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JP2012030010A - 穿刺針およびその製造方法 - Google Patents

穿刺針およびその製造方法 Download PDF

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Ryoichi Hayaba
亮一 早場
Hiroshi Murayama
啓 村山
Tsukasa Ochi
司 越智
Kensuke Uemura
賢介 植村
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Nagata Seiki Co Ltd
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Terumo Corp
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Abstract

【課題】研削加工バリも取除かれ、刃部分の刺通抵抗が低減された穿刺針およびその製造方法の提供。
【解決手段】金属パイプからなる針管10の一端に、該針管の長手軸に対し鋭角の切断面をもつ第1の刃面12と、該第1の刃面の先端側部分を管軸の両側から針管の中心軸に線対称に研削して形成された一対の研削面13と、該第1の刃面と該一対の研削面、または該一対の研削面同士の交差する管肉の稜線で刃縁14が形成された針先を有する穿刺針1であって、前記刃縁が管肉の凹みによる曲線で形成された穿刺針。研削加工後の刃をイオンスパッタリングする。
【選択図】図2

Description

本発明は、刺通痛みを低減しうる注射針などの穿刺針およびその製造方法に関する。
人体に使用される注射針などの穿刺針の大きさは、用途によっても異なるが、通常、外径0.3〜1.2mm程度であり、場合によっては2mmの大径のものもある。インスリン自己注射用でも一般的に用いられている31ゲージのものの外径は0.25mm程度ある。このような径をもつ穿刺針は、刺通時に刺通痛みや傷などを与え、このことにより特にインスリンを自己注射する患者には恐怖感や不安感を与えることになる。このため、従来、穿刺針の刺通痛みを低減させることが望まれている。
穿刺針の刺通痛みを低減する1つの方法は、針の外径を細くすることであり、すでに33ゲージの極細針が、刺通痛みを低減させたいわゆる無痛インスリン穿刺針として市販されている。また、穿刺針の針管胴部にテーパー部をもたせ、針先部分の径をシリンジに接続する基端部の径より小さくした穿刺針もある(特許文献1参照)。
一方、穿刺針の針先は、通常、針管内の輸液量を確保できるある程度の大きさが必要とされる。このため、通常の針先の径を変えずに刺通時の痛みを低減させる方法が望まれている。穿刺針の刺通痛みを低減させる一方法として、針管の表面平滑化による生体との摩擦抵抗の低下が挙げられる。たとえば、医療・衛生用具の表面で通常観察される10〜数十μmの凹凸をもつ粗面は、穿刺針の場合には、生体への注入時に苦痛を与える原因であるとして、表面粗度を1〜20μm程度に研磨することが提案されている(特許文献2参照)。ここで用いられる研磨方法は、電解研磨でも、イオンビームもしくはプラズマを用いるスパッタ研磨でもよい。
また、穿刺針の針先は、針管を皮膚に穿刺するため、針管の長手方向に斜めに切断された刃面をもつが、現在、穿刺時の痛みを低減させ、刃で切裂いた皮膚組織が針管内部に取込まれるコアリングを避けるためのスタンダードな構造がある。もっとも汎用されている穿刺針の針先は、針管の中心軸に対し角度の異なる少なくとも2種の刃面を有する。具体的には、図2に示すように、穿刺針1の針先11は、針管10の中心軸に対し鋭角に切断された第1の刃面12と、該刃面12の先端側の約半面を、中心軸を介して互いに対向する方向から研削することで形成した一対の研削面(ベベル面)13とを有し、針先の先端において2つのベベル面13が交差して刃Aを形成する。刃Aは、ベベル面13の交差する稜線すなわち直線状の刃縁14と、刃縁14の最先端の尖鋭な刃先15を含む。このような構造の針先は、単純な切断面しか有さない針先に比べ、穿刺・刺通時に皮膚組織との接触が少なく、また刃で切裂いた皮膚組織が針管内部に取込まれるコアリングを構造的に低減することができ、刺通痛みが格段に低減される。
