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JP2012221855A - 非水電解質電池用正極活物質、非水電解質電池用正極および非水電解質電池、ならびに非水電解質電池を用いた電池パック、電子機器、電動車両、蓄電装置および電力システム - Google Patents

非水電解質電池用正極活物質、非水電解質電池用正極および非水電解質電池、ならびに非水電解質電池を用いた電池パック、電子機器、電動車両、蓄電装置および電力システム Download PDF

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JP2012221855A JP2011088662A JP2011088662A JP2012221855A JP 2012221855 A JP2012221855 A JP 2012221855A JP 2011088662 A JP2011088662 A JP 2011088662A JP 2011088662 A JP2011088662 A JP 2011088662A JP 2012221855 A JP2012221855 A JP 2012221855A
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JP2011088662A
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Yuudai Oyama
有代 大山
Yoshikazu Kato
良和 加藤
Akiteru Yanagihara
明日輝 柳原
Kokuka Ri
国華 李
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Sony Corp
Original Assignee
Sony Corp
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Abstract

【課題】 高い電池容量を実現し、電池内部におけるガス発生を抑制する。
【解決手段】 コバルト(Co)およびニッケル(Ni)を含むリチウム複合酸化物粒子の一次粒子、もしくは表面の少なくとも一部が電子導電性物質にて被覆されたコバルト(Co)およびニッケル(Ni)を含むリチウム複合酸化物粒子の一次粒子が凝集した二次粒子を含み、レーザー回折・散乱法によって測定された体積基準の50%平均粒径が10μm以上30μm以下であり、かつ個数基準の10%平均粒径が3μm以下、個数基準の50%平均粒径が6μm以下および個数基準の90%平均粒径が13μm以上20μm以下となるように調整する。
【選択図】図3

Description

本技術は、非水電解質電池用正極活物質、非水電解質電池用正極および非水電解質電池、ならびに非水電解質電池を用いた電池パック、電子機器、電動車両、蓄電装置および電力システムに関する。
近年、ビデオカメラやノート型パソコン等のポータブル機器の普及に伴い、小型高容量の二次電池に対する需要が高まっている。二次電池のほとんどはアルカリ電解液を用いたニッケル−カドミウム電池、ニッケル−水素電池であるが、電池電圧が約1.2Vと低く、エネルギー密度の向上は困難である。そのため、比重が0.534と固体の単体中最も軽いうえ、電位が極めて卑であり、単位重量当たりの電流容量も金属負極材料中最大であるリチウム金属を使用するリチウム二次電池が検討された。
しかし、リチウム金属を負極に使用する二次電池では、充電時に負極の表面に樹枝状のリチウム(デンドライト)が析出し、充放電サイクルによってこれが成長する。このデンドライトの成長は、二次電池のサイクル特性を劣化させるばかりではなく、最悪の場合には正極と負極とが接触しないように配置された隔膜であるセパレータを突き破って、正極と負極とが電気的に短絡してしまう。
そこで、例えば、コークス等の炭素材料を負極とし、アルカリ金属イオンをドーピング、脱ドーピングすることにより充放電を繰り返す二次電池が提案された。これによって、上述したような充放電の繰り返しにおける負極の劣化問題を回避できることが分かった。
一方、正極活物質としては高電位を示す活物質の探索、開発によって、電池電圧が4V前後を示すものが現れ、注目を浴びている。それらの正極活物質としては、アルカリ金属を含む遷移金属酸化物や遷移金属カルコゲン等の無機化合物が知られている。なかでも、コバルト酸リチウム(LiXCoO2(0<x≦1.0))、ニッケル酸リチウム(LiXNiO2(0<x≦1.0))等が、高電位、安定性、長寿命という点から最も有望である。このなかでも、特に、ニッケル酸リチウム(LiNiO2)を主体とする正極活物質は、比較的に高い電位を示す正極活物質であり、放電容量が高く、エネルギー密度を高めることが期待される。
コバルト酸リチウムを主体とする複合酸化物は、コバルト(Co)が資源的に不安定であり、高価であるという点で好ましくない。ニッケル酸リチウムを主体とする複合酸化物は、コバルト酸リチウムを主体とする複合酸化物に比較してコバルトの含有量が少なく、経済性が高い。さらに、ニッケル酸リチウムを主体とする複合酸化物は、コバルト酸リチウムを主体とする複合酸化物に比較して電流容量が大きいという利点があり、その利点をより増大させることが望まれる。
一方、ニッケル酸リチウムを主体とする複合酸化物を正極活物質として用いた二次電池においては、内部でのガス発生に伴う内圧上昇、ならびに、ラミネートフィルムを外装材として用いた電池において膨れが発生し易い課題があり、この課題を解決することが要望されている。
このような課題を解決するための手法として、特許文献1および特許文献2においては、活物質を水洗することにより正極活物質の不純物を取り除くことが提案されている。また特許文献3においてはニッケル酸リチウムを主体とするリチウム遷移金属複合酸化物からなる正極活物質にLiCoO2を被覆し、ガス発生量を防ぐ試みがなされている。
特開平6−111820号公報 特開平6−215800号公報 特表2004−533104号公報
しかしながら、上述の特許文献1および特許文献2においては、ニッケルを主体とするリチウム遷移金属複合酸化物からなる正極活物質を水洗浄することにより、容易に活物質中のLiイオンと水中のHイオンが置き換わるという問題が生じる。LiイオンとHイオンが置換されることにより、水洗後に再焼成を行っても、活物質中のLiイオンが減少しているため容量が低下してしまう。また、300℃以下の比較的低温で乾燥した場合には、活物質中にHイオンが残るため、電池内でHイオンに起因するガスの発生量が非常に多くなる。
さらに、容量の減少を補正するために水洗後にLi塩を添加して乾燥・焼成した場合、Liイオンは十分に正極活物質中に拡散することが出来ず、表面近傍に留まる。十分に反応しきれないLi塩は空気中の炭酸ガスを吸収して炭酸リチウムとなり、やはり電池内で分解することでガス発生してしまう。
また、特許文献3において、XRD(X-Ray Diffraction Spectroscopy;粉末X線回折)の非対称ピークによってリチウム遷移金属複合酸化物である正極活物質粒子の表面層にCoが被覆あるいは傾斜固溶していることを実験的証拠として挙げているが、これは直接的な証拠とはなりえない。さらに、特許文献3では基材活物質の焼成温度が高く、被覆後焼成でCoの粒子内への適切な拡散が進行せず、粒子への均一な被覆および傾斜固溶が困難であると考えられる。このため、例えば被覆材であるLiCoO2の微粒子等が活物質中に残存する可能性が考えられ、活物質として望ましくない。
このようにガス発生が問題となるLiNiO2を主体とする正極活物質において、活物質表面を不活性化する検討は多数なされているが、実際の電池製造工程では正極活物質に結着剤と導電剤を加えたスラリーを作り、これを金属箔に塗布した後、プレスを行う。この際、一次粒子が凝集して二次粒子が形成された正極活物質では、プレスにより二次粒子が割れたり、二次粒子から一次粒子が脱離するという問題が生じる。このため、上述の引用文献のように表面を不活性化した正極活物質を用いた場合であっても、表面改質効果が十分に発揮されなくなることがあった。
本技術は、上述の問題点を解消し、電池の高容量化およびさらなるガス発生の抑制を実現しようとするものであり、高容量化とガス発生の抑制とを同時に資する非水電解質電池用正極活物質、非水電解質電池用正極および非水電解質電池、ならびに非水電解質電池を用いた電池パック、電子機器、電動車両、蓄電装置および電力システムを提供することを目的とする。
上述の問題を解決するために、本技術の非水電解質電池用正極活物質は、平均組成が(化1)で示されるリチウム複合酸化物粒子の一次粒子、もしくは平均組成が(化2)で示される表面の少なくとも一部が電子導電性物質にて被覆されたリチウム複合酸化物粒子の一次粒子が凝集した二次粒子を含み、
レーザー回折・散乱法によって測定された体積基準の50%平均粒径が10μm以上30μm以下であり、かつ個数基準の10%平均粒径が3μm以下、個数基準の50%平均粒径が6μm以下および個数基準の90%平均粒径が13μm以上20μm以下であることを特徴とする。
(化1)
LixCoyNiz1-y-zb-aa
(式中、Mは、ホウ素(B)、マグネシウム(Mg)、アルミニウム(Al)、ケイ素(Si)、リン(P)、硫黄(S)、チタン(Ti)、クロム(Cr)、マンガン(Mn)、鉄(Fe)、銅(Cu)、亜鉛(Zn)、ガリウム(Ga)、ゲルマニウム(Ge)、イットリウム(Y)、ジルコニウム(Zr)、モリブデン(Mo)、銀(Ag)、バリウム(Ba)、タングステン(W)、インジウム(In)、ストロンチウム(Sr)、スズ(Sn)、鉛(Pb)およびアンチモン(Sb)からなる群から選択される1種または2種以上の元素である。Xは、ハロゲン元素である。x、y、z、aおよびbはそれぞれ0.8<x≦1.2、0<y≦0.5、0.2≦z≦1.0、0.2<y+z≦1.0、1.8≦b≦2.2、0≦a≦1.0の範囲内の値である。)
(化2)
LisM11-tM2tPO4
(式中、M1は、鉄(Fe)、マンガン(Mn)、コバルト(Co)、ニッケル(Ni)、銅(Cu)、亜鉛(Zn)、マグネシウム(Mg)からなる群から選択される1種または2種以上の元素である。M2は、2族〜15族から選ばれる元素のうちM1を除く1種または2種以上の元素である。s、tはそれぞれ0≦s≦1.2、0≦t≦1.0の範囲内の値である。)
また、本技術の非水電解質電池用正極は、正極集電体の少なくとも一方の面に、正極活物質を含む正極活物質層が設けられ、
正極活物質が、
平均組成が(化1)で示されるリチウム複合酸化物粒子の一次粒子、もしくは平均組成が(化2)で示される表面の少なくとも一部が電子導電性物質にて被覆されたリチウム複合酸化物粒子の一次粒子が凝集した二次粒子を含み、
レーザー回折・散乱法によって測定された体積基準の50%平均粒径が10μm以上30μm以下であり、かつ個数基準の10%平均粒径が3μm以下、個数基準の50%平均粒径が6μm以下および個数基準の90%平均粒径が13μm以上20μm以下であることを特徴とする。
さらに、本技術の非水電解質電池は、正極集電体の少なくとも一方の面に、正極活物質を含む正極活物質層が設けられた正極と、
負極と、
非水電解質と、
セパレータと
を備え、
正極活物質が、
平均組成が(化1)で示されるリチウム複合酸化物粒子の一次粒子、もしくは平均組成が(化2)で示される表面の少なくとも一部が電子導電性物質にて被覆されたリチウム複合酸化物粒子の一次粒子が凝集した二次粒子を含み、
レーザー回折・散乱法によって測定された体積基準の50%平均粒径が10μm以上30μm以下であり、かつ個数基準の10%平均粒径が3μm以下、個数基準の50%平均粒径が6μm以下および個数基準の90%平均粒径が13μm以上20μm以下であることを特徴とする。
さらに、本技術の電池パック、電子機器、電動車両、蓄電装置および電力システムは、上述の非水電解質電池を備えることを特徴とする。
本技術では、正極活物質の体積基準の50%平均粒径と、個数基準の10%平均粒径、50%平均粒径および90%平均粒径とを調整することにより、正極活物質の充填性を向上させ、活性の高い正極活物質と、非水電解質との接触面積を減少させることができる。また、充填性の向上により、正極活物質層をプレスすることによる正極活物質の損傷を抑制することができる。
本技術は、高い放電容量を得ることができるとともに、電池内部におけるガス発生を抑制することができる。
本技術の第2の実施の形態にかかる非水電解質電池の構成を示す断面図である。 図1に示す非水電解質電池における巻回電極体の一部を拡大して示す断面図である。 本技術の第3の実施の形態にかかる非水電解質電池の構成を示す分解斜視図である。 図3に示す巻回電極体のI−I線に沿った断面構成を表す断面図である。 本技術の実施の形態による電池パックの構成例を示すブロック図である。 本技術の非水電解質電池を用いた住宅用の蓄電システムに適用した例を示す概略図である。 本技術が適用されるシリーズハイブリッドシステムを採用するハイブリッド車両の構成の一例を概略的に示す概略図である。 本技術の実施例および比較例において形成された球状および非球状の正極活物質のSEM(Scanning Electron Microscope)写真である。 本技術の実施例1および比較例1において形成された正極活物質および、ホースフィールドの充填模型の理論にしたがった仮想粒子の体積基準粒度分布および個数基準粒度分布を示すグラフである。 本技術の実施例1および比較例1において形成された正極活物質層の細孔分布を示すグラフである。
以下、本技術の実施の形態について図面を参照して説明する。なお、説明は、以下の順序で行う。
1.第1の実施の形態(非水電解質電池用正極活物質の構成例)
2.第2の実施の形態(本技術の正極活物質を用いた円筒型非水電解質電池の例)
3.第3の実施の形態(本技術の正極活物質を用いたラミネートフィルム型非水電解質電池の例)
4.第4の実施の形態(非水電解質電池を用いた電池パックの例)
5.第5の実施の形態(非水電解質電池を用いた蓄電システム等の例)
1.第1の実施の形態
第1の実施の形態では、非水電解質電池用正極活物質(以下、正極活物質と適宜称する)の構成および製造方法について説明する。
(1−1)正極活物質の構成
第1の実施の形態は、非水電解質電池に用いる正極活物質である。本技術においては、ニッケル酸リチウムを主体とする複合酸化物を正極活物質に用いた電池において、内部でのガス発生を低減させたものである。ニッケル酸リチウムを主体とする複合酸化物を正極活物質に用いた電池におけるガス発生は、充電状態において正極活物質が強い酸化力を有し、正極活物質と接触する非水電解質が酸化され、炭酸ガスあるいは一酸化炭素を生成することが原因であることが通説となっている。
そこで、本技術においては、正極活物質の粒度分布を調整することにより、充填性の高い正極活物質層を形成可能とする正極活物質を得た。正極活物質の充填性が高い正極活物質層を形成することにより、強い酸化力を有する正極活物質と、非水電解質との接触面積を減少させ、非水電解質の分解を抑制することができる。特に、表面に不活性化処理を施した正極活物質を用いる場合には、正極活物質の割れが生じやすくなる。粒子の充填性を向上させることにより、プレスによる正極活物質粒子の破損が少なくなり、活性表面の露出を抑制することができるため、非水電解質の分解をさらに抑制することができる。
このような最適な粒度分布になるような考え方として、最密充填理論で有名なホースフィールド(Horsfield)の充填模型がある。これは、六方最密充填された一次球の間隙をちょうど満たすように小粒子を順次充填していくとき、最も密になる粒径比と、その個数比を求めたものである。粉末が球形でない場合は粒子の形状や摩擦を良く考慮する必要がある。本技術の正極活物質は、一次粒子および一次粒子が凝集した二次粒子のいずれでも構わないが、本技術で扱うのは主として二次粒子化した球状粉であり、ホースフィールドの理論に良くマッチする。本技術の正極活物質は、二次粒子とともに、二次粒子化しきれなかった一次粒子も含むことがある。また、本技術の正極活物質は、一次粒子のみで構成されていてもよい。
なお、ここでいう球形とは、粒子の長辺と短辺との長さの比が1.2以下であることをいう。
実際の正極活物質はほぼ連続した粒度分布を持っており、かつ、粒子表面は平滑でないため充填時に摩擦力も発生する。さらに、正極活物質を含むスラリーである電極合剤の作製工程および電極合剤の塗布工程においても最適な粒度分布が求められる。
例えば、大粒子に比べて小粒子が少なすぎる場合、大粒子の間隙を埋める小粒子が不足するため最大充填率は大きくならず、非水電解質との反応面積が増大する。一方、大粒子に比べて小粒子が多すぎると、粒子間の摩擦抵抗が大きくなり、やはり充填率は大きくならない。こうしたことから大粒子と小粒子との割合には最適値があり、この最適な粒度分布を持つ正極活物質を用いた正極が最も高い体積密度を備える。
