JP2011137388A5 - - Google Patents
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Description
本発明は、風力発電用風車を構成する風車回転翼に関するものである。
風車回転翼としては、例えば、特許文献1に開示されたものが知られている。
また、図5に示すように、近年では、軽量性と強度の両方の要求を満たすスパーキャップ構造を有する風車回転翼100が提案されている。風車回転翼100は、後述する外皮材11と、前縁サンドイッチ材12と、スパーキャップ材(主強度材)13と、後縁サンドイッチ材14と、シアウェブ(桁材)15とを備えている。前縁サンドイッチ材12と後縁サンドイッチ材14は、外皮材11と内皮材17をスキン材とし、PVC等の樹脂の発泡体や、バルサ等の木材をコア材とするサンドイッチ構造を有している。
なお、図5中の符号16は、スパーキャップ材13とシアウェブ15とを接続(連結)する接着剤である。
なお、図5中の符号16は、スパーキャップ材13とシアウェブ15とを接続(連結)する接着剤である。
ところで、風車回転翼100を構成する各部材(より詳しくは、外皮材11、前縁サンドイッチ材12、スパーキャップ材13、後縁サンドイッチ材14、シアウェブ15)の材料強度(引っ張りおよび圧縮に対する強度)の安全率と、座屈強度の安全率とを同程度(例えば、2)に設定することができれば、風車回転翼の軽量化をさらに図ることができる。
しかしながら、図5に示す風車回転翼100では、材料強度を100%発揮させる前に、フラップ方向(背腹方向:図5において上下方向)の荷重に対してスパーキャップ材13で座屈が生じ、エッジ方向(前縁後縁方向:フラップ方向と直交する方向)の荷重に対して後縁サンドイッチ材14および/または後縁サンドイッチ材14の後縁端よりも後縁18側に位置する背側および/または腹側の外皮材11で座屈が生じるおそれがある。
ここで、フラップ方向の荷重に対してスパーキャップ材13の座屈強度を上げるには、スパーキャップ材13の断面積を同等に維持しながら、スパーキャップ材13の幅(コード方向(図5において左右方向)の長さ)を狭くしつつスパーキャップ材13を厚くし、、かつシアウェブ15の間隔(前縁側に位置するシアウェブ15と、後縁側に位置するシアウェブ15との間の距離)を狭くすればよい。
しかしその反面、後縁サンドイッチ材14の幅(コード方向(図5において左右方向)の長さ)が広くなり、エッジ方向の荷重に対する後縁サンドイッチ材14の座屈強度がますます低下してしまうといった問題点があった。
しかしその反面、後縁サンドイッチ材14の幅(コード方向(図5において左右方向)の長さ)が広くなり、エッジ方向の荷重に対する後縁サンドイッチ材14の座屈強度がますます低下してしまうといった問題点があった。
本発明は、上記の事情に鑑みてなされたもので、エッジ方向の荷重に対する座屈強度を向上させることができ、座屈強度の安全率を材料強度の安全率に近づけることができて、さらなる軽量化を図ることができる風車回転翼を提供することを目的とする。
本発明は、上記課題を解決するため、以下の手段を採用した。
本発明に係る風車回転翼は、繊維強化プラスチックで形成された外皮材と、桁材と、この桁材の後縁端よりも後縁側に配置された後縁サンドイッチ材と、後縁部とを有する風車回転翼であって、前記後縁サンドイッチ材の後縁端よりも後縁側に位置する前記後縁部の腹側の外皮材の内表面のみに、前記後縁サンドイッチ材とは別個に設けられた補強材が設けられている。
本発明に係る風車回転翼は、繊維強化プラスチックで形成された外皮材と、桁材と、この桁材の後縁端よりも後縁側に配置された後縁サンドイッチ材と、後縁部とを有する風車回転翼であって、前記後縁サンドイッチ材の後縁端よりも後縁側に位置する前記後縁部の腹側の外皮材の内表面のみに、前記後縁サンドイッチ材とは別個に設けられた補強材が設けられている。
本発明に係る風車回転翼によれば、後縁サンドイッチ材の後縁端よりも後縁側に位置する腹側の外皮材の板厚が、その内表面に配置された補強材によって増大することになるので、後縁部におけるエッジ方向の曲げ剛性を向上させることができ、後縁部におけるエッジ方向の荷重に対する座屈強度を向上させることができて、座屈強度の安全率を材料強度の安全率に近づけることができ、さらなる軽量化を図ることができる。
