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JP2011131881A - バラスト水循環処理システム - Google Patents

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JP2011131881A JP2011031376A JP2011031376A JP2011131881A JP 2011131881 A JP2011131881 A JP 2011131881A JP 2011031376 A JP2011031376 A JP 2011031376A JP 2011031376 A JP2011031376 A JP 2011031376A JP 2011131881 A JP2011131881 A JP 2011131881A
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Abstract

【課題】大きな容量の滅菌処理装置を要すことなく、その設置スペースやコストを改善したバラスト水循環処理システムを提供する。
【解決手段】船舶の載荷トン数とバラスト水量及び主機関容量の相関から、バラストポンプと冷却海水ポンプとの流量比に着目し、荷卸港で注水のバラスト水を出港後に冷却海水ポンプ予備機4Pでタンク毎に循環しながら、小容量の滅菌装置5で片道航海の半日数以下で処理し、各タンクの構造桁と補強材の軽目穴、溶接スカロップ、気穴、水穴などの配置で蛇行主流路及び偏流・滞留防止の副流路を形成し、船体動揺・振動による滅菌薬剤の拡散作用の促進で、バラスト水処理を確実にする。
【選択図】図1

Description

本発明は、運送用船舶のバラスト水の滅菌処理システムに係るものである。
一般に液送船、バラ積船、貨物船などの運送用船舶は、船底や舷側の二重殻に配したバラストタンクを持ち、荷卸港で該タンクに注水しバラスト水として空荷喫水を保ち航行安定性を与え、荷積港で該タンクから排水して満載喫水での船体浮力を与える。
バラスト水は、積載トン数(以下、DWTと呼び、例えばDW5000Tと記す)の約40%に及び、航海毎に荷卸港域の小生物や微生物を含む大量の海水を荷積港に運び放出しており、荷積港海域の水質や生態系を含む海洋環境に影響を与え、病原菌が該地域の社会被害に至る問題を起すことがある。
これらの地球規模の環境問題に対処するため、国際海事機構(IMO)により2004年に「バラスト水管理条約」が採択され、2008年に該条約関連のガイドラインが成文化され、全ての船舶は、ある年(2016年或いは2020年)を過ぎると新造・現存何れもバラスト水管理システムを搭載して、排水時には生物量が条約の規制量以下になるように処理することを要求される。
このようなバラスト水規制に対応し、関係業界で研究・開発のバラスト水管理システムは、バラスト注水時に稼働するよう計画されており、バラスト注排水ポンプは荷役速度に同調のため、該管理システムは該ポンプと同様な大容量(DW5000T級液送船の例では1100t/h)を要し、その設置コスト・スペースが大きく、技術的にも難題を伴う。
暫定措置として、遠沖合の深海域でバラスト水交換が認められ、バラスト水総量の95%の交換「シーケンシャルメソッド:Sequential Method」又は3倍水量の注入・排出での交換「フロースルーメソッド:Flow−through Method」の2方法が深海域や遠海域で認められているが、前者はバラストタンク(一般に両舷5区画)の1区画毎に順次一旦空槽まで排水して再注水するため、喫水線及びトリム(船体の前後方向傾斜)の変化及び注排水中のタンク半充状態でのスロッシング(Sloshing)を伴い航行安定・安全性に問題あり、後者はバラスト注水の3倍時間を要するので前者の2倍時間と共に実施海域に制約を伴う。
