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JP2013148484A - バイオチップの製造方法及びバイオチップ - Google Patents

バイオチップの製造方法及びバイオチップ Download PDF

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JP2013148484A JP2012009519A JP2012009519A JP2013148484A JP 2013148484 A JP2013148484 A JP 2013148484A JP 2012009519 A JP2012009519 A JP 2012009519A JP 2012009519 A JP2012009519 A JP 2012009519A JP 2013148484 A JP2013148484 A JP 2013148484A
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Go Yamanouchi
豪 山之内
Sohei Funaoka
創平 舩岡
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Abstract

【課題】生体試料中の多数の蛋白質の検出および分析に用いられるバイオチップにおいて、吸着防止剤をコーティングすることなしに、蛋白質を基体表面の任意の位置に固定化し、それ以外の部分への不要な生理活性物質の吸着および結合を抑制する、高感度でハイスループットな生理活性物質の検出ができるバイオチップの製造方法を提供する。
【解決手段】基体表面に蛋白質を固定化してなるバイオチップの製造方法であって、(1)基体表面にポリエチレングリコール基を有するポリマーを塗布する工程、(2)基体表面に蛋白質を溶媒に溶解又は分散した液体を点着または塗布する工程、(3)蛋白質を固定化する工程、を含むことを特徴とするバイオチップの製造方法、および前記製造方法で製造されるバイオチップ。
【選択図】図1

Description

本発明は、生体試料中の多数の蛋白質の検出および分析に用いられるバイオチップの製造方法に関する技術であり、さらに詳しくは、抗原抗体反応を用いた免疫分析、プロテオミクス、ならびに遺伝子活性の細胞内蛋白質レベルでの測定に用いられるバイオチップの製造方法に関するものである。
現状のプロテインチップは一般にDNAチップの延長線上に位置付けられて開発がなされているため、ガラス基板上に蛋白質、またはそれを捕捉する分子をチップ表面に固定化する検討がなされている(例えば特許文献1参照)。
蛋白質、またはそれを捕捉する分子を基板上に固定化した後、該表面上で他の蛋白質(例えば抗原抗体反応では、蛋白質に対してはその抗体、また蛋白質を捕捉する分子に対してはその蛋白質) と反応させて検出機等で検出する場合、蛋白質、またはそれを捕捉する
分子が固定されていない部分に該分子以外の蛋白質が固定されると、検出時にノイズとなり信号対雑音比(S/N 比) を低下させる原因となり、検出精度を低下させる( 例えば非特許文献1参照) 。
このため通常は、蛋白質、またはそれを捕捉する分子を固定化した後に、これらの分子が固定されていない部分で他の蛋白質が非特異的に吸着するのを防止するため、吸着防止剤のコーティングが行われるが、これらの非特異吸着防止能は十分でない。また、蛋白質、またはそれを捕捉する分子を固定化した後に吸着防止剤をコーティングするため、固定化した蛋白質、またはそれを捕捉する分子の上に吸着防止剤がコーティングされてしまう場合があり、続く反応、即ち他の蛋白質( 例えば抗原抗体反応では、蛋白質に対してはその抗体、また蛋白質を捕捉する分子に対してはその蛋白質)との反応において、反応性が低下するという問題があった。このため、一次抗体固定化後の吸着防止剤コーティング工程がなく、かつ蛋白質、またはそれを捕捉する分子が固定されていない部分での非特異吸着量の少ないバイオチップが求められている。
また、すべての蛋白質(プロテオーム)の変動をプロファイリングする技術面では、超微量の蛋白質や数ナノリットルというような超微量の溶液の操作を可能とするマイクロフルイディクスの技術や、チップ上での前処理、分離、検出を目標とする「ラボ・オン・チップ」の概念が重要となってくる。この技術においては、サンプルである蛋白質などの生理活性物質が、流路内に固定化されたキャプチャーと特異的に反応し、かつキャプチャー部以外の流路の内壁への非特異吸着を抑制することが必要となる。
例えば、特許文献2や3の発明においては、生理活性物質固定のためのアミノ基含有ポリマーと親水性ポリマーを組み合わせることで、この目的を達成しようとした。基体の親水性を高めることで非特異吸着を抑制することが可能になった。
しかしながら、親水性を高めることは、基体表面に水を落とした時の前進接触角を低くすることでもあり、その結果、生理活性物質を含む水溶液を基体表面にスポットした場合に、スポット面積が広がり、さらにスポット外周部がにじんで真円のスポットにならないなどの問題が生じた。
特開2001−116750号公報 特開2005−091245号公報 特表2010−008378号広報
「DNAマイクロアレイ実戦マニュアル」、林崎良英、岡崎康司編、羊土社、2000年、p.57
本発明は、吸着防止剤をコーティングすることなしに、蛋白質を基体表面の任意の位置に固定化し、それ以外の部分への不要な生理活性物質の吸着および結合を抑制し、かつ良好なスポット形状を維持することで高感度でハイスループットな生理活性物質の検出ができるバイオチップの製造方法を提供することを目的とする。
本発明は、(1)〜(17)に示す以下の通りである。
(1)基体表面に蛋白質を固定化してなるバイオチップの製造方法であって、(1)基体表面にアルキレングリコール基を有するポリマーを塗布する工程、(2)基体表面に蛋白質を溶媒に溶解又は分散した液体を点着または塗布する工程、(3)蛋白質を固定化する工程、を含むことを特徴とするバイオチップの製造方法。
(2)前記(3)工程において、湿度50%以下の乾燥状態におく(1)記載のバイオチップの製造方法。
(3)前記ポリマーがポリアルキレングリコール基を有する単量体と、架橋基を有する単量体との共重合体である(1)または(2)記載のバイオチップの製造方法。
(4)前記架橋基がアルコキシシランである(1)乃至(3)いずれか1項に記載のバイオチップの製造方法。
(5)前記アルコキシシランが、トリメトキシシランである(1)乃至(4)いずれか1項に記載のバイオチップの製造方法。
(6)アルキレングリコール基を有する単量体が下記の一般式[1]で表されるモノマーである(1)乃至(5)いずれか記載のバイオチップの製造方法。

