JP2012069786A - リアクトル - Google Patents
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Abstract
【課題】リアクトルにおいて、大型化することなく、高性能化を有効に図ることである。
【解決手段】リアクトル10は、環状コイル12と、環状コイル12の周囲に一体化するように設けられ、磁性粉末を硬化してなるコア14とを含む。環状コイル12を、コイル素線を渦巻き状に形成し、中心軸に対し直交する方向に積層することにより構成する。
【選択図】図1
【解決手段】リアクトル10は、環状コイル12と、環状コイル12の周囲に一体化するように設けられ、磁性粉末を硬化してなるコア14とを含む。環状コイル12を、コイル素線を渦巻き状に形成し、中心軸に対し直交する方向に積層することにより構成する。
【選択図】図1
Description
本発明は、環状コイルと、環状コイルの周囲に一体化するように設けられ、磁性粉末を硬化してなるコアとを備えるリアクトルに関する。
従来から、エンジン及びモータを搭載し、エンジン及びモータの少なくとも一方を主駆動源として使用するハイブリッド車両が知られている。ハイブリッド車両では、電源とモータとを含む電源回路に設ける昇圧回路を構成するために、電気エネルギを磁気エネルギとして蓄積可能なリアクトルを使用する場合がある。
例えば、特許文献1には、軟磁性複合材料からなるコアと、このコアに一体化して内包されるコイルとを備えるリアクトルである磁性素子の製造方法が記載されている。軟磁性複合材料は、軟磁性粉末と樹脂とを混合することで混合材料とし、この混合材料を型に充填し、大気圧以上、1MPa以下の圧力により樹脂を硬化させて成形体を得るとされている。また、コイルは、コイル素線をらせん状に形成し、軸方向に積層することにより構成されている。また、上記軟磁性複合材料によりコアを構成することで、非透磁率を5から30の低透磁率材料とすることができ、ギャップを設けることなくコアの磁気飽和の問題を解消できるとされている。また、特許文献1には、コイルの断面形状として、円形や、矩形、六角形などが挙げられるとされている。
上記の特許文献1に記載された製造方法により製造されるリアクトルの場合、コイルは、コイル素線をらせん状に形成し、軸方向に積層することにより構成されている。このため、リアクトルを大型化することなく、高性能化を有効に図る面から改良の余地がある。すなわち、リアクトルの性能を規定するインダクタンスLは、次式により決定される。
L=μ・N2・S/d ・・・(1)
ここで、μは、周囲の透磁率であり、Nはコイルの巻き数であり、Sは、コアの断面積であり、dは磁路長である。
ここで、μは、周囲の透磁率であり、Nはコイルの巻き数であり、Sは、コアの断面積であり、dは磁路長である。
また、環状コイルに電流を流すことで磁束が発生するが、環状コイルの径方向等、中心軸に対し直交する方向の長さである、コイル幅が小さくなるほど、環状コイルに鎖交する磁束が多くなり、交流損失として銅損が大きくなることが分かっている。このように銅損が大きくなると、インダクタンスLの低下が生じ、リアクトルの性能が低下する。
これに対して、環状コイルの断面の直径を大きくしたり、環状コイルのコイル幅を大きくすれば、インダクタンスLの低下を防止できる可能性はある。ただし、この場合には、環状コイルを中心軸を含む平面で切断した場合の積層部分の断面積(以下、「積層部分断面積」という場合がある。)が大きくなり、リアクトル全体が大型化する原因となる。
