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JP2011229334A - ステータの製造方法 - Google Patents

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JP2011229334A
JP2011229334A JP2010098873A JP2010098873A JP2011229334A JP 2011229334 A JP2011229334 A JP 2011229334A JP 2010098873 A JP2010098873 A JP 2010098873A JP 2010098873 A JP2010098873 A JP 2010098873A JP 2011229334 A JP2011229334 A JP 2011229334A
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coil
stator core
slot
guide
core piece
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JP2010098873A
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English (en)
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Masayuki Inada
正幸 稲田
Hideo Wachi
秀雄 和地
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Honda Motor Co Ltd
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Honda Motor Co Ltd
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Abstract

【課題】コイルの形状を変形させることなく、分割されたステータコア片を円環状に連結することができるステータの製造方法を提供する。
【解決手段】帯状に連結されたステータコア片の一方端部に形成された第1スロット部に第1コイルの一対のスロット挿入部の一方を挿入する工程と、第2スロット部に第2コイルの一対のスロット挿入部の一方を挿入する工程と、円弧状の第1曲面151を有する第1ガイド152により帯状のステータコア片の一方端部を円環状に変形する工程と、第1コイルおよび第2コイルが挿入されたステータコア片を他方端部側のステータコア片よりも内径側に誘導し、第1コイルの一対のスロット挿入部の他方および第2コイルの一対のスロット挿入部の他方を、帯状に連結された複数のステータコア片の他方側のスロット部に挿入し、ステータコア片を円環状に連結してステータを形成するステータコア連結工程と、を備えている。
【選択図】図32

Description

本発明は、ステータの製造方法に関するものである。
インナーロータ型のモータは、円環状のステータの内側に形成された空間にロータ(回転子)が配置され、ロータがステータに対して軸中心に回転可能に構成されたものである。また、ステータコアにおける隣り合うティース部間に形成されるスロット部にはコイルが巻回されるが、コイルの巻回方法としては分布巻や集中巻などが知られている。一般的に、コイルを分布巻で巻回する方が高トルク密度性能を維持し易いため、高トルクが必要なモータにおいては分布巻を採用することが多い。
しかしながら、分布巻は集中巻と異なり、所定距離離れたスロット部間を架け渡すようにコイルが巻回されるため、巻回方法が複雑化し、コイルの巻回作業に時間が掛かり、生産効率が低下していた。また、分布巻は、ステータコアの軸方向端面においてコイル同士が干渉するために渡り部(コイルエンド)が大きくなり、モータを小型化することが困難であった。
そこで、特許文献1では、巻線加工治具により導線を円環状に巻き回してコイルを形成する工程と、コイルを巻線加工治具から取り外し、帯状に配置された複数のステータコア片において隣接するステータコア片の間に形成されるスロット部に挿入する工程と、帯状のステータコア片を円筒状に変形してステータを形成する工程と、を備えたステータの製造方法が提案されている。
特開2009−148029号公報
ところで、特許文献1のステータの製造方法において使用しているステータ製造装置は、ステータの内径と略同一の直径を有する回転ドラムを用いて帯状に連結されたステータコア片を円環化していくため、最後に帯状のステータコア片を円環状に連結するためにスロットにコイルを挿入する際に、コイルを引っ張ってスロットに挿入する必要がある。つまり、コイルをスロットに挿入する際に、コイルの形状を変形させなければならない。コイルの形状が変形することにより、隣り合うコイルと干渉したり、コイルの断面形状が変形することにより、モータの性能が低下したりする虞がある。
そこで、本発明は、上記事情を鑑みてなされたものであり、コイルの形状を変形させることなく、分割されたステータコア片を円環状に連結することができるステータの製造方法を提供するものである。
上記の課題を解決するために、請求項1に記載した発明は、ティース部(例えば、実施形態におけるティース42)およびヨーク部(例えば、実施形態におけるヨーク46)が形成されたステータコア片(例えば、実施形態におけるコア片45)が複数連結されて円環状に形成されたステータコア(例えば、実施形態におけるステータコア41)と、隣接する前記ステータコア片の前記ティース部間に形成されるスロット部(例えば、実施形態におけるスロット43)を架け渡すように挿入されるコイル(例えば、実施形態におけるコイル20)と、を備えたステータ(例えば、実施形態におけるステータ21)の製造方法であって、前記コイルは、前記ステータコア片が連結されて円環状になった際に、軸中心を指向する前記ティース部の傾斜に沿う角度と略同一の傾斜角度を有し、前記スロット部に挿入される一対のスロット挿入部(例えば、実施形態におけるスロット挿入部53,54)と、前記ステータコアの軸方向端面(例えば、実施形態における端面41a)において前記一対のスロット挿入部の端部同士の間を連結する一対のコイル渡り部(例えば、実施形態におけるコイル渡り部55,56)と、を備えたリング状に形成され、前記ステータコア片を帯状に複数連結するステータコア片連結工程と、帯状に連結された複数の前記ステータコア片の一方端部側に形成された第1スロット部(例えば、実施形態におけるスロット番号2のスロット43)に、第1コイル(例えば、実施形態におけるリングV1のコイル20)の前記一対のスロット挿入部の一方を挿入する第1コイル挿入工程と、前記ステータコア片の一方端部側に形成された第2スロット部(例えば、実施形態におけるスロット番号4のスロット43)に、第2コイル(例えば、実施形態におけるリングW1のコイル20)の前記一対のスロット挿入部の一方を挿入する第2コイル挿入工程と、円弧状の第1曲面(例えば、実施形態における第1曲面151)を有する第1ガイド(例えば、実施形態における第1ガイド152)により前記コイルが挿入された帯状の前記ステータコア片の一方端部を円環状に変形する円環化促進工程と、該円環化促進工程の後に、前記第1コイルおよび前記第2コイルが挿入されたステータコア片を他方端部側のステータコア片よりも内径側に誘導し、前記第1コイルの前記一対のスロット挿入部の他方および前記第2コイルの前記一対のスロット挿入部の他方を、帯状に連結された複数のステータコア片の他方側に形成された前記スロット部に挿入し、前記ステータコア片を円環状に連結して前記ステータを形成するステータコア連結工程と、を備えていることを特徴としている。
請求項2に記載した発明は、前記第1ガイドの前記第1曲面に対向する位置に、前記帯状のステータコア片を円環状に誘導する円弧状の第2曲面(例えば、実施形態における第2曲面154)を有する第2ガイド(例えば、実施形態における第2ガイド155)をさらに備え、前記円環化促進工程において、前記帯状のステータコア片の他方端部を、前記第2ガイドを用いて円環状に変形することを特徴としている。
請求項3に記載した発明は、前記第1ガイドの前記第1曲面の内径側に、ガイドローラ(例えば、実施形態における第1ガイドローラ153)をさらに備え、前記円環化促進工程において、前記ガイドローラにより前記ステータコア片を支持し、該ステータコア片の外周面(例えば、実施形態における外周面45a)が前記第1曲面に当接しながら移動して、前記ステータコア片を円環状に変形することを特徴としている。
