[go: up one dir, main page]

JP2012074497A - 回路基板 - Google Patents

回路基板 Download PDF

Info

Publication number
JP2012074497A
JP2012074497A JP2010217515A JP2010217515A JP2012074497A JP 2012074497 A JP2012074497 A JP 2012074497A JP 2010217515 A JP2010217515 A JP 2010217515A JP 2010217515 A JP2010217515 A JP 2010217515A JP 2012074497 A JP2012074497 A JP 2012074497A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
electrode
semiconductor chip
circuit board
flat plate
thermoplastic resin
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2010217515A
Other languages
English (en)
Inventor
Takashi Nakano
敬志 中野
Tetsuo Fujii
哲夫 藤井
Shigenobu Inaba
重信 稲葉
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Denso Corp
Original Assignee
Denso Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Denso Corp filed Critical Denso Corp
Priority to JP2010217515A priority Critical patent/JP2012074497A/ja
Publication of JP2012074497A publication Critical patent/JP2012074497A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Production Of Multi-Layered Print Wiring Board (AREA)
  • Structure Of Printed Boards (AREA)

Abstract

【課題】回路チップに対する局所的な応力を低減することができる回路基板を提供すること。
【解決手段】絶縁基材20に導体パターン30及び層間接続ビア41を含む配線部が設けられた回路基板10であり、絶縁基材20の厚み方向に垂直な絶縁基材20の一面に配置されたヒートシンク60と、ヒートシンク60側の一面にダミー電極51bを有するとともに裏面に配線部と電気的に接続された電極51aを有し絶縁基材20に埋設された半導体チップ50と、半導体チップ50のダミー電極51bとヒートシンク60とを熱的に接続する放熱用接続ビア42と、放熱用接続ビア42を介して半導体チップ50及びヒートシンク60に接続されるものであり、熱伝導率が絶縁基材20よりも高く、導体パターン30よりも厚く、半導体チップ50とヒートシンク60との間に配置された平板状部材90とを備える。
【選択図】図1

