JP2011140246A - サイドエアバッグ装置 - Google Patents
サイドエアバッグ装置 Download PDFInfo
- Publication number
- JP2011140246A JP2011140246A JP2010000610A JP2010000610A JP2011140246A JP 2011140246 A JP2011140246 A JP 2011140246A JP 2010000610 A JP2010000610 A JP 2010000610A JP 2010000610 A JP2010000610 A JP 2010000610A JP 2011140246 A JP2011140246 A JP 2011140246A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- airbag
- chamber
- seat back
- diffuser
- gas
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
Links
- 230000002093 peripheral effect Effects 0.000 claims abstract description 19
- 239000004744 fabric Substances 0.000 claims description 29
- 238000004891 communication Methods 0.000 claims description 15
- 239000000463 material Substances 0.000 claims description 4
- 238000005192 partition Methods 0.000 description 13
- 238000004519 manufacturing process Methods 0.000 description 4
- 230000000694 effects Effects 0.000 description 3
- 238000013459 approach Methods 0.000 description 2
- 230000003111 delayed effect Effects 0.000 description 2
- 230000000630 rising effect Effects 0.000 description 2
- JOYRKODLDBILNP-UHFFFAOYSA-N Ethyl urethane Chemical compound CCOC(N)=O JOYRKODLDBILNP-UHFFFAOYSA-N 0.000 description 1
- 238000007599 discharging Methods 0.000 description 1
- 230000005764 inhibitory process Effects 0.000 description 1
- 239000007769 metal material Substances 0.000 description 1
- 238000012986 modification Methods 0.000 description 1
- 230000004048 modification Effects 0.000 description 1
Images
Landscapes
- Air Bags (AREA)
Abstract
【課題】エアバッグが正常に展開した場合にはガスの損失を抑制できると共に、エアバッグが正常に展開できない場合にはエアバッグ内のガス圧が上昇し過ぎることを抑制できるサイドエアバッグ装置を得る。
【解決手段】サイドエアバッグ装置10では、エアバッグ20には、ディフューザ28の外周面のうちシートバック18の前後方向において後側でかつシートバックフレームから離間する側(サイドドア側)の一部と対向する部位にベントホール48が形成されている。そして、エアバッグ20が正常に展開した場合には、ディフューザ28によってベントホール48への排出経路が狭められる(場合によっては塞がれる)。一方、着座乗員14の腕14Aに阻害されて肩部チャンバ38が正常に展開できない場合には、胸部チャンバ40内のガス圧が上昇することによりディフューザ28が半径方向内側に押圧され、ベントホール48への排出経路が広げられる(開放される)。
