JP2012203196A - レンズ鏡筒 - Google Patents
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Abstract
【課題】回転時にカム筒にかかる負荷をほぼ一定にする。
【解決手段】レンズ鏡筒25は、前レンズユニット41、後レンズユニット42、支持筒43、カム筒44を備える。カム筒44には、前カム孔61、後カム孔62、回転制限孔66が形成されている。各カム孔61,62は、第1傾斜部61a,62a、第2傾斜部61b,62bからなる。第2傾斜部61b,62bは、光軸方向に対する傾斜角度が第1傾斜部61a,62aよりも小さい。回転制限孔66は、各ズームローラ51が第1傾斜部61a,62aを移動するときに制限部材68が係合する第1制限部66aと、各ズームローラ51が第2傾斜部61b,62bを移動するときに制限部材68が係合する第2制限部66bとからなる。第1制限部66aは、第2制限部66bよりも孔幅が狭い。制限部材68は、弾性変形可能に設けられ、第1,第2制限孔66a,66bの孔幅の変化に追従して変形する。
【選択図】図9
【解決手段】レンズ鏡筒25は、前レンズユニット41、後レンズユニット42、支持筒43、カム筒44を備える。カム筒44には、前カム孔61、後カム孔62、回転制限孔66が形成されている。各カム孔61,62は、第1傾斜部61a,62a、第2傾斜部61b,62bからなる。第2傾斜部61b,62bは、光軸方向に対する傾斜角度が第1傾斜部61a,62aよりも小さい。回転制限孔66は、各ズームローラ51が第1傾斜部61a,62aを移動するときに制限部材68が係合する第1制限部66aと、各ズームローラ51が第2傾斜部61b,62bを移動するときに制限部材68が係合する第2制限部66bとからなる。第1制限部66aは、第2制限部66bよりも孔幅が狭い。制限部材68は、弾性変形可能に設けられ、第1,第2制限孔66a,66bの孔幅の変化に追従して変形する。
【選択図】図9
Description
本発明は、レンズ鏡筒に関するものである。
プロジェクタやデジタルカメラなどの様々な光学装置で用いられるレンズ鏡筒は、レンズを光軸方向に移動させるためのカム筒と、このカム筒を回転可能に支持する支持筒とが設けられている。レンズはレンズ枠に保持され、このレンズ枠は、カム筒の内部に配されている。カム筒の外周には、レンズ枠を移動させるための長孔状のカム孔が形成され、レンズ枠の外周には、カム孔に係合するローラやシャフト等のカムフォロアが取り付けられている。カム筒を回転させ、カムフォロアをカム孔に沿って移動させると、レンズ枠が光軸方向に移動し、このレンズ枠の移動により、投映画像や撮影画像がズームされる。
カム孔は、光軸方向に対する傾斜角度が大きく、回転時にレンズ枠を移動させる移動量が小さい第1傾斜部と、この第1傾斜部に連続して形成され、光軸方向対する傾斜角度が第1傾斜部よりも小さく、回転時にレンズ枠を移動させる移動量が大きい第2傾斜部とから構成されるのが一般的である。このようなカム孔が形成されたカム筒では、カムフォロアが第1傾斜部を移動するときと、第2傾斜部を移動するときとで、カム筒にかかる負荷が異なる。特許文献1記載の移動装置および光学部材移動装置では、振動によりカム筒とカムフォロアとの接触摩擦力を減少させ、カム筒にかかる負荷を一定にすることで、一定の回動力でカム筒を回動できるようにしている。
特許文献1では、振動によりカム筒とカムフォロアとの接触摩擦力を減少させているため、振動発生器が必要となり、部品点数が増加してコストアップしてしまう。さらに、振動により、レンズ枠が位置ズレすることがあった。
