[go: up one dir, main page]

JP2013155270A - ホース用ゴム組成物およびそれを用いたホース - Google Patents

ホース用ゴム組成物およびそれを用いたホース Download PDF

Info

Publication number
JP2013155270A
JP2013155270A JP2012016283A JP2012016283A JP2013155270A JP 2013155270 A JP2013155270 A JP 2013155270A JP 2012016283 A JP2012016283 A JP 2012016283A JP 2012016283 A JP2012016283 A JP 2012016283A JP 2013155270 A JP2013155270 A JP 2013155270A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
hose
component
plasticizer
rubber composition
rubber
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2012016283A
Other languages
English (en)
Inventor
Akira Hirai
亮 平井
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sumitomo Riko Co Ltd
Original Assignee
Sumitomo Riko Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Sumitomo Riko Co Ltd filed Critical Sumitomo Riko Co Ltd
Priority to JP2012016283A priority Critical patent/JP2013155270A/ja
Publication of JP2013155270A publication Critical patent/JP2013155270A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Rigid Pipes And Flexible Pipes (AREA)
  • Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)

Abstract

【課題】挿入助剤を使用しなくてもホース口金の挿入荷重を低減させることができ、さらに、組み付け後のホース抜け等の問題も解消することができるホース用ゴム組成物、およびそれを用いたホースを提供する。
【解決手段】下記の(A)をゴム成分として含有するとともに、下記の(B)〜(D)成分を含有するホース用ゴム組成物であって、(A)成分100重量部に対する(B)成分の含有量が0.5〜10重量部であるホース用ゴム組成物とする。そして、これを用い、ホース最内層を形成する。
(A)エチレン−プロピレン−ジエン三元共重合ゴム(EPDM)。
(B)SP値が9.2以上の可塑剤。
(C)DBP吸油量が100ml/100g以上のカーボンブラック。
(D)架橋剤。
【選択図】なし

