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JP2013003167A - パターン形成方法 - Google Patents

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JP2013003167A
JP2013003167A JP2011130597A JP2011130597A JP2013003167A JP 2013003167 A JP2013003167 A JP 2013003167A JP 2011130597 A JP2011130597 A JP 2011130597A JP 2011130597 A JP2011130597 A JP 2011130597A JP 2013003167 A JP2013003167 A JP 2013003167A
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group
forming method
pattern forming
acid
photoresist film
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JP2011130597A
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English (en)
Inventor
Jun Hatakeyama
畠山  潤
Masaki Ohashi
正樹 大橋
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Shin Etsu Chemical Co Ltd
Original Assignee
Shin Etsu Chemical Co Ltd
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Abstract

【課題】 本発明は、短時間でPEBを行うことができ、それによりスループットの向上や、酸拡散距離を短くすることができることによる解像性の向上が達成できるパターン形成方法を提供することを目的とする。
【解決手段】 被加工基板上に波長600〜2000nmの範囲の光を吸収する下層膜を形成し、該下層膜上にフォトレジスト膜を形成し、該フォトレジスト膜を露光した後、波長600〜2000nmの光を照射して加熱することでポストエクスポジュアーベーク(PEB)を行い、その後現像によってパターンを形成することを特徴とするパターン形成方法。
【選択図】 図1

Description

本発明は、フォトレジスト膜を用いたパターン形成方法に関する。
半導体およびフォトマスクパターンの微細加工用として化学増幅型レジスト膜が用いられている。化学増幅型レジスト膜は、露光によって酸を発生し、酸触媒による脱保護反応あるいは架橋反応によって現像後にポジ型あるいはネガ型パターンを与えることができる。この酸触媒反応を進行させるためには加熱が必要であり、加熱の方法としてはホットプレート上で被加工基板を加熱する方法が最も簡便で広く用いられている。
しかしながら、パターンの微細化の進行と共に、酸の拡散による解像性の低下が問題になっている。酸の拡散を抑えるために、COレーザーから発せられる赤外線をレジスト膜に当てて短時間で加熱する方法が提案されている(非特許文献1)。この方法では加熱が短時間で済むために、反応に寄与する酸の拡散距離を短くすることができる。また、マスク用基板のような厚い基板を加熱しようとすると長時間のベークが必要となる。そこで、ハロゲンランプを用いてレジスト膜を加熱することが提案されている(特許文献1)。ここでは、ハロゲンランプによる加熱温度を赤外センサーで感知し、温度のコントロールを行っている。
また、近赤外、赤外線吸収剤を添加したフォトレジスト膜に赤外線を照射してベークを行うネガレジストが提案されている(特許文献2)。
特開2001−274109号 特開2001−133969号 Proc. SPIE Vol. 7639 p76390L−1 (2010)
しかしながら、近赤外、赤外線の照射によって短時間でベークを行う場合、近赤外、赤外線吸収剤をレジスト膜材料に添加すると解像性が劣化する問題が生じる。また、レジスト膜材料に近赤外、赤外線吸収剤を添加しない場合は、光照射によるレジスト膜温度の上昇速度が遅く酸拡散による解像性の低下が問題となる。膜温度の上昇速度を速くするために光照射エネルギーを高くすることも考えられるが、光照射エネルギーが高すぎると膜内の温度の制御が困難になる。そのため、ポストエクスポジュアーベーク(PEB)において短時間で加熱することのできるパターン形成方法が望まれていた。
本発明はこのような問題点に鑑みてなされたものであり、波長600〜2000nmの範囲の光を吸収する下層膜を形成し、波長600〜2000nmの光照射を行うことによって下層膜を発熱させ、レジスト膜を短時間で加熱することでPEBを行うことができ、それによりスループットの向上や、酸拡散距離を短くすることができることによる解像性の向上が達成できるパターン形成方法を提供することを目的とする。
上記課題を解決するため、本発明では、被加工基板上に波長600〜2000nmの範囲の光を吸収する下層膜を形成し、該下層膜上にフォトレジスト膜を形成し、該フォトレジスト膜を露光した後、波長600〜2000nmの光を照射して加熱することでポストエクスポジュアーベーク(PEB)を行い、その後現像によってパターンを形成することを特徴とするパターン形成方法を提供する。
このように波長600〜2000nmの範囲の光を吸収する下層膜を形成し、波長600〜2000nmの光を照射してPEBを行うことで、光を吸収する下層膜が発熱してフォトレジスト膜の加熱を短時間で行うことができる。これによってスループットの向上や、酸拡散距離を短くすることができることによる解像性の向上が達成できるパターン形成方法となる。また、本発明のパターン形成方法によれば、マスク基板のような厚い被加工基板上に形成されたフォトレジスト膜であっても短時間で加熱を行うことが可能であり、さらに、通常のレジスト膜材料を用いることができるため特許文献2のようなレジスト膜材料の変更による解像性の劣化も生じない。
