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JP2012054475A - 基板処理装置及び半導体装置の製造方法 - Google Patents

基板処理装置及び半導体装置の製造方法 Download PDF

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JP2012054475A JP2010197081A JP2010197081A JP2012054475A JP 2012054475 A JP2012054475 A JP 2012054475A JP 2010197081 A JP2010197081 A JP 2010197081A JP 2010197081 A JP2010197081 A JP 2010197081A JP 2012054475 A JP2012054475 A JP 2012054475A
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Abstract

【課題】金属含有膜の酸化を抑制しつつシリコン含有膜の選択酸化を行い、シリコン含有膜中に侵入した水素の残留を抑制する。
【解決手段】基板を第1の温度に加熱しつつ、処理室内に水素含有ガス及び酸素含有ガスを供給した状態でプラズマ放電して所定時間維持する工程と、基板を第1の温度よりも高い第2の温度で加熱しつつ、処理室内に希ガスを供給して処理室内を希ガスの雰囲気に所定時間維持する工程と、を有する。
【選択図】図1

Description

本発明は、基板処理装置及び半導体装置の製造方法に関する。
DRAM(Dynamic Random Access Memory)等の半導体装置の製造工程の中には、基板上に例えばゲート構造を形成する工程がある。具体的には、シリコン基板等の基板上に、シリコン含有膜と金属含有膜とをこの順に積層し、ドライエッチング等の手法を用いてそれぞれの膜をパターニングする。パターニングにより生じたシリコン含有膜の側壁のダメージの修復には、選択酸化が行われる。選択酸化は、金属含有膜の酸化を抑制しつつ主にシリコン含有膜のみを選択的に酸化させる手法である。
選択酸化は、例えば基板を処理する処理室と、基板を加熱する加熱部と、処理室内に水素含有ガス及び酸素含有ガスを供給するガス供給部と、処理室内にプラズマ放電を生じさせるプラズマ生成部と、を有する基板処理装置を用い、以下の工程により行われる。すなわち、シリコン含有膜及び金属含有膜を有する基板を処理室内に搬入して所定温度に加熱し、処理室内に上記のガスを供給してプラズマ放電し、水素の還元作用を利用することで主にシリコン含有膜のみを酸化して行う。
選択酸化では、金属含有膜の酸化が抑制される条件下で、つまり、基板を例えば700℃以下の低温にしたり、全ガス流量に対する水素含有ガスの流量を例えば70%以上に高めたりして処理を行う。しかし、係る条件下で選択酸化を行うと、例えばシリコン含有膜中に水素が侵入したり残留したりし易くなり、半導体装置の信頼性を低下させてしまう場合があった。
そこで本発明の目的は、金属含有膜の酸化を抑制しつつシリコン含有膜の選択酸化を行い、シリコン含有膜中に侵入した水素の残留を抑制することができる基板処理装置及び半導体装置の製造方法を提供することである。
本発明の一態様によれば、シリコン含有膜及び金属含有膜を有する基板を処理する処理室と、前記基板を加熱する加熱部と、前記処理室内に水素含有ガス、酸素含有ガス、希ガスを供給するガス供給部と、前記処理室内にプラズマ放電を生じさせるプラズマ生成部と、前記ガス供給部、前記プラズマ生成部及び前記加熱部を制御する制御部と、を有し、前記制御部は、前記処理室内に搬入された前記基板を第1の温度に加熱させつつ、前記処理室内に前記水素含有ガス及び前記酸素含有ガスを供給させた状態でプラズマ放電させて所定時間維持させた後、前記基板を前記第1の温度よりも高い第2の温度に加熱させつつ、前記処理室内に前記希ガスを供給させて前記処理室内を前記希ガスの雰囲気に所定時間維持させるよう制御する基板処理装置が提供される。
本発明の他の態様によれば、シリコン含有膜及び金属含有膜を有する基板を処理室内に搬入する工程と、前記基板を第1の温度に加熱しつつ、前記処理室内に水素含有ガス及び酸素含有ガスを供給した状態でプラズマ放電して所定時間維持する工程と、前記基板を前記第1の温度よりも高い第2の温度に加熱しつつ、前記処理室内に希ガスを供給して前記処理室内を前記希ガスの雰囲気に所定時間維持する工程と、処理済みの前記基板を前記処理室内から搬出する工程と、を有する半導体装置の製造方法が提供される。
本発明によれば、金属含有膜の酸化を抑制しつつシリコン含有膜の選択酸化を行い、シリコン含有膜中に侵入した水素の残留を抑制することができる基板処理装置及び半導体装置の製造方法が得られる。
本発明の第1実施形態に係る基板処理装置としての変形マグネトロン型プラズマ処理装置の断面図である。 本発明の第1実施形態に係る基板処理工程を示すフロー図である。 本発明の第1実施形態に係る基板処理工程の各処理及びガス供給のタイミング図である。 本発明の第2実施形態に係る基板処理工程を示すフロー図である。 本発明の第2実施形態に係る基板処理工程の各処理及びガス供給のタイミング図である。 本発明の第1実施形態に係る基板処理工程で処理される基板上のゲート構造の形成方法を示すフロー図である。
次に、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
<第1実施形態>
(1)基板処理装置の構成
まず、本発明の第1実施形態に係る基板処理装置について、図1を用いて以下に説明する。図1は、本実施形態に係る基板処理装置としての変形マグネトロン型プラズマ処理装置の断面図である。
