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JP2013122003A - 熱伝導フィラー及びその製造方法 - Google Patents

熱伝導フィラー及びその製造方法 Download PDF

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JP2013122003A
JP2013122003A JP2011270566A JP2011270566A JP2013122003A JP 2013122003 A JP2013122003 A JP 2013122003A JP 2011270566 A JP2011270566 A JP 2011270566A JP 2011270566 A JP2011270566 A JP 2011270566A JP 2013122003 A JP2013122003 A JP 2013122003A
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heat conductive
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正淳 佐藤
Goro Sato
護郎 佐藤
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Sato Research Co Ltd
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Abstract

【課題】熱伝導性に優れ、かつ、電気絶縁性の熱伝導フィラーを、低コストな湿式法により製造する方法を提供する。
【解決手段】
熱伝導性が15W/m・K以上であり、粒径0.1μm〜500μmの導電性コア粒子を、酸化アルミニウム換算で1〜10重量%のベーマイトを含む水性塗布液に、前記導電性コア粒子とベーマイト(酸化アルミニウム換算)との重量比が、1:0.01〜0.5の範囲になるように添加して混合する工程と、該水性塗布液の溶媒を留去することにより、前記導電性コア粒子をベーマイトで被覆する工程と、を含む熱伝導フィラーの製造方法。
【選択図】なし

Description

本発明は、熱伝導性に優れ、かつ、電気絶縁性である熱伝導フィラー及びその製造方法に関する。
CPUや高集積デバイスやLEDランプ等の発熱性の大きい電子デバイス周辺に使用されるエポキシ樹脂やシリコンゴム等の樹脂組成物には、その放熱を目的として、熱伝導フィラーが内添して使用されている。このような熱伝導フィラーとしては、アルミナ、マグネシア、窒化アルミニウム、及び窒化ホウ素等の電気絶縁性の熱伝導フィラーが用いられている。
また、金属や炭素材も高い熱伝導性を有する。しかしながら、上記樹脂材料おいて、その放熱性と共に、電気絶縁性が必要である場合が多いため、電気の良導体でもある金属や炭素材を、そのままこのような電子デバイス周辺の樹脂材料へ添加するにはショート発生の原因になるので極少量添加の低熱伝導の商品に限られる。
この問題に対し、金属や炭素材などの導電性材料をコア材料とし、該コア材料をアルミナ等の電気絶縁性材料からなる絶縁膜で被覆した熱伝導フィラーが特許出願されている。
例えば、導電性コア粒子の表面へ電気絶縁性材料からなる絶縁膜を形成する乾式製膜法として、特許文献1には高温蒸着法、特許文献2にはスパッタリング法が開示されており、これらの乾式製膜成膜法により良質な絶縁膜が形成されるとされている。
一方、熱伝導フィラーは低コスト化が求められているが、これらの乾式法では、高価な製造装置を必要とする。そのため、経済性の観点から、高価な製造装置を使用しない、湿式法による製膜方法が求められている。
しかしながら、非特許文献1にて指摘されているように、水を分散媒として用いる湿式法では、導電性コア粒子の表面に絶縁膜を形成した良質な熱伝導フィラーを製造することは困難である。特許文献3には導電性粒子焼結体の表面にアルミナ粒子の電気泳動を利用した湿式法によって製膜する技術が開示されているが、導電性粒子焼結体を電極として使用する必要があるため、熱伝導フィラーに適した微細な導電性コア粒子に製造することは困難である。
特開2002−235279号公報 特開2003−3259号公報 特開平9−227254号公報
電気機能材料工業会、追加基礎講座「電気・電子材料の基礎講座」2009年2月17日