また、前記下層膜として、シアニン系化合物、フタロシアニン系化合物、ジイモニウム塩系化合物、及びアミニウム塩系化合物のうち少なくとも一つを含む下層膜を形成することが好ましい。
このような化合物を含むことで波長600〜2000nmの範囲の光を一層吸収しやすい下層膜となるため、波長600〜2000nmの光を照射して加熱することで、より短時間でPEBを行うことができる。
さらに、前記被加工基板上に下層膜材料をスピンコートによって成膜し、その後ベーク中の架橋により固化させて前記下層膜を形成することが好ましい。
これにより、短時間で容易に下層膜を形成することができる。
また、前記ポストエクスポジュアーベークは、キセノンランプ、ハロゲンランプを用いて前記波長600〜2000nmの光を照射して加熱することが好ましい。
このような光源を用いることで、波長600〜2000nmの範囲の光を効率よく発生させることができる。
さらに、前記下層膜上に珪素原子を含有する中間層を形成し、該中間層上に前記フォトレジスト膜を形成することが好ましい。
このように中間層を設けることで、3層レジスト法を行うことも可能となる。
また、前記フォトレジスト膜の形成は、露光によって酸を発生させる光酸発生剤を含有している化学増幅型レジスト膜材料、露光によって酸発生剤からスルホン酸、イミド酸、メチド酸から選ばれる1種以上の酸を発生させ、保護基の脱保護反応によって現像液への溶解性が変化する化学増幅型レジスト膜材料、または、ベースポリマーの主鎖に結合した酸発生剤から露光によってスルホン酸を発生させ、保護基の脱保護反応によって現像液への溶解性が変化する化学増幅型レジスト膜材料を用いて行うことが好ましい。
このような化学増幅型レジスト膜材料を用いたフォトレジスト膜であれば、露光によって酸を発生し、その後、PEBにおける短時間のフォトレジスト膜の加熱により酸触媒反応が進行するので、スループットや、解像性の向上が達成できる。
さらに、前記フォトレジスト膜の形成は、下記酸不安定基を有する繰り返し単位(a1)及び(a2)のうち少なくとも1以上の繰り返し単位を有し、重量平均分子量が1,000〜500,000の範囲であり、前記繰返し単位(a1)及び(a2)の共重合比率が0≦a1<1.0、0≦a2<1.0、かつ0.1≦a1+a2<1.0である高分子化合物をベース樹脂とするレジスト膜材料を用いて行うことが好ましい。
Figure 2013003167
(式中、R、Rは水素原子又はメチル基、R、Rは酸不安定基を表す。Rは単結合、又は炭素数1〜6の直鎖状若しくは分岐状のアルキレン基であり、カルボニル基、エステル基又はエーテル基を含んでいてもよく、Rは水素原子、フッ素原子、トリフルオロメチル基、シアノ基、又は炭素数1〜6の直鎖状、分岐状若しくは環状のアルキル基であり、pは1又は2であり、qは0〜4の整数である。Xは単結合、エステル基、エーテル基若しくはラクトン環を有する炭素数1〜12の連結基、フェニレン基、又はナフチレン基である。Xは単結合、−C(=O)−O−、又は−C(=O)−NH−である。Arは水素原子がR、R及びORにより置換されたフェニル基又はナフチル基である。)
このような酸不安定基を有するレジスト膜材料を用いたフォトレジスト膜であれば、PEBにおける短時間のフォトレジスト膜の加熱により酸触媒反応が好ましく進行するので、スループットや、解像性の向上が達成できる。
また、前記フォトレジスト膜の形成は、前記高分子化合物であって、下記スルホニウム塩の繰り返し単位(b1)、(b2)のうち少なくとも1以上の繰り返し単位を有する高分子化合物をベース樹脂とするレジスト膜材料を用いて行うことが好ましい。
Figure 2013003167
(式中、R、R11は水素原子又はメチル基、R、R、R10、R12、R13、R14は同一又は異種の炭素数1〜12の直鎖状、分岐状又は環状のアルキル基であり、カルボニル基、エステル基又はエーテル基を含んでいてもよく、又は炭素数6〜12のアリール基、炭素数7〜20のアラルキル基又はチオフェニル基を表し、RとR、RとR10、RとR10がそれぞれ結合して環を形成していても良く、R12とR13、R12とR14、R13とR14がそれぞれ結合して環を形成していても良い。Yは単結合、メチレン基、エチレン基、フェニレン基、フッ素化されたフェニレン基、−O−R15−、又は−C(=O)−Z−R15−である。前記Zは酸素原子又はNH、前記R15は炭素数1〜6の直鎖状、分岐状若しくは環状のアルキレン基、アルケニレン基又はフェニレン基であり、カルボニル基、エステル基、エーテル基、ハロゲン原子又はヒドロキシ基を含んでいてもよい。)
このように酸発生剤のスルホン酸がベースポリマーの主鎖に結合している繰り返し単位を有する高分子化合物であれば、酸拡散距離を短くする効果を最大限に発揮でき、解像性が一層向上する。
さらに、前記フォトレジスト膜の露光は、電子ビーム、又は波長3〜15nmの範囲の軟X線を用いて行うことが好ましい。
このような光で露光することにより、高精度のパターンを形成することができる。
また、前記フォトレジスト膜の露光は電子ビームを用いて行い、かつ前記被加工基板としてマスクブランクを用いることが好ましい。
このような、光で比較的厚いマスクブランクを露光したとしても、本発明により短時間でPEBを行うことができ高精度のパターンを形成することができる。