本実施形態に係る基板処理装置は、電界と磁界とにより高密度プラズマを生成できる変形マグネトロン型プラズマ源(Modified Magnetron Typed Plasma Source)を用いて、シリコン基板等のウエハ200をプラズマ処理する変形マグネトロン型プラズマ処理装置(以下、MMT装置100と記載)である。このMMT装置100では、機密性を保持した処理室201内にウエハ200を設置し、処理室201内に供給したプロセスガスに、一定の圧力下で高周波電圧をかけてマグネトロン放電を起こす。MMT装置100によれば、このようにプロセスガスを励起分解させて、ウエハ200表面に酸化、窒化等の拡散処理を行ったり、薄膜を形成したり、またはウエハ200表面をエッチングしたりする等の各種プラズマ処理を施すことができる。
(処理室)
図1に示すとおり、MMT装置100は、ウエハ200をプラズマ処理する処理炉202を備えている。処理炉202には、処理室201を構成する処理容器203が設けられている。処理容器203は、第1の容器であるドーム型の上側容器210と、第2の容器である碗型の下側容器211とを備えている。そして、上側容器210が下側容器211の上に被さることにより、処理室201が形成される。また上側容器210は、例えば酸化アルミニウム(Al)または石英(SiO)等の非金属材料で形成されており、下側容器211は、例えばアルミニウム(Al)で形成されている。
また、下側容器211の下部側壁には、ゲートバルブ244が設けられている。ゲートバルブ244が開いているときには、搬送機構(図示せず)を用いて処理室201内へウエハ200を搬入し、または処理室201外へとウエハ200を搬出することができるようになっている。ゲートバルブ244が閉まっているときには、処理室201内の機密性
を保持する仕切弁として機能する。
(サセプタ・第1加熱部)
処理室201の底側中央には、ウエハ200を載置する基板載置台としてのサセプタ217が配置されている。サセプタ217は例えば窒化アルミニウム(AlN)、セラミックス、石英等の非金属材料から形成されており、ウエハ200上に形成される膜等の金属汚染を低減することができる。
サセプタ217の内部には、第1加熱部としてのヒータ217bが一体的に埋め込まれている。ヒータ217bに電力が供給されると、ウエハ200表面を例えば400℃〜900℃程度まで加熱することができる。
サセプタ217は、下側容器211とは電気的に絶縁されている。サセプタ217内部には第2の電極(図示せず)が装備されており、この第2の電極は、インピーダンス可変機構274を介して接地されている。インピーダンス可変機構274はコイルや可変コンデンサから構成されており、コイルのパターン数や可変コンデンサの容量値を制御することにより、第2の電極及びサセプタ217を介して、ウエハ200の電位(バイアス電圧)を制御できるようになっている。
サセプタ217には、サセプタ昇降機構268が設けられている。そしてサセプタ217には貫通孔217aが設けられ、一方、下側容器211の底面には基板突上げピン266が設けられている。貫通孔217aと基板突上げピン266は互いに対向する位置に、少なくとも各3箇所ずつ設けられている。このため、サセプタ昇降機構268によりサセプタ217が下降させられたときには、基板突上げピン266がサセプタ217とは非接触な状態で、貫通孔217aを突き抜ける。また、サセプタ昇降機構268は、サセプタ217上面の中心を通る垂直軸回りにサセプタ217を回転させるサセプタ回転機能を備えている。プラズマ処理中にウエハ200を回転させることで、ウエハ200面内におけるプラズマ処理の均一性が向上する。
(第2加熱部)
処理室201の上方、つまり上側容器210の上面には、光透過窓278が設けられ、光透過窓278上の反応容器203外側には、第2加熱部としてのランプ加熱ユニット280が設置されている。ランプ加熱ユニット280は、サセプタ217と対抗する位置に設けられ、ウエハ200の上部からウエハ200を加熱するよう構成されている。ランプ加熱ユニット280を点灯することで、ヒータ217bと比較してより短時間でウエハ200を加熱することができる。
主に、第1加熱部としてのヒータ217b、第2加熱部としてのランプ加熱ユニット(ランプ加熱装置)280により、本実施形態に係る加熱部が構成されている。
(ガス供給部)
光透過窓278が設けられた上側容器210の処理室201側には、シャワーヘッド236が設けられている。シャワーヘッド236は、キャップ状の蓋体233と、ガス導入口234と、バッファ室237と、開口238と、遮蔽プレート240と、ガス吹出口239とを備えており、プロセスガスを処理室201内へ供給する。バッファ室237は、ガス導入口234より導入されるプロセスガスを分散するための分散空間としての機能を持つ。
ガス導入口234には、水素含有ガスとしての水素(H)ガスを供給する水素含有ガス供給管232aの下流端と、酸素含有ガスとしての酸素(O)ガスを供給する酸素含
有ガス供給管232bの下流端と、希ガスとしてのヘリウム(He)ガスを供給する希ガス供給管232cの下流端とが合流するように接続されている。水素含有ガス供給管232aには、上流側から順にHガス供給源250a、流量制御装置としてのマスフローコントローラ251a、開閉弁としてのバルブ252aが設けられている。酸素含有ガス供給管232bには、上流側から順にOガス供給源250b、流量制御装置としてのマスフローコントローラ251b、開閉弁としてのバルブ252bが設けられている。希ガス供給管232cには、上流側から順にHeガス供給源250c、流量制御装置としてのマスフローコントローラ251c、開閉弁としてのバルブ252cが設けられている。マスフローコントローラ251a、251b、251cによりそれぞれのガスの流量を制御しつつ、バルブ252a、252b、252cを開閉させることにより、ガス供給管232a、232b、232cを介して、処理室201内へ所定流量のプロセスガス(例えばHガス及びOガス)や希ガス(例えばHeガス)を供給自在に構成されている。
