JP6031380B2 - 二本針ミシン - Google Patents
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Description
このミシンでは、各針棒が備えている縫い針に特性の異なる2種類の糸(例えば異なる色の糸や異なる太さの糸)が通されており、何れかの針棒を選択し、その針棒を動作させて縫製を行う。
この結果、動作停止中の他方の針棒の縫い針に通された糸が、動作中の針棒やその糸に絡まり、縫い込まれてしまい、縫製不良が発生した。また、二本の糸の糸通しを間違えてしまい、目的とする糸と異なる糸で縫製を行う縫製不良が発生した。
二本の針棒のうち、操作あるいは設定により何れか一方の針棒駆動に切り替えられ、選択された針棒が備える縫い針によって縫製を行う二本針ミシンであって、
選択され駆動する一方の針棒の縫い針と、停止し駆動しない他方の針棒の縫い針とに、それぞれ供給される上糸の動きを検知する2つのセンサと、
前記二本の針棒の駆動状態と、前記2つのセンサが検知したそれぞれの上糸の動きの組み合わせとに基づき、当該二本針ミシンの動作状況を判断する制御手段と、
を備えたことを特徴とする。
前記制御手段は、当該二本針ミシンの動作状況が縫製異常であるとの判断に伴い、当該二本針ミシンを停止させることを特徴とする。
前記二本の針棒の駆動状態と、前記2つのセンサが検知したそれぞれの上糸の動きの組み合わせとからなる、複数の縫製異常パターンを記憶する記憶手段を備え、
前記制御手段は、前記記憶手段に記憶された縫製異常パターンと一致する状況であるとき、当該二本針ミシンの動作状況が縫製異常であるとの判断を行うことを特徴とする。
前記記憶手段に記憶された複数の縫製異常パターンのうち、当該二本針ミシンの動作状況の判断対象とする縫製異常パターンを選択し設定する設定手段を備え、
前記制御手段は、前記設定手段により設定された縫製異常パターンと一致する状況であるとき、当該二本針ミシンの動作状況が縫製異常であるとの判断を行うことを特徴とする。
前記制御手段が判断する縫製異常に、停止糸縫い込み検知、又は糸通し逆の誤り検知があることを特徴とする。
前記制御手段が判断した、当該二本針ミシンの動作状況を表示する表示部を備えたことを特徴とする。
本発明の実施の形態を図1〜図20に基づいて説明する。
本実施形態として記載する二本針ミシン100(以下、ミシン100)は、いわゆる電子サイクルミシンであり、縫製を行う被縫製物である布地を保持する布保持部としての保持枠を有し、その保持枠が縫い針に対し相対的に移動することにより、保持枠に保持される布地に所定の縫製データに基づく縫製パターンを形成する。また、このミシン100は、二本の針棒110,120を保有しており、針棒110,120を切り換えて選択的に使用することができる。これにより、例えば、各針棒110,120に装備された縫い針11,12に色や太さなどの特性の異なる二種類の上糸U1,U2をそれぞれ挿通し、縫製パターンを二種類の上糸で形成することが可能となっている。
ここで、鉛直上下方向をZ軸方向とし、これと直交する水平方向をX軸方向(左右方向)とし、Z軸方向とX軸方向の両方に直交する水平方向をY軸方向(前後方向)と定義する。
図1に示すように、ミシン100は、外形がX軸方向から見て略コ字状を呈するミシンフレーム101を備えている。このミシンフレーム101は、ミシン100の上部をなしY軸方向に延びるミシンアーム部102と、ミシン100の下部をなしY軸方向に延びるミシンベッド部103と、ミシンアーム部102及びミシンベッド部103とを連結する縦胴部104とを有している。
図1に示すように、布移動機構80は、ミシンベッド部103の上面において被縫製物を保持する保持枠81と、保持枠81を昇降可能に支持する支持アーム82と、支持アーム82を介して保持枠81をX軸方向に移動させるX軸モーター83(図11参照)と、支持アーム82を介して保持枠81をY軸方向に移動させるY軸モーター84(図11参照)とを備えている。
布移動機構80は、かかる構成により、保持枠81を介して被縫製物をX−Y平面の任意の位置に移動位置決めすることができ、一針ごとに任意の位置に針落ちを行うことができ、自在な縫い目の形成が可能となっている。
図4はミシンアーム部102の面部105側先端部の内部に格納されている内部構成の斜視図である。
図示のように、針上下動機構20は、上記ミシンアーム部102内においてY軸方向に沿った状態で回転可能に支持された上軸22と、上軸22の一端部から回転力を付与すミシンモーター21(図11参照)と、上軸22の他端部に設けられた釣合錘23と、釣合錘23の回転中心から偏心した位置において図示しない針棒クランクを介してY軸回りに回転可能に一端部が連結されたクランクロッド24と、針棒110又は120を選択的に保持する針棒抱き25とを備えている。
なお、針棒抱き25と各針棒110,120との連結構造については後述する。
天秤機構14は、図4に示すように、上糸U1,U2をそれぞれ挿通させる糸通し穴が一端部に形成されたベルクランク状の天秤141と、ミシンアーム部102内でフレームに回動可能に軸支された天秤クランク142とを備えている。そして、天秤141はその基端部が釣合錘23に回動可能に支持されており、基端部と先端部の中間部が天秤クランク142の回動端部に連結されている。これにより、上軸22が回転すると、天秤141の基端部が周回運動を行い、天秤クランク142との連結により、天秤141の先端部は上昇動作と下降動作とで速度が異なる所定の上下動動作を行うようになっている。