以上説明したように、本発明のパターン形成方法であれば、波長600〜2000nmの範囲の光を吸収する下層膜を形成し、波長600〜2000nmの光を照射してPEBを行うことで、光を吸収する下層膜が発熱してフォトレジスト膜の加熱を短時間で行うことができ、短時間でPEBを行うことができる。これによってスループットの向上や、酸拡散距離を短くすることができることによる解像性の向上が達成できるパターン形成方法となる。また、本発明のパターン形成方法によれば、マスク基板のような厚い被加工基板上に形成されたフォトレジスト膜であっても短時間で加熱を行うことが可能であり、さらに、通常のレジスト膜材料を用いることができるためレジスト膜材料中に赤外線吸収剤を添加する場合のようなレジスト膜材料の変更による解像性の劣化も生じないパターン形成方法となる。
本発明のパターン形成方法を示すフロー図である。
以下、添付の図面を参照しながら本発明のパターン形成方法について詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
前述のように、ポストエクスポジュアーベーク(PEB)において短時間で効率的に加熱することのできるパターン形成方法の開発が望まれていた。
本発明者らは、上記課題を達成するため鋭意検討を重ねた結果、波長600〜2000nmの範囲の光を吸収する下層膜を形成し、波長600〜2000nmの光を照射することで、光を吸収する下層膜が発熱してフォトレジスト膜の加熱を短時間で行うことができ、マスク基板のような厚い被加工基板上に形成されたレジスト膜においても短時間でPEBを行うことができることを見出し、これによってスループットの向上や、酸拡散距離を短くすることができることによる解像性の向上が達成できることを見出して、本発明を完成させた。以下、本発明について詳細に説明する。
すなわち、本発明は、被加工基板上に波長600〜2000nmの範囲の光を吸収する下層膜を形成し、該下層膜上にフォトレジスト膜を形成し、該フォトレジスト膜を露光した後、波長600〜2000nmの光を照射して加熱することでポストエクスポジュアーベーク(PEB)を行い、その後現像によってパターンを形成することを特徴とするパターン形成方法である。従って、フォトレジスト膜自体には光吸収剤を添加する必要はない。
〔下層膜の形成(図1A)〕
本発明では、被加工基板10上に波長600〜2000nmの範囲の光を吸収する下層膜31を形成する。この際に、被加工基板10が被加工層20を有し、該被加工層20上に下層膜31を形成することもできる(図1A)。下層膜の厚さは5〜500nmの範囲が好ましく用いられる。
被加工基板上に下層膜材料をスピンコートによって成膜し、その後ベーク中の架橋により固化させて前記下層膜を形成することが好ましい。これにより、短時間で容易に下層膜を形成することができる。下層膜材料成膜(塗布)後のベーク温度は100〜350℃の範囲が好ましく用いられる。ベーク温度が高すぎると近赤外線吸収剤が分解してしまい、光照射による加熱の効率が下がる可能性がある。ベーク温度が低すぎると架橋反応が進行しないことによって、その上に珪素含有中間層を塗布したときにミキシングを起こす可能性がある。従って、近赤外線吸収剤が分解せずに且つ架橋反応が進行する温度範囲内に塗布後のベーク温度を設定することが好ましい。
下層膜塗布後のベークを近赤外、赤外線照射による加熱によって行うことができる。この場合、加熱が短時間で行われることにより赤外線吸収剤の熱分解を最小限に抑えることができる。しかしながら、短時間の溶媒の蒸発により突沸が起こり、下層膜にピンホール欠陥が生じないように行うことが好ましい。
本発明のパターン形成方法に用いられる波長600〜2000nmの範囲の光を吸収する下層膜として、シアニン系化合物、フタロシアニン系化合物、ジイモニウム塩系化合物、及びアミニウム塩系化合物(以下、近赤外、赤外線吸収剤ともいう。)のうち少なくとも一つを含む下層膜を形成することが好ましい。このような近赤外、赤外線吸収剤を含むことで波長600〜2000nmの範囲の光を一層吸収しやすい下層膜となるため、波長600〜2000nmの光を照射して加熱することで、より短時間でPEBを行うことができる。
これらの近赤外、赤外線吸収剤の中でも耐熱性と溶媒溶解性の観点からシアニン系化合物が最も好ましく用いられる。シアニン系化合物としては、具体的には特開2001−133969号中(0014)〜(0019)、特開2008−224926号(0021)〜(0034)、ジイモニウム系化合物およびアミニウム化合物としては特開2011−2552号記載の化合物、フタロシアニン系化合物としては、特開2008−224926号(0037)〜(0051)記載の化合物を用いることができる。
下層膜としては、特許4220361号、同4252872号、同4355943、同4388429号、同4466854号記載のフェノール系ベース樹脂と架橋剤、熱酸発生剤、溶媒と前述の近赤外、赤外線吸収剤を混合させたものを用いることができる。
近赤外、赤外線吸収剤の混合比率を高くすると近赤外、赤外線照射による発熱効率が高くなるが、下層膜をマスクにして被加工基板をエッチング加工するときのエッチング耐性が低下する。エッチング耐性と発熱効率とのバランスを取りながら近赤外、赤外線吸収剤の混合比率を最適化する必要があるが、好ましい近赤外、赤外線吸収剤の添加量はベース樹脂100質量部に対して5〜300質量部であり、好ましくは10〜200質量部である。
その他、本発明のパターン形成方法に用いられる下層膜材料には、有機溶剤、界面活性剤等のその他の成分を含有することができる。
また、下層膜材料に用いられる有機溶剤の具体例としては、特開2008−111103号公報の段落(0144)〜(0145)に記載のシクロヘキサノン、シクロペンタノン、メチル−2−n−アミルケトン、2−ヘプタノン等のケトン類、3−メトキシブタノール、3−メチル−3−メトキシブタノール、1−メトキシ−2−プロパノール、1−エトキシ−2−プロパノール等のアルコール類、プロピレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル等のエーテル類、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート、乳酸エチル、ピルビン酸エチル、酢酸ブチル、3−メトキシプロピオン酸メチル、3−エトキシプロピオン酸エチル、酢酸tert−ブチル、プロピオン酸tert−ブチル、プロピレングリコールモノtert−ブチルエーテルアセテート等のエステル類、γ−ブチロラクトン等のラクトン類及びその混合溶剤が挙げられる。
