JP2013177669A - 熱伝導性能と鏡面研磨性と耐候性と靭性及び被削性に優れた成形用金型用鋼 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】成形用金型用鋼の組成を、質量%で、0.040<C<0.100,0.03<Si<0.27,0.30<Mn<1.80,0.30<Cu<0.61,4.00<Cr<9.00であり、更に、0.04<Mo<1.00,0.02<V<0.50の少なくとも1種を含み、残部Fe及び不可避的不純物の組成を有するものとする。
【選択図】 なし
Description
また金型寿命が長ければ製品1個当りに占める金型コストを低減できる(つまり製品コストを低減できる)ため、金型を高寿命とするのに必要な靭性も求められる。
例えばこのような成形品を成形する金型は、幅が1m強で厚みが数10cm以上にも及ぶ大型のものとなることがある。
このような大型の金型用材料としては焼入性の高いものでなければならない。
従来からある金型用材料ではこうした要請に対して十分に応えられていないのが実情である。
そのためには、金型用材料に添加するC量を低量とする必要がある。
そこでC量を低量とした上で、硬さを確保する手段としてCuやNi,Alの金属間化合物を析出させ、その析出硬化によって金型の硬さを確保するようにした材料が近年開発されている。
しかしながらこの特許文献1に開示のものは、Ni,Alを多く同時添加して多量の金属間化合物を析出させるようにしており、この場合、合金成分の添加量が多くなることによってコストが高くなるのに加え、Ni,Alの金属間化合物の析出による脆化作用で靭性を低下させてしまう。
靭性が低下すれば金型が割れ等を生じ易くなり、金型寿命の低下に繋がる。
具体的には、金型の冷却に際して重要な働きをするSiの含有量が多い(請求項では1.5%以下としているものの、実施例では0.3%が下限で、これよりも少ないものは開示されていない)。
Siが0.3%以上多く含有されていると、射出後の金型の冷却性能が不足し、従来に増してのハイサイクル化を実現することが難しい。
加えてこの特許文献1に開示のものでは、Ni-Al金属間化合物の多量析出により金型の靭性の不足を加速してしまう。
更にCuについても、請求項では3.5%以下とされているものの、実施例での下限は0.77%で、何れの実施例もCu量はこれよりも多い。
Cu量が多いと鋼中で縞状の偏析を生じ易く、このような偏析が生じると鋼材の鏡面研磨性が損なわれてしまう。
具体的にはこの特許文献2に開示のものにおいても、Siが多く含有されている(請求項では1.5%以下としているものの、実施例では0.28%が下限でこれよりも少ないものは開示されていない)。
特許文献3はプラスチック成形金型用鋼に関するもので、Mo:0.05〜1.00%,V:0.03〜0.50%含有し、またAl,Niを同時添加してそれらの金属間化合物を時効析出させるといったものではないが、Cuを添加せず、Crの添加量が4.0%以下と添加量が少ない等の点で本発明と異なる。
更にCrの含有量が4.00%以下と低く、またCuの含有量が0.61%以上と多い(請求の範囲では0.50%以上とされているが、実施例に開示のものは最少でも0.61%で他は何れもこれより多い)点でも本発明と異なる。
なお、通常、成形用金型用鋼において、下記に示す成分とその範囲は、不可避的不純物として含まれ得る。
P≦0.03,S≦0.003,Ni≦0.30,Al≦0.10,V≦0.02,W≦0.30,O≦0.01,N≦0.02,Co≦0.30,Nb≦0.004,Ta≦0.004,Ti≦0.004,Zr≦0.004,B≦0.0001,Ca≦0.0005,Se≦0.03,Te≦0.005,Bi≦0.01,Pb≦0.03,Mg≦0.02