ミシンアーム部102の面部105を正面とした場合、図2に示すように、図示しない糸立てから繰り出される上糸U1,U2は、ミシンアーム部102の右側面部に設けられた複数の糸案内171,172によりそれぞれの糸経路が形成される。そして、当該糸経路の途中には、第一と第二の糸切れセンサ161,162、糸調子器131〜133、天秤141が順番に配置され、これらを通過した上糸U1,U2は、面部105の下側に設けられた糸保持装置60(図11参照)を経てそれぞれの縫い針11,12に案内される。
例えば、縫製中の上糸U1,U2は、縫い針11,12(針棒110,120)の上下動に連動するように、所定の周期で移動と停止を繰り返すので、糸切れセンサ161,162が、移動に伴うON信号と停止に伴うOFF信号を所定周期で繰り返す信号を検出することで、通常の縫製が行われていることを検知することができる。
つまり、縫製中の上糸U1,U2の動きを検知する糸切れセンサ161,162が、所定周期で繰り返すON/OFF信号を検出せず、ON信号のみやOFF信号のみを検出したり、所定周期ではないON/OFF信号を検出したりする場合には、縫製異常が発生していることが予想される。
また、縫製中ではない上糸U1,U2は、繰り出されず停止しているので、糸切れセンサ161,162が、停止に伴うOFF信号を継続して検出することで、上糸に異常がないことを検知することができる。
つまり、縫製中ではない上糸U1,U2の動きを検知する糸切れセンサ161,162が、継続するOFF信号を検出せず、ON信号を検出し、上糸の動きを検知した場合には、縫製異常が発生していることが予想される。
なお、第一の糸切れセンサ161と第二の糸切れセンサ162によって、上糸U1,U2の動きを検知して、ミシン100の動作状況を判断する制御については、後述する。
また、糸調子器133は上糸U1,U2共用であり、これらに対して同一の糸張力付与が行われる。
前述した天秤141は、その先端部がミシンアーム部102の右側面部から外部に突出するように配置されており、糸調子器133に掛け渡された上糸U1,U2がそれぞれの糸通し穴に挿通される。
図5は針棒切換機構30の正面図、図6は斜視図である。針棒切換機構30は、二本の針棒110,120を上下動可能に支持する針棒土台31と、ミシンアーム部102の面部105近傍における上部において針棒土台31を支持する支持ブロック35と、針棒110,120を針棒土台31に対する保持状態(上下動動作状態)と針棒抱き25に対する保持状態(上死点位置停止状態)とに切り替え可能な針棒停止部32,32(図7参照)と、各針棒停止部32,32に対して保持状態の切り換え動作を行う停止選択部33と、使用する針棒110又は120の縫い針11又は12を所定の縫い位置に位置合わせする切換駆動部(切換駆動機構)34とを備えている。
針棒土台31は、上下に並んで離間する上部ブロック311及び下部ブロック312と、これらに架設された状態で連結する架設部313と、上部ブロック311の上面から更に上方に延出された板状の支持部314とが一体的に形成されている。
そして、針棒土台31は、支持部314に対してY軸方向に沿って貫通形成された支持孔に挿入された支軸315を介して支持ブロック35によりY軸回りに揺動可能に支持されている。なお、支持ブロック35は、不図示のネジによりミシンアーム部102に固定される。
針棒挿入孔316,316及び針棒挿入孔317,317は、いずれも針棒土台31の長手方向に沿って貫通形性されている。従って、針棒土台31の長手方向がZ軸方向に平行となる姿勢にした場合、各針棒挿入孔316,316及び各針棒挿入孔317,317もZ軸方向に平行な状態となる。
さらに、一方の針棒挿入孔316と一方の針棒挿入孔317はが同心且つ同径であり、更に、他方の針棒挿入孔316と他方の針棒挿入孔317も同心且つ同径となるように、各々が形成されている。
そして、一方の針棒110は、一方の針棒挿入孔316にその上部が支持され、一方の針棒挿入孔317にその下部が支持される。また、他方の針棒120は、他方の針棒挿入孔316にその上部が支持され、他方の針棒挿入孔317にその下部が支持される。
なお、これらの針棒挿入孔316,316及び針棒挿入孔317,317は、いずれもその内側に図示しない摺動軸受けが設けられており、それぞれの針棒110,120は円滑に上下動を行うことが可能となっている。即ち、針棒土台31は、二本の針棒110,120を上下動可能に支持する。
針棒110と針棒120は、いずれも内部が中空の管状となっており、これらの内部には針棒停止部32の一部の構成が格納されている。図7は各針棒110,120を切り欠いて内部の針棒停止部32の構成を示した断面図である。
各針棒停止部32は、それぞれの針棒110,120を針棒土台31に対する保持状態と針棒抱き25に対する保持状態とに切り換えることが可能である。そして、後述する停止選択部33は、各針棒停止部32に対して所定の外部操作を行い、一方の針棒110が針棒抱き25に保持されると共に他方の針棒120が針棒土台31に保持された第一の選択状態と、一方の針棒110が針棒土台31に保持されると共に他方の針棒120が針棒抱き25に保持された第二の選択状態とを切り換えることで、いずれか一方の針棒110又は120のみが選択的に上下動を行うようにすることが可能となっている。
従って、針棒110側の針棒停止部32のみについて説明し、針棒120側の針棒停止部32の説明は省略する。
また、停止棒321は、上下二箇所に第一と第二の溝カム部321b,321cが形成されている。これらの溝カム部321b,321cは、停止棒321の他の部位よりも小径に形成されており、上側に位置する第一の溝カム部321bは溝の内側下部に円錐状のテーパが形成されており、下側に位置する第二の溝カム部321cは溝の内側上部に円錐状のテーパが形成されている。