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであり、簡単な構成で回転時にカム筒にかかる負荷をほぼ一定にすることができるレンズ鏡筒を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明のレンズ鏡筒は、レンズを保持するレンズ枠と、前記レンズ枠に設けられたカムフォロアと、前記カムフォロアが係合するカム孔が形成され、回転により前記レンズ枠を光軸方向に移動するカム筒であって、回転域を制限する回転制限孔が形成され、前記カム孔は、光軸方向に対して傾斜された第1傾斜部と、光軸方向に対する傾斜角度が前記第1傾斜部よりも小さく、回転時に前記第1傾斜部よりも前記レンズ枠を移動させる移動量が大きい第2傾斜部とから構成されるカム筒と、前記カム筒を回転可能に支持する支持筒と、前記支持筒に取り付けられ、前記回転制限孔に係合する係合部材と、を備え、前記回転制限孔は、前記カムフォロアが前記第1傾斜部を移動するときに前記係合部材が係合する第1制限部と、前記カムフォロアが前記第2傾斜部を移動するときに前記係合部材が係合する第2制限部とからなり、前記第1制限部は、前記第1傾斜部及び第2傾斜部の傾斜角度に応じて、前記第2制限部よりも幅狭に形成され、前記係合部材は、前記第1制限部及び第2制限部の孔幅方向に弾性変形可能に設けられ、前記第1制限部及び第2制限部の孔幅の変化に追従して変形することを特徴とする。なお、前記係合部材を構成する素材としては、ポリアセタールが挙げられる。
また、前記係合部材は、筒状に形成されるとともに、変形可能にするためのスリットが形成されていること、または、変形可能な薄肉の円筒状に形成されていることが好ましい。
さらに、前記第1制限部及び第2制限部は、孔幅が滑らかに変化するように傾斜面により接続されていることが好ましい。
本発明のレンズ鏡筒は、レンズを保持するレンズ枠と、前記レンズ枠に設けられたカムフォロアと、前記カムフォロアが係合するカム孔が形成され、回転により前記レンズ枠を光軸方向に移動するカム筒であって、前記カム孔は、光軸方向に対して傾斜された第1傾斜部と、光軸方向に対する傾斜角度が前記第1傾斜部よりも小さく、回転時に前記第1傾斜部よりも前記レンズ枠を移動させる移動量が大きい第2傾斜部とから構成されるカム筒と、前記カム筒を回転可能に支持する支持筒と、を備え、前記第1傾斜部は、前記第1傾斜部及び第2傾斜部の傾斜角度に応じて、前記第2傾斜部よりも幅狭に形成され、前記カムフォロアは、前記第1傾斜部及び第2傾斜部の孔幅方向に弾性変形可能に設けられ、前記第1傾斜部及び第2傾斜部の孔幅の変化に追従して変形することを特徴とする。
また、前記カムフォロアは、筒状に形成されるとともに、変形可能にするためのスリットが形成されていること、または、変形可能な薄肉の円筒状に形成されていることが好ましい。
さらに、前記第1傾斜部及び第2傾斜部は、孔幅が滑らかに変化するように傾斜面により接続されていることが好ましい。
また、前記レンズ枠は複数設けられ、前記カム筒には、光軸方向に対する傾斜角度が異なる複数の前記カム孔が形成され、前記複数のカム孔のうちの前記傾斜角度が最も大きく前記レンズ枠を移動させる移動量が最も小さい1つは、前記第1傾斜部が前記第2傾斜部よりも孔幅が狭く形成され、他の前記カム孔は前記第1傾斜部と前記第2傾斜部とが同じ孔幅で形成され、前記各カムフォロアに取り付けられた前記各カムフォロアのうちの前記孔幅が変化するカム孔に係合する1つは、前記カム孔の孔幅の変化に追従して弾性変形するように設けられ、他の前記カムフォロアは変形しないように設けられていることが好ましい。
さらに、前記カム筒には、回転域を制限する回転制限孔が形成され、前記支持筒には、前記回転制限孔に係合する係合部材が取り付けられていることが好ましい。
また、前記カム筒は、モータにより回転することが好ましい。
本発明によれば、制限孔の第1制限部は、カム孔の第1傾斜部及び第2傾斜部の傾斜角度に応じて、第2制限部よりも幅狭に形成され、係合部材は、第1制限部及び第2制限部の孔幅の変化に追従して変形するから、カムフォロアが第1傾斜部と第2傾斜部とを移動するときにカム筒にかかる負荷をほぼ同じにすることができる。これにより、モータによりカム筒を回転させる場合には、モータにかかる負荷が一定となり、モータの駆動音を一定にすることができる。また、操作者の手動でカム筒を回転させる場合には、カム筒を回転するときの操作者にかかる動作負荷がほぼ一定となるから、操作性を向上することができる。