一方、環状コイルを、断面矩形状である平角線のコイル素線をエッジワイズ状に巻き形成するとともに、コイル素線のアスペクト比を小さくすることで、コイル幅を大きくすることも考えられる。ここで、「アスペクト比」とは、平角線のコイル素線の長さ方向に対し直交する平面で切断した矩形状の断面形状において、幅と、幅よりも長さが小さい厚さとを考えた場合での、幅Aに対する厚さBの比(B/A)をいう(以下、本明細書全体で同じとする)。ただし、このようなアスペクト比B/Aを有するコイル素線を、エッジワイズ状に巻き形成する、すなわち、コイル素線に幅A方向に荷重を加えて曲げるように巻き形成する場合、アスペクト比B/Aが小さくなる、すなわち幅Aが厚さBに対して大きくなればなるほど、曲げ加工は難しくなる。このため、必要な加工性を確保しつつ、アスペクト比B/Aを小さくするには限界がある。このため、コイルと鎖交する磁束を少なくする面で、コイル幅を十分に大きくできず、リアクトルの高性能化を有効に図る面から改良の余地がある。
いずれにしても、上記の特許文献1に記載されたような、コイルが、コイル素線をらせん状に形成し、軸方向に積層することにより構成されている場合には、コイル幅を大きくすることは難しく、リアクトルを大型化することなく、高性能化を有効に図る面からは改良の余地がある。
本発明に係るリアクトルは、大型化することなく、高性能化を有効に図ることを目的とする。
本発明に係るリアクトルは、環状コイルと、環状コイルの周囲に一体化するように設けられ、磁性粉末を硬化してなるコアとを備え、環状コイルは、コイル素線を渦巻き状に形成し、中心軸に対し直交する方向に積層することにより構成されていることを特徴とするリアクトルである。なお、「直交する方向」とは、本明細書及び特許請求の範囲全体で、ほぼ90度をなす角度をいい、少し90度よりもずれるものも含む。
また、本発明に係るリアクトルにおいて、好ましくは、環状コイルは、平角線をフラットワイズ状に曲げ形成することにより構成されている。
また、本発明に係るリアクトルにおいて、好ましくは、コアは、少なくとも磁場強度の予め設定された所定範囲で、磁性粉末のみを含む磁性材料を加圧成形することにより構成する圧粉コアの透磁率よりも低い透磁率を有する。
また、本発明に係るリアクトルにおいて、好ましくは、コアは、磁性粉末と樹脂との混合粉末を硬化させることにより構成されている。
また、本発明に係るリアクトルにおいて、好ましくは、環状コイルは、コイル軸方向長さと、中心軸を含む平面で切断した場合のコイル断面での軸方向に対し直交する方向の長さであるコイル幅とが互いに等しい。
本発明に係るリアクトルによれば、環状コイルは、コイル素線を渦巻き状に形成し、中心軸に対し直交する方向に積層することにより構成されているので、環状コイルの積層部分断面積を大きくすることなく、中心軸に対し直交する方向のコイル幅を大きくでき、磁束とコイルとが鎖交しにくくなる。このため、交流損としてのコイル銅損を小さくできるため、インダクタンスを高くでき、リアクトルの高性能化を有効に図れる。
以下において、図面を用いて本発明に係る実施の形態につき詳細に説明する。図1から図4は、本発明に係る実施の形態の1例を示している。図1に示すように、リアクトル10は、環状コイル12と、環状コイル12に一体化されたコア14とを備える。図2、図3に示すように、環状コイル12は、平角線であるコイル素線をフラットワイズ状に曲げ形成することにより、渦巻状で全体を円環状に形成するように構成するフラットワイズ型としている。すなわち、環状コイル12は、後述する図8を参照して示すように、断面矩形状の平角線であるコイル素線15で全長にわたって厚さ方向(図8の矢印α方向)に荷重を加えながら、丸く曲げ形成するように渦巻状に形成し、中心軸Oに対し直交する方向である、径方向に積層することにより構成されている。
また、コア14は、磁性粉末と樹脂との混合粉末を加圧成形する等により硬化してなる。このようなコア14は、図1に示すように、環状コイル12の周囲に一体化するように設けている。逆にいえば、コア14の内側に環状コイル12を包埋している。コア14を上記の材料により構成するため、コア14は、少なくとも磁場強度の予め設定された所定範囲で、例えば、少なくとも0から所定磁場強度Haの範囲で、磁性粉末のみを含む磁性材料を加圧成形することにより構成する圧粉コアの透磁率μ1よりも、低い透磁率μ2を有する(μ2<μ1)ようにしている。このため、コア14中にギャップ板を設けることなく、磁気飽和を有効に防止できる。また、図示は省略するが、環状コイル12の両端は、コア14の外部に取り出して、図示しない回路に接続可能としている。図1で、コア14の内部に示した実線矢印及び破線矢印は、磁束の流れる方向を表している。