請求項4に記載した発明は、前記ステータコア連結工程において、前記第2ガイドの前記第2曲面上で前記第1コイルの前記一対のスロット挿入部の他方および前記第2コイルの前記一対のスロット挿入部の他方を、帯状に連結された複数のステータコア片の他方側に形成された前記スロット部に挿入し、前記ステータコア片を円環状に連結することを特徴としている。
請求項5に記載した発明は、前記第1ガイドの端部と前記第2ガイドの端部とが当接する当接部(例えば、実施形態における当接部181)において、前記第2ガイド側の径方向厚さ(例えば、実施形態における厚さd2)が前記第1ガイド側の径方向厚さ(例えば、実施形態における厚さd1)よりも厚くなっており、前記第1ガイドの端部と前記第2ガイドの端部との間に形成された段差部(例えば、実施形態における段差部182)の径方向高さが前記ヨーク部の径方向厚さ(例えば、実施形態における厚さd3)よりも大きく形成されており、前記当接部において、前記ステータコア片の一方端部を前記第2ガイドの前記当接部近傍に配するとともに、前記ステータコア片の他方端部を前記第1ガイドの前記当接部近傍に配し、前記第1コイルの前記一対のスロット挿入部の他方および前記第2コイルの前記一対のスロット挿入部の他方を、帯状に連結された複数のステータコア片の他方側に形成された前記スロット部に挿入し、前記ステータコア片を円環状に連結することを特徴としている。
請求項1に記載した発明によれば、帯状のステータコア片のスロット部にコイルを所定の位置に挿入した後に、該帯状のステータコア片を円環状に変形して帯状の一端と他端とを連結することによりステータを形成することができる。このとき、リング状のコイルは所定間隔あけた2つのスロット部に架け渡すように挿入されるため、一方のスロット部のみに挿入されて他方のスロット部に挿入されていない第1コイルおよび第2コイルがステータコア片の一端側にあり、この第1コイルおよび第2コイルをステータコア片の他端側の所定のスロット部に挿入することで、ステータを形成することができる。ここで、第1コイルおよび第2コイルが挿入されたステータコア片を他方端部側のステータコア片よりも内径側に誘導し、第1コイルの一対のスロット挿入部の他方および第2コイルの一対のスロット挿入部の他方を、帯状に連結された複数のステータコア片の他方側に形成された所定のスロット部に挿入し、ステータコア片を円環状に連結してステータを形成するように構成したため、コイルの形状を変形させることなくスロット部に挿入することができ、分割されたステータコア片をスムーズに円環状に連結することができる。
請求項2に記載した発明によれば、帯状のステータコア片の一方端部を第1ガイドで円環状に変形させるとともに、帯状のステータコア片の他方端部も第2ガイドを用いて円環状に変形させることにより、より簡便にステータコア片の円環化を促進することができる。
請求項3に記載した発明によれば、ガイドローラを設けたため、帯状のステータコア片を円環状に変形させる際に、ステータコア片が自重により垂れ下がるのを防止することができる。したがって、ステータコア片の円環化をスムーズに誘導することができる。
請求項4に記載した発明によれば、第1ガイドに誘導されたステータコア片の一方端部を、第2ガイドに誘導されたステータコア片の他方端部の内径側に容易に位置させることができるため、第1コイルの一対のスロット挿入部の他方および第2コイルの一対のスロット挿入部の他方を、帯状に連結された複数のステータコア片の他方側に形成された所定のスロット部に容易に挿入することができる。したがって、ステータの生産効率を向上することができる。
請求項5に記載した発明によれば、第1ガイドの端部と第2ガイドの端部との間に段差部を形成したため、第1ガイドおよび第2ガイドに誘導されたステータコア片の一方端部を、第1ガイドの当接部近傍に誘導されたステータコア片の他方端部の内径側に確実に位置させることができ、第1コイルの一対のスロット挿入部の他方および第2コイルの一対のスロット挿入部の他方を、帯状に連結された複数のステータコア片の他方側に形成された所定のスロット部に容易に挿入することができる。したがって、ステータの生産効率を向上することができる。
本発明の実施形態におけるモータユニットの概略構成図である。 本発明の実施形態におけるステータの平面図である。 本発明の実施形態におけるステータの斜視図である。 本発明の実施形態におけるステータコアの平面図である。 本発明の実施形態におけるコア片の平面図である。 本発明の実施形態におけるコイルの斜視図である。 図6のA−A線に沿う断面図である。 本発明の実施形態におけるステータの側面図である。 図8のB部拡大図である。 本発明の実施形態における巻枠の斜視図である。 本発明の実施形態における巻枠の側面図である。 図11のC−C線に沿う断面図である。 本発明の実施形態における巻枠に導線を巻回する状態を示す平面図である。 本発明の実施形態における導線の巻回途中の状態を示す部分平面図である。 本発明の実施形態における導線の巻回状態を示す部分断面図である。 本発明の実施形態における導線押え治具を用いて導線を巻回する状態を示す側面図である。 本発明の実施形態における導線押え治具を用いて導線を巻回する状態を示す部分側面図である。 本発明の実施形態における導線巻回体における導線の配置状態を説明する部分断面図である。 本発明の実施形態における導線巻回体の正面図である。 本発明の実施形態におけるコイル成型装置の斜視図である。 本発明の実施形態におけるコイル成型装置の本体部の斜視図である。 本発明の実施形態におけるコイル成型装置の部分斜視図である。 本発明の実施形態におけるコイル渡り部挟持部とレール部との関係を示す側面図である。 本発明の実施形態における導線巻回体が導線巻回体セット部にセットされた状態を示す断面図である。 本発明の実施形態における導線巻回体とコイル渡り部拘束部との関係を示す説明図であり、コイル渡り部形成前の状態を示す図である。 本発明の実施形態における導線巻回体とコイル渡り部拘束部との関係を示す説明図であり、コイル渡り部形成後の状態を示す図である。 本発明の実施形態における本体部の斜視図であり、張出部形成部のスライド前の状態を示す図である。 本発明の実施形態における本体部の斜視図であり、張出部形成部のスライド後の状態を示す図である。 本発明の実施形態における本体部に導線巻回体をセットした状態を示す平面図である。 本発明の実施形態におけるコイル成型装置を用いてコイルを成型する状態を説明する斜視図である。 本発明の実施形態における本体部の別の態様を示す斜視図である。 本発明の実施形態における円環化装置の斜視図である。 本発明の実施形態における円環化装置に帯状に連結されたコア片をセットした状態を示す斜視図である。 本発明の実施形態におけるスロットへのコイルの挿入方法を示す説明図である。 本発明の実施形態における円環化装置でコア片を円環化する際のコイルの挿入途中の状態を示す斜視図である。 本発明の実施形態におけるコイル挿入治具を用いてコイルをスロットに挿入する状態を示す部分斜視図である。 本発明の実施形態におけるコイル挿入治具を用いてコイルをスロットに挿入する際のコイル挿入治具とコイルを示す斜視図である。 本発明の実施形態におけるコイル挿入治具を用いてコイルをスロットに挿入する際に用いるガイド部材の斜視図である。 本発明の実施形態におけるコイル挿入治具を用いてコイルをスロットに挿入する状態を示す概略説明図である。 本発明の実施形態における円環化装置を用いてコア片を円環化する際の最後のコイルをスロットに挿入する状態を示す正面図である。 本発明の実施形態における円環化装置を用いてコア片を円環化する際の最後のコイルをスロットに挿入する状態の別の態様を示す正面図である。 本発明の実施形態における第1ガイドの別の態様を示す斜視図である。 図42に示す第1ガイドを用いたときの帯状のコア片の状態を示す部分斜視図である。 本発明の実施形態における第1ガイドローラの別の態様を示す斜視図である。 本発明の実施形態における円環化装置に押出機構を設けた場合の斜視図である。 本発明の実施形態における押出機構の正面図である。 本発明の実施形態における円環化装置にガイドレールを設けた状態を示す概略側面図である。 本発明の実施形態における円環化装置にガイドレールを設けた状態を示す概略斜視図である。 本発明の実施形態におけるコア片の別の態様を示す部分平面図(1)である。 本発明の実施形態におけるコア片の別の態様を示す部分平面図(2)である。 本発明の実施形態におけるコア片の別の態様を示す部分平面図(3)である。