さらに、針棒110の第一の溝カム部321b内に収容された針棒駆動ボール323が臨む位置には内側から外部に貫通した上側ボール出没孔112が形成されており、針棒110の第二の溝カム部321c内に収容された針棒停止ボール324が臨む位置には内側から外部に貫通した下側ボール出没孔113が形成されている。
上側ボール出没孔112は、針棒110の内側では針棒駆動ボール323よりも大径であり、外側に向かうにつれて縮径して針棒110の外周面では針棒駆動ボール323より僅かに小径となっている。また、下側ボール出没孔113の内径と針棒停止ボール324も同様の関係となっている。
また、停止棒321のピン形状部321aが押し込まれると(例えば、ピン形状部321aの突出長さの半分〜全長程度:以下、「押し込み状態」という)、上側ボール出没孔112に対して第一の溝カム部321bが合致する位置となり、下側ボール出没孔113に対して第二の溝カム部321cがやや下側に位置した状態となる。この状態では、針棒駆動ボール323は上側ボール出没孔112から内側に後退した状態となり、針棒停止ボール324は下側ボール出没孔113から一部が突出した状態となる(図7の針棒110参照)。
また、針棒土台31の下部ブロック312の上面にはボールストッパー326が設けられており、針棒110の外周面に突起が存在すると、針棒土台31に対する針棒110の下降を阻止する構造となっている。しかし、ピン形状部321aが突出状態の時には針棒停止ボール324は下側ボール出没孔113の内側に後退しているので、針棒土台31に対する針棒110の上下動が規制されない。
従って、針棒110は、上下動の動作状態となる。
また、ピン形状部321aが押し込み状態の時には針棒停止ボール324が下側ボール出没孔113から一部突出するので、ボールストッパー326により針棒土台31に対する針棒110の下降が阻止される。さらに、前述したストッパー325は、針棒110が上死点に位置するときに針棒土台31の上部ブロック311の下面に当接又は近接するように配置されており、針棒土台31に対して針棒110が上死点位置よりも上方に移動することも阻止される。
従って、針棒110は、針棒土台31に対する保持状態となる。
針棒切換機構30では、針棒土台31を支軸315を中心としてY軸回りに揺動させることで、縫い針11又は12を選択することを可能とする。
従って、切換駆動部34では、支軸315の中心線と直交して鉛直下方に下ろした垂線に、上死点と下死点の中間に位置するときの縫い針11の先端部と上死点と下死点の中間に位置するときの縫い針12の先端部とが、それぞれ一致する傾斜角度となるように、針棒土台31を揺動させる。なお、上記垂線に縫い針11の先端部と縫い針12の先端部とがそれぞれ一致する傾斜角度にある状態を、縫い針11又は縫い針12が「縫い位置にある」と言うものとする。そして、各縫い針11、12が、一個の中押さえ15と一個の釜を共用して縫い目を形成する。
停止選択部(停止選択機構)33は、針棒110と針棒120のそれぞれの針棒停止部32,32に対してそれぞれのピン形状部321a,321aに対する押し込み操作を行うことにより、第一の選択状態(一方の針棒110が針棒抱き25に保持され、他方の針棒120が針棒土台31に保持された状態)と第二の選択状態(一方の針棒110が針棒土台31に保持され、他方の針棒120が針棒抱き25に保持された状態)との状態切り換えを行う機構である。
かかる切り換えレバー332は、支軸315を中心とする半径方向に延出された入力腕332aと、いずれも入力腕332aと異なる半径方向に延出された二つの押し込み突起332b,332cとを備えている。
切り換えレバー332は、入力腕332aが上方に向いた状態で支軸315に回動可能に支持されている。この入力腕332aは、支持ブロック35に支持されたエアシリンダ331のプランジャに連結されている。なお、エアシリンダ331は、支持ブロック35に揺動可能に支持されており、プランジャの進退動作において、切り換えレバー332の入力腕332aとの連結部に生じるZ軸方向の変位を揺動により許容することが可能となっている。
また、各押し込み突起332b、332cの突出長さは、それぞれの針棒110,120が上死点高さまで上昇したときに、それぞれのピン形状部321a,321aがそれぞれの針棒110,120の保持状態を切り換えることが可能な押し込み量で押し込みが行われる長さに設定されている。
即ち、停止選択部33の切り換えレバー332により、針棒110,120を第一の選択状態(針棒110が上下動を行う状態)に切り換える際には、切換駆動部34は、針棒土台31の針棒110が縫い位置となるように揺動動作を行い、停止選択部33の切り換えレバー332により、針棒110,120を第二の選択状態(針棒120が上下動を行う状態)に切り換える際には、切換駆動部34は、針棒土台31の針棒120が縫い位置となるように揺動動作を行う。
また、エアシリンダ331の作動時に、切り換えレバー332のそれぞれの押し込み突起332b、332cが適正な位置で正確に停止するように、二つのストッパーを設けても良い。その場合には、各ストッパーの位置を調節可能とし、押し込み突起332b、332cの停止位置を調節可能としても良い。
糸端クランプ装置18は、縫い針11,12の針穴から垂れ下がる上糸端を払うことができるワイパーと、ワイパーが誘導した上糸端を吸込みことができる吸引口と、吸引口に案内した上糸端を挟持するボールと、ボールを吸引口側に移動するエアシリンダ181(図11に示す)等を備えている。