下層膜材料に用いられる界面活性剤の具体例としては特開2008−111103号公報の段落(0165)〜(0166)に記載のものが挙げられる。
なお、被加工基板10としては、シリコン基板、マスク基板が一般的に用いられる。また、被加工層20としては、SiO、SiN、SiON、SiOC、p−Si、α−Si、TiN、WSi、BPSG、SOG、Cr、CrO、CrON、MoSi、低誘電膜及びそのエッチングストッパー膜が挙げられる。
〔中間層の形成(図1B)〕
本発明では、前記下層膜31上に珪素原子を含有する中間層32を形成し、該中間層32上に前記フォトレジスト膜を形成することが好ましい。このように中間層を設けることで、3層レジスト法も行うことができる。
珪素原子を含有する中間層のベーク温度も下層膜内の近赤外、赤外線吸収剤の分解が生じない温度範囲内で行うことが好ましく、100〜300℃の範囲が好ましい。また、珪素原子を含有する中間層の膜厚としては2〜80nmの範囲が好ましく用いられる。
〔フォトレジスト膜の形成(図1C)〕
本発明では、下層膜31上にフォトレジスト膜33を形成する。また、中間層32を形成したときは、該中間層32上に前記フォトレジスト膜33を形成することができる。レジスト膜材料の塗布後、ベークを行いレジスト膜を作製する。レジスト膜材料塗布後のべーク温度は50〜150℃の範囲が好ましく用いられる。また、フォトレジスト膜の膜厚としては膜厚2〜500nmの範囲が好ましく用いられる。このほか、更にレジスト膜の上に帯電防止膜を作製することもできる。以下、本発明のパターン形成方法において用いることのできるレジスト膜材料について説明するが、本発明はこれに限られず、また一又は二以上のレジスト膜材料を合わせて用いることもできる。
本発明のパターン形成方法に用いられるレジスト膜材料としてはポジ型でもネガ型でも良いが、化学増幅型レジスト膜材料であることが好ましい。化学増幅型レジスト膜材料としては、露光によって酸を発生させる光酸発生剤を含有している化学増幅型レジスト膜材料、露光によって酸発生剤からスルホン酸、イミド酸、メチド酸から選ばれる1種以上の酸を発生させ、保護基の脱保護反応によって現像液への溶解性が変化する化学増幅型レジスト膜材料、または、ベースポリマーの主鎖に結合した酸発生剤から露光によってスルホン酸を発生させ、保護基の脱保護反応によって現像液への溶解性が変化する化学増幅型レジスト膜材料を用いて行うことが好ましい。このような化学増幅型レジスト膜材料を用いたフォトレジスト膜であれば、露光によって酸を発生じ、その後、PEBにおける短時間のフォトレジスト膜の加熱により酸触媒反応が進行するので、スループットや、解像性の向上が達成できる。
また、ポジ型レジスト膜材料とネガ型レジスト膜材料の中では、下記酸不安定基を有する繰り返し単位(a1)及び(a2)のうち少なくとも1以上の繰り返し単位を有し、重量平均分子量が1,000〜500,000の範囲であり、前記繰返し単位(a1)及び(a2)の共重合比率が0≦a1<1.0、0≦a2<1.0、かつ0.1≦a1+a2<1.0である高分子化合物をベース樹脂とするレジスト膜材料(ポジ型レジスト)を好ましく用いることができる。このような酸不安定基を有するレジスト膜材料を用いたフォトレジスト膜であれば、PEBにおける短時間のフォトレジスト膜の加熱により酸触媒反応が好ましく進行するので、スループットや、解像性の向上が達成できる。
Figure 2013003167
(式中、R、Rは水素原子又はメチル基、R、Rは酸不安定基を表す。Rは単結合、又は炭素数1〜6の直鎖状若しくは分岐状のアルキレン基であり、カルボニル基、エステル基又はエーテル基を含んでいてもよく、Rは水素原子、フッ素原子、トリフルオロメチル基、シアノ基、又は炭素数1〜6の直鎖状、分岐状若しくは環状のアルキル基であり、pは1又は2であり、qは0〜4の整数である。X1は単結合、エステル基、エーテル基若しくはラクトン環を有する炭素数1〜12の連結基、フェニレン基、又はナフチレン基である。X2は単結合、−C(=O)−O−、又は−C(=O)−NH−である。Arは水素原子がR、R及びORにより置換されたフェニル基又はナフチル基である。)
また、化学増幅型レジスト膜材料は、ベースポリマーに光酸発生剤を添加する形態とすることもできるが、本発明のパターン形成方法によって酸拡散距離を短くする効果を最大限に発揮させるには、酸発生剤のスルホン酸が主鎖に結合している構造のものを好ましく用いることができる。例えば、前記繰り返し単位(a1)及び(a2)のうち少なくとも1以上の繰り返し単位を有する高分子化合物であって、下記スルホニウム塩の繰り返し単位(b1)、(b2)のうち少なくとも1以上の繰り返し単位を有する高分子化合物をベース樹脂とするレジスト膜材料を用いることができる。
Figure 2013003167
(式中、R、R11は水素原子又はメチル基、R、R、R10、R12、R13、R14は同一又は異種の炭素数1〜12の直鎖状、分岐状又は環状のアルキル基であり、カルボニル基、エステル基又はエーテル基を含んでいてもよく、又は炭素数6〜12のアリール基、炭素数7〜20のアラルキル基又はチオフェニル基を表し、RとR、RとR10、RとR10がそれぞれ結合して環を形成していても良く、R12とR13、R12とR14、R13とR14がそれぞれ結合して環を形成していても良い。Yは単結合、メチレン基、エチレン基、フェニレン基、フッ素化されたフェニレン基、−O−R15−、又は−C(=O)−Z−R15−である。前記Zは酸素原子又はNH、前記R15は炭素数1〜6の直鎖状、分岐状若しくは環状のアルキレン基、アルケニレン基又はフェニレン基であり、カルボニル基、エステル基、エーテル基、ハロゲン原子又はヒドロキシ基を含んでいてもよい。)
