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JP2013150498A - 同期電動機の制御装置及び制御方法 - Google Patents

同期電動機の制御装置及び制御方法 Download PDF

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JP2013150498A
JP2013150498A JP2012010875A JP2012010875A JP2013150498A JP 2013150498 A JP2013150498 A JP 2013150498A JP 2012010875 A JP2012010875 A JP 2012010875A JP 2012010875 A JP2012010875 A JP 2012010875A JP 2013150498 A JP2013150498 A JP 2013150498A
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Kiyoshi Ishibashi
聖 石橋
Tokuo Kawamura
篤男 河村
Daisuke Maeda
大輔 前田
Hidefumi Shirahama
秀文 白濱
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Hitachi Ltd
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Abstract

【課題】同期電動機および同期電動機に接続される負荷の製造ばらつきや環境上のばらつきに起因するトルクリプルを低減できる実用的な同期電動機の制御装置及び制御方法を提供することを目的とする。
【解決手段】インバータを含む電力変換回路から三相交流を供給される同期電動機の制御装置において、同期電動機のdq軸電流を求めるdq軸電流算出手段と、dq軸電流算出手段の出力からq軸電流指令値を得るq軸電流指令作成器と、q軸電流指令値を用いてq軸電圧指令値を与える電圧指令値作成器と、電圧指令値作成器の出力からインバータを駆動する為の三相交流電圧指令値を得る変換回路と、同期電動機の誘起電圧高調波とトルクリプルを推定し、トルクリプルを低減する為の補償信号を求めるトルクリプル低減制御器とを備え、補償信号によりq軸電圧指令値を修正することを特徴とする。
【選択図】図1

Description

本発明は同期電動機の制御装置及び制御方法にかかり、特にトルクリプルによる振動を軽減することのできる同期電動機の制御装置及び制御方法に関する。
広範囲の可変速制御や電力消費量節減に貢献できる電動機として、同期電動機が広く採用されている。例えば近年のエアコンや給湯器などのファンモータとして使用されている。これらの用途では、低騒音、低振動であることが求められており、この達成のために正弦波状の誘起電圧波形となるように設計がされている。
然しながら、同期電動機の製造バラツキなどに起因し、5次や7次の高調波成分が重畳してくる。また同期電動機に接続されるファンについても、ファンの製造バラツキなどに起因して負荷トルクが一定とならずにトルク振動の要因となっている。
これらのいわゆるトルクリプルの低減策について、従来から多くの検討がなされている。例えば非特許文献1、2では、同期電動機を家電製品向けなどの比較的小容量機器に適用するときの、トルクリプルの低減策も考慮した簡便なベクトル制御手法を紹介している。
また非特許文献3には、電動機の誘起電圧定数の5次や7次の高調波成分を測定し,トルクリプルを打ち消すよう電流制御を行うことで低減化が図られているが、製造バラツキや温度などの動作環境上のバラツキが発生した場合に、トルクリプルが増幅され騒音、振動に繋がるという課題が提起されている。
「家電機器向け位置センサレス永久磁石同期モータの簡易ベクトル制御」電学論D、vol.124,no11,1133頁−1140頁、2004年 「適応的な誘起電圧定数の調整を用いた永久磁石同期モータの位置センサレス簡易ベクトル制御」電学論D、vol.129,no4,406頁−414頁、2009年 「誘起電圧が歪んでいるIPMSMのトルクリプル低減法に関する研究」横浜国立大学修士論文、2008年
このように同期電動機を用いた場合のトルクリプル低減について種々の解析や提案がされている。