また、本発明に係る風車回転翼によれば、後縁サンドイッチ材の後縁端よりも後縁側に位置する腹側の外皮材の内表面に補強材が取り付けられているので、背側の外皮材の内表面に補強材が取り付けられている場合よりも、補強材を薄くすることが可能であり、補強材上面と外皮材の内表面の干渉を回避しやすい。
従来の風車回転翼では、エッジ方向の荷重に対する最低次の座屈モードは、後縁サンドイッチ材または後縁サンドイッチ材の後縁端よりも後縁側に位置する外皮材である。一方、後縁サンドイッチ材の後縁端よりも後縁側に位置する外皮材の内表面に補強材が取り付けられている場合、補強材のオイラー座屈が最低次の座屈モードになる可能性がある。補強材の断面積を維持しながら、補強材のオイラー座屈強度を後縁サンドイッチ材または後縁サンドイッチ材の後縁端よりも後縁側に位置する外皮材の座屈強度より大きくするためには、補強材の幅を狭くしつつ厚さを大きくすればよい。しかし、補強材を厚くしすぎると、外皮材の内表面との干渉が生じるので、極力薄くすることが望ましい。風車翼のような外表面形状(後縁近傍で腹側より背側のほうが平面に近い)を有しているとき、同一断面形状の補強材を背側のみに設置する場合と腹側のみに設置する場合とを比較すると、曲率の影響で腹側より背側に設置したほうが座屈強度が低くなる。したがって、腹側に補強材を設置するほうが背側に設置する場合よりも、補強材を薄くすることが可能であり、補強材上面と外皮材の内表面の干渉を回避しやすい。
また、本発明に係る風車回転翼によれば、後縁サンドイッチ材の後縁端よりも後縁側に位置する腹側の外皮材の内表面に補強材が取り付けられているので、背側の外皮材の内表面に補強材が取り付けられている場合よりも、補強材を薄くすることが可能であり、補強材上面と外皮材の内表面の干渉を回避しやすい。
従来の風車回転翼では、エッジ方向の荷重に対する最低次の座屈モードは、後縁サンドイッチ材または後縁サンドイッチ材の後縁端よりも後縁側に位置する外皮材である。一方、後縁サンドイッチ材の後縁端よりも後縁側に位置する外皮材の内表面に補強材が取り付けられている場合、補強材のオイラー座屈が最低次の座屈モードになる可能性がある。補強材の断面積を維持しながら、補強材のオイラー座屈強度を後縁サンドイッチ材または後縁サンドイッチ材の後縁端よりも後縁側に位置する外皮材の座屈強度より大きくするためには、補強材の幅を狭くしつつ厚さを大きくすればよい。しかし、補強材を厚くしすぎると、外皮材の内表面との干渉が生じるので、極力薄くすることが望ましい。風車翼のような外表面形状(後縁近傍で腹側より背側のほうが平面に近い)を有しているとき、同一断面形状の補強材を背側のみに設置する場合と腹側のみに設置する場合とを比較すると、曲率の影響で腹側より背側に設置したほうが座屈強度が低くなる。したがって、腹側に補強材を設置するほうが背側に設置する場合よりも、補強材を薄くすることが可能であり、補強材上面と外皮材の内表面の干渉を回避しやすい。
上記風車回転翼において、前記補強材が、軽量コア材と、この軽量コア材の上面側に配置される上面側スキン材と、前記軽量コア材の下面側に配置される下面側スキン材とを備え、前記上面側スキン材および/または前記下面側スキン材は、翼長手方向に強化繊維が配向された繊維強化プラスチックで形成されているとさらに好適である。
このような風車回転翼によれば、上面側スキン材および/または下面側スキン材を構成する強化繊維が、翼長手方向に沿って配列されているので、後縁部におけるエッジ方向の曲げ剛性をさらに向上させることができ、後縁部におけるエッジ方向の荷重に対する座屈強度をさらに向上させることができて、座屈強度の安全率を材料強度の安全率にさらに近づけることができ、さらなる軽量化を図ることができる。
上記風車回転翼において、前記後縁サンドイッチ材は、前縁端が前記桁材の後縁端と連続するようにして配置されており、前記補強材は、前縁端が前記後縁サンドイッチ材の後縁端と離間するようにして配置されているとさらに好適である。
