JP2013119072A - フィルタ装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】フィルタエレメントの軸方向長さに大きな誤差が発生したとしても、シール部でのシール不良の問題や装置の組立困難の問題を克服すること。
【解決手段】一対の樹脂製のエンドプレート52(52a、52b)によって濾材53を保持するフィルタエレメント51を一面開口のハウジング101に収納し、その開口面102をセットプレート201で閉塞するという基本構成の中で、セットプレート201にフィルタエレメント51を密着させてシール性を確保するための構造として、ハウジング101の閉じられた一面側の凹状内面103にエンドプレート52aを直接押し当てて弾性変形させるという構造に替えて、凹状内面103と一方のエンドプレート52aの端面55aとの間にOリング57を弾性変形した状態で介在させ、その復元力によって、もう一方のエンドプレート52bをセットプレート201に密着的に押し付けるようにした。
【選択図】図1
【解決手段】一対の樹脂製のエンドプレート52(52a、52b)によって濾材53を保持するフィルタエレメント51を一面開口のハウジング101に収納し、その開口面102をセットプレート201で閉塞するという基本構成の中で、セットプレート201にフィルタエレメント51を密着させてシール性を確保するための構造として、ハウジング101の閉じられた一面側の凹状内面103にエンドプレート52aを直接押し当てて弾性変形させるという構造に替えて、凹状内面103と一方のエンドプレート52aの端面55aとの間にOリング57を弾性変形した状態で介在させ、その復元力によって、もう一方のエンドプレート52bをセットプレート201に密着的に押し付けるようにした。
【選択図】図1
Description
本発明は、燃料、水、オイル、空気等の流体を濾過するためのフィルタ装置に関する。
円筒状をしたフィルタエレメントを用いるフィルタ装置では、一対のエンドプレートで濾材を円筒状に保持してフィルタエレメントを形成している。エンドプレートは、一般的には金属、例えば鉄板によって形成され、円筒状にした濾材を接着して保持する。フィルタ装置は、こうして形成されたフィルタエレメントを、一面が開口する金属製のハウジングに収納した上で、セットプレートによって開口を閉じている。このとき、ハウジングの内部では、フィルタエレメントの外周側の空間と内周側の空間とが仕切られる。そこで、セットプレートに流入口と流出口とを形成し、フィルタエレメントの外周側の空間に流入口を連絡させ、内周側の空間に流出口を連絡させる。こうすることで、流入口から導入した流体をフィルタエレメントの濾材で濾過し、流出口から流し出すことができる。
このようなフィルタ装置の構造上、一対のエンドプレートのうち、セットプレートの側のエンドプレートには開口が形成されていなければならない。フィルタエレメントの内周面と流出口とを連絡するためである。これに対して、もう一方のエンドプレートは、閉塞されていなければならない。フィルタエレメントの外周側の空間と内周側の空間とを仕切るためである。
フィルタエレメントの外周側の空間と内周側の空間とを確実に分離するためには、開口を有するエンドプレートをセットプレートに密着させてシールすることが肝要である。そこで、従来、閉塞している方のエンドプレートをスプリングで付勢し、セットプレートの側のエンドプレートとセットプレートとの間の密着性を増して、両者を確実にシールするようにしている(特許文献1参照)。
近年、濾材を円筒状に保持する一対のエンドプレートを、樹脂によって形成したフィルタエレメントが開発されている(特許文献2参照)。このようなフィルタエレメントは、その廃棄時に、エンドプレートを濾材と一緒に燃焼処理することができる。このため、濾材からエンドプレートを外して廃棄しなければならない金属製のエンドプレートを用いた伝統的なフィルタエレメントに対して、廃棄処理の容易化やこれに伴う廃棄コストの低減などの優位性を持っている。
これに加えて、樹脂製のエンドプレートを用いたフィルタエレメントのもう一つの優位性は、ハウジング内に組み込むに際して、スプリングによる付勢が不要であるということである。樹脂そのものに弾力性があるため、フィルタエレメントを少し押しつぶすようにしてハウジングの開口をセットプレートで閉じれば、セットプレートにエンドプレートを密着させてシールすることができるわけである。