なお、環状コイルの形状は、図3に示すような円環状に限定するものではなく、例えば、図4に示すように、矩形状等、周方向の複数個所に角部を有する多角形状の渦巻状とすることもできる。この場合も、環状コイル12は、コイル素線を、厚さ方向に荷重を加えて曲げ形成するように渦巻状に形成し、中心軸O(図4)に対し直交する方向に積層することにより構成されている。
また、本実施の形態では、環状コイル12は、コイル素線を渦巻き状に形成し、中心軸Oに対し直交する方向に積層することにより構成されている。このため、環状コイル12を中心軸Oを含む平面で切断した場合の積層部分断面24,26(図1)の断面積(積層部分断面積)を大きくすることなく、図1に示すように、環状コイル12の径方向等、中心軸Oに対し直交する方向の長さである、コイル幅aを大きくできる。すなわち、図1に示すように、積層部分断面24,26が、中心軸Oに対し直交する方向に長い長方形や、中心軸Oに対し直交する方向の長さと軸方向長さとが等しい正方形となり、コイル幅aを大きくできる。「コイル幅a」は、環状コイル12の中心に位置する中心コア部16と、環状コイル12の径方向外側に位置する外周コア部18との間の長さである。また、図8を参照して示すように、環状コイル12を構成するコイル素線15の断面形状の幅A1に対する厚さB1の比である、アスペクト比B1/A1が大きい場合でも、コイル幅aを大きくできる。このため、図1に破線矢印で模式的に示すように、環状コイル12に鎖交する磁束を少なくでき、磁束と環状コイル12とが鎖交しにくくなり、交流損失として、コイル銅損を十分に小さくできる。したがって、リアクトル10のインダクタンスLを高くでき、リアクトル10の高性能化を有効に図れる。
さらに、本実施の形態では、上記のように環状コイル12をフラットワイズ型としている。すなわち、環状コイル12は、平角線をフラットワイズ状に曲げ形成することにより構成されている。このため、コイル素線15(図8参照)の曲げ加工性を考慮しても、コイル素線15の幅A1に対する厚さB1の比である、アスペクト比B1/A1を十分に小さくできる。例えば、図8の実線で示すコイル素線15を、図8の二点鎖線で示すコイル素線15のように変えることができ、アスペクト比B1/A1をアスペクト比B1´/A1´に小さくできる。このようにアスペクト比B1/A1、B1´/A1´が小さくなっても、コイル素線15の厚さ方向(図8の矢印α方向)に荷重を加えて曲げ形成するので、幅方向(図8の矢印β方向)に荷重を加えて曲げ形成する場合と異なり、加工性が悪化することがない。このようにアスペクト比B1/A1を十分に小さくできるので、同じコイル幅aでも環状コイル12の巻き数Nを大きくできる。また、このように環状コイル12をフラットワイズ型の積層構造としているので、コイル配置空間での導体充填密度を高くできる。
また、リアクトル10のインダクタンスLは、上記のコイル銅損等の損失等を考慮しないと、上記の(1)式で説明したように、周囲の透磁率μ、コイルの巻き数N、コアの断面積S、磁路長dにより定まることが分かっている。ここで、巻き数N及びコアの断面積Sは、それぞれ予めある範囲に設定される場合が多い。例えば、本実施の形態のリアクトル10は、上記のハイブリッド車両に搭載される昇圧回路等の電気回路の一部を構成するために使用される。このようなハイブリッド車用のリアクトル10の場合、コイル巻き数N及びコア断面積Sが、それぞれ予めある範囲に設定される場合が多い。また、上記のように、コアが低い透磁率μ2を有するようにしているので、周囲の透磁率μは低くなる。