本発明に係る風力発電用風車は、後縁部におけるエッジ方向の曲げ剛性を向上させることができ、後縁部におけるエッジ方向の荷重に対する座屈強度を向上させることができて、座屈強度の安全率を材料強度の安全率に近づけることができ、さらなる軽量化を図ることができる風車回転翼を具備している。
本発明に係る風力発電用風車によれば、ローターヘッドと風車回転翼の根元部とを連結する回転軸受けやローターヘッド内に設置されて風車翼に回転運動を与える連結軸の軽量化を図ることができ、これら風車回転翼およびローターヘッドを支持するタワーに加わる荷重を低減させることができる。
本発明に係る風車回転翼によれば、エッジ方向の荷重に対する座屈強度を向上させることができ、座屈強度の安全率を材料強度の安全率に近づけることができて、さらなる軽量化を図ることができるという効果を奏する。
以下、本発明に係る風車回転翼の第1実施形態について、図1から図3を参照しながら説明する。
図1は本実施形態に係る風車回転翼を具備した風力発電用風車を示す側面図、図2は本実施形態に係る風車回転翼の断面図、図3は図2の要部を拡大した断面図である。
図1は本実施形態に係る風車回転翼を具備した風力発電用風車を示す側面図、図2は本実施形態に係る風車回転翼の断面図、図3は図2の要部を拡大した断面図である。
図1に示すように、風力発電用風車1は、基礎B上に立設される支柱(「タワー」ともいう。)2と、支柱2の上端に設置されるナセル3と、略水平な軸線周りに回転可能にしてナセル3に設けられるローターヘッド4とを有している。
ローターヘッド4には、その回転軸線周りに放射状にして複数枚(例えば、3枚)の風車回転翼5が取り付けられている。これにより、ローターヘッド4の回転軸線方向から風車回転翼5に当たった風の力が、ローターヘッド4を回転軸線周りに回転させる動力に変換されるようになっている。
ローターヘッド4には、その回転軸線周りに放射状にして複数枚(例えば、3枚)の風車回転翼5が取り付けられている。これにより、ローターヘッド4の回転軸線方向から風車回転翼5に当たった風の力が、ローターヘッド4を回転軸線周りに回転させる動力に変換されるようになっている。
支柱2は、複数個(例えば、3個)のユニット(図示せず)を上下に連結した構成とされている。
また、ナセル3は、支柱2を構成するユニットのうち、最上部に設けられるユニット上に設置されており、支柱2の上端に取り付けられるナセル台板(図示せず)と、このナセル台板を上方から覆うカバー6とを有している。
また、ナセル3は、支柱2を構成するユニットのうち、最上部に設けられるユニット上に設置されており、支柱2の上端に取り付けられるナセル台板(図示せず)と、このナセル台板を上方から覆うカバー6とを有している。
図2に示すように、風車回転翼5は、軽量性と強度の両方の要求を満たすスパーキャップ構造とされており、外皮材11と、前縁サンドイッチ材12と、スパーキャップ材(主強度材)13と、後縁サンドイッチ材14と、シアウェブ(桁材)15とを備えている。
外皮材11、スパーキャップ材13および内皮材17はそれぞれ、繊維強化プラスチック(FRP)で形成(構成)されている。スパーキャップ材13は、繊維強化プラスチックを多層に積層した部材であり、シアウェブ15の背側(図2において上側)の端面および腹側(図2において下側)の端面に接するようにして、風車回転翼5の背側および腹側に、それぞれ一つずつ設けられている。また、スパーキャップ材13とシアウェブ15とは、常温で硬化する接着剤16を介して接続(連結)されている。
前縁サンドイッチ材12および後縁サンドイッチ材14はそれぞれ、外皮材11と内皮材17をスキン材とし、PVC等の樹脂の発泡体や、バルサ等の木材をコア材とするサンドイッチ構造を有している。また、前縁サンドイッチ材12および後縁サンドイッチ材14はそれぞれ、外皮材11と内皮材17との間に挟み込まれている。
そして、このようなスパーキャップ構造では、主として、繊維強化プラスチックで形成されているスパーキャップ材13によって風車回転翼5のフラップ方向の曲げ強度が保たれ、前縁サンドイッチ材12および後縁サンドイッチ材14は、風車回転翼5の座屈強度を保つために補助的に使用されている。