Description

本発明は、ホース用ゴム組成物およびそれを用いたホースに関するものであり、詳しくは、エンジン等の装置との組付け性に優れるホースに使用されるホース用ゴム組成物、およびそれを用いたホースに関するものである。
従来から、自動車等に用いられるホースは、ホース口金に組み付けする際のシール性等を確保するため、その最内層がゴムで形成されていることが多い。また、このようなホースは、通常、積層構造を有しており、例えば、ホースの耐圧性、耐久性等を向上させるため、ホースの外周面や層間に、ナイロン繊維や芳香族ポリアミド繊維、ポリエステル繊維等からなる補強糸を編組してなる補強糸層が積層されている。
上記ホースの、エンジンルーム内の各装置への取付けは、通常、上記各装置に備えられている略筒状のホース口金を、上記ホースの端部開口に挿入することにより行われる。
そして、上記のようにホースの取付けを行う際、ホースの挿入荷重を軽減するため、上記ホース口金の外周面または上記ホース端部開口の内周面に、挿入助剤(潤滑油)が塗布されることがある(例えば、特許文献1参照)。
特開昭58−187688号公報
しかしながら、上記のように挿入助剤を使用すると、挿入後、ホース口金外周面とホース内周面との間に残留する挿入助剤により、ホースが口金から抜けたりずれたりしやすくなる等といった問題が生じる場合がある。特に、エンジンルーム内では強い振動が発生するため、その振動により、ホースに強い引張り力が加わり易く、上記のようなホースの抜け等が生じやすい。さらに、挿入助剤の使用は、その塗布量管理を含め工数が余計にかかるため面倒なこともある。そのため、これらのことが問題となる状況では、挿入助剤を使用せずにホースの取付けが行われているのが現状である。
ところが、ラジエーターホースやヒーターホース、ターボエアーホースや耐圧性が必要な燃料ホース等は、先に述べたように、耐圧性を高めるため、通常、補強糸層が構成されており、そのため、上記ホース口金の挿入がきつい場合が多い。このように挿入がきつく(挿入荷重が大きく)なっても、上記のようにホースの抜け等が生じやすい個所では、挿入助剤を使用せずに無理やり挿入作業を行わなければならないため、それによる組み付け作業効率の悪化や、作業者の健康被害が懸念される。そこで、上記補強糸層を構成する補強糸の編角を小さくし、上記口金の挿入時に、ホースの拡径がしやすくなるようホース側を設計することも検討されているが、上記のように補強糸の編角を小さくすると、拡径されたホース開口の収縮力が小さくなり、ホースの結合性が悪くなるため、ホース抜けが生じやすくなる。しかも、補強糸の編角を小さくすると、補強糸層によるホース補強効果も低下するため、ホース内の内圧上昇に伴いホースが径方向に膨張変形し、ホース性能の面で問題となる。そのため、補強糸の編角を小さく変更しなくとも、ホース口金の挿入性を改善する手法が求められている。
本発明は、このような事情に鑑みなされたもので、挿入助剤を使用しなくてもホース口金の挿入荷重を低減させることができ、さらに、組み付け後のホース抜け等の問題も解消することができるホース用ゴム組成物、およびそれを用いたホースの提供をその目的とする。
上記の目的を達成するため、本発明は、下記の(A)をゴム成分として含有するとともに、下記の(B)〜(D)成分を含有するホース用ゴム組成物であって、(A)成分100重量部に対する(B)成分の含有量が0.5〜10重量部であるホース用ゴム組成物を第1の要旨とする。
(A)エチレン−プロピレン−ジエン三元共重合ゴム(EPDM)。
(B)SP値が9.2以上の可塑剤。
(C)DBP吸油量が100ml/100g以上のカーボンブラック。
(D)架橋剤。
また、本発明は、ホースの最内層が、上記第1の要旨のホース用ゴム組成物からなるホースを第2の要旨とする。
すなわち、本発明者は、前記課題を解決するため鋭意研究を重ねた。その研究の過程で、本発明者は、ホースの最内層形成用のゴム組成物に、耐水性,耐熱性等に優れるエチレン−プロピレン−ジエン三元共重合ゴム(EPDM)を用いるとともに、これに、摩擦力を低減させる物質を事前に含有させておき、挿入助剤を塗布しなくても挿入荷重を低減させるようにすることを検討した。そして、その具体的手法として、本発明者は、ゴム組成物中に可塑剤を添加し、これを意図的にブリードさせ、ホース内周面を自己潤滑させることを想起した。しかしながら、意図的にブリードさせるには、可塑剤等の多量配合を伴ったり、ブリードしやすい可塑剤を選択したりする必要があり、それによりゴム物性(圧縮永久歪み性等)が低下し、ホースのシール性等を損なうおそれがある。また、上記ブリードが多すぎると、外観不良等の問題もある。逆に、上記ブリードが少なすぎると、摩擦力の低減効果が得られないことから、その調整には困難を伴う。これらのことを勘案し、本発明者が更なる実験を重ねた結果、EPDMに、SP値が9.2以上の可塑剤を特定量(EPDM100重量部に対し0.5〜10重量部)配合し、さらに、DBP吸油量が100ml/100g以上のカーボンブラックを配合すると、所期の目的が達成できることを見いだし、本発明に到達した。
