以下、図面を参照しつつ、本発明の一実施形態について説明する。図1は、本実施形態に係る画像形成装置1の概略構成図、図2は、画像形成ユニットの一つを拡大して示す断面図である。また、図3は、現像装置14の構成を示した模式図である。なお、図1に示される画像形成装置は画像形成装置であるが、コピー機、ファクシミリ装置、これらの機能を含む複合機(MFP)や、シート上に画像を形成することができる他の装置とすることもできる。
図1に示すように、装置本体1Aには、画像データに基づいてトナー画像を形成するタンデム式の画像形成部2と、用紙を収容する用紙収納部3と、画像形成部2で形成されたトナー画像を用紙上に転写する二次転写部4と、転写されたトナー画像を用紙上に定着させる定着部5と、定着の完了した用紙を排紙する排出部6と、用紙収納部3から排出部6まで用紙を搬送する用紙搬送部7とが含まれている。
画像形成部2は、中間転写ベルト21と、中間転写ベルト21のクリーニング部22と、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(Bk)の各色にそれぞれ対応した画像形成ユニットFY、FM、FC、及びFBとを備える。
中間転写ベルト21は、導電性を有し、使用可能な用紙搬送方向に直角な方向の長さが最大の用紙より幅広であって、無端状、すなわちループ状のベルト状部材であり、図1において時計回りに循環駆動される。中間転写ベルト21の循環駆動において外側を向く面を以下、表面と称し、他方の面を裏面と称する。
画像形成ユニットFY、FM、FC、及びFBは、中間転写ベルト21のクリーニング部22と二次転写部4との間であって、中間転写ベルト21の下方に4つ並べて配置される。なお、各画像形成ユニットFY、FM、FC、FBの配置の順番はこの限りではないが、各色の混色による完成画像への影響を配慮すると、この配置が好ましい。
画像形成ユニットFY、FM、FC、及びFBは、感光体ドラム10(像担持体)と、帯電器11と、露光装置12と、現像装置14と、一次転写ローラー20と、クリーニング装置26と、除電装置13と、キャリア液除去ローラー30と、を備える。また、画像形成ユニットのうち、最も二次転写部4に近い位置に位置する画像形成ユニットFBには、キャリア液除去ローラー30が設けられていないが、その他の構成は同一である。
感光体ドラム10は、円柱状の部材であって、その表面に帯電(本実施形態ではプラス極性に帯電)したトナーを含むトナー像を担持可能である。感光体ドラム10は、図1において反時計回りに回転可能な部材である。帯電器11は、感光体ドラム10の表面を一様に帯電させることができる機器である。露光装置12は、LED等の光源を有し、外部の機器から入力される画像データに応じて、一様に帯電した感光体ドラム10の表面に光を照射する。これにより、感光体ドラム10の表面には、静電潜像が形成される。
現像装置14は、トナー及びキャリア液を含む液体現像剤LDを、感光体ドラム10表面の静電潜像に対向するように保持することで、静電潜像にトナーを付着させる。これにより、静電潜像はトナー像として現像される。
図2を参照して、現像装置14は、現像容器140、現像ローラー141、供給ローラー142、支持ローラー143、供給ローラーブレード144、第1現像ブレード145A(清掃手段)、現像剤回収装置146及び現像ローラー帯電器147(帯電手段)を含む。なお、図2には示されていないが、第1現像ブレード145Aの下方には、第2現像ブレード145B(清掃手段)が配置される(図3参照)。
現像容器140は、内部にトナーとキャリア液からなる液体現像剤LDの供給を受ける容器である。この液体現像剤LDは、トナーとキャリア液との濃度調整が予め行われた状態で、供給ノズル278から現像容器140内へ供給される。なお、液体現像剤LDは、供給ローラー142と支持ローラー143とのニップ部へ向けて供給され、その余剰分は支持ローラー143の下方へ落下し、現像容器140の底部において貯留される。貯留された液体現像剤LDは、パイプ82を通して、不図示の液体現像剤循環装置で回収される。該液体現像剤循環装置によって、液体現像剤LDは、濃度調整が行われた後、再利用される。
支持ローラー143は現像容器140の略中央に配置され、下方から支える態様で供給ローラー142に当接されてニップ部を形成する。供給ローラー142は、支持ローラー143の直上ではなく、供給ノズル278から離れる方向の斜め上に配置され、その周面には液体現像剤LDを保持するための溝が設けられている。図2において、点線矢印で示すように、支持ローラー143は反時計方向に、供給ローラー142は時計方向に回転する。
供給ノズル278から供給される液体現像剤は、前記ニップ部の回転方向上流側で一時的に滞留され、両ローラー142、143の回転に伴って、供給ローラー142の前記溝に保持された状態で上方へ運ばれる。供給ローラーブレード144は、供給ローラー142の周面に圧接され、供給ローラー142に保持される液体現像剤LDの量が所定量になるように規制する。供給ローラーブレード144により掻き落とされた余剰の液体現像剤LDは、現像容器140の底部で受け取られる。
現像ローラー141は、表面に液体現像剤LDを担持し、感光体ドラム10に該液体現像剤LDを供給する。現像ローラー141は、現像容器140の上部開口部に、供給ローラー142と接するように配置されている。現像ローラー141は、後記のローラー駆動部550によって、図3の矢印D1方向に回転駆動される。これにより、現像ローラー141は供給ローラー142と同方向に回転され(図2)、現像ローラー141の周面には、供給ローラー142の周面に保持された液体現像剤LDが受け渡される(現像ローラー141と供給ローラー142とが当接するニップ部では、現像ローラー141の表面は供給ローラー142の表面と逆方向に移動する)。なお、供給ローラー142の液体現像剤の層厚が所定値に規制されているので、現像ローラー141の表面に形成される液体現像剤層LDの層厚も所定値に保たれる。本実施形態では、現像ローラー141として、導電性の金属心材141Aの上に導電性ゴムからなる外層141Bが設けられた構造のローラーが用いられている(図2)。前記導電性ゴムは、JIS−Aの硬度が30度、体積抵抗率が105Ω・cmのウレタンである。このウレタンからなる外層141Bの表面には、トナーに離型性を促進するために、フッ素樹脂のコーティング層(不図示)が施されている。また、現像ローラー141は、後記の第1印加部60によって、現像バイアスが印加され、負電位に帯電される。