本技術の正極活物質は、レーザー回折・散乱法によって測定された体積基準の50%平均粒径(D50)が10μm以上30μm以下であり、かつ個数基準の10%平均粒径(D10)が3μm以下、個数基準の50%平均粒径(D50)が6μm以下および個数基準の90%平均粒径(D90)が13μm以上20μm以下である。
上記平均粒径は、一次粒子の平均粒径、もしくは一次粒子が二次粒子化されている場合には、二次粒子の平均粒径を示す。
従来、正極活物質の平均粒径は体積基準で示されることが多かった。体積基準の平均粒径では、粒径の小さい粒子の存在が粒度分布に現れにくく、詳細な粒度分布の調整が困難であった。本技術では、体積基準の50%平均粒径とともに、個数基準の10%平均粒径、50%平均粒径、90%平均粒径をそれぞれ規定しているため、粒径の小さい粒子の存在が明確になる。そして、各基準を満たす粒度分布の粒子が混合された正極活物質を用いることにより、充填性の向上に寄与する。
また、本技術の正極活物質は、上述の体積基準の平均粒径および個数基準の平均粒径のそれぞれの条件を満たすとともに、遷移金属として少なくともニッケル(Ni)およびコバルト(Co)が固溶されたリチウム複合酸化物粒子であり、平均組成が下記の化1で示される。
(化1)
LixCoyNiz1-y-zb-aa
(式中、Mは、ホウ素(B)、マグネシウム(Mg)、アルミニウム(Al)、ケイ素(Si)、リン(P)、硫黄(S)、チタン(Ti)、クロム(Cr)、マンガン(Mn)、鉄(Fe)、銅(Cu)、亜鉛(Zn)、ガリウム(Ga)、ゲルマニウム(Ge)、イットリウム(Y)、ジルコニウム(Zr)、モリブデン(Mo)、銀(Ag)、バリウム(Ba)、タングステン(W)、インジウム(In)、ストロンチウム(Sr)、スズ(Sn)、鉛(Pb)およびアンチモン(Sb)からなる群から選択される1種または2種以上の元素である。Xは、ハロゲン元素である。x、y、z、aおよびbはそれぞれ0.8<x≦1.2、0<y≦0.5、0.2≦z≦1.0、0.2<y+z≦1.0、1.8≦b≦2.2、0≦a≦1.0の範囲内の値である。)
平均組成が化1で示される本技術の正極活物質は、xの範囲が0.8<x≦1.2であり、好ましくは0.95≦x≦1.07である。この範囲外にxの値が小さくなると、放電容量が減少してしまい、この範囲外にxの値が大きくなると、正極活物質の結晶構造の安定性が低下し、充放電サイクルが進んだ際の容量低下と、安全性の低下の原因となる。
yの範囲は、0<y≦0.5であり、好ましくは0.15<y<0.3であり、さらに好ましくは0.15<y<0.25である。この範囲外にyの値が小さくなると、充放電効率が低下し、充放電サイクルが進んだ際の容量低下と、安全性の低下の原因となり、この範囲外にyの値が大きくなると、放電容量が減少してしまい、本技術の本来の目的を達することができない。
zの範囲は、0.2<z≦1.0であり、0.5<z<0.95が好ましく、さらに好ましくは0.75≦z≦0.9である。この範囲外にzの値が小さくなると、電池容量が減少して本来の目的を達成できない。また、この範囲外に値が大きくなると、充放電サイクルが進んだ際の容量低下と、安全性の低下の原因となり、また、ガス発生量が多くなってしまう。
なお、上述の正極活物質は、一次粒子が凝集した二次粒子を形成していることが好ましい。正極活物質が平均粒径の小さい一次粒子からなることにより、正極活物質表面におけるリチウムイオンの拡散速度が向上し、電池特性が向上する。また、正極活物質が平均粒径の小さい一次粒子が凝集した二次粒子からなることにより、電極作製時に粒子同士をつなぐ結着剤の混合量を減少させることができる。このため、電池反応に寄与しない材料の混合量が少なくすることができ、放電容量の低下を防止する。また、低導電性もしくは絶縁性を有する材料の混合量が少ないため、導電性の低下を抑制することができる。
また、プレスによる正極活物質の損傷は、リチウム複合酸化物の一次粒子が凝集した二次粒子で生じる問題である。このため、二次粒子化された正極活物質において、本技術の体積基準の平均粒径および個数基準の平均粒径のそれぞれを満たすことにより、より高い効果を得ることができる。
ここで、正極活物質が一次粒子が凝集した二次粒子の状態である場合、正極活物質の平均組成である化1は、正極活物質全体としての組成を示す。
また、上述の化1で示される本技術の正極活物質は、表面を不活性化させるために、リチウム複合酸化物粒子表面が例えば金属元素(M’)で被覆されたものであることが好ましい。なお、金属元素被覆による表面改質がなされた正極活物質は、表面の金属元素(M’)と、中心部のリチウム複合酸化物とが固溶して、粒子の表面から中心部にかけて金属元素(M’)の濃度が傾斜した粒子構成となる。なお、表面の金属元素(M’)と中心部のリチウム複合酸化物とは固溶により明確な界面はなくなる。
リチウム複合酸化物を被覆する金属元素(M’)としては、ニッケル(Ni)を除く金属元素を用い、コバルト(Co)、アルミニウム(Al)またはマンガン(Mn)等が好ましい。また、これら金属元素を2種類以上混合して用いてもよい。なお、上述の金属元素(M’)で被覆された正極活物質では、表面に被覆された金属元素(M’)と中心部のリチウム複合酸化物とが固溶することにより、金属元素(M’)とリチウム複合酸化物中のニッケル(Ni)とが置換される。このため、金属元素(M’)としてニッケル(Ni)を除く金属元素が用いられる。
このとき、金属元素(M’)の被着方法等によっては、正極活物質の粒子表面部分が粒子中心部よりも硬くなる。このような被着方法としては、メカノフュージョン等の方法が挙げられる。この場合、プレスにより粒子に圧力がかかった際に、粒子表面の変形が粒子中心部の変形に追随できなくなり、粒子表面部分に割れが生じるおそれがある。粒子表面部分に割れが生じると、中心部の酸化活性の高いリチウム複合酸化物が露出する。このため、金属元素により表面が被覆された正極活物質において、本技術の体積基準平均粒径および個数基準平均粒径のそれぞれを満たすことにより、より高い充填効果を得ることができ好ましい。なお、正極活物質の硬度測定方法としては、例えばナノインデンテーション法を用いることができる。ナノインデンテーション法は、薄膜の機械的特性を測定することができる硬度測定方法である。
ここで、金属元素によってリチウム複合酸化物の表面被覆を行った化1の正極活物質は、下記の式1を満たすことが好ましい。
X線光電子分光(XPS;X-ray Photoelectron Spectroscopy)によって測定された正極活物質粒子の最表面の金属元素(M’)とニッケル(Ni)との組成比であるM’/Niの値をRsとし、粒子の全組成中の金属元素(M’)とニッケル(Ni)との組成比であるM’/Niの値をRとしたとき、RsとRとが下記の式1の関係を満たすものである。
[式1]
1.5≦Rs/R≦35
XPSでは、金属元素(M’)とニッケル(Ni)の組成は、表面から数nmの深さまでの領域について測定することができる。式1は、粒子の全組成中のM’/Niの値よりも、粒子最表面(表面から数nm)のM’/Niの値が高くなることを示している。すなわち、粒子全体に対して、粒子最表面における金属元素(M’)の存在比率が大きいことを示している。なお、金属元素(M’)としてコバルト(Co)、アルミニウム(Al)またはマンガン(Mn)等のうちの2種類以上を用いている場合には、それぞれの金属元素の組成の合計を金属元素(M’)の組成とする。
Rs/Rが上述の範囲内にある正極活物質においては、粒子表面の金属元素(M’)が正極活物質合成時の炭酸リチウムの生成反応を抑制し、炭酸分の少ない正極活物質を作製することが可能となる。このため、正極活物質自身の炭酸根を減少させることができ、粒子表面の酸化活性の抑制とは異なる観点でガス発生をさらに抑制することができる。また、Rs/Rが上述の範囲内にある正極活物質においては、金属元素(M’)の結晶相への拡散性がより高くなり、結晶構造に歪みが生じにくくなるとともに、被覆時に用いた金属化合物の微粉が含まれ難くなることから、放電容量の低下が生じにくくなるため好ましい。Rt/Rが上述の範囲内にある正極活物質においては、粒子表面の金属元素(M’)により、一次粒子それぞれにおいて非水電解質との界面である粒子表面の酸化活性を抑制することができる。
また、金属元素による被覆を行った化1の正極活物質は、下記の式2を満たすことが好ましい。
加速電圧15kVでのエネルギー分散型X線分析(EDX;Energy Dispersive X-ray spectroscopy)によって測定された正極活物質粒子の表面の金属元素(M’)とニッケル(Ni)との組成比であるM’/Niの値をRtとし、粒子の全組成中の金属元素(M’)とニッケル(Ni)との組成比であるM’/Niの値をRとしたとき、RtとRとが下記の式2の関係を満たすものである。
[式2]
1.05≦Rt/R≦25
EDXでは、金属元素(M’)とニッケル(Ni)の組成は、表面から数μmの深さまでの領域について測定することができる。式2は、粒子の全組成中のM’/Niの値よりも、粒子表面(表面から数μm)のM’/Niの値が高くなることを示している。すなわち、粒子全体に対して、粒子表面における金属元素(M’)の存在比率が大きいことを示している。
Rt/Rが上述の範囲内にある正極活物質においては、粒子表面の金属元素(M’)が正極活物質合成時の炭酸リチウムの生成反応を抑制し、炭酸分の少ない正極活物質を作製することが可能となる。このため、正極活物質自身の炭酸根を減少させることができ、粒子表面の酸化活性の抑制とは異なる観点でガス発生をさらに抑制することができる。また、Rt/Rが上述の範囲内にある正極活物質においては、金属元素(M’)の結晶相への拡散性がより高くなり、結晶構造に歪みが生じにくくなるとともに、被覆時に用いた金属化合物の微粉が含まれ難くなることから、放電容量の低下が生じにくくなるため好ましい。
上述の式1および式2は、少なくとも一方を満たすことがより好ましく、双方を満たすことがさらに好ましい。
ここで、正極活物質が金属元素(M’)による表面被覆がなされた構成である場合、正極活物質の平均組成である化1は、正極活物質全体としての組成を示す。
また、正極活物質が金属元素(M’)による表面被覆がなされた構成とされており、かつ二次粒子を形成していることがより好ましい。この場合には、一次粒子それぞれの粒子内のM’/Ni組成が異なり、二次粒子の表面近傍に存在する一次粒子の方が、二次粒子の中心近傍に存在する一次粒子よりも金属元素(M’)の存在量が多いことがより好ましい。
上述のような本技術の正極活物質を合成する原料としては、下記のような材料が挙げられる。
ニッケル化合物の原料としては、水酸化ニッケル、炭酸ニッケル、硝酸ニッケル、フッ化ニッケル、塩化ニッケル、臭化ニッケル、ヨウ化ニッケル、過塩素酸ニッケル、臭素酸ニッケル、ヨウ素酸ニッケル、酸化ニッケル、過酸化ニッケル、硫化ニッケル、硫酸ニッケル、硫酸水素ニッケル、窒化ニッケル、亜硝酸ニッケル、リン酸ニッケル、チオシアン酸ニッケル等の無機系化合物、あるいは、有機系化合物であるシュウ酸ニッケル、酢酸ニッケル等が挙げられる。
コバルト化合物の原料としては、水酸化コバルト、炭酸コバルト、硝酸コバルト、フッ化コバルト、塩化コバルト、臭化コバルト、ヨウ化コバルト、塩素酸コバルト、過塩素酸コバルト、臭素酸コバルト、ヨウ素酸コバルト、酸化コバルト、フォスフィン酸コバルト、硫化コバルト、硫化水素コバルト、硫酸コバルト、硫酸水素コバルト、チオシアン酸コバルト、亜硝酸コバルト、リン酸コバルト、リン酸二水素コバルト、炭酸水素コバルト等の無機系化合物、あるいは、有機系化合物であるシュウ酸コバルト、酢酸コバルト等が挙げられる。
アルミニウム化合物の原料としては、水酸化アルミニウム、硝酸アルミニウム、フッ化アルミニウム、塩化アルミニウム、臭化アルミニウム、ヨウ化アルミニウム、過塩素酸アルミニウム、酸化アルミニウム、硫化アルミニウム、硫酸アルミニウム、リン酸アルミニウム等の無機系化合物、あるいは、有機系化合物であるシュウ酸アルミニウム等が挙げられる。
リチウム化合物の原料としては、水酸化リチウム、炭酸リチウム、硝酸リチウム、フッ化リチウム、塩化リチウム、臭化リチウム、ヨウ化リチウム、塩素酸リチウム、過塩素酸リチウム、臭素酸リチウム、ヨウ素酸リチウム、酸化リチウム、過酸化リチウム、硫化リチウム、硫化水素リチウム、硫酸リチウム、硫酸水素リチウム、窒化リチウム、アジ化リチウム、亜硝酸リチウム、リン酸リチウム、リン酸二水素リチウム、炭酸水素リチウム等の無機系化合物、あるいは、有機系化合物であるメチルリチウム、ビニルリチウム、イソプロピルリチウム、ブチルリチウム、フェニルリチウム、シュウ酸リチウム、酢酸リチウム等が挙げられる。
(1−2)他の正極活物質の構成
本技術の正極活物質としては、平均組成が上述の化1で示されるリチウム複合酸化物の他、平均組成が下記の化2で示されるオリビン型の構造を有するリチウムリン酸化合物を用いることもできる。
(化2)
LisM11-tM2tPO4
(式中、M1は、鉄(Fe)、マンガン(Mn)、コバルト(Co)、ニッケル(Ni)、銅(Cu)、亜鉛(Zn)、マグネシウム(Mg)からなる群から選択される1種または2種以上の元素である。M2は、2族〜15族から選ばれる元素のうちM1を除く1種または2種以上の元素である。sは0≦s≦1.2の範囲内の値であり、0<s≦1.2であることが好ましい。tは0≦t≦1.0の範囲内の値である。)
なお、化2中において、高い放電電位、豊富な資源量、安全性等の点から、M1は、鉄(Fe)またはマンガン(Mn)が、M2は、マグネシウム(Mg)、カルシウム(Ca)、ストロンチウム(Sr)、チタン(Ti)、亜鉛(Zn)、アルミニウム(Al)であることが好ましい。化2のオリビン構造を有するリチウムリン酸化合物としては、リン酸鉄リチウム(LisFePO4(0≦s≦1.2、好ましくは0<s≦1.2))が特に好ましい。
この正極活物質は、表面の少なくとも一部が電子導電性物質にて被覆された一次粒子が凝集してなる二次粒子であることが好ましく、二次粒子を構成する一次粒子のうち、外側に表出している部分も電子導電性物質にて被覆されていることが好ましい。この正極活物質に含まれる電子導電性物質は、化2の一次粒子の表面に存在するものであり、化2の一次粒子と電子導電性物質とを単に混合させたものとは大きく異なる。この電子導電性物質は、二次粒子中に均一に存在することが好ましい。
また、正極活物質中において、一次粒子同士は、電子導電性物質を介して接合していることが好ましい。なお、この実施の形態において接合されているとは、一次粒子同士が単なる凝集体の状態で二次粒子となっているのではなく、この電極材料を用いて電極を形成する際に、少なくとも二次粒子が1つの粒子として挙動する程度に強固に結びついていることをいう。そして、この二次粒子においては、電子導電性物質が一次粒子同士の間に3次元網目状に存在していることが好ましい。
電子導電性物質としては、化学的安定性、安全性およびコストの点から炭素が最も好ましい。また、炭素の他、金属、特に金(Au)、白金(Pt)、銀(Ag)、パラジウム(Pd)、ルテニウム(Ru)、ロジウム(Rh)、イリジウム(Ir)等の貴金属が好適に用いられる。また、加熱することにより電子導電性物質となる電子導電性物質の前駆体としては、有機化合物の他、金属塩、金属のアルコキシド、金属の錯体等が好適に用いられる。
なお、化2の正極活物質は、平均組成が異なる以外は、(1−1)で説明した構成と同様に、体積基準の50%平均粒径が10μm以上30μm以下であり、かつ個数基準の10%平均粒径が3μm以下、個数基準の50%平均粒径が6μm以下および個数基準の90%平均粒径が13μm以上20μm以下とされる。
(1−3)正極活物質の製造方法
本技術の正極活物質は、下記のようにして作製される。なお、下記の製造方法は一例であり、上述の正極活物質構成を実現できる製造方法であればいずれも用いることができる。
[前駆体の作製]
まず、遷移金属としてコバルト(Co)と、遷移金属の主体であるニッケル(Ni)とを少なくとも含む前駆体を作製する。例えば硫酸ニッケル(NiSO4)等のニッケル化合物と、硫酸コバルト(CoSO4)等のコバルト化合物とを水中に溶解し、十分に攪拌させながら共沈法等によりニッケル−コバルト複合共沈水酸化物を得る。このとき、得たい正極活物質の組成に応じて共沈水酸化物におけるコバルト(Co)とニッケル(Ni)との比を調整する。共沈法等により得たニッケル−コバルト複合共沈水酸化物を水洗および乾燥し、ニッケル−コバルト複合共沈水酸化物に対して水酸化リチウム等のリチウム化合物を添加して前駆体を作製する。
なお、遷移金属として、コバルト(Co)およびニッケル(Ni)以外の元素である遷移金属Mを含むようにする場合には、遷移金属Mを含む化合物をリチウム化合物と共に加えて前駆体を作製するようにしてもよい。
[第1の焼成]
上述のようにして得た前駆体を焼成する。初回の焼成時における焼成温度は、450℃以上700℃以下の範囲が好ましい。この範囲より低い温度では、リチウム化合物の拡散およびR3m層状結晶構造が十分起こりえない。また、この範囲より高い温度では、2回目の焼成で添加される金属化合物の拡散が十分起こり難くなる。すなわち、コバルト化合物が二次粒子の中心部まで固溶し難くなり、表面近傍に金属化合物およびリチウム化合物が多く存在することで容量低下を招き、かつガス発生が非常に多くなる。