【選択図】図1
【解決手段】サイドエアバッグ装置10では、エアバッグ20には、ディフューザ28の外周面のうちシートバック18の前後方向において後側でかつシートバックフレームから離間する側(サイドドア側)の一部と対向する部位にベントホール48が形成されている。そして、エアバッグ20が正常に展開した場合には、ディフューザ28によってベントホール48への排出経路が狭められる(場合によっては塞がれる)。一方、着座乗員14の腕14Aに阻害されて肩部チャンバ38が正常に展開できない場合には、胸部チャンバ40内のガス圧が上昇することによりディフューザ28が半径方向内側に押圧され、ベントホール48への排出経路が広げられる(開放される)。
【選択図】図1
Description
本発明は、車両用シートのシートバックに設けられるサイドエアバッグ装置に関する。
下記特許文献1に示されたサイドエアバッグ装置では、インフレータから発生するガスによってシートバックの前方側へ膨張展開するエアバッグを備えており、このエアバッグの前縁部には、ガスを排出するためのスリット形状又は長孔形状のベントホールが形成されている。そして、このベントホールがエアバッグの膨張展開状態に応じて開口面積を変化させることにより、排出ガス量を調整するようにしている。
ところで、車両の衝突条件によってはサイドドアのドアトリムと着座乗員の腕等との間にエアバッグの展開に必要な隙間が確保されないことがある。このような場合、着座乗員の腕等に阻害されて正常に展開できないエアバッグ内にインフレータがガスを発生させることで、エアバッグ内のガス圧が必要以上に高くなってしまうが、前述した如きサイドエアバッグ装置では、エアバッグの展開が不完全なため、ベントホールに至る排出経路の途中が塞がれてしまう。このため、エアバッグ内のガスがベントホールを介してエアバッグ外へ十分に排出されず、エアバッグ内のガス圧を十分に低下させることができないことがある。
一方、インフレータのガス噴出口からベントホールに至る排出経路が複雑に折れ曲っていないサイドエアバッグ装置では、ベントホールがエアバッグの前縁部、すなわちエアバッグがシートバックの前方側へ膨張展開する際に積極的にガスが供給される側に形成されていると、エアバッグが正常に展開した場合にもベントホールからガスが無駄に排出されてしまう可能性がある。
本発明は上記事実を考慮し、エアバッグが正常に展開した場合にはガスの損失を抑制できると共に、エアバッグが正常に展開できない場合にはエアバッグ内のガス圧が上昇し過ぎることを抑制できるサイドエアバッグ装置を得ることを目的としている。
請求項1に記載の発明に係るサイドエアバッグ装置は、車両用シートのシートバック内においてシートバックフレームの幅方向外側に固定され、作動することでガスを発生するガス発生手段と、布材によって筒状に形成され、前記ガス発生手段を内側に収容すると共に軸線方向がシートバックの上下方向に沿う状態でシートバック内に設けられたディフューザと、前記ディフューザを内部に収容し、折り畳み状態でシートバック内に格納され、前記ガス発生手段が発生するガスが前記ディフューザの上下の開口部から噴出することによりシートバックの前方側及び上下方向へ膨張展開すると共に、前記ディフューザの外周面のうちシートバックの前後方向において後側でかつ前記シートバックフレームから離間する側の一部と対向する部位にベントホールが形成されたエアバッグと、を備えている。
請求項1に記載のサイドエアバッグ装置では、エアバッグの内部には布材によって筒状に形成されたディフューザが収容されており、このディフューザの内側にはガス発生手段が収容されている。このガス発生手段が作動すると、ガス発生手段から発生したガスがディフューザの上下の開口部から噴出する。これにより、エアバッグがシートバックの前方側及び上下方向へ膨張展開する。
ここで、このエアバッグには、ディフューザの外周面のうちシートバックの前後方向において後側でかつシートバックフレームから離間する側の一部と対向する部位にベントホールが形成されているが、この部位はディフューザの上下の開口部から噴出されるガスの到達が遅れる部位である。しかも、インフレータの作動時には、ディフューザがガス圧によって半径方向に膨らんでディフューザの外周面がエアバッグの内周面に接近するため、ディフューザによって上記ベントホールへの排出経路を狭めることができる。したがって、エアバッグが正常に展開した場合には、ベントホールを介したエアバッグ外へのガスの排出、つまりガスの損失を抑制することができる。