(7)アルキレングリコール基を有するエチレン系不飽和重合性モノマーがメトキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレートである(1)乃至(6)いずれか1項に記載のバイオチップの製造方法。
(8)前記メトキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレートのエチレングリコールの平均連鎖が3〜100である(7)記載のバイオチップの製造方法。
(9)前記(3)工程の固定化が吸着である(1)乃至(8)いずれか1項に記載のバイオチップの製造方法。
(10) 前記(3)工程の固定化が基板上に蛋白質を含む液体と点着し乾燥させることで固定化する(1)乃至(9)いずれか1項に記載のバイオチップの製造方法。
(11)蛋白質が基体表面にスポット状に固定化されている(1)乃至(10)いずれか1項に記載のバイオチップの製造方法。
(12)複数種の蛋白質のスポットが基体表面の同一区画中に存在している(11)記載のバイオチップの製造方法。
(13)基体の形状がスライドガラス状である(1)乃至(12)いずれか1項に記載のバイオチップの製造方法。
(14)基体の材質がプラスチックである(1)乃至(13)いずれか1項に記載のバイオチップの製造方法。
(15)プラスチックがポリカーボネート、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、飽和環状ポリオレフィン、ポリペンテン、ポリアミド及びそれらの共重合体よりなる群より少なくとも1種である(14)記載のバイオチップの製造方法。
(16)前記蛋白質が、抗体である(1)乃至(15)いずれか1項に記載のバイオチップの製造方法。
(17)(1)乃至(16)いずれか1項に記載の製造方法で作製したことを特徴とするバイオチップ。
本発明によると、吸着防止剤をコーティングすることなしに、蛋白質を基体表面の任意の位置に固定化し、それ以外の部分への不要な生理活性物質の吸着および結合を抑制し、かつ良好なスポット形状を維持した高感度でハイスループットな生理活性物質の検出ができるバイオチップの製造方法を提供することが可能となった。
実施例1の抗原存在下での測定結果を示す図。 実施例1の抗原無しでの測定結果を示す図。 比較例1の抗原存在下での測定結果を示す図。 比較例1の抗原無しでの測定結果を示す図。
本発明のバイオチップの製造方法は、基体表面にホスホリルコリン基を有するポリマーをコートする工程を含むことを特徴とする。
(ポリマーの構成)
本発明において重要な要素は、基体表面にアルキレングリコール基を有するポリマーである。
ポリアルキレングリコール基を有するポリマーは、親水性基を有しているポリマーであって、生理活性物質の吸着を抑制する効果を有する。
前記ポリマーは、アルキレングリコール基が下記の一般式[1]で表されるモノマーを重合して得ることができる。