図4は、樹脂製のエンドプレートを用いたフィルタエレメントを用いるフィルタ装置として、本出願の出願人が試作したものを示している。これは、既に公知の従来技術というわけではなく、あくまでも、本出願の出願人が秘密状態を保って試作したものである。
図4に示すように、フィルタエレメント51は、一対の樹脂製のエンドプレート52によって、濾材53を円筒状に保持している。このようなフィルタエレメント51は、一方のエンドプレート52aをハウジング101の内面に直接接触させ、もう一方のエンドプレート52bをセットプレート201に直接接触させている。ハウジング101とセットプレート201とは、このようなフィルタエレメント51の両端を接触させて支持する部分の距離を、寸法Aとしている。寸法Aは、フィルタエレメント51の軸方向長さの寸法Bよりも、僅かに小さく設定されている。これにより、ハウジング101に収納されたフィルタエレメント51は、その一対のエンドプレート52が樹脂製であるが故に圧縮されて弾性変形し、セットプレート201との間の密着性を維持する。図4中、この密着性を維持する部分が、シール部Sとなる。
この出願の出願人は、図4に示すフィルタエレメント51を試作する中で、フィルタエレメント51の寸法管理の難しさという壁に行き当たった。つまり、フィルタエレメント51は、寸法Aよりも僅かに長い寸法Bの軸方向長さを備えていなければならないところ、この寸法Bが大きくばらついてしまうという問題である。フィルタエレメント51の軸方向長さが寸法Bから大きくずれてしまうと、小さすぎる場合にはシール部Sのシール不良、大きすぎる場合には装置の組立困難という問題を引き起こす。この出願の出願人は、実際の試作の中で、フィルタエレメント51には、全体として±0.5mm程度、軸方向の長さ寸法に誤差が発生することを確認した。この誤差の程度は、上記問題を引き起こすのに十分な誤差量である。
本発明は、このような点に鑑みなされたもので、フィルタエレメントの軸方向長さに大きな誤差が発生したとしても、シール部でのシール不良の問題や装置の組立困難の問題を克服することができるフィルタ装置を得ることを目的とする。
本発明は、(1)一対の樹脂製のエンドプレートによって濾材を円筒状に保持するフィルタエレメントと、(2)一面側が開口して別の一面側が内面凹面形状に閉じられ、内部に前記フィルタエレメントを収納するハウジングと、(3)前記ハウジングの閉じられた一面側の内面に対面する一方の前記エンドプレートの端面に突出形成されて前記フィルタエレメントの軸を中心とする円環軌跡上に位置するリブと、当該リブの外周に沿って配置された環状の弾性部材とを備え、前記ハウジングの閉じられた一面側の内面に前記一方のエンドプレートを接触させることなく前記弾性部材を弾性変形した状態で密着させる支持構造と、(4)前記ハウジングの開口する一面側に位置するもう一方の前記エンドプレートに密着する状態で当該ハウジングの開口する一面を閉塞し、前記フィルタエレメントの外周側の空間に連絡する第一の通路と内周側に連絡する第二の通路とを有するセットプレートと、を備えることによって、上記課題を解決した。
本発明によれば、ハウジングの閉じられた一面側の内面と一方のエンドプレートとの間に弾性変形可能な弾性部材を介在させ、シール部におけるセットプレートに対するフィルタエレメントの押し付け力を弾性部材の弾性復元力によって生じさせているので、フィルタエレメントの軸方向長さに誤差が発生したとしても、この誤差が、シール部におけるシール性や装置の組立性に影響を及ぼさないようにすることができ、したがって、シール部でのシール不良の問題や装置の組立困難の問題を確実に克服することができる。
実施の一形態を図1ないし図3に基づいて説明する。図4において説明した部分と同一部分は、同一の符号で示す。
≪フィルタ装置の構造≫
図1に示すように、本実施の形態のフィルタ装置11は、一対の樹脂製のエンドプレート52によって濾材53を円筒状に保持するフィルタエレメント51を採用する。フィルタ装置11は、フィルタエレメント51を一面開口のハウジング101に収納し、その開口をセットプレート201で閉塞することで、フィルタエレメント51をハウジング101の内部で強固に位置保持している。以下、各部の詳細構造を説明する。
図1に示すように、本実施の形態のフィルタ装置11は、一対の樹脂製のエンドプレート52によって濾材53を円筒状に保持するフィルタエレメント51を採用する。フィルタ装置11は、フィルタエレメント51を一面開口のハウジング101に収納し、その開口をセットプレート201で閉塞することで、フィルタエレメント51をハウジング101の内部で強固に位置保持している。以下、各部の詳細構造を説明する。