現像ローラー141は、感光体ドラム10と当接し、現像ニップ部Nを形成する(図3)。感光体ドラム10の表面の静電潜像の電位と、現像ローラー141に印加される現像バイアスとの間の電位差によって、現像ローラー141から感光体ドラム10にトナーが移動される。この結果、形成指示された画像データに応じたトナー像が、感光体ドラム10の表面に形成される。
現像ローラー帯電器147は、コロトロン帯電器から構成される。なお、現像ローラー帯電器147は、回転駆動される帯電ローラーや、スコロトロン帯電器であってもよい。現像ローラー帯電器147は、現像ローラー141の表面に担持された液体現像剤LDを帯電させる機能を備える。この際、現像ローラー帯電器147は、液体現像剤LD中のトナーに、該トナーの帯電極性と同極性の帯電電位を与える。これにより、液体現像剤LD中のトナーが、現像ローラー141の表面側に移動する。この結果、現像ニップ部Nにおける現像効率が向上する。現像ローラー帯電器147は、現像ローラー141の、供給ローラー142との接触部よりも回転方向下流側であって、現像ニップ部Nよりも回転方向上流側において、現像ローラー141の周面に対向するように設けられている。現像ローラー帯電器147は、後記の第2印加部61に、電気的に接続される。
第1現像ブレード145Aおよび第2現像ブレード145B(図3)は、現像ニップ部Nよりも、回転方向下流側の現像ローラー141の周面に接触するように配置される。第1現像ブレード145Aおよび第2現像ブレード145Bは、感光体ドラム10への現像動作を終えた現像ローラー141の表面の液体現像剤LDを除去する。第1現像ブレード145Aおよび第2現像ブレード145Bには、ウレタンゴムなどのゴム材料が使用される。本実施形態では、第2現像ブレード145Bは、後記の第2駆動部552によって、現像ローラー141の表面に対して、接離可能に移動される。
現像剤回収装置146は、第1現像ブレード145Aおよび第2現像ブレード145Bで除去された液体現像剤LDを回収して、液体現像剤循環装置のパイプ81へ該液体現像剤LDを送り出す。液体現像剤LDは、現像クリーニングブレード145の表面に沿って流下するが、液体現像剤LDの粘度が高いことから、現像剤回収装置146には液体現像剤LDの送り出しを補助する送り出しローラー146Aが備えられている。
一次転写ローラー20は、中間転写ベルト21の裏面に、感光体ドラム10と対向して配置されている。一次転写ローラー20には、図示しない電源からトナー像中のトナーとは逆極性(本実施形態ではマイナス)の電圧が印加される。つまり、一次転写ローラー20は、中間転写ベルト21と接触している位置で、中間転写ベルト21にトナーと逆極性の電圧を印加する。中間転写ベルト21は導電性を有するので、この印加電圧によって、中間転写ベルト21の表面側及びその周辺にトナーが引き付けられる。中間転写ベルト21は、トナー像を担持して、シートまで搬送する像担持体として機能する。
クリーニング装置26は、感光体ドラム10から中間転写ベルト21に転写されずに残留した液体現像剤LDをクリーニングするための装置である。クリ−ニング装置26は、残留現像剤搬送スクリュー261と、感光体ブレード262とを備えている。残留現像剤搬送スクリュー261は、感光体ブレード262によって掻き取られ、クリーニング装置26内に収納された残留現像剤をクリーニング装置の外部に搬送するための部材であって、クリーニング装置26内に配置されている。
感光体ブレード262は、感光体ドラム10の表面に残留した液体現像剤LDを掻き取るための部材であって、感光体ドラム10の回転軸方向に延びる板状の部材である。感光体ブレード262は、その端部が感光体ドラム10の表面に摺接しており、感光体ドラム10の回転に伴って感光体ドラム10上に残留した液体現像剤LDを掻き取る。
除電装置13は、除電用の光源を有し、次の周回による画像形成に備えて、感光体ブレード262による液体現像剤LDの除去後、感光体ドラム10の表面を光源からの光によって除電する。
キャリア液除去ローラー30は、感光体ドラム10の回転軸と平行な回転軸を中心として感光体ドラム10と同方向に回転可能な略円柱状の部材である。キャリア液除去ローラー30は、感光体ドラム10と中間転写ベルト21とが接触する位置よりも二次転写部4が配置されている側に配置されており、中間転写ベルト21の表面からキャリア液を除去する部材である。
図1に戻って、用紙収納部3は、トナー像を定着させる用紙を収納する部分であって、上側本体部1Aの下部に配置されている。また、用紙収納部3は、用紙を収納している給紙カセットを有している。
二次転写部4は、中間転写ベルト21上に形成されたトナー像を用紙に転写する部分であって、中間転写ベルト21を支持する支持ローラー41と、支持ローラーに対向して配置された二次転写ローラー42とを有している。
定着部5は、用紙にトナー像を定着させる部分であって、二次転写部4の上側に配置されている。また、定着部5は、加熱ローラー51と、加熱ローラー51に対向して配置された加圧ローラー52とを有している。
