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JP2013010732A - プロリン化合物の製造方法 - Google Patents

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JP2013010732A
JP2013010732A JP2011273342A JP2011273342A JP2013010732A JP 2013010732 A JP2013010732 A JP 2013010732A JP 2011273342 A JP2011273342 A JP 2011273342A JP 2011273342 A JP2011273342 A JP 2011273342A JP 2013010732 A JP2013010732 A JP 2013010732A
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Iki O
維奇 王
Taiji Shimazaki
泰治 島▲崎▼
Tetsuya Ikemoto
哲哉 池本
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Sumitomo Chemical Co Ltd
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Sumitomo Chemical Co Ltd
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Abstract

【課題】酵素を用いることなく、プロリン化合物(1)又はその塩を優れた収率で製造する方法を提供すること。
【解決手段】下記の工程A〜工程Dを含む、プロリン化合物(1)
Figure 2013010732

又はその塩の製造方法:
〔工程A〕塩基存在下、ピロリジノン化合物と、(Ms+1/s4−mAl(ORで示される還元剤とを反応させる工程;
〔工程B〕ピロリジノール化合物と、シアノ化剤とを反応させる工程;
〔工程C〕アノピロリジン化合物を、加水分解又は加アルコール分解する工程;及び
〔工程D〕保護プロリン化合物のRを水素原子に置換する工程。
【選択図】なし

Description

本発明は、プロリン化合物の製造方法等に関する。
式(1)
Figure 2013010732
[式中、Rは置換基を有していてもよい脂肪族炭化水素基又は水素原子を表す。]
で示されるプロリン化合物又はその塩は、医農薬の製造中間体等として有用である。例えば、式(1a)
Figure 2013010732
で示されるプロリン化合物の塩酸塩の製造方法が、特許文献1〜4に報告されている。特許文献1〜3に記載の方法は、無水コハク酸誘導体からプロリン化合物を製造する方法であるが、工程数が多く、収率が必ずしも充分ではないという問題がある。特許文献4の方法は、ピロリジン誘導体からプロリン化合物の塩酸塩を、オキシダーゼ等の酵素を用いて製造する方法である。
WO2004/113295公報 WO2007/075790公報 WO2008/082508公報 WO2010/008828公報
本発明が解決しようとする課題は、酵素を用いることなく、式(1)で示されるプロリン化合物又はその塩を優れた収率で製造する方法を提供することにある。
本発明者らは、式(1)で示されるプロリン化合物又はその塩の製造方法について鋭意検討した結果、本発明を見出すに至った。本発明は、以下の通りである。
[1] 下記の工程A〜工程Dを含む、式(1)
Figure 2013010732
[式中、Rは置換基を有していてもよい脂肪族炭化水素基又は水素原子を表す。]
で示されるプロリン化合物又はその塩(以下、プロリン化合物(1)と記すことがある)の製造方法:
〔工程A〕
塩基存在下、式(2)
Figure 2013010732
[式中、Rは*−C(R10Arで示される基を表し、Arは置換基を有していてもよいフェニル基又は置換基を有していてもよいナフチル基であり、2つのR10はそれぞれ独立に、水素原子、置換基を有していてもよいアルキル基又は置換基を有していてもよいフェニル基であり、*は窒素原子との結合手を表す。]
で示されるピロリジノン化合物(以下、ピロリジノン化合物(2)と記すことがある)と、式(3):(Ms+1/s4−mAl(OR
[式中、Rは置換基を有していてもよいアルキル基を表す。
s+は金属イオンを表す。
sは金属イオンの価数を表す。
mは1、2又は3を表す。]
で示される還元剤(以下、還元剤(3)と記すことがある)とを反応させる工程;
〔工程B〕
前記工程Aで得られた式(4)
Figure 2013010732
[式中、Rは前記と同じ意味を表す。]
で示されるピロリジノール化合物又はその塩(以下、ピロリジノール化合物(4)と記すことがある)と、シアノ化剤とを反応させる工程;
〔工程C〕
前記工程Bで得られた式(5)
Figure 2013010732
[式中、Rは前記と同じ意味を表す。]
で示されるシアノピロリジン化合物又はその塩(以下、シアノピロリジン化合物(5)と記すことがある)を、加水分解又は加アルコール分解する工程;及び
〔工程D〕
前記工程Cで得られた式(6)
Figure 2013010732
[式中、R及びRはそれぞれ前記と同じ意味を表す。]
で示される保護プロリン化合物又はその塩(以下、保護プロリン化合物(6)と記すことがある)のRを水素原子に置換する工程。
[2] 下記の工程Eによって式(2)で示されるピロリジノン化合物を製造し、引き続いて工程A〜工程Dを行うことによる、[1]記載の製造方法:
〔工程E〕
式(8)
Figure 2013010732
で示される化合物(以下、ラクトン化合物(8)と記すことがある)と式(9):HN−R
[式中、Rは前記と同じ意味を表す。]
で示される化合物(以下、アミン化合物(9)と記すことがある)とを反応させる工程。
[3] 工程Aにおける式(3)で示される還元剤が、
式:(Ms+1/s4−mAl[O−(CH−OR
[式中、Rはアルキル基又はシクロアルキル基を表す。
nは1、2、3又は4を表す。
s+、s及びmはそれぞれ前記と同じ意味を表す。]
で示される化合物である、[1]又は[2]記載の製造方法。
[4] 工程Aにおける式(3)で示される還元剤が、水素化ビス(2−メトキシエトキシ)アルミニウムナトリウムである[1]又は[2]記載の製造方法。
[5] 工程Aにおける塩基がアルカリ金属アルコキシドである[1]〜[4]のいずれか記載の製造方法。
[6] 工程Aにおける塩基がN,N'−ジメチルエチレンジアミンである[1]〜[4]のいずれか記載の製造方法。
[7] 工程Bにおけるシアノ化剤が、シアン化金属又はシアン化水素である、[1]〜[6]のいずれか記載の製造方法。
[8] 工程Cを、式(7)
Figure 2013010732
[式中、R及びRはそれぞれ前記と同じ意味を表す。]
で示されるイミデート化合物又はその互変体(以下、イミデート化合物(7)と記すことがある)を経由して行う、[1]〜[7]のいずれか記載の製造方法。
[9] 式(1)で示されるプロリン化合物又はその塩が、式(1b)
Figure 2013010732
[式中、Rは前記と同じ意味を表す。]
で示されるプロリン化合物又はその塩(以下、プロリン化合物(1b)と記すことがある)である、[1]〜[8]のいずれか記載の製造方法。
[10] 式(2)
Figure 2013010732
[式中、Rは*−C(R10Arで示される基を表し、Arは置換基を有していてもよいフェニル基又は置換基を有していてもよいナフチル基であり、2つのR10はそれぞれ独立に、水素原子、置換基を有していてもよいアルキル基又は置換基を有していてもよいフェニル基であり、*は窒素原子との結合手を表す。]
で示されるピロリジノン化合物。
[11] 式(4)
Figure 2013010732
[式中、Rは*−C(R10Arで示される基を表し、Arは置換基を有していてもよいフェニル基又は置換基を有していてもよいナフチル基であり、2つのR10はそれぞれ独立に、水素原子、置換基を有していてもよいアルキル基又は置換基を有していてもよいフェニル基であり、*は窒素原子との結合手を表す。]
で示されるピロリジノール化合物又はその塩。
[12] 式(5)
Figure 2013010732
[式中、Rは*−C(R10Arで示される基を表し、Arは置換基を有していてもよいフェニル基又は置換基を有していてもよいナフチル基であり、2つのR10はそれぞれ独立に、水素原子、置換基を有していてもよいアルキル基又は置換基を有していてもよいフェニル基であり、*は窒素原子との結合手を表す。]
で示されるシアノピロリジン化合物又はその塩。
[13] 式(7)
Figure 2013010732
[式中、Rは置換基を有していてもよい脂肪族炭化水素基又は水素原子を表す。
は*−C(R10Arで示される基を表し、Arは置換基を有していてもよいフェニル基又は置換基を有していてもよいナフチル基であり、2つのR10はそれぞれ独立に、水素原子、置換基を有していてもよいアルキル基又は置換基を有していてもよいフェニル基であり、*は窒素原子との結合手を表す。]
で示されるイミデート化合物又はその互変体。
[14] 式(6)
Figure 2013010732
[式中、Rは置換基を有していてもよい脂肪族炭化水素基又は水素原子を表す。
は*−C(R10Arで示される基を表し、Arは置換基を有していてもよいフェニル基又は置換基を有していてもよいナフチル基であり、2つのR10はそれぞれ独立に、水素原子、置換基を有していてもよいアルキル基又は置換基を有していてもよいフェニル基であり、*は窒素原子との結合手を表す。]
で示される保護プロリン化合物又はその塩。
本発明によれば、式(1)で示されるプロリン化合物又はその塩を優れた収率で製造する方法を提供することができる。
以下、本発明を詳細に説明する。
「アルキル基」としては、例えば直鎖又は分岐鎖のC〜C10アルキル基が挙げられ、具体的にはメチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、sec-ブチル基、tert−ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基等が挙げられる。好ましくは、メチル基、エチル基、イソプロピル基、sec-ブチル基、tert−ブチル基等が挙げられ、より好ましくは、メチル基、エチル基等が挙げれる。
「アルコキシ基」としては、例えば直鎖又は分岐鎖のC〜Cアルコキシ基が挙げられ、具体的にはメトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、イソプロポキシ基、ブトキシ基等が挙げられる。
「アルケニル基」としては、例えば直鎖又は分岐鎖のC〜C10アルケニル基が挙げられ、具体的にはビニル基、アリル基、ブテニル基、ペンテニル基、ヘキセニル基、ヘプテニル基、オクテニル基、ノネニル基、デセニル基等が挙げられる。好ましくは、アリル基、2-ブテニル基等が挙げられる。
「アルキニル基」としては、例えば直鎖又は分岐鎖のC〜C10アルキニル基が挙げられ、具体的にはエチニル基、プロパルギル基、ブチニル基、ペンチニル基、ヘキシニル基、ヘプチニル基、オクチニル基、ノニル基、デシニル基等が挙げられる。好ましくは、プロパルギル基、2−ブチニル基等が挙げられる。
「シクロアルキル基」としては、例えば、C〜C10シクロアルキル基が挙げられ、具体的にはシクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基、シクロオクチル基、シクロノニル基、シクロデシル基等が挙げられる。
「シクロアルコキシ基」としては、例えば、C〜C10シクロアルコキシ基が挙げられ、具体的にはシクロブチルオキシ基、シクロペンチルオキシ基、シクロヘキシルオキシ基、シクロヘプチルオキシ基、シクロオクチルオキシ基、シクロノニルオキシ基、シクロデシルオキシ基等が挙げられる。
における「脂肪族炭化水素基」としては、有機化学の分野で知られたカルボキシル基の保護基として用いられうる脂肪族炭化水素基が挙げられ、例えば"Protective Groups in Organic Synthesis",T.W. Greene及びP.G.M. Wuts著(Wiley-Interscience刊,第4版,2006年)に具体的に挙げられたもの等が挙げられる。同保護基としては、Rのアミノの保護基と異なる条件で脱保護できるものが好ましく、より好ましくは、置換基を有していてもよいアルキル基、置換基を有していてもよいアルケニル基及び置換基を有していてもよいアルキニル基が挙げられ、さらに好ましくは、置換基を有していてもよい直鎖又は分岐鎖のC〜C10アルキル基、置換基を有していてもよい直鎖又は分岐鎖のC〜C10アルケニル基及び置換基を有していてもよい直鎖又は分岐鎖のC〜C10アルキニル基が挙げられ、さらに一層好ましくは、メチル基、エチル基等が挙げられる。
アルキル基、アルケニル基、アルキニル基及び脂肪族炭化水素基に置換する「置換基」としては、例えば、アルキル基、ヒドロキシ基、ハロゲン原子(フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子)、ニトロ基、ハロゲン置換アルキル基、アルコキシ基、シクロアルコキシ基等が挙げられる。
は、*−C(R10Arで示される基である。
におけるArの「置換基を有していてもよいフェニル基」としては、例えば、アルキル基、ヒドロキシ基、ハロゲン原子(フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子)、ニトロ基、ハロゲン置換アルキル基、アルコキシ基(メトキシ基、ジメトキシ基、エトキシ基等)、シクロアルコキシ基、フェニル基、ニトロフェニル基、アルコキシフェニル基等を有していてもよいフェニル基等が挙げられる。好ましくは、アルコキシ基を有していてもよいフェニル基、メチル基を有していてもよいフェニル基等が挙げられる。
