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JP2012137024A - 内接歯車式ポンプ用ロータ - Google Patents

内接歯車式ポンプ用ロータ Download PDF

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JP2012137024A
JP2012137024A JP2010290023A JP2010290023A JP2012137024A JP 2012137024 A JP2012137024 A JP 2012137024A JP 2010290023 A JP2010290023 A JP 2010290023A JP 2010290023 A JP2010290023 A JP 2010290023A JP 2012137024 A JP2012137024 A JP 2012137024A
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tooth
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circle
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JP2010290023A
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Kentaro Yoshida
健太郎 吉田
Masato Uozumi
真人 魚住
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Sumitomo Electric Sintered Alloy Ltd
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Sumitomo Electric Sintered Alloy Ltd
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Abstract

【課題】インナーロータ2とアウターロータ3の理論偏心位置でのチップクリアランスtが、トップの位置(図(a)の状態)に対し、その位置からインナーロータ2が一歯の半分の角度回転した半歯の位置(同図(b)の状態)で大きくなることを抑制する。
【解決手段】歯数がnのインナーロータ2と歯数が(n+1)のアウターロータ3とを、偏心eさせて組み合わせた内接歯車式ポンプ用ロータである。そのインナーロータ2がその小径Ls、歯数nが同じサイクロイド歯形と比較して歯丈が高いものであって、偏心量e<(インナーロータ2の大径(Lo)−インナーロータ2の小径(Ls))/4とする。このように、従来の(Lo−Ls)/4より偏心量eを小さく、例えば、0.1mm小さくすると、同図(a)と(b)から理解できるように、両位置(図aとb)のチップクリアランスtが同じ(0.030mm)となって、ポンプ室4の容積効率の低下を招かなくなる。
【選択図】図3

Description

この発明は、歯数差が1枚のインナーロータとアウターロータを偏心させて組み合わせた内接歯車式ポンプ用ロータ、及びそのロータを用いた内接歯車式ポンプに関する。
内接歯車式ポンプは、車のエンジンの潤滑用や自動変速機(AT)用のオイルポンプなどとして利用されている。この内接歯車式ポンプは、この発明の一実施形態を示す図1に示すように、通常、歯数がn(自然数)のインナーロータ2と、歯数が(n+1)のアウターロータ3を偏心させて組み合わせてロータ1とし、そのロータ1を吸入ポート7と吐出ポート8を有するポンプハウジング5のロータ室6に収納した構成である。
