JP2013071555A - 重荷重用空気入りタイヤ - Google Patents
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Abstract
【課題】転がり抵抗の低減とウエット性能の維持を双方に実現することのできる重荷重車両に用いられるタイヤを提供する。
【解決手段】トレッド部踏面に、周方向主溝3,4をタイヤ赤道Eを挟んで配設して、トレッド部踏面を中央域Z1と両側方域Z2,Z3とに区分してなる重荷重用空気入りタイヤにおいて、中央域Z1に、タイヤ周方向に沿って延びる少なくとも1本の周方向細溝6であってタイヤ接地時に周方向細溝6の開口が閉じる周方向細溝6を配設して、少なくとも2以上の中央リブ状陸部8,9を区画形成してなり、周方向主溝3,4のタイヤ幅方向外側にタイヤ周方向に沿って延びるショルダー周方向溝11,12を配設し、周方向主溝3,4の溝幅をW1とし、ショルダー周方向溝11,12の溝幅をW2とし、周方向細溝6の溝幅をW3としたとき、W1>W2>W3の関係を満たすタイヤである。
【選択図】図1
【解決手段】トレッド部踏面に、周方向主溝3,4をタイヤ赤道Eを挟んで配設して、トレッド部踏面を中央域Z1と両側方域Z2,Z3とに区分してなる重荷重用空気入りタイヤにおいて、中央域Z1に、タイヤ周方向に沿って延びる少なくとも1本の周方向細溝6であってタイヤ接地時に周方向細溝6の開口が閉じる周方向細溝6を配設して、少なくとも2以上の中央リブ状陸部8,9を区画形成してなり、周方向主溝3,4のタイヤ幅方向外側にタイヤ周方向に沿って延びるショルダー周方向溝11,12を配設し、周方向主溝3,4の溝幅をW1とし、ショルダー周方向溝11,12の溝幅をW2とし、周方向細溝6の溝幅をW3としたとき、W1>W2>W3の関係を満たすタイヤである。
【選択図】図1
Description
本発明は、転がり抵抗の低減とウエット性能の維持を双方に実現することのできる、トラックやバス等のような重荷重車両に用いられるタイヤに関するものである。
一般に、トラックやバス等のような重荷重車両に用いられる重荷重用空気入りタイヤは、例えば、図3に示すように、トレッド部踏面に、タイヤ周方向D1に沿って延びる複数本の周方向主溝50〜54を配設して、複数のリブ状陸部を区画形成した、いわゆるリブパターンを有するタイヤや、トレッド部踏面に、タイヤ周方向に沿って延びる複数本の周方向主溝とタイヤ幅方向に沿って延びる幅方向主溝とを配設して、複数個のブロック陸部を区画形成した、いわゆるブロックパターンを有するタイヤが挙げられる。
リブパターンを有するタイヤは、配設する溝やサイプの開口端を合計したときの全長が短いため、タイヤ接地面内に存在するエッジ成分が少なく、エッジ効果によるウエット性能の向上は期待できないが、周方向主溝の溝幅を広くするなどによりウエット性能を確保することは可能である。また、転がり抵抗の低減に関しては、リブ状陸部がタイヤ周方向に一体的に連なっているため、駆動・制動時に作用する周方向への入力に対する陸部剛性は高く、陸部の変形量は抑制できるものの、旋回走行時等に作用するタイヤ幅方向への入力に対しては、リブ状陸部同士が広幅の周方向主溝で区画されているため、陸部の変形量がある程度大きくなる傾向があり、総合的に見ると、転がり抵抗を十分に低減することができないという問題があった。
ウエット性能の維持と転がり抵抗の低減の両立を図ったリブパターンを有するタイヤとしては、例えば特許文献1に、リブ状陸部に、タイヤ幅方向に横断して延びる、0.5〜1.5mm程度の溝幅の複数本の幅方向細溝をさらに配設して、リブ状陸部をブロック状陸部として区画形成し、さらに、ブロック状陸部に、タイヤ軸方向に対して前記幅方向細溝とは反対方向に傾斜しているクローズドサイプを配設したトレッドパターンを有する空気入りタイヤが記載されている。