また、磁路長dは、図1で示すように、点P,Q,R,Tを通る経路の全長である。すなわち、この経路は、中心コア部16の中心と、コア14一端部(図1の上端部)の厚さ方向(図1の上下方向)中央と、外周コア部18の厚さ方向(図1の左右方向)中央と、コア14他端部(図1の下端部)の厚さ方向(図1の上下方向)中央とを通る。また、上記の(1)式から明らかなように、上記の磁路長dを小さくするほど、リアクトル10のインダクタンスLを大きくできる。このため、このインダクタンスLを高くするためには、磁路長dを小さくすることが有効である。
本実施の形態では、上記のようにアスペクト比B1/A1、B1´/A1´(図8)を小さくできるので、環状コイル12の積層部分断面24,26(図1)で、軸方向長さUを、積層方向長さであるコイル幅aの大きさに近づくように、大きくできる。このため、図1に示す積層部分断面24,26の形状を、扁平な長方形から正方形に近づく形状にできる。したがって、積層部分断面24,26の断面積を一定とする場合に、磁路長dを小さくすることができ、インダクタンスLの更なる向上を図れる。また、磁路長dを小さくすることで、上記の(1)式からも明らかなように、インダクタンスLを一定とする場合に、コア14に必要とされるコア断面積Sを小さくでき、リアクトル10の小型化を図れる。
より具体的には、リアクトル10のインダクタンスLは、上記の(1)式で示したように表され、透磁率μが小さくなるほどLは小さくなり、コイルの巻き数Nやコア14の断面積Sが大きくなるほどLは大きくなる。また、磁路長dが小さくなるほどLは大きくなる。この場合、積層部分断面24,26の断面積を一定とすると、積層部分断面24,26の形状が、扁平な長方形から正方形に近づくほど、この積層部分断面24,26の外周長さは徐々に小さくなる。そしてこれに伴って、磁路長dも小さくなる。このように磁路長dを小さくできるので、インダクタンスLを大きくでき、リアクトル10の性能をさらに高くできる。
次に、本実施の形態のリアクトル10の効果を、図5、図6に示す従来構造のリアクトル20との比較で、より詳しく説明する。まず、図5は、従来構造のリアクトル20の1例を概略的に示す断面図である。図6は、図5から環状コイル22を取り出して概略的に示す斜視図である。この従来構造の場合、リアクトル20は、環状コイル22を、角線であるコイル素線をエッジワイズ状、すなわち、図7で示すように、コイル素線15に幅方向(図7の矢印β方向)に荷重を加えながら、丸く曲げ形成し、全体をらせん状に形成し、軸方向に積層することにより構成するエッジワイズ型としている。なお、図5の例の環状コイル22の巻き数は、図1のリアクトル10の環状コイル12の巻き数と同じにしている。
このようなエッジワイズ型の環状コイル22の場合、コイル素線15に長さが大きい、幅方向(矢印β方向)に荷重を加えながら曲げ形成するので、コイル素線15の幅A2に対する厚さB2の比である、アスペクト比B2/A2を十分に小さくすることが難しい。すなわち、エッジワイズ型でアスペクト比B2/A2を小さくすると、幅A2が厚さB2に対してより大きくなるので、曲げ加工して巻き形成することが困難になる。このため、このようなエッジワイズ型ではアスペクト比B2/A2の最小値には、加工性の面から限界がある。すなわち、アスペクト比B2/A2の最小値は、図1の実施の形態の場合のアスペクト比B1/A1、B1´/A1´の最小値よりも大きくなる。例えば、アスペクト比は、エッジワイズ型では、通常0.2程度と比較的大きい。
このようにアスペクト比が比較的大きい従来構造の場合には、エッジワイズの縦積みにより、環状コイル22の積層部分断面28,30(図5)で、中心軸Oに対し直交する方向(図5の左右方向)の長さである、コイル幅a´に対する軸方向長さU´の比率(U´/a´)がかなり大きくなる。このため、従来構造では、上記の図1に示した第1の実施の形態の場合と異なり、積層部分断面28,30が軸方向に細長い矩形状となる。したがって、コイル幅a´は小さくなるので、図5にコア14中に破線矢印で模式的に示すように、磁束と環状コイル22とが鎖交しやすくなる。この結果、図5、図6に示した従来構造では、上記の図1から図4に示した実施の形態と異なり、コイル銅損が大きくなり、インダクタンスLが低下しやすくなる。