図1に示すように、プロジェクタ10は、使用時にはレンズカバーを開放することにより、ケース14の前面に前投映レンズ11が露呈する。ケース14内の前投映レンズ11の後方には、後投映レンズ12が配設されている。前投映レンズ11の前方には、スクリーン15(図2参照)が配置され、前投映レンズ11から画像が投映される。ケース14の上面には、回動式のズームダイヤル16が設けられ、このズームダイヤル16を図1中A方向及びB方向操作(回動)することによって、各投映レンズ11,12による投映画像(スクリーン15に投映される画像)のズーム調整が行われる。
図2に示すように、ケース14の内部には、光源21、照明光学系22、全反射プリズム23、DMD24、投映光学系であるレンズ鏡筒25、ズーム調整機構26等が設けられている。光源21としては、例えば、キセノンランプや水銀ランプなどの白色光源が使用される。光源21から照射された照明光は、照明光学系22へ入射する。
照明光学系22は、カラーホイール31、ロッドインテグレータ32、リレーレンズ33,34、ミラー35からなる。カラーホイール31は、光源21からの照明光をB、G、Rの3色に時分割で分離する。カラーホイール31は、略円板形状の基板に、B光のみを透過するBフィルタ、G光のみを透過するGフィルタ、R光のみを透過するRフィルタの3色のフィルタを基板の回転中心からほぼ等距離に配置したものである。カラーホイール31は、高速で回転して、各色のフィルタを照明光路に順次挿入する。これにより、照明光がB、G、Rの3色に時分割で色分離され、分離された各色の光が順次DMD24に向けて照射される。
ロッドインテグレータ32は、例えばガラス製で、内側に反射面が形成されている。カラーホイール31で分離された光は、ロッドインテグレータ32を透過する間に反射を繰り返すことによって均斉化される。リレーレンズ33,34は、ロッドインテグレータ32から射出した光束をミラー35に中継する。ミラー35は、この光束を全反射プリズム23へ向けて反射させる。
全反射プリズム23は、2つの三角プリズムから構成され、それら2つの三角プリズムの間にはエアギャップが設けられて反射面23aとなる。ミラー35から全反射プリズム23へ入射する入射光は、入射角が臨界角よりも大きいため、反射面23aで全反射してDMD24へ入射する。他方、DMD24で反射した反射光は、入射角が臨界角よりも小さいため、反射面23aを透過する。
DMD24は、周知のように、受光面に画素に対応する多数のミラー素子がマトリックス状に配列されたものである。各ミラー素子は、投映する画像に基づいて、角度を変化させることにより、受光した照明光の反射方向を変化させる。画素を明るく表示させる場合には、ミラー素子をオン位置に変位させて受光した光をオン光としてレンズ鏡筒25に向けて反射させる。他方、画素を暗く表示する場合には、ミラー素子をオフ位置に変位させて受光した光をオフ光としてレンズ鏡筒25から外れた方向に向けて反射させる。画像光は、レンズ鏡筒25に向かうオン光の集合により構成される。
図2〜図9に示すように、レンズ鏡筒25は、前側から順に配された前レンズユニット41及び後レンズユニット42と、支持筒43と、この支持筒43の外側に配され、支持筒43により回転可能に支持されるカム筒44とを備える。また、カム筒44は、カバー筒45(図1参照)により覆われている。
DMD24によって生成された画像光は、レンズ鏡筒25の各レンズユニット41,42によってスクリーン15に結像され、スクリーン15上に画像が投映される。
前レンズユニット41は、前投映レンズ11と、前投映レンズ11を保持するレンズ枠47とを備える。
レンズ枠47の外周面には、ローラ取付部47aが120°ピッチで3個形成されている。これら3個のローラ取付部47aそれぞれに、取付ピン52によりズームローラ51が回転可能に取り付けられている。ローラ取付部47aには、ズームローラ51の端部が挿入される挿入凹部47bが形成されている。
取付ピン52は、頭部52aと、軸部52bと、この軸部52bよりも細径でネジ切りされたネジ部52cとからなる。ネジ部52cは、ローラ取付部47aに形成されたネジ孔47cに螺合され、軸部52bは、ズームローラ51に形成された挿通孔51aに挿通され、頭部52aは、ズームローラ51に形成された収納凹部51bに収納されている。
