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JP2012094797A - 半導体装置及びその製造方法 - Google Patents

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JP2012094797A JP2010243077A JP2010243077A JP2012094797A JP 2012094797 A JP2012094797 A JP 2012094797A JP 2010243077 A JP2010243077 A JP 2010243077A JP 2010243077 A JP2010243077 A JP 2010243077A JP 2012094797 A JP2012094797 A JP 2012094797A
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安弘 武田
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Abstract

【課題】製造工程数を増加させることなく、ESD保護素子としてのLDMOSトランジスタのスナップバック電圧をESD被保護素子としてのLDMOSトランジスタのスナップバック電圧より低くし、且つESD保護素子としてのLDMOSトランジスタの熱破壊電流値をスナップバック電圧の改善前より大きくする。
【解決手段】 ESD保護素子としてのLDMOSトランジスタ32は、N型エピタキシャル層3と、N+型埋め込み層2と、N型エピタキシャル層3の表面に形成されたドリフト層11と、エピタキシャル層3の表面に形成されたP型のボディ層10と、Pボディ層10の表面に形成されたN+型ソース層14と、エピタキシャル層3の表面上に形成されたゲート絶縁膜5、6と、ゲート絶縁膜5、6上に形成されたゲート電極8と、を具備し、N+型ソース層14の下方のボディ層10の底部にP型ボディ層窪み部10aが形成されている。
【選択図】 図1

Description

本発明は、半導体装置及びその製造方法に関し、特にLDMOSトランジスタ及びそのESD保護特性にすぐれたESD保護素子及びその製造方法に係るものである。
LDMOSトランジスタは、IGBTと共に、バイポーラ型のパワートランジスタに比べてスイッチング特性が優れ特性も安定し使いやすいことからDC−DCコンバータなどのスイッチング電源や照明機器のインバータ回路、モーターのインバータ回路等に広く使用されている。なお、LDMOSとは、Lateral Double Diffused Metal Oxide Semiconductorの略称で横型二重拡散ゲートMOSを意味する。また、ESDとはElectro−Static Dischargeの略称である。
従来から、ESD対策として半導体装置の保護回路が組み込まれた種々の半導体装置が提案されている。例えば、典型的には図15に示すように、入出力端子50と電源ライン51間にPN接合ダイオード52を接続し、入出力端子50と接地ライン53間にPN接合ダイオード54を接続し、電源ライン51と接地ライン53の間にPN接合ダイオード55を接続することにより、内部回路56の保護が行われていた。
しかしながら、高速化の要求等から構成素子の微細化が進展するにつれ半導体装置の静電破壊耐性が弱くなり、より適切なESD保護素子の採用が不可欠になってきた。高耐圧素子としてのMOS型トランジスタと低耐圧素子としてのNPNバイポーラトランジスタを内蔵するBiCMOS型集積回路において、低耐圧NPNトランジスタをESD保護素子とする内容とその問題点及び解決方法が以下の特許文献1に開示されている。
また、電源ラインと接地ライン間にPN接合ダイオードの代わりベース・エミッタ間を抵抗で接続したNPNバイポーラトランジスタをESD保護素子として使用する内容が特許文献2に開示されている。MOS型トランジスタをESD保護素子とした場合、そのスナップバック電圧を低下させ、ESD保護特性を改善する内容が特許文献3に開示されている。
なお、スナップバック電圧については後述するが、大きな静電気サージが入出力端子等に印加されたとき、該静電気を接地ラインに逃がし始めるトリガー電圧である。保護素子のスナップバック電圧が被保護素子のスナップバック電圧より低ければ、保護素子を通して静電気を接地ラインに逃がせるので被保護素子は静電気から保護される。
特開2006−128293号公報 特開平05−90481号公報 特開平06−177328号公報
半導体装置内に形成されたLDMOSトランジスタ、特に出力段に使用されるLDMOSトランジスタには大きな静電気が入力する場合があるのでESD保護素子で保護する必要がある。この場合、該LDMOSトランジスタよりスナップバック電圧の低い、同じ構造のLDMOSトランジスタをESD保護素子として、被保護素子である該LDMOSトランジスタと並列に接続する方法がある。
ESD保護素子としてのLDMOSトランジスタのスナップバック電圧を被保護素子としてのLDMOSトランジスタのスナップバック電圧より低くするためには、ESD保護素子側のN−型ドリフト層の不純物濃度を高くし、それによりドレイン・ソース間絶縁破壊電圧BVDSを低下させる等の対策が必要となる。ドレイン・ソース間絶縁破壊電圧BVDSが低くなればスナップバック電圧は低くなる。
この場合、ESD保護素子と被保護素子のN−型ドリフト層の不純物濃度を変える必要があるためイオン注入用フォトレジストマスクパターンをそれぞれ用意する必要がある。即ち、フォトマスク枚数が増え製造工程数が増加することになりコストアップ、工期が長くなるという問題が生じる。係るコストアップ等の問題を起こすことなくESD保護素子のスナップバック電圧を低下させることが課題となる。