さらに、図5、図6に示した従来構造では、アスペクト比B2/A2(図7)が大きくなるので、環状コイル22の積層部分断面28,30(図5)の形状を、扁平な長方形から正方形に近づけることが難しい。このため、磁路長dが大きくなり、上記の(1)式で表されるインダクタンスLが小さくなる。これに対して、上記の図1から図4に示した実施の形態によれば、アスペクト比B1/A1、B1´/A1´(図8)を十分に小さく、
、例えば0.08よりも小さくすることを容易に行える。このため、上記のような不都合を防止でき、コイル幅a(図1)を大きくして、コイル銅損を小さくできるとともに、磁路長dを小さくでき、インダクタンスLをより高くできる。このため、リアクトル10の高性能化を有効に図れる。
、例えば0.08よりも小さくすることを容易に行える。このため、上記のような不都合を防止でき、コイル幅a(図1)を大きくして、コイル銅損を小さくできるとともに、磁路長dを小さくでき、インダクタンスLをより高くできる。このため、リアクトル10の高性能化を有効に図れる。
しかも、コア14として、上記のように透磁率が低い材料を使用するので、ギャップ板を使用することなく、磁気飽和が生じることを防止できる。
また、本実施の形態において、環状コイル12として、積層部分断面24,26の形状を正方形にする、すなわち、環状コイル12は、軸方向長さUと、中心軸Oを含む平面で切断した場合のコイル断面での軸方向に対し直交する方向の長さであるコイル幅aとが互いに等しい(U=a)の構成を採用する場合には、磁路長dを最小とすることができる。このため、インダクタンスLをさらに大きくでき、リアクトル10の性能をさらに高くできる。
次に、本実施の形態の効果を確認するために行ったシミュレーションを説明する。シミュレーションには、図9に諸元を示す実施の形態のリアクトル(実施例リアクトル)10と、図10に諸元を示す従来構造のリアクトル(従来例リアクトル)20とを用いて行った。図9、図10にコア14中に示す数値は、対応する寸法を表し、単位はmmである。図9に示すように、実施例リアクトル10では、コイル幅、コイル軸方向長さ、及び、コイル内径は、互いに等しくなっており、積層部分断面24,26の形状が正方形となっている。これに対して、図10に示すように、従来例リアクトル20では、コイル幅に対してコイル軸方向長さがかなり大きくなっており、積層部分断面28,30の形状が細長の矩形状となっている。これは、従来例リアクトル20がエッジワイズ型であるのに対して、実施例リアクトル10がフラットワイズ型である理由による。なお、図9の構造では、コイル幅、コイル軸方向長さ、及び、コイル内径が、互いに等しくなっているが、本実施の形態では、コイル内径は、コイル幅及びコイル軸方向長さに対して異ならせてもよく、例えば小さくすることもできる。
このような諸元を有する各リアクトル10,20で積層部分断面24,26,28,30の全周長さ(以下、「周回路」と呼ぶ場合がある。)を考えた場合、図10に示す従来例リアクトル20で周回路が100mmとなるのに対し、図9に示す実施例リアクトル10で周回路が80mmとなり、実施例リアクトル10で、従来例リアクトル20に対して20%低減できる。すなわち、積層部分断面24,26,28,30の面積が一定でも、エッジワイズ型の周回路とフラットワイズ型の周回路との比は、100:80となる。このことからも本実施の形態では磁路長dを、従来構造の場合よりも小さくできることが分かる。また、実施例リアクトル10で、コイル幅は20mmとなり、従来例リアクトル20のコイル幅の10mmに対して大きくできる。このため、環状コイル12に鎖交する磁束が少なくなり、コイル銅損の減少を図れることも分かる。
