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JP2011157851A - 内燃機関の制御装置 - Google Patents

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JP2011157851A
JP2011157851A JP2010019243A JP2010019243A JP2011157851A JP 2011157851 A JP2011157851 A JP 2011157851A JP 2010019243 A JP2010019243 A JP 2010019243A JP 2010019243 A JP2010019243 A JP 2010019243A JP 2011157851 A JP2011157851 A JP 2011157851A
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ratio
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Hiromichi Yasuda
宏通 安田
Takeshi Sano
健 佐野
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Toyota Motor Corp
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Toyota Motor Corp
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Abstract

【課題】この発明は、燃焼中の比熱比を正確に算出することを目的とする。
【解決手段】ECU50は、点火時期やPVκの算出値に基いて、燃焼開始点CAstと燃焼終了点CAendとを取得する。そして、燃焼開始点CAstの比熱比κstと、燃焼終了点CAendの比熱比κendとの間をクランク角に応じて線形補間し、これにより燃焼中の任意の時点における比熱比κを算出する。この算出処理において、比熱比κst,κendは、混合気や排気ガスの比熱比等に応じて予め設定される。これにより、比熱比が燃焼中に変動しても、その値を正確に算出することができる。従って、比熱比の算出値に基いて燃焼制御等を高い精度で実行することができる。
【選択図】図2

Description

本発明は、内燃機関の制御装置に係り、特に、燃焼中の比熱比を算出する構成とした内燃機関の制御装置に関する。
一般に、内燃機関の筒内で発生する熱量Qは、筒内圧P、筒内容積V及び比熱比κに基いて算出されるPVκと比例することが知られている(Q∝PVκ)。ここで、筒内圧Pは、センサ等により検出することができ、筒内容積Vは、クランク角の関数として取得することができる。従って、比熱比κの値を求めることができれば、上記の比例関係により発熱量Qを算出し、これを制御に用いることができる。
そこで、例えば特許文献1(特開2005−351145号公報)に開示されている従来技術では、所定の2点のクランク角において筒内圧と筒内容積とを検出し、これらの検出値に基いて比熱比を算出する構成としている。
特開2005−351145号公報
ところで、従来技術では、2点のクランク角での筒内圧と筒内容積に基いて、比熱比を算出する構成としている。しかしながら、比熱比は、筒内ガスの組成や温度等に応じて変化するものであり、特に燃焼中(圧縮行程→膨張行程)には大きく変化する。このため、従来技術の方法では、燃焼中の比熱比を正確に算出するのが難しいという問題がある。
本発明は、上述のような課題を解決するためになされたもので、本発明の目的は、燃焼中の比熱比を正確に算出することができ、筒内での発熱量等を高い精度で求めることが可能な内燃機関の制御装置を提供することにある。
第1の発明は、筒内で燃焼されるガスの燃焼前の比熱比を取得する第1の比熱比取得手段と、
前記ガスの燃焼後の比熱比を取得する第2の比熱比取得手段と、
前記燃焼前の比熱比と前記燃焼後の比熱比との間を補間することにより燃焼中の比熱比を算出する第3の比熱比算出手段と、
を備えることを特徴とする。
第2の発明によると、前記第3の比熱比算出手段は、前記燃焼前の比熱比と前記燃焼後の比熱比との間を線形補間することにより、燃焼中の任意の時点における比熱比を算出する構成としている。
第3の発明は、前記ガスの内部エネルギを取得する内部エネルギ取得手段と、
筒内圧及び筒内容積に基いて筒内での発熱量を算出し、燃焼前及び燃焼後の発熱量に基いて燃焼中の任意の時点における燃焼割合を算出する燃焼割合算出手段と、を備え、
