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JP2013020862A - アルミ電線用圧着端子及びその製造方法 - Google Patents

アルミ電線用圧着端子及びその製造方法 Download PDF

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JP2013020862A JP2011154433A JP2011154433A JP2013020862A JP 2013020862 A JP2013020862 A JP 2013020862A JP 2011154433 A JP2011154433 A JP 2011154433A JP 2011154433 A JP2011154433 A JP 2011154433A JP 2013020862 A JP2013020862 A JP 2013020862A
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Tetsuya Kuwabara
鉄也 桑原
Taichiro Nishikawa
太一郎 西川
Yoshihiro Nakai
由弘 中井
Akihisa Hosoe
晃久 細江
Kengo Goto
健吾 後藤
Akira Nishimura
昭 西村
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Sumitomo Electric Industries Ltd
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Sumitomo Electric Industries Ltd
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Abstract

【課題】銅系金属基材の圧着端子をアルミ電線導体と接合して使用してもCu−Al異種金属接触腐食の生じないアルミ電線圧着端子の提供
【解決手段】アルミニウム系金属の複数の素線からなる導体部を有するアルミ電線の前記導体部に圧着される圧着部9と、前記圧着部に連続して設けられた電気接触部7とからなる圧着端子1であって、圧着端子1の基材が銅系金属であり、圧着端子1の少なくとも外側表面及び内側表面にアルミニウム系金属からなるアルミニウム層が形成されていることを特徴とするアルミ電線用圧着端子。
【選択図】図1

Description

本発明は、アルミニウム製またはアルミニウム合金製の複数の素線が撚り合わされた導体部を有するアルミ電線の端部に取り付けられるアルミ電線用圧着端子及びその製造方法に関する。
近年、自動車分野においては、車両の高性能・高機能化が急速に進められてきていることから、車両に搭載される各種電気機器、制御機器等の増加に伴って配線も増加している。
自動車等の車両に配索されるワイヤハーネスには銅電線が一般に使用されている。そして、ワイヤハーネス同士、あるいはワイヤハーネスと車載機器との接続にあたり、ワイヤハーネスの銅電線には端子が取り付けられ、この種の端子は、一般に圧着によって銅電線に取り付けられている。
銅電線へ圧着される端子は、典型的には、銅製の複数の素線を撚り合わせてなる銅電線の導体部が載置される底板部と、底板部に載置された導体部をその幅方向に挟むために底板部に連設された一対の導体加締片とを備えている。そして、導体加締片は、それらの先端部を導体部に差し込んで、導体部の素線を部分的に抱き込んだ状態となるように導体部に加締められる。それにより、端子は銅電線の導体部に圧着される。
ところで、近年、次世代の車両として人間環境への負荷の少ない電気自動車や燃料電池自動車等の開発も盛んに行われているが、この種のモーター駆動の自動車に搭載されるバッテリーや燃料電池それ自体が重いことから、少しでも車両重量を減らし軽くしたいという要望が強い。そして、前記自動車の電子制御のために搭載する銅電線全体の重量も増加している。
このため、自動車分野においては、近年の銅資源の不足、価格の高騰に加え、その軽量化及びリサイクルの容易性の観点から、銅線に代えて、比重が銅の約3分の1であるアルミニウムを導体線に用いたアルミ電線が特に注目されている(比重は、Cu:8.96、Al:2.70)。
