JP2012049211A - 酸化物半導体薄膜の製造方法および酸化物半導体薄膜、薄膜トランジスタの製造方法および薄膜トランジスタ、並びに薄膜トランジスタを備えた装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】In,Ga,Zn,Oを主たる構成元素とし、組成比が11/20≦Ga/(In+Ga+Zn)≦9/10、且つ3/4≦Ga/(In+Ga)≦9/10、且つZn/(In+Ga+Zn)≦1/3を満たす酸化物半導体薄膜をスパッタリング法により、アルアゴンガス雰囲気下で酸素ガスを導入することなく成膜し、成膜された酸化物半導体薄膜に対して、酸化性雰囲気中で100℃以上、300℃未満の熱処理を施す。
【選択図】なし
Description
また、IGZO系アモルファス酸化物半導体薄膜を薄膜トランジスタに適用する際には350℃〜400℃程度のポストアニール処理を施して素子の安定性(閾値シフトなど)を改善する必要性があることが一般的に認識されている。
しかしながら、本発明者らの検討によれば、特許文献5記載の製造方法では、300℃未満、好ましくはより低い温度での熱処理を行った場合、必ずしも熱処理のみでは膜の電気特性(抵抗率)を制御することはできないことがわかった。
前記酸化物半導体薄膜に対して、酸化性雰囲気中で100℃以上、300℃未満の熱処理を施す熱処理工程とを含むことを特徴とする。
「酸化性雰囲気」とは、酸素、オゾン、酸素ラジカル等を含む雰囲気を意味する。
また、前記熱処理条件とは、具体的には、熱処理温度、熱処理雰囲気および処理時間などをいう。
ここで、「同等」とは熱処理工程前の抵抗率をρa、熱処理工程後の抵抗率をρbとしたとき、両抵抗率の関係が0.1ρa≦ρb≦10ρaであることをいうものとする。
前記活性層を、本発明の酸化物半導体薄膜の製造方法を用いて形成することを特徴とする。
本発明の薄膜トランジスタの製造方法を用いて作製され、前記活性層として、In,Ga,Zn,Oを主たる構成元素とする酸化物半導体薄膜であって、組成比が11/20≦Ga/(In+Ga+Zn)≦9/10、且つ3/4≦Ga/(In+Ga)≦9/10、且つZn/(In+Ga+Zn)≦1/3を満たし、かつ、抵抗率が1Ωcm以上、1×106Ωcm以下である酸化物半導体薄膜を備えてなることを特徴とするものである。
本発明の酸化物半導体薄膜の製造方法により製造される酸化物半導体薄膜は、In,Ga,Zn,Oを主たる構成元素とする酸化物半導体薄膜であって、組成比が11/20≦Ga/(In+Ga+Zn)≦9/10、且つ3/4≦Ga/(In+Ga)≦9/10、且つZn/(In+Ga+Zn)≦1/3を満たし、かつ、室温(20℃)での抵抗率が1Ωcm以上、1×106Ωcm以下であることを特徴とするIGZO膜である。
非晶質膜は大面積にわたって均一な膜を形成し易く、多結晶のような粒界が存在しないため素子特性のバラツキを抑えることが容易である。なお、酸化物半導体層が非晶質であるかどうかは、X線回折測定により確認することができる。すなわち、X線回折測定により、結晶構造を示す明確なピークが検出されなかった場合は、その酸化物半導体層は非晶質であると判断することができる。
酸化物半導体薄膜の成膜は、スパッタリング法により行う。
成膜工程において、In,Ga,Zn,Oを主たる構成元素とし、組成比が11/20≦Ga/(In+Ga+Zn)≦9/10、且つ3/4≦Ga/(In+Ga)≦9/10、且つZn/(In+Ga+Zn)≦1/3を満たす酸化物半導体薄膜を成膜する方法としては、成膜したIGZO膜中のIn,Ga,Zn組成比が上記範囲となるような複合酸化物ターゲットの単独スパッタであってもよく、In、Ga、Zn、または、これらの酸化物若しくはこれらの複合酸化物ターゲットを組み合わせて用いた共スパッタであってもよい。共スパッタの場合は、ターゲットに投入する電力比を調整することにより組成比を調整する。