(1)ハウジング
ハウジング101は、全体が金属によって一体に形成され、一面側が開口するカップのような円筒形状を有している。したがって、開口する一面側に開口面102を有し、別の一面側が閉じられている。この閉じられた別の一面側は、曲面形状をなしており、それ故、内面が凹面形状に形成されている。本実施の形態では、この凹面形状となった内面を、凹状内面103と呼ぶ。凹状内面103は、ハウジング101の軸が通る部分を最も窪ませ、この位置を中心として360度どの位置でも全て均等に対称をなす曲面形状に形成されている。
ハウジング101は、全体が金属によって一体に形成され、一面側が開口するカップのような円筒形状を有している。したがって、開口する一面側に開口面102を有し、別の一面側が閉じられている。この閉じられた別の一面側は、曲面形状をなしており、それ故、内面が凹面形状に形成されている。本実施の形態では、この凹面形状となった内面を、凹状内面103と呼ぶ。凹状内面103は、ハウジング101の軸が通る部分を最も窪ませ、この位置を中心として360度どの位置でも全て均等に対称をなす曲面形状に形成されている。
(2)フィルタエレメント
フィルタエレメント51は、一対のエンドプレート52のうち、ハウジング101の凹状内面103の側に位置する方をエンドプレート52a、開口面102の側に位置する方をエンドプレート52bとしている。一方のエンドプレート52aは、孔のない円板状のものであり、もう一方のエンドプレート52bは、孔が開いた円板状のものである。エンドプレート52bに形成された孔を、ここでは連絡孔54と呼ぶ。
フィルタエレメント51は、一対のエンドプレート52のうち、ハウジング101の凹状内面103の側に位置する方をエンドプレート52a、開口面102の側に位置する方をエンドプレート52bとしている。一方のエンドプレート52aは、孔のない円板状のものであり、もう一方のエンドプレート52bは、孔が開いた円板状のものである。エンドプレート52bに形成された孔を、ここでは連絡孔54と呼ぶ。
図2に示すように、エンドプレート52aは、ハウジング101の凹状内面103に対面する端面55aに、三個のリブ56を突出形成している。これらのリブ56は、フィルタエレメント51の軸を中心とする円環軌跡上に配置されている。そして、図1及び図3に示すように、リブ56の外周面側には、リブ56に沿わせて、環状の弾性部材としてのOリング57が配置されている。Oリング57は、例えばゴム製や樹脂製などの従来構造のもので、加圧されることによって弾性変形する。このようなOリング57は、ハウジング101の凹状内面103に密着し、この凹状内面103にエンドプレート52aを接触させないようにする役割を果たしている。本実施の形態では、このようなリブ56とOリング57とによる構造を、支持構造58と呼ぶ。支持構造58については、後に、更に詳しく述べる。
図1に示すように、エンドプレート52bは、連絡孔54から立ち上がるシール用突部59を形成している。シール用突部59は、連絡孔54に沿って円環状に形成されている。エンドプレート52bに形成された連絡孔54及びシール用突部59は、共に、フィルタエレメント51の軸を中心とする円周上に配置されている。
(3)セットプレート
セットプレート201は、全て金属製の二つの部材を一体的に固定して形成したものである。これらの二つの部材のうちの一つは、平板部材を円環形状に形成した外環プレート202である。外環プレート202は、同様に円環形状に形成されたゴム製のシールパッキン203をかしめて固定している。二つの部材のうちのもう一つは、平板部材を円環状に形成した口金プレート204である。口金プレート204は、外環プレート202の下面に溶接によって固定されている。このような口金プレート204の内周側の縁部は、ハウジング101の内部に向けて屈曲し、フィルタエレメント51に接続する円環状の接続部205となっている。こうして形成されたセットプレート201は、ハウジング101の開口面102の縁部を外環プレート202でかしめることによって、ハウジング101に固定されている。