以下、上記繰返し単位(a1)〜(b2)及びその他含めることのできる繰返し単位(c)及び(d)について例示する。上記繰り返し単位(a1)を得るためのモノマーとしては下記に示すメタクリレートあるいはアクリレートモノマーである。
Figure 2013003167
(R、R、Xは前述の通りである。)
前記繰り返し単位(a1)を得るためのモノマーは具体的には以下に示される。
Figure 2013003167
前記繰り返し単位(a2)を得るためのモノマーは具体的には以下に示される。
Figure 2013003167
Figure 2013003167
Figure 2013003167
上記繰返し単位(a1)、(a2)中、R、Rで示される酸不安定基は種々選定されるが、特開2011−039315号中の(0032)〜(0058)記載のものを用いることができる。
上記酸発生剤を有する繰返し単位(b1)を得るためのモノマーとしては、特開2011−039315号中の(0060)に、上記酸発生剤を有する繰返し単位(b2)を得るためのモノマーとしては同2011−039315号中の(0063)記載のモノマーを使うことができる。
具体的には酸発生剤を有する繰返し単位(b1)としては下記のものが挙げられる。
Figure 2013003167
具体的には酸発生剤を有する繰返し単位(b2)としては下記のものが挙げられる。
Figure 2013003167
上記酸不安定基を有する繰り返し単位(a1)、(a2)、酸発生剤を有する繰り返し単位(b1)、(b2)に加えてラクトン環、カーボネート基、チオカーボネート基、カルボニル基、環状アセタール基、直鎖エーテル基、分岐エーテル基、環状エーテル基、シアノ基、ヒドロキシ基、カルボキシル基、−O−C(=O)−G−、アジド基、スルホ基、スルホンアミド基から選ばれる密着性基を有する繰り返し単位(c)を共重合することができる(Gは硫黄原子、NHである。)。繰り返し単位(c)は具体的には下記に例示される。なお、フェノール性水酸基は、モノマーの段階では酸不安定基やアシル基で保護しておき、重合後に酸やアルカリ水溶液で脱保護してヒドロキシ基にしても良い。
Figure 2013003167
Figure 2013003167
Figure 2013003167
Figure 2013003167
Figure 2013003167
Figure 2013003167
Figure 2013003167
Figure 2013003167
Figure 2013003167
Figure 2013003167
Figure 2013003167
Figure 2013003167
更に、エッチング耐性を向上するために、レジスト膜材料のベース樹脂となる高分子化合物はスチレン、ビニルクリセン、ビニルナフタセン、ビニルペンタセン、ビニルアセナフテン、インデン、アセナフチレン、クマリン、クロモン、無水マレイン酸、マレイミド、ビニルカルバゾール等の繰り返し単位(d)を有することもできる。
本発明のパターン形成方法に用いられるレジスト膜材料のベース樹脂となる高分子化合物は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)によるポリスチレン換算重量平均分子量が1,000〜500,000、特に2,000〜30,000であることが好ましい。重量平均分子量が1,000以上であればレジスト材料現像後の熱架橋における架橋効率がよく、500,000以下であればアルカリ溶解性が低下し、パターン形成後に裾引き現象が生じにくくなる。
更に、本発明のパターン形成方法に用いられるレジスト膜材料のベース樹脂となる高分子化合物においては、分子量分布(Mw/Mn)が広い場合は低分子量や高分子量のポリマーが存在するために露光後、パターン上に異物が見られたり、パターンの形状が悪化したりするおそれがある。それ故、パターンルールが微細化するに従ってこのような分子量、分子量分布の影響が大きくなり易いことから、微細なパターン寸法に好適に用いられるレジスト膜材料を得るには、使用する多成分共重合体の分子量分布は1.0〜2.0、特に1.0〜1.5と狭分散であることが好ましい。また、高分子化合物の共重合比率や分子量分布や分子量が異なる2つ以上のポリマーをブレンドすることも可能である。
これら高分子化合物を合成するには、1つの方法としては繰り返し単位(a1)、(a2)、(b1)、(b2)、(c)、(d)を得るための不飽和結合を有するモノマーを有機溶剤中、ラジカル開始剤を加えて加熱重合を行う方法があり、これにより高分子化合物を得ることができる。重合時に使用する有機溶剤としては、トルエン、ベンゼン、テトラヒドロフラン、ジエチルエーテル、ジオキサン等が例示できる。重合開始剤としては、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル(AIBN)、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)、ジメチル2,2−アゾビス(2−メチルプロピオネート)、ベンゾイルパーオキシド、ラウロイルパーオキシド等が例示でき、好ましくは50〜80℃に加熱して重合できる。反応時間としては2〜100時間、好ましくは5〜20時間である。酸不安定基は、モノマーに導入されたものをそのまま用いてもよいし、重合後保護化あるいは部分保護化してもよい。
このようにして合成される高分子化合物の共重合比率としては、0≦a1<1.0、0≦a2<1.0、0.1<a1+a2<1.0、0≦b1<1.0、0≦b2<1.0、0<b1+b2<1.0、0<c<1.0、0≦d<1.0、かつa1+a2+b1+b2+c+d=1.0を満たすことが好ましく、0≦a1≦0.8、0≦a2≦0.8、0.1≦a1+a2≦0.8、0≦b1≦0.4、0≦b2≦0.4、0.01≦b1+b2≦0.4、0.1≦c≦0.8、0≦d≦0.5、かつa1+a2+b1+b2+c+d=1.0を満たすことがより好ましい。