前記第3の比熱比算出手段は、前記燃焼前の比熱比と前記燃焼後の比熱比との間を前記内部エネルギと前記燃焼割合とに応じて補間することにより、燃焼中の任意の時点における比熱比を算出する構成としている。
第4の発明によると、前記第1の比熱比取得手段は、前記燃焼前の比熱比を混合気の比熱比に基いて設定し、前記第2の比熱比取得手段は、前記燃焼後の比熱比を排気ガスの比熱比に基いて設定する構成としている。
第5の発明は、前記ガスの内部エネルギを取得する内部エネルギ取得手段を備え、
前記第1,第2の比熱比取得手段は、前記燃焼前及び燃焼後の比熱比をそれぞれの時点の内部エネルギに基いて算出する構成としている。
第6の発明は、点火時期に基いて燃焼開始点を取得する燃焼開始点取得手段と、
少なくとも筒内圧に基いて燃焼終了点を取得する燃焼終了点取得手段と、を備え、
前記第1の比熱比取得手段は、前記燃焼開始点の比熱比を前記燃焼前の比熱比として取得し、前記第2の比熱比取得手段は、前記燃焼終了点の比熱比を前記燃焼後の比熱比として取得する構成としている。
第7の発明によると、前記燃焼終了点取得手段は、筒内での発熱量が最大となる時点を前記燃焼終了点として取得する構成としている。
第8の発明によると、前記燃焼終了点取得手段は、内燃機関のクランク角により定められる筒内容積Vと、前記筒内圧Pと、前記燃焼開始点の比熱比κとに基いてPVκを算出し、このPVκが最大となる時点を前記燃焼終了点として取得する構成としている。
第1の発明によれば、第3の比熱比算出手段は、燃焼前の比熱比と燃焼後の比熱比との間を補間することにより、燃焼中の比熱比を正確に算出することができる。これにより、比熱比が燃焼中に大きく変動しても、その算出値を実際の値に対して高い精度で追従させることができ、算出時の誤差を低減することができる。従って、燃焼中の比熱比に基いて発熱量を正確に算出し、燃焼制御等を高い精度で実行することができる。
第2の発明によれば、燃焼中の比熱比は、燃焼前の値に対して大きく変動するが、その値は燃焼後の比熱比に収束していく。従って、燃焼前及び燃焼後の比熱比の間を線形補間することにより、燃焼中の比熱比を正確に算出することができる。しかも、線形補間を用いることにより、比較的簡単な演算で比熱比を求めることができるので、制御装置の演算負荷を軽減し、演算速度を向上させることができる。
第3の発明によれば、燃焼中の比熱比は、ガスの温度(内部エネルギ)と、ガスの組成(燃焼割合)とに応じて変化する。第3の比熱比算出手段は、これらのパラメータに基いて燃焼前の比熱比と燃焼後の比熱比との間を補間することができる。これにより、比熱比の算出値に対して、ガスの温度だけでなく、その組成変化も反映させることができ、燃焼中の比熱比が大きく変動する場合でも、その値を正確に算出することができる。
第4の発明によれば、第1の比熱比取得手段は、燃焼開始前に存在する混合気の比熱比に基いて、燃焼前の比熱比を設定することができる。また、第2の比熱比取得手段は、燃焼終了後に生じる排気ガスの比熱比に基いて、燃焼後の比熱比を設定することができる。
第5の発明によれば、燃焼前及び燃焼後の比熱比は、ガスの組成が変化しないので、内部エネルギに応じて変化する。従って、第1,第2の比熱比取得手段は、燃焼前及び燃焼後の比熱比をそれぞれの時点の内部エネルギに基いて正確に算出することができる。
第6の発明によれば、燃焼開始点取得手段と燃焼終了点取得手段とは、燃焼開始点及び燃焼終了点に基いて補間を行う区間を正確に設定することができる。従って、これらの時点を基準として比熱比の補間を正確に行うことができる。
第7の発明によれば、燃焼終了点では、筒内での発熱量が最大となる。燃焼終了点取得手段は、発熱量が最大となるクランク角を燃焼終了点として取得することができる。
第8の発明によれば、筒内での発熱量はPVκと比例するので、燃焼終了点取得手段は、PVκが最大となるクランク角を燃焼終了点として取得することができる。
本発明の実施の形態1のシステム構成を説明するための全体構成図である。 燃焼行程における発熱量の変化と比熱比の変化を示す特性線図である。 本発明の実施の形態1において、ECUにより実行される制御のフローチャートである。 本発明の実施の形態2において、燃焼行程の前,後における筒内温度とクランク角との関係を示す特性線図である。 比熱比の逆数とクランク角との関係を示す特性線図である。 比熱比の逆数と筒内温度との関係を示す特性線図である。 燃焼中の比熱比の算出方法を説明するための説明図である。 本発明の実施の形態2による比熱比の算出値と、実際の比熱比とを比較して示す特性線図である。 本発明の実施の形態2において、ECUにより実行される制御のフローチャートである。
実施の形態1.
