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JP2011199080A - コイル複合成形体の製造方法及びコイル複合成形体 - Google Patents

コイル複合成形体の製造方法及びコイル複合成形体 Download PDF

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JP2011199080A JP2010065307A JP2010065307A JP2011199080A JP 2011199080 A JP2011199080 A JP 2011199080A JP 2010065307 A JP2010065307 A JP 2010065307A JP 2010065307 A JP2010065307 A JP 2010065307A JP 2011199080 A JP2011199080 A JP 2011199080A
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Abstract

【課題】軟磁性粉と熱可塑性樹脂との混合材を射出成形してコアとし、その内部に絶縁被膜付きのコイルを埋込状態に一体化してコイル複合成形体を製造するに際し、コアの成形時に軟磁性粉がコイルの絶縁被膜を損傷し、またコアの収縮によってコアに亀裂が発生する問題を解決する。
【解決手段】絶縁被膜付きのコイル10を電気絶縁性の樹脂で被覆してコイル被覆体24を成形する工程Aと、コイル被覆体24を包み込む状態に軟磁性粉と熱可塑性樹脂との混合材を射出成形してコア16を成形する。またコア16の射出成形を、容器状をなす1次成形体16-1を単独で成形する工程と、コイル被覆体24を1次成形体16-1とともにセットした状態で2次成形体16-2を成形する工程とに分けて射出成形するようになす。
【選択図】 図1

Description

この発明は、軟磁性を有するコアの内部に絶縁被膜付きの導体コイルを埋込状態に一体化して成るコイル複合成形体の製造方法及びコイル複合体に関する。
この種のコイル複合成形体の代表的な例として、軟磁性粉と樹脂との混合材で構成した成形体(軟磁性樹脂成形体)から成るコアの内部に絶縁被膜付きの導体コイル(以下単にコイルとする場合がある)を埋込状態に内包した形態の、インダクタンス部品であるリアクトルが公知である。
ハイブリット自動車や燃料電池自動車,電気自動車等ではバッテリーと、モータ(電気モータ)に交流電力を供給するインバータとの間に昇圧回路が設けられており、その昇圧回路にインダクタンス部品であるリアクトル(チョークコイル)が用いられている。
例えばハイブリット自動車では、バッテリーの電圧は最大で300V程度であり、一方モータには大出力が得られるように600V程度の高電圧を印加する必要がある。そのための昇圧回路用の部品としてリアクトルが用いられている。
このリアクトルは太陽光発電の昇圧回路用その他にも広く用いられている。
従来においてこのリアクトルとしては、一対のU字状のコア片をそれぞれの端面間に所定のギャップを生ぜしめる状態に配置して成るコアの周りに、コイルを巻回した形態のものが一般に使用されていた。
しかしながらこの種形態のリアクトルの場合、コイルが外部に露出した状態にあるため、コイルの励磁に伴いコイル振動が発生してこれが騒音となったり、またコイル片間のギャップの寸法を高精度で定めなければならない他、コアとコイルとの組付けの工程が必要である等の問題があり、そこで軟磁性粉と樹脂との混合材から成る成形体(軟磁性樹脂成形体)にてコアを構成し、そしてそのコアの内部にコイルを埋込状態に一体に内包した形態のリアクトルが提案されている。
例えば下記特許文献1,特許文献2にこの種形態のリアクトル及びその製造方法が開示されている。
これら特許文献1,特許文献2に示すリアクトルの製造方法は、外ケースないし容器の内部にコイルをセットした状態で、熱硬化性の樹脂の液に軟磁性粉を分散状態に混合したものを、外ケースないし容器の内部に注入し、そしてその後これを所定温度に加熱し且つ所定時間かけて樹脂液を硬化反応させ、以てコアを成形すると同時にコイルと一体化させるといったものである。
このようにして得たリアクトルの場合、コイル振動に伴う騒音の発生を防止でき、またコア片とコア片との間にギャップを高精度で設定するといったことを必要とせず(成形体コアの磁性粉と磁性粉との間に微小なギャップが形成される)、更にコアとコイルとの組付けの工程を必要としない他、コイルをコア(軟磁性樹脂成形体)にて外側から保護できる等の利点を有する。
しかしながら一方で上記リアクトルの製造方法の場合、軟磁性粉を含んだ樹脂の液を硬化させるための大型の加熱炉が必要であるとともに、硬化のための多量の熱エネルギーが必要であったり、また硬化のために長い時間がかかり、コスト的に高くなるとともに生産性を高めることが難しいといった問題がある。
そこでかかるリアクトルの製造方法として、絶縁被膜付きの導体コイルを成形型のキャビティ内にセットしておき、軟磁性粉と熱可塑性樹脂との混合材をキャビティに射出し、以てコアを射出成形するとともに、その内部にコイルを埋込状態に一体化する方法が考えられる。
この射出成形による製造方法によれば、特許文献1,特許文献2に示す製造方法の有する様々な問題を解決することが可能である。
しかしながらこのように絶縁被膜付きのコイルをキャビティ内にセットした状態で、直接そこに軟磁性粉と熱可塑性樹脂との混合材を射出したとき、図10に模式的に示しているように軟磁性粉14(軟磁性粉14としては硬質の金属鉄粉等が用いられる)が射出圧やキャビティ内での流動圧でコイル10の線材11表面の絶縁被膜12に強く当ったり擦れを生じたりし(リアクトルのコアの場合、通常鉄粉等の軟磁性粉が体積%で50〜70%程度含有されている)、それによってコイル10表面の絶縁被膜12が破れたりする等損傷してしまう問題が生ずる。
