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JP2012151273A - Cmp用洗浄液 - Google Patents

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JP2012151273A JP2011008748A JP2011008748A JP2012151273A JP 2012151273 A JP2012151273 A JP 2012151273A JP 2011008748 A JP2011008748 A JP 2011008748A JP 2011008748 A JP2011008748 A JP 2011008748A JP 2012151273 A JP2012151273 A JP 2012151273A
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acid
cmp
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cleaning
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JP2011008748A
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Munehiro Ota
宗宏 太田
Shigeru Yoshikawa
茂 吉川
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Resonac Corp
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Hitachi Chemical Co Ltd
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Abstract

【課題】 CMP洗浄液の添加剤が、研磨粒子及び被研磨膜の研磨屑と複合体を形成し、それが研磨パッドに蓄積することにより生じるパッド着色物を簡単に除去するCMP用洗浄液、これを使用する洗浄方法及びこれを使用する工程を含んで作製した製品を提供すること。
【解決手段】 CMP用研磨液を使用して酸化ケイ素を有する被研磨面を研磨した際に、研磨部材を洗浄するためのCMP用洗浄液であって、強酸を含むCMP用洗浄液。CMP用洗浄液に含まれる強酸は、硫酸、シュウ酸、フッ酸、硝酸及び次亜塩素酸から選ばれる少なくとも1種類の化合物であることが好ましい。また、CMP用洗浄液は、さらに洗浄補助剤Aとしてヒドロキシカルボン酸を含み、さらに洗浄補助剤Bとして、メタンスルホン酸を含むことが好ましい。
【選択図】図1

Description

本発明は、半導体ウエハ材料のケミカルメカニカルポリッシング(CMP)に用いるCMP用洗浄液、これを使用する洗浄方法及びこれを使用する工程を含んで作製した製品に関する。
半導体製造の分野では、超LSIデバイスの高性能化に伴い、従来技術の延長線上の微細化技術では高集積化及び高速化を両立することが限界になってきている。そこで、半導体素子の微細化を進めつつ、垂直方向にも高集積化する技術、すなわち配線を多層化する技術が開発されている。
配線が多層化されたデバイスを製造するプロセスにおいて最も重要な技術の一つに、CMP技術がある。CMP技術は、化学気相蒸着(CVD)等によって基板上に薄膜を形成した後、その表面を平坦化する技術である。例えば、リソグラフィの焦点深度を確保するには、CMPによる平坦化の処理が不可欠である。基板表面に凹凸があると、露光工程における焦点合わせが不可能となったり、微細な配線構造を十分に形成できなくなったりする等の不都合が生じる。また、CMP技術は、デバイスの製造過程において、プラズマ酸化膜(BPSG、HDP−SiO、p−TEOS)の研磨によって素子分離領域を形成する工程、層間絶縁膜を形成する工程、あるいは、酸化ケイ素を含む膜を金属配線に埋め込んだ後にプラグ(例えば、Al・Cuプラグ)を平坦化する工程等にも適用される。
CMPは、通常、研磨パッド上に研磨液を供給することができる装置を用いて行われる。そして、基板表面と研磨パッドとの間に研磨液を供給しながら、基板を研磨パッドに押し付けることにより、基板表面が研磨される。このように、CMP技術においては、研磨液が要素技術の一つであり、高性能の研磨液を得るため、これまでにも種々の研磨液の開発がなされている(例えば、特許文献1参照)。
ところで、基板上に素子分離領域を形成する工程においては、予め基板表面に溝を設け、この溝を埋めるように絶縁膜(例えば、酸化ケイ素膜)がCVD等によって形成される。その後、絶縁膜の表面をCMPにより平坦化することによって素子分離領域が形成される。この際、表面に溝等の素子分離構造が設けられた基板上に絶縁膜を形成する場合、絶縁膜の表面にも素子分離構造の凹凸に応じた凹凸が生じる。このような凹凸を有する表面に対しては、凸部を優先的に除去する一方、凹部をゆっくりと除去することによって平坦化がなされる。
半導体生産のスループットを向上するためには、基板上に形成した絶縁膜の不要な部分を可能な限り速く除去することが好ましい。例えば、素子分離領域の狭幅化に対応すべく、シャロー・トレンチ分離(STI)を採用した場合、絶縁膜として基板上に設けた酸化ケイ素膜の不要な部分を高い研磨速度で取り除くことが要求される。