におけるArの「置換基を有していてもよいナフチル基」としては、例えば、アルキル基、ヒドロキシ基、ハロゲン原子(フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子))、ニトロ基、ハロゲン置換アルキル基、アルコキシ基(メトキシ基、ジメトキシ基、エトキシ基等)、シクロアルコキシ基等を有していてもよいナフチル基等挙げられる。
2つのR10はそれぞれ独立に、水素原子、置換基を有していてもよいアルキル基(例えば、置換基を有していてもよいC〜Cアルキル基)又は置換基を有していてもよいフェニル基を表し、好ましくは、水素原子、C〜Cアルキル基又はフェニル基である。
の*−C(R10Arで示される基におけるR10、Arについて説明したが、Rは、より好ましくはベンジル基、メトキシベンジル基、α−フェネチル基等であり、より一層好ましくはベンジル基等である。
上記還元剤のMs+における「金属イオン」としては、例えば、アルカリ金属(リチウム、ナトリウム、カリウム等)、アルカリ土類金属(マグネシウム、カルシウム等)等のイオンが挙げられ、好ましくはリチウム、ナトリウム、カリウム等のイオンが挙げられる。
本発明の製造方法によって、工程A〜工程Dを含む4工程を経ることで、式(1)で示されるプロリン化合物又はその塩を優れた収率で製造することができる。以下、4つの工程ごとに、詳細に説明をする。
〔工程A〕
Figure 2013010732
[式中、Rは前記と同じ意味を表す。]
工程Aは、塩基存在下、ピロリジノン化合物(2)と、式(3):(Ms+1/s4−mAl(OR[式中、R、Ms+、s及びmはそれぞれ前記と同じ意味を表す。]で示される還元剤とを反応させる工程である。工程Aを行うことによって、ピロリジノール化合物(4)が製造される。
ピロリジノン化合物(2)は、市販の化合物から容易に調製することができる。例えば、特開2008−222698号公報記載の方法で得られるラクタム類(ラクタム化合物)を常法に従って、N−保護することで調製することができる。又は後述の工程Eに従って調製することができる。ピロリジノン化合物(2)は、上記以外の方法で調製されたものでもよい。また、ピロリジノン化合物(2)は不斉炭素を有しており、その不斉炭素によって光学活性体として、又はラセミ体として存在しうる。ピロリジノン化合物(2)として光学活性体を用いる場合は、工程A〜工程Dを通して、その光学純度は維持される。
ピロリジノン化合物(2)としては、以下の式(2−1)〜(2−28)で示される化合物等及び式(2−1)〜(2−28)で示される化合物等の光学活性体が例示される。なお、ここに示すピロリジノン化合物(2)の具体例において、「Me」はメチル基を意味する。
Figure 2013010732
Figure 2013010732
式(2−1)〜(2−28)で示されるピロリジノン化合物(2)のなかでも、式(2−1)、式(2−2)、式(2−21)、式(2−22)及び式(2−23)でそれぞれ示されるピロリジノン化合物(2)が好ましく、式(2−1)で示されるピロリジノン化合物(2)がより一層好ましい。
工程Aに用いる還元剤としては、還元剤(3)が挙げられ、好ましくは、式:(Ms+1/s4−mAl[O−(CH−OR[式中、Rはアルキル基又はシクロアルキル基を表す。n、Ms+、s及びmはそれぞれ前記と同じ意味を表す。]で示される還元剤が挙げられ、より好ましくは水素化ビス(2−メトキシエトキシ)アルミニウムナトリウムが挙げられる。ジイソブチルアルミニウムヒドリド等の還元剤を用いて、ピロリジノン化合物(2)を還元すると、ピロリジノール化合物(4)の段階で止まらずにさらに還元が進行した過還元体が多量に副生するが、還元剤(3)を用いると、過還元体の副生が減少する。
Figure 2013010732
[式中、Rは前記と同じ意味を表す。]
還元剤(3)の使用量としては、分子内にヒドリドを1つ有する還元剤(3)[mが3である還元剤(3)]の場合、ピロリジノン化合物(2)1モルに対して、例えば0.8〜10モル、好ましくは1〜6モル、より好ましくは1.1〜4モル、より一層好ましくは1.2〜3モルが挙げられる。分子内にヒドリドを2つ有する還元剤(3)[mが2である還元剤(3)]の場合、ピロリジノン化合物(2)1モルに対して、例えば0.4〜5モル、好ましくは0.55〜2.5モル、より好ましくは0.5〜2モル、より一層好ましくは0.6〜1.5モルが挙げられる。分子内にヒドリドを3つ有する還元剤(3)[mが1である還元剤(3)]の場合、ピロリジノン化合物(2)1モルに対して、例えば0.27〜3.3モル、好ましくは0.33〜2モル、より好ましくは0.37〜1.3モル、より一層好ましくは0.4〜1モルが挙げられる。なお、本発明者らは、これらの還元剤(3)が過還元体の副生を抑制するのは、還元剤(3)のルイス酸性が弱められているためと考え、これら還元剤(3)のルイス酸性の影響をさらに弱めるべく、塩基を添加したところ、過還元体が意外にも極端に減少することを見出した。
従って、工程Aに用いる塩基としては、例えば、アルキル金属アルコキシド(カリウムtert−ブトキシド、ナトリウムエトキシド、ナトリウムメトキシド、リチウムエトキシド、リチウムメトキシド等)、アルカリ土類金属アルコキシド(カルシウムメトキシド、マグネシウムメトキシド等)、水酸化アルカリ金属(水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等)、水酸化アルカリ土類金属(水酸化カルシウム、水酸化マグネシウム等)、炭酸アルカリ金属(炭酸リチウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム等)、炭酸アルカリ土類金属(炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム等)、窒素原子を2つ以上、又は酸素原子を1つ以上有するアミン(N,N’−ジメチルエチレンジアミン、N,N,N’,N”,N”−ペンタメチルジエチレントリアミン、ビス(2−ジメチルアミノエチル)エーテル、ビス(2−メトキシエチル)アミン、1−(2−ジメチルアミノエチル)−4−メチルピペラジン、ビス(2−モルホリノエチル)エーテル)等が挙げられ、好ましくはアルキル金属アルコキシド、窒素原子を2つ以上有するアミン等が挙げられ、さらに好ましくはカリウムtert−ブトキシド、ナトリウムエトキシド、ナトリウムメトキシド、N,N’−ジメチルエチレンジアミン等が挙げられる。塩基の使用量としては、ピロリジノン化合物(2)1モルに対して、例えば0.01〜10モル、好ましくは0.1〜3モル、より好ましくは0.1〜0.5モルが挙げられる。
工程Aの反応は、さらに溶媒の存在下で行われることが好ましい。
該溶媒としては、例えば、脂肪族炭化水素(ヘキサン、ヘプタン等)、芳香族炭化水素(ベンゼン、トルエン、キシレン、エチルベンゼン、クロロベンゼン、ジクロロベンゼン等)、ハロゲン化炭化水素(ジクロロメタン、ジクロロエタン、クロロホルム等)、エーテル(テトラヒドロフラン、ジオキサン、ジメトキシエタン、ジエチレングリコールジメチルエーテル、メチルtert−ブチルエーテル、ジエチルエーテル等)、又はこれらの混合溶媒等が挙げられる。また、ここに示す脂肪族炭化水素、芳香族炭化水素等に少量のアルコール(メタノール、エタノール、2−プロパノール等)を添加することもできる。好ましい溶媒としては、芳香族炭化水素、エーテル等が挙げられ、さらに一層好ましくは、トルエン、ジエチレングリコールジメチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサン、ジメトキシエタン等が挙げられる。エーテル、特に酸素原子を2つ以上有するエーテル等の配位性が高い溶媒を用いると、過還元体の生成がさらに抑えられる。溶媒の使用量としては、例えば、ピロリジノン化合物(2)の重量に対して1倍〜50倍の量、好ましくは1.5倍〜20倍の量、より好ましくは2倍〜10倍の量が挙げられる。
反応温度としては、例えば−80℃〜60℃が挙げられ、好ましくは−40℃〜40℃が挙げられ、より好ましくは−30℃〜30℃が挙げられ、より一層好ましくは−20℃〜20℃が挙げられる。反応温度は低いほうが、過還元体の副生が抑えられる。反応時間としては、反応の進行及び副生物の量を確認して適宜選択することができるが、例えば、30分間〜40時間、好ましくは1時間〜10時間で選択することができる。
上記工程Aの反応終了後、ピロリジノール化合物(4)を含む反応混合物が得られる。得られる反応混合物をそのまま、続く工程Bに付すことが好ましいが、反応混合物を後処理に付し、ピロリジノール化合物(4)を単離等することもできる。例えば、反応混合物と水とを混合することにより、還元剤を加水分解し、必要に応じて、水と分液可能な有機溶媒を加えて分液することにより、還元剤が加水分解された無機成分を水層に分配し、ピロリジノール化合物(4)を有機層に分配することができる。無機成分が析出している場合には、濾過操作により無機成分を除去してもよい。
反応混合物と混合する水は中性の水であってもよく、塩基性水溶液であってもよく、酸性水溶液であってもよい。好ましくは、アルカリ金属水酸化物(水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等)、アルカリ金属炭酸塩(炭酸ナトリウム、炭酸カリウム等)、アルカリ金属重炭酸塩(炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウム等)、アルカリ土類水酸化物(水酸化マグネシウム、水酸化カルシウム等)、アルカリ土類金属炭酸塩(炭酸マグネシウム、炭酸カルシウム等)のような無機塩基を含む水溶液(塩基性水溶液)が使用される。
また、反応混合物と、水又は塩基性水溶液とを混合する場合は、さらにキレート剤と混合してもよい。キレート剤としては、例えば、グルコン酸ナトリウム、酒石酸ナトリウム、酒石酸カリウムナトリウム、エチレンジアミン四酢酸、ジエチレントリアミン五酢酸、ニトリロ三酢酸等が挙げられる。好ましくはグルコン酸ナトリウム等が挙げられる。これらキレート剤と混合することで分液性をより一層改善することができる。
酸性水溶液を用いる場合の酸としては例えば、塩化水素、臭化水素、硫酸、リン酸等が挙げられる。
これらの水、塩基、酸及びキレート剤の使用量は特に制限されるものではない。還元剤の加水分解により生じた無機物を溶解させるために必要な量を使用することもできるし、還元剤の加水分解に必要なだけの量を使用し、生じた無機成分を濾過操作により除去してもよい。
上述した水と分液可能な有機溶媒としては例えば、脂肪族炭化水素(ヘキサン、ヘプタン、シクロヘキサン等)、芳香族炭化水素(トルエン、キシレン、モノクロロベンゼン、ジクロロベンゼン等)、エーテル(メチルtert−ブチルエーテル等)、ハロゲン化炭化水素(ジクロロメタン、ジクロロエタン、クロロブタン等)、ケトン(メチルイソブチルケトン等)、エステル(酢酸エチル、酢酸ブチル等)が挙げられる。
分液により得られた有機層は、さらに水洗浄、塩基性水溶液洗浄又は酸性水溶液洗浄等に付してもよい。また、水洗浄に用いる水には適当な無機塩を溶解しておいてもよい。水洗浄、塩基性水溶液洗浄又は酸性水溶液洗浄等は繰り返し行ってもよい。
得られたピロリジノール化合物(4)を含む有機層を、濃縮、蒸留、再結晶、カラムクロマトグラフィー精製等に付し、ピロリジノール化合物(4)を単離・精製することもできる。再結晶において、塩化水素、臭化水素、リン酸、硫酸、硝酸、ホウ酸などの無機酸、又は酢酸、クエン酸、シュウ酸、メタンスルホン酸、トルエンスルホン酸、トリフルオロメタンスルホン酸等の有機酸を用いることで、ピロリジノール化合物(4)を酸付加塩として取り出すこともできる。
ピロリジノール化合物(4)としては、以下の式(4−1)〜(4−28)で示される化合物等及び式(4−1)〜(4−28)で示される化合物等の光学活性体、並びにこれらの酸付加塩が例示される。
Figure 2013010732
Figure 2013010732
〔工程B〕
Figure 2013010732
[式中、Rは前記と同じ意味を表す。]
工程Bは、工程Aで得られたピロリジノール化合物(4)と、シアノ化剤とを反応させる工程である。工程Bを行うことによって、シアノピロリジン化合物(5)が製造される。工程Bは、工程Aで得られた反応混合物をそのまま工程Bに付すことにより行うことが好ましいが、工程Aで単離したピロリジノール化合物(4)を用いることもできる。
工程Aで得られた反応混合物をそのまま工程Bに付す場合は、工程Aで得られた反応混合物とシアノ化剤とを混合しながら、さらに水、酸又はアルコールと混合してもよい。水、酸又はアルコールは、それぞれを混合して使用することもでき、さらに上述したキレート剤と混合して使用することもできる。
反応混合物と混合する水は中性の水であってもよく、塩基性水溶液であってもよく、酸性水溶液であってもよい。
塩基性水溶液としては、例えばアルカリ金属水酸化物(水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等)、アルカリ金属炭酸塩(炭酸ナトリウム、炭酸カリウム等)、アルカリ金属重炭酸塩(炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウム等)、アルカリ土類金属水酸化物(水酸化マグネシウム、水酸化カルシウム等)、アルカリ土類金属炭酸塩(炭酸マグネシウム、炭酸カルシウム等)のような無機塩基を含む水溶液が使用される。
