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JP2013013250A - 3相誘導電動機 - Google Patents

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JP2013013250A JP2011144476A JP2011144476A JP2013013250A JP 2013013250 A JP2013013250 A JP 2013013250A JP 2011144476 A JP2011144476 A JP 2011144476A JP 2011144476 A JP2011144476 A JP 2011144476A JP 2013013250 A JP2013013250 A JP 2013013250A
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Yusuke Tanigawa
雄亮 谷川
Satoru Negishi
覚 根岸
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Abstract

【課題】3相誘導電動機の設計自由度を広げると共に、振れ回り電磁力を低減させることができる3相誘導電動機を提供する。
【解決手段】ステータ10に設けられ、一次側コイルが巻かれる複数のステータスロット11と、ロータ20に設けられ、ステータスロット11と対向する複数のロータスロット21とを備え、ステータスロット11には120°毎に同相となるように一次側コイルが配線された3相誘導電動機であって、ロータスロット21の数が、奇数を3倍した数で構成されている。
【選択図】図1

Description

本発明は、3相交流で駆動されるかご形または巻線形の誘導電動機に関し、特に、電動機の振動・騒音の原因となる振れ回り電磁力を低く抑えることができる3相誘導電動機に関する。
3相誘導電動機で用いられるステータ(固定子ともいう)の内周面には、複数のステータスロットが形成されている。このステータスロットには、一次側コイルがU、V、W相に分けて巻線される。そして、この一次側コイルにそれぞれの3相の電流を流すことで、ステータに回転磁界が発生する。
一方、ロータ(回転子ともいう)の外周面にも、ステータスロットと隙間を空けて対向するように複数のロータスロットが形成されている。このロータスロット内には、銅またはアルミニウム製のロータバー(導体棒ともいう)が配設される。そして、このロータバーが回転磁界からロータの周方向への力を受け、ロータが回転する。
このような3相誘導電動機の振動、騒音の原因は、モータ軸やモータケースの偏芯によるところが大きい。また、他の要因としては、上述したステータスロットの数とロータスロットの数との組み合わせによって生じる振れ回り電磁力がある。
この振れ回り電磁力は、ロータとステータとの電気的、磁気的な平衡が崩れることにより生じる。
一般的な誘導電動機では、これらロータおよびステータのスロットの数の組み合わせは、上下左右方向の磁気的バランスを保つために、偶数同士になるように選定されている(例えば、特許文献1参照)。
特開平6−276718号公報
しかしながら、ロータスロットおよびステータスロットの数を偶数同士の組み合わせに限定してしまうと、誘導電動機の構造上の設計条件が限定されてしまう。すなわち、使用目的に合わせた最適な形状や大きさの誘導電動機を製作することが困難になる場合がある。
また、組み合わせ条件を変えることによって、偶数同士の組み合わせ以外であっても振れ回り電磁力をより低減することができる場合も考えられる。
本発明は、上述した事情を鑑みてなされたものであり、誘導電動機のスロット数の設計自由度を広げると共に、振れ回り電磁力を低減させることができる誘導電動機を提供することにある。
上述課題を解決するため、本発明は、ステータに設けられ、一次側コイルが巻かれる複
数のステータスロットと、ロータに設けられ、前記ステータスロットと対向する複数のロータスロットとを備え、前記ステータスロットには120°毎に同相となるように前記一次側コイルが配線された3相誘導電動機であって、前記ロータスロットの数が、奇数を3倍した数で構成されていること特徴とする。
また、前記ロータスロットの数が、前記ステータスロットの数に極数を足した数よりも大きな数で構成されていてもよい。