このように、従来の製膜方法では、熱伝導フィラーに適した微細な導電性コア材料の表面に低コストに絶縁膜を形成することが困難であった。
かかる状況下、本発明の目的は、低コストな湿式法により製造することができる、熱伝導性に優れ、かつ、電気絶縁性である熱伝導フィラーを提供することにある。
本発明者は、上記課題を解決すべく鋭意研究を重ねた結果、ナノ構造を有するアルミナ前駆体を使用し、各種導電性コア粒子の異なる性質を有する表面へ、アルミナの等電点(pH値=9.0)から離れたpH値の領域への制御と界面調節等を行うことによって、アルミナ前駆体を均質に付着させることができ、電気絶縁性に優れた膜を導電性コア材料表面に形成できることを見出し、本発明に至った。
すなわち、本発明は、以下の発明に係るものである。
<1> 熱伝導性15W/m・K以上の導電性コア材料の表面を、ベーマイト由来の酸化アルミニウムを主成分とする膜で被覆してなり、電気絶縁性である熱伝導フィラー。
<2> 導電性コア材料が、粒径0.1μm〜500μmの導電性コア粒子からなる前記<1>に記載の熱伝導フィラー。
<3> 一つの熱伝導フィラー中に、粒径0.1μm〜500μmの導電性コア粒子が、複数個含まれる前記<1>に記載の熱伝導フィラー。
<4> 導電性コア材料が、炭化ケイ素、アルミニウム、亜鉛、銅、酸化亜鉛、グラファイト、炭素繊維からなる群から選ばれる少なくとも1種である前記<1>から<3>のいずれかに記載の熱伝導フィラー。
<5> 前記酸化アルミニウムを主成分とする膜が、撥水性材料によって封孔処理されてなる前記<1>から<4>のいずれかに記載の熱伝導フィラー。
<6> 前記<1>から<5>のいずれかに記載の熱伝導フィラーを含むことを特徴とする樹脂組成物。
<7> 熱伝導性が15W/m・K以上であり、粒径0.1μm〜500μmの導電性コア粒子を、酸化アルミニウム換算で1〜10重量%のベーマイトを含む水性塗布液に、前記導電性コア粒子とベーマイト(酸化アルミニウム換算)との重量比が、1:0.01〜0.5の範囲になるように添加して混合する工程と
該水性塗布液の溶媒を留去することにより、前記導電性コア粒子をベーマイトで被覆する工程と、
を含む熱伝導フィラーの製造方法。
<8> 前記水性塗布液に含まれるベーマイトの組成式Al23・nH2Oにおけるnの値が1.1〜2.5の範囲であり、且つ、該ベーマイトのBET比表面積が100〜400m2/gの範囲である前記<7>に記載の熱伝導フィラーの製造方法。
<9> 前記nの値が、1.1〜1.3の範囲であり、且つ、該ベーマイトのBET比表面積が100〜200m2/gの範囲である前記<8>に記載の熱伝導フィラーの製造方法。
<10> 前記ベーマイトが、結晶性ベーマイトである前記<7>から<9>のいずれかに記載の熱伝導フィラーの製造方法。
<11> 前記水性塗布液のpHが、2〜7の範囲である前記<7>から<10>のいずれかに記載の熱伝導フィラーの製造方法。
<12> 前記ベーマイトで被覆された導電性コア粒子を、さらに200℃以上で熱処理する工程を含む前記<7>から<11>のいずれかに記載の熱伝導フィラーの製造方法。
本発明によって、ベーマイト由来の酸化アルミニウムを主成分とする膜で被覆された、熱伝導性に優れ、かつ、電気絶縁性である熱伝導フィラーが提供される。該熱伝導フィラーは、多種多様な製造装置を必要とせずに湿式法で低コストに製造できる。
該熱伝導フィラーを含む樹脂組成物は、熱伝導性が高く、かつ、電気絶縁性であるので、放熱用樹脂材料、特に発熱性の大きい近未来のCPUや高集積デバイス等の発熱性の大きい電子デバイス周辺に使用される樹脂材料に好適に使用される。
ベーマイトゾル1に含まれる結晶性ベーマイトの透過型電子顕微鏡(TEM)写真である。 実施例4の熱伝導フィラーを切断し、その断面の外周部位の走査型電子顕微鏡(SEM)写真である。
以下、本発明につき、詳細に説明する。
[1.熱伝導フィラー]
本発明の熱伝導フィラーは、熱伝導性15W/m・K以上の導電性コア材料の表面を、ベーマイト由来の酸化アルミニウムを主成分とする膜(以下、「酸化アルミニウム膜」と略記する場合がある。)で被覆してなる。
ここで、「ベーマイト由来の酸化アルミニウムを主成分とする」とは、膜全体に対し、酸化アルミニウム(Al23)換算で、少なくとも80重量%以上、好ましくは90重量%以上(100重量%含む)がベーマイト由来の酸化アルミニウムであることを意味する。
なお、ベーマイトとは、組成式Al23・nH2Oで表されるアルミナ水和物であり、ベーマイトは斜方晶形の結晶で層間構造内に水分子を包含する擬ベーマイトと、緻密な構造の結晶性ベーマイトに大別される。
