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JP2011218953A - 駆動力制御装置 - Google Patents

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Soichiro Shimura
壮一朗 志村
Hitoshi Matsunaga
仁 松永
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Toyota Motor Corp
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Abstract

【課題】車両の走行時におけるステア特性を向上させることができ、かつ、運転者が違和感を持つことを抑制することの可能な駆動力制御装置を提供する。
【解決手段】車両のステア特性を目標ステア特性にするべく、車両の駆動輪の駆動力を制御する駆動力制御装置において、車両の運転者の意図から求めた駆動輪の基本駆動力に対して、車両のステア特性を相対的に向上させるために増加する分の駆動力を求める第1算出手段(ステップS1)と、増加する分の駆動力の上限値を複数の条件に基づいて複数求める第2算出手段(ステップS2,S4,S5)と、第1算出手段により求められた増加分の駆動力を、第2算出手段により求められた複数の上限値のうち最も小さい上限値により制限して、最終的な駆動力の増加量の上限値を求める第3算出手段(ステップS6,S7)とを備えている。
【選択図】図1

Description

この発明は、駆動輪の駆動力を制御することにより、車両の走行時におけるステア特性を制御する駆動力制御装置に関するものである。
車両に搭載された動力源の動力を駆動輪に伝達して駆動力を発生させるとともに、駆動輪の駆動力を制御することにより、車体姿勢や特性を安定化させる制御システムの一例が、特許文献1に記載されている。この特許文献1に記載された車両は後輪駆動式の二輪駆動車であり、具体的には、車両において運転者が要求する基本要求駆動力に相当する車軸トルクを求め、また、道路勾配による前輪および後輪の接地荷重の変化を求め、さらに走行抵抗外乱を求め、さらに車両における仮想的な旋回半径を推定し、ついで、接地荷重の変化、旋回半径、走行抵抗外乱などのパラメータに基づいてスタビリティファクタの目標値を求め、実際のスタビリティファクタが目標値に追従するように、車軸トルクを補正する制御が記載されている。このような制御をおこなうことにより、特許文献1に記載された車両においては、時々刻々と変化する様々な周辺環境に対応して、その時々に理想的な旋回半径となるように、スタビリティファクタを安定化することが可能となるとされている。なお、車両の旋回走行時における走行特性を安定化させる技術は特許文献2にも記載されている。
特開2005−256636号公報 特開2009−202621号公報
ところで、特許文献1に記載された制御システムにおいては、運転者が要求する基本要求駆動力に相当する車軸トルクを補正するにあたり、前輪および後輪の接地荷重、走行抵抗外乱などのパラメータを用いているが、これらのパラメータは道路状況により変化するものであり、運転者の意図が反映されているとは言い難く、したがって、これらのパラメータを加味して車軸トルクが補正されると、運転者が車両の挙動に違和感を持つ可能性があった。
この発明は上記課題を解決するためになされたもので、車両の走行時におけるステア特性を向上させることができることに加えて、そのステア特性に運転者が違和感を持つことを抑制することの可能な駆動力制御装置を提供することを目的とするものである。
上記の目的を達成するために請求項1の発明は、車両のステア特性が目標ステア特性となるように、前記車両の駆動輪で発生する駆動力を制御する駆動力制御装置において、前記車両の運転者の意図に基づいて求められる前記駆動輪の基本駆動力に対して、前記車両のステア特性を相対的に向上させるために増加する分の駆動力を求める第1算出手段と、前記増加する分の駆動力の上限値を、前記車両の運転者がステア特性の変化に違和感を持つものとして予め定めた複数の条件に基づいて複数求める第2算出手段と、前記第1算出手段により求められた増加分の駆動力を、前記第2算出手段により求められた複数の上限値のうち最も小さい上限値により制限して、最終的な駆動力の増加量の上限値を求める第3算出手段とを備えていることを特徴とするものである。