特開2008−288537号公報
酸化ケイ素膜に対する研磨速度が高いCMP用研磨液を作製するためには、研磨粒子の高濃度化及び研磨粒子の平均粒径を大きくする等の手法があるが、コストや研磨傷の面から低濃度かつ小粒子の研磨粒子で高研磨速度を達成することが望ましい。そこで、添加剤を入れることで研磨速度を向上させる手法が見出されているが、ある種の添加剤では研磨粒子及び被研磨膜の研磨屑と複合体を形成し、それが着色物として研磨パッドに蓄積することが本発明者らにより発見された。この着色物は研磨傷や面内均一性を悪化させる原因の一つとして考えられており、製品の歩留を上げるには、このパッド着色物を簡単に除去することが不可欠である。
本発明は、上記課題を解決しようとするものであり、パッド着色物を簡単に除去することを目的とする。
本発明者らは上記課題を解決すべく、CMP用洗浄液に配合する成分について鋭意検討を重ねた。すなわち、本発明者らは、種々の化合物を使用して洗浄液を多数調製し、これらの洗浄液を用いてパッド着色物の除去を試み、評価を行った。その結果、特定の強酸と有機化合物を使用することによって、わずか1分間でパッド着色物を除去できる洗浄液を見出し、本発明を完成させた。
すなわち、本発明のCMP用洗浄液は、CMP用研磨液を使用して酸化ケイ素を有する被研磨面を研磨した際に、研磨部材を洗浄するためのCMP用洗浄液であって、強酸を含むCMP用洗浄液である。
より具体的には、CMP洗浄液は、強酸を含む洗浄液であって、前記強酸が、硫酸、シュウ酸、フッ酸、硝酸及び次亜塩素酸から選ばれる少なくとも1種類の化合物であるCMP用洗浄液であることが好ましく、より好ましくは強酸は硫酸である。
本発明のCMP用洗浄液は、洗浄補助剤Aとして、ヒドロキシカルボン酸を更に含むことが好ましい。前記ヒドロキシカルボン酸は、グリコール酸、乳酸、タルトロン酸、グリセリン酸、ヒドロキシ酪酸、リンゴ酸、酒石酸、シトラマル酸、クエン酸、イソクエン酸、ロイシン酸、メバロン酸、パントイン酸、リシノール酸、リシネライジン酸、セレブロン酸、キナ酸、シキミ酸、グルコン酸から選ばれる少なくとも1種類の化合物であることが好ましく、乳酸及びグルコン酸の混合物であることが、より好ましい。
本発明のCMP用洗浄液は、洗浄補助剤Bとして、更にメタンスルホン酸を含むことが好ましい。
本発明のCMP用洗浄液によれば、研磨傷や面内均一性の原因となりうるパッド着色物を除去することが可能となる。かかる効果が奏される要因は必ずしも明らかではないが、研磨粒子、被研磨膜の研磨屑及び研磨パッドをCMP用研磨液に含有される有機酸が接着しており、CMP用洗浄液によりこの有機酸と研磨粒子及び研磨パッドの接着力を弱めていることが要因と考えられる。有機酸は、ヒドロキシル基もしくはカルボキシル基を有しており、CMP用研磨液中では酸解離によりヒドロキシイオンもしくはカルボキシイオンとして陰イオンの状態で存在する。これが静電的に研磨粒子や研磨パッドに作用し、かつ研磨粒子と研磨屑は研磨する際に化学的に結合すると考えられていることから研磨粒子、被研磨膜の研磨屑の複合体が研磨パッドに吸着すると考えられる。本発明のCMP用洗浄液に含まれる強酸により、有機酸の酸解離が抑えられ、研磨粒子と研磨パッドへの作用が弱まる。更にヒドロキシカルボン酸及びメタンスルホン酸がセリウムに結合することでパッド表面から除去されると考えられる。
本発明のCMP用洗浄液のpHは3以下であることが好ましい。
本発明の強酸の含有量は、当該洗浄液100質量部に対して0.1〜10質量部であることが好ましい。
本発明の洗浄補助剤Aの含有量が、当該洗浄液100質量部に対して0.1〜20質量部であることが好ましい。
本発明の洗浄補助剤Bの含有量が、当該洗浄液100質量部に対して0.1〜20質量部であることが好ましい。
本発明のCMP用洗浄液の溶媒は、水であると好ましい。
本発明のCMP用研磨液は、酸化ケイ素を有する被研磨面を研磨する用途に使用されるCMP用研磨液であって、
上記CMP用研磨液は、
(A)砥粒、(B)添加剤、(C)pH調整剤と(D)水を含み、pH<8の研磨液であって、前記添加剤は下記i)〜v)を満たすことが好ましい。
i)少なくとも一つのC=Cを有する環状構造をもつ。(ここで示すC=Cは単なる二重結合だけではなく、共鳴構造を形成する炭素同士の結合でも可とする。例えば、ベンゼン環やピリジン環を有していればi)を満たしている添加剤であると言える。)
ii)−OH構造(−COOHのOHを含む) は分子内に1つ以上4つ以下である。
iii)分子内に含まれる−COOH基は1つ以下である。
iv)分子内に構造Iもしくは構造IIの骨格を有する。
構造I:分子内のある炭素原子(C)に−OH基が付加しており、Cに隣接する炭素原子(C)には−OX、−NX、−NCX、−CH=N−OHが付加している(ここでXは水素及び炭素原子から選ばれる原子である。また、C、C、C及びXが炭素である場合、不足している残りの結合は結合様式(単結合、二重結合等)及び結合原子(水素原子、酸素原子、窒素原子等)ともに任意でよい)。構造Iは、下記の一般式a)〜l)で表わされる構造から選ばれる。構造式中の点線を含んだ単結合は共鳴構造を形成する結合を示す。
Figure 2012151273