特開2008−200528号公報 特開平9−279331号公報
穿刺針の刺通痛みをより一層低減する方法の出現が望まれている。
穿刺針の針先部分による刺通痛みは、研削加工バリなどがなく表面平滑であるほど小さいと予想される。また、本発明者らは、同じ径の針であれば、針先構造上、皮膚との接触が少ないほど刺通痛みが低減されるとの考察に基づいて、刺通痛みの低減の課題に形状的なアプローチを行った。特に、針先のうちでも皮膚を最初に穿刺する最先端の刃に着目し、鋭利でかつ皮膚との接触が少ない刃を形成すべく検討したところ、研削加工でつけられた刃をイオンビームでスパッタ研磨すれば、従来の研削加工で得られるよりも鋭利化され、かつ特定形状の刃縁を有る刃を得ることができることを見出した。なお、従来の研削加工により刃をつける方法では、金属組織の粒界が存在するために刃の先鋭化は限界があった。イオンビームの照射は研削加工で生じたバリを取る効果もある。イオンビームの照射に先立って、バリ取りなどの表面平滑化のため電子線照射を行うこともできる。したがって、以下のような本発明が提供される。
本発明の一態様は、金属パイプからなる針管の一端に、該針管の長手軸に対し鋭角の切断面をもつ第1の刃面と、該第1の刃面の先端側部分を管軸の両側から針管の中心軸に線対称に研削して形成された一対の研削面と、該第1の刃面と該一対の研削面、または該一対の研削面同士の交差する管肉の稜線で刃縁が形成された針先を有する穿刺針であって、前記刃縁が管肉の凹みによる曲線で形成された穿刺針である。
上記研削面は、刃面上に形成されたベベル面でもよく、刃面裏側に形成されたバックカット面でもよい。
前記刃縁近傍の外側管肉が、前記針管の肉厚よりも薄肉であってもよい。
本発明に係る穿刺針の針先は、刃縁の凹みにより生体との接触面積が少なくなり、刺通痛みが低減される。また、管肉の凹みにより薄肉ではあるが、刃縁および刃先の尖端は丸みを帯びている訳ではなく、薄肉化により先鋭化されている。また、この針は、研削加工後に残留するバリも取り除かれている。
本発明の他の態様は、金属パイプからなる針管の一端に、該針管の長手軸に対し鋭角の切断面をもつ第1の刃面と、該第1の刃面の先端側部分を管軸の両側から針管の中心軸に線対称に研削して形成された一対の研削面と、該第1の刃面と該一対の研削面、または該一対の研削面同士の交差する管肉の稜線で刃縁が形成された針先を有する穿刺針を準備し、真空雰囲気中で、ガスイオンを電界により加速することにより、前記穿刺針の針先側先端方向から、イオンビームを照射して前記刃部分をスパッタ研磨する上記穿刺針の製造方法である。
以下、後段の工程をイオンスパッタリングと称することもある。
上記ガスイオンは、好ましくはアルゴンのガスイオンである。
イオンビームは、好ましくは該針管の長手軸に対し所定角度で照射する。
上記イオンスパッタリング工程では、スパッタされる針先に対してイオンビームが相対的に揺動あるいは回転運動しながら照射されることが好ましく、具体的には、穿刺針を揺動あるいは回転させながらイオンビームを一定方向から照射する方法が好ましい。
本発明では、スパッタされる穿刺針を複数並列させ、同時にスパッタ研磨することもできる。