このとき、アウターロータ3の歯形は、例えば、インナーロータ2の歯形を決定した後、図5に示すように、そのインナーロータ2をその中心Oがアウターロータ3の中心Ooを中心とする直径(2e+t)の円S上を1周公転させ、その間にインナーロータ2が1/n回自転し、このインナーロータ2の公転と自転の繰り返しにより形成された歯形曲線群の包絡線を描いて決定した前記包絡線とする。
ここに、
e:インナーロータ2の中心Oとアウターロータ3の中心Ooの偏心量
t:チップクリアランス
n:インナーロータ2の歯数
この内接歯車式ポンプ9に採用するポンプ用ロータ1の中に、トロコイド曲線を用いてロータ1の歯形を創成したもの(特許文献1参照)や、サイクロイド曲線でロータの歯形を創成したものがある。
トロコイド曲線を用いた歯形は、基礎円、転円、軌跡円、偏心量の値が1つの歯形に対してそれぞれ1つ設定される。その歯形を有するポンプは、吐出量を増加させるためには、歯丈(図3aのH参照)を高くすればよいが、歯丈を高くする目的でインナーロータ2とアウターロータ3の偏心量eを大きくすると、歯幅が狭くなりすぎたり、歯形の設計自体が不可能になったりする。従って、偏心量eが規制され、そのために歯丈も制限されて吐出量を増加させる要求に応えるのが難しい。
また、同じ歯丈でも歯数を増やすと吐出量を増やすことが可能になる。しかし、歯数を増やすとロータ1の径寸法が大きくなってしまい、ロータ1の外径寸法を変えずに吐出量を増加させるという要求に応えるのが難しい。
サイクロイド曲線を用いた歯形も、同様に、基礎円の直径と基礎円上を滑らずに転がって創成するため、外転円と内転円の直径によってロータ1の歯数が決まる。また、そのロータ1の歯丈は、外転円と内転円の直径によって決まるため、ポンプの吐出量は基礎円と転円の直径に依存するものになる。そのために、歯丈や歯数の設定に関する自由度が低く、ポンプの吐出量を増加させる要求に応えるのが難しい。
さらに、内接歯車式ポンプは、歯数を増加させるほどインナーロータ2が1回転する間のポンプ室(ポンピングチャンバ)4からの吐出回数が多くなるため、吐出圧の脈動が小さくなる。しかし、上述のように、トロコイド曲線又はサイクロイド曲線の歯形からなる従来の内接歯車式ポンプは、吐出量を満足させながら歯数を増加させるとロータサイズが大きくなるため、歯数を増加させることも制限される。
このような状況下、本願発明者らは、上記外転円と内転円に相当する創成円を、特定の条件下において、移動自転させることによって、歯先、歯底の創成円の径方向移動量を変更することで歯丈を任意に変化させることができる歯形形成方法を考えた(特許文献2)。この歯丈を任意に変化し得ることは、歯丈を増大させることで、インナーロータ2とアウターロータ3の歯間に形成されるポンプ室4の容積が大きくなってポンプの吐出量を増大させ得る(特許文献2段落0022〜同0023参照)。
また、創成円の直径や創成円の径方向移動量などの諸条件の設定に自由度がでるため、歯形設計の自由度も高まる。特に、インナーロータ2の歯先や歯底の歯形が、径変化を伴って移動する創成円を用いて創成されたものは、創成円の移動始点から移動終点に至る間の直径変化量を変えることにより、歯形を変化させることができるため、歯形設計の自由度がより高まる(特許文献2段落0024等参照)。
さらに、この考えは、基礎円という概念がなく、基礎円と偏心量によらず歯数を決めることができるため、歯数の設定にも自由度がある。このため、歯数を増加させてポンプの吐出脈動を小さくしてその脈動による騒音を小さくすることも可能である(特許文献2段落0026参照)。
特開昭61−201892号公報 WO2010/016473A1号公報