排出部6は、定着部5でトナー像が定着された用紙が排出される部分であって、画像形成装置1の上部に配置されている。用紙搬送部7は、複数の搬送ローラー対を備え、用紙収納部3から二次転写部4や定着部5、排出部6に用紙を搬送する。
<電気的構成、ブロック図>
続いて、本実施形態に係る画像形成装置1の主要な電気的構成について説明する。画像形成装置1は、当該画像形成装置1の各部の動作を統括的に制御する制御部500を備える。図4は、制御部500の機能ブロック図である。制御部500は、CPU(Central Processing Unit)、制御プログラムを記憶するROM(Read Only Memory)、CPUの作業領域として使用されるRAM(Random Access Memory)等から構成されている。また、制御部500には、前述の画像形成部2に加え、第1印加部60、第2印加部61、ローラー駆動部550、第2駆動部552(第2駆動手段)、表面電位センサー510などが電気的に接続されている。また、制御部500は、クリーニング判定部501、バイアス制御部502、記憶部503、クリーニング条件設定部504および駆動制御部505を備える。
第1印加部60は、直流電源から構成され、バイアス制御部502(バイアス制御手段)からの制御信号に基づき、現像装置14内の現像ローラー141に現像バイアスを印加する。本実施形態では、第1印加部60は、−400Vの電圧を回転軸141Aへ印加し、周面141Bを負電位に帯電させる。同様に、第2印加部61は、直流電源から構成され、バイアス制御部502からの制御信号に基づき、現像装置14内の現像ローラー帯電器147に補助バイアスを印加する。本実施形態では、第2印加部61は、+4kVの正電位を現像ローラー帯電器147に供給する。これにより、液体現像剤LD中のトナーは、+10V〜+60V程度の範囲で帯電されるようになる。
ローラー駆動部550は、不図示のモーター及びそのトルクを伝達するギア機構やカム機構からなる。ローラー駆動部550は、駆動制御部505からの制御信号に応じて、現像装置14内の現像ローラー141を回転駆動させる。
第2駆動部552は、駆動制御部505からの制御信号に応じて、第2現像ブレード145Bを現像ローラー141に対して、接離させる。第2駆動部552は、不図示のカム機構を備え、該カム機構の回転に伴って、第2現像ブレード145が、現像ローラー141に対して接離するように移動される。
表面電位センサー510(表面電位検出手段)は、現像ローラー141上の表面電位Vmを検知し、電気信号に変換する。表面電位センサー510は、現像ローラー141の周面に対して、所定の間隔をおいて、配置される。本実施形態では、表面電位センサー510は、現像ローラー帯電器147よりも、現像ローラー141の回転方向下流側であって、現像ニップ部Nよりも、前記回転方向上流側に配置される。表面電位センサー510には、静電誘導原理に基づいた公知の表面電位計などが用いられる。表面電位センサー510の検知電極(不図示)が、電荷を帯びた現像ローラー141の周面に近づくと、現像ローラー141上の電界の強さに比例した電荷が、表面電位センサー510内に誘起される。該電荷に基づいて、現像ローラー141上の表面電位Vmが検知される。表面電位センサー510から出力された表面電位Vmに関する情報は、クリーニング判定部501によって参照され、後記するクリーニング条件の変更の実行判断に反映される。
制御部500は、前記CPUがROMに記憶された制御プログラムを実行することにより、クリーニング判定部501、バイアス制御部502、記憶部503、クリーニング条件設定部504および駆動制御部505を備えるように機能する。
クリーニング判定部501は、表面電位センサー510によって検知された表面電位Vmに基づいて、現像ローラー141のクリーニング条件の変更の実行要否を判断する。詳しくは、クリーニング判定部501は、現像ローラー141の表面電位Vmが、予め設定された電位閾値VTよりも高い場合に、後記のクリーニング条件の変更が必要と判定する。
バイアス制御部502は、第1印加部60および第2印加部61に対して、現像ローラー141および現像ローラー帯電器147へのバイアス印加を制御する。
記憶部503は、表面電位センサー510が検出する現像ローラー141の表面電位Vmと比較されるための電位閾値VTを格納する。VTは、クリーニング判定部501によるクリーニング条件の変更の要否判断時に、使用される。
クリーニング条件設定部504は、クリーニング判定部501の判定結果に基づいて、現像ローラー141のクリーニング条件を設定する。詳しくは、クリーニング条件設定部504は、クリーニング判定部501によって、現像ローラー141のクリーニング条件の変更が必要と判定されると、第2現像ブレード145Bを現像ローラー141に当接させる。
駆動制御部505は、画像形成動作またはクリーニング動作に際して、ローラー駆動部550および第2駆動部552を駆動させる。
<現像ローラーのクリーニングについて>
次に、現像ローラー141上の液体現像剤LDのクリーニングについて説明する。図5は、現像ローラー帯電器147が、現像ローラー141に対向する位置における、現像ローラー141の表面上の液体現像剤LDの様子を示した図である。図2および図3を参照して、画像形成部2において、画像形成動作が実行されると、感光体ドラム10が帯電器11によって一様に帯電される。また、駆動制御部505が、ローラー駆動部550を制御して、現像ローラー141を回転駆動させる。そして、該感光体ドラム10上に、露光装置12によって形成された潜像が、現像ニップ部Nにおいて、トナー像として現像される。この際、バイアス制御部502(図4)が、第1印加部60を制御し、前述の現像バイアスが現像ローラー141に印加される。本実施形態では、第1印加部60は、−400Vの現像バイアスを回転軸141Aへ印加し、周面141Bを負電位に帯電させる。該現像バイアスが印加された現像ローラー141の表面電位と、感光体ドラム10上の潜像電位との電位差によって、現像ローラー141上のトナーが、感光体ドラム10側に移動される。