特許文献1記載の空気入りタイヤは、周方向主溝の溝幅を広くする代わりに、リブ状陸部に幅方向細溝やクローズドサイプを配設したことにより、タイヤ接地面内に存在するエッジ成分を有効に増加させて、ウエット性能について向上させたものであるが、幅方向細溝を配設することによって、リブ状陸部がブロック状陸部に区画されるため、各ブロック状陸部は、幅方向細溝で実質的に分割されることにより、タイヤ幅方向への入力に対する剛性が低くなり、これに伴って、ブロック状陸部のタイヤ幅方向への変形量が増加することから、転がり抵抗の低減効果については十分ではなくなる。ブロック状陸部の剛性の低下を抑制するためには、ブロック状陸部を区画する溝を浅くしたり、各ブロック状陸部を大きく形成したりすることも考えられるが、ブロック状陸部を区画する溝を浅くした場合、走行可能距離が減少してしまうという問題があり、各ブロック状陸部を大きく形成した場合には、接地面内のエッジ成分が低下してウエット性能の低下が懸念されることとなる。
一方、ブロックパターンを有するタイヤは、各ブロック陸部が周方向主溝や幅方向主溝によって区画されているため、タイヤ接地面内に存在するエッジ成分は多い為、ウエット性能の点では有利であるものの、周方向主溝や幅方向主溝を挟んで隣接するブロック陸部同士がタイヤ接地時に接触せずに個々のブロック陸部の剛性を発揮するのみであり、ブロック陸部自体の剛性は小さく、変形量が大きくなることから、転がり抵抗が高くなるという問題があった。
それゆえ、本発明は、転がり抵抗の低減とウエット性能の維持を双方に実現することのできる、トラックやバス等のような重荷重車両に用いられるタイヤを提供することを目的とする。
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであり、本発明の重荷重用空気入りタイヤは、トレッド部踏面に、タイヤ周方向に沿って延びる1対の周方向主溝を、タイヤ赤道を挟んで配設して、トレッド部踏面を中央域と両側方域とに区分してなる重荷重用空気入りタイヤにおいて、前記中央域に、タイヤ周方向に沿って延びる少なくとも1本の周方向細溝であってタイヤ接地時に周方向細溝の開口が閉じる周方向細溝を配設して、少なくとも2以上の中央リブ状陸部を区画形成してなり、前記周方向主溝のタイヤ幅方向外側にそれぞれタイヤ周方向に沿って延びる少なくとも1本のショルダー周方向溝を配設し、前記周方向主溝の溝幅をW1とし、前記ショルダー周方向溝の溝幅をW2とし、前記周方向細溝の溝幅をW3としたとき、W1>W2>W3の関係を満たすことを特徴とするものである。
なお、本発明の重荷重用空気入りタイヤにあっては、前記中央リブ状陸部に、タイヤ幅方向に横断して延びる複数本の幅方向細溝をさらに配設して、前記中央リブ状陸部を中央ブロック状陸部として区画形成し、タイヤ接地時に、前記周方向細溝および前記幅方向細溝の開口が共に閉じることが好ましい。
また、本発明の重荷重用空気入りタイヤにあっては、前記周方向細溝の溝幅が0.5mm以上3mm以下であることが好ましい。
さらに、本発明の重荷重用空気入りタイヤにあっては、前記幅方向細溝の溝幅が0.3mm以上3.0mm以下であることが好ましい。
さらに、本発明の重荷重用空気入りタイヤにあっては、前記周方向主溝の溝幅が5mm以上30mm以下であることが好ましい。
しかも、本発明の重荷重用空気入りタイヤにあっては、前記ショルダー周方向溝の溝幅が3mm以上10mm以下であることが好ましい。
この発明によれば、転がり抵抗の低減とウエット性能の維持を双方に実現することのできる、トラックやバス等のような重荷重車両に用いられるタイヤを提供することができる。