本発明の半導体装置は、静電気被保護素子としての第1のMOSトランジスタと、前記第1のMOSトランジスタに並列に接続された静電気保護素子としての第2のMOSトランジスタを含む半導体装置であって、前記第1及び第2のMOSトランジスタは、第1導電型の半導体基板と、前記半導体基板上に形成された第2導電型のエピタキシャル層と、前記半導体基板と前記エピタキシャル層の境界領域に形成された第2導電型の埋め込み層と、前記エピタキシャル層の表面に形成された第2導電型のドリフト層と、前記ドリフト層の表面に形成されたドレイン層と、前記エピタキシャル層の表面に形成された第1導電型のボディ層と、前記ボディ層の表面に形成された第2導電型のソース層と、前記エピタキシャル層の表面上に形成されたゲート絶縁膜と、前記ゲート絶縁膜上に形成されたゲート電極と、を具備し、前記第2のMOSトランジスタの前記ソース層の下方の前記ボディ層の底部に窪み部が形成され、前記第1のMOSトランジスタの前記ソース層の下方の前記ボディ層の底部には窪み部が形成されていないことを特徴とする。
本発明の半導体装置は、静電気被保護素子としてのMOSトランジスタと、前記第1のMOSトランジスタに並列に接続された静電気保護素子としてのバイポーラトランジスタを含む半導体装置であって、第1導電型の半導体基板と、前記半導体基板上に形成された第2導電型のエピタキシャル層と、前記半導体基板と前記エピタキシャル層の境界領域に形成された第2導電型の埋め込み層と、を備え、前記MOSトランジスタは、前記エピタキシャル層の表面に形成された第2導電型のドリフト層と、前記ドリフト層の表面に形成された第2導電型のドレイン層と、前記エピタキシャル層の表面に形成された第1導電型のボディ層と、前記ボディ層の表面に形成された第2導電型のソース層と、前記エピタキシャル層の表面上に形成されたゲート絶縁膜と、前記ゲート絶縁膜上に形成されたゲート電極と、を具備し、前記バイポーラトランジスタは、前記エピタキシャル層の表面に形成された第1導電型のベース層と、前記ベース層の表面に形成された第2導電型のエミッタ層と、前記エピタキシャル層の表面から前記埋め込み層内まで延在する第2導電型のコレクタ引き出し層と、を具備し、前記バイポーラトランジスタの前記エミッタ層の下方の前記ベース層の底部に窪み部が形成され、前記MOSトランジスタの前記ソース層の下方の前記ボディ層の底部には窪み部が形成されていないことを特徴とする。
また、本発明の半導体装置の製造方法は、静電気被保護素子としての第1のMOSトランジスタと、前記第1のMOSトランジスタに並列に接続された静電気保護素子としての第2のMOSトランジスタを含む半導体装置の製造方法であって、第1導電型の半導体基板上に第2導電型の埋め込み層を形成する工程と、前記埋め込み層が形成された前記半導体基板上に第2導電型のエピタキシャル層を形成する工程と、前記エピタキシャル層の表面に第2導電型のドリフト層を形成する工程と、前記ドリフト層の表面にドレイン層を形成する工程と、前記エピタキシャル層の表面にレジストマスクの開口部から不純物を斜めイオン注入して第1導電型のボディ層を形成する工程と、前記ボディ層の表面に第2導電型のソース層を形成する工程と、前記エピタキシャル層の表面に、前記ソース層の端部上から前記ドリフト層の端部上まで延在するゲート絶縁膜を形成する工程と、前記絶縁膜上にゲート電極を形成する工程と、を具備し、前記ボディ層を形成する工程において、前記レジストマスクのイオン注入に対する遮蔽効果により、前記第2のMOSトランジスタの前記ソース層の下方の前記ボディ層の底部に窪み部が形成され、前記第1のMOSトランジスタの前記ソース層の下方の前記ボディ層の底部には窪み部が形成されていないことを特徴とする。
また、本発明の半導体装置の製造方法は、静電気被保護素子としてのMOSトランジスタと、前記MOSトランジスタに並列に接続された静電気保護素子としてのバイポーラトランジスタを含む半導体装置の製造方法であって、第1導電型の半導体基板上に第2導電型の埋め込み層を形成する工程と、前記埋め込み層が形成された前記半導体基板上に第2導電型のエピタキシャル層を形成する工程と、を有し、前記MOSトランジスタは、前記エピタキシャル層の表面に第2導電型のドリフト層を形成する工程と、前記ドリフト層の表面にドレイン層を形成する工程と、前記エピタキシャル層の表面にレジストマスクの開口部から不純物を斜めイオン注入して第1導電型のボディ層を形成する工程と、前記ボディ層の表面に第2導電型のソース層を形成する工程と、前記エピタキシャル層の表面に、前記ソース層の端部上から前記ドリフト層の端部上まで延在するゲート絶縁膜を形成する工程と、前記絶縁膜上にゲート電極を形成する工程と、を具備し、前記バイポーラトランジスタは、前記ボディ層の形成と同時に前記エピタキシャル層の表面にレジストマスクの開口部から不純物を斜めイオン注入して第1導電型のベース層を形成する工程と、前記ドレイン層の形成と同時に前記ベース層の表面に第2導電型のエミッタ層を形成する工程と、前記エピタキシャル層の表面から前記埋め込み層内まで延在する第2導電型のコレクタ引き出し層を形成する工程と、を具備し、前記バイポーラトランジスタの前記エミッタ層の下方の前記ベース層の底部に窪み部が形成され、前記MOSトランジスタの前記ソース層の下方の前記ボディ層の底部には窪み部が形成されていないことを特徴とする。
本発明による半導体装置及びその製造方法によれば、ESD保護素子のスナップバック電圧を、工程数を増加させることなく、ESD被保護素子としてのLDMOSトランジスタのスナップバック電圧より低くすることができ、且つ該ESD被保護素子の熱破壊電流をスナックバック電圧の改善前に比べて大きくすることができる。
