JP2011258428A - 高分子電解質形燃料電池及びそれを備える燃料電池スタック - Google Patents
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Abstract
【課題】燃料電池を締結する際にセパレータの位置がずれても、セパレータの接触面積の低下を抑制し、安定した電池性能を確保することができる高分子電解質形燃料電池を提供することを目的とする。
【解決手段】膜電極接合体5と、板状に形成され、膜電極接合体5の第1電極4Aと接触するように配置された導電性の第1セパレータ6Aと、板状に形成され、膜電極接合体5の第2電極4Bと接触するように配置された導電性の第2セパレータ6Bと、を備え、第1セパレータ6Aの第1電極4Aと接触する一方の主面には、溝状の第1反応ガス流路8が形成され、第2電極4Bの第2セパレータ6Bと接触する一方の主面には、複数の直線状の第2リブ部12が並走するように溝状の第2反応ガス流路9が形成されている、高分子電解質形燃料電池。
【選択図】図2
【解決手段】膜電極接合体5と、板状に形成され、膜電極接合体5の第1電極4Aと接触するように配置された導電性の第1セパレータ6Aと、板状に形成され、膜電極接合体5の第2電極4Bと接触するように配置された導電性の第2セパレータ6Bと、を備え、第1セパレータ6Aの第1電極4Aと接触する一方の主面には、溝状の第1反応ガス流路8が形成され、第2電極4Bの第2セパレータ6Bと接触する一方の主面には、複数の直線状の第2リブ部12が並走するように溝状の第2反応ガス流路9が形成されている、高分子電解質形燃料電池。
【選択図】図2
Description
本発明は、高分子電解質形燃料電池及びそれを備える燃料電池スタックの構成、特に、高分子電解質形燃料電池のセパレータ及びガス拡散電極の構成に関する。
高分子電解質形燃料電池(以下、PEFCという)は、水素を含有した燃料ガスと空気等の酸素を含有した酸化剤ガスとを電気化学反応させることにより、電力と熱とを同時に発生させるものである。PEFCの単電池(セル)は、高分子電解質膜及び一対のガス拡散電極(アノード及びカソード)から構成されるMEA(MemBrAne−Electrode−AssemBly:膜−電極接合体)と、ガスケットと、導電性のセパレータと、を有している。一般的にPEFCは、このセルを複数積層することにより使用されている。
ところで、セパレータの一方の主面には、燃料ガス又は酸化剤ガス(これらを反応ガスという)を供給し、排出するためのマニホールドを形成するマニホールド孔(反応ガス供給用マニホールド孔と反応ガス排出用マニホールド孔)が設けられており、ガス拡散電極と当接する主面には、反応ガスが通流する反応ガス流路がこれらのマニホールド孔と連通するように設けられている。また、セパレータの他方の主面には、PEFC内を所定の温度に制御するために、冷却媒体が通流する冷却媒体流路が設けられている。
このようなセパレータとして、金属板を用いた燃料電池が知られている(例えば、特許文献1参照)。ここで、図14は、特許文献1に開示されている燃料電池の概略構成を模式的に示す断面図である。なお、図14では、燃料電池の一部を省略している。
図14に示すように、特許文献1に開示されている燃料電池300では、2枚の金属板に、それぞれ、凸部303A、303Bと凹部304A、304Bをプレス加工により設けて、2枚の金属セパレータ301A、301Bを形成している。そして、一方の金属セパレータ301Aの凸部303Aと他方の金属セパレータ301Bの凸部303Bとを接触するように、金属セパレータ301Aと金属セパレータ301Bが配置されている。
しかしながら、上記特許文献1に開示されている燃料電池300では、金属セパレータ301A、301Bが、面方向にずれると、金属セパレータ301A、301B間の接触面積が設計値に比べて減少し、燃料電池300の抵抗損失の増加を招く可能性がある。また、金属セパレータ301A、301B間の接触面積が少なくなると、金属セパレータ301A、301Bの接触部分に想定以上の応力がかかり、金属セパレータ301A、301Bが変形を引き起こしてしまう。その結果、プレス成型によって形成されていた反応ガスや冷却媒体の流路が変形し、設計通りの流体流通ができなくなるという課題がある。
本発明は上記のような課題を解決するためになされたもので、燃料電池を締結する際にセパレータの位置がずれても、セパレータの接触面積の低下を抑制し、安定した電池性能を確保することができる、高分子電解質形燃料電池及びそれを備える燃料電池スタックを提供することを目的とする。
上記課題を解決するため、本発明に係る高分子電解質形燃料電池は、高分子電解質膜、並びに、前記高分子電解質膜の一対の主面を挟む第1電極及び第2電極を有する膜電極接合体と、板状に形成され、前記膜電極接合体の前記第1電極と接触するように配置された導電性の第1セパレータと、板状に形成され、前記膜電極接合体の前記第2電極と接触するように配置された導電性の第2セパレータと、を備え、前記第1セパレータの前記第1電極と接触する一方の主面には、溝状の第1反応ガス流路が形成され、前記第2電極の前記第2セパレータと接触する一方の主面には、溝状の第2反応ガス流路が形成されている。
これにより、燃料電池を締結する際にセパレータの位置がずれても、セパレータの接触面積の低下を抑制することができる。
また、本発明に係る高分子電解質形燃料電池では、前記第2セパレータは、その中央部が平坦になるように形成されていてもよい。
また、本発明に係る高分子電解質形燃料電池では、前記第2セパレータの前記第2電極と接触する主面には、前記第2反応ガス流路の上流端と連通するように第2上流サブガス流路及び前記第2反応ガス流路の下流端と連通するように第2下流サブガス流路が設けられていてもよい。
また、本発明に係る高分子電解質形燃料電池では、前記第2セパレータは、該第2セパレータの厚み方向から見て、前記第2電極と接触する主面と反対側の主面における前記第2電極と重なる部分のうち、前記第2上流サブガス流路と前記第2下流サブガス流路以外の部分が、平坦になるように形成されていてもよい。
また、本発明に係る高分子電解質形燃料電池では、前記高分子電解質膜の主面の周縁部に配置された環状の膜補強部材を備え、前記膜補強部材は、前記第2セパレータの前記第2電極と接触する一方の主面(以下、第2セパレータの一方の主面)と接触するように設けられていてもよい。