また、前駆体の焼成は、酸素もしくはアルゴン等の安定雰囲気下において行うことが好ましい。第1の焼成を行った前駆体は、例えば一次粒子が凝集した二次粒子の状態となっている。
[中間体の作製]
金属元素が被覆された正極活物質を作製する場合には、例えば以下のようにして中間体を作製する。まず、第1の焼成後の前駆体に対して、コバルト化合物等の金属化合物を含む水溶液を添加する。これにより、前駆体表面に被着したい金属元素が金属水酸化物の形で被着される。このとき、金属化合物添加時の分散液の条件は、pH10以上pH13以下が好ましい。pH10より低い場合は初回焼成した正極活物質中のリチウム化合物が引き抜かれ、さらに正極活物質の溶解が起こり始める。pH13より高い場合には金属化合物中和の際に用いられるアルカリが残留しやすく、集電体に塗布する電極合剤作製時にゲル化を引き起こす原因となる。また、金属化合物添加時の分散液が比較的高いpHであり、さらに高速攪拌を行うことで、生成する金属化合物粒子が微細化して、2回目の焼成を行う際に正極活物質への結晶粒界拡散を起こりやすくする効果がある。pHの調整は、例えば苛性ソーダを添加し、分散液を1時間程度攪拌することにより行う。
続いて、分散液中に分散された前駆体をイオン交換水等で洗浄後、吸引濾過を行い、乾燥させる。乾燥粉末に対して、リチウム化合物を添加して中間体を作製する。
なお、遷移金属として、コバルト(Co)およびニッケル(Ni)以外の元素である遷移金属Mを含むようにする場合に、前駆体作製時で遷移金属Mを含む化合物を添加していないときには、遷移金属Mを含む化合物をリチウム化合物と共に加えて中間体を作製するようにしてもよい。
また、中間体の作製は、メカノフュージョン等の機械を用いた物理的被覆によって前駆体を金属化合物等で被覆し、リチウム化合物を添加して中間体を作製するようにしてもよい。
[第2の焼成]
上述のようにして得た中間体を焼成する。2回目の焼成時における焼成温度は、700℃以上800℃以下の範囲が好ましい。この範囲より低い温度では、正極活物質の結晶性が著しく悪く、充放電に伴うサイクル劣化の原因となるとともに、前駆体に被覆させた金属化合物の固溶・拡散が十分に行われず、電池特性すなわち高温保存膨れとサイクル特性が著しく劣化する。また、この範囲より高い温度では、酸素雰囲気であってもニッケル原子がリチウム結晶層中に混入して容量減少を引き起こすことが知られている。
[粒度の調整]
以上のようにして作製したリチウム複合酸化物について、必要に応じて粒度の調整を行う。リチウム複合酸化物の粒度は、篩により特定の粒径を有する粒子を除去したり、異なる条件で作製し、異なる体積基準平均粒径、個数基準平均粒径を有する粒子を、所定割合で混合することにより調整することができる。以上のようにして、本技術の正極活物質を作製する。
以上のようにして作製した正極活物質を用いることにより、ニッケル(Ni)およびコバルト(Co)において電子のやりとりが増加する。また、放電時に価数が上がることで、放電容量が大きくなる。
〔効果〕
第1の実施の形態の正極活物質を用いることにより、正極活物質層形成時のプレス工程において、正極活物質の充填性を向上させることができる。これにより、正極活物質と非水電解質との接触面積を減少させて、非水電解質の分解を抑制する。また、正極活物質表面における酸化活性を抑制し、非水電解質の分解を抑制してガス発生を抑制することができる。さらに、正極活物質中のニッケル(Ni)およびコバルト(Co)において電子のやりとりが増加するため、高い放電容量を得ることができる。なお、このような正極は、一次電池、二次電池のいずれにも用いることができる。
2.第2の実施の形態
第2の実施の形態では、第1の実施の形態における正極活物質を用いた円筒型非水電解質電池について説明する。
(2−1)非水電解質電池の構成
図1は、第2の実施の形態にかかる非水電解質電池の断面構造を表すものである。この非水電解質電池は、第1の実施の形態の正極活物質を用いた正極を用いたいわゆるリチウムイオン二次電池である。
この非水電解質電池は、いわゆる円筒型といわれるものであり、ほぼ中空円柱状の電池缶11の内部に、一対の帯状の正極21と帯状の負極22とがセパレータ23を介して巻回された巻回電極体20を有している。電池缶11は、例えばニッケルのめっきがされた鉄により構成されており、一端部が閉鎖され他端部が開放されている。電池缶11の内部には、巻回電極体20を挟むように巻回周面に対して垂直に一対の絶縁板12,13がそれぞれ配置されている。
電池缶11の開放端部には、電池蓋14と、この電池蓋14の内側に設けられた安全弁機構15および熱感抵抗素子(Positive Temperature Coefficient;PTC素子)16とが、ガスケット17を介してかしめられることにより取り付けられており、電池缶11の内部は密閉されている。電池蓋14は、例えば、電池缶11と同様の材料により構成されている。安全弁機構15は、熱感抵抗素子16を介して電池蓋14と電気的に接続されており、内部短絡あるいは外部からの加熱等により電池の内圧が一定以上となった場合にディスク板15Aが反転して電池蓋14と巻回電極体20との電気的接続を切断するようになっている。熱感抵抗素子16は、温度が上昇すると抵抗値の増大により電流を制限し、大電流による異常な発熱を防止するものである。ガスケット17は、例えば、絶縁材料により構成されており、表面にはアスファルトが塗布されている。
巻回電極体20の中心には例えばセンターピン24が挿入されている。巻回電極体20の正極21にはアルミニウム等よりなる正極リード25が接続されており、負極22にはニッケル等よりなる負極リード26が接続されている。正極リード25は安全弁機構15に溶接されることにより電池蓋14と電気的に接続されており、負極リード26は電池缶11に溶接され電気的に接続されている。
図2は図1に示した巻回電極体20の一部を拡大して表すものである。第2の実施の形態において、正極活物質は、第1の実施の形態の正極活物質を用いることができる。以下、正極21、負極22、セパレータ23について、詳細に説明する。
[正極]
正極21は、例えば、対向する一対の面を有する正極集電体21Aの両面に正極活物質層21Bが設けられた構造を有している。なお、図示はしないが、正極集電体21Aの片面のみに正極活物質層21Bを設けるようにしてもよい。正極集電体21Aは、例えば、アルミニウム箔等の金属箔により構成されている。
正極活物質21Bは、第1の実施の形態の正極活物質と、導電剤と、結着剤を混合して正極合剤を調製し、この正極合剤をN−メチル−2−ピロリドン等の溶剤に分散させてペースト状の正極合剤スラリーを作製する。次に、この正極合剤スラリーを正極集電体21Aに塗布し溶剤を乾燥させ、ロールプレス機等により圧縮成型することにより正極活物質層21Bを形成し、正極21が得られる。
導電剤としては、例えばカーボンブラックあるいはグラファイト等の炭素材料等が用いられる。導電剤は、その平均粒径D50が0.01μm以上1.0μm以下の範囲であることが好ましい。導電剤は主として炭素材料が用いられることから、例えばEDXによって元素をマッピングすることにより、同等の平均粒径D50の正極活物質と区別することができる。
結着剤としては、例えば、ポリフッ化ビニリデン(PVdF)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、ポリアクリロニトリル(PAN)、スチレンブタジエンゴム(SBR)およびカルボキシメチルセルロース(CMC)等の樹脂材料、ならびにこれら樹脂材料を主体とする共重合体等から選択される少なくとも1種が用いられる。
[負極]
負極22は、例えば、対向する一対の面を有する負極集電体22Aの両面に負極活物質層22Bが設けられた構造を有している。なお、図示はしないが、負極集電体22Aの片面のみに負極活物質層22Bを設けるようにしてもよい。負極集電体22Aは、例えば、銅箔等の金属箔により構成されている。
負極活物質層22Bは、負極活物質として、リチウムを吸蔵および放出することが可能な負極材料のいずれか1種または2種以上を含んで構成されており、必要に応じて正極活物質層21Bと同様の結着剤を含んで構成されている。
なお、この非水電解質電池では、リチウムを吸蔵および放出することが可能な負極材料の電気化学当量が、正極21の電気化学当量よりも大きくなっており、理論上、充電の途中において負極22にリチウム金属が析出しないようになっている。
また、この非水電解質電池は、完全充電状態における開回路電圧(すなわち電池電圧)が、例えば4.20V以上6.00V以下の範囲内になるように設計されている。また、例えば、満充電状態における開回路電圧が4.25V以上6.00V以下とされることが好ましい。満充電状態における開回路電圧が4.25V以上とされる場合は、4.20Vの電池と比較して、同じ正極活物質であっても単位質量当たりのリチウムの放出量が多くなるため、それに応じて正極活物質と負極活物質との量が調整される。これにより、高いエネルギー密度が得られるようになっている。
リチウムを吸蔵および放出することが可能な負極材料としては、例えば、難黒鉛化性炭素、易黒鉛化性炭素、黒鉛、熱分解炭素類、コークス類、ガラス状炭素類、有機高分子化合物焼成体、炭素繊維あるいは活性炭等の炭素材料が挙げられる。このうち、コークス類には、ピッチコークス、ニードルコークスあるいは石油コークス等がある。有機高分子化合物焼成体というのは、フェノール樹脂やフラン樹脂等の高分子材料を適当な温度で焼成して炭素化したものをいい、一部には難黒鉛化性炭素または易黒鉛化性炭素に分類されるものもある。これら炭素材料は、充放電時に生じる結晶構造の変化が非常に少なく、高い充放電容量を得ることができると共に、良好なサイクル特性を得ることができるので好ましい。特に黒鉛は、電気化学当量が大きく、高いエネルギー密度を得ることができ好ましい。また、難黒鉛化性炭素は、優れたサイクル特性が得られるので好ましい。更にまた、充放電電位が低いもの、具体的には充放電電位がリチウム金属に近いものが、電池の高エネルギー密度化を容易に実現することができるので好ましい。
リチウムを吸蔵および放出することが可能な負極材料としては、また、リチウムを吸蔵および放出することが可能であり、金属元素および半金属元素のうちの少なくとも1種を構成元素として含む材料も挙げられる。このような材料を用いれば、高いエネルギー密度を得ることができるからである。特に、炭素材料と共に用いるようにすれば、高エネルギー密度を得ることができると共に、優れたサイクル特性を得ることができるのでより好ましい。この負極材料は金属元素あるいは半金属元素の単体でも合金でも化合物でもよく、またこれらの1種または2種以上の相を少なくとも一部に有するようなものでもよい。なお、本技術において、合金には2種以上の金属元素からなるものに加えて、1種以上の金属元素と1種以上の半金属元素とを含むものも含める。また、非金属元素を含んでいてもよい。その組織には固溶体、共晶(共融混合物)、金属間化合物あるいはそれらのうちの2種以上が共存するものがある。
この負極材料を構成する金属元素あるいは半金属元素としては、例えば、マグネシウム(Mg)、ホウ素(B)、アルミニウム(Al)、ガリウム(Ga)、インジウム(In)、ケイ素(Si)、ゲルマニウム(Ge)、スズ(Sn)、鉛(Pb)、ビスマス(Bi)、カドミウム(Cd)、銀(Ag)、亜鉛(Zn)、ハフニウム(Hf)、ジルコニウム(Zr)、イットリウム(Y)、パラジウム(Pd)あるいは白金(Pt)が挙げられる。これらは結晶質のものでもアモルファスのものでもよい。
中でも、この負極材料としては、短周期型周期表における4B族の金属元素あるいは半金属元素を構成元素として含むものが好ましく、特に好ましいのはケイ素(Si)およびスズ(Sn)の少なくとも一方を構成元素として含むものである。ケイ素(Si)およびスズ(Sn)は、リチウムを吸蔵および放出する能力が大きく、高いエネルギー密度を得ることができるからである。
スズ(Sn)の合金としては、例えば、スズ(Sn)以外の第2の構成元素として、ケイ素(Si)、ニッケル(Ni)、銅(Cu)、鉄(Fe)、コバルト(Co)、マンガン(Mn)、亜鉛(Zn)、インジウム(In)、銀(Ag)、チタン(Ti)、ゲルマニウム(Ge)、ビスマス(Bi)、アンチモン(Sb)、およびクロム(Cr)からなる群のうちの少なくとも1種を含むものが挙げられる。ケイ素(Si)の合金としては、例えば、ケイ素(Si)以外の第2の構成元素として、スズ(Sn)、ニッケル(Ni)、銅(Cu)、鉄(Fe)、コバルト(Co)、マンガン(Mn)、亜鉛(Zn)、インジウム(In)、銀(Ag)、チタン(Ti)、ゲルマニウム(Ge)、ビスマス(Bi)、アンチモン(Sb)、およびクロム(Cr)からなる群のうちの少なくとも1種を含むものが挙げられる。
スズ(Sn)の化合物あるいはケイ素(Si)の化合物としては、例えば、酸素(O)あるいは炭素(C)を含むものが挙げられ、スズ(Sn)またはケイ素(Si)に加えて、上述した第2の構成元素を含んでいてもよい。
中でも、この負極材料としては、コバルト(Co)と、スズ(Sn)と、炭素(C)とを構成元素として含み、炭素の含有量が9.9質量%以上29.7質量%以下であり、かつスズ(Sn)とコバルト(Co)との合計に対するコバルト(Co)の割合が30質量%以上70質量%以下であるCoSnC含有材料が好ましい。このような組成範囲において高いエネルギー密度を得ることができると共に、優れたサイクル特性を得ることができるからである。
このCoSnC含有材料は、必要に応じて更に他の構成元素を含んでいてもよい。他の構成元素としては、例えば、ケイ素(Si)、鉄(Fe)、ニッケル(Ni)、クロム(Cr)、インジウム(In)、ニオブ(Nb)、ゲルマニウム(Ge)、チタン(Ti)、モリブデン(Mo)、アルミニウム(Al)、リン(P)、ガリウム(Ga)またはビスマス(Bi)が好ましく、2種以上を含んでいてもよい。容量またはサイクル特性を更に向上させることができるからである。
なお、このCoSnC含有材料は、コバルトと、スズと、炭素とを含む相を有しており、この相は結晶性の低いまたは非晶質な構造を有していることが好ましい。また、このCoSnC含有材料では、構成元素である炭素(C)の少なくとも一部が、他の構成元素である金属元素または半金属元素と結合していることが好ましい。サイクル特性の低下はスズ(Sn)等が凝集あるいは結晶化することによるものであると考えられるが、炭素(C)が他の元素と結合することにより、そのような凝集あるいは結晶化を抑制することができるからである。
元素の結合状態を調べる測定方法としては、例えばX線光電子分光法(XPS)が挙げられる。XPSでは、炭素の1s軌道(C1s)のピークは、グラファイトであれば、金原子の4f軌道(Au4f)のピークが84.0eVに得られるようにエネルギー較正された装置において、284.5eVに現れる。また、表面汚染炭素であれば、284.8eVに現れる。これに対して、炭素元素の電荷密度が高くなる場合、例えば炭素が金属元素または半金属元素と結合している場合には、C1sのピークは、284.5eVよりも低い領域に現れる。すなわち、CoSnC含有材料について得られるC1sの合成波のピークが284.5eVよりも低い領域に現れる場合には、CoSnC含有材料に含まれる炭素の少なくとも一部が他の構成元素である金属元素または半金属元素と結合している。
なお、XPS測定では、スペクトルのエネルギー軸の補正に、例えばC1sのピークを用いる。通常、表面には表面汚染炭素が存在しているので、表面汚染炭素のC1sのピークを284.8eVとし、これをエネルギー基準とする。XPS測定では、C1sのピークの波形は、表面汚染炭素のピークとCoSnC含有材料中の炭素のピークとを含んだ形として得られるので、例えば市販のソフトウエアを用いて解析することにより、表面汚染炭素のピークと、CoSnC含有材料中の炭素のピークとを分離する。波形の解析では、最低束縛エネルギー側に存在する主ピークの位置をエネルギー基準(284.8eV)とする。
[セパレータ]
セパレータ23は、正極21と負極22とを隔離し、両極の接触による電流の短絡を防止しつつ、リチウムイオンを通過させるものである。このセパレータ23は、例えば、ポリプロピレン(PP)あるいはポリエチレン(PE)等よりなるポリオレフィン系合成樹脂製の多孔質膜、またはセラミックス製の多孔質膜により構成されており、これらの2種以上の多孔質膜を積層した構造とされていてもよい。
セパレータ23には、液状の非水電解質である非水電解液が含浸されている。この非水電解液は、非水溶媒と、この非水溶媒に溶解された電解質塩とを含んでいる。