詳しく説明すると、通常、ゴム組成物に配合される可塑剤には、そのポリマーのSP値と近いものが使用されるところを、本発明では、ポリマーであるEPDMのSP値から大きく離れた(SP値が9.2以上の)可塑剤を使用し、意図的にブリードしやすくして、ホース口金の挿入荷重を低減させている。それとともに、本発明のホース用ゴム組成物には、DBP吸油量が100ml/100g以上のカーボンブラックが配合されていることから、ホース口金の挿入後、上記カーボンブラックにより、ホース口金外周面とホース内周面との間に残留する可塑剤が吸収および除去されて、充分な締結力が得られるようになり、その結果、振動等によりホースが口金から抜けたりずれたりしやすくなるといった問題が解消されるようになる。
以上のように、本発明のホース用ゴム組成物は、EPDMと、SP値が9.2以上の可塑剤と、DBP吸油量が100ml/100g以上のカーボンブラックと、架橋剤とを含有し、上記可塑剤の含有割合が特定の範囲に設定されたものである。そのため、本発明のホース用ゴム組成物を、例えば、ホースの最内層形成用途に用いると、耐水性,耐熱性,シール性等に優れるとともに、上記可塑剤のブリードにより、挿入助剤を塗布しなくてもホース口金の挿入荷重を低減させることができる。これにより、ホースの組み付け作業(挿入作業)が容易となり、さらに、挿入助剤の塗布量管理等が不要となることから作業コストを抑えることができる。また、上記ゴム組成物をホースの最内層形成用途に用いると、ホースの組み付け作業後、ホース内周面にブリードしていた可塑剤が経時により吸収および除去されることから、組み付け後のホース抜け等の問題も解消することができる。そのため、上記ホースは、エンジンルーム内等のように、強い振動が発生する個所(組み付け後のホース抜け等が懸念されるために挿入助剤を使用できなかった個所)への組み付け作業性の改善に、大いに貢献することができる。
つぎに、本発明の実施の形態について詳しく説明する。ただし、本発明は、この実施の形態に限られるものではない。
本発明のホース用ゴム組成物(以下、「ゴム組成物」という場合もある。)は、エチレン−プロピレン−ジエン三元共重合ゴム(EPDM)(A成分)と、特定の可塑剤(B成分)と、特定のカーボンブラック(C成分)と、架橋剤(D成分)とを含有し、上記B成分の可塑剤の含有割合が特定の範囲に設定されたものである。以下に、上記各成分について説明する。
《EPDM(A成分)》
本発明のホース用ゴム組成物に用いられるEPDM(A成分)としては、そのジエン系モノマー(第3成分)が、炭素数5〜20のジエン系モノマーであるものが好ましく、具体的には、1,4−ペンタジエン、1,4−ヘキサジエン、1,5−ヘキサジエン、2,5−ジメチル−1,5−ヘキサジエン、1,4−オクタジエン、1,4−シクロヘキサジエン、シクロオクタジエン、ジシクロペンタジエン(DCP)、5−エチリデン−2−ノルボルネン(ENB)、5−ブチリデン−2−ノルボルネン、2−メタリル−5−ノルボルネン、2−イソプロペニル−5−ノルボルネン等があげられる。これらジエン系モノマー(第3成分)のなかでも、ジシクロペンタジエン(DCP)、5−エチリデン−2−ノルボルネン(ENB)が好ましい。
なお、必要に応じ、EPDMとともに、エチレン−プロピレン共重合ゴム(EPM)をブレンドして使用することも可能である。
《特定の可塑剤(B成分)》
上記EPDMとともに用いられる特定の可塑剤(B成分)としては、SP値が9.2以上の可塑剤が使用される。すなわち、上記可塑剤のSP値が低すぎると、EPDM(A成分)のSP値に近づくことから、可塑剤の意図的なブリードが起こりにくく、摩擦力の低減効果(ホース口金の挿入荷重の低減効果)が得られないからである。
また、上記可塑剤のSP値は、好ましくは9.2〜10.2の範囲であり、より好ましくは9.2〜9.9の範囲である。すなわち、SP値が上記範囲より低すぎると、ホース口金の挿入荷重の低減効果が効果的に得られないからであり、逆にSP値が上記範囲を超えると、可塑剤の過剰なブリードにより、ゴム物性の低下や、組み付け後のホース抜け等の問題が発生するおそれがあるからである。