酸性水溶液を用いる場合の酸としては、例えば、無機酸(塩酸、臭化水素酸、硫酸、リン酸等)、有機酸(酢酸、クエン酸、p−トルエンスルホン酸等)等が挙げられる。好ましくは、塩酸又は酢酸等が挙げられる。
また、混合するアルコールとしては、例えば、メタノール、エタノール、1−プロパノール、2−プロパノール、1−ブタノール、2−メチル−2−プロパノール等が挙げられる。好ましくは、メタノール等が挙げられる。
これらの水、アルコール、酸及びキレート剤の使用量は特に制限されるものではない。
シアノ化剤としては、シアン化金属(シアン化ナトリウム、シアン化カリウム等のシアン化アルカリ金属、シアン化カルシウム、シアン化マグネシウム等のシアン化アルカリ土類金属等)、シアン化水素等が挙げられ、好ましくはシアン化ナトリウム、シアン化カリウム等が挙げられる。これらのシアノ化剤は水又は有機溶媒に溶解された溶液状態のものを使用してもよい。シアノ化剤の使用量としては、工程Aで得られた反応混合物中のピロリジノール化合物(4)の理論量1モルに対して、0.8〜30モル、好ましくは1〜5モル、より好ましくは1.2〜3モルが挙げられる。工程Aで得られた反応混合物中のピロリジノール化合物(4)の量を適当な分析手段で求めて、シアノ化剤の使用量を定めることもできる。
酸を添加することも好ましい。添加する酸としては、無機酸(塩酸、臭化水素酸、硫酸、リン酸等)、有機酸(酢酸、クエン酸、p−トルエンスルホン酸等)等が挙げられ、好ましくは有機酸が挙げられ、より好ましくは酢酸等が挙げられる。酸の使用量としては、ピロリジノール化合物(4)の理論量1モルに対して、0.01〜30モル、好ましくは0.1〜10モル、より好ましくは0.2〜5モルが挙げられる。
溶媒としては、工程Aで用いる溶媒がそのまま使用でき、その使用量も、工程Aの使用量が好適に用いられる。
反応温度としては、例えば−80℃〜100℃が挙げられ、好ましくは−20℃〜30℃が挙げられ、より好ましくは0℃〜5℃が挙げられる。反応時間としては、反応の進行及び副生物の量を確認して適宜選択することができるが、例えば、30分間〜40時間、好ましくは1時間〜20時間で選択することができる。
ピロリジノール化合物(4)とシアノ化剤との反応終了後、シアノピロリジン化合物(5)を含む反応混合物が得られる。この反応混合物は、常法に従って後処理に付すことができる。
例えば、必要に応じて、水或いは、水及び水と分液可能な有機溶媒を加えて分液することにより、過剰のシアノ化剤を水層に分配させることができる。また、シアノピロリジン化合物(5)を有機層に分配させることができる。さらに、後処理時のpHがアルカリ性である方が、シアノ化剤、還元剤及びこれらが加水分解された無機成分を効率的に水層に分配することができることから、上記後処理時に反応混合物と水とを混合させた後、塩基を加えてアルカリ性にするか、あるいは、反応混合物と混合する水として塩基性水溶液を使用することが好ましい。後処理操作におけるpHの範囲は例えば8〜14の範囲であり、好ましくは11〜13の範囲である。
後処理に用いる塩基としては、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等のアルカリ金属水酸化物、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム等のアルカリ金属炭酸塩、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウム等のアルカリ金属重炭酸塩のような無機塩基が挙げられる。
上述した水と分液可能な有機溶媒としては例えば、脂肪族炭化水素(ヘキサン、ヘプタン、シクロヘキサン等)、芳香族炭化水素(トルエン、キシレン、モノクロロベンゼン、ジクロロベンゼン等)、エーテル(メチルtert−ブチルエーテル等)、ハロゲン化炭化水素(ジクロロメタン、ジクロロエタン、クロロブタン等)、ケトン(メチルイソブチルケトン等)、エステル(酢酸エチル、酢酸ブチル等)が挙げられる。
得られた有機層はさらに水洗浄、塩基性水溶液若しくは酸性水溶液による洗浄等に付してもよい。また、水洗浄に用いる水には適当な無機塩を溶解しておいてもよい。水洗浄、塩基性溶液水若しくは酸性水溶液による洗浄等は繰り返し行ってもよい。
シアノ化剤を分解するため、次亜塩素酸ナトリウム又は過酸化水素を用いて後処理を行ってもよい。
得られたシアノピロリジン化合物(5)を含む有機層を、濃縮、蒸留、再結晶、カラムクロマトグラフィー精製等に付すことにより、シアノピロリジン化合物(5)を単離・精製することもできる。再結晶においては、塩化水素、臭化水素、リン酸、硫酸、硝酸、ホウ酸等の無機酸、又は酢酸、クエン酸、シュウ酸、メタンスルホン酸、トルエンスルホン酸、トリフルオロメタンスルホン酸等の有機酸を用いることで、シアノピロリジン化合物(5)を酸付加塩として取り出すこともできる。
シアノピロリジン化合物(5)としては、以下の式(5−1)〜(5−28)で示される化合物及び式(5−1)〜(5−28)で示される化合物の光学活性体、並びにこれらの酸付加塩が例示される。なお、本工程A,Bにおいてピロリジノン化合物(2)として、光学活性な(1R,5S)体を用いた場合には、シアノピロリジン化合物(5)として光学活性な(1R,2S,5S)体が得られる。一方、本工程A,Bにおいてピロリジノン化合物(2)として、光学活性な(1S,5R)体を用いた場合には、シアノピロリジン化合物(5)として光学活性な(1S,2R,5R)体が得られる。これらの立体異性は以降の工程C,Dにおいても保持される。ここでいうシアノピロリジン化合物(5)の光学活性な(1R,2S,5S)体から誘導される化合物、すなわち、下記式(1b)で示す化合物が医農薬の中間体化合物として、特に有用な化合物である。
Figure 2013010732
[式中、Rは前記と同じ意味を表す。]
Figure 2013010732
Figure 2013010732
〔工程C〕
Figure 2013010732
[式中、R及びRはそれぞれ前記と同じ意味を表す。]
工程Cは、工程Bで得られたシアノピロリジン化合物(5)を、加水分解又は加アルコール分解する工程である。工程Cを行うことによって、保護プロリン化合物(6)が製造される。工程Cにおける加水分解又は加アルコール分解には、式:R−OHで示される化合物が用いられる。
式:R−OHで示される化合物の使用量としては、例えば、シアノピロリジン化合物(5)1モルに対して、1モル以上が挙げられ、その上限は制限されず、溶媒として用いることもできる。式:R−OHで示される化合物の使用量としては、シアノピロリジン化合物(5)1モルに対して、好ましくは1.5〜50モルが挙げられる。
工程Cにおけるシアノピロリジン化合物(5)と式:R−OHで示される化合物との反応は、例えば、酸の存在下で行われる。
その酸としては、例えば塩化水素、臭化水素、硫酸、酢酸、メタンスルホン酸、トルエンスルホン酸等が挙げられ、好ましくは塩化水素が挙げられる。酸の使用量としては、例えば、反応混合物中における濃度が1〜60重量%となる量が挙げられ、好ましくは、反応混合物中における濃度が20〜55重量%となる量が挙げられる。反応中、上述の濃度を維持するために、酸を適宜加えてもよい。
工程Cにおける反応も溶媒の存在下で行われることが好ましい。この溶媒としては、例えば、脂肪族炭化水素(ヘキサン、ヘプタン等)、芳香族炭化水素(ベンゼン、トルエン、キシレン、エチルベンゼン、クロロベンゼン、ジクロロベンゼン等)、ハロゲン化炭化水素(ジクロロメタン、ジクロロエタン、クロロホルム等)、エーテル(テトラヒドロフラン、ジオキサン、ジメトキシエタン、ジエチレングリコールジメチルエーテル、メチルtert−ブチルエーテル、ジエチルエーテル等)、アルコール(メタノール、エタノール、2−プロパノール等)、エステル(酢酸エチル、酢酸プロピル等)、又はこれらの混合溶媒等が挙げられる。溶媒の使用量としては、例えば、シアノピロリジン化合物(5)の重量に対して1倍〜100倍の量、好ましくは1.1倍〜20倍の量、より好ましくは1.5倍〜10倍の量が挙げられる。
反応温度としては、例えば−80℃〜100℃が挙げられ、好ましくは−40℃〜65℃が挙げられる。反応時間としては、反応の進行及び副生物の量を確認して適宜選択することができるが、例えば、30分間〜40時間、好ましくは1時間〜20時間で選択することができる。
保護プロリン化合物(6)は、シアノピロリジン化合物(5)と、式:R−OHで示される化合物との反応により得られる反応混合物に、必要に応じて水と分液可能な有機溶媒を加えて、保護プロリン化合物(6)を有機層に分配させることにより取り出すことができる。
水と分液可能な有機溶媒としては例えば、脂肪族炭化水素(ヘキサン、ヘプタン、シクロヘキサン等)、芳香族炭化水素(トルエン、キシレン、モノクロロベンゼン、ジクロロベンゼン等)、エーテル(メチルtert−ブチルエーテル等)、ハロゲン化炭化水素(ジクロロメタン、ジクロロエタン、クロロブタン等)、ケトン(メチルイソブチルケトン等)、エステル(酢酸エチル、酢酸ブチル等)が挙げられる。
得られた有機層はさらに水洗浄、塩基性水溶液若しくは酸性水溶液による洗浄等に付してもよい。また、水洗浄に用いる水には適当な無機塩を溶解しておいてもよい。水洗浄、塩基性溶液水若しくは酸性水溶液による洗浄等は繰り返し行ってもよい。
得られた保護プロリン化合物(6)を含む有機層を、濃縮、蒸留、再結晶、カラムクロマトグラフィー精製等に付すことにより、保護プロリン化合物(6)を単離・精製することもできる。再結晶においては、塩化水素、臭化水素、リン酸、硫酸、硝酸、ホウ酸等の無機酸、又は酢酸、クエン酸、シュウ酸、メタンスルホン酸、トルエンスルホン酸、トリフルオロメタンスルホン酸等の有機酸を用いることで、保護プロリン化合物(6)を酸付加塩として取り出すこともできる。
工程Cを、イミデート化合物(7)を経由して行うこともできる。即ち、工程Cにおいて、シアノピロリジン化合物(5)からイミデート化合物(7)を得、得られたイミデート化合物(7)から保護プロリン化合物(6)を製造することもできる。
シアノプロリン化合物(5)と酸とを作用させることで、イミデート化合物(7)として、その互変体である式(7a)
Figure 2013010732
[式中、Rは前記と同じ意味を表す。]
で示されるアミド化合物又はその塩(以下、アミド化合物(7a)と記すことがある)を得、得られたアミド化合物(7a)と式:R−OHで示される化合物とを反応させることによって、保護プロリン化合物(6)が製造される。
酸としては、例えば塩化水素、臭化水素、塩酸、臭化水素酸、硫酸、リン酸、クエン酸、酢酸等が挙げられ、好ましくは塩化水素又は塩酸が挙げられる。また酸として、酸塩化物とアルコールとを組み合わせて用いることもできる。
酸塩化物としては例えば、塩化アセチル、塩化オキサリル等が挙げられ、好ましくは、塩化アセチルが挙げられる。
酸もしくは酸塩化物の使用量としては、シアノプロリン化合物(5)の理論量1モルに対して、例えば1〜30モル、好ましくは3〜20モルが挙げられる。
イミデート化合物(7)を経由する工程Cの反応も溶媒の存在下で行われることが好ましい。この溶媒としては、例えば、脂肪族炭化水素(ヘキサン、ヘプタン等)、芳香族炭化水素(ベンゼン、トルエン、キシレン、エチルベンゼン、クロロベンゼン、ジクロロベンゼン等)、ハロゲン化炭化水素(ジクロロメタン、ジクロロエタン、クロロホルム等)、エーテル(テトラヒドロフラン、ジオキサン、ジメトキシエタン、ジエチレングリコールジメチルエーテル、メチルtert−ブチルエーテル、ジエチルエーテル等)、アルコール(メタノール、エタノール、2−プロパノール等)、エステル(酢酸エチル、酢酸プロピル等)、水、又はこれらの混合溶媒等が挙げられる。溶媒の使用量としては、例えば、シアノピロリジン化合物(5)の重量に対して1倍〜100倍の量、好ましくは1.1倍〜20倍の量、より好ましくは1.5倍〜10倍の量が挙げられる。
反応温度としては、例えば−30℃〜50℃が挙げられ、好ましくは−10℃〜30℃が挙げられ、より好ましくは0℃〜30℃が挙げられる。
反応時間としては、反応の進行及び副生物の量を確認して適宜選択することができるが、例えば、30分間〜40時間、好ましくは1時間〜10時間で選択することができる。
反応途中に保護プロリン化合物(6)が生成することもあるが、反応時間を適宜選択することでアミド化合物(7a)に変換することができる。
上記の反応終了後、得られる反応混合物を後処理に付し、アミド化合物(7a)を単離してもよいし、溶媒として水を用いなかった場合、得られる反応混合物と式:R−OHで示される化合物とを反応させることにより、保護プロリン化合物(6)を製造してもよい。得られる反応混合物を後処理に付す場合、例えば、必要に応じて水と分液可能な有機溶媒と反応混合物とを混合し、アミド化合物(7a)を有機層に分配させることにより、アミド化合物(7a)を取り出すことができる。また必要に応じて、後処理時における混合物をアルカリ性にすることで、アミド化合物(7a)を効率的に有機層に分配させることもできる。
水と分液可能な有機溶媒としては例えば、脂肪族炭化水素(ヘキサン、ヘプタン、シクロヘキサン等)、芳香族炭化水素(トルエン、キシレン、モノクロロベンゼン、ジクロロベンゼン等)、エーテル(メチルtert−ブチルエーテル等)、ハロゲン化炭化水素(ジクロロメタン、ジクロロエタン、クロロブタン等)、ケトン(メチルイソブチルケトン等)、エステル(酢酸エチル、酢酸ブチル等)が挙げられる。
分液により得られた有機層はさらに水洗浄、塩基性水溶液若しくは酸性水溶液による洗浄等に付してもよい。また、水洗浄に用いる水には適当な無機塩を溶解しておいてもよい。水洗浄、塩基性溶液水若しくは酸性水溶液による洗浄等は繰り返し行ってもよい。