また、酸化アルミニウム膜には、本発明の目的を損なわない範囲で、ベーマイトに由来しない酸化アルミニウムや酸化アルミニウム以外の酸化物を含んでもよい。
酸化アルミニウムは、ベーマイトに始まり、熱処理を行う過程でγ−アルミナ、δ-アルミナ、θ-アルミナ、α−アルミナと、様々な結晶形へ変化するが、導電性コア材料を被覆する絶縁膜が形成できれば何れの結晶形であってもよい。酸化アルミニウムの形態は
使用する導電性コア材料の物性(主に融点、軟化温度)を考慮して、適宜熱処理温度を選択し、決定する。
なお、擬ベーマイト及び結晶性ベーマイトも、熱処理することにより硬化し、電気絶縁性を有する被膜を形成でき、本発明においては、これらについても、ベーマイト由来の酸化アルミニウムを主成分とする膜とみなす。
また、詳しくは本発明の製造方法に併せて後述するが、ベーマイト由来の酸化アルミニウム膜は、簡単な湿式法でベーマイトを導電性コア材料の表面に被覆することができる。 そして、該酸化アルミニウム膜は、薄膜状で電気絶縁性の酸化アルミニウムを主成分とするため、導電性コア材料の高い熱伝導性を妨げることなく、熱伝導フィラー全体に電気絶縁性を付与することできる。
なお、本発明において、熱伝導フィラーが「電気絶縁性」であるとは、後述する実施例に記載された方法で、熱伝導フィラーを23〜27vol.%内添した評価用樹脂シートが、電気抵抗率が1×1015Ω・cm以上であることをいう。
以下、本発明の熱伝導フィラーについて、その構成要素に基づいてより詳細に説明する。
本発明において使用される導電性コア材料は、15W/m・K以上の熱伝導性を有する。上記導電性コア材料において、熱伝導性が15W/m・K未満であると、熱伝導フィラーが、エポキシ樹脂、シリコーン樹脂等の樹脂組成物に内添した際に、熱伝導性が不十分となる。
上記導電性コア材料としては、15W/m・K以上の熱伝導性を有するものであれば特に限定はなく、具体的には、金、銀、銅、アルミニウム、シリコーン、ニッケル、亜鉛等の金属類;ステンレス、真鍮、黄銅、ジュラルミン等の合金類;酸化亜鉛等の導電性金属酸化物類;合成グラファイト及び天然グラファイト類の炭素類;炭化ケイ素等の炭化物が挙げられる。
この中でも、アルミニウム、銅、亜鉛、酸化亜鉛、グラファイト及び炭化ケイ素、からなる群から選ばれる少なくとも1種であることが好ましい。
導電性コア材料の大きさは、熱伝導フィラーとして添加する樹脂組成物の用途によって適宜選択される。例えば、電子デバイス周辺に使用される、厚みの薄い放熱樹脂シートの製造に用いる樹脂組成物に内添する場合には、そのシートの厚みより十分に小さい導電性コア材料が用いられ、より大きな放熱樹脂成型体などの用途の場合には、成型体全体の熱伝導を高めるために、導電性コア材料が大きい方がよい。
導電性コア材料のいかなる粒子形状に関しても、大きな粒子と中位の粒子と小粒子の混合態が最も高い熱伝導性を有して居り、導電性コア材料が、粒径0.1μm〜500μmの導電性コア粒子からなる大粒径が厚膜に対して有効で、しかし、電子デバイス周辺の放熱用樹脂基板が薄くなる方向にあり、樹脂へ内添する熱伝導フィラーの粒子径0.1μm〜30μmの導電性コア粒子が好ましい。
なお、本発明の熱伝導フィラーにおいて、導電性コア材料の形状、大きさは、走査型電子顕微鏡(SEM)によって確認することができる。特に導電性コア粒子の粒径は重量中心径とする。
本発明の熱伝導フィラーは、熱伝導フィラー全体として電気絶縁性であればよく、一つの導電性コア粒子が、酸化アルミニウム膜で被覆されている一つのフィラーを形成していてもよいし、一つの熱伝導フィラー中に、導電性コア粒子が、複数個含まれる形態であってもよい。
なお、一つの熱伝導フィラー中に導電性コア粒子が数個含まれる形態の場合には、熱伝導フィラー表面が絶縁性の膜で被覆されていればよく、熱伝導フィラー中では導電性コア粒子が、絶縁膜を介さず、直接接触する形態であってもよいため、導電性コア粒子を単独で絶縁膜した場合と比較して、熱伝導性が向上する場合がある。また、熱伝導フィラーの真球度が向上するという利点もある。
なお、上述の電子デバイス周辺に使用される樹脂材料へ熱伝導フィラーを内添した場合には、該樹脂材料の熱伝導率を支配する因子があり、好適には、下記に示す各項目の基準で前記材料群からコア材料の種類を選択すればよい。
(a)出来るだけ熱伝導率の高いコア材料を選択する。
(b)樹脂へ高密度充填が可能な粒子形状は球状であり、球状粉を選択する。