成膜室到達真空度 6×10-6Pa以下
成膜時圧力 4.4×10-1Pa以上
Ar流量 30sccm
であり、成膜室への酸素(O2)の導入は行わない。
すなわち、スパッタ成膜は、成膜室内への酸素ガスの導入を行うことなく、アルゴン雰囲気下で行う。なお、基本的には、スパッタリング法で300℃未満の条件下で成膜した場合には、非晶質の膜を形成することができる。
熱処理工程(ポストアニール処理工程)は、100℃以上、300℃未満で行う。薄膜を形成する基板として、樹脂基板等の耐熱性の低い可撓性基板を用いる場合には、100℃以上、200℃以下とすることが好ましい。100℃以上、300℃未満であれば、膜中の酸素欠損量を変化させることがないため、アニール前後での膜の抵抗率変化が小さくなる。100℃以上、200℃以下であれば耐熱性の低い樹脂基板への適用が容易となる。
熱処理時間に特に限定はないが、膜温度が均一になるのに要する時間等を考慮し、少なくとも10分以上保持することが好ましい。
また、その抵抗率は、成膜後の熱処理前後で大きく変化せずほぼ同等となる。ここで、同等とは熱処理工程前の抵抗率をρa、熱処理工程後の抵抗率をρbとしたとき、両抵抗率の関係が0.1ρa≦ρb≦10ρaであることをいう。ポストアニール処理(熱処理)に伴う低抵抗化が起こらないため、所望の電気特性を設計しやすく、プロセスマージンも広くなる。
図1(A)から(D)は、本発明の第1〜第4の実施形態の薄膜トランジスタ1〜4の構成を模式的に示す断面図である。図1(A)〜(D)の各薄膜トランジスタにおいて、共通の要素には同一の符号を付している。
図1(A)〜(D)に示す実施形態は、ゲート、ソース、ドレイン電極の、酸化物半導体層に対する配置が異なるが、同一符号を付与されている各要素の機能は同一であり、同様の材料を適応することができる。
薄膜トランジスタ1を形成するための基板11の形状、構造、大きさ等については特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。基板の構造は単層構造であってもよいし、積層構造であってもよい。
中でも軽量である点、可撓性を有する点から樹脂あるいは樹脂複合材料からなる基板が好ましい。具体的には、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリブチレンナフタレート、ポリスチレン、ポリカーボネート、ポリスルホン、ポリエーテルスルホン、ポリアリレート、アリルジグリコールカーボネート、ポリアミド、ポリイミド、ポリアミドイミド、ポリエーテルイミド、ポリベンズアゾール、ポリフェニレンサルファイド、ポリシクロオレフィン、ノルボルネン樹脂、ポリクロロトリフルオロエチレン等のフッ素樹脂、液晶ポリマー、アクリル樹脂、エポキシ樹脂、シリコーン樹脂、アイオノマー樹脂、シアネート樹脂、架橋フマル酸ジエステル、環状ポリオレフィン、芳香族エーテル、マレイミドーオレフィン、セルロース、エピスルフィド化合物等の合成樹脂からなる基板、既述の合成樹脂等と酸化珪素粒子との複合プラスチック材料からなる基板、既述の合成樹脂等と金属ナノ粒子、無機酸化物ナノ粒子もしくは無機窒化物ナノ粒子等との複合プラスチック材料からなる基板、既述の合成樹脂等とカーボン繊維もしくはカーボンナノチューブとの複合プラスチック材料からなる基板、既述の合成樹脂等とガラスフェレーク、ガラスファイバーもしくはガラスビーズとの複合プラスチック材料からなる基板、既述の合成樹脂等と粘土鉱物もしくは雲母派生結晶構造を有する粒子との複合プラスチック材料からなる基板、薄いガラスと既述のいずれかの合成樹脂との間に少なくとも1回の接合界面を有する積層プラスチック基板、無機層と有機層(既述の合成樹脂)を交互に積層することで、少なくとも1回以上の接合界面を有するバリア性能を有する複合材料からなる基板、ステンレス基板またはステンレスと異種金属とを積層した金属多層基板、アルミニウム基板または表面に酸化処理(例えば陽極酸化処理)を施すことで表面の絶縁性を向上させた酸化皮膜付きのアルミニウム基板等を用いることができる。