主に、シャワーヘッド236(蓋体233、ガス導入口234、バッファ室237、開口238、遮蔽プレート240、ガス吹出口239)、水素含有ガス供給管232a、酸素含有ガス供給管232b、希ガス供給管232c、Hガス供給源250a、Oガス供給源250b、Heガス供給源250c、マスフローコントローラ251a、251b、251c、バルブ252a、252b、252cにより、本実施形態に係るガス供給部が構成されている。
(排気部)
下側容器211の側壁には、処理室201内からプロセスガスを排気するガス排気口235が設けられている。そしてガス排気口235には、ガス排気管231の上流端が接続されている。ガス排気管231には、上流側から順に圧力調整器(圧力調整部)としてのAPC(Auto Pressure Controller)242、開閉弁としてのバルブ243b、真空排気装置としての真空ポンプ246が設けられている。
主に、ガス排気口235、ガス排気管231、APC242、バルブ243b、真空ポンプ246により、本実施形態に係る排気部が構成されている。
(プラズマ生成部)
処理室201の外周部、すなわち上側容器210の外側壁には、処理室201を囲うように、第1の電極としての筒状電極215が設けられている。筒状電極215は、筒状、例えば円筒状に形成されている。筒状電極215は、インピーダンスの整合を行う整合器272を介して、高周波電力を印加する高周波電源273に接続されている。筒状電極215はこのような構成により、処理室201内に供給されるプロセスガスをプラズマ励起させる放電機構として機能する。
筒状電極215の外側表面の上下端部には、上側磁石216a、下側磁石216bがそれぞれ取り付けられている。上側磁石216aおよび下側磁石216bは、ともに筒状、例えば円筒状に形成された永久磁石により構成されている。上側磁石216aおよび下側磁石216bは、処理室201に向いた面側とその反対の面側に磁極を有している。そして、上側磁石216aおよび下側磁石216bの磁極の向きは、逆向きになるよう配置されている。すなわち、上側磁石216aおよび下側磁石216bの処理室201に向いた面側の磁極同士は互いに異極となっている。これにより、筒状電極215の内側表面に沿って円筒軸方向の磁力線が形成される。
上側磁石216aおよび下側磁石216bにより磁界を発生させ、さらに処理室201内にプロセスガスを導入した後、筒状電極215に高周波電力を供給して電界を形成すると、処理室201内のプラズマ生成領域224にマグネトロン放電プラズマが生成される
。放出された電子を上述の電磁界が周回運動させることによって、プラズマの電離生成率が高まり、長寿命かつ高密度のプラズマを生成させることができる。
なお、筒状電極215、上側磁石216aおよび下側磁石216bの周囲には、これらが形成する電磁界が他の装置や外部環境に悪影響を及ぼさないように、電磁界を有効に遮蔽する金属製の遮蔽板223が設けられている。
主に、筒状電極215、整合器272、高周波電源273、上側磁石216aおよび下側磁石216bにより、本実施形態に係るプラズマ生成部が構成されている。
(制御部)
制御部としてのコントローラ121は、信号線Aを通じてAPC242、バルブ243b、および真空ポンプ246を、信号線Bを通じてサセプタ昇降機構268を、信号線Cを通じてヒータ217b、インピーダンス可変機構274を、信号線Dを通じてゲートバルブ244を、信号線Eを通じて整合器272、および高周波電源273を、信号線Fを通じてマスフローコントローラ251a、251b、251c、およびバルブ252a、252b、252cを、信号線Gを通じてランプ加熱ユニット280を、それぞれ制御するように構成されている。
(2)基板処理工程
次に、本実施形態に係る基板処理工程について、主に図2及び図3を用いて説明する。図2は、本実施形態に係る基板処理工程を示すフロー図である。図3は、本実施形態に係る基板処理工程の各処理及びガス供給のタイミング図である。本実施形態に係る基板処理工程は、例えばDRAM等の半導体デバイスの製造工程の一工程として上述のMMT装置100により実施される。なお以下の説明において、MMT装置100を構成する各部の動作は、コントローラ121により制御される。
本実施形態に係る基板処理工程で処理されるウエハ200上には、積層されたシリコン含有膜11及び金属含有膜12がパターニングされてなるゲート構造が、図6に示す方法により予め形成されている。具体的には、シリコン基板等のウエハ200の表面に、酸化シリコン(SiO)等からなるシリコン含有膜11と、タングステン(W)、窒化チタン(TiN)、又は窒化タンタル(TaN)等からなる金属含有膜12とを順に形成する(図6(a))。続いて、金属含有膜12の表面に形成した所定のレジストパターン13をマスクとして(図6(b))、ドライエッチング等によりシリコン含有膜11及び金属含有膜12をエッチングし、シリコン含有膜11がパターニングされてなるゲート絶縁膜及び金属含有膜12がパターニングされてなるゲート電極膜をウエハ200上に形成する(図6(c))。このとき、シリコン含有膜11(ゲート絶縁膜)の側壁はダメージ11dを受けている。係るダメージ11dは酸化処理によって修復可能だが、このとき金属含有膜12も酸化されてしまうと、金属含有膜12(ゲート電極膜)の抵抗値が上昇して半導体装置の性能が低下してしまう。そこで、以下に述べるように、金属含有膜12の酸化を抑制しつつ主にシリコン含有膜11のみを酸化させる選択酸化を行う。
(基板搬入工程S10)
図2のフロー図に従って、まずは上記のウエハ200を、処理室201内に搬入する。具体的にはまず、ウエハ200の搬送位置までサセプタ217を下降させて、サセプタ217の貫通孔217aにウエハ突上げピン266を貫通させる。その結果、突き上げピン266が、サセプタ217表面よりも所定の高さ分だけ突出した状態となる。
続いて、ゲートバルブ244を開き、図中省略の搬送機構を用いて処理室201に隣接する真空搬送室(図示せず)から処理室201内にウエハ200を搬入する。その結果、