構造II:分子内のある炭素原子(C)に−CH=N−OHが付加しており、Cに隣接する炭素原子(C)にも−CH=N−OH(C及びCにおいて炭素原子の不足している残りの結合は結合様式(単結合、二重結合等)及び結合原子(水素原子、酸素原子、窒素原子等)ともに任意でよい)。構造IIは、下記の一般式m)〜o)で表わされる構造から選ばれる。構造中の点線を含んだ単結合は共鳴構造を形成する結合を示す。
Figure 2012151273

v)上記iv)において、C及びCの少なくとも一方が、上記i)に示すC=Cを有する環状構造の構成原子であるか、もしくは環状構造に隣接して結合している。
本発明の洗浄対象としての研磨部材は、研磨パッド、コンディショナー、研磨装置、研磨液供給装置、配管、被研磨面を有する基板のいずれかであることが好ましい。
また、本発明は、CMP用洗浄液を使用する洗浄方法及びCMP用洗浄液を使用する工程を含んで作製した製品も提供する。
本発明によれば、パッド着色を簡単に除去するCMP用洗浄液、これを使用する洗浄方法及びこれを使用する工程を含んで作製した製品を提供することが可能となる。
酸化ケイ素膜が研磨されて半導体基板にシャロー・トレンチ分離構造が形成される過程を示す模式断面図である。
以下、本発明の好適な実施形態について詳細に説明する。
<CMP用洗浄液>
本実施形態に係るCMP用洗浄液(以下、「洗浄液」と略す)は、硫酸、シュウ酸、フッ酸、硝酸及び次亜塩素酸から選ばれる少なくとも1種類の強酸を含むことが好ましく、更に洗浄補助剤Aとしてヒドロキシカルボン酸を含み、更に洗浄補助剤Bとして、メタンスルホン酸を含むことが好ましい。
<強酸>
本実施形態に係る強酸は、硫酸、シュウ酸、フッ酸、硝酸及び次亜塩素酸から選ばれる少なくとも1種類の化合物であり、その中でも洗浄効果及び取り扱い上の安全性の観点から硫酸が好ましい。
<洗浄補助剤A>
本実施形態に係る洗浄補助剤Aは、ヒドロキシカルボン酸を更に含む洗浄液であって、上記洗ヒドロキシカルボン酸が、グリコール酸、乳酸、タルトロン酸、グリセリン酸、ヒドロキシ酪酸、リンゴ酸、酒石酸、シトラマル酸、クエン酸、イソクエン酸、ロイシン酸、メバロン酸、パントイン酸、リシノール酸、リシネライジン酸、セレブロン酸、キナ酸、シキミ酸、グルコン酸から選ばれる少なくとも1種類の化合物である。その中でも、乳酸、グルコン酸の組み合わせが好ましい。
<洗浄補助剤B>
本実施形態に係る洗浄補助剤Bは、メタンスルホン酸である。
<pH>
本実施形態に係るpHは、一般的なpHメータで測定した25(±0.3℃)でのpH値のことをさし、本CMP用洗浄液のpHは3以下であることが好ましく、0以上3以下であることが更に好ましく、0以上2以下であることが特に好ましく、0.5以上1.5以下であることが最も好ましい。
<研磨部材>
本実施形態に係る研磨部材は、研磨パッド、コンディショナー、研磨装置、研磨液供給装置、配管、被研磨面を有する基板であり、その中でも特に研磨パッドをさす。
<研磨液>
本実施形態に係るCMP用研磨液(以下、「研磨液」と略す)は、特に制限はないが、(A)砥粒、(B)添加剤、(C)pH調整剤と(D)水を含み、pH<8の研磨液であって、前記添加剤は下記i)〜v)を満たすことが好ましい。
i)少なくとも一つのC=Cを有する環状構造をもつ。(ここで示すC=Cは単なる二重結合だけではなく、共鳴構造を形成する炭素同士の結合でも可とする。例えば、ベンゼン環やピリジン環を有していればi)を満たしている添加剤であると言える。)
ii)−OH構造(−COOHのOHを含む) は分子内に1つ以上4つ以下である。
iii)分子内に含まれる−COOH基は1つ以下である。
iv)分子内に構造Iもしくは構造IIの骨格を有する。
構造I:分子内のある炭素原子(C)に−OH基が付加しており、Cに隣接する炭素原子(C)には−OX、−NX、−NCX、−CH=N−OHが付加している(ここでXは水素及び炭素原子から選ばれる原子である。また、C、C、C及びXが炭素である場合、不足している残りの結合は結合様式(単結合、二重結合等)及び結合原子(水素原子、酸素原子、窒素原子等)ともに任意でよい)。構造Iは、上記の一般式a)〜l)で表わされる構造から選ばれる。構造式中の点線を含んだ単結合は共鳴構造を形成する結合を示す。
構造II:分子内のある炭素原子(C)に−CH=N−OHが付加しており、Cに隣接する炭素原子(C)にも−CH=N−OH(C及びCにおいて炭素原子の不足している残りの結合は結合様式(単結合、二重結合等)及び結合原子(水素原子、酸素原子、窒素原子等)ともに任意でよい)。構造IIは、上記の一般式m)〜o)で表わされる構造から選ばれる。構造中の点線を含んだ単結合は共鳴構造を形成する結合を示す。
v)上記iv)において、C及びCの少なくとも一方が、上記i)に示すC=Cを有する環状構造の構成原子であるか、もしくは環状構造に隣接して結合している。
<砥粒>
砥粒としては、例えば、セリウム系化合物、アルミナ、シリカ、チタニア、ジルコニア、マグネシア、ムライト、窒化ケイ素、α−サイアロン、窒化アルミニウム、窒化チタン、炭化ケイ素、炭化ホウ素等を含む粒子を挙げることができる。これらの粒子は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、上記添加剤の添加による効果を良好に発揮でき、酸化ケイ素膜に対する高い研磨速度が得られる点で、セリウム系化合物を含む粒子を使用することが好ましい。