セパレータ23は、ポリプロピレン(PP)、ポリエチレン(PE)以外に、ポリフッ化ビニリデン(PVdF)およびポリテトラフルオロエチレン(PTFE)のいずれかを含むようにてもよい。また、上記樹脂材料のうち数種を混合して多孔質膜としてもよい。さらに、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)等の多孔質膜の表面に、ポリフッ化ビニリデン(PVdF)と、アルミナ(Al23)、シリカ(SiO2)等のセラミックスとを混合した表面層を形成してもよい。また、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)、ポリフッ化ビニリデン(PVdF)およびポリテトラフルオロエチレン(PTFE)の2種以上の多孔質膜を積層した構造とされていてもよい。ポリオレフィン製の多孔質膜はショート防止効果に優れ、かつシャットダウン効果による電池の安全性向上を図ることができるので好ましい。
[非水電解液]
非水電解液は、電解質塩と、この電解質塩を溶解する非水溶媒とを含んでいる。
電解質塩は、例えば、リチウム塩等の軽金属化合物の1種あるいは2種以上を含有している。このリチウム塩としては、例えば、六フッ化リン酸リチウム(LiPF6)、四フッ化ホウ酸リチウム(LiBF4)、過塩素酸リチウム(LiClO4)、六フッ化ヒ酸リチウム(LiAsF6)、テトラフェニルホウ酸リチウム(LiB(C654)、メタンスルホン酸リチウム(LiCH3SO3)、トリフルオロメタンスルホン酸リチウム(LiCF3SO3)、テトラクロロアルミン酸リチウム(LiAlCl4)、六フッ化ケイ酸二リチウム(Li2SiF6)、塩化リチウム(LiCl)あるいは臭化リチウム(LiBr)等が挙げられる。中でも、六フッ化リン酸リチウム、四フッ化ホウ酸リチウム、過塩素酸リチウムおよび六フッ化ヒ酸リチウムからなる群のうちの少なくとも1種が好ましく、六フッ化リン酸リチウムがより好ましい。
非水溶媒としては、例えば、γ−ブチロラクトン、γ−バレロラクトン、δ−バレロラクトンあるいはε−カプロラクトン等のラクトン系溶媒、炭酸エチレン、炭酸プロピレン、炭酸ブチレン、炭酸ビニレン、炭酸ジメチル、炭酸エチルメチルあるいは炭酸ジエチル等の炭酸エステル系溶媒、1,2−ジメトキシエタン、1−エトキシ−2−メトキシエタン、1,2−ジエトキシエタン、テトラヒドロフランあるいは2−メチルテトラヒドロフラン等のエーテル系溶媒、アセトニトリル等のニトリル系溶媒、スルフォラン系溶媒、リン酸類、リン酸エステル溶媒、またはピロリドン類等の非水溶媒が挙げられる。非水溶媒は、いずれか1種を単独で用いてもよく、2種以上を混合して用いてもよい。
また、非水溶媒として、環状炭酸エステルおよび鎖状炭酸エステルの双方を含むことが好ましく、環状炭酸エステルまたは鎖状炭酸エステルの水素の一部または全部がフッ素化された化合物を含むことがより好ましい。このフッ素化された化合物としては、フルオロエチレンカーボネート(4−フルオロ−1,3−ジオキソラン−2−オン)およびジフルオロエチレンカーボネート(4,5−ジフルオロ−1,3−ジオキソラン−2−オン)を用いることが好ましい。負極活物質としてケイ素(Si)、スズ(Sn)、ゲルマニウム(Ge)等の化合物を含む負極22を用いた場合であっても、充放電サイクル特性を向上させることができ、特にジフルオロエチレンカーボネートがサイクル特性改善効果に優れるからである。
(2−2)非水電解質電池の製造方法
[正極の製造方法]
正極活物質は、第1の実施の形態と同様の方法により作製することができる。
正極活物質と、導電剤と、結着剤とを混合して正極合剤を調製し、この正極合剤をN−メチル−2−ピロリドン等の溶剤に分散させてペースト状の正極合剤スラリーを作製する。次に、この正極合剤スラリーを正極集電体21Aに塗布し溶剤を乾燥させ、ロールプレス機等により圧縮成型することにより正極活物質層21Bを形成し、正極21を作製する。
[負極の製造方法]
負極活物質と、結着剤とを混合して負極合剤を調製し、この負極合剤をN−メチル−2−ピロリドン等の溶剤に分散させてペースト状の負極合剤スラリーを作製する。次に、この負極合剤スラリーを負極集電体22Aに塗布し溶剤を乾燥させ、ロールプレス機等により圧縮成型することにより負極活物質層22Bを形成し、負極22を作製する。
[非水電解液の調製]
非水電解液は、非水溶媒に対して電解質塩を溶解させて調製する。
[非水電解質電池の組み立て]
正極集電体21Aに正極リード25を溶接等により取り付けると共に、負極集電体22Aに負極リード26を溶接等により取り付ける。その後、正極21と負極22とをセパレータ23を介して巻回し巻回電極体20とする。正極リード25の先端部を安全弁機構15に溶接すると共に、負極リード26の先端部を電池缶11に溶接する。この後、巻回電極体20の巻回面を一対の絶縁板12,13で挟み、電池缶11の内部に収納する。巻回電極体20を電池缶11の内部に収納したのち、非水電解液を電池缶11の内部に注入し、セパレータ23に含浸させる。そののち、電池缶11の開口端部に電池蓋14、安全弁機構15および熱感抵抗素子16をガスケット17を介してかしめることにより固定する。これにより、図1に示した非水電解質電池が形成される。
この非水電解質電池では、充電を行うと、例えば、正極活物質層21Bからリチウムイオンが放出され、非水電解液を介して負極活物質層22Bに吸蔵される。また、放電を行うと、例えば、負極活物質層22Bからリチウムイオンが放出され、非水電解液を介して正極活物質層21Bに吸蔵される。
〔効果〕
第2の実施の形態では、電池内部でのガス発生を抑制し、電池内圧の上昇を抑制することができる。また、電池容量の低下を抑制することができる。
3.第3の実施の形態
第3の実施の形態では、第1の実施の形態における正極活物質を用いたラミネートフィルム型非水電解質電池について説明する。
(3−1)非水電解質電池の構成
図3は、第3の実施の形態にかかる非水電解質電池の構成を表すものである。この非水電解質電池は、いわゆるラミネートフィルム型といわれるものであり、正極リード31および負極リード32が取り付けられた巻回電極体30をフィルム状の外装部材40の内部に収容したものである。
正極リード31および負極リード32は、それぞれ、外装部材40の内部から外部に向かい例えば同一方向に導出されている。正極リード31および負極リード32は、例えば、アルミニウム、銅、ニッケルあるいはステンレス等の金属材料によりそれぞれ構成されており、それぞれ薄板状または網目状とされている。
外装部材40は、例えば、金属層の両面に樹脂層が形成されたラミネートフィルムからなる。ラミネートフィルムは、金属層のうち電池外側に露出する面に外側樹脂層が形成され、巻回電極体30等の発電要素に対向する電池内側面に内側樹脂層が形成される。
金属層は、水分、酸素、光の進入を防ぎ内容物を守る最も重要な役割を担っており、軽さ、伸び性、価格、加工のしやすさからアルミニウム(Al)が最もよく使われる。外側樹脂層は、外観の美しさや強靱さ、柔軟性等を有し、ナイロンまたはポリエチレンテレフタレート(PET)等の樹脂材料が用いられる。内側樹脂層は、熱や超音波で溶け、互いに融着する部分であるため、ポリオレフィンが適切であり、無延伸ポリプロピレン(CPP)が多用される。金属層と外側樹脂層および内側樹脂層との間には、必要に応じて接着層を設けてもよい。
外装部材40は、例えば深絞りにより内側樹脂層側から外側樹脂層の方向に向けて形成された、巻回電極体30を収容する凹部を備え、内側樹脂層が巻回電極体30と対向するように配設されている。対向する外装部材40の内側樹脂層同士は、凹部の外縁部において融着等により互いに密着されている。外装部材40と正極リード31および負極リード32との間には、外装部材40の内側樹脂層と、金属材料からなる正極リード31および負極リード32との接着性を向上させるための密着フィルム41が配置されている。密着フィルム41は、金属材料との接着性の高い樹脂材料からなり、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレンや、これら材料が変性された変性ポリエチレンあるいは変性ポリプロピレン等のポリオレフィン樹脂により構成されている。
なお、外装部材40は、金属層がアルミニウム(Al)からなるアルミラミネートフィルムに代えて、他の金属材料を用いたラミネートフィルム、ポリプロピレン等の高分子フィルムあるいは金属フィルムにより構成するようにしてもよい。
図4は、図3に示した巻回電極体30のI−I線に沿った断面構造を表すものである。巻回電極体30は、正極33と負極34とをセパレータ35および電解質層36を介して積層し、巻回したものであり、最外周部は必要に応じて保護テープ37により保護されている。
[正極]
正極33は、正極集電体33Aの片面あるいは両面に正極活物質層33Bが設けられた構造を有しており、第1の実施の形態の正極活物質を含み、第2の実施の形態と同様の構成とされた正極を用いることができる。
[負極]
負極34は、負極集電体34Aの片面あるいは両面に負極活物質層34Bが設けられた構造を有しており、負極活物質層34Bと正極活物質層33Bとが対向するように配置されている。負極集電体34A、負極活物質層34Bの構成は、上述した第2の実施の形態における負極集電体22Aおよび負極活物質層22Bと同様である。
[セパレータ]
セパレータ35は、第2の実施の形態におけるセパレータ23と同様である。
[電解質層]
電解質層36は、第3の実施の形態にかかる非水電解質であり、非水電解液と非水電解液を保持する保持体となる高分子化合物とを含み、いわゆるゲル状となっている。ゲル状の電解質は高いイオン伝導率を得ることができると共に、漏液を防止することができるので好ましい。
高分子化合物としては、例えば、ポリエチレンオキサイドあるいはポリエチレンオキサイドを含む架橋体等のエーテル系高分子化合物、ポリメタクリレート等のエステル系高分子化合物あるいはアクリレート系高分子化合物、またはポリフッ化ビニリデンあるいはフッ化ビニリデンとヘキサフルオロプロピレンとの共重合体等のフッ化ビニリデン重合体が挙げられ、これらのうちのいずれか1種または2種以上が混合して用いられる。特に、酸化還元安定性の観点からは、フッ化ビニリデン重合体等のフッ素系高分子化合物を用いることが望ましい。
(3−2)非水電解質電池の製造方法
この非水電解質電池は、例えば、次のようにして製造することができる。
[正極および負極の製造方法]
正極33および負極34は、第2の実施の形態と同様の方法により作製することができる。
[非水電解質電池の組み立て]
正極33および負極34のそれぞれに、非水電解液と、高分子化合物と、混合溶剤とを含む前駆溶液を塗布し、混合溶剤を揮発させて電解質層36を形成する。そののち、正極集電体33Aの端部に正極リード31を溶接により取り付けると共に、負極集電体34Aの端部に負極リード32を溶接により取り付ける。
次に、電解質層36が形成された正極33と負極34とをセパレータ35を介して積層し積層体としたのち、この積層体をその長手方向に巻回して、最外周部に保護テープ37を接着して扁平型の巻回電極体30を形成する。最後に、例えば、外装部材40の間に巻回電極体30を挟み込み、外装部材40の外縁部同士を熱融着等により密着させて封入する。その際、正極リード31および負極リード32と外装部材40との間には密着フィルム41を挿入する。これにより、図3および図4に示した非水電解質電池が完成する。
また、この非水電解質電池は、次のようにして作製してもよい。まず、上述したようにして正極33および負極34を作製し、正極33および負極34に正極リード31および負極リード32を取り付けたのち、正極33と負極34とをセパレータ35を介して積層して巻回し、最外周部に保護テープ37を接着して、巻回電極体30の前駆体である巻回体を形成する。次に、この巻回体を外装部材40に挟み、一辺を除く外周縁部を熱融着して袋状とし、外装部材40の内部に収納する。続いて、非水電解液と、高分子化合物の原料であるモノマーと、重合開始剤と、必要に応じて重合禁止剤等の他の材料とを含む電解質用組成物を用意し、外装部材40の内部に注入する。
電解質用組成物を注入したのち、外装部材40の開口部を真空雰囲気下で熱融着して密封する。次に、熱を加えてモノマーを重合させて高分子化合物とすることによりゲル状の電解質層36を形成し、図3および図4に示した非水電解質電池を組み立てる。
〔効果〕
この二次電池の作用および効果は、上述した第1および第2の実施の形態と同様である。また、ラミネートフィルムからなる外装部材が、電池内部でのガス発生により大きく変形することを防止することができる。
4.第4の実施の形態
第4の実施の形態では、第1の実施の形態における正極活物質を用いた非水電解質電池が備えられた電池パックについて説明する。
図5は、本技術の非水電解質電池を電池パックに適用した場合の回路構成例を示すブロック図である。電池パックは、組電池301、外装、充電制御スイッチ302aと、放電制御スイッチ303aとを備えるスイッチ部304、電流検出抵抗307、温度検出素子308、制御部310を備えている。
また、電池パックは、正極端子321および負極端子322を備え、充電時には正極端子321および負極端子322がそれぞれ充電器の正極端子、負極端子に接続され、充電が行われる。また、電子機器使用時には、正極端子321および負極端子322がそれぞれ電子機器の正極端子、負極端子に接続され、放電が行われる。
組電池301は、複数の非水電解質電池301aを直列および/または並列に接続してなる。この非水電解質電池301aは本技術の非水電解質電池である。なお、図5では、6つの非水電解質電池301aが、2並列3直列(2P3S)に接続された場合が例として示されているが、その他、n並列m直列(n,mは整数)のように、どのような接続方法でもよい。
スイッチ部304は、充電制御スイッチ302aおよびダイオード302b、ならびに放電制御スイッチ303aおよびダイオード303bを備え、制御部310によって制御される。ダイオード302bは、正極端子321から組電池301の方向に流れる充電電流に対して逆方向で、負極端子322から組電池301の方向に流れる放電電流に対して順方向の極性を有する。ダイオード303bは、充電電流に対して順方向で、放電電流に対して逆方向の極性を有する。なお、例では+側にスイッチ部を設けているが、−側に設けてもよい。
充電制御スイッチ302aは、電池電圧が過充電検出電圧となった場合にOFFされて、組電池301の電流経路に充電電流が流れないように充放電制御部によって制御される。充電制御スイッチのOFF後は、ダイオード302bを介することによって放電のみが可能となる。また、充電時に大電流が流れた場合にOFFされて、組電池301の電流経路に流れる充電電流を遮断するように、制御部310によって制御される。
放電制御スイッチ303aは、電池電圧が過放電検出電圧となった場合にOFFされて、組電池301の電流経路に放電電流が流れないように制御部310によって制御される。放電制御スイッチ303aのOFF後は、ダイオード303bを介することによって充電のみが可能となる。また、放電時に大電流が流れた場合にOFFされて、組電池301の電流経路に流れる放電電流を遮断するように、制御部310によって制御される。
温度検出素子308は例えばサーミスタであり、組電池301の近傍に設けられ、組電池301の温度を測定して測定温度を制御部310に供給する。電圧検出部311は、組電池301およびそれを構成する各非水電解質電池301aの電圧を測定し、この測定電圧をA/D変換して、制御部310に供給する。電流測定部313は、電流検出抵抗307を用いて電流を測定し、この測定電流を制御部310に供給する。
スイッチ制御部314は、電圧検出部311および電流測定部313から入力された電圧および電流を基に、スイッチ部304の充電制御スイッチ302aおよび放電制御スイッチ303aを制御する。スイッチ制御部314は、非水電解質電池301aのいずれかの電圧が過充電検出電圧もしくは過放電検出電圧以下になったとき、また、大電流が急激に流れたときに、スイッチ部304に制御信号を送ることにより、過充電および過放電、過電流充放電を防止する。
ここで、例えば、非水電解質電池がリチウムイオン二次電池の場合、過充電検出電圧が例えば4.20V±0.05Vと定められ、過放電検出電圧が例えば2.4V±0.1Vと定められる。
充放電スイッチは、例えばMOSFET等の半導体スイッチを使用できる。この場合MOSFETの寄生ダイオードがダイオード302bおよび303bとして機能する。充放電スイッチとして、Pチャンネル型FETを使用した場合は、スイッチ制御部314は、充電制御スイッチ302aおよび放電制御スイッチ303aのそれぞれのゲートに対して、制御信号DOおよびCOをそれぞれ供給する。充電制御スイッチ302aおよび放電制御スイッチ303aはPチャンネル型である場合、ソース電位より所定値以上低いゲート電位によってONする。すなわち、通常の充電および放電動作では、制御信号COおよびDOをローレベルとし、充電制御スイッチ302aおよび放電制御スイッチ303aをON状態とする。
そして、例えば過充電もしくは過放電の際には、制御信号COおよびDOをハイレベルとし、充電制御スイッチ302aおよび放電制御スイッチ303bをOFF状態とする。