また、本発明に係る高分子電解質形燃料電池では、前記膜補強部材の前記第2セパレータの一方の主面と接触する部分には、前記第2反応ガス流路の上流端と連通するように第2上流サブガス流路と前記第2反応ガス流路の下流端と連通するように第2下流サブガス流路が設けられていてもよい。
また、本発明に係る高分子電解質形燃料電池では、前記膜補強部材の前記第2セパレータの一方の主面と接触する部分には、前記第2反応ガス流路の上流端と連通するように第2上流サブガス流路及び前記第2反応ガス流路の下流端と連通するように第2下流サブガス流路の少なくとも一方の流路が設けられ、前記第2セパレータの前記第2電極と接触する主面には、前記第2反応ガス流路の上流端と連通するように第2上流サブガス流路及び前記第2反応ガス流路の下流端と連通するように第2下流サブガス流路の少なくとも他方の流路が設けられていてもよい。
また、本発明に係る高分子電解質形燃料電池では、前記第2セパレータは、該第2セパレータの厚み方向から見て、前記第2電極と接触する主面と反対側の主面における前記第2電極と重なる部分が平坦になるように形成されていてもよい。
また、本発明に係る高分子電解質形燃料電池では、前記第1反応ガス流路は、複数の直線状の第1リブ部が並走するように形成されていてもよい。
また、本発明に係る高分子電解質形燃料電池では、前記第1リブ部と前記第2リブ部は、前記第2セパレータの厚み方向から見て、互いに並走するように形成されていてもよい。
さらに、本発明の高分子電解質形燃料電池では、前記第2電極は、ガス拡散層を有し、該ガス拡散層は、高分子樹脂と導電性粒子を有し、通気性を有するように形成されていてもよい。また、前記第2反応ガス流路は、前記第2電極の前記ガス拡散層に形成されていてもよい。
また、本発明に係る燃料電池スタックは、複数の前記高分子電解質形燃料電池が積層して締結されている。
本発明の高分子電解質形燃料電池及びそれを備える燃料電池スタックによれば、燃料電池を締結する際にセパレータの位置がずれても、セパレータの接触面積の低下を抑制し、安定した電池性能を確保することが可能となる。
以下、本発明の好ましい実施の形態を、図面を参照しながら説明する。なお、全ての図面において、同一または相当部分には同一符号を付し、重複する説明は省略する。また、全ての図面において、本発明を説明するために必要となる構成要素のみを抜粋して図示しており、その他の構成要素については図示を省略している。さらに、本発明は以下の実施の形態に限定されない。
(実施の形態1)
本発明の実施の形態1に係る高分子電解質形燃料電池及びそれを備える燃料電池スタックは、第2電極に第2反応ガス流路が形成されている態様を例示するものである。
[燃料電池スタックの構成]
図1は、本発明の実施の形態1に係る燃料電池スタックの概略構成を模式的に示す斜視図である。
本発明の実施の形態1に係る高分子電解質形燃料電池及びそれを備える燃料電池スタックは、第2電極に第2反応ガス流路が形成されている態様を例示するものである。
[燃料電池スタックの構成]
図1は、本発明の実施の形態1に係る燃料電池スタックの概略構成を模式的に示す斜視図である。
図1に示すように、本発明の実施の形態1に係る燃料電池スタック100は、板状の全体形状を有する高分子電解質形燃料電池(以下、単に燃料電池という)50がその厚み方向に積層されてなるセル積層体70と、セル積層体70の両端に配置された端板61、62と、端板61、セル積層体70、及び端板62を燃料電池50の積層方向において締結する図示されない締結具と、を有している。なお、端板61とセル積層体70の間及び端板62とセル積層体70の間には、集電板及び絶縁板がそれぞれ配設されているが図示を省略している。
セル積層体70には、該セル積層体70の燃料電池50の積層方向に貫通するように、燃料ガス供給マニホールド131、燃料ガス排出マニホールド132、酸化剤ガス供給マニホールド133、酸化剤ガス排出マニホールド134、冷却媒体供給マニホールド135、及び冷却媒体排出マニホールド136が設けられている。それぞれのマニホールドには、適宜な配管が設けられていて、燃料電池スタック100に燃料ガス、酸化剤ガス、及び冷却媒体が供給され、排出される。
[高分子電解質形燃料電池の構成]
次に、本発明の実施の形態1に係る高分子電解質形燃料電池の構成について図2を参照しながら説明する。
次に、本発明の実施の形態1に係る高分子電解質形燃料電池の構成について図2を参照しながら説明する。
図2は、図1に示す燃料電池スタック100におけるセル積層体70の概略構成を模式的に示す断面図である。
図2に示すように、本実施の形態1に係る燃料電池50は、MEA(MemBrAne−Electrode−AssemBly:膜電極接合体)5と、ガスケット7A、7B,7Cと、アノードセパレータ(第1セパレータ)6Aと、カソードセパレータ(第2セパレータ)6Bと、を備えている。
MEA5は、水素イオンを選択的に輸送する高分子電解質膜1と、アノード電極(第1電極)4Aと、カソード電極(第2電極)4Bと、を有している。高分子電解質膜1は、略4角形(ここでは、矩形)の形状を有しており、高分子電解質膜1の両面には、その周縁部より内方に位置するようにアノード電極4Aとカソード電極4Bがそれぞれ設けられている。なお、高分子電解質膜1の周縁部には、冷却媒体供給マニホールド孔35等の各マニホールド孔が厚み方向に貫通するように設けられている。
アノード電極4Aは、高分子電解質膜1の一方の主面上に設けられ、略4角形(ここでは、矩形)の形状を有している。また、アノード電極4Aは、アノード触媒層2Aと、アノード触媒層2Aの上に設けられたアノードガス拡散層3Aと、を有している。アノード触媒層2Aは、白金系金属触媒(電極触媒)を担持したカーボン粉末(導電性炭素粒子)からなる触媒担持カーボンと触媒担持カーボンに付着した高分子電解質を含んで構成されている。また、アノードガス拡散層3Aは、ガス通気性と導電性を兼ね備えていて、アノードガス拡散層3Aを構成する材料としては、特に限定されることなく、当該分野で公知のものを使用することができ、例えば、カーボンクロスやカーボンペーパーなどの導電性多孔質基材を用いることができる。また、この導電性多孔質基材には、従来公知の方法で撥水処理を施しても構わない。
