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JP2012131948A - 樹脂組成物、プリプレグ、積層板、樹脂シート、プリント配線板及び半導体装置 - Google Patents

樹脂組成物、プリプレグ、積層板、樹脂シート、プリント配線板及び半導体装置 Download PDF

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JP2012131948A
JP2012131948A JP2010287010A JP2010287010A JP2012131948A JP 2012131948 A JP2012131948 A JP 2012131948A JP 2010287010 A JP2010287010 A JP 2010287010A JP 2010287010 A JP2010287010 A JP 2010287010A JP 2012131948 A JP2012131948 A JP 2012131948A
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Mitsuki Mizuno
光記 水野
Noriyuki Daito
範行 大東
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Sumitomo Bakelite Co Ltd
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Abstract

【課題】基材への含浸性が良好で、低熱膨張性、ドリル加工性、及び信頼性に優れるプリプレグを作製できる樹脂組成物を提供する。さらに、前記樹脂組成物を用いて作製したプリプレグ、前記樹脂組成物、又は前記プリプレグを用いて作製した積層板、前記積層板、前記プリプレグ、及び前記樹脂組成物のうち少なくともいずれか1つを用いて作製したプリント配線板、及び前記プリント配線板を用いて作製した性能に優れる半導体装置を提供する。
【解決手段】(A)エポキシ樹脂、(B)充填材、(C)極性基を有するポリエステル樹脂を必須成分とすることを特徴とする樹脂組成物。
【選択図】図1

Description

樹脂組成物、プリプレグ、積層板、樹脂シート、プリント配線板及び半導体装置に関するものである。
近年、電子機器の高機能化等の要求に伴い、電子部品の高密度集積化、さらには高密度実装化等が進んでおり、これらに使用される高密度実装対応のプリント配線板等は、従来にも増して、小型薄型化、高密度化、及び多層化が進んでいる。従って、作業性等の基本要求を満たし、且つ、高密度で微細な導体パターンを形成できるプリント配線板として、特に、低熱膨張性、ドリル加工性、及び信頼性に優れるものが求められている。
プリント配線板の製造に用いられるプリプレグは、一般的に、エポキシ樹脂等の熱硬化性樹脂を主成分とする樹脂組成物を溶媒に溶解させてワニスとし、これを基材に含浸させて加熱乾燥させることにより作製される。従来、プリプレグの耐熱性、低熱膨張性等を向上させるために無機充填剤を含有させた樹脂組成物、あるいはプリプレグのドリル加工性等を向上させるために可とう成分を含有させた樹脂組成物を用いて、プリプレグの作製が行われている。
例えば、特許文献1に開示されているエポキシ樹脂組成物は、エポキシ樹脂、硬化剤、水酸化アルミニウム又は球状シリカ及び水酸化アルミニウムを含む無機充填剤、コアシェル構造を有し、シェル部分が前記エポキシ樹脂と相溶する樹脂で構成されている微粒子からなる可とう成分を含有し、硬化状態での厚み(Z)方向の熱膨張係数αzが48以下であることを特徴とし、前記エポキシ樹脂組成物を用いて作製した積層板が、寸法安定性及び孔あけ加工性が良好で、孔あけ加工時のクラックの発生が抑制されることが記載されている。
特開2009−74036号公報
しかしながら、充填材の微粒子又は可とう成分の微粒子を多量に含有した樹脂組成物のワニスは、粘度が高くなるため、基材へ充分量の樹脂組成物を含浸させること、及び微粒子を均一に含浸させることが困難であった。
そのため、充填材を多く含有させることが難しく、低熱膨張性に優れ、ドリル加工性、および信頼性のすべてにおいて良好な積層板を得ることができなかった。
本発明は、上記実情を鑑みて成し遂げられたものであり、本発明の目的は、基材への含浸性が良好で、低熱膨張性、ドリル加工性、及び信頼性に優れるプリプレグ、及び積層板を作製できる樹脂組成物を提供することにある。
上記の目的は、下記[1]〜[12]に記載の本発明により達成される。
[1](A)エポキシ樹脂、(B)充填材、(C)極性基を有するポリエステル樹脂を必須成分とすることを特徴とする樹脂組成物。
[2]前記(C)極性基を有するポリエステル樹脂の重量平均分子量が、1.0×10〜1.0×10である[1]項に記載の樹脂組成物。
[3]前記極性基は、ヒドロキシル基、アミノ基、アミド基、およびカルボキシル基から選ばれる少なくとも1を含むものである、[1]または[2]項に記載の樹脂組成物。
[4]前記樹脂組成物は、さらに(D)シアネート樹脂を含むものである、[1]乃至[3]項のいずれか一に記載の樹脂組成物。
[5]前記樹脂組成物は、さらに、(E)平均粒径5〜100nmの微粒子を含むものである[1]乃至[4]項のいずれか一に記載の樹脂組成物。
[6][1]乃至[5]項のいずれか一に記載の樹脂組成物を基材に含浸してなることを特徴とするプリプレグ。
[7][6]項に記載のプリプレグ、又は当該プリプレグを2枚以上重ね合わせた積層体の少なくとも片面に金属箔を有することを特徴とする積層板。
[8][1]乃至[5]項のいずれか一に記載の樹脂組成物よりなる絶縁層をフィルム上、又は金属箔上に形成してなる樹脂シート。
[9][7]項に記載のプリプレグ、又は[8]項に記載の樹脂シートを内層回路基板に用いてなることを特徴とするプリント配線板。
[10]内層回路基板は、[6]項に記載のプリプレグ、または[7]項に記載の積層板を用い製造されることを特徴とするプリント配線板。
[11]内層回路基板に、[1]乃至[5]項のいずれか一に記載の樹脂組成物を絶縁層に用いてなるプリント配線板。
[12][9]乃至[11]項のいずれか一に記載のプリント配線板に半導体素子を搭載してなることを特徴とする半導体装置。
本発明によれば、(A)エポキシ樹脂、(B)充填材、(C)極性基を有するポリエステル樹脂を必須成分とする樹脂組成物は、ワニス化の際に低粘度の状態で前記の充填材および微粒子を多量に含むことができると共に、基材への含浸性が良好となる。更に(D)シアネート樹脂を含有させることで、低熱膨張に優れる。
また、(E)平均粒径5〜100nmの微粒子を組み合わせて得られる樹脂組成物は、流動性に優れ、基材に充填材を高充填することができる。
本発明の積層板の製造方法の一例を示す概略図である。 本発明の積層板の製造方法の他の一例を示す概略図である。
(樹脂組成物)
まず、樹脂組成物について説明する。
本発明の樹脂組成物は、(A)エポキシ樹脂、(B)充填材、(C)極性基を有するポリエステル樹脂を必須成分として含有することを特徴とする。