そして、縫い始め時、左右両方の縫い針11,12に上糸を通した後、作業者は図示を省略した操作パネルを操作して、ワイパーを駆動し、左右の上糸U1,U2を吸引口に案内する。縫製開始の際、左右の上糸端は吸引口に吸込まれている。しかし、糸への吸引力は弱いため、一方の針が上下動して縫い目を形成すると、一方の糸への吸引が外れる。縫目が数針形成されると、ボールが移動して縫い目を形成してない他方の針の上糸を挟持するので、他方の針の上糸が巻き込まれて、縫いこまれることがない。なお、糸切り後には、自動的にワイパーが駆動して、上糸端を吸引する。
図9は糸保持装置60の正面図、図10は斜視図である。糸保持装置60は、縫製を行う縫い針として選択されていない縫い針11又は12に挿通された上糸U1又はU2が、天秤141の引き上げ動作により縫い針11又は12から引き抜かれないように保持する為のものである。
糸保持装置60は、針棒土台31の前側下端部に装備された可動保持部材61と、可動保持部材61に対して針棒土台31の揺動方向の両側で近接対向する二つの対向部621,622を備えた固定保持部材62とを備えている。
固定保持部材62は、面部105のフレームに固定されており、対向部621,622はいずれもY−Z平面に平行となるように配設されている。
さらに、上記糸保持部611の一方の側縁部611aと固定保持部材62の一方の対向部621との隙間は、縫い針11に挿通する上糸U1を挿通する第一の糸通し部となっており、天秤141から縫い針11に至る途中の上糸U1が挿通される。
また、糸保持部611の他方の側縁部611bと固定保持部材62の他方の対向部622との隙間は、縫い針12に挿通する上糸U2を挿通する第二の糸通し部となっており、天秤141から縫い針12に至る途中の上糸U2が挿通される。
そして、縫い針11の選択時には、切換駆動部34は針棒土台31の下端部を右方に揺動させるので、可動保持部材61の糸保持部611の他方の側縁部611bが固定保持部材62の他方の対向部622側に接触する。その結果、使用しない縫い針12側の上糸U2がこれらに挟持された状態となり、天秤141の引き上げ動作に抗して上糸U2が縫い針12から引き抜かれることを防止することができる。
また、縫い針12の選択時には、切換駆動部34は針棒土台31の下端部を左方に揺動させるので、可動保持部材61の糸保持部611の一方の側縁部611aが固定保持部材62の一方の対向部621側に接触する。その結果、使用しない縫い針11側の上糸U1がこれらに挟持された状態となり、天秤141の引き上げ動作に抗して上糸U1が縫い針11から引き抜かれることを防止することができる。
中押さえ15は、縫製時に選択されている縫い針11又は12を遊挿可能な枠状部を備えており、当該枠状部が縫い針11又は12と同期して小さいストロークで上下動を行い、縫い針11又は12との摩擦により布地が大きく上下に振れないように抑えると共に布地からの縫い針11又は12の引き抜きをより確実に行われるための部材である。
この中押さえ15は、ミシンアーム部102内に設けられた図示しない中押さえ駆動機構に支持されており、当該中押さえ駆動機構は、上軸22から動力を得て中押さえ15の上下動動作付与を行っている。
糸巻き機構19(図2参照)は、釜の内部に装備するボビンに下糸を巻き付けるための機構である。糸巻き機構19は、ボビンをセットするボビン保持台19aと、上軸22から動力を得てボビン保持台19aに回転動作を付与する動力伝達機構とを備えている。当該動力伝達機構は、ボビン保持台19aにボビンがセットされたことを検知する検知レバー19bを備えており、検知レバー19bによるボビン検知時に上軸22からボビン保持台19aへの動力伝達が行われるようになっている。また、検知レバー19bは、ボビンに所定量の下糸が巻回されると、上軸22からボビン保持台19aへの動力伝達が切断されるようにもなっている。
操作パネル70(図11参照)は、タッチパネル71と液晶パネル72を備えている。この操作パネル70とミシンの制御装置90とは、有線又は無線の回線により接続されている。
タッチパネル71は、液晶パネル72の表示画面上に配されており、液晶パネル72の表示画面に対する接触位置を検出する機能を有する。
液晶パネル72は、各種キーやボタンを有する操作キー群や、各種縫製データや各種表示画面を表示する機能を有する表示部である。
つまり、操作パネル70は、液晶パネル72に表示される操作キー群などをタッチ操作することにより、例えば、電磁誘導式、磁気歪式、静電容量式、感圧式等の位置読み取り原理でタッチパネル71がタッチ指示された位置を検出し、その検出した位置に応じて、ミシンの各種操作や各種データの入力等を行ったり、各種表示画面を表示したりすること可能にする機器である。
例えば、操作パネル70は、後述する記憶手段(データメモリ94)に記憶された複数の縫製異常パターンのうち、ミシン100の動作状況の判断対象とする縫製異常パターンを選択し設定する設定手段の一部として機能する。
図11はミシン100の制御系を示したブロック図である。ミシン100は、上述した各部、各部材の動作を制御するための制御手段としての制御装置90を備えている。そして、制御装置90は、縫製における動作制御を行うためのプログラムが格納されたROM92と、演算処理の作業領域地となるRAM93と、縫製データなど各種データを記憶する記憶手段としての不揮発性のデータメモリ94と、ROM92内のプログラムを実行するCPU91とを備えている。
ミシンモーター21は、図示しないエンコーダが併設されたサーボモーターであり、その検出角度がCPU91に出力される。
また、上記X軸モーター83及びY軸モーター84はステッピングモーターであり、これらの図示しない原点検索手段がCPUに接続され、その出力からCPU91は各モーター83,84の原点位置を認識することができる。