カソード電極4Bは、高分子電解質膜1の他方の主面上に設けられ、略4角形(ここでは、矩形)の形状を有している。また、カソード電極4Bは、カソード触媒層2Bと、カソード触媒層2Bの上に設けられ、ガス通気性と導電性を兼ね備えたカソードガス拡散層3Bと、を有していて、カソード電極4B(正確には、カソードガス拡散層3B)のカソードセパレータ6Bと接触する主面には、酸化剤ガスが通流するための溝状の酸化剤ガス流路(第2反応ガス流路)9が形成されている。カソード触媒層2Bは、白金系金属触媒(電極触媒)を担持したカーボン粉末(導電性炭素粒子)からなる触媒担持カーボンと触媒担持カーボンに付着した高分子電解質を含んで構成されている。なお、酸化剤ガス流路9の詳細な構成については、後述する。
また、カソードガス拡散層3Bは、従来の燃料電池におけるガス拡散層で使用されている樹脂を含浸した炭素繊維の基材を用いずに、高分子樹脂と導電性粒子とを有するシートで構成されていて、通気性を有するように形成されている。
導電性粒子の材料としては、例えば、グラファイト、カーボンブラック、活性炭等のカーボン材料が挙げられる。カーボンブラックとしては、アセチレンブラック(AB)、ファーネスブラック、ケッチェンブラック、バルカン等が挙げられ、これらの材料を単独で使用してもよく、また、複数の材料を組み合わせて使用してもよい。また、上記カーボン材料の原料形態としては、粉末状、繊維状、粒状等のいずれの形状でもよい。
また、高分子樹脂としては、PTFE(ポリテトラフルオロエチレン)、FEP(テトラフルオロエチレン・ヘキサフルオロプロピレン共重合体)、PVDF(ポリビニリデンフルオライド)、ETFE(テトラフルオロエチレン・エチレン共重合体)、PCTFE(ポリクロロトリフルオロエチレン)、PFA(テトラフルオロエチレン・パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体)等が挙げられ、耐熱性、撥水性、耐薬品性の観点からPTFEが好ましい。PTFEの原料としては、ディスパージョン及び粉末状の形状があげられるが、ディスパージョンが、作業性の点から好ましい。なお、高分子樹脂は、導電性粒子同士を結着するバインダーとしての機能を有する。また、高分子樹脂は、撥水性を有するため、燃料電池50の内部にて水を系内に閉じ込める機能(保水性)も有する。
また、カソードガス拡散層3Bには、導電性粒子及び高分子樹脂以外に、該カソードガス拡散層3Bの製造時に使用する界面活性剤及び分散溶媒などが微量含まれていてもよい。分散溶媒としては、例えば、水、メタノール及びエタノール等のアルコール類、エチレングリコール等のグリコール類が挙げられる。界面活性剤としては、例えば、ポリオキシエチレンアルキルエーテル等のノニオン系、アルキルアミンオキシド等の両性イオン系が挙げられる。製造時に使用する分散溶媒の量及び界面活性剤の量は、導電性粒子の種類、高分子樹脂の種類、それらの配合比率などに応じて適宜設定すればよい。一般的には、分散溶媒量、界面活性剤量が多いほど、高分子樹脂(フッ素樹脂)と導電性粒子(カーボン)が均一分散しやすいが、流動性が高くなり、シート化が難しくなる傾向がある。なお、カソードガス拡散層3Bには、導電性粒子と高分子樹脂と界面活性剤と分散溶媒以外の材料(例えば、短繊維の炭素繊維など)が含まれていてもよい。
そして、カソードガス拡散層3Bには、バインダーとしての機能を奏させる観点から、高分子樹脂が、5重量%以上含まれていることが好ましく、カソードガス拡散層3Bを均一な厚さにするための圧延プロセス時の条件を簡易にする観点から、50重量%以下で含まれていることが好ましい。また、上記と同様の観点から、10〜30重量%の量で含まれていることがより好ましい。
ここで、カソードガス拡散層3Bの製造方法について説明する。
カソードガス拡散層3Bは、高分子樹脂と導電性粒子とを含む混合物を混練して、押出し、圧延してから、焼成することにより製造する。具体的には、導電性粒子であるカーボンと分散溶媒、界面活性剤を攪拌・混錬機に投入後、混錬して粉砕・造粒して、カーボンを分散溶媒中に分散させる。ついで、高分子樹脂であるフッ素樹脂をさらに攪拌・混錬機に投下して、攪拌及び混錬して、カーボンとフッ素樹脂を分散する。得られた混錬物を圧延してシートを形成し、焼成して分散溶媒、界面活性剤を除去することでカソードガス拡散層3Bを形成するシートが製造される。そして、このようにして製造されたシートの主面に、適宜な方法(例えば、プレス機等を用いた成型や、切削機等を用いた切削)により、酸化剤ガス流路9となる溝を形成して、カソードガス拡散層3Bが得られる。なお、界面活性剤は、導電性粒子の材料(カーボン材料)、分散溶媒の種類により適宜選択でき、また、界面活性剤を使用しなくてもよい。
なお、このようにして製造されたカソードガス拡散層3Bは、従来の燃料電池におけるガス拡散層で使用されている樹脂を含浸した炭素繊維の基材よりも多孔度が低いものの、反応ガス(酸化剤ガス)が、充分に移動できる(充分に通気性を有する)程度の多孔度となるように構成されている。このため、上記製造方法で製造されたカソードガス拡散層3Bであっても、ガス拡散層としての役割を充分に果たす。なお、本実施の形態1においては、アノードガス拡散層3Aを従来の燃料電池のガス拡散層と同様に、導電性多孔質基材を用いる形態としたが、これに限定されず、カソードガス拡散層3Bのように、高分子樹脂と導電性粒子とを有するシートで構成される形態を採用してもよい。
また、MEA5のアノード電極4A及びカソード電極4Bの周囲には、高分子電解質膜1を挟んで一対のフッ素ゴム製でドーナツ状のガスケット7A、7Bが、それぞれ、配設されている。これにより、燃料ガスや酸化剤ガスが電池外にリークされることが防止され、また、燃料電池50内でこれらのガスが互いに混合されることが防止される。なお、ガスケット7A、7Bの周縁部には、厚み方向の貫通孔からなる冷却媒体供給マニホールド孔35等のマニホールド孔が設けられている。また、ガスケット7A、7Bは、燃料ガスや酸化剤ガスが電池外にリークされることが防止され、また、燃料電池100内でこれらのガスが互いに混合されることが防止されれば、その形状は任意である。
また、MEA5とガスケット7A、7Bを挟むように、導電性のアノードセパレータ6Aとカソードセパレータ6Bが配設されている。これにより、MEA5が機械的に固定され、複数の燃料電池50をその厚み方向に積層したときには、MEA5が電気的に接続される。なお、これらのセパレータ6A、6Bは、熱伝導性及び導電性に優れた金属を使用することができ、例えば、チタンやステンレス鋼製の板の表面に金メッキを施したものを使用することができる。
さらに、隣接するアノードセパレータ6Aとカソードセパレータ6Bとの間には、フッ素ゴム製でドーナツ状のガスケット7Cが配設されている。これにより、冷却媒体が燃料電池50外にリークされることが防止される。なお、ガスケット7Cの周縁部には、厚み方向の貫通孔からなる冷却媒体供給マニホールド孔35等のマニホールド孔が設けられている。
