JP2011212137A - ミシン - Google Patents
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Abstract
【課題】上糸保持動作の動作中に主軸の回転速度が急激に変化すると上糸保持装置の上糸の端部の保持量が変化する。
【解決手段】S10において、主軸回転角度AがA3と等しい場合(S10;Yes)、制御装置は、速度変更フラグF1を1にし(S16)、上糸保持用パルスモータの回転角度BがB0と等しいか否かを判定する(S17)。上糸保持用パルスモータの回転角度BがB0と等しい場合(S17;Yes)、制御装置は、ミシンモータの回転速度の変更を禁止する。それ故、主軸は現在の回転速度を維持したままS12へ移行する。一方、上糸保持用パルスモータの回転角度BとB0とが等しくない場合は、(S17;No)、制御装置は、設定値に示す主軸の回転速度になるように、ミシンモータの回転速度を変更することで主軸の回転速度を変更する。
【選択図】図12
【解決手段】S10において、主軸回転角度AがA3と等しい場合(S10;Yes)、制御装置は、速度変更フラグF1を1にし(S16)、上糸保持用パルスモータの回転角度BがB0と等しいか否かを判定する(S17)。上糸保持用パルスモータの回転角度BがB0と等しい場合(S17;Yes)、制御装置は、ミシンモータの回転速度の変更を禁止する。それ故、主軸は現在の回転速度を維持したままS12へ移行する。一方、上糸保持用パルスモータの回転角度BとB0とが等しくない場合は、(S17;No)、制御装置は、設定値に示す主軸の回転速度になるように、ミシンモータの回転速度を変更することで主軸の回転速度を変更する。
【選択図】図12
Description
本発明は、縫製開始初期の数針分の縫目形成の際に、上糸の端部を保持する上糸保持機構を備えたミシンに関する。
従来、閂止め縫目を形成する閂止めミシン等、各種のミシンにおいては、縫製開始時に、加工布や上糸の種類によっては、天秤の上昇により上糸が縫針の目穴から抜けてしまい、縫目を形成できない場合がある。そこで、縫製開始時に縫針が最上位置から針穴を通過して下降し、次の上昇移動の途中で針板の上側に移動したときに、針板の下側に残っている上糸の糸端部を挟持し、数針分の縫目が形成されるまで保持し、縫製開始時における糸抜けや目飛びを防止するようにしたミシンの上糸保持機構が各種提案されている。
例えば、特許文献1に記載のミシンにおいては、縫製開始時に上糸保持装置の挟持手段がその貫通穴を針穴と合致する「初期位置」に移動し、第1針目の縫針が針板の上側に移動したときに、挟持手段が「初期位置」から「挟持位置」に移動して糸端部を挟持する。所定針数(例えば、2〜3針)分の縫製が実行されたときに、挟持手段が「挟持位置」から「開放位置」に移動して、糸端部の挟持を解除するようになっている。
このミシンでは、上糸挟持動作(上糸保持動作)を実行しない場合、1針目及び2針目のミシンモータの回転速度を夫々400rpmと900rpmに設定し、上糸保持動作を実行する場合は1針目及び2針目のミシンモータの回転速度を夫々1500rpmと2700rpmに設定している。CPUがこれらの設定に基づいてミシンモータの回転速度を制御することで、上糸保持動作を実行する場合の生産効率の向上を図っている。
しかし、特許文献1に記載のミシンにおいて、上糸保持動作の実行中に主軸の回転速度が急激に変化するため、挟持手段による上糸の端部の保持量が変化する。保持した上糸の端部の長さが短くなった場合、天秤の上昇により上糸が縫針の目穴から抜けるという問題がある。また、保持した上糸の端部の長さが長くなった場合は、その後の天秤による上糸の引き上げや生地送りにともなう上糸の送り出しにより上糸が消費されないため、上糸の端部が次に形成される上糸ループに巻き込まれるという問題がある。
本発明の目的は、糸抜けや糸の巻き込み等の縫製エラーを防止する為に、縫製開始初期において上糸保持動作の実行中に主軸の回転速度の変更を禁止するミシンを提供することである。
請求項1のミシンは、ベッド部に設けた針板と、上糸を通す目穴を有し上下動する縫針と、主軸を回転駆動して縫針を上下に駆動するミシンモータと、前記主軸の回転速度を変更可能に前記ミシンモータを制御するミシン制御手段とを備えたミシンにおいて、縫製開始時に前記縫針の目穴を挿通した上糸の端部を前記針板の下側で保持して前記縫針の上下動経路から外れた位置に移動させ且つ所定針数の針落ち後に上糸の端部を離脱させる上糸保持機構を備え、前記ミシン制御手段は、前記上糸保持機構による上糸保持動作の開始から終了までの間、前記ミシンモータの回転速度の変更を禁止することを特徴としている。
このミシンでは、縫製開始時に縫針の上下動により縫針の目穴を挿通した上糸の端部が針板の下側に移動する。上糸保持機構は、上糸保持動作を開始して上糸の端部を針板の下側で保持して縫針の上下動経路から外れた位置に移動させる。ここで、ミシン上糸保持動作の開始から終了までの間、ミシン制御手段はミシンモータの回転速度の変更を禁止する。それ故、作業者が上糸保持動作の実行中に主軸の回転速度を変更するように設定した場合にも、ミシン制御手段はミシンモータの回転速度を変更しないので主軸の回転速度が変化することなく、上糸保持動作の実行中に保持した上糸の端部の保持量が変化しない。