次に、本発明の実施形態を図1〜図51に基づいて説明する。なお、本実施形態では車両用モータユニットに採用したモータについて説明する。なお、本実施形態において、軸方向は出力軸の回転軸中心方向を示し、径方向はステータ21およびロータ22の径方向を示し、周方向はステータ21およびロータ22の周方向を示す。
図1は車両用モータユニットの概略構成断面図である。図1に示すように、車両用モータユニット(以下、モータユニットという。)10は、コイル20が巻回された円環状のステータ21および永久磁石25が配されたロータ22を備えたモータ23を有している。また、モータユニット10は、モータ23を収容するモータハウジング11と、モータハウジング11の一方側に締結され、モータ23の出力軸24からの動力を伝達する動力伝達部(不図示)を収容するミッションハウジング12と、モータハウジング11の他方側に締結され、モータ23の回転センサ25を収容するセンサハウジング13と、を備えている。なお、モータハウジング11の内部はモータ室36として、ミッションハウジング12の内部はミッション室37として、センサハウジング13の内部はセンサ室38として、それぞれ構成されている。
モータハウジング11は、モータ23全体を覆うような略円筒形状で形成されている。モータハウジング11とミッションハウジング12との境界部のミッションハウジング12側には、モータ23の出力軸24の一端を回転自在に支持するベアリング26が設けられ、モータハウジング11とセンサハウジング13との境界部のセンサハウジング13側には、モータ23の出力軸24の他端を回転自在に支持するベアリング27が設けられている。
また、モータハウジング11の壁部31、ミッションハウジング12の壁部32およびセンサハウジング13の壁部33には、互いに連通するブリーザ通路35がそれぞれ形成されている。
さらに、モータハウジング11の壁部31内には、モータ23を冷却するためのウォータジャケット40がモータ23のステータ21を全周覆うように設けられている。また、ステータ21は、モータハウジング11に圧入されており、モータハウジング11の内周面に密着するように配されている。
図2はステータ21の平面図であり、図3はステータ21の斜視図である。図2、図3に示すように、ステータ21は、円環状に構成されたステータコア41と、ステータコア41の隣り合うティース42,42間に形成されたスロット43に配されたコイル20と、で構成されている。ステータ21の円環状の中心に形成された空間には、ロータ22が軸中心に回転可能に配置されている。
図4はステータコア41の平面図である。図4に示すように、ステータコア41は、複数のコア片45が円環状に連結されて構成されている。ステータコア41は、円環状の外周を構成するヨーク46と、ヨーク46から円環状の中心に指向して突出されたティース42と、を備えている。また、隣り合うティース42,42の間には、スロット43が形成されている。そして、スロット43にコイル20を配置することで、上記のようにステータ21が構成される。
図5コア片45の平面図である。図5に示すように、コア片45は、ヨーク46およびティース42が形成された平板鋼板47を積層して構成されている。このコア片45を構成する平板鋼板47は、プレス成型により容易に製造することができる。一つのコア片45には、一つのティース42が形成されている。つまり、ティース42毎にコア片45は分割されている。
ヨーク46の周方向両側面(外周部と内周部との間の両側部)における一方の側面48に凹部49が形成され、他方の側面50に凹部49と嵌合する凸部51が形成されている。凹部49と凸部51は、隣接するコア片45が帯状のときは離反しており、コア片45が帯状から円環状に変形したときに嵌合するように構成されている。
次に、コイル20の形状について詳細に説明する。
図6はコイル20の斜視図であり、図7は図6のA−A線に沿う断面図であり、図8はステータ21の側面図である。
図6〜図8に示すように、コイル20は、導線52が複数回巻き回されてリング状に形成されている。図6では導線52の両端の図示が省略されているが、導線52の両端は一方が中性点バスリング(不図示)に接続され、他方が3相配電バスリング(不図示)に接続されるように構成されている。
コイル20は、コア片45が連結されて円環状になった際に、軸中心を指向するティース42の傾斜に沿う角度と略同一の傾斜角度を有する一対のスロット挿入部53,54と、ステータコア41の軸方向端面41aにおいて一対のスロット挿入部53,54の端部同士の間を連結する一対のコイル渡り部55,56と、を備えている。一対のスロット挿入部53,54は、4つのスロット43を空けたスロット43内に配されている。つまり、コイル渡り部55,56の周方向の長さは4つのスロット43を空けて一対のスロット挿入部53,54が配される周方向長さを有している。
また、コイル渡り部55,56は、スロット挿入部53,54がスロット43から突出した後、ヨーク46の軸方向端面に沿うように径方向外側に湾曲形成されるとともに、一方端部から他方端部へ向かって軸方向高さが傾斜するスロープ部57,58がそれぞれ形成されている。つまり、コイル渡り部55,56は、軸方向から見て略C字状に形成されている。また、コイル渡り部55,56は、隣接する異相のコイル20(コイル渡り部55,56)との干渉を回避するようにスロープ部57,58が形成されている。例えば、本実施形態では、一方のスロット挿入部53側のコイル渡り部55,56の軸方向高さが一番高く、他方のスロット挿入部54側のコイル渡り部55,56の軸方向高さが一番低くなるようにスロープ部57,58がそれぞれ形成されている。
なお、スロープ部57,58の傾斜角度A°は略同一の角度で形成されており、図9に示すように、コイル20のスロット挿入部53,54間の基準ピッチをpとし、コイル渡り部55,56の最大高さをHとし、コイル渡り部55,56の最小高さをhとすると、
Figure 2011229334
となる。つまり、ステータコア41の大きさやコイル20の導線52の巻数などにより基準ピッチp、最大高さHおよび最小高さhを設定することにより、スロープ部57,58の傾斜角度Aを算出することができる。
ここで、複数のコア片45を円環状に連結してステータコア41を構成したときに形成されるスロット43は全て軸中心を指向するように形成されている。一対のスロット挿入部53,54は、ステータコア41を構成したときにスロット43が軸中心を指向する方向と略一致するように一方のスロット挿入部53に対して他方のスロット挿入部54が傾斜するように形成されている。つまり、スロット挿入部53,54は、スロット43と略同一の方向(軸中心)を指向するように予め形成されている。
また、図2、図3にも示すように、隣り合うコイル20同士は、コイル渡り部55,56において交差しなければならず、かつ、スロット挿入部53,54とコイル渡り部55,56は略同一の断面形状のまま各所で折曲させる必要があるため、一方のスロット挿入部53とコイル渡り部55,56との境界部において、張出部59,60が形成されている。張出部59,60は、スロット挿入部53の端部からスロット挿入部54から遠ざかる方向に折曲し、交差するコイル20との干渉を回避可能な大きさの円弧を描くように湾曲してコイル渡り部55,56に繋がるように形成されている。
さらに、スロット挿入部53,54とコイル渡り部55,56は略同一の断面形状のまま各所で折曲させる必要があるため、他方のスロット挿入部54とコイル渡り部55,56との境界部において、張出部61,62が形成されている。張出部61,62は、スロット挿入部54の端部からスロット挿入部53から遠ざかる方向に折曲し、高屈曲を避ける大きさの円弧を描くように湾曲してコイル渡り部55,56に繋がるように形成されている。つまり、スロット挿入部54側のコイル渡り部55,56の軸方向高さは一番低く、スロット挿入部54とコイル渡り部55,56との距離が近接しているため、導線52を高屈曲させるのを避けるために張出部61,62が形成されている。
次に、上述したコイル20を製造する方法について説明する。
本実施形態では、まず導線52を巻枠70に巻き回すことにより、導線巻回体71(図19参照)を作製し、該導線巻回体71をコイル成型装置101により成型することでコイル20を製造する。
図10が巻枠70の斜視図であり、図11が巻枠70の側面図であり、図12が巻枠70のカバー部材72を取り外した状態の正面図である。