さらに、前記ロータスロットの数が、前記ステータスロットの数に極数の整数倍を加減した数以外の数で構成されていてもよい。
また、前記ステータスロットの数が54であり、前記ロータスロットの数が、63から72の範囲内で構成されていることが好ましい。
本発明に係る3相誘導電動機によれば、前記ロータスロットの数が、奇数を3倍した数で構成されているので、ステータの回転磁界の磁気的な周期とロータスロットの数の構造上の周期との最小公倍数が120°毎に発生することになり、最低でも120°毎にステータとロータのティースが対向するようになる。そのため、ロータスロットの数が奇数の場合であっても、X方向およびY方向における誘導電動機の磁気的な平衡が確保される。その結果、モータ軸やモータケースに偏芯等がない場合はもちろんのこと、偏芯等がある場合であっても、振れ回り電磁力を小さく抑え、振動・騒音が少ない3相誘導電動機を提供することができる。
また、ステータスロットの数とロータスロットの数が偶数同士の組み合わせ以外であっても振れ回り電磁力を小さく抑えることができるので、誘導電動機の構造を決定する上での設計自由度を高めることができる。その結果、使用目的や状況に合わせて、最適な形状や大きさの多種類の3相誘導電動機を提供することができる。
本発明の実施の形態に係る3相誘導電動機の本体部の断面図である。 モータ軸またはモータケースに偏芯がない場合のロータスロットの数と振れ回り電磁力との関係を示すグラフである。 モータ軸またはモータケースに偏芯がある場合のロータスロットの数と振れ回り電磁力との関係を示すグラフである。 モータ軸に偏芯がない場合のロータスロットの数と始動時のトルクリップルとの関係を示すグラフである。 モータ軸またはモータケースに偏芯がない場合のロータスロットの数と定格時のトルクリップルとの関係を示すグラフである。 モータ軸またはモータケースに偏芯がある場合のロータスロットの数と始動時の振れ回り電磁力との関係を示すグラフである。 モータ軸またはモータケースに偏芯がある場合のロータスロットの数と定格時の振れ回り電磁力との関係を示すグラフである。
以下、本発明の実施の形態に係る3相誘導電動機について、図面を用いて詳細に説明する。図1は、本発明の実施の形態に係る3相誘導電動機1の本体部の断面図である。なお、図1では、ステータ10の外側を覆うように設けられるモータケースを省略して示してある。
3相誘導電動機1は、円筒状に形成されたステータ10と、このステータ10の中空内部に配置された円柱状のロータ20とを備えている。このロータ20は、一般的な誘導電動機の原理に基づいて、ステータ10が作る回転磁界によって、回転中心Oを中心に回転するものである。
ステータ10には、円筒状の鉄心の内周面に沿って、合計54個のステータスロット11が設けられている。このステータスロット11内には、U、V、W相に分けて配電される一次側コイル(図示せず)が納められている。なお、ステータスロット11の個数は本実施の形態における一例であり、54個に限定するものではない。
また、ロータ20についても同様に、円柱状の鉄心の外周面に沿って、ステータスロット11の数よりも多い57個のロータスロット21が形成されている。このロータスロット21は、ロータ20がステータ10の中空内部に組み付けられた状態で、ステータスロット11と隙間を空けて対向するように配置されている。また、このロータスロット21内には、例えば、かご形誘導電動機であればロータバー(図示せず)が組み込まれ、巻線形誘導電動機であれば巻線コイル(図示せず)が組み込まれる。なお、このロータスロット21の個数は本実施の形態における一例であり、57個以外であっても適宜変更して使用することができる。
なお、このロータ20の軸方向の端部には、ロータ20を回転自在に支持する軸受け(図示せず)が設けられている。また、ロータ20の端部には、3相誘導電動機1の回転動力を伝達するためのモータ軸22が設けられている。
ステータ10は、図1に示すように、三相交流の交番するタイミングのずれと同じ電気角の120°(機械角)毎に区画されている。そして、ステータ10側の一次側コイルの配線は、この3つの区画のそれぞれに、U、V、W相の3相が1組として組み込まれるように巻線されている。