ところで、歯丈Hを高くすると、後述の図4の(a)、(b)から理解できるように、インナーロータ2とアウターロータ3の理論偏心位置でのチップクリアランスtがトップの位置(同図(a)の状態、例えば、t=0.030mm)に対し、その状態から、インナーロータ2が22.5度回転した半歯の位置(同図(b)の状態、同t=0.045mm)で大きくなる場合がある。このチップクリアランスtが大きくなると、ポンプ室4の容積効率の低下の要因となる。
この発明は、その半歯の位置でのチップクリアランスtが大きくなることを抑制することを課題とする。
上記の課題を解決するため、この発明は、従来、例えば、サイクロイド歯形の場合、インナーロータ2の大径Lo−同小径Lsは歯丈Hの2倍であり(図4(a)はサイクロイド歯形ではないが、そのLo等参照)、偏心量eはその歯丈Hの1/2となる。このため、e=H/2=(インナーロータ大径Lo−同小径Ls)/4としており、他のトロコイド歯形や上記特許文献2記載の創成方法においても、その点を踏襲して、前記偏心量eは、(インナーロータ大径Lo−同小径Ls)/4としていた。
しかし、その偏心量eを、(インナーロータ大径Lo−同小径Ls)/4より小さくした(約0.1mm小さくした)ところ、後述の図3(a)、(b)から理解できるように、インナーロータ2とアウターロータ3の理論偏心位置でのチップクリアランスtがトップの位置(同図(a)の状態、例えば、t=0.030mm)と半歯の位置(同図(b)の状態、同t=0.030mm)で同一になって、従来の半歯の位置でのチップクリアランスt(0.045mm)より小さくなることを確認した。
すなわち、偏心量eを、(インナーロータ大径Lo−同小径Ls)/4より小さくすれば、半歯の位置でのチップクリアランスtが大きくならないことを発見した。
この発見に基づき、この発明は、歯数がnのインナーロータ2と歯数が(n+1)のアウターロータ3とを、偏心させて組み合わせた内接歯車式ポンプ用ロータにおいて、インナーロータ2がその小径、歯数nが同じサイクロイド歯形と比較して歯丈が高いものであって、上記偏心量e<(インナーロータ2の大径Lo−インナーロータ2の小径Ls)/4とした構成を採用したのである。
ここで、「インナーロータ2がその小径、歯数nが同じサイクロイド歯形と比較して歯丈が高いもの」を条件としたのは、例えば、インナーロータ2がその小径、歯数nが同じサイクロイド歯形と比較して歯丈を高くした上記特許文献2記載の歯形創成方法による前記条件の歯形の場合において、偏心量e=(インナーロータ大径Lo−同小径Ls)/4として、図4(a)、(b)に示すチップクリアランスtの問題が生じたからである。
このインナーロータ2がその小径、歯数nが同じサイクロイド歯形と比較して歯丈が高いものであって、上記偏心量e<(インナーロータ2の大径Lo−インナーロータ2の小径Ls)/4となし得る歯形としては、上記特許文献2に記載の、歯丈や歯形が任意等の歯形設計の自由度が高いことが好ましい。このため、上記の構成の内接歯車式ポンプ用のロータ1において、図2a、図2bで示す、下記の構成等を採用することが好ましい。

下記の条件(1)〜(3)を満たして創成円B、Cを移動させ、その間にインナーロータ中心Oと同心である基準円A上の基準点Jと重なる前記創成円B、C上の点jが描く軌跡曲線を基準円中心Oから歯先頂点T又は歯底頂点Tに至る直線L、Lに対して対称形状に描いて歯形の歯先曲線2a、歯底曲線2bの少なくとも一方とする構成を採用する。
−創成円B、Cの移動条件(1)〜(3)−
(1)前記創成円B、C上の点jが前記基準円A上の基準点Jに重なるように創成円B、Cを配置したときにその創成円中心pa、pbが位置決めされる移動始点Spa、Spbから、創成円B、C上の点jが歯先頂点T又は歯底頂点Tに位置するように創成円B、Cを配置したときにその創成円中心pa、pbが位置決めされる移動終点Lpa、Lpbまでの創成円中心移動曲線AC、AC上を創成円中心pa、pbが移動し、かつ、創成円B、Cがその創成円の移動方向と同方向に一定角速度で自転する。