アノードセパレータ6Aのアノード電極4Aと接触する一方の主面(以下、内面という)には、燃料ガスが通流するための溝状の燃料ガス流路(第1反応ガス流路)8が設けられており、また、他方の主面(以下、外面という)には、冷却媒体(例えば、水やエチレングリコール等の不凍液)が通流するための溝状の冷却媒体流路10が設けられている。また、カソードセパレータ6Bのカソード電極4Bと接触する一方の主面(以下、内面という)には、酸化剤ガス供給マニホールド孔33から酸化剤ガス流路9に酸化剤ガスを供給するための溝状の上流サブガス流路91と酸化剤ガス流路9を通流した酸化剤ガスを酸化剤ガス排出マニホールド孔34に排出するための溝状の下流サブガス流路92が設けられている(図4参照)。なお、冷却媒体流路10の構成は、任意であり、例えば、サーペンタイン状に形成されていてもよく、ストレート状に形成されていてもよい。また、燃料ガス流路8を通流する燃料ガスの露点及び酸化剤ガス流路9を通流する酸化剤ガスの露点は、冷却媒体流路10を通流する冷却媒体の温度よりも低くてもよく、また、冷却媒体の温度よりも高くてもよい。
これにより、アノード電極4A及びカソード電極4Bには、それぞれ燃料ガス及び酸化剤ガスが供給され、これらの反応ガスが反応して電気と熱が発生する。また、冷却水等の冷却媒体を冷却媒体流路10に通流させることにより、発生した熱の回収が行われる。
なお、このように構成された燃料電池50を単電池(セル)として使用してもよく、燃料電池50を複数積層して燃料電池スタック100として使用してもよい。また、本実施の形態1においては、第1セパレータをアノードセパレータ6Aとし、第2セパレータをカソードセパレータ6Bとし、また、第1反応ガス流路を燃料ガス流路8とし、第2反応ガス流路を酸化剤ガス流路9としたが、これに限定されず、第1セパレータをカソードセパレータ6Bとし、第2セパレータをアノードセパレータ6Aとし、また、第1反応ガス流路を酸化剤ガス流路9とし、第2反応ガス流路を燃料ガス流路8としてもよい。
[反応ガス流路及びセパレータの構成]
次に、カソードガス拡散層3Bに設けられた酸化剤ガス流路9、カソードセパレータ6B、及びアノードセパレータ6Aについて、図2乃至図6を参照しながら詳細に説明する。
次に、カソードガス拡散層3Bに設けられた酸化剤ガス流路9、カソードセパレータ6B、及びアノードセパレータ6Aについて、図2乃至図6を参照しながら詳細に説明する。
図3は、図2に示す燃料電池50のカソードガス拡散層3Bの概略構成を示す模式図である。また、図4は、図2に示す燃料電池50のカソードセパレータ6Bの概略構成を示す模式図である。さらに、図5は、図2に示す燃料電池50のカソードセパレータ6Bにカソードガス拡散層3Bを重ねて、カソードセパレータ6Bの厚み方向から透視した模式図である。なお、図3において、カソードガス拡散層3Bにおける上下方向を図における上下方向として表し、図4及び図5において、カソードセパレータ6Bにおける上下方向を図における上下方向として表している。また、図5においては、酸化剤ガス流路9を仮想線(二点差線)で示している。
まず、カソードガス拡散層3Bに設けられた酸化剤ガス流路9及びカソードセパレータ6Bの構成について、図2乃至図5を参照しながら詳細に説明する。
図3に示すように、カソードガス拡散層3Bの主面には、カソードガス拡散層3Bの厚み方向から見て、複数の酸化剤ガス流路9が、全体として直線状に形成されている。酸化剤ガス流路9は、上流連通部9a、メインガス流路部9b、及び下流連通部9cを有している。上流連通部9aは、その上流端が上流サブガス流路91と連通し(図5参照)、その下流端が、メインガス流路部9bの上流端と連通するように形成されている。メインガス流路部9bは、上下方向に直線状に延びるように形成されていて、その下流端は、下流連通部9cの上流端と連通するように形成されている。下流連通部9cの下流端は、下流サブガス流路92と連通するように形成されている(図5参照)。また、酸化剤ガス流路9のメインガス流路部9bとメインガス流路部9bとの間の部分が、第2リブ部12を形成する。なお、本実施の形態においては、メインガス流路部9bに、上下方向に直線状に延びるように、縞部12aが設けられており、該縞部12aも第2リブ部12を構成する。
そして、酸化剤ガス流路9は、複数の直線状の第2リブ部12が並走するように形成されている。ここで、並走するとは、互いに並んで設けられていることをいい、複数の第2リブ部12のうち、1の第2リブ部12を特定し、該特定した第2リブ部12に沿って、他の第2リブ部12が形成されていることをいう。そして、「酸化剤ガス流路9が、複数の直線状の第2リブ部12が並走するように形成されている」とは、複数の酸化剤ガス流路が、その上流端から下流端に向かって、全体として、それぞれの流路を通流する酸化剤ガスの流れる方向が一致するように、複数の酸化剤ガス流路が設けられていることをいう。従って、複数の酸化剤ガス流路が、その上流端から下流端まで完全に並んで設けられている必要がなく、複数の酸化剤ガス流路が、互いに並んで設けられていない部分を有していてもよい。
また、図4に示すように、カソードセパレータ6Bは、板状で、略4角形(ここでは、矩形)に形成されており、その周縁部には、燃料ガス供給マニホールド孔31等の各マニホールド孔が、厚み方向に貫通するように設けられている。具体的には、カソードセパレータ6Bにおける一方の側部(以下、第1の側部という)の上部には、冷却媒体供給マニホールド孔35が設けられており、その下部には、燃料ガス排出マニホールド孔32が設けられている。また、カソードセパレータ6Bにおける冷却媒体供給マニホールド孔35の上部の内側には、酸化剤ガス供給マニホールド孔33が設けられている。さらに、カソードセパレータ6Bにおける他方の側部(以下、第2の側部)の上部には、燃料ガス供給マニホールド孔31が設けられており、その下部には、冷却媒体排出マニホールド孔36が設けられている。また、カソードセパレータ6Bにおける冷却媒体排出マニホールド孔36の下部の内側には、酸化剤ガス排出マニホールド孔34が設けられている。
そして、図4及び図5に示すように、カソードセパレータ6Bの内面には、酸化剤ガス流路9と連通するように、溝状の上流サブガス流路91と溝状の下流サブガス流路92が設けられている。上流サブガス流路91は、その上流端が、酸化剤ガス供給マニホールド孔33に接続されていて、その下流端は、酸化剤ガス流路9(の上流端側)に連通されている。下流サブガス流路92は、その上流端が、酸化剤ガス流路9(の下流端側)に連通されていて、その下流端は、酸化剤ガス排出マニホールド孔34に接続されている。