その他、本発明のパターン形成方法に用いられるレジスト膜材料には、有機溶剤、高エネルギー線に感応して酸を発生する化合物(酸発生剤)、必要に応じて溶解制御剤、塩基性化合物、界面活性剤等のその他の成分を含有することができる。
本発明のパターン形成方法に用いられるレジスト膜材料は、特に化学増幅ポジ型レジスト膜材料として機能させるために繰返し単位(b1)又は(b2)を有する高分子化合物に結合した酸発生剤を用いることが好ましいが、ベースポリマーに結合した酸発生剤を含有していない場合は添加型の酸発生剤を含んでもよく、例えば活性光線又は放射線に感応して酸を発生する化合物(光酸発生剤)を含有してもよい。この場合、光酸発生剤の配合量はベース樹脂100質量部に対し0.5〜30質量部、特に1〜20質量部とすることが好ましい。光酸発生剤の成分としては、高エネルギー線照射により酸を発生する化合物であればいずれでも構わない。好適な光酸発生剤としてはスルホニウム塩、ヨードニウム塩、スルホニルジアゾメタン、N−スルホニルオキシイミド、オキシム−O−スルホネート型酸発生剤等がある。これらは単独であるいは2種以上混合して用いることができる。
酸発生剤の具体例としては、特開2008−111103号公報の段落(0122)〜(0142)に記載されている。上記酸発生剤を有する繰り返し単位(b1)、(b2)を有する高分子化合物の場合は、必ずしも酸発生剤は添加しなくてもよい。
レジスト膜材料に用いられる有機溶剤の具体例としては、特開2008−111103号公報の段落(0144)〜(0145)に記載のシクロヘキサノン、シクロペンタノン、メチル−2−n−アミルケトン、2−ヘプタノン等のケトン類、3−メトキシブタノール、3−メチル−3−メトキシブタノール、1−メトキシ−2−プロパノール、1−エトキシ−2−プロパノール等のアルコール類、プロピレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル等のエーテル類、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート、乳酸エチル、ピルビン酸エチル、酢酸ブチル、3−メトキシプロピオン酸メチル、3−エトキシプロピオン酸エチル、酢酸tert−ブチル、プロピオン酸tert−ブチル、プロピレングリコールモノtert−ブチルエーテルアセテート等のエステル類、γ−ブチロラクトン等のラクトン類及びその混合溶剤が挙げられる。
レジスト膜材料として用いられる塩基性化合物としては第一級、第二級、第三級の脂肪族アミン類、混成アミン類、芳香族アミン類、複素環アミン類、カルボキシ基を有する含窒素化合物、スルホニル基を有する含窒素化合物、水酸基を有する含窒素化合物、ヒドロキシフェニル基を有する含窒素化合物、アルコール性含窒素化合物、アミド誘導体、イミド誘導体等が挙げられる。
具体的には塩基性化合物としては、特開2008−111103号公報の段落(0146)〜(0164)、界面活性剤は段落(0165)〜(0166)、溶解制御剤としては特開2008−122932号公報の段落(0155)〜(0178)、アセチレンアルコール類は段落(0179)〜(0182)に記載されている材料を用いることができる。
〔露光(図1D)〕
本発明では、上記フォトレジスト膜33を露光(図中矢印)する。露光は、波長300nm以下の高エネルギー線、具体的にはKrF、ArF、EUV、EBを用いることができ、特に電子ビーム、又は波長3〜15nmの範囲の軟X線を用いて行うことがより好ましい。このような光で露光することにより、高精度のパターンを形成することができる。また、前記フォトレジスト膜の露光は電子ビームを用いて行い、かつ前記被加工基板としてマスクブランクを用いることが好ましい。このような、光で厚いマスクブランクを露光したとしても、短時間でPEBを行うことができ高精度のパターンを形成することができる。
〔ポストエクスポジュアーベーク(図1E)〕
本発明では、波長600〜2000nmの光を照射(図中矢印)して加熱することでポストエクスポジュアーベーク(PEB)を行う。この光照射は400nm以下の波長を含まないことが好ましい。400nm以下の波長を含んでいるとレジストが感光して現像後にレジスト膜が溶解する可能性がある。そのため400nm以下の波長をカットするために、フィルターを用いたり、ガラス板をランプの出口に装着したりすることができる。
光照射はレーザーやランプによって行うことができ、広い面積を一括で照射できるランプを好ましく用いることができる。特に、ポストエクスポジュアーベークは、キセノンランプ、ハロゲンランプを用いて波長600〜2000nmの光を照射して加熱することが好ましい。このような光源を用いることで、波長600〜2000nmの範囲の光を効率よく発生させることができる。このPEBで、フォトレジストのみならず下層膜にも600〜2000nmの光が照射されることになる。
ランプの出力は10W〜10000Wの範囲が好ましく、10000W以下の出力であれば適度な昇温速度で制御することができ、10W以上の出力であれば光照射により十分に加熱ができる。照射時間は0.01〜100秒の範囲である。照射時間が短いほど酸拡散距離を短くできるが照射エネルギーの均一性が低下する。照射する方向は、レジスト膜の方向からでも基板面方向からでも良い。
ランプ照射時のフォトレジスト膜表面を放射温度計によって測定し、ランプ照射エネルギーや照射時間を調整することもできる。ランプは長時間使用すると照度が低下してきたり、放射開口面への付着物によって光強度が低下したりするので、光照射時のベーク温度が低下する。ベーク温度を均一に保つために、放射温度計によってフォトレジスト膜表面を常にモニターしてランプ照射エネルギーや照射時間を調整することが好ましい。