図10〜図12に示すように、巻枠70は、導線52が巻き回される導線巻回部73と、該導線巻回部73の両側に配される着脱可能なカバー部材72および支持部材74と、を備えている。
導線巻回部73は、導線52の被覆を傷つけないために例えば樹脂で形成された部材である。導線巻回部73の両端面はそれぞれカバー部材72および支持部材74に当接している。つまり、導線巻回部73は、カバー部材72および支持部材74に挟持されている。また、導線巻回部73の厚さは、コイル20の厚さ(径方向の長さ)と略同一の大きさで構成されている。さらに、導線巻回部73の周面は、導線52が巻回される導線巻回面75として構成されている。導線巻回面75は断面略長方形状になっており、短辺側が一対のコイル渡り部形成面76,77として構成され、長辺側が一対のスロット挿入部形成面78,79として構成されている。また、導線巻回面75の四隅はそれぞれ曲面部82,83,84,85が形成されており、導線52の被覆が損傷しないように構成されている。
コイル渡り部形成面76,77は、カバー部材72が配される側から支持部材74が配される側に向かって、対向するコイル渡り部形成面76,77同士の距離が遠ざかる方向にそれぞれ傾斜している。また、コイル渡り部形成面76,77は、コイル20のコイル渡り部55,56に形成されるスロープ部57,58の傾斜角度A°と略同一の角度を有する傾斜面が形成されている。
スロット挿入部形成面78,79は、カバー部材72が配される側から支持部材74が配される側に向かって、対向するスロット挿入部形成面78,79同士の距離が遠ざかる方向にそれぞれ傾斜している。このスロット挿入部形成面78,79の傾斜角度は、コイル20のスロット挿入部53,54に形成される傾斜角度、つまり、軸中心を指向するティース42の傾斜に沿う角度と略同一の傾斜角度で形成されている。
カバー部材72は、例えば樹脂で形成され、正面視で導線巻回部73よりも大きい平面形状を有する略板状部材である。つまり、カバー部材72と導線巻回部73との境界には段差が形成されており、導線巻回部73に巻き回される導線52が該段差において支持されるように構成されている。また、カバー部材72には導線52を巻き回す際に導線52の一端を支持する溝部80が形成されている。
図13に示すように、溝部80は、導線巻回部73の一方のコイル渡り部形成面76に対向する位置に形成されている。また、溝部80は、導線52が導線巻回部73における導線52の巻回方向に対して斜め方向から挿入されるように、カバー部材72の周面を外側面から導電巻回部73が配される内側面に向かって斜めに横切るように傾斜している。さらに、溝部80における内側面の端部80aは、導線巻回部73のコイル渡り部形成面76とスロット挿入部形成面78との境界の曲面部82よりも若干コイル渡り部形成面76側の位置に形成されている。そして、カバー部材72の外側面には、導線52の一端を固定する固定部81(図10参照)が形成されている。なお、カバー部材72は導線巻回部73に対して着脱可能に構成されている。
支持部材74は、例えば樹脂で形成され、正面視で導線巻回部73よりも大きい平面形状を有する略板状部材である。つまり、支持部材74と導線巻回部73との間には段差が形成されており、導線巻回部73に巻き回される導線52が該段差において支持されるように構成されている。
上述した巻枠70を用いて、導線巻回体71を製造する方法を説明する。
まず、導線52の一端を固定部81に固定するとともに、導線52を溝部80に挿入し、導線52を支持固定する。
続いて、図13に示すように、導線52を導線巻回部73の周面に巻き回していく。具体的には、巻枠70を回転軸69に取り付け、回転軸69を回転することにより、導線52を導線巻回部73の周面に巻きつけていく。このとき、溝部80の端部が曲面部82よりも若干コイル渡り部形成面76側の位置に形成されているため、導線52を巻回していく際に、導線52がずれにくくなる。まずは、導線巻回部73の周面上に隣り合う導線52,52が密着するようにカバー部材72側から支持部材74側に向かって傾斜面を駆け上げるように巻回していく。
導線52が導線巻回部73と支持部材74との境界まで巻回されたら、導線52をこれまで巻回した導線層(内周側導線層91)の上にこれまでとは逆方向の支持部材74側からカバー部材72側に向かって導線52を巻回する。このとき、図14に示すように、下層の内周側導線層91と上層の外周側導線層92との間で導線52が交差する導線移行部86が形成されるが、溝部80の位置を上述した位置に形成していることにより、コイル渡り部形成面76上において導線52が交差する。
そして、図15に示すように、導線52が導線巻回部73とカバー部材72との境界まで巻回したら、再度折り返し、導線52が所望の巻数になるまで、導線52の巻回を継続し、導線巻回体71を製造する。
ここで、導線52を導線巻回部73に巻き回す際に、導線52の位置ズレを防止するために、図16に示すような導線押え治具88を用いてもよい。導線押え治具88は、導線52に当接するローラ部89と、該ローラ部89を回転可能に支持する支持部90と、を備えており、本実施形態ではこの導線押え治具88を2個用いている。なお、図16ではカバー部材72の図示を省略している。図17に示すように、2つの導線押え治具88は、導線移行部86が形成されるコイル渡り部形成面76において、該コイル渡り部形成面76に配される導線52の両端をローラ部89,89でそれぞれ押えながら導線52を巻回することができ、導線52を所望の位置に確実に保持しながら導線巻回体71を製造することができる。
また、導線52を導線巻回部73に巻き回す際には、巻枠70を回転させながら導線52を巻回していく。その際に、導線押え治具88のローラ部89は、導線52が導線巻回部73の所望の位置に配されるように導線52を導線巻回面75に押し付けるように作用する。また、ローラ部89の表面は、導線巻回面75の傾斜角度と略同一の傾斜角度を有している。なお、支持部90は巻枠70に対して当接離間する方向に移動可能に構成されている。このような導線押え治具88を用いることにより、導線52の整列崩れをより確実に防止することができる。
なお、図18に示すように、外周側導線層92の1本の導線52Aは、内周側導線層91の2本の導線52B,52Cと接触するように配される。このとき、導線52Aと導線52Bとの接点Dと、導線52Aと導線52Cとの接点Eとの間に、導線52を巻回する際に生じるフォースベクトルF(導線52Aにかかる張力のベクトル方向)が存在すると、導線52を巻回する際に導線52がずれにくくなる。導線52が断面円形の場合には、巻枠70の導線巻回部73に形成される傾斜角度が30°以内であれば、フォースベクトルFが上記条件を満たすこととなる。
導線52を所望の巻数まで巻回し導線巻回体71が製造されたら、導線52の他端を切断する。そして、導線52の一端を固定部81から外し、カバー部材72を導線巻回部73から取り外した後、導線巻回部73から導線巻回体71を取り出すことができる。図19に示すように、導線巻回体71はコイル渡り部55の両端に導線52の一端52aと他端52bが位置するように形成される。
このようにして形成された導線巻回部71をコイル成型装置101により成型して、コイル20を製造する方法について説明する。
図20はコイル成型装置101の斜視図である。図20に示すように、コイル成型装置101は、巻線巻回体71を載置する本体部102と、本体部102のコイル渡り部挟持部103およびコイル渡り部拘束部104を押圧可能な押圧部105を備えた可動部106と、を備えている。
図21〜図23に示すように、本体部102は、導線巻回体71が配置される導線巻回体セット部107と、導線巻回体71における一対のコイル渡り部55,56に相当する位置を挟持するコイル渡り部挟持部103と、コイル渡り部挟持部103と連結され、成型後のコイル渡り部55,56の型形状を有するコイル渡り部拘束部104と、コイル渡り部挟持部103とコイル渡り部拘束部104とを、ステータ21の外周側が内周側よりも下方向にくるようにコイル内径側へ誘導する円弧部108が形成されたレール部109と、スロット挿入部53,54を挟持するスロット挿入部挟持部110と、を有している。また、コイル20の張出部61,62の形状に対応した湾曲面をそれぞれ有する張出部形成部111,112をさらに備えている。