一方、例えば着座乗員の腕等に阻害されてエアバッグが正常に展開できない場合には、エアバッグ内のガス圧が上昇することによりディフューザが半径方向に押圧される。これにより、ディフューザの外周面がエアバッグの内周面から離間してベントホールへの排出経路が広がるため、エアバッグ内のガスがベントホールを介してエアバッグ外へ排出され易くなる。これにより、エアバッグ内のガス圧が上昇し過ぎることを抑制することができる。
請求項2に記載の発明に係るサイドエアバッグ装置は、請求項1に記載のサイドエアバッグ装置において、前記ベントホールは、前記ガス発生手段に対して前記シートバックの上下方向にずれて配置されていることを特徴としている。
請求項2に記載のサイドエアバッグ装置では、ガス発生手段に対してシートバックフレームとは反対側に、エアバッグが膨張するためのスペースが確保されない場合(例えば、側面衝突によってサイドドアがシートバック側へ侵入してきた場合)においても、ガス発生手段の上側又は下側においてエアバッグ内にベントホールへの排出経路(流路)を確保することができる。
請求項3に記載の発明に係るサイドエアバッグ装置は、請求項1又は請求項2に記載のサイドエアバッグ装置において、前記エアバッグの内部は、上室と下室とに区画され、前記ディフューザは、上端開口部が前記上室に連通され、下端開口部が前記下室に連通されると共に、前記ベントホールは、前記上室と前記エアバッグ外とを連通させることを特徴としている。
請求項3に記載のサイドエアバッグ装置では、ディフューザの上端開口部から噴出されるガスがエアバッグの上室に供給されると共に、ディフューザの下端開口部から噴出されるガスがエアバッグの下室に供給されることで、エアバッグが膨張展開する。これにより、例えばエアバッグの上室によって着座乗員の胸部を保護し、エアバッグの下室によって着座乗員の腰部を保護することができる。
しかも、例えば着座乗員の腕等に阻害されてエアバッグの上室が不完全に展開した場合には、上室内のガス圧が上昇することにより上室内のガスがベントホールを介してエアバッグ外へ排出される。これにより、上室内のガス圧が上昇し過ぎることを抑制できるので、着座乗員の胸部がエアバッグの上室によって圧迫されることを防止ないし抑制できる。
請求項4に記載の発明に係るサイドエアバッグ装置は、請求項1又は請求項2に記載のサイドエアバッグ装置において、前記エアバッグの内部は、上室と下室と該上下室間の中間室に区画され、前記ディフューザは、上端開口部が前記上室に連通されると共に、下端開口部が前記下室に連通され、上下方向中間部に形成された連通口を介して前記中間室に連通され、前記ベントホールは、前記中間室と前記エアバッグ外とを連通させることを特徴としている。
請求項4に記載のサイドエアバッグ装置では、ディフューザの上端開口部から噴出されるガスがエアバッグの上室に供給され、エアバッグの上室が膨張展開する。また、ディフューザの下端開口部から噴出されるガスがエアバッグの下室に供給され、エアバッグの下室が膨張展開する。さらに、ディフューザの上下方向中間部に形成された連通口から噴出されるガスがエアバッグの中間室に供給され、エアバッグの中間室が膨張展開する。これにより、例えばエアバッグの上室によって着座乗員の肩部を保護し、エアバッグの中間室によって着座乗員の胸部を保護し、エアバッグの下室によって着座乗員の腰部を保護することができる。
しかも、例えば着座乗員の腕等に阻害されてエアバッグの上室が不完全に展開した場合には、中間室内のガス圧が上昇することにより中間室内のガスがベントホールを介してエアバッグ外へ排出される。これにより、中間室内のガス圧が上昇し過ぎることを抑制できるので、着座乗員の胸部がエアバッグの中間室によって圧迫されることを防止ないし抑制できる。
以上説明したように、請求項1に記載の発明に係るサイドエアバッグ装置では、エアバッグが正常に展開した場合にはガスの損失を抑制できると共に、エアバッグが正常に展開できない場合にはエアバッグ内のガス圧が上昇し過ぎることを抑制できる。
請求項2に記載の発明に係るサイドエアバッグ装置では、ガス発生手段に対してシートバックフレームとは反対側にエアバッグが膨張するためのスペースが確保されない場合でも、エアバッグ内にベントホールへのガスの排出経路(流路)を確保することができる。
請求項3に記載の発明に係るサイドエアバッグ装置では、エアバッグの上室によって着座乗員の胸部を保護し、エアバッグの下室によって着座乗員の腰部を保護することができると共に、着座乗員の胸部がエアバッグの上室によって圧迫されることを防止ないし抑制できる。
