から外周側に向かう力を受ける。これにより、シールリング240は拡径方向に変形した状態となり、シールリング240の外周面241はハウジング700の軸孔の内周面に密着した状態となる。
以上のような構成により、無負荷状態においては、シールリング240の外周面241とハウジング700の軸孔の内周面との間でシール部S1を形成し、かつシールリング240のテーパ面243と環状溝610のテーパ面611との間でシール部S2を形成する。このように、無負荷状態においては、密封装置150によって、2箇所のシール部S1,S2を形成することで、軸600とハウジング700との間の環状隙間を封止する。
そして、エンジンがかかり、差圧が生じた状態においては、図19に示すように、高圧側(H)からの流体圧力によって、押圧部材440による押圧力に抗して、シールリング240及び摺動リング350は低圧側(L)に移動する。差圧が一定以上になると、摺動リング350は、低圧側の側壁面352が環状溝610における低圧側(L)の側壁面614に密着した状態となる。
シールリング240は、内周面側からの流体圧力によって、拡径方向に変形した状態が維持され、シールリング240の外周面241はハウジング700の軸孔の内周面に密着した状態を維持する。また、シールリング240は、高圧側(H)からの流体圧力によっ
て、摺動リング350に対して押し付けられる。これにより、シールリング240における低圧側(L)の側壁面242と摺動リング350における高圧側(H)の側壁面351とが接触した状態が維持される。ここで、シールリング240の外周面241とハウジング700の軸孔の内周面との間の接触面積は、シールリング240における低圧側(L)の側壁面242と摺動リング350における高圧側(H)の側壁面351との接触面積よりも十分広くなるように設定されている。従って、軸600とハウジング700とが相対的に回転している間は、シールリング240における低圧側(L)の側壁面242と摺動リング350における高圧側(H)の側壁面351との間で摺動する。なお、シールリング240の外周面241とハウジング700の軸孔の内周面との間では摺動しない。
以上のような構成により、差圧が生じた状態(高圧状態)においては、シールリング240の外周面241とハウジング700の軸孔の内周面との間、シールリング240における低圧側(L)の側壁面242と摺動リング350における高圧側(H)の側壁面351との間、及び摺動リング350における低圧側(L)の側壁面352と環状溝610における低圧側(L)の側壁面614との間でそれぞれシール部S1,S2,S3を形成する。ただし、押圧部材440がゴムリングの場合には、押圧部材440と摺動リング350との間、及び押圧部材440と環状溝610の低圧側(L)の側壁面との間にそれぞれシール部を形成させることも可能である。従って、この場合には、摺動リング350における低圧側(L)の側壁面352と環状溝610における低圧側(L)の側壁面614との間でシール部を形成しなくてもよい。
以上のように本実施例に係る密封装置150においても、上記実施例4の場合と同様の効果を得ることができる。
(実施例6)
図20及び図21には、本発明の実施例6が示されている。本実施例においては、環状溝と摺動リングと押圧部材の構成のみが、実施例4とは異なる構成を示す。その他の構成および作用については実施例4と同一なので、同一の構成部分については同一の符号を付して、その説明は適宜省略する。
本実施例においても、軸600は、密封装置160の着脱を容易にするために、軸本体600Aと軸本体600Aに固定される環状部材600Bとから構成されている。また、この軸600の外周に設けられた環状溝610における高圧側(H)の側壁面には低圧側(L)から高圧側(H)に向かって拡径するテーパ面611が形成されている。本実施例の場合には、上記実施例4の場合とは異なり、環状溝610の低圧側(L)に段差は設けられていない。
本実施例に係る密封装置160においても、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)などの樹脂製のシールリング240と、樹脂材や金属材などの剛体からなる摺動リング350と、摺動リング350を高圧側(H)に向けて押圧する押圧部材460とから構成される。シールリング240については上記実施例4の場合と同一の構成であるので、その説明は省略する。