このように波長600〜2000nmの範囲の光を吸収する下層膜を形成し、波長600〜2000nmの光を照射することで、光を吸収する下層膜が発熱することによりフォトレジスト膜の加熱を短時間で行うことができ、PEBを行うことができる。これによってスループットの向上や、酸拡散距離を短くすることができることによる解像性の向上が達成できるパターン形成方法となる。さらに、フォトレジストとしては、赤外線吸収剤などの添加がされていない通常のレジストを用いることができるため解像性の劣化がない。また、本発明のパターン形成方法によれば、マスク基板のような厚い被加工基板上に形成されたフォトレジスト膜であっても短時間で加熱を行うことができる。
〔現像(図1F)〕
最後に、本発明では、現像によってパターンを形成する。例えば、0.1〜5質量%、好ましくは2〜3質量%テトラメチルアンモニウムヒドロキシド(TMAH)等のアルカリ水溶液、あるいは有機溶剤の現像液を用い、0.1〜3分間、好ましくは0.5〜2分間、浸漬(dip)法、パドル(puddle)法、スプレー(spray)法等の常法により現像することにより被加工基板上に目的のパターンが形成される。
〔エッチング転写(図1G〜I)〕
また、本発明は現像後、フォトレジスト膜33のパターンをマスクにして中間層32をエッチングし、中間層32をマスクにして下層膜31をエッチングし、下層膜31をマスクにして被加工層20をエッチングすることで、フォトレジストのパターンを被加工基板に転写する3層レジスト法とすることができる。
以下、実施例及び比較例を示して本発明を具体的に説明するが、本発明は下記実施例等に制限されるものではない。なお、重量平均分子量(Mw)、分散度(Mw/Mn)はゲルパーミエーションクロマトグラフ(GPC)の測定によりポリスチレン換算重量平均分子量を求め、高分子化合物の組成はH−NMRの測定によって求めた。
〔レジスト膜材料の組成〕
以下に示されるレジストポリマー(レジストポリマー1〜5)、クエンチャー、住友3M製界面活性剤;FC−4430、有機溶剤;PGMEA(プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート)及びCyH(シクロヘキサノン)を表1の組成で混合し、0.2μmのテフロン(登録商標)フィルターで濾過したレジスト膜材料1〜5及び比較レジスト膜材料1を調製した。ここで、比較レジスト膜材料1のみダイを含むものとした。
Figure 2013003167
Figure 2013003167
Figure 2013003167
〔下層膜材料の組成〕
以下に示される下層膜ポリマー(下層膜ポリマー1〜3)、熱酸発生剤1、架橋剤1、ダイ化合物(シアニンダイ1、ジイモニウム塩ダイ1、フタロシアニンダイ1、アミニウム塩ダイ1)、住友3M製界面活性剤;FC−4430、有機溶剤;シクロペンタノン及びγブチロラクトンを表2の組成で混合し、0.2μmのテフロン(登録商標)フィルターで濾過した下層膜材料1〜6及び比較下層膜材料1を調製した。ここで、比較下層膜材料1のみダイを含まず、波長600〜2000nmの光を吸収しないものであった。また、下層膜材料1〜6はそれぞれダイを含み波長600〜2000nmの光を吸収するものであった。
Figure 2013003167
Figure 2013003167
〔パターン形成(実施例1〜7、比較例1〜3)〕
表2に示した各下層膜材料を、スパッタリングによって厚み30nmのCr膜が形成された6025石英マスク基板に塗布し、200℃で300秒間ベークし、厚さ150nmの下層膜を作製した。その上に信越化学社製珪素含有中間層材料SHB−A940L35を塗布し、200℃で300秒間ベークして厚さ35nmの珪素含有中間層を形成した。
次に、表1に示したポジ型のレジスト膜材料を上記石英マスク基板上にスピンコートし、ホットプレート上で110℃、300秒間プリベークして100nmのフォトレジスト膜を作製した。これに、(株)日立製作所製HL−800Dを用いてHV電圧50keVで真空チャンバー内で電子ビーム(EB)にて露光し、パターンを描画した。
露光後、400Wのキセノンランプを用いて波長600〜2000nmの光を、フォトレジスト膜の上方から表3に記載する時間照射してポストエクスポージャベーク(PEB)を行った。その後、2.38質量%のTMAH水溶液で30秒間パドル現像を行い、ポジ型のパターンを得た。なお、比較例3では描画後光照射を行わずに、90℃で300秒間ベークを行った。
得られたレジストパターンについて、120nmのラインアンドスペースを1:1で解像する露光量における、最小の寸法を解像度とした。レジスト膜材料、下層膜材料、波長600〜2000nmの光の照射時間、電子ビーム露光における感度、解像度の結果を表3に示す。
Figure 2013003167
以上より、波長600〜2000nmの光を吸収するレジスト膜材料と吸収しない下層膜材料を用いた比較例1及び比較例2では、波長600〜2000nmの光を照射してPEBをおこなっても解像度が悪いことが分かる。特に、比較例1に示されるように、波長600〜2000nmの光の照射時間が短いと感度が悪く解像度が最も悪くなり、比較例2に示されるように、照射時間を長くすると感度は改善するが、照射時間延長に伴いスループットの低下や、酸拡散距離が長くなることに由来する解像性の悪化が生じることが示された。一方で、本発明のパターン形成方法であれば、波長600〜2000nmの光の照射時間が短くとも、感度、解像度ともに良好となることが示された。
以上説明したように、本発明のパターン形成方法であれば、波長600〜2000nmの範囲の光を吸収する下層膜を形成し、波長600〜2000nmの光を照射して加熱することで、マスク基板のような厚い被加工基板上に形成されたレジスト膜においても短時間でPEBを行うことができ、これによってスループットの向上や、酸拡散距離を短くすることができることによる解像性の向上が達成できるパターン形成方法となることが示された。さらに、レジストとしては、通常のレジストを用いることができるため解像性の劣化がない。