セットプレート201は、全て金属製の二つの部材を一体的に固定して形成したものである。これらの二つの部材のうちの一つは、平板部材を円環形状に形成した外環プレート202である。外環プレート202は、同様に円環形状に形成されたゴム製のシールパッキン203をかしめて固定している。二つの部材のうちのもう一つは、平板部材を円環状に形成した口金プレート204である。口金プレート204は、外環プレート202の下面に溶接によって固定されている。このような口金プレート204の内周側の縁部は、ハウジング101の内部に向けて屈曲し、フィルタエレメント51に接続する円環状の接続部205となっている。こうして形成されたセットプレート201は、ハウジング101の開口面102の縁部を外環プレート202でかしめることによって、ハウジング101に固定されている。
セットプレート201の一部である口金プレート204は、フィルタエレメント51が備えるエンドプレート52bと密着する。つまり、エンドプレート52bに形成されたシール用突部59と口金プレート204の接続部205とが嵌り合い、シール用突部59の先端部が口金プレート204に密着する。この密着部分が、シール部Sである。シール部Sが形成されることで、ハウジング101の内部空間は、フィルタエレメント51の外周側の外周空間OSと内周側の内周空間ISとに、濾材53を挟んで分離される。そこで、口金プレート204は、シール部Sよりも外周側に複数個の流入口206(第一の通路)を形成し、シール部Sよりも内周側となる孔を流出口207(第二の通路)とする。流入口206は外周空間OSに連絡し、流出口207は内周空間ISに連絡する。
(4)支持構造
ここで、フィルタエレメント51のエンドプレート52aの側に設けられた支持構造58について、更に詳しく述べる。
ここで、フィルタエレメント51のエンドプレート52aの側に設けられた支持構造58について、更に詳しく述べる。
エンドプレート52aは、リブ56及びOリング57の部分に、このOリング57の外周側の空間と内周側の空間とを連絡させる連絡通路60を形成している。前述したように、三個のリブ56は、フィルタエレメント51の軸を中心とする円環軌跡上に配置されている。したがって、これらのリブ56は、別の見方をすると、三箇所に設けられた切欠き61によって三分割されていることになる。連絡通路60は、これらの切欠き61を利用して形成されている。
つまり、図2及び図3に示すように、リブ56を突出形成するエンドプレート52aの端面55aは、三個のリブ56に取り囲まれたリブ56の内周部分IPPの全体と、これらの三個のリブ56に連なるリブ56の外周部分OPPとを、同一の平面P内に位置付けている。これに対して、エンドプレート52aの外周付近から三個の切欠き61に至る上記外周部分OPPを除く領域は、凹形状に形成されてその平面Pよりも一段下がった段部62となっている。このため、図3に示すように、段部62の部分においては、エンドプレート52aの端面55aとOリング57との間に、隙間が形成される。この隙間を形成する段部62は、三個のリブ56の内周にまで至っている。これにより、切欠き61の部分では、Oリング57の外周側と内周側とが連絡し、連絡通路60が形成されるわけである。
更に、本実施の形態では、Oリング57の内径とリブ56の外径とを一致させている。これはつまり、Oリング57の内径をリブ56の外径よりも小さくすることや、Oリング57の内径をリブ56の外径よりも大きくすることをしていない、ということである。
≪フィルタ装置の製造方法≫
(1)第一の工程
フィルタ装置11を製造するには、まず、エンドプレート52aの側を上に向けてフィルタエレメント51を設置する。
(1)第一の工程
フィルタ装置11を製造するには、まず、エンドプレート52aの側を上に向けてフィルタエレメント51を設置する。
(2)第二の工程
次に、エンドプレート52aに形成されたリブ56の周囲に、Oリング57を置く。
次に、エンドプレート52aに形成されたリブ56の周囲に、Oリング57を置く。
(3)第三の工程
次に、フィルタエレメント51にハウジング101を被せる。この際、ハウジング101の内部の凹状内面103に、Oリング57が密着する。
次に、フィルタエレメント51にハウジング101を被せる。この際、ハウジング101の内部の凹状内面103に、Oリング57が密着する。
(4)第四の工程
次に、フィルタエレメント51ごと、ハウジング101をひっくり返す。この際、フィルタエレメント51がハウジング101から離脱しないように気をつける。
次に、フィルタエレメント51ごと、ハウジング101をひっくり返す。この際、フィルタエレメント51がハウジング101から離脱しないように気をつける。
(5)第五の工程