Description

本発明は、熱可塑性樹脂を含む絶縁基材に回路チップが埋設された回路基板に関するものである。
従来、熱可塑性樹脂を含む絶縁基材に回路チップが埋設された回路基板の一例として、例えば特許文献1に記載の多層基板が知られている。
この多層基板は、熱可塑性樹脂(絶縁基材)中に電気素子(回路チップ)が配置され、電気素子の電極が、ビアホール内に接続材料が充填されてなる接続部材を介して、熱可塑性樹脂に配置された導体パターンと電気的に接続されてなるものである。
特開2006−93439号公報
ところで、多層基板に埋設された電気素子には、使用中に発熱する電気素子もある。この電気素子が発した熱を放熱するためには、接続部材を介して電気素子と熱的に接続される放熱部材を設けることが考えられる。また、電気素子と放熱部材とを熱的に接続する接続材料は、電気素子における放熱部材との対向面の一部に接続されることもありうる。
ところが、このような構造の場合、絶縁基材と接続部材との線膨張係数の差によって、電気素子に対して局所的に応力がかかるという問題がある。
本発明は、上記問題点に鑑みなされたものであり、熱可塑性樹脂を含む絶縁基材に回路チップが埋設された回路基板において、回路チップに対する局所的な応力を低減することを目的とする。
上記目的を達成するために請求項1に記載の回路基板は、
熱可塑性樹脂を含む絶縁基材に、導体パターン及び層間接続ビアを含む配線部が設けられた回路基板であり、
絶縁基材の厚み方向に垂直な絶縁基材の一面に配置された放熱部材と、
少なくとも一つの回路素子を含むものであり、放熱部材側の一面に放熱用電極を有し、一面及び一面の裏面の少なくとも一方に配線部と電気的に接続された電気接続用電極を有し、絶縁基材に埋設されて絶縁基材の熱可塑性樹脂により封止された回路チップと、
絶縁基材に設けられ、回路チップの放熱用電極と放熱部材とを熱的に接続する放熱用接続ビアと、
放熱用接続ビアを介して回路チップ及び放熱部材に接続されるものであり、熱伝導率が絶縁基材よりも高く、厚み方向において導体パターンよりも厚く、絶縁基材に埋設されつつ、回路チップと放熱部材との間に配置された平板状部材と、を備え、
平板状部材は、少なくとも回路チップの一面における回路素子形成領域全域と対向するように、厚み方向に垂直な方向において回路素子形成領域以上の大きさを有することを特徴とする。
このようにすることによって、回路素子に対向する位置に平板状部材ではなく放熱用接続部材を設ける場合よりも、温度変化の際に生じる回路チップと放熱部材との間における全体の変位量を減らすことができる。よって、回路チップにおける少なくとも回路素子が配置された部位に対する局所的な応力を低減することができる。
また、請求項2に示すように、平板状部材は、厚み方向の線膨張係数が絶縁基材における厚み方向の線膨張係数よりも小さいものを採用してもよい。このようにすることによって、より一層応力を低減することができる。
また、請求項3に示すように、
回路チップの一面には、放熱用電極とともに電気接続用電極が設けられ、
絶縁基材の放熱部材配置面と反対の面に、外部接続用電極としての導体パターンが設けられ、
回路チップの一面に設けられた電気接続用電極と外部接続用電極とが配線部により電気的に接続されるようにしてもよい。
このようにすることによって、回路チップは、放熱部材と対向する一面においても、電気的な接続を行うことができるので好ましい。また、回路チップの一面に放熱用電極とともに電気接続用電極が設けられる場合、放熱用接続ビアを厚み方向に積層する必要があるため、放熱用接続ビアを一層だけ設ける場合よりも回路チップに対する局所的な応力が大きくなる。しかしながら、平板状部材を設けることによって、回路チップの一面に放熱用電極とともに電気接続用電極が設けられる場合であっても、回路チップにおける少なくとも回路素子が配置された部位に対する局所的な応力を低減することができる。つまり、本発明の平板状部材は、このような構造において特に有効である。
例えば、請求項4に示すように、
回路チップの一面における周縁領域に電気接続用電極が設けられ、電気接続用電極に取り囲まれる領域に放熱用電極が設けられ、
平板状部材は、放熱用電極形成領域と対向するように、厚み方向に垂直な方向において放熱用電極形成領域と同程度の大きさを有するようにしてもよい。
このようにすることによって、回路チップとして、回路チップの一面における周縁領域に電気接続用電極が設けられたものを採用することができる。
また、請求項5に示すように、平板状部材は、回路チップの一面全域と対向するように、厚み方向に垂直な方向において前記一面以上の大きさを有するようにしてもよい。
このようにすることによって、回路チップの放熱部材と対向する一面全体において、局所的な応力を低減することができる。
また、請求項6に示すように、回路チップの一面における平板状部材との対向領域に、電気接続用電極と放熱用電極とが設けられるようにしてもよい。
このようにすることによって、回路チップは、平板状部材と対向する位置においても、電気的な接続を行うことができるので好ましい。また、回路チップの一面に放熱用電極とともに電気接続用電極が設けられる場合、放熱用接続ビアを厚み方向に積層する必要があるため、放熱用接続ビアを一層だけ設ける場合よりも回路チップに対する局所的な応力が大きくなる。しかしながら、平板状部材を設けることによって、回路チップの一面に放熱用電極とともに電気接続用電極が設けられる場合であっても、回路チップにおける少なくとも回路素子が配置された部位に対する局所的な応力を低減することができる。つまり、本発明の平板状部材は、このような構造において特に有効である。
また、請求項7に示すように、回路チップの裏面にも電気接続用電極が設けられ、回路チップの裏面に設けられた電気接続用電極と外部接続用電極とが配線部により電気的に接続されるようにしてもよい。
このようにすることによって、回路チップとして、両面電極型の回路チップであっても採用することができる。
なお、平板状部材の材料によっては、放熱性が低下することも考えられる。そこで、請求項8に示すように、平板状部材の熱伝導率は、放熱用接続ビアの熱伝導率以上とするようにしてもよい。
このようにすることによって、放熱性の低下を抑制しつつ、回路チップに対する局所的な応力を低減することができる。
また、請求項9に示すように、厚み方向に垂直な方向の線膨張係数が、平板状部材と回路チップとで等しくなるようにしてもよい。
このようにすることによって、冷熱サイクルなどの熱負荷による回路チップに対する横方向の応力を低減することができる。なお、横方向とは、回路チップの厚み方向に垂直な方向である。
本発明の実施の形態における回路基板の概略構成を示す断面図である。 図1に示す回路基板の概略構成を示す平面図である。 図1に示す回路基板の製造工程のうち、半導体チップが実装された基板に積層する樹脂フィルムの準備工程を示す断面図である。 図1に示す回路基板の製造工程のうち、半導体チップを基板にフリップチップ実装する工程を示す断面図である。 図4に示す工程において、基板のパッド形成面に第2フィルムを貼り付けた状態を示す平面図である。 図1に示す回路基板の製造工程のうち、積層工程を示す断面図である。 図1に示す回路基板の製造工程のうち、加圧・加熱工程を示す断面図である。 変形例1における回路基板の概略構成を示す断面図である。 図8に示す回路基板の概略構成を示す平面図である。 変形例2における回路基板の概略構成を示す断面図である。
以下、本発明の実施の形態を図に基づいて説明する。なお、本発明の実施の形態は、下記の実施例に何ら限定されることなく、本発明の技術的範囲に属する限り種々の形態を採りうる。また、絶縁基材20の厚み方向(換言すれば、複数枚の樹脂フィルムの積層方向)を単に厚み方向と称し、この厚み方向に垂直な方向を単に垂直方向と称する。
図1に示すように、本実施の形態における回路基板10は、半導体チップ(回路チップ)50を内蔵する基本的な構成要素として、絶縁基材20、絶縁基材20の内部に埋設、すなわち内蔵された半導体チップ50、絶縁基材20に設けられた配線部(導体パターン30・層間接続ビア41)、ヒートシンク(放熱部材)60、放熱用接続ビア42、平板状部材90を備える。
絶縁基材20は、電気絶縁材料からなり、該基材20以外の構成要素、図1に示す例では導体パターン30、層間接続ビア41、半導体チップ50、ヒートシンク60、放熱用接続ビア42、及び平板状部材90を所定位置に保持する基材としての機能を果たすとともに、半導体チップ50をその内部に保持して保護する機能を果たすものである。
この絶縁基材20は、主として樹脂を含むとともに、該樹脂として少なくとも熱可塑性樹脂を含むものであり、熱可塑性樹脂フィルムを含む複数枚の樹脂フィルムが積層され、加圧・加熱により接着・一体化されてなる。熱可塑性樹脂を含む理由は、後述する加圧・加熱工程にて一括で絶縁基材20を形成する際に、高温に耐え、軟化した熱可塑性樹脂を接着材及び封止材として利用するためである。
このため、複数枚の樹脂フィルムとしては、積層状態で、少なくとも1枚おきに位置するように熱可塑性樹脂フィルムを含めば良い。例えば熱可塑性樹脂フィルムのみを含む構成としても良いし、熱可塑性樹脂フィルムとともに熱硬化性樹脂フィルムを含む構成としても良い。
熱可塑性樹脂フィルムとしては、熱可塑性樹脂とともに、ガラス繊維、アラミド繊維などの無機材料を含むフィルム、及び、無機材料を含まない熱可塑性樹脂からなるフィルムの少なくとも一方を採用することができる。同様に、熱硬化性樹脂フィルムとしては、熱硬化性樹脂とともに、上記無機材料を含むフィルム、及び、無機材料を含まない熱硬化性樹脂からなるフィルムの少なくとも一方を採用することができる。
本実施形態に係る絶縁基材20は、図1に示すように、厚み方向において、一面20a側から、熱硬化性樹脂フィルム21a、熱可塑性樹脂フィルム22a、熱硬化性樹脂フィルム21b、熱可塑性樹脂フィルム22b、熱硬化性樹脂フィルム21c、熱可塑性樹脂フィルム22c、熱硬化性樹脂フィルム21d、熱可塑性樹脂フィルム22dの順に計8枚の樹脂フィルムが積層されてなる。すなわち、熱可塑性樹脂フィルムと熱硬化性樹脂フィルムとが交互に積層されて、絶縁基材20が構成されている。
また、熱硬化性樹脂フィルム21a〜21dとして、ガラス繊維などの無機材料を含まない、熱硬化性ポリイミド(PI)からなるフィルムを採用している。一方、熱可塑性樹脂フィルム22a〜22dとして、ガラス繊維などの無機材料や線膨張係数などを調整するための無機フィラーを含まない、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)30重量%とポリエーテルイミド(PEI)70重量%からなる樹脂フィルムを採用している。なお、この熱可塑性樹脂フィルム22a〜22dは、数十〜二百数十度における垂直方向の線膨張係数が数十〜百数十[ppm/℃]程度であり、数十〜二百数十度における厚み方向の線膨張係数が数十〜二百[ppm/℃]程度である。
上記した樹脂フィルムのうち、熱硬化性樹脂フィルム21bが、半導体チップ50が実装される基板に相当し、熱可塑性樹脂フィルム22b,22cが、半導体チップ50と熱硬化性樹脂フィルム21bとの間を封止するものに相当する。
導体パターン30は、導体箔をパターニングしてなるものであり、半導体チップ50と外部とを電気的に接続する配線部として用いられるものである。
一方、層間接続ビア41は、樹脂フィルムにおいて、厚み方向に沿って設けられたビアホール(貫通孔)に導電性ペーストが充填され、この導電性ペースト中の導電性粒子を加圧・加熱により焼結してなるものである。つまり、層間接続ビア41は、層間接続用の焼結体と換言することができる。層間接続ビア41も、導体パターン30とともに、半導体チップ50と外部とを電気的に接続する配線部として用いられるものである。