ウエハ200は、サセプタ217の表面から突出したウエハ突上げピン266上に水平姿勢で支持される。処理室201内にウエハ200を搬入したら、搬送機構を処理室201外へ退避させ、ゲートバルブ244を閉じて処理室201内を密閉する。そして、サセプタ昇降機構268を用いてサセプタ217を上昇させる。その結果、ウエハ200はサセプタ217の上面に載置される。その後、ウエハ200を所定の処理位置まで上昇させる。一方、サセプタ昇降機構268の回転機能を用いて、ウエハ200の回転を開始する。後述の基板降温工程S50の終了時までこの回転を継続することで、ウエハ200面内における基板処理の均一性が向上する。
なお、基板搬入工程S10は、処理室201内を希ガスまたは不活性ガス等でパージしながら行ってもよい。
(選択酸化処理工程S20)
続いて、図2に示す選択酸化処理工程S20、すなわち、以下に示すS21〜S23の工程を実施することにより、ウエハ200上に形成された金属含有膜12の酸化を抑制しつつシリコン含有膜11を選択的に酸化して、シリコン含有膜11の側壁のダメージ11dを修復する。具体的には、ウエハ200を所定温度(第1の温度)に加熱しつつ、処理室201内に例えば水素含有ガスとしてのHガス及び酸素含有ガスとしてのOガスを供給した状態でプラズマ放電してシリコン含有膜11の選択酸化を行う。
(基板昇温工程S21)
まず、処理室201内に搬入されたウエハ200の昇温を行う。第1加熱部としてのヒータ217bは予め加熱されており、ヒータ217bが埋め込まれたサセプタ217上に搬入されたウエハ200を保持することで、例えば600℃以上700℃以下の範囲内の所定温度(第1の温度)にウエハ200を加熱する。
(プロセスガス供給工程S22)
次に、プロセスガスとして、Hガス及びOガスの供給を行う。具体的には、バルブ252a、252bを開け、マスフローコントローラ251a、251bにて流量制御しながら、バッファ室237を介して処理室201内にHガス及びOガスを供給する。このとき、Hガスの流量を、例えば100sccm以上1000sccm以下の範囲内の所定値とする。また、HガスとOガスとの混合ガスの全流量に対して、Hガスの流量が例えば70%以上となるようにする。具体的には、水素含有ガス中の水素のモル数が、該水素のモル数及び酸素含有ガス中の酸素のモル数の合計に対して70%以上となる流量比で、水素含有ガス及び酸素含有ガスを処理室内に供給する。また、処理室201内の圧力が、例えば0.1Pa以上266Pa以下の範囲内の所定圧力となるように、APC242の開度を調整する。
ガス及びOガスの供給にあたっては、Hガスのみ先に供給を開始し、その後に処理室201内の圧力を維持しつつ、Oガスの供給を開始する。このとき、図3にHガスと(H+O)ガスとの斜めの境界線で示すように、処理室201内に供給するOガスの流量を徐々に増加させる。Oガスより先にHガスの供給を開始することで、処理室201内が還元性雰囲気となるため、金属含有膜12の急激な酸化を抑えることができる。図3に示すように、Hガス及びOガスの供給は後述のプラズマ放電・維持工程S23の終了時まで継続する。
(プラズマ放電・維持工程S23)
処理室201内の圧力が安定したら、筒状電極215に対して高周波電源273から整合器272を介して高周波電力を印加することにより、処理室201内、より具体的にはウエハ200の上方のプラズマ生成領域224内にプラズマ放電を生じさせる。印加する
電力は、例えば100W以上500W以下の範囲内の所定の出力値とする。インピーダンス可変機構274は、予め所望のインピーダンス値に制御しておく。
なお、図3に示すように、高周波電力印加のタイミングは、Hガスの供給開始後、Oガスの供給開始前とする。Hガスは、高周波電力が印加されてから励起するまでの時間がOガスに比べて長い。上記のような動作順とすることで、HガスとOガスとの励起のタイミングが少なくとも同時、あるいはHガスの励起が先になるよう、各動作のタイミングを調整することができる。これにより、先にOガスのみがプラズマ励起されて金属含有膜12が急激に酸化されてしまうことを抑制することができる。
プラズマ生成領域224内に生成されたHガスとOガスとの混合ガスの高密度プラズマにより、ウエハ200の表面にプラズマ処理が施される。Hガス及びOガスはプラズマ化されて乖離し、水素ラジカル(H)、酸素ラジカル(O)、ヒドロキシルラジカル(OH)、その他のイオン等を生成する。OやOHはシリコン含有膜11および金属含有膜12に作用してそれぞれの膜の表面を酸化する。Hは還元性を持つため、酸化された金属含有膜12の表面を効果的に還元するが、シリコン含有膜11に対しては還元する力が弱い。結果、金属含有膜12の酸化は抑制され、主にシリコン含有膜11のみが選択的に酸化される。
その後、所定の処理時間、例えば10秒〜600秒が経過したら、高周波電源273からの電力の印加を停止して、処理室201内におけるプラズマ放電を停止する。また、バルブ251a、251bを閉めて、Hガス及びOガスの処理室201内への供給を停止する。以上により、シリコン含有膜11の側壁のダメージ11dが修復され(図6(d))、選択酸化処理工程S20が終了する。
なお、上述のプラズマ放電の開始時にHガスを先に供給する手法は、プラズマ放電の停止時にも使用することができる。すなわち、高周波電力を停止する直前に、先にOガスの供給を停止する。これによって、寿命の短い水素ラジカル(H)と寿命の長い酸素ラジカル(O)との消滅タイミングを合わせることができ、金属含有膜12の酸化を抑制することができる。