また、図2及び図4に示すように、カソードセパレータ6Bは、その中央部が平坦になるように形成されている。ここで、カソードセパレータ6Bの中央部とは、カソードセパレータ6Bの厚み方向から見て、カソードセパレータ6Bの他方の主面(カソードセパレータ6Bのカソード電極4Bと接触する一方の主面と反対側の主面)の中央部分をいう。より詳しくは、カソードセパレータ6Bの中央部とは、カソードセパレータ6Bの厚み方向から見て、カソードセパレータ6Bの他方の主面におけるカソード電極4Bと重なる部分の少なくとも一部をいい、本実施の形態1においては、カソードセパレータ6Bの厚み方向から見て、カソード電極4Bと重なる部分のうち、上流サブガス流路91と下流サブガス流路92以外の部分をいう。また、平坦とは、カソードセパレータ6Bの面方向において、巨視的に見て、凹凸が形成されていない形状をいい、例えば、プレス機や切削機で反応ガス流路や冷却媒体流路となるような凹凸を形成されていない形状をいう。換言すると、カソードセパレータ6Bの中央部が全体として平坦になるように形成されているとは、カソードセパレータ6Bを構成する金属板の中央部が、全体として、平らな状態であればよく、燃料電池50を積層して締結する際に、その締結圧により修正することができる程度の反りや撓みを有していてもよいことをいう。なお、本発明の作用効果を奏する範囲内で、カソードセパレータ6Bの中央部の一部が、平坦でないように形成されていてもよい。
なお、本実施の形態においては、酸化剤ガス流路9のメインガス流路部9bに、1つの縞部12aを設ける構成としたが、これに限定されず、縞部12aを設けない形態を採用してもよく、複数の縞部12aを設ける形態を採用してもよい。
次に、アノードセパレータ6Aの構成について、図2及び図6を参照しながら詳細に説明する。
図6は、図2に示す燃料電池100のアノードセパレータ6Aの概略構成を示す模式図である。なお、図6において、アノードセパレータ6Aにおける上下方向を図における上下方向として表している。
図2に示すように、アノードセパレータ6Aは、その周縁部を除いて、断面形状が、コルゲート状(波状)に形成されていて、アノードセパレータ6Aの内面における凹部が燃料ガス流路8を構成し、その外面における凹部が冷却媒体流路10を構成する。
また、図6に示すように、アノードセパレータ6Aは、板状で、略4角形(ここでは、矩形)に形成されており、その周縁部には、燃料ガス供給マニホールド孔31等の各マニホールド孔が、厚み方向に貫通するように設けられている。なお、各マニホールド孔の配置は、カソードセパレータ6Bと同じなので、その詳細な説明は省略する。
アノードセパレータ6Aの内面には、溝状の燃料ガス流路8が、アノードセパレータ6Aの厚み方向から見て、全体として直線状に形成されている。そして、燃料ガス流路8と酸化剤ガス流路9は、いわゆる並行流となるように構成されている。ここで、並行流とは、燃料ガス流路8と酸化剤ガス流路9は、一部に酸化剤ガスと燃料ガスが互いに対向するように流れる部分を有するが、燃料電池100の厚み方向から見て、巨視的に(全体として)酸化剤ガスと燃料ガスの上流から下流への全体的な流れの方向が互いに一致するように構成されていることをいう。
燃料ガス流路8は、上流サブガス流路81と、下流サブガス流路83と、上流サブガス流路81と下流サブガス流路83を連通するメインガス流路82と、を有している。上流サブガス流路81の上流端は、燃料ガス供給マニホールド孔31に接続され、燃料ガス流路8の上流端を構成する。また、上流サブガス流路81の下流端は、メインガス流路82の上流端と連通している。メインガス流路82は、上下方向に直線状に延びるように形成されていて、その下流端は、下流サブガス流路83の上流端と連通している。また、下流サブガス流路83の下流端は、燃料ガス排出マニホールド孔32に接続され、燃料ガス流路8の下流端を構成する。また、燃料ガス流路8のメインガス流路82とメインガス流路82との間の部分が、第1リブ部11を形成する。なお、本実施の形態においては、メインガス流路82に、上下方向に直線状に延びるように、縞部11aが設けられており、該縞部11aも第1リブ部11を構成する。
そして、燃料ガス流路8は、複数の直線状の第1リブ部11が並走するように形成されている。ここで、並走するとは、互いに並んで設けられていることをいい、複数の第1リブ部11のうち、1の第1リブ部11を特定し、該特定した第1リブ部11に沿って、他の第1リブ部11が形成されていることをいう。そして、「燃料ガス流路8が、複数の直線状の第1リブ部11が並走するように形成されている」とは、燃料ガス流路を構成する複数の連通ガス流路が、その上流端から下流端に向かって、全体として、該連通ガス流路を通流する燃料ガスの流れる方向が一致するように設けられていることをいう。従って、複数の連通ガス流路が、その上流端から下流端まで完全に並んで設けられている必要がなく、複数の連通ガス流路が、互いに並んで設けられていない部分を有していてもよい。なお、本実施の形態1においては、第1リブ部11と第2リブ部12は、カソードセパレータ6Bの厚み方向から見て、並走するように形成されている。
そして、このように構成された燃料電池50を積層して、セル積層体70を構成し、端板61及び端板62でセル積層体70を挟んで締結することで、燃料電池スタック100を製造することができる。このとき、本実施の形態1に係る燃料電池50及びそれを備える燃料電池スタック100では、カソードセパレータ6Bの中央部が全体として平坦になるように形成されているので、アノードセパレータ6Aやカソードガス拡散層3Bとの接触面を確実に確保することができ、安定した電池性能を確保することができる。また、本実施の形態1に係る燃料電池50及びそれを備える燃料電池スタック100では、燃料電池スタック100を締結するときに、カソードガス拡散層3B、アノードセパレータ6A、及びカソードセパレータ6Bの位置ずれすることにより、カソードセパレータ6Bとアノードセパレータ6Aとの接触面積やカソードセパレータ6Bとカソードガス拡散層3Bとの接触面積の減少を抑制することができ、また、局所荷重による構成部材が変形し、それによる反応ガスや冷却媒体の分配性悪化等の供給障害を抑制することができる。