以下、本発明の実施形態について図面を参照しながら説明する。なお、図中、矢印D1で示す方向はタイヤ周方向であり、矢印D2で示す方向はタイヤ幅方向である。
図1に示すトレッド部1を有する重荷重用空気入りタイヤは、トレッド部1の踏面に、タイヤ周方向D1に沿って延びる1対の周方向主溝3,4を、タイヤ赤道Eを挟んで配設したものである。これらの1対の周方向主溝3,4は、トレッド部1の踏面を中央域Z1と両側方域Z2,Z3とに区分する位置に配設したものである。
なお、ここでいう「中央域」とは、タイヤ赤道Eを中心とし、トレッド幅TWの50%以下に相当する幅のトレッド部踏面の領域を意味し、また、「側方域」は、前記周方向主溝3,4を挟んで中央域Z1のタイヤ幅方向外側に位置し、前記周方向主溝3または4とトレッド端E1またはE2とで区画されるトレッド部踏面の領域を意味する。
そして、この発明の構成上の主な特徴は、トレッド部踏面の中央域Z1に位置する陸部およびトレッド部踏面の側方域Z2,Z3に位置する陸部をそれぞれ各種溝で適正に区画することにあり、具体的には、前記中央域Z1に、タイヤ周方向D1に沿って延びる少なくとも1本の周方向細溝、図1では1本の周方向細溝6を配設して、少なくとも2以上の中央リブ状陸部、図1では2つの中央リブ状陸部8,9を区画形成してなり、タイヤ接地時に、周方向細溝6の開口が閉じることにより、該周方向細溝6をそれぞれ挟んでタイヤ幅方向に隣接して位置する中央リブ状陸部8,9の対向する側壁同士が接触して支えあう構成を有し、加えて、各側方域Z2,Z3にタイヤ周方向D1に沿って延びる少なくとも1本、ここでは1本のショルダー周方向溝11,12をそれぞれ配設して、各々2つの側方リブ状陸部13,14,16,17を区画形成し、前記周方向主溝3,4の溝幅をそれぞれW1とし、前記ショルダー周方向溝11,12の溝幅をそれぞれW2とし、前記周方向細溝の溝幅をW3としたとき、各溝の溝幅の関係をW1>W2>W3とすることにより、転がり抵抗の低減とウエット性能の維持を双方に実現することができる。
すなわち、この発明は、トレッド部踏面を中央域Z1と側方域Z2,Z3とに区分する比較的幅広の1対の周方向主溝3,4および側方域Z2,Z3に位置するショルダー周方向溝11,12を配設することにより、排水性を確保するとともに、中央域Z1に、タイヤ周方向D1に沿って延びる、比較的幅狭の少なくとも1本の周方向細溝6を配設して、少なくとも2以上の中央リブ状陸部8,9を区画形成することにより、タイヤ接地時に、前記周方向細溝6の開口が閉じることに伴って、前記周方向細溝6をそれぞれ挟んで隣接して位置する中央リブ状陸部8,9同士が接触して支えあう構成になり、これによって、中央域Z1に位置する中央リブ状陸部8,9同士が、タイヤ接地時にタイヤ周方向D1への入力に対してだけではなくタイヤ幅方向D2への入力に対しても、隣接する中央リブ状陸部8,9同士が一体となって対抗することができる結果として、いずれの方向からの入力があっても、中央域Z1に位置する陸部8,9の変形量は有効に抑制できるので、転がり抵抗を顕著に抑制できることができるのである。なお、ここでいう「タイヤ接地時」とは、具体的には、タイヤを正規リムに装着し、正規内圧とし、静止した状態で平板に対し垂直に置き、タイヤに正規荷重を負荷した時を意味する。ここで、正規リムとは、JATMAで規定する「標準リム」、TRAで規定する「Design Rim」、あるいはETRTOで規定する「Measuring Rim」である。また、正規内圧とは、JATMAで規定する「最高空気圧」、TRAで規定する「TIRE LOAD LIMITS AT VARIOUS COLD INFLATION PRESSURES」に記載の最大値、あるいはETRTOで規定する「INFLATION PRESSURES」である。また、正規荷重とは、JATMAで規定する「最大負荷能力」、TRAで規定する「TIRE LOAD LIMITS AT VARIOUS COLD INFLATION PRESSURES」に記載の最大値、あるいはETRTOで規定する「LOAD CAPACITY」である。