さらに、CPU91は、図示しないインターフェイスを介して、針棒切換機構30の停止選択部33のエアシリンダ331、針棒切換機構30の切換駆動部34のエアシリンダ341及び糸端クランプ装置18のエアシリンダ181のそれぞれを作動させる電磁弁333,347,182を制御するための駆動回路333a,347a,182aと接続されている。
また、縫製時その他の場合に、上糸U1,U2の状態検出を行う第一及び第二の糸切れセンサ161,162はセンサドライバー160aを介してCPU91と接続されている。
例えば、CPU91が毎針の布送りデータを読み取った場合には、所定の上軸角度となるタイミングでX軸モーター83及びY軸モーター84を駆動し、布地を目標となる針落ち位置まで移動させる。
また、CPU91が糸張力データを読み取った場合には、所定の上軸角度となるタイミングで糸調子器133の内蔵ソレノイドを駆動し、目標となる糸張力となるように駆動させる。
即ち、「ミシンモーター停止」では、CPU91は、所定の上軸角度でミシンモーター21を停止するよう制御する。
そして、「上下糸切断」では、CPU91は、不図示の糸切りモーターを制御してそれまで縫製を行っていた上糸と下糸の糸切りを実行する。
さらに、「使用する縫い針の切り換え」では、CPU91は、針棒切換機構30の停止選択部33のエアシリンダ331と切換駆動部34のエアシリンダ341を作動させて、切り換えレバー332及び針棒土台31を揺動させる。
これにより、切り換えレバー332による、針棒110又は120の上端から突出するピン形状部321aの押し込み位置が切り換えられる。また、針棒土台31が揺動して縫い針11又は12が縫い位置に位置決めされる。
上述した「使用する縫い針の切り換え」動作について図12の動作説明図に基づいてより詳細に説明する。
制御装置90のCPU91は、縫製パターンを形成する縫いの途中で縫製データから選択縫い針データを読み取った場合、例えば、それまで縫いを行っていた縫い針から他の縫い針に切り換えを行う。ここでは、縫い針12から縫い針11に切り換える場合を例示する。
まず、CPU91は、所定の上軸停止角度である上停止位置で上軸22の回転を停止するようミシンモーター21の停止を行う。例えば、上停止位置の上軸角度は天秤141の上死点とする(例えば、針棒上死点を上軸角度0°とした場合、上軸角度30〜50°の範囲)。この時、針棒上死点を通過した位置でミシンモーター21を停止させるので、それまで縫いを行っていた縫い針12を保持する針棒120は上死点位置よりも幾分下降動作を生じる。なお、図12(A)では針棒120を大きく下降させた状態を図示しているが、針棒110と上停止位置で停止している針棒120の高低差は図12(A)の場合よりも小さい。
その後、図12(B)に示すように、針棒切換機構30の切換駆動部34のエアシリンダ341を作動させて、針棒土台31を下端部が右方に向かう方向に揺動させる。これにより、縫い針12が縫い位置(支軸315の直下位置)から外れてから縫い針11が縫い位置に切り換えられる。
この時点では、針棒12が幾分下降しているので、押し込み突起332cと針棒120のピン形状部321aとが干渉を生じることなく切り換えレバー332を回動させることが可能である。
一方、針棒110内では、針棒駆動ボール323が上側ボール出没孔112から突出し、針棒抱き25に保持された状態となる。
その後、ミシンモーター21は通常の回転方向で回転を再開して、縫い針11による針落ちが行われるが、縫い針12の上糸U2は糸保持部611の側縁部611bと対向部622とに挟持されているので、天秤141により上方に引き上げられても縫い針12からの引き抜きの発生は防止される。また、縫製開始後、縫い目が数針形成されると、糸端クランプ装置18のボールが移動して、縫い目を形成してない縫い針12の上糸を挟持するので、縫い針12の上糸が巻き込まれて、縫い込まれることが防止される。
次に、ミシン100における第一の糸切れセンサ161と第二の糸切れセンサ162を用いた、ミシンの動作状況判断について説明する。なお、第一の糸切れセンサ161と第二の糸切れセンサ162を総称して、上糸の動きを検知する2つのセンサと呼ぶ。
ここでは、一方の針棒110が選択され、その針棒110が備える縫い針11による縫製を行う場合を例に説明する。なお、他方の針棒120が備える縫い針12による縫製を行う場合も同様であるので、その説明は省略する。
つまり、針棒110の縫い針11を用いた縫製を行う際に、第一の糸切れセンサ161と第二の糸切れセンサ162が図13の「No.1」部分に示す信号をそれぞれ検出することで、通常の縫製が行われていることを検知することができる。
つまり、針棒110の縫い針11を用いた縫製を行う際に、第一の糸切れセンサ161と第二の糸切れセンサ162が図13の「No.3」部分に示す信号をそれぞれ検出することで、縫製中ではない上糸U2が縫い込まれている縫製異常を検知することができる。
つまり、針棒110の縫い針11を用いた縫製を行う際に、第一の糸切れセンサ161と第二の糸切れセンサ162が図13の「No.2」部分に示す信号をそれぞれ検出することで、縫製中の上糸U1が糸切れしている縫製異常を検知することができる。
つまり、針棒110の縫い針11を用いた縫製を行う際に、第一の糸切れセンサ161と第二の糸切れセンサ162が図13の「No.4」部分に示す信号をそれぞれ検出することで、縫製中ではない上糸U2が天秤141に巻き付き、上糸U2が繰り出される縫製異常を検知することができる。
また、図14のテーブルに示すNo.1〜No.4は、図13の「No.1」〜「No.4」に相当するパターンである。
例えば、第一の糸切れセンサ161が所定周期のON/OFF信号を検出し、第二の糸切れセンサ162がOFF信号を検出することで、通常の縫製が行われていることを検知することができる(No.1)(通常縫製)。