前レンズユニット41と同様にして、後レンズユニット42は、後投映レンズ12とレンズ枠47とを備え、レンズ枠47には、3個のズームローラ51が回転可能に取り付けられている。
支持筒43の外周面には、各レンズユニット41,42の各ズームローラ51が挿通され、各レンズユニット41,42の光軸方向への移動をガイドするように光軸方向に沿って延びる直進ガイド孔43aが形成されている。この直進ガイド孔43aは、120°ピッチで3個形成されている。支持筒43の後端部には、フランジ部43bが形成されており、このフランジ部43bは、プロジェクタ10のケース14に固定されている。また、支持筒43の外周面には、カム筒44を回転可能に支持する支持部(図示せず)が設けられている。
カム筒44の外周面には、各レンズユニット41,42の各ズームローラ51が挿通され、カム筒44の回転時に各レンズユニット41,42を光軸方向に移動させる長孔状の移動用前カム孔(以下、前カム孔)61、移動用後カム孔(以下、後カム孔)62が形成されている。各カム孔61,62は、それぞれ120°ピッチで3個ずつ形成されている。
図9及び図10に示すように、前カム孔61は、光軸方向に対して傾斜された第1傾斜部61a及び第2傾斜部61bからなる。第2傾斜部61bは、光軸方向に対する傾斜角度が第1傾斜部61aよりも小さく、カム筒44の回転時に第1傾斜部61aよりも前レンズユニット41を移動させる移動量が大きい。同様に、後カム孔62は、第1傾斜部62a及び第2傾斜部62bからなり、第2傾斜部62bは、光軸方向に対する傾斜角度が第1傾斜部62aよりも小さい。
カム筒44の後カム孔62の後方には、カム筒44の回転域を制限する回転制限孔66が、回転方向に沿って形成されている。この回転制限孔66には、支持筒43に取り付けられた制限部材68が係合している。回転制限孔66は、各ズームローラ51が第1傾斜部61a,62aを移動するときに制限部材68が係合する第1制限部66aと、この第1制限部66aに連続して形成され、各ズームローラ51が第2傾斜部61b,62bを移動するときに制限部材68が係合する第2制限部66bとからなる。第1制限部66aは、第2制限部66bよりも孔幅が狭い。第1制限部66aから第2制限部66bに孔幅が変化する部分は、孔幅が滑らかに変化するように傾斜している。
図11に示すように、制限部材68は、支持筒43の取付孔43c(図4参照)に取り付けられている。この制限部材68は、弾性変形可能な素材(例えば、ポリアセタールで構成され、フランジ部68bを有する円筒状に形成されている。このフランジ部68bが支持筒43に固着されている。
制限部材68には、スリット68a(図4参照)が2個形成され、このスリット68aにより、制限部材68は回転制限孔66の孔幅方向に変形可能となる。図9及び図12に示すように、制限部材68は、第1制限部66aを移動するときには、楕円形に変形された状態で移動する。図10及び図11に示すように、制限部材68は、回転制限孔66の第2制限部66bを移動するときには、元のほぼ真円形に戻った状態で移動する。なお、制限部材68を、変形可能な薄肉の円筒状で形成してもよい。
ズーム調整機構26は、モータ71と、このモータ71の回転をカム筒44に伝達する複数のギアから構成される伝達機構72(いずれも図2参照)とを備える。ズーム調整機構26は、回動式のズームダイヤル16の回動(操作)に応じてモータ71を駆動して、伝達機構72を介してカム筒44を回転させる。このカム筒44の回転により、投映画像(スクリーン15に投映させる画像)のズーム調整が行われる。
次に、上記実施形態の作用について説明する。光源21から照射された照明光は、カラーホイール31に入射する。カラーホイール31に入射した照明光は、カラーホイール31によってB、G、Rの3色に時分割で色分離される。
カラーホイール31で分離された光は、ロッドインテグレータ32を透過する間に反射を繰り返すことによって均斉化される。ロッドインテグレータ32から射出された光束は、リレーレンズ33,34によってミラー35に中継され、この光束は、ミラー35によって全反射プリズム23へ向けて反射される。