上述のように、選択酸化処理工程S20では、ウエハ200の温度が例えば600℃以上700℃以下に設定されている。ウエハ200の温度を低温とすることで、700℃を超える温度、例えば750℃の高温で生じる急激な酸化を避け、金属含有膜12の酸化を抑制することができるからである。このような急激な酸化は、金属含有膜12の表面の還元反応よりも酸化反応のほうが加速してしまうために起きる。また、Hガスの流量が、HガスとOガスとの混合ガスの全流量に対して例えば70%以上となるように設定されている。Hガスの流量比を高めることで、Oガス(のプラズマ)による金属含有膜12の酸化を抑制し、また、酸化された金属含有膜12を還元することができるからである。このように、選択酸化処理工程S20では、より確実に金属含有膜12の酸化を抑制しつつ、主にシリコン含有膜11のみを選択的に酸化することを主眼に、低温、或いは高流量比のHガスの条件が選択される。
しかし、係る条件下では、シリコン含有膜11中に水素が侵入して残留し(図6(d)中に示す●印)、半導体装置の性能が低下してしまう場合があった。つまり、Hガスの流量比が高いとシリコン含有膜11中への水素の侵入が起こり易くなってしまい、また、ウエハ200が低温だと侵入した水素が残留し易くなってしまう。シリコン含有膜11中に水素が残留すると、例えばDRAMのリフレッシュタイム特性を悪化させるなど、半導体装置の信頼性を低下させてしまう場合があった。
そこで、本実施形態では、後述のアニール処理工程S40を実施する。これにより、選択酸化処理によってシリコン含有膜11中に侵入した水素の残留量を低減させることができる。まずは真空排気を行い、その後にアニール処理工程40実施する場合について、以下に詳細を説明する。
(真空排気工程S30)
アニール処理工程S40に先行して、まずは処理室201内を真空に排気する。すなわち、ガス排気管231を用いて処理室201内の残留ガスを排気し、処理室201内の圧力を、例えば1Pa以下まで減圧する。これにより、処理室201内に残留しているHガスやOガス、及びそれらが反応した排ガス等を、後述のアニール処理工程S40を開始する前に排気することができる。また、以後の工程で供給されるHeガスによる処理室201内雰囲気の入替えをより確実に行うことができる。よって、処理室201内のHガスやOガス等の濃度が充分に低減された状態で、金属含有膜12の酸化を懸念することなくアニール処理工程S40を行うことができる。
ただし、後述の希ガス供給工程S41によってもOガス等の低減効果は得られる。したがって、真空排気工程S30を行わないこととしてもよい。
(アニール処理工程S40)
次に、真空排気工程S30に引き続き、ウエハ200がサセプタ217の上面に載置された状態で、図2に示すアニール処理工程S40、すなわち、以下に示すS41〜S43の工程を実施することにより、ウエハ200のアニール処理(加熱処理)を行う。具体的には、上記選択酸化処理工程S20における温度(第1の温度)よりも高い温度であって、水素成分が脱離する温度(第2の温度)にウエハ200を加熱しつつ、処理室201内を希ガスとしてのHeガスの雰囲気に所定時間維持することで、シリコン含有膜11中に侵入した水素の残留を抑制する。また、同一の処理室201内で、選択酸化処理工程S20とアニール処理工程S40とにおける処理を連続的に行うことによって、別処理室での処理における移動時間の短縮や、移動による自然酸化膜の形成を抑止することが可能となる。以下にその詳細について説明する。
(希ガス供給工程S41)
真空排気工程S30により処理室201内が所定の圧力以下になるまで排気されたら、バルブ252cを開け、バッファ室237を介して処理室201内にHeガスを供給する。このとき、Heガスの流量が例えば50sccm以上2000sccm以下の範囲内の所定値となるように、マスフローコントローラ251cにて流量制御を行う。また、処理室201内の圧力が、例えば10Pa以上300Pa以下の範囲内の所定圧力となるように、APC242の開度を調整する。Heガスを処理室201内に供給することで、HガスやOガス等が処理室201内に残留していたとしても処理室201内雰囲気の入替えができ、次に行う基板昇温工程S42の前に、HガスやOガス等の濃度を充分に低減させておくことができる。これによって、金属含有膜12の酸化を抑制しつつ高温でのアニール処理ができる。図3に示すように、Heガスの供給は後述の希ガス雰囲気維持工程S43の終了時まで継続する。
(基板昇温工程S42)
Heガスの供給を開始し処理室201内の圧力が安定したら、第2加熱部としてのランプ加熱ユニット280を点灯する。また、ヒータ217bへの電力供給は継続しておく。つまり、ランプ加熱ユニット280及びヒータ217bによってウエハ200を両面から加熱し、ウエハ200の温度が例えば800℃以上の所定温度(第2の温度)になるように制御する。このように、ランプ加熱ユニット280を補助的に用いることで、例えばヒータ217bのみを用いる場合に比べ、より短時間で昇温することができる。
(希ガス雰囲気維持工程S43)
ウエハ200が所定温度(第2の温度)まで加熱されたら、所定温度を維持したまま、Heガスの雰囲気中に所定時間、例えば5秒〜180秒の間、ウエハ200を保持する。これにより、選択酸化処理工程S20でシリコン含有膜11中に侵入していた水素が脱離する。脱離した水素は、Heガスとともにガス排気管231を通じて処理室201外へと排出される。結果、シリコン含有膜11中の水素の残留量を低減することができる。
上記所定の処理時間が経過したら、バルブ251cを閉めて、Heガスの処理室201内への供給を停止する。以上により、シリコン含有膜11中の水素の残留量が低減され(図6(e))、希ガス雰囲気維持工程S40が終了する。
以上のように、選択酸化処理工程S20とアニール処理工程S40とを組み合わせて行うことによって、金属含有膜12の酸化を抑制しつつシリコン含有膜11の選択酸化を行ったうえで、シリコン含有膜11の中に侵入した水素の残留を抑制することができる。つまり、選択酸化処理工程S20においては、シリコン含有膜11中への水素の侵入や残留を気にすることなく選択酸化に適した条件、例えばHガスを高流量比としたり、ウエハ200の温度を低温(第1の温度)としたりする条件を選択することができる。このため、金属含有膜12の酸化をより確実に抑制しながら、主にシリコン含有膜11のみを選択的に酸化することが可能となる。そして、その後のアニール処理工程S40においては、処理室201内をHeガス雰囲気で維持してHガスやOガス等の濃度を低減し、金属含有膜12が酸化され難い環境下とすることで、高温(第2の温度)でのアニール処理をすることができ、シリコン含有膜11中の水素の残留を抑制することができる。