コイル10の上記の絶縁被膜12は、通常絶縁性の樹脂(例えばポリアミドイミド)を溶剤に溶かして所定粘性とした液(ワニス)をコイル10を形成する線材11の表面に塗布し、その後これを乾燥及び硬化反応させて被膜形成することによって得られているが、この絶縁被膜12は膜厚が25μm程度の薄いものであり、そのような絶縁被膜12に対して射出成形時に鉄粉等の軟磁性粉14が強く当たったり擦れを生じたりすることで絶縁被膜12が損傷してしまうのである。
而してこのようにして絶縁被膜12が損傷すると、コイル10の絶縁性能が低下し、リアクトルにおける耐電圧(絶縁破壊電圧)特性が低下してしまう。
以上の外、キャビティ内にコイルをセットして軟磁性粉と熱可塑性樹脂との混合材を射出成形する際、キャビティ内におけるコイルの位置決めが難しく、しかもコイルはそれ自身あたかもアコーディオンのように簡単に伸張変形したり、ねじれ変形し易いものであるため、軟磁性粉と熱可塑性樹脂との混合材をキャビティ内に射出したときに、射出圧及び流動圧によってコイルがセット位置からずれてしまったり、或いはコイルが変形してしまう問題を生ずる。
この場合、コイルが正規の位置からずれ或いは変形することによって、リアクトルとしての性能が損なわれてしまう。
これに加えて上記のようにして射出成形を行った場合、成形時の加熱による膨張と冷却による収縮とによって、成形体としてのコアに亀裂が生じてしまう他、絶縁被膜に熱応力が加わることによって、絶縁被膜がこのときにも損傷してしまうといった困難な問題が生ずる。
軟磁性粉と熱可塑性樹脂との混合材は、成形型のキャビティへの射出時において温度が例えば300℃以上の溶融状態で液状のものであり、射出後に成形型内部で成形型により冷却されて固化し成形体となる。
その際に、或いはその後成形型から取り出されて室温まで冷却される過程で、成形体としてのコアが大きく径方向に収縮しようとする。
ところがコアの内部には金属製のコイルが位置しているため、コアはコイルの外周側において径方向に収縮することができず(コアと金属製のコイルとの間には熱膨張係数に大きな差がある)、その結果コイルの外周側部分が周方向に収縮しようとして、図11に示すようにコア16の外周側成形部16Aに亀裂Kが発生してしまうのである。
コア16におけるこのような亀裂Kの発生はリアクトルとしての性能を低下させる要因となる。
更にコア16が収縮する際、そのコア16とコイル10との収縮量の差に起因して、コイル10の絶縁被膜12に大きな応力(熱応力)が作用し、そのことによって絶縁被膜12に歪みが発生したり、またその歪みによって絶縁被膜12が破れたりする等損傷してしまう。
これもまたリアクトルとしての耐電圧特性に悪影響を及ぼす。
その他、コイル10における線材11表面の絶縁被膜12は上記のように膜厚の薄いものであるため、そもそも耐電圧特性の信頼性が不十分であるといった問題があった。
以上リアクトルを代表例として述べたが、こうした問題は他のコイル複合成形体を射出成形にて製造する場合にも生じる。
例えば、軟磁性粉と熱可塑性樹脂の混合材を成形して構成したコアの内部に加熱コイルを埋込状態に一体に内包した形態の電磁調理器の加熱体を、同じように射出成形にて製造する場合においても、またそれ以外の他の目的,用途のコイル複合成形体を同じように射出成形にて製造する場合においても上記と同様の問題を生ずる。
特開2007−27185号公報 特開2008−147405号公報
本発明は以上のような事情を背景とし、軟磁性粉と樹脂との混合材で構成した成形体をコアとしてその内部に絶縁被膜付きのコイルを埋込状態に一体化してコイル複合成形体を製造するに際し、コアの成形時にコアの構成材である軟磁性粉がコイルの絶縁被膜に当って絶縁被膜を損傷するのを有効に防止でき、またコアの収縮に伴って絶縁被膜に作用する熱応力を効果的に緩和することのできるコイル複合成形体の製造方法を提供することを目的としてなされたものである。
また他の目的として、コアの冷却による収縮によってコアに亀裂が発生する問題を解決することのできるコイル複合成形体の製造方法を提供することを目的としている。
更に他の目的として、コアの成形時にコイルが位置ずれや変形を生じるのを有効に防止することのできるコイル複合成形体の製造方法を提供することを目的としている。
更に他の目的として、そのような製造方法によって好適に製造することのできるコイル複合成形体を提供することを目的とする。
而して請求項1はコイル複合成形体の製造方法に関するもので、軟磁性粉と樹脂との混合材で構成した成形体をコアとして、該コアの内部に絶縁被膜付きの導体コイルを埋込状態に一体化して成るコイル複合成形体を製造するに際し、前記絶縁被膜付きの前記コイルを包み込む状態に電気絶縁性の樹脂で被覆してコイル被覆体を成形する工程Aと、該コイル被覆体を成形型にセットして、該コイル被覆体を包み込む状態に前記軟磁性粉と熱可塑性樹脂との混合材を射出成形して前記コアを成形するとともに、該コアの内部に前記コイルを埋込状態に一体化する工程Bと、を経て前記コイル複合成形体を得ることを特徴とする。
請求項2のものは、請求項1において、前記コアを射出成形する工程Bを、該コアの、前記コイル被覆体の外周面に接する筒状の外周側成形部を含む、コイル軸線方向の一端側に該コイル被覆体の嵌込用の開口を有する形状の1次成形体をコア用の1次成形型にて予め射出成形しておく工程B-1と、該コイル被覆体の内周面に接する内周側成形部を含む2次成形体をコア用の2次成形型にて成形する工程B-2と、に分け、該工程B-2では、前記工程B-1で得た前記1次成形体の前記外周側成形部に前記コイル被覆体を内嵌状態に嵌合させ且つ前記コア用の2次成形型にて該外周側成形部を外周側から径方向に拘束し保持した状態で、前記内周側成形部を含む2次成形体を成形すると同時に、該2次成形体と前記1次成形体及び前記コイル被覆体を一体化することを特徴とする。