得られたアミド化合物(7a)を含む有機層を、濃縮、蒸留、再結晶、カラムクロマトグラフィー精製等に付すことにより、アミド化合物(7a)を単離・精製することもできる。再結晶においては、塩化水素、臭化水素、リン酸、硫酸、硝酸、ホウ酸等の無機酸、又は酢酸、クエン酸、シュウ酸、メタンスルホン酸、トルエンスルホン酸、トリフルオロメタンスルホン酸等の有機酸を用いることで、アミド化合物(7a)を酸付加塩として取り出すこともできる。
アミド化合物(7a)としては、以下の式(7a−1)〜(7a−28)で示される化合物等、式(7a−1)〜(7a−28)で示される化合物等の酸付加塩、及びこれらの光学活性体が例示される。
Figure 2013010732
Figure 2013010732
アミド化合物(7a)と式:R−OHで示される化合物とを、酸および酸塩化物からなる群より選ばれる少なくとも一種の存在下で反応させることにより、保護プロリン化合物(6)が得られる。
式:R−OHで示される化合物の使用量としては、例えば、アミド化合物(7a)1モルに対して、1モル以上が挙げられ、その上限は制限されず、溶媒として用いることもできる。アミド化合物(7a)1モルに対して、好ましくは1〜50モルが挙げられ、より好ましくは1〜10モルが挙げられる。
酸としては、例えば塩化水素、臭化水素、塩酸、臭化水素酸、硫酸、リン酸、メタンスルホン酸等が挙げられ、好ましくはメタンスルホン酸または硫酸が挙げられる。
酸の使用量としては、アミド化合物(7a)1モルに対して例えば1〜20モル、好ましくは5〜10モルが挙げられる。
酸塩化物としては、例えば、塩化アセチル、塩化チオニル、塩化スルフリル、酸塩化リン、五塩化リン、塩化オキサリル等が挙げられ、好ましくは塩化チオニルが挙げられる。
酸塩化物の使用量としては、アミド化合物(7a)1モルに対して1〜20モル、好ましくは1〜3モルが挙げられる。
反応温度としては、例えば0℃〜100℃が挙げられ、好ましくは40℃〜80℃が挙げられ、より好ましくは60℃〜70℃が挙げられる。反応時間としては、反応の進行及び副生物の量を確認して適宜選択することができるが、例えば、30分間〜40時間、好ましくは1時間〜20時間で選択することができる。
アミド化合物(7a)と式:R−OHで示される化合物との反応で得られた保護プロリン化合物(6)を含む反応混合物を、後処理に付してもよい。例えば、必要に応じて水と分液可能な有機溶媒と反応混合物とを混合し、保護プロリン化合物(6)を有機層に分配させることにより、保護プロリン化合物(6)を取り出すことができる。また、必要に応じて後処理における混合物をアルカリ性にすることで保護プロリン化合物(6)を効率的に有機層に分配させることもできる。
水と分液可能な有機溶媒としては例えば、脂肪族炭化水素(ヘキサン、ヘプタン、シクロヘキサン等)、芳香族炭化水素(トルエン、キシレン、モノクロロベンゼン、ジクロロベンゼン等)、エーテル(メチルtert−ブチルエーテル等)、ハロゲン化炭化水素(ジクロロメタン、ジクロロエタン、クロロブタン等)、ケトン(メチルイソブチルケトン等)、エステル(酢酸エチル、酢酸ブチル等)が挙げられる。
得られた有機層はさらに水洗浄、塩基性水溶液若しくは酸性水溶液による洗浄等に付してもよい。また、水洗浄に用いる水には適当な無機塩を溶解しておいてもよい。水洗浄、塩基性溶液水若しくは酸性水溶液による洗浄等は繰り返し行ってもよい。
得られた保護プロリン化合物(6)を含む有機層を、濃縮、蒸留、再結晶、カラムクロマトグラフィー精製等に付し、保護プロリン化合物(6)を単離・精製することもできる。再結晶においては、塩化水素、臭化水素、リン酸、硫酸、硝酸、ホウ酸等の無機酸、又は酢酸、クエン酸、シュウ酸、メタンスルホン酸、トルエンスルホン酸、トリフルオロメタンスルホン酸等の有機酸を用いることで、保護プロリン化合物(6)を酸付加塩として取り出すこともできる。
シアノプロリン化合物(5)と式:R−OHで示される化合物とを塩基存在下で反応させることにより、イミデート化合物(7)を得、得られたイミデート化合物(7)と酸性水とを混合することにより、保護プロリン化合物(6)を製造することもできる。
塩基としては、例えば、水酸化アルカリ金属(水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等)、水酸化アルカリ土類金属(水酸化カルシウム、水酸化マグネシウム等)、炭酸アルカリ金属(炭酸リチウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム等)、炭酸アルカリ土類金属(炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム等)等が挙げられる。塩基の使用量としては、シアノピロリジノン化合物(5)1モルに対して例えば0.1〜20モル、好ましくは0.2〜10モルが挙げられる。
式:R−OHで示される化合物の使用量としては、例えば、シアノピロリジン化合物(5)1モルに対して、1モル以上が挙げられ、その上限は制限されず、溶媒として用いることもできる。シアノピロリジン化合物(5)1モルに対して、好ましくは2〜50モルが挙げられる。
すでに説明したように、イミデート化合物(7)を経由する反応も溶媒の存在下で行われることが好ましい。この溶媒としては、例えば、脂肪族炭化水素(ヘキサン、ヘプタン等)、芳香族炭化水素(ベンゼン、トルエン、キシレン、エチルベンゼン、クロロベンゼン、ジクロロベンゼン等)、ハロゲン化炭化水素(ジクロロメタン、ジクロロエタン、クロロホルム等)、エーテル(テトラヒドロフラン、ジオキサン、ジメトキシエタン、ジエチレングリコールジメチルエーテル、メチルtert−ブチルエーテル、ジエチルエーテル等)、アルコール(メタノール、エタノール、2−プロパノール等)、エステル(酢酸エチル、酢酸プロピル等)、又はこれらの混合溶媒等が挙げられる。溶媒の使用量としては、例えば、シアノピロリジン化合物(5)の重量に対して例えば1倍〜100倍の量、好ましくは1.1倍〜20倍の量、より好ましくは1.5倍〜10倍の量が挙げられる。
反応温度としては、例えば−50℃〜60℃が挙げられ、好ましくは−30℃〜30℃が挙げられ、より好ましくは−20℃〜10℃が挙げられる。反応時間としては、反応の進行及び副生物の量を確認して適宜選択することができるが、例えば、30分間〜40時間、好ましくは1時間〜20時間で選択することができる。
イミデート化合物(7)としては例えば、式(7−1)〜(7−28)で示される化合物(イミノメチルエステル)、これらのイミノエチルエステル、イミノプロピルエステル、イミノイソプロピルエステル、イミノブチルエステル、イミノtert−ブチルエステル、イミノイソブチルエステル、イミノビニルエステル及びイミノアリルエステル、並びにこれらの光学活性体が例示される。
Figure 2013010732
Figure 2013010732
イミデート化合物(7)と酸性水溶液とを混合することにより、保護プロリン化合物(6)が得られる。
イミデート化合物(7)と酸性水溶液との混合は、例えば、イミデート化合物(7)を含む反応混合物中に酸性水溶液を加えてもよく、イミデート化合物(7)を含む反応混合物を酸性水溶液中に加えてもよい。また、イミデート化合物(7)を含む反応混合物と水とを混合し、得られる混合物に酸性水溶液を加えてもよい。
上記の酸性水溶液としては例えば、塩酸、臭化水素酸、硫酸、リン酸等の無機酸の水溶液、酢酸、クエン酸等の有機酸の水溶液等が挙げられる。
酸の使用量は、シアノピロリジン化合物(5)1モルに対して、例えば1〜20モルの範囲である。好ましい酸の使用量は、イミデート化合物(7)を得る反応の際に使用した塩基を中和するのに要した酸の量に、さらに、シアノピロリジン化合物(5)1モルに対して0.5〜2モルの酸を加えた量である。
イミデート化合物(7)と酸性水溶液とを混合した後、必要に応じて水と分液可能な有機溶媒と混合し、保護プロリン化合物(6)を有機層に分配させることにより、保護プロリン化合物(6)を取り出すことができる。
水と分液可能な有機溶媒としては例えば、脂肪族炭化水素(ヘキサン、ヘプタン、シクロヘキサン等)、芳香族炭化水素(トルエン、キシレン、モノクロロベンゼン、ジクロロベンゼン等)、エーテル(メチルtert−ブチルエーテル等)、ハロゲン化炭化水素(ジクロロメタン、ジクロロエタン、クロロブタン等)、ケトン(メチルイソブチルケトン等)、エステル(酢酸エチル、酢酸ブチル等)が挙げられる。
得られた有機層はさらに水洗浄、塩基性水溶液若しくは酸性水溶液による洗浄等に付してもよい。また、水洗浄に用いる水には適当な無機塩を溶解しておいてもよい。水洗浄、塩基性溶液水若しくは酸性水溶液による洗浄等は繰り返し行ってもよい。
得られた保護プロリン化合物(6)を含む有機層を、さらに濃縮、蒸留、再結晶、カラムクロマトグラフィー精製等に付すことにより、保護プロリン化合物(6)を単離・精製することもできる。再結晶においては、塩化水素、臭化水素、リン酸、硫酸、硝酸、ホウ酸等の無機酸、又は酢酸、クエン酸、シュウ酸、メタンスルホン酸、トルエンスルホン酸、トリフルオロメタンスルホン酸等の有機酸を用いることで、保護プロリン化合物(6)を酸付加塩として取り出すこともできる。
保護プロリン化合物(6)としては、例えば、以下の式(6−1)〜(6−28)で示される化合物(メチルエステル)、これらのエチルエステル、プロピルエステル、イソプロピルエステル、ブチルエステル、tert−ブチルエステル、イソブチルエステル、ビニルエステル及びアリルエステル、これらの光学活性体、並びにこれらの酸付加塩が例示される。
Figure 2013010732
Figure 2013010732
〔工程D〕
Figure 2013010732
[式中、R及びRはそれぞれ前記と同じ意味を表す。]
工程Dは、工程Cで得られた保護プロリン化合物(6)のRを水素原子に置換する工程である。工程Dを行うことにより、プロリン化合物(1)が製造される。
保護プロリン化合物(6)のRを水素原子に置換するには、N−保護基であるベンジル基を脱保護する常法が採用される。以下、Rで表される基を水素原子に置換することを、脱保護又は脱保護反応と記すことがある。脱保護は、保護プロリン化合物(6)を還元処理(水素/還元触媒による水素分解、ナトリウム金属/液体アンモニア等の還元剤による還元処理、電解還元による還元処理等)で行うことができるが、保護プロリン化合物(6)を酸処理することによっても実施できる。例えば、水素分解を行う場合は、還元触媒として、パラジム、パラジウム/炭素、白金、ラネーニッケル等を用いて、水素ガス雰囲気下で攪拌することで行うことができる。水素分解を行う場合の溶媒としては、例えば、脂肪族炭化水素(ヘキサン、ヘプタン等)、芳香族炭化水素(ベンゼン、トルエン、キシレン、エチルベンゼン、クロロベンゼン、ジクロロベンゼン等)、ハロゲン化炭化水素(ジクロロメタン、ジクロロエタン、クロロホルム等)、エーテル(テトラヒドロフラン、ジオキサン、ジメトキシエタン、ジエチレングリコールジメチルエーテル、メチルtert−ブチルエーテル、ジエチルエーテル等)、アルコール(メタノール、エタノール、2−プロパノール等)、エステル(酢酸エチル、酢酸プロピル等)、ニトリル(アセトニトリル等)、水、又はこれらの混合溶媒等が挙げられる。溶媒の使用量としては、例えば、保護プロリン化合物(6)の重量に対して1倍〜50倍の量、好ましくは1.5倍〜20倍の量、より好ましくは2倍〜10倍の量が挙げられる。
脱保護反応における反応温度は−20℃〜100℃の範囲であり、好ましくは0℃〜50℃の範囲である。
反応時間としては、反応の進行及び副生物の量を確認して適宜選択することができる。
脱保護反応後、還元触媒等の不溶固体は濾過により除去することができる。脱保護反応後、得られたプロリン化合物(1)を含む反応混合物を、後処理に付してもよい。例えば、プロリン化合物(1)は、脱保護反応後に得られる反応混合物、必要に応じて水又は塩基性水溶液、及び水と分液可能な有機溶媒を混合し、プロリン化合物(1)を有機層に分配させることにより、取り出すことができる。
分配の際に使用する水と分液可能な有機溶媒としては例えば、脂肪族炭化水素(ヘキサン、ヘプタン、シクロヘキサン等)、芳香族炭化水素(トルエン、キシレン、モノクロロベンゼン、ジクロロベンゼン等)、エーテル(メチルtert−ブチルエーテル等)、ハロゲン化炭化水素(ジクロロメタン、ジクロロエタン、クロロブタン等)、ケトン(メチルイソブチルケトン等)、エステル(酢酸エチル、酢酸ブチル等)が挙げられる。
分液により得られた有機層はさらに水洗浄、塩基性水溶液若しくは酸性水溶液による洗浄等に付してもよい。また、水洗浄に用いる水には適当な無機塩を溶解しておいてもよい。水洗浄、塩基性溶液水若しくは酸性水溶液による洗浄等は繰り返し行ってもよい。
得られたプロリン化合物(1)を含む有機層を、濃縮、蒸留、再結晶、カラムクロマトグラフィー精製等に付することにより、プロリン化合物(1)を単離・精製することもできる。再結晶においては、塩化水素、臭化水素、リン酸、硫酸、硝酸、ホウ酸等の無機酸、又は酢酸、クエン酸、シュウ酸、メタンスルホン酸、トルエンスルホン酸、トリフルオロメタンスルホン酸等の有機酸を用いることで、プロリン化合物(1)を酸付加塩として取り出すこともできる。
また、脱保護反応後に得られる反応混合物と、必要に応じて、酸あるいは貧溶媒とを混合することで、プロリン化合物(1)を結晶として取り出すこともできる。酸としては例えば、塩化水素、臭化水素、リン酸、塩酸、硫酸、硝酸、ホウ酸などの無機酸、又は酢酸、クエン酸、シュウ酸、メタンスルホン酸、トルエンスルホン酸、トリフルオロメタンスルホン酸などの有機酸等が挙げられ、好ましくは塩化水素、塩酸が挙げられる。貧溶媒としては例えば、脂肪族炭化水素(ヘキサン、ヘプタン、シクロヘキサン等)、芳香族炭化水素(トルエン、キシレン、モノクロロベンゼン、ジクロロベンゼン等)、エーテル(テトラヒドロフラン、メチルtert−ブチルエーテル、1,4−ジオキサン、1,2−ジメトキエタン等)、ハロゲン化炭化水素(ジクロロメタン、ジクロロエタン、クロロブタン等)、エステル(酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチル等)等の有機溶媒が挙げられる。これらの有機溶媒は、一種であってもよく、二種以上の混合物であってもよい。
