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JP2013184568A - 車体下部構造 - Google Patents

車体下部構造 Download PDF

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JP2013184568A
JP2013184568A JP2012051141A JP2012051141A JP2013184568A JP 2013184568 A JP2013184568 A JP 2013184568A JP 2012051141 A JP2012051141 A JP 2012051141A JP 2012051141 A JP2012051141 A JP 2012051141A JP 2013184568 A JP2013184568 A JP 2013184568A
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Japan
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floor panel
vehicle body
sides
front frame
side wall
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Application number
JP2012051141A
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English (en)
Inventor
Masanori Honda
正徳 本田
Sakae Terada
栄 寺田
Miho Kurata
三穂 蔵田
Takashi Yuma
貴史 遊間
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Mazda Motor Corp
Original Assignee
Mazda Motor Corp
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Publication date
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Abstract

【課題】軽量な構造でありながら、前突時の曲げ最大強度の質量効率を高くすることができ、前突時のフロントフレームのキックアップ部の変形を抑制する車体下部構造の提供を目的とする。
【解決手段】フロントフレーム21は、両側の第1側壁部21aと、該両側の第1側壁部21aの下端をつなぐ底面部21bと、両側の第1側壁部21aの上端から車幅方向両側に延びるフランジ部21cと、を備えた上方開口形状であり、フロアパネル3は、平面視でフロントフレーム21と重なる部位に、上方に立設する両側の第2側壁部3aと、該両側の第2側壁部3aをつなぐ上面部3bと、を有する上方膨出形状であり、フロントフレーム21のフランジ部21cがフロアパネル3の上面部3bにおける車体下方側の面に接合されたことを特徴とする。
【選択図】図4

Description

この発明は、車体のフロアを構成するフロアパネルと、車体前部の車幅方向両側で車体前後方向に延び、上記フロアパネル下側に接合されるフロントフレームとを備えた車体下部構造に関し、詳しくは、前突時の曲げ強度を向上可能な車体下部構造に関する。
一般に、車体の下側部を構成し車体前後方向に延びるフロントフレームは、車体前方側の水平部と、その後端からダッシュロアパネル下面に沿って後下方に向って延びる傾斜部(いわゆるキックアップ部)と、この傾斜部の後端からフロア下面において略水平に後方に向って延びる車体後方側の水平部と、を備え、このフロントフレームの上面にスポット溶接等によりフロアパネルが結合されている。
上述のフロントフレームの車体前方側の水平部と車体後方側の水平部とは、フレームの重心が高さ方向でオフセットしているので、車両前突時にフロントフレームに入力した軸荷重がモーメントとなり、上記傾斜部(いわゆるキックアップ部)と車体後方側の水平部とをつなぐ屈曲部に応力が集中して、折れ曲がるおそれがあった。