[実施の形態1の構成]
以下、図1乃至図3を参照しつつ、本発明の実施の形態1について説明する。図1は、本発明の実施の形態1のシステム構成を説明するための全体構成図である。本実施の形態のシステムは、多気筒型のエンジンからなる内燃機関10を備えている。なお、図1では、内燃機関10に搭載された複数気筒のうちの1気筒を例示している。内燃機関10の各気筒12には、ピストン14の往復動作により拡大,縮小する燃焼室16が設けられている。ピストン14は、内燃機関10の出力軸であるクランク軸18に連結されている。
また、内燃機関10は、各気筒12に吸入空気を吸込む吸気通路20と、各気筒12から排気ガスを排出する排気通路22とを備えている。吸気通路20には、吸入空気量を検出するエアフローセンサ24と、電子制御式のスロットルバルブ26とが設けられている。スロットルバルブ26は、アクセル開度等に基いてスロットルモータ28により駆動され、吸入空気量を増減させる。また、各気筒12には、吸気ポートに燃料を噴射する燃料噴射弁30と、燃焼室16内の混合気に点火する点火プラグ32と、吸気通路20を燃焼室16に対して開,閉する吸気バルブ34と、排気通路22を燃焼室16に対して開,閉する排気バルブ36とが設けられている。
さらに、本実施の形態のシステムは、クランク角センサ38、筒内圧センサ40等を含むセンサ系統と、内燃機関10の運転状態を制御するためのECU(Electronic Control Unit)50とを備えている。クランク角センサ38は、クランク軸18の回転に同期した信号を出力するもので、ECU50は、この出力に基いて機関回転数を検出したり、クランク角を検出することができる。また、筒内圧センサ40は、圧電素子や歪みゲージ等を用いた一般的な圧力センサにより構成され、燃焼室16内の圧力(筒内圧)を検出する。
センサ系統には、前記センサ24,38,40に加えて、車両や内燃機関の制御に必要な各種のセンサ(例えば内燃機関の冷却水温を検出する水温センサ、アクセル開度を検出するアクセル開度センサ、排気空燃比を検出する空燃比センサ等)が含まれており、これらのセンサはECU50の入力側に接続されている。また、ECU50の出力側には、スロットルモータ28、燃料噴射弁30、点火プラグ32等を含む各種のアクチュエータが接続されている。
そして、ECU50は、内燃機関の状態をセンサ系統により検出し、その検出結果に基いて各アクチュエータを駆動することにより、運転制御を行う。具体的には、クランク角センサ40の出力に基いて機関回転数とクランク角とを検出し、エアフローセンサ24により検出した吸入空気量と、前記機関回転数とに基いて内燃機関の負荷率を算出する。また、クランク角の検出値に基いて燃料噴射時期、点火時期等を決定する。そして、吸入空気量、負荷率等に基いて燃料噴射量を算出し、燃料噴射弁30を駆動すると共に、点火プラグ32を駆動する。
また、ECU50は、筒内圧センサ40により任意のクランク角での筒内圧Pを検出し、その検出結果を時系列データとして記憶する機能と、予め記憶したマップデータ等に基いて任意のクランク角での筒内容積Vを算出する機能とを有している。さらに、ECU50は、下記の方法により求めた比熱比κに基いて筒内での発熱量を算出し、この発熱量に基いて燃焼制御等を実行する。
[実施の形態1の特徴]
図2は、燃焼行程における発熱量の変化と比熱比の変化を示す特性線図である。図2(a)は、筒内での発熱量Qとクランク角との関係を示し、図2(b)は、比熱比κとクランク角との関係を示している。また、図2中のCAstは、燃焼が開始される時点(燃焼開始点)のクランク角であり、CAendは、燃焼が終了する時点(燃焼終了点)のクランク角である。図2(b)に示すように、比熱比κはクランク角に応じて変化するが、特に燃焼中に大きく変化する傾向がある。
このため、本実施の形態では、燃焼開始点CAstの比熱比κst(燃焼前の比熱比)と、燃焼終了点CAendの比熱比κend(燃焼後の比熱比)とに基いて、燃焼中の比熱比を算出する構成としている。具体的には、比熱比κstと比熱比κendとの間をクランク角に応じて線形補間することにより、燃焼中の任意の時点(クランク角)における比熱比κを算出するものである。燃焼中の比熱比は、燃焼前の値に対して大きく変動するが、その値は燃焼後の比熱比に収束していく。従って、燃焼前及び燃焼後の比熱比の間を線形補間することにより、燃焼中の比熱比を正確に算出することができる。以下、この算出方法について具体的に説明する。