次に、本実施の形態1に係る燃料電池50及びそれを備える燃料電池スタック100の変形例について説明する。
[変形例1]
図7は、本実施の形態1に係る高分子電解質形燃料電池の変形例1における高分子電解質形燃料電池のカソードガス拡散層の概略構成を示す模式図である。また、図8は、本変形例1の高分子電解質形燃料電池のカソードセパレータの概略構成を示す模式図である。さらに、図9は、図8に示すカソードセパレータに、図7に示すカソードガス拡散層を重ねて、カソードセパレータの厚み方向から透視した模式図である。なお、図7において、カソードガス拡散層における上下方向を図における上下方向として表し、図8及び図9において、カソードセパレータにおける上下方向を図における上下方向として表している。また、図9においては、酸化剤ガス流路9を一点差線で示し、上流サブガス流路と下流サブガス流路のうち、カソード電極と重なる部分を仮想線(二点差線)で示している。
図7は、本実施の形態1に係る高分子電解質形燃料電池の変形例1における高分子電解質形燃料電池のカソードガス拡散層の概略構成を示す模式図である。また、図8は、本変形例1の高分子電解質形燃料電池のカソードセパレータの概略構成を示す模式図である。さらに、図9は、図8に示すカソードセパレータに、図7に示すカソードガス拡散層を重ねて、カソードセパレータの厚み方向から透視した模式図である。なお、図7において、カソードガス拡散層における上下方向を図における上下方向として表し、図8及び図9において、カソードセパレータにおける上下方向を図における上下方向として表している。また、図9においては、酸化剤ガス流路9を一点差線で示し、上流サブガス流路と下流サブガス流路のうち、カソード電極と重なる部分を仮想線(二点差線)で示している。
図7乃至図9に示すように、本変形例1の高分子電解質形燃料電池(以下、燃料電池)50では、カソードガス拡散層3Bに形成された酸化剤ガス流路9の形状と、カソードセパレータ6Bに形成された上流サブガス流路91及び下流サブガス流路92の形状と、が、実施の形態1に係る燃料電池50と異なる。
具体的には、図7に示すように、酸化剤ガス流路9は上下方向に直線状に延びるように形成されている。また、複数の酸化剤ガス流路9の間の部分が、第2リブ部12を構成する。
また、図8に示すように、上流サブガス流路91は、クランク状に形成された上流連通部91aとU字状に形成された分流部91bとを有している。上流連通部91aの上流端は、酸化剤ガス供給マニホールド孔33に接続されていて、上流サブガス流路91の上流端を構成する。また、上流連通部91aの下流端は、分流部91bの上流端に接続されている。分流部91bの下流部は、カソードセパレータ6Bの厚み方向から見て、酸化剤ガス流路9の上流部と重なるように形成されている(図9参照)。これにより、上流サブガス流路91を通流した酸化剤ガスが酸化剤ガス流路9に供給される。
下流サブガス流路92は、クランク状に形成された下流連通部92aとU字状に形成された分流部92bとを有している。分流部92bの上流部は、カソードセパレータ6Bの厚み方向から見て、酸化剤ガス流路9の下流部と重なるように形成されている(図9参照)。下流連通部92aの上流端は、分流部92bの下流端に接続されている。また、下流連通部92aの下流端は、酸化剤ガス排出マニホールド孔34に接続されていて、下流サブガス流路92の下流端を構成する。
このように構成された、本変形例1の燃料電池50及びそれを備える燃料電池スタック100であっても、実施の形態1に係る燃料電池50及び燃料電池スタック100と同様の作用効果を奏する。
(実施の形態2)
本発明の実施の形態2に係る高分子電解質形燃料電池及びそれを備える燃料電池スタックは、膜補強部材を備えている態様を例示するものである。
本発明の実施の形態2に係る高分子電解質形燃料電池及びそれを備える燃料電池スタックは、膜補強部材を備えている態様を例示するものである。
[燃料電池スタックの構成]
図10は、本発明の実施の形態2に係る燃料電池スタックにおけるセル積層体の概略構成を模式的に示す断面図である。なお、図10においては、セル積層体を構成する高分子電解質燃料電池の一部を展開している。
図10は、本発明の実施の形態2に係る燃料電池スタックにおけるセル積層体の概略構成を模式的に示す断面図である。なお、図10においては、セル積層体を構成する高分子電解質燃料電池の一部を展開している。
図10に示すように、本発明の実施の形態2に係る燃料電池スタック100(高分子電解質形燃料電池50(以下、燃料電池50))は、実施の形態1に係る燃料電池スタック100(燃料電池50)と基本的構成は同じであるが、高分子電解質膜1の周縁部に配置された膜補強部材13A、13Bを備えている点と、膜補強部材13Bに上流サブガス流路91及び下流サブガス流路92が形成されている点(図11参照)と、が異なる。また、本実施の形態2に係る燃料電池スタック100(燃料電池50)は、カソードセパレータ6B及びガスケット7A、7Bの形状が実施の形態1に係る燃料電池スタック100(燃料電池50)と異なる。なお、ガスケット7A、7Bは、例えば、特開2006−310288号公報に記載されているような連環状(複数のOリングを連結した形状)に形成されたガスケットを使用してもよく、その詳細な説明は省略する。
具体的には、高分子電解質膜1の一方の主面(アノード電極4Aが配置されている主面)には、膜補強部材13Aが配置されている。また、高分子電解質膜1の他方の主面(カソード電極4Bが配置されている主面)には、膜補強部材13Bが配置されている。ここで、図11及び図12を参照しながら、膜補強部材13Bの形状について詳細に説明する。なお、膜補強部材13Aの形状は、上流サブガス流路91及び下流サブガス流路92が形成されていない点以外は、膜補強部材13Bの形状と基本的には同じであるため、その詳細な説明は省略する。
図11は、図10に示す燃料電池50における膜補強部材13Bの概略構成を示す模式図である。また、図12は、図11に示す膜補強部材13Bに図3に示すカソードガス拡散層3Bを重ねた模式図である。なお、図11及び図12においては、膜補強部材13Bにおける上下方向を図における上下方向として表している。
図11及び図12に示すように、膜補強部材13Bは、高分子電解質膜1と相似の矩形に形成されており、その外周面は高分子電解質膜1の外周面と面一になるように形成されている(図10参照)。また、膜補強部材13Bの主面には、開口14が設けられている。開口14は、カソードガス拡散層3Bの主面と同じ大きさに(または、それよりも若干大きく)形成されている(図10参照)。すなわち、膜補強部材13Bは、環状に形成されている。
