JP2011215585A - 定着装置およびそれを用いた画像形成装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】第1ローラ上のオイルを適切に調整する。
【解決手段】第1ローラと、第2ローラと、第1ローラの表面に潤滑剤を塗布して、当該第1ローラの表面を拭う潤滑剤塗布部材と、第1ローラの表面に対して接離する潤滑剤規制ブレードを備え、画像を形成した記録媒体を第1ローラと第2ローラの間に通して狭持搬送し、画像を記録媒体に定着する定着装置であって、第1ローラに対する潤滑剤規制ブレードの当接角θ=35°〜43°の範囲に、かつ、第1ローラに対する潤滑剤規制ブレードの線圧F=0.35N/cm〜0.5N/cmの範囲に、それぞれ規制したことを特徴とする。
【選択図】図1
【解決手段】第1ローラと、第2ローラと、第1ローラの表面に潤滑剤を塗布して、当該第1ローラの表面を拭う潤滑剤塗布部材と、第1ローラの表面に対して接離する潤滑剤規制ブレードを備え、画像を形成した記録媒体を第1ローラと第2ローラの間に通して狭持搬送し、画像を記録媒体に定着する定着装置であって、第1ローラに対する潤滑剤規制ブレードの当接角θ=35°〜43°の範囲に、かつ、第1ローラに対する潤滑剤規制ブレードの線圧F=0.35N/cm〜0.5N/cmの範囲に、それぞれ規制したことを特徴とする。
【選択図】図1
Description
本発明は、静電転写により記録媒体上に転写された画像を、熱と圧力により前記印刷媒体上に定着する定着装置およびそれを用いた画像形成装置に関するものである。
一般に画像形成装置、特に大量、高速の印刷出力を要求される画像形成装置においては、電子写真方式を用いた画像形成装置が広く使われている。
ヒートローラにオイルを塗布し、ヒートローラ上の残りトナーを拭き取って、残りトナーの乗り越しを防止する機能を有する定着装置を備える電子写真方式の画像形成装置においては、オイルタンク等に溜められたオイルをポンプ等で一定量フェルト等のオイルウェブに供給し、ヒートローラに塗布するように構成しているのが一般的である。
ここでは基本的な例として、長尺状のウェブを記録媒体として用いる画像形成装置について説明する。
図7は、電子写真式画像形成装置の概略構成図である。同図において1は帯電装置、2は感光体、3は例えばレーザ光等を出射する露光装置、4は現像装置、6は記録媒体、7は搬送手段、11はトナー像5を定着させるヒートローラ、12は定着時に用紙6をヒートローラ11に加圧するバックアップローラ、10はヒートローラ11にオイルを塗布して、清掃を行うオイルウェブ、14はオイルウェブ10にポンプでオイルを供給するためのオイル供給機構、15はオイルウェブ10の新しい部位を順次提供する巻き取り駆動機構部、13は用紙6を排出するプラーローラであり、各部材は図に示すような配置関係になっている。
この画像形成装置において、帯電装置1により帯電された感光体2の表面に、露光装置3により書き込まれた静電潜像は、現像装置4により現像されて、トナー像5が形成される。
一方、用紙6がウェブ搬送ユニット7より送り出されて、前記感光体2上のトナー像5が用紙6に転写される。その後送り出された用紙6は、ヒートローラ11とバックアップローラ12の間を通り、熱と圧力によりトナー像5が印刷媒体ウェブ6上に定着され、プラーローラ13により用紙6が排出される。
ここで、印刷速度200PPM以上の超高速画像形成装置においては、定着性確保のため、ヒートローラ11の外径は70mm以上であるのが一般的である。
また、ヒートローラ11の表面層は200℃付近まで上げて制御するため、耐熱、耐摩耗性、耐油性の優れた材料を選択する必要があり、PFA(テトラフルオロエチレン・パーフロオロアルキルビニールエーテル共重合体)、PTFE(ポリテトラフルオロエチレン)、FEP(テトラフルオロエチレン・ヘキサフルオロプロピレン共重合体)などのフッ素系樹脂、その中でも特に前記PFAが最も適している。
また、従来からテキストパターンを主に印刷する画像形成装置においては、ヒートローラ11の芯金に表面被覆層として前記PFAを10〜50μm程度の焼付けたハードヒートローラにより、定着強度を確保してきた。
しかし、近年の画像形成装置においては高画質対応の要求が高まり、定着部での画質劣化を防止するために、特開2005−77671号公報(特許文献1)に記載のように、ヒートローラ11の芯金と表面被覆層のPFAとの間に熱伝導性の高いゴム層を設けたソフトローラ、あるいはヒートローラ11の芯金に表面被覆層として100〜300μm程度のPFAチューブを用いたセミソフトローラを採用するのが一般的である。
また、図8は特開昭63−101882号公報(特許文献2)に記載のオイル塗布装置の断面図である。このオイル塗布装置は、ヒートローラ11を清掃するためにオイルをヒートローラ11に塗布するエンドレス状のオイルウェブ10をジグザグ状に折り畳んで、コンパクトでかつオイルウェブ収納量の大きい清掃機構を備えている。
このオイル塗布装置では、ヒートローラ11に対し常時一定量のオイル供給が可能となるが、オイルウェブ10は常にヒートローラ11と接触しており、オイルをヒートローラ11に塗布し続けるため、ヒートローラ11表面のオイル塗布量が制御できないという問題がある。
また、特開平9−44021号公報(特許文献3)には、ヒートローラ11表面に塗布されたオイルを除去するブレードについて記載されている。このブレードにより、オイルを除去できるため、ヒートローラ11表面のオイル塗布量を制御することが出来る。
また、特開平7−271230号公報(特許文献4)には、ブレードの当接角度と、ブレードのヒートローラ11に対する押圧力について記載されている。
図9ないし図11は、ヒートローラ11ならびに用紙6(糊付け圧着用紙6p)上のオイル18の付着状態を示す図である。図9は用紙6の搬送停止時の状態を示す図、図10は用紙6の搬送開始直後の状態を示す図、図11は印刷中の状態を示す図である。
用紙6の搬送停止時には図9に示すように、バックアップローラ12の後退で用紙6はヒートローラ11から離れており、ヒートローラ11は回転を続行し、オイルウェブ10によって供給されたオイル18はヒートローラ11の全周に塗布されて待機状態にある。
一方、印刷中は図11に示すように、オイルウェブ10によってヒートローラ11へ塗布されたオイル18は、ヒートローラ11を介して用紙6へ移行して消費される。
ところが、ウェブ搬送停止後の再起動時のヒートローラ11は、バックアップローラ12が揺動してヒートローラ11に加圧するタイミングで、一旦回転を停止し、加圧終了後に、瞬時にフル加速で所定の回転数まで上げる仕組みになっている。ヒートローラ11の回転停止と、それに続くフル回転でオイルウェブ10へのフリクションは大きくなる。このとき、バックアップローラ12のヒートローラ11への加圧により、ヒートローラ11からオイルウェブ10側への力が掛かる。これによりオイルウェブ10に含浸されているオイルがオイルウェブ表面上に浮き出てくる。このため、図10に示すように、ヒートローラ11の表面は、一時的にオイルウェブ10からウェブ搬送中(印刷中)よりも多くのオイル18が塗布された状態となる。
この状態において、用紙6として糊付け圧着用紙6pなどを用いた印刷を開始すると、ウェブ搬送開始直後、ヒートローラ11に付着している多くのオイル18が、糊付け圧着用紙6pの表面に付着して、糊付け圧着用紙6pの圧着力が低下してしまう。
また、オイルウェブ10へのオイル供給量を減らした場合、ウェブ搬送開始前は、糊付け圧着用紙6pに対して適正なオイル供給ができるが、印刷中は図11に示すように、過少なオイル塗布状態となってしまう。この結果、ヒートローラ11とトナー像5の離型性が悪化し、ヒートローラ11の表面にトナー像5が付着してしまう問題が発生する。
さらに、一度オイルウェブ10へ供給したオイル18は、ウェブ搬送停止中に急激に減らすことはできない。これは、オイルウェブ10へのオイル供給を制限しても、オイルウェブ10に一旦供給されたオイル18自体を制限するものではない為である。従って、ウェブ搬送停止時に急激にヒートローラ11表面へのオイル供給を減らすことはできない。
特許文献3には、ブレードの当接角度についてのみ記載があり、ブレードの押圧力については記載されてない。
また、特許文献4には糊付圧着用紙への対応については記載がされていない。