樹脂基板は、水分や酸素の透過を防止するためのガスバリア層や、樹脂基板の平坦性や下部電極との密着性を向上するためのアンダーコート層等を備えていてもよい。
μm以上であると、基板自体の平坦性がより向上する。基板の厚みが500μm以下であると、基板自体の可撓性がより向上し、フレキシブルデバイス用基板としての使用がより容易となる。なお、基板を構成する材料によって、十分な平坦性および可撓性を有する厚みは異なるため、基板材料に応じてその厚みを設定する必要があるが、概ねその範囲は50μm−500μmの範囲となる。
活性層12として、本発明の製造方法で製造される酸化物半導体薄膜(以下、酸化物半導体層12という。)を備える。すなわち、酸化物半導体層12はIn,Ga,Zn,Oを主たる構成元素とし、その組成比が11/20≦Ga/(In+Ga+Zn)≦9/10、且つ3/4≦Ga/(In+Ga)≦9/10、且つZn/(In+Ga+Zn)≦1/3を満たし、かつ、室温(20℃)での抵抗率が1Ωcm以上、1×106Ωcm以下であることを特徴とするIGZO膜である。
酸化物半導体層12の成膜は、既述の通りスパッタ等により行うことができる。
ソース電極13およびドレイン電極14はいずれも高い導電性を有するものであれば特に制限なく、例えばAl、Mo、Cr、Ta、Ti、Au、Ag等の金属、Al−Nd、Ag合金、酸化錫、酸化亜鉛、酸化インジウム、酸化インジウム錫(ITO)、酸化亜鉛インジウム(IZO)等の金属酸化物導電膜等を、単層または2層以上の積層構造として用いることができる。
ゲート絶縁膜15としては、高い絶縁性を有するものが好ましく、例えばSiO2、SiNx、SiON、Al2O3、Y2O3、Ta2O5、HfO2等の絶縁膜、またはこれらの化合物を少なくとも2つ以上含む絶縁膜等から構成することができる。
ゲート電極16としては、高い導電性を有するものであれば特に制限なく、例えばAl、Mo、Cr、Ta、Ti、Au、Ag等の金属、Al−Nd、Ag合金、酸化錫、酸化亜鉛、酸化インジウム、酸化インジウム錫(ITO)、酸化亜鉛インジウム(IZO)等の金属酸化物導電膜等を、単層または2層以上の積層構造として用いることができる。
図1(A)に示すトップゲート−トップコンタクト型の薄膜トランジスタ1の製造方法について簡単に説明する。
次いで酸化物半導体層12をパターンニングする。パターンニングはフォトリソグラフィーおよびエッチングにより行うことができる。具体的には、残存させる部分にフォトリソグラフィーによりレジストパターンを形成し、塩酸、硝酸、希硫酸、または燐酸、硝酸および酢酸の混合液等の酸溶液によりエッチングすることによりパターンを形成する。
なお、酸化物半導体層12上には、ソース、ドレイン電極エッチング時に酸化物半導体層を保護するための保護膜を形成しておいてもよい。保護膜は酸化物半導体層と連続で成膜してもよいし、酸化物半導体層のパターニング後に形成してもよい。
次いで金属膜をエッチングまたはリフトオフ法により所定の形状にパターンニングし、ソース電極13およびドレイン電極14を形成する。この際、ソース・ドレイン電極13、14およびこれらの電極(図示せず)に接続する配線を同時にパターンニングすることが好ましい。