また、膜補強部材13Bの主面には、燃料ガス供給マニホールド孔31等の各マニホールド孔が設けられている。なお、燃料ガス供給マニホールド孔31等の各マニホールド孔の位置は、カソードセパレータ6Bに設けられた燃料ガス供給マニホールド孔31等の各マニホールド孔と同じであるため、その詳細な説明は省略する。
さらに、膜補強部材13Bのカソードセパレータ6Bと接触する一方の主面には、上流サブガス流路91及び下流サブガス流路92が形成されている。上流サブガス流路91の上流端は、酸化剤ガス供給マニホールド孔33に接続されている。また、上流サブガス流路91の下流端は、開口14に接続されていて、図12に示すように、酸化剤ガス流路9の上流連通部9a(酸化剤ガス流路9の上流端)に連通するように形成されている。一方、下流サブガス流路92の上流端は、開口14に接続されていて、図12に示すように、下流連通部9c(酸化剤ガス流路9の下流端)に連通するように形成されている。また、下流サブガス流路92の下流端は、酸化剤ガス排出マニホールド孔34に接続されている。
次に、図13を参照しながら、カソードセパレータ6Bの形状について説明する。
図13は、図10に示す燃料電池50におけるカソードセパレータ6Bの概略構成を示す模式図である。なお、図13では、カソードセパレータ6Bにおける上下方向を図における上下方向として表している。
図13に示すように、本実施の形態2に係る燃料電池スタック100(燃料電池50)では、カソードセパレータ6Bの中央部である、カソードセパレータ6Bの厚み方向から見て、カソードセパレータ6Bの他方の主面におけるカソード電極4Bと重なる部分が、平坦になるように形成されている。
このように構成された本実施の形態2に係る燃料電池スタック100(燃料電池50)であっても、実施の形態1に係る燃料電池スタック100(燃料電池50)と同様の作用効果を奏する。
なお、本実施の形態2においては、膜補強部材13Bの一方の主面に、上流サブガス流路91及び下流サブガス流路92の両方を形成する形態を採用したが、これに限定されず、例えば、膜補強部材13Bの一方の主面に、上流サブガス流路91を形成し、カソードセパレータ6Bの内面に、下流サブガス流路92を形成する形態を採用してもよい。また、例えば、膜補強部材13Bの一方の主面に、下流サブガス流路92を形成し、カソードセパレータ6Bの内面に、上流サブガス流路91を形成する形態を採用してもよい。すなわち、膜補強部材13Bの一方の主面に、上流サブガス流路91及び下流サブガス流路92の少なくとも一方の流路を形成し、カソードセパレータ6Bの内面に、上流サブガス流路91及び下流サブガス流路92の少なくとも他方の流路を形成する形態を採用してもよい。
そして、カソードセパレータ6Bの内面に、上流サブガス流路91及び下流サブガス流路92の少なくとも他方の流路が形成されている場合には、カソードセパレータ6Bの中央部は、カソードセパレータ6Bの厚み方向から見て、カソードセパレータ6Bの他方の主面におけるカソード電極4Bと重なる部分のうち、上流サブガス流路91及び/又は下流サブガス流路92が形成されている部分以外の部分をいう。
また、カソードセパレータ6Bの内面に形成される上流サブガス流路91及び/又は下流サブガス流路92の形状は、酸化剤ガス流路9に連通するように形成されていれば、どの様な形状であってもよく、例えば、実施の形態1で説明したような形状であってもよく、また、変形例1で説明したような形状であってもよい。
なお、上記実施の形態(変形例を含む)においては、燃料ガス流路8及び酸化剤ガス流路9をいわゆるストレート状に形成したが、これに限定されず、燃料ガス流路8は、複数の直線状の第1リブ部11が互いに並走するように形成されていれば、どの様な形状であってもよく、例えば、サーペンタイン状に形成されていてもよい。同様に、酸化剤ガス流路9は、複数の直線状の第2リブ部12が互いに並走するように形成されていれば、どの様な形状であってもよく、例えば、サーペンタイン状に形成されていてもよい。
本発明の高分子電解質形燃料電池及び燃料電池スタックは、燃料電池を締結する際にセパレータの位置がずれても、セパレータの接触面積の低下を抑制し、安定した電池性能を確保することが可能な高分子電解質形燃料電池及び燃料電池スタックとして、燃料電池の分野で有用である。
1 高分子電解質膜
2A アノード触媒層
2B カソード触媒層
3A アノードガス拡散層
3B カソードガス拡散層
4A アノード電極(第1電極)
4B カソード電極(第2電極)
5 MEA(MemBrAne−Electrode−AssemBly:膜電極接合体)
6A アノードセパレータ(第1セパレータ)
6B カソードセパレータ(第2セパレータ)
7A ガスケット
7B ガスケット
7C ガスケット
8 燃料ガス流路(第1反応ガス流路)
9 酸化剤ガス流路(第2反応ガス流路)
9a 上流連通部
9b メインガス流路部
9c 下流連通部
10 冷却媒体流路
11 第1リブ部
11a 縞部(第1リブ部)
12 第2リブ部
12a 縞部(第2リブ部)
31 燃料ガス供給マニホールド孔
32 燃料ガス排出マニホールド孔
33 酸化剤ガス供給マニホールド孔
34 酸化剤ガス排出マニホールド孔
35 冷却媒体供給マニホールド孔
36 冷却媒体排出マニホールド孔
50 燃料電池
61 端板
62 端板
70 セル積層体
81 上流サブガス流路
82 メインガス流路
83 下流サブガス流路
91 上流サブガス流路
92 下流サブガス流路
100 燃料電池スタック
131 燃料ガス供給マニホールド
132 燃料ガス排出マニホールド
133 酸化剤ガス供給マニホールド
134 酸化剤ガス排出マニホールド
135 冷却媒体供給マニホールド
136 冷却媒体排出マニホールド
300 燃料電池
301A 金属セパレータ
301B 金属セパレータ
303A 凸部
303B 凸部
304A 凹部
2A アノード触媒層
2B カソード触媒層
3A アノードガス拡散層
3B カソードガス拡散層
4A アノード電極(第1電極)
4B カソード電極(第2電極)
5 MEA(MemBrAne−Electrode−AssemBly:膜電極接合体)
6A アノードセパレータ(第1セパレータ)
6B カソードセパレータ(第2セパレータ)
7A ガスケット
7B ガスケット
7C ガスケット
8 燃料ガス流路(第1反応ガス流路)
9 酸化剤ガス流路(第2反応ガス流路)
9a 上流連通部