この120°毎に区画したうちの1つの範囲について図1を用いて詳細に説明すると、スロット数51、52、53、54、1、2、3、4、5、6の10個のスロットにU相を構成するように短節巻で一次側コイルが巻かれている。同様に、V相は、スロット数3、4、5、6、7、8、9、10、11、12の10個のスロットで構成され、W相は、スロット数9、10、11、12、13、14、15、16、17、18の10個のスロットで構成されている。
このように構成したステータ10のU、V、W相は、隣極接続或いは隔極接続によって3相交流電源に接続されている。そして、それぞれの相に3相交流を流すことによって、ステータ10に120°毎に同じ磁界が発生するとともに、回転磁界が作られる。これにより、3相誘導電動機1は6極(6ポール)モータとして機能する。
なお、上述したステータスロット11の形状およびロータスロット21の形状は、図1に示すように、普通かご形誘導電動機で一般的に用いられる形状で示しているが、他の形状であってもかまわない。
図2は、ロータスロット21の数と振れ回り電磁力との関係を示したグラフである。より詳細には、ステータスロットの数が54個のときに、ロータスロットの数を37個から71個までの奇数の個数で変更したときの振れ回り電磁力をシュミレーションで求めた値を示している。なお、図2は、モータ軸またはモータケースに偏芯がない場合の値である。また、図2のグラフにおいて、ロータスロットの数が偶数の場合の振れ回り電磁力の値は表示していない。
ここで、振れ回り電磁力とは、ロータが振れ回りを起こす原因となる電磁力の変化をいい、次式で定義する。
xy=√(x+y
xy : 振れ回り電磁力[N]
x : モータ軸がx方向へ脈動する電磁力[N]
y : モータ軸がy方向へ脈動する電磁力[N]
これらのx、yの電磁力は、ステータスロット11とロータスロット21との対向する位置関係(より詳細には、ステータティース(2つのステータスロットに挟まれた突条部分)とロータティース(2つのロータスロットに挟まれた部分)との対向する位置関係)によって生じるものである。
各ロータスロット21の数における振れ回り電磁力をシュミレーションしてみると、スロットの数が奇数であって、かつ、奇数×電源の相数倍(本実施の形態では、3相交流電源であるので、3倍となる)のときに、振れ回り電磁力が発生していないことが判明した。より詳細には、図2のグラフにおいて、○を付けて表示したスロットの数(39、45、51、57、63、69)の場合には、振れ回り電磁力が0[N]となる。
これは、(1)電源が3相であり、ステータ10の回転磁界が120°毎に同じ磁界となるように構成されたステータ構造の場合であって、かつ、(2)ステータスロットの数が54個で、ロータスロットの数が3(相数)の奇数倍の場合には、最低でも120°毎にステータとロータのティースが互いに向き合うようになるためである。
これは、(a)上記(1)の回転磁界の磁気的な周期と、(b)上記(2)のステータスロットの数(54個)とロータスロットの数の構造上の周期と、の最小公倍数が120°毎に発生するためである。このような上記(a)(b)の関係では、水平方向であるX方向と、このX方向と直交するY方向とで、磁気的な平衡状態になるために、振れ回り電磁力が発生しない。
一方、ロータスロットの数が奇数の相数倍でないとき(図2において、37、41、43、47、49、53、55、59、61、65、67、71の個数のとき)には、少なくとも振れ回り電磁力が発生することが判明した。これらの数の場合は、ステータとロータのティースが120°毎に互いに向き合わないため、X、Y方向で磁気的な平衡状態が生じないためである。特に、47、59個の場合には、大きな振れ回り電磁力が発生してしまい、ロータスロット数として選定するのは好ましくない。
図3は、図2と同じように、ロータスロットの数と振れ回り電磁力との関係を示したグラフであるが、この図3では、モータ軸またはモータケースに偏芯がある場合の振れ回り電磁力の値を示しており、その他のシュミレーション条件は、偏芯なしの状態と同じである。なお、図3においては、図2と異なり、ロータスロットの数が奇数の場合(図3で実線で示す)の他、偶数の場合(図3で点線で示す)の振れ回り電磁力も表示してある。
ここで、上述した偏芯ありとは、モータ軸を軸方向と直交する方向へ0.1mmずらした状態をいう。
