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JP2012180809A - 風力発電設備の減速装置及び出力ピニオンを備えた減速装置 - Google Patents

風力発電設備の減速装置及び出力ピニオンを備えた減速装置 Download PDF

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JP2012180809A JP2011045534A JP2011045534A JP2012180809A JP 2012180809 A JP2012180809 A JP 2012180809A JP 2011045534 A JP2011045534 A JP 2011045534A JP 2011045534 A JP2011045534 A JP 2011045534A JP 2012180809 A JP2012180809 A JP 2012180809A
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Abstract

【課題】小型、且つ低コストで、過大な風力負荷が掛かるような状況においても、減速装置やモータの破損や故障を効果的に防止することのできる減速装置を得る。
【解決手段】風力発電設備の本体側に設けられた歯車と噛合う出力ピニオン24を備えた減速装置G1であって、外歯歯車(遊星歯車)76、出力フランジ(キャリヤ)82、及び複数の内ピン(遊星ピン)80を備えた遊星歯車減速機構44と、内ピン80のそれぞれの反キャリヤ側の端部を束ねる拘束リング88と、を備える。反負荷側カバー体(ケーシング)48Cと拘束リング88が、組み立て時において微小隙間δ1を有するが、伝達される荷重Lが所定値Loを超えると接触するように対向して配置されており、かつ、該所定値Loが、疲労等価荷重をLe、極値荷重をLmとしたときに、Le<Lo<Lmの範囲に設定されている。
【選択図】図1

Description

本発明は、特に風力発電設備に使用する減速装置及び出力ピニオンを備えた減速装置に関する。
特許文献1に、風力発電設備に使用する減速装置が開示されている。風力発電設備の制御としては、風に対してナセル(発電室)の水平面内での向き(回転)を制御するヨー制御、或いは風に対して風車ブレードの向き(傾き)を制御するピッチ制御等があるが、いずれもモータや油圧シリンダで駆動される減速装置によって実現されている。
風力発電設備に使用する減速装置は、この特許文献1の減速装置を含め、減速機構の一部または全部に遊星歯車減速機構が使用されることが多い。遊星歯車減速機構は、遊星歯車、キャリヤ、及び該キャリヤから突出され前記遊星歯車を貫通する複数の遊星ピンを備えており、該複数の遊星ピン(内ピン)を介して前記キャリヤから遊星歯車の自転または公転成分が取り出される。キャリヤは、減速装置の出力軸と連結されており、出力軸には、出力ピニオンが設けられている。出力ピニオンは、例えば、ヨー駆動装置の場合、風力発電設備の円筒支柱側に設けられた内歯歯車(または外歯歯車)と噛合し、その反作用で(減速装置が取り付けられた)ナセルが駆動されるようになっている。
風力発電設備は、自然環境下に設置されるため、ときに乱れた強い風や突風を受けたりすることがある。このような強い風が風車ブレードに掛かると、風車ブレード自身が回転したり、該風車ブレードがナセルを回転させたりする状態となる。これにより、各減速装置は出力側から巨大な負荷が掛けられた状態となる。この結果、減速装置は、本来の出力軸が入力軸となった増速装置の動きを呈し、減速装置内の各部材やモータ等が過度に強いトルク(あるいは回転速度)で強制的に回転させられる状態が発生してしまう。
この特許文献1においては、上記複数の遊星ピンの反キャリヤ側を束ねる拘束リングを組み込むことにより遊星ピンに作用する荷重の分散・軽量化を図るように工夫した構成が開示されている。この構成によれば、一部の遊星ピンのみが大きく変形してしまうのを防止することができる。
特開2010−236357号公報(段落[0024]、図1)
しかしながら、この特許文献1のような「複数の遊星ピンの反キャリヤ側を束ねる拘束リング」を備えた構造であっても、自然相手の風力発電設備の構造としては、なお、強度的に十分とは言えない面があった。
例えば、遊星ピンの強度を増大させるために該内ピンの太さを大きくすれば、強度的な余裕を得ることはできるが、内ピンの太さの増大は、減速装置全体の大きさの増大の要因となり、狭いナセル内に設置する機器としては、大きなデメリットとなる。また、コスト増大、重量増大、動力損失の増大を招く要因ともなる。
本発明は、このような従来の問題を解消するためになされたものであって、小型且つ低コストで、通常運転時の伝達ロスを軽減すると共に、高負荷時の支持剛性を高めることができ、出力ピニオン側から過大な負荷が掛かるような状況においても減速装置の各要素の破損や故障等を効果的に防止することをその課題としている。