請求項4に記載の発明に係るサイドエアバッグ装置では、エアバッグの上室によって着座乗員の肩部を保護し、エアバッグの中間室によって着座乗員の胸部を保護し、エアバッグの下室によって着座乗員の腰部を保護することができると共に、着座乗員の胸部がエアバッグの中間室によって圧迫されることを防止ないし抑制できる。
以下、図1〜図8を用いて、本発明の実施形態に係るサイドエアバッグ装置10について説明する。なお、各図中に適宜示される矢印FRは、このサイドエアバッグ装置10が搭載された車両用シート12の前方側を示し、矢印UPは車両シート12の上方側を示し、矢印INは車両用シート12の幅方向内側を示している。
図1には、本実施形態に係る車両用シート12の主要部の構成が概略的な側面図にて示されている。この図に示されるように、車両用シート12は、乗員14が着座するシートクッション16と、このシートクッション16の後端部に傾倒可能に支持されて着座乗員14の背もたれとして利用されるシートバック18とを備えている。なお、本実施形態では、車両用シート12の前方向、上方向、幅方向は、車両の前方向、上方向、幅方向と略一致している。
シートバック18のドア側サイド部18A(図示しないサイドドア側の側部)の内部には、サイドエアバッグ装置10が配設されている。サイドエアバッグ装置10は、シートバック18の前方側へ膨張展開して着座乗員14を保護するエアバッグ20と、このエアバッグ20内にガスを供給するインフレータ22(ガス発生手段)とを備えており、エアバッグ20が折り畳まれた状態でインフレータ22と共にユニット化されたものが、ドア側サイド部18に内設されている。
なお、図1〜図8においては、エアバッグ20が膨張展開した状態が図示されている。また、図示は省略するが、サイドエアバッグ装置10の周囲には、シート表皮によって覆われたシートバックパッド(ウレタンパッド)が配置されており、エアバッグ10が膨張展開する際には、シート表皮の縫合部およびシートバックパッドが開裂される構成になっている。
インフレータ22は、ドア側サイド部18内においてシートバックフレーム24(図2参照)の幅方向外側(図示しないサイドドア側)に配置されており、シートバックフレーム24を構成するフレームサイド部24Aに固定されている。フレームサイド部24Aは、板金材料によって形成されたものであり、シートバック18の上下方向に沿って延在している。なお、シートバックフレーム24は、シートバック18の前方側から見て下方が開放された略逆U字状に構成されており、その幅方向両側にフレームサイド部24Aが配置されている。
インフレータ22は、略円筒形状に形成されており、軸線方向(長手方向)がシートバック18の上下方向に沿う状態でシートバック18の上下方向中央部付近に配置されている。インフレータ22の外周部には、インフレータ22の半径方向外側へ突出したスタッドボルト22Aが設けられている。このスタッドボルト22Aは、フレームサイド部24Aに形成された貫通孔を貫通してフレームサイド部24のシート幅方向内側へ突出しており、当該突出部分にナット26が螺合している。これにより、インフレータ22がフレームサイド部24Aに固定されている。また、このインフレータ22の下端部には、ガス噴出口が形成されたガス噴出部22Bが設けられている。
上述のインフレータ22は、ガス噴出部22Bから噴出されたガスを整流するためのディフューザ28と共にエアバッグ20の内部に収容されている。エアバッグ20は、図2及び図3に示されるように、内側基布30と、この内側基布30に対してシートバック18の幅方向外側に配置された外側基布32とを備えており、内側基布30と外側基布32の外周縁が縫合されることにより袋状に形成されている。
このエアバッグ20は、着座乗員14の肩部、胸部、及び腰部をカバーできる大型のものとされている。エアバッグ20の内部には、テザーを兼ねた上側仕切布34及び下側仕切布36が配設されている。上側仕切布34及び下側仕切布36は、外周縁がエアバッグ20の内周面に縫合されており、エアバッグ20の内部は、上側仕切布34及び下側仕切布36によって、上室の肩部チャンバ38、中間室の胸部チャンバ40、及び下室の腰部チャンバ42に区画されている。