この条件(1)によって、創成円B、Cの中心pa、pbが創成円中心移動曲線AC、AC上を移動することにより、その創成円上の点jが歯形を描き、かつ、その創成円B、Cが一定角速度で自転することによって、その点jは、弧状の軌跡を描くこととなる。
(2)前記創成円中心移動曲線AC、ACは、前記インナーロータ中心Oから創成円中心pa、pbまでの基準円径方向の距離を、前記移動始点Spa、Spbから移動終点Lpa、Lpbまで、前記歯先曲線2aにあってはその距離を増加変化させ、又は前記歯底曲線2bにあってはその距離を減少変化させる。
この「歯先曲線2aにあってはその距離を増加変化させ、又は前記歯底曲線2bにあってはその距離を減少変化させる。」条件によって、創成円中心移動曲線AC、ACは、歯先側にあっては創成円の移動方向に対し外側に徐々に移動する傾斜曲線(図2aにおいて右上がり)となり、歯底側にあっては、創成円の移動方向に対し内側に徐々に移動する傾斜曲線(図2aにおいて左上がり)となって、それに伴い、上記点jの描く弧状の軌跡(歯形曲線)が創成円の移動方向に対し斜めとなる(歯先側にあっては外側に向かい、歯底にあっては内側に向かう)。
(3)歯先頂点T又は歯底頂点Tは、前記基準円Aの径方向において、創成円Bの移動始点Spaと基準円中心Oの距離Rに移動始点時の創成円Bの半径を足した長さを超えて基準円中心Oから離れている、又は、創成円Cの移動始点Spbと基準円中心Oの距離rに移動始点時の創成円Cの半径を引いた長さを超えて基準円中心Oに近づいている。
この条件によって、創成円径より高い歯丈となって、基礎円上を転動する転円のサイクロイド曲線歯形より、歯丈が高くなる。
上記創成円B、Cは、それぞれの直径Bd、Cdを一定に保って創成円の中心が移動始点から移動終点へ移動する円と、それぞれの直径Bd、Cdを縮めながら創成円の中心が移動始点から移動終点へ移動する円の2通りが考えられる。これ等の創成円は、ポンプの要求性能を考慮して適当な方を選ぶことができる。創成円B、Cの直径Bd、Cdを縮めながら移動させれば、歯形設計の自由度が増す。
また、創成円B、Cの中心の移動始点Spa、Spbは基準円中心Oから基準点Jに至る直線Lにあったり、その直線Lに対して創成円B、Cの移動方向前方に位置したりすることができる。その前方に位置させると、歯先曲線2a又は歯底曲線2bの始点接線が歯先T又は歯底T側に傾き、歯形(歯先・歯底曲線)2a、2bの初期(歯先部と歯底部の分岐点Jから歯先T及び歯底Tに向かう最初の部分)が寝ることとなって、その初期の歯間間隔が大きくなる。この歯間間隔が大きくなることは、脈動が小さくなるとともに、吸入特性が向上する。
創成円B、Cの移動終点Lpa、Lpbは、直線L、L上にあることが好ましいが、直線L、Lに対して創成円B、Cの移動方向前後方に位置させることもできる。
この内接歯車式ポンプ用ロータにおいて、インナーロータ中心Oと創成円中心pa、pbとの間の距離の変化率ΔR’が移動終点Lpa、Lpbにおいて0である曲線AC、AC上を前記創成円中心pa、pbが移動すると好ましい。
また、前記曲線AC、ACが正弦関数を利用した曲線であると好ましい。例えば、創成円中心移動曲線AC、AC上を創成円中心pa、pbが移動始点Spa、Spbから基準円Aの径方向において移動した移動量ΔRが、以下の式を満たす曲線である。
ΔR=R×sin((π/2)×(m/S))
ここにおいて、R:(インナーロータ中心Oから創成円中心paの移動終点Lpaまでの距離)−(インナーロータ中心Oから創成円中心paの移動始点Spaまでの距離)、又は(インナーロータ中心Oから創成円中心pbの移動始点Spbまでの距離)−(インナーロータ中心Oから創成円中心pbの移動終点Lpbまでの距離)であって、以下、「創成円の径方向移動距離」又は単に「移動距離」と言う。S:ステップ数、m=0→Sであり、そのステップ数Sは、前記移動始点Spa、Spb、インナーロータ中心Oおよび移動終点Lpa、Lpbで作られる創成円移動角度θ又はθを等間隔に分割した数を言う。