(c)熱伝導率を高める因子に粒度配合が有効で大小の粒子は異質のコア材料でも良い。
(d)熱伝導を高める粒子間橋絡を期待し扁平状の金属粉を選択する。
(e)熱の長距離移動に有利な繊維状フィラー材料を選択する。
また、導電性コア粒子として金属微粒子を選択する場合は金属粉と水との反応で水素爆発の危険が有り、メーカー発行のMSDSと溶解度積等のデータ等から安全な条件を選ぶ必要がある。
本発明の熱伝導フィラーにおいて、ベーマイト由来の酸化アルミニウムを主成分とする膜は、熱伝導度ができるだけ低下しない厚みであることが好ましい。
その膜厚は、導電性コア材料の種類、形状、導電性コア材料の大きさや、熱伝導フィラーの添加対象などによっても変化するが、10nm以上150nm以下程度の範囲であると、導電性コア材料の有する熱伝導性を損なう程度が小さい。
なお、酸化アルミニウム膜の膜厚は、走査型電子顕微鏡(SEM)観察により直接的に測定するか、製造時においてベーマイト仕込み量と、導電性コア材料及び表面積から算出することができる。
また、上記酸化アルミニウム膜は、空気中の水分吸着を防止する為に撥水性材料によって封孔処理されていることが必要で、熱伝導フィラーは200〜300℃の温度で使用される事もあるのでこれらの温度で揮散しない材料が望まれ、撥水性材料としては耐熱性の高いシランカップリング剤が好ましく、さらにステアリン酸、セバシン酸や安息香酸等の有機カルボン酸が有効で、ステアリン酸で処理したアルミナのフーリエ変換型赤外分光検査に拠れば、アルミナとイオン結合したステアリン酸は水素結合または疎水相互作用でその熱分解は280〜480℃の温度範囲で起こる現象が知られている。
本発明の熱伝導フィラーは、各種樹脂に内添して用いることができる。特に放熱樹脂材料、中でも電子デバイス周辺に使用される放熱性樹脂材料に添加される、熱伝導フィラーとして好適に使用できる。
そのため、本発明の熱伝導フィラーを含む樹脂組成物は、集積回路のための放熱シート等の電子部品の放熱用樹脂部材を初めとする、放熱用樹脂部材として好適に利用できる。
本発明の熱伝導フィラーを含む樹脂組成物におけるマトリックス樹脂としては、放熱用樹脂部材に用いられる公知の樹脂が使用できる。例えば、熱可塑性樹脂として、ポリプロピレン類、ポリエチレン類、ポリエポキシエーテルケトン類、ポリカーボネート類、ポリエチレンテレフタレート類、ナイロン類、ポリエーテルエーテルケトン類、ポリフェニレンスルフィド類等、熱硬化性樹脂として、エポキシ類、シリコーンオイル類、フェノール類、アクリル類、ウレタン類、イミド類等が挙げられる。また、マトリックス樹脂は、1種を単独で用いても、2種以上を適宜組み合わせて用いてもよい。
上記の本発明の熱伝導フィラーは、導電性コア材料をベーマイトを含む水性塗布液に添加して湿式法にて製造することができる。
以下、上記の本発明の熱伝導フィラーを再現性よく製造することが可能な製造方法(以下、「本発明の製造方法」と称す。)について説明する。
[2.熱伝導フィラーの製造方法]
本発明の熱伝導フィラーの製造方法は、熱伝導性が15W/m・K以上であり、粒径0.1μm〜500μmの導電性コア粒子を、酸化アルミニウム換算で1〜10重量%のベーマイトを含む水性塗布液に、前記導電性コア粒子とベーマイト(酸化アルミニウム換算)との重量比が、1:0.01〜0.5の範囲になるように添加して混合する工程(以下、「工程(1)」と称す場合がある。)と、該水性塗布液の溶媒を留去することにより、前記導電性コア粒子をベーマイトで被覆する工程(以下、「工程(2)」と称す場合がある。)と、を含むことを特徴とする。
また、工程(2)が、前記ベーマイトで被覆された導電性コア粒子を、さらに熱処理する工程を含むことが好ましい。
以下、各工程について詳細に説明する。
「工程(1)」
工程(1)における水性塗布液は、酸化アルミニウム換算濃度で1〜10重量%のベーマイトを含む水性塗布液である。水性塗布液におけるベーマイトの濃度が、上記範囲からはずれると、膜質のよい酸化アルミニウム膜を再現性良く形成することができない。
なお、本発明において、「酸化アルミニウム換算濃度」とは、ベーマイトにおける酸化アルミニウムを組成式Al23と規定して求めた濃度である。
水性塗布液の溶媒は水であり、溶媒の水は、蒸留水、イオン交換水などの精製水を用いることが好ましい。
導電性コア粒子は、本発明の熱伝導フィラーで説明したものと同様であり、説明は省略する。