ミラー35で反射されて全反射プリズム23へ入射する入射光は、入射角が臨界角よりも大きいため、反射面23aで全反射してDMD24へ入射する。
DMD24は、投映する画像に基づいて、受光面にマトリックス状に配列された多数のミラー素子の角度を変化させて、受光した照明光の反射方向を変化させる。DMD24によって生成された画像光は、入射角が臨界角よりも小さいため、反射面23aを透過してレンズ鏡筒25に入射する。
レンズ鏡筒25に入射した画像光は、後投映レンズ12、前投映レンズ11を透過して、スクリーン15に結像される。これにより、スクリーン15上に画像が投映される。
ズームダイヤル16が回動(操作)されると、ズーム調整機構26は、回動式のズームダイヤル16の回動角度(操作量)に応じてモータ71を駆動して、伝達機構72を介してカム筒44を回転する。
カム筒44を回転すると、各レンズユニット41,42の各ズームローラ51が、回転しながら各カム孔61,62に沿って移動することで、各レンズユニット41,42が光軸方向に移動する。このとき、各ズームローラ51が支持筒43の直進ガイド孔43aに沿って移動するから、各レンズユニット41,42は、回転することなく光軸方向に移動する。各レンズユニット41,42の移動により、投映画像(スクリーン15に投映させる画像)のズーム調整が行われる。本実施形態では、カム筒44の時計方向への回転により、各レンズユニット41,42が前方に移動し、カム筒44の反時計方向への回転により、各レンズユニット41,42が後方に移動する。
カム筒44の時計方向への回転により、前レンズユニット41の各ズームローラ51が前カム孔61を移動し、後レンズユニット42の各ズームローラ51が後カム孔62を移動する。さらに、制限部材68が回転制限孔66を移動する。前レンズユニット41の各ズームローラ51が前カム孔61の第1傾斜部61aを移動するときには、後レンズユニット42の各ズームローラ51は第1傾斜部62aを移動し、図9及び図12に示すように、制限部材68は楕円形に変形された状態で回転制限孔66の第1制限部66aを移動する。
図10及び図11に示すように、前レンズユニット41の各ズームローラ51が第1傾斜部61aから第2傾斜部61bに移動すると、後レンズユニット42の各ズームローラ51は第1傾斜部62aから第2傾斜部62bに移動し、制限部材68は第1制限部66aから第2制限部66bに移動して、元のほぼ真円形に弾性変形する。
各レンズユニット41,42の各ズームローラ51が第2傾斜部61b,62bを移動するときには、制限部材68はほぼ真円形状で第2制限部66bを移動する。制限部材68が楕円形状から真円形状に弾性変形すると、制限部材68からカム筒44に与える負荷が小さくなる。すなわち、制限部材68が第2制限部66bを移動するときには、第1制限部66aを移動するときよりも、カム筒44にかかる負荷が小さくなる。
第2傾斜部61b,62bは、第1傾斜部61a,62aよりも光軸方向に対する傾斜角度が小さいから、各ズームローラ51が第2傾斜部61b,62bを移動するときには、各ズームローラ51が第1傾斜部61a,62aを移動するときよりも、カム筒44にかかる負荷が大きくなる。
本実施形態では、各ズームローラ51が第1傾斜部61a,62aを移動するときにカム筒44にかかる負荷に、制限部材68が楕円形状で第1制限部66aを移動するときにカム筒44にかかる負荷を加えた第1加算負荷と、各ズームローラ51が第2傾斜部61b,62bを移動するときにカム筒44にかかる負荷に、制限部材68が真円形状で第2制限部66bを移動するときにカム筒44にかかる負荷を加えた第2加算負荷とがほぼ同じになる。これにより、カム筒44を回転させるときにモータ71にかかる負荷がほぼ一定となるから、モータ71の駆動音が一定となる。
本実施形態では、上記第1加算負荷と第2加算負荷とがほぼ同じになるように、第1制限部66aは、第1傾斜部61a,62a及び第2傾斜部61b,62bの傾斜角度に応じて、第2制限部66bよりも幅狭に形成され、第1制限部66aの孔幅は第2制限部66bの孔幅に応じて決められる。詳しくは、第1傾斜部61a,62aと第2傾斜部61b,62bとの傾斜角度の差が大きくなるにつれて、第1制限部66aの孔幅は狭くなる。