式中R1は水素原子またはメチル基を示し、R2は水素原子または炭素数1〜20のアルキル基を示す。
ポリアルキレングリコール基のアルキレングリコール基Xの炭素数は1〜10であり、好ましくは1〜6であり、より好ましくは2〜4であり、更に好ましくは2〜3であり、最
も好ましくは2である。炭素数が前記範囲内であると、特に非特異吸着の抑制に優れる。
また、アルキレングリコール基の繰り返し数pは、特に限定されるものではないが、好ましくは1〜100の整数であり、より好ましくは2〜100の整数であり、更に好ましくは2〜95の整数であり、最も好ましくは20〜90の整数である。 前記繰り返し数が前記範囲内であると、特に非特異吸着の抑制に優れる。
なお、繰り返し数が、3以上100以下の場合は、繰り返されるアルキレングリコール基の炭素数は同一であっても、異なっていてもよい。
アルキレングリコール基を有するエチレン系不飽和重合性モノマーとしては、具体的にはメトキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、エトキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート及びその水酸基の一置換エステル、2−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート及びその水酸基の一置換エステル、グリセロールモノ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールを側鎖とする(メタ)アクリレート、2−メトキシエチル(メタ)アクリレート、2−エトキシエチル(メタ)アクリレート、メトキシジエチレングリコール(メタ)アクリレート、エトキシジエチレングリコール(メタ)アクリレート、エトキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート等が挙げられるが、目的とする生理活性物質以外の成分の非特異的吸着が少ないこと及び入手性からメトキシポリエチレングリコールメタクリレートまたはエトキシポリエチレングリコールメタクリレートが好ましい。
さらに、本発明に使用するポリマーは、ポリマーを基体表面に固定化するための架橋基を有することが好ましい。本発明に用いる基体表面に固定化するための架橋基としては、化学的に活性な基、受容体基、リガンド基などがあるが、これらに限定されない。具体的な例としては、アルコキシシラン基、アルデヒド基、活性エステル基、エポキシ基、ビニルスルホン基チオール基、アミノ基、イソシアネート基、イソチオシアネート基、ヒドロキシル基、アクリレート基、マレイミド基、ヒドラジド基、アジド基、アミド基、スルホネート基などがあるがこれらに限定されない。これらの中でも反応性の点からアルコキシシラン基、アルデヒド基、活性エステル基、エポキシ基、ビニルスルホン基が好ましい。特に、アルコキシシラン基が架橋結合において良く用いられ、また、未反応のアルコキシシラン基も水添加で簡単に失活できることから最も好ましい。
また、本発明に使用するポリマーは、ポリアルキレングリコール基以外に他の基を含んでもよく、アルキレングリコール基を有する単量体、アルコキシシラン基を有する単量体を有する単量体との二元共重合体が好ましい。
(ポリマーのコーティング)
本発明のバイオチップは、基体表面を該ポリマーでコーティングすることにより、生理活性物質の非特異的吸着を抑制する性質、特定の生理活性物質を固定化する性質を容易に付与することが可能である。
基体へのポリマーのコーティングは、例えば有機溶剤にポリマーを0.05〜10重量%濃度になるように溶解したポリマー溶液を調製し、浸漬、吹きつけなどの公知の方法で基体表面に塗布した後、室温下ないしは加温下にて乾燥させることにより行われる。
有機溶剤としては、2−ブタノン、エタノール、メタノール、t−ブチルアルコール、ベンゼン、トルエン、テトラヒドロフラン、ジオキサン、ジクロロメタン、クロロホルム、アセトン、メチルエチルケトンなどの単独溶媒またはこれらの混合溶剤が使用される。中でも、エタノール、メタノールがプラスチックで構成される基体を変性させず、乾燥させやすいため好ましい。また、溶液中でポリマーを加水分解させる場合にも、水と任意の割
合で混ざるので好ましい。
本発明のポリマーを溶解した溶液を基体表面に塗布した後、溶液を除去し、有機溶媒で洗浄したのち、遠心乾燥するのが好ましい。
(基体の素材)
基体の素材は、通常ガラス、金属その他を用いることができるが、本発明に使用する基体の素材としては、表面処理の容易性、量産性の観点から、プラスチックを使用し、特に熱可塑性樹脂であることが好ましい。熱可塑性樹脂としては、蛍光発生量の少ないものが好ましい。例えばポリカーボネート、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、飽和環状ポリオレフィン、ポリペンテン、ポリアミド及びそれらの共重合体よりなる群より少なくとも1種等を用いることが好ましく、耐熱性、耐薬品性、低蛍光性、成形性に特に優れる飽和環状ポリオレフィンを用いることがより好ましい。ここで飽和環状ポリオレフィンとは、環状オレフィン構造を有する重合体単独または環状オレフィンとα − オレフィンとの共重合体を水素添加した飽和重合体等を指す。
前記の通り、ポリマーの架橋基を用いて基体と結合させるには、基体表面に架橋基と反応する可能基が必要となる。必要とされる官能基は、例えば、水酸基、カルボキシル基、アミノ基などがあげられる。特に水酸基はオアキシルシラン基との反応性が高く、また、基体表面の酸化により容易に形成できるので好適である。基体表面の酸化は、例えば、プラズマ処理、コロナ処理、放射線照射処理などがある。