一方、ディフューザ28は、エアバッグ20の後端側(フレームサイド部24Aの側方)において胸部チャンバ40内に配置されている。このディフューザ28は、図2に示されるように、一枚の布材が両端部を重ね合わされると共に、当該重合部が内側基布30と外側基布32との後端側の縫合部46に共縫いされることで筒状に形成されたものであり、軸線方向がシートバック18の上下方向に沿う状態で配置されている。このディフューザ28は、内側(筒内)に前述したインフレータ22を収容している。インフレータ22は、図2に示されるように、内側基布30と外側基布32との後端側の縫合部46に近接して配置されており、スタッドボルト22Aがディフューザ28及び内側基布30を貫通した状態でフレームサイド部24Aに固定されている。
図3に示されるように、このディフューザ28は、上端開口部28Aが上側仕切布34に形成された上側連通口34Aを介して肩部チャンバ38に連通しており、下端開口部28Bが下側仕切布36に形成された下側連通口36Aを介して腰部チャンバ42に連通している。さらに、ディフューザ28の上下方向中間部には、シートバック18の前方側を向いた中間連通口28C(図1参照)が形成されている。
このため、インフレータ22のガス噴出部22Bから噴出されるガスは、上側連通口34Aを介して肩部チャンバ38内へ流入し、下側連通口36Aを介して腰部チャンバ42内へ流入すると共に、中間連通口28Cを介して胸部チャンバ40内へ流入する(図1に太目の破線で示された矢印参照)。これにより、エアバッグ20がシートバック18の前方側及び上下方向へ膨張展開する。具体的には、肩部チャンバ38が着座乗員14の肩部とサイドドア(図示省略)との間へ膨張展開し、胸部チャンバ40が着座乗員14の胸部とサイドドアとの間へ膨張展開し、腰部チャンバ42が着座乗員14の腰部とサイドドアとの間へ膨張展開する。
なお、インフレータ22から噴出されるガスの容量は、肩部チャンバ38、胸部チャンバ40、及び腰部チャンバ42のそれぞれを十分に膨張展開させることができる程度の容量に設定されている。また、インフレータ22から噴出されるガスは、ディフューザ28によって上方向及び下方向へ流れるように整流されるため、肩部チャンバ38及び腰部チャンバ42に優先的に供給される。換言すれば、中間連通口28Cの大きさは、肩部チャンバ38及び腰部チャンバ42への優先的なガスの供給を妨げない程度の大きさに設定されている。これにより、肩部チャンバ38及び腰部チャンバ42の内圧(ガス圧)が、胸部チャンバ40の内圧(ガス圧)よりも高くなるように構成されている。
さらに、本実施形態では、エアバッグ20の外側基布32には、エアバッグ20内のガスを排出するためのベントホール48(排出口)が形成されている。このベントホール48は、外側基布32の後端側で縫合部46の近傍に配置されており、ディフューザ28の外周面のうちシートバックの前後方向において後側(ここでは車両後方側)でかつシートバックフレーム24から離間する側(シートバックフレーム24とは反対側。ここでは図示しないサイドドア側)の一部と対向している。このベントホール48は、長手方向がエアバッグ20の上下方向に沿った長孔状に形成されており、インフレータ22に対してシートバック18の上方側にずれて配置されている。
(本実施形態の作用・効果)
次に、本実施形態の作用および効果について説明する。
(本実施形態の作用・効果)
次に、本実施形態の作用および効果について説明する。
車両が側面衝突をすると、図示しないエアバッグセンサによって側面衝突状態が検知され、その信号がエアバッグECUに入力される。エアバッグECUでは、サイドエアバッグ装置10を作動させるべきか否かを入力信号に基づいて判断し、「エアバッグ作動」と判断すると、インフレータ22に所定の電流が通電される。これにより、インフレータ22が作動してガスが発生し、ガス噴出部22Bのガス噴出口からガスが噴出される。
インフレータ22から噴出されたガスは、ディフューザ28によって整流され、エアバッグ20の肩部チャンバ38内、胸部チャンバ40内、及び腰部チャンバ42内へ流入する。これにより、肩部チャンバ38が着座乗員14の肩部とサイドドアとの間へ膨張展開し、胸部チャンバ40が着座乗員14の胸部とサイドドアとの間へ膨張展開し、腰部チャンバ42が着座乗員14の腰部とサイドドアとの間へ膨張展開する。これにより、肩部チャンバ38によって着座乗員14の肩部が保護され、胸部チャンバ40によって着座乗員14の胸部が保護され、腰部チャンバ42によって着座乗員14の腰部が保護される。