歯先頂点Tは、基準円A上の基準点Jとインナーロータ中心とを結ぶ直線Lから一定角度θ回転した位置の直線L上に設定され、歯底頂点Tは、直線Lから一定角度θ回転した位置の直線L上に設定される。その一定角度θ、θは、歯数や歯先部、歯底部の設置領域の比率などを考慮して設定される。
歯先創成円Bや歯底創成円Cが、移動中に径が変化する円である場合、上記特許文献2と同様に、それらの創成円の移動始点における直径Bdmax、Cdmaxは、目標歯丈を考慮して設定される。両創成円の移動始点から移動終点に至る間の直径変化量をそれぞれΔBd、ΔCdとすると、歯丈を決定する歯先高さと歯底深さは下式で求まる。
歯先高さ=R+(Bd/2)+{(Bd−ΔBd)/2}
歯底深さ=R+(Cd/2)+{(Cd−ΔCd)/2}
この2つの式において、R、Bd、ΔBd、Cd、ΔCdはいずれも任意に設定できる数値である。そして、移動量ΔRの変化率ΔR’を考慮してこれらの値を種々変化させたいくつかの歯形モデルを作製し、その中から最適なモデルを選ぶなどの方法により、R、Bd、ΔBd、Cd、ΔCdの適正値を見出すことができる。
創成円B、Cの直径は、移動終点Lpa、Lpbでの直径が移動始点Spa、Spbでの直径に対して0.2倍以上かつ1倍以下が適当である。
上記の構成の内接歯車式ポンプ用ロータにおけるアウターロータの歯形は、従来周知の手段でもって創成することができるが、例えば、図5に示す、インナーロータ2の中心Oがアウターロータ3の中心Oを中心とする直径(2e+t)の円S上を1周公転し、その間にインナーロータ2が(1/n)回自転し、このインナーロータ2の公転と自転により形成された歯形曲線群の包絡線を描き、この包絡線と同一又はそれより外側に描かれる歯形としたものを採用することができる。
このようなポンプ用ロータは、当然なこととして、従来と同様に、ポンプハウジングに設けられたロータ室に収納して内接歯車式ポンプを構成することができる。
この発明においては、以上の構成を採用することによって、半歯の位置でのチップクリアランスtが大きくなることを抑制することができるため、ポンプ室4の容積効率の低下を招く恐れが少なくなる。
この発明の内接歯車式ポンプの一実施形態のハウジングのカバーを外した状態にして示す端面図 一定径の創成円を用いてインナーロータの歯形を創成する方法の解説図 一定径の創成円の中心の移動状態を示すイメージ図 同実施形態の一作用説明図であり、(a)はチップクリアランスtがトップの位置、(b)は同半歯の位置 従来例の一作用説明図であり、(a)はチップクリアランスtがトップの位置、(b)は同半歯の位置同実施形態の作用説明図 アウターロータの歯形の一形成方法を示す図
図1乃至図3にこの発明の一実施形態を示し、この実施形態は、特許文献2に記載の歯形創成法によって、各々が鉄系焼結合金で形成された歯数8枚のインナーロータ2と歯数9枚のアウターロータ3を製造し、その両者2、3を組み合わせて内接歯車式オイルポンプ用ロータ1とし、そのロータ1を吸入ポート7と吐出ポート8を有するポンプハウジング5のロータ室6に収納して内接歯車式ポンプ9を構成したものである。
すなわち、図2a、図2bに示すように、インナーロータ2は、その歯形が、インナーロータと同心の基準円Aと、円周上の点jが基準円AとY軸の交点である基準点Jを通過する創成円B及び/もしくは歯底創成円Cを用いて創成する。その歯形は、下記条件に基づいて創成した歯先と歯底を組み合わせたものとし、基準円Aは、インナーロータ中心から歯先と歯底の境界点までを半径とする円であり、この円上から前記点jが移動を開始する。
図2aにおいて、歯先創成円Bの直径をBd、
