JP2012088355A - 定着装置及び画像形成装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】簡易な構成で、用紙分離用の吹き付け空気での定着部材の温度低下による定着不良や電力の過剰な消費、また誘導加熱手段及びその駆動部の部材の熱破壊の危険や発熱効率の低下、を防止することのできる定着装置を提供する。
【解決手段】前記定着装置は、定着部材と、定着部材を加熱する誘導加熱手段と、定着部材と用紙が挟み込まれるニップ部を形成する加圧部材と、エア分離ダクトからニップ部近傍に空気を吹き付け、用紙を定着部材より剥離させるエア分離手段と、外気に連通する吸気口と、吸気した空気が誘導加熱手段のコイル周辺を通過するように形成した空気流路と送風ファンとを備えた送風手段を有し、送風手段は、コイルの周辺を通過した空気を、用紙の通紙時にエア分離手段に送風し、エア分離手段は、前記エア分離ダクトから空気をニップ部近傍に吹き付けることを特徴とする。
【選択図】図2
【解決手段】前記定着装置は、定着部材と、定着部材を加熱する誘導加熱手段と、定着部材と用紙が挟み込まれるニップ部を形成する加圧部材と、エア分離ダクトからニップ部近傍に空気を吹き付け、用紙を定着部材より剥離させるエア分離手段と、外気に連通する吸気口と、吸気した空気が誘導加熱手段のコイル周辺を通過するように形成した空気流路と送風ファンとを備えた送風手段を有し、送風手段は、コイルの周辺を通過した空気を、用紙の通紙時にエア分離手段に送風し、エア分離手段は、前記エア分離ダクトから空気をニップ部近傍に吹き付けることを特徴とする。
【選択図】図2
Description
本発明は、定着部材と加圧部材とにより形成されたニップ部で用紙上のトナー像を定着する定着装置及びこの定着装置を備えた画像形成装置に関する。
複写機、プリンタ、ファクシミリ及びこれらの諸機能を備えた複合機等の電子写真方式の画像形成装置においては、原稿に対応した潜像を感光体に形成し、この潜像にトナーを付与することによって顕像化し、この顕像化されたトナー像を用紙上に転写し、この後、用紙上に転写されたトナー像を定着して排紙している。
このようにトナー像を定着する定着装置として、加熱手段で加熱される定着ローラ(定着部材)と、定着ローラを加圧する加圧ローラ(加圧部材)とによって形成されたニップ部で、トナー像が転写された用紙を挟持・搬送しながら、加熱・加圧する熱ローラ定着方式の定着装置があり、このような定着装置は構成が簡便であるため、広く利用されている。
また、定着ローラを含む複数のローラに張架され加熱手段で加熱される無端状の定着ベルト(定着部材)と、定着ベルトを介して定着ローラを加圧する加圧ローラとによって形成されたニップ部で、トナー像が転写された用紙を挟持・搬送しながら、加熱・加圧するベルト定着方式の定着装置が、用いられてきている。
ここで、用紙上のトナー像のトナーはニップ部を通過する際に加熱されるので、トナーが粘着力を有し、ニップ部を通過した用紙が定着ローラや定着ベルトの表面に付着して巻き付いて剥離せず、ジャムを発生させる恐れがある。特に用紙として、斤量の小さい紙(薄紙)、しかも斤量の小さい印刷用コート紙を用いたときは、剥離性能がより低下する。
一方、画像形成装置において、高速化への対応として、充分な長さのニップ幅を確保するために定着ローラを大きくすると、これによってもニップ部出口でのローラ曲率が小さくなるため、剥離性能が低下する。
このような問題に対処するために、ニップ部の出口側に空気を吹き付けて用紙を定着部材より剥離させる方式(エア分離方式)のエア分離手段が用いられてきている。このようなエア分離手段では、空気を吹き付けるための送風機として、例えばファン(分離用ファン)が用いられる。
しかしながら、このエア分離手段で画像形成装置外部(以下、装置外と称す)から吸気した空気を、定着ベルト等の定着部材の用紙の剥離点近傍に吹き付けた場合、その空気の温度は室温と略同等であるため、吹き付けられた定着部材の箇所で熱量の損失が生じ、定着不良が生じる恐れがある。また、熱量の損失に対し定着温度を維持するために過剰な消費電力が生じる恐れがある。