セリウム系化合物を含む粒子を砥粒として用いた研磨液は、研磨面に生じる研磨傷が比較的少ないという特長を有する。従来、酸化ケイ素膜に対する高い研磨速度を達成しやすい点から、砥粒としてシリカ粒子を含む研磨液が広く用いられていた。しかしながら、シリカ粒子を用いた研磨液は、一般に研磨面に研磨傷が生じやすいという問題があった。そして、配線幅が45nmの世代以降の微細パターンを有するデバイスにおいては、従来問題にならなかったような微細な傷であっても、デバイスの信頼性に影響するおそれがある。
一方、セリウム系化合物を含む粒子を砥粒として使用した研磨液は、通常、シリカ粒子を使用したものと比較して、酸化ケイ素膜の研磨速度がやや低い傾向にある。これに対し、本実施形態においては、上述した特定の添加剤を砥粒と組み合わせて用いることから、セリウム系化合物を含む砥粒を用いる場合であっても、酸化ケイ素膜に対する高い研磨速度を達成することができる。
セリウム系化合物としては、例えば、酸化セリウム、水酸化セリウム、硝酸アンモニウムセリウム、酢酸セリウム、硫酸セリウム水和物、臭素酸セリウム、臭化セリウム、塩化セリウム、シュウ酸セリウム、硝酸セリウム及び炭酸セリウム等が挙げられる。これらの中でも酸化セリウム粒子を砥粒として用いることが好ましい。酸化セリウム粒子を使用することで、高い研磨速度を達成できるとともに、傷が少なく平坦性に優れた研磨面が得られる。
砥粒として使用する酸化セリウムは、結晶粒界を持つ多結晶酸化セリウムを含むことが好ましい。かかる構成の多結晶酸化セリウム粒子は、研磨中に細かくなると同時に活性面が次々と現れる性質を有し、酸化ケイ素膜に対する高い研磨速度を高度に維持することができる。
酸化セリウムの粒子の製造方法としては、例えば、焼成又は過酸化水素等による酸化法等が挙げられる。焼成する場合、焼成時の温度は、350〜900℃が好ましい。製造された酸化セリウム粒子が凝集している場合は、これを機械的に粉砕することが好ましい。粉砕方法としては、例えば、ジェットミル等による乾式粉砕や遊星ビーズミル等による湿式粉砕方法が好ましい。ジェットミルは、例えば、「化学工学論文集」、第6巻第5号、(1980)、527〜532頁に説明されているものを使用することができる。
砥粒の平均粒径は、50nm以上が好ましく、70nm以上がより好ましく、80nm以上が更に好ましい。砥粒の平均粒径が50nm以上であると、50nm未満の場合と比較して、酸化ケイ素膜に対する研磨速度を高くできる。他方、砥粒の平均粒径は、500nm以下が好ましく、300nm以下がより好ましく、280nm以下が更に好ましく、250nm以下が特に好ましく、200nm以下がより一層好ましい。平均粒径が500nm以下であると、500nmを超える場合と比較して、研磨傷を抑制することができる。
ここで、砥粒の平均粒径とは、砥粒が分散したスラリのサンプルを、動的光散乱式粒度分布計で測定した体積分布の中央値を意味し、株式会社堀場製作所製のLB−500(商品名)等を用いて測定することができる値である。例えば、砥粒の含有量がサンプル100質量部に対して0.5質量部になるように砥粒を水に分散させて濃度を調整し、これをLB−500にセットして体積分布の中央値の測定を行う。なお、LB−500によってメジアン径(累積中央値)を測定することで、砥粒の凝集の程度を評価することもできる。また、研磨液からの砥粒の粒径を測定する場合は、砥粒の含有量がサンプル100質量部に対して0.5質量部になるように研磨液の濃度を調整してサンプルを作成し、これを用いて同様の方法により測定することができる。
<水>
研磨液の調製に用いる水は、特に制限されるものではないが、脱イオン水、イオン交換水又は超純水が好ましい。なお、更に必要に応じて、エタノール、酢酸、アセトン等の極性溶媒等を水と併用してもよい。
<他の成分>
本実施形態に係る研磨液は、砥粒の分散安定性及び/又は研磨面の平坦性を向上させる観点から、界面活性剤を含有することができる。界面活性剤としては、イオン性界面活性剤及び非イオン性界面活性剤が挙げられ、非イオン性界面活性剤を含有することが好ましい。
非イオン性界面活性剤としては、例えば、ポリオキシプロピレンポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルアリルエーテル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンエーテル誘導体、ポリオキシプロピレングリセリルエーテル、ポリエチレングリコール、メトキシポリエチレングリコール、アセチレン系ジオールのオキシエチレン付加体等のエーテル型界面活性剤、ソルビタン脂肪酸エステル、グリセロールボレイト脂肪酸エステル等のエステル型界面活性剤、ポリオキシエチレンアルキルアミン等のアミノエーテル型界面活性剤、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレングリセロールボレイト脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンアルキルエステル等のエーテルエステル型界面活性剤、脂肪酸アルカノールアミド、ポリオキシエチレン脂肪酸アルカノールアミド等のアルカノールアミド型界面活性剤、アセチレン系ジオールのオキシエチレン付加体、ポリビニルピロリドン、ポリアクリルアミド、ポリジメチルアクリルアミド等が挙げられる。非イオン系界面活性剤としては、これらのうち1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