まず、線形補間を行う区間の始点となる燃焼開始点CAstは、点火時期制御により設定された点火時期と等しい時点か、または点火時期に対して燃焼開始までの遅れ時間を加算した時点として設定される。一方、線形補間を行う区間の終点となる燃焼終了点CAendは、図2(a)に示すように、筒内での発熱量Qが最大となる時点として算出される。ここで、発熱量Qは、筒内圧P、筒内容積V及び比熱比κにより算出されるPVκと比例するので、PVκが最大となる時点のクランク角を、燃焼終了点CAendとして取得することができる。なお、PVκの算出処理において、筒内圧Pは、筒内圧センサ40により検出される。また、任意のクランク角での筒内容積Vは、筒内容積Vとクランク角との関係を示すデータに基いて算出されるもので、このデータはECU50に予め記憶されている。さらに、PVκの算出に用いる比熱比κとしては、例えば比熱比κstが用いられる。
また、燃焼開始点CAstの比熱比κst及び燃焼終了点CAendの比熱比κendは、実験や理論計算等により求められた所定値として予め設定されている。具体例を挙げると、比熱比κstは、理論空燃比に近い空燃比をもつ混合気の比熱比等に応じて定められ、本実施の形態では、例えば比熱比κst=1.39程度の値に設定されている。また、比熱比κendは、上記混合気の燃焼により生じた排気ガスの比熱比等に応じて定められ、本実施の形態では、例えば比熱比κend=1.24程度の値に設定されている。なお、上述した比熱比κst,κendの値は、本実施の形態における一例に過ぎず、本発明を限定するものではない。
次に、燃焼中(燃焼開始点CAstから燃焼終了点CAendまで)の比熱比変化aを算出する。比熱比変化aは、燃焼の進行に応じて変化する比熱比の変化率に相当するもので、上記の燃焼開始点CAst、燃焼終了点CAend及び比熱比κst,κendに基いて、下記(1)式により算出される。この比熱比変化aを用いれば、任意のクランク角CAにおける比熱比κは、下記(2)式により算出することができる。なお、クランク角CAは、CAend≧CA≧CAstの範囲内とする。
a=(κend−κst)/(CAend−CAst) ・・・(1)
κ=κst+a・(CA−CAst) ・・・(2)
図2(b)は、上記(2)式により算出した比熱比κの算出値と、比熱比κの実際の値(真値)と、比熱比κとして一定値を用いた場合(比較例)とを示している。この図に示すように、本実施の形態によれば、燃焼中の比熱比κを正確に算出することができ、算出時の誤差を低減することができる。特に、比熱比κが燃焼中に大きく変動しても、その算出値を実際の値に対して高い精度で追従させることができる。従って、燃焼中の比熱比κに基いて発熱量を正確に算出し、燃焼制御等を高い精度で実行することができる。しかも、線形補間を用いることにより、比較的簡単な演算で比熱比κを求めることができるので、ECU50の演算負荷を軽減し、演算速度を向上させることができる。
[実施の形態1を実現するための具体的な処理]
図3は、本発明の実施の形態1において、ECUにより実行される制御のフローチャートである。この図に示すルーチンは、内燃機関の運転中に繰返し実行されるものとする。図3に示すルーチンでは、まず、点火時期に基いて燃焼開始点CAstを算出する(ステップ100)。また、前述の方法によりPVκを算出し、その算出値が最大となる位置を燃焼終了点CAendとして算出する(ステップ102)。これにより、燃焼開始点CAst及び燃焼終了点CAendに基いて補間を行う区間を正確に設定することができる。
次の処理では、燃焼前の比熱比κstと燃焼後の比熱比κendとに基いて前記(1)式により比熱比変化aを算出し(ステップ104)、その算出結果に基いて前記(2)式により任意のクランク角CAにおける比熱比κを算出する(ステップ106)。さらに、ステップ106では、燃焼制御等に用いるために、算出した比熱比κに基いて筒内での発熱量(PVκ)を算出する。
なお、上述した実施の形態1では、図3中のステップ100が請求項6における燃焼開始点取得手段の具体例を示し、ステップ102が請求項6,7,8における燃焼終了点取得手段の具体例を示している。また、ステップ104は、請求項1,4における第1,第2の比熱比取得手段の具体例を示し、ステップ106は、請求項1,2における第3の比熱比取得手段の具体例を示している。
実施の形態2.
