本発明は、P2Xプリン作動性受容体に関連する疾病の処置に有用な化合物、より特定すると、泌尿生殖器疾病および疼痛に関連する疾病、容態、および疾患の処置に使用できるP2X3および/またはP2X2/3アンタゴニストに関する。
膀胱は、尿を貯留することと尿を空にすることという、2つの重要な生理的機能を司る。この過程は、2つの主な工程を含む:(1)膀胱は、その壁の張力が上昇して閾値レベルを超えるまで徐々に充満する;(2)膀胱を空にする排尿反射と呼ばれる神経反射が起こるか、またはこれが起こらない場合、少なくとも排尿したいという意識的な願望が引き起こされる。排尿反射は自律的な脊髄反射であるが、脳皮質または脳の中枢により阻害または仲介される場合もある。
細胞外プリン受容体を介して作用するプリンは、様々な生理的および病理的役割を果たすことで関与している。ATPおよびより効果は少ないがアデノシンも、感覚神経終末を刺激でき、これにより、強力な疼痛と、感覚神経の放電の顕著な増大がもたらされる。ATP受容体は、分子構造、伝達機序、および薬理学的特徴付けに基づいて、P2YおよびP2Xプリン受容体という2つの主なファミリーに分類されている。P2Yプリン受容体は、Gタンパク質共役受容体であるが、P2Xプリン受容体は、ATP開口型カチオンチャネルに属する。プリン作動性受容体、特に、P2X受容体は、ホモ多量体またはヘテロ多量体を形成することが知られている。現在までに、いくつかのP2X受容体サブタイプのcDNAがクローニングされており、これには、P2X1;P2X2;P2X3;P2X4;P2X5;およびP2X7という6個のホモ受容体、並びに、P2X2/3、P2X4/6、P2X1/5という3個のヘテロ受容体が含まれている。マウスゲノムP2X3受容体サブユニットの構造および染色体地図も記載されている。インビトロにおいては、P2X2およびP2X3受容体サブユニットの同時発現が、いくつかの感覚神経で見られる特性を有するATP開口型電流を発生させるのに必要とされる。
P2X受容体サブユニットは、げっ歯類およびヒトの膀胱尿路上皮の求心性神経に認められる。膨満の結果、膀胱または他の中空器官の上皮/内皮細胞からATPが放出される可能性があることを示唆するデータが存在する。このように放出されたATPは、上皮下成分(例えば尿路下固有層)に位置する感覚神経に、情報を伝達する際に役割を果たしている可能性がある。P2X受容体は、感覚神経、交感神経、副交感神経、腸間膜神経、および中枢神経を含む多くのニューロンにおいて研究されている。これらの研究により、プリン作動性受容体は、膀胱からの求心性神経伝達の際に役割を果たしていること、P2X受容体のモジュレーターは、膀胱疾患および他の泌尿生殖器の疾病もしくは容態の処置に有用である可能性があることが示される。
近年の知見によっても、マウスの侵害受容応答における内因性ATPおよびプリン作動性受容体の役割が示唆されている。ATPにより誘導される脊髄の後根神経節神経終末上のP2X受容体の活性化により、侵害受容シグナル伝達に関与している重要な神経伝達物質であるグルタメートの放出が刺激されることが示されている。P2X3受容体は、歯髄の侵害受容神経上において同定されている。したがって、傷害を受けた細胞から放出されたATPは、侵害受容感覚神経終末上のP2X3および/またはP2X2/3を含む受容体を活性化することにより疼痛を引き起こす可能性がある。これは、ヒトの水泡を基礎としたモデルの皮内に適用したATPにより疼痛が誘導されることと一致する。P2Xアンタゴニストは、動物モデルにおいて鎮痛作用を有することが示されている。この知見により、P2X2およびP2X3は侵害受容に関与し、P2X受容体のモジュレーターは鎮痛薬として有用である可能性があることが示唆される。
したがって、P2X3および/またはP2X2/3受容体により媒介される疾病、容態、および疾患を処置する方法、並びに、P2X受容体のモジュレーター(P2X3およびP2X2/3受容体のアンタゴニストを含む)として作用する化合物が必要とされる。本発明は、これらの需要並びにその他を充足する。
多くのジアミノピリミジン化合物、例えば「オルメトプリム」(米国特許第2,658,897号)および「トリメトプリム」(米国特許第2,909,522号)が以前に抗菌剤として製造され同定されている。しかし、これまでジアミノピリミジンがP2X受容体のモジュレーターとして同定されたことは一度もない。
本発明は、式(I)
(式中、
Xは、−CH
2−;−O−;−CHOH−;−S(O)
n−:または−NR
c−であり、ここで、nは0〜2であり、R
cは水素またはアルキルであり;
Yは、水素;または−NR
dR
eであり、ここで、R