請求項2の発明は、請求項1の構成に加えて、前記複数の条件には、前記車両の前後加速度と、前記車両が走行する路面の勾配と、前記車両の横加速度とが含まれることを特徴とする駆動力制御装置である。
請求項1、2の発明によれば、車両の運転者の意図に基づいて求められる駆動輪の基本駆動力に対して、車両のステア特性を相対的に向上させるための駆動力を増加するにあたり、運転者がステア特性に違和感を持つものとして予め定めた条件に基づいて、増加する分の駆動力の上限値を求める。したがって、車両のステア特性を相対的に向上させることができることに加えて、ステア特性の変化に対して運転者が違和感を持つことを抑制できる。
この発明の制御例を示すフローチャートである。 この発明の制御例を実行可能な車両の構成を示す模式図である。 図1のフローチャートのステップで用いるマップである。 図1のフローチャートで求める制御量上限値の増加量の傾向を示すマップである。 図1のフローチャートを実行して、上限処理後の制御駆動力を求めるタイムチャートの一例である。
この発明の実施例を図面に基づいて説明する。図2は、この発明の駆動力制御装置の制御を実行可能な車両1の構成を示す模式図である。車両1は前輪2および後輪3の両方で駆動力を発生することのできる四輪駆動車である。その車両1のパワートレーンの構成について説明すると、前輪2および後輪3に伝達する動力を発生する動力源としてエンジン4が設けられており、そのエンジン4の動力が、トランスミッション5および動力分配装置6を経由して、前輪2および後輪3に分配されるように構成されている。前記エンジン4は従来から知られているものと同様に燃料を燃焼させて動力を発生する動力装置であり、吸入空気量、燃料噴射量、点火時期などを制御することにより、出力トルクを制御することが可能に構成されている。また、トランスミッション5は、従来から知られているものと同様に入力回転数と出力回転数との比を変更可能な動力伝達装置であり、トランスミッション5は、有段変速機または無段変速機のいずれでもよい。
前記動力分配装置6は、従来から知られているものと同様に、前輪2および後輪3に伝達する動力の分配率を制御することが可能に構成されている。このように、前輪2および後輪3に伝達する動力の分配率を制御することが可能な動力分配装置は、例えば、特開平5−278488号公報、特開平6−72171号公報、特開2009−126457号公報などに記載されているように周知であるため、具体的な構成およびその作用の説明は省略する。この動力分配装置6には、フロントデファレンシャル(図示せず)を介在させて前輪2が動力伝達可能に連結されている一方、動力分配装置6には、リヤデファレンシャル(図示せず)を介在させて後輪3が動力伝達可能に連結されている。さらに、前輪2に制動力を与える制動装置7、および後輪3に制動力を与える制動装置8がそれぞれ設けられている。この制動装置7,8は、従来から知られているものと同様に、ブレーキペダルの操作状態、その他の条件により、各車輪に与える制動力を制御することが可能に構成されている。
また、前記エンジン4およびトランスミッション5および動力分配装置6および制動装置7,8を制御するパワートレーン制御ECU(以下、電子制御装置と記す)9が設けられている。この電子制御装置9は、エンジン回転数およびエンジントルクを制御し、また、トランスミッション5の変速比を制御し、さらに、動力分配装置6を経由して前輪2および後輪3に伝達される動力の分配率を制御し、さらには前輪2および後輪3に与える制動力を制御する。一方、車両1には各種センサーおよびナビゲーションシステムが設けられており、これらのセンサーの信号、またはナビゲーションシステムのデータを電子制御装置9で処理することにより、車両1の横加速度(横G)、車両1の前後加速度(前後G)、水平面における車両1のヨーレート、水平面に対する車両1のピッチ角、ピッチレート、路面勾配、車速、アクセル開度、ステアリングホイールの操舵角、路面摩擦係数、車輪回転速度、前輪2および後輪3の接地荷重、ブレーキペダルの踏み込み量などのパラメータを、検知あるいは推定することができる。そして、電子制御装置9により検知あるいは推定されたパラメータ、および電子制御装置9に予め記憶されているマップ、演算式、データなどに基づいて、エンジン回転数およびエンジントルクが制御され、また、トランスミッション5の変速比が制御され、さらに、動力分配装置6を経由して前輪2および後輪3に伝達される動力の分配率が制御され、さらには前輪2および後輪3に与える制動力が制御される。