これに対し、エア分離手段を用い、装置外から吸気したエア分離用の空気を、エアノズルに到達するまでの間にハロゲンヒータを内蔵した加熱ローラの内部を通過させて空気を予め加熱し、その空気を吹き付ける定着装置が開示されている(例えば、特許文献1参照)。
また、一方では、ウォームアップタイム短縮、省エネ等から、より高効率の加熱手段が求められている。このため、誘導加熱(IH)方式の誘導加熱手段(IHヒータ)を用いた定着装置が開発されてきた。
しかしながら、IHヒータは、加熱対象物(定着部材)に近接して設置されるためにIHヒータのコイル(IHコイル)自体の温度が上昇してしまい、部品の熱破壊の危険や、発熱効率の低下が懸念される。
これに対し、定着ローラの誘導加熱コイル(IHコイル)を冷却するためのコイル冷却用ファンを設け、このコイル冷却用ファンを、作像部に付随して設けられたオゾン排出用ファンに連動して回転させる定着装置が開示されている(例えば、特許文献2参照)。
特許文献1では、装置外から吸気したエア分離用の空気を、エアノズルに到達するまでの間に、加熱ローラを加熱するハロゲンヒータを利用して空気を予め加熱し、その空気を吹き付ける。このため、対象物(定着ベルトまたは定着ローラ)の温度低下の防止に効果が期待できる。しかし、加熱手段はハロゲンヒータを用いており、IHヒータは想定されていない。このため、ウォームアップタイムの短縮や加熱効率の向上を図ることは困難であった。
特許文献2では、IHヒータを用いた定着装置に、IHコイルを冷却するためのコイル冷却用ファンを設け、装置に設けられた他のファン、例えば作像部に付随して設けられたオゾン排出用ファンに連動して回転させ、IHコイルを冷却した空気を装置外に排出している。これにより、コイル冷却用ファンの制御の簡易化を図っている。
しかしながら、特許文献2の定着装置に定着部材から用紙を剥離する分離手段にエア分離手段を採用すると、コイル冷却用ファンと分離用ファンとが必要になり、制御の複雑さ、装置の大型化、コストの上昇等を招く恐れがあった。
また、IHヒータを駆動する駆動部(IH駆動部)にも発熱する素子等の部材(発熱部材)が存在するため、これらも冷却することが好ましいが、その点については考慮がされていない。
このように、エア分離手段及びIHヒータを採用した定着装置の場合には、分離エアを供給する分離用ファンと、IHコイルや発熱部材を冷却する冷却用ファンとのように、複数個のファンが必要になり、装置の大型化やコストの上昇を生じてしまう。
本発明は上記状況に鑑みなされたもので、簡易な構成で、用紙分離用の吹き付け空気での定着部材の温度低下による定着不良や電力の過剰な消費、また誘導加熱手段及びその駆動部の部材の熱破壊の危険や発熱効率の低下、を防止することのできる定着装置及び該定着装置を備えた画像形成装置を提供することを目的とする。
上記目的は、下記の構成により達成される。
1.定着部材と、
前記定着部材を加熱する誘導加熱手段と、
前記定着部材と当接しトナー画像を担持した用紙が挟み込まれるニップ部を形成する加圧部材と、
前記ニップ部の排紙側に配置され、エア分離ダクトからニップ部近傍に空気を吹き付け、前記用紙を前記定着部材より剥離させるエア分離手段と、
外気に連通する吸気口と、前記吸気口から吸気した空気が前記誘導加熱手段のコイルの周辺を通過するように形成した空気流路と送風ファンとを備えた送風手段を有し、
前記送風手段は、前記コイルの周辺を通過した空気を、前記用紙の通紙時に前記エア分離手段に送風し、前記エア分離手段は、前記エア分離ダクトから前記空気を前記ニップ部近傍に吹き付けることを特徴とする定着装置。
前記定着部材を加熱する誘導加熱手段と、
前記定着部材と当接しトナー画像を担持した用紙が挟み込まれるニップ部を形成する加圧部材と、
前記ニップ部の排紙側に配置され、エア分離ダクトからニップ部近傍に空気を吹き付け、前記用紙を前記定着部材より剥離させるエア分離手段と、
外気に連通する吸気口と、前記吸気口から吸気した空気が前記誘導加熱手段のコイルの周辺を通過するように形成した空気流路と送風ファンとを備えた送風手段を有し、