上述の背景技術における問題点「バラスト注水時に稼働のためバラスト水管理システムの容量が大きく、その設置コスト・スペース及びその関連事項」を、表1に示す下記の船舶主要目に着目し解決を期する。
表1
Figure 2011131881
[表1概説] 一般に運送用船舶(液送船、バラ積船、貨物船など)において、速力は約14〜15ノット、載荷トン数とバラスト水総量(前述)及び主機関容量(ディーゼル機関)とはそれぞれほぼ一定の相関関係にあり、機関冷却熱量に見合う冷却海水流量は発電機関を含む機関容量にほぼ比例のため、冷却海水ポンプ(常用・予備各1台)の流量はバラストポンプ(左右舷各1台計2台、両舷同時運転)によるバラスト注排水流量の約20%〜30%、揚程は同様(20〜25m)である。
バラスト注排水は荷役速度に同調して大流量・短時間(表1のバラスト注排水量[t/h]欄を参照)で行うが、出港後冷却海水ポンプ予備機{流量[t/h]欄を参照}でタンク毎に順次に循環・処理すれば、バラスト水管理システムは小容量で済み、余裕を見込んで1.5巡でも全タンク総量(一般に両舷5区分)を1日:中型船〜3日:大型船(循環日数「day]を参照)すなわち片道航海(航路航程を比較参照)の半日数以下でバラスト水処理を完了できる。
問題を解決するための手段
[循環処理系] 冷却海水ポンプの予備機を、弁切替でバラスト水循環に当て、バラスト主管に循環吸引弁を、該ポンプの吐出口に着装のT形逆止弁(既考案「実新登録2010−3161757:T形逆止弁及びポンプユニット」と連成した循環送水弁をそれぞれ配し、滅菌薬剤発生・注入機を経てバラスト水循環主管に接続し、バラスト主管を吸引に利用しバラスト循環処理系を構成する。
バラスト主管及び循環主管はそれぞれ分岐弁を介して各バラストタンクに接続する。
滅菌薬剤発生・注入機は、既発明「特願2009−138942:船舶のビルジ・バラスト管装置」に示すように冷却海水ポンプ予備機の吸引側に設置してもよく、或いは、薬剤発生機を別体に配し、該ポンプの吸引管又は送水管に薬剤注入管を装着するのが機関室配置上好都合である。
バラスト水循環主管とバラスト主管にそれぞれ滅菌薬剤濃度センサーを装着し、前者は注入混合濃度を、後者は循環後濃度を測定し、バラスト水処理状態を管理する。
冷却海水ポンプの常用機故障或いは機関室浸水事故など該常用機で緊急吸引・排水の際は、該予備機を主用途の冷却海水供給に当てるため、近接のバラストポンプ吐出側に半絞り弁を介して循環送出管に接続し、該バラストポンプでバックアップ可能にする。
なお、滅菌薬剤発生・注入機の容量がバラストポンプ単機流量まで大きく採れる場合は、上記の半絞り弁を全通弁に代え、該バラストポンプで両舷タンク同時に循環でき、全タンク総量の循環・処理日数を短縮(半減)可能となる。
バラスト水処理方式は、塩素酸などの薬剤による化学的滅菌とし、循環処理後の航海残日数において水中生物の再増殖を避けながら効力減退し、荷積港でバラスト水の無害排出可能のものとする。
化学的滅菌は、薬剤自体の分子運動による拡散作用に、航海中の波浪及び造波による船体動揺及び振動(機関・プロペラ振動含む)でバラスト水の軽攪拌が加わり、拡散促進を伴うので好都合である。
[薬剤発生方式] 滅菌薬剤発生機は、本発明による省容量化により、既開発・標準設置の海洋生物付着防止装置(MGPS例:次亜塩素酸ソーダ)のように、船内電解方式を期待できる。
[管路・タンク内流路] 循環主管・分岐弁では高流速(一般に3m/s程度)の乱流のため管内の薬剤濃度は一様となり、タンク内では低速流となるが以下述べるタンク内構造に伴う偏流・滞留防止の流況により、薬剤濃度の不同を避ける。
バラスト水循環主管はバラストタンク側部(Wing Tank:以下側部タンクと呼ぶ)の頂部(一般に上甲板直下)に配し、タンク毎に循環分岐弁で注入し、循環帰路は該バラストタンク底部(Bottom Tank:以下底部タンクと呼ぶ)の注排水分岐弁を持つバラスト主管を利用する。