本発明は、風力発電設備の本体側に設けられた歯車と噛合う出力ピニオンを備えた減速装置であって、遊星歯車、キャリヤ、及び該キャリヤから突出され前記遊星歯車を貫通する複数の遊星ピンを備えると共に該複数の遊星ピンを介して前記キャリヤから遊星歯車の自転または公転成分を取り出す遊星歯車減速機構と、前記複数の遊星ピンのそれぞれの反キャリヤ側の端部を束ねる拘束リングと、を備え、前記減速装置のケーシングと前記拘束リングが、組み立て時において微小隙間を有するが、前記減速装置の特定の部分において伝達される荷重Lが所定値Loを超えると接触するように対向して配置されており、かつ、該所定値Loが、前記特定の部分において伝達されるべき疲労等価荷重をLe、伝達の限界である極値荷重をLmとしたときに、Le<Lo<Lmの範囲に設定されている構成とすることにより、上記課題を解決したものである。
なお、風力発電設備の本体側の「本体」とは、「減速装置が組み込まれている部材に対して相対的に動く部材または装置」を指している。例えば、風力発電設備のヨー駆動装置の場合であれば、減速装置が組み込まれているナセルの構造部材に対して相対的に動く円筒支柱が「本体」に相当し、ピッチ駆動装置の場合は、減速装置が組み込まれているナセルの構造部材に対して相対的に動く風車ブレードが、「本体」に相当する。
本発明に係る拘束リングは、ただ単に複数の遊星ピンのそれぞれの反キャリヤ側の端部を束ねるだけでなく、「所定の条件下」において、その外周がケーシングの内周に当接してケーシング側から支持反力を受け得るようになっている。
より具体的には、本発明に係る拘束リングは、減速装置の特定の部分(例えば出力軸:詳細は後述)において伝達される荷重(トルクと捉えることも可)Lが、所定値Loを超えた時点でケーシング側から支持反力を受ける。そして、本発明では、この所定値Loが、以下のように規定されている。
この種の風力発電設備においては、減速装置を含む各機器は、最低20年の耐用年数を確保できるように設計されるが、20年与え続けられても壊れない荷重は、「疲労等価荷重」と呼ばれる。また、20年の間に一度だけ掛かっても壊れない伝達の限界荷重は、「極値荷重」と呼ばれる。
本発明では、減速装置の組み立て時及び該減速装置の特定の部分において伝達される荷重Lが疲労等価荷重Leよりも低いときは、ケーシングと拘束リングの間には微小隙間が維持され、該ケーシングと拘束リングは接触することはない。しかし、減速装置の特定の部分において伝達される荷重Lが、疲労等価荷重Leを超え、所定値Loに至ると、出力ピニオン側から入力されてくるラジアル荷重及び回転トルクによってキャリヤ及び遊星ピンの回転軸心がケーシングの軸心からずれ、拘束リングがケーシングと接触するようになる。この所定値Loが、本発明では、前記疲労等価荷重Leより大きく、且つ前記極値荷重Lmより小さな値に設定される。式で表すならば、Le<Lo<Lmの範囲に設定される。
本発明によれば、小型、かつ低コストで、通常運転時の伝達ロスを軽減すると共に、高負荷時の支持剛性を高めることができ、出力ピニオン側から過大な負荷が掛かるような状況においても減速装置の各要素の破損や故障等を効果的に防止することができる。
本発明の実施形態の一例に係る風力発電設備に使用する減速装置の全体断面図 上記減速装置の要部拡大図 上記減速装置の拘束リングの(A)正面図、(B)IIIB−IIIB断面図 上記減速装置のケーシングカバー体の(A)正面図、(B)IVB−IVB断面図 上記実施形態における各内ピン(遊星ピン)の変形態様を示すグラフ 上記実施形態における各内ピン(遊星ピン)の引張応力を示すグラフ 上記減速装置が適用される風力発電設備の正面図 上記風力発電設備のナセルに上記減速装置が組み込まれている様子を模式的に示す斜視図 上記風力発電設備のヨー駆動装置の構造を示す要部断面図 本発明の他の実施形態の一例に係る風力発電設備に使用する減速装置の全体断面図
以下、図面を参照しつつ、本発明の実施形態の一例に係る風力発電設備の減速装置について詳細に説明する。
始めに、当該減速装置が適用されている風力発電設備のヨー駆動装置の概略から説明する。
図7〜図9を参照して、この風力発電設備10は、円筒支柱11の最上部にナセル(発電室)12を備える。ナセル12には、ヨー(Yaw)駆動装置14と、ピッチ(Pitch)駆動装置16が組み込まれている。ヨー駆動装置14は、円筒支柱11に対するナセル12全体の旋回角を制御するためのものであり、ピッチ駆動装置16は、ノーズコーン18に取り付けられる3枚の風車ブレード20のピッチ角を制御するためのものである。
この実施形態では、ヨー駆動装置14に本発明が適用されているため、ここではヨー駆動装置14について説明する。
このヨー駆動装置14は、モータ22及び出力ピニオン24付きの4個の減速装置G1〜G4及びそれぞれの出力ピニオン24と噛合する1個の旋回用の内歯歯車28を備える(旋回用の内歯歯車28は、外歯歯車であることもある)。各減速装置G1〜G4は、それぞれナセル12の構造体12A側の所定の位置に固定されている。