ここで、SP値とは、溶解性パラメータとも言われ、物質の極性を示す指標であり、下記の式(1)により求めることができる。
Figure 2013155270
上記特定の可塑剤(B成分)としては、具体的には、フタル酸ジブチル、フタル酸オクチルベンジル、フタル酸ノニルベンジル、ジプロピレングリコールジベンゾエート、リン酸トリクレジル、ブチルベンジルフタレート等があげられる。これらは単独でもしくは2種以上併せて用いられる。
上記特定の可塑剤(B成分)の含有量は、EPDM(A成分)100重量部に対して0.5〜10重量部の範囲内であり、好ましくは2〜7重量部である。すなわち、B成分の可塑剤の含有量が少なすぎると、可塑剤の意図的なブリードが生じにくく、これによる摩擦力の低減効果(ホース口金の挿入荷重の低減効果)が得られないからであり、逆に、B成分の可塑剤の含有量が多すぎると、過剰なブリードによる外観不良等の問題や、ゴム物性(圧縮永久歪み性等)の低下によるホースのシール性等の低下がみられるようになるからである。
《特定のカーボンブラック(C成分)》
上記EPDMおよび可塑剤とともに用いられる特定のカーボンブラック(C成分)としては、DBP吸油量が100ml/100g以上のカーボンブラックが用いられる。すなわち、上記特定のカーボンブラックであると、ブリードした可塑剤(B成分)を吸収することから、ホース口金の挿入荷重の低減のために意図的にブリードさせた可塑剤(ホース口金外周面とホース内周面との間に残留する可塑剤)を吸収および除去することができ、結果、振動等によりホースが口金から抜けたりずれたりしやすくなるといった問題を解消することができる。なお、上記DBP吸油量は、JIS K 6217(A法)によって測定した値である。
そして、上記カーボンブラックのDBP吸油量は、好ましくは100〜160ml/100gの範囲であり、より好ましくは100〜140ml/100gの範囲である。すなわち、カーボンブラックのDBP吸油量が上記範囲より低すぎると、ホース口金外周面とホース内周面との間に残留する可塑剤を吸収および除去することが充分にできず、結果、振動等によりホースが口金から抜けたりずれたりするおそれがあり、逆に、カーボンブラックのDBP吸油量が上記範囲を超えると、ブリードが不充分になる可能性があるからである。
上記特定のカーボンブラックの含有量は、EPDM(A成分)100重量部に対して50〜190重量部が好ましく、特に好ましくは80〜160重量部、最も好ましくは100〜140重量部である。すなわち、上記特定のカーボンブラックの含有量が少なすぎると、ホース口金の挿入荷重の低減のために意図的にブリードさせた可塑剤(ホース口金外周面とホース内周面との間に残留する可塑剤)を充分に吸収および除去することができず、振動等によりホースが口金から抜けたりずれたりしやすくなる傾向がみられ、逆に、上記特定のカーボンブラックの含有量が多すぎると、ホースの可撓性を阻害する傾向がみられるからである。
《架橋剤(D成分)》
上記架橋剤(D成分)としては、例えば、硫黄、塩化硫黄等の硫黄系加硫剤や、2,4−ジクロロベンゾイルペルオキシド、ベンゾイルペルオキシド、1,1−ジ−t−ブチルペルオキシ−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、2,5−ジメチル−2,5−ジベンゾイルペルオキシヘキサン、n−ブチル−4,4′−ジ−t−ブチルペルオキシバレレート、ジクミルパーオキサイド、t−ブチルペルオキシベンゾエート、ジ−t−ブチルペルオキシ−ジイソプロピルベンゼン、t−ブチルクミルパーオキサイド、2,5−ジメチル−2,5−ジ−t−ブチルペルオキシヘキサン、ジ−t−ブチルパーオキサイド、2,5−ジメチル−2,5−ジ−t−ブチルペルオキシヘキシン−3、1,3−ビス−(t−ブチルパーオキシ−イソプロピル)ベンゼン等の過酸化物加硫剤があげられる。これらは単独でもしくは2種以上併せて用いられる。なかでも、硫黄、ジクミルパーオキサイドが好適に用いられる。
上記架橋剤(D成分)の含有量は、EPDM(A成分)100重量部に対して0.5〜15重量部が好ましく、特に好ましくは1〜10重量部、最も好ましくは2〜7重量部である。すなわち、上記架橋剤(D成分)の含有量が少なすぎると、引張り強度が低下する傾向がみられ、上記架橋剤(D成分)の含有量が多すぎると、耐スコーチ性の悪化や伸びが小さくなる傾向がみられるからである。