本実施形態では、導体パターン30と層間接続ビア41とにより、半導体チップ50の電極(電気接続用電極)51aと外部接続用電極33とを電気的に接続する配線部が構成されている。また、上記配線部を構成する層間接続ビア41とは別の層間接続ビアである放熱用接続ビア42により、半導体チップ50のダミー電極(放熱用電極)51bとヒートシンク60とを熱的に接続する放熱配線部が構成されている。つまり、放熱用接続ビア42は、絶縁基材20に設けられ、半導体チップ50のダミー電極51bとヒートシンク60とを熱的に接続するものである。なお、この層間接続ビア41及び放熱用接続ビア42は、垂直方向の線膨張係数が二十数[ppm/℃]程度である。
具体的には、導体パターン30は、銅(Cu)箔をパターニングしてなる。そして、導体パターン30として、半導体チップ50の電極51aに対応するパッド31、垂直方向に延びた横配線部32などを含んでいる。さらには、外部機器との接続に供せられる外部接続用電極33も、導体パターン30の一部として含んでいる。なお、この銅箔をパターニングしてなる導体パターンは、垂直方向の線膨張係数が十数[ppm/℃]程度である。
そして、各パッド31は、半導体チップ50の対応する電極51aのピッチに合わせたピッチで設けられている。図示しないが、本実施形態では、電極51aが、1辺10個で一列の矩形環状に配置されており、電極51aに対応するパッド31も、電極51aの配置に対応して複数のパッド31が図5に示すように矩形環状に設けられている。そして、各パッド31は、図1に示すように、同一層に設けられた横配線部32により、矩形環状の環の外側又は内側(図1では外側を例示)に引き出され(再配線)されて、層間接続ビア41と接続されている。なお、図5では、便宜上、横配線部32を省略して図示している。また、導体パターン30は、図1における左右両側に図示するように、半導体チップ50とともに絶縁基材20に埋設にされている回路素子(図示省略)と、外部機器との接続に供せられる外部接続用電極33とを層間接続ビア41を介して電気的に接続する導体パターン30も含んでもよい。
また、本実施形態では、配線部を構成する層間接続ビア41が、Ag−Sn合金からなる。そして、層間接続ビア41と横配線部32、パッド31を含んで配線部が構成されている。また、ダミー電極51bとヒートシンク60とを熱的に接続するための放熱用接続ビア42に関しても、同様にAg−Sn合金からなる。そして、放熱用接続ビア42と後ほど説明する平板状部材90を含んで放熱用配線部が構成されている。なお、放熱用配線部は、半導体チップ50と電気的に接続されない導体パターンを含むようにしてもよい。
Cuからなる導体パターン30とAg−Sn合金からなる層間接続ビア41との界面には、CuとSnとが相互に拡散してなる金属拡散層(Cu−Sn合金層)が形成され、これにより、導体パターン30と層間接続ビア41との接続信頼性が向上されている。
また、Cuからなる導体パターン30としてのパッド31と、半導体チップ50の電極51a上に設けられた金(Au)からなる接続部52との界面には、CuとAuとが相互に拡散してなる金属拡散層(CuAu3合金を含むCu−Au合金層)が形成され、これにより、パッド31と接続部52との接続信頼性が向上されている。
また、本実施形態では、絶縁基材20の一面20a側表層をなす熱硬化性樹脂フィルム21aの内面に、導体パターン30として外部接続用電極33が形成されている。
半導体チップ50は、シリコンなどの半導体基板に、トランジスタ、ダイオード、バンドギャップ回路、高精度抵抗(薄膜抵抗)、コンデンサなどの回路素子が集積され、回路(大規模集積回路)が構成されたICチップ(ベアチップ)である。なお、この半導体チップ50には、上述のように、バンドギャップ回路や高精度抵抗(薄膜抵抗)などの応力によって特性が変動する回路素子も集積されている。また、この半導体チップ50の表面には、電極が形成されている。本実施形態では、図1に示すように、半導体チップ50の一面に上記回路とは接続されず、電気的な接続機能を提供しないダミー電極51bと、半導体チップ50の裏面(一面の反対面)に上記回路と電気的に接続された電極51aとが形成されている。また、半導体チップ50は、上記した絶縁基材20によって封止されている。
つまり、半導体チップ50は、少なくとも一つの回路素子を含むものであり、ヒートシンク60側の一面にダミー電極51bを有し、裏面に配線部と電気的に接続された電極51aを有し、絶縁基材20に埋設されて絶縁基材20の熱可塑性樹脂21b,21cにより封止されている。
このように、半導体チップ50の裏面にも電極51aが設けられ、半導体チップ50の裏面に設けられた電極51aと外部接続用電極33とが配線部により電気的に接続されるようにしてもよい。このようにすることによって、半導体チップ50として、両面電極型の半導体チップ50であっても採用することができる。
半導体チップ50の裏面側には電極51aが複数形成されており、電極51aには、Auからなる接続部52がそれぞれ接続されている。電極51aにおける接続部52と対向する部位の厚み方向全てが、Au−Al合金(主としてAuAl合金)からなり、アルミニウム(Al)を金属単体で含まないものとなっている。電極51aにおける接続部52と対向する部位の厚み方向全てとは、換言すれば、電極51aのうち、接続部52の直下(乃至直上)における厚み方向全ての部位(接続部52との界面及び該界面から厚み方向全ての部位)である。また、電極51aのうち、半導体チップ50と接続部52に挟まれた部位ともいえる。以下、電極51aのうち、Auからなる接続部52の直下部位と示す。
また、電極51aのうち、接続部52の直下領域ではない部分(例えば保護膜で覆われた部分)については、Alを金属単体で含む構成となっている。
電極51aのうち、Auからなる接続部52の直下部位に単体でAlが残存すると、高温の使用環境において、電極51a中のAlに隣接する接続部52のAuが固相拡散し、AuAlを生成する。このAuAl2の成長速度はAuAlに比べて格段に速く、このため、AuAlの生成にAuの拡散が間に合わずに、接続部52と電極51aの界面にカーケンダルボイドを生じる。また、カーケンダルボイドを起点としてクラックが生じる。
これに対し、本実施形態では、電極51aのうち、Auからなる接続部52の直下部位が、Alを金属単体で含まず、Au−Al合金の最終生成物であるAuAl合金を主として含んでいる。したがって、高温の使用環境においても、カーケンダルボイド、ひいてはクラックが生じるのを抑制することができる。
また、電極51a間のピッチ(間隔)は、半導体チップ50の反対側の面に形成された電極(51b)のピッチよりも狭いものとなっている。具体的には、数十μmピッチ(例えば60μmピッチ)となっている。
一方、半導体チップ50の電極51a形成面とは反対側の面には、Ni系材料からなるダミー電極51bが形成されている。このダミー電極51bには、対応する放熱用接続ビア42が接続されている。Niからなるダミー電極51bとAg−Sn合金からなる放熱用接続ビア42との界面には、SnとNiとが相互に拡散してなる金属拡散層(Ni−Sn合金層)が形成され、これにより、ダミー電極51bと放熱用接続ビア42との接続信頼性が向上されている。なお、ダミー電極51bは、例えば百μm単位のピッチで形成されている。
このように、半導体チップ50は、電気的な接続機能を提供する電極51aを有するとともに、電気的な接続機能を提供しないダミー電極51bも有している。
ヒートシンク60は、Cuなどの金属材料からなり、半導体チップ50に構成された素子の動作による熱を外部に放熱するためのものである。このようなヒートシンク60としては、放熱フィンなどを採用することもできる。本実施形態では、Cuからなる平板状のヒートシンク60を採用している。そして、このヒートシンク60に熱可塑性樹脂フィルム22dが密着することで、ヒートシンク60が絶縁基材20の一面20bに固定されている。
また、ヒートシンク60には、熱可塑性樹脂フィルム22dに形成された放熱用接続ビア42の一端が接続されている。本実施形態では、Cuからなるヒートシンク60と、Ag−Sn合金からなる放熱用接続ビア42との界面に、CuとSnとが相互に拡散してなる金属拡散層(C−Sn合金層)が形成され、これにより、放熱用接続ビア42(放熱配線部)とヒートシンク60との接続信頼性が向上されている。
本実施形態では、半導体チップ50で生じた熱が、ダミー電極51cから、放熱用接続ビア42、平板状部材90からなる放熱配線部を通じてヒートシンク60に伝達される構成となっている。このため、放熱性が向上されている。
また、絶縁基材20の一面20a側には、一面20a側から外部接続用電極33を底面として形成された孔内にメッキ膜などの導電部材が配置され、この導電部材上にはんだボール70が形成されている。
ここで、本発明の特徴部分でもある平板状部材90に関して説明する。
この平板状部材90は、金属(Cu,Cu合金など)や半導体(Siなど)や樹脂などからなる平板形状の部材である。また、平板状部材90は、熱伝導率が絶縁基材20よりも高く、厚み方向の厚みが導体パターン30よりも厚いものである。なお、ここでは、平板状部材90の材料としてCuを採用する。
この平板状部材90は、放熱用接続ビア42を介して半導体チップ50及びヒートシンク60に接続される。具体的には、図1に示すように、平板状部材90は、放熱用接続ビア42を介して半導体チップ50に接続されるとともに、放熱用接続ビア42を介してヒートシンク60に接続されている。また、平板状部材90は、絶縁基材20に埋設されつつ、半導体チップ50とヒートシンク60との間に配置される。つまり、平板状部材90は、両面が平坦面をなすものであり、一方の平坦面が半導体チップ50の一面(ヒートシンク60側の面)と対向し、他方の平坦面がヒートシンク60の一面(絶縁基材20側の面であり、絶縁基材20との接続面)と対向して絶縁基材20内に配置される。
さらに、平板状部材90は、図2に示すように、半導体チップ50の一面全域と対向するように、垂直方向において半導体チップ50の一面以上の大きさ(面積)を有する。
このようにすることによって、半導体チップ50に対向する位置に平板状部材90ではなく放熱用接続ビア42を設ける場合よりも、温度変化の際に生じる半導体チップ50とヒートシンク60との間における全体の変位量を減らすことができる。よって、半導体チップ50のヒートシンク60と対向する一面全体において、局所的な応力を低減することができる。また、このように、半導体チップ50に対する局所的な応力を低減することによって、回路基板10としての信頼性を向上できる。
なお、平板状部材90は、少なくとも半導体チップ50の一面(ヒートシンク60側の面)における回路素子形成領域全域と対向するように、垂直方向において回路素子形成領域以上の大きさ(面積)を有するものであれば採用することができる。なお、本発明における回路素子形成領域とは、バンドギャップ回路や高精度抵抗(薄膜抵抗)などの応力によって特性が変動する回路素子が形成された領域である。
半導体チップ50の一面における回路素子形成領域のみと対向するようにしても、半導体チップ50における少なくとも回路素子が配置された部位に対する局所的な応力を低減することができる。
このように、平板状部材90は、放熱用接続ビア42とともに放熱配線部として機能するとともに、半導体チップ50に対する応力を吸収する応力吸収部としても機能する。よって、平板状部材90は、応力吸収部材とも称することができる。
なお、平板状部材90は、厚み方向の線膨張係数が絶縁基材20における厚み方向の線膨張係数よりも小さいものを採用すると好ましい。このようにすることによって、より一層応力を低減することができる。
また、平板状部材90の材料によっては、放熱性が低下することも考えられる。そこで、平板状部材90の熱伝導率は、放熱用接続ビア42の熱伝導率以上とするようにしてもよい。このようにすることによって、放熱性の低下を抑制しつつ、半導体チップ50に対する局所的な応力を低減することができる。