図8、図9に示されるように、各減速装置G1〜G4のそれぞれの出力ピニオン24が噛合している旋回用の内歯歯車28は、円筒支柱11(風力発電設備の本体)に固定されており、ヨーベアリング30の内輪を構成している。ヨーベアリング30の外輪30Aは、ナセル12の構造体12A側に固定されている。なお、図9の符号25は、ヨー駆動装置14のブレーキ機構で、ナセル12を円筒支柱11に対して固定させるときに使用するものである。
この構成により、各減速装置G1〜G4のモータ22によって各出力ピニオン24を同時に回転させると、該出力ピニオン24が内歯歯車28と噛合しながら内歯歯車28の中心36(図8参照)に対して公転する。この結果、ナセル12の構造体12Aを円筒支柱11(に固定された内歯歯車28)に対して相対的に移動させることができ、ナセル12全体を円筒支柱11に固定されている内歯歯車28の中心36の周りで旋回させることができる。これにより、ノーズコーン18を所望の方向(例えば風上の方向)に向けることができ、効率的に風圧を受けることができる。
前記減速装置G1〜G4は、それぞれ同一の構成を有しているため、ここでは減速装置G1について説明する。
図1を参照して、減速装置G1はモータ22、直交歯車減速機構40、第1、第2平行軸減速機構41、42及び偏心揺動型の遊星歯車減速機構44が動力伝達経路上でこの順に配置されている。
以下、動力伝達経路上の順番に説明していく。モータ22のモータ軸46は、直交歯車減速機構40の入力軸を兼ねており、モータ22のモータ軸46の負荷側の端部にはハイポイドピニオン47が直切りで形成されている。なお、該モータ軸46の反負荷側の端部にはブレーキ装置49および冷却ファン51が備えられている(図9参照)。
直交歯車減速機構40は、モータ22の先端に直切形成された前記ハイポイドピニオン47と、該ハイポイドピニオン47と噛合するハイポイドギヤ50とを備え、モータ軸46の回転方向を直角方向に変更している。ハイポイドギヤ50は、第1中間軸52に固定されている。
第1中間軸52には、第1平行軸減速機構41のスパーピニオン54が直接形成されている。第1平行軸減速機構41は、このスパーピニオン54と、該スパーピニオン54と噛合するスパーギヤ56とを備えている。スパーギヤ56は、第2中間軸58に固定されている。第2中間軸58には第2平行軸減速機構42のスパーピニオン60が直接形成されている。第2平行軸減速機構42は、このスパーピニオン60と、該スパーピニオン60と噛合するスパーギヤと64を備えている。スパーギヤ64はホロー軸(第2平行軸減速機構42の出力軸)66に固定されている。ホロー軸66はキー67及びボルト68を介して継軸70と連結されている。継軸70の負荷側には継カップリング70Aが圧入されている。継カップリング70Aの負荷側はホロー部とされ、このホロー部の内側に形成されたスプライン71と遊星歯車減速機構44の入力軸72が連結されている。これにより、ホロー軸66は、継軸70、継カップリング70Aを介して入力軸72と連結されることになる。一方、出力軸84の側から減速装置G1を介してモータ22に大きなトルクが入力されるとモータ22の故障の原因となるため、継軸70と継カップリング70Aは、このような入力があった場合、該継軸70と継カップリング70Aの圧入部分が滑ることでモータ22への入力を遮断するトルクリミッタとなる。
図2を合わせて参照して、遊星歯車減速機構44は、当該入力軸72、該入力軸72にキー結合された2つの偏心部を有する偏心体74、該偏心体74を介して偏心揺動する2枚の外歯歯車76、該外歯歯車76が内接噛合する内歯歯車78を備えている。2枚の外歯歯車76は、その偏心位相が丁度180度ずれており、互いに離反する方向に偏心した状態を維持しながら揺動回転する。なお、遊星歯車減速機構44のケーシング48は、第1、第2ケーシング体48A、48B、及び反負荷側及び負荷側カバー体48C、48Dとで主に構成され、ボルト79を介して前記ナセル12の構造体12Aに固定されている。
前記内歯歯車78は、このうちの第1ケーシング体48Aと一体化されている内歯歯車本体78Bと、該内歯歯車本体78Bに回転自在に保持されて内歯として機能する円筒状の外ピン78Aによって構成されている。内歯歯車78の内歯の数(外ピン78Aの数)は、外歯歯車76の外歯の数より僅かだけ(この例では1だけ)多い。外歯歯車76には内ピン(遊星ピン)80が複数(この例では12本)貫通している。内ピン80は、出力フランジ(キャリヤ)82と一体化され、該出力フランジ82は減速装置G1の出力軸84と一体化されている。内ピン80付近の構成については、後に詳述する。
出力軸84は、第2ケーシング体48Bの内周に組み込まれた自動調心ころ軸受85と、第1ケーシング体48Aの内周に配置されたころ86によって支持されている。ころ86は、前記内歯歯車78の内歯を構成する外ピン78Aと同軸に配置され、出力軸84と一体化された出力フランジ82を支持することによって、出力軸84の一端を回転自在に支持している。