請求項3のものは、請求項2において、前記1次成形体を成形する前記工程B-1では、前記外周側成形部とともに前記開口とは反対側の前記コアの底部を併せて成形して、前記1次成形体を前記コイル被覆体を内部に収容し保持する底部付きの容器状となしておくことを特徴とする。
請求項4のものは、請求項3において、前記1次成形体は、前記コイル被覆体を内部の凹所に全高に亘って収容する高さで成形しておくことを特徴とする。
請求項5のものは、請求項2〜4の何れかにおいて、前記2次成形体を成形する前記工程B-2では、前記内周側成形部とともに前記開口を閉鎖する蓋部を併せて成形することを特徴とする。
請求項6のものは、請求項1〜5の何れかにおいて、前記コイル被覆体を成形する工程Aでは、該コイルを包み込む状態に被覆する樹脂被覆層を熱可塑性樹脂にて射出成形するとともに、該工程Aを、前記コイルの内周面又は外周面に対して該樹脂被覆層用の1次成形型を接触させ、該1次成形型にて該コイルを該内周面又は外周面において径方向に位置決めし拘束した状態で、該コイルの外周側又は内周側に形成される該1次成形型の1次成形キャビティに樹脂材料を射出して、前記樹脂被覆層における外周被覆部又は内周被覆部を含む1次成形体を成形し且つ該コイルと一体化する工程A-1と、しかる後該1次成形体を該コイルとともに該樹脂被覆層用の2次成形型にセットして、該コイルの内周側又は外周側に形成される該2次成形型の2次成形キャビティに前記樹脂材料を射出して、前記樹脂被覆層における内周被覆部又は外周被覆部を含む2次成形体を成形し且つ該コイル及び前記1次成形体と一体化する工程A-2と、に分けて射出成形を行うことを特徴とする。
請求項7はコイル複合成形体に関するもので、軟磁性粉と熱可塑性樹脂との混合材で構成した成形体をコアとして、該コアの内部に絶縁被膜付きの導体コイルを外側から包み込む状態に電気絶縁性の樹脂で被覆したコイル被覆体を埋込状態に一体化して成るコイル複合成形体であって、前記コアは、前記コイル被覆体の外周面に接する筒状の外周側成形部を含む1次成形体と、該コイル被覆体の内周面に接する内周側成形部を含む2次成形体とが境界面で接合一体化されていることを特徴とする。
請求項8のものは、軟磁性粉と熱可塑性樹脂との混合材で構成した成形体をコアとして、該コアの内部に絶縁被膜付きの導体コイルを外側から包み込む状態に電気絶縁性の熱可塑性樹脂で被覆したコイル被覆体を埋込状態に一体化して成るコイル複合成形体であって、前記コイル被覆体の樹脂被覆層は、前記コイルの外周面を被覆する外周被覆部を含む成形体と、該コイルの内周面を被覆する内周被覆部を含む成形体とが接合されて一体化されていることを特徴とする。
発明の作用・効果
以上のように請求項1の製造方法は、絶縁被膜付きのコイルを外側から包み込む状態に電気絶縁性の樹脂で被覆してコイル被覆体を成形する工程Aと、これを成形型にセットし、コイル被覆体を包み込む状態に軟磁性粉と熱可塑性樹脂との混合材を射出成形してコアを成形するとともに、コアの内部にコイルを埋込状態に一体化する工程Bとを経てコイル複合成形体を製造するものである。
この請求項1の製造方法では、絶縁被膜付きのコイルが外側から樹脂被覆層にて被覆され保護された状態で、軟磁性粉と熱可塑性樹脂との混合材が射出されてコアが成形されるため、射出に際して混合材に含まれる鉄粉等の軟磁性粉がコイルの絶縁被膜に直接強く当ったり擦れたりするといったことがなく、従ってコアの成形時にコイルの絶縁被膜に軟磁性粉が当ることによって絶縁被膜が損傷してしまうのを有効に防止することができる。
またコアの成形に際して、成形体としてのコアが冷却により収縮することがあっても、そのコアとコイルの絶縁被膜との間には被覆樹脂層が保護層ないし緩衝層として介在しているため、コアの収縮に伴う応力が絶縁被膜に直接作用することはなく、従ってコアの収縮に伴う絶縁被膜の損傷の問題も解決することができる。
即ちコイル複合成形体の製造時にコイルの絶縁被膜が損傷するのを有効に防止することができる。
またコイルは樹脂被覆層と一体の成形体(コイル被覆体)をなしているため、コアを射出成形する際にコイルが変形を生じるのも良好に防止することができる。
またコイルを電気絶縁性の樹脂の被覆層で被覆しておくことで、コイルの耐電圧特性を強化し高めることができる。
次に請求項2の製造方法は、上記コアを射出成形する工程Bを、コイル被覆体の外周面に接する筒状の外周側成形部を含む1次成形体を、コイル軸線方向の一端側にコイル被覆体の嵌込用の開口を有する形状で予め射出成形しておく工程B-1と、コイル被覆体の内周面に接する内周側成形部を含む2次成形体を成形する工程B-2とに分け、そして工程B-2では、工程B-1で得た1次成形体の外周側成形部にコイル被覆体を内嵌状態に嵌合させ、且つコア用の2次成形型にてその外周側成形部を外周側から径方向に拘束し保持した状態で、内周側成形部を含む2次成形体を成形し且つ同時に1次成形体及びコイル被覆体と一体化するものである。
前述したようなコアの亀裂は主としてコイルを取り巻く外周部分において発生する。
この請求項2の製造方法では、コアにおける外周側部分(外周側成形部)が、予めコイルとは別に単独で1次成形体として成形されているため、コアの成形に際してその内側に位置しているコイルが原因となって外周側成形部に亀裂発生するといった問題は生じない。