前記(A)エポキシ樹脂としては、特に限定されないが、例えば、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ビスフェノールE型エポキシ樹脂、ビスフェノールS型エポキシ樹脂、ビスフェノールZ型エポキシ樹脂(4,4’−シクロヘキシジエンビスフェノール型エポキシ樹脂)、ビスフェノールP型エポキシ樹脂(4,4’−(1,4−フェニレンジイソプリジエン)ビスフェノール型エポキシ樹脂)、ビスフェノールM型エポキシ樹脂(4,4’−(1,3−フェニレンジイソプリジエン)ビスフェノール型エポキシ樹脂)等のビスフェノール型エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂等のノボラック型エポキシ樹脂、ビフェニル型エポキシ樹脂、キシリレン型エポキシ樹脂、フェノールアラルキル型エポキシ樹脂、ビフェニルアラルキル型エポキシ樹脂、ナフトールアラルキル型エポキシ樹脂、トリスフェノールメタンノボラック型エポキシ樹脂、1,1,2,2−(テトラフェノール)エタンのグリシジルエーテル類、3官能、又は4官能のグリシジルアミン類、テトラメチルビフェニル型エポキシ樹脂等のアリールアルキレン型エポキシ樹脂、ナフトール型の2官能、3官能、4官能のナフタレン型エポキシ樹脂、メトキシナフタレン変性クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、メトキシナフタレンジメチレン型エポキシ樹脂等のナフタレン骨格変性エポキシ樹脂、アントラセン型エポキシ樹脂、フェノキシ型エポキシ樹脂、ジシクロペンタジエン型エポキシ樹脂、ノルボルネン型エポキシ樹脂、アダマンタン型エポキシ樹脂、フルオレン型エポキシ樹脂、上記エポキシ樹脂をハロゲン化した難燃化エポキシ樹脂等が挙げられる。これらの中の1種類を単独で用いることもできるし、異なる重量平均分子量を有する2種類以上を併用することもでき、1種類又は2種類以上と、それらのプレポリマーを併用することもできる。
これらのエポキシ樹脂の中でも特に、ビフェニルアラルキル型エポキシ樹脂、ナフトールアラルキル型エポキシ樹脂、ナフタレン骨格変性エポキシ樹脂、ナフタレン型エポキシ樹脂、及びノボラック型エポキシ樹脂よりなる群から選ばれる少なくとも1種が好ましい。これにより、耐熱性及び難燃性を向上させる。
前記(A)エポキシ樹脂の含有量は、特に限定されないが、樹脂組成物全体の固形分基準で2〜30重量%とすることが好ましい。含有量が前記下限値未満であると、エポキシ樹脂の硬化性が低下したり、当該樹脂組成物より得られるプリプレグ、又はプリント配線板の耐湿性が低下したりする場合がある。また、前記上限値を超えると、プリプレグ又はプリント配線板の線熱膨張率が大きくなったり、耐熱性が低下したりする場合がある。
前記(A)エポキシ樹脂の含有量は、特に限定されないが、樹脂組成物全体の固形分基準で2〜30重量%とすることが好ましい。含有量が前記下限値未満であると、エポキシ樹脂の硬化性が低下したり、当該樹脂組成物より得られるプリプレグ、又はプリント配線板の耐湿性が低下したりする場合がある。また、前記上限値を超えると、プリプレグ又はプリント配線板の線熱膨張率が大きくなったり、耐熱性が低下したりする場合がある。
前記(A)エポキシ樹脂の重量平均分子量は、特に限定されないが、重量平均分子量4.0×10〜1.8×10が好ましい。重量平均分子量が前記下限未満であると、ガラス転移点が低下し、前記上限値を超えると流動性が低下し、基材に含浸できない場合がある。重量平均分子量を前記範囲内とすることにより、含浸性に優れたものとすることができる。
前記エポキシ樹脂の重量平均分子量は、例えば、ゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)で測定し、ポリスチレン換算の重量平均分子量として特定することができる。
前記(B)充填材は、特に限定されないが、例えばタルク、焼成タルク、焼成クレー、未焼成クレー、マイカ、ガラス等のケイ酸塩、酸化チタン、アルミナ、シリカ、溶融シリカ等の酸化物、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、ハイドロタルサイト等の炭酸塩、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、水酸化カルシウム等の水酸化物、硫酸バリウム、硫酸カルシウム、亜硫酸カルシウム等の硫酸塩または亜硫酸塩、ホウ酸亜鉛、メタホウ酸バリウム、ホウ酸アルミニウム、ホウ酸カルシウム、ホウ酸ナトリウム等のホウ酸塩、窒化アルミニウム、窒化ホウ素、窒化ケイ素、窒化炭素等の窒化物、チタン酸ストロンチウム、チタン酸バリウム等のチタン酸塩、シリコーンゴム等のシリコーン、およびスチレンブタジエンゴム粒子、アクリルゴム粒子等のゴム粒子等を挙げることができる。無機充填材として、これらの中の1種類を単独で用いることもできるし、2種類以上を併用したりすることもできる。
前記シリコーンは、オルガノポリシロキサンで形成されたゴム弾性微粒子であれば特に限定されず、例えば、シリコーンゴム(オルガノポリシロキサン架橋エラストマー)そのものからなる微粒子、及び二次元架橋主体のシリコーンからなるコア部を三次元架橋型主体のシリコーンで被覆したコアシェル構造粒子等が挙げられる。前記シリコーンゴム微粒子としては、KMP−605、KMP−600、KMP−597、KMP−594(信越化学(株)製)、トレフィルE−500、トレフィルE−600(東レ・ダウコーニング(株)製)等の市販品を用いることができる。
前記ゴム粒子は、特に限定されないが、コアシェル型ゴム粒子、架橋型ゴム粒子であることが好ましい。
コアシェル型ゴム粒子とは、粒子がコア層とシェル層を有するゴム粒子をいい、例えば、外層のシェル層がガラス状ポリマー、内層のコア層がゴム状ポリマーで構成される2層構造、または外層のシェル層がガラス状ポリマー、中間層がゴム状ポリマー、コア層がガラス状ポリマーで構成される3層構造のものなどが挙げられる。コア層のゴム状ポリマーとして、エチレン、プロピレン、スチレン、ブタジエン、イソプロピレン、アクリル酸メチル、メタクリル酸メチル、アクリルニトリル等の架橋ゴムを選択することができる。また、コア層を被覆するシェル層としては、メチルメタアクリレート、スチレン、アクリロニトリルあるいはその共重合体等を選択することができる。シェル層を構成する樹脂には、官能基としてエポキシ基、カルボキシル基等の導入も可能であり、用途により選択することができる。
架橋型ゴム粒子は、例えば、アクリロニトリルブタジエンゴム(NBR)粒子、スチレンブタジエンゴム(SBR)粒子、アクリルゴム粒子などが挙げられる。
なお、このようなゴム粒子は、硬化物の機械強度を高める、硬化物の応力緩和、低熱膨張化などの効果を付与することもできる。
前記充填材中でも、特に、耐熱性の高いものが更に好ましい。耐熱性が高いとは、無機充填材の1%熱分解温度が、260℃以上の場合をいう。特に、300℃以上が好ましい。前記1%熱分解温度は、示差熱天秤(TG/DTA)で、10℃/minの昇温速度で、初期重量から1%重量減少点の温度で規定される。300℃以上の1%熱分解温度を有する充填材として、例えば、ベーマイト、アルミナ、タルク、焼成タルク、シリカ、高耐熱ゴム粒子が挙げられる。この中でも特にベーマイト、タルク、焼成タルク、高耐熱ゴム粒子等のモース硬度の低い充填材を含むものが好ましい。これにより、耐熱性およびドリル加工性をより向上させることができる。
前記ゴム粒子は、樹脂組成物を調製する際の有機溶媒にも溶解せず、樹脂等の樹脂組成物中の成分とも相溶しないものである。従って、有機微粒子は樹脂組成物のワニス中では分散して存在する。