ここで、このエアバッグ20には、ディフューザ28の外周面のうちシートバックの前後方向において後側でかつシートバックフレーム24から離間する側の一部と対向する部位にベントホール48が形成されているが、この部位はディフューザ28の上端開口部28A、中間連通口28C、下端開口部28Bから噴出されるガスの到達が遅れる部位である(図1に太目の破線で示された矢印G参照)。しかも、インフレータ22の作動時には、図2に示されるように、ディフューザ28がガス圧によって半径方向に膨らんでディフューザ28の外周面がエアバッグ20の内周面に接近し、ディフューザ28によってベントホール48への排出経路が狭められる(場合によっては、ベントホール48が塞がれる)。したがって、エアバッグ20が正常に展開した場合には、ベントホール48を介したエアバッグ20外へのガスの排出、つまりガスの損失が抑制される。
一方、例えば、図4に示されるように着座乗員14の腕14Aに阻害されて肩部チャンバ38が正常に展開できない場合には、胸部チャンバ40内のガス圧が上昇することにより、図5に示される如くディフューザ28が半径方向内側に押圧される。これにより、ディフューザ28の外周面がエアバッグ20の内周面から離間してベントホール48への排出経路が広げられる。このため、胸部チャンバ40内のガスがベントホール48を介してエアバッグ20外へ排出され易くなる(図4及び図5に太線で示された矢印参照)。これにより、胸部チャンバ40内のガス圧が上昇し過ぎることが抑制されるため、着座乗員14の胸部が胸部チャンバ40によって圧迫されることが防止される。なお、図6に示されるように、ディフューザ28の下端開口部28Bから直接的にベントホール48へ向かうガスの流れGも発生するため、腰部チャンバ42内のガス圧が上昇し過ぎることも抑制される。
以上説明したように、本実施形態に係るサイドエアバッグ装置10では、エアバッグ20が正常に展開した場合にはガスの損失を抑制できると共に、エアバッグ20が正常に展開できない場合にはエアバッグ20内のガス圧が上昇し過ぎることを抑制できる。
しかも、単にエアバッグ20の所定部位(ディフューザ28の外周面のうちエアバッグ20の膨張展開方向と反対側でかつシートバックフレーム24から離間する側の一部と対向する部位)にベントホール48を形成するだけでよいため、製造コストの増加を最小限に留めることができる。
つまり、エアバッグ20内のガス圧が所定値以上に上昇した際に開裂等してエアバッグ20の内外を連通させるベントホール(所謂可変ベントホール)などを採用すれば、本実施形態と同様の作用効果を得ることができるが、その場合、可変ベントホールを設定するための製造工程が必要になり、サイドエアバッグ装置の製造コストが上昇してしまう。
この点、本実施形態では、インフレータ22から噴出されるガスを整流するためのディフューザ28を利用してベントホール48(単なる穴)を開閉させる構成、つまり既存の構成を用いて単なる穴を可変ベントホールの如く機能させる構成であるため、製造コストの増加を抑制できる。
さらに、本実施形態では、ベントホール48がインフレータ22に対してシートバック18の上方側にずれて配置されている。したがって、例えば側面衝突によってサイドドアがシートバック18側へ浸入してくることにより、図7に示される如くインフレータ22に対してフレームサイド部24Aとは反対側にエアバッグ20が膨張するためのスペースが確保されない場合(シートバックパッドPがフレームサイド部24A側へ侵入してきた場合)でも、図8に示される如くインフレータ22の上方側においてエアバッグ20内にベントホール48へのガスの排出経路(流路)50を確保することができる。
なお、上記実施形態では、エアバッグ20が上側仕切布34及び下側仕切布36を備え、エアバッグ20の内部が上室の肩部チャンバ38、中間室の胸部チャンバ40、及び下室の腰部チャンバ42に区画された構成にしたが、請求項1に記載の発明はこれに限らず、エアバッグの構成は適宜変更することができる。例えば、エアバッグの内部に仕切布が一枚だけ設けられ、エアバッグの内部が胸部チャンバ(上室)と腰部チャンバ(下室)との2つのチャンバに区画された構成にしてもよい。この場合、ベントホールによって胸部チャンバとエアバッグ外とを連通させることにより、上記実施形態と同様に胸部チャンバの内圧が上昇し過ぎることを防止できる。
また、上記実施形態において、上側仕切布34の上側連通口34A及び下側仕切布36の下側連通口36Aに逆止弁を設定し、肩部チャンバ38内へ流入したガス及び腰部チャンバ42内へ流入したガスが、胸部チャンバ40側へ逆流することを防止するようにしてもよい。