所定針数の針落ち後に、上糸保持機構が上糸の端部を離脱させて上糸保持動作を終了すると、ミシン制御手段はミシンモータの回転速度の変更禁止を解除する。それ故、ミシン制御手段は、ミシンモータの回転速度を変更することで、上糸保持動作の実行中に変更しようとした主軸の回転速度に変更する。
請求項2のミシンは、請求項1の発明において、前記上糸保持機構による上糸保持動作が実行中であるか否かを検知する上糸保持動作検知手段を備えたことを特徴としている。
請求項3のミシンは、請求項2の発明において、前記上糸保持機構は、前記針板の下面近傍に設けた第1糸保持部材と、前記針板の針穴を貫通した前記縫針が通過する糸穴を備え且つ前記第1糸保持部材の下側近傍において前記第1糸保持部材に対して相対移動可能に設けた第2糸保持部材と、この第2糸保持部材を回転駆動するパルスモータとを有することを特徴としている。
請求項4のミシンは、請求項3の発明において、前記上糸保持動作検知手段は、前記パルスモータに設けたエンコーダからのエンコーダ信号に基づいて前記の検知を行うことを特徴としている。
請求項5のミシンは、請求項2又は3の発明において、前記上糸保持動作検知手段は、前記上糸保持機構による上糸保持動作の開始から終了までの間、前記ミシン制御手段によりセットされるフラグに基づいて前記の検知を行うことを特徴としている。
請求項6のミシンは、請求項1〜5の何れかの発明において、前記主軸の回転速度を針数と関連つけて予め設定可能な速度設定手段と、前記速度設定手段により設定された設定値に基づいて前記主軸の回転速度を変更する過渡期間における主軸回転角度を演算する回転角度演算手段とを備え、前記ミシン制御手段は、前記上糸保持機構による上糸保持動作を開始する前記主軸の回転角度に対して前記演算手段により演算した前記主軸回転角度だけ遡った回転角度から前記ミシンモータの回転速度の変更を禁止することを特徴としている。
請求項1の発明によれば、上糸保持機構を備え、ミシン制御手段は、上糸保持機構による上糸保持動作の開始から終了までの間、ミシンモータの回転速度の変更を禁止するので、作業者が縫製開始初期において上糸保持動作の実行中に主軸の回転速度を変更するように設定した場合にも、上糸保持動作の開始から終了までの間、主軸の回転速度が変化しない。これにより、上糸保持動作の実行中に保持した上糸の端部の保持量が変化しないので、糸抜けや糸の巻き込み等の縫製エラーを防止することができる。
また、所定針数の針落ち後に、上糸保持機構が上糸の端部を離脱させて上糸保持動作を終了したとき、ミシン制御手段はミシンモータの回転速度を変更することができる。そのため、上糸保持動作の実行中に変更しようとした主軸の回転速度へ変更して、縫製サイクルタイムの向上を図ることができる。
請求項2の発明によれば、上糸保持機構による上糸保持動作が実行中であるか否かを検知する上糸保持動作検知手段を備えたので、上糸保持動作の実行中に主軸の回転速度を変更するのを確実に防止できる。
請求項3の発明によれば、上糸保持機構は、針板の下面近傍に設けた第1糸保持部材と、針板の針穴を貫通した縫針が通過する糸穴を備え且つ第1糸保持部材の下側近傍において第1糸保持部材に対して相対移動可能に設けた第2糸保持部材と、この第2糸保持部材を回転駆動するパルスモータとを有するので、上糸を糸穴に通過させた状態でパルスモータが第2糸保持部材を回転駆動することで、第1糸保持部材と第2糸保持部材との間で上糸の端部を保持することができる。
請求項4の発明によれば、上糸保持動作検知手段は、パルスモータに設けたエンコーダからのエンコーダ信号に基づいて前記の検知を行うので、パルスモータをフィードバック制御する為のエンコーダを活用して前記の検知を正確に行うことができる。
請求項5の発明によれば、上糸保持動作検知手段は、上糸保持機構による上糸保持動作の開始から終了までの間、ミシン制御手段によりセットされるフラグに基づいて前記の検知を行うので、前記の検知を簡単且つ正確に行うことができる。
請求項6の発明によれば、速度設定手段と回転角度演算手段とを備え、ミシン制御手段は、上糸保持機構による上糸保持動作を開始する主軸の回転角度に対して演算手段により演算した主軸回転角度だけ遡った回転角度からミシンモータの回転速度の変更を禁止するので、上糸保持動作の開始前に主軸の回転速度を変更する場合に、主軸の回転速度を変更する過渡期間内に上糸保持動作を開始するのを確実に防止できる。それ故、上糸保持動作の実行中に主軸の回転速度が変化しないので、保持した上糸の端部の保持量が変化するのを確実に防止できる。
以下、本発明を実施するための形態について説明する。
以下、本発明の実施例1について図面に基づいて説明する。
図1に示すように、作業テーブル8はその上に電子閂止めミシン1を載置している。電子閂止めミシン1(ミシン)は、ベッド部2と、ベッド部2の後端部から上方に立設する脚柱部5と、脚柱部5の上端部からベッド部2と対向するように前方へ延びるアーム部6等を有している。
図1に示すように、作業テーブル8はその上に電子閂止めミシン1を載置している。電子閂止めミシン1(ミシン)は、ベッド部2と、ベッド部2の後端部から上方に立設する脚柱部5と、脚柱部5の上端部からベッド部2と対向するように前方へ延びるアーム部6等を有している。