なお、本発明の製造方法における導電性コア粒子の粒径は、中心平均粒径(D50)を意味する。中心平均粒径(D50)は、レーザー回折散乱式粒度分布測定により求めることができる。
ベーマイトは、上述のように組成式Al23・nH2Oで表されるアルミナ水和物である。ベーマイトは、擬ベーマイトでも結晶性ベーマイトでもよいが、より好ましくは結晶性ベーマイトである。結晶性ベーマイトであると、導電性コア粒子表面の被覆膜は積層構造を形成させることができ、絶縁性が向上する傾向にある。
ベーマイトの形状は、不定形、繊維状、テープ状、短冊状、網目状、花弁状、羽毛状、六角板状、菱型板状、粒状等と多くの形態があり、そのいずれも使用することができる。
この中でも、図1にTEM像を示すテープ状の形状であると、工程(1)において、導電性コア粒子の表面へ、ベーマイトの面状積層構造体が形成されるため、製造される熱伝導フィラーの絶縁性の向上に寄与する傾向にある。
上記ベーマイトの濃度の水性塗布液に対し、熱伝導性が15W/m・K以上であり、粒径0.1μm〜500μmの導電性コア粒子を、ベーマイト(酸化アルミニウム換算)と前記導電性コア粒子との重量比が1:0.01〜0.5となるように添加して混合する。
ここで、より良質なアルミナ前駆体の皮膜を形成するためには、前記水性塗布液がベーマイトを含み、該ベーマイトの組成式Al23・nH2Oにおけるnの値が1.1〜2.5の範囲であり、且つ、該ベーマイトのBET比表面積が100〜400m2/gの範囲であることが好ましい。特に、nの値が1.1〜1.3の範囲であることがより好ましく、該ベーマイトのBET比表面積が100〜200m2/gの範囲であることがより好ましい。
また、本発明の製造方法において、前記導電性コア粒子とベーマイト(酸化アルミニウム換算)との重量比(導電性コア粒子1に対するベーマイトの割合)が、1:0.01〜0.5の範囲であることを必須とするが、その重量比は需要者側の使用電圧を最重要視し、低電圧の場合には低比率、中電圧の場合には中比率、更に高電圧の使用に際しては高比率で調製する。
導電性コア粒子への水性塗布液の最適な方法は、コア粒子の材質、中心粒度、仕込み量、温度、被覆時間等々の条件を複数回の試行錯誤を行い、品質の均質化・再現性等を調べ、最適条件を選択する。
水性塗布液のpH値は、導電性コア粒子の材質、水性塗布液の粘度などを考慮して決定する。
水性塗布液のpH値は、2〜7の範囲であることが好ましい。このpH範囲であれば、水性塗布液が適度な粘性を有すると共に、ベーマイトと導電性コア粒子の分散性が高まり、より均質な電気絶縁性の酸化アルミニウム膜を得ることができる。
一方で、例えば、導電性コア粒子が酸に溶解する金属などを用いる場合には、中性〜アルカリ性に調整しなければならない。
なお、水性塗布液のpHは、例えば、酸性側では酢酸、硝酸の一塩基酸等、塩基性側ではアンモニア等を用いてpH値を調節することができる。
導電性コア粒子が、金属材料からなる場合は金属表面の酸化を防止するために、水性塗布液へ還元剤を添加することもできる。
また、導電性コア材料の表面が非極性である場合(例えば、炭素材料)には、水性塗布液に界面活性剤を添加することが好ましい。界面活性剤の種類や量は、導電性コア材料の材質を考慮して、適宜選択すればよい。
「工程(2)」
工程(2)では、工程(1)で得た導電性コア粒子とベーマイトを含む水性塗布液の溶媒を留去することにより、導電性コア粒子がベーマイトで被覆され、導電性コア粒子の表面にベーマイトからなる皮膜が形成される。
水性塗布液から溶媒を留去する方法は、加温減圧乾燥等を使用することができ、乾燥時間は実質的に水分を除去できるような時間で行われる。
さらに、工程(2)が、前記ベーマイトで被覆された導電性コア粒子を、さらに200℃以上で熱処理する工程を含む。
この熱処理は、水分を除去するという点では、200〜500℃の範囲で十分であるが、被覆膜のベーマイトからγ−アルミナ、δ-アルミナ、θ-アルミナ、α−アルミナと順次に結晶転移させて膜強度、熱伝導性、絶縁性等の変化を求めるには500℃〜1500℃で熱処理を行うことが好ましい。その際、使用する導電性コア材料の物性(主に融点、軟化温度)を考慮して、熱処理温度や熱処理時間を決定する。
工程(2)で得られた、熱伝導フィラーは軟質の塊であるため、公知の解砕装置で単分散化する。
以下、実施例により本発明を更に詳細に説明するが、本発明はその要旨を変更しない限り以下の実施例に限定されるものではない。
(1)試料シートの作製