偏芯した状態では、ロータスロット21の数が上述した相数倍であっても、モータ軸の偏芯の分だけ磁気的な平衡状態が乱されるために、振れ回り電磁力が発生してしまう。しかしながら、ロータスロット21が奇数の相数倍の個数の場合、振れ回り電磁力の値は他のスロットの数(奇数の相数倍以外の他の奇数の個数、および全ての偶数の個数)の値よりも小さくなることが判明した。
ここで、図3に示すように、偶数のロータスロット数のうち、振れ回り電磁力が最も大きい値(偶数のMax値)となるのは、46個のときである。一方、奇数の相数倍のロータスロット数のうち、振れ回り電磁力が最も大きい値(奇数のMax値)となるのは、51個のときである。この二つの振れ回り電磁力を比較すると、ロータスロット数が51のときの方が、46のときよりも約60%の振れ回り電磁力を低減することができる(図3の符号34で示す)。すなわち、偶数同士の任意の組み合わせでロータスロットの数を選定したときよりも、奇数の相数倍で任意に選定するときの方が、振れ回り電磁力のMax値を約60%低減することができることになる。このことから、ロータスロット21の数を決定する場合に、必ずしも任意の偶数同士の組み合わせを選定するよりも、奇数の相数倍で選定したときの方が振れ回り電磁力を低く抑えることができることが分かる。
次に、3相誘導電動機1のロータスロット21の数と始動トルク40または定格トルク50との関係について説明する。
図4は、3相誘導電動機1のモータ軸またはモータケースに偏芯がない場合のロータスロット21の数と始動トルク40およびその始動時のトルクリップル(モータの回転に際して生じる始動トルクの変動幅)との関係を示すグラフである。なお、図4の中で、円で示したものは、そのスロットの数における始動トルク40のトルクリップルの大きさをシュミレーションで計算したものである。この図中の円の径が大きくなるほど、トルクリップルが大きくなることを示している。
図4に示すように、始動トルク40は、ロータスロット21の数が30から78までの区間において、スロットの数が増える毎にトルク値が高くなる。また、78以上の領域であっても、同様にトルク値は高くなると推定される。これは、一般的な誘導電動機でロータスロット21の数が多いほど始動トルク40が大きくなることと一致している。
また、トルクリップル42は、図4で示すように、スロットの数が48のとき(符号42aで示す)と60のとき(符号42bで示す)に、大きなトルクリップルが発生する。その他の領域では、大きなトルクリップルは発生していない。ゆえに、3相誘導電動機1では、この48と60のスロットの数を除いて構成することが好ましい。
すなわち、3相誘導電動機1の始動トルク40を検討する上で、(a)始動トルク40を大きく確保するためには、ロータスロットの数が多い方がよいこと、(b)始動トルク40のトルクリップル42を低減させるためには、ロータスロット21の数が、48と60以外を使用すること、が好ましい。
これらのことから、3相誘導電動機1を始動トルク40から見た観点では、ロータスロットの数が60よりも大きい値であれば、始動トルク40を大きく確保でき、かつ、始動時のトルクリップル42を低く抑えることができることが分かる。
これらの事象は、言い換えれば、ロータスロット21の数を決定する際には、ステータスロット11の数に極数(本実施例では、6)を足した60よりも大きな数で構成することで、大きな始動トルク40を得ることができるとともに、始動時のトルクリップル42を小さくすることができると言うことができる。
また、ロータスロット21の数を決定する際には、ステータスロット11の数に極数を加減した数以外の数(具体的には、48、60以外の数)で構成することで、少なくとも始動時のトルクリップル42を小さくすることができると言うことができる。
一方、図5は、モータ軸またはモータケースに偏芯がない場合のロータスロットの数と定格トルク50およびその定格時のトルクリップル(モータの回転に際して生じる定格ト
ルクの変動幅)との関係を示すグラフである。なお、図5の中で、円で示したものは、図4と同様に、そのスロットの数における定格トルク50のトルクリップルの大きさをシュミレーションで計算したものである。この図中の円の径が大きくなるほど、トルクリップルが大きくなることを示している。
図5に示すように、定格トルク50は、ロータスロットの数が36から78の区間において、スロットの数が36から66まで増加するに従い大きくなり、スロットの数が66〜70の範囲で最大値51となる。そして、定格トルク50は、スロットの数が70から増加するに従い小さくなる。
