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JP2012119406A - 光電変換素子及びその製造方法 - Google Patents

光電変換素子及びその製造方法 Download PDF

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Kenji Suzuki
健志 鈴木
Hirofumi Senda
浩文 千田
Masato Fukutome
正人 福留
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Abstract

【課題】 クラックを生じ易くなり、クラックにInなどが集中し易くなり、これが短絡パス形成となるため、リークの原因となる場合があった。
【解決手段】 下部電極層上に設けられた、I−B族元素、III−B族元素およびVI−B族元素を含む光吸収層と、該光吸収層上に設けられた、II−B族元素およびVI−B族元素を含む第1半導体層とを有する光電変換素子であって、
前記第1半導体層は、前記光吸収層側の方が前記第1半導体層の上部電極側よりも分子密度が高いこと。
【選択図】 図2

Description

本発明は光電変換素子及びその製造方法に関する。
光電変換素子は年々さらに光電変換効率の高いものが求められてきており、このような光電変換素子の光吸収層としてCIS膜あるいはCIGS膜が用いられ、それらの光吸収層上に積層する最適なバッファ層の開発が進められている。
このようなバッファ層としては、例えば特許文献1においては、Cd−S結合を有する有機化合物を熱分解法により形成したCdS膜をバッファ層として用いることなどが記載されている。
また、特許文献2においては、CBD法により形成したCdS膜をバッファ層として用いることが記載されている。
特開2001−308353号公報 米国特許第4611091号明細書
CdSなどのバッファ層に欠陥が存在した場合、さらに上部電極層を成膜するとセル特性としてはリークが発生してしまう場合があった。なおここで上部電極層とは透明導電膜のことである。例えば図7、8(a)のように上部電極層5にクラック11を生じ易くなり、特に図8(b)、(c)のように凹部分に発生し易い。このような現象は、特に図10のようにエピタキシャル成長した半導体層4が、光吸収層3側から上部電極層5側にかけて、結晶性を維持している場合に、成膜による内部応力が開放されないままとなるため、クラックが発生し易くなると考えられる。
またはクラック11にInなどが集中し易くなり、これが短絡パス形成となるため、リークの原因となる場合があった。
上記に鑑みて本発明は、下部電極層上に設けられた、I−B族元素、III−B族元素およびVI−B族元素を含む光吸収層と、該光吸収層上に設けられた、II−B族元素およびVI−B族元素を含む第1半導体層とを有する光電変換素子であって、前記第1半導体層は、前記光吸収層側の方が前記第1半導体層の上部電極側よりも分子密度が高い。
また本発明の製造方法は、II−B族元素とVI−B族元素とを含むアルカリ水溶液を用いたCBD法によって前記第1半導体層を成膜する際に、前記II−B族元素の濃度よりも前記VI−B族元素の濃度が高くなるように維持しつつ、前記アルカリ水溶液の温度を単調増加して上昇するように制御する。
本発明によれば、第1半導体層の光吸収層側での圧縮応力を上部電極層側に向けて漸次応力開放するという作用があり、よって、光吸収層−上部電極間でのクラックが少なくな
り、光吸収層−上部電極層間におけるリークが低減され、変換効率が向上する。
また本発明の製造方法によれば、第1半導体層の光吸収層側の高分子密度化して、第1半導体層の根元から発生するクラックを抑制できる。
本実施形態の光電変換素子に係る光電変換素子の全体構成の斜視断面図である。 本実施形態の光電変換素子に係る一実施形態の層構成の断面模式図である。 本実施形態の光電変換素子に係る他の実施形態の層構成の断面模式図である。 本実施形態の光電変換素子に係るほかの実施形態の層構成の断面模式図である。 本実施形態の光電変換素子に係る表面の写真である。 本実施形態の光電変換素子に係る断面の写真である。 従来の光電変換素子に係る表面の写真である。 (a)は従来の光電変換素子に係る断面の写真であり、(b)および(c)は拡大写真である。 本発明における分子密度の測定方法を説明するためのものであり、(a)は写真代用図、(b)は断面模式図である。 従来の光電変換素子に係る層構成の断面模式図である。
以下、本発明の一実施形態を図面に基づいて説明する。
<光電変換素子>
図1のように光電変換装置は、基板の上に複数の光電変換素子を並設した構成を有する。
各光電変換素子20は、下部電極9と、光吸収層3と、第1半導体層1と、第2半導体層2と、上部電極層5、7と、グリッド電極8とを主として備える。
光電変換装置21においては、上部電極層5、7およびグリッド電極8が設けられた側の主面が受光面側となっている。
<基板>
基板1は、複数の光電変換素子20を支持するためのものである。基板1に用いられる材料としては、ガラス、セラミックス、樹脂、および金属などが挙げられる。ここでは、基板1として、厚さ1〜3mm程度の青板ガラス(ソーダライムガラス)が用いられているものとする。