そして最後に、ハウジング101の開口面102にセットプレート201を固定し、開口面102を閉塞する。セットプレート201の固定は、前述したように、ハウジング101の開口面102の縁部を、セットプレート201の外環プレート202でかしめることによって行なう。こうして、フィルタ装置11が完成する。
そして最後に、ハウジング101の開口面102にセットプレート201を固定し、開口面102を閉塞する。セットプレート201の固定は、前述したように、ハウジング101の開口面102の縁部を、セットプレート201の外環プレート202でかしめることによって行なう。こうして、フィルタ装置11が完成する。
完成したフィルタ装置11では、エンドプレート52bに形成されたシール用突部59に、口金プレート204の接続部205が嵌り合う。この状態で、Oリング57が圧縮されて弾性変形する。弾性変形したOリング57は、復元力を生ずる。Oリング57の復元力は、シール用突部59の先端部を口金プレート204に密着的に接触させる押し付け力となる。これによって、フィルタエレメント51がセットプレート201に密着し、シール部Sが形成される。
≪フィルタ装置の作用効果≫
(1)フィルタ装置の作用
このような構成において、フィルタ装置11は、セットプレート201に複数個形成されている流入口206から濾過対象となる流体を導入する。流入口206から流れ込んだ流体は、外周空間OSに導かれた後、濾材53を通って内周空間ISに流れ込む。この際、濾材53の通過によって流体が濾過されるわけである。内周空間ISに導かれた濾過後の流体は、エンドプレート52bに形成された連絡孔54及びセットプレート201に形成された流出口207から外部に流れ出す。このような濾過の過程で、シール部Sは、フィルタエレメント51とセットプレート201との密着性を維持するので、外周空間OSと内周空間ISとが確実に分離される。
(1)フィルタ装置の作用
このような構成において、フィルタ装置11は、セットプレート201に複数個形成されている流入口206から濾過対象となる流体を導入する。流入口206から流れ込んだ流体は、外周空間OSに導かれた後、濾材53を通って内周空間ISに流れ込む。この際、濾材53の通過によって流体が濾過されるわけである。内周空間ISに導かれた濾過後の流体は、エンドプレート52bに形成された連絡孔54及びセットプレート201に形成された流出口207から外部に流れ出す。このような濾過の過程で、シール部Sは、フィルタエレメント51とセットプレート201との密着性を維持するので、外周空間OSと内周空間ISとが確実に分離される。
本実施の形態のフィルタ装置11において秀逸な点の一つは、Oリング57の使い方である。Oリング57は、一般的には、シール部材として用いる。これに対して、本実施の形態では、Oリング57をシール部材としては用いておらず、その代り、Oリング57が備える二つの異なる機能を活用している。
活用している一つ目の機能は、Oリング57の弾性変形機能である。本実施の形態では、この弾性変形機能を利用し、不可避的に発生するフィルタエレメント51の軸方向の寸法誤差を、上手く吸収している。
活用しているもう一つの機能は、Oリング57の弾性変形に伴う復元機能である。本実施の形態では、この復元機能を利用し、フィルタエレメント51をセットプレート201に密着させ、シール部Sを上手く形成している。
(2)フィルタ装置の基本的な効果
図1中、寸法Bは、フィルタエレメント51の軸方向長さである。前述したように、この寸法Bについては、フィルタエレメント51全体として、±0.5mm程度の誤差が発生する。図4に示したフィルタ装置の場合、一対のエンドプレート52(52a、52b)をハウジング101とセットプレート201とに直接接触させ、シール部Sにおけるシール性を一対のエンドプレート52(52a、52b)の弾性復元力に依存して得ている。このため、ハウジング101とセットプレート201との間の、一対のエンドプレート52(52a、52b)の接触部分の長さ寸法A(図4参照)に対して、寸法Bは規定の誤差範囲に収まっていなければならない。ところが、±0.5mm程度という実際に生ずる誤差範囲は、そのような規定の誤差範囲を逸脱している。この当たりの問題については、「発明が解決しようとする課題」の項目に詳しく記載したので、参照されたい。