また、第一の糸切れセンサ161がOFF信号を検出し、第二の糸切れセンサ162がOFF信号を検出することで、縫製中の上糸U1が糸切れしている縫製異常を検知することができる(No.2)(糸切れ検知)。
また、第一の糸切れセンサ161が所定周期のON/OFF信号を検出し、第二の糸切れセンサ162が所定周期のON/OFF信号を検出することで、縫製中ではない上糸U2が縫い込まれている縫製異常を検知することができる(No.3)(停止糸縫い込み検知)。
また、第一の糸切れセンサ161が所定周期のON/OFF信号を検出し、第二の糸切れセンサ162が継続するON信号や、所定周期ではないON/OFF信号を検出することで、縫製中ではない上糸U2が天秤141に巻き付いた縫製異常を検知することができる(No.4)。
また、第一の糸切れセンサ161が継続するON信号や、所定周期ではないON/OFF信号を検出し、第二の糸切れセンサ162がOFF信号を検出することで、縫製中の上糸U1が天秤141に巻き付いた縫製異常を検知することができる(No.5)。
また、第一の糸切れセンサ161が継続するON信号や、所定周期ではないON/OFF信号を検出し、第二の糸切れセンサ162が継続するON信号や、所定周期ではないON/OFF信号を検出することで、縫製中の上糸U1と縫製中ではない上糸U2がともに天秤141に巻き付いた縫製異常を検知することができる(No.6)。
また、第一の糸切れセンサ161がOFF信号を検出し、第二の糸切れセンサ162が所定周期のON/OFF信号を検出することで、上糸U1と上糸U2の糸通しが逆である縫製異常(上糸U1が縫い針12に挿通され、上糸U2が縫い針11に挿通されている誤り)を検知することができる(No.10)(糸通し逆の誤り検知)。
また、糸巻き機構19による下糸の糸巻き中、第一の糸切れセンサ161が継続するON信号や、所定周期ではないON/OFF信号を検出し、第二の糸切れセンサ162がOFF信号を検出することで、上糸U1が天秤141に巻き付いた縫製異常を検知することができる(No.8)。
また、糸巻き機構19による下糸の糸巻き中、第一の糸切れセンサ161が継続するON信号や、所定周期ではないON/OFF信号を検出し、第二の糸切れセンサ162が継続するON信号や、所定周期ではないON/OFF信号を検出することで、上糸U1と上糸U2がともに天秤141に巻き付いた縫製異常を検知することができる(No.9)。
例えば、ミシン100の動作状況を判断する制御手段90は、データメモリ94に記憶されているテーブル(図14参照)を参照し、そのテーブルにおける縫製異常パターンと一致する状況であるとき、ミシン100の動作状況が縫製異常であるとの判断を行う。
また、ミシン100の動作状況を判断する制御手段は、データメモリ94に記憶されている複数の縫製異常パターンのうち、操作パネル70を介して選択された縫製異常パターンをミシン100の動作状況の判断対象として設定するとともに、その設定された縫製異常パターンと一致する状況であるとき、ミシン100の動作状況が縫製異常であるとの判断を行う。
また、ミシン100の動作状況を判断する制御手段が、ミシン100の動作状況が縫製異常であると判断し、ミシン100を停止させた際、制御装置90(CPU91)は、操作パネル70にミシン100の動作状況を表示する処理を実行する。
次に、ミシン100の動作状況判断処理を、図15に示すフローチャートに基づき説明する。
例えば、一方の針棒110が備える縫い針11による縫製を行う場合、図14に示すテーブルのNo.1〜No.6、No.10に対応する縫製異常の検出を有効にする設定を行うとともに、縫製異常であることを確定する針数(例えば、5針)を設定する。(なお、糸巻き機構19による下糸の糸巻きを行う場合は、図14に示すテーブルのNo.7〜No.9に関する異常の検出を有効にする設定を行うようにすればよい。このように、ミシン100で縫製を行う場合と、下糸の糸巻きを行う場合に応じて、それぞれ個別に異常検知に関する設定を行うことができる。)
次いで、制御装置90(CPU91)は、操作、または設定、または縫製パターンデータによって選択され駆動している針棒が左側の針棒110か右側の針棒120か確認し(ステップS3)、2つの糸切れセンサ161,162がそれぞれ検知する上糸U1,U2の動きを確認する(ステップS4)。
そして、制御装置90(CPU91)は、二本の針棒110,120の駆動状態と、2つの糸切りセンサ161,162が検知したそれぞれの上糸U1,U2の動きの組み合わせとに基づき、ミシン100の動作状況を判断し、縫製異常の有無を判定する(ステップS5)。この縫製異常の有無の判定は、ステップS1で設定された、図14のテーブルのNo.1〜No.6、No.10に対応する縫製異常パターンに基づいて判定される。
次いで、制御装置90(CPU91)は、異常検知の針数がステップS1で設定された針数(例えば、5針)に到達したか否か判断する(ステップS8)。
制御装置90(CPU91)が、異常検知の針数がステップS1で設定された針数(5針)に到達していないと判断すると(ステップS8;NO)、ステップS3に戻る。
一方、制御装置90(CPU91)が、異常検知の針数がステップS1で設定された針数(5針)に到達したと判断すると(ステップS8;YES)、制御装置90(CPU91)はミシンモーター21を止めて、ミシン100を緊急停止する(ステップS9)。さらに、緊急停止にあわせるように、制御装置90(CPU91)は、操作パネル70の表示部に、異常検知の判定結果を表示する。例えば、縫製異常パターンNo.2の場合、操作パネル70の表示部に「左側針棒(縫い針)の上糸の糸切れ検知」との表示を行う。
そして、制御装置90(CPU91)が、所定の縫製パターンの縫製を終了していないと判断すると(ステップS11;NO)、ステップS3に戻る。