上述した有機溶媒の使用量は、プロリン化合物(1)の重量に対して、例えば0〜200重量倍の範囲、好ましくは1〜50重量倍の範囲である。
得られたプロリン化合物(1)は、更に再結晶等の方法で精製されてもよい。
プロリン化合物(1)としては例えば、以下の式(1−1)〜(1−10)で示される化合物及び式(1−1)〜(1−10)で示される化合物の光学活性体、並びにこれらの酸付加塩が挙げられる。
Figure 2013010732
工程Aで用いられるピロリジノン化合物(2)は、以下の工程Eによって製造することもできる。
〔工程E〕
Figure 2013010732
[式中、Rは前記と同じ意味を表す。]
工程Eは、式(8)で示される化合物と、式(9):HN−R
[式中、Rは前記と同じ意味を表す。]
で示される化合物とを反応させる工程である。工程Eを行うことによって、ピロリジノン化合物(2)が製造される。
ラクトン化合物(8)は、市販の化合物から容易に調製することができる。例えば、国際公開第2007/122745号明細書に記載される方法に従って調製することができる。ラクトン化合物(8)は、上記方法以外の方法で調製されてもよい。
アミン化合物(9)の使用量としては、ラクトン化合物(8)1モルに対して、例えば0.8〜10モルの範囲、好ましくは1〜6モルの範囲、より好ましくは1.1〜4モルの範囲、より一層好ましくは1.7〜3モルの範囲が挙げられる。
ラクトン化合物(8)とアミン化合物(9)との反応は、溶媒の非存在下、或いは、水又は有機溶媒の存在下で行われる。有機溶媒としては例えば、脂肪族炭化水素(ヘキサン、ヘプタン、シクロヘキサン等)、芳香族炭化水素(ベンゼン、トルエン、キシレン、エチルベンゼン、クロロベンゼン、ジクロロベンゼン等)、ハロゲン化炭化水素(ジクロロメタン、ジクロロエタン、クロロホルム、クロロブタン等)、エーテル(テトラヒドロフラン、ジオキサン、ジメトキシエタン、ジエチレングリコールジメチルエーテル、メチルtert−ブチルエーテル、ジエチルエーテル等)、アルコール(メタノール、エタノール、1−プロパノール、2−プロパノール、1−ブタノール、2−メチル−2−プロパノール等)、ニトリル(アセトニトリル、プロピオニトリル等)が挙げられる。有機溶媒は、二種類以上の混合物であってもよく、水との混合物であってもよい。以上、ラクトン化合物(8)とアミン化合物(9)との反応に用いることのできる溶媒について説明したが、これらの中でも、ラクトン化合物(8)とアミン化合物(9)との反応は、水及び有機溶媒の混合溶媒の存在下で行われると好ましい。
水の使用量は、ラクトン化合物(8)の重量に対して、例えば0.1〜100重量倍の範囲、好ましくは0.2〜30重量倍の範囲である。
有機溶媒の使用量は、ラクトン化合物(8)の重量に対して、例えば0〜100重量倍の範囲、好ましくは0.1〜20重量倍の範囲である。
ラクトン化合物(8)とアミン化合物(9)との反応は、例えば、無機酸(塩化水素、臭化水素、フッ化水素酸、硫酸、硝酸、リン酸、ホウ酸等)、有機酸(ギ酸、酢酸、クエン酸、シュウ酸、メタンスルホン酸、トルエンスルホン酸、トリフルオロメタンスルホン酸等)、酸性イオン交換樹脂、γ−Al、N−ヒドロキシベンゾトリアゾール、テトラブチルアンモニウムブロミト゛等から選択される添加剤の存在下で行ってもよい。好ましい添加剤としてはトルエンスルホン酸、γ−Alが挙げられる。
ラクトン化合物(8)とアミン化合物(9)との反応温度は、例えば100℃〜300℃の範囲、好ましくは100℃〜200℃の範囲、より好ましくは150℃〜200℃の範囲、より一層好ましくは160℃〜180℃の範囲から選択される。
ラクトン化合物(8)とアミン化合物(9)との反応は加圧条件で行ってもよい。加圧条件で行う場合の圧力は、例えば0.1MPa〜5MPaの範囲、好ましくは0.5MPa〜2MPaの範囲から選択される。
ラクトン化合物(8)とアミン化合物(9)との反応終了後、ピロリジノン化合物(2)を含む反応混合物が得られる。得られた反応混合物と水とを混合し、必要に応じてさらに水と分液可能な有機溶媒と混合し、分液することにより、未反応のアミン化合物(9)、添加剤、及びこれらが分解して生じた成分を水層に分配させ、ピロリジノン化合物(2)を有機層として取り出すことができる。得られた有機層は、水洗浄、塩基性水洗浄又は酸性水洗浄に付してもよく、水洗浄、塩基性水洗浄又は酸性水洗浄等は繰り返し行ってもよい。
ピロリジノン化合物(2)を含む有機層は、そのまま次工程に使用してもよいし、溶媒を留去させる等により、ピロリジノン化合物(2)を単離し、単離したピロリジノン化合物(2)を次工程に使用してもよい。ピロリジノン化合物(2)は、カラムクロマトグラフィー精製、再結晶等の方法により精製した後に、次工程に使用してもよい。
以下、実施例により本発明をさらに詳細に説明する。
実施例1
〔工程A〕:(1R,5S)−3−ベンジル−6,6−ジメチル−3−アザビシクロ[3.1.0]ヘキサン−2−オール(化合物A)の合成
(1R,5S)−3−ベンジル−6,6−ジメチル−3−アザビシクロ[3.1.0]ヘキサン−2−オン(化合物E)64.6g(300mmol)、カリウムtert−ブトキシド6.70g(59.7mmol)及びトルエン129gを混合して、−11℃に冷却した。水素化ビス(2−メトキシエトキシ)アルミニウムナトリウムのトルエン溶液(70%重量濃度、240mmol)69.3gを1時間20分かけて−10℃で滴下し、同温度で2時間20分撹拌した。その後、該反応混合液を2%水酸化ナトリウム水溶液195gとグルコン酸ナトリウム9.8gの混合液に、10℃で20分間かけて滴下した。その後、静置、分液し、得られた有機層を2%水酸化ナトリウム水溶液130gで2回、2%水酸化ナトリウム水溶液66gで1回、5%食塩水66gで1回洗浄した。得られた有機層を無水硫酸マグネシウム11gで乾燥し、濾過し、得られた濾液を減圧条件下に濃縮して溶媒を留去後、化合物A 61.2g(282mmol:収率93.9%)*)を含む白色結晶62.4gを得た。
H−NMR(CDCl)δ:7.33〜7.26(5H,m),4.18(1H,s),3.87(1H,d),3.75(1H,d),3.10(1H,dd),2.62(1H,d),1.35〜1.28(2H,m),1.08(3H,s),0.96(3H,s)
*) HPLCを用いて下記条件で定量分析した。
[HPLC条件]
カラム:CAPCELLPAC C18 MGIII、4.6mmφ×100mm,3μm(資生堂製)
流速: 1.35ml/min
検出波長:UV 220nm
移動相:A液(0.1%リン酸)/B液(アセトニトリル)
グラジエント条件:
時間(分) 0 45
A液 95 30
B液 5 70
カラム温度:35℃
実施例2
〔工程A〕:化合物Aの合成
化合物E 10.0g(46.4mmol)、ナトリウムメトキシド0.50g(9.25mmol)及びトルエン20gを混合して、10℃に冷却した。水素化ビス(2−メトキシエトキシ)アルミニウムナトリウムのトルエン溶液(70%重量濃度、30.2mmol)8.72gを2時間かけて10℃で滴下し、同温度で3時間撹拌した。この反応混合液をHPLCで分析した*1)
原料から生成物への転化率*2):99.8%
化合物Aと(1R,5S)−3−ベンジル−6,6−ジメチル−3−アザビシクロ[3.1.0]ヘキサン(過還元体)との比:100.0/0.0
化合物AのHPLC面積百分率:98.9%
*1) HPLC条件は実施例1のHPLC条件と同じである。
*2) 転化率(%):(化合物A+過還元体)/(化合物A+過還元体+原料)×100
転化率(%)は他の実施例でも同様に計算される。
実施例3
〔工程A〕:化合物Aの合成
化合物E:1.00g(4.64mmol)、カリウムtert−ブトキシド0.10g(0.89mmol)及びテトラヒドロフラン2.0gを混合して、−10℃に冷却した。水素化ビス(2−メトキシエトキシ)アルミニウムナトリウムのトルエン溶液(70%重量濃度、4.74mmol)1.37gを20分間かけて−10℃で滴下して、同温度で25時間撹拌した。反応混合液をガスクロマトグラフィーで分析した*)
原料から生成物への転化率:98.3%
化合物Aと過還元体との比:99.4/0.6
化合物AのGC面積百分率:96.6%
*) [GC条件]
カラム:DB−1701,0.25mmφ×30m,0.25μm(J&W Scientific社製)
検出方法:FID
流速: 1ml/min(ヘリウム)
カラム温度:
時間(分) 0 10 46 55
温度(℃) 100 100 280 280
インジェクター温度:150℃
検出器温度:280℃
実施例4
〔工程A〕:化合物Aの合成
化合物E 1.00g(4.64mmol)、カリウムtert−ブトキシド100mg(0.89mmol)及びメチルtert−ブチルエーテル2.0gを混合して、−10℃に冷却した。水素化ビス(2−メトキシエトキシ)アルミニウムナトリウムのトルエン溶液(70%重量濃度、3.77mmol)1.09gを20分間かけて−10℃で滴下し、同温度で22時間撹拌した。この反応混合液をガスクロマトグラフィーで分析した*)
原料から生成物への転化率:99.2%
化合物Aと過還元体との比:99.8/0.2
化合物AのGC面積百分率:97.7%
*) GC条件は実施例3のGC条件と同じである。
実施例5
〔工程A〕:化合物Aの合成
化合物E 1.00g(4.64mmol)、カリウムtert−ブトキシド0.10g(0.89mmol)及びテトラヒドロフラン2.0gを混合して、−10℃に冷却した。水素化ビス(2−メトキシエトキシ)アルミニウムナトリウムのトルエン溶液(70%重量濃度、3.77mmol)1.09gを20分間かけて−10℃で滴下し、同温度で1時間撹拌した。この反応混合液をガスクロマトグラフィーで分析した*)
原料から化合物Aへの転化率:98.7%
化合物Aと過還元体との比:99.6/0.4
化合物AのGC面積百分率:97.1%
*) GC条件は実施例3のGC条件と同じである。
実施例6
〔工程A〕:化合物Aの合成
化合物E 1.50g(6.97mmol)、カリウムtert−ブトキシド0.16g(1.40mmol)及びテトラヒドロフラン3.0gを混合して、20℃に加熱した。水素化ビス(2−メトキシエトキシ)アルミニウムナトリウムのトルエン溶液(70%重量濃度、5.68mmol)1.64gを20分間かけて20℃で滴下して、同温度で25時間撹拌した。この反応混合液をガスクロマトグラフィーで分析した*)
原料から生成物への転化率:98.1%
化合物Aと過還元体との比:99.7/0.3
化合物AのGC面積百分率:96.1%
*) GC条件は実施例3のGC条件と同じである。
実施例7
〔工程A〕:化合物Aの合成
化合物E 1.50g(6.97mmol)、カリウムtert−ブトキシド0.16g(1.40mmol)及びテトラヒドロフラン3.0gを混合して、40℃に加熱した。水素化ビス(2−メトキシエトキシ)アルミニウムナトリウムのトルエン溶液(70%重量濃度、5.68mmol)1.64gを20分間かけて40℃で滴下して、同温度で25時間撹拌した。この反応混合液をガスクロマトグラフィーで分析した*)
原料から生成物への転化率:98.2%
化合物Aと過還元体との比:99.0/1.0
化合物AのGC面積百分率:88.8%
*) GC条件は実施例3のGC条件と同じである。
実施例8
〔工程A〕:化合物Aの合成
化合物E 1.50g(6.97mmol)、ナトリウムメトキシド38mg(0.70mmol)及びテトラヒドロフラン3.0gを混合して、−10℃に冷却した。水素化ビス(2−メトキシエトキシ)アルミニウムナトリウムのトルエン溶液(70%重量濃度、5.68mmol)1.64gを20分間かけて−10℃で滴下し、同温度で25時間撹拌した。この反応混合液をHPLCで分析した*)
原料から生成物への転化率:99.9%
化合物Aと過還元体との比:97.8/2.2
化合物AのHPLC面積百分率:96.7%
*) HPLC条件は実施例1のHPLC条件と同じである。
実施例9
〔工程A〕:化合物Aの合成
化合物E 1.50g(6.97mmol)、ナトリウムメトキシド75mg(1.39mmol)及びテトラヒドロフラン3.0gを混合して、−10℃に冷却した。
水素化ビス(2−メトキシエトキシ)アルミニウムナトリウムのトルエン溶液(70%重量濃度、5.68mmol)1.64gを20分間かけて−10℃で滴下し、同温度で1時間撹拌した。この反応混合液をガスクロマトグラフィーで分析した*)
原料から化合物Aへの転化率:98.4%
化合物Aと過還元体との比:99.2/0.8
化合物AのGC面積百分率:92.7%
*) GC条件は実施例3のGC条件と同じである。
実施例10
〔工程A〕:化合物Aの合成
化合物E 1.50g(6.97mmol)、ナトリウムメトキシド151mg(2.79mmol)及びテトラヒドロフラン3.0gを混合して、−10℃に冷却した。水素化ビス(2−メトキシエトキシ)アルミニウムナトリウムのトルエン溶液(70%重量濃度、5.67mmol)1.64gを20分間かけて−10℃で滴下し、同温度で25時間撹拌した。この反応混合液をHPLCで分析した*)
原料から生成物への転化率:100.0%
化合物Aと過還元体との比:99.7/0.3