本発明の第1、第2の実施形態におけるESD保護素子としてのLDMOSトランジスタ及びその製造方法を示す断面図である。 本発明の第1、第2の実施形態におけるESD被保護素子としてのLDMOSトランジスタ及びその製造方法を示す断面図である。 本発明の第1、第2の実施形態におけるESD保護素子及びESD被保護素子としてのLDMOSトランジスタのソース・ドレイン間電圧VDsと電流Iの関係を示す図である。 本発明の第1の実施形態におけるバックゲート層の幅とドレイン・ソース間絶縁破壊電圧BVDsの関係を示すグラフである。 被保護素子としてのLDMOSトランジスタと保護素子としてのLDMOSトランジスタの配置を示す回路図である。 被保護素子としてのLDMOSトランジスタと保護素子としてのLDMOSトランジスタの配置を示す回路図である。 P+型ボディ層形成のためのイオン注入用のフォトレジストマスク高さH/マスク幅S(アスペクト比)とスナップバック電圧の関係を示すための断面図及びその関係を示す図ある。 本発明の第1の実施形態におけるESD保護素子及びESD被保護素子としてのLDMOSトランジスタの製造方法を示す断面図である。 本発明の第1の実施形態におけるESD保護素子としてのLDMOSトランジスタの製造方法を示す断面図である。 本発明の第1の実施形態におけるESD被保護素子としてのLDMOSトランジスタの製造方法を示す断面図である。 本発明の第1の実施形態におけるESD保護素子としてのLDMOSトランジスタの製造方法を示す断面図である。 本発明の第1の実施形態におけるESD被保護素子としてのLDMOSトランジスタの製造方法を示す断面図である。 本発明の第2の実施形態におけるESD保護素子及びESD被保護素子としてのLDMOSトランジスタの製造方法を示す断面図である。 本発明の第3の実施形態におけるESD保護素子としてのバイポーラトランジスタを示す断面図である。 従来の一般的なPN接合ダイオードを利用したESD保護回路の回路図である。
〔第1の実施形態〕
本実施形態に係るESD保護素子及びESD被保護素子としてのLDMOSトランジスタからなる半導体装置について図1〜図6に基づいて、以下に説明する。図5、図6にESD保護素子及びESD被保護素子としてのLDMOSトランジスタを含む出力回路の回路図を示す。
図5の回路では、出力段は、ESD被保護素子として、2つのNチャネル型のLDMOSトランジスタ30,31を電源端子34と接地端子の間に直列接続して構成されている。LDMOSトランジスタ30,31に、保護素子としてのNチャネル型のLDMOSトランジスタ32,33がそれぞれ並列に接続されている。この場合、LDMOSトランジスタ30、32のドレインには電源端子34から電源電位が印加され、それらのソースは出力端子35に接続されている。LDMOSトランジスタ32のゲートとソースとは共通接続されている。LDMOSトランジスタ31,33のソースには接地端子から接地電位が印加され、それらのドレインは出力端子35に接続されている。LDMOSトランジスタ33のゲートとソースとは共通接続されている。そして、LDMOSトランジスタ30,31のゲートには、駆動回路36から駆動信号がそれぞれ印加される。
図6の回路では、出力段は、ESD被保護素子として、Pチャネル型のLDMOSトランジスタ30PとNチャネル型のLDMOSトランジスタ31を電源端子34と接地端子の間に直列接続して構成されている。LDMOSトランジスタ30P,31に保護素子としてのPチャネル型のLDMOSトランジスタ32P、Nチャネル型のLDMOSトランジスタ32がそれぞれ並列に接続されている。この場合、LDMOSトランジスタ30P、32のソースには電源端子34から電源電位が印加され、それらのドレインは出力端子35に接続されている。LDMOSトランジスタ32Pのゲートとソースとは共通接続されている。LDMOSトランジスタ31,33のソースには接地端子から接地電位が印加され、それらのドレインは出力端子35に接続されている。LDMOSトランジスタ33のゲートとソースとは共通接続されている。そして、LDMOSトランジスタ30P,31のゲートには、駆動回路36から駆動信号がそれぞれ印加される。
いずれの回路においても、ESD保護素子としてのLDMOSトランジスタのスナップバック電圧Vt1は、ESD被保護素子としてのLDMOSトランジスタのスナップバック電圧VT1より低くなければならない。出力端子35と電源端子34間、または出力端子35と接地端子間に大きな静電気によるサージ電圧が入った場合、ESD保護素子側にサージ電流が流れるようにしてESD被保護素子としてのLDMOSトランジスタ30、30P、31を静電破壊から保護するためである。
以下、ESD保護素子としてのNチャネル型のLDMOSトランジスタ32,33(同一構造を有する)と、ESD被保護素子としてのLDMOSトランジスタ30、31(同一構成を有する)の構造を説明する。Pチャネル型のLDMOSトランジスタ30P、32Pについても、導電型を逆に構成すれば同様である。
図1は、ESD保護素子としてのLDMOSトランジスタ32の断面図である。図示のように、P型半導体基板1の表面にN型エピタキシャル層3が形成されている。N型エピタキシャル層3とP型半導体基板1の境界領域には、N+型埋め込み層2がN型エピタキシャル層3とP型半導体基板1に跨って形成される。N型エピタキシャル層2はP+型分離層4によって複数の領域に分離される。
P+型分離層4によって分離されたN型エピタキシャル層3の表面には、N−型ドリフト層11及びP型ボディ層10が形成される。N−型ドリフト層11の表面にはN+型ドレイン層15が形成されている。P型ボディ層10の表面にはN−型ソース層12及びN+型ソース層14が形成される。また、N+型ソース層14が形成されていないP型ボディ層10の表面に、不図示のP+型コンタクト層が形成されている。
そして、N−型ソース層12の端から、P型ボディ層10の表面のチャネル領域を経由して、N−型ドリフト層11の端まで延在する薄いゲート絶縁膜5が形成されている。この薄いゲート絶縁膜5と連続して、N−型ドリフト層11の端部上にゲート耐圧を確保するために厚いゲート絶縁膜6が形成されている。薄いゲート絶縁膜5及び厚いゲート絶縁膜6の上にはゲート電極8が形成されている。
また、ゲート電極8の側壁にはスペーサ13が形成されている。N+型ソース層14上及びN+型ドレイン層15上に形成されたシリサイド層16には、層間絶縁膜17に形成されたコンタクトホールを介してアルミニューム(Al)等からなるソース電極18、ドレイン電極19が形成されている。