本発明のホース用ゴム組成物は、例えば、EPDM(A成分)、特定の可塑剤(B成分)、特定のカーボンブラック(C成分)および架橋剤(D成分)とともに、必要に応じて、加硫促進剤、加硫助剤、プロセスオイル、共架橋剤、老化防止剤、充填剤等を配合し、これらをニーダー,バンバリーミキサー,ロール等の混練機を用いて混練することにより、調製することができる。
そして、本発明のホースは、上記のようにして調製されたホース用ゴム組成物を用い、例えば、つぎのようにして作製することができる。すなわち、まず、上記のようにして調製したホース用ゴム組成物を管状(円筒状)に押出成形し、未加硫ホースを作製する。なお、上記押出成形の際に、ストレート形状のマンドレル上にゴム組成物を押出成形し、未加硫ホースを作製することも可能である。その後、所定の条件(140〜160℃×30〜60分)で加硫することにより、所望のホースを得ることができる。
また、必要に応じ、上記のようにして得られた単層構造のホースの外周に、補強糸層,ゴム層,樹脂層等を形成して、多層構造のホースとしても差し支えない。
上記のように、ホースの最内層が、本発明のホース用ゴム組成物からなると、耐水性,耐熱性,シール性等に優れるとともに、最内層からブリードする可塑剤により、挿入助剤を塗布しなくてもホース口金の挿入荷重を低減させることができる。これにより、ホースの組み付け作業(挿入作業)が容易となり、さらに、挿入助剤の塗布量管理等が不要となることから作業コストを抑えることができる。また、ホースの組み付け作業後、ホース内周面にブリードしていた可塑剤が吸収および除去されることから、組み付け後のホース抜け等の問題も解消することができる。そのため、上記ホースは、エンジンルーム内等のように、強い振動が発生する個所(組み付け後のホース抜け等が懸念されるために挿入助剤を使用できなかった個所)への組み付け作業性の改善に、大いに貢献することができる。
そして、上記最内層の外周に、補強糸層を構成すると、ホースの耐圧性、耐久性等に優れるようになるため、好ましい。なお、上記補強糸層は、ホースの外周面に形成されていても、層間に形成されていてもよい。
上記補強糸層を形成するための補強糸としては、例えば、ナイロン補強糸、芳香族ポリアミド(アラミド)繊維、ポリエチレンテレフタレート(PET)等のポリエステル繊維、ナイロン6,ナイロン66等のナイロン(ポリアミド)繊維、ポリビニルアルコール(ビニロン)繊維等からなる糸があげられる。これらは単独であるいは二種以上併せて用いられる。なかでも、振動伝達性と耐熱性、耐圧性の抑制効果の点で、芳香族ポリアミド繊維やポリエステル繊維からなる補強糸が好適に用いられる。
上記補強糸の編み組み方法は、例えば、スパイラル巻き,ブレード編み,ニッティング編み等があげられる。
本発明のホースにおいて、その最内層の厚み(単層構造の場合は、その厚み)は、1〜15mmが好ましく、特に好ましくは2〜10mmである。また、ホース内径は、6〜60mmが好ましく、特に好ましくは15〜40mmである。すなわち、この範囲に設定することにより、先に述べたような、本発明のホース用ゴム組成物からなる最内層を備えたホースに特有の作用効果を有利に得ることができる。
本発明のホースは、ホース全般に使用することが可能であり、例えば、ラジエーターホース,ヒーターホース,ドレーンホース等の水系ホース、ターボエアーホース,バキュームブレーキホース等のエアーホースに使用することができる。そして、上記ホースは、自動車,トラクター,耕運機,船舶等の輸送機に、好適に用いられる。
つぎに、実施例について比較例と併せて説明する。ただし、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
まず、実施例および比較例に先立ち、下記に示す材料を準備した。
〔EPDM〕
住友化学工業社製、エスプレン532(ジエン量:3.5重量%)
〔ステアリン酸〕
日本油脂社製、ビーズステアリン酸さくら
〔酸化亜鉛〕
三井金属鉱業社製、酸化亜鉛2種
〔可塑剤(A1)〕
ADEKA社製、アデカサイザーRS−107
〔可塑剤(A2)〕
出光石油社製、ダイアナプロセスPW−32
〔可塑剤(A3)〕
昭和エーテル社製、フタル酸ブチルベンジル
〔カーボンブラック(B1)〕
キャボット社製、ショウブラックIP200
〔カーボンブラック(B2)〕
東海カーボン社製、シーストS
〔カーボンブラック(B3)〕
東海カーボン社製、シーストSO
〔滑剤(C1)〕
ライオン・アクゾ社製、アーモスリップCP−P
〔滑剤(C2)〕