前記(B)充填材の平均粒子径は、特に限定されないが、0.2μm〜10μmであることが好ましい。さらに、好ましくは、平均粒径が0.5〜5μmである。
上記の平均粒径の充填材を用いることにより、さらに含浸性が向上する。
前記(B)充填材の含有量は、特に限定されないが、前記樹脂組成全体の50〜90重量%であることが好ましく、特に60〜85重量%であることが好ましい。含有量が前記範囲内であると、特に低熱膨張、耐熱性、および流動性に優れるものとなる。尚、特にベーマイト、タルク、焼成タルク、高耐熱ゴム粒子等のモース硬度の低い充填材を用いた場合は、ドリル加工性、およびめっき染込み性の観点から、15〜45重量%の範囲が特に好ましい。
前記(B)充填材が、ゴム粒子の場合、ゴム粒子の含有量は、特に限定されないが、樹脂組成物全体の2〜30重量%であることが好ましく、含浸性、および機械強度に優れる点から、特に5〜20重量%であることが好ましい。
前記(C)極性基を有するポリエステル樹脂(以下、「(C)ポリエステル樹脂」ということがある。)は、特に限定されないが、例えば、ポリエポキシ化合物、片末端にカルボキシル基を有する線状ポリマー、及び極性基を有する有機化合物を、溶融重合法、溶液重合法、または界面重合法等の公知の方法を用いて反応させることで合成することができる。
前記極性基を有する有機化合物の極性基は、特に限定されないが、ヒドロキシル基、アミノ基、アミド基、およびカルボキシル基から選ばれる少なくとも1を含むことが好ましい。これにより、(B)充填材が特に無機充填材の場合、個々の充填材の表面に極性基が吸着するため、充填材の分散性に優れる。また、極性基が無機充填材表面に吸着するため、無機充填材は、(C)極性基を有するポリエステル樹脂の炭化水素鎖に覆われる状態になることから、無機充填材と(A)エポキシ樹脂とが、(C)ポリエステル樹脂を介し、均一に分散し、基材への含浸性も良好となる。さらに、プレス成形時の流動性も十分確保できる。
前記(C)ポリエステル樹脂の重量平均分子量は、1.0×10〜1.0×10の範囲にあることが望ましい。重量平均分子量が、1.0×10未満の場合は、(B)充填材に吸着したポリエステル樹脂が立体反発層としての機能を果たすのに充分でなく充填材の分散性が低下する恐れがある。また、充填材の再凝集が起こる恐れがあるため好ましくない。
重量平均分子量が1.0×10を越えるとワニス粘度が高くなり逆に含浸性に劣る恐れがあり、また凝集剤として作用する恐れがあるため好ましくない。
好ましくは、(C)ポリエステル樹脂の重量平均分子量が、5.0×10〜2.0×10である。この範囲であれば、さらに高いレベルで充填材の再凝集を防止でき、含侵性が特に優れる。
前記(C)ポリエステル樹脂のアミン価は、特に限定されないが、5〜200mgKOH/gにあることが望ましい。アミン価が5mgKOH/g未満の場合は、充填材表面への吸着力が不足するためポリエステル樹脂が充填材表面から脱着しやすくなり、分散安定性、および含浸性の低下を生ずるため好ましくない。また、アミン価が200mgKOH/gを越える場合、充填材表面へ吸着したポリエステル樹脂における、吸着成分に対する立体的反発成分の比率が過小となり、充分な分散安定性が得られないので好ましくない。
前記(C)ポリエステル樹脂の含有量は、特に限定されないが、全固形分中0.1〜10重量%が好ましい。更に、0.5〜5重量%が特に好ましい。この範囲未満では、ワニスの低粘度化の効果が発現しない恐れがあり、含浸性も十分でない。また、この範囲より多いと、ガラス転移温度または耐熱性の低下の恐れがあり好ましくない。
本発明の樹脂組成物は、特に限定されないが、さらに(D)シアネート樹脂を含むことが好ましい。これにより、難燃性をより向上させることができる。
前記(D)シアネート樹脂は、特に限定されないが、例えば、ハロゲン化シアン化合物とフェノール類やナフトール類とを反応させ、必要に応じて加熱等の方法でプレポリマー化することにより得ることができる。また、このようにして調製された市販品を用いることもできる。
前記(D)シアネート樹脂は、特に限定されないが、例えば、ノボラック型シアネート樹脂、ビスフェノールA型シアネート樹脂、ビスフェノールE型シアネート樹脂、テトラメチルビスフェノールF型シアネート樹脂等のビスフェノール型シアネート樹脂、及びナフトールアラルキル型シアネート樹脂等を挙げることができる。
前記(D)シアネート樹脂は、分子内に2個以上のシアネート基(−O−CN)を有することが好ましい。例えば、2,2’−ビス(4−シアナトフェニル)イソプロピリデン、1,1’−ビス(4−シアナトフェニル)エタン、ビス(4−シアナト−3,5−ジメチルフェニル)メタン、1,3−ビス(4−シアナトフェニル−1−(1−メチルエチリデン))ベンゼン、ジシクロペンタジエン型シアネートエステル、フェノールノボラック型シアネートエステル、ビス(4−シアナトフェニル)チオエーテル、ビス(4−シアナトフェニル)エーテル、1,1,1−トリス(4−シアナトフェニル)エタン、トリス(4−シアナトフェニル)ホスファイト、ビス(4−シアナトフェニル)スルホン、2,2−ビス(4−シアナトフェニル)プロパン、1,3−、1,4−、1,6−、1,8−、2,6−又は2,7−ジシアナトナフタレン、1,3,6−トリシアナトナフタレン、4,4−ジシアナトビフェニル、及びフェノールノボラック型、クレゾールノボラック型の多価フェノール類と、ハロゲン化シアンとの反応で得られるシアネート樹脂、ナフトールアラルキル型の多価ナフトール類と、ハロゲン化シアンとの反応で得られるシアネート樹脂等が挙げられる。これらの中で、フェノールノボラック型シアネート樹脂が難燃性、及び低熱膨張性に優れ、2,2−ビス(4−シアナトフェニル)イソプロピリデン、及びジシクロペンタジエン型シアネートエステルが架橋密度の制御、及び耐湿信頼性に優れている。特に、フェノールノボラック型シアネート樹脂が低熱膨張性の点から好ましい。また、ナフトールアラルキル型シアネート樹脂が機械強度と低吸水性の点から好ましい。尚、上記シアネート樹脂を1種類あるいは2種類以上併用したりすることもでき、特に限定されない。
前記(D)シアネート樹脂は、単独で用いてもよいし、重量平均分子量の異なるシアネート樹脂を併用したり、前記シアネート樹脂とそのプレポリマーとを併用したりすることもできる。
前記プレポリマーは、通常、前記シアネート樹脂を加熱反応等により、例えば3量化することで得られるものであり、樹脂組成物の成形性、流動性を調整するために好ましく使用されるものである。
前記プレポリマーは、特に限定されないが、例えば、3量化率が20〜50重量%のプレポリマーを用いた場合、良好な成形性、流動性を発現できる。
前記(D)シアネート樹脂の含有量は、特に限定されないが、樹脂組成物全体の固形分基準で0〜40重量%であることが好ましく、より好ましくは2〜30重量%であり、特に好ましくは5〜20重量%である。含有量が前記範囲内であると、シアネート樹脂は、効果的に耐熱性、及び難燃性を発現させることができる。シアネート樹脂の含有量が前記下限未満であると線熱膨張率が大きくなり、耐熱性が低下する場合があり、前記上限値を超えると樹脂組成物を用いて作製したプリプレグの強度が低下する場合がある。
また、本発明の樹脂組成物は、(E)平均粒径5〜100nmの微粒子を含有することが好ましい。これにより、プリプレグを薄く(厚さ120μm以下)しても強度に優れ、プリプレグの線熱膨張率を小さくすることができる。また、アディティブ法によるめっき銅の密着性に優れ、微細回路形成が可能となる。更に、樹脂表面に過マンガン酸等の処理を施した場合、耐薬品性に優れ、低Raの粗面形成が可能になる。なお、Raは樹脂表面の算術平均粗さであり、JIS B0601に準拠して測定することができる。