外周側成形部を含む1次成形体が、コイルとは別に単独で予め成形されるため、その成形時に1次成形体詳しくは外周側成形部が冷却に伴って自由に収縮することができるからである。
一方、コイルの内周面(厳密にはコイル被覆体の内周面)に接する内周側成形部を含む2次成形体は、コイルを成形型にセットした状態でコイルと一体に成形されるが、この内周側成形部は径方向に収縮するに際してコイルによる抵抗を特に受けないため、その収縮によって亀裂発生するといった問題は特に生じない。
即ちこの請求項2の製造方法によれば、コイルの存在によってコアに亀裂が発生する問題を有効に解決することができる。
この請求項2の製造方法ではまた、工程B-1で得た1次成形体の外周側成形部にコイル被覆体を内嵌状態に嵌合させ、そしてその1次成形体の外周側成形部を、コア用の2次成形型にて外周側から径方向に拘束し保持した状態でコアの内周側成形部を含む2次成形体を成形する。
このときコイル被覆体即ちコイルを1次成形体を介してコア用の成形型にて位置決めし保持した状態で、コアの2次成形体を成形することができ、従ってその際にコイルが射出圧及び流動圧にてセット位置から位置ずれするのを防止でき、コイルを予め設定した位置に正確に位置決めし且つ保持した状態でコアを成形完了することができる。
従ってコアの成形時にコイルが位置ずれすることによって、コイル複合成形体の特性に悪影響が及ぶのを良好に防止することができる。
この場合において、上記1次成形体を成形する工程B-1では、外周側成形部とともに上記の開口とは反対側のコアの底部を併せて成形し、1次成形体を、コイル被覆体を内部に収容し保持する底部付きの容器状となしておくことができる(請求項3)。
このようにしておけば、容器状をなす1次成形体の凹所にコイル被覆体を収容し保持させた状態で、それらをコア用の2次成形型にセットし、2次成形体を成形できるので、その際の成形作業性が良好となる。
またこのようにしておけば、2次成形体を成形する際に1次成形体自身にてコイル被覆体をコイル軸線方向である上下方向にも位置決めし保持しておくことができる。
ここで上記1次成形体はコイル被覆体を内部の凹所に全高に亘って収容する高さで成形しておくことが望ましい(請求項4)。
本発明ではまた、上記2次成形体を成形する工程B-2では、内周側成形部とともに上記1次成形体における開口を閉鎖する蓋部を併せて成形しておくことができる(請求項5)。
次に請求項6の製造方法は、コイル被覆体(厳密には樹脂被覆層)を射出成形にて成形するようになし、そしてこの射出成形の工程Aを、工程A-1と、工程A-2とに分けて射出成形するようになしたものである。
この製造方法では、工程A-1で、コイルの内周面又は外周面に対して樹脂被覆層用の1次成形型を接触させて、コイルを径方向に位置決めし拘束した状態で、コイルの外周側又は内周側に形成される1次成形キャビティに樹脂材料を射出して、樹脂被覆層における外周被覆部又は内周被覆部を含む1次成形体を成形し且つコイルと一体化する。
そして工程A-2では、その後において1次成形体をコイルとともに2次成形型にセットし、コイルの内周側又は外周側に形成される2次成形キャビティに上記樹脂材料を射出して、樹脂被覆層における内周被覆部又は外周被覆部を含む2次成形体を成形し、且つコイル及び1次成形体と一体化する。
この請求項6の製造方法では、コイル被覆体を射出成形するに際し、成形を少なくとも2回に分けて行うことで、コイルを成形型により良好に位置決めし保持した状態でコイル成形体、即ち樹脂被覆層を良好に射出成形することができ、その成形に際して、コイルが射出圧や流動圧により位置ずれしてしまうのを良好に防止することができ、且つ樹脂被覆層をコイル被覆状態に良好に成形することができる。
この請求項6では、請求項2に従ってコアを成形する場合において、樹脂被覆層の内周被覆部を成形する工程で、内周被覆部とともに上記の開口側に位置するコイルの上端面を外周端に到るまで全体的に被覆する上被覆部を併せて成形することができる。
このようにすれば、コイル被覆体をコアの1次成形体とともにコア用の2次成形型にセットした状態でコアの2次成形体を射出成形する際、射出圧ないし流動圧が強く作用する樹脂被覆層の内周被覆部及び上被覆部に、樹脂被覆層における1次成形体と2次成形体との接合部が位置していないので、その接合部において樹脂被覆層の1次成形体と2次成形体間に隙間が生じていたとしても(1次成形体と2次成形体との接合部には若干の隙間が生じることがある)、コアの2次成形体の射出成形の際にその隙間に軟磁性粉が強い射出圧の下で入り込み、コイルの絶縁被膜を傷付けてしまうといった問題を回避することができる。
次に請求項7はコイル複合成形体に関するもので、このコイル複合成形体は、軟磁性粉と熱可塑性樹脂との混合材の成形体から成るコアが、コイル被覆体の外周面に接する外周側成形部を含む1次成形体と、コイル被覆体の内周面に接する内周側成形部を含む2次成形体とが境界面で接合一体化されており、コイル複合成形体をこのように構成しておくことで、請求項2の製造方法によってコイル複合成形体を容易に成形することができる。
また請求項8のものは、コイル被覆体における熱可塑性樹脂の樹脂被覆層を、コイルの外周面を被覆する外周被覆部を含む成形体と、内周面を被覆する内周被覆部を含む成形体とを接合し一体化したもので、コイル複合成形体をこのように構成しておくことで、請求項6の製造方法によってコイル複合成形体を容易に製造することができる。