本発明の目的は、このような従来技術の欠点を解消し、糊付け圧着用紙などを使用しても圧着力が低下することがなくトナーを定着できる定着装置およびそれを用いた画像形成装置を提供することを目的とする。
前記目的を達成するために、画像を形成した記録媒体の画像形成面に対向する第1ローラと、その第1ローラに対して接離可能に設けられて、前記記録媒体の画像形成面とは反対の裏面に対向する第2ローラと、前記第1ローラの表面に潤滑剤を塗布して、当該第1ローラの表面を拭う潤滑剤塗布部材と、その潤滑剤塗布部材に潤滑剤を供給する潤滑剤供給手段と、前記潤滑剤塗布部材の第1ローラと接触する位置よりも第1ローラ回転方向下流側で、前記第2ローラ接離位置よりも第1ローラ回転方向上流側に配置されて、前記第1ローラの表面に対して接離する潤滑剤除去ブレードを備え、前記画像を形成した記録媒体を第1ローラと第2ローラの間に通して狭持搬送し、前記画像を記録媒体に定着する定着装置であって、前記第1ローラに対する前記潤滑剤除去ブレードの当接角θ=35°〜43°の範囲に、かつ、前記第1ローラに対する前記潤滑剤除去ブレードの線圧F=0.35N/cm〜0.5N/cmの範囲に、それぞれ規制したことを特徴とする定着装置を提供する。
糊付け圧着用紙などを使用しても圧着力が低下することがなくトナーを定着できる定着装置およびそれを用いた画像形成装置を提供することができる。
実施例の説明の前に、用語の説明を行う。画像形成装置とは例えば、プリンタ、ファクシミリ、複写装置、プロッタ、これらの複合機などである。また、記録媒体は、例えば、紙、糸、繊維、皮革、金属、プラスチック、ガラス、木材、セラミックスなどの媒体である。以下では、記録媒体を用紙として説明する。画像形成とは、文字や図形、パターンなどの画像を記録媒体に付与することや、単に液滴(インク)を記録媒体に着弾させることなどをいう。
なお、ブロック図において同じ機能を持つ構成部において同じ処理を行う過程には同じ番号を付し、重複説明を省略する。
[全体の構成図]
図12に本実施例の画像形成装置の機能構成例を示す。図12に示すように、制御部206、主記憶部312、補助記憶部313、外部記憶装置I/F部314、ネットワークI/F部316、入力部317、表示部318、エンジン部319を含む。これらの構成部は、バス500により接続されている。
図12に本実施例の画像形成装置の機能構成例を示す。図12に示すように、制御部206、主記憶部312、補助記憶部313、外部記憶装置I/F部314、ネットワークI/F部316、入力部317、表示部318、エンジン部319を含む。これらの構成部は、バス500により接続されている。
制御部206は、コンピュータの中で、各装置の制御やデータの演算、加工を行うCPUである。また、制御部206は、主記憶部312に記憶されたプログラムを実行する演算装置であり、入力装置や記憶装置からデータを受け取り、演算、加工した上で、出力装置や記憶装置に出力する。
主記憶部312は、ROM(Read Only Memory)やRAM(Random Access Memory)などであり、制御部206が実行する基本ソフトウェアであるOSやアプリケーションソフトウェアなどのプログラムやデータを記憶又は一時保存する記憶装置である。
補助記憶部313は、HDD(Hard Disk Drive)などであり、アプリケーションソフトウェアなどに関連するデータを記憶する記憶装置である。外部記憶装置I/F部314は、USB(Universal Serial Bus)などのデータ伝送路を介して接続された記憶媒体315(例えば、フラッシュメモリなど)と画像形成装置とのインタフェースである。
また、記憶媒体315に、所定のプログラムを格納し、この記憶媒体315に格納されたプログラムは外部記憶装置I/F部314を介して画像形成装置にインストールされ、インストールされた所定のプログラムは画像形成装置により実行可能となる。
ネットワークI/F部316は、有線及び/又は無線回線などのデータ伝送路により構築されたLAN(Local Area Network)、WAN(Wide Area Network)などのネットワークを介して接続された通信機能を有する周辺機器と画像形成装置とのインタフェースである。
入力部317や表示部318は、キースイッチ(ハードキー)とタッチパネル機能(GUIのソフトウェアキーを含む:Graphical User Interface)を備えたLCD(Liquid Crystal Display)とから構成され、画像形成装置が有する機能を利用する際のUI(User Interface)として機能する表示及び/又は入力装置である。
エンジン部319は、実際に画像形成に係る処理を行うプロッタ、スキャナ等の機構部分や、各モータなどを駆動させる箇所である。
[画像形成装置の要部の構成図]
図13に、本発明の第1実施例の画像形成装置の要部の構成図を示す。画像形成装置は、帯電器1、感光体2、レーザ露光装置3、現像装置4、用紙搬送手段7、トナー像5を記録媒体(長尺の用紙)6に定着させるヒートローラ11、定着時に用紙6をヒートローラ11に押しつけるバックアップローラ12、ヒートローラ11にオイルを塗布し、清掃を行うオイルウェブ10、オイルウェブ10にポンプで潤滑剤を供給する潤滑剤供給機構14、オイルウェブ10の新しい部位をヒートローラ11に順次提供する巻き取り駆動機構部15、用紙6を排出するプラーローラ13、ブレード部31(図2参照)をヒートローラ11に対して接離駆動させるブレード駆動手段17を含む。また、潤滑剤とは例えば、オイルであり、以下では潤滑油をオイルであるとして説明する。
[画像形成装置の要部の構成図]
図13に、本発明の第1実施例の画像形成装置の要部の構成図を示す。画像形成装置は、帯電器1、感光体2、レーザ露光装置3、現像装置4、用紙搬送手段7、トナー像5を記録媒体(長尺の用紙)6に定着させるヒートローラ11、定着時に用紙6をヒートローラ11に押しつけるバックアップローラ12、ヒートローラ11にオイルを塗布し、清掃を行うオイルウェブ10、オイルウェブ10にポンプで潤滑剤を供給する潤滑剤供給機構14、オイルウェブ10の新しい部位をヒートローラ11に順次提供する巻き取り駆動機構部15、用紙6を排出するプラーローラ13、ブレード部31(図2参照)をヒートローラ11に対して接離駆動させるブレード駆動手段17を含む。また、潤滑剤とは例えば、オイルであり、以下では潤滑油をオイルであるとして説明する。
ヒートローラ11の内部には定着ヒータがあり、該定着ヒータに通電があるとヒートローラ11の温度(定着温度)が上昇する。オイル供給機構14は、ヒートローラ11に接触しているオイルウェブ10にオイルを供給する。これにより、オイルウェブ10からヒートローラ11表面上にオイルが塗布される。
なお、バックアップローラ12は、制御部206(図12参照)により駆動部(図示せず)を制御することでヒートローラ11に対して圧接・離間が可能な構成である。具体的には、バックアップローラ12の軸の両端がそれぞれ揺動アーム(図示せず)で保持されており、この揺動アームの移動により、ヒートローラ11に対しバックアップローラ12が圧接される。
なお、ヒートローラ11は回転制御され、また、バックアップローラ12はヒートローラ11への圧接により従動回転する。ヒートローラ11、バックアップローラ12の圧接・離間処理は、制御部206(図12参照)が行う。
また、帯電器1により帯電された感光体2表面に、レーザ露光装置3の画像書き込み露光により形成された静電潜像は、現像装置4により現像され、感光体2表面にトナー像が形成される。用紙6が用紙搬送ユニット7より送り出され、転写手段である転写器TCによって、感光体2上のトナー像が用紙6上に転写される。その後送り出された用紙6は、お互いに圧接されたヒートローラ11およびバックアップローラ12を通る。ヒートローラ11およびバックアップローラ12の間を通ると、トナー像5が用紙6に定着され、プラーローラ13によりトナー像が定着された用紙6が送り出される。
また、本発明の実施形態に係る画像形成装置は、印刷速度200PPM以上の高速定着性確保のため、ヒートローラ11の外径は70mm以上、好ましくは100mm以上に設計されている。このように大口径のヒートローラ11を用いて、ローラ外周の曲率を小さくすることにより、広いニップ幅が得られ、高速定着性の確保が可能となる。
図1は本発明の実施形態に係るオイル規制ブレード21を備えた定着装置の概略構成図、図2はそのオイル規制ブレード装置の動作状態を示す図である。