導線巻回体セット部107は、導線巻回体71におけるスロット挿入部53,54が当接載置される一対の傾斜面114,115と、コイル渡り部55,56を支持可能な支持部116,117と、が形成されている。また、傾斜面114,115は、導線巻回体71のスロット挿入部53,54と略同一の傾斜角度の傾斜面で形成されている。さらに、傾斜面114,115には、導線52の架設方向に沿う方向の略中央部に凸部118が形成されている。
そして、導線巻回体71のスロット挿入部53,54が配される傾斜面114,115を覆うとともに、スロット挿入部53,54を支持固定可能なスロット挿入部挟持部110が着脱自在に取り付け可能に構成されている。
図24に示すように、導線巻回体セット部107に導線巻回体71をセットして、スロット挿入部挟持部110を導線巻回体セット部107にセットすると、スロット挿入部53,54の内周面と外径側端面は導線巻回体セット部107に支持され、スロット挿入部53,54の外周面と内径側端面はスロット挿入部挟持部110に支持される。つまり、導線巻回体71におけるスロット挿入部53,54は周囲4面とも拘束されるように構成されている。
また、図22、図23に戻り、導線巻回体セット部107におけるコイル渡り部55,56が配される側には、コイル渡り部挟持部103およびコイル渡り部拘束部104をスライドさせる円弧部108が形成されたレール部109が配されている。円弧部108は、上方から下方に向かうにしたがって導線巻回体セット部107に近づく形状に形成されている。つまり、コイル渡り部挟持部103およびコイル渡り部拘束部104に挟持された導線巻回体71のコイル渡り部55,56は、コイル渡り部挟持部103およびコイル渡り部拘束部104がレール部109を下方に進むことにより、コイル渡り部55,56の内周側から外周側に向かう端面が鉛直状態になるように、かつ、コイル渡り部55,56の互いの距離が近づく方向に変形するように構成されている。
また、図25、図26に示すように、コイル渡り部拘束部104における導線巻回体71と当接する面には、コイル20のコイル渡り部55,56における内径側の形状と略同一の拘束面119が形成されている。導線巻回体71に拘束面119を当接させた後に、コイル渡り部挟持部103およびコイル渡り部拘束部104をレール部109に沿って移動させることにより、導線巻回体71にコイル渡り部55,56を形成することができる。
さらに、図27、図28に示すように、張出部形成部111,112は、導線巻回体セット部107におけるレール部109に対向する側面123,124にそれぞれ設けられている。張出部形成部111,112には、コイル20の張出部61,62の形状に対応した湾曲面121,122がそれぞれ形成されている。この張出部形成部111,112は、側面123,124に沿って略水平方向にスライド移動可能に取り付けられており、湾曲面121,122が導線巻回体71のコイル渡り部55,56とスロット挿入部54との境界に当接可能に構成されており、張出部形成部111,112をさらに水平方向へ移動させることにより、湾曲面121,122の形状に対応した張出部61,62を導線巻回体71に形成することができるように構成されている。
また、本体部102の下面には板状の基板125(図20参照)が設けられており、該基板125から2本の支柱126,127が立設されている。略板状の可動部106には2つの貫通孔128,129が形成されており、該貫通孔128,129が支柱126,127に挿通可能に構成されており、支柱126,127に沿って可動部106は上下方向に移動可能に構成されている。さらに、可動部106の下面には一対の押圧部105,105が設けられており、可動部106を下方に移動させると、押圧部105の先端がそれぞれコイル渡り部拘束部104に当接し、押圧部105をさらに下方へ押下げることにより、コイル渡り部拘束部104およびコイル渡り部挟持部103をレール部109に沿って下方へ移動させることができるように構成されている。なお、可動部106と押圧部105との間にはスライドレール130が設けられており、押圧部105の位置調整を行うことができるようになっている。
図29に示すように、上述のように構成されたコイル成型装置101の導線巻回体セット部107に導線巻回体71をセットする。このとき、導線巻回体71におけるコイル渡り部55,56に相当する箇所は、コイル渡り部挟持部103およびコイル渡り部拘束部104にて挟持されている。また、導線巻回体71のスロット挿入部53,54に相当する箇所は、傾斜面114,115に配されており、導線巻回体71を覆うようにスロット挿入部挟持部110を取り付けて、導線巻回体71の周面を拘束する。
導線巻回体71がコイル成型装置101にセットされたら、押圧部105がコイル渡り部拘束部104に当接する位置まで可動部106を下降させる。本実施形態では、押圧部105の先端が凹状に形成されており、コイル渡り部拘束部104の上面に配された丸棒と嵌合可能に構成されている。スライドレール130を用いて押圧部105の位置を調整し、押圧部105を丸棒に嵌合させる。
その後、図30に示すように、さらに可動部106を下降させると、押圧部105がコイル渡り部拘束部104およびコイル渡り部挟持部103を下方へ押し下げる。このときコイル渡り部拘束部104はレール部109上に配されているため、コイル渡り部拘束部104はレール部109に沿って移動する。コイル渡り部拘束部104にはコイル渡り部55,56に対応した形状の拘束面119が形成されているため、導線巻回体71が拘束面119に押されることにより、導線巻回体71にコイル渡り部55,56が形成される。このとき、傾斜面114,115に凸部118が形成されているため、コイル渡り部55,56を形成する際に、スロット挿入部53,54に相当する導線52が引っ張られて互いのスロット挿入部53,54間の距離が近づく方向に内側に反りが生じるのを防止することができる。
導線巻回体71にコイル渡り部55,56が形成された後、張出部形成部111,112をスロット挿入部54とコイル渡り部55,56との境界に向かってスライドさせ、張出部形成部111,112の湾曲面121,122がそれぞれ導線巻回体71に当接させる。さらに、その後張出部形成部111,112をスライドさせることによりスロット挿入部54とコイル渡り部55,56との境界にそれぞれ張出部61,62を形成することができる。
そして、コイル成型装置101から取り出せば、コイル20の製造が完了する。このようにして形成されたコイル20は、帯状に並べられた複数のコア片45のスロット43を架け渡すように配置し、その後、コア片45を円環状に変形してステータ21を製造する際に、隣り合うコイル同士で干渉することがなく、かつ、コア片45の変形時にコイル20の形状が略変化することがない。
なお、図31に示すように、導線巻回体71におけるスロット挿入部53が形成される側のスロット挿入部挟持部110の両側には、略板状のオフセット形成部131を設けてもよい。このオフセット形成部131は、導線巻回体71が配された状態で、下方へ押下げることによりスロット挿入部53の両端にオフセット部(不図示)を形成することができる。
次に、コア片45およびコイル20を用いてステータ21を製造する手順を説明する。本実施形態では、円環化装置65を用いてステータ21を製造する。
図32は円環化装置65の斜視図である。図32に示すように、円環化装置65は、帯状のコア片45がセットされるコア片セット部150と、帯状のコア片45を該コア片45の一端側から円環化するように誘導する円弧状の第1曲面151を有する第1ガイド152と、第1ガイド152の内径側に設けられコア片45の外周面45a(図5参照)が第1曲面151に当接しながら移動できるようにコア片45を支持する第1ガイドローラ153と、第1曲面151に対向する位置に帯状のコア片45の他端側から円環化するように誘導する円弧状の第2曲面154を有する第2ガイド155と、を備えている。また、第1ガイド152および第2ガイド155が、コア片セット部150に沿って移動できるように該コア片セット部150に沿ってレール156が設けられている。さらに、帯状のコア片45を円環状に変形し、第1ガイド152の第1曲面151から突出した位置に配されたコア片45が自重により垂れ下がらないようにコア片45の位置を所定の位置に保持可能な第2ガイドローラ157が設けられている。第2ガイドローラ157は、例えば上下左右方向に移動可能に構成されており、コア片45の位置を微調整することができるように構成されている。