この現像ニップ部Nにおける現像動作に先立って、バイアス制御部502(図4)が、第2印加部61を制御し、所定の補助バイアスが現像ローラー帯電器147に印加される。該補助バイアスが印加された現像ローラー帯電器147は、トナーの帯電極性と同極性の電荷を発生し、現像ローラー141上の液体現像剤LDに該電荷を付与する。前述のとおり、本実施形態では、液体現像剤LD中のトナーは、+10V〜+60V程度の範囲で帯電されるようになる。この結果、現像ローラー141の回転に伴って(図3の矢印D1)、現像ローラー帯電器147が対向する位置を通過した現像剤層LDの中では、図5に示すように、現像ローラー帯電器147によって正電位に帯電されたトナーが、負電位に帯電された現像ローラー141の表面に引き寄せられる(図5の状態Aから状態Bに変化する)。そして、現像ローラー141の表面に密集されたトナーは、現像ニップ部Nにおいて、現像バイアスによって形成された電界によって、感光体ドラム10側に移動される。この際、現像ローラー141の表面にトナーが密集することによって、液体現像剤LD中に浮遊するトナー(図5の状態A)が、少なくなる。このため、該浮遊するトナーが、感光体ドラム10側に移動するトナーの動きを妨げることが抑止される。この結果、現像ニップ部Nにおけるトナーの現像効率が向上する。
このように、感光体上に形成された潜像に応じて、現像ローラー141の表面から感光体ドラム10側にトナーが移動する。一方、感光体ドラム10上において、潜像(画像)が存在しない部分では、感光体ドラム10側にトナーが移動しない。また、画像濃度が薄い部分では、現像ローラー141上の一部のトナーのみが、感光体ドラム10側へ移動する。したがって、現像ニップ部Nを通過した現像ローラー141上には、トナーが残存することとなる。現像ローラー141上に残存したトナーは、現像ローラー141の回転に伴って、第1現像ブレード145Aの当接位置まで移動され、第1現像ブレード145Aの先端によって掻き取られる。
しかしながら、前述のとおり、現像ローラー141の表面では、現像効率を向上させるために、トナーが現像ローラー141の表面側に密集している。また、トナーには、現像ローラー141の表面に引き寄せられるような力が働いている。このため、トナーが、第1現像ブレード145Aによって十分掻き取られず、第1現像ブレード145Aの先端を擦り抜ける場合がある(クリーニング不良)。第1現像ブレード145Aを擦り抜けたトナーは、次の周回時に、現像ローラー141から感光体ドラム10へのトナーの移動を妨げ、画質欠陥をもたらす。更に、このようなトナーの擦り抜けは、現像装置14の長期の使用によって、現像ローラー141の表面状態が変化することや、第1現像ブレード145Aの先端部の劣化などによっても引き起こされる。
以上のような、液体現像剤LDを使用した現像装置におけるクリーニング不良を解決するために、本実施形態では、現像ローラー141上のクリーニング不良を精度良く検出し、現像ローラー141のクリーニング条件を変更する技術を備える。以下に、本実施形態における現像ローラー141のクリーニング動作を更に詳述する。
図6は、現像ローラーの表面電位を示す概略図である。図7は、本発明の第1の実施形態に係るクリーニング動作のフローチャートである。図4および図7において、制御部500は、クリーニング動作の実行を開始する(ステップS010)。この際、駆動制御部505は、ローラー駆動部550を制御して、現像装置14の現像ローラー141を回転させる。更に、駆動制御部505は、第2駆動部552を制御して、第2現像ブレード145Bを現像ローラー141から離間させておく。また、バイアス制御部502は、第1印加部60および第2印加部61を制御して、現像ローラー141および現像ローラー帯電器147に、現像バイアスおよび補助バイアスをそれぞれ印加する。なお、該クリーニング動作を実行するに当たり、画像形成部2において画像形成動作が実行中である場合は、現像ローラー141の回転駆動、第2現像ブレード145Bの離間、現像バイアスおよび補助バイアスの印加は、既に、実行されている。また、現像ローラー141の回転に伴って、第1現像ブレード145Aによる現像ローラー141の表面のクリーニングが、既に実行されている。
現像ローラー141が回転すると、クリーニング条件設定部504は、表面電位センサー510を制御して、現像ローラー141の表面電位Vmを検出させる(ステップS020)。検出された表面電位Vmの情報は、記憶部503に格納される。
表面電位センサー510による現像ローラー141の表面電位Vmの検出が終了すると、クリーニング判定部501は、記憶部503の表面電位Vmの情報を取得して、クリーニング条件の変更の要否を判定する(ステップS030)。クリーニング判定部501は、記憶部503に格納された表面電位Vmと、予め記憶部503に格納された電位閾値VTとを比較する。
この際の表面電位Vmと電位閾値VTとの関係について、以下に説明する。図6(a)は、現像ローラー141上に、トナーが付着していない状態であり、第1現像ブレード145Aによる現像ローラー141のクリーニングが良好に行われている状態を示している。この際の表面電位センサー510が検出する表面電位Vm0は、第1印加部60によって、現像ローラー141に印加された現像バイアスにほぼ相当する。
一方、図6(b)は、現像ローラー141上に、トナーが付着している状態を示している。換言すれば、図6(b)は、第1現像ブレード145Aをトナーが擦り抜けた状態、すなわち、クリーニング不良が生じている状態を示している。この際の表面電位センサー510が検出する表面電位Vm1は、第1印加部60によって、現像ローラー141に印加された現像バイアスに、現像ローラー141上のトナーが有する電荷が加わった電位に相当する。すなわち、図6(a)の表面電位Vm0と比較して、図6(b)の現像ローラー141の表面電位Vm1は、現像ローラー141上のトナーが有する電荷の分だけシフトする。