本発明の実施形態に係るオイル規制ブレード21は、図1に示すように、オイルウェブ10のヒートローラ11と接触する位置Kよりもヒートローラ回転方向下流側で、前記バックアップローラ12接離位置よりもヒートローラ回転方向上流側に配置されている。換言すれば、オイル規制ブレード21は、ヒートローラ11の回転方向に沿って(または、ヒートローラ11の回転方向において)、位置Kと位置Nとの間に配置される。
そしてオイル規制ブレード21は図1に示すように、駆動源であるステッピングモータ23と、そのステッピングモータ23の回転駆動力をプーリ26に伝えるタイミングベルト27と、そのプーリ26の同軸上に設置された偏心カム22と、可動式のオイル規制ブレード21と、前記偏心カム22の位置を判定するためのエンコーダ25と、そのエンコーダ25の回転に伴う情報を得るための位置センサ24と、その位置センサ24により検出した基準位置に対するステッピングモータ23の回転ステップ数を設定して、ステッピングモータ23に対して回転信号を出力する制御部206(図12参照)などを備え、図1に示すような配置関係になっている。
オイル規制ブレード21は図2に示すように、ユニット本体28と、そのユニット本体28をベース(図示せず)に回転可能に支持する支持軸29と、その支持軸29と同心円上に配置されて、一端が支持軸29に連結された第1の捻りバネ17aと、基端部30aが第1の捻りバネ17aの自由端に連結されて、先端部30bが前記偏心カム22のカム面と接するブレード支持体30と、基端部が第1の捻りバネ17aの他端側に連結された第2の捻りバネ17bと、基端部が第2の捻りバネ17bの自由端に連結されて、先端部がヒートローラ11側に向けて延びたブレード部31を有している。
第1の捻りバネ17aは、ブレード支持体30に対し、その支持軸29を支点として、ブレード支持体30の第2の捻りバネ17b側が偏心カム22方向へ回動するようなバネ力を保持している。このため、上記したように、ブレード支持体30は偏心カム22のカム面に接している。また、ブレード支持体30は紙面垂直方向の両端に側面部を有し、その両側面は、捻りバネ17bの支持軸となるシャフト(図示せず)を保持した構成となっている。このシャフトは軸方向の複数箇所(本実施例では4箇所)にネジ孔を有しており、ブレード部31の基端側がネジで固定されている。
偏心カム22の回転により、ブレード支持体30が押圧されヒートローラ11側へ移動し、ブレード支持体30の端部に位置する第2の捻りバネ17b及びブレード部31も、ヒートローラ11側へ移動する。これにより、ブレード部31の先端部がヒートローラ11の周面に弾接するようになっている。
なお、第2の捻りバネ17bは、偏心カム22により、ブレード支持体30がヒートローラ11側へ移動し、ブレード部31がヒートローラ11表面に接した状態において、何らかの要因により、必要以上の圧力が加わって、ヒートローラ11表面に損傷が加わることを防止する目的で設けられている。
ブレード部31は、所定の弾性を有するフッ素ゴムを、剛性を備え且つ支持機能を有する板金部材の一端に焼付け固定した構成である。また、ブレード部31の幅寸法は、使用可能な用紙6の幅よりも若干長く設定されており、ヒートローラ11の表面被覆層11b(図2参照)の幅寸法と同程度である。
図1に示すように、制御部206からの回転信号によりステッピングモータ23が回転し、その回転駆動力はタイミングベルト27を介してプーリ26に伝達される。プーリ26の上に偏心カム22が取り付けられており、偏心カム22のカム面がオイル規制ブレード21に対して最も後退した位置(図2で一点鎖線で示す偏心カム22の位置)にあるとき、オイル規制ブレード21は支持軸29を中心にして全体的にヒートローラ11から後退する位置にあり、そのためブレード部31は一点鎖線で示すようにヒートローラ11から離れた位置で停止している。
プーリ26の回転に伴い、偏心カム22のカム面が最も前進した位置(図2で実線で示す偏心カム22の位置)にくると、先の後退位置から支持軸29を中心にしてオイル規制ブレード21が全体的に反時計回り方向に回動し、ブレード部31がヒートローラ11の周面に弾接した位置で停止する。ヒートローラ11に対するブレード部31の接触圧は、第2の捻りバネ17bのバネ定数によって一定に保持される。
このようにして、図2に示すように、ブレード部31の先端部がヒートローラ11の周面に弾接することにより、ヒートローラ11の周面に付着している余剰のオイル18について掻き取り、その結果、ヒートローラ11表面上のオイル量を規制することができる。
用紙6の搬送中(印刷中)は、用紙6によってヒートローラ11からオイル18が消費されていく。また、ウェブ搬送停止時は、図9に示すように、用紙6によるオイル18消費は発生しないが、長時間、通電状態で放置される場合もあるため、オイルウェブ10の乾きを防止する目的で、オイルウェブ10から微量のオイル18をヒートローラ11に塗布している。オイル供給機構14は、ポンプによる1回当りのオイル供給量が一定である構成のため、オイル供給頻度(時間当たりの回数)を印刷中の場合よりも減らす。
また、ウェブ搬送停止後の再起動時は、図10に示すように、ヒートローラ11は、バックアップローラ12が揺動してヒートローラ11に加圧するタイミングで、一旦、停止し、加圧終了後に、フル加速で所定の回転数まで上げる。その際、バックアップローラ12のヒートローラ11への圧接に伴い、オイルウェブ10に含浸しているオイルが染み出してくる。このため、ヒートローラ11の表面には、オイルウェブ10から一時的にウェブ搬送中よりも多くのオイル18が塗布されることになる。
そこで、ウェブ搬送開始前、制御部206は、ステッピングモータ23を回転させることで、オイル規制ブレード21をヒートローラ11へ接触させ、ヒートローラ11の表面に付着している余剰のオイル18を除去する役割や、除去したオイル18をヒートローラ11へ戻す役割を果たす。このオイル18の除去・再供給で、ウェブ搬送開始時に、糊付け圧着用紙などを用いた印刷を行った場合、糊付け圧着用紙表面への過度なオイル18の塗布が抑制されて、糊付け圧着用紙の圧着力の低下を防止することができる。
ところが本発明者らの諸種の実験結果から、オイル規制ブレード21のヒートローラ11への当接角θ、ヒートローラ11への線圧F(共に図2参照)、ならびにヒートローラ11の表面硬度とオイル規制ブレード21のゴム硬度Hsの関係により、オイル規制ブレード21のオイル除去能力が変化して、十分にその効果が発揮できない場合があることが判明した。また、当接角θとは、ヒートローラ11が有する円形の面から平面視した場合の円の接線Aとブレード部31とがなす鋭角の角度である。
図3は、オイル規制ブレード21の無い場合(実線)と、オイル規制ブレード21を設けて、オイル規制ブレード21とヒートローラ11との当接角θが40°で、オイル規制ブレード21のヒートローラ11への線圧Fを0.4N/cmにした場合(一点鎖線)と、オイル規制ブレード21を設けて、オイル規制ブレード21とヒートローラ11との当接角θが20°で、オイル規制ブレード21のヒートローラ11への線圧Fを0.4N/cmにした場合(二点鎖線)の、ウェブ搬送開始直後におけるヒートローラ11表面のオイル塗布量の変化を示す特性図である。
図3の縦軸は、ヒートローラ表面のオイル量を示しており、糊付け圧着用紙の圧着が可能なオイル塗布量上限値を付記している。同図の横軸は時間の経過を示しており、用紙6の搬送開始ならびにオイル規制ブレード21の動作タイミングを付記している。
この実験では、ヒートローラ11として芯金11aにPFAの表面被覆層11bを10〜50μmの焼付けした外径が100mmのハードヒートローラを使用し、オイル規制ブレード21のブレード部31(共に図2参照)は耐熱性で耐油性の高いフッ素ゴム製のものを使用し、ゴム硬度Hs=80°である。
この図3から明らかなように、オイル規制ブレード21が無い場合(実線)、糊付け圧着用紙6pの使用時は、ウェブ搬送開始からウェブ搬送量が規定搬送量に達するまでは、ヒートローラ11表面のオイル塗布量が、糊付け圧着用紙6pの圧着可能な上限を超えるオイル塗布量となっており、糊付け圧着用紙6pに対して過度なオイル塗布が行われていることが分かる。
これに対して、オイル規制ブレード21有りの場合(一点鎖線、二点鎖線)、ウェブ搬送開始時からオイル規制ブレード21によりヒートローラ11表面のオイル塗布量が制限され、糊付け圧着用紙6pの圧着力は改善されるが、当接角θによりヒートローラ11表面のオイル量に違いが出ていることが分かる。