脚柱部5及びアーム部6は、主軸を回転駆動して縫針11を上下に駆動するためのミシンモータ62(図11参照)、ミシンモータ62の駆動力を主軸を介して縫針11に伝達する駆動力伝達機構(図示略)、布押え13を布押え機構(図示略)を介して上下動させる押え駆動機構(図示略)等を内部に有する。アーム部6は、その内部の前端部に、針棒10を上下動させる針棒上下動機構(図示略)、上糸7(図4参照)を引き上げる天秤を駆動する天秤駆動機構(図示略)等を有している。
ベッド部2の上面に、針穴12a(図3参照)を有する針板12を着脱可能に固定している。ベッド部2は、布押え13を有する布押え機構(図示略)と、針板12及び送り板14を前後方向(Y方向)及び左右方向(X方向)に移動させる布送り機構(図示略)に加えて、縫針11の上下動と調時して縫目を形成する半回転釜15と、ミシンモータ62の駆動力を半回転釜15に伝達する下軸16と、後述する上糸保持機構20と、縫製終了時に上糸7と下糸(図示略)を切断する糸切り機構(図示略)等を内部に有している。
次に、ベッド部2内に設けた上糸保持機構20について説明する。
図2〜図9に示すように、上糸保持機構20は、針板12の下面近傍に設けた第1糸保持板21(第1糸保持部材)と、第1糸保持板21のさらに下側近傍において、第1糸保持板21に対し相対移動可能に設けた第2糸保持板22(第2糸保持部材)と、第1糸保持板21及び第2糸保持板22を回動駆動するための回動駆動機構35等を有する。
図2〜図9に示すように、上糸保持機構20は、針板12の下面近傍に設けた第1糸保持板21(第1糸保持部材)と、第1糸保持板21のさらに下側近傍において、第1糸保持板21に対し相対移動可能に設けた第2糸保持板22(第2糸保持部材)と、第1糸保持板21及び第2糸保持板22を回動駆動するための回動駆動機構35等を有する。
針板12の下面における針穴12a(図3参照)よりも後方位置において、支持ピン24が、第1糸保持板21及び第2糸保持板22を針板12と平行な方向に回動可能に支持している。図3に示すように、支持ピン24には、第1糸保持板21の下面と第2糸保持板22の上面との間に所定の上下方向寸法の間隙(例えば0.2mm程度)を与えるためのスペーサ部材18を設けている。
第1糸保持板21は、前方に突出して設けた保持腕部21aの前端部に貫通穴21bを有しており、縫針11の目穴11a(図4参照)から下方に延びる上糸7を受け入れることが可能である。第1糸保持板21は、左方に突出して設けたバネ受け部21cを有しており、このバネ受け部21c先端部と針板12下面の後端部に固着したバネ係止板25とを、引っ張りコイルバネ26が掛装している。引っ張りコイルバネ26は、第1糸保持板21を図5における反時計回りの方向に弾性付勢する。第1糸保持板21後端部に突出して設けたストッパ部21dは、バネ係止板25に当接し、第1糸保持板21を図5に示す係止位置に係止する。
第2糸保持板22は、前方に突出して設けた保持腕部22a前端部に、針板12の針穴12aを貫通した縫針11が通過する糸穴22bを有している。第2糸保持板22は、その後端部に左方に突出するように設けた連結腕部22cを有する。連結腕部22cに形成した係合穴22d(図5参照)に、連結腕部22c下側に位置する糸保持連桿45に固着した上向きの連結ピン46が下側から嵌合する。第2糸保持板22と糸保持連桿45とは、連結ピン46と係合穴22dの係合を介して回動可能に連結する。
第2糸保持板22は、保持腕部22aの糸穴22bよりも後方位置に上方に突出した係合ピン27を固着している。第2糸保持板22が、図7に示す「上糸保持位置」から図9に示す「待避位置」に回動する際に、係合ピン27は第1糸保持板21の保持腕部21aに係合する。その結果、第1糸保持板21は、引っ張りコイルバネ26の付勢力に抗して、第2糸保持板22と共に、図7に示す「上糸保持位置」から図9に示す「待避位置」に回動する。
針板12下面には、ネジ止めした固定刃30と、支持ピン32により回動可能に支持した可動刃31を設けている。可動刃31は糸切り連桿(図示略)の先端部に連結している。糸切断に際し、糸切りソレノイド(図示略)の駆動により糸切り駆動系を介して糸切り連桿が前方に移動すると、可動刃31は回動して固定刃30と協働して上糸7及び下糸を切断する。
次に、糸保持連桿45を介して第1糸保持板21及び第2糸保持板22を回動駆動する回動駆動機構35について説明する。
図1、図2に示すように、ベッド部2は、その内部に上糸保持用パルスモータ36を、取付け板37を介して固着している。上糸保持用パルスモータ36の駆動軸36aに駆動レバー38の基端部を固着し、駆動レバー38先端部は連結ボルト40を介してL字状のリンク板39の基端部に連結する。リンク板39先端部は、回動レバー41の連結腕部41aに連結ボルト43を介して連結している。
図1、図2に示すように、ベッド部2は、その内部に上糸保持用パルスモータ36を、取付け板37を介して固着している。上糸保持用パルスモータ36の駆動軸36aに駆動レバー38の基端部を固着し、駆動レバー38先端部は連結ボルト40を介してL字状のリンク板39の基端部に連結する。リンク板39先端部は、回動レバー41の連結腕部41aに連結ボルト43を介して連結している。