化合物AのHPLC面積百分率:98.5%
*) HPLC条件は実施例1のHPLC条件と同じである。
実施例11
〔工程A〕:化合物Aの合成
化合物E 1.50g(6.97mmol)、ナトリウムエトキシド95mg(1.40mmol)及びテトラヒドロフラン3.0gを混合して、−10℃に冷却した。水素化ビス(2−メトキシエトキシ)アルミニウムナトリウムのトルエン溶液(70%重量濃度、5.68mmol)1.64gを20分間かけて−10℃で滴下し、同温度で25時間撹拌した。この反応混合液をHPLCで分析した*)
原料から生成物への転化率:99.8%
化合物Aと過還元体との比:99.7/0.3
化合物AのHPLC面積百分率:98.1%
*) HPLC条件は実施例1のHPLC条件と同じである。
実施例12
〔工程A〕:化合物Aの合成
化合物E 0.43g(含量99.3%、1.86mmol)、N,N’−ジメチルエチレンジアミン0.17g(1.93mmol)及びテトラヒドロフラン3.7gを混合して、−10℃に冷却した。水素化ビス(2−メトキシエトキシ)アルミニウムナトリウムのトルエン溶液(70%重量濃度、2.98mmol)0.86gを20分間かけて−10℃で滴下し、同温度で22時間撹拌した。その後、水素化ビス(2−メトキシエトキシ)アルミニウムナトリウムのトルエン溶液(70%重量濃度、2.04mmol)0.59gを−10℃で滴下し、同温度で3時間撹拌した。この反応混合液をガスクロマトグラフィーで分析した*)
原料から化合物Aへの転化率:95.3%
化合物Aと過還元体との比:100/0
化合物AのGC面積百分率:95.3%
*) GC条件は実施例3のGC条件と同じである。
実施例13
〔工程A〕:化合物Aの合成
化合物E 1.00g(4.64mmol)、N,N,N’,N”,N”−ペンタメチルジエチレントリアミン0.40g(2.32mmol)及びテトラヒドロフラン2.0gを混合して、−10℃に冷却した。その後、水素化ビス(2−メトキシエトキシ)アルミニウムナトリウムのトルエン溶液(70%重量濃度、7.58mmol)2.19gを20分かけて−10℃で滴下し、同温度で25時間撹拌した。この反応混合液をガスクロマトグラフィーで分析した*)
原料から生成物への転化率:98.3%
化合物Aと過還元体との比:80/20
化合物AのGC面積百分率:78.3%
*) GC条件は実施例3のGC条件と同じである。
実施例14
〔工程A〕:化合物Aの合成
化合物E 1.00g(4.64mmol)、1−(2−ジメチルアミノエチル)−4−メチルピペラジン0.40g(2.34mmol)及びテトラヒドロフラン2.0gを混合して、−10℃に冷却した。水素化ビス(2−メトキシエトキシ)アルミニウムナトリウムのトルエン溶液(70%重量濃度、7.58mmol)2.19gを20分間かけて−10℃で滴下し、同温度で25時間撹拌した。その後、この反応混合液をガスクロマトグラフィーで分析した*)
原料から生成物への転化率:98.1%
化合物Aと過還元体との比:82/18
化合物AのGC面積百分率:79.6%
*) GC条件は実施例3のGC条件と同じである。
実施例15
〔工程A〕:化合物Aの合成
化合物E 1.00g(4.64mmol)、ビス(2−ジメチルアミノエチル)エーテル0.37g(2.31mmol)及びテトラヒドロフラン2.0gを混合して、−10℃に冷却した。水素化ビス(2−メトキシエトキシ)アルミニウムナトリウムのトルエン溶液(70%重量濃度、7.58mmol)2.19gを20分間かけて−10℃で滴下し、滴下終了後に同温度で25時間撹拌した。この反応混合液をガスクロマトグラフィーで分析した*)
原料から生成物への転化率:97.9%
化合物Aと過還元体との比:85/15
化合物AのGC面積百分率:83.2%
*) GC条件は実施例3のGC条件と同じである。
実施例16
〔工程A〕:化合物Aの合成
化合物E 1.00g(4.64mmol)、ビス(2−モルホリノエチル)エーテル0.56g(2.29mmol)及びテトラヒドロフラン2.0gを混合して、−10℃に冷却した。水素化ビス(2−メトキシエトキシ)アルミニウムナトリウムのトルエン溶液(70%重量濃度、7.58mmol)2.19gを20分間かけて−10℃で滴下し、同温度で25時間撹拌した。この反応混合液をガスクロマトグラフィーで分析した*)
原料から生成物への転化率:97.8%
化合物Aと過還元体との比:81/19
化合物AのGC面積百分率:77.1%
*) GC条件は実施例3のGC条件と同じである。
実施例17
〔工程A〕:化合物Aの合成
化合物E 1.00g(4.64mmol)、ビス(2−メトキシエチル)アミン0.31g(2.32mmol)及びテトラヒドロフラン2.0gを混合して、−10℃に冷却した。水素化ビス(2−メトキシエトキシ)アルミニウムナトリウムのトルエン溶液(70%重量濃度、7.58mmol)2.19gを20分間かけて−10℃で滴下して、同温度で25時間撹拌した。この反応混合液をガスクロマトグラフィーで分析した*)
原料から生成物への転化率:97.9%
化合物Aと過還元体との比:94/6
化合物AのGC面積百分率:89.0%
*) GC条件は実施例3のGC条件と同じである。
実施例18
〔工程A+B〕:(1R,2S,5S)−3−ベンジル−6,6−ジメチル−3−アザビシクロ[3.1.0]ヘキサン−2−カルボニトリル(化合物B)の合成
化合物E 20.0g(92.9mmol)、ナトリウムメトキシド1.00g(18.5mmol)及びテトラヒドロフラン40.0gを混合して、−10℃に冷却した。水素化ビス(2−メトキシエトキシ)アルミニウムナトリウムのトルエン溶液(70%重量濃度、74.3mmol)21.46gを2時間かけて−10℃で滴下し、同温度で21時間撹拌した。その後、該反応混合液をグルコン酸ナトリウム6.35g(29.1mmol)とシアン化ナトリウム5.46g(111.4mmol)と水40gの混合液に30分間かけて5℃で滴下した。この反応混合液に酢酸1.67g(27.8mmol)を5℃で滴下し、同温で12時間攪拌した後、トルエン10gを加え攪拌後、静置、分液した。得られた有機層を水酸化ナトリウム水溶液89g(2.0%重量濃度)で4回洗浄後、更に食塩水42g(4.8%重量濃度)で洗浄した。得られた有機層を減圧条件下に溶媒を留去後、化合物B 21.2g(93.5mmol、収率100%)*)を含む溶液を27.0g得た。
H−NMR(CDCl)δ:7.33−7.23(5H,m),3.83−3.70(3H,m),2.98(1H,d,J=10Hz)2.82(1H,dd,J=5Hz,10Hz),1.47(1H,d,J=8Hz),1.37(1H,dd,J=4Hz,7Hz),1.29(3H,s),0.99(3H,s)
*) HPLCを用いて下記条件で定量した。
[HPLC条件]
カラム:ZORBAX CN,4.6mmφ×250mm,5μm(アジレント製)
流速: 1.00ml/min
検出波長:UV 220nm
移動相:A液(ヘキサン) / B液(テトラヒドロフラン)
グラジエント条件:
時間(分) 0 5 30
A液(%) 95 95 75
B液(%) 5 5 25
カラム温度: 25℃
実施例19
〔工程A+B〕:化合物Bの合成
化合物E 10.0g(46.45mmol)、ナトリウムメトキシド0.50g(9.29mmol)及びテトラヒドロフラン20gを混合して、20℃に冷却した。水素化ビス(2−メトキシエトキシ)アルミニウムナトリウムのトルエン溶液(70%重量濃度、37.15mmol)10.73gを2時間かけて20℃で滴下し、同温度で1時間撹拌した*1)。その後、該反応混合液をグルコン酸ナトリウム1.52g、シアン化ナトリウム2.73g及び水20gの混合液に4〜7℃の間を保ちながら滴下し、同温で15時間攪拌した。得られた反応混合液に次亜塩素酸ナトリウム水14.4g(12%重量濃度)を同温で滴下し、トルエン10gを加えた。その後、攪拌し、静置、分液した。得られた有機層を塩化ナトリウム水溶液20g(10%重量濃度)にて、同温で1回洗浄後、更に水20gで2回洗浄した。得られた有機層を減圧条件下に溶媒を留去後、化合物B 10.3g(収率97.6%)*2)を含む溶液を得た。
原料から生成物への転化率:99.8%
化合物Aと過還元体との比:99.3/0.7
*1) HPLC条件は実施例1のHPLC条件と同じ条件で、転化率及び化合物Aと過還元体との比を算出した。
*2) HPLC条件は実施例18のHPLC条件と同じである。
実施例20
〔工程A+B〕:化合物Bの合成
化合物E 10.0g(46.45mmol)、ナトリウムメトキシド0.50g(9.29mmol)及びトルエン20gを混合して、10℃に冷却した。水素化ビス(2−メトキシエトキシ)アルミニウムナトリウムのトルエン溶液(70%重量濃度、37.15mmol)10.73gを2時間かけて10℃で滴下し、同温度で16時間撹拌した*1)。その後、該反応混合液をグルコン酸ナトリウム1.52g、シアン化ナトリウム2.73g、酢酸1.39g、及び水20gの混合液に4〜8℃の間を保ちながら滴下し、同温で24時間攪拌した。得られた反応混合液に次亜塩素酸ナトリウム水14.4g(12%重量濃度)を同温で滴下し、トルエン10gを加えた。その後、攪拌し、静置、分液した。得られた有機層を塩化ナトリウム水溶液20g(10%重量濃度)にて、同温で1回洗浄し、更に水20gで2回洗浄した。得られた有機層を減圧条件下に溶媒を留去後、化合物B 9.90g(収率94.3%)*2)を含む溶液を得た。
原料から生成物への転化率:99.8%
化合物Aと過還元体との比:99.2/0.8
*1) HPLC条件は実施例1のHPLC条件と同じ条件で、転化率及び化合物Aと過還元体との比を算出した。
*2) HPLC条件は実施例18のHPLC条件と同じである。
実施例21
〔工程A+B〕:化合物Bの合成
化合物E 10.0g(46.45mmol)、ナトリウムメトキシド0.50g(9.29mmol)及びトルエン20gを混合して、10℃に冷却した。水素化ビス(2−メトキシエトキシ)アルミニウムナトリウムのトルエン溶液(70%重量濃度、37.15mmol)10.73gを2時間かけて10℃で滴下し、同温度で2時間撹拌した*1)。その後、該反応混合液をグルコン酸ナトリウム1.52g、シアン化ナトリウム2.73g、イソプロピルアルコール5.0g、及び水20gの混合液に5〜7℃の間を保ちながら滴下し、同温で18時間攪拌した。得られた反応混合液に次亜塩素酸ナトリウム水14.4g(12%重量濃度)を同温で滴下し、更にトルエン10gを加え攪拌した。その後、亜硫酸ナトリウム水溶液14.6g(10%重量濃度)を同温で滴下し、攪拌後、静置、分液した。得られた有機層を塩化ナトリウム水溶液20g(10%重量濃度)にて、同温で1回洗浄し、更に水20gで2回洗浄した。得られた有機層を減圧条件下に溶媒を留去後、化合物B 10.00g(収率96.0%)*2)を含む溶液を得た。
原料から生成物への転化率:99.8%
化合物Aと過還元体との比:99.3/0.7
*1) HPLC条件は実施例1のHPLC条件と同じである。
*2) HPLC条件は実施例18のHPLC条件と同じである。
実施例22
〔工程A+B〕:化合物Bの合成
化合物E 14.0g(65.0mmol)、カリウムtert−ブトキシド1.46g(13.0mmol)及びテトラヒドロフラン28.0gを混合して、−10℃に冷却した。水素化ビス(2−メトキシエトキシ)アルミニウムナトリウムのトルエン溶液(70%重量濃度、52.0mmol)15.0gを2時間かけて−10℃で滴下し、同温度で20時間撹拌した。その後、該反応混合液を酢酸のメタノール溶液2.42g(48.3%重量濃度)に滴下した。この反応液にシアン化ナトリウム水溶液17.8g(21.5%重量濃度、78.2mmol)を35分間かけて5℃で滴下し、同温で11時間攪拌した。その後、更に酢酸0.78gを5分間かけて5℃で滴下し、同温で15時間攪拌した。その後、同温で、シアン化ナトリウム0.32(6.52mmol)を加え、3時間攪拌し、更に同温でシアン化ナトリウム0.64g(13.1mmol)を加え、3時間攪拌した。得られた反応混合液をグルコン酸ナトリウム4.44gと水酸化ナトリウム水溶液49.0g(2.85%重量濃度)の混合液に10℃で滴下し、同温で攪拌後、静置、分液した。得られた有機層を水酸化ナトリウム水溶液62.5g(2.0%重量濃度)で3回洗浄後、更に食塩水29.4g(4.8%重量濃度)で洗浄した。得られた有機層を減圧条件下に溶媒を留去後、化合物B 13.44g(59.4mmol、収率91%)*)を含む溶液17.8gを得た。
*) GCを用いて下記条件で定量した。
[GC条件]
カラム:DB−1,0.25mmφ×30m,0.25μm(J&W Scientific社製)
検出方法:FID
流速: 1ml/min(ヘリウム)
カラム温度:
時間(分) 0 10 46 55
温度(℃) 100 100 280 280
インジェクター温度:150℃
検出器温度:280℃
実施例23
〔工程B〕:化合物Bの塩酸塩の合成
化合物B 7.38g(32.6mmol)を含む濃縮物8.83gに酢酸エチル20mlおよびメチルエチルケトン20mlを加え、0℃に冷却した。その後、4NHCl酢酸エチル溶液9mlを滴下し、0℃で25分攪拌した後、析出した結晶を濾過した。得られた結晶をメチルエチルケトン15mlで洗浄し、減圧乾燥して、化合物Bの塩酸塩 7.60g(28.9mmol、収率88.7%)を含む白色結晶を7.60g得た*)
H−NMR(DO)δ:8.57(1H,s),7.55〜7.12(5H,m),5.05(2H,s),4.24(1H,m),4.02(1H,d,J=16Hz),2.73(1H,br.s),2.49(1H,br.s),1.27(3H,s),0.88(3H,s).