図4は、ゴム硬度Hs=80°のフッ素ゴム製のオイル規制ブレード21を使用し、オイル規制ブレード21のヒートローラ11への線圧Fを0.3N/cm、0.35N/cm、0.4N/cm、0.5N/cm、0.55N/cmとして、オイル規制ブレード21とヒートローラ11との当接角θを10°,20°,25°,30°,40°,45°と変化させた場合のヒートローラ11表面のオイル量を示した特性図である。
なお、以下に示す各種のテストにおいて、用紙へのオイル転写量を測定した。具体的には、オイル塗布量が最も多い、搬送停止後の再起動時のヒートローラ11の1周分をOHPシート上に転写し、移ったオイル量を、0.001gまで測定可能な精密天秤で測定し、その測定値をA4サイズ1枚当りの重量に換算した値である。
また、図中に示しているヒートローラ11表面のオイル量23mgに相当する位置に記した直線Lは、本発明者らによる他の実験から、糊付け圧着用紙6pを用いて印刷した場合、糊付け圧着用紙6pの圧着力が保持できるヒートローラ11表面上のオイル量の上限値を示している。従って、ヒートローラ11表面のオイル量がこの直線Lを超えると糊付け圧着用紙6pの圧着力が不足して、その糊付け圧着機能が発揮できなくなることを意味しており、この直線Lを基準にして後述する当接角θならびに線圧Fの範囲を特定した。
線圧F=0.4N/cmの場合に、オイル規制ブレード21とヒートローラ11との当接角θが例えば10°の場合、ヒートローラ11表面のオイル量は30mgにもなってしまい、糊付け圧着用紙6pの圧着力が不足して、その糊付け圧着機能が発揮できなくなる。
これに対してオイル規制ブレード21とヒートローラ11との当接角θが25°以上になると、ヒートローラ11表面のオイル量を直線Lの23mg以下に抑えることができ、糊付け圧着用紙6pの圧着力を所定の強度に維持することができ、特に当接角θが30°〜45°の範囲ではヒートローラ11表面のオイル量をさらに適正に維持することができる。なお、当接角θが45°を超えると、ヒートローラ11の周面に対してオイル規制ブレード21が開きすぎて、ヒートローラ11に対する線圧が不安定になり、オイル規制ブレード21のオイル除去機能が十分に発揮できなくなる。
このようなことから、オイル規制ブレード21とヒートローラ11との当接角θを25°〜45°、好ましくは30°〜45°の範囲、さらに好ましくは40°に規制すると、糊付け圧着用紙6pの圧着力を確実に確保することができる。
また、線圧F=0.35N/cmの場合には、ヒートローラ11表面のオイル量を23mg以下に抑えるためには、当接角θを33°〜45°の間にすればよい。
また、線圧F=0.5N/cmの場合には、ヒートローラ11表面のオイル量を23mg以下に抑えるためには、当接角θを35°〜43°の間にすればよい。
また、線圧F=0.3N/cm、0.55N/cmの場合には、当接角θが40°の場合に、ヒートローラ11表面のオイル量が23mg以下に抑えられた。
この図4の結果から、F=0.35〜0.5N/cmであり、当接角θ=35°〜43°にすると、ヒートローラ11表面のオイル量を23mg以下に抑えることができることが分かる。従って、F=0.35〜0.5N/cmであり、当接角θ=35°〜43°の場合に、ヒートローラ11表面へのオイルの塗布量を適切にすることが出来、糊付け圧着用紙などを使用しても圧着力が低下することがなくトナーを定着できる。
図5は、ゴム硬度Hsが85°のフッ素ゴム製のオイル規制ブレード21を使用し、オイル規制ブレード21とヒートローラ11との当接角θを40°と一定にして、オイル規制ブレード21のヒートローラ11への線圧Fを0.1N/cm,0.2N/cm,0.3N/cm,0.4N/cm,0.5N/cm,0.55N/cm,0.6N/cmと変化した場合のヒートローラ11上のオイル量をテストした特性図である。
なお、ヒートローラ11に対するオイル規制ブレード21の線圧Fは、図2に示す捻りバネ17bのバネ定数を変えることによって適宜調整した。
この図から明らかなように、オイル規制ブレード21とヒートローラ11との当接角θを40°にしても、ヒートローラ11に対するオイル規制ブレード21の線圧Fが0.1N/cmであると、ヒートローラ11上のオイル量が多く、糊付け圧着用紙6pの圧着力が不足して、その糊付け圧着機能が発揮できなくなる。
これに対してヒートローラ11に対するオイル規制ブレード21の線圧Fを0.3〜0.55N/cmの範囲、好ましくは0.4〜0.5N/cmの範囲、さらに好ましくは0.4N/cmに規制すれば、ヒートローラ11のオイル量を直線Lの23mg以下に抑えることができ、糊付け圧着用紙6pの圧着力を確実に確保することができる。なお、この傾向は、オイル規制ブレード21とヒートローラ11との当接角θを25°〜45°の範囲内で変えても同じであることが、他の実験で確認されている。
例えば、当接角θが25°の場合、及び、45°の場合でも、線圧F=0.4N/cmとすることが好ましいことが確認されている。
図6は、オイル規制ブレード21とヒートローラ11との当接角θを40°、オイル規制ブレード21のヒートローラ11への線圧Fを0.4N/cmと一定にして、フッ素ゴム製のオイル規制ブレード21のゴム硬度Hsを変化した場合のヒートローラ11表面のオイル量をテストした特性図である。
図中の実線は、ヒートローラ11の芯金に表面被覆層としてPFAを10〜50μm焼付けたハードヒートローラを使用した場合のオイル量を示している。また、二点鎖線は、ヒートローラ11の芯金とPFAチューブ100μmの表面被覆層の間に、金属珪素を混合して熱伝導率を上げたゴム層400μmを設けたソフトヒートローラ、ならびにヒートローラ11の芯金に表面被覆層として100〜300μmのPFAチューブを用いたセミソフトヒートローラを使用した場合の表面のオイル量を示している。この二点鎖線に示すように、前記ソフトヒートローラとセミソフトヒートローラは、同様の特性を示している。
この図6から明らかなように、オイル規制ブレード21のゴム硬度Hsとヒートローラ11表面のオイル量との関係は、ヒートローラ11の硬さの影響、すなわちヒートローラ11の構成の影響を受ける。
そしてハードヒートローラ(実線)の場合は、オイル規制ブレード21のゴム硬度Hs=60°〜80°の範囲、好ましくはゴム硬度Hs=70°に規制すると、オイル除去能力が高いことが分かる。従って、ハードヒートローラ(実線)の場合は、オイル規制ブレード21のゴム硬度Hs=60°〜80°の範囲に規制する必要がある。
一方、ソフトヒートローラならびにセミソフトヒートローラ(二点鎖線)の場合は、オイル規制ブレード21のゴム硬度Hs=70°〜90°の範囲、好ましくはゴム硬度Hs=80〜90°の範囲に規制すると、オイル除去能力が高いことが分かる。
前述のソフトヒートローラの例では熱伝導率の高いゴム層として400μm厚さのものを使用したが、熱伝導率の高いゴム層として200μm厚さのソフトヒートローラにおいても、図6の二点鎖線とほぼ同様の特性を示すことが別の実験で確認されている。
なお、このオイル規制ブレード21のゴム硬度Hsとヒートローラ11表面のオイル量との関係は、オイル規制ブレード21とヒートローラ11との当接角θ=25°〜45°の範囲内で当接角θを変えても、またオイル規制ブレード21とヒートローラ11との線圧F=0.3〜0.55N/cmの範囲内で線圧Fを変えてもほぼ同じであることが、他の実験で確認されている。
なお、ゴム硬度Hsのばらつきは±5°あるのが一般的である。また、ゴム硬度Hsは90°〜95°程度が製作上の上限である。
本発明の実施形態においては、印刷速度200PPM以上の高速画像形成装置で定着性確保のため、ヒートローラ11の外径は70mm以上に設計されている。また、高画質を維持するためには、ゴム層が厚く、PFA層が薄い程、高画質が得られるが、表面被覆層もヒートローラの耐磨耗性の観点から70μm以上のPFA層が必要であり、熱応答性の観点から、ゴム層の厚みは、200〜500μmが妥当である。
以上説明したように、オイル規制ブレード21とヒートローラ11との当接角θ、ブレード21のヒートローラ11への線圧F、ヒートローラ11の硬さに応じたオイル規制ブレードのゴム硬度Hsを最適化することにより、印刷再起動時にヒートローラに塗布される過剰なオイルを最大限除去可能となり、ヒートローラ11表面のオイル量を適正に規制でき、印刷中と同様な糊付け紙の圧着力を低下させない定着装置を提供することができる。