メモリ317は、RAMやROMからなり例えば不揮発性メモリであるEPROM(Erasable Programmable Read Only Memory)等からなる。メモリ317では、制御部310で演算された数値や、製造工程の段階で測定された各非水電解質電池301aの初期状態における電池の内部抵抗値等が予め記憶され、また適宜、書き換えも可能である。また、非水電解質電池301aの満充電容量を記憶させておくことで、制御部310とともに例えば残容量を算出することができる。
温度検出部318では、温度検出素子308を用いて温度を測定し、異常発熱時に充放電制御を行ったり、残容量の算出における補正を行う。
5.第5の実施の形態
第5の実施の形態では、第2および第3の実施の形態にかかる非水電解質電池および第4の実施の形態にかかる電池パックを搭載した電子機器、電動車両および蓄電装置等の機器について説明する。第2〜第4の実施の形態で説明した非水電解質電池および電池パックは、電子機器や電動車両、蓄電装置等の機器に電力を供給するために使用することができる。
電子機器として、例えばノート型パソコン、PDA(携帯情報端末)、携帯電話、コードレスフォン子機、ビデオムービー、デジタルスチルカメラ、電子書籍、電子辞書、音楽プレイヤー、ラジオ、ヘッドホン、ゲーム機、ナビゲーションシステム、メモリーカード、ペースメーカー、補聴器、電動工具、電気シェーバー、冷蔵庫、 エアコン、テレビ、ステレオ、温水器、電子レンジ、食器洗い器、洗濯機、乾燥器、照明機器、玩具、医療機器、ロボット、ロードコンディショナー、信号機等が挙げられる。
また、電動車両としては鉄道車両、ゴルフカート、電動カート、電気自動車(ハイブリッド自動車を含む)等が挙げられ、これらの駆動用電源または補助用電源として用いられる。
蓄電装置としては、住宅をはじめとする建築物用または発電設備用の電力貯蔵用電源等が挙げられる。
以下では、上述した適用例のうち、本技術の非水電解質電池を適用した蓄電装置を用いた蓄電システムの具体例を説明する。
この蓄電システムは、例えば下記の様な構成が挙げられる。第1の蓄電システムは、再生可能エネルギーから発電を行う発電装置によって蓄電装置が充電される蓄電システムである。第2の蓄電システムは、蓄電装置を有し、蓄電装置に接続される電子機器に電力を供給する蓄電システムである。第3の蓄電システムは、蓄電装置から、電力の供給を受ける電子機器である。これらの蓄電システムは、外部の電力供給網と協働して電力の効率的な供給を図るシステムとして実施される。
さらに、第4の蓄電システムは、蓄電装置から電力の供給を受けて車両の駆動力に変換する変換装置と、蓄電装置に関する情報に基いて車両制御に関する情報処理を行なう制御装置とを有する電動車両である。第5の蓄電システムは、他の機器とネットワークを介して信号を送受信する電力情報送受信部とを備え、送受信部が受信した情報に基づき、上述した蓄電装置の充放電制御を行う電力システムである。第6の蓄電システムは、上述した蓄電装置から、電力の供給を受け、または発電装置または電力網から蓄電装置に電力を供給する電力システムである。以下、蓄電システムについて説明する。
(5−1)応用例としての住宅における蓄電システム
本技術の非水電解質電池を用いた蓄電装置を住宅用の蓄電システムに適用した例について、図6を参照して説明する。例えば住宅101用の蓄電システム100においては、火力発電102a、原子力発電102b、水力発電102c等の集中型電力系統102から電力網109、情報網112、スマートメータ107、パワーハブ108等を介し、電力が蓄電装置103に供給される。これと共に、家庭内発電装置104等の独立電源から電力が蓄電装置103に供給される。蓄電装置103に供給された電力が蓄電される。蓄電装置103を使用して、住宅101で使用する電力が給電される。住宅101に限らずビルに関しても同様の蓄電システムを使用できる。
住宅101には、発電装置104、電力消費装置105、蓄電装置103、各装置を制御する制御装置110、スマートメータ107、各種情報を取得するセンサ111が設けられている。各装置は、電力網109および情報網112によって接続されている。発電装置104として、太陽電池、燃料電池等が利用され、発電した電力が電力消費装置105および/または蓄電装置103に供給される。電力消費装置105は、冷蔵庫105a、空調装置105b、テレビジョン受信機105c、風呂105d等である。さらに、電力消費装置105には、電動車両106が含まれる。電動車両106は、電気自動車106a、ハイブリッドカー106b、電気バイク106cである。
蓄電装置103に対して、本技術の非水電解質電池が適用される。本技術の非水電解質電池は、例えば上述したリチウムイオン二次電池によって構成されていてもよい。スマートメータ107は、商用電力の使用量を測定し、測定された使用量を、電力会社に送信する機能を備えている。電力網109は、直流給電、交流給電、非接触給電の何れか一つまたは複数を組み合わせてもよい。
各種のセンサ111は、例えば人感センサ、照度センサ、物体検知センサ、消費電力センサ、振動センサ、接触センサ、温度センサ、赤外線センサ等である。各種のセンサ111により取得された情報は、制御装置110に送信される。センサ111からの情報によって、気象の状態、人の状態等が把握されて電力消費装置105を自動的に制御してエネルギー消費を最小とすることができる。さらに、制御装置110は、住宅101に関する情報をインターネットを介して外部の電力会社等に送信することができる。
パワーハブ108によって、電力線の分岐、直流交流変換等の処理がなされる。制御装置110と接続される情報網112の通信方式としては、UART(Universal Asynchronous Receiver-Transceiver:非同期シリアル通信用送受信回路)等の通信インターフェースを使う方法、Bluetooth、ZigBee、Wi−Fi等の無線通信規格によるセンサーネットワークを利用する方法がある。Bluetooth方式は、マルチメディア通信に適用され、一対多接続の通信を行うことができる。ZigBeeは、IEEE(Institute of Electrical and Electronics Engineers)802.15.4の物理層を使用するものである。IEEE802.15.4は、PAN(Personal Area Network)またはW(Wireless)PANと呼ばれる短距離無線ネットワーク規格の名称である。
制御装置110は、外部のサーバ113と接続されている。このサーバ113は、住宅101、電力会社、サービスプロバイダーの何れかによって管理されていてもよい。サーバ113が送受信する情報は、たとえば、消費電力情報、生活パターン情報、電力料金、天気情報、天災情報、電力取引に関する情報である。これらの情報は、家庭内の電力消費装置(たとえばテレビジョン受信機)から送受信してもよいが、家庭外の装置(たとえば、携帯電話機等)から送受信してもよい。これらの情報は、表示機能を持つ機器、たとえば、テレビジョン受信機、携帯電話機、PDA(Personal Digital Assistants)等に、表示されてもよい。
各部を制御する制御装置110は、CPU(Central Processing Unit)、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)等で構成され、この例では、蓄電装置103に格納されている。制御装置110は、蓄電装置103、家庭内発電装置104、電力消費装置105、各種のセンサ111、サーバ113と情報網112により接続され、例えば、商用電力の使用量と、発電量とを調整する機能を有している。なお、その他にも、電力市場で電力取引を行う機能等を備えていてもよい。
以上のように、電力が火力102a、原子力102b、水力102c等の集中型電力系統102のみならず、家庭内発電装置104(太陽光発電、風力発電)の発電電力を蓄電装置103に蓄えることができる。したがって、家庭内発電装置104の発電電力が変動しても、外部に送出する電力量を一定にしたり、または、必要なだけ放電するといった制御を行うことができる。例えば、太陽光発電で得られた電力を蓄電装置103に蓄えると共に、夜間は料金が安い深夜電力を蓄電装置103に蓄え、昼間の料金が高い時間帯に蓄電装置103によって蓄電した電力を放電して利用するといった使い方もできる。
なお、この例では、制御装置110が蓄電装置103内に格納される例を説明したが、スマートメータ107内に格納されてもよいし、単独で構成されていてもよい。さらに、蓄電システム100は、集合住宅における複数の家庭を対象として用いられてもよいし、複数の戸建て住宅を対象として用いられてもよい。
(5−2)応用例としての車両における蓄電システム
本技術を車両用の蓄電システムに適用した例について、図7を参照して説明する。図7に、本技術が適用されるシリーズハイブリッドシステムを採用するハイブリッド車両の構成の一例を概略的に示す。シリーズハイブリッドシステムはエンジンで動かす発電機で発電された電力、あるいはそれをバッテリーに一旦貯めておいた電力を用いて、電力駆動力変換装置で走行する車である。
このハイブリッド車両200には、エンジン201、発電機202、電力駆動力変換装置203、駆動輪204a、駆動輪204b、車輪205a、車輪205b、バッテリー208、車両制御装置209、各種センサ210、充電口211が搭載されている。バッテリー208に対して、上述した本技術の非水電解質電池が適用される。
ハイブリッド車両200は、電力駆動力変換装置203を動力源として走行する。電力駆動力変換装置203の一例は、モータである。バッテリー208の電力によって電力駆動力変換装置203が作動し、この電力駆動力変換装置203の回転力が駆動輪204a、204bに伝達される。なお、必要な個所に直流−交流(DC−AC)あるいは逆変換(AC−DC変換)を用いることによって、電力駆動力変換装置203が交流モータでも直流モータでも適用可能である。各種センサ210は、車両制御装置209を介してエンジン回転数を制御したり、図示しないスロットルバルブの開度(スロットル開度)を制御したりする。各種センサ210には、速度センサ、加速度センサ、エンジン回転数センサ等が含まれる。
エンジン201の回転力は発電機202に伝えられ、その回転力によって発電機202により生成された電力をバッテリー208に蓄積することが可能である。
図示しない制動機構によりハイブリッド車両200が減速すると、その減速時の抵抗力が電力駆動力変換装置203に回転力として加わり、この回転力によって電力駆動力変換装置203により生成された回生電力がバッテリー208に蓄積される。
バッテリー208は、ハイブリッド車両200の外部の電源に接続されることで、その外部電源から充電口211を入力口として電力供給を受け、受けた電力を蓄積することも可能である。
図示しないが、非水電解質電池に関する情報に基いて車両制御に関する情報処理を行う情報処理装置を備えていてもよい。このような情報処理装置としては、例えば、電池の残量に関する情報に基づき、電池残量表示を行う情報処理装置等がある。
なお、以上は、エンジンで動かす発電機で発電された電力、或いはそれをバッテリーに一旦貯めておいた電力を用いて、モータで走行するシリーズハイブリッド車を例として説明した。しかしながら、エンジンとモータの出力がいずれも駆動源とし、エンジンのみで走行、モータのみで走行、エンジンとモータ走行という3つの方式を適宜切り替えて使用するパラレルハイブリッド車に対しても本技術は有効に適用可能である。さらに、エンジンを用いず駆動モータのみによる駆動で走行する所謂、電動車両に対しても本技術は有効に適用可能である。
以下、実施例により本技術を詳細に説明する。以下の実施例および比較例では、体積基準50%平均粒径、ならびに個数基準10%平均粒径、個数基準50%平均粒径および個数基準90%平均粒径が異なるように作製した正極活物質を用いた電池の電池特性を確認した。
<実施例1>
[正極の作製]
硫酸ニッケル(NiSO4)と硫酸コバルト(CoSO4)とを水中に溶解し、さらに十分に攪拌させながら水酸化ナトリウム(NaOH)溶液を加えて、モル比がNi:Co=90:10となるようにニッケル−コバルト複合共沈水酸化物を得た。生成した共沈酸化物は、攪拌によって結晶同士の摩擦が起こり、図8AのSEM(Scanning Electron Microscope)写真に示すように、形状が球状となった。
次に、生成した共沈酸化物を水洗、乾燥し、その後に水酸化リチウム一水和塩(LiOH・H2O)と水酸化アルミニウム(Al(OH)3)3mol%を加え、モル比がLi:(Ni+Co+Al)=105:100となるように調整して前駆体を作製した。
これらの前駆体を酸素気流中、500℃で10時間焼成し、室温まで冷却した。この後、この500℃焙焼粉末を取り出して粉砕、焙焼粉末100gをイオン交換水中に分散させ、2.0mol/Lの硝酸コバルト(Co(NO32)水溶液32mLを添加して、分散液のpHが12となるように苛性ソーダを添加して1時間攪拌した。その後、焙焼粉末を1Lのイオン交換水で洗浄後、吸引ろ過を行い、120℃オーブンで12時間乾燥した。乾燥した粉末に水酸化リチウム一水和塩を加え、モル比がLi:(Ni+Co+Al)=103:100となるように調整して中間体を作製した。この中間体を酸素気流中、700℃で10時間焼成し、正極活物質を得た。
取り出した正極活物質は、組成式Li1.03Ni0.82Co0.15Al0.032で表されるニッケル酸リチウムを主体としたものであった。なお、この正極活物質は、前駆体作製後に硝酸コバルトを添加することによりコバルト(Co)を前駆体表面に被覆させ、その後に焼成を行った。このため、前駆体表面を被覆したコバルト(Co)が前駆体に固溶し、正極活物質粒子の表面から中心部にかけてコバルト(Co)の濃度が傾斜した粒子構成となった。
この正極活物質の平均粒径は、レーザー回折・散乱法による測定で個数基準の粒度分布は10%平均粒径が2.2μm、50%平均粒径が4.9μm、90%平均粒径が35.0μmであったが、45μmの篩により粗大粒子をカットオフした後の体積基準の50%平均粒径が18.1μmであり、個数基準の粒度分布は10%平均粒径が2.2μm、50%平均粒径が4.9μm、90%平均粒径が15.0μmであった。
また、この正極活物質は、粒子中においてコバルト(Co)とニッケル(Ni)の組成に傾斜があり、XPSによって測定された粒子表面のCo/Niの値であるRsと、粒子の全組成中のCo/Niの値であるRとの比Rs/Rが、2.14であった。また、加速電圧15kVでのEDXによって測定された粒子表面のCo/Niの値であるRtと、粒子の全組成中のCo/Niの値であるRとの比Rt/Rが、1.08であった。なお、XPSによる測定では、表面から数nm程度の深さまでの分析が可能であり、EDXによる測定では、表面から数μm程度の深さまでの分析が可能である。
以上の正極活物質を用い、図4に示した二次電池用正極を下記のようにして作製した。
まず、得られた正極活物質85質量部と、導電剤であるグラファイト5質量部と、結着剤であるポリフッ化ビニリデン10質量部とを混合して正極合剤を調製した。続いて、この正極合剤を分散媒であるN−メチル−2−ピロリドンに分散させて正極合剤スラリーとした。次に、この正極合剤スラリーを、厚み20μmのアルミニウム(Al)箔よりなる正極集電体の両面に均一に塗布して乾燥させ、ロールプレス機を用いて所定のプレス力にて圧縮成型して正極活物質層を形成し、正極を作製した。この正極をイオン交換水中によく浸漬し、ドライエアーで乾燥後に巻き取り、120℃にて10時間真空乾燥を行った。処理後の正極電極の水分は150ppmであった。また、体積密度は3.52g/cm3であり、高い充填効果が得られた。最後に、正極に正極端子を取り付けた。なお、ニッケル(Ni)を主体とした遷移金属を含む層状構造を有し、コバルト(Co)被覆を行ったリチウム複合酸化物では、体積密度が3.45g/cm3以上の場合を好ましい充填状態として判断した。
[負極の作製]
粉砕した黒鉛粉末を負極活物質として用意した。この黒鉛粉末90質量部と、結着剤であるポリフッ化ビニリデン10質量部とを混合して負極合剤を調製した。続いて、この負極合剤を分散媒であるN−メチル−2−ピロリドンに分散させ負極合剤スラリーとした。次に、この負極合剤スラリーを、厚み15μmの銅(Cu)箔よりなる負極集電体の両面に均一に塗布して乾燥させたのち、ロールプレス機で圧縮成型して、負極活物質層を形成し、負極を作製した。最後に、負極に負極端子を取り付けた。
なお、正極および負極は、電池作製後の定格容量が1Ahとなるようにして作製した。
正極および負極を作製したのち、正極および負極を、厚み25μmの微孔性ポリエチレンフィルムよりなるセパレータを介して積層して密着させ、長手方向に巻回して、最外周部に保護テープを貼り付けることにより、巻回電極体を作製した。
次に、作製した巻回電極体を外装部材の間に装填し、巻回電極体のサイド部に対向する外装部材の1辺を除く3辺を熱融着した。外装部材には最外層から順に25μm厚のナイロンフィルムと40μm厚のアルミニウム箔と30μm厚のポリプロピレンフィルムとが順に積層されてなる、防湿性のアルミラミネートフィルムを用いた。