この実施形態では、内歯歯車78が第1ケーシング体48Aに固定されているため、遊星歯車減速機構44の入力軸72が回転すると偏心体74を介して外歯歯車76が揺動し、該外歯歯車76の内歯歯車78に対する相対回転(自転成分)が、内ピン80及び出力フランジ82を介して出力軸84から取り出される構成とされている。出力軸84には、スプライン87を介して前出の出力ピニオン24が連結され、該出力ピニオン24が既に説明した旋回用の内歯歯車28(図8、図9)と噛合する構成とされている。
ここで、内ピン(遊星ピン)80付近の構成について詳細に説明する。
本実施形態では、内ピン80は、12本備えられている。各内ピン80は、出力フランジ(キャリヤ)82に圧入されることによって該出力フランジ82と一体化され、出力フランジ82から反負荷側(鉛直方向上側)に向けて片持ち状態で突出している。
各内ピン80のそれぞれの反キャリヤ側の端部には、拘束リング88が組み込まれ、該内ピン80の反負荷側の端部を束ねている。拘束リング88は、図3にその詳細を示すように、内ピン80が挿入される12個の貫通孔90を備えたリング状のプレートで構成されている。拘束リング88の素材は軸受鋼である。
拘束リング88の外周には、当接面92が形成されている。当接面92は、後述する反負荷側カバー体(ケーシング)48Cの受け面100と対向している。また、該当接面92には、軸方向に沿って潤滑剤を通過させるための凹部93が3ヶ所形成されている。図3に示されるように、この凹部93は、拘束リング88の強度を高く保つため、貫通孔90の半径方向外側に位置しないように形成されている。なお、図3(A)の符号94は、一度組み込んだ拘束リング88を内ピン80から分解するときに使用する治具固定用のねじ孔である。
一方、(前記受け面100の形成される)反負荷側カバー体48Cは、鋳物で形成されている。すなわち、拘束リング88は、薄くても高い強度が得られるように軸受鋼が用いられ、反負荷側カバー体48Cは、拘束リング88と材質を変えることによって焼き付きの防止を図っている。図2及び図4に示されるように、反負荷側カバー体48Cは、半径方向中央に遊星歯車減速機構44の入力軸72が貫通する貫通孔、すなわち、オイルシール96が組み込まれるオイルシール孔97、及び入力軸72を支持する軸受98が組み込まれる軸受孔99を備える。また、反負荷側カバー体48Cの内周における前記拘束リング88の当接面92と対向する位置に、該当接面92が接触したときに反力を提供可能な受け面100を備えている。
なお、この実施形態では、内ピン80の外周に該内ピン80と外歯歯車76との摺動を促進するための摺動促進部材である内ローラ81が配置されている。この内ローラ81は内ピン80の端部には配置されておらず、拘束リング88は、該内ローラ81の存在しない内ピン80の端部外周を直接束ねる構成とされている。この構成により、内ローラ81が内ピン80の外周に組み込まれている構成でありながら、拘束リング88を(該拘束リング88と相対回転のない)内ピン80に直接組み込むことができている。なお、符号102は、潤滑剤(グリース)の給脂口、104は、前記ボルト79が挿入されるボルト孔、105は、第1、第2ケーシング体48A、48Bとの連結用のボルト77が挿入されるボルト孔である。
ここで、この反負荷側カバー体48Cの受け面100と、前記拘束リング88の当接面92は、減速装置G1の組み立て時においては、微小隙間δ1を有して対向して配置されており、接触していない。この微小隙間δ1の大きさは、具体的には、1.5〜3.0MW(1500〜3000kW)クラスの風力発電設備で、概ね50μm程度である。一方、減速装置G1の特定部分(例えば出力軸84)において伝達される荷重(或いはトルク)Lが所定値Loを超えるようになると、該受け面100と当接面92は、当該伝達される荷重Lによって出力軸84と内ピン80に発生する弾性変形によって接触するような関係となるように設計・配置されている。換言するならば、拘束リング88は減速装置G1の特定部分において伝達される荷重Lが所定値Loを超えた時点で反負荷側カバー体48Cの受け面100から支持反力を受けるようになる。
本実施形態では、この所定値Loが、以下のように規定されている。
すなわち、前述したように、この種の風力発電設備10においては、減速装置G1を含む各機器は、最低20年の耐用年数を確保できるように設計されている。減速装置G1において20年与え続けられても壊れない荷重は、「疲労等価荷重」と呼ばれ、設計の指標の1つとなっている。また、20年の間(耐用年数の間)に一度だけ掛かっても壊れない伝達の限界荷重は、「極値荷重」と呼ばれ、これも風力発電設備に使用される機器の設計の指標の一つとなっている。本実施形態では、受け面100と当接面92が接触し始めるときの伝達荷重である所定値Loが、前記疲労等価荷重Leより大きく、且つ前記極値荷重Lmより小さな値、式で表すならば、Le<Lo<Lmの範囲に設定される。疲労等価荷重Leは、当該風力発電設備で使用される減速装置の数(2〜6台)にもよるが、例えばこの例のように4台の場合、2MWクラスの風力発電設備で、概ね5kNm、極値荷重は、(幅が大きいが)概ね25〜100kNmである。