前記(E)平均粒径5〜100nmの微粒子は、特に25〜75nmであることが好ましい。平均粒子径が前記範囲内であると、充填材の分散性に優れ、基材への含浸性に優れる。また、プリント配線板に用いた場合、プリント配線板に形成されるスルーホール間、導体回路間等の絶縁信頼性に優れる。
尚、(E)平均粒径5〜100nmの微粒子の平均粒子径は、例えば、レーザー回折散乱法により測定することができる。粒子を水中で超音波により分散させ、動的光散散乱式粒度分布測定装置(HORIBA製、LB−550)により、粒子の粒度分布を体積基準で測定し、そのメディアン径(D50)を平均粒子径とする。
前記(E)平均粒径5〜100nmの微粒子としては、特に限定されないが、例えば、VMC(Vaporized Metal Combustion)法、PVS(Physical Vapor Synthesis)法等の燃焼法、破砕シリカを火炎溶融する溶融法、沈降法、ゲル法等の方法によって製造したシリカ微粒子を用いることができる。また、硫酸バリウム、酸化チタン、酸化亜鉛等の微粒子も用いることができる。
また、前記シリカ粒子としては、NSS−5N(トクヤマ(株)製)、Sicastar43−00−501(Micromod社製)等の市販品を用いることもできる。
前記平均粒径5〜100nmの微粒子の含有量は、特に限定されないが、樹脂組成物全体の固形分基準で1〜25重量%であることが好ましく、より好ましくは1〜15重量%であり、さらに好ましくは2〜10重量%である。含有量が前記範囲内であると、特に充填材の分散性、導体層との密着性、および絶縁信頼性に優れる。
本発明の樹脂組成物は、必要に応じてフェノール系硬化剤を使用することができる。フェノール系硬化剤としては、特に限定されないが、例えば、フェノールノボラック樹脂、ビフェニルアラルキル型フェノール樹脂、アルキルフェノールノボラック樹脂、ナフタレン骨格を有するナフトール型フェノール樹脂、ビスフェノールA型ノボラック樹脂、ジシクロペンタジエン型フェノール樹脂、ザイロック型フェノール樹脂、テルペン変性フェノール樹脂、ポリビニルフェノール類等公知慣用のものを単独あるいは2種類以上組み合わせて使用することができる。
前記フェノール系硬化剤の含有量は、特に限定されないが、(A)エポキシ樹脂との当量比(フェノール性水酸基当量/エポキシ基当量)が1.0未満、0.1以上が好ましい。これにより、未反応のフェノール系硬化剤の残留がなくなり、吸湿耐熱性が向上する。更に、厳しい吸湿耐熱性を必要とする場合は、0.2〜0.5の範囲が特に好ましい。また、フェノール系硬化剤は、硬化剤として作用するだけでなく、シアネート基とエポキシ基との硬化を促進することができる。
本発明の樹脂組成物は、必要に応じて、上記成分以外の添加物を、特性を損なわない範囲で添加することができる。上記成分以外の成分としては、例えば、エポキシシランカップリング剤、カチオニックシランカップリング剤、アミノシランカップリング剤、チタネート系カップリング剤、シリコーンオイル型カップリング剤等のカップリング剤、イミダゾール類、トリフェニルホスフィン、及び4級ホスホニウム塩等の硬化促進剤、アクリル系重合物等の表面調整剤、染料及び顔料等の着色剤等を挙げることができる。
本発明の樹脂組成物は、プリプレグの調製の際に、溶媒に溶解させてワニスとして用いられる。前記ワニスの調製方法は、特に限定されないが、例えば、前記(B)充填材を溶媒に分散したスラリーを調製し、当該スラリーにその他の樹脂組成物の成分を添加し、さらに前記溶媒を加えて溶解・混合させる方法等が挙げられる。
前記溶媒としては、特に限定されないが、前記樹脂組成物に対して良好な溶解性を示す溶媒が好ましく例えば、シクロヘキサノン、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロペンタノン、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、N−メチルピロリドン等が挙げられる。尚、悪影響を及ぼさない範囲で貧溶媒を使用しても構わない。
前記ワニスが含む樹脂組成物の固形分の重量は、特に限定されないが、30〜80重量%が好ましく、特に40〜70重量%が好ましい。これにより、樹脂組成物の基材への含浸性を向上できる。
(樹脂シート)
次に樹脂シートの説明をする。
本発明の樹脂シートは、絶縁層を2層以上有する場合、そのうちの少なくとも1層が本発明の樹脂組成物であることが好ましい。また本発明のプリント配線板用樹脂組成物よりなる絶縁層は、金属箔、またはフィルム上に直接本発明の樹脂組成物よりなる樹脂層を形成することが好ましい。こうすることでプリント配線板製造時において、本発明のエポキシ樹脂組成物からなる絶縁層と外層回路導体との間のめっきピール強度を高めることができる。
前記本発明のプリント配線板用樹脂組成物からなる絶縁層の厚さは、0.5μm〜10μmの厚みであることが好ましい。前記範囲の絶縁層の厚さにすることにより、導体回路との間で高い密着性を得ることができる。
本発明の樹脂シートに用いるフィルムは、特に限定されないが、例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレートなどのポリエステル樹脂、フッ素系樹脂、ポリイミド樹脂などの耐熱性を有した熱可塑性樹脂よりなるフィルムなどを用いることができる。
本発明の樹脂シートに用いる金属箔は、特に限定されないが、例えば、銅及び/又は銅系合金、アルミ及び/又はアルミ系合金、鉄及び/又は鉄系合金、銀及び/又は銀系合金、金及び金系合金、亜鉛及び亜鉛系合金、ニッケル及びニッケル系合金、錫及び錫系合金等の金属箔などを用いることができる。なお、本発明の樹脂シートを製造するにあたっては、絶縁層を積層する金属箔表面の凹凸は、表面粗さ(Rz)が2μm以下であることが好ましい。表面粗さ(Rz)が、2μm以下の金属箔表面上に、本発明の樹脂組成物からなる絶縁層を形成することにより、表面粗さが小さく、かつ、密着性(めっきピール強度)に優れるものとすることができる。
尚、金属の表面粗さ(Rz)は、10点測定を行い、その平均値とした。表面粗さは、JIS B0601に基づいて測定した。
(プリプレグ)
次に、プリプレグについて説明する。
本発明のプリプレグは、前記樹脂組成物を基材に含浸してなるものである。本発明では、(A)エポキシ樹脂、(B)充填材、(C)極性基を有するポリエステル樹脂とを必須成分とする樹脂組成物は、ワニス化の際に低粘度の状態で前記の充填材および微粒子を多量に含むことができると共に、基材へ十分含浸したプリプレグを得ることできる。更に(D)シアネート樹脂を含有することで、低熱膨張性に優れる積層板、およびプリント配線板を得ることができる。
また、(E)平均粒径5〜100nmの微粒子を含む樹脂組成物は、流動性に優れるため、プリプレグを成形する際、充填材を基材に高充填することができる。
さらに従来、流動性が悪く、プリプレグに用いることが難しかった充填材(例えば、タルク、水酸化アルミニウム、ベーマイトなど)についてもプリプレグに高充填することができる。
なお、(E)平均粒径5〜100nmの微粒子を含む樹脂組成物は、従来の樹脂組成物に比べ、低熱膨張性、ドリル加工性、信頼性、難燃性、デスミア耐性を高いレベルで満足することができる。