回動レバー41は、鉛直向きの支持軸42を介してフレームに回動可能に設けられている。回動レバー41は、その上下に連結腕部41a,41bを有している。
回動レバー41上側の連結腕部41bは、糸保持連桿45にボルト44を介して連結する。糸保持連桿45先端部の上面に固着した連結ピン46は、前述したように連結腕部22cの係合穴22dに下側から嵌合している。
回動レバー41上側の連結腕部41bは、糸保持連桿45にボルト44を介して連結する。糸保持連桿45先端部の上面に固着した連結ピン46は、前述したように連結腕部22cの係合穴22dに下側から嵌合している。
次に、縫製開始時における第1糸保持板21及び第2糸保持板22の動作について、図4〜図10に基づいて説明する。
縫製開始前においては、図4に示すように、縫針11は、針板12上に載置した被縫製物9の上方に位置し、縫針11の目穴11aに上糸7を挿通している。針板12下面では、第1糸保持板21が、前述した係止位置(ストッパ部21dがバネ係止板25に当接した位置、図5参照)に位置している。第2糸保持板22は、糸穴22bと針板12の針穴12aとの水平方向が一致し、針穴12aを貫通した縫針11が糸穴22bを貫通可能である位置に位置している。このときの第1糸保持板21と第2糸保持板22の位置を「開始位置」と称する。
縫製開始前においては、図4に示すように、縫針11は、針板12上に載置した被縫製物9の上方に位置し、縫針11の目穴11aに上糸7を挿通している。針板12下面では、第1糸保持板21が、前述した係止位置(ストッパ部21dがバネ係止板25に当接した位置、図5参照)に位置している。第2糸保持板22は、糸穴22bと針板12の針穴12aとの水平方向が一致し、針穴12aを貫通した縫針11が糸穴22bを貫通可能である位置に位置している。このときの第1糸保持板21と第2糸保持板22の位置を「開始位置」と称する。
図5、図6に示すように、この状態から、縫い始めの最初の針落ち(第1針目)が行われると、縫針11の下降により被縫製物9を貫通した上糸7は、針板12の針穴12a及び第2糸保持板22の糸穴22bを挿通して下方に垂れ下がる。このときの第1糸保持板21と第2糸保持板22は、上述した「開始位置」に位置している。
図7、図8に示すように、第1針目の縫針11が第2糸保持板22の糸穴22bから離脱した後、回動駆動機構35の駆動により糸保持連桿45が後方に移動し、連結ピン46と係合穴22dの係合を介して第2糸保持板22が図7における時計回りの方向に回動する。第2糸保持板22は、保持腕部22aの糸穴22bに上糸7を通過させた状態で、第1糸保持板21の貫通穴21bに対向している。第2糸保持板22は、糸穴22bを通過した上糸7を第1糸保持板21の貫通穴21bに受け入れて上糸7を保持するための位置に移動する。
これにより、第1糸保持板21と第2糸保持板22は、上糸7の通路を屈曲させて糸通過抵抗付与部Sを形成し、上糸7の端部に対し糸通過抵抗を付与する。そして、第2糸保持板22の係合ピン27が、第1糸保持板21の保持腕部21aに係合する。このときの第1糸保持板21と第2糸保持板22の位置を「上糸保持位置」と称する。
第1糸保持板21の保持腕部21aと第2糸保持板22の係合ピン27との係合により、第1糸保持板21の側面と第2糸保持板22の側面との間に相対回動方向寸法の間隙を設ける。その結果、図7に示すように、第2糸保持板22の保持腕部22aの側面22eと、第1糸保持板21の貫通穴21bの側面(内面)21fとの間に相対回動方向に沿った寸法の間隙Dを維持している。
その後、被縫製物9を送りつつ縫製が進行し、所定の回数(例えば2〜3回)針落ちが行われると、図9、図10(煩雑防止のため1回の針落ちのみ行われた場合を示す)に示すように、回動駆動機構35の駆動により糸保持連桿45がさらに後方に移動する。糸保持連桿45の後方移動により、第2糸保持板22は、図9における時計回りの方向にさらに回動する。保持腕部21aに係合した係合ピン27により、第1糸保持板21は、引っ張りコイルバネ26の付勢力に抗して第2糸保持板22と共に回動する。
その結果、第1糸保持板21と第2糸保持板22は、糸通過抵抗付与部Sを形成したまま、上糸7端部を保持するための糸通過抵抗を維持した状態で、上述した「上糸保持位置」よりも針穴12aから離れた位置まで回動する。このときの第1糸保持板21と第2糸保持板22の位置を「待避位置」と称する。
その後、縫製が進行していくと、上糸7端部は被縫製物9に引っ張られて糸通過抵抗付与部Sから抜ける。尚、保持した上糸7端部が短い場合は、糸通過抵抗付与部Sが前記保持位置に位置しているときに、数針縫えば上糸7端部は糸通過抵抗付与部Sから抜け出す。数針縫ったときに、まだ上糸7端部が糸通過抵抗付与部Sから抜け出ていない場合でも、待避位置に上糸7端部が糸通過抵抗付与部Sを移動すれば上糸7端部の糸通過抵抗付与部Sからの離脱を促進することができる。
次に、ミシン1の制御系の電気的構成について説明する。