エポキシ主剤(三菱化学EP816B)100部に対し、評価対象の熱伝導フィラーを所定量、シランカップリング剤(信越化学KBM−403)を1部、消泡剤(モメンティブジャパンTSA720)0.1部添加し、真空自転公転式ミキサーを用いて、2000rpm、25分間混合後、エポキシ硬化剤EK113(三菱化学EK113)を30部添加し、さらに真空自転公転式ミキサーで2000rpmを用いて、5分間混合した。
次いで、70℃で予熱した厚さ1mmシート作製用金型へ注入し、真空脱泡後70℃で3時間更に120℃で3時間加熱して硬化処理を行い、厚み1mmの試料シートを得た。
(2)体積抵抗率
体積抵抗率の測定は、絶縁抵抗計であるKeithley Model 6517B、および抵抗測定用治具(電極)であるKeithley Model 8009(ASTM D257に準拠)を使用した。抵抗測定用治具内の電極に板状試料を挿入し、同電極間に500Vを印加して1分後の抵抗値を測定して体積抵抗率を算出した。なお、低抵抗値を有する試料は、その都度低い印加電圧を用いている。
(3)熱伝導率
熱伝導率の測定値は、熱拡散率、密度、比熱容量の3つをそれぞれ測定し、その3つ積より算出した。熱拡散率はレーザーフラッシュ法(真空理工TC-3000、常温測定)、密度はアルキメデス法、比熱は示差走査熱量計(パーキン・エルマーDSC-7)をそれぞれ用いて測定した。
(4)絶縁破壊強度
絶縁破壊強度は、試料シートを球−平板電極間に挿入してフロリナート中に浸し、沿面放電を抑制した。球電極に交流電圧を絶縁破壊するまで500 Vrms/sの速度で昇圧して、絶縁破壊した電圧を試料の厚みで除して絶縁破壊強度とした。
原料となるベーマイトは、以下の3種類を使用した。
「ベーマイトゾル1」
ベーマイトの種類:結晶性ベーマイト(テープ状)
BET表面積:157m2/g
組成式:Al23・1.19H2
なお、ベーマイト1は、国際公開第2010/013428号パンフレットに記載の方法に準じる方法で、ρ+χアルミナへ酢酸を添加し、水熱処理で合成した。図1にTEM像を示す。

「ベーマイトゾル2」(触媒化成工業 カタロイド AS−3)
ベーマイトの種類:擬ベーマイト
BET表面積:264m2/g
組成式:Al23・1.42H2

「ベーマイトゾル3」(日産化学工業 アルミナゾル−200)
ベーマイトの種類:擬ベーマイト
BET表面積:334m2/g
組成式:Al23・2.13H2
なお、BET表面積は、柴田科学製比表面積測定装置SA−1100型を使用し、サンプルを200℃、2時間熱処理したのちに測定した。
また、ベーマイトの結晶水量は、200℃乾燥重量と、1000℃熱処理後の重量の差を結晶水量として算出した。
実施例1
ベーマイトゾル1に所定量の水と混合し、酸化アルミニウム換算で5.0重量%含有するpH値が4.0を示す水性塗布液を製造した。該水性塗布液30gに対し、導電性コア材料として、中心粒子径(D50)4.0μmの炭化ケイ素粉末50gを添加し、均一になるまで混合した。該水性塗布液中のベーマイト(酸化アルミニウム換算)と導電性コア粒子との重量比(導電性コア粒子1に対する酸化アルミニウムの割合、以下、「酸化アルミニウム−コア粒子重量比」と記載する。)は、0.03である。
次いで、加温と排気機能を備えた乾燥装置にて溶媒を留去することで、炭化ケイ素粉末をベーマイトにて被覆した。該被覆物を270℃で加熱後、回転機械を用いて解砕し撥水性材料としてステアリン酸を1g添加し110℃で再加熱して、実施例1の熱伝導フィラーを得た。
実施例2
ベーマイトゾル2を、所定量の水と混合し、酸化アルミニウム換算で5.0重量%含有するpH値が5.5を示す水性塗布液を製造した。
該水性塗布液を使用した以外は、実施例1と同様の方法で、実施例2の熱伝導フィラーを得た。
実施例3
ベーマイトゾル3を、所定量の水と混合し、酸化アルミニウム換算で5.0重量%含有するpH値が4.8を示す水性塗布液を製造した
該水性塗布液を使用した以外は、実施例1と同様の方法で、実施例3の熱伝導フィラーを得た。
実施例1〜3の熱伝導フィラーを用い、上記(1)記載の方法にて、エポキシ樹脂への添加割合が表1に示す割合になるように添加して、試料シートを製造し、それぞれの体積抵抗率を上記(2)記載の方法にて測定した。
また、比較例1として、酸化アルミニウム膜を形成していない未処理の炭化ケイ素粉末についても同様の評価を行った。結果を表1へ示す。
実施例4