ゲート電極パターンニング後に熱処理(ポストアニール処理)を施す。熱処理を施すことにより、連続通電時のしきい値電圧シフトが抑えられ、特性を安定化させることができる。ポストアニール処理は酸化物半導体層12の成膜後であれば、特に手順は限定せず、酸化物半導体成膜直後に行ってもよいし、電極、絶縁膜の成膜、パターンニングが全て終わった後に行ってもよい。なお、このポストアニール工程は、既述の酸化物半導体薄膜の製造における熱処理工程に他ならない。
さらに、本発明の薄膜トランジスタは、一般的なIGZO材料に比べて、Ga組成比の高いIGZO膜を用いているため、光学バンドギャップが広く、その結果、可視光の短波長領域(例えば400nm程度)の光吸収を低減させることが可能となることから、トランジスタに遮光手段を設ける必要がなく、生産プロセスが簡便になり、且つEL発光を効率よく取り出すことが可能となる。
図2に、本発明の表示装置の一実施形態である液晶表示装置について、その一部分の概略断面図を示し、図3にその電気配線の概略構成図を示す。
図4に、本発明のセンサーの一実施形態であるX線センサーについて、その一部分の概略断面図を示し、図5にその電気配線の概略構成図を示す。
X線変換層72はアモルファスセレンからなる層であり、薄膜トランジスタ1およびキャパシタ70を覆うように設けられている。
上部電極73はX線変換層72上に設けられており、X線変換層72に接している。
上記酸化物半導体薄膜の成膜中に供給される酸素ガス流量によって電気特性がどのように変化するかについて下記のような試料を作製して評価した。
電気抵抗測定用試料として、基板上に所定の大きさの酸化物半導体薄膜を試料1、試料2の条件で成膜し、その上に電極を形成したものを作製した。
基板100として、合成石英ガラス基板(コバレントマテリアル社製、品番T-4040、1inch□×1mmt)を用い、この基板100上に酸化物半導体薄膜101を後記各実施例、比較例の条件でスパッタ成膜して作製した。成膜の際にメタルマスクを用い、1inch□基板100上に3mm×9mmのパターン状の酸化物半導体薄膜101を成膜した(図6参照)。
成膜はIn2O3ターゲット、Ga2O3ターゲット、ZnOターゲットを用いた共スパッタ(co-sputter)により行い、組成比の調整は各ターゲットに投入する電力比を変化させることで行った。
得られた酸化物半導体薄膜101上に電極102をスパッタにより成膜した。電極102はTiとAuとの積層膜からなるものとした。酸化物半導体薄膜101上に、Tiを10nm成膜後、Auを40nm成膜して電極102とした。電極成膜においてもメタルマスクを用いてパターン成膜を行うことにより、4端子電極を形成した(図7参照)。
試料1として、以下のスパッタ成膜条件で酸化物半導体薄膜としてIGZO膜を成膜した。
カチオン組成比 In:Ga:Zn=0.2:1.8:1.0
膜厚 50nm
成膜室到達真空度 6×10-6Pa
成膜時圧力 4.4×10-1Pa
Ar流量 30sccm
O2流量 0.00sccm
試料2として、試料1と同一の組成比のIGZO膜を、酸素フロー下で成膜したものを作製した。他の条件は実施例1と同様とした。
試料2において、IGZO膜成膜時の酸素流量(O2流量)を0.03sccmとした。
上記2種の試料(試料1、2)について、雰囲気を制御でき、且つ熱処理をしながら電気抵抗測定が可能な装置にセットし、昇温・降温過程でのシート抵抗の変化を測定した。チャンバー内の雰囲気はAr 160sccm、O2 40sccmとし、10℃/minで200℃まで昇温、200℃で10分保持後、炉冷で室温まで冷却を行った。
図8に示すとおり、IGZO系の酸化物半導体薄膜は成膜時の酸素流量に応じ、抵抗率が大きく変化することが確認できた。これは、成膜時の酸素流量に応じて膜中の酸素欠損量が変化することに起因するものと考えられる。