特に、θ=35°〜43°の範囲に、かつ、ヒートローラ11に対する前記潤滑剤除去ブレードの線圧F=0.35N/cm〜0.5N/cmの範囲に、それぞれ規制することで、ヒートローラ11上のオイル量を適切にすることが出来、糊付け圧着用紙などを使用しても圧着力が低下することがなくトナー像を定着できる。
前記実施形態では表面被覆層としてPFA(テトラフルオロエチレン・パーフロオロアルキルビニールエーテル共重合体)を使用したが、例えばPTFE(ポリテトラフルオロエチレン)やFEP(テトラフルオロエチレン・ヘキサフルオロプロピレン共重合体)などの他のフッ素系樹脂で表面被覆層を構成することもできる。
前記実施形態では糊付け圧着用紙を使用したが、通常の用紙を使用する場合にも適用できることは勿論のことである。
前記実施形態では熱伝導性の高いゴム層を製作するために金属珪素を使用したが、金属珪素の代わりにアルミナ微粉末やシリカなどの他の熱良導剤を所定量添加することもできる。
次に、実施例2の定着装置、画像形成装置について説明する。実施例2の定着装置は、オイル規制ブレード21を適切に制御することで、更に、適切にヒートローラ11上のオイル量を制御することが出来る。
まず、オイル規制ブレード21を制御しない場合の問題点について述べる。
[問題点]
[問題点]
例えば、特許文献2に記載されている定着機構の構成において、オイル供給機構14により、用紙搬送中や用紙停止中に必要となる規定量のオイルがオイルウェブ10へ供給されている。そして、オイルウェブ10に含浸しているオイル量は、例えば供給するオイル量を少なくしたとしても、直ぐには変化しない。オイルウェブ10は常にヒートローラ11と接触しており、オイルをヒートローラ11に塗布し続けるため、オイル供給機構14を制御してヒートローラ11表面のオイル塗布量を素早く変化させる事はできない。
通常、オイルウェブ10によってヒートローラ11へ塗布されているオイルは、用紙搬送中は用紙6によってヒートローラ11から消費されていくが、用紙停止中には、用紙6がヒートローラ11から離間しているため、オイルは用紙6により消費されない。そのため、ヒートローラ11表面には、用紙搬送中よりも多くのオイルが塗布された状態となる。この状態において、用紙6に糊付け圧着用紙などを用いた印刷を開始すると、用紙搬送開始直後、ヒートローラ11に付着しているオイルが糊付け圧着用紙表面に塗布され、オイルが過剰に塗布された部分において、糊付け圧着用紙を圧着した際の圧着力が低下してしまう問題がある。
そこで、実施例2の定着装置、画像形成装置は、この問題を解決するために、ヒートローラに塗布されたオイルを適切に調整することが出来る。
制御部206(図12参照)が、ステッピングモータ23を正回転方向(偏芯カム26は図1上で時計方向)にステップ駆動をして、位置センサ24の検出信号がH(反射板25の指標となる突出を非検出)からL(突出を検出)に切り替わったときを基点(ホームポジション:回転角度0)にして該切換り時にカウントデータを0に初期化(クリア)し、1ステップ駆動毎にカウントデータを1単位分変更する。カウントデータは、偏芯カム22の回転角度(支幹17bの回動角度)を表す。ブレード部31がヒートローラ11に対して当接させている場合には(つまり、用紙搬送されている場合には)、ヒートローラ11に対する先端部17dの押圧力が、該カウントデータに対応するものとなる。ブレード部31をヒートローラ11から離そうとしている場合には、ヒートローラ11とブレード部31の先端の離間距離が、該カウントデータに対応するものとなる。制御部206は、ステッピングモータ23をステップ駆動して偏芯カム22を介してブレード部31を駆動し、カウントデータに基づいて、ヒートローラ11に対するブレード31の、押圧力(の変更),離間および当接を制御する。
また、実施例2では、ヒートローラ11の表面には、オイルウェブ10により常にオイルが塗布されている。また、オイルの必要量は印刷時と非印刷時とで異なるため、制御部206は、常にオイルの塗布制御を行う。具体的には、オイルウェブ10へのオイル供給機構14のオイル供給間隔を制御する。オイル供給機構14の1回当たりのオイル供給量は一定のため、印刷時には適宜オイル供給が行われている。一方、非印刷時の場合は、長時間ヒートローラ11が待機状態となる場合にオイルが枯渇することを防止するため、印刷時と比較してオイル供給間隔が長め(例えば、3分に1回程度)に設定されている。
また、ヒートローラ11とバックアップロール12とで用紙6を狭持搬送している場合には、ヒートローラ11の表面のオイルは、用紙6上に転写されて徐々に消費される。また、ブレード部31が、ヒートローラ11の表面を圧接しておらず、かつ、ヒートローラ11とバックアップロール12とで用紙6を狭持搬送していない場合には、ヒートローラ11の表面のオイルが増加しないようにオイルウェブ10による塗布量の制御を行う。
用紙搬送中、用紙6はヒートローラ11に当接されているため、ヒートローラ11上のオイルが搬送される用紙6上に付着し、徐々に消費されることになる。一方、用紙搬送開始前には、用紙6はヒートローラ11に当接しておらず、用紙6によりオイルが消費されることがない。制御部206は、オイルウェブ10へのオイル供給量やオイルウェブ10の搬送を制御可能である。しかしながら、一旦、オイルウェブ10へ供給したオイル18は、ウェブ搬送停止中だけ急激に減らすことはできず、また、急激に塗布量を増加させることも難しい。つまり、オイル塗布量制御に対して、塗布されるオイル量の追従性に乏しい。
ところで、印刷開始時にはオイルウェブ10から一時的にオイル18が大量供給される。一方で、過剰なオイルが用紙6(特に、糊付け圧着用紙)に付着することは圧着性を低下させるため、用紙搬送開始前に、制御部206は、ステッピングモータ23を回転させることで、ブレード部31をヒートローラ11へ当接させ、ヒートローラ11表面に付着しているオイル量を制限(一時的に除去)する。このように、オイルを一時的に除去することにより、糊付け圧着用紙の用紙搬送を行った場合(糊づけ圧着用紙への印刷を行った場合)、糊付け圧着用紙表面に過剰なオイルが塗布されなくなる。
しかし、用紙搬送中であっても、ヒートローラ11へブレード部31を押し続けた場合、ヒートローラ11表面のオイルが枯渇し、ヒートローラ11とトナーの離型性が悪化し,ヒートローラ11表面にトナーが付着してしまう。そこで制御部206は、ヒートローラ11上のオイルが、枯渇する可能性がある期間にはブレード部31のヒートローラ11に対する押圧力を次第に下げて、該期間が経過するときブレード部31をヒートローラ11から完全に離間させ、ヒートローラ11上のオイル量を増加させる制御を行う。
[通常の印刷]
次に、通常の印刷において、ブレード部31と用紙搬送の関係について説明する。図14に、用紙搬送とブレード部31との関係を示したタイムチャートを示す。図14αは、用紙搬送について示し、図14βはブレード部31の位置について示す。図14αにおいて、値が「1」の場合には、用紙6が、ヒートローラ11とバックアップローラ12とが圧接し、用紙6を挟持して搬送する(以下、「挟持搬送」という。)ことを示す。また、値が「0」の場合には、用紙6が挟持搬送されていないことを示す。
[通常の印刷]
次に、通常の印刷において、ブレード部31と用紙搬送の関係について説明する。図14に、用紙搬送とブレード部31との関係を示したタイムチャートを示す。図14αは、用紙搬送について示し、図14βはブレード部31の位置について示す。図14αにおいて、値が「1」の場合には、用紙6が、ヒートローラ11とバックアップローラ12とが圧接し、用紙6を挟持して搬送する(以下、「挟持搬送」という。)ことを示す。また、値が「0」の場合には、用紙6が挟持搬送されていないことを示す。
また、図14βにおいて、値が「1」の場合には、ブレード部31がヒートローラ11に当接されていることを示し、値が「0」の場合には、ブレード部31がヒートローラ11から離間されていることを示す。また、横軸は時間Tを示す。また、以下の説明では、当接位置とは、ブレード部31がヒートローラ11に完全に圧接しているブレード部31の位置を示し、離間位置とは、ブレード部31がヒートローラ11から完全に離間しているブレード部31の位置を示す。