本発明における上記イオンスパッタリングは、刃に対し、研削効果を有する。具体的には、研削加工で形成された直線状の刃縁はスパッタ後、上記のように凹んだ曲線となる。上記したように、刃は先鋭化されている。イオンスパッタリングでは、金属粒界の大きさ以下が集積されるので、研削加工における金属粒界の存在による先鋭化の限界があるような状況とは判断されない。このイオンスパッタリングは、バリ取り、表面平滑化などの研磨効果があることは知られているが、刃の刃縁形状をこのように変えることは知られていない。
本発明の製造方法は、上記イオンスパッタリング以外の方法による研磨工程をさらに含むことができる。他の研磨方法としては、バリ取り、表面平滑化効果のある方法であれば特に制限されないが、バリの除去をブラストなどのメカニカルな研磨だけで行うことはコスト高を招く。一般に実施されている薬液を用いる電解研磨はバリ取り効果は優れるものの、研削された刃を丸くする傾向がある。
本発明では、乾式による研磨方法が好ましく、特に電子線照射が好ましく用いられる。真空中で電子線を照射すればバリを溶融気化することができる。また、従来行われているブラストを行うこともでき、ブラストと電子線照射とを組み合わせることもできる。
本発明では、これらの研磨工程は、いずれもイオンスパッタリング工程の前に行うことが好ましい。電子線照射は、バリとともに刃を溶融して丸めてしまうことがあるため、表面平滑化はしても目的とする刃部分の刺通抵抗(「一次抵抗」として詳細を後述する)を低減する効果が得られなくなる。このため、電子線照射を付加する場合には、イオンスパッタリング工程の前に行うことが望ましい。ブラストと電子線照射とを組み合わせる場合には、ブラストを先に行うことが効率的である。
本発明に係る穿刺針の針先は、特定形状の刃縁を有する先鋭化された刃をもっていることにより、生体組織(皮膚)との接触面が少なく、刺通痛みが低減されている。この針は、研削加工後に残留するバリも取り除かれている。
また、本発明に係る穿刺針の製造方法では、このような形状の刃は、イオンスパッタリングにより得ることができ、同時に研削加工後に残留するバリも取り除くことができる。複数本同時処理も可能であり、大型のプラズマ発生装置を用いて量産も可能である。
イオンスパッタリングは、従来、研削加工後に行われている電解研磨に対し、刃の先鋭化で優れるだけでなく、薬液を用いない乾式である点で環境保護の面からも効果がある。
本発明の穿刺針の形状を説明する針先の刃部分の断面図である。 穿刺針のスタンダードなランセット刃先形状説明図であり、(A)は側面方向からの斜視図、(B)は針管の正面方向からの斜視図である。 本発明におけるイオンビームの照射を説明する図である。 応力をかけた刃Aとフィルムとの接触を説明する模式図であり、(A)は本発明の穿刺針、(B)は従来の穿刺針。 (A)は実施例における研削工程後の刃のSEM像、(B)はその稜線部の拡大像、(C)は(A)における角部の拡大像である。 (A)〜(C)は電子線照射後の図5(A)〜(C)の各像に相当するSEM像である。 本発明の穿刺針の刃側面のSEM像である。 研削工程後の刃側面のSEM像である。 電解研磨後の刃側面のSEM像である。 各穿刺針で測定された一次抵抗値を示し、(1)は本発明の穿刺針、(2)は従来の電解研磨穿刺針についてのグラフである。
以下、穿刺針の製造方法に基づいて本発明を説明する。
本発明では、まず、金属パイプの針管を研削加工し、所望する刃面形状の針先を作製する。本発明において、穿刺針の大きさ、針管の形状などは、特に制限されない。針管の肉厚は、通常、30μm〜0.2mm程度である。また、刃先形状は、ランセット、セミランセット、バックカット、これらの変形型のいずれでもよいが、以下にはランセット刃先について説明する。