さらに、垂直方向の線膨張係数が、平板状部材と回路チップとで等しくなるようにしてもよい。このようにすることによって、冷熱サイクルなどの熱負荷による半導体チップ50に対する垂直方向の応力を低減することができる。
次に、上記した回路基板10の製造方法について説明する。なお、導電性ペーストを示す符号40aの後の括弧内は、対応する層間接続ビア、放熱用接続ビアの符号を記載している。また、回路基板10の基本的な構成や製造方法は、特に断りのない限り、本出願人がこれまで出願してきたPALAPに関する構成を適宜採用することができる。なお、PALAPは株式会社デンソーの登録商標である。
先ず、積層体を加圧・加熱して回路基板10を形成すべく、積層体を構成する要素を準備する。半導体チップ50が実装された基板(以下、半導体ユニットとも称する)と、該半導体ユニットに積層される複数枚の樹脂フィルムとをそれぞれ準備する。
本実施形態では、上記したように、熱硬化性樹脂フィルム21a〜21dとして、ガラス繊維などの無機材料を含まない、熱硬化性ポリイミド(PI)からなるフィルムを採用する。本実施形態では、一例として、全ての樹脂フィルム21a〜21dの厚さを同一(例えば50μm)とする。
一方、熱可塑性樹脂フィルム22a〜22dとして、ガラス繊維などの無機材料や線膨張係数などを調整するための無機フィラーを含まない、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)30重量%とポリエーテルイミド(PEI)70重量%からなる樹脂フィルムを採用する。本実施形態では、一例として、樹脂フィルム22a,22c,22dを同一の厚さ(例えば80μm)とし、第2フィルムとしての熱可塑性樹脂フィルム22bを、上記樹脂フィルム22a,22c,22dよりも薄い厚さ(例えば50μm)とする。
この準備工程では、PALAPとして知られる一括積層法で周知のごとく、一括積層する前に、絶縁基材20を構成する樹脂フィルムに対して、導体パターン30を形成したり、焼結により層間接続ビア41となる導電性ペースト40aをビアホールに充填したりしておく。導体パターン30や、導電性ペースト40aが充填されるビアホールの配置は、上記した配線部や放熱配線部に応じて適宜決定される。
導体パターン30は、樹脂フィルムの表面に貼着した導体箔をパターニングすることで形成することができる。絶縁基材20を構成する複数枚の樹脂フィルムとしては、導体パターン30を有する樹脂フィルムを含めばよく、例えば全ての樹脂フィルムが導体パターン30を有する構成や、一部の樹脂フィルムが導体パターン30を有さない構成も採用することができる。また、導体パターン30を有する樹脂フィルムとしては、片面のみに導体パターン30を有する樹脂フィルム、積層方向における両面に導体パターン30を有する樹脂フィルムのいずれも採用することができる。
一方、導電性ペースト40aは、導電性粒子にエチルセルロース樹脂やアクリル樹脂などを保形性付与のため添加し、テルピネオールなどの有機溶剤を加えた状態で混練することで得ることができる。そして、炭酸ガスレーザなどにより、樹脂フィルムを貫通するビアホールを形成し、スクリーン印刷などによって、導電性ペースト40aをビアホール内に充填する。ビアホールは、上記導体パターン30を底面として形成しても良いし、導体パターン30の無い位置に、ビアホールを形成しても良い。
導体パターン30上にビアホールを形成する場合、導体パターン30が底となるため、ビアホール内に導電性ペースト40aを留めることができる。一方、導体パターン30を有さない樹脂フィルム、又は、導体パターン30を有しながらも、導体パターン30の形成位置とは異なる位置にビアホールを形成する場合には、底のないビアホール内に導電性ペースト40aを留めるために、本出願人による特願2008−296074号に記載の導電性ペースト40aを用いる。また、この導電性ペースト40aを充填する装置(方法)としては、本出願人による特願2009−75034号に記載の装置(方法)を採用すると良い。
この導電性ペースト40aは、導電性粒子に対し、導電性粒子の焼結温度よりも低い温度で分解または揮発するとともに、該温度よりも低く、室温よりも高い温度で溶融状態となり、室温で固体状態となる低融点室温固体樹脂が添加されている。低融点室温固体樹脂としては、例えばパラフィンがある。これによれば、充填時には加温することで、低融点室温固体樹脂が溶融してペースト状となり、充填後の冷却において、低融点室温固体樹脂が固化することで導電性ペースト40aも固まって、ビアホール内に保持することができる。なお、充填する際には、ビアホールの一端を平坦な部材にて塞いでおけば良い。
先ず、半導体ユニットに積層される6枚の樹脂フィルム21a,21c,21d,22a,22c,22dを準備する工程を説明する。
本実施形態では、図3に示すように、6枚の樹脂フィルム21a,21c,21d,22a,22c,22dのうち、熱硬化性樹脂フィルム21a,21c,21dのみ、片面に銅箔(例えば厚さ18μm)が貼着されたフィルムを準備し、銅箔をパターニングして導体パターン30をそれぞれ形成する。なお、半導体ユニットを構成する残り2枚の樹脂フィルム21b,22bについても、熱硬化性樹脂フィルム21bのみ片面に銅箔(同じく厚さ18μm)が貼着されたフィルムを準備し、この銅箔をパターニングして導体パターン30を形成する。
すなわち、熱硬化性樹脂フィルム21a〜21dは片面に導体パターン30を有する構成とし、熱可塑性樹脂フィルム22a〜22dは、導体パターン30を有さない構成とする。
また、6枚の樹脂フィルム21a,21c,21d,22a,22c,22dのうち、導体パターン30として外部接続用電極33を片面(積層状態で内面)に有し、絶縁基材20の一面20a側の表層を構成する熱硬化性樹脂フィルム21aを除く5枚の樹脂フィルム21c,21d,22a,22c,22dに、ビアホール(符号略)をそれぞれ形成し、該ビアホール内に導電性ペースト40aを充填する。そして充填後、乾燥工程にて溶剤を揮発させる。
本実施形態では、熱硬化性樹脂フィルム21a,21c,21dのみに導体パターン30を形成するため、導体パターン30を形成しない熱可塑性樹脂フィルム22a,22c,22dについては、導電性粒子としてAg粒子とSn粒子を所定の比率で含み、且つ、上記したように、パラフィンなどの低融点室温固体樹脂が添加された導電性ペースト40aを用いる。
熱硬化性樹脂フィルム21a,21c,21dについては、熱可塑性樹脂フィルム22a,22c,22dと同じ導電性ペースト40aを用いても良いし、導電性粒子としてAg粒子とSn粒子を所定の比率で含み、低融点室温固体樹脂を含まない導電性ペースト40aを採用しても良い。
さらに、この準備工程では、積層体が半導体チップ50を収容する空洞を有するために、複数枚の樹脂フィルムの一部に予め空洞部を形成しておく。本実施形態では、熱硬化性樹脂フィルム21cに、半導体チップ50を収容するための空洞部23を形成する。このため、空洞部23を有する熱硬化性樹脂フィルム21cは矩形枠状を呈する。
また、同様に、積層体が平板状部材90を収容する空洞(貫通孔)を有するために、複数枚の樹脂フィルムの一部に予め空洞部(貫通孔)を形成しておく。本実施形態では、熱硬化性樹脂フィルム21dに、平板状部材90を収容するための空洞部(貫通孔)25を形成する。このため、空洞部25を有する熱硬化性樹脂フィルム21cは矩形枠状を呈する。
空洞部23,25は、パンチやドリルなどによる機械的加工、レーザ光の照射により形成することができ、半導体チップ50や平板状部材90の体格に対し、所定のマージンをもって形成される。空洞部23,25の形成タイミングとしては、導体パターン30及び層間接続ビア41の形成前、形成後のいずれもでも良い。
また、上記した樹脂フィルム21a,21c,21d,22a,22c,22dの準備工程に並行して、半導体ユニットの形成工程を実施する。
本実施形態では、図4(a)に示すように、基板をなす熱硬化性樹脂フィルム21bと熱可塑性樹脂フィルム22bを準備する。熱硬化性樹脂フィルム21bについては片面に銅箔が貼着されたものを準備し、この銅箔をパターニングして導体パターン30を形成する。このとき、導体パターン30として、パッド31及び横配線部32も形成される。
次いで、加熱・加圧することで、熱可塑性樹脂フィルム22bを、パッド31及び横配線部32を覆うように基板のパッド形成面に貼り付ける。
本実施形態では、図4(b)に示すように、熱可塑性樹脂フィルム22bを、パッド31及び横配線部32を覆うように、基板としての熱硬化性樹脂フィルム21bのパッド形成面に熱圧着する。
具体的には、熱可塑性樹脂フィルム22bの温度が、該フィルム22bを構成する熱可塑性樹脂のガラス転移点以上、融点以下となるように加熱しつつ、熱硬化性樹脂フィルム21b側に加圧することで、軟化した熱可塑性樹脂を熱硬化性樹脂フィルム21bのランド形成面及び導体パターン30の表面に密着させる。
熱可塑性樹脂フィルム22bを熱硬化性樹脂フィルム21bに熱圧着した後、樹脂フィルム21b,22bに導体パターン30を底面としてビアホールを形成するとともに、ビアホールに対して、図4(b)に示すように導電性ペースト40aを充填する。ここでは、いずれも導体パターン30を底面とするため、導電性ペースト40aとして、低融点室温固体樹脂を含まない導電性ペーストを採用しても良いし、低融点室温固体樹脂を含む導電性ペーストを採用しても良い。
次に、別途準備した半導体チップ50を、基板にフリップチップ実装する。
半導体チップ50には、基板に対する搭載面の電極51a上にスタッドバンプ52aが形成されている。本実施形態では、Al系材料からなる電極51a上に、例えばワイヤを使った周知の方法でAuからなるスタッドバンプ52a(鋲状のバンプ)が形成されている。
そして、図4(c)に示すように、例えばパルスヒート方式の熱圧着ツール100により、この半導体チップ50を、基板搭載面の裏面側から加熱しつつ基板に向けて加圧する。このとき、熱可塑性樹脂フィルム22bを構成する熱可塑性樹脂の融点(PEEK:PEI=30:70で330℃)以上の温度で加熱しつつ、熱硬化性樹脂フィルム21b側に加圧する。
熱圧着ツール100からの熱が半導体チップ50に伝わり、スタッドバンプ52aの先端温度が熱可塑性樹脂フィルム22bを構成する熱可塑性樹脂の融点以上となると、スタッドバンプ52aが接する熱可塑性樹脂フィルム22bの部分が軟化・溶融(熔融)する。したがって、熱可塑性樹脂フィルム22bを溶融させながら、スタッドバンプ52aを熱可塑性樹脂フィルム22bに押し込んで、対応するパッド31に接触させることができる。これにより、図4(d)に示すように、スタッドバンプ52aとパッド31とを圧接状態とすることができる。
また、溶融・軟化した熱可塑性樹脂は、圧力を受けて流動し、半導体チップ50の基板搭載面、熱硬化性樹脂フィルム21bのパッド形成面、導体パターン30、電極51a、及びスタッドバンプ52aに密着する。したがって、図4(d)に示すように、熱可塑性樹脂フィルム22bによって、半導体チップ50と熱硬化性樹脂フィルム21b(基板)との間を封止することができる。このようにして、半導体ユニットを形成する。
本実施形態では、フリップチップ実装時の加熱温度を、融点よりも若干高い350℃程度とし、1つのスタッドバンプ52aにかかる荷重が20〜50gf程度となる圧力を印加する。これにより、短時間で、スタッドバンプ52aとパッド31とを圧接状態とすることができる。