本発明の一実施形態のコイル複合成形体であるリアクトルを示した図である。 図1のリアクトルを分解して示した斜視図である。 図2のコイル被覆体を樹脂被覆層とコイルとに分解して示した斜視図である。 図3のコイルを図3とは別の角度から見た図及び上,下コイルに分解して示した図である。 同実施形態におけるコイル被覆体の成形手順の説明図である。 図5に続く成形手順の説明図である。 同実施形態のリアクトルの製造方法の工程説明図である。 同実施形態におけるコイル被覆体の成形方法の説明図である。 同実施形態におけるコアの成形方法の説明図である。 本発明の背景としての問題点を模式的に表した図である。 図10とは別の問題点を模式的に表した図である。
次に本発明の実施形態を図面に基づいて詳しく説明する。
図1において、15はコイル複合成形体の一例であるインダクタンス部品としてのリアクトル(チョークコイル)で、軟磁性樹脂成形体から成るコア16の内部に絶縁被膜付きのコイル10が埋込状態に一体化されている。即ちコア16は、ギャップをもたない構造のリアクトルとなるように作製してある。
この実施形態において、コイル10は図3〜図5(A)に示すようにフラットワイズコイルで、平角線材を線材の厚み方向(径方向)に巻き、重ねてコイル形状となしたもので、巻き加工し成形した自由形状状態で径方向に隣接する線材同士が互いに接触状態に重なっている。
本実施形態において、コイル10は図3,図4に示しているように上コイル10-1と下コイル10-2とを巻き方が反対方向になるように上下に重ねて、それぞれの内径側の端部20を接合し、1つの連続したコイルとして構成してある。但し1本の線材で上コイル10-1と下コイル10-2とを連続して構成したものであっても良い。
尚、上コイル10-1と下コイル10-2との間には大きな電位差が生ずるため、それらの間には図4(B)に示しているように円環状の絶縁シート21が介装してある。ここで絶縁シート21は厚みが約0.5mm程度のものである。
尚図中18はコイル10におけるコイル端子で、径方向外方に突出せしめられている。
図5(A)に示しているように、コイル10は平面形状が円環状をなしている。
コイル10は、図1に示しているようにコイル端子18の先端側の一部を除いて全体的にコア16に埋込状態に一体に内包されている。
この実施形態においてコイル10は銅,アルミニウム,銅合金,アルミニウム合金等種々の材質のものを用いることができる(但しこの実施形態ではコイル10は銅製である)。
本実施形態において、コア16は軟磁性粉と熱可塑性樹脂との混合材を射出成形して得た成形体から成っている。
ここで軟磁性粉として軟磁性鉄粉,センダスト粉,フェライト粉等を用いることができる。また熱可塑性樹脂としては、例えばPPS,PA12,PA6,PA6T,POM,PE,PES,PVC,EVA等を好適に用いることができる。
軟磁性粉のコア16に占める比率は様々な比率とすることができるが、好適には体積%で50〜70%程度である。
絶縁被膜付きのコイル10は、コイル端子18の先端側の一部を除いて、その全体が電気絶縁性の樹脂で外側から被覆されている。
図1,図2中24はコイル10と樹脂被覆層22とから成るコイル被覆体で、コイル10はこのコイル被覆体24としてコア16の内部に埋め込まれている。
この実施形態において、樹脂被覆層22の厚みは0.5〜2.0mmとしておくことが好ましい。
この樹脂被覆層22は、軟磁性粉を含有していない電気絶縁性の熱可塑性樹脂から成っている。その熱可塑性樹脂としてはPPS,PA12,PA6,PA6T,POM,PE,PES,PVC,EVAその他種々の材質のものを用いることができる。
図2の分解図にも示しているように、コア16は、1次成形体16-1と2次成形体16-2とを、図1(B)に示す境界面Pで射出成形による接合にて一体化して構成してある。
1次成形体16-1は、図1,図2に示すようにコイル被覆体24の外周面に接する円筒状の外周側成形部25と、コイル被覆体24の図中下側に位置する底部26とを有する容器状且つコイル軸線方向の図中上端に開口30を有する形状をなしている。
尚、この1次成形体16-1の外周側成形部25には切欠部28が設けられている。
この切欠部28は、後述のコイル被覆体24の厚肉部36(図2参照)を嵌め入れるためのものである。
一方2次成形体16-2は、図2にも示しているようにコイル被覆体24の内周面に接し、且つコイル10の内側の空所を埋めて1次成形体16-1における底部26に達する内周側成形部32と、コイル被覆体24の図中上側に位置し、1次成形体16-1における上記の開口30を閉鎖して、1次成形体16-1の凹所40及びそこに収容されたコイル被覆体24を内側に隠蔽する上部の円形の蓋部34とを一体に有している。
一方、コイル10を被覆する樹脂被覆層22もまた、図3の分解図にも示しているように1次成形体22-1と2次成形体22-2とから成っており、それらが図1(B)に示す境界面Pにおいて射出成形による接合にて一体化されている。
1次成形体22-1は、コイル10の外周面を被覆する円筒状の外周被覆部46と、コイル10の下端面の全体を被覆する下被覆部48とを一体に有している。
一方2次成形体22-2は、コイル10の内周面を被覆する円筒状の内周被覆部50と、コイル10の上端面の全体を被覆する上被覆部52とを一体に有している。
尚、1次成形体22-1には径方向外方に突出する厚肉部36が全高に亘って形成されており、その厚肉部36に、これを径方向に貫通する一対のスリット38が形成されている。
コイル10における上記の一対のコイル端子18は、これらスリット38を貫通して1次成形体22-1の径方向外方に突出せしめられている。
また2次成形体22-2には、径方向外方に突出する舌片状の突部42が上被覆部52に一体に形成されている。1次成形体22-1における厚肉部36は、その上面がこの突部42にて被覆される。
図2〜図9に、図1のリアクトル15の製造方法が具体的に示してある。