<下部電極>
下部電極層2は、基板1の一主面上に設けられた、Mo、Al、Ti、Ta、またはAuなどの金属、あるいはこれらの金属の積層構造体からなる導体である。
下部電極層2は、スパッタリング法または蒸着法などの公知の薄膜形成方法を用いて、0.2〜1μm程度の厚みに形成される。
<光吸収層>
光吸収層3は、下部電極層9の上に設けられた、カルコパライト系(以下CIS系とも言う)のI−III−VI族化合物からなる、p型の導電型を有する半導体層である。この光吸収層4は、1〜3μm程度の厚みを有している。
ここで、I−III−VI族化合物とは、I−B族元素と、III−B族元素とVI−B族元素(換言すれば、11族元素、13族元素、16族元素ともいう)との化合物であり、本実施形態としては、Cu(In、Ga)Se(以下、CIGSとも言う)などが挙げられる。
このような光吸収層3については、スパッタ法、蒸着法などのいわゆる真空プロセスによって形成可能であるほか、光吸収層4の構成元素を含む溶液を下部電極層9の上に塗布し、その後、乾燥・熱処理を行う、いわゆる塗布法あるいは印刷法と称されるプロセスによって形成することもできる。
<第1半導体層>
第1半導体層4aは、該光吸収層3の導電型とは異なるn型の導電型を有するとともに、II−B族元素およびVI−B族元素を含む半導体層である。
第1半導体層4aは、光吸収層3がI−III−VI族化合物半導体によって構成される場合に、光吸収層3とヘテロ接合する態様で設けられる。
光電変換素子20では、このヘテロ接合を構成する光吸収層3または第1半導体層4aとにおいて光電変換が生じる。
また、本実施形態においては、第1半導体層4aはCBD法(ケミカルバス成膜法)によって、例えばCdS、ZnS系の組成で構成され、1〜30nmの厚みに形成されることが好ましい。
<第2半導体層>
第2半導体層4bは、光吸収層3の導電型とは異なるn型の導電型を有するとともに、III−B族元素およびVI−B族元素を含む半導体層である。
また、本実施形態においては、第2半導体層4bはスパッタ法、蒸着法などによって形成されることが好ましい。
このような第2半導体層4bの存在によって、上部電極層7と光吸収層3との間におけるリーク電流の発生が抑制される。
<上部電極層>
上部電極層7は、第1半導体層4a、第2半導体層4bの上に設けられた、n型の導電型を有する透明導電膜である。
上部電極層7は、光電変換層において生じた電荷を第1半導体層4aまたは第2半導体層4bを介して取り出す電極として設けられており、上部電極層7は第1半導体層4aおよび第2半導体層4bよりも低い抵抗率を有する物質、例えば錫を含んだ酸化インジウム(ITO)などによって構成され、スパッタ法、蒸着法などによって形成される。
なお、第1半導体層4a、第2半導体層4b、上部電極層7は、光吸収層3が吸収する光の波長領域に対して光透過性を有する物質によって構成されることが好ましく、また、第1半導体層4a、第2半導体層4b、上部電極層7は、絶対屈折率が略同一であることが好ましい。これにより、光吸収層3での光の吸収効率の低下が抑制される。
<グリッド電極>
グリッド電極8はAgなどの金属からなる集電部8aと連結部8b(不図示)とからな
り、光電変換素子20において発生して上部電極層7において取り出された電荷を集電する役割を担う。これにより上部電極層7の薄層化が可能となる。
グリッド電極8は、導電性と、光吸収層3への光透過性とを考慮すると、50〜400μmの幅を有することが好ましい。
以下、本発明の一実施形態について詳細に説明する。
<第1実施形態>
本実施形態は、下部電極層上に設けられた、I−B族元素、III−B族元素およびVI−B族元素を含む光吸収層と、該光吸収層上に設けられた、II−B族元素およびVI−B族元素を含む第1半導体層とを有する光電変換素子であって、第1半導体層は、光吸収層側の方が第1半導体層の上部電極側よりも分子密度が高い。これにより、半導体層でのクラックを低減することができる。
図2のように光吸収層3の上に第1半導体層4a、上部電極層5が順に形成され、第1半導体層4aでは光吸収層3側の分子密度が高いことが模式的に示されている。
分子密度が高い部分である結晶質な領域の内部応力が、分子密度が低い部分である非晶質な領域や空隙へ開放されるという作用があるためクラックが低減される。
仮に図10のように、光吸収層3側から上部電極層5側にかけて、結晶性を維持している場合には、成膜による内部応力が開放されないままとなり、さらに、隣接する光吸収層3や上部電極層5との格子定数が不整合であることにより、界面を起点とするクラックが発生し易くなる場合が多くなる。
ここで分子密度が高いとは、図9(a)の実際のTEM画像、図9(b)の模式図にて示すように、所定範囲における分子9の密度が高いことを意味するものである。
図9(a)において、分子9とは球状体に見える粒の一つ一つであり、点線の所定領域内において、この球状体の粒の数をカウントすることで分子密度を測定することができる。
カウントされる分子9の径は、0.3−0.4nmであり、点線で示した所定範囲は5nm四方である。
図9(a)のTEM写真において、分子9以外の領域は空隙あるいは非晶質部分であり、空隙では応力が緩和され、非晶質部分では応力が生じずらい。