前記送風手段は、前記コイルの周辺を通過した空気を、前記用紙の通紙時に前記エア分離手段に送風し、前記エア分離手段は、前記エア分離ダクトから前記空気を前記ニップ部近傍に吹き付けることを特徴とする定着装置。
2.前記空気流路は、さらに前記誘導加熱手段を駆動する駆動部の発熱部材の周辺を通過するように形成したことを特徴とする前記1に記載の定着装置。
3.前記送風手段の空気流路は、前記コイルの周辺を通過する空気の流路部分と、前記発熱部材の周辺を通過する空気の流路部分とに、それぞれ独立して形成されていることを特徴とする前記2に記載の定着装置。
4.前記送風手段は、外気に連通する吸気口から吸気した空気を前記コイル及び前記発熱部材の周辺を通過させずに送風する第2空気流路と、前記空気流路と前記第2空気流路とをそれぞれ経由した空気を合流させる合流部と、を備え、前記合流部で合流した空気を前記エア分離手段に送風することを特徴とする前記2に記載の定着装置。
5.前記送風手段は、送風される空気を前記エア分離手段に送風せずに装置外に排気する排気流路と、流路切替部材と、を備え、
前記流路切替部材は、前記空気を、前記用紙の通紙時には前記エア分離手段に送風し、通紙待機時には排気流路に送風するように送風の流路を切り替えることを特徴とする前記1から4の何れか1項に記載の定着装置。
前記流路切替部材は、前記空気を、前記用紙の通紙時には前記エア分離手段に送風し、通紙待機時には排気流路に送風するように送風の流路を切り替えることを特徴とする前記1から4の何れか1項に記載の定着装置。
6.前記1から5の何れか1項に記載の定着装置を備えたことを特徴とする画像形成装置。
本発明により、簡易な構成で定着部材の用紙分離用の吹き付け空気での温度低下による定着不良や電力の過剰な消費、またIHコイルやIH駆動部の発熱部材の熱破壊の危険や発熱効率の低下を抑制することができる。
以下に本発明に関する実施の形態を、図を参照して説明する。
先ず、本発明に係る画像形成装置の一例を、図1の構成図に基づいて説明する。
本画像形成装置は画像形成装置本体GHと画像読取装置YSとから構成される。画像形成装置本体GHは、タンデム型カラー画像形成装置と称せられるもので、複数組の画像形成部10Y,10M,10C,10K、ベルト状の中間転写ベルト5、給紙搬送手段及び定着装置8等からなる。また、各部を制御する制御部ASを有する。
画像形成装置本体GHの上部には、自動原稿送り装置201と原稿画像走査露光装置202から成る画像読取装置YSが設置されている。自動原稿送り装置201の原稿台に載置された原稿dは搬送手段により搬送され、原稿画像走査露光装置202の光学系により原稿の片面又は両面の画像が走査露光され、ラインイメージセンサCCDに読み込まれる。
ラインイメージセンサCCDにより光電変換されて形成された信号は、画像処理部において、アナログ処理、A/D変換、シェーディング補正、画像圧縮処理等が行われた後、露光手段3Y,3M,3C,3Kに送られる。
イエロー(Y)色の画像を形成する画像形成部10Yは、感光体ドラム1Yの周囲に帯電手段2Y、露光手段3Y、現像手段4Y及びクリーニング手段7Yを配置している。マゼンタ(M)色の画像を形成する画像形成部10Mは、感光体ドラム1Mの周囲に帯電手段2M、露光手段3M、現像手段4M及びクリーニング手段7Mを配置している。シアン(C)色の画像を形成する画像形成部10Cは、感光体ドラム1Cの周囲に帯電手段2C、露光手段3C、現像手段4C及びクリーニング手段7Cを配置している。黒(K)色の画像を形成する画像形成部10Kは、感光体ドラム1Kの周囲に帯電手段2K、露光手段3K、現像手段4K及びクリーニング手段7Kを配置している。そして、帯電手段2Yと露光手段3Y、帯電手段2Mと露光手段3M、帯電手段2Cと露光手段3C、及び帯電手段2Kと露光手段3Kは、潜像形成手段を構成する。
なお、現像手段4Y,4M,4C,4Kは、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)及び黒(K)の小粒径のトナーとキャリアからなる2成分現像剤を内包する。トナーは発色剤となる顔料若しくは染料と、定着後に定着部材からのトナーの剥離を助けるワックスと、これらを保持するバインダー樹脂とからなる。