図8に示す結果から、IGZO膜は成膜時の酸素流量に敏感に抵抗値が変化することから、成膜時の酸素流量を調整することにより、所望の抵抗率の薄膜を得ようとすると、酸素流量を非常に精度よく制御する必要があることが明らかである。本発明の製造方法によれば、成膜時には酸素をフローさせる必要がなく、成膜工程を簡易なものとすることができることが明らかである。また、成膜時の酸素流量を正確に調整した場合であっても、特に大面積で成膜を行う際には、酸素導入口付近とそうでない位置で局所的な酸素流量が異なり、その結果、面内に酸素欠損量バラツキが生じ、面内電気特性を均一に得ることは非常に困難となる。
本発明の製造方法に沿って、酸素をフローさせず成膜した、In、Ga、Zn組成比の異なるIGZO膜のアニール温度と電気特性の関係について、検証実験1と同様に電気抵抗測定用試料を作製し、抵抗率の温度変化測定を行い、評価した。
実施例1として、以下のスパッタ成膜条件で酸化物半導体薄膜としてIGZO膜を成膜した。
カチオン組成比 In:Ga:Zn=0.2:1.8:1.0
膜厚 50nm
成膜室到達真空度 6×10-6Pa
成膜時圧力 4.4×10-1Pa
Ar流量 30sccm
O2流量 0sccm
カチオン組成比 In:Ga:Zn=0.2:1.8:0.5
カチオン組成比 In:Ga:Zn=0.2:1.8:0
カチオン組成比 In:Ga:Zn=0.5:1.5:0
カチオン組成比 In:Ga:Zn=0.5:1.5:0.5
(実施例6)
カチオン組成比 In:Ga:Zn=0.4:1.6:1.0
(実施例7)
カチオン組成比 In:Ga:Zn=8:24:13
抵抗率の温度変化測定方法および条件は検証実験1と同様とした。
図9に示すとおり、各実施例1〜7のIGZO膜は、いずれも昇温・降温過程後の抵抗率は1×10+1〜1×10+6Ωcmの範囲に入っており、半導体として利用可能であることが確認された。又、昇温・降温過程前後での抵抗率の変化が小さく、同等の抵抗率を示しており、アニール温度バラツキの影響を受けづらいことが明らかとなった。なお、ここで言うところの同等とは熱処理工程後の抵抗率をρbとした際、熱処理工程前の抵抗率ρaが0.1ρa≦ρb≦10ρaの範囲に入っていることを指す。
本発明の組成範囲のIGZO膜を用いたTFTを作製し、その特性評価を行った。
実施例TFT1の簡易型TFTは次のようにして作製した(図10参照)。
100nm熱酸化膜111を表面に備えたp型Si 1inch□基板110上に実施例1の成膜条件にてIGZO膜112を50nm、3mm×4mmのパターン成膜を行った。続いて雰囲気を制御可能な電気炉にて、ポストアニール処理を施した。ポストアニール雰囲気はAr 160sccm、O2 40sccmとし、10℃/minで200℃まで昇温、200℃で10分保持後、炉冷で室温まで冷却を行った。
その後、IGZO膜112上にソース・ドレイン電極113をスパッタにより成膜した。ソース・ドレイン電極成膜はメタルマスクを用いたパターン成膜にて作製した。Tiを10nm成膜後、Auを40nm成膜したものをソース・ドレイン電極113とした。ソース・ドレイン電極サイズは各々1mm□とし、電極間距離は0.2mmとした。
IGZO膜を実施例3の成膜条件にて成膜した以外は実施例TFT1と同様にしてTFTを作製した。
IGZO膜を実施例4の成膜条件にて成膜した以外は実施例TFT1と同様にしてTFTを作製した。
IGZO膜を実施例6の成膜条件にて成膜した以外は実施例TFT1と同様にしてTFTを作製した。
IGZO膜を実施例7の成膜条件にて成膜した以外は実施例TFT1と同様にしてTFTを作製した。
なお、Vg-Id特性の測定は、ドレイン電圧(Vd)を5Vに固定し、ゲート電圧(Vg)を-15V〜+40Vの範囲内で変化させ、各ゲート電圧(Vg)におけるドレイン電流(Id)を測定することにより行った。