(基板降温工程S50)
上記所定時間が経過したらランプ加熱ユニット280を消灯し、ウエハ200の温度を少なくともヒータ217bの温度以下まで下げる。ウエハ200の温度を降下させる間、ガス排気管231を用いて処理室201内を真空排気する。このとき、処理室201内のHeガス等、残留ガスも排気される。その後、APC242の開度を調整し、処理室201内の圧力を処理室201に隣接する真空搬送室(ウエハ200の搬出先。図示せず)と同じ圧力(例えば100Pa)に調整する。
(基板搬出工程S60)
ウエハ200が所定温度まで冷却されたら、サセプタ217をウエハ200の搬送位置まで下降させ、ウエハ突上げピン266上にウエハ200を支持させる。そして、ゲートバルブ244を開き、図中省略の搬送機構を用いてウエハ200を処理室201外へ搬出し、本実施形態にかかる半導体装置の製造を終了する。
なお、基板搬出工程S60は、処理室201内を希ガスまたは不活性ガス等でパージしながら行ってもよい。
(3)本実施形態に係る効果
本実施形態によれば、以下に示す1つまたは複数の効果を奏する。
(a)本実施形態によれば、主に選択酸化を行う選択酸化処理工程S20と主に残留水素を抑制するアニール処理工程S40とを別々に有する。これによって、選択酸化処理工程S20では、シリコン含有膜11中への水素の残留を気にすることなく選択酸化に適した条件を使用することができ、アニール処理工程S40では、金属含有膜12が酸化され難い環境下で水素の脱離を促進させてアニール処理を行うことができる。したがって、金属含有膜12の酸化を抑制しつつシリコン含有膜11の選択酸化を行い、シリコン含有膜1
1の側壁のダメージ11dを修復することができる。また、シリコン含有膜11中に侵入した水素の残留を抑制し、半導体装置の信頼性を向上させることができる。すなわち、DRAMのリフレッシュタイム特性や、フラッシュメモリの電荷保持特性を向上させることができる。
(b)また、本実施形態に係る選択酸化処理工程S20では、選択酸化に適した条件として、ウエハ200の温度を600℃以上700℃以下の温度(第1の温度)としている。これによって、金属含有膜12の酸化を抑制でき、良好な選択酸化処理を行うことができる。
(c)また、本実施形態に係る選択酸化処理工程S20では、選択酸化に適した他の条件として、Hガスの流量を、HガスとOガスとの混合ガスの全流量に対して例えば70%以上としている。これによっても、金属含有膜12の酸化を抑制でき、良好な選択酸化処理を行うことができる。
(d)また、本実施形態に係るアニール処理工程S40では、ウエハ200の温度を第1の温度よりも高い800℃以上の温度(第2の温度)としている。上記低温や高Hガス流量の条件ではシリコン含有膜11中に水素が侵入・残留し易くなるが、アニール処理工程S40を選択酸化処理工程S20よりも高い温度で行うことで、シリコン含有膜11中からの水素の脱離を促進させて残留量を低減させることができる。
(e)また、本実施形態に係るアニール処理工程S40では、処理室201内を減圧かつHeガス雰囲気とし、処理室201内のHガスやOガス等の濃度を低減している。これによって、アニール処理工程S40を高温(第2の温度)で行っても、金属含有膜12の酸化を抑制することができる。
(f)また、本実施形態によれば、アニール処理工程S40の前に真空排気工程S30を行う。つまり、Hガス及びOガスの供給とプラズマ放電とを停止した後、処理室201内の雰囲気を排気してから処理室201内にHeガスを供給している。これによって、処理室201内のHガスやOガス等の濃度を予め、より確実に低減することができ、アニール処理工程S40での金属含有膜12の酸化をより確実に抑制することができる。
(g)また、本実施形態によれば、選択酸化処理工程S20とアニール処理工程S40とを同一の処理室201内で連続して行う。これによって、ウエハ200をアニール用の処理室等へと別途搬送する時間を省くことができ、基板処理の生産性を向上させることができる。
(h)また、本実施形態によれば、ランプ加熱ユニット280を有し、少なくとも第1の温度から第2の温度にウエハ200を加熱する時は、ランプ加熱ユニット280を用いて昇温する。このように、ランプ加熱ユニット280を補助的に用いることで、より迅速に昇温することができる。よって、基板処理の生産性を向上させることができる。
(i)また、本実施形態によれば、選択酸化処理工程S20において、Hガスの供給開始後、Oガスの供給を開始している。これによって、Hガスにより処理室201内が還元性雰囲気となるため、金属含有膜12の急激な酸化を抑制することができる。
(j)さらに、本実施形態によれば、Oガスの供給開始前にプラズマ放電のための高周波電力の印加を開始している。これによって、HガスとOガスとの励起のタイミングを少なくとも同時とすることができ、Oガスが先にプラズマ励起されて金属含有膜12が急激に酸化されるのを抑制することができる。
(k)また、本実施形態によれば、高周波電力を停止する直前にOガスの供給を停止している。これによって、寿命の短い水素ラジカル(H)と寿命の長い酸素ラジカル(O)との消滅タイミングを合わせることができ、金属含有膜12の酸化を抑制することができる。
(l)また、本実施形態によれば、MMT装置を用い、電磁界での電子の周回運動により、HガスとOガスとの混合ガスの長寿命かつ高密度のプラズマを実現している。これによって、上記のような低温、高Hガス流量の条件下でも、充分な酸化反応速度を得ることができる。
<第2実施の形態>