図11に示すように、制御装置53は、CPU55とROM56とRAM57とEEPROM58を含むマイクロコンピュータと、マイクロコンピュータにデータバスなどを介して接続した入力インターフェース54a及び出力インターフェース54bと、駆動回路59〜61等を有している。制御装置53は、ROM56に記憶した制御プログラム等を実行することで、縫製動作を行う為に各種の駆動機構を制御するものである。
図11に示すように、制御装置53は、CPU55とROM56とRAM57とEEPROM58を含むマイクロコンピュータと、マイクロコンピュータにデータバスなどを介して接続した入力インターフェース54a及び出力インターフェース54bと、駆動回路59〜61等を有している。制御装置53は、ROM56に記憶した制御プログラム等を実行することで、縫製動作を行う為に各種の駆動機構を制御するものである。
ROM56は、各種の駆動機構の駆動制御と各種の表示制御とを含む縫製制御の制御プログラム、図12に示す主軸速度制御の制御プログラム、操作パネル51により選択可能な複数の縫製プログラム等を予め格納している。
ROM56は、上糸保持動作開始角度A1と、上糸保持動作終了角度A2と、速度到達回転角度A0と、回転角度B0と、回転角度B1等を予め格納している。上糸保持動作開始角度A1は、上糸保持動作を開始する主軸の回転角度である。上糸保持動作終了角度A2は、上糸保持動作を終了する主軸の回転角度である。速度到達回転角度A0は、主軸の回転速度を変更する場合、該変更した速度に到達するのに要する主軸の回転角度であり、0〜360度以内の値となる。回転角度B0は、第2糸保持板22が「上糸保持位置」に位置するときの上糸保持用パルスモータ36の回転角度である。回転角度B1は、第2糸保持板22が「退避位置」に位置するときの上糸保持用パルスモータ36の回転角度である。
RAM57は、縫製中にROM56から読み出したデータと、縫製プログラムに基づいて算出されたデータ等を格納する。EEPROM58は、作業者が操作パネル51を介して針数と関連つけて設定した主軸の回転速度等を格納している。
入力インターフェース54aには、起動停止スイッチ50と、操作パネル51と、主軸エンコーダ52等が接続している。操作パネル51(速度設定手段)は、液晶ディスプレイと、数値を入力するテンキー等を有している。作業者は、操作パネル51を介して主軸の回転速度を針数と関連つけて予め設定する。主軸に設けた主軸エンコーダ52は、主軸の回転角度と、針上停止位置及び針下停止位置を検出するものである。尚、本実施例において、主軸の回転角度は、主軸が1回転すると360度となる。
出力インターフェース54bには、ミシンモータ62を駆動する為の駆動回路59と、XY送り用パルスモータ63を駆動する為の駆動回路60と、上糸保持用パルスモータ36を駆動する為の駆動回路61等が接続している。上糸保持用パルスモータ36は、上糸保持用パルスモータ36の回転角度を検出するエンコーダ36bを備えている。エンコーダ36bは、入力インターフェース54aに接続している。
エンコーダ36bが出力したエンコーダ信号は、入力インターフェース54aを介して制御装置53に入力する。制御装置53は、エンコーダ36bからのエンコーダ信号に基づいて、上糸保持用パルスモータ36をフィードバック制御し且つ上糸保持機構20による上糸保持動作が実行中であるか否かの検知を行う。
次に、図12のフローチャートと図13の説明図に基づいて、制御装置53が実行する主軸速度制御について説明する。尚、図中Si(i=1,2・・・)は各ステップを示す。この主軸速度制御においては、上糸保持機構20による上糸保持動作の開始から終了までの間、ミシンモータ62の回転速度の変更を禁止する。
作業者が起動停止スイッチ50によりミシン1を起動すると、以下に示す初期化を行う。制御装置53は操作パネル51で選択した縫製プログラムをROM56から読み込んでRAM57に記憶する。制御装置53は、上糸保持動作開始角度A1と、上糸保持動作終了角度A2と、回転角度B0と、回転角度B1とをROM56から読み込んでRAM57に記憶する。EEPROM58に記憶された主軸の回転速度(設定値)と、該主軸の回転速度時の針数及びROM56に記憶された速度到達角度A0とに基づいて後述する主軸速度変更角度A3を算出し、RAM57に記憶する。例えば、3針目に主軸の回転速度を変更する場合、主軸速度変更角度A3は、360°*2+A0となる。前述の式の数値2は、3針目の3から1を減算した値である。
制御装置53は、速度変更フラグF1を0にする(S1)。制御装置53は、上糸保持用パルスモータ36を駆動して第2糸保持板22を「開始位置」へ駆動させて、上糸保持用パルスモータ36の回転角度Bを0にする(S2)。制御装置53は、縫製データカウンタのカウンタ値Nを1にする(S3)。
次に、制御装置53は、縫製データカウンタのカウンタ値Nに基づいて、縫製プログラムの中からN番目の縫製データをRAM57から読込む(S4)。制御装置53は、主軸エンコーダ52のエンコーダ信号、エンコーダ36bのエンコーダ信号等の各種信号を読込み(S5)、S6へ移行する。制御装置53は、ミシンモータ62が停止中か否かを判断する(S6)。ミシンモータ62が停止中の場合(S6;Yes)、ミシンモータ62を駆動して(S7)、処理をS8に移行する。ミシンモータ62が駆動中の場合(S6;No)、制御装置53は、処理をS8に移行する。