インナーロータ中心Oと前記基準点Jを結ぶ直線をL
インナーロータの中心Oと歯先頂点Tを結ぶ直線をL
前記歯先創成円Bの中心の移動始点Spaと、インナーロータ中心Oおよび前記歯先頂点Tの3点で作られる角度∠SpaO(直線LからLまでの回転角)をθとする。
前記歯先創成円Bの中心paが、移動始点Spa(前記点jが前記基準点Jに重なる位置での歯先創成円Bの中心位置であり、図2aではその移動始点Spaが直線L上にある)から、前記直線L側に向って移動終点Lpa(これは直線L上にある)まで角度θの範囲で移動する。このとき、前記歯先創成円Bの中心paの周方向の角速度は一定である。
この間に前記歯先創成円Bの中心paは、基準円Aの径方向に距離R移動する。
この歯先創成円Bの中心paが、移動始点Spaから移動終点Lpaに至る間に、歯先創成円Bは角度θ自転し、創成円上の点jが基準点Jから歯先頂点Tに到達する。この間に前記点jが移動した軌跡によってインナーロータの歯先2aの歯形の半分が描かれる(図2bも同時参照)。
この際の、歯先創成円Bの自転の方向と、角度θの移動方向は同一である。つまり、自転の方向が右回りであれば、歯先創成円Bの移動の方向も右回りである。
このようにして描いた歯形曲線を、直線Lに対して反転する(直線Lを中心にして対称形状にする)ことにより、インナーロータの歯先曲線が出来上がる。
歯底曲線も同様にして描くことができる。直径Cdの歯底創成円Cを歯先創成円Bが回転する方向とは逆方向に一定角速度で自転させながら歯底創成円Cの中心pbを移動始点Spbから移動終点Lpbに向けて角度θの範囲で移動させる。このときの、歯底創成円Cの円周の一点jが前記基準点Jから直線L上に設定された歯底頂点Tに到達するまでに移動した軌跡によってインナーロータの歯底の歯形の半分が描かれる。このようにして描いた歯底曲線を、直線Lに対して反転する(直線Lを中心にして対称形状にする)ことにより、インナーロータの歯底曲線が出来上がる。
この歯形創成による実施例と比較例の歯数8枚のインナーロータ2の歯形を下記の諸元でもって作製し、アウターロータ3の歯形は、図5に示す、インナーロータ2の中心Oがアウターロータ3の中心Oを中心とする直径(2e+t)の円S上を1周公転し、その間にインナーロータ2が(1/n)回自転し、このインナーロータ2の公転と自転により形成された歯形曲線群の包絡線を描き、この包絡線からなるものとした。
「共通諸元」、
アウターロータ歯底径(大径:Loo):φ51.94mm
アウターロータ歯先径(小径:Los):φ38.34mm
インナーロータ歯先径(大径:Lo):φ45.08mm
θ:11.25°
θ:11.25°
ステップ数S:30
「実施例」
インナーロータ歯底径(小径:Ls):φ31.04mm
基準円Aの直径Ad:φ35.50mm
創成円Bの直径Bd:φ2.22mm
創成円Bの径方向移動距離R:2.58mm
歯先移動量ΔR:2.58×sin(π/2×m/S)
創成円Cの直径Cd:φ2.2mm
偏心量e:3.40mm=((45.08−31.04)/4−0.11)mm
「比較例」
インナーロータ歯底径(小径:Ls):φ31.48mm
基準円Aの直径Ad:φ36.00mm
創成円Bの直径Bd:φ2.25mm
創成円Bの径方向移動距離R:2.30mm
歯先移動量ΔR:2.30×sin(π/2×m/S)
創成円Cの直径Cd:φ2.25mm
偏心量e:3.4mm=((45.08−31.48)/4)mm
図3に実施例のインナーロータ2とアウターロータ3を噛み合わせたロータ、図4に比較例のインナーロータ2とアウターロータ3を噛み合わせたロータをそれぞれ示し、その各(a)は、インナーロータ2とアウターロータ3の理論偏心位置でのチップクリアランスtがトップの位置、(b)は半歯の位置である。