然しながら、同期電動機ばかりでなく同期電動機に駆動される負荷(例えばエアコンや給湯器などのファン)の挙動、製造上のばらつきも含めた形での検討までを行っているものは少ない。また同期電動機を家電製品向けなどの比較的小容量機器に適用するときには、簡便な装置構成を実現するために位置センサレスに対応できるものである必要が有る。
以上のことから本発明においては、同期電動機および同期電動機に接続される負荷の製造ばらつきや環境上のばらつきに起因するトルクリプルを低減できる実用的な同期電動機の制御装置及び制御方法を提供することを目的とする。
本発明においては、インバータを含む電力変換回路から三相交流を供給される同期電動機の制御装置において、同期電動機のdq軸電流を求めるdq軸電流算出手段と、dq軸電流算出手段の出力からq軸電流指令値を得るq軸電流指令作成器と、q軸電流指令値を用いてq軸電圧指令値を与える電圧指令値作成器と、電圧指令値作成器の出力からインバータを駆動する為の三相交流電圧指令値を得る変換回路と、同期電動機の誘起電圧高調波とトルクリプルを推定し、トルクリプルを低減する為の補償信号を求めるトルクリプル低減制御器とを備え、補償信号によりq軸電圧指令値を修正することを特徴とする。
また補償信号を、電圧指令値作成器から得られたq軸電圧指令値に加算することを特徴とする。
また補償信号を、q軸電流指令作成器から得られたq軸電流指令値から減ずることを特徴とする。
また補償信号を、電圧指令値作成器から得られたq軸電圧指令値に加算し、補償信号を、q軸電流指令作成器から得られたq軸電流指令値から減ずることを特徴とする。
またdq軸電流算出手段は、同期電動機の交流電流を用いてdq軸電流を算出することを特徴とする。
またdq軸電流算出手段は、電力変換回路のインバータに流れ込む直流電流を用いてdq軸電流を算出することを特徴とする。
本発明においては、インバータを含む電力変換回路から三相交流を供給される同期電動機の制御方法において、同期電動機のq軸電流指令値を用いてq軸電圧指令値を得、q軸電圧指令値からインバータを駆動する為の三相交流電圧指令値を得るとともに、同期電動機の誘起電圧高調波とトルクリプルからトルクリプルを低減する為の補償信号を算出し、これによりq軸電圧指令値を修正することを特徴とする。
本発明によれば、トルクリプルを低減できるので、同期電動機および同期電動機に接続される負荷の製造ばらつきや環境上のばらつきの影響を受けない実用的な同期電動機の制御装置及び制御方法を得ることができる。
本発明に係る位置センサレス簡易ベクトル制御装置の構成の一例を示す図。 永久磁石同期電動機の位置センサレス簡易ベクトル制御装置の一例を示す図。 電力変換装置6の典型的な回路構成を示した図。 α、β座標系と、d、q座標系の関係を静止して表示した図。 効果検証のために設定した各種係数の具体数値を示す図。 図5の条件で計測したトルクリプルの実際の値と、推定値を示した図。 図2による制御のときの観測されたトルクリプルを示した図。 図1による制御のときの観測されたトルクリプルを示した図。 図2による制御のときのトルクリプルの発生次数別大きさを示した図。 図1による制御のときのトルクリプルの発生次数別大きさを示した図。 本発明実施前後の各部信号波形を対比して示した図。 電動機制御装置をソフト的に実現するときのフローチャートを示す図。 直流電流を直流電流検出器で検出するタイプの同期電動機を示す図。 直流電流を利用する本発明の代案を示す図。 直流電流を利用する本発明の代案を示す図。
以下本発明の実施例について詳細に説明する。
本発明は要するに、誘起電圧高調波の波形とトルクリプルの波形とが非常に近似しているという発見に基づいて成されたものである。このことから誘起電圧高調波とトルクリプルをそれぞれ理論式から推定し、推定値の比を既存の制御装置に反映させることでトルクリプルを低減させている。
このため以下の説明においては、まず従来装置における挙動を説明し、その後に本発明装置における挙動を説明する。さらにその後に位置センサレスの観点からの幾つかの実施例について説明する。
最初に従来装置における挙動を説明する。まず、同期電動機について説明する。この場合の同期電動機は、永久磁石同期電動機(PMSM:permanent magnet synchronous motor)である。
トルクリプルに対する影響が大きいと考えられる5次、7次の磁束高調波を考慮した永久磁石同期電動機PMSMのdq軸方程式を(1)式に示している。
Figure 2013150498
但し、(1)式右辺の第1項において、vdはd軸電圧、vqはq軸電圧、Rは巻線抵抗、Ldはd軸インダクタンス、Lqはq軸インダクタンス、idはd軸電流、iqはq軸電流、ωは電気角速度を表している。