ランセット刃先のスタンダードな針先の一例を模式的に図2に示す。(A)は、針先部分の側面方向からの斜視図であり、(B)は正面方向からの斜視図である。穿刺針1の針先11は、針管10の中心軸に対し鋭角に切断された第1の刃面12と、刃面12の先端側の約半面を、中心軸を介して互いに対向する方向から研削することで形成した一対のベベル面13とを有し、第1の刃面12とベベル面13で刃面を形成する。刃長は、特に制限されず、レギュラーベベル(刃面角12°)またはショートベベル(刃面角18°)のいずれでもよい。針先11の先端において2つのベベル面13が交差する稜線としての直線状の刃縁14と、刃縁14の最先端の尖鋭な刃先15を含む刃Aが形成される。
本発明では、上記のような形状に研削加工された針先11をイオンスパッタリングする。イオンスパッタリングは、真空雰囲気中で、ガスイオンを電界により加速してイオンビームを被処理物に照射する方法である。ガスイオンの発生は、グロー放電プラズマ(GDP)に基づくものであり、その原理は公知である。具体的には、真空チャンバー内で、所定のガスを電子による衝突電離でプラズマ化し、同時に被処理物を置く陰極に電圧を印加して針1とプラズマの間に自己バイアス電位を生じさせれば、プラズマ中のイオンが被処理物方向に加速して(イオンビーム)、衝突する。
図3は、イオンビームの照射を模式的に示す図である。イオンスパッタリング装置2の真空チャンバー21内には、陰極22に接続した針ホルダー23に、上記針1が水平に支持される。真空チャンバー21に固定されたイオンガン24は、ガス入口25から導入されるガスをプラズマ化して、そのガスイオンを生成させ、針1の針先11側先端方向からイオンビーム26を照射する。
なお、図3には、1本の穿刺針1をスパッタする説明図を示したが、穿刺針1を複数並列させ、同時にスパッタ研磨することもできる。
本発明では、このガスは、穿刺針1の金属材質を研磨できるガスイオンを発生するものであればよいが、通常、不活性な化学種であり、研磨効果の点からネオンよりも原子量の大きい不活性元素アルゴン、キセノン、クリプトンなどが好ましく、通常、アルゴンが使用される。
イオンビーム26は、好ましくは針管10の長手軸に対し所定角度、好ましくは30〜60°の角度で照射する。ただし、針先11の刃面とイオンビーム26の照射方向が常に一定である必要はなく、針ホルダー23は、針管10の長手軸を水平に保持しても、針1の自由回転を許容するものであってもよい。したがって、真空チャンバー21内に複数の針1を配置した時点では、各針先11の刃面の向きはバラバラであってもよい。このように自由度の高い保持が許容されれば、多数の針であっても素早くセットすることができ、生産効率がよい。
また、スパッタされる針先11に対してイオンビーム26が相対的に揺動あるいは回転運動しながら照射されることが好ましい。具体的には、穿刺針1を揺動あるいは回転させながら(図3中、回転矢印参照)、イオンビーム26を一定方向から照射する方法が好ましい。穿刺針1を揺動させるには、陰極22にセットされた歯車、クランク機構などを利用する。
イオンビームの発生装置は各種様式のものが市販されており、特に制限されないが、商業的に同時に多量の針を処理する場合には、容積型イオン発生装置を用いることができる。
イオンスパッタリング条件は、ガス種、装置の種類によっても異なるが、アルゴンの場合、通常、アルゴン圧力は0.1〜1Pa、イオン化電圧は2〜3kV、バイアス電圧は0.01〜1kV、処理時間は5分〜6時間程度である。容積型イオン発生装置を使用する場合の電流は、0.1〜1A程度である。
上記のように針先11にイオンスパッタリング処理された穿刺針1の刃A部分を図1に示す。刃縁14は、針管10の管肉の凹みによる曲線で形成されている。この針は、研削加工後に残留するバリも取り除かれている。さらに、実施例で示すように、刃縁近傍の外側管肉が針管10の肉厚よりも薄肉であってもよい(図7参照)。本発明における刃Aは、管肉の凹みにより薄肉ではあるが、刃縁14および刃先15の尖端は丸みを帯びている訳ではなく、薄肉化により先鋭化されている。