上記のように構成された車両1においては、車速およびアクセル開度に基づいて、車両1における総合駆動力が求められ、その総合駆動力に基づいて、エンジン出力およびトランスミッション5の変速比を制御することができる。また、車両1が直進走行するとき、あるいはコーナーを旋回走行するときに、車速、操舵角、路面摩擦係数などに基づいて車両1の目標ステア特性を求め、車両1の実際のステア特性を目標ステア特性に近づける制御をおこなうことができる。
例えば、相対的に低車速であればオーバーステアを目標とし、相対的に中車速であればニュートラルステアを目標とし、相対的に高車速であればアンダーステアを目標とすることができる。また、摩擦係数が相対的に低い路面であればアンダーステアを目標とし、摩擦係数が相対的に中間程度の路面であればニュートラルステアを目標とし、摩擦係数が相対的に高い路面であればオーバーステアを目標とすることができる。具体的には、車両1のヨーレートを制御することで、車両1の実際のステア特性を目標ステア特性に近づけることができる。車両1のヨーレートを制御する際には、車速、操舵角、ホイールベースなどに基づいて車両1における目標ヨーレートが求められ、車両1の実際のヨーレートを目標ヨーレートに近づけるように、前輪2および後輪3に対する動力の分配率を制御することができる。
このように、目標ヨーレートを求め、車両1における実際のヨーレートを目標ヨーレートに近づけるように、前輪2および後輪3に伝達する動力の分配率を制御することは、例えば、特開平5−278488号公報などに記載されているように周知であるため、具体的な説明は省略する。さらに、実際のヨーレートを目標ヨーレートに近づけるにあたり、動力分配装置6による動力分配率を制御することに加えるか、または動力分配率を制御することに代えて、前輪2または後輪3に与えられる制動力を制御してもよい。さらにまた、実際のヨーレートを目標ヨーレートに近づけるにあたり、前輪2または後輪3に伝達するためにエンジン4から出力されるトルクを制御(増減)することもできる。なお、以下の説明においては、エンジン4の動力が前輪2または後輪3に伝達されて発生する駆動力と、前輪2および後輪3に与えられる制動力とを包括して「駆動力」と記す。
前記車両1が走行するときのステア特性を制御するにあたり、前輪2および後輪3における駆動力を、目標とするステア特性に対応する各車輪の基本駆動力よりも大きく(多く)すれば、実際のステア特性が変化する応答性は向上する(高くなる)。しかしながら、車両1のステア特性が変化する応答性を向上するために、目標とするステア特性に対応する各車輪毎の基本駆動力よりも相対的に大きい駆動力を設定すると、車両1の運転者が違和感を持つ可能性がある。そこで、車両1のステア特性が変化する応答性を向上することを目的として、目標とするステア特性に対応する各車輪毎の基本駆動力よりも相対的に大きい駆動力を設定するにあたり、車両1の運転者が違和感を持つことを抑制するための制御の一例を図1のフローチャートに基づいて説明する。