一方、制御装置90(CPU91)が、所定の縫製パターンの縫製を終了したと判断すると(ステップS11;Yes)、制御装置90(CPU91)はミシンモーター21を止めて、ミシン100を通常停止し(ステップS12)、縫製動作を終了する。
例えば、縫製異常の針数は、出荷時に初期値として予め設定しても良いし、作業者が新たに縫製異常の針数を設定した場合、次回縫製時はその設定が適用されるようにしても良い。
また、上記実施形態では、ステップS6で異常を検知した場合、ステップS7で異常検知針数をカウントし、ステップS8で異常検知針数に到達したかどうかを判断している。これに代えて、異常を検知した場合、保持枠81を移動させるX軸モーター83、Y軸モーター84の少なくとも一方の送り量をカウントし、異常検知送り量に到達したかどうかを判断しても良い。また、異常を検知した場合、時間を計測して、例えば3秒間異常が継続した場合に異常検知時間に到達したと判断しても良い。これら、異常検知針数、異常検知送り量、異常検知時間を総称して、異常検知基準と呼ぶ。
また、図14は、ミシンの動作状況が縫製異常であるか否か判断する基準となるテーブルである。このテーブルでは、縫製中の上糸の動きが正常である場合、センサ161、162は所定周期のON、OFF信号を検出するとしている。しかし、使用されるセンサ161、162の応答速度が遅い場合や、縫製速度が高速な場合、縫製中の上糸の動きが正常でも、センサ161、162は所定周期のON、OFFでなく、繰り出され続けるON信号や、所定周期ではないON/OFF信号を検出する。この結果、図14のNo.1、No.2、No.3、No.10と、No.4からNo.10との区分ができなくなる可能性がある。
このような誤判定を回避するために、図16に示すミシンの動作状況基準テーブルを用いることも容易に考えられる。この動作状況基準テーブルは、No1、No2、No3、No10とからのみ構成される。このテーブルの「ON、又はON―OFF周期」とは、繰り出される続けるON信号や、所定周期のON/OFF信号や、所定周期ではないON/OFF信号を検出した状態を意味する。図16に示すミシンの動作状況基準テーブルを用いると、より確実に縫製異常の動作状況を判断できる。
また、縫製異常の動作状況として、停止糸縫い込み検知、又は糸通し逆の誤り検知の一方を用いることも容易に考えられる。
また、糸巻き機構19の駆動は、操作パネル70のタッチ操作により行われる。このため、制御装置90は操作パネルからの入力信号を受けて糸巻き中であることを認識できる。この糸巻き中である信号から、図16のテーブルに、図14のNo.7、No.8、No.9を加えて、制御装置90が糸巻き中の天秤糸巻き付けを認識できることも容易に考えられる。
上記ミシン100は、二本の針棒110、120のうち、操作あるいは設定により何れか一方の針棒駆動に切り替えられ、選択された針棒が備える縫い針によって縫製を行う二本針ミシン100であって、選択され駆動する一方の針棒の縫い針と、停止し駆動しない他方の針棒の縫い針とに、それぞれ供給される上糸の動きを検知する2つのセンサ161、162と、前記二本の針棒の駆動状態と、前記2つのセンサが検知したそれぞれの上糸の動きの組み合わせとに基づき、当該二本針ミシンの動作状況を判断する制御手段90とを備えている。
また、制御手段90は、当該二本針ミシンの動作状況が縫製異常であるとの判断に伴い、当該二本針ミシンを停止させることを特徴とする。
また、二本の針棒の駆動状態と、前記2つのセンサ161、162が検知したそれぞれの上糸の動きの組み合わせとからなる、複数の縫製異常パターンを記憶する記憶手段94を備え、制御手段90は、記憶手段94に記憶された縫製異常パターンと一致する状況であるとき、当該二本針ミシンの動作状況が縫製異常であるとの判断を行うことを特徴とする。
また、記憶手段に記憶された複数の縫製異常パターンのうち、当該二本針ミシンの動作状況の判断対象とする縫製異常パターンを選択し設定する設定手段90を備え、制御手段90は、設定手段90により設定された縫製異常パターンと一致する状況であるとき、当該二本針ミシンの動作状況が縫製異常であるとの判断を行うことを特徴とする。
また、制御手段90が判断する縫製異常に、停止糸縫い込み検知があることを特徴とする。
また、制御手段90が判断した、当該二本針ミシンの動作状況を表示する表示部70を備えたことを特徴とする。
なお、上述した針棒切換機構30は、電子サイクルミシンに限らず、いわゆる本縫いミシン等の種々にミシンに適用し搭載しても良い。本縫いミシンに適用する場合には、オペレーターが針棒110,120の切り換えの実行をミシンの制御装置90に対して指示入力する入力手段(操作パネル70等)を設けることが望ましい。
ここで、図17に示すように、切り換えレバー332の押し込み突起332bと332cの間を緩やかに縮径するテーパ形状部332dで連結し、外周カム状に形成しても良い。これにより、針棒抱き25に保持された状態の針棒110又は120のピン形状部321aと押し込み突起332b又は332cとが干渉することなく切り換えレバー332を回動させることが可能となる。
従って、「使用する縫い針の切り換え」動作の際には、ミシンモーター21を上停止位置ではなく、針棒上死点で停止させ、その状態で、糸切り、針棒土台31の回動、切り換えレバー332の回動を行い、針棒110,120を切り換えて、そのまま縫製を再開することが可能となる。つまり、ミシンモーター21の逆回転動作を不要とし、針棒切換動作を迅速に行うことが可能となる。
また、図9に示す糸保持装置60に替えて図18〜図20に示す糸保持装置60Aをミシン100に装備しても良い。