まず、用紙6への印刷開始前、ブレード部31は初期位置である離間位置に位置している。印刷開始時、タイミング6Aにおいて、制御部206は、ブレード部31の当接位置への移動を開始する。
次にタイミング6Bでは、ヒートローラ11はバックアップローラ12と離れた状態で回転している(つまり、用紙6は挟持搬送されていない)。この状態で、ブレード部31がヒートローラ11へ当接され、オイルウェブ10により供給されたヒートローラ11表面の過剰なオイル18の除去を開始する。
そして、タイミング6Bから第1所定時間T1経過後のタイミング6Cにおいて、ヒートローラ11とバックアップロール12が圧接し、用紙6上のトナー像を加熱加圧して定着させながら用紙6の狭持搬送を開始する。ここで、第1所定時間T1とは、ヒートローラ11表面のオイル18が適量となるのに十分な時間である。ここで、この適量のオイルは、印刷速度、用紙幅、オイルの種類、定着温度、用紙の素材、などの環境要素から定まるものである。従ってこれらの環境要素と、これらの環境要素に適したオイルの適量と、を対応付けたテーブル表を主記憶部312などに記憶させる。そして、制御部206が、テーブル表中の、現在の印刷速度、用紙幅、オイルの種類、定着温度、用紙の素材と対応するオイル適量を定める。そして、制御部206が、ヒートローラ11表面のオイル18が定められたオイル適量になるような第1所定時間T1を測定するようにすればよい。なお、このオイル適量は、テーブル表中のパラメータの各種組合せに対し、予め定めておくようにしても良い。また、第1所定時間T1自体も、上記したパラメータの組合せについてそれぞれ設定した値を予めテーブル化しておき、オイル制限ブレード21の制御は、第1所定時間T1が種々設定されたテーブルから値を取得してその値を基に制御するようにしても良い。
タイミング6Cから、挟持搬送開始からの用紙6の挟持搬送量が予め規定された第1所定値XAに達したときであるタイミング6Dにおいて、制御部206はブレード部31を第3速度V3で、離間位置へ移動させる。この移動は、十分な時間をかけて、ブレード部31が除去したオイル18をヒートローラ11表面に薄く引き延ばして戻しながら行われる。ブレード部31の離間位置への移動について、更に詳細に説明する。ブレード部31は、ヒートローラ11に圧接されていることから、ブレード部31の先端と、ヒートローラ11の表面は少し歪んだ状態である。従って、ブレード部31は、直ぐに離間されず、徐々に離間される。何故なら、ブレード部31とヒートローラ11の接点部分に、オイル18が溜まっているので、ブレード31の先端とヒートローラ11との間隔か開くにつれて、徐々にオイルが、回転しているヒートローラ11に塗布される(一時的に除去されていたオイルを徐々に戻す)ようになるからである。
また、第1所定値XAは印刷開始からヒートローラ11表面のオイル量が安定するまでに必要な用紙6の搬送量であり、搬送する用紙6の幅や用紙6の搬送速度によって変化する。ここで、安定したオイル量は、予め定められるものである。
また、第1所定値XAは印刷開始からヒートローラ11表面のオイル量が安定するまでに必要な用紙6の搬送量であり、搬送する用紙6の幅や用紙6の搬送速度によって変化する。ここで、安定したオイル量は、予め定められるものである。
なお、図14中のハッチングを付している部分は、用紙6が、第1所定量XA、搬送されたことを示す。
次にタイミング6Eにおいて、制御部206は、ブレード部31とヒートローラ11が離間したことを確認すると、スループットの低下を抑えるため、制御部206はブレード部31の離間速度を第3速度V3から第1速度V1に上げる。ただし、第3速度V3<第1速度V1とする。また、第1速度V1は、ブレード部31に付着しているオイルがヒートローラ11上に跳ね、用紙6に付着しない速度が望ましい。
そして、タイミング6Fにて、ブレード部31は離間位置まで移動し、停止する。
[実施形態2−1]
<間歇印刷>
次に、実施形態1の間歇印刷について説明する。間歇印刷とは、[通常の印刷]の他に、短期間印刷と印刷停止を繰り返す印刷のことである。また、間歇印刷は、ヒートローラ11とバックアップローラ12による用紙6の挟持搬送と、用紙6の搬送停止を繰り返すことでもある。また、以下で説明する1回の挟持搬送は、用紙6の搬送量が、上述した第1所定値XA未満である搬送量X1(つまり短い搬送量)であるとする。また、第1所定値XA未満の搬送量X1分、用紙が搬送されることを、「搬送処理」といい、搬送処理を停止させることを「搬送停止処理」という。
[実施形態2−1]
<間歇印刷>
次に、実施形態1の間歇印刷について説明する。間歇印刷とは、[通常の印刷]の他に、短期間印刷と印刷停止を繰り返す印刷のことである。また、間歇印刷は、ヒートローラ11とバックアップローラ12による用紙6の挟持搬送と、用紙6の搬送停止を繰り返すことでもある。また、以下で説明する1回の挟持搬送は、用紙6の搬送量が、上述した第1所定値XA未満である搬送量X1(つまり短い搬送量)であるとする。また、第1所定値XA未満の搬送量X1分、用紙が搬送されることを、「搬送処理」といい、搬送処理を停止させることを「搬送停止処理」という。
図15に、間歇印刷の場合の、用紙搬送と、ブレード部31についてのタイムチャートを示す。図15中のタイミング7A、7B、7Cは、図14中のタイミング6A、6B、6Cと同様なので、説明は省略する。
タイミング7Dにて、用紙6の挟持搬送量が第1所定値XAより少ない搬送量X1で搬送停止すると、制御部206は搬送停止のタイミングで、ブレード部31を第2速度V2で離間位置へ移動させる(ブレード部31をヒートローラ11から遠ざける)。このように、制御部206は、搬送停止処理の開始時(タイミングD)にブレード部31をヒートローラ11から離間させる。
また、図15では、搬送停止処理の開始時と同時に、ブレード部31をヒートローラ11から離間させているが、搬送停止処理の開始時近傍の時にブレード部31をヒートローラ11から離間させてもよい。
ブレード部31が離間位置に移動終了後のタイミング7Eから、予め規定された第2所定時間T2が経過すると(タイミング7F)、制御部206は、ブレード部31の当接位置への移動を開始させる(ブレード部31をヒートローラ11に近づける)。ここで、第2所定時間T2は、搬送停止時間が伸びる事によるスループットの低下を抑えるため、ヒートローラ11が1周する時間とする事が望ましい。そして、タイミング7Gで、ブレード部31がヒートローラ11に当接される。
タイミング7Gから第3所定時間T3経過後のタイミング7Hにおいて、再び、搬送処理(用紙6の挟持搬送)が開始される。ここで、図18に、第3所定時間Tを説明するための図を示す。図18に示すように、ブレード部31が当接位置へ移動終了時(移動終了の瞬間)のブレード部31がヒートローラ11に当接する箇所をαとし、該移動終了時のヒートローラ11とバックアップローラ12が圧接される箇所をβとする。そして、ヒートローラ11の回転方向に沿って、箇所αから箇所βまでの太線で示すヒートローラ11の側面を側面Sとする。第3所定時間T3とは、少なくとも、ブレードが無いと仮定した場合に、側面S上に運ばれるオイル量が、オイルウェブ10で塗布されるオイルを接点αでブレード部31によって一時的に除去されるのに必要な時間であり、多くとも、ブレードが無いと仮定した場合に、ヒートローラ11の1周分の側面上に供給されるオイル量が、ブレード部で除去されるのに必要な時間である。なお、ブレードを完全に圧接している状態では、大半のオイルを除去可能なため、ヒートローラ11のαからβまでの移動距離分だけ、ヒートローラ11を回転させる時間とほぼ一致する。第3所定時間T3は、第1所定時間T1同様のテーブルを用いて定めるようにすればよい。
また、第3所定時間T3を、ヒートローラ11表面のオイル18が適量となるのに十分な時間としてもよい。
以降、用紙6の挟持搬送量がXAに満たない短い搬送処理が続く間、定着装置はタイミング7C〜7Hで説明した動作を繰返す。
この実施例2の定着装置によれば、搬送停止処理時(タイミング7D)からタイミング7Gまでは、ブレード部31がヒートローラ11に当接せず、かつ、用紙6もヒートローラ11とバックアップローラ12とに狭持搬送されないことから、ヒートローラ11上のオイルは除去されない。また、常に、オイルウェブ10が、ヒートローラ11にオイルを塗布し続けることから、タイミング7D〜タイミング7Gまでは、ヒートローラ11上のオイルは増加し続ける。従って、ヒートローラ11の表面のオイルが枯渇することはなく、ヒートローラ11とトナーの離型性が悪化し、ヒートローラ11の表面にトナーが付着することもない。