図9のように、分子が結晶配列しているエピタキシャルな領域では分子密度は高くなるが、アモルファスな領域では、分子2として確認できる数は少なくなり、分子密度は低くなる。
<第2実施形態>
本実施形態は、光吸収層と第1半導体層との間にIII−B族元素およびVI−B族元素を含む第2半導体層をさらに有する。
図3のように光吸収層3の上に第2半導体層4b、第1半導体層4a、上部電極層5が順に形成され、第1半導体層4aでは第2半導体層4b側の分子密度が高いことが模式的に示されている。
ここで第2半導体層4bは、光吸収層3の信頼性向上および製造時の損傷を低減するために設けられるものである。
第1半導体層4aの内部応力は、密度が低くなる上部電極層5側に解放されるため、密度が高い第2半導体層4b側での内部応力を低減することができ、第2半導体層4bでのクラックを低減することができる。
<第3実施形態>
本実施形態は、第1半導体層上にIII−B族元素およびVI−B族元素を含む第2半導体層をさらに有する。
図4のように光吸収層3の上に第1半導体層4a、第2半導体層4b、上部電極層5が順に形成され、第1半導体層4aでは光吸収層3側の分子密度が高いことが模式的に示されている。
ここで第2半導体層4bは、光吸収層3および第1半導体層4aの信頼性向上および製造時の損傷を低減するために設けられるものである。
第1半導体層4aの内部応力は、密度が低くなる上部電極層5側の方向に解放され緩和されていくので、第2半導体層4b側へ内部応力が伝播することを低減することができ、第2半導体層4bでのクラックを低減することができる。
以上によれば、第1半導体層4aの光吸収層3側での圧縮応力を上部電極層5側に向けて漸次応力を開放することができる。
よって、第1半導体層4aでのクラック11が少なくなり、光吸収層3と上部電極層5との間によるリークが低減されるので、変換効率を向上することができる。これにより、例えば図5、6のようにクラック11が殆ど確認されない光電変換素子20を得ることができる。
さらに上述の第1−3実施形態においては、第1半導体層におけるII−B族元素の組成が50〜65原子%であり、VI−B族元素の組成が35〜50原子%である。これにより、光電変換効率を最大にし易く好ましい。ここでII−B族元素の濃度と、VI−B族元素の濃度との和は100原子%である必要はなく、他の添加物が混ざっていてもよい。
<光電変換素子の製造方法>
次に、上記構成を有する光電変換装置の製造プロセスについて説明する。
以下においては、I−III−VI族化合物半導体からなる光吸収層4(例えば、Cu、In、GaおよびSeを含むCIGS等)が塗布法を用いて形成され、さらに、第1半導体層4a、第2半導体層4b、上部電極層5が形成される場合を例として説明する。
なお便宜上、各層の形成についてのみの説明とし、溝部の形成方法の説明などについては省略する。
洗浄された基板1の略前全面に、スパッタ法でMoからなる下部電極層2が成膜される。
下部電極層2上に光吸収層3と第1半導体層4aとが順次形成される。
下部電極層2が形成された後、光吸収層3として、光吸収層3を形成するための溶液が下部電極層2の表面に塗布され、乾燥によって被膜が形成された後、該被膜が熱処理されることで形成される。
光吸収層3を形成するための溶液は、カルコゲン元素含有機化合物と塩基性有機溶剤とを含む溶媒に、I−B族金属およびIII−B族金属を直接溶解することで作成され、I−B族金属およびIII−B族金属の合計濃度が10重量%以上の溶液とされる。
なお、溶液の塗布にはスピンコーター、スクリーン印刷、ディッピング、スプレー、ダイコータなど様々な方法の適用が可能である。
カルコゲン元素含有有機化合物とは、カルコゲン元素を含む有機化合物である。
カルコゲン元素としては、VI−B族元素のうちのS、Se、Teをいう。カルコゲン元素含有有機化合物としては、例えば、チオール、スルフィド、セレノール、テルノール等が挙げられる。
金属を混合溶媒に直接溶解させるというのは、単体金属または合金の地金を、直接、混合溶媒に混入し、溶解させることをいう。乾燥は、還元雰囲気下で行われることが望ましい。乾燥温度は例えば、50〜300℃である。
熱処理は、酸化防止のために水素雰囲気や窒素雰囲気などの還元雰囲気下で行われることが望ましい。熱処理温度は、例えば、400〜600℃である。
光吸収層3が形成された後、第1半導体層4aはCBD法(ケミカルバス成膜法)によって形成されるが、Znが通過し易く、かつ、光吸収層3を後工程のスパッタリングによるダメージから保護できる程度の厚みであることが好ましい。
第1半導体層4aが形成された後、第2半導体層4bとしてIII−B族元素およびVI−B族元素を含む半導体層(例えばInS系)がスパッタ法、蒸着法で形成される。
本発明の実施形態においては、第2半導体層4bが形成された後、上部電極層5として錫を含んだ酸化インジウム(ITO)などがスパッタ法、蒸着法で形成される。
上部電極層5が形成された後、グリッド電極8がAgなどの金属粉を樹脂バインダーなどに分散させた導電性ペーストをパターン状に印刷し、これを乾燥固化することで形成される。
以下、本実施形態の光電変換素子の製造方法について詳細に説明する。