ここで平均硬さとは、ランダムに選定した鋼の3部位を切り出して研磨し、ロックウエル硬度計で各部位に5個所打痕し、その3部位5個所の測定値(合計15打痕)を平均した硬さを意味する。
時効析出を利用して鋼の硬さを確保するようにした従来の鋼では、Cuと併せてNi,Alを同時添加し、Ni-Al金属間化合物を時効析出させるものが提案されているが、本発明では鋼の硬さ確保、強化機構としてNi-Alの金属間化合物の時効析出を利用していない。
Cu,Mnは鋼中で縞状に偏析を生じ易い元素で、それらの偏析が生じると鋼にCu,Mn等の濃い部分と薄い部分とが交互に生じる。
この場合、CuやMnの濃い部分と薄い部分とで硬さや靭性等の機械的性質が異なるため、鏡面研磨したときに鋼に縞状(筋状)の凹凸を生ぜしめてしまう。
本発明ではこれらCu,Mnの上限を低く規制することで、こうした問題の発生防止を図っている。
Cuはまた、添加量が多くなると靭性を低下させる。
本発明ではCuの添加量の上限を抑えることで高い靭性を確保している。
熱伝導率の高い(熱伝導性能の高い)鋼を用いて射出成形用の金型を構成したとき、金型の冷却性能が高まり、射出成形時における金型の熱引きが良くなって、成形1サイクル当りの時間を短縮化することができる。即ち射出形成による製品成形をハイサイクル化でき、生産性を高めることができる。
たとえ鋼が鏡面研磨性に優れていたとしても、研磨後に暫く放置しておくと研磨した鏡面に腐食のピットが生じてしまうようなものでは、せっかく鏡面仕上げしてもその後に再び研磨のし直しをしなければならなくなる。
従って鏡面研磨性の求められる鋼においては、併せて研磨面をしばらく放置しておいても容易には錆を生じないような高い耐候性,耐食性が求められる。
[C]:0.040<C<0.100
C≦0.040では、高い鏡面性の確保に必要な硬さ35HRC以上を特に焼戻し温度が高い場合に得にくい。0.100≦Cでは、耐食性が低下し溶接性も悪い。更に0.100≦Cでは、炭化物が増えるため鏡面研磨性の低下を招く。好適な範囲は、硬さと鏡面性と耐食性と溶接性のバランスに優れた0.055<C<0.095である。
Si≦0.03では、被削性の劣化が著しい。0.27≦Siでは、熱伝導率の低下が大きい。好適な範囲は、被削性と熱伝導率のバランスに優れた0.05<Si<0.26である。
図2と表1は,Si量が異なる18種類の0.071C-1.10Mn-0.48Cu-4.02Cr-0.53Mo-0.12V-Si鋼を900℃で3Hr均熱した後に焼入れ,510℃で5Hr焼戻した後の被削性をSi量に対して示している。
Si≦0.03では、切削距離が極端に小さい。切削工具の摩耗を安定して抑制するには、0.03<Siが必要である。0.05<Siなら、更に安定して摩耗を抑制できる。
鋼S1グループ:0.072C-1.10Mn-0.47Cu-0.52Mo-0.11V---4.05Cr---Si鋼
鋼S2グループ:0.072C-1.10Mn-0.47Cu-0.52Mo-0.11V---5.21Cr---Si鋼
鋼S3グループ:0.072C-1.10Mn-0.47Cu-0.52Mo-0.11V---7.98Cr---Si鋼
耐食性に影響する重要な元素Crは3種の添加レベルとし、Siの影響と併せて評価した。
熱伝導率が大きいほど、金型となった場合の冷却能に優れるため好ましい。Crのレベルによって熱伝導率は異なるが、Siの減少で高熱伝導率化する傾向は同じである。
なお、各鋼種の元素量が厳密には基本成分と一致しないものの、ほぼ基本成分通りであった点は、図1〜図2の場合と同じである。したがって、各グループ内(18鋼種)の比較によってSiの影響のみを評価でき、グループ間の比較によってCrの影響のみを評価できる。