導電性コア粒子として、中心粒子径(D50)8.5μmの金属アルミニウム粉末(球状)を用いた。ベーマイトゾル1に所定量の水と混合して得た酸化アルミニウム換算濃度が6.0重量%の水性塗布液へ、酸化アルミニウム−コア粒子重量比が0.04となるように導電性コア粒子を添加、混合し、実施例1と同様の方法で溶媒を留去することで、金属アルミニウム粉末をベーマイトで被覆した。次いで、該被覆物を270℃で加熱後、回転機械を用いて解砕し500℃で加熱後、撥水性材料としてステアリン酸を添加し110℃で再加熱して、実施例4の熱伝導フィラーを得た。
実施例4のSEM像を図2に示す。図2から金属アルミニウム粉末表面を酸化アルミニウム膜が被覆していることが確認された。
実施例5
導電性コア粒子として、中心粒子径(D50)8.5μmの金属アルミニウム粉末(球状)を用いた。ベーマイトゾル1に所定量の水と混合して得た酸化アルミニウム換算濃度が6.0重量%の水性塗布液へ、酸化アルミニウム−コア粒子重量比が0.05となるように導電性コア粒子を添加、混合し、実施例1と同様の方法で溶媒を留去することで、金属アルミニウム粉末をベーマイトで被覆した。次いで、該被覆物を270℃で加熱後、回転機械を用いて解砕した。この操作を4回繰り返し酸化アルミニウム−コア粒子重量比が0.20のベーマイト被覆金属アルミニウム粉末を得た。次いで、該被覆物を500℃で加熱後、撥水性材料としてステアリン酸を添加し110℃で再加熱して、実施例5の熱伝導フィラーを得た。
実施例6
導電性コア粒子として、中心粒子径(D50)5μmの金属亜鉛粉末(球状)を用いた。ベーマイトゾル1に所定量の水と混合して得た酸化アルミニウム換算濃度が5.0重量%の水性塗布液へ、酸化アルミニウム−コア粒子重量比が0.03となるように導電性コア粒子を添加、混合し、実施例1と同様の方法で溶媒を留去することで、金属亜鉛粉末をベーマイトで被覆した。次いで、該被覆物を270℃で加熱後、回転機械を用いて解砕し370℃で加熱後、撥水性材料としてステアリン酸を添加し110℃で再加熱して、実施例6の熱伝導フィラーを得た。
実施例7
導電性コア粒子として、中心粒子径(D50)4μmの金属銅粉末(多面体)を用いた。ベーマイトゾル1に所定量の水と混合して得た酸化アルミニウム換算濃度が5.0重量%の水性塗布液へ、酸化アルミニウム−コア粒子重量比が0.04となるように導電性コア粒子を添加、混合し、実施例1と同様の方法で溶媒を留去することで、金属銅粉末をベーマイトで被覆した。次いで、該被覆物を270℃で加熱後、回転機械を用いて解砕し撥水性材料としてステアリン酸を添加し110℃で再加熱して、実施例7の熱伝導フィラーを得た。
実施例8
導電性コア粒子として、中心粒子径(D50)5μmの酸化亜鉛粉末(球状)を用いた。ベーマイトゾル1に所定量の水と混合して得た酸化アルミニウム換算濃度が4.5重量%の水性塗布液へ、酸化アルミニウム−コア粒子重量比が0.03となるように導電性コア粒子を添加、混合し、実施例1と同様の方法で溶媒を留去することで、酸化亜鉛粉末をベーマイトで被覆した。次いで、該被覆物を270℃で加熱後、回転機械を用いて解砕し500℃で加熱後、撥水性材料としてステアリン酸を添加し110℃で再加熱して、実施例8の熱伝導フィラーを得た。
実施例9
導電性コア粒子として、中心粒子径(D50)15μmのグラファイト粉末(球状)を用いた。ベーマイトゾル1に所定量の水と混合して得た酸化アルミニウム換算濃度が6.0重量%の水性塗布液へ、酸化アルミニウム−コア粒子重量比が0.04となるように導電性コア粒子を添加、混合し、実施例1と同様の方法で溶媒を留去することで、グラファイト粉末をベーマイトで被覆した。次いで、該被覆物を270℃で加熱後、回転機械を用いて解砕し500℃で加熱後、撥水性材料としてステアリン酸を添加し110℃で再加熱して、実施例9の熱伝導フィラーを得た。
実施例10
導電性コア粒子として、平均繊維径8μmの炭素繊維を用いた。ベーマイトゾル1に所定量の水と混合して得た酸化アルミニウム換算濃度が5.0重量%の水性塗布液へ、酸化アルミニウム−コア粒子重量比が0.04となるように導電性コア粒子を添加、混合し、実施例1と同様の方法で溶媒を留去することで、炭素繊維をベーマイトで被覆した。次いで、該被覆物を270℃で加熱後、回転機械を用いて解砕し500℃で加熱後、撥水性材料としてステアリン酸を添加し110℃で再加熱して、実施例10の熱伝導フィラーを得た。
実施例4〜10の熱伝導フィラーを、上記(1)記載の方法にて、エポキシ樹脂への添加割合が表1に示す割合になるように添加して、試料シートを製造し、それぞれの体積抵抗率を上記(2)記載の方法にて測定した。