9b メインガス流路部
9c 下流連通部
10 冷却媒体流路
11 第1リブ部
11a 縞部(第1リブ部)
12 第2リブ部
12a 縞部(第2リブ部)
31 燃料ガス供給マニホールド孔
32 燃料ガス排出マニホールド孔
33 酸化剤ガス供給マニホールド孔
34 酸化剤ガス排出マニホールド孔
35 冷却媒体供給マニホールド孔
36 冷却媒体排出マニホールド孔
50 燃料電池
61 端板
62 端板
70 セル積層体
81 上流サブガス流路
82 メインガス流路
83 下流サブガス流路
91 上流サブガス流路
92 下流サブガス流路
100 燃料電池スタック
131 燃料ガス供給マニホールド
132 燃料ガス排出マニホールド
133 酸化剤ガス供給マニホールド
134 酸化剤ガス排出マニホールド
135 冷却媒体供給マニホールド
136 冷却媒体排出マニホールド
300 燃料電池
301A 金属セパレータ
301B 金属セパレータ
303A 凸部
303B 凸部
304A 凹部
Claims (12)
- 高分子電解質膜、並びに、前記高分子電解質膜の一対の主面を挟む第1電極及び第2電極を有する膜電極接合体と、
板状に形成され、前記膜電極接合体の前記第1電極と接触するように配置された導電性の第1セパレータと、
板状に形成され、前記膜電極接合体の前記第2電極と接触するように配置された導電性の第2セパレータと、を備え、
前記第1セパレータの前記第1電極と接触する一方の主面には、溝状の第1反応ガス流路が形成され、
前記第2電極の前記第2セパレータと接触する一方の主面には、溝状の第2反応ガス流路が形成されている、高分子電解質形燃料電池。 - 前記第2セパレータは、その中央部が平坦になるように形成されている、請求項1に記載の高分子電解質形燃料電池。
- 前記第2セパレータの前記第2電極と接触する主面には、前記第2反応ガス流路の上流端と連通するように第2上流サブガス流路及び前記第2反応ガス流路の下流端と連通するように第2下流サブガス流路が設けられている、請求項1又は2に記載の高分子電解質形燃料電池。
- 前記第2セパレータは、該第2セパレータの厚み方向から見て、前記第2電極と接触する主面と反対側の主面における前記第2電極と重なる部分のうち、前記第2上流サブガス流路と前記第2下流サブガス流路以外の部分が、平坦になるように形成されている、請求項3に記載の高分子電解質形燃料電池。
- 前記高分子電解質膜の主面の周縁部に配置された環状の膜補強部材を備え、
前記膜補強部材は、前記第2セパレータの前記第2電極と接触する一方の主面(以下、第2セパレータの一方の主面)と接触するように設けられている、請求項1又は2に記載の高分子電解質形燃料電池。 - 前記膜補強部材の前記第2セパレータの一方の主面と接触する部分には、前記第2反応ガス流路の上流端と連通するように第2上流サブガス流路と前記第2反応ガス流路の下流端と連通するように第2下流サブガス流路が設けられている、請求項5に記載の高分子電解質形燃料電池。
- 前記膜補強部材の前記第2セパレータの一方の主面と接触する部分には、前記第2反応ガス流路の上流端と連通するように第2上流サブガス流路及び前記第2反応ガス流路の下流端と連通するように第2下流サブガス流路の少なくとも一方の流路が設けられ、
前記第2セパレータの前記第2電極と接触する主面には、前記第2反応ガス流路の上流端と連通するように第2上流サブガス流路及び前記第2反応ガス流路の下流端と連通するように第2下流サブガス流路の少なくとも他方の流路が設けられている、請求項5に記載の高分子電解質形燃料電池。 - 前記第2セパレータは、該第2セパレータの厚み方向から見て、前記第2電極と接触する主面と反対側の主面における前記第2電極と重なる部分が平坦になるように形成されている、請求項6に記載の高分子電解質形燃料電池。
- 前記第1反応ガス流路は、複数の直線状の第1リブ部が並走するように形成されている、請求項1に記載の高分子電解質形燃料電池。
- 前記第1リブ部と前記第2リブ部は、前記第2セパレータの厚み方向から見て、互いに並走するように形成されている、請求項9に記載の高分子電解質形燃料電池。
- 前記第2電極は、ガス拡散層を有し、
該ガス拡散層は、高分子樹脂と導電性粒子を有し、通気性を有するように形成されている、請求項1に記載の高分子電解質形燃料電池。 - 複数の請求項1に記載の高分子電解質形燃料電池が積層して締結されている、燃料電池スタック。
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2010132266A JP2011258428A (ja) | 2010-06-09 | 2010-06-09 | 高分子電解質形燃料電池及びそれを備える燃料電池スタック |
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JP2010132266A JP2011258428A (ja) | 2010-06-09 | 2010-06-09 | 高分子電解質形燃料電池及びそれを備える燃料電池スタック |
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JP (1) | JP2011258428A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN103762373A (zh) * | 2014-02-17 | 2014-04-30 | 天津大学 | 一种质子交换膜燃料电池的阴极结构 |
WO2019198457A1 (ja) * | 2018-04-10 | 2019-10-17 | パナソニックIpマネジメント株式会社 | 燃料電池セルおよび燃料電池スタック |
-
2010
- 2010-06-09 JP JP2010132266A patent/JP2011258428A/ja active Pending
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CN103762373A (zh) * | 2014-02-17 | 2014-04-30 | 天津大学 | 一种质子交换膜燃料电池的阴极结构 |
WO2019198457A1 (ja) * | 2018-04-10 | 2019-10-17 | パナソニックIpマネジメント株式会社 | 燃料電池セルおよび燃料電池スタック |
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