この構成から明らかなように、本実施形態に係る構造は、単に、反負荷側カバー体48Cの受け面100に「軸受的な支持機能」を常時与えるようにしたものではない。すなわち、ケーシング48の反負荷側カバー体48Cの受け面100と拘束リング88は、少なくとも組み立て時及び出力軸84において伝達される荷重(或いはトルク)Lが所定値Lo以下のときは、「微小隙間」を有している。
なお、この実施形態においては、「特定の部分」として出力軸84に着目しているが、本発明において、「特定の部分」として着目する部材は、出力軸84に限定されない。例えば、継軸70や、モータ軸46等を、「特定の部分」として着目するようにしてもよい。この場合、着目する場所によって減速比が異なるため、所定値Loは、減速比に相当する分(出力軸84を特定の部分としたときと比べて)異なってくることになる。因みに、着目する部分が決定されると、当該特定部分の腕の長さも決まるため、この所定値Loは、トルクの概念として捉えることも可能である。
次に、この減速装置G1の作用を説明する。
モータ22のモータ軸46の回転は、直交歯車減速機構40のハイポイドピニオン47及びハイポイドギヤ50の噛合によって初段減速され、同時に回転軸の方向が90度変更されて第1平行軸減速機構41の第1中間軸52に伝達される。
第1中間軸52の回転は、第1平行軸減速機構41のスパーピニオン54及びスパーギヤ56の噛合によって第2中間軸58に伝達されると共に、さらに第2平行軸減速機構42のスパーピニオン60及びスパーギヤ64を介してホロー軸(第2平行軸減速機構42の出力軸)66に伝達される。ホロー軸66の回転は、キー67(及びボルト68)を介して継軸70に伝達され、スプライン71を介して遊星歯車減速機構44の入力軸72に伝達される。
遊星歯車減速機構44の入力軸72が回転すると、偏心体74を介して外歯歯車76が(内歯歯車78に内接しながら)揺動回転するため、外歯歯車76と内歯歯車78との噛合位置が順次ずれてゆく現象が生じる。この結果、遊星歯車減速機構44の入力軸72が1回回転する毎に、外歯歯車76が1回揺動し、(ナセル12と固定状態にある)内歯歯車78に対して1歯分ずつ位相がずれて行くようになる(自転成分が発生する)。この自転成分を内ピン(遊星ピン)80、出力フランジ(キャリヤ)82を介して出力軸84側に取り出すことにより、遊星歯車減速機構44での減速が実現される。
出力軸84の回転は、スプライン87を介して出力ピニオン24に伝達される。出力ピニオン24は旋回用の内歯歯車28と噛合しており、且つ、該内歯歯車28は、円筒支柱11に固定されているため、反作用によって、結局、出力ピニオン24は、自転しながら内歯歯車28の中心36に対して公転する(図8参照)。減速装置G1は、ナセル12に固定されているため、結局、該円筒支柱11側の内歯歯車28の軸心36に対してナセル12が水平方向に回転(旋回)する。
ここで、減速装置G1の出力軸84において伝達される荷重Lが、疲労等価荷重Leよりも低いうちは、反負荷側カバー体48Cの受け面100と拘束リング88の外周の当接面92の間には微小隙間δ1が維持され、該反負荷側カバー体48Cの受け面100と拘束リング88の外周の当接面92は基本的に接触しない。この結果、モータ22によって出力軸84が駆動される通常のヨー駆動時の大半において、その動力伝達に際して特に摺動抵抗は発生せず、伝達ロスも生じない。
しかし、例えば、モータ22の停止時等において突風等が風車ブレード20に作用することによってナセル12を強制的に旋回させようとする巨大なトルクが減速装置G1の出力ピニオン24側から入力された場合、この巨大な「風力負荷」は、ヨー駆動装置14を逆から駆動し、減速装置G1の出力軸84を回転させようとする。このときは、減速装置G1の出力軸84において伝達される荷重Lが、疲労等価荷重Leを容易に超えてしまう。しかし、本実施形態では、減速装置G1において伝達されるトルクLが所定値Loを超えると、出力ピニオン24側から入力されてくるラジアルトルクによって出力フランジ(キャリヤ)82の回転中心(或いは内ピン80の公転中心)O1がケーシング48の軸心Ocからずれ、拘束リング88の外周の当接面92が反負荷側カバー体48Cの受け面100と接触するようになる。