アルミニウムは銅に比べて表面に形成される酸化皮膜が厚く、アルミ電線では、導体部と端子との間の接触抵抗が比較的高くなる傾向にある。この接触抵抗を低減することについて、端子の各導体加締片を導体部に強く加締め、導体部の圧縮率を高くする方法が知られている。これによれば、導体部を構成する各素線の酸化皮膜が破壊され、導体部と端子との間の接触抵抗が低減される。
特許文献1にはアルミ電線導体と端子圧着部の圧着時における、電線導体圧縮率と端子圧着部長さの関係を適正化し、導通を確実にする方法が記載されている。
また、特許文献2には、アルミ電線導体と接触する銅合金製の端子圧着部の表面にアルミニウムに対して凝着作用を有するSnめっき被膜を形成することにより、Sn−Alの金属間結合(凝着)によってアルミ電線と端子とを導通接触させているアルミ電線導体と端子圧着部との良好な接触抵抗および圧着強度を得ることが記載されている。
更に、特許文献3には前記Sn−Alの凝着作用が比較的弱いことから、銅合金製の端子圧着部の表面にAlめっき被膜を形成し、Sn−Alの異種金属間結合よりも凝着の強度が高いAl−Alの同種金属間結合によって導体部とアルミ層とを凝着することが記載されている。これにより、アルミ電線導体と端子圧着部との良好な接触抵抗および圧着強度を得ることが可能となってきた。
しかしながら、本発明者らが、アルミ電線導体をCu合金製の圧着端子に接続した接続構造体について環境試験を行なったところ、Alが腐食するという問題があること、及びこの腐食は、アルミ電線導体とCu合金製の圧着端子とを組み合わせた接続構造体におけるCu−Alの異種金属接触腐食によってAlが溶解するためであることを見出した。このような腐食に対する対策としては、端子部全体を樹脂で埋め込む等の対策が考えられるが、これはコスト増加要因となるという問題がある。
特開2009−289558号公報 特開2009−176672号公報 特開2009−283287号公報
本発明は、銅系金属基材の圧着端子をアルミ電線導体と接合して使用してもCu−Al異種金属接触腐食の生じないアルミ電線圧着端子を提供することを目的とする。
本発明者らが鋭意検討を進めた結果、圧着端子におけるCu露出率を可及的に小さくすることにより、アルミ電線導体と圧着端子との間に異種金属接触腐食が起こらないことを見出して本発明を完成した。
すなわち、本発明は以下に記載する通りの圧着端子及びその製造方法に係るものである。
(1)アルミニウム系金属の複数の素線からなる導体部を有するアルミ電線の前記導体部に圧着される圧着部と、前記圧着部に連続して設けられた電気接触部とからなる圧着端子であって、圧着端子の基材が銅系金属であり、圧着端子の少なくとも表側表面及び裏側表面にアルミニウム系金属からなるアルミニウム層が形成されていることを特徴とするアルミ電線用圧着端子。
(2)前記圧着端子の端面にも前記アルミニウム層が形成されていることを特徴とする(1)に記載のアルミ電線用圧着端子。
(3)前記アルミニウム層がニッケルの下地層を介して銅系金属の上に設けられていることを特徴とする(1)又は(2)に記載のアルミ電線用圧着端子。
(4)前記アルミニウム層がめっきによって設けられたものであることを特徴とする(1)〜(3)のいずれかに記載のアルミ電線用圧着端子。
(5)前記めっきが溶融塩めっきであることを特徴とする(4)に記載のアルミ電線用圧着端子。
(6)圧着端子が雄型圧着端子であることを特徴とする(1)〜(5)のいずれかに記載のアルミ電線用圧着端子。
(7)圧着端子が雌型圧着端子であることを特徴とする(1)〜(5)のいずれかに記載のアルミ電線用圧着端子。
(8)銅板を打ち抜き加工して圧着端子板を得て、次いで、この圧着端子板を成形加工して、アルミニウム系金属の複数の素線からなる導体部を有するアルミ電線の前記導体部に圧着される圧着部と、前記圧着部に連続して設けられた電気接触部とを形成したのち、この圧着端子板の表裏両面及び端面に溶融塩めっきによってアルミニウムのめっき層を形成することを特徴とする圧着端子を製造する方法。
(9)銅板の表裏両面に溶融塩めっきによってアルミニウムのめっき層を形成し、次いで、このアルミニウムのめっき層を有する銅板を打ち抜き加工して圧着端子板を得て、この圧着端子板を成形加工して、アルミニウム系金属の複数の素線からなる導体部を有するアルミ電線の前記導体部に圧着される圧着部と、前記圧着部に連続して設けられた電気接触部とを形成することを特徴とする圧着端子を製造する方法。