図1のステップS1においては、上限処理前の制御駆動力(Fctrl )を計算する(ステップS1)。この「上限処理前の制御駆動力」が、車両1のステア特性が変化する応答性を向上するために求めた値であり、目標とするステア特性に対応する前輪2および後輪3毎の基本駆動力よりも相対的に大きい。つまり、基本駆動力に対して増加する分の駆動力を意味する。この上限処理前の制御駆動力は、車両1が走行するときの実際のステア特性を判断し、前輪2および後輪3の接地荷重を変化させ、かつ、前輪2の切れ角(コーナリングスティフネス)を変化させることにより、実際のステア特性を調整するためのものであり、実験またはシミュレーションをおこなって求めた値が、電子制御装置9に記憶されている。車両1の実際のステア特性を判断するには、例えば、目標ヨーレートと実際のヨーレートとの差、または目標横加速度と実際の横加速度との「差」を求め、その「差」が所定値以下であればニュートラルステアと判断し、「差」が所定値を超え、かつ、操舵角と「差」との積が「正」ならばオーバーステアと判断し、「差」が所定値を超え、かつ、操舵角と「差」との積が「負」ならばアンダーステアと判断することができる。
また、図1のステップS2においては、ベース制御量上限値(Fmax_base )を計算する。ここで、ベース制御量上限値とは、各車輪の基本駆動力に増加する分の駆動力の上限値であり、運転者が違和感を持つことを抑制するために決定している。このステップS2の処理には図3のマップを用いる。この図3のマップは、車速一定、かつ、直進走行、かつ、平坦路走行の条件において実験的に求めたものである。この条件は、車両1の挙動が変化したときに運転者が最も違和感を持ちやすい走行条件である。図3のマップにおいて、横軸に車速が示され縦軸に制御量が示されており、車速が相対的に高いほど、ベース制御量上限値として相対的に大きい値が求められる。
さらに、図1のステップS3においては、車両1の前後加速度に応じた制御量上限値の増加量(Fmax_gx )が計算される。ここで、車両1の前後加速度をパラメータとして用いている理由は、車両1の前後加速度はスタビリティファクタの一要因であり、車速が一定時に比べて加速走行時は、元々前後加速度が変化するため、車両1のステア特性を向上させる制御を実行しても、運転者が違和感を感じにくいからである。この制御量上限値の増加量(Fmax_gx )は、前記ベース制御量上限値(Fmax_base )に加算することを目的として求められる値であり、制御量上限値の増加量(Fmax_gx )は(式1)により求めることができる。
Figure 2011218953
この(式1)において、Sgx は前記の基本駆動力に対応する車両1の前後加速度、Ngx は、基本駆動力にベース制御量上限値を加えたときにおける車両1の前後加速度、Cgx は車両1の前後加速度Sgx と、車両1の前後加速度Ngx との比率である。
さらに、図1のステップS4においては、路面勾配に応じた制御量上限値の増加量(Fmax_p)が計算される。路面勾配をパラメータとして用いる理由は、スタビリティファクタの一要因であり、平坦路を走行するときに比べて、登坂路または降坂路を走行するときは、不可避的にステア特性が変化するため、ステア特性を向上させる制御をおこなっても、運転者が違和感を持ちにくいからである。この制御量上限値の増加量(Fmax_p)は、前記ベース制御量上限値(Fmax_base )に加算することを目的として求められる値であり、制御量上限値の増加量(Fmax_p)は(式2)、(式3)、(式4)により求めることができる。
Figure 2011218953
Figure 2011218953
Figure 2011218953
上記の(式2)において、h は車高、L はホイールベース、Kfは前輪2のサスペンションバネ定数、Krは後輪3のサスペンションバネ定数である。また、(式3)において、Spは前記の基本駆動力に対応する車両1のピッチ角、Npは基本駆動力にベース制御量上限値を加えたときにおける車両1のピッチ角、Cpは車両1のピッチ角Spと、車両1のピッチ角Npとの比率である。そして、(式2)、(式3)から、制御量上限値の増加量(Fmax_p)と車両1のピッチ角Spとの関係が(式4)で表される。
さらに、図1のステップS5においては、車両1の横加速度に応じた制御量上限値の増加量(Fmax_gy )が計算される。この横加速度をパラメータとしている理由は、スタビリティファクタの一要因であり、直進走行時よりも旋回走行時の方が横加速度が不可避的に大きくなり、ステア特性の変化に対して運転者が違和感を感じにくいからである。この制御量上限値の増加量(Fmax_gy )は、前記ベース制御量上限値(Fmax_base )に加算することを目的として求められる値であり、制御量上限値の増加量(Fmax_gy )は(式5)、(式6)、(式7)により求めることができる。