また、トルクリップル52は、図5で示すように、スロットの数が48のとき(符号52aで示す)と54のとき(符号52bで示す)と60のとき(符号52cで示す)に、大きなトルクリップルが発生する。その他の領域では、大きなトルクリップル52は発生していない。ゆえに、3相誘導電動機1では、この48、54、60のスロットの数を除いて構成することが好ましい。
すなわち、3相誘導電動機1の定格トルク50を検討すると、(a)定格トルクを大きく確保するためには、ロータスロットの数が60〜72(図5で符号54で示す範囲)の範囲が好ましく、さらに66〜70の範囲で定格トルクの最大値となること、(b)定格トルク50のトルクリップルを低減させるためには、スロットの数48と54と60は使用しないこと、が好ましい。
これらのことから、3相誘導電動機1を定格トルク50の観点から見たとき、スロットの数が60〜72であれば、定格トルク50を大きく確保でき、かつ、トルクリップルを低く抑えることができることが分かる。
さらには、図4および図5を総合的に見て、始動トルク40および定格トルク50の両方から3相誘導電動機1の最適値を検討すると、上述した好ましいスロットの数のうち、63〜72の範囲(図5の符号54の範囲)が最もよいことが分かる。
次に、モータ軸またはモータケースに偏芯がある場合における、3相誘導電動機1のロータスロット21の数と振れ回り電磁力との関係について説明する。
図6は、モータ軸またはモータケースに偏芯がある場合のロータスロット21の数と始動時の振れ回り電磁力との関係を示すグラフである。また、図7は、モータ軸またはモータケースに偏芯がある場合のロータスロットの数と定格時の振れ回り電磁力との関係を示すグラフである。なお、偏芯とは、上述と同様に、モータ軸を軸方向と直交する方向へ0.1mmずらした状態をいうものとする。
図6に示すように、偏芯がある場合の始動時の振れ回り電磁力は、各ロータスロットの数において発生している。しかしながら、奇数の相数倍(3倍)のスロットの数のときは、他のスロットの数と比較して、振れ回り電磁力(図6中、黒塗りの棒グラフで表示する。また、符号60a、60b、60c、60d,60eで示す)が低くなることが分かる。
また、図7に示すように、偏芯がある場合の定格時の振れ回り電磁力についても、各ロータスロットの数において発生している。しかしながら、奇数の相数倍(3倍)のスロットの数のときは、他のスロットの数と比較して、振れ回り電磁力(図7中、黒塗りの棒グラフで表示する。また、符号70a、70b、70c、70d,70eで示す)が低くなることが分かる。
これらのデータ(特に、図4、図6)から、ステータスロット11の数が54のとき、始動トルク40の観点から最適なロータスロット21の数を検討する。
すなわち、(1)図4のデータから、ロータスロット21の数が60よりも大きい値であること、(2)図7のデータから、ロータスロット21の数が奇数の3倍であること、の2条件を満たすスロット数がよい。具体的には、63、69の個数になる。
また、図5、図7のデータから、ステータスロット11の数が54のとき、定格トルク50の観点から最適なロータスロット21の数を検討する。
すなわち、(1)図5のデータから、ロータスロット21の数が、60〜72の範囲内であること、(2)図7のデータから、ロータスロット21の数が奇数の3倍であること、の2条件を満たすスロット数がよい。具体的には、63、69の個数になる。
さらに、始動トルク40と定格トルク50とを総合した観点から最適なロータスロット21の数を検討すると、どちらのトルク40、50でも最適な値となる、63、69のスロット数が最もよいことが分かる。
本発明の実施の形態に係る3相誘導電動機1によれば、ロータスロット21の数が、奇数を3倍した数で構成されているので、ステータ10の回転磁界の磁気的な周期とロータスロット21の数の構造上の周期との最小公倍数が120°毎に発生することになり、最低でも120°毎にステータとロータのティースが対向するようになる。そのため、ロータスロット21の数が奇数の場合であっても、X方向およびY方向における3相誘導電動機1の磁気的な平衡が確保される。その結果、モータ軸やモータケースに偏芯等が生じたとしても、振れ回り電磁力を小さく抑え、振動・騒音が少ない3相誘導電動機を提供することができる。