中間転写ベルト5は、複数のローラにより巻回され、回動可能に支持されている。
定着装置8は、加熱された定着部材である定着ベルト81と加圧部材である加圧ローラ84との間に形成されたニップ部で用紙Pのトナー像を加熱・加圧して定着する。
かくして、画像形成部10Y,10M,10C,10Kより形成された各色の画像は、回動する中間転写ベルト5に転写手段6Y,6M,6C,6Kにより逐次転写されて(1次転写)、カラー画像合成されたトナー像が形成される。給紙カセット20内に収容された用紙Pは、給紙手段21により給紙され、給紙ローラ22A,22B,22C,22D,レジストローラ23等を経て、転写手段6Aに搬送され、用紙Pにカラー画像が転写される(2次転写)。カラー画像が転写された用紙Pは定着装置8において加熱・加圧され、用紙Pのカラートナー像が定着される。その後、排紙ローラ24に挟持されて装置外の排紙トレイ25に載置される。
一方、転写手段6Aにより用紙Pにカラー画像を転写した後、用紙Pを曲率剥離した中間転写ベルト5は、クリーニング手段7Aにより残留トナーが除去される。
なお、以上はカラー画像を形成する画像形成装置であったが、モノクロ画像を形成する画像形成装置であってもよいし、中間転写ベルトを用いても用いなくてもよい。
また定着装置8は、加熱手段を備えたローラを定着部材とした熱ローラ定着方式としてもよい。
次に、本発明に係る定着装置8について説明する。
図2は、本発明に係る定着装置(ベルト定着装置)8の主構成の一例を示す側面図である。
本発明の定着装置8では、前述のように定着ベルト81と用紙Pの剥離性能を高めるためエア分離手段を用いている。また、ウォームアップタイム短縮、省エネ等から、より高効率の加熱手段として、誘導加熱手段を用いている。
定着ベルト81(定着部材)は、無端状に形成され、加熱ローラ82及び定着ローラ83に張架される。定着ベルト81を張架するローラは、加熱ローラ82及び定着ローラ83の2つに限定されるものではなく、少なくともこの2つのローラを含めばよい。例えば、テンションローラ等を追加してもよい。
定着ベルト81は、例えば、基体として厚さ70μmのPI(ポリイミド)を用い、基体の外周面を弾性層として厚さ200μmの耐熱性のシリコンゴム(硬度JIS−A15°)で被覆し、更に、厚さ30μmの耐熱性樹脂であるPFA(パーフルオロアルコキシ)のチューブで被覆している。外径寸法は例えば168mmである。他の構成として、基体にニッケル電鋳など金属基体を用いたり、弾性層にフッ素ゴムを用いたり、表面離型層にPFAやPTFE(ポリテトラフルオロエチレン)などのフッ素樹脂コーティング層を用いたりしてもよい。
加熱ローラ82は、誘導加熱可能な材質、例えば、SUS等で形成された肉厚4mmの円筒状の芯金82Bの外周面を、厚さ30μmのPTFEでコーティングした樹脂層82Cで被覆している。外径寸法は例えば90mmである。
加熱ローラ82を誘導加熱する誘導加熱手段であるIHヒータ881は、加熱ローラ82の外周に近接して配置される。IHヒータ881は、内部にIHコイル881aを備えている。
IHヒータ881を駆動するIH駆動部882は、IHヒータ881に、即ちIHコイル881aに通電するための電気回路を有し、IHヒータ881と電気的に接続されている。このIH駆動部882には、発熱をともなう素子等の部材(以下、発熱部材と称す)が存在する。
定着ローラ83は、鉄等の金属から形成された中実の芯金83Aを、弾性層83Bとして厚さ17mmの耐熱性のシリコンゴム(硬度JIS−A10°)で被覆し、更に、厚さ30μmの低摩擦で耐熱性樹脂であるPTFEでコーティングした樹脂層83Cで被覆している。外径寸法は例えば90mmである。