また(1)式右辺の第2項において、Kは誘起電圧定数である。Kに付した1,5,7の数値は、1次、5次、7次の次数を表している。同じくKに付した「s」と「c」は、sin成分とcos成分であることを意味している。従って「KE1s」は、誘起電圧1次サイン成分であることを表している。θは電圧、電流間の位相差である。なお以下特に説明しないが、各種記号に下付文字として付した記号や数値についても、以上の表記に従うものとする。
またこの永久磁石同期電動機PMSMのトルクに関して、(2)式が成立している。但し、Teは主トルク、Pnは極対数である。
Figure 2013150498
なお(2)式において、電流id、iqに上付き文字のダッシュを付した記号i´d、i´qは、(3)(4)式で表される。式中のiα、iβは、三相交流を直交するα軸とβ軸成分からなる二相に変換した二軸電流を意味する。
Figure 2013150498
Figure 2013150498
次に、この永久磁石同期電動機PMSMの位置センサレス簡易ベクトル制御装置の従来における構成について説明する。図2は典型的な永久磁石同期電動機PMSMの位置センサレス簡易ベクトル制御装置の一例を示している。
図2において8が永久磁石同期電動機PMSMであり、2が電動機制御装置を表している。また6は例えばコンバータとインバータで構成される電力変換回路であり、電力変換回路6と同期電動機8によりいわゆる電力主回路を構成する。電動機制御部4の出力により同期電動機8に与える三相電圧値Vu,Vv,Vwが、大きさ、周波数が可変の電圧に制御される。
なお、図3は電力変換装置6の典型的な回路構成を示したものである。電力変換装置6はインバータ主回路3と、コンバータによる直流電源1と、ゲート駆動回路11で構成されている。このうちインバータ主回路3は、逆並列ダイオードDと並列接続された変換素子Tで構成された回路を2組直列接続してアームを構成する。かつ3組のアームが、コンバータによる直流電源1の正負端子間に並列接続されている。同期電動機8の3相は、3組のアームの接続点hに接続されている。ゲート駆動回路11は、同期電動機8に与える三相電圧値Vu,Vv,Vwの指令値Vu,Vv,Vwに応じて、インバータ主回路3の6組の変換回路Tの点弧位相を駆動する。
図2、図3に示すように、ここで使用する同期電動機8は、位置センサを備えていない形式のものであり、同期電動機8の制御のために電流検出器7a,7bから三相のうちの適宜の2相の電流iu,ivが電動機制御部4に入力されている。
図2に戻り、電動機制御部4は、同期電動機8の制御のために三相交流電流iu,iv以外に、インバータ角速度指令値ω1、d軸電流指令生成器49の出力であるd軸電流指令値idを入力する。そして最終的に、同期電動機8に対して電力主回路の三相交流電圧指令値Vu,Vv,Vwを出力する。
電動機制御部4では、三相/dq変換回路41において、三相交流電流iu,ivからd軸電流とq軸電流の検出値idc,iqcを得る。この変換では、変換の過程で二軸成分(α、β軸)に変換するが、このときのα軸からみたdc軸角度θdcを基準位相として変換を行う。なお、この考え方については後述する。
次いでq軸電流指令生成器44において、q軸電流の検出値iqcを用いてq軸電流指令値iqを算出する。ここでq軸電流指令生成器44は例えば一次遅れ回路で構成され、(5)式の一次遅れ演算で導出される。なお、T1qは遅れ時定数である。
Figure 2013150498
電圧指令値作成器48は、入力したインバータ角速度指令値ω1、d軸電流指令生成器49の出力であるd軸電流指令値id、ならびに演算により求めたq軸電流指令値iqからdq軸電圧指令値Vdc,Vqcを(6)式により算出する。
Figure 2013150498
尚、(6)式の演算に使用する情報を表す記号は、既に説明済みのものである。唯一これら記号に上付き文字としてアスタリスク「*」を付した点で相違しているが、これは設定値である。
また(6)式の演算にはd軸電流設定値idが使用されているが、ここで対象とするのは表面着磁永久磁石同期電動機(SPMSM:surfes permanent magnet synchronous motor)なので、(7)式のようにゼロとして取り扱う。
Figure 2013150498