このような刃縁14の凹みを含む刃の先鋭化により生体との接触面積が少なくなり、刺通痛みが低減される。これを、応力をかけた刃Aとフィルムとの接触を説明する模式図4に示す。図4(A)は、本発明に係る刃Aでフィルム3を穿刺する場合であり、刃先15の方向にかけた応力Fは、曲線の刃縁14ではフィルム3との間に隙間を生じる。すなわち、本発明の特定形状の刃は、生体組織との接触が少ない。一方、(B)は従来のまたは本発明のイオンスパッタリング前の刃Aであり、フィルム3を穿刺すると、直線状の刃縁14の全辺がフィルムと接触する。
また、刺通痛みは、一般的に、特定の材料を穿刺する際の刺通抵抗として評価することができる。上記構造では、刃A通過時(一次抵抗)、ベベル面13通過時(二次抵抗)、第1の刃面12通過時(三次抵抗)の3段階で評価することができる。
刺通抵抗は、所定の一定速度で穿刺針を所定材料のシートに穿刺したときに測定される荷重として測定される。本発明における刃は、従来の直線の刃縁をもつ刃に比べ、刃A部分の刺通抵抗(一次抵抗)が顕著に低減されている。
上記イオンスパッタリング以外の方法による研磨工程をさらに含むことができる。他の研磨方法としては、バリ取り、表面平滑化効果のある方法であれば特に制限されないが、バリの除去をブラストなどのメカニカルな研磨だけで行うことはコスト高を招く。一般に実施されている薬液を用いる電解研磨はバリ取り効果は優れるものの、研削された刃を丸くする傾向がある。換言すれば、従来の電解研磨では、研削加工で発生したバリは取れ二次、三次抵抗値を低減する効果はあるが、研削工程で鋭利にした先端部も丸めてしまい、一次抵抗値の低減には効果がないか却って一次抵抗値を上げることもある。
本発明では、乾式による研磨方法が好ましく、特に電子線照射が好ましく用いられる。真空中で電子線を照射すればバリを溶融気化することができる。電子線を電子ビームとして照射する原理およびその装置も公知である。特に、商業的な実施には、高密度の電子ビームを大面積に一括照射しうる大面積電子線照射装置(または、爆発的電子線発生装置(Explosive Electron Emission)と呼ばれる)を用いることができる。実施条件は、たとえば、電子エネルギー:10〜32keV、ビーム電流密度10〜10A/cm、ビームエネルギー密度1〜10J/cm、パルス間隔2〜5μs、有効照射面積φ60mmである。
なお、上記のような電子線照射とイオンスパッタリングの実行真空度はほぼ同じであることからこれらを同一チャンバーで実施することも可能である。
従来公知のサンドブラスト、皮砥、砥粒メディアなどのブラストを行うこともできる。
また、ブラストと電子線照射とを組み合わせることもできる。
本発明では、これらの研磨工程は、いずれもイオンスパッタリング工程の前に行うことが好ましい。電子線照射は、バリとともに刃を溶融して丸めてしまうことがあるため、表面平滑化はしても目的とする刃部分の刺通抵抗(一次抵抗)を低減する効果が得られなくなる。このため、電子線照射を付加する場合には、イオンスパッタリング工程の前に行うことが望ましい。ブラストと電子線照射とを組み合わせる場合には、ブラストを先に行って大きなバリを予め取り除くことが効率的である。
以下、本発明の実施例を示すが、以下の実施例は本発明をより具体的に説明するための例であって、本発明の範囲を限定するものではない。
(実施例1)
(1)研削工程
SUS304針管(18ゲージ、針管肉厚0.15mm)を研削および引き抜き加工して図2に示すランセット型の針先11を作製した。このとき得られた針先11の先端側のベベル面13を示す走査型電子顕微鏡(SEM)像を図5(A)に示す。図5(B)は、残留する研削バリの拡大像、(C)は、(A)における角部の拡大像であり、引き抜き加工後の表面傷を示す。
(2)電子ビーム照射工程
