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JP2013137268A - Fmcwレーダシステム - Google Patents

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JP2013137268A
JP2013137268A JP2011288878A JP2011288878A JP2013137268A JP 2013137268 A JP2013137268 A JP 2013137268A JP 2011288878 A JP2011288878 A JP 2011288878A JP 2011288878 A JP2011288878 A JP 2011288878A JP 2013137268 A JP2013137268 A JP 2013137268A
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wave
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JP2011288878A
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Hirokazu Kamoda
浩和 鴨田
Jun Tsumochi
純 津持
Fumiyasu Suginoshita
文康 杉之下
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Japan Broadcasting Corp
Original Assignee
Nippon Hoso Kyokai NHK
Japan Broadcasting Corp
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Abstract

【課題】リーク波の位相の変動に起因するターゲット検出精度の低下を防止可能なFMCWレーダシステムを提供する。
【解決手段】ターゲットTGに放射する送信波を生成する送信部2と、送信波を空中に放射し反射された受信波を受信するアンテナ3と、受信波に基づいてTGに関する情報を抽出する受信部4と、送信波をアンテナに出力し受信波を受信部に出力するアンテナ共用部5と、を備え、送信部がローカル信号発生部21と、チャープ信号発生部22と、送信側ミクサ23と、送信側制御部24とを備え、受信部が、送信波がリーク波と受信波とからビート波を生成する受信側ミクサ41と、ビート波の低周波成分を除去するHPF42と、HPF出力に含まれるアンテナ3の入力端の反射位相の周波数特性に起因する誤差を補正する誤差補正部43と、補正後信号からTGに関する情報を抽出するターゲット情報抽出部44と、を備える。
【選択図】図3

Description

本発明はFMCWレーダシステムに係り、特に、アンテナを送受信共用とするとともに、受信側ミクサとして2端子シングルエンド型ミクサを適用するFMCWレーダシステムに関する。
レーダシステムの一形式としてFMCW(Frequency Modulated Continuous Wave)レーダシステムが公知である。
このFMCWレーダシステムはターゲットまでの距離を測定できるだけでなく、ドップラー効果に起因する送信波と受信波の周波数差からターゲットの相対速度を検出することも可能であるため、車間距離測定を目的とする自動車搭載用FMCWレーダシステムがすでに提案されている(例えば、特許文献1参照)。
上記提案に係るFMCWレーダシステムでは、システム構成を単純にするために、アンテナを送受信共用とするとともに、ミクサとして2端子シングルエンド型ミクサを使用する構成も含まれている。
特開2007−024890号公報
図12は特許文献1に開示されているレーダシステムの概略構成図および波形グラフであって、(a)は概略構成を、(b)は送受信のタイミングを、(c)は送信波波形を、(d)は送信波ミクサ出力波形を、(e)はハイパスフィルタ出力波形を示す。
すなわち、特許文献1に開示されているFMCWレーダシステムは、(a)に示すように送信部2、アンテナ3、受信部4、アンテナ共用部5から成り、受信部4は増幅器40、2端子シングルエンド型の受信側ミクサ41およびハイパスフィルタ(以下「HPF」と記す)42を含んでいる。
送信部2は(b)の実線および(c)に示すように所定の周期Tごとに周波数が所定範囲で変化するチャープ信号を発生し、アンテナ共用部5を介してアンテナ3からターゲットTGに向かって放射する。