この実施形態では、図5及び図6に示す手順に従って図5(A)に示す絶縁被膜付きのコイル10を外側から包み込むように樹脂被覆層22を形成し、コイル10と樹脂被覆層22とを一体化して成るコイル被覆体24を構成する。
このとき、図5(B)に示しているように先ず外周被覆部46と下被覆部48を一体に有する1次成形体22-1を成形し、しかる後に図6(C)に示すように内周被覆部50と上被覆
部52とを一体に有する2次成形体22-2を成形し、樹脂被覆層22の全体を成形する。
図8に、その際の具体的な成形方法が示してある。
図8(A)において、54はコイル被覆体24具体的には樹脂被覆層22用の1次成形型で、上型56と下型58を有している。
ここで下型58は中型部58Aと外型部58Bとを有している。
図8(A)に示す1次成形型54を用いた1次成形では、先ずコイル10を1次成形型54にセットする。このときコイル10は図3に示す向きとは上下の向きを逆向きにしてセットする。
詳しくは下コイル10-2が上側に、上コイル10-1が下側に位置するように上下を逆向きにして1次成形型54にセットする。
そして中型部58Aをコイル10の内周面に接触させて、この中型部58Aによりコイル10の内周面を径方向に拘束し保持する。
そして1次成形型54の、コイル10の外周側に形成されたキャビティ66に通路68を通じて樹脂(熱可塑性樹脂)材料を射出し、図1及び図5(B)に示す樹脂被覆層22の1次成形体22-1を射出成形する。
詳しくは、図8(B)に示す外周被覆部46と下被覆部48とを一体に有する1次成形体22-1を射出成形する。
以上のようにして樹脂被覆層22の1次成形体22-1を成形したら、これと一体のコイル10とともに、それらを図8(B)に示す2次成形型70にセットする。
このとき、図8(B)に示しているようにコイル10を1次成形体22-1とともに上下逆向きにして2次成形型70にセットする。
この2次成形型70は、上型72と下型74とを有している。また下型74は、中型部74Aと外型部74Bとを有している。
この2次成形型70は、1次成形体22-1をコイル10とともにセットした状態で、その内周側と上側とにキャビティ80を形成する。
この2次成形型70を用いた2次成形では、通路82を通じて1次成形の際の樹脂材料と同一の樹脂材料をキャビティ80に射出し、樹脂被覆層22における2次成形体22-2を射出成形して同時にこれを1次成形体22-1及びコイル10と一体化する。
本実施形態では、以上のようにして成形されたコイル被覆体24を、図1のコア16の成形の際にコア16と一体化する。
その具体的な手順が図7及び図9に示してある。
この実施形態では、コア16の全体を成形するに際して、図7に示すように先ず容器状をなす1次成形体16-1を予め成形しておく。
そしてその後において、図7(A)に示すように容器状をなす1次成形体16-1の凹所40の内部に、図5及び図6に示す手順で成形したコイル被覆体24を、1次成形体16-1の開口30を通じて図中下向きに全高に亘って嵌め込み、コイル被覆体24を1次成形体16-1にて保持させる。
そしてその状態で1次成形体16-1とコイル被覆体24とを成形型にセットし、コア16における2次成形体16-2を射出成形して、これを1次成形体16-1及びコイル被覆体24と一体化する。
図9(A)は、1次成形体16-1を成形するコア16用の1次成形型を示している。
84は、1次成形体16-1を成形する1次成形型で、上型86と下型88とを有している。
ここでは通路92を通じて軟磁性粉と熱可塑性樹脂の混合材をキャビティ94に射出成形し、以て外周側成形部25と底部26とを一体に有する1次成形体16-1を成形する。
図9(B)は、コア16における2次成形体16-2を成形する2次成形型を示している。
96はその2次成形型で、上型98と下型100とを有している。
この2次成形では、先に成形した1次成形体16-1にコイル被覆体24を嵌め込み、保持させた状態で、それらを2次成形型96にセットする。
このとき、1次成形体16-1はその外周面が2次成形型96への全周に亘る接触によって径方向に位置決めされ、更に底部26の下面が2次成形型96内において上下方向に位置決状態に保持される。
即ちコイル被覆体24が1次成形体16-1を介して2次成形型96内で径方向にも、また上下方向にも位置決めされ保持される。
この2次成形では、その状態でキャビティ104よりも図中上方の通路102を通じキャビティ104内に1次成形の際と同一の混合材を射出し、以て図1(B),図2及び図7(B)の2次成形体16-2を成形し、同時にこれを1次成形体16-1及びコイル被覆体24と一体化する。
ここにおいて図1及び図7(B)に示すリアクトル15が得られる。
以上のような本実施形態では、絶縁被膜12付きのコイル10が外側から樹脂被覆層22にて被覆され保護された状態で、軟磁性粉と熱可塑性樹脂との混合材が射出されてコア16が成形されるため、射出に際して混合材に含まれる鉄粉等の軟磁性粉14がコイル10の絶縁被膜12に直接強く当ったり擦れたりするといったことがなく、従ってコア16の成形時にコイル10の絶縁被膜12に軟磁性粉14が当ることによって絶縁被膜12が損傷してしまうのを有効に防止することができる。
またコア16とコイル10の絶縁被膜12との間には樹脂被覆層22が保護層ないし緩衝層として介在しているため、コア16の膨張収縮に伴う熱応力が絶縁被膜12に直接作用することはなく、従ってその熱応力に起因する絶縁被膜12の損傷の問題も解決することができる。
またコイル10は樹脂被覆層22と一体のコイル被膜体24をなしているため、コア16を射出成形する際にコイル10が変形を生じるのも良好に防止することができる。
またコイル10を電気絶縁性の樹脂の被覆層で被覆しておくことで、コイル10の耐電圧特性を強化し高めることができる。