(基体の形状)
本発明に使用する基体の形状は、特に限定しないが、スライドガラス状の基板、マルチウェルプレート、ビーズ状の球体等が挙げられる。これらの基体表面に微細な流路を有していてもよく、流路内に抗体を固定化させることも可能である。
(蛋白質の固定化)
本発明において蛋白質を基体上に固定化する際には、蛋白質を溶媒で溶解又は分散した液体を点着する方法が好ましい。
蛋白質を溶解または分散する溶媒のpHは8〜10であることが好ましく、pH9.0〜9.9がより好ましい。蛋白質固定化の工程における環境については、温度は20℃ 以上が必要であり、好ましくは25〜70℃ であり、湿度は0〜50%が好ましい。特に湿度35〜45%の条件下ではスポットの滲みやかすれによるスポット形状の異常が見られず、シグナル強度が安定し、より好適である。固定化後は、固定化されなかった蛋白質を除去するため、純水や緩衝液で洗浄することが好ましい。
蛋白質が基体表面にスポット状に固定化される場合、複数種の蛋白質のスポットを基体表面の同一区画中に存在させることが可能である。これにより、同一の検体中の複数種の蛋白質を同時に測定することが可能となる。
次に、本発明の具体的実施例について説明する。
1.ポリマーの調製
(1)ポリマーの合成
数平均分子量Mn=約188のポリエチレングリコールメチルエーテルメタクリレート(別名メトキシポリエチレングリコールメタクリレート、以下、「PEGMA」と記載、Aldrich社製)と、p−ニトロフェニルオキシカルボニル−ポリエチレングリコールメタクリレート(以下、「MEONP」と記載)と、3−メタクリロキシプロピルジメチ
ルエトキシシラン(以下、「MPDES」と記載、GELEST,INC.製)とを脱水エタノールに溶解させた。
そこに、さらに2、2−アゾビスイソブチロニトリル(以下、「AIBN」と記載、和光純薬工業社製)をそれぞれ添加し、均一になるまで撹拌することで、モノマー混合溶液を作製した。
なお、モノマー混合溶液中における、それぞれのモル比は、PEGMA、MEONP、MPDESの順に90:5:5である。
その後、アルゴンガス雰囲気下、60℃で6時間反応させた後、反応溶液をジエチルエーテル中に滴下し、沈殿を収集することにより第2のポリマーを得た。
なお、上述したMEONPについては、以下の(2)に示すようにして合成した。
(2)p−ニトロフェニルオキシカルボニル−ポリエチレングリコールメタクリレート(MEONP)の合成
0.01molのポリエチレングリコールモノメタクリレート(日本油脂製、「Blenmer PE−200」)を20mLのクロロホルムに溶解させた後、−30℃まで冷却した。
−30℃に保ちながらこの溶液に、予め作製しておいた0.01molのp−ニトロフェニルクロロフォーメート(Aldrich社製)と0.01molのトリエチルアミン(和光純薬工業社製)およびクロロホルム20mLの均一溶液をゆっくりと滴下した。
−30℃にて1時間反応させた後、室温でさらに2時間溶液を攪拌した。その後反応液から塩をろ過により除去し、溶媒を留去してMEONPを得た。
2.抗原の検出
[実施例1](RAT ALBUMIN抗体を湿度50%以下の乾燥状態で固定化した場合)
(1)まず、RAT ALBUMINの検出のために、以下の部材および原材料等を用意した。
基体として直径7mmのウェルを備えるポリエチレン樹脂基板を用意した。該基体にポリマーの0.5wt%エタノール溶液を調整し、これを成型品のウェルに点着したのち乾燥、次に、エタノールを用いて洗浄し、ウェル底面に、ポリマーを導入した。
(2)次に、一次抗体(RABBIT IGG FRACTION TO RAT ALBUMIN(Cappel社製))の5μg/mLリン酸バッファー溶液を調製し、これを穴部に点着したのち、45%以下の乾燥状態、室温下で一晩静置した。洗浄液(0.05% triton X100 /PBS)を用いて3回洗浄を行った。
(3)次に、Albumin抗原(Albumin 、Rat (-)(Cappel社製))の70μg/mLPBS溶液(検体)を調製し、これを穴部に点着したのち、37℃の環境下に1.5時間静置して、抗原抗体反応を実施した。洗浄液を用いて3回洗浄を行った。
(4)次に、標識化二次抗体(オチン標識 SHEEP IGG FRACTION TO RAT ALBUMIN(Cappel社製))の1ug/mL PBS溶液(0.05% triton X100)を調製し、これを穴部に点着したのち、37℃の環境下に1時間静置して、抗原抗体反応を実施した。洗浄液を用いて3回洗浄を行った。
(5)次に、Cy3標識されたストレプトアビジンのPBS溶液(0.05% triton X100)を調製し、これを穴部に点着したのち、37℃の環境下に0.5時間静置した。洗浄液を用いて3回洗浄を行った。
(6)測定は、ウェルについて、それぞれ、蛍光測定(励起波長:550nm蛍光波長:570nm)を行った。
その結果、抗原依存的にシグナルが得られた。また、各スポットの形は良好な形状をしめしていた。
[比較例](RAT ALBUMIN抗体を湿度50%以上の多湿下で固定化した場合)実施例1と同様の操作で、(2)の一次抗体の固定化において、湿度60%の条件下で実施した。
その結果、抗原依存的な蛍光シグナルが得られなかった。
実施例1、と比較例1とでは、明らかに得られた蛍光シグナルの強度、形状が著しく異なり、実施例1において良好な結果が得られたことがわかる。
本発明は、不要な生理活性物質の吸着および結合を抑制し、高感度でハイスループットな生理活性物質の検出および分析用のバイオチップに使用することができる。