[蛇行主流路] 側部タンクの船軸方向の水平桁(Horizontal Girder)及び底部タンクの船軸方向の縦桁(Longitudinal Girder)のそれぞれ船首・尾部交互に大径の軽目穴を施し、側部タンクの横断面方向(すなわち船軸に直角の方向)の垂直桁(Vertical Girder)及び底部タンクの横断面方向の横桁(Lateral Girder)に軽目穴列を施し、側部タンク頂部の循環分岐弁から底部タンクの注排水分岐弁下のベルマウス(Bell−mouth)に至る蛇行主流路を形成する。
一般に船体構造において、該垂直桁及び横桁は3〜4FS(Frame Space:肋骨間隔)毎に配されており、側部タンクでは、1FS毎の肋骨(以下、小骨と呼ぶ)で内外殻板を補強し、底部タンクでは、該縦桁は4〜5LS(Longitudinal Stiffener Space:縦通骨間隔)毎に配されており、1LS毎の縦通骨(以下、縦小骨と呼ぶ)で二重底殻板を補強している。
[下降副流路] 水平桁中心線に小穴列を施し、小骨貫通部及び垂直桁との溶接隅部のスカロップ(Scallop)と共に、側部タンクの下降副流路を形成し、隅部の滞留及び主流路の偏流を防ぐ。
[横行副流路] 縦桁中心線に小穴列を配し、縦小骨と共に、二重底殻板との溶接に接して小寸の水穴及び気穴を1〜2FS毎に配して底部タンクの横行副流路を形成し、隅部の滞留及び主流路の偏流を防ぐ。
[偏流・滞留防止] 横桁の縦小骨貫通部及び縦桁との溶接隅部のそれぞれスカロップが底部タンクの主流路の偏流及び隅部滞留を防ぐ。
船底ビルジ殻板(Bilge Strake)部の縦桁は、1FS毎に大寸の軽目穴を施して船底タンクと共通の流路とし、1FS毎に配した補強板に中径穴及び隅部スカロップを施して滞留を防ぐ。
底部タンクの縦桁・横桁及び縦小骨のスカロップ及び水穴は、バラスト排水末期(水位が縦小骨高以下)においてベルマウス周りの集水にも充分な流路を形成する。
底部タンクにおいて、横桁端部に船体中心側・舷側側交互に軽目穴を施し、横断面方向の蛇行主流路を追加することができる。
バラ積船のように頂側部タンク(Topside Tank)及び底側部タンク(Bottom−side Tank)が大きな梯形断面の場合は、循環分岐管及び両タンク間の連絡管のそれぞれ管端をタンク断面方向に向け各タンクに回転螺旋流を与え偏流・滞留を防ぐ。
バラスト注排水流量に見合う該連絡管の循環水流速が不十分の場合は、底側部タンクへの循環分岐管を追加して最小限の管径で流速を与え、該タンクの回転螺旋流を補足する。
両タンクとも、タンク殻板の周桁(底部タンクの横桁と同様に3〜4FS毎に配置)に軽目穴や縦小骨貫通部等のスカロップ及び該殻板の小骨の気穴・水穴が偏流・滞留を防ぐ。
バラストタンク内の主流路を成す各桁の軽目穴は、バラスト注排水時の流路損失(特にポンプ吸引に重要)を局限し、港内・渠内での整備・修繕時のタンク内清掃・補修における作業員のアクセスを考慮して設計する。
[換水系] バラストポンプでタンク注水し循環主管経由で舷外排水するよう弁切替し、近海域で両舷タンク同時にフロースルーで換水可能とし、荷卸港の水質(濁水など)に対応する。
[船内海水系の清浄保持] 左・右舷各1台に集約のストレーナ(Strainer)及び各ビルジ溜め(Bilge Well)に設置の泥箱(Mad−box)のフィルタ(Filter)の目開き(濾し穴径)の在来標準の8mmを縮小(例えば4mm)して、舷外からの侵入及び船内発生の固形物の吸引を防ぎ、船内海水系の管路及びタンクを常に清浄に保つ。
該集約ストレーナは、反舷側バラストポンプ運転の濾し水を逆流方向に与え、海水取水箱(Sea Chest)と共に逆洗可能とし、船内海水系の全ポンプに装着の逆止弁で、不慮の停電時に舷外海水の逆流による異物侵入を防止する。
発明の効果
本発明の滅菌循環系の構成は、以下に述べる効果を齎す。
滅菌薬剤発生・注入機は、バラスト注排水流量の20〜30%の小容量で済み、塩素酸などの発生装置も省コスト・省スペースが可能となり、小・中型船の狭隘な機関室にも充分設置可能となる。