(10)(1)〜(7)のいずれかに記載のアルミ電線用圧着端子を用いたことを特徴とする自動車用ハーネス。
本発明の圧着端子を用いることにより、アルミ電線導体を圧着端子に接合した接続構造体においても腐食が生じることがない。
本発明のアルミ電線用圧着端子の例を示す図である。 本発明のアルミ電線用圧着端子をアルミ電線に圧着させた状態を示す図である。 図2のX−X断面を示す図である。 本発明のアルミ電線用圧着端子の一例の断面図である。 雄型圧着端子と雌型圧着端子とを接続する様子を示した図である。 本発明のアルミ電線用圧着端子の他の例を示す図である。
まず、本発明のアルミ電線用圧着端子について説明する。
図1は本発明のアルミ電線用圧着端子(以下「圧着端子」という)の形状・構造の一例を示す斜視図である。
圧着端子1は、銅又は銅合金等の銅系金属からなり、従来の圧着端子と同様に、圧着部(電線圧着部)9に連続して電気接触部7が設けられている。図示した圧着端子は雌型の圧着端子であり、電気接触部7は、雌型であって後述する雄型の圧着端子が嵌入可能な箱型に形成されている。電線圧着部9は、電気接触部7から圧着端子の長手方向に延びる底壁10と、底壁10から立ち上がる一対のワイヤバレル(第1バレル壁)11と、ワイヤバレル11を挟んで電気接触部7とは反対側の位置で、かつワイヤバレル11とは所定の距離だけ離間した位置で底壁10から立ち上がる一対の第1インシュレーションバレル13(第2バレル壁)とを有している。底壁10から立ち上がるワイヤバレル11および第1インシュレーションバレル13は、U字形の正面形状をなしている。なお、圧着端子1は、1枚の金属板を所定の形状に打ち抜き、曲げ加工によって図1に示す形状に成形されている。
なお、圧着部に連続して電気接触部が設けられるとは圧着部と電気接触部とが電気的に接続されていることを意味する。図1では圧着部と電気接触部とが同一材料から一体的に形成されている例を示したが、圧着部と電気接触部とを異種の材料から構成してこれらが電気的に接続されている場合も本発明の態様である。
図2は圧着端子1に電線2を接続してなる端子付き電線20を示す図である。端子付き電線20は電線2と、電線2に圧着された圧着端子1とを含む。電線2は、撚り線状に配置された複数本の導体線4と、導体線4を絶縁体で被覆する絶縁被覆3とを有しており、端末において、絶縁被覆3が部分的に除去されて導体線4が露出した状態となっている。その端末に、圧着端子1が圧着されている。導体線4は、アルミニウムまたはアルミニウム合金からなる。
圧着端子1を電線2の端末に圧着する圧着工程では、まず、電線2の端末において、絶縁被覆3を除去して導体線4を露出させ、その端末を圧着端子1の底壁10にセットする。次に、圧着端子1の電線圧着部9のワイヤバレル11および第1インシュレーションバレル13を、底壁10に向けてかしめることにより、圧着端子1が電線2の端末に圧着される。
詳細には、一対のワイヤバレル11は、電線2の端末における導体線4が露出した部分を抱き込むように曲げ加工される。これに対し、一対の第1インシュレーションバレル13は、その内側面13aが、電線2の前記露出部分の直ぐ後側の絶縁被覆3を抱き込むように曲げ加工されると共に、その先端部15が、電線2の絶縁被覆3を貫通して絶縁被覆3内の導体線4を押圧するように曲げ加工される。
図3は、図2のX−X線に沿って切断した断面図であり、一対の第1インシュレーションバレル13が電線2に圧着された状態を示している。図3に示すように、第1インシュレーションバレル13の内側面13aは、電線2の絶縁被覆3に密着した状態であるのに対し、先端部15は、絶縁被覆3を貫通した後、導体線4を切断等、破壊しない程度に撚り線状の導体線4の配列を乱した状態で導体線4に接触している。
また、圧着端子における圧着部の導体部と接触する接触面にはセレーションを設けてもよい。
図4は図1に示した圧着端子の長さ方向の断面構造を示す図であり、図5は雌型圧着端子1Aの電気接触部7Aに雄型圧着端子1Bの電気接触部7Bを挿入する様子を示した図である。