図11に示す実施例TFT1は、Off電流は10-10Aオーダーであり、かつOn/Off比は〜106の値が得られ、ノーマリ・オフ型で駆動した。電界効果移動度は3cm2/Vsであり、低温形成でかつアモルファスシリコンに比べて十分高い移動度を有する良好なトランジスタ特性を示した。
図12〜15に示す実施例TFT2〜5についても同様に良好なトランジスタ特性を示した。
11 基板
12 活性層(酸化物半導体薄膜)
13 ソース電極
14 ドレイン電極
15 ゲート絶縁膜
16 ゲート電極
Claims (12)
- In,Ga,Zn,Oを主たる構成元素とし、組成比が11/20≦Ga/(In+Ga+Zn)≦9/10、且つ3/4≦Ga/(In+Ga)≦9/10、且つZn/(In+Ga+Zn)≦1/3を満たす酸化物半導体薄膜を、スパッタリング法により、アルゴンガス雰囲気下で酸素ガスを導入することなく成膜する成膜工程と、
前記酸化物半導体薄膜に対して、酸化性雰囲気中で100℃以上、300℃未満の熱処理を施す熱処理工程とを含むことを特徴とする酸化物半導体薄膜の製造方法。 - 前記熱処理の温度を100℃以上、200℃以下とすることを特徴とする請求項1記載の酸化物半導体薄膜の製造方法。
- 前記酸化物半導体薄膜の前記熱処理工程後の抵抗率が1Ωcm以上、1×106Ωcm以下となるように、前記成膜工程における成膜条件、および前記熱処理工程における熱処理条件が設定されていることを特徴とする請求項1または2記載の酸化物半導体薄膜の製造方法。
- 前記熱処理工程前の前記酸化物半導体薄膜の抵抗率が、該熱処理工程後の抵抗率と同等であることを特徴とする請求項1から3いずれか1項記載の酸化物半導体薄膜の製造方法。
- 前記酸化物半導体薄膜が非晶質であることを特徴とする請求項1から4いずれか1項記載の酸化物半導体薄膜の製造方法。
- 請求項1から5いずれか1項記載の酸化物半導体薄膜の製造方法を用いて作製された、In,Ga,Zn,Oを主たる構成元素とする酸化物半導体薄膜であって、組成比が11/20≦Ga/(In+Ga+Zn)≦9/10、且つ3/4≦Ga/(In+Ga)≦9/10、且つZn/(In+Ga+Zn)≦1/3を満たし、かつ、抵抗率が1Ωcm以上、1×106Ωcm以下であることを特徴とする酸化物半導体薄膜。
- 基板上に、活性層と、ソース電極と、ドレイン電極と、ゲート絶縁膜と、ゲート電極とを有する薄膜トランジスタの製造方法であって、
前記活性層を、請求項1から5いずれか1項記載の酸化物半導体薄膜の製造方法を用いて形成することを特徴とする薄膜トランジスタの製造方法。 - 前記基板として可撓性を有するものを用いることを特徴とする請求項7記載の薄膜トランジスタの製造方法。
- 基板上に、活性層と、ソース電極と、ドレイン電極と、ゲート絶縁膜と、ゲート電極とを有する薄膜トランジスタ薄膜トランジスタであって、
請求項7および8記載の薄膜トランジスタの製造方法を用いて作製され、前記活性層として、In,Ga,Zn,Oを主たる構成元素とする酸化物半導体薄膜であって、組成比が11/20≦Ga/(In+Ga+Zn)≦9/10、且つ3/4≦Ga/(In+Ga)≦9/10、且つZn/(In+Ga+Zn)≦1/3を満たし、かつ、抵抗率が1Ωcm以上、1×106Ωcm以下である酸化物半導体薄膜を備えてなることを特徴とする薄膜トランジスタ。 - 請求項9記載の薄膜トランジスタを備えたことを特徴とする表示装置。
- 請求項9記載の薄膜トランジスタを備えたことを特徴とするイメージセンサー。
- 請求項9記載の薄膜トランジスタを備えたことを特徴とするX線センサー。
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