電圧指令値作成器49で求められたdq軸電圧指令値Vdc,Vqcは、dq/三相変換回路50において電力主回路の三相交流電圧指令値Vu,Vv,Vwに変換される。このようにして、電動機制御部4の出力により同期電動機8に与える三相電圧値Vu,Vv,Vwは大きさ、周波数が可変の電圧に制御される。なお、dq/三相変換回路50での変換過程においても、α軸からみたdc軸角度θdcを基準位相として変換を行う。
このα軸からみたdc軸角度θdcは、以下の処理により求められる。まず、軸誤差演算器45において、軸誤差Δθを(8)式により演算する。この演算のために、三相/dq変換回路41で求めたd軸電流とq軸電流の検出値idc,iqcを使用する。また電圧指令値作成器49で求めたdq軸電圧指令値Vdc,Vqcを使用する。ここでは(8)式により軸誤差Δθを導出している。
Figure 2013150498
ここで、以後の説明に入る前に図4を用いて軸誤差Δθについて説明を加えておく。図4には、電力主回路の固定子巻線に流れる3相電流を二相変換した直交座標であるα、β座標系と、d、q座標系の関係を静止して表示している。この図でd、q、α、βとあるのは、d軸、q軸、α軸、β軸を示している。また、dc、qcは推定d軸、推定q軸であり、本来dの位置にあるべきd軸がdcの位置にずれて運転している状態を表している。このd軸(d)と推定d軸(dc)の成す角度が軸誤差Δθであり、本来はこの軸誤差Δθを零とすべきである。なお、α軸(α)と推定d軸(dc)の成す角度がα軸からみたdc軸角度θdcである。
PLL制御器46(phase lock loop)は発信器であり、この出力としては角周波数の調整値Δω1を与える。角周波数の調整値Δω1は、入力したインバータ角速度指令値(周波数指令値)ω1と加算回路ad1で加算されてインバータ周波数ω1を得る。
dq/三相変換回路50あるいは三相/dq変換回路41において使用されるα軸からみたdc軸角度θdcは、積分器47においてインバータ周波数ω1を積分して求める。
軸誤差演算器45、PLL制御器46、加算回路ad1、積分器47により構成されるこれらの回路は、要するに軸誤差Δθを零とするようにα軸からみたdc軸角度θdcを調整したものである。この回路により軸誤差Δθが正値の場合には仮想軸の速度(インバータ周波数ω1)を上げ、軸誤差Δθが負値の場合には仮想軸の速度(インバータ周波数ω1)を下げるように制御している。
これを実現するためにPLL制御器46では、(9)式により軸誤差Δθに比例する角周波数の調整値Δω1を算出している。なお、Kpsは比例ゲインである。
Figure 2013150498
加算器ad1では(10)式を実行している。
Figure 2013150498
積分器47では(11)式を実行し、ベクトル制御に必要なdc軸位相θdcを求めている。
Figure 2013150498
なお、(9)式の比例ゲインKpsは(12)式により定めている。
Figure 2013150498
従来の永久磁石同期電動機PMSM、並びに電動機制御装置2は以上説明したように構成されている。この従来装置におけるトルクリプル低減対策は、前述した永久磁石同期電動機PMSMのトルク式である(2)式に着目し、q軸電流iqを制御することで主トルクTeを一定に制御している。具体的には、(13)式に示すようにq軸電流設定iqを、i*´qに修正することでトルクリプルを抑制している。この式の考え方は、磁束高調波成分により発生しているトルクリプルを、電流制御を行うことで磁束によるトルクリプル分を打ち消そうという考え方である。
Figure 2013150498
なお、(13)式中のi´d5,i´q5は(14)式、i´d7,i´q7は(15)式に表されている。
Figure 2013150498
Figure 2013150498
これに対し本発明でのトルクリプル低減は、誘起電圧高調波の波形とトルクリプルの波形とが非常に近似しているという発見に基づき成されている。このため、本発明での実施例の説明の前に、誘起電圧高調波の波形とトルクリプルの波形とが非常に近似していることを説明する。
先に説明した永久磁石同期電動機PMSMのdq軸方程式(1)において、d
q軸の誘起電圧高調波成分ed6,eq6は、(16)式で求められる。
Figure 2013150498
また永久磁石同期電動機PMSMのトルク方程式(2)において、トルクリプル成分T6は(17)式で求められる。
Figure 2013150498
なお、以下の説明を進めるに当り、dq軸電流id,iqと、二軸電流iα、iβの間では、(18)、(19)、(20)式が成立している。
Figure 2013150498