カム筒44が回転されたときには、制限部材68が回転制限孔66の両端部に当接することにより、カム筒44の回転が規制される。なお、制限部材68が回転制限孔66の両端部に当接したとき、各レンズユニット41,42の各ズームローラ51は、各カム孔61,62の両端部には当接しない。
また、図13及び図14に示すように、カム筒80に、前カム孔81、後カム孔62、直線状の回転制限孔82を形成し、前カム孔81の第1傾斜部81aを、第2傾斜部81bよりも幅狭にしてもよい。第1傾斜部81aから第2傾斜部81bへは、孔幅が滑らかに変化する。前カム孔81に係合するズームローラ83は、変形可能な薄肉の円筒状に形成されている。回転制限孔82には、制限部材84が係合する。なお、ズームローラ83を円筒状に形成し、変形可能にするためのスリットを形成してもよい。
図13に示すように、ズームローラ83は、第1傾斜部81aを移動するときには、楕円形状に変形した状態で移動する。図14に示すように、ズームローラ83は、第2傾斜部81bを移動するときには、ほぼ真円形の状態で移動する。この実施形態でも、ズームローラ83及びズームローラ51が第1傾斜部81a,62aを移動するときにカム筒44にかかる負荷と、ズームローラ83及びズームローラ51が第2傾斜部81b,62bを移動するときにカム筒44にかかる負荷とがほぼ同じになる。
なお、後カム孔の孔幅を変えてもよいが、光軸方向に対する傾斜角度が大きく、レンズユニットの移動範囲が小さい(ズーム量が小さい)前カム孔の孔幅を変えることが好ましい。また、回転制限孔と前カム孔との両方の孔幅を変え、制限部材とズームローラとの両方を弾性変形可能に設けてもよい。
また、図15に示すように、カム筒90に直線状の回転制限孔91を形成し、この回転制限孔91の両側であって、第2傾斜部61b,62bと同じ範囲にサイド孔92を形成してもよい。回転制限孔91には、制限部材93が係合する。制限部材93は、サイド孔92が形成されていない部分を移動するときには、回転制限孔91を形成する側壁により負荷を受ける。制限部材93は、サイド孔92が形成された部分を移動するときには、上記側壁が変形可能であるため、側壁から受ける負荷が減少する。
さらに、上記実施形態では、モータによりカム筒を回転するプロジェクタに本発明を実施しているが、操作者の手動によりカム筒を回転するプロジェクタにも本発明は実施可能である。この手動タイプのプロジェクタでは、カム筒を回転するときの操作者にかかる動作負荷が常にほぼ一定となるから、操作性が向上する。
また、上記実施形態では、制限部材を円筒状に形成しているが、四角形や五角形等の筒状に形成してもよい。
さらに、上記実施形態では、カム筒を支持筒の外側に配しているが、カム筒を支持筒の内側に配してもよい。
また、上記実施形態では、前投映レンズ及び後投映レンズの移動によりズーム調整を行うプロジェクタについて説明しているが、各投映レンズの移動によりフォーカス調整を行うプロジェクタにも、本発明を適用することができる。
さらに、上記実施形態では、DMDを用いたプロジェクタについて説明しているが、透過型の液晶パネルや反射型の液晶パネルを画像形成素子として用いてもよい。
また、上記実施形態では、プロジェクタについて説明しているが、デジタルカメラやフィルムカメラにも、本発明を適用することができる。
10 プロジェクタ
11 前投映レンズ
12 後投映レンズ
25 レンズ鏡筒
41 前レンズユニット
42 後レンズユニット
43 支持筒
44,80,90 カム筒
51,83 ズームローラ
61,81 前カム孔
61a,81a 第1傾斜部
61b,81b 第2傾斜部
62 後カム孔
62a 第1傾斜部
62b 第2傾斜部
66,82,91 回転制限孔
66a 第1制限部
66b 第2制限部
68,93 制限部材
68a スリット
11 前投映レンズ
12 後投映レンズ
25 レンズ鏡筒
41 前レンズユニット
42 後レンズユニット
43 支持筒
44,80,90 カム筒
51,83 ズームローラ
61,81 前カム孔
61a,81a 第1傾斜部
61b,81b 第2傾斜部
62 後カム孔
62a 第1傾斜部
62b 第2傾斜部