加圧ローラ84(加圧部材)は、アルミニウム等から形成された肉厚4mmの円筒状の芯金84Bの外周面を、弾性層84Cとして厚さ2mmの耐熱性のシリコンゴム(硬度JIS−A10°)で被覆し、更に、厚さ30μmのPFAチューブの樹脂層84Dで被覆している。外径寸法は90mmである。また、画像形成装置本体GHへの電源投入直後の昇温時間を短縮するため、加熱手段を内蔵してもよい。図2に示す例では、例えば700Wのハロゲンヒータ84Aを内蔵している。
そして、付勢手段(不図示)により、加圧ローラ84が定着ベルト81を介して定着ローラ83を押圧している。
このような構成において、駆動手段(不図示)によって加圧ローラ84を反時計方向に回転させると、定着ベルト81及び加熱ローラ82は時計方向に回転し、定着ローラ83も時計方向に回転する。なお、定着ローラ83を駆動してもよい。
前述のように加熱ローラ82は、IHヒータ881で誘導加熱され、加熱された加熱ローラ82は、定着ベルト81を加熱する。そして、付勢手段によって加圧ローラ84が定着ローラ83の方向に付勢されているので、定着ローラ83に巻回されたと加圧ローラ84との間に形成されたニップ部Nで、給紙された用紙Pが加熱・加圧され、用紙P上のトナー像が定着される。
送風手段である送風部130は、外気を吸気する吸気口132、吸気した外気(空気)の空気流路である送風ダクト133、空気を送風する送風ファン131等を備え、エア分離手段に空気を供給する。
エア分離手段であるエア分離部120は、送風部130より供給された空気を、エア分離ダクト121からニップ部Nの出口側の、定着ベルト81の用紙Pの剥離点近傍に空気を吹き付け、ニップ部Nを通過した用紙Pを剥離する。
ところで、前述のように、装置外から吸気した空気をエア分離ダクト121から定着ベルト81の用紙Pの剥離点近傍に吹き付けた場合、その空気の温度は室温と略同等であるため、定着ベルト81で熱量の損失が生じ、定着不良が生じることがある。また、熱量の損失に対し定着温度を維持するために過剰な消費電力が生じる。
また、IHヒータ881は、加熱対象物、即ち加熱ローラ82に近接して設置されるためにIHヒータ881のIHコイル881a自体の温度が上昇してしまい、部品の熱破壊の危険や、発熱効率の低下が生じる。従って、IHコイル881aの温度上昇を抑制するために冷却する必要がある。また、IH駆動部882にも発熱部材が存在するため、電気回路の安定した動作を維持するために、発熱部材の温度上昇を抑制するために冷却することが好ましい。
しかしながら、従来のようにエア分離用の空気供給とIHコイル881aとIH駆動部882の冷却用空気供給をそれぞれ単独に、独立して構成すると、それぞれに送風ファンが必要となり、また、定着温度を維持するために過剰な消費電力が必要となる。これらは、装置の大型化やコストの上昇を招く。
これに対し、本発明は、エア分離用の空気供給と、IHコイル881aとIH駆動部882の冷却用空気供給とを共用とすることにより、装置の大型化やコストの上昇を抑制している。
以下、実施例で説明する。
<実施例1>
実施例1の定着装置は、図2に示す主構成を備える。
実施例1の定着装置は、図2に示す主構成を備える。
送風ダクト133は、送風ファン131により吸気口132から吸気された空気が、IH駆動部882の電気回路周辺及びIHコイル881a周辺を経由して送風されるように形成される。図2に示すように送風ファン131は、IHヒータ881とエア分離ダクト121の間の送風ダクト133の途中に配置される。
このように、吸気された空気がIH駆動部882の電気回路周辺及びIHコイル881a周辺を通過するように送風されることにより、電気回路の発熱部材及びIHコイル881aが冷却され、温度上昇が抑制される。また、送風される空気の温度が上昇する。IHヒータ881及びIH駆動部882は、通気容易な構造とすることが好ましい。
更に、この空気はエア分離ダクト121方向に送風される。
送風ファン131とエア分離ダクト121の間の送風ダクト133の途中には、送風された空気を装置外に排出する排気流路となる排気ダクト135と送風方向を切り替える流路切替部材である流路切替弁134が設けられている。流路切替弁134は、図に示す実線部分と破線部分に駆動手段(不図示)により揺動され、空気流路をエア分離ダクト121と排気ダクト135の何れかに切り替える。