従来、フロントフレームの上記折れ曲がりを抑制する構造としては、特許文献1に開示された構造がある。
すなわち、図12の(a)に示すように、フロアパネル91の下面に断面ハット形状のフロントフレーム92を接合固定した構造において、フロアパネル91とフロントフレーム92との間に断面平板形状の補強部材93を接合することにより、折れ曲がりを抑制するものである。
また、図12の(b)に示すように、フロアパネル91の下面に断面ハット形状のフロントフレーム92を接合固定した構造において、フロアパネル91の上側面に断面ハット形状の補強部材94を接合することにより、折れ曲がりを抑制するものである。
図12の(a)、および図12の(b)に示す従来構造においては、折れ曲がり抑制に関しては特に問題がないものの、次のような改良の余地があった。
つまり、近年、燃費低減の観点から車体軽量化のニーズが高まっており、図12で示した従来構造にあっては、軽量化の点で改良の余地があった。
特開平11−192978号公報
そこで、この発明は、フロントフレームが両側の第1側壁部と、該両側の第1側壁部の下端をつなぐ底面部と、上記両側の第1側壁部の上端から車幅方向両側に延びるフランジ部と、を備えた上方開口形状であり、フロアパネルが平面視でフロントフレームと重なる部位に、上方に立設する両側の第2側壁部と、該両側の第2側壁部をつなぐ上面部と、を有する上方膨出形状であり、フロントフレームのフランジ部がフロアパネルの上面部における車体下方側の面に接合されることにより、軽量な構造でありながら、前突時の曲げ最大強度の質量効率を高くすることができ、前突時のフロントフレームのキックアップ部の変形を抑制することができる車体下部構造の提供を目的とする。
この発明による車体下部構造は、車体のフロアを構成するフロアパネルと、車体前部の車幅方向両側で車体前後方向に延び、上記フロアパネル下側に接合されるフロントフレームとを備えた車体下部構造であって、上記フロントフレームは、両側の第1側壁部と、該両側の第1側壁部の下端をつなぐ底面部と、上記両側の第1側壁部の上端から車幅方向両側に延びるフランジ部と、を備えた上方開口形状であり、上記フロアパネルは、平面視で上記フロントフレームと重なる部位に、上方に立設する両側の第2側壁部と、該両側の第2側壁部をつなぐ上面部と、を有する上方膨出形状であり、上記フロントフレームのフランジ部が上記フロアパネルの上面部における車体下方側の面に接合されたものである。
上記構成によれば、補強部材を用いない軽量な構造でありながら、前突時の曲げ最大強度の質量効率を高くすることができ、前突時におけるフロントフレームのキックアップ部の変形を抑制することができる。
この発明の一実施態様においては、車幅方向断面において、上記フロアパネルの上面部に対して垂直な直線と、上記フロントフレームの第1側壁部との成す角度が10度以上20度以下であることを特徴とする。
上記構成によれば、上述の角度を10度以上20度以下に設定したので、前突時の曲げ最大強度の質量効率をさらに高くすることができ、前突時のフロントフレームのキックアップ部の変形をさらに抑制することができる。
この発明の一実施態様においては、車幅方向断面において、上記フロアパネルの上面部に対して垂直な直線と、上記フロントフレームの第1側壁部との成す角度が略15度であることを特徴とする。
上記構成によれば、上述の角度を略15度に特定したので、前突時の曲げ最大強度の質量効率を最も高くすることができ、前突時のフロントフレームのキックアップ部の変形を最大限に抑制することができる。
この発明の一実施態様においては、上記フロアパネルの上面部の少なくとも一部に、車体前後方向に延びるビードが形成されたものである。
上述のビードは、1条であっても複数条であってもよい。また、上述のビードはフロアの平面化の観点から下方に突出するタイプのものが好ましい。
上記構成によれば、上述のビードにより曲げ強度が大きくなるので、前突時の曲げ最大強度の質量効率をより一層高くすることができて、前突時のフロントフレームのキックアップ部の変形をより一層良好に抑制することができる。