そして、このようなスパーキャップ構造では、主として、繊維強化プラスチックで形成されているスパーキャップ材13によって風車回転翼5のフラップ方向の曲げ強度が保たれ、前縁サンドイッチ材12および後縁サンドイッチ材14は、風車回転翼5の座屈強度を保つために補助的に使用されている。
さて、本実施形態に係る風車回転翼5では、後縁サンドイッチ材14の後縁端よりも後縁18側に位置する、腹側の外皮材11の内表面19に、補強材20が設けられている(配置されている)。
図2または図3に示すように、補強材20は、風車回転翼5の翼長手方向(図2および図3において紙面に垂直な方向)に強化繊維(図示せず)が配向された繊維強化プラスチックを多層(例えば、20層)に積層して、その厚みが20mm程度とされた部材であり、常温で硬化する接着剤21を介して腹側の外皮材11の内表面19に接続(連結)されている。
図2または図3に示すように、補強材20は、風車回転翼5の翼長手方向(図2および図3において紙面に垂直な方向)に強化繊維(図示せず)が配向された繊維強化プラスチックを多層(例えば、20層)に積層して、その厚みが20mm程度とされた部材であり、常温で硬化する接着剤21を介して腹側の外皮材11の内表面19に接続(連結)されている。
本実施形態に係る風車回転翼5によれば、後縁サンドイッチ材14の後縁端よりも後縁18側に位置する腹側の外皮材11の板厚が、その内表面19に配置された補強材20によって増大することになるので、後縁部におけるエッジ方向の曲げ剛性を向上させることができ、後縁部におけるエッジ方向の荷重に対する座屈強度を向上させることができて、座屈強度の安全率を材料強度の安全率に近づけることができ、さらなる軽量化を図ることができる。
そして、その結果、後縁サンドイッチ材14の幅(コード方向(図2において左右方向)の長さ)が広くなっても、エッジ方向の荷重に対する後縁サンドイッチ材14の座屈強度の低下を防げるので、シアウェブ15のコード方向の間隔、すなわち、前縁側に位置するシアウェブ15と、後縁側に位置するシアウェブ15との間の距離を狭くすることができ、スパーキャップ材13の幅を狭くする(このとき、スパーキャップ材13の断面積は同等に維持しながら、スパーキャップ材13を厚くする)ことができて、フラップ方向の荷重に対するスパーキャップ材13の座屈強度を向上させることができる。
そして、その結果、後縁サンドイッチ材14の幅(コード方向(図2において左右方向)の長さ)が広くなっても、エッジ方向の荷重に対する後縁サンドイッチ材14の座屈強度の低下を防げるので、シアウェブ15のコード方向の間隔、すなわち、前縁側に位置するシアウェブ15と、後縁側に位置するシアウェブ15との間の距離を狭くすることができ、スパーキャップ材13の幅を狭くする(このとき、スパーキャップ材13の断面積は同等に維持しながら、スパーキャップ材13を厚くする)ことができて、フラップ方向の荷重に対するスパーキャップ材13の座屈強度を向上させることができる。
さらに、本実施形態に係る風車回転翼5によれば、後縁サンドイッチ材14の後縁端よりも後縁18側に位置する腹側の外皮材11の内表面19のみに補強材20が取り付けられることになるので、背側の外皮材の内表面のみに補強材が取り付けられている場合よりも、補強材を薄くすることが可能であり、補強材上面と外皮材の内表面の干渉を回避しやすい。
従来の風車回転翼では、エッジ方向の荷重に対する最低次の座屈モードは、後縁サンドイッチ材または後縁サンドイッチ材の後縁端よりも後縁側に位置する外皮材である。一方、後縁サンドイッチ材の後縁端よりも後縁側に位置する外皮材の内表面に補強材が取り付けられている場合、補強材のオイラー座屈が最低次の座屈モードになる可能性がある。補強材の断面積を維持しながら、補強材のオイラー座屈強度を後縁サンドイッチ材または後縁サンドイッチ材の後縁端よりも後縁側に位置する外皮材の座屈強度より大きくするためには、補強材の幅を狭くしつつ厚さを大きくすればよい。しかし、補強材を厚くしすぎると、外皮材の内表面との干渉が生じるので、極力薄くすることが望ましい。風車翼のような外表面形状(後縁近傍で腹側より背側のほうが平面に近い)を有しているとき、同一断面形状の補強材を背側のみに設置する場合と腹側のみに設置する場合とを比較すると、曲率の影響で腹側より背側に設置したほうが座屈強度が低くなる。したがって、腹側に補強材を設置するほうが背側に設置する場合よりも、補強材を薄くすることが可能であり、補強材上面と外皮材の内表面の干渉を回避しやすい。