図2は、ESD被保護素子としてのLDMOSトランジスタ30の断面図である。基本的には両LDMOSトランジスタ30,32を比較すると、P型ボディ層10の形状が異なる。ESD保護素子としてのLDMOSトランジスタ32においては、N+型ソース層14の下方のP型ボディ層10は、その底面にP型ボディ層窪み部10aを有している。一方、ESD被保護素子としてのLDMOSトランジスタ30には、P型ボディ層窪み部10aが存在せず、平坦である。即ち、ESD保護素子としてのLDMOSトランジスタ32では、N+型ソース層14の下方にP型ボディ層窪み部10aが形成されていることにより、ESD被保護素子としてのLDMOSトランジスタ30と比べて、この部分ではN+型ソース層14の底面とP型ボディ層10の底面との距離が狭くなっており、つまり、P型ボディ層10が薄くなっており、かつP型ボディ層10の不純物濃度も低くなっている。
このP型ボディ層窪み部10aは、P型ボディ層10形成のためのボロン(B)のイオン注入を、後述の図9に示すように、ゲート電極8及びレジスト層9をマスクとして斜め注入することにより形成することができる。
即ち、ESD保護素子としてのLDMOSトランジスタ32では、図1に示す2つのゲート電極8の間にP型ボディ層10形成のためのボロン(B)がイオン注入されるが、2つのゲート電極8の間隔が狭くなると、図9に示すレジストマスク9の幅も小さくなる。その結果、レジストマスク9の遮蔽効果によりP型ボディ層10の中心領域に注入されるボロン(B)の注入量が減り、N型エピタキシャル層3中のボロン濃度が低くなる。
一方、ESD被保護素子としてのLDMOSトランジスタ30では、図2に示すように、2つのゲート電極8の間隔が広くなるのでレジストマスク9の遮蔽効果が減少し中心領域にも一様にボロンが注入される。そのため、P型ボディ層10の底面にP型ボディ層窪み部10aは形成されない。
係る相違点のある両LDMOSトランジスタ30,32のドレイン電極19に静電気による大きな正電圧(サージ電圧)が印加された場合の動作の違いについて以下に詳述する。図2に示すESD被保護素子としてのLDMOSトランジスタ30では、ドレイン電極19に大きな正電圧が印加されるとN−型ドリフト層11内及びN型エピタキシャル層3内をN+型ドレイン層15に向かって空乏層が拡がる。N−型ドリフト層11等に比し高濃度のP型ボディ層10側には空乏層は拡がりにくい。
ソース電極18からN+型ソース層14を経由して空乏層に引き込まれた電子は、空乏層内の高電界によってN+型ドレイン層15に向かって加速され、ホットエレクトロン状態になる。ホットエレクトロンはN+型ドレイン層15近傍の高電界領域で格子と作用し多数の電子−正孔対を発生させる。
ドレイン・ソース間絶縁破壊電圧BVDSより大きな正電圧がN+型ドレイン層15に印加された場合は、アバランシェ絶縁破壊が起こり更に多数の電子−正孔対が発生する。この内、電子は正電位のN+型ドレイン層15に流れ込む。一方、正孔はP型ボディ層10側に向かって流れ該P型ボディ層10の表面に形成された不図示のP+型コンタクト層を経由してソース電極18に流れる。図3の点線Bに示すように、ドレイン・ソース間電圧VDSがBVDS以上のとき流れる電流である。
このとき、正孔の流れに沿ってP型ボディ層10内に電位勾配が生じ、該P型ボディ層10内にN+型ソース層14より電位の高い領域が発生する。その結果、N+型ソース層14の電位とP型ボディ層10の電位差が所定の電位差以上になるとN+型ソース層14をエミッタ、P型ボディ層10をベース、N+型ドレイン層15等をコレクタとする寄生NPNバイポーラトランジスタがオンする。
そのときのVDSがいわゆる第1スナップバック電圧VT1である。寄生NPNバイポーラトランジスタがオンするとVDSは、該寄生NPNバイポーラトランジスタのコレクタ・エミッタ間電圧VCEまで低下する。この電圧がいわゆる維持電圧Vである。その後、電流はコレクタ層であるN−型ドリフト層11等の抵抗に応じた勾配で増加して、不図示のいわゆる第2スナップバック電圧VT2を超えた時点でIT2以上の電流が流れLDMOSトランジスタは熱的に破壊する。
この一連の電流に係る電子電流は、図2で矢印⇒、矢印→で示すように主としてN型エピタキシャル層3の表面を流れる(⇒)。また、一部の電子電流はN型エピタキシャル層3の表面より深い領域を経由して流れる(→)。これは、ソース・ドレイン間絶縁破壊がN+型ドレイン層15近傍の高電界領域で起こり、そのとき発生した正孔が最短距離を通りP型ボディ層10方向を目指して移動するからである。
次に、ESD保護素子としてのLDMOSトランジスタ32に、静電気による大きな正電圧が印加された時の動作状態について、図1に基づいて説明する。このときも空乏層はP型ボディ層10より低濃度のN−型ドリフト層11、N型エピタキシャル層3に拡がる。しかし、図2の場合と異なり、P型ボディ層10のセンター領域に不純物濃度が他のP型ボディ層10の領域に比して低く、その深さも浅いP型ボディ層窪み部10aが形成されている。
このP型ボディ層窪み部10a領域では、不純物濃度が低いため空乏層が拡がりやすく、空乏層がN+型ソース層14と早期に連結状態になる。その結果、N+型ドレイン層15とN+型ソース層14は空乏層を介して接続され、いわゆるパンチスルー状態となる。図3の実線Aで示すように、ドレイン・ソース間電圧VDSがパンチスルー電圧Vになると、N+型ドレイン層15とN+型ソース層14間を電流が流れ始める。
次に、P型ボディ層10の電位が上がりN+型ソース層14との電位差が所定の値以上になると前述の寄生NPNバイポーラトランジスタがオンする。このときの電圧が図3の実線Aに示す第1スナップバック電圧Vt1である。寄生NPNバイポーラトランジスタがオンするとドレイン・ソース間電圧VDSはそのコレクタ・エミッタ間電圧VCEまでスナップバックする。
このVCEが維持電圧Vであり、この維持電圧Vは、ESD被保護素子としてのLDMOSトランジスタ30の点線Bで示す維持電圧Vより高い値を示している。前記パンチスルー現象によりエミッタであるN+型ソース層14からベースであるP型ボディ層10に向かって大量の電子が注入されるため電荷中性の条件によりベースであるP型ボディ層10の正孔が急増する。