つまり、第1ガイド152をコア片セット部150に配された帯状のコア片45に向かって移動させると、帯状のコア片45の一端側が第1曲面151上に誘導され、さらに第1ガイド152を帯状のコア片45の他端側に向かって移動させることにより帯状のコア片45の一端側から円環化を促進することができる。
一方、第2ガイド155をコア片セット部150に配された帯状のコア片45に向かって移動させると、帯状のコア片45の他端側が第2曲面154上に誘導され、さらに第2ガイド155を帯状のコア片45の一端側に向かって移動させることにより帯状のコア片45の他端側から円環化を促進することができる。
図33に示すように、まず帯状に連結した複数のコア片45(本実施形態では、48個)を円環化装置65のコア片セット部150にセットする。コア片45は、複数の平板鋼板47を積層・接合して所望の厚さに形成したものである。複数のコア片45を全て帯状に配置した後、スロット43にコイル20を配置していく。なお、コイル20の周面は絶縁紙(不図示)で覆われている。コイル20は、上述の方法により予め複数形成されている。なお、本実施形態では、24個のコイル20を製造しておく。
図34は、コイル20のスロット43への挿入状態を示す説明図である。図34に示すように、コイル20は、三相のU相、V相、W相のいずれかを構成している。本実施形態においては、コア片45を48個用いてステータコア41を構成している。つまり、スロット43が48箇所形成される。ここで、U相を構成するコイル20Uは、リング状のコイル20を8個(リングU1〜U8)用いて構成されている。同じく、V相を構成するコイル20Vは、リングV1〜V8を用いて構成され、W相を構成するコイル20WはリングW1〜W8を用いて構成されている。なお、これらのリングは所定間隔置いた2つのスロット43,43に挿入できる大きさで形成されている。そして、コイル20を製造した後に、コイル20をスロット43に挿入する。
具体的には、U相のコイル20Uは、スロット番号1とスロット番号6のスロット43にリングU1を挿入し、スロット番号7とスロット番号12のスロット43にリングU2を挿入し、同様に繰り返し、スロット番号43とスロット番号48のスロット43にリングU8を挿入する。また、V相のコイル20Vは、スロット番号45とスロット番号2のスロット43にリングV1を挿入し、スロット番号3とスロット番号8のスロット43にリングV2を挿入し、同様に、スロット番号39とスロット番号44のスロット43にリングV8を挿入する。さらに、W相のコイル20Wは、スロット番号47とスロット番号4のスロット43にリングW1を挿入し、スロット番号5とスロット番号10のスロット43にリングW2を挿入し、同様に、スロット番号41とスロット番号46のスロット43にリングW8を挿入する。
次に、スロット43にコイル20を挿入する手順を説明する。なお、以下の説明ではスロット43に関しては、スロット番号のみを用いて説明する。
図35はコイル20の挿入途中の状態を示す斜視図である。図34、図35に示すように、まず初めにV相を構成するコイル20VのリングV1をスロット番号2に挿入する。このとき、リングV1の他方側(図34、図35のA部)は、コア片45がまだ帯状であるためスロット番号45には挿入されない。次に、W相を構成するコイル20WのリングW1をスロット番号4に挿入する。このとき、リングW1の他方側(図34、図35のB部)は、リングV1と同様にスロット番号47には挿入されない。
続いて、U相を構成する20UのリングU1をスロット番号1に挿入する。スロット番号1には、コイル20Uのコイル挿入部53を挿入する。このとき、コア片45が帯状の場合は、コイル20Uのコイル挿入部54はスロット番号6に挿入することができない。そこで、円環化装置65の第1ガイド152をレール156に沿ってコア片45の一端側から他端側に向かって移動させ、コア片45を帯状から円環状に変形させる。コア片45が帯状から円環状に変形した箇所は隣り合うスロット43,43の距離が近づく。ここでは、スロット番号1とスロット番号6との距離が近づき、スロット同士の距離が所定距離まで近づいた時点で、スロット番号6にコイル20のコイル挿入部54が挿入される。これでリングU1の挿入が完了する。なお、一対のスロット挿入部53,54は、ステータコア41を構成したときにスロット43が軸中心を指向する方向と略一致するように一方のスロット挿入部53に対して他方のスロット挿入部54が傾斜するように形成されているため、スロット同士の距離が所定距離まで近づいた時点で、スロット番号6にコイル20のコイル挿入部54が挿入される。また、コイル渡り部55,56はヨーク46の軸方向端面に沿うように配される。
続いて、V相を構成する20VのリングV2をスロット番号3に挿入する。スロット番号3には、コイル20Vのコイル挿入部53を挿入する。ここで、スロット番号6にリングU1を構成するコイル20Uのコイル挿入部54が挿入された状態(当該部分が円環状になっている状態)では、スロット番号3のスロット入口が狭くなっているため、リングV2の挿入が困難な状態になっている。そのため、第1ガイド152をレール156に沿ってコア片45の他端側から一端側に向かって移動させ、スロット番号3付近のコア片45を一旦帯状に戻して、スロット番号3のスロット入口幅を大きくする。そして、スロット番号3にコイル20のコイル挿入部53を挿入する。続いて、上記リングU1の場合と同様に、コア片45を再度帯状から円環状に変形させることにより、スロット番号3とスロット番号8との距離が近づき、スロット同士の距離が所定距離まで近づいた時点でスロット番号8にコイル20のコイル挿入部54が挿入される。これでリングV2の挿入が完了する。なお、コイル渡り部55,56はスロープ部57,58が形成されているため、隣り合う異相のコイル20とは干渉せずに配することができる(図8参照)。
続いて、W相を構成する20WのリングW2をスロット番号5に挿入する。スロット番号5には、コイル20Wのコイル挿入部53を挿入する。ここで、スロット番号8にリングV2を構成するコイル20のコイル挿入部54が挿入された状態では、スロット番号5のスロット入口が狭くなっているため、リングW2が挿入できない。そのため、スロット番号5付近のコア片45を一旦帯状に戻して、スロット番号5にコイル20のコイル挿入部53を挿入する。そして、上記リングU1の場合と同様に、コア片45を再度帯状から円環状に変形させることにより、スロット番号5とスロット番号10との距離が近づき、スロット同士の距離が所定距離まで近づいた時点でスロット番号10にコイル20のコイル挿入部54が挿入される。これでリングW2の挿入が完了する。
W相のコイル20WのリングW2をスロット番号5とスロット番号10を掛け渡すように挿入した後は上記工程を繰り返し、リングU2→V3→W3→U3→V4→…→V8→W8→U8をそれぞれスロット43内に挿入する。このとき、上述したように第1ガイド152はレール156に沿って往復運動させることにより、各スロット43にコイル20を挿入することができる。このようにコイル20をスロット43内に挿入すると、コイル20U,20V,20Wはステータコア41の軸方向両端面41aから突出したコイル渡り部55,56が、軸方向から見て互いに交差するようにしながら配置される。
図36はコイル挿入治具160を用いてコイル20をスロット43内に挿入する状態を示す斜視図であり、図37はコイル挿入治具160でコイル20を支持した状態を示す斜視図であり、図38はコア片45に取り付けるガイド部材161の斜視図であり、図39はコイル挿入治具160を用いてコイル20をスロット43内に挿入する際の概念図である。
図36、図37に示すように、コイル挿入治具160は、コイル20のスロット挿入部53または54を略挟持することができる板状の一対のガード162,163と、該ガード162,163を支持する支持部164と、を備えている。なお、一対のガード162,163は、変形可能な薄板状に形成されているとともに、コイル20のスロット挿入部53または54が挿入された状態において、該スロット挿入部53,54の断面形状が変形しないように構成されている。また、支持部164には、一対のガード162,163をスロット43から引き抜く際に、コイル20のスロット挿入部53,54が一緒に引き抜かれないように、コイル20のスロット挿入部53,54を支持する支持棒171が設けられている。この支持棒171は、支持部164の両側に設けられている。また、支持棒171は、支持部164の頂部172から一対のガード162,163が配された側に向かって貫通して配されており、支持部164に対して移動可能に構成されている。さらに、一対の支持棒171,171の頂部173を連結するように連結板174が設けられている。そして、支持部164にはコイル挿入治具160の一対のガード162,163をスロット43から引き抜く際に支持部164を把持するための把持部175が開口形成されている。つまり、コイル挿入治具160の一対のガード162,163をスロットから引き抜く際に、連結板174を押えつつ、支持部164の把持部175を引っ張ることにより一対のガード162,163は支持部164とともに引き抜かれ、コイル20のスロット挿入部53,54は支持棒171に押え付けられているため、スロット43内に留めることができる。