このような図9、図10のリアクトル10,20を用いて、環状コイル12,22に流れる直流電流と、インダクタンスLとの関係を求めたシミュレーション結果を、図11に示している。図11において、実線Vは、図9の実施例リアクトル10の場合を示しており、破線Wは、図10の従来例リアクトル20の場合を示している。
図11に示す結果からも明らかなように、実施例リアクトル10によれば、直流電流の全域でインダクタンスLを増大でき、直流重畳特性を向上できることが分かる。例えば、インダクタンスLは、実施例リアクトル10で、従来例リアクトル20に対して20%程度向上できる。
また、上記の(1)式から明らかなように、本実施の形態によれば、透磁率μと、コイル巻き数Nとをそれぞれ一定とする場合に、磁路長dを小さくできるので、コア14断面積Sを小さくしても、所望の大きさのインダクタンスLを確保できる。このため、本実施の形態のリアクトルによれば、小型で低コスト化が可能となる、すなわち、従来構造と同等の性能を維持しつつ、低コストで、かつ小型のリアクトル10を製造することが可能となる。
なお、本発明では、コア14は、上記のように磁性粉末と樹脂との混合粉末を硬化させることにより構成するものに限定しない。例えば、コアとしてアモルファスを含む、またはアモルファスのみからなる、少なくとも磁場強度の予め設定された所定範囲で、磁性粉末のみを含む磁性材料を加圧成形することにより構成する圧粉コアの透磁率よりも低い、透磁率を有するコアを使用することもできる。例えば、コアの特性を表すB−H曲線で考えた場合に、磁場強度が少なくとも0から5000A/mの範囲で、上記の圧粉コアの透磁率よりも低い透磁率を有するコアを使用できる。このように低透磁率を有するコアを使用する場合、本発明の構成を採用することにより得られる効果が顕著になる。なお、上記のように、コアについて、少なくとも磁場強度の所定範囲で、透磁率が圧粉コアの場合よりも低いとする理由は、磁場強度の全範囲で、透磁率が圧粉コアの透磁率よりも低い場合を含むだけでなく、例えば、少なくとも0を含む所定の磁場強度の範囲で、透磁率が圧粉コアの透磁率よりも低い場合を含めば、他の磁場強度の範囲での透磁率の大小にかかわらず、実用上、磁気飽和を防止できるからである。
また、上記では、コイルとして角線を使用するものを説明したが、本発明はこの構成に限定しない。例えば、本発明では、一般的にコイルに使用される断面丸形の丸線と呼ばれるコイルを使用することもできる。また、本発明では、コイルの寸法やコイル巻き数は特に限定せず、種々の寸法及び巻き数を採用できる。
10 リアクトル、12 環状コイル、14 コア、15 コイル素線、16 中心コア部、18 外周コア部、20 リアクトル、22 環状コイル、24,26,28,30 積層部分断面。
Claims (5)
- 環状コイルと、
環状コイルの周囲に一体化するように設けられ、磁性粉末を硬化してなるコアとを備え、
環状コイルは、コイル素線を渦巻き状に形成し、中心軸に対し直交する方向に積層することにより構成されていることを特徴とするリアクトル。 - 請求項1に記載のリアクトルにおいて、
環状コイルは、平角線をフラットワイズ状に曲げ形成することにより構成されていることを特徴とするリアクトル。 - 請求項1または請求項2に記載のリアクトルにおいて、
コアは、少なくとも磁場強度の予め設定された所定範囲で、磁性粉末のみを含む磁性材料を加圧成形することにより構成する圧粉コアの透磁率よりも低い透磁率を有することを特徴とするリアクトル。 - 請求項1から請求項3のいずれか1に記載のリアクトルにおいて、
コアは、磁性粉末と樹脂との混合粉末を硬化させることにより構成されていることを特徴とするリアクトル。 - 請求項1から請求項4のいずれか1に記載のリアクトルにおいて、
環状コイルは、軸方向長さと、中心軸を含む平面で切断した場合のコイル断面での軸方向に対し直交する方向の長さであるコイル幅とが互いに等しいことを特徴とするリアクトル。
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