Figure 2013150498
Figure 2013150498
ここで通常は、q軸電流iqは、d軸電流idに対して非常に大きいことから(18)式は(21)式のように表すことができる。また、この結果を用いて(19)(20)式を整理すると、(22)式で表現できる。
Figure 2013150498
Figure 2013150498
(22)式を(17)式に代入すると、トルクリプルの式は(23)式のように表すことができる。
Figure 2013150498
(23)式を(16)式のq軸の誘起電圧高調波成分eq6の項と比較すると、非常に近い形をしている。7次cos成分を無視すれば位相が完全一致する。
このことから最初に述べたように、誘起電圧高調波の波形とトルクリプルの波形とが非常に近似していることが理解できる。従って、このq軸の誘起電圧高調波成分eq6を用いることで、以下の式により近似的にトルクリプル成分を得ることができる。またトルクリプル成分を打ち消す方向に制御してやることでトルクリプルが低減できる。
トルクリプルT6は、q軸の誘起電圧高調波成分eq6を用いて(24)式で表される。
Figure 2013150498
q軸の誘起電圧高調波成分eq6は、(25)式で求めることができる。
Figure 2013150498
また、電流補正値iq6Tは(25)式で求めることができる。
Figure 2013150498
以下、上記知見を反映した本発明に係る位置センサレス簡易ベクトル制御装置の構成について図1で説明する。但しこの例では交流電流を検知する例で示している。
図1の構成は基本的に図2の従来構成を踏襲したものであり、太線で示した回路部分が追加されている点で相違する。このうち、トルクリプル低減制御器42は、(25)式の電流補正値iq6Tを算出する。電流補正値iq6Tは、q軸の誘起電圧高調波成分eq6とトルクリプルが近似することから求めたものであり、これにより最終的にはq軸電圧指令値Vqcを修正する。
電流補正値iq6Tを算出するためにここで使用されるデータの多くは設定値として予め与えられた既値である。実際に時々刻々の演算に使用されるデータは、三相/dq変換回路41において求めたd軸電流とq軸電流の検出値idc,iqcと、電圧指令値作成器48からのq軸電圧指令値Vqcと、インバータ角速度指令値ω1である。
本発明では、q軸の誘起電圧高調波成分eq6とトルクリプルが近似することから求めた電流補正値iq6Tをq軸電圧指令値Vqcに反映させるに当り、上流側から補正する第1の手法と、下流側で補正する第2の手法がある。さらには、図1に示すように第1の手法と第2の手法を併用する。
具体的には上流での第1の手法は、電圧指令値作成器48に与えるq軸電流指令値iqに電流補正値iq6Tを加味するものである。減算回路sbでiqからiq6Tを差し引いてi*´qを求め、これを電圧指令値作成器48における(6)式の演算処理に用いる。
但し、簡易センサレス電圧指令演算では、電流微分項を無視する近似を用いているため、上流からq軸電流指令値iqを補正するのみでは応答感度が低い。そこで下流側で補正する第2の手法が有効になる。
第2の手法では、トルクリプル低減電圧補償器43において電流補正値iq6Tから電圧補正値ΔVqcを導出する。電圧補正値ΔVqcは、加算回路ad2においてq軸電圧指令値Vqcに加算されてV*´qcとして、dq/三相変換回路50での変換に使用される。トルクリプル低減電圧補償器43においては、比例微分機能を有するので応答性が改善される。
第1の手法と第2の手法を併用する場合には、第2の手法による過渡応答性と、第1の手法による長期での安定性がともに達成できる。
なお、電圧指令演算は(27)式により行われる。
Figure 2013150498
また、電流補正値は(28)式により求められる。
Figure 2013150498
次に本発明の効果を具体的に検証した結果について説明する。まず図5は、設定した各種係数の具体数値を示す図である。図6は、この条件で計測したトルクリプルの実際の値Taと、推定値Tbを示した図である。この波形を見ると、推定値は振幅及び位相をほぼ性格に推定できていることが見て取れる。
図7は図2による制御のときの観測されたトルクリプル、図8は図1による制御のときの観測されたトルクリプルをそれぞれ示している。図7は、従来のトルクリプル低減制御を反映した結果であるが、それでも図8の結果と比較すると大きなトルクリプルが生じていることが判る。