当然であるが、本発明の鋼を「粉末や板の積層(焼結や接合)によって金型を製造する」方案に適用すれば、更に大きな冷却効果が得られる。
Mn≦0.30では、焼入れ性が不足して硬さや靭性が不十分となる。1.80≦Mnでは、熱伝導率の低下が著しい。また、1.80≦Mnでは偏析が顕著となる。Mnは凝固時に偏析し易く、著しい偏析は金型となった場合の鏡面研磨性に悪影響を及ぼす。この理由は、Mnの濃い部分と薄い部分で硬さや靭性などの機械的性質が異なるため、鏡面研磨した時の削られ方がMnの濃化部と希薄部で異なり、その結果として偏析に対応した縞模様(凹凸)が型表面に形成されるためである。
凹凸が製品に転写されると、製品の表面品質が大きく低下し、商品価値を失う。すなわち、偏析に起因した凹凸が表面にある金型では良品が製造できない。
好適な範囲は、焼入れ性と熱伝導率と鏡面研磨性のバランスに優れた0.65<Mn<1.50である。
Cuは400〜600℃の加熱によって鋼中に時効析出し、鋼の強度を高め、被削性を改善し、衝撃値を低下させる。Cu≦0.30では、Cuの時効析出による高強度化の効果が小さい。0.61≦Cuでは、熱間加工時の割れが発生し易い。また、0.61≦Cuでは衝撃値の低下が顕著となる。好適な範囲は、高強度化と熱間加工性と衝撃値のバランスに優れた0.40<Cu<0.55である。
Cr≦4.00では、耐食性を改善する効果が小さい。9.00≦Crでは、熱伝導率の低下が顕著である。好適な範囲は、耐食性と熱伝導率のバランスに優れた4.03<Cr<6.00である。耐食性が重要な場合には、熱伝導率はやや低下するものの、6.00≦Cr<8.60が好ましい。
耐食性が低いと、鏡面研磨した型の表面に腐食部が発生し易く、このような金型は再研磨しなければならない。コストや納期の問題から再研磨は好ましくない。したがって、金型には耐食性の良さが求められる。
Mo≦0.04では、必要な硬さ35HRC以上を、特に焼戻し温度が高い場合に得にくい。1.0≦Moでは、破壊靭性値の低下が著しい。好適な範囲は、硬さと破壊靭性値のバランスに優れた0.10<Mo<0.90である。
V≦0.02では、高い鏡面性の確保に必要な硬さ35HRC以上を、特に焼戻し温度が高い場合に得にくい。0.50≦Vでは、衝撃値や機械疲労強度の低下が著しい。この理由は、亀裂発生の起点となる炭化物や窒化物や炭窒化物が増加するためである。また、これらの異物は亀裂発生の起点となるだけでなく、鏡面研磨時に脱落して穴(ピンホール)を生じることもある。好適な範囲は、硬さと衝撃値と機械疲労強度と鏡面研磨性のバランスに優れた0.05<V<0.40である。
本発明鋼は低Cのため、焼戻し温度によっては強度の確保が難しい。そのような場合には、WやCoを選択的に添加し、強度の維持を図ればよい。Wは、炭化物の析出によって強度を上げる。Coは、母材への固溶によって強度を上げると同時に、炭化物形態の変化を介して析出硬化にも寄与する。具体的には、
0.30<W≦4.00
0.30<Co≦3.00
の少なくとも1元素を含有させれば良い。
何れの元素も、所定量を越えると特性の飽和と著しいコスト増を招く。好適な範囲は、0.40≦W≦3.00,0.40≦Co≦2.00である。
本発明鋼では、焼入れ時のオーステナイト結晶粒の成長を抑制する分散粒子がそれほど多くない。このため、予期せぬ設備トラブルなどによって、焼入れ加熱温度が高くなったり焼入れ加熱時間が長くなれば、結晶粒の粗大化による各種特性の劣化が懸念される。そのような場合に備え、Nb,Ta,Ti,Zrを選択的に添加し、これらの元素が形成する微細な析出物でオーステナイト結晶粒の粗大化を抑制することが出来る。具体的には、
0.004<Nb≦0.100
0.004<Ta≦0.100
0.004<Ti≦0.100