また、上述のビードによりフロアパネルの上面部の振動を防止するので、騒音(車室内音)の低下を図ることができ、NVH性能を高めることができる。なお、NVHはnoise(ノイズ)、vibration(振動)、harshness(ハーシュネス、連成振動)の略である。
この発明の一実施態様においては、上記第2側壁部の車幅方向両側のフロアパネル上面に吸音部材が配設され、該吸音部材の上側面と上記フロアパネルの上面部とが略面一になるように形成されたものである。
上記構成によれば、フロア面のフラット化を達成しつつ、吸音部材の吸音作用により、NVH性能をさらに高めることができる。
この発明によれば、フロントフレームが両側の第1側壁部と、該両側の第1側壁部の下端をつなぐ底面部と、上記両側の第1側壁部の上端から車幅方向両側に延びるフランジ部と、を備えた上方開口形状であり、フロアパネルが平面視でフロントフレームと重なる部位に、上方に立設する両側の第2側壁部と、該両側の第2側壁部をつなぐ上面部と、を有する上方膨出形状であり、フロントフレームのフランジ部がフロアパネルの上面部における車体下方側の面に接合されたものであるから、軽量な構造でありながら、前突時の曲げ最大強度の質量効率を高くすることができ、前突時のフロントフレームのキックアップ部の変形を抑制することができる効果がある。
本発明の車体下部構造を示す平面図 図1の底面図 図1のA−A線に沿う側面図 図1のB−B線矢視断面図 効果を検証するための簡易モデルに対する荷重付勢方法を示す説明図 簡易モデルの高さおよび第1側壁部の角度を変更して実施例と比較例との曲げ最大強度の質量効率を示す説明図 (a)は図6で模式的に示した実施例の詳細説明図、(b)は図6で模式的に示した比較例の詳細説明図、(c)は図6で模式的に示した他の比較例の詳細説明図 第1側壁部の角度に対する曲げ最大強度の質量効率を示す特性図 車体下部構造の他の実施例を示す平面図 図9のC−C線矢視断面図 車体下部構造のさらに他の実施例を示す正面図 (a)は従来の車体下部構造の一例を示す正面図、(b)は従来の車体下部構造の他の例を示す正面図
軽量な構造でありながら、前突時の曲げ最大強度の質量効率を高くすることができ、前突時のフロントフレームのキックアップ部の変形を抑制するという目的を、車体のフロアを構成するフロアパネルと、車体前部の車幅方向両側で車体前後方向に延び、上記フロアパネル下側に接合されるフロントフレームとを備えた車体下部構造において、上記フロントフレームは、両側の第1側壁部と、該両側の第1側壁部の下端をつなぐ底面部と、上記両側の第1側壁部の上端から車幅方向両側に延びるフランジ部と、を備えた上方開口形状であり、上記フロアパネルは、平面視で上記フロントフレームと重なる部位に、上方に立設する両側の第2側壁部と、該両側の第2側壁部をつなぐ上面部と、を有する上方膨出形状であり、上記フロントフレームのフランジ部を上記フロアパネルの上面部における車体下方側の面に接合するという構成にて実現した。
この発明の一実施例を以下図面に基づいて詳述する。
図面は車体下部構造を示し、図1は平面図、図2はその底面図、図3は図1のA−A線矢視断面図(側面図)である。
図1〜図3において、エンジンルーム1と車室とを前後方向に仕切るダッシュロアパネル2を設け、このダッシュロアパネル2の下部後端にはフロアパネル3を一体的に連結している。このフロアパネル3はダッシュロアパネル2の下部後端から後方に向けて略水平に延びており、該フロアパネル3は車体のフロアを構成するものである。
上述のフロアパネル3の車幅方向の中央には、車室内へ突出して車体前後方向に延びるトンネル部4(フロアトンネル)を一体または一体的に形成している。このトンネル部4は車体剛性の中心となるものである。
上述のフロアパネル3の車幅方向の左右両サイドには、図4にも示すように、サイドシル5を接合固定している。このサイドシル5はサイドシルインナ6とサイドシルアウタ7とを接合して、車体前後方向に延びるサイドシル閉断面8を備えた車体強度部材である。
上述のサイドシル5の前端部には、該サイドシル5前端部から上方に立上がるヒンジピラー9を設けている。このヒンジピラー9は、図1に示すように、ヒンジピラーインナ10とヒンジピラーアウタ11とを接合固定して、上下方向に延びるピラー閉断面12を備えた車体強度部材であって、このヒンジピラー9にはフロントドア(図示せず)が開閉可能に取付けられる。