その増加によりベース幅が拡がるという、いわゆるカーク効果が生じる結果と思われる。バイポーラトランジスタのコレクタ・エミッタ間電圧VCEはトランジスタの電流増幅率Hfeが大きくなると低下する。ESD保護素子に形成される寄生NPNバイポーラトランジスタの電流増幅率Hfeはベース幅が拡がった分だけ小さくなるのでVCEは高くなりVも高くなる。
その後、抵抗勾配に基づいて電流は増加し、第2スナップバック現象が起こる電流It2以上で保護素子としてのLDMOSトランジスタは熱破壊する。図1にESD保護素子としてのLDMOSトランジスタの電子電流経路を⇒、及び点線矢印で示す。P型ボディ層10のセンター領域のP型ボディ層窪み部10a近傍からその下方に向かって電子電流が流れる様子が示される。
即ち、パンチスルー現象によりP型ボディ層窪み部10a近傍からその下方に向かって流れる電子電流の多くは低抵抗層であるN+型埋め込み層2をN+型ドレイン層15方向に向かってその直下近傍まで流れ、そこから上方に向かってN+型ドレイン層15に流れ込む。
低抵抗のN+型埋め込み層を流れるためその部分での発熱量は、図1に示すような表面部分の高抵抗層を主として流れる場合と比べて少ない。また、より半導体装置の放熱部である裏面側に近いため、発熱した熱も放出しやすい。従って、熱破壊に至る電流It2を図2の場合のIT2に比べて大きくすることができる。
P型ボディ層窪み部10aは、当初、図7に示すように、同一マスクを使用し2つのゲート電極8間の幅を一定のまま、イオン注入のマスクとなるレジスト層9の膜厚を変えて形成した。レジスト層9の幅をS、その膜厚をHとした場合アスペクト比はH/Sとなる。アスペクト比の大きな図7(B)では、マスクであるレジスト層9の遮蔽効果によりP型ボディ層10のセンター領域のイオン注入量が減少し、P型ボディ層10の底面に不純物濃度の低いP型ボディ層窪み部10aが形成される。
図7(A)には、レジスト層9の膜厚Hが薄くアスペクト比が小さい場合のP型ボディ層10の底面の様子を示している。マスクとしてのレジスト層9の遮蔽効果が減少しP型ボディ層10のセンター領域にも一様にイオン注入がなされ、P型ボディ層10の底面が一様な深さに形成される。
アスペクト比H/Sとスナップバック電圧Vt1の関係を図7(C)に示す。イオン注入角が半導体基板に垂直方向から45°のとき、同図の実線で示すようにアスペクト比がある値より大きくなると急激にスナップバック電圧Vt1が低下し始める。即ちP型ボディ層10のセンター領域へのイオン注入量が減少し、P型ボディ層10の底面にP型ボディ層窪み部10aの形成が始まる。
点線で示すイオン注入角を30°にした時は、図7(C)のアスペクト比内では、イオン注入のマスクとなるレジスト層9の遮蔽効果が少なくP型ボディ層窪み部10aが形成されない。従って、スナップバック電圧Vt1の低下も見られない。
しかし、この方法では、ESD保護素子としてのLDMOSトランジスタ32とESD被保護素子としてのLDMOSトランジスタ30のイオン注入用レジスト層9の膜厚を変える必要がある。従って、イオン注入用マスク形成のためフォトリソグラフィ工程が2回必要になりコストアップ、工期増大をもたらすことになる。
そこで、アスペクト比H/SのH、即ちマスクとしてのレジスト層9の膜厚は一定のままとして、2つのゲート電極8の間隔を変えて、レジスト層9の幅Sを変化させることでアスペクト比を変えフォトリソグラフィ工程を1回で終了させることにする。幅Sを小さくすればアスペクト比を高くすることができ、幅Sを大きくすればアスペクト比を小さくすることができる。
2つのゲート電極8の間隔を変えてP型ボディ層10を形成することにより結果的にP型ボディ層10の幅が変わる。P型ボディ層10の幅はバックゲート層(BG層)の幅になる。BG層の幅とLDMOSトランジスタのドレイン・ソース間絶縁破壊電圧BVDSの関係を図4に示す。
BG層幅が大きくなるに従いドレイン・ソース間絶縁破壊電圧BVDSは高くなり、最後に所定の値に集束飽和する。これを図7(C)と比較してみる。図4のBG層幅を大きくするということは図7(C)では分母のSを大きくすることに相当する。即ち、アスペクト比は小さくなる。アスペクト比が小さくなると図7でもスナップバック電圧が上昇しており同様の結果を示す。
図4に示すように、BG層幅を所定の値に設計することにより、ESD被保護素子としてのLDMOSトランジスタより低く、絶対最大定格より高いドレイン・ソース間絶縁破壊電圧BVDSを有するESD保護素子としてのLDMOSトランジスタを実現することができる。ドレイン・ソース間絶縁破壊電圧BVDS値に関係したスナップバック電圧Vt1が得られる。
次に、本実施形態におけるESD保護素子とESD被保護素子とからなるLDMOSトランジスタの製造方法について、図1、図2及び図8〜図12に基づいて以下に説明する。先ず、図8に示すように、P型半導体基板1を準備し、該P型半導体基板1の所定の領域に所定の方法によりN+型埋め込み層2及びP+型分離層4のためのP+型層を形成する。
次に、該N+型埋め込み層2等が形成されたP型半導体基板1上にN型エピタキシャル層3を所定のエピタキシャル法により堆積する。次に、エピタキシャル層3の所定の領域にP+型分離層4の形成のためP+型層を形成してから、所定の熱処理工程を経てエピタキシャル層3を多数の領域に分離するP+型分離層4を形成する。また、P+分離層4上等の所定の領域に所定の方法により素子分離絶縁膜7を形成する。
次に、N型エピタキシャル層3上に所定の方法で厚いゲート絶縁膜6を形成してから、その一部領域を所定の方法でエッチング除去する。その後、露出したN型エピタキシャル層3上に薄いゲート絶縁膜5を所定の方法により形成する。
次に、図9、図10に示すように、ゲート絶縁膜5、6上を被覆するポリシリコン膜を所定のCVD法により堆積し、その後所定のフォトエッチング工程を経てゲート電極8を形成する。
図9及び後述する図11は、図1のESD保護素子としてのLDMOSトランジスタ32の製造方法を示す断面図である。図10及び後述する図12は、図2のESD被保護素子としてのLDMOSトランジスタ30の製造方法を示す断面図である。図8のゲート絶縁膜5の幅も両LDMOSトランジスタ30,32では異なる。