この実施形態では、コア16を射出成形する工程を、コイル被覆体24の外周面に接する筒状の外周側成形部25を含む1次成形体16-1を予め射出成形しておく1次成形の工程と、コイル被覆体24の内周面に接する内周側成形部32を含む2次成形体16-2を成形する2次成形の工程とに分け、そして2次成形の工程では、先の射出成形にて得た1次成形体16-1の外周側成形部25にコイル被覆体24を内嵌状態に嵌合させ、且つコア用の2次成形型96にてその外周側成形部25を外周側から径方向に拘束し保持した状態で、内周側成形部32を含む2次成形体16-2を成形し且つ同時に1次成形体16-1及びコイル被覆体24と一体化する。
即ちこの実施形態では、コア16における外周側成形部25が、予めコイル10とは別に単独で1次成形体16-1として成形されているため、コア16の成形に際してその内側に位置しているコイル10が原因となって外周側成形部25に亀裂発生するといった問題は生じない。
この実施形態ではまた、コイル被覆体24即ちコイル10を1次成形体16-1を介してコア16用の2次成形型96にて位置決めし保持した状態で、コアの2次成形体16-2を成形するため、その際にコイル10が射出圧及び流動圧にてセット位置から位置ずれするのを防止でき、コイル10を予め設定した位置に正確に位置決めし且つ保持した状態でコア16を成形完了することができる。
従ってコア16の成形時にコイル10が位置ずれすることによって、リアクトル15の特性に悪影響が及ぶのを良好に防止することができる。
更に容器状をなす1次成形体16-1の凹所40にコイル被覆体24を収容し保持させた状態で、2次成形体16-2を成形するため、成形作業性が良好となるとともに、2次成形体16-2を成形する際に1次成形体16-1自身にてコイル被覆体24をコイル軸線方向である上下方向にも位置決めし保持しておくことができる。
本実施形態では、コイル被覆体24の樹脂被覆層22を射出成形するに際し、成形を少なくとも2回に分けて行うことで、コイル10を成形型により良好に位置決めし保持した状態で成形を行うことができ、成形に際してコイル10が射出圧や流動圧により位置ずれしてしまうのを防止することができる。
また本実施形態では、コイル被覆体24をコア16の1次成形体16-1とともにコア用の2次成形型96にセットした状態で、コア16の2次成形体16-2を射出成形する際、射出圧ないし流動圧が強く作用する樹脂被覆層22の内周被覆部50及び上被覆部52に、樹脂被覆層22における1次成形体22-1と2次成形体22-2との接合部が位置していないので、軟磁性粉が強い射出圧の下でその接合部の隙間から浸入してコイル10の絶縁被膜12を傷付けてしまうのを良好に回避することができる。
絶縁被膜(20〜30μmのポリアミドイミド皮膜)付き平角線材(幅9mm,厚み0.85mm)を巻いて成る上コイル10-1,下コイル10-2(何れも外径φ80mm,内径φ47mm,ターン数18のフラットワイズコイルで一方を反転して重ね合せてある)を上下に重ねて接合一体化し構成したコイル10を用い、熱可塑性樹脂として直鎖状のPPSを用いて、コイル被覆体24における樹脂被覆層22の1次成形体22-1を成形した。
このとき1次成形体22-1は、外周被覆部46の厚み1mm,下被覆部48の厚みを1mmで成形した。
続いて樹脂被覆層22用の2次成形型70を用いて同一のPPS樹脂を用い、2次成形体22-2を成形した。
このとき2次成形体22-2は、内周被覆部50の厚みを0.5mm,上被覆部52の厚みを1mmとして成形した。
尚、このときの樹脂被覆層22の成形は以下の条件で行った。即ち射出温度を320℃とし、また成形型の型温度を130℃とし、射出圧力を147MPaとして射出成形を行った。
これと並行して、軟磁性鉄粉と直鎖状PPSを、軟磁性鉄粉の比率が60体積%となるような配合比率で混合した混合材を用いてコア16における1次成形体16-1を射出成形し、そして1次成形体16-1にコイル被覆体24を収納して、その状態で別の2次成形型96にて、上記と同じ混合材を用いてコア16における2次成形体16-2を成形し、同時にこれを1次成形体16-1とコイル被覆体24とに一体化し、リアクトル15を得た(寸法はコア16の外径がφ90mm,高さが40.5mm)。
尚、このときのコア16の成形は以下のような条件で行った。即ち射出温度を310℃とし、また成形型の型温度を150℃とし、そして射出圧力を147MPaとしてコア16の射出成形を行った。
以上のようにして得られたリアクトル15のコア16には亀裂の発生は認められなかった。
上記で得たリアクトル15の耐電圧特性を次のようにして測定した。
ここではリアクトル15をアルミベースプレート上に直接置いて、リアクトル15をアルミベースプレートに電気的に繋がった状態とし、そして測定装置の一方の端子をリアクトル15の一方のコイル端子18に、また他方の端子をアルミベースプレートにそれぞれ結線し、そしてその状態で通電を行って交流0V〜3500V(ボルト)まで徐々に電圧を高め、3500Vで1秒間保持した。
その際、流れる電流が10mA(ミリアンペア)以下であれば合格、それよりも多ければ不合格として耐電圧を判定した。
その結果、本実施形態のものは試験数10個全てが合格であった。
これに対し、コイル10に対して樹脂被覆層22を形成しないままコイル10に対して射出成形を行ってコア16を成形した比較例のものは、試験数10個中全て200〜300V(ボルト)で絶縁破壊を生じ、何れも不合格の判定結果であった。
尚、測定装置としては菊水電子(社)製TOS5051Aを用いた。
以上本発明の実施形態を実施例とともに説明したがこれはあくまで一例示である。