続いて、電解液を作製した。電解液は、エチレンカーボネート(EC):エチルメチルカーボネート(EMC)=5:5の質量比で混合した溶媒に、電解質塩として六フッ化リン酸リチウム(LiPF6)を1mol/kgとなるように溶解させて作製した。最後に、外装部材の内部に電解液を注入し、外装部材の残りの1辺を減圧下において熱融着して密封することにより、二次電池を作製した。
なお、以下の実施例2〜実施例10および比較例1〜比較例13は、正極活物質の構成および正極活物質層の体積密度が異なる以外は、実施例1と同様にして作製したものである。このため、電池作製工程については説明を省略した。
<実施例2>
硫酸ニッケル(NiSO4)と硫酸コバルト(CoSO4)とを水中に溶解し、さらに十分に攪拌させながら水酸化ナトリウム(NaOH)溶液を加えて、モル比がNi:Co=85:15となるようにニッケル−コバルト複合共沈水酸化物を得た。生成した共沈酸化物は、攪拌によって結晶同士の摩擦が起こり、形状が球状となった。次に、生成した共沈酸化物を水洗、乾燥、その後に水酸化リチウム一水和塩と水酸化アルミニウムを加え、モル比がLi:(Ni+Co+Al)=105:100となるように調整して前駆体を作製した。これらの前駆体を酸素気流中、500℃で10時間焼成し、室温まで冷却した。この後、この500℃焙焼粉末を取り出して粉砕し、100gをイオン交換水中に分散させ、2.0mol/Lの硝酸コバルト水溶液32mLを添加して、分散液のpHが12となるように苛性ソーダを添加して1時間攪拌した。
その後、焙焼粉末を1Lのイオン交換水で洗浄後、吸引ろ過を行い、120℃オーブンで12時間乾燥した。乾燥した粉末に水酸化リチウム一水和塩を加え、モル比がLi:(Ni+Co+Al)=105:100となるように調整して中間体を作製した。この中間体を酸素気流中、700℃で10時間焼成し、正極活物質を得た。取り出した正極活物質は、組成式Li1.05Ni0.75Co0.20Al0.052で表されるニッケル酸リチウムを主体としたものであった。
この正極活物質の平均粒径は、レーザー回折・散乱法による測定で個数基準の粒度分布は10%平均粒径が2.4μm、50%平均粒径が4.8μm、90%平均粒径が36.0μmであったが、45μmの篩により粗大粒子をカットオフした後の体積基準の50%平均粒径が18.0μmであり、個数基準の粒度分布は10%平均粒径が2.4μm、50%平均粒径が4.9μm、90%平均粒径が16.4μmであった。
また、この正極活物質は、粒子中においてコバルト(Co)とニッケル(Ni)の組成に傾斜があり、Rs/Rが2.14、Rt/Rが1.10であった。さらに、正極活物質層は、体積密度が3.56g/cm3であり、高い充填効果が得られた。なお、正極活物質層形成時におけるプレス力は、実施例1と同様とした。また、以下の各実施例および比較例についても同様に、プレス力は実施例1と同様とした。
<実施例3>
実施例1同様のニッケル酸リチウムを主体とした正極で、硫酸ニッケル(NiSO4)と硫酸コバルト(CoSO4)とを水中に溶解し、さらに十分に攪拌させながら水酸化ナトリウム(NaOH)溶液を加えて、モル比がNi:Co=90:10となるようにニッケル−コバルト複合共沈水酸化物を得た。生成した共沈酸化物は、攪拌によって結晶同士の摩擦が起こり、形状が球状となった。次に、生成した共沈酸化物を水洗、乾燥、その後に水酸化リチウム一水和塩を加え、モル比がLi:(Ni+Co)=105:100となるように調整して前駆体を作製した。これらの前駆体を酸素気流中、500℃で10時間焼成し、室温まで冷却した。この後、この500℃焙焼粉末を取り出して粉砕し、100gをイオン交換水中に分散させ、2.0mol/Lの硝酸コバルト水溶液63mLを添加して、分散液のpHが12となるように苛性ソーダを添加して1時間攪拌した。
その後、焙焼粉末を1Lのイオン交換水で洗浄後、吸引ろ過を行い、120℃オーブンで12時間乾燥した。乾燥した粉末に水酸化リチウム一水和塩と水酸化アルミニウムを加え、モル比がLi:(Ni+Co+Al)=105:100となるように調整して中間体を作製した。この中間体を酸素気流中、700℃で10時間焼成し、正極活物質を得た。取り出した正極活物質は、組成式Li1.05Ni0.75Co0.20Al0.052で表されるニッケル酸リチウムを主体としたものであった。
この正極活物質の平均粒径は、レーザー回折・散乱法による測定で個数基準の粒度分布は10%平均粒径が2.0μm、50%平均粒径が4.1μm、90%平均粒径が32.0μmであったが、45μmの篩により粗大粒子をカットオフした後の体積基準の50%平均粒径が17.0μmであり、個数基準の粒度分布は10%平均粒径が2.3μm、50%平均粒径が4.9μm、90%平均粒径が13.2μmであった。
また、この正極活物質は、粒子中においてコバルト(Co)とニッケル(Ni)の組成に傾斜があり、Rs/Rが2.72、Rt/Rが1.19であった。さらに、正極活物質層は、体積密度が3.55g/cm3であり、高い充填効果が得られた。
<実施例4>
実施例1同様のニッケル酸リチウムを主体とした正極活物質で、硫酸ニッケル(NiSO4)と硫酸コバルト(CoSO4)とを水中に溶解し、さらに十分に攪拌させながら水酸化ナトリウム(NaOH)溶液を加えて、モル比がNi:Co=95:5となるようにニッケル−コバルト複合共沈水酸化物を得た。生成した共沈酸化物は、攪拌によって結晶同士の摩擦が起こり、形状が球状となった。次に、生成した共沈酸化物を水洗、乾燥、その後に水酸化リチウム一水和塩を加え、モル比がLi:(Ni+Co)=105:100となるように調整して前駆体を作製した。これらの前駆体を酸素気流中、500℃で10時間焼成し、室温まで冷却した。この後、この500℃焙焼粉末を取り出して粉砕し、100gをイオン交換水中に分散させ、2.0mol/Lの硝酸コバルト水溶液94mLを添加して、分散液のpHが12となるように苛性ソーダを添加して1時間攪拌した。
その後、焙焼粉末を1Lのイオン交換水で洗浄後、吸引ろ過を行い、120℃オーブンで12時間乾燥した。乾燥した粉末に水酸化リチウム一水和塩と水酸化アルミニウムを加え、モル比がLi:(Ni+Co+Al)=105:100となるように調整して中間体を作製した。この中間体を酸素気流中、700℃で10時間焼成し、正極活物質を得た。取り出した正極活物質は、組成式Li1.05Ni0.75Co0.20Al0.052で表されるニッケル酸リチウムを主体としたものであった。
この正極活物質の平均粒径は、レーザー回折・散乱法による測定で個数基準の粒度分布は10%平均粒径が2.9μm、50%平均粒径が4.1μm、90%平均粒径が30.0μmであったが、45μmの篩により粗大粒子をカットオフした後の体積基準の50%平均粒径が17.7μmであり、個数基準の粒度分布は10%平均粒径が2.7μm、50%平均粒径が4.4μm、90%平均粒径が14.9μmであった。
また、この正極活物質は、粒子中においてコバルト(Co)とニッケル(Ni)の組成に傾斜があり、Rs/Rが3.35、Rt/Rが1.22であった。さらに、正極活物質層は、体積密度が3.55g/cm3であり、高い充填効果が得られた。
<実施例5>
実施例1同様の正極で、硫酸ニッケルを、水中に溶解し、さらに十分に攪拌させながら水酸化ナトリウム(NaOH)溶液を加えて、ニッケル水酸化物を得た。生成した共沈酸化物は、攪拌によって結晶同士の摩擦が起こり、形状が球状となった。次に、生成した共沈酸化物を水洗、乾燥、その後に水酸化リチウム一水和塩を加え、モル比がLi:Ni=105:100となるように調整して前駆体を作製した。これらの前駆体を酸素気流中、500℃で10時間焼成し、室温まで冷却した。この後、この500℃焙焼粉末を取り出して粉砕し、100gをイオン交換水中に分散させ、2.0mol/Lの硝酸コバルト水溶液125mLを添加して、分散液のpHが12となるように苛性ソーダを添加して1時間攪拌した。
その後、焙焼粉末を1Lのイオン交換水で攪拌・洗浄後、吸引ろ過を行い、120℃オーブンで12時間乾燥した。乾燥した粉末に水酸化リチウム一水和塩と水酸化アルミニウムを加え、モル比がLi:(Ni+Co+Al)=105:100となるように調整して中間体を作製した。この中間体を酸素気流中、700℃で10時間焼成し、正極活物質を得た。取り出した正極活物質は、組成式Li1.05Ni0.75Co0.20Al0.052で表されるニッケル酸リチウムを主体としたものであった。
この正極活物質の平均粒径は、レーザー回折・散乱法による測定で個数基準の粒度分布は10%平均粒径が2.8μm、50%平均粒径が5.0μm、90%平均粒径が45.0μmであったが、35μmの篩により粗大粒子をカットオフした後の体積基準の50%平均粒径が17.7μmであり、個数基準の粒度分布は10%平均粒径が2.9μm、50%平均粒径が4.8μm、90%平均粒径が15.2μmであった。
また、この正極活物質は、粒子中においてコバルト(Co)とニッケル(Ni)の組成に傾斜があり、Rs/Rが3.87、Rt/Rが1.33であった。さらに、正極活物質層は、体積密度が3.54g/cm3であり、高い充填効果が得られた。
<実施例6>
硫酸ニッケル(NiSO4)と硫酸コバルト(CoSO4)とを水中に溶解し、ゆるやかに攪拌させながら水酸化ナトリウム(NaOH)溶液を加えて、モル比がNi:Co=80:20となるようにニッケル−コバルト複合共沈水酸化物を得た。生成した共沈酸化物は、攪拌が十分に行われなかったことで結晶同士の摩擦が起こらず、形状が図8BのSEM写真に示すような破片状となった。
生成した共沈酸化物を水洗、乾燥し、その後に水酸化リチウム一水和塩を加え、モル比がLi:(Ni+Co)=105:100となるように調整して前駆体を作製した。これらの前駆体を酸素気流中、500℃で10時間焼成し、室温まで冷却した。この後、この500℃焙焼粉末を取り出して粉砕し、100gをイオン交換水中に分散させ、2.0mol/Lの硝酸コバルト水溶液63mLを添加して、分散液のpHが11.8となるように苛性ソーダを添加して1時間攪拌した。
続いて、焙焼粉末を1Lのイオン交換水で攪拌・洗浄後、吸引ろ過を行い、酸素気流中、700℃で10時間焼成して正極活物質を得た。取り出した正極活物質は、組成式Li1.05Ni0.75Co0.20 Al0.05 2で表されるニッケル酸リチウムを主体としたものであった。
この正極活物質の平均粒径は、レーザー回折・散乱法による測定で体積基準の50%平均粒径が18.4μmであった。個数基準の10%粒径は2.5μm、50%粒径は5.5μm、90%粒径は15.1μmであった。前記と同様の方法で放電した電極を作製し、同様の方法で二次電池を作製し定電流充放電測定および満充電高温保存時の膨れ量を測定した。
また、この正極活物質は、粒子中においてコバルト(Co)とニッケル(Ni)の組成に傾斜があり、Rs/Rが3.30、Rt/Rが1.21であった。さらに、正極活物質層は、体積密度が3.49g/cm3であり、高い充填効果が得られた。
<実施例7>
硫酸ニッケル(NiSO4)と硫酸コバルト(CoSO4)とを水中に溶解し、さらに十分に攪拌させながら水酸化ナトリウム(NaOH)溶液を加えて、モル比がNi:Co=75:25となるようにニッケル−コバルト複合共沈水酸化物を得た。生成した共沈酸化物は、攪拌によって結晶同士の摩擦が起こり、形状が球状となった。次に、生成した共沈酸化物を水洗、乾燥、その後に水酸化リチウム一水和塩と水酸化アルミニウムを加え、モル比がLi:(Ni+Co+Al)=105:100となるように調整して前駆体を作製した。これらの前駆体を酸素気流中、500℃で10時間焼成し、室温まで冷却した。この後、この500℃焙焼粉末を取り出して粉砕し、100gをイオン交換水中に分散させ、0.2mol/Lの硝酸アルミニウム水溶液32mLを添加して、分散液のpHが11となるように苛性ソーダを添加して1時間攪拌した。その後、焙焼粉末を1Lのイオン交換水で洗浄後、吸引ろ過を行い、120℃オーブンで12時間乾燥した。乾燥した粉末に水酸化リチウム一水和塩を加え、モル比がLi:(Ni+Co+Al)=105:100となるように調整して中間体を作製した。この中間体を酸素気流中、700℃で10時間焼成し、正極活物質を得た。取り出した正極活物質は、組成式Li1.05Ni0.75Co0.20Al0.052で表されるニッケル酸リチウムを主体としたものであった。
この正極活物質の平均粒径は、レーザー回折・散乱法による測定で体積基準の50%平均粒径が18.8μmであり、個数基準の粒度分布は10%平均粒径が2.1μm、50%平均粒径が4.0μm、90%平均粒径が17.4μmであった。
また、この正極活物質は、粒子中においてアルミニウム(Al)とニッケル(Ni)の組成に傾斜があり、Rs/Rが2.00、Rt/Rが1.22であった。さらに、正極活物質層は、体積密度が3.53g/cm3であり、高い充填効果が得られた。
<実施例8>
硫酸ニッケル(NiSO4)と硫酸コバルト(CoSO4)とを水中に溶解し、さらに十分に攪拌させながら水酸化ナトリウム(NaOH)溶液を加えて、モル比がNi:Co=75:25となるようにニッケル−コバルト複合共沈水酸化物を得た。生成した共沈酸化物は、攪拌によって結晶同士の摩擦が起こり、形状が球状となった。次に、生成した共沈酸化物を水洗、乾燥、その後に水酸化リチウム一水和塩を加え、モル比がLi:(Ni+Co)=105:100となるように調整して前駆体を作製した。これらの前駆体を酸素気流中、500℃で10時間焼成し、室温まで冷却した。この後、この500℃焙焼粉末を取り出して粉砕し、100gをイオン交換水中に分散させ、2.0mol/Lの硫酸マンガン水溶液32mLを添加して、分散液のpHが11となるように苛性ソーダを添加して1時間攪拌した。その後、焙焼粉末を1Lのイオン交換水で洗浄後、吸引ろ過を行い、120℃オーブンで12時間乾燥した。乾燥した粉末に水酸化リチウム一水和塩を加え、モル比がLi:(Ni+Co+Mn)=105:100となるように調整して中間体を作製した。この中間体を酸素気流中、700℃で10時間焼成し、正極活物質を得た。取り出した正極活物質は、組成式Li1.05Ni0.75Co0.20Mn0.052で表されるニッケル酸リチウムを主体としたものであった。
この正極活物質の平均粒径は、レーザー回折・散乱法による測定で体積基準の50%平均粒径が18.3μmであり、個数基準の粒度分布は10%平均粒径が2.0μm、50%平均粒径が4.0μm、90%平均粒径が17.1μmであった。
また、この正極活物質は、粒子中においてマンガン(Mn)とニッケル(Ni)の組成に傾斜があり、Rs/Rが1.80、Rt/Rが1.09であった。さらに、正極活物質層は、体積密度が3.51g/cm3であり、高い充填効果が得られた。
<実施例9>
硫酸ニッケル(NiSO4)と硫酸コバルト(CoSO4)とを水中に溶解し、さらに十分に攪拌させながら水酸化ナトリウム(NaOH)溶液を加えて、モル比がNi:Co=80:20となるようにニッケル−コバルト複合共沈水酸化物を得た。生成した共沈酸化物は、攪拌によって結晶同士の摩擦が起こり、形状が球状となった。次に、生成した共沈酸化物を水洗、乾燥、その後に水酸化リチウム一水和塩と水酸化アルミニウムを加え、モル比がLi:(Ni+Co+Al)=105:100となるように調整して前駆体を作製した。これらの前駆体を酸素気流中、700℃で10時間焼成し、室温まで冷却した後に、取り出して粉砕した。続いて、粉砕した前駆体を1Lのイオン交換水にて攪拌・洗浄後、吸引ろ過を行い、酸素気流中、500℃で10時間焼成し、正極活物質を得た。取り出した正極活物質は、組成式Li1.05Ni0.75Co0.20Al0.052で表されるニッケル酸リチウムを主体としたものであった。
この正極活物質の平均粒径は、レーザー回折・散乱法による測定で体積基準の50%平均粒径が19.0μmであった。個数基準の10%粒径は2.5μm、50%粒径は5.5μm、90%粒径は17.8μmであった。前記と同様の方法で放電した電極を作製し、同様の方法で二次電池を作製し定電流充放電測定および満充電高温保存時の膨れ量を測定した。
また、この正極活物質は、粒子中においてコバルト(Co)とニッケル(Ni)の組成に傾斜がなかった。正極活物質層は、体積密度が3.53g/cm3であり、高い充填効果が得られた。
<実施例10>
ジェットミルにて約10μmに粉砕した酸化鉄(Fe23)とリン酸リチウム(Li3PO4)を分散混合したスラリー水溶液に、炭素源として糖質を溶解させてスプレードライにより乾燥させた。得られた粉末は、一次粒子が凝集した二次粒子であり、形状が球状となった。得られた粉末を窒素雰囲気下600℃で5時間焼成した。取り出した正極活物質は組成式Li1.01FePO4で示されるリン酸鉄リチウムに炭素が3重量%被覆されたものであった。
この正極活物質の平均粒径は、レーザー回折・散乱法による測定で体積基準の50%平均粒径が12.4μmであり、個数基準の粒度分布は10%平均粒径が1.8μm、50%平均粒径が5.5μm、90%平均粒径が13.3μmであった。