プリント中は、流路切替弁134は実線部分に位置され、送風された空気はエア分離ダクト121に導かれる。この空気は、エア分離ダクト121の先端ノズルで圧縮され、定着ベルト81の剥離点に吹きつけられる。
定着ベルト81に吹き付けられる空気は、前述のように温度上昇し、室温より高い温度になるため、定着ベルト81の熱量損失を抑制することができ、定着不良や過剰な消費電力が生じることを防止できる。
また、プリント待機中には、流路切替弁134は破線部分に位置され、電気回路の発熱部材及びIHコイル881aを冷却した空気は、排気ダクト135に導かれ、装置外に排出される。
上述のように、発熱部材及びIHコイル881aを冷却した空気を用紙分離用の吹き付け空気に用いることにより、簡易な構成で定着ベルト81の温度低下による定着不良や電力の過剰な消費、また発熱部材及びIHコイル881aの熱破壊の危険や発熱効率の低下抑制することができる。
この実施例1の定着装置を用い、定着装置の主な仕様を下記として、後述の評価を行った。
(定着装置主仕様)
1.IHヒータ消費電力:1500W
2.エア分離ダクト先端ノズル形状:幅2(mm)×長さ340(mm)、のスリット形
3.先端ノズル吹き出し風速:15〜30(m/s)可変
4.送風ファン風量:1〜2(m3/s)可変、(実施例1で、前記3の風速を得るためのファン性能)
5.定着ベルト温度は:165〜190〔℃〕の範囲に制御
《IHコイル温度上昇評価》
十分な薄紙分離性能を確保するため、先端ノズル吹き出し風速を30(m/s)として、3000枚の連続プリントを行い、IHコイル881aの温度上昇を評価した。なお、用いたIHヒータ881の、IHコイル881aの最低熱破壊温度は150℃である。
1.IHヒータ消費電力:1500W
2.エア分離ダクト先端ノズル形状:幅2(mm)×長さ340(mm)、のスリット形
3.先端ノズル吹き出し風速:15〜30(m/s)可変
4.送風ファン風量:1〜2(m3/s)可変、(実施例1で、前記3の風速を得るためのファン性能)
5.定着ベルト温度は:165〜190〔℃〕の範囲に制御
《IHコイル温度上昇評価》
十分な薄紙分離性能を確保するため、先端ノズル吹き出し風速を30(m/s)として、3000枚の連続プリントを行い、IHコイル881aの温度上昇を評価した。なお、用いたIHヒータ881の、IHコイル881aの最低熱破壊温度は150℃である。
図3は、この評価でのIHコイル881aの温度上昇を示す図である。
図3に示すように、3000枚の連続プリントの実施でも、IHコイル881aの温度を120℃付近に抑制することができた。従って、IHコイル881aの温度を、熱破壊を起こさない150℃未満に抑制可能であった。
《定着ベルト温度評価》
十分な薄紙分離性能を確保するため、先端ノズル吹き出し風速を30(m/s)として、約200秒の連続プリントを行い、定着ベルト81の温度推移を評価した。
十分な薄紙分離性能を確保するため、先端ノズル吹き出し風速を30(m/s)として、約200秒の連続プリントを行い、定着ベルト81の温度推移を評価した。
図4は、この評価での定着ベルトの温度推移を示す図である。図中、プリント開始後の実線部分は、実施例1での温度推移を示す。破線部分は、比較例として、外気を送風ファンで直接、即ち温度上昇させずに定着ベルトに吹き付けた場合の温度推移を示す。
図4に示すように、プリント開始によりエア分離用の空気吹き付けを受ける定着ベルト81の温度を、実施例1の構成にすることにより、外気を直接吹き付けるよりも、略10℃の温度低下を防止することが可能となった。
なお、実施例1において、IHコイル881aと発熱部材の冷却順はどちらが先でもよい。また、冷却はIHコイル881aと発熱部材のどちらか一方としてもよい。
<実施例2>
図5は、実施例2を示す図である。実施例2は、吸気した外気の空気流路を、IHコイル881aの周辺を通過する空気の流路部分と、IH駆動部882の発熱部材の周辺を通過する空気の流路部分とに、それぞれ独立して形成したものである。即ち、送風部130の送風ダクトを、IHコイル881aの周辺を通過する空気の流路部分である送風ダクト142と、IH駆動部882の発熱部材の周辺を通過する空気の流路部分である送風ダクト141とに、それぞれ独立して形成したものである。