前記基材としては、例えばガラス織布、ガラス不織布、ガラスペーパー等のガラス繊維基材、紙、アラミド、ポリエステル、芳香族ポリエステル、フッ素樹脂等の合成繊維等からなる織布や不織布、金属繊維、カーボン繊維、鉱物繊維等からなる織布、不織布、マット類等が挙げられる。これらの基材は単独又は併用して使用してもよい。これらの中でもガラス繊維基材が好ましい。これにより、プリプレグの剛性、寸法安定性が向上する。
前記樹脂組成物を前記基材に含浸させる方法は、例えば基材を樹脂組成物のワニスに浸漬する方法、各種コーターにより塗布する方法、スプレーにより吹き付ける方法等が挙げられる。これらの中でも、基材を樹脂組成物のワニスに浸漬する方法が好ましい。これにより、基材に対する樹脂組成物の含浸性が向上する。尚、基材を樹脂組成物のワニスに浸漬する場合、通常の含浸塗布設備を使用することができる。前記基材に前記樹脂組成物を含浸させ、所定温度、例えば90〜180℃で乾燥させることによりプリプレグを得ることができる。
(積層板)
次に、積層板について説明する。
本発明の積層板は、基材に上記の樹脂組成物を含浸してなる樹脂含浸基材層の少なくとも片面に金属箔を有するものである。
本発明の積層板は、例えば、上記のプリプレグ又は当該プリプレグを2枚以上重ね合わせた積層体の少なくとも片面に金属箔を張り付けることで製造できる。
プリプレグ1枚のときは、その上下両面もしくは片面に金属箔を重ねる。また、プリプレグを2枚以上積層することもできる。プリプレグ2枚以上積層するときは、積層したプリプレグの最も外側の上下両面もしくは片面に金属箔あるいはフィルムを重ねる。次に、プリプレグと金属箔とを重ねたものを加熱加圧成形することで金属箔を有する積層板を得ることができる。
前記加熱する温度は、特に限定されないが、120〜250℃が好ましく、特に150〜220℃が好ましい。前記加圧する圧力は、特に限定されないが、0.1〜5MPaが好ましく、特に0.5〜3MPaが好ましい。また、必要に応じて高温槽等で150〜300℃の温度で後硬化を行っても構わない
また、本発明の積層板を製造する別の方法として 、図1に示す樹脂付き金属箔を用いた積層板の製造方法が挙げられる。まず、金属箔11に均一な絶縁樹脂層12をコーターで塗工した樹脂付き金属箔10を準備し、ガラス繊維等の基材20の両側に、樹脂付き金属箔10を絶縁樹脂層を内側にして配し(図1(a))、真空中で加熱60〜130℃、加圧0.1〜5MPaでラミネート含浸させる方法により、金属箔付きプリプレグ41を得る(図1(b))。次いで、金属箔付きプリプレグ41を直接加熱加圧成形することで、金属箔を有する積層板51を得ることができる(図1(c))。
さらに、本発明の積層板を製造する別の方法として、 図2に示す樹脂付き高分子フィルムシートを用いた積層板の製造方法も挙げられる。まず、高分子フィルムシート31に、均一な絶縁樹脂層32をコーターで塗工した樹脂付き高分子フィルムシート30を準備し、基材2の両側に樹脂付き高分子フィルムシート30を絶縁樹脂層を内側にして配し(図2(a))、真空中で加熱60〜130℃、加圧0.1〜5MPaでラミネート含浸させる方法により、高分子フィルムシート付きプリプレグ42を得ることができる(図2(b))。次いで、高分子フィルムシート付きプリプレグ42の少なくとも片面の高分子フィルムシート31を剥離後(図2(c))、高分子フィルムシート31を剥離した面に金属箔11を配し(図2(d))、加熱加圧成形することで金属を有する積層板52を得ることができる(図2(e))。さらに、両面の高分子フィルムシートを剥離する場合は、前述のプリプレグ同様に、2枚以上積層することもできる。プリプレグを2枚以上積層するときは、積層したプリプレグの最も外側の上下両面もしくは片面に金属箔または高分子フィルムシートを配し、加熱加圧成形することで積層板を得ることができる。前記加熱加圧成形する条件としては、温度は、特に限定されないが、120〜250℃が好ましく、特に150〜220℃が好ましい。前記加圧する圧力は、特に限定されないが、0.1〜5MPaが好ましく、特に0.5〜3MPaが好ましい。また、必要に応じて高温槽等で150〜300℃の温度で後硬化を行ってもかまわない。
この様な製造方法では、基材付きでプリプレグを作製するため、プリプレグは、面内で厚みが均一で、表面平滑性が高く、低圧成形が可能となり、厚み精度が高く、成形歪の小さい積層板とすることができる。そのため、プリント配線板、および半導体装置の反りや反りばらつきを低減し、歩留り良く製造することができる。
図1〜2等の積層板は、特に限定されないが、例えば、樹脂付き金属箔を製造する装置及び積層板を製造する装置を用いて製造される。
前記樹脂付き金属箔を製造する装置において、金属箔は、例えば長尺のシート品を巻物形態にしたもの等を用い、連続的に巻き出すことにより供給することができる。ワニス状の樹脂組成物は、供給装置により、所定量が連続的に金属箔上に供給される。ここでワニス状の樹脂組成物とは、本発明の樹脂組成物を溶剤に溶解、分散させた塗布液をいう。ワニス状の樹脂組成物の塗工量は、コンマロールと、当該コンマロールのバックアップロールとのクリアランスにより制御することができる。所定量の樹脂が塗工された金属箔は、横搬送型の熱風乾燥装置の内部を移送され、液状の樹脂中に含有される有機溶剤等を実質的に乾燥除去することで、必要に応じて、硬化反応を途中まで進めた樹脂付き金属箔とすることができる。樹脂付き金属箔は、そのまま巻き取ることもできるがラミネートロールにより絶縁樹脂層が形成された側に保護フィルムを重ね合わせ、当該保護フィルムがラミネートされた樹脂層付き金属箔を巻き取って、巻物形態の樹脂付き金属箔を得ている。
この様な製造方法では、溶剤中に溶解、分散させたワニスではなく、樹脂組成物を直接繊維基材へ含浸させることを考慮する必要がある。本発明の樹脂組成物は、平均粒径5〜100nmの微粒子を配合することで含浸性を向上させることができる。また、加熱加圧成形時に、積層板内における樹脂組成物のフローを抑え、溶融樹脂の不均一な移動が抑制され、積層板表面のスジ状のムラを防止し、且つ均一な厚みとすることができる。
(プリント配線板)
次に、本発明のプリント配線板について説明する。
本発明のプリント配線板は、上記のプリプレグ、または積層板を内層回路基板に用いてなる。
また、本発明のプリント配線板は、内層回路上に、上記のプリプレグ、および/または樹脂シートを絶縁層に用いて製造することができる。
また、本発明のプリント配線板は、上記の樹脂組成物を絶縁層に用いることにより製造される。
本発明においてプリント配線板とは、絶縁層の上に金属箔等の導電体で回路を形成したものであり、片面プリント配線板(一層板)、両面プリント配線板(二層板)、及び多層プリント配線板(多層板)のいずれであってもよい。多層プリント配線板とは、メッキスルーホール法やビルドアップ法等により3層以上に重ねたプリント配線板であり、内層回路基板に絶縁層を重ね合わせて加熱加圧成形することによって得ることができる。
前記内層回路基板としては、例えば、本発明の金属箔を有する積層板の金属層に、エッチング等により所定の導体回路を形成し、導体回路部分を黒化処理したものを好適に用いることができる。
前記絶縁層としては、本発明のプリプレグ、又は本発明の樹脂組成物からなる樹脂フィルムを用いることができる。尚、前記絶縁層として、前記プリプレグ又は前記樹脂組成物からなる樹脂フィルムを用いる場合は、前記内層回路基板は本発明の積層板からなるものでなくてもよい。