次に、図4乃至図9を参照して、本発明の実施の形態2について説明する。本実施の形態では、前記実施の形態1と同様のシステム構成(図1)を採用しており、また、燃焼前の比熱比と燃焼後の比熱比とに基いて燃焼中の比熱比を算出する構成としている。しかし、本実施の形態では、筒内ガスの内部エネルギと燃焼割合とを考慮している点で、実施の形態1と構成が異なっている。なお、本実施の形態では、実施の形態1と同一の構成要素に同一の符号を付し、その説明を省略するものとする。
[実施の形態2の特徴]
燃焼中の比熱比は、ガスの温度(内部エネルギU)と、ガスの組成(燃焼割合MFB)とに応じて変化する。一方、燃焼前及び燃焼後の比熱比は、ガスの組成が変化しないので、内部エネルギUに応じて変化する。そこで、本実施の形態では、まず、燃焼前及び燃焼後の比熱比をそれぞれの時点の内部エネルギUに基いて算出する。また、燃焼前の比熱比と燃焼後の比熱比との間を、内部エネルギUと燃焼割合MFBとに応じて補間することにより、燃焼中の任意の時点における比熱比を算出する構成としている。以下、この算出方法について具体的に説明する。
まず、燃焼前及び燃焼後の比熱比の算出方法について説明する。図4は、本発明の実施の形態2において、燃焼行程の前,後における筒内温度とクランク角との関係を示す特性線図である。この図に示すように、筒内温度は、燃焼により大きく上昇し、燃焼後には徐々に低下する。一方、図5は、比熱比の逆数とクランク角との関係を示す特性線図である。比熱比は、一般的に温度が上昇するほど減少するので、比熱比を逆数とすれば、図5に示すような特性が得られる。そして、図4及び図5に示すデータに基いて、比熱比逆数(1/κ)と筒内温度との関係を求めると、図6に示すようになる。
図6は、比熱比の逆数と筒内温度との関係を示す特性線図である。この図において、燃焼前(圧縮行程)の段階では、ガスの組成が変化せずに、その温度が圧縮により上昇する。従って、この段階では、筒内温度(内部エネルギU)と比熱比逆数(1/κ)との間に直線的な相関があるとみなすことができる。即ち、図6中に示す特性線のうち、燃焼前の段階に対応する特性線L1は、筒内ガスの内部エネルギUと、所定の傾きacmp及び切片bcmpとを用いて、下記(3)式のように表すことができる。
1/κ=acmp・U+bcmp ・・・(3)
また、燃焼後の段階では、ガスの組成が変化せずに、その温度が膨張により低下するので、この場合にも、筒内温度と比熱比逆数との相関は直線的であるとみなすことができる。従って、燃焼後の段階に対応する特性線L2は、筒内ガスの内部エネルギUと、所定の傾きaexp及び切片bexpとを用いて、下記(4)式のように表すことができる。
1/κ=aexp・U+bexp ・・・(4)
また、筒内ガスの内部エネルギUは温度に比例するが、気体の状態方程式によれば、筒内ガスの温度T、筒内圧P、筒内容積V、ガスの質量M及びガス定数Rの間には、PV=MRTなる関係式が成立する。この関係式において、筒内圧Pと筒内容積Vとは実施の形態1と同様に取得され、ガスの質量Mは、吸入空気量と燃料噴射量とに基いて算出することができる。従って、気体の状態方程式に基いてガスの温度Tを算出し、これを内部エネルギUとして用いることができる。そして、この内部エネルギUを、ECU50に予め記憶された前記(3),(4)式に代入することにより、燃焼前及び燃焼後の比熱比κを正確に算出することができる。なお、前記(3),(4)式に示す傾きacmp,aexpと切片bcmp,bexpとは、実験等により容易に特定されるものである。
次に、燃焼中の比熱比の算出方法について説明する。燃焼中の比熱比は、燃焼前(混合気)の比熱比から燃焼後(燃焼ガス)の比熱比に向けて徐々に変化する。この場合、比熱比は、筒内ガスの組成変化が反映される燃焼割合MFB(Mass Fraction Burned)と、ガスの温度(内部エネルギ)とに応じて変化すると考えられる。燃焼割合MFBとは、筒内に流入した全燃料のうち燃焼した燃料の割合に相当するものである。