また、この正極活物質は、粒子中においてコバルト(Co)とニッケル(Ni)の組成に傾斜がなかった。正極活物質層は、体積密度が2.42g/cm3であり、高い充填効果が得られた。なお、オリビン構造を有するリチウム複合酸化物では、体積密度が2.40g/cm3以上の場合を好ましい充填状態として判断した。
<比較例1>
硫酸ニッケル(NiSO4)と硫酸コバルト(CoSO4)とを水中に溶解し、さらに十分に攪拌させながら水酸化ナトリウム(NaOH)溶液を加えて、モル比がNi:Co=80:20となるようにニッケル−コバルト複合共沈水酸化物を得た。生成した共沈酸化物は、攪拌によって結晶同士の摩擦が起こり、形状が球状となった。次に、生成した共沈酸化物を水洗、乾燥、その後に水酸化リチウム一水和塩と水酸化アルミニウムを加え、モル比がLi:(Ni+Co+Al)=105:100となるように調整して前駆体を作製した。これらの前駆体を酸素気流中、700℃で10時間焼成し、室温まで冷却した後に、取り出して粉砕した。続いて、粉砕した前駆体を1Lのイオン交換水にて攪拌・洗浄後、吸引ろ過を行い、酸素気流中、700℃で10時間焼成し、正極活物質を得た。取り出した正極活物質は、組成式Li1.05Ni0.75Co0.20Al0.052で表されるニッケル酸リチウムを主体としたものであった。
この正極活物質の平均粒径は、レーザー回折・散乱法による測定で体積基準の50%平均粒径が11.7μmであった。個数基準の10%粒径は5.5μm、50%粒径は8.0μm、90%粒径は12.9μmであった。前記と同様の方法で放電した電極を作製し、同様の方法で二次電池を作製し定電流充放電測定および満充電高温保存時の膨れ量を測定した。
また、この正極活物質は、粒子中においてコバルト(Co)とニッケル(Ni)の組成に傾斜がなかった。正極活物質層は、体積密度が3.35g/cm3であり、高い充填効果が得られなかった。
<比較例2>
硫酸ニッケル(NiSO4)と硫酸コバルト(CoSO4)とを水中に溶解し、さらに十分に攪拌させながら水酸化ナトリウム(NaOH)溶液を加えて、モル比がNi:Co=80:20となるようにニッケル−コバルト複合共沈水酸化物を得た。生成した共沈酸化物は、攪拌によって結晶同士の摩擦が起こり、形状が球状となった。次に、生成した共沈酸化物を水洗、乾燥、その後に水酸化リチウム一水和塩を加え、モル比がLi:(Ni+Co)=105:100となるように調整して前駆体を作製した。これらの前駆体を酸素気流中、500℃で10時間焼成し、室温まで冷却した後に、取り出して粉砕し、100gをイオン交換水中に分散させ、2.0mol/Lの硝酸コバルト水溶液63mLを添加して、分散液のpHが12となるように苛性ソーダを添加して1時間攪拌した。
1Lのイオン交換水にて攪拌・洗浄後、吸引ろ過を行い、酸素気流中、700℃で10時間焼成し、正極活物質を得た。取り出した正極活物質は、組成式Li1.05Ni0.75Co0.20 Al0.05 2で表されるニッケル酸リチウムを主体としたものであった。
この正極活物質の平均粒径は、レーザー回折・散乱法による測定で体積基準の50%平均粒径が12.3μmであった。個数基準の10%粒径は6.3μm、50%粒径は9.4μm、90%粒径は14.2μmであった。前記と同様の方法で放電した電極を作製し、同様の方法で二次電池を作製し定電流充放電測定および満充電高温保存時の膨れ量を測定した。
また、この正極活物質は、粒子中においてコバルト(Co)とニッケル(Ni)の組成に傾斜があり、Rs/Rが3.30、Rt/Rが1.20であった。さらに、正極活物質層は、体積密度が3.40g/cm3となるように形成した。
<比較例3>
硫酸ニッケル(NiSO4)と硫酸コバルト(CoSO4)とを水中に溶解し、ゆるやかに攪拌させながら水酸化ナトリウム(NaOH)溶液を加えて、モル比がNi:Co=80:20となるようにニッケル−コバルト複合共沈水酸化物を得た。生成した共沈酸化物は、攪拌が十分に行われなかったことで結晶同士の摩擦が起こらず、形状は破片状となった。生成した共沈酸化物を水洗、乾燥し、その後に水酸化リチウム一水和塩を加え、モル比がLi:(Ni+Co)=105:100となるように調整して前駆体を作製した。これらの前駆体を酸素気流中、500℃で10時間焼成し、室温まで冷却した後に、取り出して粉砕した。この後、粉砕した前駆体を100gをイオン交換水中に分散させ、2.0mol/Lの硝酸コバルト水溶液63mLを添加して、分散液のpHが12となるように苛性ソーダを添加して1時間攪拌した。
その後、焙焼粉末を1Lのイオン交換水にて攪拌・洗浄後、吸引ろ過を行い、酸素気流中、700℃で10時間焼成し、正極活物質を得た。取り出した正極活物質は、組成式Li1.05Ni0.75Co0.20Al0.052で表されるニッケル酸リチウムを主体としたものであった。
この正極活物質の平均粒径は、レーザー回折・散乱法による測定で体積基準の50%平均粒径が12.0μmであった。個数基準の10%粒径は4.1μm、50%粒径は6.9μm、90%粒径は12.3μmであった。前記と同様の方法で放電した電極を作製し、同様の方法で二次電池を作製し定電流充放電測定および満充電高温保存時の膨れ量を測定した。
また、この正極活物質は、粒子中においてコバルト(Co)とニッケル(Ni)の組成に傾斜があり、Rs/Rが3.34、Rt/Rが1.26であった。さらに、正極活物質層は、体積密度が3.32g/cm3であり、高い充填効果が得られなかった。
<比較例4>
硫酸ニッケル(NiSO4)と硫酸コバルト(CoSO4)とを水中に溶解し、さらに十分に攪拌させながら水酸化ナトリウム(NaOH)溶液を加えて、モル比がNi:Co=90:10となるようにニッケル−コバルト複合共沈水酸化物を得た。生成した共沈酸化物は、攪拌によって結晶同士の摩擦が起こり、形状が球状となった。次に、生成した共沈酸化物を水洗、乾燥、その後に水酸化リチウム一水和塩と水酸化アルミニウム3mol%を加え、モル比がLi:(Ni+Co+Al)=105:100前駆体を作製した。これらの前駆体を酸素気流中、500℃で10時間焼成し、室温まで冷却した。この後、この500℃焙焼粉末を取り出して粉砕し、100gをイオン交換水中に分散させ、2.0mol/Lの硝酸コバルト水溶液32mLを添加して、分散液のpHが11.9となるように苛性ソーダを添加して1時間攪拌した。
その後、焙焼粉末を1Lのイオン交換水で洗浄後、吸引ろ過を行い、120℃オーブンで12時間乾燥した。乾燥した粉末に水酸化リチウム一水和塩を加え、モル比がLi:(Ni+Co+Al)=103:100となるように調整して中間体を作製した。この中間体を酸素気流中、700℃で10時間焼成し、正極活物質を得た。取り出した正極活物質は、組成式Li1.03Ni0.82Co0.15Al0.032で表されるニッケル酸リチウムを主体としたものであった。
この正極活物質の平均粒径は、レーザー回折・散乱法による測定で体積基準の50%平均粒径が18.1μmであり、個数基準の粒度分布は10%平均粒径が2.2μm、50%平均粒径が4.9μm、90%平均粒径が35.0μmであった。
また、この正極活物質は、粒子中においてコバルト(Co)とニッケル(Ni)の組成に傾斜があり、Rs/Rが2.11、Rt/Rが1.08であった。さらに、正極活物質層は、体積密度が3.35g/cm3であり、高い充填効果が得られなかった。
<比較例5>
実施例1の粒子を篩により粒度分布を調整した後の正極活物質を用いた。この正極活物質の平均粒径は、レーザー回折・散乱法による測定で体積基準の50%平均粒径が18.1μmであり、個数基準の粒度分布は10%平均粒径が2.2μm、50%平均粒径が4.9μm、90%平均粒径が24.0μmであった。
また、この正極活物質は、粒子中においてコバルト(Co)とニッケル(Ni)の組成に傾斜があり、Rs/Rが2.10、Rt/Rが1.10であった。さらに、正極活物質層は、体積密度が3.38g/cm3であり、高い充填効果が得られなかった。
<比較例6>
実施例1の粒子を15μmの篩により粗大粒子をカットオフした後の正極活物質を用いた。この正極活物質の平均粒径は、レーザー回折・散乱法による測定で体積基準の50%平均粒径が18.1μmであり、個数基準の粒度分布は10%平均粒径が2.2μm、50%平均粒径が4.9μm、90%平均粒径が12.4μmであった。
また、この正極活物質は、粒子中においてコバルト(Co)とニッケル(Ni)の組成に傾斜があり、Rs/Rが2.14、Rt/Rが1.09であった。さらに、正極活物質層は、体積密度が3.36g/cm3であり、高い充填効果が得られなかった。
<比較例7>
比較例2の粒子と実施例3の粒子を質量比で約5:5の割合で混合した正極活物質を用いた。この正極活物質の平均粒径は、レーザー回折・散乱法による測定で体積基準の50%平均粒径が16.2μmであり、個数基準の粒度分布は10%平均粒径が2.0μm、50%平均粒径が8.2μm、90%平均粒径が14.0μmであった。
また、この正極活物質は、粒子中においてコバルト(Co)とニッケル(Ni)の組成に傾斜があり、Rs/Rが2.18、Rt/Rが1.10であった。さらに、正極活物質層は、体積密度が3.40g/cm3であり、高い充填効果が得られなかった。
<比較例8>
比較例3の粒子と実施例3の粒子を質量比で約9:1の割合で混合した正極活物質を用いた。この正極活物質の平均粒径は、レーザー回折・散乱法による測定で体積基準の50%平均粒径が12.2μmであり、個数基準の粒度分布は10%平均粒径が4.0μm、50%平均粒径が5.8μm、90%平均粒径が13.2μmであった。
また、この正極活物質は、粒子中においてコバルト(Co)とニッケル(Ni)の組成に傾斜があり、Rs/Rが2.10、Rt/Rが1.08であった。さらに、正極活物質層は、体積密度が3.38g/cm3であり、高い充填効果が得られなかった。
<比較例9>
実施例1同様のニッケル酸リチウムを主体とした正極活物質で、硫酸ニッケル(NiSO4)と硫酸コバルト(CoSO4)とを水中に溶解し、さらに十分に攪拌させながら水酸化ナトリウム(NaOH)溶液を加えて、モル比がNi:Co=90:10となるようにニッケル−コバルト複合共沈水酸化物を得た。生成した共沈酸化物は、攪拌によって結晶同士の摩擦が起こり、形状が球状となった。次に、生成した共沈酸化物を水洗、乾燥、その後に水酸化リチウム一水和塩を加え、モル比がLi:(Ni+Co)=105:100となるように調整して前駆体を作製した。これらの前駆体を酸素気流中、500℃で10時間焼成し、室温まで冷却した。この後、この500℃焙焼粉末を取り出して粉砕し、100gをイオン交換水中に分散させ、2.0mol/Lの硝酸コバルト水溶液63mLを添加して、分散液のpHが10.5となるように苛性ソーダを添加して3時間攪拌した。その後、焙焼粉末を1Lのイオン交換水で洗浄後、吸引ろ過を行い、120℃オーブンで12時間乾燥した。乾燥した粉末に水酸化リチウム一水和塩と水酸化アルミニウムを加え、モル比がLi:(Ni+Co+Al)=105:100となるように調整して中間体を作製した。この中間体を酸素気流中、700℃で10時間焼成し、正極活物質を得た。
この様にして得られた複合酸化物粒子と、実施例3の粒子とを質量比で2:8で混合して正極活物質とした。この正極活物質の平均粒径は、レーザー回折・散乱法による測定で体積基準の50%平均粒径が31.5μmであり、個数基準の粒度分布は10%平均粒径が2.4μm、50%平均粒径が5.7μm、90%平均粒径が19.5μmであった。
なお、実施例3の粒子と混合する前の複合酸化物粒子の平均粒径は、レーザー回折・散乱法による測定で体積基準の50%平均粒径が45μmであり、個数基準の粒度分布は10%平均粒径が12.5μm、50%平均粒径が29.0μm、90%平均粒径が38.9μmであった。
また、この正極活物質は、粒子中においてコバルト(Co)とニッケル(Ni)の組成に傾斜があり、Rs/Rが2.11、Rt/Rが1.09であった。さらに、正極活物質層は、体積密度が3.38g/cm3であり、高い充填効果が得られなかった。
<比較例10>
実施例1同様のニッケル酸リチウムを主体とした正極活物質で、硫酸ニッケル(NiSO4)と硫酸コバルト(CoSO4)とを水中に溶解し、さらに十分に攪拌させながら水酸化ナトリウム(NaOH)溶液を加えて、モル比がNi:Co=90:10となるようにニッケル−コバルト複合共沈水酸化物を得た。生成した共沈酸化物は、攪拌によって結晶同士の摩擦が起こり、形状が球状となった。次に、生成した共沈酸化物を水洗、乾燥、その後に水酸化リチウム一水和塩を加え、モル比がLi:(Ni+Co)=105:100となるように調整して前駆体を作製した。これらの前駆体を酸素気流中、500℃で10時間焼成し、室温まで冷却した。この後、この500℃焙焼粉末を取り出して粉砕し、100gをイオン交換水中に分散させ、2.0mol/Lの硝酸コバルト水溶液63mLを添加して、分散液のpHが12.4となるように苛性ソーダを添加して1時間攪拌した。その後、焙焼粉末を1Lのイオン交換水で洗浄後、吸引ろ過を行い、120℃オーブンで12時間乾燥した。乾燥した粉末に水酸化リチウム一水和塩と水酸化アルミニウムを加え、モル比がLi:(Ni+Co+Al)=105:100となるように調整して中間体を作製した。この中間体を酸素気流中、700℃で10時間焼成し、正極活物質を得た。。
この正極活物質の平均粒径は、レーザー回折・散乱法による測定で体積基準の50%平均粒径が9.1μmであり、個数基準の粒度分布は10%平均粒径が2.0μm、50%平均粒径が5.7μm、90%平均粒径が13.1μmであった。
また、この正極活物質は、粒子中においてコバルト(Co)とニッケル(Ni)の組成に傾斜があり、Rs/Rが2.12、Rt/Rが1.14であった。さらに、正極活物質層は、体積密度が3.41g/cm3であり、高い充填効果が得られなかった。
<比較例11>
コバルト酸リチウム(LiCoO2)をイオン交換水に分散させ、硫酸ニッケル(NiSO4)と硫酸マンガン(Mn(NO32)を水中に溶解し、十分に攪拌させながらpH12.0となるまで水酸化ナトリウム(NaOH)溶液を加えて、モル比がNi:Co:Mn=1:98:1となるようにニッケル−コバルト−マンガン複合共沈水酸化物を得た。生成した共沈酸化物は、攪拌によって結晶同士の摩擦が起こり、形状が球状となった。生成した共沈酸化物を水洗、乾燥し、その後に炭酸リチウムを加え、モル比がLi:(Ni+Co+Mn)=102:100となるように調整して前駆体を作製した。これらの前駆体を空気気流中、1000℃で10時間焼成して正極活物質を得た。取り出した正極活物質は、組成式Li1.02Ni0.01Co0.98Mn0.012で表されるニッケル酸リチウムを主体としたものであった。
この正極活物質の平均粒径は、レーザー回折・散乱法による測定で体積基準の50%平均粒径が12.0μmであり、個数基準の粒度分布は10%平均粒径が4.1μm、50%平均粒径が7.0μm、90%平均粒径が12.3μmであった。
また、この正極活物質は、粒子中においてマンガン(Mn)とニッケル(Ni)の組成に傾斜があり、Rs/Rが0.22、Rt/Rが0.33であった。さらに、正極活物質層は、体積密度が3.65g/cm3であり、高い充填効果が得られなかった。なお、コバルト(Co)を主体とする遷移金属を含む層状構造のリチウム複合酸化物では、体積密度が3.80g/cm3以上の場合を好ましい充填状態として判断した。
<比較例12>
体積基準の50%平均粒径が18.5μmのコバルト酸リチウム(LiCoO2)と、比較例11で用いたコバルト酸リチウムをハンマーミルにて粉砕した正極活物質とを質量比で1:1で混合した粉末をイオン交換水に分散させた。続いて、硫酸ニッケル(NiSO4)と硫酸マンガン(Mn(NO32)とを水中に溶解し、十分に攪拌させながらpH12.0となるまで水酸化ナトリウム(NaOH)溶液を加えて、モル比がNi:Co:Mn=1:98:1となるようにニッケル−コバルト−マンガン複合共沈水酸化物を得た。生成した共沈酸化物は、攪拌によって結晶同士の摩擦が起こり、形状が球状となった。生成した共沈酸化物を水洗、乾燥し、その後に炭酸リチウムを加え、モル比がLi:(Ni+Co+Mn)=102:100となるように調整して前駆体を作製した。これらの前駆体を空気気流中、1000℃で10時間焼成して正極活物質を得た。取り出した正極活物質は、組成式Li1.02Ni0.01Co0.98Mn0.012で表されるニッケル酸リチウムを主体としたものであった。
この正極活物質の平均粒径は、レーザー回折・散乱法による測定で体積基準の50%平均粒径が16.3μmであり、個数基準の粒度分布は10%平均粒径が2.8μm、50%平均粒径が5.3μm、90%平均粒径が13.9μmであった。
また、この正極活物質は、粒子中においてマンガン(Mn)とニッケル(Ni)の組成に傾斜があり、Rs/Rが0.28、Rt/Rが0.35であった。さらに、正極活物質層は、体積密度が3.90g/cm3であり、高い充填効果が得られた。
<比較例13>
ジェットミルにて3μm以下に粉砕した酸化鉄(Fe23)とリン酸リチウム(Li3PO4)を分散混合したスラリー水溶液に、炭素源として糖質を溶解させてスプレードライにより乾燥させた。得られた粉末は、一次粒子が凝集した二次粒子であり、形状が球状となった。得られた粉末を窒素雰囲気下600℃で5時間焼成した。取り出した正極活物質は組成式Li1.01FePO4で示されるリン酸鉄リチウムに炭素が3質量%被覆されたものであった。