更に、図6(c)は、現像ローラー141上で、クリーニング不良が連続的に発生している状態を示している。この場合、現像ローラー141が周回するごとに、現像ローラー141の表面に付着するトナーが増え続ける。このため、現像ローラー141上の表面電位Vm2が、階段状に増加してゆく(シフトしていく)。
このように、現像ローラー141上の表面電位Vmを表面電位センサー510が検出することによって、現像ローラー141上のトナーの付着具合が把握される。この結果、第1現像ブレード145Aによるクリーニング不良が検出される。なお、本実施形態では、表面電位センサー510による現像ローラー141の表面電位Vmの測定に先立って、現像ローラー帯電器147が、現像ローラー141の表面を帯電させる。このため、前述のとおり、液体現像剤LD中のトナーが、現像ローラー141の表面に密集する。液体現像剤LD中にトナーが浮遊している場合、トナーが有する電荷が、表面電位センサー510によって検出されにくい。一方、本実施形態のように、トナーが現像ローラー141の表面に密集することによって、現像バイアスに対するトナーの電荷の付加分が、精度良く検出される。
本実施形態では、記憶部503に記憶される電位閾値VTは、図6(a)のVm0に相当する。すなわち、現像ローラー141の表面上に、トナーが付着していない状態での表面電位VmをVTとすることで、現像ローラー141上のトナーの付着有無が判断される。
かくして、クリーニング判定部501は、表面電位センサー510が検出した表面電位Vmと電位閾値VTとを比較し、Vm>VTの場合には、クリーニング条件の変更が必要であると判断する(ステップS030でYES)。
クリーニング判定部501によって、クリーニング条件の変更が必要であると判断されると、クリーニング条件設定部504は、駆動制御部505に、第2現像ブレード145Bの移動を指示する。これにより、駆動制御部505は、第2駆動部552を制御して、第2現像ブレード145Bを現像ローラー141に当接させる(ステップS040)。
この結果、現像ローラー141には、第1現像ブレード145Aおよび第2現像ブレード145Bが、現像ローラー141の回転方向に沿って、連続して当接される。したがって、現像ローラー141の表面上に付着したトナーを、通常よりも(第1現像ブレード145Aのみが現像ローラー141に当接する場合よりも)、強いクリーニング性能をもって、掻き取ることが可能となる。そして、制御部500は、第1現像ブレード145Aおよび第2現像ブレード145Bを現像ローラー141に当接させた状態で、現像ローラー141を所定回数、回転させた後、クリーニング動作を終了する。
一方、ステップS030において、Vm≦VTと判断された場合は、クリーニング判定部501は、クリーニング条件の変更は不要であると判断する(ステップS030でNO)。したがって、クリーニング条件設定部504は、クリーニング条件の変更を実行することなく、動作を終了する。
このように、本実施形態では、図6(b)および(c)に示すような現像ローラー141の表面電位Vm1、Vm2の状態に対応して、補助的に、第2現像ブレード145Bを現像ローラー141に当接させる。また、図6(a)に示すような現像ローラー141の表面電位Vm0の状態においては、第2現像ブレード145Bを現像ローラー141に当接させることなく、第1現像ブレード145Aのみによって、現像ローラー141のクリーニングを実行する。このため、現像ローラー141の表面に付着したトナー(クリーニング不良)を検出し、速やかに、該トナーをクリーニングすることが可能となる。更に、現像ローラー141の表面にトナーが残留せず、クリーニング不良が存在しない場合には、不必要に、第2現像ブレード145Bを現像ローラー141に当接させることがない。このため、現像ローラー141の表面や、第2現像ブレード145Bの先端エッジ部の磨耗を抑止することが可能となる。更に、本実施形態では、上記のように、現像ローラー141上のトナーの付着状態に応じて、第2現像ブレード145Bを当接させることが可能であるため、第1現像ブレード145Aの現像ローラー141に対する当接圧を、予め低く設定することが可能となる。
次に、本発明の第2の実施形態に係るクリーニング動作について説明する。本実施形態では、第1の実施形態と比較して、クリーニング条件の変更後の制御において相違し、その他の構成および制御に関して共通する。このため、該相違点を中心に説明し、その他の詳細な説明を省略する。
図8は、本発明の第2の実施形態に係るクリーニング動作のフローチャートである。図4および図8を参照して、制御部500が、クリーニング動作の実行を開始すると(ステップS011)、クリーニング条件設定部504は、表面電位センサー510を制御し、現像ローラー141の表面電位Vmを検出させる(ステップS021)。そして、クリーニング判定部501は、記憶部503から表面電位Vmの情報を取得し、クリーニング条件の変更の要否を判定する(ステップS031)。ここで、Vm>VTであった場合(ステップS031でYES)は、クリーニング条件設定部504は、駆動制御部505に、第2現像ブレード145Bの移動を指示する。これにより、駆動制御部505は、第2駆動部552を制御して、第2現像ブレード145Bを現像ローラー141に当接させる(ステップS041)。