従来の風車回転翼では、エッジ方向の荷重に対する最低次の座屈モードは、後縁サンドイッチ材または後縁サンドイッチ材の後縁端よりも後縁側に位置する外皮材である。一方、後縁サンドイッチ材の後縁端よりも後縁側に位置する外皮材の内表面に補強材が取り付けられている場合、補強材のオイラー座屈が最低次の座屈モードになる可能性がある。補強材の断面積を維持しながら、補強材のオイラー座屈強度を後縁サンドイッチ材または後縁サンドイッチ材の後縁端よりも後縁側に位置する外皮材の座屈強度より大きくするためには、補強材の幅を狭くしつつ厚さを大きくすればよい。しかし、補強材を厚くしすぎると、外皮材の内表面との干渉が生じるので、極力薄くすることが望ましい。風車翼のような外表面形状(後縁近傍で腹側より背側のほうが平面に近い)を有しているとき、同一断面形状の補強材を背側のみに設置する場合と腹側のみに設置する場合とを比較すると、曲率の影響で腹側より背側に設置したほうが座屈強度が低くなる。したがって、腹側に補強材を設置するほうが背側に設置する場合よりも、補強材を薄くすることが可能であり、補強材上面と外皮材の内表面の干渉を回避しやすい。
さらにまた、本実施形態に係る風車回転翼5によれば、補強材20を構成する強化繊維が、翼長手方向に沿って配列されているので、後縁部におけるエッジ方向の曲げ剛性をさらに向上させることができ、後縁部におけるエッジ方向の荷重に対する座屈強度をさらに向上させることができて、座屈強度の安全率を材料強度の安全率にさらに近づけることができ、さらなる軽量化を図ることができる。
さらにまた、本実施形態に係る風車回転翼5を具備した風力発電用風車1によれば、ローターヘッドと風車回転翼の根元部とを連結する回転軸受けやローターヘッド内に設置されて風車翼に回転運動を与える連結軸(図示せず)の軽量化を図ることができ、これら風車回転翼5およびローターヘッド4を支持するタワー2に加わる荷重を低減させることができる。
本発明に係る風車回転翼の第2実施形態について、図4を参照しながら説明する。
図4は本実施形態に係る風車回転翼の要部を拡大した断面図であって、図3と同様の図である。
本実施形態に係る風車回転翼30は、補強材20の代わりに補強材31を備えているという点で上述した第1実施形態のものと異なる。その他の構成要素については上述した第1実施形態のものと同じであるので、ここではそれら構成要素についての説明は省略する。
なお、上述した実施形態と同一の部材には同一の符号を付している。
図4は本実施形態に係る風車回転翼の要部を拡大した断面図であって、図3と同様の図である。
本実施形態に係る風車回転翼30は、補強材20の代わりに補強材31を備えているという点で上述した第1実施形態のものと異なる。その他の構成要素については上述した第1実施形態のものと同じであるので、ここではそれら構成要素についての説明は省略する。
なお、上述した実施形態と同一の部材には同一の符号を付している。
図4に示すように、本実施形態に係る補強材31は、軽量コア材32と、軽量コア材32の上面側に配置される(上面側)スキン材33と、軽量コア材32の下面側に配置される(下面側)スキン材34とを備えている。
軽量コア材32は、PVC等の樹脂の発泡体や、バルサ等の木材で形成(構成)されており、スキン材33とスキン材34との間に挟み込まれている。
スキン材33,34はそれぞれ、軽量コア材32の対応(対向)する端面のコード方向(図4において左右方向)の長さと同じ長さを有している。また、スキン材33,34はそれぞれ、風車回転翼30の翼長手方向(図4において紙面に垂直な方向)に強化繊維(図示せず)が配向された繊維強化プラスチックで形成(構成)されている。