ESD保護素子としてのLDMOSトランジスタ32では、2つのゲート電極8間の幅が狭くP型ボディ層10にP型ボディ層窪み部10aが形成され、前述のパンチスルー現象が発生するよう構成される。ESD被保護素子としてのLDMOSトランジスタ32では、2つのゲート電極8の間の幅が広く、P型ボディ層10の底面がP型ボディ層窪み部10aを持たないように構成される。
次に、P型ボディ層10形成のためレジスト層9をイオン注入用マスクとしてボロン(B)を半導体基板1に垂直方向から所定の角度でイオン注入する。本実施形態では45°の角度で注入した。図9の場合は、レジスト層9の開口幅が狭いことからアスペクト比が大きくなりP型ボディ層10の中央領域にP型ボディ層窪み部10aが形成される。それに対して、図10の場合はレジスト層9の開口幅が広いことからアスペクト比が小さくなりP型ボディ層10のセンター領域にP型ボディ層窪み部10aが形成されることはない。
この場合、P型ボディ層10を形成するためのボロン(B)のイオン注入は、半導体基板1を90°ずつ回転させて、半導体基板1をその表面に対して垂直方向から見て直角な4方向から、同じイオン注入角を維持しながら4回に分けて行うことが好ましい。これにより、ゲート電極8の下方のN型エピタキシャル層3内に均一なP型ボディ層10が形成される。
次に、図11、12に示すように、所定の方法によりリン(P)等をイオン注入することによりN型エピタキシャル層3の所定の領域にN−型ドリフト層11を形成する。なお、N−型ドリフト層11が2段構造になっているのはゲート絶縁膜6及びゲート電極8がイオン注入マスクとして働くためである。
次に、必要に応じて、P型ボディ層10に所定の方法によりリン(P)等をイオン注入してN−型ソース層12を形成する。次に、必要に応じて、ゲート電極8を含むP型半導体基板1の表面にCVD法によりシリコン酸化膜等を堆積し、その後エッチバックすることによりスペーサ13を形成する。
次に、所定の方法により砒素(As)等をイオン注入して、一部領域を除くP型ボディ層10にN+型ソース層14を形成する。同時にN−型ドリフト層にN+型ドレイン層15を形成する。また、P型ボディ層10のN+型ソース層14の形成されなかった領域には所定の方法によりボロン(B)等をイオン注入して不図示のP+型コンタクト層を形成する。
次に図1、図2に示すように、所定の方法でN+型ソース層14上、N+型ドレイン層15上及びゲート電極8上にシリサイド層16を形成し、その後BPSG等からなる層間絶縁膜17を所定のCVD法等により形成する。次に所定のフォトエッチング工程を経ることにより層間絶縁膜17にコンタクトホールを形成する。
次にコンタクトホール内を含むP型半導体基板1の表面にスパッタ等によりアルミニュームを主成分とする金属膜等を堆積し、その後所定のフォトエッチング工程を経てソース電極18、ドレイン電極19、不図示のゲート引き出し電極を形成する。その後、必要に応じて、多層配線構造を形成し、最後にパッシベーション膜で被覆することにより半導体装置が完成する。
〔第2の実施形態〕
本実施形態に係る半導体装置も第1の実施形態の半導体装置と同じ構成になる。異なる点は、P型ボディ層10の製造方法のみでその他の工程は同様である。図13に基づいてP型ボディ層10の製造方法を説明する。図13(A)は第1の実施形態のESD被保護素子としてのLDMOSトランジスタ30の製造方法と同様である。即ち、アスペクト比が小さくP型ボディ層10の底面にP型ボディ層窪み部10aは形成されない。
ESD保護素子としてのLDMOSトランジスタ32のP型ボディ層10の底面に、アスペクト比が小さいにもかかわらずP型ボディ層窪み部10aを形成するところに本実施形態の特徴がある。この場合、図13(B)に示すように、2つのゲート電極8の間であって、レジスト層9の開口部の中央領域に周辺のレジスト層とは別にイオン注入の障壁となる障壁レジスト層9aを形成する。
障壁レジスト層9aは、その下方のN型エピタキシャル層3にイオン注入されるボロン(B)に対する遮蔽層になり、図13(B)に示すように、P型ボディ層10の底面に、図1の場合と同様のP型ボディ層窪み部10aが形成される。この方法は、2つのゲート電極8の間が広い場合に、イオン注入角を大きくしなくとも良い点で有効である。また、障壁レジスト層9aの幅を変えることによりスナップバック電圧Vt1を任意に調整することができる。
第1及び第2の実施形態において、Nチャネル型のLDMOSトランジスタ30,32について説明したが、図6のPチャネル型のLDMOSトランジスタ30P,32Pにおいても、同様にESD保護素子、ESD被保護素子としてのLDMOSトランジスタを実現できる。
[第3の実施形態]
本発明の第3の実施形態について図14に基づいて説明する。第1及び第2の実施形態において、保護素子としての動作にゲート酸化膜、ゲート電極は必須ではないため、同図に示すように、図1に示すN+型ソース層14をN+型エミッタ層21、P型ボディ層10をP型ベース層20、P型ボディ層窪み部10aをP型ベース層窪み部20a、N+型ドレイン層15をN+型コレクタ引き出し層22とするNPNバイポーラトランジスタとしてESD保護素子を構成することも可能である。
図5のLDMOSトランジスタ32が図14のNPNバイポーラトランジスタ37に置換され、LDMOSトランジスタ33が同様の構成のNPNバイポーラトランジスタに置換される。NPNバイポーラトランジスタ37のコレクタ電極26が電源に、エミッタ電極24が出力端子に接続される。もう一方のNPNバイポーラトランジスタのエミッタ電極は接地され、コレクタ電極は出力端子に接続される。また両トランジスタのベース電極25等はそれぞれのエミッタ電極24等と接続される。
図9に示す場合と同様に、図14のP型ベース層20形成時にイオン注入のマスクとなるレジスト層9の開口部を狭く設計したレジストマスクを使用する。該開口部にボロン(B)を斜めイオン注入して、P型ベース層20となるN型エピタキシャル層3の一部領域にレジスト層9の遮蔽効果により注入不純物濃度の低い領域を形成する。その結果、図14に示すように、P型ベース層20の底面に不純物濃度が低く、表面からの深さの浅いP型ベース層窪み部20aが形成される。