燃焼割合MFBは、燃焼前及び燃焼後(燃焼開始点及び燃焼終了点)の発熱量を基準として、燃焼中の任意の時点における発熱量を正規化することにより算出される。具体的に述べると、まず、燃焼開始点の発熱量は0である。また、燃焼終了点では、発熱量及びこれと比例するPVκが最大となるので、燃焼終了点の発熱量は、PVκの最大値として得ることができる。そして、これらの具体値に基いて任意の時点の発熱量を正規化することにより、当該時点の燃焼割合MFBを求めることができる。
一方、燃焼中の比熱比は、燃焼割合MFBと筒内温度(内部エネルギU)とに応じて、図6中に示す特性線L3のように変化する。特性線L3の傾きは、燃焼割合MFBが増加するにつれて、前述した燃焼前の傾きacmpから燃焼後の傾きaexpに向けて徐々に変化していることが判る。このことから、燃焼中の比熱比は、ECU50の演算サイクルにおいて今回の演算により取得された内部エネルギU今回値と、前回の演算により取得された内部エネルギU前回値と、前回の演算により算出された比熱比の逆数(1/κ前回値)と、燃焼割合MFBと、燃焼前及び燃焼後の傾きacmp,aexpとに基いて、下記(5)式のように表すことができる。
1/κ=
{acmp−(acmp−aexp)・MFB/100}・(U前回値−U今回値)+1/κ前回値
・・・(5)
図7は、燃焼中の比熱比の算出方法を説明するための説明図である。この図は、図6中の特性線L3を模式的に示している。図7中に示すように、上記(5)式中の(A)項は、燃焼割合MFBが増加した分だけ燃焼前の傾きacmpから燃焼後の傾きaexpに向けて変化した特性線L3の傾きを表している。一方、(B)項は、前回の演算から今回の演算までに増加した内部エネルギUの増加量を表している。従って、これらの積を前回の演算時点における比熱比の逆数の算出値(1/κ前回値)に加算することにより、燃焼中の比熱比を逆数として求めることができる。
図8は、本発明の実施の形態2による比熱比の算出値と、実際の比熱比とを比較して示す特性線図である。この図に示すように、上記の方法により得られた比熱比の算出値は、燃焼前、燃焼中及び燃焼後を含む広い期間において、実際の比熱比(真値)と高い精度で一致している。特に、燃焼中の比熱比は、燃焼割合MFBと内部エネルギUとに基いて算出されるので、比熱比の変動量が大きいにも拘らず、これを実際の値とほぼ一致させることができる。即ち、本実施の形態では、比熱比の算出値に対して、ガスの温度(内部エネルギU)だけでなく、その組成(燃焼割合MFB)の変化も反映させることができる。
また、燃焼前及び燃焼後の比熱比についても、一定値ではなく、筒内温度(内部エネルギU)に応じて適切に変化させることができる。従って、本実施の形態によれば、前記実施の形態1と比較して、燃焼前、燃焼中及び燃焼後の比熱比をより正確に算出することができ、高い効果を得ることができる。
[実施の形態2を実現するための具体的な処理]
図9は、本発明の実施の形態2において、ECUにより実行される制御のフローチャートである。この図に示すルーチンは、内燃機関の運転中に繰返し実行されるものとする。図9に示すルーチンでは、まず、実施の形態1(図3)のステップ100,102とほぼ同様の処理により、燃焼開始点CAstと燃焼終了点CAendとを算出する(ステップ200,202)。
次の処理では、燃焼開始点CAst及び燃焼終了点CAendのPVκを算出し、燃焼開始点CAstでは発熱量が0であり、燃焼終了点CAendでは発熱量が最大となることを基準として、任意の時点の燃焼割合MFBを算出する(ステップ204)。また、筒内圧Pと筒内容積Vとに基いて内部エネルギUを算出する(ステップ206)。そして、燃焼割合MFBと内部エネルギUとに基いて、前述の方法により燃焼前、燃焼中及び燃焼後の比熱比κをそれぞれ算出する(ステップ208)。また、ステップ208では、この比熱比κを用いて正確な発熱量を再計算する。
なお、上述した実施の形態2では、図9中のステップ200が請求項6における燃焼開始点取得手段の具体例を示し、ステップ202が請求項6,7,8における燃焼終了点取得手段の具体例を示している。また、ステップ208は、請求項1,5における第1,第2の比熱比取得手段、及び請求項1,3における第3の比熱比取得手段の具体例を示している。さらに、ステップ206は、請求項3,5における内部エネルギ取得手段の具体例を示し、ステップ204は、請求項3における燃焼割合算出手段の具体例を示している。