なお、圧接状態となった後も、加熱・加圧を継続すると、スタッドバンプ52aを構成するAuとパッド31を構成するCuとが相互に拡散(固相拡散)し、金属拡散層(Cu−Au合金層)を形成する。また、スタッドバンプ52aを構成するAuが電極51aを構成するAlに対して固相拡散し、金属拡散層(Au−Al合金層)を形成する。しかしながら、このような金属拡散層を形成するには、上記した圧接状態を形成するのに比べ、加熱・加圧時間として長時間を要する。1つの半導体チップ50を基板に実装するのに長時間を要すると、半導体チップ50を内蔵する回路基板10の形成時間が結果として長くなり、製造コストも増加してしまう。また、その間、電極51a、スタッドバンプ52a、パッド31の電気的な接続部以外の箇所にも、不必要な熱が印加されることとなる。このため、この実装工程では、スタッドバンプ52aとパッド31との接続状態を圧接状態にとどめる。
また、本実施形態では、熱可塑性樹脂フィルム22bを熱硬化性樹脂フィルム21bに貼り付けた後で、ビアホールを形成し、導電性ペースト40aを充填する例を示した。しかしながら、貼り付け前の状態で、各樹脂フィルム21b,22bにビアホールを形成し、導電性ペースト40aを充填しても良い。
導電性ペースト40aについては、半導体チップ50を、基板にフリップチップ実装する際の加熱・加圧や、熱可塑性樹脂フィルム22bを貼り付け前に形成した場合には、貼り付け時の加圧・加熱により、導電性粒子が焼結されて層間接続ビア41を形成しても良いし、焼結されずに半導体ユニットが形成された時点で導電性ペースト40aのままでも良い。また、一部が焼結された状態としても良い。本実施形態では、フリップチップ実装後の状態で導電性ペースト40aとする。
次に、積層体を形成する積層工程を実施する。この工程では、表面に導体パターン30が形成された樹脂フィルム、ビアホール内に導電性ペースト40aが充填された樹脂フィルム、を含む複数枚の樹脂フィルムを、熱可塑性樹脂フィルムが、少なくとも1枚おきに位置しつつ半導体チップ50の電極形成面及び該電極形成面の裏面に隣接するように積層する。
本実施形態では、図6に示すように、積層方向における一端側から、熱硬化性樹脂フィルム21a、熱可塑性樹脂フィルム22a、熱硬化性樹脂フィルム21b、熱可塑性樹脂フィルム22b、熱硬化性樹脂フィルム21c、熱可塑性樹脂フィルム22c、熱硬化性樹脂フィルム21d、熱可塑性樹脂フィルム22dの順となるように、複数枚の樹脂フィルム21a,21c,21d,22a,22c,22dと半導体ユニットと平板状部材90を積層する。このように本実施形態では、熱可塑性樹脂フィルム22a〜22dと熱硬化性樹脂フィルム21a〜21dとを交互に位置するように積層する。
さらには、熱可塑性樹脂フィルム22d上にヒートシンク60を積層する。なお、図6では、便宜上、積層体を構成する要素を、離間させて図示している。
詳しくは、熱硬化性樹脂フィルム21aの導体パターン形成面上に熱可塑性樹脂フィルム22aを積層し、熱可塑性樹脂フィルム22a上に、半導体ユニットを、熱硬化性樹脂フィルム21bを搭載面として積層する。半導体ユニットにおける熱可塑性樹脂フィルム22b上であって、半導体チップ50の周囲には、熱硬化性樹脂フィルム21cを、導体パターン形成面とは反対側の面を搭載面として積層する。また、熱硬化性樹脂フィルム21c及び半導体チップ50上に熱可塑性樹脂フィルム22cを積層し、熱可塑性樹脂フィルム22c上に導体パターン形成面を搭載面として、熱硬化性樹脂フィルム21d及び平板状部材90を積層する。そして、熱硬化性樹脂フィルム21d上に熱可塑性樹脂フィルム22dを積層し、さらにヒートシンク60を積層して、1つの積層体を形成する。
この積層体では、積層方向において、半導体チップ50に隣接する樹脂フィルムが、熱可塑性樹脂フィルム22b,22cとなる。少なくともこれら樹脂フィルム22b,22cは、加圧・加熱工程において、半導体チップ50の周囲を封止する機能を果たす。本実施形態では、垂直方向において半導体チップ50を取り囲む樹脂フィルムが熱硬化性樹脂フィルム21cであるので、上記2枚の樹脂フィルム22b,22cが、半導体チップ50の周囲を封止する機能を果たす。
また、この積層体では、積層方向において、平板状部材90に隣接する樹脂フィルムが、熱可塑性樹脂フィルム22c,22dとなる。少なくともこれら樹脂フィルム22c,22dは、加圧・加熱工程において、平板状部材90の周囲を封止する機能を果たす。本実施形態では、垂直方向において平板状部材90を取り囲む樹脂フィルムが熱硬化性樹脂フィルム21dであるので、上記2枚の樹脂フィルム22c,22dが、平板状部材90の周囲を封止する機能を果たす。
このように、半導体チップ50を封止する熱可塑性樹脂フィルム22b,22cとしては、熱可塑性樹脂フィルムにガラス繊維やアラミド繊維などの無機材料を含まないだけでなく、線膨張係数や融点を調整するための無機フィラーも含まないものを採用することが好ましい。こうすることで、加圧・加熱工程において、半導体チップ50に、局所的に応力がかかるのを抑制することができる。
しかしながら、線膨張係数や融点を調整するための無機フィラーも含まない熱可塑性樹脂フィルム22b,22cを採用すると、無機フィラーが無い分、半導体チップ50との線膨張係数差が大きくなり、これにともなう応力が増加することが考えられる。したがって、応力低減のために、熱可塑性樹脂フィルム22b,22cとして弾性率の低い(例え
ば10GPa以下)樹脂フィルムを採用すると良い。
また、半導体チップ50を封止する熱可塑性樹脂フィルム22b,22cとしては、厚さが5μm以上のものを採用することが好ましい。5μm未満とすると、加圧・加熱工程において、これら樹脂フィルム22b,22cの応力が高くなり、半導体チップ50の表面から剥がれてしまう恐れがあるためである。
次いで、真空熱プレス機を用いて積層体を加熱しつつ積層方向上下から加圧する加圧・加熱工程を実施する。この工程では、熱可塑性樹脂を軟化させて複数枚の樹脂フィルムを
括で一体化するとともに半導体チップ50及び平板状部材90を封止し、導電性ペースト40a中の導電性粒子を焼結体として、該焼結体と導体パターン30を有した配線部を形成する。
加圧・加熱工程では、樹脂フィルムを一括で一体化して絶縁基材20とするとともに、導電性ペースト40a中の導電性粒子を焼結体とするために、樹脂フィルムを構成する熱可塑性樹脂のガラス転移点以上融点以下の温度、数MPaの圧力を所定時間保持する。本実施形態では、280℃〜330℃のプレス温度、4〜5MPaの圧力を5分以上(例えば10分)保持する。
先ず、加圧・加熱工程において、樹脂フィルム部分の接続について説明する。
1枚おきに配置された熱可塑性樹脂フィルム22a〜22dは、上記加熱により軟化する。このとき、圧力を受けているため、軟化した熱可塑性樹脂フィルム22a〜22dは、隣接する熱硬化性樹脂フィルム21a〜21dに密着する。これにより、複数の樹脂フィルム21a〜21d,22a〜22dが一括で一体化し、絶縁基材20が形成される。このとき、ヒートシンク60にも、隣接する熱可塑性樹脂フィルム22dが密着するため、ヒートシンク60も絶縁基材20に一体化する。
また、半導体チップ50に隣接する熱可塑性樹脂フィルム22b,22cは、圧力を受けて流動し、半導体チップ50の電極51a形成面、及び、その裏面であるダミー電極51b形成面に密着する。また、半導体チップ50の側面と熱硬化性樹脂フィルム21cとの隙間にも入り込み、該隙間を埋めるとともに、半導体チップ50の側面に密着する。したがって、熱可塑性樹脂(熱可塑性樹脂フィルム22b,22c)により、半導体チップ50が封止される。
さらに、平板状部材90に隣接する熱可塑性樹脂フィルム22c,22dは、圧力を受けて流動し、平板状部材90に密着する。また、平板状部材90の側面と熱硬化性樹脂フィルム21dとの隙間にも入り込み、該隙間を埋めるとともに、平板状部材90の側面に密着する。したがって、熱可塑性樹脂(熱可塑性樹脂フィルム22c,22d)により、平板状部材90が封止される。
次に、加圧・加熱工程において、半導体チップ50の電極51a,ダミー電極51b、導体パターン30、層間接続ビア41、放熱用接続ビア42、ヒートシンク60、平板状部材90の接続について説明する。
上記加熱により、導電性ペースト40a中のSn(融点232℃)が溶融し、同じく導電性ペースト40a中のAg粒子に拡散して、Ag−Sn合金(融点480℃)を形成する。また、導電性ペースト40aに圧力が加えられているため、焼結により一体化した合金からなる層間接続ビア41及び放熱用接続ビア42がビアホール内に形成される。
溶融したSnは、導体パターン30、ヒートシンク60、及び平板状部材90を構成するCuとも相互拡散する。これにより、層間接続ビア41と導体パターン30の界面、放熱用接続ビア42とヒートシンク60の界面、及び放熱用接続ビア42と平板状部材90の界面に金属拡散層(Cu−Sn合金層)が形成される。
溶融したSnは、半導体チップ50のダミー電極51bを構成するNiとも相互拡散する。これにより、放熱用接続ビア42とダミー電極51bとの界面に金属拡散層(Ni−Sn合金層)が形成される。
また、スタッドバンプ52aを構成するAuが、半導体チップ50の電極51aを構成するAlに固相拡散する。電極51aはファインピッチ対応の電極であるため、電極51aを構成するAlの量は、スタッドバンプ52aを構成するAuの量に比べて少なく、電極51aのうち、スタッドバンプ52aと対向する部位の厚み方向のAl全てがAuとの合金化に費やされて、加圧・加熱工程後では、上記部位において、Alを金属単体で含まないものとなる。また、加圧・加熱後の電極51aは、Au−Al合金として、主としてAuAl合金を含むものとなる。
なお、加圧・加熱工程において、AuAl合金が生成する前に、成長速度の速いAuAlが生成されたとしても、圧力が印加されているため、上記したカーケンダルボイドの生成を抑制することができる。
さらに、スタッドバンプ52aを構成するAuと導体パターン30(パッド31)を構成するCuとが相互に拡散する。これにより、スタッドバンプ由来の接続部52とパッド31との界面に、CuAu合金を含むCu―Au合金層が形成される。Cu−Au合金は、250℃程度以上の加熱があれば生成でき、上記した加圧・加熱条件によれば、CuAu合金層を形成することができる。
また、スタッドバンプ52aは、固相拡散接合に消費されたAuの残りにより、Au−Al合金からなる部位を含む電極51aと、Cuからなり、界面にCu−Au合金層を有するパッド31とを電気的に接続する接続部52となる。このように、加圧・加熱工程において、スタッドバンプ52aとパッド31との接続状態を、直接的な接合状態とする。
以上により、図7に示すように、絶縁基材20に半導体チップ50が内蔵され、半導体チップ50が熱可塑性樹脂によって封止され、半導体チップ50と外部接続用電極33とが配線部によって電気的に接続され、半導体チップ50とヒートシンク60とが平板状部材90を含む放熱配線部によって熱的に接続された基板を得ることができる。
そして、この基板に対し、絶縁基材20の一面20a側から外部接続用電極33を底面とする孔を形成し、孔内にメッキ膜などの導電部材を配置したあと、導電部材上にはんだボール70を形成することで、図1に示す回路基板10を得ることができる。
このようにすることによって、半導体チップ50に対向する位置に平板状部材90ではなく放熱用接続ビア42を設ける場合よりも、温度変化の際に生じる半導体チップ50とヒートシンク60との間における全体の変位量を減らすことができる。よって、半導体チップ50のヒートシンク60と対向する一面全体における局所的な応力が低減された回路基板10を製造することができる。また、このように、半導体チップ50に対する局所的な応力を低減することができるので、信頼性が高い回路基板10を製造することができる。
また、本実施の形態における回路基板10においては、放熱用接続ビア42を介して半導体チップ50及びヒートシンク60に接続された平板状部材90を設けているため、加圧・加熱工程時に半導体チップ50に局所的な応力が加えられることも抑制することができる