また、タイミング7G〜7Hまでの間では、ブレード部31がヒートローラ11に圧接することから、ヒートローラ11に塗布されたオイルを、ある程度除去して、必要な量だけ、オイルを残すことが出来る。よって、本実施形態の定着装置は、ヒートローラ11に塗布されたオイルを適切に調整できる。
[実施形態2−2]
次に実施形態2について説明する。図16に、実施形態2−2の間歇印刷についての用紙搬送と、ブレード部31についてのタイムチャートを示す。タイミング8A〜8Cまでの処理については、図14記載のタイミング6A〜6C、図15記載のタイミング7A〜7Cまでの処理と同様なので、説明は省略する。
[実施形態2−2]
次に実施形態2について説明する。図16に、実施形態2−2の間歇印刷についての用紙搬送と、ブレード部31についてのタイムチャートを示す。タイミング8A〜8Cまでの処理については、図14記載のタイミング6A〜6C、図15記載のタイミング7A〜7Cまでの処理と同様なので、説明は省略する。
タイミング8Dにおいて、挟持搬送開始からの挟持搬送量X1(上述のように、X1<XA)で搬送停止しても、制御部206はブレード部31を当接位置に維持し、主記憶部312または補助記憶部313(図12参照。)に搬送量X1を記憶する。
そして、再度搬送開始し、挟持搬送開始からの、XAより少ない挟持搬送量X2で搬送停止すると、記憶部に記憶していた前回までの搬送量にX2を加算する。なお、搬送量X2は、図16には記載されていないが、タイミング8Dとタイミング8Eとの間の省略箇所に存在する。そして、挟持搬送量X3、X4、・・・と続く。
次に、タイミング8Eにおいて、y回目の搬送開始となり、XAより少ない挟持搬送量Xyで搬送停止する(タイミング8F)。そして、記憶部内で合計されていた挟持搬送量の合計量XSUM=X1+X2+・・・Xyにおいて、XSUM≧第2所定値XBとなると、最後の搬送停止のタイミング8F(つまり、用紙6の搬送量の合計XSUMが、第2所定値XB以上になった時)または、タイミング8Fの近傍のタイミングでブレード部31を第2速度V2で離間位置へ動作させる。ここで、第2所定値XBは、ブレード部31がヒートローラ11に当接され続けても、適切にトナーが定着される程度にヒートローラ11上にオイル18が残る搬送量の最大値であり、予め定められるものである。つまり、XSUM≧第2所定値XBになるということは、ヒートローラ11上のオイルが枯渇されており、適切にトナーを定着させることが出来ない状態になるということである。また、第2所定値XBの定め方については後述する。
そして、XSUM≧第2所定値XBになった時(タイミング8F)からタイミング8Iまでは、ブレード部31は、ヒートローラ11から離間される。従って、タイミング8F〜タイミング8Iまでは、ヒートローラ11上のオイルは増加し続ける。タイミング8Iから第3所定時間T3経過後のタイミング8Jでは、再び、用紙搬送処理を行う。
また、図16の例では、タイミング8Fからタイミング8Jまでは、実施形態1と同様の処理(図15記載のタイミング7D〜Hまでの処理)を行っていることを示しているが、タイミング8Fからタイミング8Jまでは、タイミング8C〜8F間での処理)を行うようにしてよい。
また、XSUM≧第2所定値XBになると、制御部206は主記憶部312または補助記憶部313に記憶していた搬送量の合計量XSUMを消去する。
この実施形態2の定着装置であれば、用紙搬送量の合計量が第2所定値XB以上になるまでは、ブレード部31をヒートローラ11に圧接させ続ける。そして、用紙搬送量の合計量が、第2所定値XB以上になると、ブレード部31をヒートローラ11から離間させる。従って、ヒートローラ11上のオイルを適切に調整できる。また、実施形態2の定着装置では、実施形態1の定着装置と比較して、ブレード部31を動かす回数が少なくすることが出来るため、スループットの低下を抑えることができる。
[第1速度V1と第2速度V2との関係]
また、図14で説明したように、用紙6の搬送量が第1所定値XAを超えた場合に、ブレード部31を第1のローラから離間させる速度のうち最も速い速度が第1速度V1である。また、搬送処理と搬送停止処理とが交互に繰り返される場合(間歇印刷の場合)、搬送停止処理の開始時(図15中のタイミング7D、図16中のタイミング8F)にブレード部31をヒートローラ11から離間させる速度が第2速度V2である。そして、第2速度V2は、第1速度V1以上であることが好ましい。何故なら、次の搬送開始までに必要な時間を短くし、スループットの低下を抑えることが出来るからである。また、高速で動作するブレード部31からオイルがヒートローラ11上に跳ねた場合でも、搬送停止中であるため、用紙6に付着することは無いからである。
[第2所定値XBの定め方]
また、上記第2の所定値XBは、搬送される用紙6の幅や用紙6の搬送速度により定まる。図17のように用紙6の幅や用紙6の搬送速度によって最適なXBを実験的に求めておく。例えば、用紙の幅の値がIであり、用紙搬送速度がiである場合には、XB=XB1である。そして、最適な第2所定値XBが定まれば、ユーザは、入力部317から該定まった第2所定値XBを入力する。そして、入力された第2所定値XBは、主記憶部312または補助記憶部313に格納され、上述した実施形態2の定着装置が実施される。
また、図14で説明したように、用紙6の搬送量が第1所定値XAを超えた場合に、ブレード部31を第1のローラから離間させる速度のうち最も速い速度が第1速度V1である。また、搬送処理と搬送停止処理とが交互に繰り返される場合(間歇印刷の場合)、搬送停止処理の開始時(図15中のタイミング7D、図16中のタイミング8F)にブレード部31をヒートローラ11から離間させる速度が第2速度V2である。そして、第2速度V2は、第1速度V1以上であることが好ましい。何故なら、次の搬送開始までに必要な時間を短くし、スループットの低下を抑えることが出来るからである。また、高速で動作するブレード部31からオイルがヒートローラ11上に跳ねた場合でも、搬送停止中であるため、用紙6に付着することは無いからである。
[第2所定値XBの定め方]
また、上記第2の所定値XBは、搬送される用紙6の幅や用紙6の搬送速度により定まる。図17のように用紙6の幅や用紙6の搬送速度によって最適なXBを実験的に求めておく。例えば、用紙の幅の値がIであり、用紙搬送速度がiである場合には、XB=XB1である。そして、最適な第2所定値XBが定まれば、ユーザは、入力部317から該定まった第2所定値XBを入力する。そして、入力された第2所定値XBは、主記憶部312または補助記憶部313に格納され、上述した実施形態2の定着装置が実施される。
また、主記憶部312または補助記憶部313に、図17に示すテーブル表を予め記憶しておく。制御部206中の算出部2062(図12参照)が、設定されている用紙の幅、及び、用紙搬送速度から、該テーブル表を用いて、第2所定値XBを算出する。例えば、用紙の幅がIであり、用紙搬送速度がiである場合には、算出部2062は第2所定値XB=XB1とする。
また、用紙の幅については、ユーザが入力部317(図12参照)から入力させるようにしても良い。その他の例として、公知の技術である、用紙の幅を検出する用紙幅検出センサ(図示せず)により、用紙の幅を求めるようにしても良い。算出部2062は、ユーザにより入力された用紙の幅、または、算出部2062により算出された用紙の幅を用いるようにしてもよい。また、用紙搬送速度については、ユーザが入力部317から入力するようにしても良いし、算出部2062が、設定されている用紙搬送速度を取得するようにしても良い。
次に、実施例3について説明する。実施例3は、実施例1で説明した定着装置、画像形成装置の構成(主に、ブレード部31の当接角などを規定した実施例)と、実施例2で説明した定着装置、画像形成装置の構成(主に、ブレード部31のヒートローラ11への圧接・離間の制御)と、を統合したものである。この実施例3の定着装置、画像形成装置であれば、実施例1、実施例2の定着装置、画像形成装置と比較して、更に、ヒートローラ11上のオイル量を調整することができ、結果として、糊付け圧着用紙などを使用しても圧着力が低下することがなくトナーを定着できる。