Figure 2011218953
Figure 2011218953
Figure 2011218953
前記(式5)において、A1,A2は設計定数、V は車速、δは操舵角、M は車体質量、Gxは車両1の前後加速度である。また、(式6)において、Sgy は前記の基本駆動力に対応する車両1の横加速度、Ngy は、前記の基本駆動力にベース制御量上限値を加えたときにおける車両1の横加速度、Cgy は車両1の横加速度Sgy と、車両1の横加速度Ngy との比率である。そして、(式5)、(式6)から、制御量上限値の増加量(Fmax_p)と車両1の横加速度Sgy との関係が(式7)で表される。
上記のステップS3ないしステップS5の処理は、全てを同時に(並行して)おこなってもよいし、各ステップを順次おこなってもよい。つまり、各ステップを実行する時期の前後関係は問われない。また、上記の制御量上限値の増加量(Fmax_gx )および制御量上限値の増加量(Fmax_p)および制御量上限値の増加量(Fmax_gy )の傾向の一例を図4のマップに包括的に示す。図4のマップにおいては、横軸に車両1の前後加速度Sgx 、車両1の横加速度Sgy 、車両1のピッチ角Spが示されている。また、縦軸には、前後加速度Sgx に対応する制御量上限値の増加量(Fmax_gx )、車両1の横加速度Sgy に対応する制御量上限値の増加量Fmax_gy 、ピッチ角Spに対応する制御量上限値の増加量Fmax_pが示されている。図4のマップに示すように、横軸のパラメータが相対的に大きく(多く)なるほど、各制御量上限値の増加量はいずれも相対的に大きく(多く)なる傾向にある。なお、図4のマップは、各制御量上限値の増加量の傾向を示すためのものであり、各制御量上限値の増加量同士の大小関係を表すものではない。例えば、制御量上限値の増加量Fmax_pが、制御量上限値の増加量Fmax_gx および制御量上限値の増加量Fmax_pよりも常に小さくなる訳ではない。
上記のステップS3ないしステップS5についで、制御量上限値の調停をおこなう(ステップS6)。このステップS6の制御は、車両1の走行条件に合わせて、ステップS3ないしステップS5の処理で求めた制御量上限値の増加量(Fmax_gx )または制御量上限値の増加量(Fmax_p)または制御量上限値の増加量(Fmax_gy )のうち、最も小さい値を選択し、選択された制御量上限値の増加量を、ベース制御量上限値(Fmax_base )に加算して、最終的な制御量上限値Fmaxを求める制御であり、(式8)で表される。なお、いずれかの制御量上限値の増加量が「零」となった場合は、ベース制御量上限値が、最終的な制御量上限値となる。
Figure 2011218953
上記(式8)において、Min は、最も小さい値を意味する。このステップS6の制御についで、ステップS1で計算した制御駆動力Fctrl を、最終的な制御量上限値Fmaxにより制限して、上限処理後の制御駆動力Fctrl_lim を求める処理をおこない(ステップS7)、スタートに戻る。このステップS7の処理は(式9)で表される。
Figure 2011218953
このようにして、ステップS7の処理により求められる上限処理後の制御駆動力は、前輪2および後輪3のそれぞれについて求められる値であり、ステップS1で計算された上限処理前の制御駆動力よりも小さい(低い)値である。
つぎに、図1の制御例を実行して上限処理後の制御駆動力を求めるタイムチャートの一例を、図5に基づいて説明する。Time0 〜Time1 の間は、車両が平坦路を直進走行し、かつ、車速が一定であり、最終的に求められる上限処理後の制御駆動力は、ベース制御量上限値である。一方、Time1 ないしTime2 の間は、平坦路を車速一定で旋回走行している。旋回走行中なので、横加速度の変化について運転者の感度は鈍くなっているが、車速一定であるため、前後加速度の変化について運転者は敏感である。したがって、上限処理後の制御駆動力はベース制御量上限値に維持される。