例えば上記実施形態ではコイル被覆体24を成形するに際し、先ず外周被覆部46を成形し、次いで内周被覆部50を成形するようにしているが、場合によって1次成形ではコイル10を1次成形型にて外周面で保持拘束して内周被覆部50を成形し、その後に外周被覆部46を成形するようになすことも可能であるし、また樹脂被覆層22における1次成形体22-1,2次成形体22-2或いはコア16における1次成形体16-1,2次成形体16-2を上例以外の他の様々な形状で成形するといったことも可能である。
更に本発明は上記リアクトル以外に電磁調理器の加熱体その他のコイル複合体を製造するに際しても適用可能である等、本発明はその趣旨を逸脱しない範囲において種々変更を加えた態様,形態で実施及び構成することが可能である。
10 コイル
15 リアクトル
16 コア
16-1,22-1 1次成形体
16-2,22-2 2次成形体
22 樹脂被覆層
24 コイル被覆体
25 外周側成形部
26 底部
30 開口
32 内周側成形部
34 蓋部
40 凹所
46 外周被覆部
48 下被覆部
50 内周被覆部
52 上被覆部
54,84 1次成形型
66,80,94,104 キャビティ
70,96 2次成形型
,P 境界面

Claims (8)

  1. 軟磁性粉と樹脂との混合材で構成した成形体をコアとして、該コアの内部に絶縁被膜付きの導体コイルを埋込状態に一体化して成るコイル複合成形体を製造するに際し、
    前記絶縁被膜付きの前記コイルを包み込む状態に電気絶縁性の樹脂で被覆してコイル被覆体を成形する工程Aと、
    該コイル被覆体を成形型にセットして、該コイル被覆体を包み込む状態に前記軟磁性粉と熱可塑性樹脂との混合材を射出成形して前記コアを成形するとともに、該コアの内部に前記コイルを埋込状態に一体化する工程Bと、
    を経て前記コイル複合成形体を得ることを特徴とするコイル複合成形体の製造方法。
  2. 請求項1において、前記コアを射出成形する工程Bを、
    該コアの、前記コイル被覆体の外周面に接する筒状の外周側成形部を含む、コイル軸線方向の一端側に該コイル被覆体の嵌込用の開口を有する形状の1次成形体をコア用の1次成形型にて予め射出成形しておく工程B-1と、
    該コイル被覆体の内周面に接する内周側成形部を含む2次成形体をコア用の2次成形型にて成形する工程B-2と、に分け、
    該工程B-2では、前記工程B-1で得た前記1次成形体の前記外周側成形部に前記コイル被覆体を内嵌状態に嵌合させ且つ前記コア用の2次成形型にて該外周側成形部を外周側から径方向に拘束し保持した状態で、前記内周側成形部を含む2次成形体を成形すると同時に、該2次成形体と前記1次成形体及び前記コイル被覆体を一体化することを特徴とするコイル複合成形体の製造方法。
  3. 請求項2において、前記1次成形体を成形する前記工程B-1では、前記外周側成形部とともに前記開口とは反対側の前記コアの底部を併せて成形して、前記1次成形体を前記コイル被覆体を内部に収容し保持する底部付きの容器状となしておくことを特徴とするコイル複合成形体の製造方法。
  4. 請求項3において、前記1次成形体は、前記コイル被覆体を内部の凹所に全高に亘って収容する高さで成形しておくことを特徴とするコイル複合成形体の製造方法。
  5. 請求項2〜4の何れかにおいて、前記2次成形体を成形する前記工程B-2では、前記内周側成形部とともに前記開口を閉鎖する蓋部を併せて成形することを特徴とするコイル複合成形体の製造方法。
  6. 請求項1〜5の何れかにおいて、前記コイル被覆体を成形する工程Aでは、該コイルを包み込む状態に被覆する樹脂被覆層を熱可塑性樹脂にて射出成形するとともに、該工程Aを、
    前記コイルの内周面又は外周面に対して該樹脂被覆層用の1次成形型を接触させ、該1次成形型にて該コイルを該内周面又は外周面において径方向に位置決めし拘束した状態で、該コイルの外周側又は内周側に形成される該1次成形型の1次成形キャビティに樹脂材料を射出して、前記樹脂被覆層における外周被覆部又は内周被覆部を含む1次成形体を成形し且つ該コイルと一体化する工程A-1と、
    しかる後該1次成形体を該コイルとともに該樹脂被覆層用の2次成形型にセットして、該コイルの内周側又は外周側に形成される該2次成形型の2次成形キャビティに前記樹脂材料を射出して、前記樹脂被覆層における内周被覆部又は外周被覆部を含む2次成形体を成形し且つ該コイル及び前記1次成形体と一体化する工程A-2と、
    に分けて射出成形を行うことを特徴とするコイル複合成形体の製造方法。
  7. 軟磁性粉と熱可塑性樹脂との混合材で構成した成形体をコアとして、該コアの内部に絶縁被膜付きの導体コイルを外側から包み込む状態に電気絶縁性の樹脂で被覆したコイル被覆体を埋込状態に一体化して成るコイル複合成形体であって、
    前記コアは、前記コイル被覆体の外周面に接する筒状の外周側成形部を含む1次成形体と、該コイル被覆体の内周面に接する内周側成形部を含む2次成形体とが境界面で接合一体化されていることを特徴とするコイル複合成形体。
  8. 軟磁性粉と熱可塑性樹脂との混合材で構成した成形体をコアとして、該コアの内部に絶縁被膜付きの導体コイルを外側から包み込む状態に電気絶縁性の熱可塑性樹脂で被覆したコイル被覆体を埋込状態に一体化して成るコイル複合成形体であって、
    前記コイル被覆体の樹脂被覆層は、前記コイルの外周面を被覆する外周被覆部を含む成形体と、該コイルの内周面を被覆する内周被覆部を含む成形体とが接合されて一体化されていることを特徴とするコイル複合成形体。
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