更に、本実施形態に係る研磨液は、界面活性剤以外に、所望とする特性に合わせてその他の成分を更に含有していてもよい。このような成分としては、後述するようなpH調整剤や、アミノカルボン酸、環状モノカルボン酸等が挙げられる。これらの成分の添加量は、研磨剤による上記効果を過度に低下させない範囲とすることが望ましい。
<研磨方法>
本実施形態に係る研磨方法は、各成分の含有量及びpH等が調整された研磨液を使用し、表面に酸化ケイ素膜を有する基板をCMP技術によって平坦化するものである。具体的には、表面に酸化ケイ素膜を有する基板における酸化ケイ素膜と所定の研磨用の部材(研磨部材)との間に、上述した実施形態の研磨液を供給し、その状態で研磨部材によって酸化ケイ素膜を研磨する工程を含む。
本実施形態の研磨方法は、以下のようなデバイスの製造過程において表面に酸化ケイ素膜を有する基板を研磨するのに適している。デバイスとしては、例えば、ダイオード、トランジスタ、化合物半導体、サーミスタ、バリスタ、サイリスタ等の個別半導体、DRAM(ダイナミック・ランダム・アクセス・メモリー)、SRAM(スタティック・ランダム・アクセス・メモリー)、EPROM(イレイザブル・プログラマブル・リード・オンリー・メモリー)、マスクROM(マスク・リード・オンリー・メモリー)、EEPROM(エレクトリカル・イレイザブル・プログラマブル・リード・オンリー・メモリー)、フラッシュメモリ等の記憶素子、マイクロプロセッサー、DSP、ASIC等の理論回路素子、MMIC(モノリシック・マイクロウェーブ集積回路)に代表される化合物半導体等の集積回路素子、混成集積回路(ハイブリッドIC)、発光ダイオード、電荷結合素子等の光電変換素子等が挙げられる。
上述した本実施形態に係る研磨液によれば、被研磨面の凹凸形状に大きく依存することなく、高い研磨速度を達成できる。このため当該研磨液を用いた研磨方法は、従来のCMP用研磨液を用いた方法では高い研磨速度を達成することが困難であった基板に対しても適用できる。
特に、本実施形態に係る研磨方法は、表面に段差(凹凸)を有する被研磨面の平坦化に適している。このような被研磨面を有する基板としては、例えば、ロジック用の半導体デバイスが挙げられる。また、この研磨方法は、上から見たときに凹部又は凸部がT字形状又は格子形状になっている部分を含む表面を研磨するのに適している。例えば、メモリセルを有する半導体デバイス(例えば、DRAM、フラッシュメモリ)の表面に設けられた酸化ケイ素膜も高い速度で研磨できる。これらは、従来のCMP用研磨液を用いた方法では高い研磨速度を達成することが困難であったものであり、本発明のCMP研磨液が、被研磨面の凹凸形状に大きく依存することなく、高い研磨速度を達成できることを示している。
なお、当該研磨方法を適用できる基板は、基板表面全体に酸化ケイ素膜のみが形成されたものに限らず、基板表面に酸化ケイ素膜の他に窒化ケイ素膜、多結晶シリコン膜等を更に有したものであってもよい。また、当該研磨方法は、所定の配線を有する配線板上に、酸化ケイ素膜、ガラス、窒化ケイ素等の無機絶縁膜、ポリシリコン、Al、Cu、Ti、TiN、W、Ta、TaN等を主として含有する膜が形成された基板に対しても適用できる。
基板表面に酸化ケイ素膜を形成する方法としては、低圧CVD法、プラズマCVD法等が挙げられる。低圧CVD法による酸化ケイ素膜の形成は、Si源としてモノシラン(SiH)、酸素源として酸素(O)を用いる。このSiH−O系酸化反応を400℃以下の低温で行わせることによって酸化ケイ素膜が形成される。場合によっては、CVD後に1000℃又はそれ以下の温度での熱処理が実施される。
プラズマCVD法は、通常の熱平衡下では高温を必要とする化学反応が低温でできる利点を有する。プラズマ発生法には、容量結合型と誘導結合型の2つが挙げられる。反応ガスとしては、Si源としてSiH、酸素源としてNOを用いたSiH−NO系ガスや、テトラエトキシシラン(TEOS)をSi源に用いたTEOS−O系ガス(TEOS−プラズマCVD法)が挙げられる。基板温度は250〜400℃及び反応圧力は67〜400Paの範囲が好ましい。
高温リフローによる表面平坦化を図るために、酸化ケイ素膜にリン(P)をドープしてもよい。その場合、SiH−O−PH系反応ガスを用いることが好ましい。このように、研磨対象の酸化ケイ素膜は、リン、ホウ素等の元素がドープされたものであってもよい。
窒化ケイ素膜も酸化ケイ素膜と同様、低圧CVD法、プラズマCVD法等により形成することができる。低圧CVD法では、Si源としてジクロルシラン(SiHCl)、窒素源としてアンモニア(NH)を用いる。このSiHCl−NH系酸化反応を900℃の高温で行わせることによって窒化ケイ素膜が形成される。プラズマCVD法では、Si源としてSiH、窒素源としてNHを用いたSiH−NH系ガスが反応ガスとして挙げられる。この場合、基板温度は300℃〜400℃が好ましい。
以下、図1を参照しながら、本実施形態に係る研磨方法の一例として、CMPによってシャロー・トレンチ分離(STI)構造を形成するプロセスについて説明する。
本実施形態に係る研磨方法は、酸化ケイ素膜3を高い速度で研磨する第1の工程(荒削り工程)と、残りの酸化ケイ素膜3を比較的低い速度で研磨する第2の工程(仕上げ工程)とを有する。