次に、上記実施形態に示した回路基板10及びその製造方法におけるその他の特徴部分の効果について説明する。
本実施形態では、回路基板10を形成するに当たり、熱可塑性樹脂フィルム22a〜22dが、少なくとも1枚おきに位置しつつ半導体チップ50の電極51a形成面及び該電極形成面の裏面に隣接するように、複数枚の樹脂フィルム21a〜21d,22a〜22dを積層して積層体とする。
したがって、加圧・加熱により、熱可塑性樹脂フィルム22a〜22dを構成する熱可塑性樹脂を接着材として、複数枚の樹脂フィルム21a〜21d,22a〜22dを一括で一体化することができる。また、少なくとも半導体チップ50に隣接する熱可塑性樹脂フィルム22b,22cによって半導体チップ50を封止することができる。さらには、上記加圧・加熱により、導電性ペースト40a中の導電性粒子を焼結体として導体パターン30とともに配線部を形成することができる。このため、回路基板10の製造工程を簡素化することができる。
また、積層体を形成する積層工程の前に、半導体チップ50と、基板(熱硬化性樹脂フィルム21b)との間に熱可塑性樹脂フィルム22bを配置し、熱可塑性樹脂の融点以上の温度で加熱しつつ加圧する。したがって、温度を熱可塑性樹脂の融点以上まで上げている間は、熱可塑性樹脂に流動性を持たせることができ、加圧によりスタッドバンプ52aとパッド31との間に位置する熱可塑性樹脂を移動させ、スタッドバンプ52aをパッド31に直接接触させて、スタッドバンプ52aとパッド31とを圧接状態とすることができる。
このとき、溶融した熱可塑性樹脂が圧力を受けて流動し、スタッドバンプ52aとパッド31の接続部の周囲を含んで、半導体チップ50と基板(熱硬化性樹脂フィルム21b)の間を封止する。したがって、各接続部間での電気的な絶縁性を確保することができる。また、接続部における接続信頼性を向上することができる。
また、スタッドバンプ52aとパッド31とが圧接状態となった時点でフリップチップ実装工程(加熱・加圧)を終了し、加圧・加熱工程で受ける加圧・加熱により、スタッドバンプ52aとパッド31とを接合状態とする。このように、加圧・加熱工程の熱と圧力を利用することで、スタッドバンプ52a(接続部52)とパッド31とを接合状態とするので、圧接状態に比べて、半導体チップ50の電極51aとパッド31との電気的な接続信頼性を向上することができる。
また、フリップチップ実装工程では、スタッドバンプ52aとパッド31とを圧接状態としておき、加圧・加熱工程の熱と圧力を利用することで、スタッドバンプ52aとパッド31とを接合状態とする。したがって、フリップチップ実装工程において、スタッドバンプ52aとパッド31とを接合状態とし、その後、加圧・加熱工程を実施する方法に比べて、製造時間を短縮することができる。
なお、積層工程の前にスタッドバンプ52aをパッド31に接触させず、加圧・加熱工程にて、スタッドバンプ52aをパッド31に接触させ、且つ、接合状態となるようにすると、軟化した熱可塑性樹脂の緩衝効果により、スタッドバンプ52aが第2フィルムとしての熱可塑性樹脂フィルム22bに押し込まれにくくなる。その結果、スタッドバンプ52aとパッド31との間に熱可塑性樹脂が残ってしまうことも考えられる。
これに対し、本実施形態では、積層工程の前に、スタッドバンプ52aとパッド31とを圧接状態としておくので、加圧・加熱工程の加圧・加熱により、スタッドバンプ52aとパッド31とを確実に接合状態とすることができる。
また、本実施形態では、熱硬化性樹脂フィルム21a〜21dのみに導体パターン30を形成し、熱可塑性樹脂フィルム22a〜22dには導体パターン30を形成しない。したがって、加圧・加熱工程などで熱可塑性樹脂が軟化し、圧力を受けて流動しても、導体パターン30は熱硬化性樹脂フィルム21a〜21dに固定されているため、導体パターン30の位置ズレを抑制することができる。このため、ファインピッチ対応の半導体チップ50を内蔵する回路基板10に好適である。
また、本実施形態では、加圧・加熱工程において、スタッドバンプ52aを構成するAuが、スタッドバンプ52aの一端側に接する電極51aのAlに固相拡散するとともに、スタッドバンプ52aの他端側に接するパッド31のCuと固相拡散する。したがって、スタッドバンプ52a(接続部52)を介した電極51aとパッド31との電気的な接続信頼性をより向上できるとともに、Au−Al合金とCu−Au合金を同一の工程で形成することで製造工程を簡素化することもできる。
以上、本発明の好ましい実施形態について説明したが、本発明は上述した実施形態になんら制限されることなく、本発明の主旨を逸脱しない範囲において、種々変形して実施す
ることが可能である。
絶縁基材20を構成する複数枚の樹脂フィルムの構成は、上記例に限定されるものではない。樹脂フィルムの枚数は上記例(8枚)に限定されるものではない。半導体チップ50を内蔵できる枚数であれば良い。
熱可塑性樹脂フィルムの構成材料も上記例に限定されない。例えば、PEEK/PEIからなるものであっても、上記例とは比率の異なるものを採用しても良い。また、PEEK/PEI以外の構成材料、例えば液晶ポリマー(LCP)、ポリフェニレンスルフィド(PPS)、テトラフルオロエチレン・ヘキサフルオロプロピレン共重合体(FEP)、テトラフルオロエチレン・パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体(PFA)などを採用しても良い。
加圧・加熱工程での半導体チップ50への局所的な応力印加を抑制すべく、熱可塑性樹脂フィルム22a〜22dとして、ガラス繊維、アラミド繊維などの基材に用いられる無機材料、融点や線膨張係数の調整のために添加される無機フィラーを有さないフィルムを用いる例を示したが、これらを含む熱可塑性樹脂フィルム22a〜22dを採用することもできる。しかしながら、上記したように、半導体チップ50を封止するのに用いる熱可塑性樹脂フィルム(本実施形態では2枚の熱可塑性樹脂フィルム22b,22c)については、半導体チップ50への局所的な応力印加を抑制するために、ガラス繊維、アラミド繊維などの基材に用いられる無機材料、融点や線膨張係数の調整のために添加される無機フィラーを有さないフィルムを用いることが好ましい。
熱硬化性樹脂フィルムの構成材料も上記例に限定されない。例えば、ガラス繊維、アラミド繊維などの基材に用いられる無機材料を含むフィルムを採用することもできる。また、熱硬化性ポリイミド以外の熱硬化性樹脂を採用することもできる。
また、複数枚の樹脂フィルムとして、熱硬化性樹脂フィルムを含まず、熱可塑性樹脂フィルムのみを含む構成としても良い。また、熱硬化性樹脂フィルムよりも熱可塑性樹脂フィルムの枚数が多く、積層状態で一部、熱可塑性樹脂フィルムが連続する構成としても良い。
本実施形態では、半導体チップ50がフリップチップ実装される基板として、第1フィルムとしての熱硬化性樹脂フィルム21bの例を示した。しかしながら、第1フィルムとして熱可塑性樹脂フィルムを採用しても良い。また、第1フィルムを含む、複数枚の樹脂フィルムを用いて基板を構成しても良い。
また、樹脂フィルムの厚さや、導体パターン30の厚さも上記例に限定されるものではない。ただし、積層方向において、半導体チップ50に隣接し、半導体チップ50を封止する熱可塑性樹脂フィルム22b,22cについては、上記したように、厚さが5μm以上のものを採用することが好ましい。
(変形例1)
上述の実施の形態においては、平板状部材90は、半導体チップ50の一面全域と対向するように、垂直方向において半導体チップ50の一面以上の大きさ(面積)を有する例を採用したが本発明はこれに限定されるものではない。
図8に示すように、変形例1の回路基板10においては、半導体チップ50の一面には、ダミー電極51bとともに、電気的な接続機能を提供する電極51cが設けられる。この電極51cは、半導体チップ50に設けられた回路と電気的に接続されるとともに、配線部により外部接続用電極33と電気的に接続される。両面に電極51a、51cを有するのは、素子として、厚み方向に電流が流れる素子、例えば縦型のMOSFETやIGBT、抵抗などを含むためである。
例えば、図9に示すように、変形例1の回路基板10は、半導体チップ50の一面における周縁領域(例えば、外周一列分)に電極51cが設けられ、この電極51cに取り囲まれる領域にダミー電極51bが設けられる。また、平板状部材90は、ダミー電極(放熱用電極)形成領域と対向するように、厚み方向に垂直な方向においてダミー電極形成領域と同程度の大きさを有するようにする。なお、半導体チップ50における平板状部材90と対向する領域にのみ、応力によって特性が変動する回路素子は配置されているものとする。
このようにすることによって、半導体チップ50は、ヒートシンク60と対向する一面においても、電気的な接続を行うことができるので好ましい。
また、半導体チップ50の一面にダミー電極51bとともに電気的な接続機能を提供する電極51cが設けられる場合、半導体チップ50とヒートシンク60との間に配置される樹脂フィルムの積層枚数を増やす必要がある。これによって、放熱用接続ビア42を厚み方向に積層する必要がある。この場合、放熱用接続ビア42を一層だけ設ける場合よりも半導体チップ50に対する局所的な応力が大きくなる。
しかしながら、平板状部材90を設けることによって、半導体チップ50の一面にダミー電極51bとともに電気的な接続機能を提供する電極51cが設けられる場合であっても、半導体チップ50における少なくとも回路素子が配置された部位に対する局所的な応力を低減することができる。つまり、本発明の平板状部材90は、このような構造において特に有効である。
(変形例2)
また、図10に示すように、変形例2の回路基板10においては、半導体チップ50の一面における平板状部材90との対向領域に、ダミー電極51bとともに電気的な接続機能を提供する電極51cが設けられるようにしてもよい。つまり、半導体チップ50の一面と平板状部材90との対向領域に、電極51cと電気的に接続される配線部を設けるようにしてもよい。両面に電極51a、51cを有するのは、素子として、厚み方向に電流が流れる素子、例えば縦型のMOSFETやIGBT、抵抗などを含むためである。
このようにすることによって、半導体チップ50は、平板状部材90と対向する位置においても、電気的な接続を行うことができるので好ましい。
また、半導体チップ50の一面における平板状部材90との対向領域に、ダミー電極51bとともに電気的な接続機能を提供する電極51cが設けられる場合、半導体チップ50とヒートシンク60との間に配置される樹脂フィルムの積層枚数を増やす必要がある。これによって、放熱用接続ビア42を厚み方向に積層する必要がある。この場合、放熱用接続ビア42を一層だけ設ける場合よりも半導体チップ50に対する局所的な応力が大きくなる。
しかしながら、平板状部材90を設けることによって、半導体チップ50の一面における平板状部材90との対向領域にダミー電極51bとともに電気的な接続機能を提供する電極51cが設けられる場合であっても、半導体チップ50における少なくとも回路素子が配置された部位に対する局所的な応力を低減することができる。つまり、本発明の平板状部材90は、このような構造において特に有効である。
以上、本発明の好ましい実施形態について説明したが、本発明は上述した実施形態に何ら制限されることはなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において、種々の変形が可能である。
10・・・回路基板
20・・・絶縁基材
21a〜21d・・・熱硬化性樹脂フィルム
22a〜22d・・・熱可塑性樹脂フィルム
30・・・導体パターン
41・・・層間接続ビア
42・・・放熱用接続ビア
50・・・半導体チップ
51a・・・電極
51b・・・ダミー電極
60・・・ヒートシンク
90・・・平板状部材