ターゲットTGで反射された送信波である反射波はアンテナ3で受信波として受信され、受信側ミクサ41に供給される。
受信側ミクサ41はローカル信号と受信波とを混合してビート波を生成する機能を有するが、1つのアンテナを送受信共用とし、ローカル信号として送信波の一部を使用する構成とすると、以下の課題が生じる。
すなわち、送信波はすべてがアンテナ3に供給されるのではなく、一部はアンテナ入力端で反射しリーク波となって受信側ミクサ41に漏洩するが、リーク波は受信波に比較して非常に大きい電力を有するため、ビート波生成の障害となり、受信感度が低下してしまう。
この課題を解決するために、受信側ミクサ41をシングルエンド型として、リーク波をローカル信号として利用することも特許文献1に記載されている。
この場合、受信側ミクサ41は、図12(d)に示すビート波を出力する。
ここで、受信側ミクサ41はシングルエンド型であるため、受信側ミクサ41の出力には直流成分が発生する。
この直流成分はビート波からターゲット情報を抽出する処理においてはダイナミックレンジを狭めることとなるため、HPF42で直流成分を除去し、(e)に示すように直流成分が零であるビート波からターゲット情報を抽出している。
すなわち、受信側ミクサ41として2端子シングルエンド型ミクサを適用する場合には、後段にHPF42を設置することが必要となる。
しかしながら、リーク波をローカル信号として利用するレーダシステムにあっては、アンテナ入力端の反射周波数特性が検出精度に影響を及ぼすおそれがある。
アンテナ入力端の反射周波数特性には振幅特性と位相特性があるが、振幅特性はほぼ平坦となるように構成することができるものの、位相特性を意図的に調整することは困難である。
したがって、リーク波の位相の変動により、ターゲットの検出精度が低下するという課題が生じる。
本発明は、上記課題に鑑みなされたものであって、ローカル信号として使用するリーク波の位相の変動に起因するターゲット検出精度の低下を防止することのできるFMCWレーダシステムを提供することを目的とする。
本発明に係るFMCWレーダシステムは、ターゲットに向けて放射する送信波を生成する送信部と、前記送信波を空中に放射し前記ターゲットにより反射された送信波である反射波を受信波として受信するアンテナと、前記受信波に基づいて前記ターゲットに関する情報を抽出する受信部と、前記送信波を前記アンテナに出力し、前記受信波を前記受信部に出力するアンテナ共用部と、を備えるFMCWレーダシステムであって、前記送信部が、ローカル信号を発生するローカル信号発生部と、チャープ信号を発生するチャープ信号発生部と、前記ローカル信号と前記チャープ信号を混合して前記送信波とする送信側ミクサと、前記ローカル信号発生部および前記送信信号発生部を制御する送信側制御部と、を備え、前記受信部が、前記送信波が前記アンテナの入力端で反射して生じるリーク波と前記受信波とを混合してビート波を生成する受信側ミクサと、前記ビート波の低周波成分を除去し、ターゲット情報信号を生成するハイパスフィルタと、前記ターゲット情報信号に含まれる前記アンテナの入力端の反射位相の周波数特性に起因する誤差を補正し、補正後信号を生成する誤差補正部と、補正後信号から前記ターゲットに関する情報を抽出するターゲット情報抽出部と、を備える構成を有している。
上記構成によれば、アンテナ入力端の反射移相の周波数特性に起因する誤差を補正、したのちにターゲット情報を抽出することが可能となる。
本発明に係るFMCWレーダシステムは、前記誤差補正部が、前記ターゲット情報信号を周波数領域ターゲット情報信号に変換する順変換部と、前記周波数領域ターゲット情報信号の負の周波数部分を零に置換し周波数領域補正対象信号を出力する零置換部と、前記周波数領域補正対象信号を時間領域補正対象信号に逆変換する逆変換部と、予め測定された前記アンテナ入力端の反射位相の周波数特性に基づいて補正係数を算出する補正係数算出部と、前記時間領域補正対象信号と前記補正係数を乗算して、時間領域補正後信号を出力する乗算部と、を含む構成を有している。
上記構成によれば、正確にアンテナ入力端の反射移相の周波数特性に起因する誤差を補正することが可能となる。
本発明に係るFMCWレーダシステムは、前記誤差補正部が、前記ターゲット情報信号の位相を全周波数範囲において90度移相し時間領域補正対象信号の虚数成分を出力する移相部と、前記ターゲット情報信号を前記移相部における移相処理時間だけ遅延させ時間領域補正対象信号の実数成分を出力する遅延部と、予め測定された前記反射特性に基づいて補正係数を算出する補正係数算出部と、前記時間領域補正対象信号の虚数成分および実数成分を合成した時間領域補正対象ビート波と前記補正係数を乗算して時間領域補正後信号を出力する乗算部と、を含む構成を有している。