*) 実施例18のHPLC条件と同じ条件で定量した。
実施例24
〔工程C〕:メチル(1R,2S,5S)−3−ベンジル−6,6−ジメチル−3−アザビシクロ[3.1.0]ヘキサン−2−カルボキシレート(化合物C1)の合成
化合物B 15.0g(66.3mmol)及びメタノール23.8gを混合して、−30℃に冷却した後、塩化水素ガス37.2g(1.02mol)を2時間30分かけて−10℃以下で吹き込み、−15℃〜−10℃の間で2時間攪拌した。その後、得られた反応混合液を水300gに20℃以下で滴下した。滴下終了後、20℃で撹拌しながら、炭酸カリウム70.4g(0.51mol)でpH9に調整し、トルエン100mlで2回抽出した。得られた有機層を合わせて混合し、5%食塩水で洗浄した。得られた有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥し、濾過した。得られた濾液は減圧濃縮により溶媒を留去して、化合物C1 14.4g(55.5mmol:収率83.7%)*)を含む溶液を16.0g得た。
H−NMR(CDCl)δ:7.30−7.19(5H,m),3.73(2H,d,J=16Hz),3.70(3H,s),3.52(1H,s),3.15(1H,dd,J=9Hz,5Hz),2.69(1H,d,J=9Hz),1.37−1.30(2H,m),1.17(3H,s),1.00(3H,s)
*) GC条件は実施例22のGC条件で定量した。
実施例25
〔工程C〕:化合物C1の合成
化合物Bの塩酸塩 2.63g(10.0mmol)とメタノール0.48g、及びトルエン15.8gを混合して、−10℃に冷却後、−10℃以下に保ちながら、塩化水素ガスを約2時間かけて吹き込んだ。この混合液を−10℃で18.5時間攪拌した後、25℃に昇温した。その後、塩化チオニル1.78g(15.0mmol)とメタノール溶液3.20gを順に25〜30℃の間で滴下した。滴下終了後、該反応混合液を66℃に加熱し、同温で9.5時間攪拌した。その後、更に塩化チオニル1.19g(10.0mmol)を加え、66℃で2時間攪拌した。この反応混合液を室温まで冷却し、炭酸ナトリウム水溶液(7%重量濃度)32gを滴下し、攪拌後、静置、分液した。得られた有機層を塩化ナトリウム水(5%重量濃度)で洗浄し、化合物C1 2.07g(8.0mmol:収率80.0%)*)を含む有機層を得た。
*) 実施例1のHPLC条件と同じ条件で定量した。
実施例26
〔工程C〕:化合物C1の合成
化合物B 4.32g(19.1mmol)を含むトルエン溶液10.2gにトルエン21.8gとメタノール0.83gを混合し、−10℃に冷却した。この混合液にメタンスルホン酸1.92g(20.0mmol)を−10℃で15分間かけて滴下した後、塩化水素ガス6.5g(178.3mmol)を−10℃以下を保ちながら吹き込んだ。この反応混合液を−10℃で1.5時間攪拌した後、5℃で20時間攪拌した。その後、20℃まで加熱し、20〜30℃の間でメタノール9.61gを滴下した後、メタンスルホン酸7.69g(80.0mmol)を滴下した。滴下終了後、該反応混合液を60℃まで加熱し、同温で23.5時間攪拌した。その後25℃まで冷却し、水30gを加え、アンモニア水6.45g(25%重量濃度)でpH7.6に調整した。この混合溶液を濾過した後、静置、分液した。得られた有機層には化合物C1 4.05g(15.6mmol:収率81.7%)*)が含まれていた。
*) 実施例1のHPLC条件と同じ条件で定量した。
実施例27
〔工程C〕:(1R,2S,5S)−3−ベンジル−6,6−ジメチル−3−アザビシクロ[3.1.0]ヘキサン−2−カルボキサミド(化合物C2)の合成
塩酸(45%重量濃度)36.8gに、化合物Bを12.0g(53.0mmol)を含むトルエン溶液55.8gを4〜7℃で2時間かけて滴下し、同温で23時間攪拌した。該反応混合液に水19.4gを加えた後、水酸化ナトリウム水溶液(48%重量濃度)35.8gを滴下し、pHを10に調整した。この混合液を攪拌後、静置、分液した。得られた水層に塩化ナトリウム水溶液(5%重量濃度)26.6gを加え洗浄した。得られた有機層を減圧条件下に溶媒を留去後、化合物C2 11.9g(48.7mmol、収率91.9%)*1)を含む溶液を得た。
*1) 実施例1のHPLC条件と同じ条件で定量した。
H−NMR(CDCl)δ:7.36−7.24(6H,m),5.58(1H,br.s)、3.79(1H,d,J=13Hz)、3.58(1H,d,J=13Hz),3.34(1H,dd,J=10Hz,6Hz),3.19(1H,d,J=2Hz),2.38(1H,dd,J=10Hz,2Hz),1.49(1H,dd,J=8Hz,2Hz),1.34〜1.39(1H,m),1.04(3H,s),0.96(3H,s).
実施例28
〔工程C〕:化合物C2の合成
塩酸(35%重量濃度)173.3gに化合物Bを37.6g(166.2mmol)を含むトルエン溶液53.7gを17℃で20分かけて滴下し、同温で48時間攪拌した。該反応混合液に水76gとトルエン115gを加えた後、水酸化ナトリウム水溶液(48%重量濃度)142gを滴下し、pHを9に調整した。静置、分液し、得られた水層にトルエン78gを加え攪拌し、静置、分液した。得られた有機層を全て混合した後、塩化ナトリウム水溶液84g(5%重量濃度)を加え洗浄した。得られた有機層を減圧条件下に溶媒を留去後、化合物C2 34.6g(141.6mmol、収率85.2%)*1)を含む溶液を得た。
*1) 実施例1のHPLC条件と同じ条件で定量した。
実施例29
〔工程C〕:化合物C2の合成
塩酸(35%重量濃度)23.1g、化合物Bを5.04g(22.3mmol)を含むトルエン溶液5.90gを混合し、15℃で4時間攪拌した。この混合溶液に塩化水素ガスを同温で10.9g吹き込み、さらに2時間攪拌した。該反応混合液にトルエン16g、水酸化ナトリウム水溶液(30%重量濃度)67gを滴下し、pHを7に調整した。静置、分液した水層をトルエン10gで抽出した。得られた有機層を混合し化合物C2 4.42g(18.1mmol、収率88.6%)*1)を含む溶液を得た。
*1) 実施例1のHPLC条件と同じ条件で定量した。
実施例30
〔工程C〕:化合物C2の合成
化合物B 10.0g(44.2mmol)を含むトルエン溶液81.7gとメタノール2.12g(66.3mmol)を混合して、0℃に冷却した。この混合溶液に塩化水素ガスを0〜6℃の間で1時間吹き込み、10℃に昇温した。同温で3時間攪拌後、塩化水素ガスを10℃で10分間吹き込み、1時間攪拌した。また、10℃で塩化水素ガスを5分間吹き込み、1時間攪拌した。更に、塩化水素ガスを10℃で5分間吹き込み、1時間攪拌した。更に、塩化水素ガスを10℃で5分間吹き込み、15時間攪拌した。該反応混合液に水酸化ナトリウム水溶液(5%重量濃度)29g及び水酸化ナトリウム水溶液(15%重量濃度)35gを滴下し、pH12に調整した。この混合液を攪拌後、静置、分液した。得られた水層にトルエン50gを加え、再抽出した。得られた有機層を全て混合し、硫酸ナトリウムで乾燥後、濾過し、化合物C2 9.14g(37.4mmol、収率84.6%)*1)を含む溶液を得た。
*1) 実施例1のHPLC条件と同じ条件で定量した。
実施例31
〔工程C〕:化合物C1の塩酸塩の合成
5℃に冷却したメタノール32gに発煙硫酸21.4g(25%重量濃度,66.9mmol)を5〜15℃の間で1.5時間かけて滴下した後、74℃に加熱した。同温で0.5時間攪拌した後、化合物C2 8.0g(32.7mmol)を含むトルエン溶液15.3gを74℃で0.5時間かけて滴下し、同温で10時間攪拌した。該反応混合液を25℃まで冷却し、トルエン16gを加え、攪拌した。このトルエン混合液とアンモニア水19.9g(28%重量濃度)を同時に、5℃の水17.6gにpH9〜11の間を保ちながら滴下した。滴下終了後、該混合液に水16gを加え攪拌後、静置、分液し、得られた水層をトルエン16gで再度抽出した。得られた有機層を全て混合した後、水16gで洗浄した。得られた有機層を減圧条件下に溶媒を留去し、化合物C1 8.09g(31.2mmol:収率95.2%)*)を含む濃縮液9.75gを得た。
この濃縮液にトルエン55g及び、塩化水素2−プロパノール溶液4.8g(28%重量濃度)を5℃で滴下し、同温で1時間攪拌した後、析出した結晶を濾過した。得られた結晶をトルエン8gと2−プロパノール0.8gの混合溶液で洗浄後、更にトルエン16gで洗浄し、減圧乾燥して、化合物C1の塩酸塩 8.28g(28.0mmol:収率85.5%)*)を含む白色結晶を9.02g得た。
*) 実施例1のHPLC条件と同じ条件で定量した。
実施例32
〔工程C〕:化合物C1の塩酸塩の合成
化合物C2 34.7g(142mmol)を含むトルエン溶液53.1gとメタノール69.5gを混合して、濃硫酸71.2g(98%重量濃度、711mmol)を25〜45℃の間で30分かけて滴下した。該反応混合液を60〜65℃に加熱し、同温で40時間攪拌した後、室温まで冷却した。その後、トルエン70gを加え、攪拌した後、このトルエン混合液とアンモニア水50.2g(28%重量濃度)を同時に、水76gにpH9〜11の間を保ちながら滴下した。滴下終了後、該混合液を、静置、分液し、得られた有機層を水70gで洗浄した。この有機層を減圧条件下に溶媒を留去し、化合物C1 32.6g(125.6mmol:収率88.4%)*)を含む濃縮液52.7gを得た。
この濃縮液にトルエン208gを加え、塩化水素2−プロパノール溶液23.1g(25%重量濃度)を7〜12℃で滴下し、同温で1時間攪拌した後、析出した結晶を濾過した。得られた結晶をトルエン35gと2−プロパノール4gの混合溶液で洗浄後、更にトルエン70gで洗浄し、減圧乾燥して、化合物C2の塩酸塩 35.2g(118.8mmol:収率83.6%)*1)を含む白色結晶を36.6g得た。
*) 実施例1のHPLC条件と同じ条件で定量した。
実施例33
〔工程C〕:化合物C1の合成
化合物C2 0.37g(1.51mmol)を含むトルエン溶液0.44g、トルエン2.6g及びメタノール0.77gを混合して、メタンスルホン酸0.58g(7.49mmol)を25〜50℃の間で約5分間かけて滴下した。該反応混合液を66℃に加熱し、同温で24時間攪拌した後、室温まで冷却した。該反応混合溶液には化合物C1 0.38g(1.47mmol:収率97.5%)*)が含まれていた。
*) 実施例1のHPLC条件と同じ条件で定量した。
実施例34
〔工程D〕:メチル(1R,2S,5S)−6,6−ジメチル−3−アザビシクロ[3.1.0]ヘキサン−2−カルボキシレート 塩酸塩(化合物D)の合成
化合物C1 3.23g(12.5mmol)、35%塩酸1.43g(13.7mmol)、10%Pd/C(50%含水タイプ)0.59g及びメタノール22.7gを混合し、45℃に昇温し、反応容器を水素ガスで置換し、同温で5時間攪拌した。反応容器を開放した後、トルエンを加えて減圧条件下、溶媒を留去して、化合物D 2.28g(11.1mmol:収率88.8%)*)を含む固体を3.23g得た。
*) HPLCを用いて下記条件で定量した。
[HPLC条件]
カラム:Waters Xbridge C18,4.6mmφ×150mm,3.5μm(Waters社製)
流速: 1.0ml/min
検出波長:UV 210nm
移動相:A液(10mM NaHPO水溶液/アセトニトリル=95/5)
B液(アセトニトリル/水=80/20)。
グラジエント条件:
時間(分) 0 30
A液 100 10
B液 0 90
カラム温度:40℃
実施例35
〔工程D〕:化合物Dの合成
化合物C1の塩酸塩 12.0g(含量96.1%、39.0mmol)、10%Pd/C(50%含水タイプ)及び2−プロパノールを混合し、反応容器内を窒素置換した後、水素ガスで0.40MPaに加圧し、25℃で8時間攪拌した。反応容器を解圧した後、50℃に加熱し、ガラスフィルーターに濾過助剤0.60gをプレコートし、反応混合液を濾過した。さらに濾過残渣を50℃の2−プロパノールで洗浄し、得られた洗液は濾液と混合した。この混合物(40.0g)中には化合物D 7.85g(38.2mmol:収率97.9%)*)が含まれていた。
この混合液40.0gを22.1gまで濃縮後、2−プロパノール5.6gを加え、40℃に加熱し、化合物Dの種晶0.01gを加え、1時間攪拌した。その後、同温でメチルt−ブチルエーテルを39.6gを1.5時間かけて滴下した後、1時間攪拌し、−5℃に冷却した。−5℃で17時間攪拌した後、析出した結晶を濾過した。得られた結晶を−5℃の2−プロパノール11.5gとメチルt−ブチルエーテル5.8gの混合液で洗浄し、さらに、−5℃のメチルt−ブチルエーテル8.6gで洗浄し、減圧乾燥して、化合物D 7.1g(含量100%、34.6mmol:収率88.6%)*)を含む白色結晶を得た。