図3に示すように、上述のダッシュロアパネル2の上部には、車幅方向に延びるカウル部13が設けられている。
このカウル部13は、同図に示すように、ダッシュロアパネル2の上端部に結合されたダッシュアッパパネル14と、このダッシュアッパパネル14の後側上部に結合されたカウルパネル15と、ダッシュロアパネル2上部とダッシュアッパパネル14前部との重合部から上方に延びる断面略凹形状のカウルフロント16と、このカウルフロント16の前部縦壁の後面側に閉断面17を形成するカウルフロントレイン18と、を備えている。
図1〜図3に示すように、カウル部13の左右両側部から車体前方に延びる強度部材としてのエプロンレイン19,19を設け、エンジンルーム1の前側上方において左右のエプロンレイン19,19の前端部を車幅方向に連結するシュラウドアッパ20を設けている。
図1〜図3に示すように、車体前部の車幅方向両側で車体前後方向に延び、フロアパネル3下側に接合されるフロントフレーム21を設けている。
このフロントフレーム21は、ダッシュロアパネル2からエンジンルーム1の左右両サイド部において前方へ延びる車体前方側の水平部21Fと、この水平部21Fの後端からダッシュロアパネル2の下面に沿って後下方に向って延びる傾斜部としてのキックアップ部21Kと、このキックアップ部21Kの後端からフロア下面において略水平に後方に向って延びる車体後方側の水平部21R(いわゆるフロントフレームリヤ)と、を一体形成したものである。
フロントフレーム21の上面、特に、該フロントフレーム21の車体後方側の水平部21Rの上面にはフロアパネル3が接合固定されている。
図2に底面図で示すように、上述のフロアパネル3の下面には断面ハット形状のフロントフロアフレーム22が接合固定されており、フロアパネル3とフロントフロアフレーム22との間には、車体前後方向に延びるフロアフレーム閉断面が形成されている。そして、上述のフロントフレーム21とフロントフロアフレーム22とが、図2に示すように、車体前後方向に連続するように形成されている。
上述の左右一対のフロントフレーム21,21における車体前方側の水平部21F,21Fの前端部には、フランジ23,24を介して左右のクラッシュカン25,25を取付けており、これら左右のクラッシュカン25,25相互間を車幅方向に延びるバンパレイン26で連結している。
図2,図4に示すように、トンネル部4の下縁部におけるフロアパネル3の下面には、断面ハット形状のトンネルメンバ27を接合固定し、このトンネルメンバ27とフロアパネル3との間には、車体前後方向に延びる閉断面28を形成している。
ここで、上述のフロントフレーム21における車体後方側の水平部21Rと、フロントフロアフレーム22とは、車幅方向において、上述のトンネルメンバ27とサイドシル5との中間に配設されたものである。
なお、図1〜図3において、29はサスペンションタワー部である。また、図中、矢印(Front)は車両前方を示し、矢印INは車幅方向の内方を示し、矢印OUTは車幅方向の外方を示す。
図4は図1のB−B線矢視断面図(正面図)であって、フロアパネル3下側に接合されるフロントフレーム21は、左右両側の第1側壁部21a,21aと、これら両側の第1側壁部21a,21aの下端をつなぐ底面部21bと、上述の両側の第1側壁部21a,21aの上端から車幅方向両側に延びるフランジ部21c,21cと、を備えた上方開口形状、いわゆる断面ハット形状に形成されている。
また、図4に示すように、上述のフロアパネル3は、平面視でフロントフレーム21と重なる部位に、上方に立設する両側の第2側壁部3a,3aと、これら両側の第2側壁部3a,3aをつなぐ上面部3bと、を有する上方膨出形状に形成されている。
詳しくは、フロアパネル3の上方膨出形状は、フロントフレーム21の車幅方向の長さ、つまり、左右一対のフランジ部21c,21cの外端部相互間の長さよりも長く形成されており、フロアパネル3の第2側壁部3a,3aは上記フランジ部21cの外端近傍で、上面部3bに向けてスラント状に立ち上がるように形成されている。
また、この実施例では、上述の上面部3bの車幅方向の長さは、左右一対のフランジ部21c,21cの外端部相互間の長さと略等しいか、または若干長くなるように形成されている。