第2実施形態では、アニール処理工程S40においてHeガス等の希ガスの供給を行わず、減圧状態にてアニール処理を行う点が、上述の実施形態と異なる。それ以外の構成については上述の実施形態と同様であるので、主に上述の実施形態とは異なる点について、図4及び図5を用いて説明する。図4は、本実施形態に係る基板処理工程を示すフロー図である。図5は、本実施形態に係る基板処理工程の各処理及びガス供給のタイミング図である。
(アニール処理工程S40)
シリコン含有膜11のダメージ11dが修復されたウエハ200に対して、図4に示すアニール処理工程S40、すなわち、以下に示すS42〜S43までの工程を実施する。
(基板昇温工程S42)
真空排気工程S30により処理室201内が所定の圧力以下になるまで排気されたら、上述の実施形態と同様、ランプ加熱ユニット280を点灯し、ウエハ200を例えば800℃以上(第2の温度)に加熱する。
(減圧状態維持工程S43)
ウエハ200が所定温度まで加熱されたら、所定温度(第2の温度)で加熱しつつ、処理室200内を例えば1Pa以上10Pa以下の減圧状態で、所定時間、例えば5秒〜180秒の間、維持する。これによって、シリコン含有膜11中の水素が脱離し、処理室201外へと排出される。上記所定時間が経過することで、本実施形態に係るアニール処理工程S40が終了する。
以上のように、減圧状態に保った処理室201内で、所定時間、ウエハ200を加熱することによっても、シリコン含有膜11の中の水素が排出され、水素の残留を抑制することができる。
なお、本実施形態においても、上述の実施形態と同様の効果を奏する。
<他の実施形態>
以上、本発明の実施の形態を具体的に説明したが、本発明は上述の実施形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能である。
上述の実施形態においては、希ガスとしてHeガスを用いることとしたが、Heガス以外にもアルゴン(Ar)ガス、ネオン(Ne)ガス、クリプトン(Kr)ガス、キセノン(Xe)ガス等の希ガスや、希ガス以外の不活性ガスをアニール処理工程S40に用いることも可能である。但し、基板や半導体装置への残留の影響の少ないガスを使用することが望ましい。
また、上述の実施形態においては、水素含有ガスとしてHガスを用いることとしたが、Hガス以外にも還元性を有するガスを適宜、使用することができる。また、酸素含有ガスとしては上述のOガス以外にも、オゾン(O)ガス、一酸化二窒素ガス(NO)、一酸化窒素ガス(NO)、二酸化炭素(CO)ガス、一酸化炭素(CO)ガス等を用いることができる。
例えば水素含有ガスとしてHガスを用い、酸素含有ガスとしてNOガス又はNOガスを用いる場合、NOガスやNOガスはOガス等に比べて酸化力が弱いため、選択酸化処理工程S20における基板の処理温度を800℃以上(第1の温度)とし、Hガスの流量比を下げた条件でも、金属含有膜12の酸化を抑制することができる。係る条件下で選択酸化を行えば、選択酸化処理工程S20においてもシリコン含有膜11中の水素の残留を低減することができる。
しかし、酸素含有ガスとして上記のような窒素系ガスを用いた場合、シリコン含有膜11に侵入した窒素の残留が、例えば基板へと侵入してリーク電流を増大させる場合がある。係る場合でも、上述のアニール処理工程S40を施せば、侵入した窒素の残留を抑制することが可能である。すなわち、第1の温度よりも高い温度(第2の温度)で希ガス雰囲気下又は減圧状態でアニール処理を施すことで、窒素の残留の抑制効果が得られる。
また、上述の実施形態においては、金属含有膜12は主にW、TiN、TaN等からなるものとしたが、金属含有膜12に含まれる金属としてはこれ以外にも、モリブデン(Mo)、パラジウム(Pa)、ロジウム(Ro)、ルビジウム(Ru)、ニッケル(Ni)、コバルト(Co)、タンタル(Ta)、アルミニウム(Al)、銅(Cu)等であってもよい。
また、上述の実施形態においては、シリコン含有膜11がDRAM等の半導体装置に含まれるシリコン酸化膜(SiO膜)である場合について本発明を適用することとしたが、本発明はシリコン酸化膜に限らずその他のシリコン含有膜、例えばポリシリコン(Poly−Si)膜や、窒化シリコン(SiN)膜、酸窒化シリコン(SiON)膜、炭素含有酸窒化シリコン(SiOCN)膜等にも適用することができる。
また、上述の実施形態においては、選択酸化処理工程S20又はアニール処理工程S40にて、ヒータ217b及びランプ加熱ユニット280を併用することとしたが、片方又は双方の工程にて、ヒータ217bのみ又はランプ加熱ユニット280のみを用いることとしてもよい。
また、上述の実施形態においては、水素含有ガス、酸素含有ガス、希ガスを1つのガス導入口234から処理室201内へ供給したが、それに限るものではなく、それぞれのガスに対応したガス導入口を設けて、処理室201内にガスを供給してもよい。
また、上述の実施形態においては、選択酸化処理工程S20やアニール処理工程S40等の工程は、MMT装置100により実施するものとしたが、使用可能な基板処理装置はこれに限られず、例えばICP(Inductively Coupled Plasma)方式プラズマ処理装置やECR(Electron Cyclotron Resonance)方式プラズマ処理装置を用いることも可能である。
<本発明の好ましい態様>
以下に、本発明の好ましい態様を付記する。
本発明の一態様は、
シリコン含有膜及び金属含有膜を有する基板を処理する処理室と、
前記基板を加熱する加熱部と、
前記処理室内に水素含有ガス、酸素含有ガス、希ガスを供給するガス供給部と、
前記処理室内にプラズマ放電を生じさせるプラズマ生成部と、
前記ガス供給部、前記プラズマ生成部及び前記加熱部を制御する制御部と、を有し、
前記制御部は、
前記処理室内に搬入された前記基板を第1の温度に加熱させつつ、前記処理室内に前記水素含有ガス及び前記酸素含有ガスを供給させた状態でプラズマ放電させて所定時間維持させた後、