日本化成社製、ダイヤミッドL200
〔プロセスオイル〕
日本サン石油社製、サンフレックス2280
〔加硫促進剤(i)〕
三新化学工業社製、サンセラーTT−G
〔加硫促進剤(ii)〕
三新化学工業社製、サンセラーTET−G
〔加硫促進剤(iii)〕
三新化学工業社製、サンセラーCZ−G
〔加硫促進剤(iv)〕
大内新興化学工業社製、ノクセラーBZ−G
〔加硫剤(硫黄)〕
鶴見化学工業社製、サルファックスT−10
〔実施例1〜7、比較例1〜8〕
上記各成分を後記の表1および表2に示す割合で配合し、バンバリーミキサーおよびオープンロールを用いて混練して、ゴム組成物を調製した。具体的には、加硫剤および加硫促進剤を除く成分を、バンバリーミキサーで5分間混練し、150℃に達したときに放出し、マスターバッチを得た後、そのマスターバッチに、加硫剤および加硫促進剤を同表に示す割合で配合し、これらをオープンロールで混練してゴム組成物を調製した。
このようにして得られた実施例および比較例のゴム組成物を、内径30mm、肉厚4mmで管状(円筒状)に押出成形した後、長さ300mmにカットして、外径30mmのストレート金属マンドレルを内挿した。そして、160℃で20分間スチーム加硫を行った後、金属マンドレルから抜き取り、ゴムホースを得た。このゴムホースに関し、下記の基準に従い、各特性の評価を行った。これらの結果を、後記の表1および表2に併せて示した。
〔挿入性〕
上記のようにして得られた各ゴムホースの端部開口に、外径17mmの金属パイプを手で挿入し、そのときのホース側の荷重(挿入荷重)の最大値を、オートグラフ(TOYOSEIKI社製、STORAGRAPH)により測定した。そして、その値が90N未満であるものを「○」と評価し、90N以上150N未満であるものを「△」と評価し、150N以上であるものを「×」と評価した。なお、後記の表1に示すように、比較例2のみ、ホース内表面に挿入助剤(潤滑油)の塗布を行い、上記挿入を行った。
〔シール性〕
上記のようにして得られた各ゴムホースに、水で50%に希釈したJIS K 2234に適合する不凍液(LLC)を封入し、120℃雰囲気下で0.05MPa加圧し30秒間保持し、漏れが無い場合は更に0.05MPa加圧(30秒間保持)を繰り返し、漏れた圧力を測定した。そして、その値が0.50MPa以上であるものを「○」と評価し、0.35MPa以上0.50MPa未満であるものを「△」と評価し、0.35MPa未満であるものを「×」と評価した。なお、後記の表1に示すように、比較例1のみ、ホース内面に挿入助剤(潤滑油)の塗布を行い、上記挿入を行った。
〔圧縮永久歪み性〕
各ゴムホースを構成するゴムについて、JIS K 6262に準じて、−25℃雰囲気下48時間後の低温圧縮永久歪み試験を評価した。そして、その値が80%未満であるものを「○」と評価し、80%以上であるものを「×」と評価した。
Figure 2013155270
Figure 2013155270
上記表の結果より、実施例のゴムホースはいずれも、挿入助剤の塗布なしに金属パイプの挿入性に優れており、しかも、シール性および圧縮永久歪み性評価においても、優れた結果が得られた。
これに対し、比較例1では、可塑剤を含有しておらず、しかも、実施例と同様に挿入助剤の塗布を行ってないことから、金属パイプの挿入性に劣る結果となった。比較例2では、挿入助剤の塗布を行ったことから、金属パイプの挿入性に優れる結果となったが、挿入後のシール性が悪化した。比較例3では、可塑剤のSP値が小さすぎることから、金属パイプの挿入性に劣る結果となった。比較例4では、カーボンブラックのDBP吸油量が小さすぎることから、可塑剤の吸収および除去が不充分であったのかシール性が悪化した。比較例5,比較例6では、ゴムホース中の滑剤の作用により、金属パイプの挿入性に優れる結果となったが、実施例に比べ、圧縮永久歪み性に劣る結果となった。比較例7では、特定の可塑剤の含有量が少なすぎることから、可塑剤の意図的なブリードが生じにくく、金属パイプの挿入性に劣る結果となった。比較例8では、特定の可塑剤の含有量が多すぎることから、過剰なブリードによりシール性に劣る結果となった。
本発明のホース用ゴム組成物は、例えば、ラジエーターホース,ヒーターホース,ドレーンホース等の水系ホース、ターボエアーホース,バキュームブレーキホース等のエアーホース、ベーパーホースなど低濃度の燃料を輸送するための燃料ホースに使用することができる。そして、上記ホースは、自動車,トラクター,耕運機,船舶等の輸送機に使用することができる。