この図3と図4から、実施例は、(a)と(b)状態において、チップクリアランスtは「0.030mm」と同一であるのに対し、比較例は、(a)と(b)状態において、チップクリアランスtは、トップの位置では0.030mmであるのに対し、半歯の位置では0.045mmと0.015mm大きくなった。
このことから、図3で示す実施例のロータ1を組み込んだ内接歯車式ポンプ9は、図4で示す従来例のロータを組み込んだ内接歯車式ポンプに対してポンプ室4の容積効率が優れたものとなることが理解できる。
なお、上記実施形態においては、歯先創成円Bや歯底創成円Cが自己の直径Bd、Cdを一定に保ちながら移動始点Spa、Spbから移動終点Lpa、Lpbに移動し、その間の前記点jの軌跡によってインナーロータ2の歯先2aの歯形の半分を描いたが、歯形創成方法は、これらに限定されるものではない。例えば、特許文献2記載の歯先創成円Bや歯底創成円Cがその直径を変化させながら移動始点Spa、Spbから移動終点Lpa、Lpbに移動し、その間に前記点jが移動した軌跡によりインナーロータの歯先や歯底の歯形の半分を描く方法を採用することもできる。
また、創成円B、Cの移動始点Spa、Spbを基準円中心Oから基準点Jに至る直線Lに対して創成円B、Cの移動方向前方に位置させたものとすることができる。
さらに、特願2009−163702号に記載の「楕円の組み合わせによる」歯形創成方法などを採用し得る。すなわち、例えば、歯数差が一枚のインナーロータとアウターロータを偏心配置にして組み合わせて構成される内接歯車式ポンプ用ロータにおいて、複数の楕円を、隣り合う楕円が互いに接触又は部分的に重なるように組み合わせて各楕円の曲線の一部を連続的に連ならせ、その連続的に連なった曲線でインナーロータの歯形を創成する方法等も採用することができる。
また、アウターロータ3の歯形は、上述のインナーロータ2の公転と自転により形成された歯形曲線群の包絡線に限られるものではない。インナーロータ2とアウターロータ3が干渉せずに回転するためのアウターロータ3の最小歯形線が前記包絡線であり、その包絡線より外側に描かれる歯形とする等、アウターロータ3とし得るものであれば、いずれの手段による歯形であっても良い。
1 ポンプ用ロータ
2 インナーロータ
3 アウターロータ
4 ポンプ室
5 ポンプハウジング
6 ロータ室
7 吸入ポート
8 吐出ポート
9 内接歯車式ポンプ
e インナーロータとアウターロータの偏心量
t チップクリアランス
n インナーロータの歯数
インナーロータ中心
アウターロータ中心
S 2e+tの直径を持つ円
o インナーロータ大径
s インナーロータ小径

Claims (3)

  1. 歯数がnのインナーロータ(2)と歯数が(n+1)のアウターロータ(3)とを、偏心させて組み合わせた内接歯車式ポンプ用ロータにおいて、
    上記インナーロータ(2)がその小径(Ls)、歯数(n)が同じサイクロイド歯形と比較して歯丈(H)が高いものであって、上記偏心量(e)<(インナーロータ(2)の大径(Lo)−インナーロータ(2)の小径(Ls))/4としたことを特徴とする内接歯車式ポンプ用ロータ。
  2. 上記アウターロータ(3)は、インナーロータ(2)の中心(O)がアウターロータ(3)の中心(O)を中心とする直径(2e+t)の円(S)上を1周公転し、その間にインナーロータ(2)が(1/n)回自転し、このインナーロータ(2)の公転と自転により形成された歯形曲線群の包絡線を描き、この包絡線と同一又はそれより外側に描かれる歯形としたものであることを特徴とする請求項1に記載の内接歯車式ポンプ用ロータ。
  3. 請求項1又は2に記載のポンプ用ロータ(1)を、ポンプハウジング(5)に設けられたロータ室(6)に収納して構成される内接歯車式ポンプ。
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