絶縁膜23及び層間絶縁膜17に形成されたコンタクトホールを介して、係る保護素子としてのNPNバイポーラトランジスタ37のN+型コレクタ引き出し層22に接続されるコレクタ電極26に静電気等による大きな正電圧が印加されたとき、P型ベース層20からN型エピタキシャル層3に向かって空乏層が拡がる。この場合、第1の実施形態のときと同様、不純物濃度が低いP型ベース層窪み部20aにも空乏層が拡がりN+型エミッタ層21まで到達しパンチスルー状態となる。
その結果、電子電流がP型ベース層窪み部20aから直下のN型エピタキシャル層3に流れ、大部分の電子電流は低抵抗のN+型埋め込み層2を経由して、同じく低抵抗のN+型コレクタ引き出し層22を通りコレクタ電極26に流れ出る。電流はこの逆方向に流れる。同図ではN+型コレクタ引き出し層22はN+型埋め込み層2内まで延在しているがN型エピタキシャル層3内で終端してもよい。
即ち、本実施形態によれば、第1の実施形態同様に、スナップバック電圧を被保護素子のスナップバック電圧より低くすることができ、また熱破壊が起こる電流値を大きくすることができる。図6のESD保護素子としてのPチャネル型のLDMOSトランジスタ30PはPNPバイポーラトランジスタに置換されることは言うまでもない。
また、NPNバイポーラトランジスタ37等に代えて、図14のN+型エミッタ層21を除いた構成の2つのPN接合ダイオードを採用することも可能である。この場合、図5でいえば、一方のPN接合ダイオードのN型側を電源にP型側を出力端子に接続し、他方のPN接合ダイオードのP型側を接地しN型側を出力端子に接続するのは言うまでもない。
なお、本実施形態においても、第2の実施形態の図13(B)のように、レジスト層9の開口部にイオン注入の障壁となる障壁レジスト層9aを設けてボロン(B)を斜めイオン注入することにより、図14に示すように、P型ベース層20の底面にP型ベース層窪み部20aを形成することができる。
1 P型半導体基板 2 N+型埋め込み層 3 N型エピタキシャル層
4 P+型分離層 5 薄いゲート絶縁膜 6 厚いゲート絶縁膜
7 素子分離膜 8 ゲート電極 9 レジスト層 9a 障壁レジスト層
10 P型ボディ層 10a P型ボディ層窪み部 11 N−型ドリフト層
12 N−型ソース層 13 スペーサ 14 N+型ソース層
15 N+型ドレイン層 16 シリサイド層 17 層間絶縁膜
18 ソース電極 19 ドレイン電極 20 P型ベース層
20a P型ベース層窪み部 21 N+型エミッタ層
22 N+型コレクタ引き出し層 23 絶縁膜 24 エミッタ電極
25 ベース電極 26 コレクタ電極
30,31 ESD保護素子としてのLDMOSトランジスタ
32,33 ESD被保護素子としてのLDMOSトランジスタ
34 電源端子 35 出力端子 36 駆動回路
37 NPNバイポーラトランジスタ

Claims (10)

  1. 静電気被保護素子としての第1のMOSトランジスタと、前記第1のMOSトランジスタに並列に接続された静電気保護素子としての第2のMOSトランジスタを含む半導体装置であって、
    前記第1及び第2のMOSトランジスタは、
    第1導電型の半導体基板と、
    前記半導体基板上に形成された第2導電型のエピタキシャル層と、
    前記半導体基板と前記エピタキシャル層の境界領域に形成された第2導電型の埋め込み層と、
    前記エピタキシャル層の表面に形成された第2導電型のドリフト層と、
    前記ドリフト層の表面に形成された第2導電型のドレイン層と、
    前記エピタキシャル層の表面に形成された第1導電型のボディ層と、
    前記ボディ層の表面に形成された第2導電型のソース層と、
    前記エピタキシャル層の表面上に形成されたゲート絶縁膜と、
    前記ゲート絶縁膜上に形成されたゲート電極と、を具備し、前記第2のMOSトランジスタの前記ソース層の下方の前記ボディ層の底部に窪み部が形成され、前記第1のMOSトランジスタの前記ソース層の下方の前記ボディ層の底部には窪み部が形成されていないことを特徴とする半導体装置。
  2. 静電気被保護素子としてのMOSトランジスタと、前記MOSトランジスタに並列に接続された静電気保護素子としてのバイポーラトランジスタを含む半導体装置であって、
    第1導電型の半導体基板と、
    前記半導体基板上に形成された第2導電型のエピタキシャル層と、
    前記半導体基板と前記エピタキシャル層の境界領域に形成された第2導電型の埋め込み層と、を備え、
    前記MOSトランジスタは、
    前記エピタキシャル層の表面に形成された第2導電型のドリフト層と、
    前記ドリフト層の表面に形成された第2導電型のドレイン層と、
    前記エピタキシャル層の表面に形成された第1導電型のボディ層と、
    前記ボディ層の表面に形成された第2導電型のソース層と、
    前記エピタキシャル層の表面上に形成されたゲート絶縁膜と、
    前記ゲート絶縁膜上に形成されたゲート電極と、を具備し、
    前記バイポーラトランジスタは、
    前記エピタキシャル層の表面に形成された第1導電型のベース層と、
    前記ベース層の表面に形成された第2導電型のエミッタ層と、
    前記エピタキシャル層の表面から前記埋め込み層内まで延在する第2導電型のコレクタ引き出し層と、を具備し、前記バイポーラトランジスタの前記エミッタ層の下方の前記ベース層の底部に窪み部が形成され、前記MOSトランジスタの前記ソース層の下方の前記ボディ層の底部には窪み部が形成されていないことを特徴とする半導体装置。
  3. 前記ボディ層及び前記ベース層の前記窪み部の不純物濃度がそれぞれその周辺の前記ボディ層及び前記ベース層の不純物濃度より低いことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の半導体装置。