周方向主溝3,4の溝幅W1は、排水性を確保する点から、5mm以上であることが好ましい。一方、周方向主溝3,4の溝幅W1を30mmよりも幅広にすると、タイヤ接地域内に位置するトレッド陸部の面積割合が低く(ネガティブ率が大きく)なりすぎ、摩耗性能の低下が発生しやすくなる。このため、周方向主溝3,4の溝幅W1の上限は30mmとすることが好適である。
なお、周方向主溝3,4の延在形状は、図1に示すように、ジグザグ形状や波形形状にすることが、幅方向のエッジ成分が増加し、駆動・制動性能や排水性能を向上させることができる点で好ましいが、直線状に配設してもよく、また、各周方向主溝3,4のジグザグ形状を同一にする必要はなく、周方向に半ピッチずらしたり、異なる振幅や波長で配設したりすることもできる。
また、周方向細溝6の溝幅W3は、タイヤ接地時(タイヤ負荷転動時)に開口を閉じる程度の幅にして、転がり抵抗が大きくならないようにする点から、3mm以下とすることが好ましい。一方、周方向細溝6の溝幅は、0.5mmよりも狭いと、周方向細溝を配設しないリブ状陸部に比べて排水性の向上効果が認められなくなるため、周方向細溝6の溝幅の下限値は0.5mmとすることが好ましい。
なお、周方向細溝6の延在形状は、図1に示すように、ジグザグ形状や波形形状にすることが幅方向のエッジ成分を増加させて駆動・制動性能や排水性能を向上させることができる点で好ましいが、直線状であってもよく、各周方向細溝6のジグザグ形状を同一にする必要はなく、周方向に半ピッチずらしたり、異なる振幅や波長で配設したりすることもできる。
周方向細溝6の延在形状をジグザグ形状とする場合には、タイヤ周方向に対し±50°の範囲内の角度θ1で交互に異なる向きに延びる2つの細溝部分6a,6bで構成することが好ましい。前記角度θ1が±50°を超えると、陸部の角部が角張った形状になり、陸部の角部部分の剛性が小さくなって、ゴム欠け等の問題を生じるおそれがあるからである。
また、ショルダー周方向溝11,12は、走行時の変形(開閉)が最も大きいため、溝幅が狭すぎると歪みが集中しグルーブクラックが発生しやすくなり、反対に溝幅W2が広すぎると隣接する陸部13,14,16,17の剛性やボリュームが確保できず、転がり抵抗が増大したり走行可能距離が減少したりするので、ショルダー周方向溝11,12の溝幅W2は、3mm以上10mm以下とすることが好ましい。
なお、ショルダー周方向溝11,12の延在形状は、図1に示すように、ジグザグ形状や波形形状にすることが幅方向のエッジ成分を増加させて駆動・制動性能や排水性能を向上させることができる点で好ましいが、直線状であってもよく、ショルダー周方向溝11,12のジグザグ形状を同一にする必要はなく、周方向に半ピッチずらしたり、異なる振幅や波長で配設したりすることもできる。
また、側方域Z2,Z3においてショルダー周方向溝11,12によって区分された側方リブ状陸部13,14,16,17の幅は、トレッド幅TWに対して10%以上20%以下とすることが好ましい。側方リブ状陸部13,14,16,17の幅がトレッド幅TWの10%未満の場合には、側方リブ状陸部13,14,16,17の剛性が不足して転がり抵抗の低減を十分に図ることができず、20%を超える場合には、ショルダー周方向溝11,12の溝幅W2を十分な溝幅とすることが困難となって排水性が低下するからである。