本実施形態の光電変換素子の製造方法は、II−B族元素とVI−B族元素とを含むアルカリ水溶液を用いたCBD法によって第1半導体層を成膜する際に、II−B族元素の濃度よりもVI−B族元素の濃度が高くなるように維持しつつ、アルカリ水溶液の温度を単調増加して上昇するように制御する。これにより成膜速度を低速から高速にしていくこととなり、初期段階において、第1半導体層4aの光吸収層3側を高分子密度化することができ、第1半導体層4aの根元から発生するクラック11を抑制できる。
さらに本実施形態の光電変換素子の製造方法は、アルカリ水溶液のモル濃度を2〜3.5mol/Lとする。ここでいうモル濃度とはアルカリ成分のモル濃度を指す。
さらに本実施形態の光電変換素子の製造方法は、アルカリ水溶液の温度を20〜60℃とする。ここでアルカリ水溶液の温度の単調増加はこの範囲でなされるものである。
以上のようなアルカリ成分のモル濃度、アルカリ水溶液の温度の範囲であれば、第1半導体層4aの光吸収層3側がさらに高分子密度化して、第1半導体層4aの根元から発生するクラック11がさらに低減された光電変換素子20を得ることができる。
さらに本実施形態の光電変換素子の製造方法は、アルカリ水溶液としてアンモニア水溶液を用いる。好ましくはpH10〜12程度で制御すれば、光電変換素子20を安定して得ることができる。
(試料作製)
試料の作製について、光吸収層3は組成Cu0.9In0.6Ga0.3Se1.9とし厚さ約200nm、上部電極層5はITOとし厚さ80nmとした。
実施例No1−45については表1−3の条件で作製した。ここで、表1は図2の第1実施形態の構成に対応するものであり、表2は図3の第2実施形態の構成、表3は図4の第3実施形態の構成に対応するものである。
そして、第1実施形態の第1半導体層4aはCdSとし、第2実施形態および第3実施形態の第1半導体層4aはCdS、第2半導体層4bはInSとした。
第1半導体層4aの製造方法はCBD法により、CdとSとを含むアンモニア水溶液を用い、アルカリ水溶液の温度を10〜70℃の範囲内で毎分2〜3℃の昇温速度で単調に増加させた。
アンモニア水溶液のモル濃度は2〜3.5mol/Lであり、Cd源をCdI、S源をSC(NHとしてCdの濃度よりもSの濃度が高くなるように設定した。ここで表1のNo11から15、表2のNo26から30、表3のNo41から45にかけては、それぞれCdの濃度よりもSの濃度が低くなるようにCdI、SC(NHの濃度条件を変えて作製している。
(試料評価)
分子密度の評価方法はTEMにより、第1半導体層4aの上下界面付近について、5nm四方の領域における最大径0.3nm以上の分子9の数をカウントすることで評価した。
(評価結果)
(実施例1)
以下、光吸収層3と、光吸収層3上に設けられた、第1半導体層4aとを有する光電変換素子(第1実施形態)の評価結果を表1に示す。
実施例No1−15によれば、従来例No46の変換効率が5%であるのに対して、少なくとも10%以上を確保しており、特に試料2−4、7−9、12−14では、さらに優れた変換効率を示した。これは第1半導体層4aの光吸収層3側でクラック11の起点が発生していないことによる効果と考えられる。
なお、実施例No3、8、13は、同一条件で作製したものである。また、従来例No46は、第1半導体層4aの密度が同じであり、特許文献2と同様の条件で作製したものである。
(実施例2)
次に、光吸収層3と第1半導体層4aとの間に第2半導体層4bをさらに有する光電変換素子(第2実施形態)の評価結果を表2に示す。
実施例16−30によれば、従来例No47の変換効率が5%であるのに対して、少なくとも10%以上を確保しており、特に試料17−19、22−24、27−29では、さらに優れた変換効率を示した。これは第1半導体層4aの光吸収層3側でクラック11の起点が発生していないことによる効果と考えられる。
なお、実施例No18、23、28と、については、同一条件で作製したものである。また、従来例No47は、第1半導体層4aの密度が同じであり、特許文献2と同様の条件で作製したものである。
(実施例3)
次に、光吸収層3、光吸収層3上に設けられた第1半導体層4a上に第2半導体層4bをさらに有する光電変換素子(第3実施形態)の評価結果を表3に示す。
実施例31−45によれば、従来例No48の変換効率が5%であるのに対して、少なくとも10%以上を確保しており、特に試料32−34、37−39、42−44では、さらに優れた変換効率を示した。これは第1半導体層4aの光吸収層3側でクラック11の起点が発生していないことによる効果と考えられる。
なお、実施例No33、38、43については、同一条件で作製したものである。また、従来例No48は、第1半導体層4aの密度が同じであり、特許文献2と同様の条件で作製したものである。
(考察)
以上、表1〜3の結果により、特に温度範囲については20〜60℃の範囲で単調増加するのがよいことがわかる。
これは温度が低すぎると分子密度が高くなりすぎて密になるため、光吸収層3側における圧縮応力でクラックが発生し易く、また温度が高すぎると分子密度が低くなりすぎて粗になるため、上部電極5側で強度が弱くなることによると考えられる。
1:基板
2:下部電極層
3:光吸収層
4:半導体層
4a:第1半導体層
4b:第2半導体層
5、7:上部電極層
8:グリッド電極
9:分子
20:光電変換素子
21:光電変換装置
11:クラック