*) 実施例34のHPLC条件と同じ条件で定量した。
実施例36
(1R,5S)−3−ベンジル−6,6−ジメチル−3−アザビシクロ[3.1.0]ヘキサン−2−オン(化合物E)の合成
200mLオートクレーブに(1R,5S)−6,6−ジメチル−3−オキサビシクロ[3.1.0]ヘキサン−2−オン(化合物F)を15.0g(118.6mmol)含むトルエン溶液19.3gとベンジルアミン25.7g(239.7mmol)と水64.8g(3.6mol)を仕込み、混合した後、0.9MPaの圧力条件下、180℃に加熱した。同温で10時間攪拌し、35℃に冷却した後、反応混合液に1N塩酸を12.2g(117.1mmol)滴下して、pH4に調整した。該反応混合液をメチルtert−ブチルエーテル45gで2回抽出した。該反応マスを定量した結果、化合物Eを24.1g(111.8mmol、収率94.3%)含んでいた。得られた有機層を混合し、水45gで1回洗浄し、有機層を減圧条件下に濃縮して溶媒を留去した。該濃縮溶液にヘプタン64gを加え、65℃に昇温後、活性炭を1.5g加え、同温で0.5時間攪拌した。この混合液を濾過し、ヘプタン45gで、濾過残渣を洗浄した。得られた濾液と洗浄液を混合し、減圧条件下に濃縮して溶媒を留去した。得られた濃縮液にヘプタン60gを加え、47℃に昇温し、(1R,5S)−3−ベンジル−6,6−ジメチル−3−アザビシクロ[3.1.0]ヘキサン−2−オンを0.02g加え、1時間攪拌した。その後、5℃まで冷却し、析出した結晶を濾過した。得られた結晶を更に5℃のヘプタン38gで洗浄した後、減圧乾燥して、化合物Eを21.52g(99.9mmol、収率84.3%)含む白色結晶を21.57g得た*)
*) 実施例1のHPLC条件と同じ条件で白色結晶を定量した。
H−NMR(CDCl)δ:7.34〜7.24(5H,m),4.50(1H,d, J=14Hz),4.15(1H,d,J=15Hz),3.37(1H,dd,J=7Hz,11Hz),2.99(1H,d,J=11Hz),1.85(1H,d,J=7Hz),1.58(1H,dd,J=7Hz,7Hz),1.09(3H,s),0.94(3H,s)
実施例37
化合物Eの合成
200mLオートクレーブに化合物Fを7.58g(60.1mmol)含むトルエン溶液9.82gとベンジルアミン 12.87g(120mmol)と水32.5g(1.80mol)を仕込み、混合した後、0.7MPaの圧力条件下、170℃に加熱した。同温で15時間攪拌し、化合物Eを12.3g(57.3mmol、収率95.6%)含む反応混合液を得た*)
*) 実施例1のHPLC条件と同じ条件で反応混合液を定量した。
実施例38〜43
化合物Eの合成
実施例37に記載の水量を表1に記載の量に代え、水量以外は実施例37と同様にして反応を行った。結果を表1に示す。
Figure 2013010732
実施例44
化合物Eの合成
200mLオートクレーブに化合物Fを11.36g(90.1mmol)含むトルエン溶液14.71gとベンジルアミン 19.3g(180mmol)と水16.2g(899mmol)とメタノール22.7gを仕込み、混合した後、1.0MPaの圧力条件下、160℃に加熱した。同温で21時間攪拌し、化合物Eを17.5g(81.3mmol、収率90.3%)含む反応混合液を得た*)
*) 実施例1のHPLC条件と同じ条件で反応混合液を定量した。
実施例45
化合物Eの合成
200mLオートクレーブに化合物F 5.05g(39.6mmol、含量99.0%)とベンジルアミン 8.49g(79.3mmol)と水17.96gとメタノール10.03gを仕込み、混合した後、0.9MPaの圧力条件下、165℃に加熱した。同温で12時間攪拌し、化合物Eを8.39g(39.0mmol、収率98.5%)含む反応混合液を得た。
その後、35%塩酸3.99gを加えpH5とした後、トルエン15gで2回抽出した。得られた有機層を合一し、減圧条件下に濃縮して溶媒を留去後、ヘプタン23gを流入した。10℃に冷却し、析出した結晶を濾過、ヘプタン14gで洗浄、乾燥した。化合物Eの結晶 7.05g(32.7mmol、収率82.5%)を得た*)
*) 実施例1のHPLC条件と同じ条件で反応混合液を定量した。
実施例46
化合物Eの合成
200mLオートクレーブに化合物Fを11.34g(90.0mmol)含むトルエン溶液14.69gとベンジルアミン 16.39g(153mmol)と水16.2g(900mmol)とメタノール22.78gを仕込み、混合した後、1.2MPaの圧力条件下、170℃に加熱した。同温で15時間攪拌し、化合物Eを17.96g(83.4mmol、収率92.8%)含む反応混合液を得た*)
*) 実施例1のHPLC条件と同じ条件で反応混合液を定量した。
実施例47
化合物Eの合成
200mLオートクレーブに化合物Fを7.57g(60.0mmol)含むトルエン溶液9.80gとベンジルアミン 32.1g(300mmol)と水10.8g(600mol)を仕込み、混合した後、0.6MPaの圧力条件下、170℃に加熱した。同温で15時間攪拌し、化合物Eを11.8g(54.9mmol、収率91.5%)含む反応混合液を得た*)
*) 実施例1のHPLC条件と同じ条件で反応混合液を定量した。
実施例48
化合物Eの合成
200mlオートクレーブに化合物Fを11.34g(89.9mmol)含むトルエン溶液14.69gとベンジルアミン19.26g(179.8mmol)と水16.25gとメタノール22.71gとp−トルエンスルホン酸・1水和物3.51g(18.0mmol)を仕込み、混合した後、1.2MPaの圧力条件下、170℃に加熱した。同温で15時間攪拌し、得られた反応混合液を定量した*)。化合物Eの化合物Fに対する収率は、95.4%であった。
*) HPLCの条件は実施例1のHPLC条件と同じである。
実施例49
化合物Eの合成
100mlオートレクレーブに化合物Fを3.78g(30.0mmol)含むトルエン溶液4.90gとベンジルアミン3.54g(33.0mmol)と水5.5g(305mmol)とγアルミナ0.38g(3.00mmol)を仕込み、混合してオートクレーブ中で170℃に加熱した。同温で15時間攪拌し、得られた反応混合液に水を加え攪拌した後、分液し、有機層および水層を定量した*)。化合物Eの化合物Fに対する収率は、89.9%であった。
*) HPLCの条件は実施例1のHPLC条件と同じである。
本発明によって、式(1)で示されるプロリン化合物又はその塩を優れた収率で製造する方法が提供される。

Claims (14)

  1. 下記の工程A〜工程Dを含む、式(1)
    Figure 2013010732
    [式中、Rは置換基を有していてもよい脂肪族炭化水素基又は水素原子を表す。]
    で示されるプロリン化合物又はその塩の製造方法:
    〔工程A〕
    塩基存在下、式(2)
    Figure 2013010732
    [式中、Rは*−C(R10Arで示される基を表し、Arは置換基を有していてもよいフェニル基又は置換基を有していてもよいナフチル基であり、2つのR10はそれぞれ独立に、水素原子、置換基を有していてもよいアルキル基又は置換基を有していてもよいフェニル基であり、*は窒素原子との結合手を表す。]
    で示されるピロリジノン化合物と、式(3):(Ms+1/s4−mAl(OR
    [式中、Rは置換基を有していてもよいアルキル基を表す。
    s+は金属イオンを表す。
    sは金属イオンの価数を表す。
    mは1、2又は3を表す。]
    で示される還元剤とを反応させる工程;
    〔工程B〕
    前記工程Aで得られた式(4)
    Figure 2013010732
    [式中、Rは前記と同じ意味を表す。]
    で示されるピロリジノール化合物又はその塩と、シアノ化剤とを反応させる工程;
    〔工程C〕
    前記工程Bで得られた式(5)
    Figure 2013010732
    [式中、Rは前記と同じ意味を表す。]
    で示されるシアノピロリジン化合物又はその塩を、加水分解又は加アルコール分解する工程;及び
    〔工程D〕
    前記工程Cで得られた式(6)
    Figure 2013010732
    [式中、R及びRはそれぞれ前記と同じ意味を表す。]
    で示される保護プロリン化合物又はその塩のRを、水素原子に置換する工程。
  2. 下記の工程Eによって式(2)で示されるピロリジノン化合物を製造し、引き続いて工程A〜工程Dを行うことによる、請求項1記載の製造方法:
    〔工程E〕
    式(8)
    Figure 2013010732
    で示される化合物と、式(9):HN−R
    [式中、Rは前記と同じ意味を表す。]
    で示される化合物とを反応させる工程。
  3. 工程Aにおける式(3)で示される還元剤が、
    式:(Ms+1/s4−mAl[O−(CH−OR
    [式中、Rはアルキル基又はシクロアルキル基を表す。
    nは1、2、3又は4を表す。
    s+、s及びmはそれぞれ前記と同じ意味を表す。]
    で示される化合物である、請求項1又は2記載の製造方法。
  4. 工程Aにおける式(3)で示される還元剤が、水素化ビス(2−メトキシエトキシ)アルミニウムナトリウムである、請求項1又は2記載の製造方法。
  5. 工程Aにおける塩基が、アルカリ金属アルコキシドである、請求項1〜4のいずれか記載の製造方法。
  6. 工程Aにおける塩基が、N,N'−ジメチルエチレンジアミンである、請求項1〜4のいずれか記載の製造方法。
  7. 工程Bにおけるシアノ化剤が、シアン化金属又はシアン化水素である、請求項1〜6のいずれか記載の製造方法。
  8. 工程Cを、式(7)
    Figure 2013010732
    [式中、R及びRはそれぞれ前記と同じ意味を表す。]
    で示されるイミデート化合物又はその互変体を経由して行う、請求項1〜7のいずれか記載の製造方法。
  9. 式(1)で示されるプロリン化合物又はその塩が、式(1b)
    Figure 2013010732
    [式中、Rは前記と同じ意味を表す。]
    で示されるプロリン化合物又はその塩である、請求項1〜8のいずれか記載の製造方法。
  10. 式(2)
    Figure 2013010732
    [式中、Rは*−C(R10Arで示される基を表し、Arは置換基を有していてもよいフェニル基又は置換基を有していてもよいナフチル基であり、2つのR10はそれぞれ独立に、水素原子、置換基を有していてもよいアルキル基又は置換基を有していてもよいフェニル基であり、*は窒素原子との結合手を表す。]
    で示されるピロリジノン化合物。
  11. 式(4)
    Figure 2013010732
    [式中、Rは*−C(R10Arで示される基を表し、Arは置換基を有していてもよいフェニル基又は置換基を有していてもよいナフチル基であり、2つのR10はそれぞれ独立に、水素原子、置換基を有していてもよいアルキル基又は置換基を有していてもよいフェニル基であり、*は窒素原子との結合手を表す。]
    で示されるピロリジノール化合物又はその塩。
  12. 式(5)
    Figure 2013010732
    [式中、Rは*−C(R10Arで示される基を表し、Arは置換基を有していてもよいフェニル基又は置換基を有していてもよいナフチル基であり、2つのR10はそれぞれ独立に、水素原子、置換基を有していてもよいアルキル基又は置換基を有していてもよいフェニル基であり、*は窒素原子との結合手を表す。]
    で示されるシアノピロリジン化合物又はその塩。
  13. 式(7)
    Figure 2013010732
    [式中、Rは置換基を有していてもよい脂肪族炭化水素基又は水素原子を表す。
    は*−C(R10Arで示される基を表し、Arは置換基を有していてもよいフェニル基又は置換基を有していてもよいナフチル基であり、2つのR10はそれぞれ独立に、水素原子、置換基を有していてもよいアルキル基又は置換基を有していてもよいフェニル基であり、*は窒素原子との結合手を表す。]
    で示されるイミデート化合物又はその互変体。
  14. 式(6)
    Figure 2013010732
    [式中、Rは置換基を有していてもよい脂肪族炭化水素基又は水素原子を表す。
    は*−C(R10Arで示される基を表し、Arは置換基を有していてもよいフェニル基又は置換基を有していてもよいナフチル基であり、2つのR10はそれぞれ独立に、水素原子、置換基を有していてもよいアルキル基又は置換基を有していてもよいフェニル基であり、*は窒素原子との結合手を表す。]
    で示される保護プロリン化合物又はその塩。
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