本実施形態では、第2現像ブレード145Bが、現像ローラー141に当接した後、再度、クリーニング条件設定部504が、表面電位センサー510に現像ローラー141の表面電位Vmを検出させる。すなわち、クリーニング条件設定部504は、2回目以降のフローにおいて、クリーニング判定部501によって、Vm>VTと判断される間(ステップS031でYES)、第2現像ブレード145Bの現像ローラー141に対する当接を継続する。そして、クリーニング条件設定部504は、クリーニング判定部501によって、Vm≦VTと判断されると(ステップS031でNO)、駆動制御部505に、第2現像ブレード145Bの離間を指示する。これにより、駆動制御部505は、第2駆動部552を制御して、現像ローラー141から、第2現像ブレード145Bを離間させ(ステップS051)、クリーニング動作が終了される。この結果、現像ローラー141上のトナーを確実にクリーニングした後に、クリーニング動作を終了することが可能となる。
次に、本発明の第3の実施形態に係るクリーニング動作について説明する。本実施形態では、第1の実施形態と比較して、クリーニング条件を変更する実現手段において相違し、その他の構成および制御に関して共通する。このため、該相違点を中心に説明し、その他の詳細な説明を省略する。
図9は、本実施形態に係る現像装置14Aの構成を示した模式図であり、図10は、画像形成装置1の電気的構成を示したブロック図であり、図11は、クリーニング動作のフローチャートである。
第1駆動部551(第1駆動手段)は、第3現像ブレード145C(クリーニングブレード)に接続される。第1駆動部551は、第3現像ブレード145Cの現像ローラー141に対する当接圧を調整する。なお、本実施形態では、第1の実施形態と比較して、第2現像ブレード145Bが配設されていない点でも相違する(第3現像ブレード145は、第1現像ブレード145Aに対応する)。
図11において、制御部500Aが、クリーニング動作の実行を開始すると(ステップS012)、クリーニング条件設定部504Aは、表面電位センサー510を制御し、現像ローラー141の表面電位Vmを検出させる(ステップS022)。そして、クリーニング判定部501は、記憶部503から表面電位Vmの情報を取得し、クリーニング条件の変更の要否を判定する(ステップS032)。ここで、本実施形態では、Vm>VTであった場合、クリーニング条件設定部504Aは、駆動制御部505に、第3現像ブレード145Cの移動を指示する。これにより、駆動制御部505は、第1駆動部551を制御して、第3現像ブレード145Cの現像ローラー141に対する当接圧を増大させる(ステップS042)。すなわち、第1駆動部551は、第3現像ブレード145Cが、現像ローラー141の表面に、より食い込むように、第3現像ブレード145Cを移動させる。この結果、第3現像ブレード145Cの先端と、現像ローラー141の周面との間に、隙間がなくなり、トナーの擦り抜けが抑止される。
本実施形態では、現像ローラー141に対する第3現像ブレード145Cの当接圧を制御することで、現像ローラー141上に残存したトナーをクリーニングすることが可能となる。なお、本実施形態では、現像装置14が、第3現像ブレード145Cのみを備える構成にて説明したが、この構成に限られるものではない。すなわち、現像装置14は、第3現像ブレード145Cに加え、第1の実施形態と同様、回転方向下流側に、第2現像ブレード145Bを備えてもよい。この場合であっても、現像ローラー141上のクリーニング不良を表面電位センサー510によって検出し、現像ローラー141上を周回するトナーを速やかにクリーニングすることが可能となる。
次に、本発明の第4の実施形態に係るクリーニング動作について説明する。本実施形態では、第1の実施形態と比較して、クリーニング条件の変更の実現手段において相違し、その他の構成および制御に関して共通する。このため、該相違点を中心に説明し、その他の詳細な説明を省略する。
図12は、本発明の第4の実施形態に係るクリーニング動作のフローチャートである。本実施形態に係る現像装置14の概略図および画像形成装置1のブロック図は、第1の実施形態同様、図3および図4に示される。
図3、図4および図12を参照して、制御部500が、クリーニング動作の実行を開始すると(ステップS013)、クリーニング条件設定部504は、表面電位センサー510を制御し、現像ローラー141の表面電位Vmを検出させる(ステップS023)。そして、クリーニング判定部501は、記憶部503から表面電位Vmの情報を取得し、クリーニング条件の変更の要否を判定する(ステップS033)。ここで、本実施形態では、Vm>VTであった場合(ステップS033でYES)、クリーニング条件設定部504は、バイアス制御部502に、補助バイアスの停止を指示する。これにより、バイアス制御手段502は、第2印加部61を制御し、現像ローラー帯電器147による、現像ローラー141上の液体現像剤LDの帯電動作を停止させる(ステップS043)。また、同時に、クリーニング条件設定部504は、駆動制御部505に、第2現像ブレード145Bの移動を指示する。これにより、駆動制御部505は、第2駆動部552を制御し、第2現像ブレード145Bを、現像ローラー141に当接させる。
すなわち、本実施形態では、現像ローラー141上にクリーニング不良が発生し、トナーが第1現像ブレード145Aを擦り抜けたと判断された場合、クリーニング条件設定部504は、現像ローラー帯電器147の帯電動作を停止させる。このため、現像ローラー帯電器147によって、現像ローラー141上に付与されていた電荷が失われる。この結果、現像ローラー141の表面上では、トナーの帯電が失われ、図5において領域Bの状態から領域Aの状態に移行する(この場合、現像ローラー141の回転方向は、図中矢印D1と逆となる)。このように、液体現像剤LD中をトナーが自由に浮遊する状態となると、該液体現像剤LDの粘度が低下すると共に、液体現像剤LDの流動性が増す。この結果、液体現像剤LDが、第1現像ブレード145Aおよび第2現像ブレード145Bの先端によるトナーの掻き取りを補助する機能を備える。すなわち、液体現像剤LDが、クリーニング液と同様の効果を奏する。この結果、第1現像ブレード145Aを擦り抜けたトナーが、以後の現像ローラー141の周回において、第1現像ブレード145Aおよび第2現像ブレード145Bによって掻き取られることが可能となる。