0.004<Zr≦0.100
の少なくとも1元素を含有させれば良い。
何れの元素も、所定量を越えると炭化物や窒化物や酸化物が過度に生成し、衝撃値や鏡面研磨性の低下を招く。
近年、部品の大型化や一体化によって、金型のサイズは大きくなる傾向にある。大きな金型は冷却され難い。このため、焼入れ性が低い鋼材の大きな金型を焼入れると、焼入れ中にフェライトやパーライトや粗大ベイナイトが析出して各種特性が劣化する。
本発明鋼はかなり高い焼入れ性を有しており、そのような懸念は少ない。しかし、非常に大きな金型を冷却強度の弱い焼入れ方案で処理した場合にも備え、Bを添加して焼入れ性を更に高めることが出来る。具体的には、
0.0001<B≦0.0050
を含有させる。
なお、BはBNを形成すると焼入れ性の向上効果が無くなるため、鋼中にB単独で存在させる必要がある。具体的には、BよりもNとの親和力が強い元素で窒化物を形成させ、BとNを結合させなければ良い。そのような元素の例としては、請求項3が挙げられる。請求項3の元素は不純物レベルで存在してもNを固定する効果はあるが、N量によっては請求項3の範囲を添加する場合もある。
焼入れ性や低温靭性を高める手段として、Niの添加も有効である。請求項4の鋼では、形成された窒化物が金型の研磨中に脱落して穴(ピンホール)が出来ることもあり、これは金型の表面品質、ひいては製品の表面品質を大きく低下させる原因になる。一方、Ni添加では窒化物が形成されないため、ピンホール抑制と焼入れ性改善に適している。具体的には、
0.30<Ni≦1.50
を含有させる。
Niが所定量を越えるとコスト増と熱伝導率の低下を招く。また、Niは凝固時に偏析し易く、著しい偏析は金型を研磨した場合に表面の縞模様となって鏡面研磨性を悪化させる。この点、先述のMnと同じである。好適な範囲は、焼入れ性と熱伝導率と鏡面研磨性のバランスに優れた0.40<Ni<1.20である。
本発明鋼は、被削性の非常に良い鋼(0.4<Si)よりもSiが低目である。このため、金型形状への機械加工や穴開けが難しくなることも懸念される。そのような場合は、S,Ca,Se,Te,Bi,Pbを選択的に添加し、被削性を改善すれば良い。具体的には、
0.003<S≦0.050
0.0005<Ca≦0.2000
0.03<Se≦0.50
0.005<Te≦0.100
0.01<Bi≦0.30
0.03<Pb≦0.50
の少なくとも1元素を含有させれば良い。
何れの元素も、所定量を越えた場合は被削性の飽和と熱間加工性(金型用素材製造時)の劣化、衝撃値や鏡面研磨性の低下を招く。
本発明において、Mn+Cr+0.5Niが最小となる組成のものではMn+Cr+0.5Ni=4.31となるが、焼入れ性が特に要求される場合は4.60<Mn+Cr+0.5Niとする。これによって、焼入れ冷却中にフェライトやパーライトや粗大ベイナイトが析出する危険性を更に低減できる。
また本発明において、Mn+Cr+0.5Niが最大となる組成のものではMn+Cr+0.5Ni=11.53となるが、熱伝導率が特に要求される場合はMn+Cr+0.5Ni<6.20とする。焼入れ性と熱伝導率のバランスに特に優れた範囲は、4.60<Mn+Cr+0.5Ni<6.20である。更に好適な範囲は、4.80<Mn+Cr+0.5Ni<6.05である。この範囲であれば、適正な焼入れ組織を安定して得ることができ、かつ100℃における熱伝導率は28W/m/K以上となる。
鋼L:0.071C-0.20Si-0.48Cu-0.51Mo-0.12V---4.01Cr-0.31Mn-0.02Ni鋼
鋼M:0.068C-0.21Si-0.50Cu-0.47Mo-0.11V---8.99Cr-1.79Mn-1.50Ni鋼