圧着端子1Aの電気接触部7Aには雄型の圧着端子1Bの電気接触部7Bを受け入れる受容空間が形成されている。受容空間の底部には挿入された雄型圧着端子1Bの電気接触部7Bを圧着保持するためのバネ材からなる接触部材16が設けられ、受容空間の上部にはバネ材からなる接触部材17が設けられている。接触部材16の少なくとも電気接触部7Bと接触する部分(接点)の表面にはSn膜18が形成されており、接触部材17の表面にもSn被膜が設けられていて雌型圧着端子1Aの電気接触部7Aと雄型圧着端子1Bの電気接触部7Bとの間の良好な電気的接触を保つようにしている。
図6は圧着端子の他の構造例を示す図である。
図6に示されるものにおいては、電気接触部7はボルト(不図示)などの固定手段が貫通可能な孔19が形成され、固定手段によって固定されることにより、相手側の接続部材(不図示)と導通される。
上記では雌型圧着端子について図面に基づいて説明したが、本発明は雄型圧着端子にも適用できる。
本発明においては、圧着端子1は銅又は銅合金等の銅系金属によって構成されている。圧着素子は銅の板材を加工することによって形成されるが、銅の板材の少なくとも表側表面及び裏側表面がアルミニウムによって被覆されている。また、板材の端面(側面)についてもアルミニウムによって被覆されていることが好ましい。
Al層を圧着端子の表裏面に形成することによって、圧着部においては銅系金属の表面に形成されたAlと導体線のAlとの同種金属間結合によって導体線とアルミ層とが良好に凝着することができ、導体線と圧着端子との電気的接続が良好に行われるとともに、CuとAlとが結露による水膜を介して接触することによって生じる電気化学的腐食を防止することができる。
Alの腐食が起こるか否かは圧着端子におけるCuの露出面積と電線のAl露出面積との関係で定まってくる。Cuの露出面積をAlの露出面積に比して極端に小さくすることによりAlの腐食は防ぐことができる。
圧着端子の全表面積に対するアルミニウム層の被覆面積は80%以上であることが好ましい。
80%以上とすることにより、金属腐食は実質的に生じなくなる。
また、アルミニウム層の膜厚は0.1〜60μmであることが好ましい。
アルミニウム層の膜厚が0.1〜60μmであることにより、Al−Alの金属間結合が良好に行われ、金属腐食も実質的に生じなくなる。
圧着端子の基材である銅系金属としては、銅、Cu−Zn系合金、Cu−Ni−Si系合金、Cu−Fe−P系合金等の接続端子として用いられる公知の材料を使用することができる。Cu−Zn系合金を用いる場合にはZnがAl層に拡散することを防ぐために、基材表面にNiの下地層を形成してからAl層を設けることが好ましい。
圧着端子の表面にアルミニウムを被覆する方法として公知の方法が使用可能である。
具体的には、めっき法(無電解めっき法、溶融塩めっき法等)、蒸着法、溶射法、圧延によりアルミニウム層を貼り付ける方法等が挙げられるが、均一なアルミニウム層を形成する観点及びコスト面からはめっき法を用いることが好ましい。
アルミニウムのめっきは、アルミニウムの酸素に対する親和力が大きく、電位が水素より低いために水溶液系のめっき浴で電気めっきを行うことが困難である。このため、アルミニウムの電気めっきは非水溶液系のめっき浴で行うことが必要である。非水溶液系の電解液を用いるめっき法の中でも、特に電解液として溶融塩浴を用いる方法が基材上に均一な膜厚のアルニミウム層を低コストで形成することができるため好ましい。
以下では、アルミニウム層を溶融塩めっきによって設ける方法について説明する。
(アルミニウム層の形成:溶融塩めっき)
めっきによって圧着端子の表面にアルミニウム層を形成するには、めっき浴として溶融塩を用いる溶融塩めっきが好ましい。
溶融塩としては、有機系ハロゲン化物とアルミニウムハロゲン化物の共晶塩である有機溶融塩、アルカリ金属のハロゲン化物とアルミニウムハロゲン化物の共晶塩である無機溶融塩を使用することができる。有機系ハロゲン化物としてはイミダゾリウム塩、ピリジニウム塩等が使用でき、具体的には1−エチル−3−メチルイミダゾリウムクロライド(EMIC)、ブチルピリジニウムクロライド(BPC)が好ましい。
溶融塩中に水分や酸素が混入すると溶融塩が劣化するため、めっきは窒素、アルゴン等の不活性ガス雰囲気下で、かつ密閉した環境下で行うことが好ましい。
溶融塩浴としては窒素を含有した溶融塩浴が好ましく、中でもイミダゾリウム塩浴が好ましく用いられる。イミダゾリウム塩として、1,3位にアルキル基を持つイミダゾリウムカチオンを含む塩が好ましく用いられ、特に塩化アルミニウム−1−エチル−3−メチルイミダゾリウムクロライド(AlCl−EMIC)系溶融塩が、安定性が高く分解し難いことから最も好ましく用いられる。溶融塩浴の温度は10〜100℃、好ましくは25〜60℃であり、比較的低温でのめっきが可能である。