なお、現像装置14は、第2現像ブレード145Bを備える構成に限られない。すなわち、現像装置14は、第1現像ブレード145Aのみを備える構成であってもよい。この場合であっても、現像ローラー141上のクリーニング不良が、表面電位センサー510によって検出される。そして、現像ローラー帯電器147の帯電がオフされることで、第1現像ブレード145Aが、現像ローラー141上のトナーを速やかにクリーニングすることが可能となる。
次に、本発明の第5の実施形態に係るクリーニング動作について説明する。図13は、本実施形態に係る現像装置14Bの構成を示した模式図である。現像装置14Bは、第1の実施形態に係る現像装置14と比較して、表面電位センサー511(表面電位検出手段)の配置が異なる点で相違する。
表面電位センサー511は、現像ニップ部Nよりも、現像ローラー141の回転方向下流側であって、第1現像ブレード145Aと現像ローラー141の当接位置よりも、前記回転方向上流側に配置される。なお、表面電位センサー511の機能、電気的構造については、表面電位センサー510と同様である。
第1〜第4の実施形態に係る表面電位センサー510は、現像ローラー帯電器147と現像ローラー141の対向位置よりも、現像ローラー141の回転方向下流側であって、現像ニップ部Nよりも、前記回転方向上流側に配設された。しかしながら、図1および図2に示すように、該領域には、表面電位センサー510が配設される空間が限られていることが多く、表面電位センサー510として小型の表面電位計が選択される必要が生じやすい。
これに対し、現像ニップ部Nよりも回転方向下流側の領域には、図1および図2に示すように、現像ニップ部Nよりも回転方向上流側の領域と比較して、空間が存在する。このため、表面電位センサー511の配置空間に自由度が増すこととなる。
一方、現像ニップ部Nでは、前述の現像動作によって、トナーが感光体ドラム10側に移動される。すなわち、現像ニップ部Nでは、現像ローラー141上のトナー量の変動が存在する。このため、現像ニップ部Nを通過した現像ローラー141上の表面電位Vmを測定した場合、該表面電位Vmの変動が、第1現像ブレード145Aを擦り抜けたトナーによってもたらされたものなのか、現像ニップ部Nにおけるトナー量の変動によってもたらされたものなのかを判断することが困難となる。このため、本実施形態では、表面電位センサー511によって現像ローラー141の表面電位が検出されるタイミングが、制御部500Bによって選択されるステップを備える。
以下に、本実施形態に係るクリーニング動作の制御フローを詳述する。図14は、制御部500Bの機能ブロック図であり、図15は、クリーニング動作のフローチャートである。制御部500Bは、前述の表面電位センサー511に加え、画像メモリー62およびI/F63に電気的に接続されている。また、その他の構成は、第1の実施形態と同様であるため、説明を省略する。
画像メモリー62は、画像形成装置1がプリンターとして機能する場合に、例えばパーソナルコンピューターなどの外部機器から与えられる印刷用画像データを一時的に記憶する。また、画像メモリー62は、画像形成装置1が複写機として機能する場合には、所定の読取装置により光学的に読み取られた画像データを一時的に記憶する。
I/F63は、外部機器とのデータ通信を実現させるためのインターフェイス回路である。I/F63は、例えば画像形成装置1と外部機器とを接続するネットワークの通信プロトコルに従った通信信号を作成すると共に、ネットワーク側からの通信信号を画像形成装置1が処理可能な形式のデータに変換する。パーソナルコンピューター等から送信される印刷指示信号はI/F63を介して制御部500Bに与えられる。また画像データは、I/F63を介して画像メモリー62に記憶される。
図13〜図15を参照して、制御部500Bは、クリーニング動作の実行を開始する(ステップS014)。
クリーニング動作が開始されると、制御部500Bは、現時点での画像形成装置1の動作状態を確認する(ステップS024)。そして、画像形成装置1において、画像形成動作が実行される状態であった場合(ステップS024でYES)、制御部500Bは、現像ニップ部Nよりも回転方向上流側の感光体ドラム10上に、画像情報に基づいた潜像が存在しないか、換言すれば、現在の感光体ドラム10上が、紙間または非画像部に相当するか否かを判断する(ステップS034)。この際、制御部500Bは、画像メモリ62に格納された画像情報を確認することで、上記の判断を実行する。
そして、現像ニップ部Nよりも回転方向上流側の感光体ドラム10上の周面が、紙間または非画像部に相当する場合(ステップS034でYES)、制御部500Bは、ステップS044に進む。一方、現時点で、前記感光体ドラム10上の周面に潜像が形成されており、紙間または非画像部に相当しない場合(ステップS034でNO)は、制御部500Bは、ステップS034の判断を繰り返し、紙間または非画像部となるタイミングまで待機する。
なお、ステップS024において、画像形成装置1が、画像形成動作を実行していない場合(ステップS024でNO)においても、制御部500Bは、ステップS044に進む。この際、駆動制御部505は、ローラー駆動部550を制御して、現像装置14の現像ローラー141を回転させる。更に、駆動制御部505は、第2駆動部552を制御して、第2現像ブレード145Bを現像ローラー141から離間させておく。また、バイアス制御部502は、第1印加部60および第2印加部61を制御して、現像ローラー141および現像ローラー帯電器147に、現像バイアスおよび補助バイアスをそれぞれ印加する。なお、ステップS024において、画像形成動作が実行されている状態であった場合(ステップS024でYES)は、上記の各部材の動作は、既に実行されている。