また、このトルクリプルの大きさを発生次数ごとに比較したものが図9、図10である。いずれも6次調波(定格周波数:56Hz)であるが、図9の従来に比して図10の本発明では50%の振幅に低減されていることがわかる。
また図11は、本発明実施前後の各部信号波形を対比して示した図である。左側に本発明実施後、右側に実施前の信号波形を示している。なお左側の実施前で対応する信号波形が存在しない部分は空白としている。
まず、q軸電流指令生成器44からのq軸電流指令値iqは、いずれも同じであり、ほぼ一定値である。本発明実施後では、上流側対策として修正されたq軸電流指令値i*´qを用いるが、この値はトルクリプルを模擬している信号を含むために、周期的な変動成分を含む。この結果、実施後では電圧指令値作成器49で求められたq軸電圧指令値Vqc自身が周期的な変動成分を含む。
次に電圧指令値作成器49で求められたq軸電圧指令値Vqcについて説明すると、これは、実施前は一定値とする。実施後は下流側対策として修正されたq軸電流指令値i*´qを用いる。これにより修正されたq軸電流指令値i*´qは、更に強調された周期的な変動成分を含む。
これらの結果として、トルクTeの変動は大きく抑制されることになる。
図12は、図1の電動機制御装置をディジタル回路でソフト的に実現するときの処理フローチャートを示す図である。ここではまず処理ステップS101において、インバータ起動条件が成立していることを確認する。起動条件成立により処理ステップS102以降の処理に入る。
処理ステップS102では、速度偏差Δωを算出する。処理ステップS103では、速度偏差Δωが所定の範囲内にあるときのみ、以後のトルクリプル低減処理に入り、それ以外の時にはトルクリプル低減処理を実行しない。この判断は、速度偏差Δωが所定の範囲外にあるときには同期電動機の運転が不安定であり、不用意に制御を行うことで脱調の恐れがあることによる。
処理ステップS104以降がトルクリプル低減処理である。まず、処理ステップS104とS105が、トルクリプル制限処理器42内での処理に相当する。ここでは、最終的に(26)式の電流補正値iq6Tを算出する。このために、(24)式によりトルクリプルT6をq軸の誘起電圧高調波成分eq6を用いて算出する。q軸の誘起電圧高調波成分eq6は(25)式で表されている。
処理ステップS104では(24)(25)式によりトルクリプルT6を求める。ここで使用されるデータの多くは設定値として予め与えられた既値であり、実際に時々刻々の演算に使用されるデータは、三相/dq変換回路41において求めたd軸電流とq軸電流の検出値idc,iqcと、電圧指令値作成器48からのq軸電圧指令値Vqcと、インバータ角速度指令値ω1である。
処理ステップS105では(26)式により電流補正値iq6Tを求める。なお、以上の説明では(24)(25)(26)式を順次実行する例で説明したが、(28)式を直接実行する形で実現してもよい。
処理ステップS106は、減算器sbの処理に該当しており、iqから電流補正値iq6Tを減算処理する。この結果は、電圧指令値作成器48に反映されて、上流側の補償に利用される。
処理ステップS107と処理ステップS108は、下流側の補償に相当するものである。処理ステップS107は、トルクリプル低減電圧補償器43の処理、処理ステップS108は加算器ad2の処理に対応している。上記の一連の処理は、計算機内で毎制御周期に実行される。
最後に位置センサレスの観点からの幾つかの実施例について説明する。位置センサレスとして、図1の実施例では交流電流を検出してdq軸電流を得、位相制御に利用するものであった。この本発明手法によれば、格別の外部情報を必要とせずに、従って格別の検出器を付加することなしに、従来から使用する内部情報のみでトルクリプルの低減が行える。
このため、dq軸電流を再現でき、位相制御に利用できるものであれば、他の原理による位置センサレス手法が利用可能である。ここで紹介するのは図13に示す直流電流検出によるものである。コンバータ1からインバータ3に供給される直流電流を直流電流検出器61で検出するタイプの同期電動機である。
図14と、図15は直流電流からdq軸電流idc,iqcを再現する回路部分のみが図1の構成と相違する。図14では直流電流iと電圧指令値作成器48からのdq軸電圧vdc,vqcを用いてdq軸電流idc,iqcを推定する電流推定部を設けている。
図15では電流再現器42において、直流電流iから3相交流を再現する。その上で3相/dq変換器41でdq軸電流idc,iqcを得る。