また、本発明では、図2に示すように、中央リブ状陸部8,9に、タイヤ幅方向D2に横断して延びる複数本の幅方向細溝19をさらに配設して、図1で示した中央リブ状陸部8,9を中央ブロック状陸部21,22として区画形成し、接地時に、前記周方向細溝6および前記幅方向細溝19の開口が閉じることにより、前記周方向細溝6および前記幅方向細溝19を挟んで隣接して位置する中央ブロック状陸部21,22同士が、接触して支えあう構成を有することが、中央域Z1に位置する陸部の剛性を維持し、中央ブロック状陸部21,22の変形を抑制しつつ、エッジ成分を有効に増加させて排水性能をより一層向上させる点で好ましい。なお、図2では、説明の便宜上、各1個の中央ブロック状陸部21,22は斜線部分として示してある。
幅方向細溝19の溝幅は、タイヤ接地時(タイヤ負荷転動時)に開口を閉じる程度の幅にして、転がり抵抗が大きくならないようにする点から、0.3mm以上3.0mm以下とすることが好ましく、より好ましくは1.5mm以下である。幅方向細溝19の延在方向は、幅方向細溝19で区画された陸部21,22の角部部分の剛性を確保してゴム欠けを避けるため、タイヤ周方向に対し鈍角側で55〜90°の範囲であることが好ましい。
また、本発明では、エッジ成分をより一層増加させるため、図2に示すように、各中央ブロック状陸部21,22に、タイヤ幅方向にクランク状に延びる幅方向補助細溝23を配設して、2個の小ブロック陸部21a,21b,22a,22bに区分するとともに、各小ブロック陸部21a,21b,22a,22bには、タイヤ幅方向に延び陸部内で終端する各1本の幅方向副細溝25を配設した場合を示してあるが、かかる構成は必要に応じて適宜設けることができる。
さらに、この発明では、図2に示すように、タイヤ幅方向最外側に位置する側方リブ状陸部13,17に、タイヤ幅方向D2に横断して延びる複数本の側方幅方向溝27,28を配設して、複数個の側方ブロック陸部30,31を区画形成してよく、これによって、タイヤ側方への排水性能を向上させることができる。なお、側方幅方向溝27,28の溝幅は、4〜12mmの範囲内であることが好ましい。側方幅方向溝27,28の溝幅が4mm未満だと、タイヤ側方への排水性の向上効果が十分ではなく、また前記溝幅が12mmよりも広いと接地面積の減少により、操縦安定性の悪化を伴う他、各側方ブロック陸部30,31が小さくなって陸部剛性の低下に伴って側方ブロック陸部30,31が変形しやすくなり、転がり抵抗が大きくなる傾向があるからである。
加えて、本発明では、側方幅方向溝27,28に、該側方幅方向溝27,28を挟んで隣接して位置する側方ブロック陸部30と側方ブロック陸部30間,および側方ブロック陸部31と側方ブロック陸部31間をそれぞれ連結する隆起浅底部33,34を配設することが好ましく、この構成によって、排水性を悪化させることなく、側方ブロック陸部30,31の陸部変形を有効に抑制することができる。
隆起浅底部33,34は、その延在長さLが側方ブロック陸部30,31の幅の0.3〜0.8倍であり、隆起浅底部33,34の側方幅方向溝27,28の溝底位置からの高さが、側方幅方向溝の溝深さの0.5〜0.8倍の範囲であることが好ましい。隆起浅底部33,34の延在長さLが側方ブロック陸部30,31の幅の0.3倍未満だと、側方ブロック陸部30,31の陸部剛性が不足し、偏摩耗が発生しやすくなるからであり、また、隆起浅底部33,34の延在長さLが側方ブロック陸部30,31の幅の0.8倍を超えると、タイヤ使用末期のエッジ成分が不足してタイヤ側方への排水性能が顕著に低下するおそれがあるからである。隆起浅底部33,34の高さが側方幅方向溝27,28の溝深さの0.5倍未満だと、ブロック剛性が低下するため偏摩耗が発生しやすくなるからであり、また、隆起浅底部33,34の高さが側方幅方向溝27,28の溝深さの0.8倍超えだと、側方幅方向溝27,28を配設したことによるタイヤ側方への排水性能の向上効果が十分に得られない傾向があるからである。