滅菌循環に使用の冷却海水ポンプ予備機は、動力効率がよく且つ定常航海中の発電機1台で常用機と共に運転できる動力容量であり、バラストポンプと同様の低揚程(20〜25m)のためバラストタンクの内圧強度について安全である。
上記の冷却海水ポンプ予備機の利用は、既発明「特願2009−165327:渦巻ポンプ及びポンプユニット」の横向双吸引口形ポンプ及び既考案「実登3161757」のT形逆止弁との連成弁による異用途兼用で頗る簡潔且つ省スペースのポンプユニット構成を伴う。
バラスト水の循環は、ポンプ圧力・流量とも簡潔な無制御定量運転であり(バラスト注水時の滅菌処理では、荷役と同時稼働のため喫水とタンク水位の落差変化によるポンプ流量の変動を伴うことに注目)、帰管路は大径・低損失水頭のバラスト主管を利用するのでタンク内圧は低く、タンク水量が無変化のため喫水・トリム変化なく航行安定性・安全性を損なわない。
タンク内蛇行の主流路及び下降・横行・回転の副流路は現行の船体構造(水平・垂直桁、縦・横桁及び中間小骨)を利用でき、偏流・滞留を防ぎ或いは局限し滅菌薬剤の拡散及び船体動揺・振動による拡散促進で、有効なバラスト水滅菌処理を可能にする。
上述の滅菌循環管路・流路を逆方向に利用し、バラストポンプ1台の両舷同時フロースルーでタンク内偏流・滞留を局限して換水し、バラスト排水系(空荷喫水線下)で舷外排水できる。
本発明のバラスト水処理システムを示す諸管系統図 本発明のバラスト水処理システムに係るバラストタンクを示す船体横断面図で(a)は液送船の例、(b)はバラ積船の例を示す。 本発明のバラスト水処理システムに係る底部タンク内の流路を示す船体構造図。 本発明のバラスト水処理システムに係る側部タンク内の流路を示す船体構造図。 本発明のバラスト水処理システムに係る底部タンクの蛇行流路追加を示す船体構造図。
図面を参照し、本発明のバラスト水処理システムの実施例として、滅菌循環に係る系統及びタンク構造を説明し、なお、複数の同一機能要素は同一の符号で記載し、左・右舷等の区別が必要の場合は該符号に付属符号(S:Starboard、P:Portsideなど)を付加して記載する。
[循環系統] 図1において、循環系統に係る実施例1を示せば、バラストポンプユニット1の右舷のバラスト主管2Sから分岐して冷却海水ポンプユニット3の循環吸引弁V1Cを経て冷却海水ポンプ予備機4PがT形逆止弁VTに連成の循環送水弁V2Cを経て滅菌装置5に送水し、滅菌装置5で滅菌薬剤を注入し弁VS2を経て右舷側循環主管6Sに、更に連絡弁V6Cを経て左舷側循環主管6Pに送水する。
冷却海水ポンプユニット3の冷却海水ポンプ常用機4Sは該予備機4Pと共に冷却吸引弁V1を経て、海水取水系7P(左舷)及び/又は7S(右舷)からそれぞれ取水分岐弁VIBを経て吸引し、T形逆止弁VTに連成の冷却給水弁V2を経て機関冷却系に冷却海水を供給しており、弁切替により常用機4S故障に備え予備機4Pで代替え(以下、バックアップ:Back−upと呼ぶ)する系統を構成しており、その予備機4Pを本発明のバラスト水循環処理に兼用する。
バラストポンプ8Sは吸引弁V2Sを経てバラスト主管2Sから吸引し、絞り弁VS1を経て滅菌装置5に送水し、滅菌循環に使用の冷却海水ポンプ予備機4Pをバックアップする。
滅菌装置5の出口と、バラスト主管2Pと連絡弁V6経由2Sの合流部に、それぞれ滅菌薬剤濃度センサ11、12を装着する。
[関連系統] 海水取水系7P(左舷)、7S(右舷)はそれぞれ海水箱(Sea Chest)9、取水主弁VIM、ストレーナ10を持ち、それぞれ取水吸引弁V1P(左舷)、V1S(右舷)を経て、バラスト主管2P(左舷)、2S(右舷)から排水吸引弁V2P(左舷)、V2S(右舷)を経て、バラストポンプ8P(左舷)、8S(右舷)に吸引され、それぞれ絞り弁V5P(左舷)、V5S(右舷)、注入弁V3P(左舷)、V3S(右舷)を経てバラスト主管2P(左舷)、2S(右舷)に送水し、逆止弁V4P(左舷)、V4S(右舷)及び舷外排水弁VOを経て舷外排出される。