(アルミニウム層の形成:無機塩めっき)
溶融塩として無機塩浴を用いることもできる。無機塩浴とは、代表的にはAlCl−XCl(X:アルカリ金属)の2成分系あるいは多成分系の塩である。このような無機塩浴はイミダゾリウム塩浴のような有機塩浴に比べて一般に溶融温度は高いが、水分や酸素など環境条件の制約が少なく、全体に低コストでの実用化が可能とできる。
圧着端子は通常は銅板を打ち抜き加工して圧着端子板を得て、この打ち抜かれた圧着端子板を曲げ加工等によって圧着端子に成形することによって得られる。
本発明の圧着端子は次の方法によって製造することができる。
(1)銅板を打ち抜き加工して圧着端子板を得て、この圧着端子板を圧着端子の形状に成形したのち、圧着端子にめっきを施す方法。
(2)銅板の表裏面にAlめっきを施し、このAlめっき銅板を打ち抜き加工して圧着端子板を得て、この圧着端子板を圧着端子の形状に成形する方法。
前記(1)の方法は圧着端子の側面にもAlめっきが形成されるため、圧着端子の全面がアルミニウム層によって被覆された状態となるので腐食対策の面からは好ましい方法である。
前記(2)の方法によると圧着端子の側面(端面)にはAlめっきが形成されないが、圧着端子の表面積に対してCuの露出面積ははるかに小さいため、腐食の心配はない。また、打ち抜き加工前に銅板の状態でめっき工程を行うことができるので圧着端子の製造工程を簡素化することができる。
本発明の圧着端子は軽量かつ腐食がないため、種々の配線に用いることができるが、特に自動車に搭載されるワイヤハーネス等の配線用の圧着端子として好適に使用することができる。
原料素材として市販のCu合金板材(C2600)を使用した。
Cu合金板材を0.25mm厚になるように加工した。
次いでこのCu合金板材に適宜熱処理(軟化処理、溶体化処理、時効処理)を実施したのち、打抜加工機を用いて打ち抜いたのちに、成形加工して図1に示すような圧着端子形状に加工した。
得られた圧着端子に前処理(脱脂、表面粗化、下地めっきなど)を施した後、以下のめっき処理を施した。
(溶融塩めっき)
上記で得た圧着端子をワークとして、給電機能を有する治具セットした後、アルゴン雰囲気かつ低水分(露点−30℃以下)としたグローブボックス内に入れ、温度60℃の溶融塩アルミめっき浴(EMIC:AlCl=1:2)に浸漬した。
ワークをセットした治具を整流器の陰極側に接続し、対極のアルミニウム板(純度99.0%)を陽極側に接続した。電流密度3.6A/dmの直流電流を1〜90分間印加してめっきした。攪拌はテフロン(登録商標)製の回転子をスターラーとして用いて300rpmで行った。
この結果、以下のアルミニウムめっき層を有する圧着端子サンプル1〜3を得た。
サンプル1:アルミニウム膜厚 0.6μm (電流印加時間: 1分)
サンプル2:アルミニウム膜厚 7.4μm (電流印加時間:12分)
サンプル3:アルミニウム膜厚 56μm (電流印加時間:90分)
また、打抜加工後に成形加工して得た圧着端子の圧着部のみを溶融塩めっき浴に浸漬して圧着部の表裏面にアルミニウムメッキ層を形成してサンプル4を得た。
サンプル4:圧着部のアルミニウム膜厚 7.4μm、アルミニウム被覆率50%
上記で得た圧着端子にアルミ電線を接続して、図2に示す端子付き電線を作製した。
<評価>
上記で得た端子付き電線について以下の項目について評価試験を行った。
(1)耐腐食性
耐食性の試験として、塩水噴霧試験が知られているが、この試験の試料のように、異種金属で構成され、電食が生じ得る試料に塩水噴霧試験を適用すると、電食による試料の損傷が大き過ぎて、耐食性の評価が実質的にできない。そこで、このような電食が生じ得る試料に対して耐食性を適切に評価するために、腐食の進行が比較的緩やかに行われる環境を模擬した、以下の試験方法を採用した。
<試験方法>
まず、NaCl(電解質)を超純水(溶媒)に溶かして、濃度が26質量%の中性水溶液(200g)を作製する。また、平均粒径が100μm程度のシリカ(SiO)の粉末:100gを用意する。用いた電解質、溶媒、シリカ粉末はいずれも市販品である。