1・・・帯電装置、2・・・感光体、3・・・露光装置、4・・・現像装置、5・・・トナー像、6・・・記録媒体、6p・・・糊付け圧着用紙、7・・・ウェブ搬送ユニット、10・・・オイルウェブ、11・・・ヒートローラ、11a・・・芯金、11b・・・表面被覆層、12・・・バックアップローラ、13・・・プラーローラ、14・・・オイル供給機構、15・・・巻き取り駆動機構部、16・・・オイル規制ブレード制御部、17a・・・第1の捻りバネ、17b・・・第2の捻りバネ、18・・・オイル、21・・・オイル規制ブレード、22・・・偏心カム、23・・・ステッピングモータ、24・・・位置センサ、25・・・エンコーダ、26・・・プーリ、27・・・タイミングベルト、28・・・ユニット本体、29・・・支持軸、30・・・ブレード支持体、31・・・ブレード部。
Claims (20)
- 画像を形成した記録媒体の画像形成面に対向する第1ローラと、
その第1ローラに対して接離可能に設けられて、前記記録媒体の画像形成面とは反対の裏面に対向する第2ローラと、
前記第1ローラの表面に潤滑剤を塗布して、当該第1ローラの表面を拭う潤滑剤塗布部材と、
その潤滑剤塗布部材に潤滑剤を供給する潤滑剤供給手段と、
前記潤滑剤塗布部材の第1ローラと接触する位置よりも第1ローラ回転方向下流側で、前記第2ローラ接離位置よりも第1ローラ回転方向上流側に配置されて、前記第1ローラの表面に対して接離する潤滑剤規制ブレードを備え、
前記画像を形成した記録媒体を第1ローラと第2ローラの間に通して狭持搬送し、前記画像を記録媒体に定着する定着装置であって、
前記第1ローラに対する前記潤滑剤規制ブレードの当接角θ=35°〜43°の範囲に、かつ、前記第1ローラに対する前記潤滑剤除去ブレードの線圧F=0.35N/cm〜0.5N/cmの範囲に、それぞれ規制したことを特徴とする定着装置。 - 前記第1ローラに対する前記潤滑剤規制ブレードの当接角θ=30°〜45°の範囲に、
かつ、前記第1ローラに対する前記潤滑剤規制ブレードの線圧F=0.4N/cm〜0.5N/cmの範囲に、それぞれ規制したことを特徴とする請求項1記載の定着装置。 - 前記第1ローラは、芯金上に厚さが10〜50μmのフッ素系樹脂からなる表面被覆層を形成し、
かつ、前記潤滑剤規制ブレードのゴム硬度Hs=60°〜80°の範囲に規制したことを特徴とする請求項1または2記載の定着装置。 - 前記第1ローラは、芯金上に厚さが70μm以上のフッ素系樹脂からなる表面被覆層を形成し、
かつ、前記潤滑剤除去ブレードのゴム硬度Hs=70〜90°の範囲に規制したことを特徴とする請求項1または2記載の定着装置。 - 前記第1ローラは、芯金と、10μm以上のフッ素系樹脂からなる表面被覆層と、前記芯金と表面被覆層との間に設けられた150μm以上ゴム層を有し、
かつ、前記潤滑剤除去ブレードのゴム硬度Hs=70〜90°の範囲に規制したことを特徴とする請求項1または2記載の定着装置。 - 前記第1ローラの外径が70mm以上であることを特徴とする請求項1〜5何れか1項に記載の定着装置。
- 前記記録媒体が糊付け圧着用紙であることを特徴とする請求項1〜6何れか1項に記載定着装置。
- 画像を形成した記録媒体の画像形成面に対向する第1ローラと、
その第1ローラに対して接離可能に設けられて、前記記録媒体の画像形成面とは反対の裏面に対向する第2ローラと、
前記第1ローラの表面に潤滑剤を塗布して、当該第1ローラの表面を拭う潤滑剤塗布部材と、
その潤滑剤塗布部材に潤滑剤を供給する潤滑剤供給手段と、
前記潤滑剤塗布部材の第1ローラと接触する位置よりも第1ローラ回転方向下流側で、前記第2ローラ接離位置よりも第1ローラ回転方向上流側に配置されて、前記第1ローラの表面に対して接離する潤滑剤規制ブレードと、
前記記録媒体の挟持搬送量が予め定められた第1所定値未満である搬送処理と、該搬送処理後に前記記録媒体の搬送停止処理とが交互に繰り返される場合、前記搬送停止処理の開始時または該開始時の近傍に、前記潤滑剤規制ブレードを第1のローラから離間させる制御部と、を有する定着装置。 - 前記制御部は、前記第1のローラの表面に前記潤滑剤が塗布された後、次の前記搬送処理開始前までに、前記潤滑剤規制ブレードを前記第1のローラに当接させることを特徴とする請求項8記載の定着装置。
- 画像を形成した記録媒体の画像形成面に対向する第1ローラと、
その第1ローラに対して接離可能に設けられて、前記記録媒体の画像形成面とは反対の裏面に対向する第2ローラと、
前記第1ローラの表面に潤滑剤を塗布して、当該第1ローラの表面を拭う潤滑剤塗布部材と、
その潤滑剤塗布部材に潤滑剤を供給する潤滑剤供給手段と、
前記潤滑剤塗布部材の第1ローラと接触する位置よりも第1ローラ回転方向下流側で、前記第2ローラ接離位置よりも第1ローラ回転方向上流側に配置されて、前記第1ローラの表面に対して接離する潤滑剤規制ブレードと、
前記記録媒体の挟持搬送量が予め定められた第1所定値未満である搬送処理と、該搬送処理後に前記記録媒体の搬送停止処理とが交互に繰り返される場合、前記潤滑剤規制ブレードが前記第1のローラに当接された状態での、前記記録媒体の搬送量の合計が、第2所定値以上になった時または該時の近傍に、前記潤滑剤規制ブレードを前記第1のローラから離間させる制御部と、を有する定着装置。 - 前記制御部は、前記第1のローラの表面に前記潤滑剤が塗布された後、次の前記搬送処理開始前までに、前記潤滑剤規制ブレードを前記第1のローラに当接させることを特徴とする請求項10記載の定着装置。
- 前記第2所定値が入力される入力部を有することを特徴とする請求項10または11記載の定着装置。
- 前記記録媒体の搬送量が前記第1所定値以上の場合に、前記除去手段を前記第1のローラから離間させる速度のうち最も速い速度を第1速度とし、
前記搬送処理と前記搬送停止処理とが交互に繰り返される場合、前記潤滑剤規制ブレードを前記第1のローラから離間させる速度を第2速度とすると、
前記第2速度は、前記第1速度以上であることを特徴とする請求項8〜12何れか1項に記載の定着装置。 - 前記記録媒体の挟持搬送量が予め定められた第1所定値未満である搬送処理と、該搬送処理後に前記記録媒体の搬送停止処理とが交互に繰り返される場合、前記搬送停止処理の開始時または該開始時の近傍に、前記潤滑剤規制ブレードを第1のローラから離間させる制御部を有することを特徴とする請求項1〜7何れか1項に記載の定着装置。
- 前記制御部は、前記第1のローラの表面に前記潤滑剤が塗布された後、次の前記搬送処理開始前までに、前記潤滑剤規制ブレードを前記第1のローラに当接させることを特徴とする請求項14に記載の定着装置。
- 前記記録媒体の挟持搬送量が予め定められた第1所定値未満である搬送処理と、該搬送処理後に前記記録媒体の搬送停止処理とが交互に繰り返される場合、前記潤滑剤規制ブレードが前記第1のローラに当接された状態での、前記記録媒体の搬送量の合計が、第2所定値以上になった時または該時の近傍に、前記潤滑剤規制ブレードを前記第1のローラから離間させる制御部を有する請求項1〜7何れか1項に定着装置。
- 前記制御部は、前記第1のローラの表面に前記潤滑剤が塗布された後、次の前記搬送処理開始前までに、前記潤滑剤規制ブレードを前記第1のローラに当接させることを特徴とする請求項16記載の定着装置。
- 前記第2所定値が入力される入力部を有することを請求項16または17記載の特徴とする定着装置。
- 前記記録媒体の搬送量が前記第1所定値以上の場合に、前記除去手段を前記第1のローラから離間させる速度のうち最も速い速度を第1速度とし、
前記搬送処理と前記搬送停止処理とが交互に繰り返される場合、前記潤滑剤規制ブレードを前記第1のローラから離間させる速度を第2速度とすると、
前記第2速度は、前記第1速度以上であることを特徴とする請求項14〜18何れか1項に記載の定着装置。 - 感光体と、
その感光体の表面を帯電する帯電装置と、
帯電した感光体の表面に静電潜像を形成する露光装置と、
前記静電潜像を現像してトナー像を形成する現像装置と、
搬送されてきた記録媒体に前記トナー像を転写する転写装置と、
前記トナー像を転写した記録媒体を第1ローラと第2ローラの間に通して、熱と圧力によりトナー像を記録媒体上に定着する定着装置を備えた画像形成装置において、
前記定着装置が請求項1〜19のいずれか1項に記載の定着装置であることを特徴とする画像形成装置。
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