前記基板を前記第1の温度よりも高い第2の温度に加熱させつつ、前記処理室内に前記希ガスを供給させて前記処理室内を前記希ガスの雰囲気に所定時間維持させるよう制御する
基板処理装置である。
好ましくは、
前記第1の温度は、600℃以上700℃以下である。
好ましくは、
前記第2の温度は、800℃以上である。
好ましくは、
前記加熱部はランプ加熱装置を有し、
少なくとも前記第2の温度に前記基板を加熱する時は、前記ランプ加熱装置を用いて昇温する。
好ましくは、
前記酸素含有ガスは、酸素ガス、オゾンガス、一酸化二窒素ガス、一酸化窒素ガス、二酸化炭素ガス、一酸化炭素ガスのいずれかのガス、又はこれらのうち一種類以上を含む混合ガスである。
好ましくは、
前記水素含有ガスの流量は、前記水素含有ガスと前記酸素含有ガスとの混合ガスの全流量に対して70%以上である。
好ましくは、
前記水素含有ガス中の水素のモル数が、前記水素のモル数及び前記酸素含有ガス中の酸素のモル数の合計に対して70%以上となる流量比で、前記水素含有ガス及び前記酸素含有ガスを前記処理室内に供給する。
好ましくは、
前記処理室内の雰囲気を排気する排気部を有し、
前記制御部は、
前記水素含有ガス及び前記酸素含有ガスの供給とプラズマ放電とを停止させた後、前記処理室内の雰囲気を排気させてから前記処理室内に前記希ガスを供給させるように、前記ガス供給部及び前記排気部を制御する。
本発明のさらに他の態様は、
シリコン含有膜及び金属含有膜を有する基板を処理室内に搬入する工程と、
前記基板を第1の温度に加熱しつつ、前記処理室内に水素含有ガス及び酸素含有ガスを
供給した状態でプラズマ放電して所定時間維持する工程と、
前記基板を前記第1の温度よりも高い第2の温度に加熱しつつ、前記処理室内に希ガスを供給して前記処理室内を前記希ガスの雰囲気に所定時間維持する工程と、
処理済みの前記基板を前記処理室内から搬出する工程と、を有する
半導体装置の製造方法である。
本発明のさらに他の態様は、
シリコン含有膜及び金属含有膜を有する基板を処理する処理室と、
前記基板を加熱する加熱部と、
前記処理室内に水素含有ガス及び酸素含有ガスを供給するガス供給部と、
前記処理室内の雰囲気を排気する排気部と、
前記処理室内にプラズマ放電を生じさせるプラズマ生成部と、
前記ガス供給部、前記排気部、前記プラズマ生成部及び前記加熱部を制御する制御部と、を有し、
前記制御部は、
前記処理室内に搬入された前記基板を第1の温度に加熱させつつ、前記処理室内に前記水素含有ガス及び前記酸素含有ガスを供給させた状態でプラズマ放電させて所定時間維持させた後、
前記基板を前記第1の温度よりも高い第2の温度に加熱させつつ、前記処理室内を減圧状態で所定時間維持させるよう制御する
基板処理装置である。
本発明のさらに他の態様は、
シリコン含有膜及び金属含有膜を有する基板を処理室内に搬入する工程と、
前記基板を第1の温度に加熱しつつ、前記処理室内に水素含有ガス及び酸素含有ガスを供給した状態でプラズマ放電して所定時間維持する工程と、
前記基板を前記第1の温度よりも高い第2の温度に加熱しつつ、前記処理室内を減圧状態で所定時間維持する工程と、
処理済みの前記基板を前記処理室内から搬出する工程と、を有する
半導体装置の製造方法である。
本発明のさらに他の態様は、
基板を処理する処理室と、
前記処理室内に前記基板を載置する基板載置台と、
前記基板載置台を加熱する第1加熱部と、
前記基板載置台に載置された前記基板の上部から前記基板を加熱する第2加熱部と、
前記処理室の内部を減圧する排気部と、
前記処理室内にプロセスガスを供給するガス供給部と、
前記処理室内にプラズマを生成するプラズマ生成部と、を有し、
減圧した前記処理室内で前記基板の温度を700℃以下に加熱し、前記プロセスガスのプラズマを用いて前記基板が有する金属含有膜の表面の酸化を抑制しつつ前記基板が有するシリコン含有膜の表面を酸化させる選択酸化処理を行い、
同一の前記処理室内で、前記基板の温度を800℃以上に加熱してアニール処理を行う基板処理装置である。
好ましくは、
前記アニール処理は、不活性ガスの雰囲気中又は真空中で行う。
好ましくは、
前記不活性ガスは、希ガスである。
好ましくは、
前記プロセスガスは、酸素ガスと水素ガスとの混合ガスである。
11 シリコン含有膜
12 金属含有膜
100 MMT装置(基板処理装置)
200 ウエハ(基板)
201 処理室
121 コントローラ(制御部)

Claims (2)

  1. シリコン含有膜及び金属含有膜を有する基板を処理する処理室と、
    前記基板を加熱する加熱部と、
    前記処理室内に水素含有ガス、酸素含有ガス、希ガスを供給するガス供給部と、
    前記処理室内にプラズマ放電を生じさせるプラズマ生成部と、
    前記ガス供給部、前記プラズマ生成部及び前記加熱部を制御する制御部と、を有し、
    前記制御部は、
    前記処理室内に搬入された前記基板を第1の温度に加熱させつつ、前記処理室内に前記水素含有ガス及び前記酸素含有ガスを供給させた状態でプラズマ放電させて所定時間維持させた後、
    前記基板を前記第1の温度よりも高い第2の温度に加熱させつつ、前記処理室内に前記希ガスを供給させて前記処理室内を前記希ガスの雰囲気に所定時間維持させるよう制御する
    ことを特徴とする基板処理装置。
  2. シリコン含有膜及び金属含有膜を有する基板を処理室内に搬入する工程と、
    前記基板を第1の温度に加熱しつつ、前記処理室内に水素含有ガス及び酸素含有ガスを供給した状態でプラズマ放電して所定時間維持する工程と、
    前記基板を前記第1の温度よりも高い第2の温度に加熱しつつ、前記処理室内に希ガスを供給して前記処理室内を前記希ガスの雰囲気に所定時間維持する工程と、
    処理済みの前記基板を前記処理室内から搬出する工程と、を有する
    ことを特徴とする半導体装置の製造方法。
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