以下、本発明のプリント配線板の代表例として、本発明の積層板を内層回路基板として用い、本発明のプリプレグを絶縁層として用いる場合の多層プリント配線板について説明する。
前記積層板の片面又は両面に回路を形成し、内層回路基板を作製する。場合によっては、ドリル加工、レーザー加工によりスルーホールを形成し、メッキ等で両面の電気的接続をとることもできる。この内層回路基板に前記プリプレグを重ね合わせて加熱加圧成形することで絶縁層を形成する。同様にして、エッチング等で形成した導体回路層と絶縁層とを交互に繰り返し成形することにより、多層プリント配線板を得ることができる。
具体的には、前記プリプレグと前記内層回路基板とを合わせて、真空加圧式ラミネーター装置などを用いて真空加熱加圧成形させ、その後、熱風乾燥装置等で絶縁層を加熱硬化させる。ここで加熱加圧成形する条件としては、特に限定されないが、一例を挙げると、温度60〜160℃、圧力0.2〜3MPaで実施することができる。また、加熱硬化させる条件としては、特に限定されないが、一例を挙げると、温度140〜240℃、時間30〜120分間で実施することができる。
尚、次工程においてレーザーを照射し、絶縁層に開口部を形成するが、その前に基材を剥離する必要がある。基材の剥離は、絶縁層を形成後、加熱硬化の前、又は加熱硬化後のいずれに行っても特に問題はない。
次に、絶縁層にレーザーを照射して、開孔部を形成する。前記レーザーは、エキシマレーザー、UVレーザー及び炭酸ガスレーザー等が使用できる。
レーザー照射後の樹脂残渣等(スミア)は過マンガン酸塩、重クロム酸塩等の酸化剤等により除去する処理、すなわちデスミア処理を行うことが好ましい。デスミア処理が不十分で、デスミア耐性が十分に確保されていないと、開孔部に金属メッキ処理を行っても、スミアが原因で上層金属配線と下層金属配線との通電性が十分に確保されなくなるおそれがある。また、平滑な絶縁層の表面を同時に粗化することができ、続く金属メッキにより形成する導電配線回路の密着性を上げることができる。
次に、外層回路を形成する。外層回路の形成は、金属メッキにより絶縁樹脂層間の接続を図り、エッチングにより外層回路パターン形成を行う。
さらに絶縁層を積層し、前記同様回路形成を行っても良いが、多層プリント配線板では、回路形成後、最外層にソルダーレジストを形成する。ソルダーレジストの形成方法は、特に限定されないが、例えば、ドライフィルムタイプのソルダーレジストを積層(ラミネート)し、露光、及び現像により形成する方法、又は液状レジストを印刷したものを露光、及び現像により形成する方法によりなされる。尚、得られた多層プリント配線板を半導体装置に用いる場合、半導体素子を実装するため接続用電極部を設ける。接続用電極部は、金メッキ、ニッケルメッキ及び半田メッキ等の金属皮膜で適宜被覆することができる。
前記金メッキの代表的な方法の1つとして、ニッケル−パラジウム−金無電解メッキ法がある。この方法では、接続用電極部に、クリーナー等の適宜の方法により前処理を行った後、パラジウム触媒を付与し、その後さらに、無電解ニッケルメッキ処理、無電解パラジウムメッキ処理、及び無電解金メッキ処理を順次行う。
ENEPIG法は、前記ニッケル−パラジウム−金無電解メッキ法の無電解金メッキ処理段階において、置換金メッキ処理を行う方法である。下地メッキとしての無電解ニッケルメッキ皮膜と、無電解金メッキ皮膜との間に無電解パラジウムメッキ皮膜を設けることによって、接続用電極部における導体材料の拡散防止性、耐食性が向上する。下地ニッケルメッキ皮膜の拡散防止を図ることができるので、Au−Au接合の信頼性が向上し、また金によるニッケル酸化を防止することができるので、熱負荷の大きい鉛フリー半田接合の信頼性も向上する。ENEPIG法では、通常、無電解パラジウムメッキ処理を行う前に表面処理を行って、メッキ工程での導通不良の発生を防ぐ必要があり、導通不良が甚だしい場合には隣接する端子間でショートを起こす原因となる。一方、本発明のプリント配線板は、表面処理を行わなくても上記のような導通不良がなく、簡単にメッキ処理を行うことができる。
(半導体装置)
次に、本発明の半導体装置について説明する。
前記で得られたプリント配線板に半田バンプを有する半導体素子を実装し、半田バンブを介して、前記プリント配線板との接続を図る。そして、プリント配線板と半導体素子との間には液状封止樹脂を充填し、半導体装置を形成する。半田バンプは、錫、鉛、銀、銅、ビスマス等からなる合金で構成されることが好ましい。
半導体素子とプリント配線板との接続は、フリップチップボンダー等を用いて、基板上の接続用電極部と半導体素子の半田バンプとの位置合わせを行ったあと、IRリフロー装置、熱板、その他加熱装置を用いて半田バンプを融点以上に加熱し、プリント配線板と半田バンプとを溶融接合することにより行う。尚、接続信頼性を良くするため、予めプリント配線板上の接続用電極部に半田ペースト等、比較的融点の低い金属の層を形成しておいてもよい。この接合工程に先んじて、半田バンプ及び/又はプリント配線板上の接続用電極部の表層にフラックスを塗布することで接続信頼性を向上させることもできる。
以下、本発明を実施例及び比較例に基づいて詳細に説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。
実施例、比較例及び参考例において用いた原材料は以下の通りである。
(1)エポキシ樹脂/ビフェニルジメチレン型エポキシ樹脂;日本化薬社製NC−3000H、エポキシ当量288
(2)シアネート樹脂/ノボラック型シアネート樹脂:ロンザジャパン社製プリマセットPT−30
(3)フェノール系硬化剤/ビフェニルジメチレン型ノボラック樹脂:日本化薬社製GPH−103、水酸基当量231
(4)ポリエステル樹脂A:味の素ファインテクノ社製アジスパーPB821
(5)ポリエステル樹脂B:味の素ファインテクノ社製アジスパーPN411
(6)ポリエステル樹脂C:味の素ファインテクノ社製アジスパーPA111
(7)ポリエステル樹脂D:合成例1
(8)ポリエステル樹脂E:合成例2
(9)タルク:富士タルク工業社製LMS−400、平均粒子径3.8μm、1%熱分解温度375℃
(10)シリカ:アドマテックス社製SO−25R、平均粒子径0.5μm
(11)平均粒径5〜100nmの微粒子:トクヤマ社製NSS−5N、平均粒子径70nm
(12)カップリング剤:モメンティブ社製A−187
(合成例1)ポリエステル樹脂D(アミノ基を有するポリエステル樹脂)
ポリエステル樹脂Dは、以下に製造例を示す、片末端にカルボキシル基を有するポリエステルとエポキシ化合物に、ジ−n−ブチルアミンを加え反応させることにより得ることができる。なお、本願発明に用いる(C)極性基を有するポリエステル樹脂の合成は、以下に示す方法になんら限定されるものでない。
1.1 片末端にカルボキシル基を有するポリエステルの製造
攪拌機、還流管、温度計、窒素ガス導入管を備えたフラスコにキシレン150.0重量部、テトラブトキシチタネート0.3重量部、オクチル酸44.0重量部及びε−カプロラクトン556.0重量部を仕込み140〜160℃まで昇温した。次いで160℃のまま反応を行い、固形分が79%になった時点で反応を終了した。室温まで冷却した後、キシレン249.7重量部を加えて片末端にカルボキシル基を有するポリエステルを得た。得られたポリエステルは数平均分子量が2100、固形分が60.0%、酸価が29.0mgKOH/gであった。
・ 2 ポリエポキシ化合物の製造