上記構成によれば、時間領域でアンテナ入力端の反射位相の周波数特性に起因する誤差を補正することが可能となる。
本発明に係るFMCWレーダシステムは、前記送信側制御部が間欠的に送受信開始指令を出力する送受信開始指令出力部を備え、前記チャープ信号発生部が、前記送受信開始指令の読み込み後に振幅が零から所定の振幅まで徐々に大きくなる振幅漸増信号、前記所定の振幅で周波数が所定の範囲で連続的に変化するチャープ信号、および振幅が前記所定の振幅から零まで徐々に小さくなる振幅漸減送信信号を順次出力するものである構成を有している。
上記構成によれば、間欠的に送受信を行うFMCWレーダシステムにおいても、アンテナ入力端の反射位相の周波数特性に起因する誤差を補正することが可能となる。
本発明に係るFMCWレーダシステムの制御用プログラムは、ターゲットに向けて放射する送信波を生成する送信部と、前記送信波を空中に放射し、前記ターゲットにより反射された送信波である反射波を受信波として受信するアンテナと、前記受信波に基づいて前記ターゲットに関する情報を抽出する受信部と、前記送信波を前記アンテナに出力し、前記受信波を前記受信部に出力するアンテナ共用部と、前記送信部および前記受信部を制御する制御部と、を具備し、前記送信部が、ローカル信号を発生するローカル信号発生部と、チャープ信号を発生するチャープ信号発生部と、前記ローカル信号と前記チャープ信号を混合して前記送信波とする送信側ミクサと、を備え、前記受信部が、前記送信波が前記アンテナ共用部の入力端で反射して生じるリーク波と前記受信波とを混合してビート波を生成する受信側ミクサと、前記ビート波の低周波成分を除去するハイパスフィルタと、を備えるFMCWレーダシステムの制御プログラムであって、前記制御部を、前記ターゲット情報信号に含まれる前記アンテナの入力端の反射位相の周波数特性に起因する誤差を補正し、補正後信号を生成する誤差補正部と、補正後信号から前記ターゲットに関する情報を抽出するターゲット情報抽出部と、して機能させる構成を有する。
本発明によれば、受信側ミクサとして2端子シングルエンド型ミクサを適用し、1つのアンテナで間欠的に送受信を行う場合にもターゲット検出能力の劣化を防止することのできるFMCWレーダシステムが提供される。
アンテナ入力端の反射位相の周波数特性の一例である。 振幅を0、π/4、π/2およびπと変化させたときの距離プロファイルである。 本発明に係るFMCWレーダシステムの機能ブロック線図である。 本発明に係るFMCWレーダシステムのハードウエア構成図である。 本発明の第1の実施形態に係る補正部およびターゲット情報抽出部の機能ブロック線図である。 ゼロパッディングの概念図である。 第1の実施例の効果を示すグラフである。 本発明の第2の実施形態に係る補正部の機能ブロック線図である。 本発明の第3の実施形態に係るターゲット情報抽出部および第2の補正部の機能ブロック線図である。 本発明に係るFMCWレーダシステムでアンテナのビーム方向制御と送受信とを交互に実行した場合の波形グラフである。 チャープ信号発生部で生成される送信信号の時間的変化を示すグラフである。 従来のFMCWレーダシステムの概略構成図および波形図である。
まず、アンテナ入力端の反射位相の周波数特性の影響について検討する。
FMCWレーダにおいて、送信波であるチャープ信号の中心周波数をf、掃引帯域幅をB、掃引時間をTとすると、送信波の周波数f(t)は、[数1]で表される。
Figure 2013137268
そして、送信波の位相は角周波数を時間積分することにより得られ、[数2]で表すことができる。
Figure 2013137268
FMCWレーダからターゲットまでの距離をRとすれば、受信波の位相は[数3]により表すことができる。
Figure 2013137268
一方、送信信号がアンテナ入力端で反射して発生するリーク波は、アンテナ入力端の反射位相の周波数特性により影響を受けるため、リーク波の位相は[数4]および[数5]で表される。
Figure 2013137268
Figure 2013137268
このリーク波をローカル信号として、受信信号と混合して得られるビート波の位相は、受信信号と漏れ信号の位相差となり、[数6]で表すことができる。
Figure 2013137268