図1は、酸化ケイ素膜が研磨されて半導体基板にシャロー・トレンチ分離構造が形成される過程を示す模式断面図である。図1(a)は、研磨前の基板を示す断面図である。図1(b)は、第1の工程後の基板を示す断面図である。図1(c)は、第2の工程後の基板を示す断面図である。
これらの図に示すように、STI構造を形成する過程では、シリコン基板1上に成膜した酸化ケイ素膜3の段差Dを解消するため、部分的に突出した不要な箇所をCMPによって優先的に除去する。なお、表面が平坦化した時点で適切に研磨を停止させるため、酸化ケイ素膜3の下には、研磨速度の遅い窒化ケイ素膜2(ストッパ膜)を予め形成しておくことが好ましい。第1及び第2の工程を経ることによって酸化ケイ素膜3の段差Dが解消され、埋め込み部分4を有する素子分離構造が形成される。
酸化ケイ素膜3を研磨するには、酸化ケイ素膜3の上面と研磨パッドとが当接するように研磨パッド上にウエハを配置し、この研磨パッドによって酸化ケイ素膜3の表面を研磨する。より具体的には、研磨定盤の研磨パッドに酸化ケイ素膜3の被研磨面側を押し当て、被研磨面と研磨パッドとの間に研磨液を供給しながら、両者を相対的に動かすことによって酸化ケイ素膜3を研磨する。なお、ここでは、研磨部材として研磨パッドを例示したが、研磨部材としては、研磨の機能を有するものであれば特に制限なく適用できる。
上述した実施形態の研磨液は、第1及び第2の工程のいずれにも適用できるが、高い研磨速度を達成し得る点で第1の工程において使用することが特に好ましい。なお、ここでは、研磨工程を2段階に分けて実施する場合を例示したが、図1(a)に示す状態から図1(c)に示す状態まで一段階で研磨処理することも可能である。
研磨に用いる研磨装置としては、例えば、基板を保持するホルダーと、研磨パッドが貼り付けられる研磨定盤と、研磨パッド上に研磨液を供給する手段とを備える装置が好適である。例えば、株式会社荏原製作所製の研磨装置(型番:EPO−111、EPO−222、F☆REX200、F☆REX300)、Applied Materials社製の研磨装置(商品名:Mirra 3400、Reflexion研磨機)等が挙げられる。研磨パッドとしては、特に制限はなく、例えば、一般的な不織布、発泡ポリウレタン、多孔質フッ素樹脂等を使用することができる。また、研磨パッドは、研磨液が溜まるような溝加工が施されたものであると好ましい。
研磨条件としては、特に制限はないが、基板が飛び出さないようにする見地から、研磨定盤の回転速度は200min−1以下が好ましい。また、基板にかける圧力(加工荷重)は、研磨面の傷を抑制するという見地から、100kPa以下が好ましい。研磨している間は、ポンプ等によって研磨パッドに研磨液を連続的に供給することが好ましい。この供給量に制限はないが、研磨パッドの表面が常に研磨液で覆われるようにすることが好ましい。
研磨終了後、流水中で基板を十分に洗浄し、更にスピンドライヤ等を用いて基板上に付着した水滴を払い落としてから乾燥させることが好ましい。このように研磨することによって、表面の凹凸を解消し、基板全面にわたって平滑な面を得ることができる。また、膜の形成及びこれを研磨する工程を所定の回数繰り返すことによって、所望の層数を有する基板を製造することができる。
このようにして得られた基板は、種々の電子部品として使用することができる。具体例としては、半導体素子、フォトマスク・レンズ・プリズム等の光学ガラス、ITO等の無機導電膜、ガラス及び結晶質材料で構成される光集積回路・光スイッチング素子・光導波路、光ファイバーの端面、シンチレータ等の光学用単結晶、固体レーザ単結晶、青色レーザLED用サファイヤ基板、SiC、GaP、GaAs等の半導体単結晶、磁気ディスク用ガラス基板、磁気ヘッド等が挙げられる。
<洗浄方法>
本実施形態に係る洗浄方法は、特に制限はないが、着色物全体に直接触れさせることが好ましい。また、新しい洗浄液を供給し続けることが好ましい。また、洗浄液をできるだけ少量で使用したい場合は、一定量の洗浄液を循環させながら着色物に触れさせることが好ましい。
<洗浄液の調製方法>
本実施形態に係る洗浄液の調製方法は、特に制限はないが、使用する直前に調製することが好ましい。有機化合物は強酸(特に硫酸)と混合すると分子内脱水が発生するため、調整直後から着色除去能力が低下していく。好ましくは、調製後48時間以内、更に好ましくは24時間以内、特に好ましくは12時間以内に洗浄液を使い切ることが良い。
<洗浄後のリンス方法>
洗浄後に研磨部材に残存している洗浄液を除去するためにリンスをすることが不可欠である。洗浄液は水に溶解するため、洗浄後すぐに、好ましくは1時間以内に、純水にて洗浄することが好ましい。洗浄方法としては、特に制限はないが、純水シャワーを洗浄箇所に1分間以上かけ続ける、もしくはポンプとチューブを使用して、約200ml/minの流量で1分間以上純水を送り続ける等の方法がある。
以下、本発明を実施例により更に詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
(砥粒の作製)
炭酸セリウム水和物40kgをアルミナ製容器に入れ、830℃で2時間、空気中で焼成して黄白色の粉末を20kg得た。この粉末についてX線回折法で相同定を行い、当該粉末が多結晶体の酸化セリウムを含むことを確認した。焼成によって得られた粉末の粒子径をSEMで観察したところ、20〜100μmの範囲であった。次いで、酸化セリウム粉末20kgを、ジェットミルを用いて乾式粉砕した。粉砕後の酸化セリウム粉末は比表面積が9.4m/gであった。比表面積の測定はBET法によって実施した。