Claims (9)

  1. 熱可塑性樹脂を含む絶縁基材に、導体パターン及び層間接続ビアを含む配線部が設けられた回路基板であり、
    前記絶縁基材の厚み方向に垂直な該絶縁基材の一面に配置された放熱部材と、
    少なくとも一つの回路素子を含むものであり、前記放熱部材側の一面に放熱用電極を有し、前記一面及び該一面の裏面の少なくとも一方に前記配線部と電気的に接続された電気接続用電極を有し、前記絶縁基材に埋設されて該絶縁基材の熱可塑性樹脂により封止された回路チップと、
    前記絶縁基材に設けられ、前記回路チップの前記放熱用電極と前記放熱部材とを熱的に接続する放熱用接続ビアと、
    前記放熱用接続ビアを介して前記回路チップ及び前記放熱部材に接続されるものであり、熱伝導率が前記絶縁基材よりも高く、前記厚み方向において前記導体パターンよりも厚く、前記絶縁基材に埋設されつつ、前記回路チップと前記放熱部材との間に配置された平板状部材と、を備え、
    前記平板状部材は、少なくとも前記回路チップの一面における回路素子形成領域全域と対向するように、前記厚み方向に垂直な方向において前記回路素子形成領域以上の大きさを有することを特徴とする回路基板。
  2. 前記平板状部材は、前記厚み方向の線膨張係数が前記絶縁基材における厚み方向の線膨張係数よりも小さいことを特徴とする請求項1に記載の回路基板。
  3. 前記回路チップの一面には、前記放熱用電極とともに前記電気接続用電極が設けられ、
    前記絶縁基材の放熱部材配置面と反対の面に、外部接続用電極としての前記導体パターンが設けられ、
    前記回路チップの一面に設けられた前記電気接続用電極と前記外部接続用電極とが前記配線部により電気的に接続されることを特徴とする請求項1又は2に記載の回路基板。
  4. 前記回路チップの一面における周縁領域に前記電気接続用電極が設けられ、当該電気接続用電極に取り囲まれる領域に前記放熱用電極が設けられ、
    前記平板状部材は、放熱用電極形成領域と対向するように、前記厚み方向に垂直な方向において前記放熱用電極形成領域と同程度の大きさを有することを特徴とする請求項3に記載の回路基板。
  5. 前記平板状部材は、前記回路チップの一面全域と対向するように、前記厚み方向に垂直な方向において前記一面以上の大きさを有することを特徴とする求項1乃至3のいずれか一項に記載回路基板。
  6. 前記回路チップの一面における前記平板状部材との対向領域に、前記電気接続用電極と前記放熱用電極とが設けられることを特徴とする請求項2又は3又は5に記載の回路基板。
  7. 前記回路チップの裏面にも前記電気接続用電極が設けられ、前記回路チップの裏面に設けられた前記電気接続用電極と前記外部接続用電極とが前記配線部により電気的に接続されることを特徴とする請求項2乃至6のいずれか一項に記載の回路基板。
  8. 前記平板状部材は、熱伝導率が前記放熱用接続ビアの熱伝導率以上であることを特徴とする請求項1乃至7のいずれか一項に記載の回路基板。
  9. 前記平板状部材は、前記厚み方向に垂直な方向の線膨張係数が前記回路チップと等しいことを特徴とする請求項1乃至8のいずれか一項に記載の回路基板。
JP2010217515A 2010-09-28 2010-09-28 回路基板 Pending JP2012074497A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2010217515A JP2012074497A (ja) 2010-09-28 2010-09-28 回路基板