そして、上述のフロントフレーム21の左右のフランジ部21c,21cが上述のフロアパネル3の上面部3bにおける車体下方側の面つまり下面に接合されており、フロアパネル3の上面部3bとフロントフレーム21との間には、車体前後方向に延びる閉断面30が形成されている。
上述のフロアパネル3の上面部3bには、図1,図4に示すように、フロントフレーム21の車体後方側の水平部21Rおよびフロントフロアフレーム22の配設方向に沿うように、車体前後方向に延びる複数条、たとえば、3条のビード3c…が形成されている。上述の各ビード3cは上面部3bから下方に突出するように形成されている。
しかも、図4に示すように、車幅方向断面において、上述のフロアパネル3の水平な上面部3bに対して垂直な直線VERと、フロントフレーム21の第1側壁部21aとの成す角度θが10度以上20度以下、好ましくは略15度に設定されている。
フロアパネル3とフロントフレーム21との接合構造において、一般的には閉断面30の断面積が大きい程、強度が強いと考えられていたが、本発明等は諸種の実験を繰返した結果により、上記角度θが強度の大小に大きく影響を及ぼすことがわかった。
図5は効果を検証するための簡易モデルMと、この簡易モデルMに対する荷重の付勢方法を示す説明図であって、側面図で示す簡易モデルMは図3のフロントフレーム21のキックアップ部21Kと水平部21Rと、ダッシュロアパネル2およびフロアパネル3の一部を組合せたものである。
図5に示す簡易モデルMにおいて、その後端部MbをX軸方向、Z軸方向に回転自在に支持し、前端部MaのX軸方向、Y軸方向、Z軸方向の回転を拘束して、該前端部Maに荷重Fを付加して、簡易モデルMが折れる曲げ最大強度(Fmax)の質量効率(つまりFmaxをモデルMの重量で除した値)を求めた結果を図6に示す。
この場合、フロアパネル3を含むフロントフレーム21の高さH(図7参照)を、H=50mm、H=72.5mm、H=100mmの3通りとし、垂直な直線VERと第1側壁部21aとの成す角度θを、θ=0度、θ=2度、θ=5度、θ=10度、θ=15度、θ=20度、θ=24度、θ=25度、θ=30度の9通りとして、それぞれの簡易モデルMの曲げ最大強度(Fmax)の質量効率を求めた。
但し、図6に示したFmax質量効率の数値は、図6中の比較例における左図のH=72.5mm、θ=0度のFmax質量効率を1.00とし、この「1.00」に対する比率にて示している。
また、図6の実施例および比較例において模式的に示したフロントフレームとフロアパネルとは、詳しくは、図7の(a)(b)(c)に示すようになっている。つまり、図6の各実施例中の模式図は、図7(a)に示す第2側壁部3aを含む点線の部分を省略して図示したものである。図6の比較例左側(角度θ=0度の例)の模式図は、図7bに示すように、フロアパネル3の下面にフロアフレーム21を接合し、これと上下方向に重なるようにフロアパネル3の上面に断面ハット形状の補強部材31を接合固定した構造を、模式的に図示したものである。図6の比較例右側(角度θ=2度の例)の模式図は、図7(c)に示すように、断面ハット形状に形成したフロアパネル3の下面にフロアフレーム21を接合した構造を、模式的に図示したものである。
さらに、図6の何れの実施例においてH=72.5mmで角度θが25度、30度のもの、並びに、H=100mmで角度θが20度、24度、25度、30度のものについては、角度θが大きくなることにより、高さHが確保できなくなるので実験の検証を割愛している。また、フロアフレーム21の左右の第1側壁部21a,21a上端間の車幅方向の長さL(図7参照)は70mmの一定の長さに保った。
図8は横軸に角度θをとり、縦軸にFmax質量効率(詳しくは、図6の比較例中、左図の質量効率を「1.00」とした場合の比率)をとった特性図で、図6の合計20通りの簡易モデルMのFmax質量効率を求めた実験結果を示すグラフである。
図8の特性図から明らかなように、高さH=50mm,H=72.5mm、H=100mmの何れの場合においても、角度θが10度以上20度以下の時(同図に矢印αで示す範囲内の時)に、Fmax質量効率を高くすることができ、角度θが略15度の時に、Fmax質量効率を最大となすことができた。