この他の実施形態としては、図示は省略するが、トレッド部踏面の中央域に周方向細溝を2本配設して3つのリブ状陸部またはブロック状陸部列を区画形成したタイヤや、トレッド部踏面の中央域にジグザグ状の3本の周方向細溝を配設して、4つのリブ状陸部またはブロック状陸部列を区画形成したタイヤであってもよい。また、上記実施形態では、側方域Z2,Z3にそれぞれ1本のショルダー周方向溝を配設すると説明したが、各側方域Z2,Z3に配設するショルダー周方向溝はそれぞれ2本以上であってもよく、しかも、該ショルダー周方向溝によって区画された陸部をさらに中央ブロック陸部のように複数のサイプにてブロック状に区画してもよく、この発明では、種々の態様が挙げられる。
次に、この発明に従う重荷重用空気入りタイヤを試作し、性能の評価を行ったので、以下で説明する。
実施例1〜6のタイヤは、タイヤサイズが315/70R22.5であり、トレッド部の構成については表1に示す諸元のように作製した。なお、この発明は、トレッドパターンに構造上の特徴を有するものであり、他のタイヤ構造については従来の重荷重用空気入りタイヤと同様の構成とした。比較のため、タイヤサイズが315/70R22.5であり、図4に示すようなトレッドパターンを有する従来例1のタイヤ、周方向主溝の溝幅とショルダー周方向溝の溝幅と周方向細溝の溝幅との関係が本発明の範囲外である比較例1のタイヤを併せて試作した。
(試験方法)
上記各供試タイヤについてタイヤを適用リム(リムサイズ:9.00)に装着し、転がり抵抗、ウエット性能およびグルーブクラックについての評価を行った。
転がり抵抗は、直径1.7mの鉄板表面を持つドラム試験機(速度:80km/h)を用いて、タイヤ内圧:900kPa、負荷荷重:3350kgfの条件下で、車軸の転がり抵抗力を測定して評価した。なお、この転がり抵抗測定は、ISO18164に準拠し、スムースドラム、フォース式にて実施したものである。
ウエット性能は、タイヤ内圧:900kPa、負荷荷重:3350kgfの条件の下、時速30km/hで水深2mmの濡れた路面をもつテストコースを半径20mで円旋回したときのプロのドライバーによるフィーリングによって評価した。
グルーブクラックは、ショルダー周方向溝の溝底の歪みを有限要素法を用いて解析し、その解析結果よりその発生のし易さを検討した。
表2に評価結果を示す。なお、表2中の転がり抵抗、ウエット性能、グルーブクラックの数値は、いずれも従来例のタイヤを100としたときの指数比で示してあり、転がり抵抗及びウエット性能の数値は大きいほど性能が優れていることを示し、グルーブクラックについては、数値が大きいほど溝底の歪みが大きく、グルーブクラックの発生確率が高いことを示している。
上記各供試タイヤについてタイヤを適用リム(リムサイズ:9.00)に装着し、転がり抵抗、ウエット性能およびグルーブクラックについての評価を行った。
転がり抵抗は、直径1.7mの鉄板表面を持つドラム試験機(速度:80km/h)を用いて、タイヤ内圧:900kPa、負荷荷重:3350kgfの条件下で、車軸の転がり抵抗力を測定して評価した。なお、この転がり抵抗測定は、ISO18164に準拠し、スムースドラム、フォース式にて実施したものである。