制御装置53は、主軸エンコーダ52のエンコーダ信号が示す主軸の回転角度(以降、主軸回転角度Aと称す)と、RAM57に記憶された上糸保持動作開始角度A1とが等しいか否かを判定する(S8)。制御装置53は、主軸回転角度AがほぼA1である場合にA1と等しいと判定し、以降の主軸回転角度Aと上糸保持用パルスモータの回転角度Bに関する判定についても同様の判定を行う。主軸回転角度AがA1と等しくない場合(S8;No)、制御装置53は、主軸回転角度Aと、RAM57に記憶された上糸保持動作終了角度A2とが等しいか否かを判定する(S9)。
主軸回転角度AがA2と等しくない場合(S9;No)、制御装置53は、主軸回転角度Aと、RAM57に記憶された主軸速度変更角度A3とが等しいか否かを判定する(S10)。主軸回転角度AがA3と等しくない場合(S10;No)、制御装置53は、速度変更フラグF1が1か否かを判定する(S11)。速度変更フラグF1が0の場合(S11;No)、制御装置53は、現在読み込んでいる縫製データが最終縫目か否かを判定する(S12)。現在読み込んでいる縫製データが最終縫目でない場合(S12;No)、制御装置53は、縫製データカウンタのカウンタ値Nを1だけインクリメントし(S13)、処理をS4へ移行して次の縫製データを読込む。
S8において、主軸回転角度AがA1と等しい場合(S8;Yes)、図13に示すように、制御装置53は、上糸保持用パルスモータ36を回転角度B0になるまで駆動して第2糸保持板22を「上糸保持位置」へ移動させて(S14)、S9へ移行する。S9において、主軸回転角度AがA2と等しい場合(S9;Yes)、制御装置53は、上糸保持用パルスモータ36を回転角度B1になるまで駆動して第2糸保持板22を「退避位置」へ移動させて(S15)、処理をS10へ移行する。尚、図13においては、2針目の縫針11が針板12の上面に上昇したときの主軸回転角度AをA2に設定したが、3針目以降に設定してもよい。図13のB0,B1は、上糸保持用パルスモータ36の指令値を示している。
S10において、主軸回転角度AがA3と等しい場合(S10;Yes)、制御装置53は、速度変更フラグF1を1にし(S16)、エンコーダ36bのエンコーダ信号が示す回転角度と、RAM57に記憶された回転角度B0とを比較して、上糸保持用パルスモータ36の回転角度BがB0と等しいか否かを判定する(S17)。上糸保持用パルスモータ36の回転角度BがB0と等しい場合(上糸保持動作区間)、つまり、上糸保持機構20が上糸保持動作を実行中の場合(S17;Yes)、制御装置53は、ミシンモータ62の回転速度の変更を禁止する。それ故、主軸は現在の回転速度を維持したままS12へ移行する。
S17において、上糸保持用パルスモータ36の回転角度BとB0とが等しくない場合(上糸保持動作区間以外)、つまり、上糸保持機構20が上糸保持動作を実行していない場合(S17;No)、制御装置53は、設定値に示す主軸の回転速度になるように、ミシンモータ62の回転速度を変更することで主軸の回転速度を変更する。制御装置53は、速度変更フラグF1を0にした後(S18)、処理をS12へ移行する。S12において、現在読み込んでいる縫製データが最終縫目の場合(S12;Yes)、制御装置53はミシンモータ62を停止して(S19)、この処理を終了する。尚、S17を実行する制御装置53が上糸保持動作検知手段に相当する。
次に、以上説明したミシン1の作用、効果について説明する。
上糸保持機構20を備え、上糸保持機構20による上糸保持動作の開始から終了までの間、制御装置53はミシンモータ62の回転速度の変更を禁止するので、作業者が上糸保持動作の実行中に主軸の回転速度を変更するように設定した場合にも、制御装置53はミシンモータ62の回転速度を変更しない。これにより、上糸保持動作の実行中に主軸の回転速度が変化しないので、保持した上糸7の端部の保持量が変化することなく、糸抜けや糸の巻き込み等の縫製エラーを防止することができる。
上糸保持機構20を備え、上糸保持機構20による上糸保持動作の開始から終了までの間、制御装置53はミシンモータ62の回転速度の変更を禁止するので、作業者が上糸保持動作の実行中に主軸の回転速度を変更するように設定した場合にも、制御装置53はミシンモータ62の回転速度を変更しない。これにより、上糸保持動作の実行中に主軸の回転速度が変化しないので、保持した上糸7の端部の保持量が変化することなく、糸抜けや糸の巻き込み等の縫製エラーを防止することができる。
上糸保持機構20による上糸保持動作が実行中であるか否かを上糸保持用パルスモータ36に設けたエンコーダ36bからのエンコーダ信号に基づいて検知するので、上糸保持用パルスモータ36をフィードバック制御する為のエンコーダ36bを活用して前記の検知を正確に行うことができる。
所定針数の針落ち後に、制御装置53が第1糸保持板21と第2糸保持板22を「退避位置」に移動させることで上糸7の端部を離脱させ、上糸保持動作を終了したとき、制御装置53はミシンモータ62の回転速度の変更禁止を解除する。そのため、制御装置53は、上糸保持動作の実行中に変更しようとした主軸の回転速度へ変更することができるので、縫製サイクルタイムの向上を図ることができる。