攪拌機、還流管、温度計及び窒素ガス導入管を備えたフラスコにキシレン300.0部を仕込み130〜135℃まで昇温した。グリシジルメタアクリレート390.0部、ブチルメタアクリレート210.0部及びターシャリーブチルパーオキシ−2−エチルヘキサエート36.0部の混合液を2時間かけて滴下した後、135℃で1時間重合させた。その後ターシャリーブチルパーオキシ−2−エチルヘキサエート3.0部をキシレン10.0部に溶解させた混合液を加え、さらに120℃、5時間重合反応を行った。室温まで冷却した後、キシレン51.0部を加えてポリエポキシ化合物を得た、得られたポリエポキシ化合物は、固形分が62.0%、数平均分子量が4100、エポキシ価が250.0mgKOH/gであった。
1.3 ポリエステル樹脂Dの合成
攪拌機、還流管、温度計及び窒素ガス導入管を備えたフラスコに、キシレン35.7部と1.1で得られたポリエステル45.1部、及び1.2で得られたポリエポキシ化合物15.7部を仕込み、120℃まで昇温し反応を行った。酸価が1mgKOH/g以下になった時点で60℃まで冷却し、ジ−n−ブチルアミン3.5部を加え、100℃まで昇温した。100℃で4〜5時間反応させ、ポリエステル樹脂Dを得た。得られたポリエステル樹脂Dは、固形分が40.1%、数平均分子量が10500で、アミン価が38.5mgKOH/gであった。
(合成例2)ポリエステル樹脂E(不飽和ポリエステル)の合成
(特開2006−117885に記載の製造例1)
以下の方法により、ポリエステル樹脂E(不飽和ポリエステル)を得た。
(ポリエステル樹脂E(不飽和ポリエステルの合成))
温度計、窒素ガス導入管、還流冷却器及び攪拌機を備えた4つ口フラスコを反応器とした。この反応器に、無水マレイン酸100モル、ジシクロペンタジエン90モル及び脱イオン水90モルを仕込み、窒素ガス雰囲気下で攪拌しながら、130℃で3時間かけて付加反応を行い、ジシクロペンタジエンのマレイン酸付加物を得た。次に、エチレングリコール5モル及びジエチレングリコール50モルを添加混合し、200℃で8時間反応させた。これにより、ジシクロペンタジエン骨格を含む不飽和ポリエステル(a)を得た。この不飽和ポリエステル(a)の酸価をJIS K6911−1995 4.3に記載の方法に準拠して測定したところ、15.0mgKOH/gであった。
(実施例1)
・ 樹脂組成物含有ワニスの調製
エポキシ樹脂としてビフェニルジメチレン型エポキシ樹脂(NC−3000H、日本化薬社製、エポキシ当量288)13.2重量%と、シアネート樹脂としてノボラック型シアネート樹脂(プリマセットPT−30、ロンザジャパン社製)19.4重量%と、硬化剤としてフェノール樹脂(GPH−103、日本化薬社製、水酸基当量231)6.2重量%とを、メチルイソブチルケトンに溶解、混合させた。次いで、得られた混合物を、高速撹拌装置を用い撹拌し、樹脂ワニスを調製した。次いで、第1充填材としてシリカ(アドマテックス社製SO−25R、平均粒子径0.5μm)40.0重量%と、アミノ基を有するポリエステル樹脂としてアジスパー(PB821、味の素ファインテクノ社製)0.8重量%と、第2充填材としてタルク(LMS−400、富士タルク工業社製、平均粒子径3.8μm、1%熱分解温度375℃)20.0重量%と、添加剤としてカップリング剤(A−187、モメンティブ社製)0.4重量%とを、得られた樹脂ワニスに溶解、混合させた。次いで、得られた混合物を、高速撹拌装置を用い撹拌し、樹脂組成物含有ワニスを調製した。
(2)プリプレグの作製
前記ワニスをガラス織布(厚さ94μm、日東紡績製Eガラス織布、WEA−116)に含浸し、180℃の加熱炉で2分間乾燥して、プリプレグ中の樹脂組成物が固形分基準で約49重量%のプリプレグを得た。
(3)積層板の作製
前記プリプレグを4枚重ね、その両面に12μmの銅箔(三井金属鉱業社製、3EC−VLP箔)を重ねて、圧力3MPa、温度220℃で2時間加熱加圧成形し、絶縁樹脂層の厚み0.4mmの両面に銅箔を有する積層板を得た。
(4)プリント配線板の製造
両面に銅箔を有する前記積層板を用い、ドリル機で開孔しスルーホールを形成後、無電解メッキで上下銅箔間の導通を図った。
なお、スルーホール壁間は、スルーホール壁間絶縁信頼性を評価するため、スルーホール壁間0.2mmの部分を有する。
両面の銅箔をエッチングすることにより内層回路を両面に形成したL(導体回路幅(μm))/S(導体回路間幅(μm))=50/50)。
次に、内層回路に過酸化水素水と硫酸を主成分とする薬液(旭電化工業(株)製、テックSO−G)をスプレー吹き付けすることにより、粗化処理による凹凸形成を行った。
次に前記プリプレグを内層回路上に真空積層装置を用いて積層し、温度170℃、時間60分間加熱硬化し、積層体を得た。
その後、得られた積層体が有するプリプレグに、炭酸レーザー装置(日立ビアメカニクス(株)製:LG−2G212)を用いてφ60μmの開孔部(ブラインド・ビアホール)を形成し、70℃の膨潤液(アトテックジャパン社製、スウェリングディップ セキュリガント P)に5分間浸漬し、さらに80℃の過マンガン酸カリウム水溶液(アトテックジャパン社製、コンセントレートコンパクト CP)に15分浸漬後、中和して粗化処理を行った。
次に、脱脂、触媒付与、活性化の工程を経た後、無電解銅メッキ皮膜による約0.5μmの給電層を形成した。この給電層表面に、厚さ25μmの紫外線感光性ドライフィルム(旭化成社製、AQ−2558)をホットロールラミネーターにより貼り合わせ、最小線幅/線間が20/20μmのパターンが描画されたクロム蒸着マスク(トウワプロセス社製)を使用して、位置を合わせ、露光装置(ウシオ電機社製UX−1100SM−AJN01)にて露光、炭酸ソーダ水溶液にて現像し、めっきレジストを形成した。
次に、給電層を電極として電解銅めっき(奥野製薬社製81−HL)を3A/dm2、30分間行って、厚さ約25μmの銅配線を形成した。ここで2段階剥離機を用いて、前記めっきレジストを剥離した。各薬液は、1段階目のアルカリ水溶液層にはモノエタノールアミン溶液(三菱ガス化学社製R−100)、2段階目の酸化性樹脂エッチング剤には過マンガン酸カリウムと水酸化ナトリウムを主成分とする水溶液(日本マクダーミッド社製、マキュダイザー9275、9276)、中和には酸性アミン水溶液(日本マクダーミッド社製マキュダイザー9279)をそれぞれ用いた。
そして、給電層を過硫酸アンモニウム水溶液(メルテックス(株)製、AD−485)に浸漬処理することで、エッチング除去し、配線間の絶縁を確保した。次に、絶縁層を温度200℃、時間60分で最終硬化させ、最後に回路表面にソルダーレジスト(太陽インキ社製、PSR4000/AUS308)を形成し、プリント配線板を得た。
なお、半導体素子の半田バンプ配列に相当する、前記プリント配線板の接続用電極部にENEPIG処理を施した。
ENEPIG処理は、[1]クリーナー処理、[2]ソフトエッチング処理、[3]酸洗処理、[4]プレディップ処理、[5]パラジウム触媒付与、[6]無電解ニッケルメッキ処理、[7]無電解パラジウムメッキ処理、[8]無電解金メッキ処理の工程で行われた。
(5)半導体装置の製造