<実施例2>
図5は、実施例2を示す図である。実施例2は、吸気した外気の空気流路を、IHコイル881aの周辺を通過する空気の流路部分と、IH駆動部882の発熱部材の周辺を通過する空気の流路部分とに、それぞれ独立して形成したものである。即ち、送風部130の送風ダクトを、IHコイル881aの周辺を通過する空気の流路部分である送風ダクト142と、IH駆動部882の発熱部材の周辺を通過する空気の流路部分である送風ダクト141とに、それぞれ独立して形成したものである。
図5に示すように、送風ダクト141、142それぞれに送風ファン131を備えている。
送風ダクト141、送風ダクト142をそれぞれ経由した空気は、合流されエア分離ダクト121へ送風される。
実施例2は、IHコイル881aと、IH駆動部882の発熱部材とをより効果的に冷却することができ、また送風ファン1つではエア分離用空気に十分な風速が得られない場合に、効果的である。
<実施例3>
図6は、実施例3を示す図である。実施例3は、実施例1の送風部130に、吸気口132から吸気した空気をIHコイル881aとIH駆動部882の周辺を通過させずに送風する第2空気流路である送風ダクト151及び送風ファン131を加えたものである。
<実施例3>
図6は、実施例3を示す図である。実施例3は、実施例1の送風部130に、吸気口132から吸気した空気をIHコイル881aとIH駆動部882の周辺を通過させずに送風する第2空気流路である送風ダクト151及び送風ファン131を加えたものである。
送風ダクト133及び送風ダクト151を経由した空気は、合流部130Aで合流し混合され、エア分離ダクト121へ送風される。
実施例3は、薄紙の分離用として十分な風速の空気を、容易に得ることができる。また、エア分離ダクト121から吹き出される空気は、IHコイル881aとIH駆動部882の発熱部材冷却時に加熱された気流が混合されており、室温よりも高温に維持されることから、吹き出した空気を受けた定着ベルト81の温度低下を緩和することが可能となる。
GH 画像形成装置本体
YS 画像読取装置
8 定着装置
81 定着ベルト
82 加熱ローラ
83 定着ローラ
84 加圧ローラ
120 エア分離部
121 エア分離ダクト
130 送風部
131 送風ファン
132 吸気口
133、141、142、151 送風ダクト
134 流路切替弁
135 排気ダクト
881 IHヒータ
881a IHコイル
882 IH駆動部
AS 制御部
N ニップ部
P 用紙
YS 画像読取装置
8 定着装置
81 定着ベルト
82 加熱ローラ
83 定着ローラ
84 加圧ローラ
120 エア分離部
121 エア分離ダクト
130 送風部
131 送風ファン
132 吸気口
133、141、142、151 送風ダクト
134 流路切替弁
135 排気ダクト
881 IHヒータ
881a IHコイル
882 IH駆動部
AS 制御部
N ニップ部
P 用紙
Claims (6)
- 定着部材と、
前記定着部材を加熱する誘導加熱手段と、
前記定着部材と当接しトナー画像を担持した用紙が挟み込まれるニップ部を形成する加圧部材と、
前記ニップ部の排紙側に配置され、エア分離ダクトからニップ部近傍に空気を吹き付け、前記用紙を前記定着部材より剥離させるエア分離手段と、
外気に連通する吸気口と、前記吸気口から吸気した空気が前記誘導加熱手段のコイルの周辺を通過するように形成した空気流路と送風ファンとを備えた送風手段を有し、
前記送風手段は、前記コイルの周辺を通過した空気を、前記用紙の通紙時に前記エア分離手段に送風し、前記エア分離手段は、前記エア分離ダクトから前記空気を前記ニップ部近傍に吹き付けることを特徴とする定着装置。 - 前記空気流路は、さらに前記誘導加熱手段を駆動する駆動部の発熱部材の周辺を通過するように形成したことを特徴とする請求項1に記載の定着装置。