上糸保持機構20は、針板12の下面近傍に設けた第1糸保持板21と、針板12の針穴12aを貫通した縫針11が通過する糸穴22bを備え且つ第1糸保持板21の下側近傍において第1糸保持板21に対して相対移動可能に設けた第2糸保持板22と、この第2糸保持板22を回転駆動する上糸保持用パルスモータ36とを有するので、上糸7を糸穴22bに通過させた状態で上糸保持用パルスモータ36が第2糸保持板22を回転駆動することで、第1糸保持板21と第2糸保持板22との間で上糸7の端部を保持することができる。
次に、本発明の実施例2について、図14に基づいて説明する。但し、前記実施例と同一の構成には同一の符号を付し、異なる構成についてのみ説明する。この実施例2においては、上糸保持機構20による上糸保持動作の開始から終了までの間に設定される上糸保持動作フラグFに基づいて、上糸保持動作が実行中であるか否かを検知するものである。
次に、図14のフローチャートに基づいて、制御装置53が実行する主軸速度制御について説明する。尚、図中Si(i=1,2・・・)は各ステップを示す。
S2Aにおいて、制御装置53は、上糸保持用パルスモータ36を駆動して第2糸保持板22を「開始位置」へ移動させてから上糸保持動作フラグFを0にする。
S2Aにおいて、制御装置53は、上糸保持用パルスモータ36を駆動して第2糸保持板22を「開始位置」へ移動させてから上糸保持動作フラグFを0にする。
S8において、主軸回転角度Aが上糸保持動作開始角度A1と等しい場合(S8;Yes)、制御装置53は、上糸保持用パルスモータ36を回転角度B0になるまで駆動して第2糸保持板22を「上糸保持位置」へ移動させ、上糸保持動作フラグFを1にする(S14A)。その後、制御装置53は、処理をS9へ移行する。S9において、主軸回転角度Aが上糸保持動作終了角度A2と等しい場合(S9;Yes)、制御装置53は、上糸保持用パルスモータ36を回転角度B1になるまで駆動して第2糸保持板22を「退避位置」へ移動させ、上糸保持動作フラグFを0にする(S15A)。その後、制御装置53は、処理をS10へ移行する。
S10において、主軸回転角度Aが主軸速度変更角度A3と等しい場合(S10;Yes)、制御装置53は、速度変更フラグF1を1にする(S16)。その後、制御装置53は、上糸保持動作フラグFが1か否かを判定する(S17A)。上糸保持動作フラグFが1である場合、つまり、上糸保持機構20が上糸保持動作を実行中の場合(S17A;Yes)、制御装置53は、ミシンモータ62の回転速度の変更を禁止する。それ故、主軸は現在の回転速度を維持したままS12へ移行する。
S17Aにおいて、上糸保持動作フラグFが0である場合、つまり、上糸保持機構20が上糸保持動作を実行していない場合(S17A;No)、制御装置53は、設定値に示す主軸の回転速度になるように、ミシンモータ62の回転速度を変更することで主軸の回転速度を変更した後、速度変更フラグF1を0にする(S18)。このように、制御装置53は、上糸保持機構20による上糸保持動作の開始から終了までの間に設定される上糸保持動作フラグFに基づいて上糸保持動作の実行の有無を検知するので、この検知を簡単且つ正確に行うことができる。
次に、本発明の実施例3について、図15及び図16に基づいて説明する。但し、前記実施例と同一の構成には同一の符号を付し、異なる構成についてのみ説明する。
実施例1,2においては、上糸保持動作区間において主軸の速度変更を禁止したが、図15に示すように、操作パネル51により設定された設定値に基づいて主軸の回転速度を変更する場合、現在速度から変更後速度に変更するのに過渡期間を要する。
実施例1,2においては、上糸保持動作区間において主軸の速度変更を禁止したが、図15に示すように、操作パネル51により設定された設定値に基づいて主軸の回転速度を変更する場合、現在速度から変更後速度に変更するのに過渡期間を要する。
前記過渡期間における主軸角度差Δ(主軸回転角度)だけ主軸の回転速度の変更が遅れるので、上糸保持動作の開始前に主軸の回転速度を変更する場合、前記過渡期間内に上糸保持動作を開始する虞がある。この場合、保持した上糸7の端部の保持量が変化するので、糸抜けや糸の巻き込み等の縫製エラーが発生するという問題がある。
この実施例3においては、上糸保持機構20による上糸保持動作を開始する主軸の回転角度A1に対して演算した主軸角度差Δだけ遡った回転角度からの速度変更禁止区間において、ミシンモータ62の回転速度の変更を禁止することで、前記の問題点を解消するものである。
この実施例3においては、上糸保持機構20による上糸保持動作を開始する主軸の回転角度A1に対して演算した主軸角度差Δだけ遡った回転角度からの速度変更禁止区間において、ミシンモータ62の回転速度の変更を禁止することで、前記の問題点を解消するものである。
図16のフローチャートに基づいて、制御装置53が実行する主軸速度制御について説明する。尚、図中Si(i=1,2・・・)は各ステップを示す。また、図12のフローチャートと異なる点は、S16とS17との間に、後述するS161を追加したのみであるため、その部分についてのみ説明する。
S161において、制御装置53は、主軸回転角度AがA1−Δ以上、A1以下である場合(S161;Yes)、制御装置53は、ミシンモータ62の回転速度の変更を禁止する。それ故、主軸は現在の回転速度を維持したままS12へ移行する。