比較例2〜6として、酸化アルミニウム膜を形成していない、未処理の金属アルミニウム、金属亜鉛、酸化亜鉛、グラファイト、炭素繊維について同様の測定を行った。結果を表1にまとめて示す。
表1からわかるように、酸化アルミニウム膜で被覆された実施例の熱伝導フィラーはいずれも、未処理の比較例の熱伝導フィラーと比較して体積抵抗率が著しく増加しており、電気絶縁性(1×1015Ω・cm)になっていることがわかる。なお、未処理の酸化亜鉛(比較例4)も電気絶縁性ではあるが、実施例8からわかるように酸化アルミニウム膜で被覆することにより体積抵抗率が増加している。
このことから、本発明の方法で、ベーマイト由来の酸化アルミニウム膜を導電性コア材料の表面に被覆することで、電気絶縁性を付与できることが確認された。
(熱伝導率測定)
実施例9及び比較例5のフィラーで作成したエポキシ複合材の熱伝導率を上記(3)の方法で測定した結果を表2へ示す。
電気絶縁性の酸化アルミナ膜を有する実施例9の熱伝導フィラーは、酸化アルミナ膜を有さない比較例5と同程度の熱伝導率を示した。この結果から、実施例9の熱伝導フィラーは酸化アルミニウム膜によって導電性コア粒子の熱伝導性が低下することなく、熱伝導フィラーとして有効に機能することが確認された。
(絶縁破壊強度測定)
実施例1及び比較例1のフィラーで作成したエポキシ複合材の絶縁破壊強度を上記(4)の方法で測定した結果を表3へ示す。
半導電性の炭化ケイ素のエポキシ複合材は電流が流れて破壊試験が実施出来なかったのに対して、酸化アルミニウム膜被覆した炭化ケイ素を用いたエポキシ複合材は10.1kV/mmの値を示し、絶縁性が付与されたことが確認された。
本発明にかかる熱伝導フィラーは、熱伝導性に優れ、かつ、電気絶縁性であることから、放熱を目的として、CPUや高集積デバイスやリチウム電池周辺等の発熱性の大きい電子デバイス周辺に使用される樹脂材料に添加される、熱伝導性フィラーに好適に使用できる。

Claims (12)

  1. 熱伝導性15W/m・K以上の導電性コア材料の表面を、ベーマイト由来の酸化アルミニウムを主成分とする膜で被覆してなり、電気絶縁性であることを特徴とする熱伝導フィラー。
  2. 導電性コア材料が、粒径0.1μm〜500μmの導電性コア粒子からなる請求項1に記載の熱伝導フィラー。
  3. 一つの熱伝導フィラー中に、粒径0.1μm〜500μmの導電性コア粒子が複数個含まれる請求項1に記載の熱伝導フィラー。
  4. 導電性コア材料が、炭化ケイ素、アルミニウム、亜鉛、銅、酸化亜鉛、グラファイト、炭素繊維からなる群から選ばれる少なくとも1種である請求項1から3のいずれかに記載の熱伝導フィラー。
  5. 前記酸化アルミニウムを主成分とする膜が、撥水性材料によって封孔処理されてなる請求項1から4のいずれかに記載の熱伝導フィラー。
  6. 請求項1から5のいずれかに記載の熱伝導フィラーを含むことを特徴とする樹脂組成物。
  7. 熱伝導性が15W/m・K以上であり、粒径0.1μm〜500μmの導電性コア粒子を、酸化アルミニウム換算で1〜10重量%のベーマイトを含む水性塗布液に、前記導電性コア粒子とベーマイト(酸化アルミニウム換算)との重量比が、1:0.01〜0.5の範囲になるように添加して混合する工程と
    該水性塗布液の溶媒を留去することにより、前記導電性コア粒子をベーマイトで被覆する工程と、
    を含むことを特徴とする熱伝導フィラーの製造方法。
  8. 前記水性塗布液に含まれるベーマイトの組成式Al23・nH2Oにおけるnの値が1.1〜2.5の範囲であり、且つ、該ベーマイトのBET比表面積が100〜400m2/gの範囲である請求項7に記載の熱伝導フィラーの製造方法。
  9. 前記nの値が、1.1〜1.3の範囲であり、且つ、該ベーマイトのBET比表面積が100〜200m2/gの範囲である請求項8に記載の熱伝導フィラーの製造方法。
  10. 前記ベーマイトが、結晶性ベーマイトである請求項7から9のいずれかに記載の熱伝導フィラーの製造方法。
  11. 前記水性塗布液のpHが、2〜7の範囲である請求項7から10のいずれかに記載の熱伝導フィラーの製造方法。
  12. 前記ベーマイトで被覆された導電性コア粒子を、さらに200℃以上で熱処理する工程を含む請求項7から11のいずれかに記載の熱伝導フィラーの製造方法。
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