66,82,91 回転制限孔
66a 第1制限部
66b 第2制限部
68,93 制限部材
68a スリット
Claims (11)
- レンズを保持するレンズ枠と、
前記レンズ枠に設けられたカムフォロアと、
前記カムフォロアが係合するカム孔が形成され、回転により前記レンズ枠を光軸方向に移動するカム筒であって、回転域を制限する回転制限孔が形成され、前記カム孔は、光軸方向に対して傾斜された第1傾斜部と、光軸方向に対する傾斜角度が前記第1傾斜部よりも小さく、回転時に前記第1傾斜部よりも前記レンズ枠を移動させる移動量が大きい第2傾斜部とから構成されるカム筒と、
前記カム筒を回転可能に支持する支持筒と、
前記支持筒に取り付けられ、前記回転制限孔に係合する係合部材と、を備え、
前記回転制限孔は、前記カムフォロアが前記第1傾斜部を移動するときに前記係合部材が係合する第1制限部と、前記カムフォロアが前記第2傾斜部を移動するときに前記係合部材が係合する第2制限部とからなり、前記第1制限部は、前記第1傾斜部及び第2傾斜部の傾斜角度に応じて、前記第2制限部よりも幅狭に形成され、
前記係合部材は、前記第1制限部及び第2制限部の孔幅方向に弾性変形可能に設けられ、前記第1制限部及び第2制限部の孔幅の変化に追従して変形することを特徴とするレンズ鏡筒。 - 前記係合部材は、筒状に形成されるとともに、変形可能にするためのスリットが形成されていることを特徴とする請求項1記載のレンズ鏡筒。
- 前記係合部材は、変形可能な薄肉の円筒状に形成されていることを特徴とする請求項1記載のレンズ鏡筒。
- 前記第1制限部及び第2制限部は、孔幅が滑らかに変化するように傾斜面により接続されていることを特徴とする請求項1ないし3いずれか1つ記載のレンズ鏡筒。
- レンズを保持するレンズ枠と、
前記レンズ枠に設けられたカムフォロアと、
前記カムフォロアが係合するカム孔が形成され、回転により前記レンズ枠を光軸方向に移動するカム筒であって、前記カム孔は、光軸方向に対して傾斜された第1傾斜部と、光軸方向に対する傾斜角度が前記第1傾斜部よりも小さく、回転時に前記第1傾斜部よりも前記レンズ枠を移動させる移動量が大きい第2傾斜部とから構成されるカム筒と、
前記カム筒を回転可能に支持する支持筒と、を備え、
前記第1傾斜部は、前記第1傾斜部及び第2傾斜部の傾斜角度に応じて、前記第2傾斜部よりも幅狭に形成され、
前記カムフォロアは、前記第1傾斜部及び第2傾斜部の孔幅方向に弾性変形可能に設けられ、前記第1傾斜部及び第2傾斜部の孔幅の変化に追従して変形することを特徴とするレンズ鏡筒。 - 前記カムフォロアは、筒状に形成されるとともに、変形可能にするためのスリットが形成されていることを特徴とする請求項5記載のレンズ鏡筒。
- 前記カムフォロアは、変形可能な薄肉の円筒状に形成されていることを特徴とする請求項5記載のレンズ鏡筒。
- 前記第1傾斜部及び第2傾斜部は、孔幅が滑らかに変化するように傾斜面により接続されていることを特徴とする請求項5ないし7いずれか1つ記載のレンズ鏡筒。
- 前記レンズ枠は複数設けられ、
前記カム筒には、光軸方向に対する傾斜角度が異なる複数の前記カム孔が形成され、
前記複数のカム孔のうちの前記傾斜角度が最も大きく前記レンズ枠を移動させる移動量が最も小さい1つは、前記第1傾斜部が前記第2傾斜部よりも孔幅が狭く形成され、他の前記カム孔は前記第1傾斜部と前記第2傾斜部とが同じ孔幅で形成され、
前記各カムフォロアに取り付けられた前記各カムフォロアのうちの前記孔幅が変化するカム孔に係合する1つは、前記カム孔の孔幅の変化に追従して弾性変形するように設けられ、他の前記カムフォロアは変形しないように設けられていることを特徴とする請求項5ないし8いずれか1つ記載のレンズ鏡筒。 - 前記カム筒には、回転域を制限する回転制限孔が形成され、
前記支持筒には、前記回転制限孔に係合する係合部材が取り付けられていることを特徴とする請求項5ないし9いずれか1つ記載のレンズ鏡筒。 - 前記カム筒は、モータにより回転することを特徴とする請求項1ないし10いずれか1つ記載のレンズ鏡筒。
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