すなわち、送信信号を分岐してローカル信号とする場合あるいは独立の局部発信回路を有する場合と異なり、リーク波をローカル信号として使用する場合にはビート波もアンテナ入力端の反射位相の周波数特性により影響を受けることが判る。
ビート波の瞬間角周波数は、[数6]を時間微分した[数7]により表される。
Figure 2013137268
ここで、右辺第1項はターゲットまでの距離により定まるビート波の周波数であり、右辺第2項はアンテナ入力端の反射位相の周波数特性による影響を示している。
アンテナ入力端の反射位相の周波数特性が平坦であれば右辺第2項は零となるが、一般的にはアンテナ入力端のインピーダンスの周波数特性は平坦でないので、第2項は零とはならない。
このため、ビート波をフーリエ変換して得られるスペクトラム(距離プロファイル)からターゲットまでの距離を検出する際に、ピークが不鮮明となり、分解能が低下するおそれが生じる。
ここで、リーク波の影響を具体的な数値により検討するために、アンテナ入力端の反射位相の周波数特性を[数8]によりモデル化する。
Figure 2013137268
なお、アンテナ入力端の反射位相の周波数特性は、その一次微分が単調増加関数あるいは単調減少関数となる簡易なモデルを使用すれば十分である。
ここで、図1はA=π/4、T=2.73(マイクロ秒)としたときのアンテナ入力端の反射位相の周波数特性であり、送信信号f(t)が中心周波数fであるときに最大位相となる。
図2はA=0、π/4、π/2およびπと変化させたときの距離プロファイルである。なお、A=0の場合はアンテナ入力端の反射位相の周波数特性は平坦となる。
図2から判るように、A=π/4の場合は、サイドロープがわずかに上昇するものの距離プロファイルの形状はほとんど変化ない。A=π/2の場合は、利得が約1dB減少し、サイドローブも上昇する。A=πの場合は、利得が約4dB減少し、距離プロファイルの形状も大きく変化し、影響が大きい。
以下アンテナ入力端の反射位相の周波数特性の影響を回避する方法を実施例により説明する。
図3は本発明に係るFMCWレーダシステムの機能ブロック線図である。
すなわち、本発明に係るFMCWレーダシステム1は、ターゲットTGに向けて放射する送信波を生成する送信部2と、送信波を空中に放射しターゲットTGにより反射された送信波である反射波を受信信号として受信するアンテナ3と、受信信号に基づいてターゲットに関する情報を抽出する受信部4と、送信波をアンテナ3に出力し受信波を受信部4に出力するアンテナ共用部5と、を備える。
そして、送信部2は、ローカル信号を発生するローカル信号発生部21と、チャープ信号を発生するチャープ信号発生部22と、ローカル信号とチャープ信号を混合して送信波とする送信側ミクサ23と、ローカル信号発生部21およびチャープ信号発生部22を制御する送信側制御部24と、を備える。
また、受信部4は、リーク波および受信信号を増幅する高周波増幅部40と、リーク波と受信信号を混合してビート波を生成する2端子シングルエンド型の受信側ミクサ41と、ビート波の低周波成分を除去するHPF42と、ターゲット情報信号に含まれるアンテナ入力端の反射位相の周波数特性に起因する誤差を補正し補正後信号を生成する誤差補正部43と、補正後信号から前記ターゲットに関する情報を抽出するターゲット情報抽出部と、を備える。
図4は本発明に係るFMCWレーダシステムのハードウエア構成図である。
すなわち、本発明に係るFMCWレーダシステム1は、ローカル信号発生部21、送信側ミクサ23、アンテナ3、受信側ミクサ41、HPF42、アンテナ共用部5、およびマイクロコンピュータ6から構成されている。
そして、チャープ信号発生部22、送信側制御部24、誤差補正部43およびターゲット情報抽出部44はマイクロコンピュータ6内に組み込まれるプログラムによりソフトウエア的に構成される。
なお、マイクロコンピュータ6は、たとえば、バス61を中心に、CPU62、メモリ63、操作部64、ターゲット情報表示部65およびレーダインターフェイス(I/F)66が相互に結合された構成を有する。
ここで、CPU62はFMCWレーダシステム1の動作を制御する制御プログラムを実行するものであり、メモリ63は制御プログラムを記憶するとともにCPU62の処理結果を記憶するものであり、操作部64およびターゲット情報表示部65はマン・マシーンI/Fとして機能するものであり、レーダI/F66はローカル信号発生部21、送信側ミクサ23、アンテナ3、受信側ミクサ41、HPF42およびアンテナ共用部5に対して動作指令を出力するとともにこれらからのフィードバック信号をマイクロコンピュータ6に取り込むためのものである。