ウエット性能は、タイヤ内圧:900kPa、負荷荷重:3350kgfの条件の下、時速30km/hで水深2mmの濡れた路面をもつテストコースを半径20mで円旋回したときのプロのドライバーによるフィーリングによって評価した。
グルーブクラックは、ショルダー周方向溝の溝底の歪みを有限要素法を用いて解析し、その解析結果よりその発生のし易さを検討した。
表2に評価結果を示す。なお、表2中の転がり抵抗、ウエット性能、グルーブクラックの数値は、いずれも従来例のタイヤを100としたときの指数比で示してあり、転がり抵抗及びウエット性能の数値は大きいほど性能が優れていることを示し、グルーブクラックについては、数値が大きいほど溝底の歪みが大きく、グルーブクラックの発生確率が高いことを示している。
表2に示す結果から、実施例1〜6のタイヤによれば、転がり抵抗及びウエット性能を両立させることができる。
かくして、本発明により、転がり抵抗の低減とウエット性能の維持を双方に実現することのできる、トラックやバス等のような重荷重車両に用いられるタイヤを提供することが可能となった。
1 トレッド部
3,4 周方向主溝
6 周方向細溝
8,9 中央リブ状陸部
11,12 ショルダー周方向溝
13,14,16,17 側方リブ状陸部
19 幅方向細溝
21,22 中央ブロック状陸部
23 幅方向補助細溝
25 幅方向副細溝
27,28 側方幅方向溝
30,31 側方ブロック陸部
33,34 隆起浅溝部
E タイヤ赤道
W1 周方向主溝の溝幅
W2 ショルダー周方向溝の溝幅
W3 周方向細溝の溝幅
Z1 中央域
Z2,Z3 側方域
3,4 周方向主溝
6 周方向細溝
8,9 中央リブ状陸部
11,12 ショルダー周方向溝
13,14,16,17 側方リブ状陸部
19 幅方向細溝
21,22 中央ブロック状陸部
23 幅方向補助細溝
25 幅方向副細溝
27,28 側方幅方向溝
30,31 側方ブロック陸部
33,34 隆起浅溝部
E タイヤ赤道
W1 周方向主溝の溝幅
W2 ショルダー周方向溝の溝幅
W3 周方向細溝の溝幅
Z1 中央域
Z2,Z3 側方域
Claims (6)
- トレッド部踏面に、タイヤ周方向に沿って延びる1対の周方向主溝を、タイヤ赤道を挟んで配設して、トレッド部踏面を中央域と両側方域とに区分してなる重荷重用空気入りタイヤにおいて、
前記中央域に、タイヤ周方向に沿って延びる少なくとも1本の周方向細溝であってタイヤ接地時に周方向細溝の開口が閉じる周方向細溝を配設して、少なくとも2以上の中央リブ状陸部を区画形成してなり、
前記周方向主溝のタイヤ幅方向外側にそれぞれタイヤ周方向に沿って延びるショルダー周方向溝を少なくとも1本配設し、
前記周方向主溝の溝幅をW1とし、前記ショルダー周方向溝の溝幅をW2とし、前記周方向細溝の溝幅をW3としたとき、W1>W2>W3の関係を満たすことを特徴とする重荷重用空気入りタイヤ。 - 前記中央リブ状陸部に、タイヤ幅方向に横断して延びる複数本の幅方向細溝をさらに配設して、前記中央リブ状陸部を中央ブロック状陸部として区画形成し、タイヤ接地時に、前記周方向細溝および前記幅方向細溝の開口が共に閉じる、請求項1に記載の重荷重用空気入りタイヤ。
- 前記周方向細溝の溝幅が0.5mm以上3mm以下である、請求項1または2に記載の重荷重用空気入りタイヤ。
- 前記幅方向細溝の溝幅が0.3mm以上3.0mm以下である、請求項1〜3の何れか一項に記載の重荷重用空気入りタイヤ。
- 前記周方向主溝の溝幅が5mm以上30mm以下である、請求項1〜4の何れか一項に記載の重荷重用空気入りタイヤ。
- 前記ショルダー周方向溝の溝幅が3mm以上10mm以下である、請求項1〜5の何れか一項に記載の重荷重用空気入りタイヤ。
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