また、ステータスロット11の数とロータスロット21の数が偶数同士の組み合わせ以外であっても振れ回り電磁力を小さく抑えることができるので、3相誘導電動機1の構造を決定する上での設計自由度を高めることができる。その結果、使用目的や状況に合わせて、最適な形状や大きさの多種類の3相誘導電動機1を提供することができる。
特に、モータ軸またはモータケースに偏芯がある場合であってステータスロットの数が54の場合、偶数同士の任意の組み合わせで構成した3相誘導電動機のMaxの振れ回り電磁力よりも、奇数の3倍の数と組み合わせて構成した3相誘導電動機のMaxの振れ回り電磁力の方が小さい値となる。そのため、偶数同士の組み合わせよりも、振れ回り電磁力を小さくすることができる。
また、ステータスロットの数が54であり、ロータスロット21の数がステータスロット11の数に極数(6P)である6を足した数(具体的には、60)よりも大きな数で構成することで、大きな始動トルク40を得ることができるとともに、始動時のトルクリップル42を小さく抑えることができる。そのため、特に始動トルク40を重視した3相誘導電動機1を製作するのに好ましい。
さらに、ステータスロットの数が54であり、ロータスロット21の数がステータスロット11の数に極数である6の整数倍を加減した数以外の数(具体的には、48、60以外の数)で構成することで、始動時のトルクリップル42を小さく抑えることができる。そのため、特に始動トルク40を重視した3相誘導電動機1を製作するのに好ましい。
また、ステータスロット11の数が54であり、ロータスロット21の数が、63から72の範囲(具体的には、63または69)で構成することで、大きな始動トルク40を得つつ、始動時のトルクリップル42を小さく抑えることができるとともに、大きな定格
トルク50を確保しつつ、定格時のトルクリップル52を小さく抑えることができる。そのため、始動トルク40および定格トルク50の両方を重視した3相誘導電動機1を製作するのに好ましい。
以上、本発明の実施の形態に係る3相誘導電動機について述べたが、本発明は既述の実施形態に限定されるものではなく、本発明の技術思想に基づいて各種の変形および変更が可能である。
例えば、本実施の形態では、ステータスロット11の数を54にしているが、他の個数であっても構わない。すなわち、スロットの数は、ステータ10が120°毎に同相となるように一次側コイルが配線できる個数であれば、例えば、36、48、60などの個数であっても構わない。
1 3相誘導電動機
10 ステータ
11 ステータのスロット
20 ロータ
21 ロータのスロット
22 モータ軸
34 振れ回り電磁力のMax値の差
40 始動トルク
42 トルクリップル
42a、42b トルクリップルが大きい領域
50 定格トルク
51 定格トルクの最大値
52 トルクリップル
52a、52b、52c トルクリップルが大きい領域
54 定格トルクの最適値(始動トルクおよび定格トルクの両方から見た最適値)
60a、60b、60c、60d,60e 始動時の振れ回り電磁力が低い値
70a、70b、70c、70d,70e 定格時の振れ回り電磁力が低い値
O 回転中心

Claims (4)

  1. ステータに設けられ、一次側コイルが巻かれる複数のステータスロットと、
    ロータに設けられ、前記ステータスロットと対向する複数のロータスロットと
    を備え、前記ステータスロットには120°毎に同相となるように前記一次側コイルが配線された3相誘導電動機であって、
    前記ロータスロットの数が、奇数を3倍した数で構成されていること特徴とする3相誘導電動機。
  2. 前記ロータスロットの数が、前記ステータスロットの数に極数を足した数よりも大きい数で構成されていることを特徴とする請求項1に記載の3相交流電動機。
  3. 前記ロータスロットの数が、前記ステータスロットの数に極数の整数倍を加減した数以外の数で構成されていることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の3相交流電動機。
  4. 前記ステータスロットの数が54であり、前記ロータスロットの数が、63から72の範囲内で構成されていることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか1つに記載の3相交流電動機。
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