用意したシリカの粉末を濾紙上に載せ、用意した上記水溶液(26%NaCl)をシリカの粉末の上から滴下した後、150℃に加熱した恒温槽中に入れて乾燥し、NaClが付着した粉末を得る(Cl付着量:35000ppm)。得られた粉末を試料の一部が目視により確認できる程度に、試料(特に、導体と端子部材との接合部分)に満遍なく振り掛けて(厚さ1mm以下)、60℃、95%RHに設定した恒温恒湿槽に入れ、6日間(144時間)保持する。6日後、恒温恒湿槽から試料を取り出し、腐食状況を調べた。具体的には、図2において、導体線4の露出箇所であって、ワイヤバレル11a、11bで挟持されている箇所付近を切断し(A−A切断)、この断面を観察して、残存率(%)={(残存しているAl合金線の面積)/(作製したAl合金線の面積)}×100を求め、この残存率により耐食性を評価する。面積は、断面写真に画像処理などを施すことで容易に求められる。上記残存率が高いほど、耐食性が高いと言える。その結果を表1に示す。
<評価基準>
○ : 残存率95%以上
× : 残存率95%未満
(2)電気的接続性
以下の接続抵抗試験を行って、圧着部の電気的接続性を評価した。
用意した端子付き電線の圧着部を含むように回路を形成し、4端子法により圧着部の接触抵抗を測定した。
<評価基準>
○ : 接続抵抗2mΩ未満
× : 接続抵抗2mmΩ以上
評価試験の結果は次の通りであった。
1 圧着端子
2 電線
3 絶縁被覆
4 導体線
5 導体部
7、7A、7B 電気接触部
9 電線圧着部
10 底壁
11、11a、11b ワイヤバレル(第1バレル壁)
13 第1インシュレーションバレル(第2バレル壁)
13a 第1インシュレーションバレルの内側面
15 第1インシュレーションバレルの先端部
16 バネA
17 バネB
18 接点(Sn)
19 孔
20 端子付き電線

Claims (10)

  1. アルミニウム系金属の複数の素線からなる導体部を有するアルミ電線の前記導体部に圧着される圧着部と、前記圧着部に連続して設けられた電気接触部とからなる圧着端子であって、圧着端子の基材が銅系金属であり、圧着端子の少なくとも表側表面及び裏側表面にアルミニウム系金属からなるアルミニウム層が形成されていることを特徴とするアルミ電線用圧着端子。
  2. 前記圧着端子の端面にも前記アルミニウム層が形成されていることを特徴とする請求項1に記載のアルミ電線用圧着端子。
  3. 前記アルミニウム層がニッケルの下地層を介して銅系金属の上に設けられていることを特徴とする請求項1又は2に記載のアルミ電線用圧着端子。
  4. 前記アルミニウム層がめっきによって設けられたものであることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のアルミ電線用圧着端子。
  5. 前記めっきが溶融塩めっきであることを特徴とする請求項4に記載のアルミ電線用圧着端子。
  6. 圧着端子が雄型圧着端子であることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載のアルミ電線用圧着端子。
  7. 圧着端子が雌型圧着端子であることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載のアルミ電線用圧着端子。
  8. 銅板を打ち抜き加工して圧着端子板を得て、次いで、この圧着端子板を成形加工して、アルミニウム系金属の複数の素線からなる導体部を有するアルミ電線の前記導体部に圧着される圧着部と、前記圧着部に連続して設けられた電気接触部とを形成したのち、この圧着端子板の表裏両面及び端面に溶融塩めっきによってアルミニウムのめっき層を形成することを特徴とする圧着端子を製造する方法。
  9. 銅板の表裏両面に溶融塩めっきによってアルミニウムのめっき層を形成し、次いで、このアルミニウムのめっき層を有する銅板を打ち抜き加工して圧着端子板を得て、この圧着端子板を成形加工して、アルミニウム系金属の複数の素線からなる導体部を有するアルミ電線の前記導体部に圧着される圧着部と、前記圧着部に連続して設けられた電気接触部とを形成することを特徴とする圧着端子を製造する方法。
  10. 請求項1〜7のいずれかに記載のアルミ電線用圧着端子を用いたことを特徴とする自動車用ハーネス。
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