図1中、寸法Bは、フィルタエレメント51の軸方向長さである。前述したように、この寸法Bについては、フィルタエレメント51全体として、±0.5mm程度の誤差が発生する。図4に示したフィルタ装置の場合、一対のエンドプレート52(52a、52b)をハウジング101とセットプレート201とに直接接触させ、シール部Sにおけるシール性を一対のエンドプレート52(52a、52b)の弾性復元力に依存して得ている。このため、ハウジング101とセットプレート201との間の、一対のエンドプレート52(52a、52b)の接触部分の長さ寸法A(図4参照)に対して、寸法Bは規定の誤差範囲に収まっていなければならない。ところが、±0.5mm程度という実際に生ずる誤差範囲は、そのような規定の誤差範囲を逸脱している。この当たりの問題については、「発明が解決しようとする課題」の項目に詳しく記載したので、参照されたい。
本実施の形態のフィルタ装置11では、ハウジング101の内部の凹状内面103と一方のエンドプレート52aとの間に弾性変形可能なOリング57を介在させ、シール部Sにおけるセットプレート201に対するフィルタエレメント51の押し付け力を、Oリング57の弾性復元力によって生じさせている。このため、一方のエンドプレート52aは、凹状内面103に接触している必要がないし、接触もしていない。よって、些か抽象的に云うならば、寸法Bの基準となるべき寸法Aという概念は、そもそも発生しない。これをより具象的に云うならば、フィルタエレメント51の軸方向長さの寸法Bに誤差、例えば±0.5mm程度もの誤差が発生したとしても、この誤差は、シール部Sにおけるシール性や装置の組立性に何ら影響を与えない、ということになる。したがって、本実施の形態によれば、シール部Sでのシール不良の問題や装置の組立困難の問題を、確実に克服することができる。
(3)連絡経路が果たす役割
本実施の形態のフィルタ装置11は、一方のエンドプレート52aに連絡通路60を設けている。この連絡通路60は、外周空間OSの内部で、Oリング57の外周側の空間と内周側の空間とを連絡させる役割を果たす。このため、複数個の流入口206から外周空間OSに流れ込んだ流体は、Oリング57の外周側から連絡通路60を通って内周側に流入し、外周空間OS全体に行き渡る。図3では、この際の流体の流れを矢印で示している。
その結果、Oリング57の内周側にエア溜りが形成されないことから、外周空間OS内の圧力がより均一化傾向を示し、圧力差によって生ずることが予想されるリブ56の破損やOリング57の位置ずれ等の不都合を、確実に防止することができる。
本実施の形態のフィルタ装置11は、一方のエンドプレート52aに連絡通路60を設けている。この連絡通路60は、外周空間OSの内部で、Oリング57の外周側の空間と内周側の空間とを連絡させる役割を果たす。このため、複数個の流入口206から外周空間OSに流れ込んだ流体は、Oリング57の外周側から連絡通路60を通って内周側に流入し、外周空間OS全体に行き渡る。図3では、この際の流体の流れを矢印で示している。
その結果、Oリング57の内周側にエア溜りが形成されないことから、外周空間OS内の圧力がより均一化傾向を示し、圧力差によって生ずることが予想されるリブ56の破損やOリング57の位置ずれ等の不都合を、確実に防止することができる。
本実施の形態では、このような優れた効果をもたらす連絡通路60を、切欠き61や段部62といった簡単な構造によって実現している。端的に云って、このような切欠き61や段部62は、フィルタエレメント51の製造に際して、エンドプレート52aを成型すするための型に対する樹脂の流し込みや射出成型という手順によって、容易に成型可能である。しかも、エンドプレート52aに対する成型が必須のリブ56と型抜き方向が一緒であるため、入れ子などの工夫も不要である。
(4)Oリングにまつわる特有の効果
本実施の形態では、Oリング57の内径とリブ56の外径とを一致させている。これにより、リブ56に装着することによるOリング57の弾性変形を防止することができる。その結果、Oリング57の弾性変形によって生ずる復元力を、より効率よく、フィルタエレメント51をセットプレート201に密着させる押し付け力に変換することができる。
本実施の形態では、Oリング57の内径とリブ56の外径とを一致させている。これにより、リブ56に装着することによるOリング57の弾性変形を防止することができる。その結果、Oリング57の弾性変形によって生ずる復元力を、より効率よく、フィルタエレメント51をセットプレート201に密着させる押し付け力に変換することができる。
もっとも、リブ56に装着することによるOリング57の弾性変形防止という効果は、Oリング57の内径とリブ56の外径とが一致しているからというよりもむしろ、Oリング57の内径寸法がリブ56の外径寸法よりも小さくないから発生する効果であると云えよう。この意味からして、Oリング57の内径とリブ56の外径とは完全に一致している必要はなく、Oリング57の内径がリブ56の外径よりも僅かに大きく設定された状態であっても良い。