ここで、本実施形態では、この(拘束リング88の当接面92が反負荷側カバー体48Cの受け面100と接触する)所定値Loが、「疲労等価荷重Le<所定値Lo<極値荷重Lm」の範囲に設定されている。このため、減速装置G1の出力軸84において伝達される荷重Lが極値荷重Lmに至らないうちに拘束リング88が反負荷側カバー体48Cと必ず接触し、拘束リング88は、該反負荷側カバー体48Cから反力を受けることができる。これにより、内ピン80のこれ以上の変形が抑制され、内ピン80の支持剛性が高められると共に内ピン80の破損が防止される。また、拘束リング88の外周(当接面92)には、潤滑剤用の凹部93が形成されているため、接触・摺動時の焼き付きを防止できる。
要するならば、本実施形態によれば、風力負荷によって出力ピニオン24側から入力されるラジアルトルクによる出力フランジ82及び内ピン80の回転軸心のずれ(Oc→O1)を積極的に利用し、通常運転時の受け面100と拘束リング88との滑りロスを軽減すると共に、高負荷時の内ピン80の支持剛性を高める作用を自動的に得ることで、減速装置G1の各部及び(減速装置G1と連結されている)モータ22の保護を図ることができる。
なお、拘束リング88が反負荷側カバー体48Cから受ける反力は、(風力負荷が大きいとき程出力軸84に発生するラジアル荷重及び回転トルクが大きくなることから)風力負荷が大きいときほど大きくなる。そのため、反負荷側カバー体48Cによる拘束リング88の支持力も風力負荷が大きいときほど増大する。また、受け面100と拘束リング88とが摺動することによって発生する伝達ロスも、通常運転時ではほぼ零であるが、極高負荷時には「制動作用」として機能するため、この点でも好ましい定性的傾向を有する作用が得られることになる。そして、これらの作用は、例えばセンサ等を用いて電気的に制御することで得られる作用ではないため、台風や激しい雷雨等による停電時の環境下においても確実に得ることができる。
更には、例えば、減速装置やモータを保護するために、出力ピニオン24側からの動力を「遮断」してナセル12の旋回をフリーにしてしまうものと異なり、該ナセル12が無制御状態でふらつくこともない。これは、風力発電設備全体の保護という観点で極めて重要な作用である。
図5、図6は、出力ピニオン24の側から風力負荷が掛かったときの各内ピンの動き(変位)をシミュレートしたグラフである。
図5の(A)は、拘束リングはあるが、反負荷側カバー体(ケーシング)からの支持が全くない構成、即ち従来の特許文献1の構造に相当している。(B)は、本実施形態に係る構成である。
このグラフは、出力ピニオン24の部分に円周方向のトルクとラジアル方向の負荷を同時に掛けて駆動したときにおいて、ある瞬間の12本の各内ピン80の軸と直角の平面内(XY平面内)での変位量δを示したものである。なお、図のA〜Lの符号は、各内ピン80を円周方向に順に番号を付したものであり、後述する図6のA〜Lの円周方向位置と対応している。図5の実線82Fが出力フランジ82の軸方向端部位置、破線76Cが外歯歯車76の軸方向中央位置、△の支点が拘束リング88の支持位置にそれぞれ相当している。
図5の(A)の従来の特許文献1の構造、すなわち、拘束リングはあるが反負荷側カバー体(ケーシング)48Cからの支持が全くない構造では、付加した円周方向のトルクとラジアル方向の負荷により、A〜Lの各内ピン80は「全体として」自由に変位するため、各内ピン80の円周方向の位置に依存して変位量δpのばらつきδp1が大きい。特に内ピンI〜Lの拘束リング88の位置での変位量δpが大きい。また、出力フランジ82内での変位量δfに最大でδf1のばらつきが生じており、該出力フランジ82内の内ピン端部位置(実線82Fの位置)の変位量δfの絶対値も大きい。
一方、本実施形態に係る図5の(B)の構成では、(疲労等価荷重Leを超えて所定値Loに至るまでは、各内ピン80は全体として変形するものの、所定値Loを超えると反負荷側カバー体48C側からの支持が得られるため、それ以上の変形が生じていないことが確認できる。すなわち、各内ピン80の変形量δpの絶対値もばらつきδp2も小さく(δp2<δp1)、また、出力フランジ82内での変位量δfの絶対値もばらつきδf2も小さい(δf2<δf1)。これにより、各内ピン80は勿論、出力フランジ82自体においても、応力軽減効果が得られる。なお、外歯歯車76に対しての負荷低減効果も得ることができ、外歯歯車76を従来に比して薄くできる等の効果もある。
更に、図6は、例えば、極値荷重Lmを作用させた状態でのシミュレーションによるA〜Lの各内ピン80の引張応力(N/mm2 )の分布状況を示したものである。図6の▲印は、拘束リングが全くない構造の特性、菱形印は、特許文献1の構造(ケーシングからの支持が全くない構造)の特性、四角印は、本実施形態の構造の特性である。
拘束リングが全くない構造(▲印)の場合、Bの内ピンに大きな引張応力が発生しており、逆にE,F、GやKの内ピンの引張応力が小さいため、各内ピン間の応力に大きなばらつきがあることが分かる(約400N/mm2 の違いがある)。