この糸保持装置60Aは、針棒土台31の右の側面近傍に固定装備された可動保持部材61Aと、可動保持部材61Aに対して針棒土台31の揺動方向の両側で近接対向する二つの対向部621A,622Aを備えた固定保持部材62Aとを備えている。
上記可動保持部材61Aは、その上端部が針棒土台31の前面の右端部において二つのネジにより固定されている。そして、可動保持部材61Aの下端部はY軸方向における後方に向かって屈曲形成された糸保持部611Aが形成されている。糸保持部611AはY軸方向に沿った丸棒状である。
そして、糸保持部611Aの外周面における左右の両側縁部611Aa,611Abは、それぞれ、固定保持部材62Aの対向部621A,622Aに対向している。
固定保持部材62Aは、針棒土台31の右側近傍に配置されている。そして、固定保持部材62Aの二つの対向部621A,622Aは、いずれもY軸方向に平行であってZ軸方向に対して若干傾斜した平板状をなし、Y軸方向から見て略逆さU字状となるように互いの上部が一体的に連接されている。そして、固定保持部材62Aは、支持部625Aにより面部105のフレームに固定されている。
また、二つの対向部621A,622Aの連接部は半円筒状をなし、当該連接部を上下に貫通して縫い針11側の上糸U1を挿通する糸通し穴623Aと縫い針12側の上糸U2を挿通する糸通し穴624Aとが形成されている。
糸通し穴623A,624AはいずれもX軸方向に沿ったスリット状に形成されている。そして、糸通し穴623Aは対向部621A,622Aの連接部から対向部621Aに至る範囲で形成され、糸通し穴624Aは対向部621A,622Aの連接部から対向部623Aに至る範囲で形成されている。
これにより、糸通し穴623Aは上方から挿通された上糸U1を、対向部621Aと糸保持部611Aの外周面における左の側縁部611Aaとの間の第一の糸通し部に案内し、糸通し穴624Aは上方から挿通された上糸U2を、対向部622Aと糸保持部611Aの外周面における左の側縁部611Abとの間の第二の糸通し部に案内することを可能としている。
可動保持部材61Aは、X軸方向に沿って往復揺動を行う針棒土台31に装備されているので、切換駆動部34による縫い針11の選択時において、針棒土台31の下端部が右方に揺動すると、可動保持部材61Aの糸保持部611Aの右側縁部611Abが固定保持部材62Aの対向部622A側に接触する。その結果、使用しない縫い針12側の上糸U2がこれらに挟持された状態となり、天秤141の引き上げ動作に抗して上糸U2が縫い針12から引き抜かれることを防止することができる。
また、切換駆動部34による縫い針12の選択時には、針棒土台31の下端部が左方に揺動するので、可動保持部材61Aの糸保持部611Aの一方の側縁部611Aaが固定保持部材62Aの一方の対向部621A側に接触する。その結果、使用しない縫い針11側の上糸U1がこれらに挟持された状態となり、天秤141の引き上げ動作に抗して上糸U1が縫い針11から引き抜かれることを防止することができる。
上記糸保持装置60Aの場合、装置全体を針棒土台31の右側に配置することができ、天秤141から縫い針11,12の近傍に設けられた針棒糸案内36に渡る上糸経路の途中に設けることができるため、上糸U1,U2を円滑に案内することが可能である。
22 上軸
25 針棒抱き
30 針棒切換機構
31 針棒土台
32 針棒停止部
33 停止選択部
34 切換駆動部
70 操作パネル(設定手段、表示部)
90 制御装置(制御手段、設定手段)
91 CPU
92 ROM
93 REAM
94 データメモリ(記憶手段)
100 ミシン
11,12 縫い針
110,120 針棒
14 天秤機構
161 第一の糸切りセンサ
162 第二の糸切りセンサ
19 糸巻き機構
U1 上糸
U2 上糸
Claims (6)
- 二本の針棒のうち、操作あるいは設定により何れか一方の針棒駆動に切り替えられ、選択された針棒が備える縫い針によって縫製を行う二本針ミシンであって、
選択され駆動する一方の針棒の縫い針と、停止し駆動しない他方の針棒の縫い針とに、それぞれ供給される上糸の動きを検知する2つのセンサと、
前記二本の針棒の駆動状態と、前記2つのセンサが検知したそれぞれの上糸の動きの組み合わせとに基づき、当該二本針ミシンの動作状況を判断する制御手段と、
を備えたことを特徴とする二本針ミシン。 - 前記制御手段は、当該二本針ミシンの動作状況が縫製異常であるとの判断に伴い、当該二本針ミシンを停止させることを特徴とする請求項1に記載の二本針ミシン。
- 前記二本の針棒の駆動状態と、前記2つのセンサが検知したそれぞれの上糸の動きの組み合わせとからなる、複数の縫製異常パターンを記憶する記憶手段を備え、
前記制御手段は、前記記憶手段に記憶された縫製異常パターンと一致する状況であるとき、当該二本針ミシンの動作状況が縫製異常であるとの判断を行うことを特徴とする請求項1又は2に記載の二本針ミシン。 - 前記記憶手段に記憶された複数の縫製異常パターンのうち、当該二本針ミシンの動作状況の判断対象とする縫製異常パターンを選択し設定する設定手段を備え、
前記制御手段は、前記設定手段により設定された縫製異常パターンと一致する状況であるとき、当該二本針ミシンの動作状況が縫製異常であるとの判断を行うことを特徴とする請求項3に記載の二本針ミシン。 - 前記制御手段が判断する縫製異常に、停止糸縫い込み検知、又は糸通し逆の誤り検知があることを特徴とする請求項1〜4の何れか一項に記載の二本針ミシン。
- 前記制御手段が判断した、当該二本針ミシンの動作状況を表示する表示部を備えたことを特徴とする請求項1〜5の何れか一項に記載の二本針ミシン。
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