さらに、上記実施形態では、ベントホール48がインフレータ22に対してシートバック18の上方側にずれて配置された構成にしたが、請求項1に記載の発明はこれに限らず、ベントホール48の上下方向の配置は適宜変更することができる。
その他、本発明は、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更して実施できる。また、本発明の権利範囲が上記各実施形態に限定されないことは言うまでもない。
10 サイドエアバッグ装置
12 車両用シート
18 シートバック
20 エアバッグ
22 インフレータ(ガス発生手段)
24 シートバックフレーム
28 ディフューザ
28C 中間連通口(連通口)
38 肩部チャンバ(上室)
40 胸部チャンバ(中間室)
42 腰部チャンバ(下室)
48 ベントホール
12 車両用シート
18 シートバック
20 エアバッグ
22 インフレータ(ガス発生手段)
24 シートバックフレーム
28 ディフューザ
28C 中間連通口(連通口)
38 肩部チャンバ(上室)
40 胸部チャンバ(中間室)
42 腰部チャンバ(下室)
48 ベントホール
Claims (4)
- 車両用シートのシートバック内においてシートバックフレームの幅方向外側に固定され、作動することでガスを発生するガス発生手段と、
布材によって筒状に形成され、前記ガス発生手段を内側に収容すると共に軸線方向がシートバックの上下方向に沿う状態でシートバック内に設けられたディフューザと、
前記ディフューザを内部に収容し、折り畳み状態でシートバック内に格納され、前記ガス発生手段が発生するガスが前記ディフューザの上下の開口部から噴出することによりシートバックの前方側及び上下方向へ膨張展開すると共に、前記ディフューザの外周面のうちシートバックの前後方向において後側でかつ前記シートバックフレームから離間する側の一部と対向する部位にベントホールが形成されたエアバッグと、
を備えたサイドエアバッグ装置。 - 前記ベントホールは、前記ガス発生手段に対して前記シートバックの上下方向にずれて配置されていることを特徴とする請求項1に記載のサイドエアバッグ装置。
- 前記エアバッグの内部は、上室と下室とに区画され、前記ディフューザは、上端開口部が前記上室に連通され、下端開口部が前記下室に連通されると共に、前記ベントホールは、前記上室と前記エアバッグ外とを連通させることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のサイドエアバッグ装置。
- 前記エアバッグの内部は、上室と下室と該上下室間の中間室に区画され、前記ディフューザは、上端開口部が前記上室に連通されると共に、下端開口部が前記下室に連通され、上下方向中間部に形成された連通口を介して前記中間室に連通され、前記ベントホールは、前記中間室と前記エアバッグ外とを連通させることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のサイドエアバッグ装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2010000610A JP2011140246A (ja) | 2010-01-05 | 2010-01-05 | サイドエアバッグ装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2010000610A JP2011140246A (ja) | 2010-01-05 | 2010-01-05 | サイドエアバッグ装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2011140246A true JP2011140246A (ja) | 2011-07-21 |
Family
ID=44456429
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2010000610A Pending JP2011140246A (ja) | 2010-01-05 | 2010-01-05 | サイドエアバッグ装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2011140246A (ja) |
Cited By (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2014019320A (ja) * | 2012-07-19 | 2014-02-03 | Toyota Motor Corp | 車両用サイドエアバッグ装置 |