特許文献1の構造(菱形印)の場合、▲印に比して比較的ばらつきは少なくなっているものの、依然ばらつきが大きい(EとIの内ピン80の引張応力は360N/mm2 違っている)。すなわち、A〜Lの各内ピン80は「全体として」自由に変位するため、引張応力の分布も全体が一方向に偏った分布となっている。すなわち、D〜F側の内ピン80は引張応力は小さいものの、全体がH〜Lの特にIの内ピン側が引張応力が高くなっており、結果として、ばらつきが大きい。
これに対し、本実施形態の構造(四角印)の場合、内ピンで発生する引張応力のばらつきが一層小さくなっており(DとKの内ピン80の引張応力差は150N/mm2 )、しかも、個々の内ピンに発生している引張応力の絶対値も小さくなっていることが分かる。
なお、上記実施形態においては、所定値Loは、「疲労等価荷重Le<所定値Lo<極値荷重Lm」の範囲に設定されていたが、この中でも、前記減速装置G1を駆動するモータ22の定格出力時に出力軸84において伝達される荷重をLrとしたときに、「Le<Lo<Lr」の範囲に設定されているのがより好ましい。
この設定によれば、モータ22によって比較的軽い駆動トルクにてナセル12を駆動できる大半のヨー駆動時において伝達ロスのない動力伝達ができ、一方、若干強い風に逆らってモータ22を(定格出力以下の)高出力で駆動してナセル12を旋回させるときには、各内ピン80は、拘束リング88が反負荷側カバー体48Cと接触することにより若干の反力を反負荷側カバー体48C(ケーシング48)側から受けることができるようになる。風力発電設備10の減速装置G1の拘束リング88の回転速度は、大きな減速によってその絶対値が低い(極めて遅い)ため、モータ22の定格出力時に伝達される荷重Lrよりも低いレベルから接触が始まるように設定しても、伝達ロスの観点では大きな問題とはならない。むしろ、極値荷重Lmに近いような突然の風力負荷が掛かったようなときに相応の制動効果が期待できるようになる点で優れる。
また、上記実施形態においては、モータ22、直交歯車減速機構40、第1、第2平行軸減速機構41、42及び遊星歯車減速機構44が動力伝達経路上でこの順に配置された減速装置が示されていたが、本発明においては、減速装置の減速機構の具体的な構成は、遊星歯車減速機構を備えている限り、特に上記構成に限定されない。
例えば、図10に示されるように、単純遊星歯車減速機構を備えた減速装置G2においても、同様に適用することができる。この図10の実施形態では、モータ106にカップリング108を介して連結された第1〜第4単純遊星歯車減速機構111〜114が備えられている。第1〜第4単純遊星歯車減速機構111〜114は、それぞれ遊星歯車111A〜114A、キャリヤ111B〜114B、及び該キャリヤ111B〜114Bから突出され前記遊星歯車111A〜114Aを貫通する複数の遊星ピン111C〜114Cを備え、該複数の遊星ピン111C〜114Cを介して前記キャリヤ111B〜114Bから遊星歯車111A〜114Aの「公転成分」を取り出す構成とされている。
本実施形態では、最後段の第4単純遊星歯車減速機構114に、複数の遊星ピン114Cのそれぞれの反キャリヤ111B〜114B側の端部を束ねる拘束リング114Fが配置され、該拘束リング114Fと反負荷側カバー体(ケーシング)114Kとの間に本発明が適用されている。
すなわち、減速装置G2の反負荷側カバー体114Kと前記拘束リング114Fは、組み立て時において微小隙間(図示略)を有するが、減速装置G2の(出力軸116)において伝達される荷重(L)が所定値(Lo)を超えると接触するように対向して配置されている。また、該所定値(Lo)が、当該減速装置G2で伝達されるべき疲労等価荷重を(Le)、伝達の限界である極値荷重を(Lm)としたときに、Le<Lo<Lmの範囲に設定されている。この点は、先の実施形態と共通である。なお、図10の出力軸116の軸受118、120のうち、反負荷側の軸受120は、荷重条件によってはなくてもよい。
本発明は、例えば、このような単純遊星歯車型の遊星歯車減速機構においても適用することができ、同様な作用効果が得られる。
なお、上記実施形態では、拘束リングをケーシングそのものに接触させるようにしていたが、本発明における「ケーシング」の用語は、圧入あるいはボルト等によってケーシングと固定・一体化され、結果としてケーシングの一部を構成している「付加部材」の概念を含んでいる。例えば、拘束リングの受け面を、(ケーシング自体に直接ではなく)このようなケーシングと一体化される付加部材に形成するようにすると、設計の自由度を拡大することができる。すなわち、当該付加部材は、素材の選定や硬化処理の自由度が高いため、より接触時の耐久性を優先した硬度特性としたり、より焼き付き防止を優先した摩擦特性としたり、或いは、より円滑に支持することにより伝達ロスを低減することを優先さした摩擦特性としたりする設計が容易である。