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2010217515A JP2012074497A (ja) 2010-09-28 2010-09-28 回路基板

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2012074497A true JP2012074497A (ja) 2012-04-12

Family

ID=46170376

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2010217515A Pending JP2012074497A (ja) 2010-09-28 2010-09-28 回路基板

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2012074497A (ja)

Cited By (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2014054387A1 (ja) * 2012-10-03 2014-04-10 株式会社村田製作所 部品内蔵基板およびその製造方法
CN103985695A (zh) * 2014-05-19 2014-08-13 中国科学院微电子研究所 一种扇出型封装结构及其制作工艺
CN104218034A (zh) * 2013-06-04 2014-12-17 三星电机株式会社 半导体封装
WO2014203603A1 (ja) * 2013-06-18 2014-12-24 株式会社村田製作所 樹脂多層基板の製造方法
JP2015015350A (ja) * 2013-07-04 2015-01-22 株式会社ジェイテクト 半導体装置
JP2016031981A (ja) * 2014-07-28 2016-03-07 株式会社デンソー 電子装置
WO2020203665A1 (ja) * 2019-04-02 2020-10-08 三菱電機株式会社 複合プリント配線板およびその製造方法
CN111885814A (zh) * 2020-07-31 2020-11-03 深圳市兴达线路板有限公司 一种复合导热pcb线路板

Citations (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH06152095A (ja) * 1992-11-09 1994-05-31 O K Print:Kk プリント配線基板
JP2004153084A (ja) * 2002-10-31 2004-05-27 Denso Corp 多層配線基板の製造方法及び多層配線基板
JP2004327624A (ja) * 2003-04-23 2004-11-18 Shinko Electric Ind Co Ltd 部品内蔵多層回路基板
JP2005353953A (ja) * 2004-06-14 2005-12-22 Nec Toppan Circuit Solutions Inc 印刷配線板及び半導体装置
JP2008177552A (ja) * 2006-12-18 2008-07-31 Dainippon Printing Co Ltd 電子部品内蔵配線板、及び電子部品内蔵配線板の放熱方法
JP2010080572A (ja) * 2008-09-25 2010-04-08 Denso Corp 電子装置

Patent Citations (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH06152095A (ja) * 1992-11-09 1994-05-31 O K Print:Kk プリント配線基板
JP2004153084A (ja) * 2002-10-31 2004-05-27 Denso Corp 多層配線基板の製造方法及び多層配線基板
JP2004327624A (ja) * 2003-04-23 2004-11-18 Shinko Electric Ind Co Ltd 部品内蔵多層回路基板
JP2005353953A (ja) * 2004-06-14 2005-12-22 Nec Toppan Circuit Solutions Inc 印刷配線板及び半導体装置
JP2008177552A (ja) * 2006-12-18 2008-07-31 Dainippon Printing Co Ltd 電子部品内蔵配線板、及び電子部品内蔵配線板の放熱方法
JP2010080572A (ja) * 2008-09-25 2010-04-08 Denso Corp 電子装置

Cited By (14)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP5867614B2 (ja) * 2012-10-03 2016-02-24 株式会社村田製作所 部品内蔵基板およびその製造方法
US9585256B2 (en) 2012-10-03 2017-02-28 Murata Manufacturing Co., Ltd. Component-embedded substrate and manufacturing method thereof
WO2014054387A1 (ja) * 2012-10-03 2014-04-10 株式会社村田製作所 部品内蔵基板およびその製造方法
CN104218034A (zh) * 2013-06-04 2014-12-17 三星电机株式会社 半导体封装
WO2014203603A1 (ja) * 2013-06-18 2014-12-24 株式会社村田製作所 樹脂多層基板の製造方法
CN105103665A (zh) * 2013-06-18 2015-11-25 株式会社村田制作所 树脂多层基板的制造方法
US10098238B2 (en) 2013-06-18 2018-10-09 Murata Manufacturing Co., Ltd. Method of manufacturing resin multilayer substrate
JP2015015350A (ja) * 2013-07-04 2015-01-22 株式会社ジェイテクト 半導体装置
CN103985695A (zh) * 2014-05-19 2014-08-13 中国科学院微电子研究所 一种扇出型封装结构及其制作工艺
JP2016031981A (ja) * 2014-07-28 2016-03-07 株式会社デンソー 電子装置
WO2020203665A1 (ja) * 2019-04-02 2020-10-08 三菱電機株式会社 複合プリント配線板およびその製造方法
JPWO2020203665A1 (ja) * 2019-04-02 2021-09-13 三菱電機株式会社 複合プリント配線板およびその製造方法
CN111885814A (zh) * 2020-07-31 2020-11-03 深圳市兴达线路板有限公司 一种复合导热pcb线路板
CN111885814B (zh) * 2020-07-31 2024-03-22 深圳市盈辉达光电有限公司 一种复合导热pcb线路板

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5077448B2 (ja) 半導体チップ内蔵配線基板及びその製造方法
KR101193212B1 (ko) 반도체 칩 내장 배선 기판 및 그 제조 방법
JP2011222555A (ja) 半導体チップ内蔵配線基板の製造方法
JP6595158B2 (ja) パワーオーバーレイ構造およびその製造方法
JP6401468B2 (ja) パワーオーバーレイ構造およびその製造方法
JP2012074497A (ja) 回路基板
JP5459108B2 (ja) 部品内蔵配線基板
JP2005191156A (ja) 電気部品内蔵配線板およびその製造方法
JP5664475B2 (ja) 半導体装置
JP4939916B2 (ja) 多層プリント配線板およびその製造方法
JP4760876B2 (ja) 電子装置およびその製造方法
JP2011222554A (ja) 半導体チップ内蔵配線基板
JP2009135391A (ja) 電子装置およびその製造方法
JP2010114256A (ja) 半導体装置、および半導体装置の製造方法
JP5539453B2 (ja) 電子部品搭載多層配線基板及びその製造方法
JP5343932B2 (ja) 半導体装置の製造方法
JP2012253263A (ja) 半導体チップおよびその製造方法
JP2006278520A (ja) 積層型電子部品の製造方法
JP2008172176A (ja) 半導体素子搭載基板及びその製造方法。
JP2005101327A (ja) 半導体装置およびその製造方法
JP2007067053A (ja) 部品内蔵モジュールとその製造方法
JP2005167159A (ja) 積層型半導体装置
JPH11274372A (ja) 半導体装置及びその半導体パッケージ
JP5399130B2 (ja) 電子部品内蔵基板の製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20130426

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20131213

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20131224

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20140527