鋼R1グループ:0.068C-0.22Si-0.47Cu-0.46Mo-0.13V---4.05Cr-Mn-Ni鋼
鋼R2グループ:0.070C-0.24Si-0.54Cu-0.52Mo-0.10V---5.50Cr-Mn-Ni鋼
鋼R3グループ:0.068C-0.20Si-0.50Cu-0.55Mo-0.09V---8.20Cr-Mn-Ni鋼
鋼LはMn+Cr+0.5Niが最小となる組成、鋼MはMn+Cr+0.5Niが最大となる組成のものである。また鋼R1〜R3グループは、請求項9の規定範囲内でMnとNiを任意に添加した15鋼種からなるものである。各グループ5鋼種の成分は、狙いとする基本成分の値と厳密には一致しないが、ほぼ基本成分通りであった。これは、図1に示した8種類の鋼種などの場合と同様である。
図7を見ると、鋼Lでも衝撃値22J/cm2と比較的に高位であり、発明鋼の成分系は焼入れ性に優れる事が分かる。市販材の中には15J/cm2以下の鋼も少なくない。ここで、4.60<Mn+Cr+0.5Niに注目すると、おおよそ25J/cm2以上と見なせ、焼入れ性が特に良い領域である事は明らかである。4.80<Mn+Cr+0.5Niでは、更に安定して高衝撃値を得られる。
Mn+Cr+0.5Ni<6.05では、更に安定して高熱伝導率を得られる。
一方、耐食性や窒化などのニーズによっては4.50<Crとし、6.20≦Mn+Cr+0.5Niでも良い。その場合の焼入れ性はやや過度とも言えるが、衝撃値は高くなるうえ、より大きな金型でも安心して焼入れが出来る。ただし、Mn+Cr+0.5Ni<6.20である鋼よりも熱伝導率は低くなる。それでも、100℃で26W/m/K以上の熱伝導率であれば、金型としての冷却能は充分に大きい。すなわち、6.20≦Mn+Cr+0.5Niについては、熱伝導率が100℃で26W/m/K以上になる成分系を選択すれば良い。
本発明において、0.5Mo+Vが最小となる組成のものでは0.5Mo+V=0.06となるが、硬さを安定して得るには0.19<0.5Mo+Vとする。これによって、35HRC以上の硬さを更に得やすくなる。また本発明において、0.5Mo+Vが最大となる組成のものでは0.5Mo+V=0.99となるが、破壊靭性値や衝撃値や機械疲労強度が特に要求される場合は、0.5Mo+V<0.53とする。上記特性のバランスに特に優れた範囲は、0.19<0.5Mo+V<0.53である。更に好適な範囲は、0.24<0.5Mo+V<0.48である。この範囲であれば、35HRC以上の硬さを安定して得る事ができ、かつ破壊靭性値や衝撃値や機械疲労強度の顕著な低下も無い。
一方、窒化などの後工程上、どうしても高温で焼戻さなければならない事がある。そのような場合には0.53≦0.5Mo+Vでも良い。
鋼L2:0.069C-0.20Si-1.11Mn-0.46Cu-4.04Cr---0.05Mo-0.03V鋼
鋼M2:0.073C-0.24Si-1.15Mn-0.50Cu-4.11Cr---0.99Mo-0.49V鋼
鋼V1グループ:0.066C-0.24Si-1.13Mn-0.53Cu-4.06Cr---0.14Mo-V鋼
鋼V2グループ:0.070C-0.21Si-1.13Mn-0.48Cu-4.09Cr---0.38Mo-V鋼
鋼V3グループ:0.073C-0.20Si-1.15Mn-0.47Cu-4.03Cr---0.64Mo-V鋼
鋼V4グループ:0.069C-0.23Si-1.12Mn-0.51Cu-4.06Cr---0.88Mo-V鋼
の全22鋼種である。鋼L2は0.5Mo+Vが最小となる組成,鋼M2は0.5Mo+Vが最大となる組成のものである。また鋼V1〜V4グループは、請求項10の規定範囲内でVを任意に添加した20鋼種からなるものである。