このように、図1〜図8で示した実施例の車体下部構造は、車体のフロアを構成するフロアパネル3と、車体前部の車幅方向両側で車体前後方向に延び、上記フロアパネル3下側に接合されるフロントフレーム21とを備えた車体下部構造であって、上記フロントフレーム21は、両側の第1側壁部21a,21aと、該両側の第1側壁部21a,21aの下端をつなぐ底面部21bと、上記両側の第1側壁部21a,21aの上端から車幅方向両側に延びるフランジ部21c,21cと、を備えた上方開口形状であり、上記フロアパネル3は、平面視で上記フロントフレーム21と重なる部位に、上方に立設する両側の第2側壁部3a,3aと、該両側の第2側壁部3a,3aをつなぐ上面部3bと、を有する上方膨出形状であり、上記フロントフレーム21のフランジ部21cが上記フロアパネル3の上面部3bにおける車体下方側の面に接合されたものである(図4参照)。
この構成によれば、補強部材を用いない軽量な構造でありながら、前突時の曲げ最大強度の質量効率を高くすることができ、前突時におけるフロントフレーム21のキックアップ部21Kの変形を抑制することができる。詳しくは、この実施例のものは、図6に示すように、高さHが50mm、72.5mm、100mmの何れであっても、また角度θが0度〜30度の何れであっても、各比較例のFmax質量効率1.00,0.88よりも高くなり、前突時のキックアップ部21Kの変形を抑制することができた。
また、車幅方向断面において、上記フロアパネル3の上面部3bに対して垂直な直線VERと、上記フロントフレーム21の第1側壁部21aとの成す角度θが10度以上20度以下であることを特徴とする(図4,図8参照)。
この構成によれば、上述の角度θを10度以上20度以下に設定したので、前突時の曲げ最大強度の質量効率をさらに高くすることができ、前突時のフロントフレーム21のキックアップ部21Kの変形をさらに抑制することができる。
さらに、車幅方向断面において、上記フロアパネル3の上面部3bに対して垂直な直線VERと、上記フロントフレーム21の第1側壁部21aとの成す角度θが略15度であることを特徴とする(図4,図8参照)。
この構成によれば、上述の角度θを略15度に特定したので、前突時の曲げ最大強度の質量効率を最も高くすることができ、前突時のフロントフレーム21のキックアップ部21Kの変形を最大限に抑制することができる。
加えて、上記フロアパネル3の上面部3bの少なくとも一部に、車体前後方向に延びるビード3cが形成されたものである(図1,図4参照)。
上述のビード3cは、図1,図4で示したように複数条であってもよく、あるいは、1条のみであってもよいが、該ビード3cはフロアの平面化の観点から下方に突出するタイプのものが好ましい。
この構成によれば、上述のビード3cにより曲げ強度が大きくなるので、前突時の曲げ最大強度の質量効率をより一層高くすることができて、前突時のフロントフレーム21のキックアップ部21Kの変形をより一層良好に抑制することができる。
また、上述のビード3cによりフロアパネル3の上面部3bの振動を防止するので、騒音(車室内音)の低下を図ることができ、NVH性能を高めることができる。なお、NVHはnoise(ノイズ)、vibration(振動)、harshness(ハーシュネス、連成振動)の略である。
図9,図10は車体下部構造の他の実施例を示し、図9は車体下部構造の要部を示す右側のみの半裁平面図、図10は図9のC−C線矢視断面図(正面図)である。
図9,図10に示すこの実施例においては、図1〜図4で示した先の実施例の構成に加えて、フロアパネル3の第2側壁部3a,3aの車幅方向両側において、該フロアパネル3の上面に吸音部材41,42(図示の便宜上、多点を施して示す)を配設したものである。
一方の吸音部材41は、図9,図10に示すように、車幅方向内側の第2側壁部3aとトンネル部4の下部との間において車体前後方向に延びるように配置されており、他方の吸音部材42は、同図に示すように、車幅方向外側の第2側壁部3aとサイドシルインナ6との間において車体前後方向に延びるように配置されている。
また、左右の吸音部材41,42の上側面とフロアパネル3の上方膨出形状に形成された上述の上面部3bとが略面一になるように形成されている。