本実施例に係る摺動リング350も実施例4の場合と同様に、環状の部材で構成されており、回転対称形状である。本実施例に係る摺動リング350は両側壁面とも平面で構成されており、上記実施例4の場合のようにテーパ面は設けられていない。この摺動リング350は、シールリング240の低圧側(L)に配置される。使用時においては、摺動リング350における高圧側(H)の側壁面351とシールリング240における低圧側(L)の側壁面242が摺動する。
そして、本実施例に係る押圧部材460は円筒状のゴムリングにより構成されている。
ここで、図20は、エンジンが停止して、密封装置160を介して左右の領域の差圧がなく(または、差圧が殆どなく)、無負荷の状態を示している。図21は、エンジンがかかり、密封装置160を介して、左側の領域に比べて右側の領域の流体圧力の方が高くなった状態を示している。
無負荷の状態においては、シールリング240は、押圧部材460によって摺動リング350を介して高圧側(H)に押圧され、テーパ面243が環状溝610のテーパ面611に接した状態となる。また、このとき、シールリング240は、低圧側(L)の側壁面242が摺動リング350における高圧側(H)の側壁面351に押圧される。従って、シールリング240は、環状溝610のテーパ面611から外周側に向かう力を受ける。これにより、シールリング240は拡径方向に変形した状態となり、シールリング240の外周面241はハウジング700の軸孔の内周面に密着した状態となる。
以上のような構成により、無負荷状態においては、シールリング240の外周面241とハウジング700の軸孔の内周面との間でシール部S1を形成し、かつシールリング240のテーパ面243と環状溝610のテーパ面611との間でシール部S2を形成する。このように、無負荷状態においては、密封装置160によって、2箇所のシール部S1,S2を形成することで、軸600とハウジング700との間の環状隙間を封止する。
そして、エンジンがかかり、差圧が生じた状態においては、図21に示すように、高圧側(H)からの流体圧力によって、押圧部材460による押圧力に抗して、シールリング240及び摺動リング350は低圧側(L)に移動する。また、このとき、摺動リング350は、低圧側(L)の側壁面352が押圧部材460の高圧側(H)の側壁面461に密着した状態となる。更に、押圧部材460の低圧側(L)の側壁面462は環状溝610の低圧側(L)の側壁面に密着した状態を維持している。
シールリング240は、内周面側からの流体圧力によって、拡径方向に変形した状態が維持され、シールリング240の外周面241はハウジング700の軸孔の内周面に密着した状態を維持する。また、シールリング240は、高圧側(H)からの流体圧力によって、摺動リング350に対して押し付けられる。これにより、シールリング240における低圧側(L)の側壁面242と摺動リング350における高圧側(H)の側壁面351とが接触した状態が維持される。ここで、シールリング240の外周面241とハウジング700の軸孔の内周面との間の接触面積は、シールリング240における低圧側(L)の側壁面242と摺動リング350における高圧側(H)の側壁面351との接触面積よりも十分広くなるように設定されている。従って、軸600とハウジング700とが相対的に回転している間は、シールリング240における低圧側(L)の側壁面242と摺動リング350における高圧側(H)の側壁面351との間で摺動する。なお、シールリング240の外周面241とハウジング700の軸孔の内周面との間では摺動しない。
以上のような構成により、差圧が生じた状態(高圧状態)においては、シールリング240の外周面241とハウジング700の軸孔の内周面との間、シールリング240における低圧側(L)の側壁面242と摺動リング350における高圧側(H)の側壁面351との間、摺動リング350における低圧側(L)の側壁面352と押圧部材460における高圧側(H)の側壁面461との間、及び押圧部材460における低圧側(L)の側壁面462と環状溝610における低圧側(L)の側壁面との間でそれぞれシール部S1,S2,S3,S4を形成する。なお、押圧部材460の内周面と環状溝610の溝底面との間で更にシール部を形成させるようにしてもよい。
以上のように本実施例に係る密封装置160においても、上記実施例4の場合と同様の効果を得ることができる。
(その他)
上述した各実施例に示す密封装置においては、軸600とハウジング700が相対的に回転すると共に、軸600とハウジング700が相対的に往復移動する場合でも適用可能である。
110,120,130,140,150,160 密封装置
210,220,240 シールリング
210c,220c,240c 合口部
211,221,241 外周面
212,222,242 側壁面
213,214 テーパ面