Claims (4)

  1. 下記の(A)をゴム成分として含有するとともに、下記の(B)〜(D)成分を含有するホース用ゴム組成物であって、(A)成分100重量部に対する(B)成分の含有量が0.5〜10重量部であることを特徴するホース用ゴム組成物。
    (A)エチレン−プロピレン−ジエン三元共重合ゴム(EPDM)。
    (B)SP値が9.2以上の可塑剤。
    (C)DBP吸油量が100ml/100g以上のカーボンブラック。
    (D)架橋剤。
  2. 上記(A)成分100重量部に対する(C)成分の含有量が50〜190重量部である請求項1記載のホース用ゴム組成物。
  3. ホースの最内層が、請求項1または2記載のホース用ゴム組成物からなることを特徴とするホース。
  4. 上記最内層の外周に、補強糸層を構成する請求項3記載のホース。
JP2012016283A 2012-01-30 2012-01-30 ホース用ゴム組成物およびそれを用いたホース Pending JP2013155270A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2012016283A JP2013155270A (ja) 2012-01-30 2012-01-30 ホース用ゴム組成物およびそれを用いたホース

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2012016283A JP2013155270A (ja) 2012-01-30 2012-01-30 ホース用ゴム組成物およびそれを用いたホース

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2013155270A true JP2013155270A (ja) 2013-08-15

Family

ID=49050791

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2012016283A Pending JP2013155270A (ja) 2012-01-30 2012-01-30 ホース用ゴム組成物およびそれを用いたホース

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2013155270A (ja)

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2016150525A (ja) * 2015-02-18 2016-08-22 住友理工株式会社 耐熱ホース用アクリル系ゴム組成物およびそれを用いた耐熱ホース、並びに耐熱ホースの製法
JP2017015123A (ja) * 2015-06-29 2017-01-19 住友理工株式会社 補強糸レスホース
WO2022050098A1 (ja) * 2020-09-02 2022-03-10 Nok株式会社 エチレン・プロピレン系共重合ゴム組成物

Citations (9)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH0940806A (ja) * 1995-07-25 1997-02-10 Japan Synthetic Rubber Co Ltd ゴムホース
JPH1019173A (ja) * 1996-07-05 1998-01-23 Tokai Rubber Ind Ltd 車両用冷却液輸送ホース
JP2000072940A (ja) * 1998-08-28 2000-03-07 Tokyo Rubber Seisakusho:Kk 耐電気化学的劣化性ゴムホース組成物および多層ゴムホース
JP2001131347A (ja) * 1999-11-08 2001-05-15 Tokai Rubber Ind Ltd ゴム組成物及び自動車用燃料輸送ホース
JP2004169824A (ja) * 2002-11-20 2004-06-17 Tokai Rubber Ind Ltd 可撓性ホース
JP2005179523A (ja) * 2003-12-19 2005-07-07 Yokohama Rubber Co Ltd:The ゴム組成物およびそれを用いた有機繊維補強ホース
WO2008108198A1 (ja) * 2007-03-07 2008-09-12 The Yokohama Rubber Co., Ltd. ゴム組成物およびそれを用いた加硫ゴム製品
JP2008256908A (ja) * 2007-04-04 2008-10-23 Canon Chemicals Inc 帯電部材用導電性ゴムローラ
WO2010109532A1 (ja) * 2009-03-26 2010-09-30 バンドー化学株式会社 摩擦伝動ベルト