ストレーナ7P、7Sは目開き(濾穴径)を小さくし(例えば4mm)海水取水の異物のサイズと個数を制限してバラスト水管理に資し、下記の経路で左右舷交互に逆洗を施し目詰まりを防ぐ。
反舷側(例えば左舷側のバラストポンプ8Pを運転し、左舷側のストレーナ10を経た濾水を、弁V1P、弁V5P、弁V3P、弁V6、弁V2S、弁V1Sを通じて右舷側のストレーナ10に逆流方向に与え、空気弁VAを経た圧縮空気で左舷側のストレーナ10と海水箱9を攪拌しながら両者の逆洗を施す。
この逆洗は荷卸港でバラスト注水の都度、沖合清浄海域で実施するのがよく、航海中は冷却海水の連続取水と間欠的な船内ビルジの吸引・排水の低債務で細目開きのストレーナの目詰まりは頗る低頻度である。
なお、この逆洗中において、冷却海水ポンプユニット3は、逆洗側の海水取水系7Sの取水分岐弁VIBを閉じ、反舷側(左舷)の取水分岐弁VIBを経て取水し、無休連続稼働可能である。
[バラスト換水系] 例えば海水取水系7Sより取水吸引弁V1Sを経てバラストポンプ8S(右舷)を運転し、バラスト注水系統の弁V5S、V3Sを経てバラスト主管2S(右舷)に、連絡弁V6を経てバラスト主管2P(左舷)に送水して両舷1対のタンク毎のバラスト水を押上げ、両舷の循環主管6P、6S、連絡弁V6C及び逆止弁V4Cを経て左舷側に舷外排水し、フロースルーによるバラスト換水を実施可能であり、反舷側の海水取水系7P、バラストポンプ8Pによるバラスト注水系でも同様に実施可能である。
通常のバラスト排水及び上述のバラスト換水においても、不慮の停電などでバラストポンプ8P、8Sが停止の際、逆止弁V4P、V4S、V4Cにより舷外海水の逆流による異物侵入を防止し、船内海水系統を常に清浄に保つ。
図2(a)、図3及び図4を参照し、バラストタンク内の循環流路を実施例2として説明する。
[タンク構造概要] 図2(a)は液送船(Oil/Chemical Tanker)を例として、載荷部の船体横断面姿(Cross Section)を示し、底部・側部とも二重殻構造でバラストタンクを構成し、内殻内を載荷槽(Cargo Tank)101とし、横隔壁102で船軸方向に5分割し、中央隔壁103で左右舷に仕切り、それぞれ波形隔壁(Corrugate Bulkhead)で構成している。
バラストタンクの二重底部分は底部タンク104(Bottom Tank)、側部の二重殻部分は側部タンク105(Wing Tank)とし、図3は底部タンク104の構造平面姿、図4は側部タンク105の構造側面姿を示す。
底部タンク104は、縦隔壁107でバラストタンクを左右舷に分割し、横隔壁106でバラストタンクを両舷とも船首尾に5分割し、各底部タンク104に縦桁108(Longitudinal Girder)及び3〜4FS毎に横桁109(Lateral Girder)を、縦桁108と並行して複数(図3では4本)の縦通補強材110(Longitudinal Stiffener:以下、縦小骨と呼ぶ)を二重底内外殻板111、112にそれぞれ配している。
側部タンク105は、複数(図4では2本)の水平桁113で区分され、上記の横桁109の位置に垂直桁114を持ち、その中間には1FS毎に肋骨115(以下、小骨と呼ぶ)を舷側内外殻板116、117に配し、タンク頂部は上甲板118である。
底部タンク104の舷側曲線部はビルジ殻板119を持ち、外部にビルジキール120を、内部に1FS毎に補強板121がそれぞれ施されている。
[管路] 底部タンク104の外殻板112に小隙間(20〜30mm)を採ってベルマウス131を配し、分岐弁132(延長軸で上甲板118条で開閉操作)を経てバラスト主管2P(右舷側では2S)に接続する(バラスト主管2Pに並行の管は荷液の荷卸後の残液排出管を示す)。
側部タンク105の頂部に循環主管6P(右舷側では2S)及び循環分岐弁133を、その管端134を該タンク105の流路始点部135にそれぞれ配する。