S161において、制御装置53は、主軸回転角度AがA1−Δ以上、A1以下である場合(S161;Yes)、制御装置53は、ミシンモータ62の回転速度の変更を禁止する。それ故、主軸は現在の回転速度を維持したままS12へ移行する。
主軸回転角度AがA1−Δ未満、または、A1より大きい場合(S161;No)、S17の処理に移行する。主軸角度差Δは、位置と、速度と、加速度の関係式(V*V)−(V0*V0) = 2*a*d(V:速度、V0:初速、a:加速度、d:位置)から求める。前述の式に、現在の主軸の回転速度をV0、変更後の主軸の回転速度をVに入れる。また、加速度aは、ミシンモータの特性により予め定められた値として、ROM56に記憶されているので、該値を用いる。前述した値を用いて、dすなわち主軸角度差Δを求める。
このように、制御装置53は、上糸保持機構20による上糸保持動作を開始するミシンモータ62の回転角度に対して演算した主軸角度差Δだけ遡った回転角度からミシンモータ62の回転速度の変更を禁止するので、主軸の回転速度の変更後に上糸保持動作を開始する場合に、主軸の回転速度を変更する過渡期間内に上糸保持動作を開始するのを確実に防止できる。それ故、上糸保持動作の実行中に主軸の回転速度が変化しないので、保持した上糸7の端部の保持量が変化するのを確実に防止できる。
次に、前記実施例を部分的に変更した変更例について説明する。
1]前記実施例3において、上糸保持用パルスモータ36のエンコーダ36bからのエンコーダ信号に基づいて上糸保持動作が終了したか否かを検知したが、制御装置53が第2糸保持板22を退避位置に駆動したときに設定されるフラグに基づいて、前記の検知を行ってもよい。
2]前記実施例1,2において、フットペダルからの入力信号に基づいて主軸の回転速度を変更可能なミシンに、本発明を適用してもよい。
1]前記実施例3において、上糸保持用パルスモータ36のエンコーダ36bからのエンコーダ信号に基づいて上糸保持動作が終了したか否かを検知したが、制御装置53が第2糸保持板22を退避位置に駆動したときに設定されるフラグに基づいて、前記の検知を行ってもよい。
2]前記実施例1,2において、フットペダルからの入力信号に基づいて主軸の回転速度を変更可能なミシンに、本発明を適用してもよい。
1 電子閂止めミシン1
2 ベッド部
7 上糸
11 縫針
11a 目穴
12 針板
12a 針穴
20 上糸保持機構
21 第1糸保持板
22 第2糸保持板
22b 糸穴
36 上糸保持用パルスモータ
36b エンコーダ
51 操作パネル
53 制御装置
62 ミシンモータ
2 ベッド部
7 上糸
11 縫針
11a 目穴
12 針板
12a 針穴
20 上糸保持機構
21 第1糸保持板
22 第2糸保持板
22b 糸穴
36 上糸保持用パルスモータ
36b エンコーダ
51 操作パネル
53 制御装置
62 ミシンモータ
Claims (6)
- ベッド部に設けた針板と、上糸を通す目穴を有し上下動する縫針と、主軸を回転駆動して縫針を上下に駆動するミシンモータと、前記主軸の回転速度を変更可能に前記ミシンモータを制御するミシン制御手段とを備えたミシンにおいて、
縫製開始時に前記縫針の目穴を挿通した上糸の端部を前記針板の下側で保持して前記縫針の上下動経路から外れた位置に移動させ且つ所定針数の針落ち後に上糸の端部を離脱させる上糸保持機構を備え、
前記ミシン制御手段は、前記上糸保持機構による上糸保持動作の開始から終了までの間、前記ミシンモータの回転速度の変更を禁止することを特徴とするミシン。 - 前記上糸保持機構による上糸保持動作が実行中であるか否かを検知する上糸保持動作検知手段を備えたことを特徴とする請求項1に記載のミシン。
- 前記上糸保持機構は、前記針板の下面近傍に設けた第1糸保持部材と、前記針板の針穴を貫通した前記縫針が通過する糸穴を備え且つ前記第1糸保持部材の下側近傍において前記第1糸保持部材に対して相対移動可能に設けた第2糸保持部材と、この第2糸保持部材を回転駆動するパルスモータとを有することを特徴とする請求項2に記載のミシン。
- 前記上糸保持動作検知手段は、前記パルスモータに設けたエンコーダからのエンコーダ信号に基づいて前記の検知を行うことを特徴とする請求項3に記載のミシン。
- 前記上糸保持動作検知手段は、前記上糸保持機構による上糸保持動作の開始から終了までの間、前記ミシン制御手段によりセットされるフラグに基づいて前記の検知を行うことを特徴とする請求項2又は3に記載のミシン。
- 前記主軸の回転速度を針数と関連つけて予め設定可能な速度設定手段と、
前記速度設定手段により設定された設定値に基づいて前記主軸の回転速度を変更する過渡期間における主軸回転角度を演算する回転角度演算手段とを備え、
前記ミシン制御手段は、前記上糸保持機構による上糸保持動作を開始する前記ミシンモータの回転角度に対して前記演算手段により演算した前記主軸回転角度だけ遡った回転角度から前記ミシンモータの回転速度の変更を禁止することを特徴とする請求項1〜5の何れかに記載のミシン。
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