加えて、リブ56に装着することによるOリング57の弾性変形の許容を前提とするならば、Oリング57の内径がリブ56の外径よりも小さく設定された状態であっても良く、このことをもって、本実施の形態のフィルタ装置11が備える作用効果が完全に滅却されるわけではない。
以上、本実施の形態について説明した。実施に際しては、各種の変形や変更が許容されることは云うまでもない。例えば、本実施の形態において、Oリング57は、環状の弾性部材を実現する一つの態様として採用しているに過ぎない。環状の弾性部材を実現することができるものであれば、Oリング57に限らず、断面矩形状のゴム部材など、各種の変形や変更が許容される。
51 フィルタエレメント
52 エンドプレート
52a エンドプレート(一方のエンドプレート)
52b エンドプレート(もう一方のエンドプレート)
53 濾材
55a 端面
56 リブ
57 Oリング(弾性部材)
58 支持構造
60 連絡通路
61 切欠き
62 段部
101 ハウジング
103 凹状内面(内面)
201 セットプレート
206 流入口(第一の通路)
207 流出口(第二の通路)
52 エンドプレート
52a エンドプレート(一方のエンドプレート)
52b エンドプレート(もう一方のエンドプレート)
53 濾材
55a 端面
56 リブ
57 Oリング(弾性部材)
58 支持構造
60 連絡通路
61 切欠き
62 段部
101 ハウジング
103 凹状内面(内面)
201 セットプレート
206 流入口(第一の通路)
207 流出口(第二の通路)
Claims (5)
- 一対の樹脂製のエンドプレートによって濾材を円筒状に保持するフィルタエレメントと、
一面側が開口して別の一面側が内面凹面形状に閉じられ、内部に前記フィルタエレメントを収納するハウジングと、
前記ハウジングの閉じられた一面側の内面に対面する一方の前記エンドプレートの端面に突出形成されて前記フィルタエレメントの軸を中心とする円環軌跡上に位置するリブと、当該リブの外周に沿って配置された環状の弾性部材とを備え、前記ハウジングの閉じられた一面側の内面に前記一方のエンドプレートを接触させることなく前記弾性部材を弾性変形した状態で密着させる支持構造と、
前記ハウジングの開口する一面側に位置するもう一方の前記エンドプレートに密着する状態で当該ハウジングの開口する一面を閉塞し、前記フィルタエレメントの外周側の空間に連絡する第一の通路と内周側に連絡する第二の通路とを有するセットプレートと、
を備える、ことを特徴とするフィルタ装置。 - 前記一方のエンドプレートは、前記リブ及び前記弾性部材の部分に、この弾性部材の外周側の空間と内周側の空間とを連絡させる連絡通路を備える、ことを特徴とする請求項1に記載のフィルタ装置。
- 前記連絡通路は、
前記リブを複数個に分割する切欠きと、
前記一方のエンドプレートの端面中、凹形状に形成されて前記切欠きに至る段部と、
によって形成されている、ことを特徴とする請求項2に記載のフィルタ装置。 - 前記弾性部材の内径と前記リブの外径とを一致させた、ことを特徴とする請求項1ないし4のいずれか一に記載のフィルタ装置。
- 前記弾性部材として、Oリングを用いる、ことを特徴とする請求項1ないし5のいずれか一に記載のフィルタ装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2011268932A JP2013119072A (ja) | 2011-12-08 | 2011-12-08 | フィルタ装置 |
Applications Claiming Priority (1)
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JP2011268932A JP2013119072A (ja) | 2011-12-08 | 2011-12-08 | フィルタ装置 |
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- 2011-12-08 JP JP2011268932A patent/JP2013119072A/ja active Pending
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