このように、図9,図10で示した実施例においては、上記第2側壁部3aの車幅方向両側のフロアパネル3の上面に吸音部材41,42が配設され、該吸音部材41,42の上側面と上記フロアパネル3の上面部3bとが略面一になるように形成されたものである(図10参照)。
この構成によれば、フロア面のフラット化を達成しつつ、吸音部材41,42の吸音作用により、NVH性能をさらに高めることができる。
図9,図10で示したこの実施例においても、その他の構成、作用、効果については、先の実施例と同様であるから、図9,図10において、前図と同一の部分には、同一符号を付して、その詳しい説明を省略する。
図11は車体下部構造のさらに他の実施例を示す正面図である。
図11に示すこの実施例では、図10で示した左右の吸音部材41,42を、上方膨出形状のフロアパネル3の上面部3b直上に位置する吸音部材43で連結し、これら各吸音部材41,42,43を一体化すると共に、各吸音部材41,42,43の上側面を略面一に成して、吸音部材のフルフラット化を図ったものである。
このように構成すると、左右の吸音部材41,42が中間の吸音部材43で一体化されるので、部品点数の削減を図ることができると共に、一体化により吸音部材配設工数の簡略化を図ることができる。
図11で示したこの実施例においても、その他の構成、作用、効果については、先の各実施例と同様であるから、図11において、前図と同一の部分には、同一符号を付して、その詳しい説明を省略する。
ところで、上述のフロントフレーム21のフランジ部21cのフロアパネル3における上面部3bの下面への接合方法は、スポット溶接やレーザ溶接などの溶接であってもよく、または接着剤による接着接合であってもよい。
また、フロントフレーム21と上面部3bとの間に形成された閉断面30の内部には、バルクヘッドや樹脂補強体などの内部補強部材を設けてもよく、この発明は図面を参照して説明した上記実施例の構成のみに限定されるものではない。
以上説明したように、本発明は、車体のフロアを構成するフロアパネルと、車体前部の車幅方向両側で車体前後方向に延び、上記フロアパネル下側に接合されるフロントフレームとを備えた車体下部構造について有用である。
3…フロアパネル
3a…第2側壁部
3b…上面部
3c…ビード
21…フロントフレーム
21a…第1側壁部
21b…底面部
21c…フランジ部
41,42…吸音部材

Claims (5)

  1. 車体のフロアを構成するフロアパネルと、
    車体前部の車幅方向両側で車体前後方向に延び、上記フロアパネル下側に接合されるフロントフレームとを備えた車体下部構造であって、
    上記フロントフレームは、両側の第1側壁部と、該両側の第1側壁部の下端をつなぐ底面部と、
    上記両側の第1側壁部の上端から車幅方向両側に延びるフランジ部と、を備えた上方開口形状であり、
    上記フロアパネルは、平面視で上記フロントフレームと重なる部位に、上方に立設する両側の第2側壁部と、該両側の第2側壁部をつなぐ上面部と、を有する上方膨出形状であり、
    上記フロントフレームのフランジ部が上記フロアパネルの上面部における車体下方側の面に接合された
    車体下部構造。
  2. 車幅方向断面において、上記フロアパネルの上面部に対して垂直な直線と、上記フロントフレームの第1側壁部との成す角度が10度以上20度以下である
    請求項1記載の車体下部構造。
  3. 車幅方向断面において、上記フロアパネルの上面部に対して垂直な直線と、上記フロントフレームの第1側壁部との成す角度が略15度である
    請求項2記載の車体下部構造。
  4. 上記フロアパネルの上面部の少なくとも一部に、車体前後方向に延びるビードが形成された
    請求項1〜3の何れか1項に記載の車体下部構造。
  5. 上記第2側壁部の車幅方向両側のフロアパネル上面に吸音部材が配設され、
    該吸音部材の上側面と上記フロアパネルの上面部とが略面一になるように形成された
    請求項1〜4の何れか1項に記載の車体下部構造。
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