また、前記実施の形態1では、燃焼前及び燃焼後の比熱比κst,κendを一定値として設定し、燃焼中の比熱比を前記(2)式により算出する構成とした。また、実施の形態2では、燃焼前及び燃焼後の比熱比κを前記(3),(4)式により算出し、燃焼中の比熱比を前記(5)式により算出する構成とした。しかし、本発明はこれに限らず、実施の形態1,2を組合わせる構成としてもよい。即ち、本発明では、燃焼前及び燃焼後の比熱比を一定値として設定し、燃焼中の比熱比を前記(5)式により算出してもよい。また、燃焼前及び燃焼後の比熱比を前記(3),(4)式により算出し、燃焼中の比熱比を前記(2)式により算出する構成としてもよい。
10 内燃機関
12 気筒
14 ピストン
16 燃焼室
18 クランク軸
20 吸気通路
22 排気通路
24 エアフローセンサ
26 スロットルバルブ
28 スロットルモータ
30 燃料噴射弁
32 点火プラグ
34 吸気バルブ
36 排気バルブ
38 クランク角センサ
40 筒内圧センサ
50 ECU
CAst 燃焼開始点
CAend 燃焼終了点
MFB 燃焼割合
U 内部エネルギ

Claims (8)

  1. 筒内で燃焼されるガスの燃焼前の比熱比を取得する第1の比熱比取得手段と、
    前記ガスの燃焼後の比熱比を取得する第2の比熱比取得手段と、
    前記燃焼前の比熱比と前記燃焼後の比熱比との間を補間することにより燃焼中の比熱比を算出する第3の比熱比算出手段と、
    を備えることを特徴とする内燃機関の制御装置。
  2. 前記第3の比熱比算出手段は、前記燃焼前の比熱比と前記燃焼後の比熱比との間を線形補間することにより、燃焼中の任意の時点における比熱比を算出してなる請求項1に記載の内燃機関の制御装置。
  3. 前記ガスの内部エネルギを取得する内部エネルギ取得手段と、
    筒内圧及び筒内容積に基いて筒内での発熱量を算出し、燃焼前及び燃焼後の発熱量に基いて燃焼中の任意の時点における燃焼割合を算出する燃焼割合算出手段と、を備え、
    前記第3の比熱比算出手段は、前記燃焼前の比熱比と前記燃焼後の比熱比との間を前記内部エネルギと前記燃焼割合とに応じて補間することにより、燃焼中の任意の時点における比熱比を算出してなる請求項1に記載の内燃機関の制御装置。
  4. 前記第1の比熱比取得手段は、前記燃焼前の比熱比を混合気の比熱比に基いて設定し、前記第2の比熱比取得手段は、前記燃焼後の比熱比を排気ガスの比熱比に基いて設定してなる請求項1乃至3のうち何れか1項に記載の内燃機関の制御装置。
  5. 前記ガスの内部エネルギを取得する内部エネルギ取得手段を備え、
    前記第1,第2の比熱比取得手段は、前記燃焼前及び燃焼後の比熱比をそれぞれの時点の内部エネルギに基いて算出してなる請求項1乃至3のうち何れか1項に記載の内燃機関の制御装置。
  6. 点火時期に基いて燃焼開始点を取得する燃焼開始点取得手段と、
    少なくとも筒内圧に基いて燃焼終了点を取得する燃焼終了点取得手段と、を備え、
    前記第1の比熱比取得手段は、前記燃焼開始点の比熱比を前記燃焼前の比熱比として取得し、前記第2の比熱比取得手段は、前記燃焼終了点の比熱比を前記燃焼後の比熱比として取得してなる請求項1乃至5のうち何れか1項に記載の内燃機関の制御装置。
  7. 前記燃焼終了点取得手段は、筒内での発熱量が最大となる時点を前記燃焼終了点として取得してなる請求項6に記載の内燃機関の制御装置。
  8. 前記燃焼終了点取得手段は、内燃機関のクランク角により定められる筒内容積Vと、前記筒内圧Pと、前記燃焼開始点の比熱比κとに基いてPVκを算出し、このPVκが最大となる時点を前記燃焼終了点として取得してなる請求項6に記載の内燃機関の制御装置。
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