図9を見ると、鋼L2でも35HRCを越えており、発明鋼の成分系は金型に必要な硬さを安定して得られる事が分かる。ここで、0.19<0.5Mo+Vに注目すると、硬さ上昇の変極点を越えた領域と見なせ、望ましい領域である事は明らかである。0.24<0.5Mo+Vでは、更に安定して硬さ(およそ36HRC以上)を得られる。
しかし、MoとVの量によっては低衝撃値化するとは言え、何れの水準も25J/cm2を越えている。市販材の中には15J/cm2以下の鋼も少なくない。発明鋼は安定して高靭性であることも分かる。
発明鋼の衝撃値は26〜32J/cm2の範囲で安定していると見ることもできるが、ここで、Mo+V<0.53に注目すると、衝撃値が安定する領域と見なせる。Mo+V<0.48では、この傾向が更に顕著となる。
この現象は水冷孔割れと呼ばれる。水冷孔割れを起こした金型は交換することになり、金型費の増加や生産性の低下を招く。すなわち、水冷孔割れは重大なトラブルであり、回避しなければならない。
素材は、後述する発明鋼1、比較鋼2、比較鋼3と同じ合金成分である。
試験片を片持ち状態に支持した後、固定側とは反対の端部側に錘を吊り下げて試験片に曲げの力を付加する。この時、ノッチ部の上側には引張応力が常時作用する。そしてこの状態でノッチ部に水を滴下し続ける。
以上により、水による腐食環境下で引張応力が作用する状況が作り出される。これが、金型の水冷孔割れを模擬しているのである。
素材は、後述する発明鋼1、比較鋼1と同じ合金成分である。
鋼材の部位によって硬さが異なると、被削性や鏡面研磨性を劣化させるため好ましくない。
このブロックを900℃に再加熱し、3Hrの保持後、40〜100℃の油中に浸漬して焼き入れた。さらに、350〜560℃の温度域で5Hr保持して硬さを35〜43HRCに調質した。
調質後のブロック中心付近から切り出した素材で、被削性,衝撃値,熱伝導率,鏡面性,溶接性,耐食性,水冷孔割れの感受性,硬さのバラツキを評価した。また、製造コストも評価した。
鏡面研磨性は、研磨剤の番手を変えて鋼材を磨いた時に、面に不具合(ウネリ,クモリ,ピンホール等)が発生しない上限の番手である。この数字が大きいほど研磨剤の砥粒が小さく、綺麗に磨けることを意味しており、より高品位の金型に使えるため好ましい。
他の特性は、熱伝導率と鏡面研磨性ほどではないが、金型の製造性やメンテナンス性さらには費用に関わるため重要である。これらは、相対比較の記号で示した.◎→○→△→×となるに従って評価は下がる。
結果が表4に示してある。
ブロック材各部位の硬さは、炉内温度バラツキの影響を受けて同一にはならない。先に述べた「硬さ調節のし易さ」の指標として、ここでは硬さバラツキを評価した。硬さバラツキが小さい程、炉温が変動しても硬さが狭い範囲に収まることを意味し、硬さ調整がし易い鋼材ということになる。
また、鏡面研磨性も番手8000以上をクリアしており、表面品質レベルの高い金型に使うことができる。
他の特性は記号による定性評価であるが、発明鋼には「×」が皆無であり、諸特性のバランスが良いことは一目瞭然である。被削性、衝撃値やコストに「△」も極一部あるが、他特性とのバランスで見れば何ら問題はない。
すなわち、熱伝導率と鏡面研磨性の高さを基本性能とし、他特性やコストパフォーマンスにも優れる鋼が本発明である。また、室温における平均硬さも35〜45HRCの範囲内となっている。
また、硬さバラツキは3以内に収まっている。特に,発明鋼22〜発明鋼26を除けば、全てが硬さバラツキ2以内である。すなわち、狭い硬さ規格を要求された場合にも対応可能である。
比較鋼1は鏡面研磨性に優れ、熱伝導率と被削性も高い。一方、衝撃値と耐食性に難があり、割れや錆が問題になる。
比較鋼2は鏡面研磨性に優れ、溶接性も良い。一方、熱伝導率と衝撃値に難があり、金型の冷却能不足や割れが問題になる。