ENEPIG処理を施されたプリント配線板を50mm×50mmの大きさに切断し使用した。半導体素子(TEGチップ、サイズ15mm×15mm、厚み0.8mm)は、Sn/Pb組成の共晶で形成された半田バンプを有し、半導体素子の回路保護膜はポジ型感光性樹脂(住友ベークライト社製、CRC-8300)で形成されたものを使用した。半導体装置の組み立ては、まず、半田バンプにフラックス材を転写法により均一に塗布し、次にフリップチップボンダー装置を用い、プリント配線板上に加熱圧着により搭載した。次に、IRリフロー炉で半田バンプを溶融接合した後、液状封止樹脂(住友ベークライト社製、CRP−4152S)を充填し、液状封止樹脂を硬化させることで半導体装置を得た。尚、液状封止樹脂の効果条件は、温度150℃、120分の条件であった。
<実施例2〜6、比較例1、2>
表1の配合量に従い、実施例1と同様にプリプレグ、積層板、プリント配線板、多層プリント配線板、および半導体装置を得た。
<参考例1、2>
表2の配合量に従い、実施例1と同様にプリプレグ、積層板、プリント配線板、多層プリント配線板、および半導体装置を得た。
前記で得られたプリプレグ、積層板、多層プリント配線板、及び半導体装置について、表1に示す結果を得るために行った評価項目の内容を以下に示す。
また、実施例及び比較例の樹脂組成物の配合組成、各物性値、評価結果を表1、及び2に示す。尚、表中において、各配合量は「重量部」を示す。
(1)含浸性
プリプレグ、または銅箔付きプリプレグを170℃の温度で、1時間硬化させ、硬化後の断面を観察した。(観察範囲は、500mm)
符号は以下の通り。
◎:全て良好に含浸した場合
○:モノフィラメントに微小未含浸箇所がある場合
△:モノフィラメントに未含浸箇所が多数ある場合
×:ボイドがある場合
・ 成形性
前記実施例、および比較例で得られた両面に銅箔を有する積層板の成型性を評価した。
評価は、得られた積層板の表面状態の観察により行った。
具体的には、表面にスジ状のムラの有無を観察した。
符号は以下の通り。
○:スジ状のムラの発生がなく良好な場合
×:スジ状のムラの発生あるが場合、または成形不良がある場合
(3)ドリル摩耗性
得られた積層板を3枚重ねて、上にエントリーボード(三菱瓦斯化学社製LE812F3)、下にバックボード(厚さ1.5mmの紙フェノール板)を配し、ユニオンツール(株)製ドリルビット(KMC L506、直径150μm)を用いて、ドリル回転速度200krpm、送り速度2.5m/分、チップロード12.5μm/revのドリル加工条件で、φ150の孔あけ加工(貫通孔:3000穴)を行った。
ドリル摩耗性の評価は、使用前のドリル刃幅を100%とし、使用後のドリル刃幅の残存率を測定することにより行った。
符号は以下の通り。
◎:使用後のドリル刃幅の残存率が、65%以上の場合
○:使用後のドリル刃幅の残存率が、50%以上65%未満の場合
×:使用後のドリル刃幅の残存率が、50%未満の場合
(4)絶縁信頼性
前記実施例及び比較例で得られたプリント配線板を用い、スルーホール間の絶縁信頼性を評価した。
プリント配線板のスルーホール壁間0.2mm部分を用い、印加電圧20V、温度130℃、湿度85%の条件で、連続測定で評価した。
なお、絶縁抵抗値が10Ω未満となる時点で終了とした。
各符号は以下の通りである。
◎:200時間を超えた。
○:100時間以上200以下であった。
×:100時間未満であった。
表2に示す結果を得るために行った評価項目の内容を以下に示す。また、実施例及び参考例の樹脂組成物の配合組成、各物性値、評価結果を表2に示す。尚、表中において、各配合量は「重量部」を示す。
(5)めっき染込性
ドリル加工後の貫通孔めっき染み込み性を評価した。
尚、サンプルは、前記ドリル摩耗性評価のドリル加工おいて、穴あけ加工した貫通孔に、無電解めっきを行い、厚さ1μmのメッキ層を形成した後、電解めっきで厚さ10μmのメッキ厚とした。その後、2500〜3000穴の断面から貫通孔10個を観察した。
表中における数値は、染み込み深さを示す。
(6)銅箔引き剥がし強度
前記実施例、および比較例で得られた積層板を用い、積層板の銅箔の引き剥がし強度をJIS C-6481に基づいて測定した。
表中における数値は、銅箔の引き剥がし強度を示す。
表1に記載されている評価結果からわかるように、実施例1〜6では、前記の(1)〜(6)の評価において良好な結果が得られた。つまり、実施例1〜6では、従来流動性が悪いとされていた充填材を、高い割合で含有するワニスにも関わらず、プリプレグの含浸性に優れ、積層板を製造する際の成形性に優れていた。また、プリント配線板の加工特性である、ドリルビットのドリル磨耗性に優れ、プリント配線板のスルーホール間の絶縁性にも優れていた。
一方、比較例1では、極性基を有するポリエステル樹脂を用いなかったため、プリプレグの含浸性、積層板製造時の成形性が、実施例に比べ劣る結果となった。また、プリント配線板のスルーホール間の絶縁性も劣っていた。
比較例2では、極性基を有しないポリエステル樹脂を用いたため、プリプレグの含浸性、積層板製造時の成形性に劣っていた。また、プリント配線板のスルーホール間の絶縁性も劣っていた。
比較例3では、極性基を有しないポリエステル樹脂を用いず、流動性のよい球状のシリカのみを用いたためドリルビットのドリル磨耗性に劣る結果となった。
参考例1ではタルクの含有量が少ないために、プリント配線板の加工特性である貫通孔の壁面からのめっき染込み性が好ましくなかった。
参考例2ではタルクの含有量が多いために銅箔引き剥がし強度、およびめっき染込み性において好ましい結果ではなかった。
10…樹脂付き金属箔
11…金属箔
12…絶縁樹脂層
20…基材
30…樹脂付き高分子フィルムシート
31…高分子フィルムシート
32…絶縁樹脂層
40…プリプレグ
41…金属箔付きプリプレグ
42…高分子フィルムシート付きプリプレグ
51…金属箔を有する積層板
52…金属箔を有する積層板

Claims (12)

  1. (A)エポキシ樹脂、(B)充填材、(C)極性基を有するポリエステル樹脂を必須成分とすることを特徴とする樹脂組成物。
  2. 前記(C)極性基を有するポリエステル樹脂の重量平均分子量が、1.0×10〜1.0×10である請求項1に記載の樹脂組成物。
  3. 前記極性基は、ヒドロキシル基、アミノ基、アミド基、およびカルボキシル基から選ばれる少なくとも1を含むものである、請求項1または2に記載の樹脂組成物。
  4. 前記樹脂組成物は、さらに(D)シアネート樹脂を含むものである、請求項1乃至3のいずれかに記載の樹脂組成物。
  5. 前記樹脂組成物は、さらに、(E)平均粒径5〜100nmの微粒子を含むものである、請求項1乃至4のいずれかに記載の樹脂組成物。
  6. 請求項1乃至5のいずれかに記載の樹脂組成物を基材に含浸してなることを特徴とするプリプレグ。
  7. 請求項6に記載のプリプレグ、又は当該プリプレグを2枚以上重ね合わせた積層体の少なくとも片面に金属箔を有することを特徴とする積層板。
  8. 請求項1乃至5のいずかに記載の樹脂組成物よりなる絶縁層をフィルム上、又は金属箔上に形成してなる樹脂シート。
  9. 請求項7に記載のプリプレグ、又は8に記載の樹脂シートを内層回路基板に用いてなることを特徴とするプリント配線板。
  10. 内層回路基板は、請求項6に記載のプリプレグ、または請求項7に記載の積層板を用い製造されることを特徴とする請求項9に記載のプリント配線板。
  11. 内層回路基板に、請求項1乃至5のいずれか一項に記載の樹脂組成物を絶縁層に用いてなるプリント配線板。
  12. 請求項9乃至11のいずれか一項に記載のプリント配線板に半導体素子を搭載してなることを特徴とする半導体装置。
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