Claims (8)

  1. 下部電極層上に設けられた、I−B族元素、III−B族元素およびVI−B族元素を含む光吸収層と、該光吸収層上に設けられた、II−B族元素およびVI−B族元素を含む第1半導体層とを有する光電変換素子であって、
    前記第1半導体層は、前記光吸収層側の方が前記第1半導体層の上部電極側よりも分子密度が高い光電変換素子。
  2. 前記光吸収層と前記第1半導体層との間にIII−B族元素およびVI−B族元素を含む第2半導体層をさらに有する請求項1に記載の光電変換素子。
  3. 前記第1半導体層上にIII−B族元素およびVI−B族元素を含む第2半導体層をさらに有する請求項1に記載の光電変換素子。
  4. 前記第1半導体層における前記II−B族元素の組成が50〜65原子%であり、前記VI−B族元素の組成が35〜50原子%である請求項1〜3のいずれかに記載の光電変換素子。
  5. 請求項1〜3のいずれかに記載の光電変換素子の製造方法であって、
    II−B族元素とVI−B族元素とを含むアルカリ水溶液を用いたCBD法によって前記第1半導体層を成膜する際に、
    前記II−B族元素の濃度よりも前記VI−B族元素の濃度が高くなるように維持しつつ、
    前記アルカリ水溶液の温度を単調増加して上昇するように制御する光電変換素子の製造方法。
  6. 前記アルカリ水溶液のモル濃度を2〜3.5mol/Lとする請求項5に記載の光電変換素子の製造方法。
  7. 前記アルカリ水溶液の温度を20〜60℃とする請求項5または6に記載の光電変換素子の製造方法。
  8. 前記アルカリ水溶液としてアンモニア水溶液を用いる請求項5〜7のいずれかに記載の光電変換素子の製造方法。
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Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2014112633A (ja) * 2012-11-06 2014-06-19 Showa Shell Sekiyu Kk 化合物系薄膜太陽電池及びその製造方法

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2014112633A (ja) * 2012-11-06 2014-06-19 Showa Shell Sekiyu Kk 化合物系薄膜太陽電池及びその製造方法

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