[蛇行主流路] 側部タンク105の水平桁113及び底部タンク104の縦桁107の船首尾端部交互に軽目穴141を配し、循環分岐管端134からベルマウス131に至る蛇行主流路を形成する。
垂直桁114に複数の軽目穴142を、横桁109に複数の軽目穴143をそれぞれ配し、水平桁113及び縦桁108とのそれぞれ交差隅部や縦小骨貫通部にそれぞれスカロップ145と共に、該蛇行主流路の全高・全幅に流速を分布させる。
[下降・横行副流路] 側部タンク105の水平桁113の中心線に小穴列144を施し、水平桁113の縁部の小骨115貫通部や垂直桁114との交差部のそれぞれスカロップ145と共に側部タンク105の全幅流速分布の下降副流路を形成し、底部タンク104の縦桁108の中心線に小穴列144を施し、縦桁108の縁部や縦小骨110の内外殻板111、112に接して明けた複数(1〜2FS毎)の気穴147、水穴148と共に底部タンク104の全高流速分布の横行副流路を形成し、両タンク内の偏流・滞留を防ぐ。
[ビルジ部] 底部タンク104の舷側部はビルジ殻板119、水平桁113(底部タンク内殻板111の延長部)、縦桁108に囲まれ且つ補給板121が1FS毎に施されているので、補強板121に中径の軽目穴122を、縦桁108に大径の軽目穴123を1FS毎に配してビルジ殻板119付近の滞留を局限する。
[蛇行主流路追加] 図5に示すように、底部タンク104の縦桁108による蛇行主流路を、横桁109の端部交互に大径の軽目穴141を配して更に横方向に蛇行を可能とし、横桁109の中心線に小穴列146を配し、縦小骨110の貫通部スカロップ145と共に更に縦行副流路を形成して偏流・滞留を防ぐ。
[滅菌薬剤拡散] 以上、タンク内循環における偏流・滞留を極力防ぐよう工夫したが、薬剤は溶液中における分子運動で拡散する性質があり、船体動揺・振動(無波浪でも、船首・尾造波、機関・プロペラによる振動あり)によるバラスト水の加速度が薬剤拡散を促進し、滅菌機能を果たすものと考える。
図2(b)を参照し、バラ積船(Bulk Carrier)のバラストタンク内流路を実施例3として説明すれば、バラストタンクの舷側部分は貨物艙(Cargo Hold)がホッパー状をなしており、頂部両舷に梯形断面の頂側部タンク(Top−side Tank)105Tを、底部両舷に梯形断面の底側部タンク(Bottom−side Tank)104Wとそれに続く矩形断面の底部タンク(Bottom Tank)104Bを以ってバラストタンクを構成しており、頂側部タンク105Tと底側部タンク104Wとは連絡管136で連結されている。
船体底部の中央部には燃料タンク124が配され、底側部タンク104Wと底部タンク104Bの断面積の和は、頂側部タンク105Tとほぼ同等が普通である。
頂側部タンク105T及び底側部タンク104Wの横桁109はT形断面桁を内外殻板(116、117、118,119、112)に施し、両タンク中心部は大きな空洞を成しており、底部タンク104Bは図2(a)の底部タンク104と同様である。
頂側部タンク105Tに循環主管6P、6S、循環分岐弁133(図示省略)、底部タンク104Bにバラスト主管2P、2S、バラスト分岐弁132(図示省略)、ベルマウス131を、図2(a)すなわち実施例2と同様に配する。
頂側部タンク105Tでは、循環分岐の管端134をタンク殻板116、117及び上甲板118に沿う横方向に向け、その噴出により該タンク105内に回転螺旋流を与え、偏流・滞留を局限する。
底側部タンク104Wでは、頂側部タンク105Tからの連絡管136の管端137を外殻板117に沿い垂直方向に向け、その噴出により該タンク104Wに回転流を与えるが、該連絡管136がバラスト注排水時の管路損失低減の関係上その噴出流速は不十分の場合は、上記循環分岐から最小限の径の噴出管138を連絡管136と並行設置し噴出流速を得てもよい。
各タンク105T、104W、104Bの内部の桁・小骨における軽目穴、小穴、スカロップ、気穴、水穴などの偏流・滞留局限に係る構造は上述の図2(a)(実施例2)と同様である。