一方、Time2 ないしTime3 の間は、登坂路を相対的に小さく加速しながら旋回走行している。この場合は、ベース制御量上限値に制御量上限値の増加量Fmax_gx を加えて、上限処理後の制御駆動力が求められる。さらにまた、Time3 ないしTime4 の間は、登坂路を相対的に大きく加速しながら旋回走行している。この場合は、ベース制御量上限値に制御量上限値の増加量(Fmax_gy )を加えて、上限処理後の制御駆動力が求められる。
以上のように、車両1の実際のステア特性を目標ステア特性に近づけるにあたり、各車輪毎の駆動力を相対的に大きくして、ステア特性の変化応答性を向上させることができることに加えて、各車輪毎に増加させる分の駆動力を、車両1の走行状況に合わせて選択する。これにより、運転者が違和感を持ちにくい状況では、ステア特性を相対的に大きく変化させ、運転者が違和感を持ちやすい状況では、ステア特性を相対的に小さく変化させることができ、ステア特性の変化に運転者が違和感を持つことを抑制できる。
ここで、図1に示された機能的手段と、この発明の構成との対応関係を説明すると、ステップS1が、この発明の第1算出手段に相当し、ステップS3,S4,S5が、この発明の第2算出手段に相当し、ステップS6,S7が、この発明の第3算出手段に相当する。また、図2に示された構成とこの発明の構成との対応関係を説明すると、前輪2および後輪3が、この発明の駆動輪に相当する。
なお、図1の制御例は、図2に示された車両1の他、前輪および後輪に伝達する動力を発生する動力源として、エンジンおよび電動モータが設けられた車両(ハイブリッド車)においても実行可能である。この場合、要求駆動力に基づいて、エンジンの目標出力および電動モータの目標出力が求められる。さらに、エンジンに代えて電動モータのみが設けられた車両においても、図1の制御例を実行可能である。この場合、要求駆動力に基づいて電動モータの目標出力が求められる。
さらにまた、前輪および後輪の全てにそれぞれ独立して電動モータが取り付けられた車両、つまり、インホイールモータ形式のパワートレーンを有する車両においても、図1の制御例を実行可能である。このインホイールモータ形式のパワートレーンを有する車両においては、図2に示された動力分配装置6は設けられておらず、要求駆動力、および前輪における目標駆動力、後輪における目標駆動力に基づいて、前輪用の電動モータの出力、および後輪用の電動モータの出力を制御する。そして、車両の実際のステア特性を目標とするステア特性に近づけるにあたり、各車輪毎における上限処理後の制御駆動力が、ステップS7で求められた値となるように、前輪用の電動モータの出力、および後輪用の電動モータの出力が制御される。さらに、図1に示された制御例は、エンジンまたは電動モータなどの動力源の動力が、前輪または後輪のいずれか一方に伝達されるように構成された二輪駆動車においても実行可能である。すなわち、図1の制御例は、実際のヨーレートを目標ヨーレートに近づけるために、前輪または後輪のうちの少なくとも一方で発生する駆動力を制御することのできる車両であれば実行可能である。
1…車両、 2…前輪、 3…後輪、 9…電子制御装置。

Claims (2)

  1. 車両のステア特性が目標ステア特性となるように、前記車両の駆動輪で発生する駆動力を制御する駆動力制御装置において、
    前記車両の運転者の意図に基づいて求められる前記駆動輪の基本駆動力に対して、前記車両のステア特性を相対的に向上させるために増加する分の駆動力を求める第1算出手段と、
    前記増加する分の駆動力の上限値を、前記車両の運転者が違和感を持つものとして予め定めた複数の条件に基づいて複数求める第2算出手段と、
    前記第1算出手段により求められた増加分の駆動力を、前記第2算出手段により求められた複数の上限値のうち最も小さい上限値により制限して、最終的な駆動力の増加量の上限値を求める第3算出手段と
    を備えていることを特徴とする駆動力制御装置。
  2. 前記複数の条件には、前記車両の前後加速度と、前記車両が走行する路面の勾配と、前記車両の横加速度とが含まれることを特徴とする請求項1に記載の駆動力制御装置。
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