[第1の実施形態]
図5は、本発明の第1の実施形態に係る誤差補正部43およびターゲット情報抽出部44の機能ブロック線図であって、誤差補正部43はHPF42の後段に、ターゲット情報抽出部44は誤差補正部43の後段に配置される。
誤差補正部43は、FFT部431、ゼロパッディング部432、IFFT部433、補正係数算出部434、および乗算部435から構成される。
なお、特許請求の範囲の順変換部、零置換部および逆変換部は、それぞれ、FFT部431、ゼロパッディング部432およびIFFT部433に対応している。
前述したように、補正部43およびターゲット情報抽出部44は、CPU62内にソフトウエア的に構成される。
FFT部431は、HPF42の出力であるビート波sIF(t)をレーダI/F66を介して読み込み、フーリエ変換して周波数領域の信号に変換する。
ここで、ビート波sIF(t)は[数6]で表される位相を有する余弦波であって、[数9]で表すことができる。
Figure 2013137268
[数8]のフーリエ変換SIF(f)は、[数10]で表される。
Figure 2013137268
ゼロパッディング部432は、SIF(f)の周波数fが負の部分をゼロに置換(ゼロパッディング)する。
ゼロパッディングとは、図6の概念図に示すように周波数fが負の部分(太枠で囲まれた部分)の値を零に置換する処理であり、[数11]で表される。
Figure 2013137268
IFFT部433は、ゼロパッディング後の信号S'IF(f)を逆フーリエ変換して時間領域の信号とする。
逆フーリエ変換後の信号、すなわちIFFT部433の出力s'IF(t)は[数12]で表される。
Figure 2013137268
補正係数算出部434は、アンテナ入力端の反射位相の周波数特性に基づき、[数13]により補正係数h(t)を算出する。
Figure 2013137268
なお、アンテナ入力端の反射周波数特性Φ(f)は、ベクトルネットワークアナライザ等を使用して測定可能である。
そして、乗算部435は、逆フーリエ返還後の信号s'IF(t)と補正係数h(t)を乗算し、[数14]で表される補正後信号s"IF(t)を出力する。
Figure 2013137268
[数14]から判るように、補正後信号s"IF(t)には、アンテナ入力端の反射位相の周波数特性成分は含まれていない。
ターゲット情報抽出部44で、補正後信号s"IF(t)を再度フーリエ変換することにより、アンテナ入力端の反射位相の周波数特性の影響を排除した正確な距離プロファイルが得られる。
正確な距離プロファイルは、ターゲット情報表示部65に出力される。
図7は本実施例の効果を示すグラフであって、アンテナ入力端の反射周波数特性が平坦であるときの距離プロファイル(理想プロファイル)、補正前の距離プロファイルおよび補正後の距離プロファイルを示す。
図7において補正後の距離プロファイルと理想プロファイルとは一致し、本発明に係る補正が有効であることが理解できる。
[第2の実施形態]
図8は、本発明の第2の実施形態に係る誤差補正部43およびターゲット情報抽出部44の機能ブロック線図であって、誤差補正部43はディレイ部436、FIRフィルタ部437、補正係数算出部434および乗算部435から構成される。
FIRフィルタ部437は、HPF42の出力であるビート波sIF(t)をレーダI/F66を介して読み込み、全周波数帯域にわたって位相を90度遅延させて、第1の実施形態における逆フーリエ変換後の時間領域虚数部に相当する信号を算出する。
ディレイ部436は、HPF42の出力であるターゲット情報信号sIF(t)をFIRフィルタ部437での演算時間に相当する時間だけ遅延させて、第1の実施形態におけるゼロパッディング後の時間領域実数部に相当する信号を算出する。
なお、特許請求の範囲における遅延部および移相部は、それぞれ、ディレイ部436およびFIRフィルタ部437に対応している。
以後の補正係数算出部434、乗算部435およびターゲット情報抽出部44における処理は第1の実施形態と同一であるので、説明を省略する。
第2の実施形態は、時間領域でターゲット情報信号を処理し、最後に周波数領域へ変換し、距離プロファイルを得るものである。
[第3の実施形態]
第1の実施形態においては、周波数領域でゼロパッディング後にいったん時間領域の信号に変換し、補正係数を乗算して、再度周波数領域への変換を行っている。