比較鋼3はかなりバランスの良い鋼材である。ただし、熱伝導率が低いため、金型の冷却能が不足する。ハイサイクル化が要求される昨今、これは致命的な欠点である。また、コストも安くはなく、鋼材特性の割には高価な位置づけとなる。
比較鋼4は、熱伝導率が高く被削性も良い。一方、耐食性と鏡面研磨性に難があり、適用範囲はかなり制限される。
比較鋼5は、鏡面研磨性に優れ、耐食性も良い。一方、被削性と熱伝導率に難があり、型加工の難しさや金型の冷却能不足が問題になる。
比較鋼6は、鏡面研磨性に優れ、耐食性も良い。一方、被削性と溶接性と熱伝導率に難があり、型の加工や補修の難しさ、さらには金型の冷却能不足が問題になる。
比較鋼7は、鏡面研磨性に優れ、溶接性と耐食性も良い。一方,熱伝導率に難があり、金型の冷却能不足が問題となる。また、衝撃値も低いため、金型の割れが懸念される。
また、硬さバラツキが3を超える比較鋼もあり、このような鋼材は狭い硬さ規格を要求された場合の対応が困難である。
Claims (10)
- 質量%で
0.040<C<0.100
0.03<Si<0.27
0.30<Mn<1.80
0.30<Cu<0.61
4.00<Cr<9.00
であり、更に
0.04<Mo<1.00
0.02<V<0.50
の少なくとも1種を含み、残部Fe及び不可避的不純物の組成を有することを特徴とする熱伝導性能と鏡面研磨性と耐候性と靭性及び被削性に優れた成形用金型用鋼。 - 請求項1において、質量%で
0.30<W≦4.00
0.30<Co≦3.00
の少なくとも1種を更に含有することを特徴とする熱伝導性能と鏡面研磨性と耐候性と靭性及び被削性に優れた成形用金型用鋼。 - 請求項1,2の何れかにおいて、質量%で
0.004<Nb≦0.100
0.004<Ta≦0.100
0.004<Ti≦0.100
0.004<Zr≦0.100
の少なくとも1種を更に含有することを特徴とする熱伝導性能と鏡面研磨性と耐候性と靭性及び被削性に優れた成形用金型用鋼。 - 請求項1〜3の何れかにおいて、質量%で
0.0001<B≦0.0050
を更に含有することを特徴とする熱伝導性能と鏡面研磨性と耐候性と靭性及び被削性に優れた成形用金型用鋼。 - 請求項1〜3の何れかにおいて、質量%で
0.30<Ni≦1.50
を更に含有することを特徴とする熱伝導性能と鏡面研磨性と耐候性と靭性及び被削性に優れた成形用金型用鋼。 - 請求項1〜5の何れかにおいて、質量%で
0.003<S≦0.050
0.0005<Ca≦0.2000
0.03<Se≦0.50
0.005<Te≦0.100
0.01<Bi≦0.30
0.03<Pb≦0.50
の少なくとも1種を更に含有することを特徴とする熱伝導性能と鏡面研磨性と耐候性と靭性及び被削性に優れた成形用金型用鋼。 - 請求項1〜6の何れかにおいて、室温における平均硬さが35〜45HRCの範囲内であることを特徴とする熱伝導性能と鏡面研磨性と耐候性と靭性及び被削性に優れた成形用金型用鋼。
- 請求項7において、レーザーフラッシュ法で測定した熱伝導率が100℃において26W/m/K以上であることを特徴とする熱伝導性能と鏡面研磨性と耐候性と靭性及び被削性に優れた成形用金型用鋼。
- 請求項7,8の何れかにおいて、質量%で
4.60<Mn+Cr+0.5Ni<6.20
であることを特徴とする熱伝導性能と鏡面研磨性と耐候性と靭性及び被削性に優れた成形用金型用鋼。 - 請求項7〜9の何れかにおいて、質量%で
0.19<0.5Mo+V<0.53
であることを特徴とする熱伝導性能と鏡面研磨性と耐候性と靭性及び被削性に優れた成形用金型用鋼。
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