  4. 前記ドレイン層または前記コレクタ引き出し層にサージ電圧が印加された時に、前記窪み部の前記ボディ層または前記ベース層に空乏層が拡がり、前記ドレイン層と前記ソース層または前記コレクタ引き出し層と前記エミッタ層とが該空乏層によりパンチスルーするように構成されたことを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の半導体装置。
  5. 前記ドレイン層と前記ソース層または前記コレクタ引き出し層と前記エミッタ層がパンチスルーした場合、前記ドレイン層から前記ソース層または前記コレクタ引き出し層から前記エミッタ層に流れる電流が、前記埋め込み層を経由して流れるように構成されたことを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれかに記載の半導体装置。
  6. 静電気被保護素子としての第1のMOSトランジスタと、前記第1のMOSトランジスタに並列に接続された静電気保護素子としての第2のMOSトランジスタを含む半導体装置の製造方法であって、
    第1導電型の半導体基板上に第2導電型の埋め込み層を形成する工程と、
    前記埋め込み層が形成された前記半導体基板上に第2導電型のエピタキシャル層を形成する工程と、
    前記エピタキシャル層の表面に第2導電型のドリフト層を形成する工程と、
    前記ドリフト層の表面に第2導電型のドレイン層を形成する工程と、
    前記エピタキシャル層の表面にレジストマスクの開口部から不純物を斜めイオン注入して第1導電型のボディ層を形成する工程と、
    前記ボディ層の表面に第2導電型のソース層を形成する工程と、
    前記エピタキシャル層の表面に、前記ソース層の端部上から前記ドリフト層の端部上まで延在するゲート絶縁膜を形成する工程と、
    前記絶縁膜上にゲート電極を形成する工程と、を具備し、前記ボディ層を形成する工程において、前記レジストマスクのイオン注入に対する遮蔽効果により、前記第2のMOSトランジスタの前記ソース層の下方の前記ボディ層の底部に窪み部が形成され、前記第1のMOSトランジスタの前記ソース層の下方の前記ボディ層の底部には窪み部が形成されていないことを特徴とする半導体装置の製造方法。
  7. 静電気被保護素子としての第1のMOSトランジスタと、前記第1のMOSトランジスタに並列に接続された静電気保護素子としての第2のMOSトランジスタを含む半導体装置の製造方法であって、
    第1導電型の半導体基板上に第2導電型の埋め込み層を形成する工程と、
    前記埋め込み層が形成された前記半導体基板上に第2導電型のエピタキシャル層を形成する工程と、
    前記エピタキシャル層の表面に第2導電型のドリフト層を形成する工程と、
    前記ドリフト層の表面に第2導電型のドレイン層を形成する工程と、
    前記エピタキシャル層の表面にレジストマスクの開口部から不純物を斜めイオン注入して第1導電型のボディ層を形成する工程と、
    前記ボディ層の表面に第2導電型のソース層を形成する工程と、
    前記エピタキシャル層の表面に、前記ソース層の端部上から前記ドリフト層の端部上まで延在するゲート絶縁膜を形成する工程と、
    前記絶縁膜上にゲート電極を形成する工程と、を具備し、
    前記ボディ層を形成する工程において、前記第2のMOSトランジスタの前記レジストマスクは、その開口部の中に障壁レジストマスクを有し、該障壁レジストマスクのイオン注入に対する遮蔽効果により、前記第2のMOSトランジスタの前記ソース層の下方の前記ボディ層の底部に窪み部が形成され、前記第1のMOSトランジスタの前記ソース層の下方の前記ボディ層の底部には窪み部が形成されていないことを特徴とする半導体装置の製造方法。
  8. 静電気被保護素子としてのMOSトランジスタと、前記MOSトランジスタに並列に接続された静電気保護素子としてのバイポーラトランジスタを含む半導体装置の製造方法であって、
    第1導電型の半導体基板上に第2導電型の埋め込み層を形成する工程と、
    前記埋め込み層が形成された前記半導体基板上に第2導電型のエピタキシャル層を形成する工程と、を有し、
    前記MOSトランジスタは、
    前記エピタキシャル層の表面に第2導電型のドリフト層を形成する工程と、
    前記ドリフト層の表面に第2導電型のドレイン層を形成する工程と、
    前記エピタキシャル層の表面にレジストマスクの開口部から不純物を斜めイオン注入して第1導電型のボディ層を形成する工程と、
    前記ボディ層の表面に第2導電型のソース層を形成する工程と、
    前記エピタキシャル層の表面に、前記ソース層の端部上から前記ドリフト層の端部上まで延在するゲート絶縁膜を形成する工程と、
    前記絶縁膜上にゲート電極を形成する工程と、を具備し、
    前記バイポーラトランジスタは、
    前記ボディ層の形成と同時に前記エピタキシャル層の表面にレジストマスクの開口部から不純物を斜めイオン注入して第1導電型のベース層を形成する工程と、
    前記ドレイン層の形成と同時に前記ベース層の表面に第2導電型のエミッタ層を形成する工程と、
    前記エピタキシャル層の表面から前記埋め込み層まで延在する第2導電型のコレクタ引き出し層を形成する工程と、を具備し、前記バイポーラトランジスタの前記エミッタ層の下方の前記ベース層の底部に窪み部が形成され、前記MOSトランジスタの前記ソース層の下方の前記ボディ層の底部には窪み部が形成されていないことを特徴とする半導体装置の製造方法。
  9. 前記バイポーラトランジスタの前記レジストマスクの開口部の中にイオン注入の障壁となる障壁レジストマスクが設けられ、該障壁レジストマスクの遮蔽効果により前記バイポーラトランジスタの前記エミッタ層の下方の前記ベース層の底部に窪み部が形成されることを特徴とする請求項8に記載の半導体装置の製造方法。
  10. 前記ボディ層及び前記ベース層を形成する工程において、前記イオン注入を、そのイオン注入角を同一に保ったまま、前記半導体基板を垂直方向から見て、互いに直角である4方向から行うことを特徴とする請求項6乃至請求項8のいずれかに記載の半導体装置の製造方法。
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