- 前記送風手段の空気流路は、前記コイルの周辺を通過する空気の流路部分と、前記発熱部材の周辺を通過する空気の流路部分とに、それぞれ独立して形成されていることを特徴とする請求項2に記載の定着装置。
- 前記送風手段は、外気に連通する吸気口から吸気した空気を前記コイル及び前記発熱部材の周辺を通過させずに送風する第2空気流路と、前記空気流路と前記第2空気流路とをそれぞれ経由した空気を合流させる合流部と、を備え、前記合流部で合流した空気を前記エア分離手段に送風することを特徴とする請求項2に記載の定着装置。
- 前記送風手段は、送風される空気を前記エア分離手段に送風せずに装置外に排気する排気流路と、流路切替部材と、を備え、
前記流路切替部材は、前記空気を、前記用紙の通紙時には前記エア分離手段に送風し、通紙待機時には排気流路に送風するように送風の流路を切り替えることを特徴とする請求項1から4の何れか1項に記載の定着装置。 - 請求項1から5の何れか1項に記載の定着装置を備えたことを特徴とする画像形成装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2010232300A JP2012088355A (ja) | 2010-10-15 | 2010-10-15 | 定着装置及び画像形成装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2010232300A JP2012088355A (ja) | 2010-10-15 | 2010-10-15 | 定着装置及び画像形成装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2012088355A true JP2012088355A (ja) | 2012-05-10 |
Family
ID=46260078
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2010232300A Pending JP2012088355A (ja) | 2010-10-15 | 2010-10-15 | 定着装置及び画像形成装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2012088355A (ja) |
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US8811850B2 (en) | 2012-10-30 | 2014-08-19 | Kyocera Document Solutions Inc. | Fixing device and image forming apparatus including the same |
CN105818547A (zh) * | 2015-01-26 | 2016-08-03 | 海德堡印刷机械股份公司 | 特别是用于喷墨印刷机的涂层设备 |
JP2020166096A (ja) * | 2019-03-29 | 2020-10-08 | 京セラドキュメントソリューションズ株式会社 | 定着装置及び画像形成装置 |
JP2021056258A (ja) * | 2019-09-26 | 2021-04-08 | コニカミノルタ株式会社 | 定着装置および画像形成装置 |
-
2010
- 2010-10-15 JP JP2010232300A patent/JP2012088355A/ja active Pending
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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CN105818547A (zh) * | 2015-01-26 | 2016-08-03 | 海德堡印刷机械股份公司 | 特别是用于喷墨印刷机的涂层设备 |
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