Patent Citations (9)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH0940806A (ja) * 1995-07-25 1997-02-10 Japan Synthetic Rubber Co Ltd ゴムホース
JPH1019173A (ja) * 1996-07-05 1998-01-23 Tokai Rubber Ind Ltd 車両用冷却液輸送ホース
JP2000072940A (ja) * 1998-08-28 2000-03-07 Tokyo Rubber Seisakusho:Kk 耐電気化学的劣化性ゴムホース組成物および多層ゴムホース
JP2001131347A (ja) * 1999-11-08 2001-05-15 Tokai Rubber Ind Ltd ゴム組成物及び自動車用燃料輸送ホース
JP2004169824A (ja) * 2002-11-20 2004-06-17 Tokai Rubber Ind Ltd 可撓性ホース
JP2005179523A (ja) * 2003-12-19 2005-07-07 Yokohama Rubber Co Ltd:The ゴム組成物およびそれを用いた有機繊維補強ホース
WO2008108198A1 (ja) * 2007-03-07 2008-09-12 The Yokohama Rubber Co., Ltd. ゴム組成物およびそれを用いた加硫ゴム製品
JP2008256908A (ja) * 2007-04-04 2008-10-23 Canon Chemicals Inc 帯電部材用導電性ゴムローラ
WO2010109532A1 (ja) * 2009-03-26 2010-09-30 バンドー化学株式会社 摩擦伝動ベルト

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2016150525A (ja) * 2015-02-18 2016-08-22 住友理工株式会社 耐熱ホース用アクリル系ゴム組成物およびそれを用いた耐熱ホース、並びに耐熱ホースの製法
JP2017015123A (ja) * 2015-06-29 2017-01-19 住友理工株式会社 補強糸レスホース
WO2022050098A1 (ja) * 2020-09-02 2022-03-10 Nok株式会社 エチレン・プロピレン系共重合ゴム組成物

Similar Documents

Publication Publication Date Title
CN101407602B (zh) 机动车用非水系管橡胶组合物及采用其的非水系管
JPH02190692A (ja) ゴムホース
US11413842B2 (en) Rubber laminate and flexible hose using same
JP5533745B2 (ja) 冷媒輸送用ホース
JP4732720B2 (ja) 冷媒輸送用ホース
JP2007269008A (ja) 耐熱エアーホース
US6552128B2 (en) Rubber composition
JP2004169824A (ja) 可撓性ホース
JP3945327B2 (ja) 自動車用ホース
JP3319309B2 (ja) 補強ゴムホース
JP2013155270A (ja) ホース用ゴム組成物およびそれを用いたホース
JP6126462B2 (ja) 積層ゴムホース
JP4781035B2 (ja) バキュームブレーキホースおよびその製法
JP2018083895A (ja) ホース用ゴム組成物及びホース
JP6595229B2 (ja) 補強糸レスホース
JP5622506B2 (ja) 冷媒輸送ホース用樹脂組成物およびそれを用いて得られる冷媒輸送ホース
JP4556333B2 (ja) 自動車用ホース
US20160305581A1 (en) Fuel transport hose and method
JP7329327B2 (ja) 水系ホース用ゴム組成物およびそれを用いて得られる水系ホース
JP4556332B2 (ja) 自動車用ホース
JP2017120122A (ja) ホースおよびその製法
JP2006247883A (ja) オイルホース
JP3514283B2 (ja) 自動車用潤滑油ゴムホース
JP5038252B2 (ja) 耐熱エアーホース
JP2010065779A (ja) 自動車用耐負圧ホースおよびその製法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20141001

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20141121

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20150527

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20150602

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20151013