図14、図15の手法は、いずれも当該技術分野においてよく知られた手法であり、本発明への適用に格別の変更、工夫を要するものではない。本発明が、かかる位置センサレス手法の同期電動機でも、格別の付加部品を必要とせずに実現可能であることを述べたものである。
本発明は、位置センサレス同期電動機に幅広く適用することができる。
1:コンバータによる直流電源
2:電動機制御装置
3:インバータ主回路
4:電動機制御部
6:電力変換回路
7a,7b:電流検出器
8:永久磁石同期電動機PMSM
11:ゲート駆動回路
41:三相/dq変換回路
42:トルクリプル低減制御器
43:トルクリプル低減電圧補償器
44:q軸電流指令生成器
45:軸誤差演算器
46:PLL制御器
47:積分器
48:電圧指令値作成器
49:d軸電流指令生成器
50:dq/三相変換回路
vd:d軸電圧
vq:q軸電圧
R:巻線抵抗
Ld:d軸インダクタンス
Lq:q軸インダクタンス
id:d軸電流
iq:q軸電流
ω:電気角速度
KE:誘起電圧定数
θ:位相差
Te:主トルク
Pn:極対数
iα、iβ:二相交流電流
Vu,Vv,Vw:三相交流電圧
iu,iv,iw:三相交流電流
D:逆並列ダイオード
T:変換素子
ω1:インバータ角速度指令値
u,Vv,Vw:三相交流電圧指令値
θdc:dc軸角度
ad1:加算回路
ed6:d軸の誘起電圧高調波成分
eq6:q軸の誘起電圧高調波成分
T6:トルクリプル成分
iq6T:電流補正値
sb:減算回路

Claims (10)

  1. インバータを含む電力変換回路から三相交流を供給される同期電動機の制御装置において、
    同期電動機のdq軸電流を求めるdq軸電流算出手段と、該dq軸電流算出手段の出力からq軸電流指令値を得るq軸電流指令作成器と、q軸電流指令値を用いてq軸電圧指令値を与える電圧指令値作成器と、該電圧指令値作成器の出力から前記インバータを駆動する為の三相交流電圧指令値を得る変換回路と、前記同期電動機の誘起電圧高調波とトルクリプルを推定し、トルクリプルを低減する為の補償信号を求めるトルクリプル低減制御器とを備え、前記補償信号により前記q軸電圧指令値を修正することを特徴とする同期電動機の制御装置。
  2. 請求項1に記載の同期電動機の制御装置において、
    前記補償信号を、前記電圧指令値作成器から得られたq軸電圧指令値に加算することを特徴とする同期電動機の制御装置。
  3. 請求項1または請求項2に記載の同期電動機の制御装置において、
    前記補償信号を、前記q軸電流指令作成器から得られたq軸電流指令値から減ずることを特徴とする同期電動機の制御装置。
  4. 請求項1に記載の同期電動機の制御装置において、
    前記補償信号を、前記電圧指令値作成器から得られたq軸電圧指令値に加算し、前記補償信号を、前記q軸電流指令作成器から得られたq軸電流指令値から減ずることを特徴とする同期電動機の制御装置。
  5. 請求項1から請求項4のいずれかに記載の同期電動機の制御装置において、
    前記dq軸電流算出手段は、前記同期電動機の交流電流を用いてdq軸電流を算出することを特徴とする同期電動機の制御装置。
  6. 請求項1から請求項4のいずれかに記載の同期電動機の制御装置において、
    前記dq軸電流算出手段は、前記電力変換回路のインバータに流れ込む直流電流を用いてdq軸電流を算出することを特徴とする同期電動機の制御装置。
  7. インバータを含む電力変換回路から三相交流を供給される同期電動機の制御方法において、
    同期電動機のq軸電流指令値を用いてq軸電圧指令値を得、該q軸電圧指令値から前記インバータを駆動する為の三相交流電圧指令値を得るとともに、前記同期電動機の誘起電圧高調波とトルクリプルからトルクリプルを低減する為の補償信号を算出し、これにより前記q軸電圧指令値を修正することを特徴とする同期電動機の制御方法。
  8. 請求項7に記載の同期電動機の制御方法において、
    前記補償信号を、前記q軸電圧指令値に加算することを特徴とする同期電動機の制御方法。
  9. 請求項7または請求項8に記載の同期電動機の制御方法において、
    前記補償信号を、前記q軸電流指令値から減ずることを特徴とする同期電動機の制御方法。
  10. 請求項7に記載の同期電動機の制御方法において、
    前記補償信号を、前記q軸電圧指令値に加算し、前記補償信号をq軸電流指令値から減ずることを特徴とする同期電動機の制御方法。
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