Claims (17)

  1. 基体表面に蛋白質を固定化してなるバイオチップの製造方法であって、
    (1)基体表面にアルキレングリコール基を有するポリマーを塗布する工程、
    (2)基体表面に蛋白質を溶媒に溶解又は分散した液体を点着または塗布する工程、
    (3)蛋白質を固定化する工程、
    を含むことを特徴とするバイオチップの製造方法。
  2. 前記(3)工程において、湿度50%以下の乾燥状態におく請求項1記載のバイオチップの製造方法。
  3. 前記ポリマーがアルキレングリコール基を有する単量体と、架橋基を有する単量体との共重合体である請求項1または2記載のバイオチップの製造方法。
  4. 前記架橋基がアルコキシシランである請求項1乃至3いずれか1項に記載のバイオチップの製造方法。
  5. 前記アルコキシシランが、トリメトキシシランである請求項1乃至4いずれか1項に記載のバイオチップの製造方法。
  6. アルキレングリコール基を有する単量体が下記の一般式[1]で表されるモノマーである請求項1乃至5いずれか1項に記載のバイオチップの製造方法。

    (式中R1は水素原子またはメチル基を示し、R2は水素原子または炭素数1〜20のアルキル基を示す。Xは炭素数1〜10のアルキレングリコール基を示し、pは1〜100の整数を示す。繰り返されるXは、同一であっても、または異なるアルキレングリコール基の連鎖であってもよい。)
  7. アルキレングリコール基を有するエチレン系不飽和重合性モノマーがメトキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレートである請求項1乃至6いずれか1項に記載のバイオチップの製造方法。
  8. 前記メトキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレートのエチレングリコールの平均連鎖が3〜100である請求項7記載のバイオチップの製造方法。
  9. 前記(3)工程の固定化が吸着である請求項1乃至8いずれか1項に記載のバイオチップの製造方法。
  10. 前記(3)工程の固定化が基板上に蛋白質を含む液体と点着し乾燥させることで固定化する請求項1乃至9いずれか1項に記載のバイオチップの製造方法。
  11. 蛋白質が基体表面にスポット状に固定化されている請求項1乃至10いずれか1項に記載のバイオチップの製造方法。
  12. 複数種の蛋白質のスポットが基体表面の同一区画中に存在している請求項11記載のバイオチップの製造方法。
  13. 基体の形状がスライドガラス状である請求項1乃至12いずれか1項に記載のバイオチップの製造方法。
  14. 基体の材質がプラスチックである請求項1乃至13いずれか1項に記載のバイオチップの製造方法。
  15. プラスチックがポリカーボネート、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、飽和環状ポリオレフィン、ポリペンテン、ポリアミド及びそれらの共重合体よりなる群より少なくとも1種である請求項14記載のバイオチップの製造方法。
  16. 前記蛋白質が、抗体である請求項1乃至15いずれか1項に記載のバイオチップの製造方法。
  17. 請求項1乃至16いずれか1項に記載の製造方法で作製したことを特徴とするバイオチップ。

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