ステップS044に移行すると、クリーニング条件設定部504Bは、表面電位センサー511を制御して、現像ローラー141の表面電位Vmを検出させる。表面電位Vmの情報は、記憶部503に格納される。このように、表面電位センサー511は、感光体ドラム10における非画像部に対向する現像ローラー141の周面の表面電位Vmを検出する。
表面電位センサー511による現像ローラー141の表面電位Vmの検出が終了すると、クリーニング判定部501は、記憶部503から表面電位Vmの情報を取得し、クリーニング条件の変更の要否を判定する(ステップS054)。クリーニング判定部501は、記憶部503に格納された表面電位Vmと、予め記憶部503に格納された電位閾値VTとを比較する。
クリーニング判定部501は、表面電位センサー511が検出した表面電位Vmと電位閾値VTとを比較し、Vm>VTの場合には、クリーニングの条件の変更が必要であると判定する(ステップS054でYES)。
クリーニング判定部501によって、クリーニングの条件の変更が必要であると判定されると、クリーニング条件設定部504Bは、駆動制御部505に対して、第2現像ブレード145Bの移動を指示する。これにより、駆動制御部505は、第2駆動部552を制御して、第2現像ブレード145Bを現像ローラー141に当接させる(ステップS064)。そして、駆動制御部505が、現像ローラー141を所定回転させた後、クリーニング動作が終了される。
一方、ステップS054において、Vm≦VTと判断された場合(ステップS054でNO)は、クリーニング条件設定部504Bは、クリーニング条件の変更を実行することなく、クリーニング動作が終了される。
このように、本実施形態では、現像ニップ部Nよりも現像ローラー141の回転方向下流側に配設された表面電位センサー511を使用し、現像ローラー141の表面上のクリーニング不良を精度良く検出することが可能となる。特に、現像ニップ部Nにおいて、トナーが感光体ドラム10側に消費された場合であっても、表面電位センサー511は、感光体ドラム10における非画像部に対向する現像ローラー141の周面の表面電位Vmを検出する。このため、現像ニップ部Nにおいて消費されるトナーの影響を受けずに、現像ローラー141上のクリーニング不良が検出される。そして、クリーニング条件設定部504Bが、現像ローラー141上の表面電位Vmの値に応じて、第2現像ブレード145Bを現像ローラー141に当接させるため、現像ローラー141上に残留したトナーを速やかにクリーニングすることができる。更に、必要以上に、第2現像ブレード145Bが現像ローラー141に当接されることがないため、第2現像ブレード145Bの先端部や、現像ローラー141の表面の磨耗を抑制することが可能となる。
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明はこれらに限定されるものではなく、例えば次のような変形実施形態を取ることができる。
(1)上記の実施形態では、現像ローラー141に当接し、現像ローラー141の表面に残留したトナーを清掃する部材として、第1現像ブレード145A、第2現像ブレード145Bおよび第3現像ブレード145Cを示したが、これに限定されるものではない。図17は、現像ローラー141に当接するクリーニングローラー145Dを備えた現像装置14Cの概要図である。このように、表面にスポンジ材料などが巻回されたクリーニングローラー145Dが、現像ローラー141に当接される態様であってもよい。クリーニングローラー145Dは、第3駆動部553によって、矢印D3の方向に回転駆動される。表面電位センサー510によって、検出された表面電位Vmが、電位閾値Vtよりも高い場合には、第3駆動部553によるクリーニングローラー145Dの回転数が増大されることによって、クリーニングローラー145Dのクリーニング性能を増大させることができる。
(2)また、上記の実施形態では、電位閾値VTが、現像ローラー141上にトナーが存在しない場合の表面電位Vm0に相当する態様で示したが、これに限定されるものではない。たとえば、電位閾値VTは、所定の量のトナーが現像ローラー141上に担持された場合の表面電位Vmであってもよい。この場合、表面電位センサー510または表面電位センサー511によって検出される表面電位Vmが、電位閾値VTよりも高い場合には、所定の量のトナーに加え、余分なトナー(クリーニング不良のトナー)が現像ローラー141に付着していると判断することができる。特に、この態様であれば、画像形成動作中に、供給ローラー142から現像ローラー141にトナーを供給しながら、現像ローラー141上のクリーニング不良を検出することが可能となる。
(3)また、上記の実施形態では、第1印加部60によって、現像ローラー141に現像バイアスが印加された状態で、クリーニング動作を実行する態様を示したが、これに限定されるものではない。たとえば、画像形成動作とは別のタイミングで、クリーニングモードを設ける態様であってもよい。たとえば、クリーニングモードは、画像形成動作の開始前や、画像形成動作の終了後に実行されてもよい。この場合、感光体ドラム10には、帯電器11による帯電が実行されておらず、また、露光装置12によって潜像も形成されていない。したがって、現像ローラー141には、現像バイアスが印加されている必要はない。このため、現像ローラー141が接地された上で、現像ローラー帯電器147が、トナーを現像ローラー141の表面に移動させるような所定の補助バイアスを、現像ローラー141上の液体現像剤LDに対して、付与するだけでもよい。