周知のように、時間領域の乗算は周波数領域の畳み込み積分と同じであるので、ゼロパッディング後の周波数領域の信号と[数5]で表されるアンテナ入力端の反射周波数特性のフーリエ変換を畳込み積分することによっても正確な距離プロファイルを得ることが可能である。
図9は、本発明の第3の実施形態に係るターゲット情報抽出部44および第2の誤差補正部45の機能ブロック線図である。
すなわち、ターゲット情報抽出部44はHPF42の後段に、第2の誤差補正部45はターゲット情報抽出部44の後段に配置される。
第2の誤差補正部45はゼロパッディング部432、周波数領域補正係数算出部451および畳み込み積算部452を備える。
ターゲット情報抽出部44は、HPF42の出力であるターゲット情報信号sIF(t)を[数9]で表される周波数領域SIF(f)の信号に変換する。
第2の補正部45のゼロパッディング部432は第1の実施形態と同一であり、[数9]で表される周波数領域の信号に[数10]で表されるゼロパッディングを行い、ゼロパッディング後の信号S'IF(f)を出力する。
周波数領域補正係数算出部451は、アンテナ入力端の反射移相の周波数特性Φ(f)に基づいて周波数領域補正係数H(f)を算出する。
畳み込み積算部452は、ゼロパッディング後の信号S'IF(f)と周波数領域補正係数H(f)との畳み込み積分を行い、アンテナ入力端の反射移相の周波数特性Φ(f)に起因する誤差が取り除かれた正確な距離プロファイルを出力する。
第3の実施形態は、ターゲット情報信号を周波数領域で処理するものであり、直接正確な距離プロファイルを得ることができる。
[第4の実施形態]
上記の実施例で説明したFMCWレーダシステムはアンテナの指向性を固定して使用することを前提としているが、本発明はアンテナのビーム方向制御と送受信とを交互に行うFMCWレーダシステムにも、適用可能である。
図10は本発明に係るFMCWレーダシステムでアンテナのビーム方向制御と送受信とを交互に実行した場合の波形グラフであって、(A)は送受信のタイミングを、(B)は送信波波形を、(C)は受信側ミクサの出力波形を、(D)はHPFの出力波形を示す。
すなわち、アンテナのビーム方向制御と送受信とを交互に実行する場合には、送信開始時点および終了時点において受信側ミクサ41の出力の直流成分がステップ状に変化する。
直流成分のステップ状変化は高周波成分を含むため、HPF42の出力にはパルス状の波形(リンギング)が発生する。
このためビート波がリンギングに埋没してしまい、ターゲット検出能力が低下するおそれがある。
そこで、リンギングによるターゲット検出能力の低下を回避するために、本出願人はチャープ信号の前に振幅漸増信号を付加し、チャープ信号の後に振幅漸減信号を付加することをすでに提案している(特願2011−037272号)。
図11はチャープ信号発生部22で生成される送信信号の時間的変化を示すグラフであって、(E)は波形、(F)は周波数、(G)は振幅の時間的変化を示している。
すなわち、振幅増大信号発生時には、送信信号の周波数が(f−B/2)であって、その振幅は零から所定の振幅Aまで徐々に増大する。
チャープ信号発生時には、送信信号の振幅は所定振幅Aに維持され、その周波数は初期周波数(f−B/2)から最終周波数(f+B/2)まで時間とともに変化する。
そして、振幅漸減信号発生時には、送信信号の周波数が(f+B/2)であって、その振幅は所定の振幅Aから零まで徐々に減少する。
このようなアンテナのビーム方向制御と送受信とを交互に実行するFMCWレーダシステムに対して第1ないし第3実施形態を適用することにより、間欠的に送受信を実行することにより生じるリンギングに起因する検出能力の低下を抑制できるだけでなく、アンテナ入力端の反射位相の周波数特性に起因する検出能力の低下をも低減することができる。
本発明に係るFMCWレーダシステムは、リーク波をローカル信号として使用する場合にもターゲット検出能力の劣化を防止することができ、産業上有用である。
1...本発明に係るFMCWレーダシステム
2...送信部
3...アンテナ
4...受信部
5...アンテナ共用部
6...マイクロコンピュータ
21...ローカル信号発生部
22...チャープ信号発生部
23...送信側ミクサ
24...送信側制御部
40...高周波増幅部
41...受信側ミクサ
42...HPF
43...誤差補正部
44...ターゲット情報抽出部
61...バス
62...CPU
63...メモリ
64...操作部
65...ターゲット情報表示部
66...レーダインターフェイス