JP2015067181A (ja) * | 2013-09-30 | 2015-04-13 | 豊田合成株式会社 | 乗員保護装置 |
US9475450B2 (en) | 2013-07-18 | 2016-10-25 | Toyoda Gosei Co., Ltd. | Side airbag apparatus |
JP2019001213A (ja) * | 2017-06-12 | 2019-01-10 | 豊田合成株式会社 | サイドエアバッグ装置 |
US11007971B2 (en) | 2019-02-15 | 2021-05-18 | Ford Global Technologies, Llc | Side airbag including spacer chamber |
-
2010
- 2010-01-05 JP JP2010000610A patent/JP2011140246A/ja active Pending
Cited By (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2014019320A (ja) * | 2012-07-19 | 2014-02-03 | Toyota Motor Corp | 車両用サイドエアバッグ装置 |
US9475450B2 (en) | 2013-07-18 | 2016-10-25 | Toyoda Gosei Co., Ltd. | Side airbag apparatus |
JP2015067181A (ja) * | 2013-09-30 | 2015-04-13 | 豊田合成株式会社 | 乗員保護装置 |
JP2019001213A (ja) * | 2017-06-12 | 2019-01-10 | 豊田合成株式会社 | サイドエアバッグ装置 |
US11007971B2 (en) | 2019-02-15 | 2021-05-18 | Ford Global Technologies, Llc | Side airbag including spacer chamber |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
CN107757543B (zh) | 安装有侧面安全气囊装置的车辆座椅 | |
JP5918621B2 (ja) | サイドエアバッグ装置 | |
JP6323438B2 (ja) | サイドエアバッグ装置を搭載した車両用シート | |
US9592789B2 (en) | Side airbag deployment direction control structure | |
JP5800035B2 (ja) | 車両用サイドエアバッグ装置 | |
US8480124B2 (en) | Seat bolster chamber | |
JP4720753B2 (ja) | サイドエアバッグ装置 | |
JP5522308B2 (ja) | 自動車用サイドエアバッグ装置 | |
JP6149840B2 (ja) | 車両用ファーサイドエアバッグ装置 | |
JP2005041457A (ja) | 側突用エアバッグ装置 | |
JPWO2019026538A1 (ja) | 乗員保護装置 | |
JP2011162012A (ja) | サイドエアバッグ装置 | |
CN110603174A (zh) | 侧面安全气囊装置 | |
JP2007314076A (ja) | サイドエアバッグ装置 | |
JP5229238B2 (ja) | エアバッグ装置 | |
JP2008137638A (ja) | 側突用エアバッグ、側突用エアバッグ装置、車両用シート | |
JP2011194935A (ja) | サイドエアバッグ装置及びその製造方法 | |
JP2011140246A (ja) | サイドエアバッグ装置 | |
JP4815945B2 (ja) | エアバッグ装置 | |
JP2009255827A (ja) | サイドエアバッグ装置 | |
JP7192725B2 (ja) | サイドエアバッグ装置 | |
JP5549577B2 (ja) | 後席用サイドエアバッグ装置 | |
JP4946932B2 (ja) | サイドエアバッグ装置 | |
JP2015189459A (ja) | サイドエアバッグ装置 | |
JP4385910B2 (ja) | エアバッグ装置 |