上記で準備した穿刺針に、大面積電子線照射装置(永田精機(株)製CRS型)を用いて、電子エネルギー:20keV、ビーム電流密度10A/cm、ビームエネルギー密度7J/cm、パルス幅5μs、パルス間隔5秒、有効照射面積φ60mmの操作条件で電子ビームを30秒間照射した。照射後のSEM像を図6に示す。(A)〜(C)は図5の各(A)〜(C)に相当する。図5との対比により、バリがとれて表面平滑化されているのが観察される。
(3)イオンスパッタリング工程
イオンスパッタリング装置(永田精機(株)製IE6000)を用いて、針をアルゴンイオンでスパッタリングした。
針管の長手軸に対し、イオンガンを30°に固定し、アルゴン圧力0.25Pa、イオン化電圧2.5kV、バイアス電圧0.08kVでアルゴンガスのイオンビームを3時間照射した。この間、針を交互に30°揺動運動させた。
イオンスパッタリング後の刃A側面のSEM像を図7に示す。
(比較例1)
上記実施例1の工程(1)後の刃A側面を図7と比較するための図7と同等の大きさのSEM像を図8に示す。
次に、従来の方法にしたがい電解研磨(薬液:リン酸)した。刃A側面のSEM像を図9に示す。電解研磨により、表面平滑化が認められる。
研削工程後および電解研磨後とも、刃縁14の側面形状は直線である。
(刺通抵抗の測定)
荷重の測定には、Surface Property Tester HFIDON-14DR(新東科学(株)製)を用いた。
厚さ0.05mmのポリエチレンシートで、JIS(日本工業規格)のK6253タイプAに準拠したゴム硬度計(デュロメータ)を使用して得られた硬度がA50であるものを用いた。このプラスチックシートに、10mm/minの速度で穿刺針を穿刺した場合の荷重を図10に示す。横軸は、刃先15からの侵入距離であり、縦軸は荷重(刺通抵抗/N)である。
図中、(1)は、上記で得られた本発明の穿刺針の刃の刺通抵抗(一次〜二次抵抗値)であり、(2)は、比較例1の電解研磨後の穿刺針の刃の刺通抵抗(一次〜二次抵抗値)である。
本発明の穿刺針の一次抵抗は、電解研磨後のそれに比べ、著しく低減している。
1・・・穿刺針
2・・・イオンエッチング装置
3・・・フィルム
10・・・針管
11・・・針先
12・・・第1の刃面
13・・・ベベル面
A・・・刃
14・・・刃縁
15・・・刃先
21・・・真空チャンバー
22・・・陰極
23・・・針ホルダー
24・・・イオンガン
25・・・ガス入口
26・・・イオンビーム

Claims (6)

  1. 金属パイプからなる針管の一端に、該針管の長手軸に対し鋭角の切断面をもつ第1の刃面と、該第1の刃面の先端側部分を管軸の両側から針管の中心軸に線対称に研削して形成された一対の研削面と、該第1の刃面と該一対の研削面、または該一対の研削面同士の交差する管肉の稜線で刃縁が形成された針先を有する穿刺針であって、
    前記刃縁が管肉の凹みによる曲線で形成された穿刺針。
  2. 前記刃縁近傍の外側管肉が、前記針管の肉厚よりも薄肉である請求項1に記載の穿刺針。
  3. 金属パイプからなる針管の一端に、該針管の長手軸に対し鋭角の切断面をもつ第1の刃面と、該第1の刃面の先端側部分を管軸の両側から針管の中心軸に線対称に研削して形成された一対の研削面と、該第1の刃面と該一対の研削面、または該一対の研削面同士の交差する管肉の稜線で刃縁が形成された針先を有する穿刺針を準備し、
    真空雰囲気中で、ガスイオンを電界により加速することにより、前記穿刺針の針先側先端方向から、イオンビームを照射して前記刃部分をスパッタ研磨する請求項1または2に記載の穿刺針の製造方法。
  4. 前記ガスイオンが、アルゴンのガスイオンである請求項3に記載の方法。
  5. 前記穿刺針を揺動あるいは回転させながら、前記イオンビームを一定方向から照射する請求項3または4に記載の方法。
  6. 前記穿刺針に電子線を照射する工程をさらに含む請求項3〜5のいずれかに記載の方法。
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