(砥粒を含むスラリの調製)
容器内に、上記で得られた酸化セリウム粉末15.0kg及び脱イオン水84.7kgを入れて混合し、更に1Nの酢酸を0.3kg添加して、10分間撹拌し、酸化セリウム混合液を得た。得られた酸化セリウム混合液を、別の容器に30分間かけて送液した。その間、送液する配管内で、酸化セリウム混合液に対し、超音波周波数400kHzにて超音波照射を行った。
超音波照射を経て送液された酸化セリウム混合液を、1000mlビーカー4個に各800g±8gずつ入れた。各ビーカー内の酸化セリウム混合液に対し、外周にかかる遠心力が500Gとなるような条件で、20分間遠心分離を行った。遠心分離後、ビーカーの上澄み画分を採取し、スラリ(A)を得た。得られたスラリ(A)には、全質量基準で約10質量%の酸化セリウム粒子が含まれていた。
このようにして得られたスラリ(A)を、全質量基準で砥粒含有量が0.5質量%となるように純水で希釈して、これを粒径測定用のサンプルとした。このサンプルについて、動的光散乱式粒度分布計(株式会社堀場製作所製、商品名:LB−500)を用いて砥粒の平均粒径を測定した結果、平均粒径は150nmであった。
(CMP用研磨液(研磨液)の作製)
下記表1、2、3の結果で示す研磨液は、特に表記がないものに関しては、以下[0076]及び[0077]で示す通りに作製した。
まず、所定量の脱イオン水に表3に示す各添加剤を表3に示す濃度の20倍の濃度となる量及びプロピオン酸を1.0質量%溶解させて、添加剤溶液(B)を得た。次に、上述のスラリ(A)と添加剤溶液(B)とを同質量混合し、10分間にわたって攪拌した。これにより、各種の濃縮状態の研磨液(C)を得た。この濃縮状態の研磨液(C)には、全質量基準で5質量%の砥粒と、表3に示す濃度の10倍の濃度の各添加剤、及び0.5質量%のプロピオン酸が含まれていた。
そして、上記方法で調製した研磨液(C)をそれぞれ10倍に脱イオン水で希釈し、表3に示す添加剤濃度の研磨液を得た。
(研磨実験)
前項で調製した研磨液を用い、研磨実験を行った。すなわち、まず、各研磨液を用いて表面に酸化ケイ素膜を有するφ200mmのp−TEOSブランケットウエハ(株式会社アドバンテック製、初期膜厚:約1000nm)を用意した。
(酸化ケイ素膜の研磨)
研磨装置(Applied Materials社製、商品名:Mirra3400)を使用し、上記ウエハの研磨を行った。基板取り付け用の吸着パッドを有するホルダーに、上記ウエハをセットした。一方、直径500mmの研磨定盤に多孔質ウレタン樹脂製の研磨パッド(k−groove溝、Rohm and Haas社製、型番:IC−1000/Suba400)を貼り付けた。
上記ウエハの酸化ケイ素膜形成面を下に向けて上記ホルダーを研磨パッド上に載せた。インナーチューブ圧力、リテーナリング圧力及びメンブレン圧力は、28kPa、38kPa及び28kPaにそれぞれ設定した。
そして、上記のようにして調製した各研磨液を、上記研磨定盤に貼り付けられた上記研磨パッド上に200ml/minの流量で滴下しながら、研磨定盤とウエハとをそれぞれ93min−1、87min−1で回転させて、酸化ケイ素膜を60秒間研磨した。同様の操作を更に19枚の新品ウエハで行い、研磨パッドの表面が、表3に示す色に着色したことを確認した。
(CMP用洗浄液(洗浄液)の作製)
100mlのポリカップに洗浄液を作製した。すなわち、洗浄液主成分と洗浄補助剤A及びBを所定量入れ、脱イオン水で全量を100gになるように調製した。配合の詳細は、表1は洗浄主成分のみを含む液であり、表2は硫酸を主成分として、さらに洗浄補助剤を含んでいる。表3は表2のNo.2の洗浄液を使用した。残りの成分は全て脱イオン水を配合した。
(研磨パッドの着色除去の可否評価)
着色した研磨パッドを2cm×2cmに切り取った。100mlのポリカップの底にパッドを置き、洗浄液100gを入れ、浸して静置した。所定の時間(1min、30min、60min)経った後、純水で十分洗浄した後、自然乾燥した後に洗浄前の着色したパッドと比較し着色の除去具合を目視にて確認した。着色が全くとれていないものを×、着色が薄くなっているものを△、着色が完全にとれたものを○として判定した。結果を表1、2、3に示す。尚、表1及び2は、表3のNo.1の研磨液を使用して評価した結果である。
Figure 2012151273
表1より、実施例のものはいずれも研磨パッドの着色除去効果が確認されたが、その他の物質は全く効果が確認されなかった。
Figure 2012151273
表2より洗浄補助剤Aとして乳酸・グルコン酸を含み洗浄補助剤Bとしてメチルスルホン酸を含む洗浄液は、洗浄効果が向上することが示された。
Figure 2012151273
表3より、CMP用研磨液の添加剤による様々な色のパッド着色が、硫酸と洗浄補助剤A及びBを含む洗浄液により完全に除去ができることが確認された。