図36、図38に示すように、ガイド部材161は、その底面165にコア片45のティース42先端に吸着される磁石166が設けられ、底面165におけるコア片45のティース42の延在方向に沿う両側にはガイドリブ167が突出形成されている。この一対のガイドリブ167,167の離間距離は、コア片45のティース42の先端部の幅と略同一寸法になっている。また、ガイド部材161の表面側は、略円弧形状の第1表面168と、該第1表面168と対称の円弧形状に形成された第2表面169と、を有している。つまり、ガイド部材161は左右対称形状に形成された略棒状部材である。なお、第1表面168および第2表面169は、底面165側においてガイドリブ167が連接されている。
図36、図39に示すように、コイル挿入治具160およびガイド部材161を用いてコイル20をスロット43内に挿入するには、スロット43に挿入する側のコイル20のスロット挿入部53または54をコイル挿入治具160の一対のガード162,163で挟むように支持する。また、コイル20が挿入されるスロット43の両側に位置するティース42,42の先端にそれぞれガイド部材161,161をセットする。このとき、ガイド部材161は磁石166によりティース42の先端に固定され、ティース42の先端の周方向両側にガイドリブ167が配される。
続いて、このようにガイド部材161,161がセットされたスロット43に向かって、コイル20のスロット挿入部53または54を挟んだコイル挿入治具160を移動させる。すると、一対のガード162,163の先端がガイド部材161の第1表面168、第2表面169に当接する。さらに、コイル挿入治具160をスロット43方向に移動させると、一対のガード162,163が第1表面168、第2表面169の表面形状に沿うように変形しながら、コイル挿入治具160(コイル20)はスロット43側へ移動し、一対のガード162,163に挟まれたコイル20のスロット挿入部53または54を所望のスロット43内へ挿入することができる。
スロット43内にコイル20のスロット挿入部53または54が挿入された後、コイル挿入治具160の一対のガード162,163をスロット43内から引き抜くことにより、コイル20の挿入が完了する。
そして、リングV1のA部およびリングW1のB部以外のコイル20をスロット43に挿入し、最後にリングV1のA部をスロット番号45のスロットに挿入し、リングW1のB部をスロット番号47のスロットに挿入する。
このリングV1のA部およびリングW1のB部をスロット43に挿入するには、例えば、図40に示すように、コア片45の他端側から第2ガイド155を第1ガイド152方向へ移動させ、帯状のコア片45の他端側を円環状になるように誘導する。そして、円環化装置65に設けられた第2ガイドローラ157の位置を調整して、コア片45の一端側が内径側に位置するとともに、他端側がその外径側に位置するように調整する。そして、リングV1のA部がスロット番号45のスロットに対向する位置に配されるように調整するとともに、リングW1のB部がスロット番号47のスロットに対向する位置に配されるように調整する。
続いて、A部およびB部にそれぞれコイル挿入治具160を取り付けるとともに、スロット番号45のスロット43の両側に位置するティース42,42の先端およびスロット番号47のスロット43の両側に位置するティース42,42の先端にそれぞれガイド部材161を取り付ける。
そして、コイル挿入治具160の一対のガード162,163をスロット43内に挿入することで、リングV1のA部およびリングW1のB部をスロット43に挿入することができる。このようにしてステータ21が完成する。
その後、ステータ21をモータハウジング11内に取り付け、スロット43に挿入された各コイル20U,20V,20Wに緩みがないように導線52を調整した後、各コイル20U,20V,20Wの両端部から延出している導線52をU相、V相およびW相の3相配電バスリングおよび中性点バスリング(不図示)に接続することで、モータユニット10へのステータ21の取り付けが完了する。
なお、図41に示すように、第2ガイドを上記形状とは異なる形状にしてもよい。具体的には、第2ガイド180は、第1ガイド152の端部と第2ガイド180の端部とが当接する当接部181において、第2ガイド180側の径方向厚さd2が第1ガイド152側の径方向厚さd1よりも厚くなっており、第1ガイド152の端部と第2ガイド180の端部との間に形成された段差部182の径方向高さh1がヨーク46の径方向厚さd3(図5参照)よりも大きく形成されている。
このように構成することにより、当接部181においてリングV1のA部およびリングW1のB部を帯状に連結された複数のコア片45の他方側に形成されたスロット43に挿入する際に、コア片45の一端側を第2ガイド180の当接部181近傍に配置させるとともに、コア片45の他端側を第1ガイド152の当接部181近傍に配置させると、確実にリングV1のA部がスロット番号45のスロットに対向する位置に配されるとともに、リングW1のB部がスロット番号47のスロットに対向する位置に配される。したがって、ステータ21の生産効率を向上することができる。
その後、上述した方法と同様に、コイル挿入治具160を用いてリングV1のA部およびリングW1のB部を所定のスロット43に挿入することができる。
また、図42に示すように、第1ガイド152の第1曲面151の下端側端部に、内径側に突出する突起185を形成してもよい。突起185を形成することにより、帯状のコア片45が第1ガイド152の第1曲面151に誘導される際に、突起185を乗り越えるようにして誘導される。したがって、図43に示すように、この突起185をコア片45が乗り越える際に、隣り合うコア片45,45のティース43,43間の距離を一時的に広げることができる。このように構成することで、コイル20をスロット43内により簡便に挿入することができる。
また、図44に示すように、第1ガイドローラ153は、第1ガイド152の第1曲面151に対向する位置から退避できるように構成してもよい。このように構成することで、必要に応じて第1ガイドローラ153を利用することができる。
また、図45、図46に示すように、帯状のコア片45を第1ガイド152の第1曲面151へ誘導して円環状に変形させる際に、帯状のコア片45を第1ガイド152側へ押し出す押出機構188を設けてもよい。押出機構188は、土台部189と、土台部189から立設する支柱部190と、支柱部190に対して回動可能に取り付けられた可倒部191と、可倒部191の先端に設けられコア片45を支持する支持部192と、を備えている。支持部192は、可倒部191が回動することによりコア片セット部150から退避可能に構成されている。また、支持部192がコア片45を支持する際には、可倒部191が回動しないようにストッパ193が設けられている。さらに、支持部192は、コア片45のヨーク46を支持可能に構成されている。このように構成することで、帯状のコア片45の他端側のコア片45のヨーク46を押出機構188の支持部192で支持しながら、第1ガイド152を一端側から他端側へ向かって移動させることにより、帯状のコア片45の一端側を容易に第1ガイド152の第1曲面151に誘導することができる。
さらに、図47、図48に示すように、コア片セット部150におけるコア片45の軸方向両端部に、ガイドレール194を設けてもよい。ガイドレール194は、コア片45のヨーク46の周縁部に当接するように設けられている。このガイドレール194を設けることにより、複数のコア片45が軸方向にずれるのを確実に防止することができる。なお、同様のガイドレール195を第1ガイド152の第1曲面151の軸方向両側に設けてもよい。