また、上記実施形態では、出力ピニオンを備えた出力軸と出力フランジ(キャリヤ)が一体的に成形されていた。この構成は、出力ピニオンに掛かるラジアル荷重がより直接的に内ピン(遊星ピン)の変位に反映するため、風力負荷の増大と支持機能の発揮とがより的確にリンクするようになる点で優れる。しかしながら、本発明においては、出力軸とキャリヤは、必ずしも一体化させる必要はない。例えば、出力軸とキャリヤを(一体化せずに)スプラインで連結するようにしてもよい。この場合には、スプライン部分でラジアル荷重の伝達が遮断される分、減速装置各部に掛かるラジアル荷重の絶対値をより低めることができる傾向となる。
なお、上記実施形態においては、本発明を風力発電設備のヨー駆動装置の減速装置に本発明を適用していたが、前述したように、本発明は、例えば風力発電設備のピッチ駆動装置の減速装置にも同様に適用できる。また、発明の作用効果の面から推し図るならば、例えば、デッキクレーンの旋回、シールド掘削機のドリル駆動、建設用のショベルの旋回等の用途にも適用可能である。すなわち、これらの用途においても、作業中に、風の影響を受けたり、重量物の慣性力の影響を受けたり、あるいは障害物や地中の岩石等に衝突して作業対象物側から突然大きな反力を受けたりすることによって出力軸に備えられたピニオンが負荷側から強制的に回転させられる状況が形成され得るからである。本発明では、このような用途においても適用することができ、同様な作用効果が得られる。なお、風力発電設備以外の用途に本発明を適用する場合、当該減速装置が搭載される各機器の耐用年数の間、減速装置の特定の部分に与え続けられても壊れない荷重を「疲労等価荷重Le」、耐用年数の間に一度だけ掛かっても壊れない伝達の限界荷重を「極値荷重Lm」と読み替えて、所定値Loを設定すればよい。
10…風力発電設備
11…円筒支柱
12…ナセル(発電室)
14…ヨー駆動装置
16…ピッチ駆動装置
18…ノーズコーン
20…風車ブレード
22…モータ
24…出力ピニオン
44…遊星歯車減速機構
76…外歯歯車(遊星歯車)
78…内歯歯車
80…内ピン(遊星ピン)
82…出力フランジ(キャリヤ)
84…出力軸
88…拘束リング

Claims (6)

  1. 風力発電設備の本体側に設けられた歯車と噛合う出力ピニオンを備えた減速装置であって、
    遊星歯車、キャリヤ、及び該キャリヤから突出され前記遊星歯車を貫通する複数の遊星ピンを備えると共に該複数の遊星ピンを介して前記キャリヤから遊星歯車の自転または公転成分を取り出す遊星歯車減速機構と、
    前記複数の遊星ピンのそれぞれの反キャリヤ側の端部を束ねる拘束リングと、を備え、
    前記減速装置のケーシングと前記拘束リングが、組み立て時において微小隙間を有するが、前記減速装置の特定の部分において伝達される荷重Lが所定値Loを超えると接触するように対向して配置されており、かつ、
    該所定値Loが、前記特定の部分において伝達されるべき疲労等価荷重をLe、伝達の限界である極値荷重をLmとしたときに、Le<Lo<Lmの範囲に設定されている
    ことを特徴とする風力発電設備の減速装置。
  2. 請求項1において、
    前記所定値Loが、前記特定の部分において当該減速装置を駆動するモータの定格出力時に伝達される荷重をLrとしたときに、Le<Lo<Lrの範囲に設定されている
    ことを特徴とする風力発電設備の減速装置。
  3. 請求項1又は2において、
    前記拘束リングの外周に、潤滑剤用の凹部が形成されている
    ことを特徴とする風力発電設備の減速装置。
  4. 請求項1〜3のいずれかにおいて、
    前記遊星ピンの外周に該遊星ピンと前記遊星歯車との摺動を促進するための摺動促進部材が配置されると共に、
    該摺動促進部材は、前記遊星ピンの端部には配置されておらず、前記拘束リングが、該摺動促進部材の存在しない前記遊星ピンの端部を直接束ねる構成とされている
    ことを特徴とする風力発電設備の減速装置。
  5. 請求項1〜4のいずれかにおいて、
    当該減速装置の減速段が多段で構成され、且つ前記拘束リングを備えた遊星歯車減速機構が、該多段とされた減速段の最終段に組み込まれている
    ことを特徴とする風力発電設備の減速装置。
  6. 出力ピニオンを備えた減速装置であって、
    遊星歯車、キャリヤ、及び該キャリヤから突出され前記遊星歯車を貫通する複数の遊星ピンを備えると共に該複数の遊星ピンを介して前記キャリヤから遊星歯車の自転または公転成分を取り出す遊星歯車減速機構と、
    前記複数の遊星ピンのそれぞれの反キャリヤ側の端部を束ねる拘束リングと、を備え、
    前記減速装置のケーシングと前記拘束リングが、組み立て時において微小隙間を有するが、前記減速装置の特定の部分において伝達される荷重Lが所定値Loを超えると接触するように対向して配置されており、かつ、
    該所定値Loが、前記特定の部分において伝達されるべき疲労等価荷重をLe、伝達の限界である極値荷重をLmとしたときに、Le<Lo<Lmの範囲に設定されている
    ことを特徴とする出力ピニオンを備えた減速装置。
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