215,216 端縁
223,224 凹部
225,226 端縁
243 テーパ面
310,330,340,350 摺動リング
311,331,341,351,352 側壁面
312 テーパ面
313,333 環状凸部
313a,333a 先端面
342 テーパ面
410,440,460 押圧部材
461,462 側壁面
600 軸
600A 軸本体
600B 環状部材
610 環状溝
611 テーパ面
612 段差
613 テーパ面
614 側壁面
700 ハウジング

Claims (6)

  1. 軸の外周に設けられた環状溝であって、その高圧側の側壁面には低圧側から高圧側に向かって拡径するテーパ面を有する環状溝に装着され、相対的に回転する前記軸とハウジングとの間の環状隙間を封止して、流体圧力が変化するように構成されたシール対象領域の流体圧力を保持する密封装置であって、
    前記ハウジングにおける前記軸が挿通される軸孔の内周面に対して密着する樹脂製のシールリングと、
    該シールリングの低圧側に配置され、該シールリングの側壁面に対して摺動する摺動リングと、
    該摺動リングを高圧側に向けて押圧する押圧部材と、
    を備え、
    前記押圧部材により前記摺動リングを介して前記シールリングが高圧側に押圧されて、該シールリングの内周側が前記環状溝のテーパ面に接した状態では、該シールリングと該テーパ面との間、及び該シールリングの外周面と前記軸孔の内周面との間でシール部を形成し、
    高圧側の流体圧力によって、前記押圧部材による押圧力に抗して前記シールリングが前記環状溝のテーパ面から離れた状態では、少なくとも、前記シールリングの外周面と前記軸孔の内周面との間、及び該シールリングと前記摺動リングとの間でシール部を形成することを特徴とする密封装置。
  2. 高圧側の流体圧力によって、前記押圧部材による押圧力に抗して前記シールリングが前記環状溝のテーパ面から離れた状態で、更に、前記摺動リングと前記環状溝における低圧側の側壁面との間でシール部を形成することを特徴とする請求項1に記載の密封装置。
  3. 前記押圧部材はゴム状弾性体製のゴムリングであり、
    高圧側の流体圧力によって、前記押圧部材による押圧力に抗して前記シールリングが前記環状溝のテーパ面から離れた状態で、更に、前記摺動リングと前記ゴムリングとの間、及び前記ゴムリングと前記環状溝における低圧側の側壁面との間でシール部を形成することを特徴とする請求項1に記載の密封装置。
  4. 高圧側の側壁面に低圧側から高圧側に向かって拡径するテーパ面を有する環状溝を外周に備える軸と、
    該軸が挿通される軸孔を有するハウジングと、
    前記環状溝に装着され、相対的に回転する前記軸とハウジングとの間の環状隙間を封止して、流体圧力が変化するように構成されたシール対象領域の流体圧力を保持する密封装置とを備える密封構造であって、
    前記密封装置は、
    前記軸孔の内周面に対して密着する樹脂製のシールリングと、
    該シールリングの低圧側に配置され、該シールリングの側壁面に対して摺動する摺動リングと、
    該摺動リングを高圧側に向けて押圧する押圧部材と、
    を備え、
    前記押圧部材により前記摺動リングを介して前記シールリングが高圧側に押圧されて、該シールリングの内周側が前記環状溝のテーパ面に接した状態では、該シールリングと該テーパ面との間、及び該シールリングの外周面と前記軸孔の内周面との間でシール部を形成し、
    高圧側の流体圧力によって、前記押圧部材による押圧力に抗して前記シールリングが前記環状溝のテーパ面から離れた状態では、少なくとも、前記シールリングの外周面と前記軸孔の内周面との間、及び該シールリングと前記摺動リングとの間でシール部を形成する
    ことを特徴とする密封構造。
  5. 高圧側の流体圧力によって、前記押圧部材による押圧力に抗して前記シールリングが前記環状溝のテーパ面から離れた状態で、更に、前記摺動リングと前記環状溝における低圧側の側壁面との間でシール部を形成することを特徴とする請求項4に記載の密封構造。
  6. 前記押圧部材はゴム状弾性体製のゴムリングであり、
    高圧側の流体圧力によって、前記押圧部材による押圧力に抗して前記シールリングが前記環状溝のテーパ面から離れた状態で、更に、前記摺動リングと前記ゴムリングとの間、及び前記ゴムリングと前記環状溝における低圧側の側壁面との間でシール部を形成することを特徴とする請求項4に記載の密封構造。
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