Claims (5)

  1. ターゲットに向けて放射する送信波を生成する送信部と、
    前記送信波を空中に放射し、前記ターゲットにより反射された送信波である反射波を受信波として受信するアンテナと、
    前記受信波に基づいて前記ターゲットに関する情報を抽出する受信部と、
    前記送信波を前記アンテナに出力し、前記受信波を前記受信部に出力するアンテナ共用部と、を備えるFMCWレーダシステムであって、
    前記送信部が、ローカル信号を発生するローカル信号発生部と、チャープ信号を発生するチャープ信号発生部と、前記ローカル信号と前記チャープ信号を混合して前記送信波とする送信側ミクサと、前記ローカル信号発生部および前記チャープ信号発生部を制御する送信側制御部と、を備え、
    前記受信部が、前記送信波が前記アンテナの入力端で反射して生じるリーク波と前記受信波とを混合してビート波を生成する受信側ミクサと、前記ビート波の低周波成分を除去し、ターゲット情報信号を生成するハイパスフィルタと、前記ターゲット情報信号に含まれる前記アンテナの入力端の反射位相の周波数特性に起因する誤差を補正し、補正後信号を生成する誤差補正部と、補正後信号から前記ターゲットに関する情報を抽出するターゲット情報抽出部と、を備えるFMCWレーダシステム。
  2. 前記誤差補正部が、
    前記ターゲット情報信号を周波数領域ターゲット情報信号に変換する順変換部と、
    前記周波数領域ターゲット情報信号の負の周波数部分を零に置換し、周波数領域補正対象信号を出力する零置換部と、
    前記周波数領域補正対象信号を時間領域補正対象信号に逆変換する逆変換部と、
    予め測定された前記アンテナ入力端の反射位相の周波数特性に基づいて補正係数を算出する補正係数算出部と、
    前記時間領域補正対象信号と前記補正係数を乗算して、時間領域補正後信号を出力する乗算部と、を含む請求項1に記載のFMCWレーダシステム。
  3. 前記誤差補正部が、
    前記ターゲット情報信号の位相を全周波数範囲において90度移相し、時間領域補正対象信号の虚数成分を出力する移相部と、
    前記ターゲット情報信号を前記移相部における移相処理時間だけ遅延させ、時間領域補正対象信号の実数成分を出力する遅延部と、
    予め測定された前記反射特性に基づいて補正係数を算出する補正係数算出部と、
    前記時間領域補正対象信号の虚数成分および実数成分を合成した時間領域補正対象ビート波と前記補正係数を乗算して、時間領域補正後信号を出力する乗算部と、を含む請求項1に記載のFMCWレーダシステム。
  4. 前記送信側制御部が間欠的に送受信開始指令を出力する送受信開始指令出力部を備え、
    前記チャープ信号発生部が、前記送受信開始指令の読み込み後に、振幅が零から所定の振幅まで徐々に大きくなる振幅漸増信号、前記所定の振幅で周波数が所定の範囲で連続的に変化するチャープ信号、および振幅が前記所定の振幅から零まで徐々に小さくなる振幅漸減送信信号を順次出力するものである請求項1から3のいずれか一項に記載のFMCWレーダシステム。
  5. ターゲットに向けて放射する送信波を生成する送信部と、
    前記送信波を空中に放射し、前記ターゲットにより反射された送信波である反射波を受信波として受信するアンテナと、
    前記受信波に基づいて前記ターゲットに関する情報を抽出する受信部と、
    前記送信波を前記アンテナに出力し、前記受信波を前記受信部に出力するアンテナ共用部と、
    前記送信部および前記受信部を制御する制御部と、を具備し、
    前記送信部が、ローカル信号を発生するローカル信号発生部と、チャープ信号を発生するチャープ信号発生部と、前記ローカル信号と前記チャープ信号を混合して前記送信波とする送信側ミクサと、を備え、
    前記受信部が、前記送信波が前記アンテナの入力端で反射して生じるリーク波と前記受信波とを混合してビート波を生成する受信側ミクサと、前記ビート波の低周波成分を除去するハイパスフィルタと、を備えるFMCWレーダシステムの制御プログラムであって、
    前記制御部を、前記ターゲット情報信号に含まれる前記アンテナの入力端の反射位相の周波数特性に起因する誤差を補正し、補正後信号を生成する誤差補正部と、補正後信号から前記ターゲットに関する情報を抽出するターゲット情報抽出部と、して機能させるためのFMCWレーダシステムの制御プログラム。
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