この正極活物質の平均粒径は、レーザー回折・散乱法による測定で体積基準の50%平均粒径が5.1μmであり、個数基準の粒度分布は10%平均粒径が2.0μm、50%平均粒径が3.9μm、90%平均粒径が7.9μmであった。
また、この正極活物質は、粒子中においてコバルト(Co)とニッケル(Ni)の組成に傾斜がなかった。正極活物質層は、体積密度が2.17g/cm3であり、高い充填効果が得られなかった。
[二次電池の評価]
(a)放電容量
各実施例および比較例で作製した定格容量1Ahの二次電池について、23℃の環境下で1Aの定電流で電池電圧が4.25Vに達するまで定電流充電を行ったのち、4.25Vの定電圧で電流値が50mAに達するまで定電圧充電を行った。続いて、電池電圧が2.5Vとなるまで200mAの定電流で放電した。このときの放電容量を測定した。
(b)高温保存試験
上述の様にして放電容量を測定した二次電池について、1Aの定電流で電池電圧が4.2Vに達するまで定電流充電を行ったのち、4.2Vの定電圧で電流値が50mAに達するまで定電圧充電を行った。このときの二次電池それぞれの電池厚みを測定し、保存前厚みとした。この後、充電された各二次電池を85℃の環境下に裁置し、12時間保存した。高温保存後の二次電池のそれぞれについて電池厚みを測定し、保存後厚みとした。下記式から、高温保存後の電池膨れを算出した。
電池膨れ[mm]=保存後厚み−保存前厚み
以下の表1に、結果を示す。
また、図9Aに実施例1および比較例1の体積基準の粒度分布を、図9Bに、実施例1および比較例1の個数基準の粒度分布を示した。なお、図9Aおよび図9Bにおいて、実施例1は実線、比較例1は点線で示した。また、図9Aおよび図9Bにおいて、ホースフィールドの充填模型の理論にしたがった仮想粒子の粒度分布を鎖線で示した。
図9Aおよび図9Bに示した粒度分布は、体積基準においては比較例1に対して実施例1の平均粒径D50が大きいだけのように見受けられる。しかしながら、個数基準の粒度分布では仮想粒子の粒度分布が非常に特殊であり、実施例1の個数基準の粒度分布が仮想粒子の粒度分布に非常に近くなることが分かる。
また、図10Aおよび図10Bに、実施例1および比較例1の正極活物質をそれぞれ用いて作製した正極活物質層の細孔分布を示した。細孔分布は、同じ圧力でプレスを行った正極活物質層に対して水銀ポロシメータを用いて測定したものである。図10Aおよび図10Bから分かるように、正極活物質層をプレスした後でも、粒度分布を最適化させた正極活物質を用いた場合には空孔が少なく、より密度が高くなる傾向は失われないことが分かった。
そして、表1から、本技術の所定の体積基準平均粒径(D50)と、個数基準平均粒径(D10、D50、D90)の全てを満たす実施例1〜実施例8は、正極活物質の充填効果が高く、高い放電容量と小さい電池膨れの双方を実現していることが分かった。また、正極活物質表面に金属元素の被覆がない実施例9および比較例1を比較した場合でも同様に、体積基準の平均粒径および個数基準の平均粒径のそれぞれを調整することにより、電池膨れを抑制することができた。
また、リチウム複合酸化物を被覆する金属元素としてアルミニウム(Al)を用いた実施例7、マンガン(Mn)を用いた実施例8も、リチウム複合酸化物を被覆する金属元素としてコバルト(Co)を用いた場合と同様に効果が得られた。
一方、体積基準平均粒径が好ましい範囲にあるものの、個数基準平均粒径の少なくとも1つが好ましい範囲から外れる比較例1〜比較例8は、正極活物質の充填効果が低く、放電容量は実施例と同等であるものの、電池膨れが大きくなった。
また、体積基準平均粒径が好ましい範囲から外れる比較例9〜比較例10は、個数基準平均粒径の全てが好ましい範囲にある場合であっても正極活物質の充填効果が低くなった。これら比較例では、放電容量は実施例と同等であるものの、電池膨れが大きくなった。
このような傾向は、実施例10および比較例13から分かるように、オリビン構造を有する複合酸化物粒子からなる正極活物質の場合にも確認することができた。オリビン構造を有する複合酸化物粒子からなる正極活物質の場合には、実施例1〜実施例9の層状構造を有する複合酸化物粒子の場合よりも効果が小さいものの、電池膨れがやや改善した。
また、比較例11および比較例12より、正極活物質においてコバルトの含有量が多すぎる場合には、充填効果が高いことによる電池特性の向上は見られなかった。比較例11および比較例12では、ニッケル(Ni)およびマンガン(Mn)により表面被覆を行った正極活物質を用いているが、
さらに、実施例1〜実施例8および実施例9から分かるように、粒子の全組成中の組成に対して、粒子表面にコバルトが多く、コバルト組成に傾斜が見られる正極活物質を用いた場合、より電池膨れが改善した。
以上、実施の形態および実施例を挙げて本技術を説明したが、本技術は上記実施の形態および実施例に限定されるものではなく、種々変形可能である。例えば、上記実施の形態および実施例においては、巻回構造を有する二次電池について説明したが、本技術は、正極および負極を折り畳んだり、あるいは積み重ねた構造を有する二次電池についても同様に適用することができる。加えて、いわゆるコイン型、ボタン型、角型あるいはラミネートフィルム型等の二次電池についても適用することができる。
また、上記実施の形態および実施例においては、非水電解液を用いる場合について説明したが、本技術は、いかなる形態の非水電解質を用いる場合についても適用することができる。他の形態の非水電解質としては、例えば、非水溶媒と電解質塩とを高分子化合物に保持させたいわゆるゲル状の非水電解質等が挙げられる。
更に、上記実施の形態および実施例では、負極の容量が、リチウムの吸蔵および放出による容量成分により表されるいわゆるリチウムイオン二次電池について説明したが、本技術は、負極活物質にリチウム金属を用い、負極の容量が、リチウムの析出および溶解による容量成分により表されるいわゆるリチウム金属二次電池、または、リチウムを吸蔵および放出することが可能な負極材料の充電容量を正極の充電容量よりも小さくすることにより、負極の容量がリチウムの吸蔵および放出による容量成分と、リチウムの析出および溶解による容量成分とを含み、かつその和により表されるようにした二次電池についても同様に適用することができる。
また、上記実施の形態および実施例では、電極反応物質としてリチウムを用いる電池について説明したが、ナトリウム(Na)あるいはカリウム(K)等の他のアルカリ金属、またはマグネシウムあるいはカルシウム(Ca)等のアルカリ土類金属、またはアルミニウム等の他の軽金属を用いる場合についても、本技術を適用することができる。
11…電池缶、12,13…絶縁板、14…電池蓋、15…安全弁機構、15A…ディスク板、16…熱感抵抗素子、17…ガスケット、20,30…巻回電極体、21,33…正極、21A,33A…正極集電体、21B,33B…正極活物質層、22,34…負極、22A,34A…負極集電体、22B,34B…負極活物質層、23,35…セパレータ、24…センターピン、25,31…正極リード、26,32…負極リード、36…電解質層、37…保護テープ、40…外装部材、41…密着フィルム、100…蓄電システム、101…住宅、102a…火力発電、102b…原子力発電、102c…水力発電、102…集中型電力系統、103…蓄電装置、104…家庭内発電装置、105…電力消費装置、105a…冷蔵庫、105b…空調装置、105c…テレビジョン受信機、105d…風呂、106…電動車両、106a…電気自動車、106b…ハイブリッドカー、106c…電気バイク、107…スマートメータ、108…パワーハブ、109…電力網、110…制御装置、111…センサ、112…情報網、113…サーバ、200…ハイブリッド車両、201…エンジン、202…発電機、203…電力駆動力変換装置、204a,204b…駆動輪、205a,205b…車輪、208…バッテリー、209…車両制御装置、210…各種センサ、211…充電口、301…組電池、301a…二次電池、302a…充電制御スイッチ、302b…ダイオード、303a…放電制御スイッチ、303b…ダイオード、304…スイッチ部、307…電流検出抵抗、308…温度検出素子、310…制御部、311…電圧検出部、313…電流測定部、314…スイッチ制御部、317…メモリ、318…温度検出部、321…正極端子、322…負極端子

Claims (12)

  1. 平均組成が(化1)で示されるリチウム複合酸化物粒子の一次粒子、もしくは平均組成が(化2)で示される表面の少なくとも一部が電子導電性物質にて被覆されたリチウム複合酸化物粒子の一次粒子が凝集した二次粒子を含み、
    レーザー回折・散乱法によって測定された体積基準の50%平均粒径が10μm以上30μm以下であり、かつ個数基準の10%平均粒径が3μm以下、個数基準の50%平均粒径が6μm以下および個数基準の90%平均粒径が13μm以上20μm以下である
    非水電解質電池用正極活物質。
    (化1)
    LixCoyNiz1-y-zb-aa
    (式中、Mは、ホウ素(B)、マグネシウム(Mg)、アルミニウム(Al)、ケイ素(Si)、リン(P)、硫黄(S)、チタン(Ti)、クロム(Cr)、マンガン(Mn)、鉄(Fe)、銅(Cu)、亜鉛(Zn)、ガリウム(Ga)、ゲルマニウム(Ge)、イットリウム(Y)、ジルコニウム(Zr)、モリブデン(Mo)、銀(Ag)、バリウム(Ba)、タングステン(W)、インジウム(In)、ストロンチウム(Sr)、スズ(Sn)、鉛(Pb)およびアンチモン(Sb)からなる群から選択される1種または2種以上の元素である。Xは、ハロゲン元素である。x、y、z、aおよびbはそれぞれ0.8<x≦1.2、0<y≦0.5、0.2≦z≦1.0、0.2<y+z≦1.0、1.8≦b≦2.2、0≦a≦1.0の範囲内の値である。)
    (化2)
    LisM11-tM2tPO4
    (式中、M1は、鉄(Fe)、マンガン(Mn)、コバルト(Co)、ニッケル(Ni)、銅(Cu)、亜鉛(Zn)、マグネシウム(Mg)からなる群から選択される1種または2種以上の元素である。M2は、2族〜15族から選ばれる元素のうちM1を除く1種または2種以上の元素である。s、tはそれぞれ0≦s≦1.2、0≦t≦1.0の範囲内の値である。)
  2. (化1)で示されるリチウム複合酸化物粒子の上記一次粒子および上記二次粒子の中心から表面に向かって、コバルト(Co)、アルミニウム(Al)およびマンガン(Mn)から選択される少なくとも一種の金属元素(M’)の存在比が多くなっている
    請求項1に記載の非水電解質電池用正極活物質。
  3. X線光電子分光によって測定された上記一次粒子および上記二次粒子の最表面の上記金属元素(M’)とニッケル(Ni)との組成比であるM’/Niの値をRsとし、全組成中の上記金属元素(M’)とニッケル(Ni)との組成比であるM’/Niの値をRとしたとき、RsとRとが式1の関係を満たす
    請求項2に記載の非水電解質電池用正極活物質。
    [式1]
    1.5≦Rs/R≦35
  4. 加速電圧15kVでのエネルギー分散型X線分析によって測定された上記一次粒子および上記二次粒子の表面の上記金属元素(M’)とニッケル(Ni)との組成比であるM’/Niの値をRtとし、全組成中の上記金属元素(M’)とニッケル(Ni)との組成比であるM’/Niの値をRとしたとき、RtとRとが式2の関係を満たす
    請求項2に記載の非水電解質電池用正極活物質。
    [式2]
    1.05≦Rt/R≦25
  5. 正極集電体の少なくとも一方の面に、正極活物質を含む正極活物質層が設けられ、
    上記正極活物質が、
    平均組成が(化1)で示されるリチウム複合酸化物粒子の一次粒子、もしくは平均組成が(化2)で示される表面の少なくとも一部が電子導電性物質にて被覆されたリチウム複合酸化物粒子の一次粒子が凝集した二次粒子を含み、
    レーザー回折・散乱法によって測定された体積基準の50%平均粒径が10μm以上30μm以下であり、かつ個数基準の10%平均粒径が3μm以下、個数基準の50%平均粒径が6μm以下および個数基準の90%平均粒径が13μm以上20μm以下である
    非水電解質電池用正極。
    (化1)
    LixCoyNiz1-y-zb-aa
    (式中、Mは、ホウ素(B)、マグネシウム(Mg)、アルミニウム(Al)、ケイ素(Si)、リン(P)、硫黄(S)、チタン(Ti)、クロム(Cr)、マンガン(Mn)、鉄(Fe)、銅(Cu)、亜鉛(Zn)、ガリウム(Ga)、ゲルマニウム(Ge)、イットリウム(Y)、ジルコニウム(Zr)、モリブデン(Mo)、銀(Ag)、バリウム(Ba)、タングステン(W)、インジウム(In)、ストロンチウム(Sr)、スズ(Sn)、鉛(Pb)およびアンチモン(Sb)からなる群から選択される1種または2種以上の元素である。Xは、ハロゲン元素である。x、y、z、aおよびbはそれぞれ0.8<x≦1.2、0<y≦0.5、0.2≦z≦1.0、0.2<y+z≦1.0、1.8≦b≦2.2、0≦a≦1.0の範囲内の値である。)
    (化2)
    LisM11-tM2tPO4
    (式中、M1は、鉄(Fe)、マンガン(Mn)、コバルト(Co)、ニッケル(Ni)、銅(Cu)、亜鉛(Zn)、マグネシウム(Mg)からなる群から選択される1種または2種以上の元素である。M2は、2族〜15族から選ばれる元素のうちM1を除く1種または2種以上の元素である。s、tはそれぞれ0≦s≦1.2、0≦t≦1.0の範囲内の値である。)
  6. 正極集電体の少なくとも一方の面に、正極活物質を含む正極活物質層が設けられた正極と、
    負極と、
    非水電解質と、
    セパレータと
    を備え、
    上記正極活物質が、
    平均組成が(化1)で示されるリチウム複合酸化物粒子の一次粒子、もしくは平均組成が(化2)で示される表面の少なくとも一部が電子導電性物質にて被覆されたリチウム複合酸化物粒子の一次粒子が凝集した二次粒子を含み、
    レーザー回折・散乱法によって測定された体積基準の50%平均粒径が10μm以上30μm以下であり、かつ個数基準の10%平均粒径が3μm以下、個数基準の50%平均粒径が6μm以下および個数基準の90%平均粒径が13μm以上20μm以下である
    非水電解質電池。
    (化1)
    LixCoyNiz1-y-zb-aa
    (式中、Mは、ホウ素(B)、マグネシウム(Mg)、アルミニウム(Al)、ケイ素(Si)、リン(P)、硫黄(S)、チタン(Ti)、クロム(Cr)、マンガン(Mn)、鉄(Fe)、銅(Cu)、亜鉛(Zn)、ガリウム(Ga)、ゲルマニウム(Ge)、イットリウム(Y)、ジルコニウム(Zr)、モリブデン(Mo)、銀(Ag)、バリウム(Ba)、タングステン(W)、インジウム(In)、ストロンチウム(Sr)、スズ(Sn)、鉛(Pb)およびアンチモン(Sb)からなる群から選択される1種または2種以上の元素である。Xは、ハロゲン元素である。x、y、z、aおよびbはそれぞれ0.8<x≦1.2、0<y≦0.5、0.2≦z≦1.0、0.2<y+z≦1.0、1.8≦b≦2.2、0≦a≦1.0の範囲内の値である。)
    (化2)
    LisM11-tM2tPO4
    (式中、M1は、鉄(Fe)、マンガン(Mn)、コバルト(Co)、ニッケル(Ni)、銅(Cu)、亜鉛(Zn)、マグネシウム(Mg)からなる群から選択される1種または2種以上の元素である。M2は、2族〜15族から選ばれる元素のうちM1を除く1種または2種以上の元素である。s、tはそれぞれ0≦s≦1.2、0≦t≦1.0の範囲内の値である。)
  7. 請求項6に記載の非水電解質電池と、
    上記非水電解質電池について制御する制御部と、
    上記非水電解質電池を内包する外装を有する電池パック。
  8. 請求項6に記載の非水電解質電池を有し、
    上記非水電解質電池から電力の供給を受ける電子機器。
  9. 請求項6に記載の非水電解質電池と、
    前記非水電解質電池から電力の供給を受けて車両の駆動力に変換する変換装置と、
    上記非水電解質電池に関する情報に基づいて車両制御に関する情報処理を行う制御装置と
    を有する電動車両。
  10. 請求項6に記載の非水電解質電池を有し、
    上記非水電解質電池に接続される電子機器に電力を供給する蓄電装置。
  11. 他の機器とネットワークを介して信号を送受信する電力情報制御装置を備え
    上記電力情報制御装置が受信した情報に基づき、上記非水電解質電池の充放電制御を行う
    請求項10に記載の蓄電装置。
  12. 請求項6に記載の非水電解質電池から電力の供給を受け、または、発電装置もしくは電力網から上記非水電解質電池に電力が供給される電力システム。
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