スキン材33,34はそれぞれ、軽量コア材32の対応(対向)する端面のコード方向(図4において左右方向)の長さと同じ長さを有している。また、スキン材33,34はそれぞれ、風車回転翼30の翼長手方向(図4において紙面に垂直な方向)に強化繊維(図示せず)が配向された繊維強化プラスチックで形成(構成)されている。
スキン材33は、軽量コア材32の上面側の端面と接着し、スキン材34は、軽量コア材32の下面側の端面と接着しており、軽量コア材32およびスキン材33,34は、一体に形成(構成)されている。また、腹側の外皮材11の内表面19とスキン材34とは、常温で硬化する接着剤23を介して接続(連結)されている。
本実施形態に係る風車回転翼30によれば、補強材31が、スキン材33とスキン材34との間に軽量コア材32が挟み込まれるサンドイッチ構造とされるため、補強材31の軽量化および風車回転翼30全体の軽量化を図ることができるとともに、後縁部におけるエッジ方向の曲げ剛性を向上させることができ、後縁部におけるエッジ方向の荷重に対する座屈強度を向上させることができて、座屈強度の安全率を材料強度の安全率に近づけることができ、さらなる軽量化を図ることができる。
その他の作用効果は、上述した第1実施形態と同じであるので、ここではその説明を省略する。
その他の作用効果は、上述した第1実施形態と同じであるので、ここではその説明を省略する。
なお、本発明は上述した実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲で各種変更・変形が可能である。
例えば、補強材20,31はいずれも、図5に示す構造を有する風車回転翼のみに適用され得るものではなく、ボックス構造のシアウェブを備えた風車回転翼等にも適用することができる。
例えば、補強材20,31はいずれも、図5に示す構造を有する風車回転翼のみに適用され得るものではなく、ボックス構造のシアウェブを備えた風車回転翼等にも適用することができる。
1 風力発電用風車
2 支柱(タワー)
3 ナセル
4 ローターヘッド
5 風車回転翼
6 ナセルカバー
11 外皮材
12 前縁サンドイッチ材
13 スパーキャップ材(主強度材)
14 後縁サンドイッチ材
15 シアウェブ(桁材)
16 接着剤
17 内皮材
18 後縁
19 内表面
20 補強材
30 風車回転翼
31 補強材
32 軽量コア材
33 スキン材(上面側スキン材)
34 スキン材(下面側スキン材)
100 風車回転翼
B 基礎
2 支柱(タワー)
3 ナセル
4 ローターヘッド
5 風車回転翼
6 ナセルカバー
11 外皮材
12 前縁サンドイッチ材
13 スパーキャップ材(主強度材)
14 後縁サンドイッチ材
15 シアウェブ(桁材)
16 接着剤
17 内皮材
18 後縁
19 内表面
20 補強材
30 風車回転翼
31 補強材
32 軽量コア材
33 スキン材(上面側スキン材)
34 スキン材(下面側スキン材)
100 風車回転翼
B 基礎
Claims (4)
- 繊維強化プラスチックで形成された外皮材と、桁材と、この桁材の後縁端よりも後縁側に配置された後縁サンドイッチ材と、後縁部とを有する風車回転翼であって、
前記後縁サンドイッチ材の後縁端よりも後縁側に位置する前記後縁部の腹側の外皮材の内表面のみに、前記後縁サンドイッチ材とは別個に設けられた補強材が設けられていることを特徴とする風車回転翼。 - 前記補強材が、軽量コア材と、この軽量コア材の上面側に配置される上面側スキン材と、前記軽量コア材の下面側に配置される下面側スキン材とを備え、
前記上面側スキン材および/または前記下面側スキン材は、翼長手方向に強化繊維が配向された繊維強化プラスチックで形成されていることを特徴とする請求項1に記載の風車回転翼。 - 前記後縁サンドイッチ材は、前縁端が前記桁材の後縁端と連続するようにして配置されており、前記補強材は、前縁端が前記後縁サンドイッチ材の後縁端と離間するようにして配置されていることを特徴とする請求項1または2に記載の風車回転翼。
- 請求項1から3のいずれか一項に記載の風車回転翼を備えてなることを特徴とする風力発電用風車。
Priority Applications (5)
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