本発明者は発明を実施する最良の形態を明細書に記述している。上記の説明を同業者が読んだ場合、これらに似た好ましい変形形態が明らかになる場合もある。本発明者等は、本発明の異なる形態の実施、並びに、本発明の根幹を適用した類似形態の発明の実施についても十分意識している。また、本発明にはその原理として、特許範囲の請求中に列挙した内容の全ての変形形態、更に、様々な上記要素の任意の組み合わせが利用できる。その全てのあり得る任意の組み合わせは、本明細書中において特別な限定がない限り、あるいは、文脈によりはっきりと否定されない限り、本発明に含まれる。
1 シリコン基板
2 ストッパ膜(窒化ケイ素膜)
3 酸化ケイ素膜
4 埋め込み部分
D 酸化ケイ素被膜の膜厚の標高差(段差)

Claims (16)

  1. CMP用研磨液を使用して酸化ケイ素を有する被研磨面を研磨した際に、研磨部材を洗浄するためのCMP用洗浄液であって、強酸を含むCMP用洗浄液。
  2. 強酸が、硫酸、シュウ酸、フッ酸、硝酸及び次亜塩素酸から選ばれる少なくとも1種類の化合物である請求項1に記載のCMP用洗浄液。
  3. 強酸が、硫酸である請求項1又は2に記載のCMP用洗浄液。
  4. 更に、洗浄補助剤Aとして、ヒドロキシカルボン酸を含み、前記ヒドロキシカルボン酸が、グリコール酸、乳酸、タルトロン酸、グリセリン酸、ヒドロキシ酪酸、リンゴ酸、酒石酸、シトラマル酸、クエン酸、イソクエン酸、ロイシン酸、メバロン酸、パントイン酸、リシノール酸、リシネライジン酸、セレブロン酸、キナ酸、シキミ酸、グルコン酸から選ばれる少なくとも1種類の化合物である請求項1〜3のいずれかに記載のCMP用洗浄液。
  5. ヒドロキシカルボン酸が、乳酸及びグルコン酸の混合物である請求項4に記載のCMP用洗浄液。
  6. 更に、洗浄補助剤Bとして、メタンスルホン酸を含む請求項1〜5のいずれかに記載のCMP用洗浄液。
  7. CMP用洗浄液のpHが3以下である請求項1〜7のいずれかに記載のCMP用洗浄液。
  8. 強酸の含有量が、CMP用洗浄液100質量部に対して0.1〜10質量部である、請求項1〜8のいずれかに記載のCMP用洗浄液。
  9. 洗浄補助剤Aの含有量が、CMP用洗浄液100質量部に対して0.1〜20質量部である、請求項4〜9のいずれかに記載のCMP用洗浄液。
  10. 洗浄補助剤Bの含有量が、洗浄液100質量部に対して0.1〜20質量部である、請求項6〜10のいずれかに記載のCMP用洗浄液。
  11. 更に、溶媒として水を含む請求項1〜11のいずれかに記載のCMP用洗浄液。
  12. CMP用研磨液が、酸化ケイ素を有する被研磨面を研磨する用途に使用されるCMP用研磨液であって、
    上記CMP用研磨液は、
    (A)砥粒、(B)添加剤、(C)pH調整剤と(D)水を含み、pH<8の研磨液であって、前記添加剤は下記i)〜v)を満たす請求項1〜12のいずれかに記載のCMP用洗浄液。
    i)少なくとも一つのC=Cを有する環状構造をもつ。(ここで示すC=Cは単なる二重結合だけではなく、共鳴構造を形成する炭素同士の結合でも可とする。例えば、ベンゼン環やピリジン環を有していればi)を満たしている添加剤であると言える。)
    ii)−OH構造(−COOHのOHを含む)は分子内に1つ以上4つ以下である。
    iii)分子内に含まれる−COOH基は1つ以下である。
    iv)分子内に構造Iもしくは構造IIの骨格を有する。
    構造I:分子内のある炭素原子(C)に−OH基が付加しており、Cに隣接する炭素原子(C)には−OX、−NX、−NCX、−CH=N−OHが付加している(ここでXは水素及び炭素原子から選ばれる原子である。また、C、C、C及びXが炭素である場合、不足している残りの結合は結合様式(単結合、二重結合等)及び結合原子(水素原子、酸素原子、窒素原子等)ともに任意でよい)。構造Iは、下記の一般式a)〜l)で表わされる構造から選ばれる。構造式中の点線を含んだ単結合は共鳴構造を形成する結合を示す。
    Figure 2012151273
    構造II:分子内のある炭素原子(C)に−CH=N−OHが付加しており、Cに隣接する炭素原子(C)にも−CH=N−OH(C及びCにおいて炭素原子の不足している残りの結合は結合様式(単結合、二重結合等)及び結合原子(水素原子、酸素原子、窒素原子等)ともに任意でよい)。構造IIは、下記の一般式m)〜o)で表わされる構造から選ばれる。構造中の点線を含んだ単結合は共鳴構造を形成する結合を示す。
    Figure 2012151273
    v)上記iv)において、C及びCの少なくとも一方が、上記i)に示すC=Cを有する環状構造の構成原子であるか、もしくは環状構造に隣接して結合している。
  13. 研磨部材は、研磨パッド、コンディショナー、研磨装置、研磨液供給装置、配管、被研磨面を有する基板のいずれかである請求項1〜13のいずれかに記載のCMP用洗浄液。
  14. 研磨部材は、研磨パッドである請求項1〜14のいずれかに記載のCMP用洗浄液。
  15. 請求項1〜15のいずれかに記載のCMP用洗浄液を使用する洗浄方法。
  16. 請求項1〜16のいずれかに記載のCMP用洗浄液を使用する工程を含んで作製した製品。
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WO2023181739A1 (ja) 2022-03-25 2023-09-28 富士フイルム株式会社 組成物、半導体素子の製造方法

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