本実施形態によれば、帯状のコア片45のスロット43にコイル20を所定の位置に挿入した後に、帯状のコア片45を円環状に変形して帯状の一端と他端とを連結することによりステータ21を形成することができる。このとき、リング状のコイル20は所定間隔あけた2つのスロット43,43に架け渡すように挿入されるため、一方のスロット43のみに挿入されて他方のスロット43に挿入されていないリングV1のA部およびリングW1のB部がコア片45の一端側にあり、このリングV1のA部およびリングW1のB部をコア片45の他端側の所定のスロット43に挿入することで、ステータ21を形成することができる。ここで、リングV1およびリングW1が挿入されたコア片45を他方端部側のコア片45よりも内径側に誘導し、リングV1のA部およびリングW1のB部を、帯状に連結された複数のコア片45の他方側に形成された所定のスロット43に挿入し、コア片45を円環状に連結してステータ21を形成するように構成したため、コイル20の形状を変形させることなくスロット43に挿入することができ、分割されたコア片45をスムーズに円環状に連結することができる。
また、帯状のコア片45の一方端部を第1ガイド152で円環状に変形させるとともに、帯状のコア片45の他方端部も第2ガイド155を用いて円環状に変形させることにより、より簡便にコア片45の円環化を促進することができる。
また、第1ガイドローラ153を設けることにより、帯状のコア片45を円環状に変形させる際に、コア片45が自重により垂れ下がるのを防止することができる。したがって、コア片45の円環化をスムーズに誘導することができる。
さらに、第1ガイド152に誘導されたコア片45の一方端部を、第2ガイド155に誘導されたコア片45の他方端部の内径側に容易に位置させることができるため、リングV1のA部およびリングW1のB部を、帯状に連結された複数のコア片45の他方側に形成された所定のスロット43に容易に挿入することができる。したがって、ステータ21の生産効率を向上することができる。
また、本実施形態のコイル20は、コイル渡り部55,56の高さを低く抑えることができるため、導線52の全長を短くすることができる。このように導線52の全長が短くなったコイル20を分布巻でステータコア41に取り付けることで、高トルク密度性能を維持することができ、高性能のモータ23のステータ21を製造することができる。
また、予め導線52を巻回してスロット43に対応した大きさの円環状のコイル20を形成したため、リング状に形成されたコイル20をスロット43に挿入するだけで、コイル20を取り付けることができる。したがって、コア片45を準備してから巻線機などを用いて導線52をスロット43に巻き付けながらコイルを形成する場合よりも生産効率を向上することができる。
さらに、モータ23の回転磁界を形成するU相、V相、W相を構成するコイル20(20U,20V,20W)を、全て同一形状で形成したため、U相、V相、W相からなる三相モータを製造するにあたって、各相に対応したコイル20(20U,20V,20W)を同じ工程で製造することができる。したがって、生産効率を向上することができる。
尚、本発明の技術範囲は上述した実施形態に限られるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において、上述した実施形態に種々の変更を加えたものを含む。すなわち、実施形態で挙げた具体的な構造や構成などはほんの一例に過ぎず、適宜変更が可能である。
例えば、コア片45の形状は本実施形態の形状に限らず、図49、図50に示すような形状であってもよい。図49は隣り合うコア片145,145をリンクピン67にて連結する構造であり、図50は隣り合うコア片245,245をリンクプレート68およびリンクピン67にて連結する構造である。また、図51に示すようにヨーク346の径方向の厚さを薄肉状にして帯状のコア片345を一体で形成し、ヨーク346を湾曲させることにより円環状に変形できるように構成してもよい。
また、コイル20に用いる導線52は、丸線および平角線のいずれでもよい。
20…コイル 21…ステータ 22…ロータ 23…モータ 41…ステータコア 41a…端面(軸方向端面) 42…ティース(ティース部) 43…スロット(スロット部) 45…コア片(ステータコア片) 45a…外周面 46…ヨーク(ヨーク部) 52…導線 53…スロット挿入部 54…スロット挿入部 55…コイル渡り部 56…コイル渡り部 151…第1曲面 152…第1ガイド 153…第1ガイドローラ(ガイドローラ) 154…第2曲面 155…第2ガイド 181…当接部 182…段差部 d1…第1ガイド側の径方向厚さ d2…第2ガイド側の径方向厚さ d3…ヨーク部の径方向厚さ

Claims (5)

  1. ティース部およびヨーク部が形成されたステータコア片が複数連結されて円環状に形成されたステータコアと、隣接する前記ステータコア片の前記ティース部間に形成されるスロット部を架け渡すように挿入されるコイルと、を備えたステータの製造方法であって、
    前記コイルは、前記ステータコア片が連結されて円環状になった際に、軸中心を指向する前記ティース部の傾斜に沿う角度と略同一の傾斜角度を有し、前記スロット部に挿入される一対のスロット挿入部と、前記ステータコアの軸方向端面において前記一対のスロット挿入部の端部同士の間を連結する一対のコイル渡り部と、を備えたリング状に形成され、
    前記ステータコア片を帯状に複数連結するステータコア片連結工程と、
    帯状に連結された複数の前記ステータコア片の一方端部側に形成された第1スロット部に、第1コイルの前記一対のスロット挿入部の一方を挿入する第1コイル挿入工程と、
    前記ステータコア片の一方端部側に形成された第2スロット部に、第2コイルの前記一対のスロット挿入部の一方を挿入する第2コイル挿入工程と、
    円弧状の第1曲面を有する第1ガイドにより前記コイルが挿入された帯状の前記ステータコア片の一方端部を円環状に変形する円環化促進工程と、
    該円環化促進工程の後に、前記第1コイルおよび前記第2コイルが挿入されたステータコア片を他方端部側のステータコア片よりも内径側に誘導し、前記第1コイルの前記一対のスロット挿入部の他方および前記第2コイルの前記一対のスロット挿入部の他方を、帯状に連結された複数のステータコア片の他方側に形成された前記スロット部に挿入し、前記ステータコア片を円環状に連結して前記ステータを形成するステータコア連結工程と、を備えていることを特徴とするステータの製造方法。
  2. 前記第1ガイドの前記第1曲面に対向する位置に、前記帯状のステータコア片を円環状に誘導する円弧状の第2曲面を有する第2ガイドをさらに備え、
    前記円環化促進工程において、前記帯状のステータコア片の他方端部を、前記第2ガイドを用いて円環状に変形することを特徴とする請求項1に記載のステータの製造方法。
  3. 前記第1ガイドの前記第1曲面の内径側に、ガイドローラをさらに備え、
    前記円環化促進工程において、前記ガイドローラにより前記ステータコア片を支持し、該ステータコア片の外周面が前記第1曲面に当接しながら移動して、前記ステータコア片を円環状に変形することを特徴とする請求項1または2に記載のステータの製造方法。
  4. 前記ステータコア連結工程において、前記第2ガイドの前記第2曲面上で前記第1コイルの前記一対のスロット挿入部の他方および前記第2コイルの前記一対のスロット挿入部の他方を、帯状に連結された複数のステータコア片の他方側に形成された前記スロット部に挿入し、前記ステータコア片を円環状に連結することを特徴とする請求項2または3に記載のステータの製造方法。
  5. 前記第1ガイドの端部と前記第2ガイドの端部とが当接する当接部において、前記第2ガイド側の径方向厚さが前記第1ガイド側の径方向厚さよりも厚くなっており、前記第1ガイドの端部と前記第2ガイドの端部との間に形成された段差部の径方向高さが前記ヨーク部の径方向厚さよりも大きく形成されており、
    前記当接部において、前記ステータコア片の一方端部を前記第2ガイドの前記当接部近傍に配するとともに、前記ステータコア片の他方端部を前記第1ガイドの前記当接部近傍に配し、
    前記第1コイルの前記一対のスロット挿入部の他方および前記第2コイルの前記一対のスロット挿入部の他方を、帯状に連結された複数のステータコア片の他方側に形成された前記スロット部に挿入し、前記ステータコア片を円環状に連結することを特徴とする請求項2または3に記載のステータの製造方法。
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