1 バラストポンプユニット
2P バラスト主管(左舷) 2S バラスト主管(右舷)
3 冷却海水ポンプユニット
4P 冷却海水ポンプ予備機 4S 冷却海水ポンプ常用機
V1C 循環吸引弁 VT T形逆止弁
V2C 循環送水弁
V1 冷却吸引弁 V2 冷却送水弁
5 滅菌装置
6P 循環主管(左舷) 6S 循環主管(右舷)
7P 海水取水系(左舷) 7S 海水取水系(右舷)
8P バラストポンプ(左舷) 8S バラストポンプ(右舷)
V1P 取水吸引弁(左舷) V1S 取水吸引弁(右舷)
V2P 排水吸引弁(左舷) V2S 排水吸引弁(右舷)
V3P 注入弁(左舷) V3S 注入弁(右舷)
V4P 排水逆止弁(左舷) V4S 排水逆止弁(右舷)
V5P 絞り弁(左舷) V5S 絞り弁(右舷)
V6、V6C 連絡弁 V5C 半絞り弁
9 海水箱 VIM 取水主弁
10 ストレーナ VIB 取水分岐弁
11、12 濃度センサ
101 荷液槽、載荷艙 102 荷液槽横隔壁
103 荷液槽縦隔壁 104 底部タンク
105 側部タンク 106 タンク横隔壁
104W 底側部タンク 104B 底部タンク
105T 頂側部タンク
107 タンク縦隔壁 108 縦桁
109 横桁 110 縦小骨
111 2重底内殻板 112 二重底外殻板
113 水平桁 114 垂直桁
115 肋骨(小骨) 116 舷側内殻板
117 舷側外殻板 118 上甲板
119 ビルジ殻板 120 ビルジキール
121 補強板 122、123 軽目穴
124 燃料タンク
131 ベルマウス 132 バラスト分岐弁
133 循環分岐弁 134、137 管端
135 流路始点 136 連絡管
141 軽目穴 142 軽目穴
143 軽目穴 144 小穴
145 スカロップ 146 小穴
147 気穴 148 水穴

Claims (6)

  1. 冷却海水ポンプ予備機に装着の2組の吸引弁と送水弁で冷却海水系統からバラスト水循環系統に切替え、或いは該ポンプに隣接のバラストポンプ1台に切替弁を付加して該循環系統に切替え、滅菌装置を経て循環管路でバラストタンクに送水し、戻り水をバラスト注排水管路を経て吸引し、バラストタンク毎にバラスト水を循環して滅菌処理するよう構成した船舶のバラスト水循環処理システム。
  2. バラストタンクの船軸方向の各構造桁の船首尾交互の端部に軽目穴を配し、横断面方向の各構造桁に軽目穴列及び内外殻板の縦小骨が該構造桁縁部貫通のスカロップと共に、側部タンクの頂部の循環注入管端から底部タンクのバラスト注排水管端のベルマウスに至る、蛇行主流路を構成した船舶のバラスト水循環処理システム。
  3. 請求項2の蛇行主流路に、底部タンクの各横桁の端部に船体中央と舷側の両側交互に軽目穴を配して、断面方向にも蛇行流路を加えた船舶のバラスト水循環処理システム。
  4. バラストタンクの船軸方向の各構造桁のそれぞれ中心線に小穴列と、該構造桁及び縦小骨の内外殻板との溶接線に接して気穴列及び水穴列をそれぞれ配し、横断面方向の各構造桁との交差部のスカロップと共に該タンク内の偏流・滞留を防止するよう、横断面方向の副流路を構成した船舶のバラスト水循環処理システム。
  5. バラストタンクの舷側部に大寸の梯形断面を持つ頂側部タンクや底側部タンクにおいて、頂部の循環注入管及び両タンク連絡管の管端をタンク殻板に沿いタンク断面方向に向け、各タンクに回転副流を与えて偏流・滞留を防止するよう構成した船舶のバラスト水循環処理システム。
  6. 請求項1のバラスト水循環系統に舷外排水弁を付加し、該系統の管路及び請求項2のバラストタンク内の蛇行主流路を逆方向に利用し、バラストポンプでバラスト注排水管路を経て注水し喫水線下で舷外排水するよう構成の、バラスト換水機能を付加した船舶のバラスト水循環処理システム。
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