なお、本発明は、上記実施形態に限定されるものではない。上記実施形態は例示であり、本発明の特許請求の範囲に記載された技術的思想と実質的に同一な構成を有し、同様な作用効果を奏するものは、いかなるものであっても本発明の技術的範囲に包含される。
10…被加工基板、
20…被加工層、
31…下層膜、
32…中間層
33…フォトレジスト膜。

Claims (12)

  1. 被加工基板上に波長600〜2000nmの範囲の光を吸収する下層膜を形成し、該下層膜上にフォトレジスト膜を形成し、該フォトレジスト膜を露光した後、波長600〜2000nmの光を照射して加熱することでポストエクスポジュアーベーク(PEB)を行い、その後現像によってパターンを形成することを特徴とするパターン形成方法。
  2. 前記下層膜として、シアニン系化合物、フタロシアニン系化合物、ジイモニウム塩系化合物、及びアミニウム塩系化合物のうち少なくとも一つを含む下層膜を形成することを特徴とする請求項1に記載のパターン形成方法。
  3. 前記被加工基板上に下層膜材料をスピンコートによって成膜し、その後ベーク中の架橋により固化させて前記下層膜を形成することを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のパターン形成方法。
  4. 前記ポストエクスポジュアーベークは、キセノンランプ、ハロゲンランプを用いて前記波長600〜2000nmの光を照射して加熱することで行うことを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載のパターン形成方法。
  5. 前記下層膜上に珪素原子を含有する中間層を形成し、該中間層上に前記フォトレジスト膜を形成することを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれか1項に記載のパターン形成方法。
  6. 前記フォトレジスト膜の形成は、露光によって酸を発生させる光酸発生剤を含有している化学増幅型レジスト膜材料を用いて行うことを特徴とする請求項1乃至請求項5のいずれか1項に記載のパターン形成方法。
  7. 前記フォトレジスト膜の形成は、露光によって酸発生剤からスルホン酸、イミド酸、メチド酸から選ばれる1種以上の酸を発生させ、保護基の脱保護反応によって現像液への溶解性が変化する化学増幅型レジスト膜材料を用いて行うことを特徴とする請求項1乃至請求項6のいずれか1項に記載パターン形成方法。
  8. 前記フォトレジスト膜の形成は、ベースポリマーの主鎖に結合した酸発生剤から露光によってスルホン酸を発生させ、保護基の脱保護反応によって現像液への溶解性が変化する化学増幅型レジスト膜材料を用いて行うことを特徴とする請求項1乃至請求項7のいずれか1項に記載パターン形成方法。
  9. 前記フォトレジスト膜の形成は、下記酸不安定基を有する繰り返し単位(a1)及び(a2)のうち少なくとも1以上の繰り返し単位を有し、重量平均分子量が1,000〜500,000の範囲であり、前記繰返し単位(a1)及び(a2)の共重合比率が0≦a1<1.0、0≦a2<1.0、かつ0.1≦a1+a2<1.0である高分子化合物をベース樹脂とするレジスト膜材料を用いて行うことを特徴とする請求項1乃至請求項8のいずれか1項に記載パターン形成方法。
    Figure 2013003167
    (式中、R、Rは水素原子又はメチル基、R、Rは酸不安定基を表す。Rは単結合、又は炭素数1〜6の直鎖状若しくは分岐状のアルキレン基であり、カルボニル基、エステル基又はエーテル基を含んでいてもよく、Rは水素原子、フッ素原子、トリフルオロメチル基、シアノ基、又は炭素数1〜6の直鎖状、分岐状若しくは環状のアルキル基であり、pは1又は2であり、qは0〜4の整数である。Xは単結合、エステル基、エーテル基若しくはラクトン環を有する炭素数1〜12の連結基、フェニレン基、又はナフチレン基である。Xは単結合、−C(=O)−O−、又は−C(=O)−NH−である。Arは水素原子がR、R及びORにより置換されたフェニル基又はナフチル基である。)
  10. 前記フォトレジスト膜の形成は、前記高分子化合物であって、下記スルホニウム塩の繰り返し単位(b1)、(b2)のうち少なくとも1以上の繰り返し単位を有する高分子化合物をベース樹脂とするレジスト膜材料を用いて行うことを特徴とする請求項9に記載のパターン形成方法。
    Figure 2013003167
    (式中、R、R11は水素原子又はメチル基、R、R、R10、R12、R13、R14は同一又は異種の炭素数1〜12の直鎖状、分岐状又は環状のアルキル基であり、カルボニル基、エステル基又はエーテル基を含んでいてもよく、又は炭素数6〜12のアリール基、炭素数7〜20のアラルキル基又はチオフェニル基を表し、RとR、RとR10、RとR10がそれぞれ結合して環を形成していても良く、R12とR13、R12とR14、R13とR14がそれぞれ結合して環を形成していても良い。Yは単結合、メチレン基、エチレン基、フェニレン基、フッ素化されたフェニレン基、−O−R15−、又は−C(=O)−Z−R15−である。前記Zは酸素原子又はNH、前記R15は炭素数1〜6の直鎖状、分岐状若しくは環状のアルキレン基、アルケニレン基又はフェニレン基であり、カルボニル基、エステル基、エーテル基、ハロゲン原子又はヒドロキシ基を含んでいてもよい。)
  11. 前記フォトレジスト膜の露光は、電子ビーム、又は波長3〜15nmの範囲の軟X線を用いて行うことを特徴とする請求項1乃至請求項10のいずれか1項に記載のパターン形成方法。
  12. 前記フォトレジスト膜の露光は電子ビームを用いて行い、かつ前記被加工基板としてマスクブランクを用いることを特徴とする請求項11に記載のパターン形成方法。
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