dおよびR
eの一方は水素であり、他方は、水素;アルキル;シクロアルキル;シクロアルキルアルキル;ハロアルキル;ハロアルコキシ;ヒドロキシアルキル;アルコキシアルキル;アセチル;アルキルスルホニル;アルキルスルホニルアルキル;アミノカルボニルオキシアルキル;ヒドロキシカルボニルアルキル;ヒドロキシアルキルオキシカルボニルアルキル;アリール;アラルキル;アリールスルホニル;ヘテロアリール;ヘテロアリールアルキル;ヘテロアリールスルホニル;ヘテロシクリル;またはヘテロシクリルアルキルであり;
Dは、場合により酸素であり;
R
1は、アルキル;アルケニル;シクロアルキル;シクロアルケニル;ハロ;ハロアルキル;ヒドロキシアルキル;またはアルコキシであり;
R
2、R
3、R
4、およびR
5は、各々独立して、水素;アルキル;アルケニル;アミノ;ハロ;アミド;ハロアルキル;アルコキシ;ヒドロキシ;ハロアルコキシ;ニトロ;アミノ;ヒドロキシアルキル;アルコキシアルキル;ヒドロキシアルコキシ;アルキニルアルコキシ;アルキルスルホニル;アリールスルホニル;シアノ;アリール;ヘテロアリール;ヘテロシクリル;ヘテロシクリルアルコキシ;アリールオキシ;ヘテロアリールオキシ;アラルキルオキシ;ヘテロアラルキルオキシ;場合により置換されているフェノキシ;−(CH
2)
m−(Z)
n−(CO)−R
f、または−(CH
2)
m−(Z)
n−SO
2−(NR
g)
n−R
fであり、ここで、mおよびnは、各々独立して、0または1であり、ZはOまたはNR
gであり、R
fは、水素、アルキル、ヒドロキシ、アルコキシ、アミノ、ヒドロキシアルキル、またはアルコキシアルキルであり、各R
gは、独立して、水素またはアルキルであるか;あるいは、R
3およびR
4は、一緒になって、アルキレンジオキシを形成していてもよく;あるいは、R
3およびR
4は、それらが結合している原子と一緒になって、O、S、およびNから選択される1または2個のヘテロ原子を場合により含む5または6員環を形成していてもよく;あるいは、R
2およびR
3は、一緒になって、アルキレンジオキシを形成していてもよく;あるいは、R
2およびR
3は、それらが結合している原子と一緒になって、O、S、およびNから選択される1または2個のヘテロ原子を場合により含む5または6員環を形成していてもよく;
R
6は、水素;アルキル;ハロ;ハロアルキル;アミノ;またはアルコキシであり;
R
7およびR
8の一方は水素であり、他方は、水素;アルキル;シクロアルキル;シクロアルキルアルキル;ハロアルキル;ハロアルコキシ;ヒドロキシアルキル;アルコキシアルキル;アセチル;アルキルスルホニル;アルキルスルホニルアルキル;アミノカルボニルオキシアルキル;ヒドロキシカルボニルアルキル;ヒドロキシアルキルオキシカルボニルアルキル;アリール;アラルキル;アリールスルホニル;ヘテロアリール;ヘテロアリールアルキル;ヘテロアリールスルホニル;ヘテロシクリル;またはヘテロシクリルアルキルであり;
ただし、Xが−CH
2−であり、R
7、R
8、R
d、およびR
eが水素である場合には、R
1は、イソプロピル、イソプロペニル、シクロプロピル、またはヨードである)
で示される化合物またはその薬学的に許容されうる塩を提供する。
別の実施形態において、本発明は、P2X
3受容体アンタゴニスト、P2X
2/3受容体アンタゴニスト、または両方により仲介される疾病を処置する方法を提供し、該方法は、それを必要とする被験体に、有効量の式(I
*)
(式中、
Xは、−CH
2−;−O−;−C(O)−;−CHOH−;−S(O)
n−:または−NR
c−であり、ここで、nは0〜2であり、R
cは水素またはアルキルであり;
Yは、水素;または−NR
dR
eであり、ここで、R
dおよびR
eの一方は水素であり、他方は、水素;アルキル;シクロアルキル;シクロアルキルアルキル;ハロアルキル;ハロアルコキシ;ヒドロキシアルキル;アルコキシアルキル;アセチル;アルキルスルホニル;アルキルスルホニルアルキル;アリール;アラルキル;アリールスルホニル;ヘテロアリール;ヘテロアリールアルキル;ヘテロアリールスルホニル;ヘテロシクリル;またはヘテロシクリルアルキルであり;
R
1は、アルキル;アルケニル;シクロアルキル;シクロアルケニル;ハロ;ハロアルキル;またはアルコキシであり;
R
2、R
3、R
4、およびR
5は、各々独立して、水素;アルキル;アミノ;アミド;ハロアルキル;アルコキシ;アルキルスルホニル;アリールスルホニル;スルホンアミド;シアノ;アセチル;ヘテロアリール;カルボン酸;カルボン酸アミド;尿素;カルバメート;アセトアミド;または場合により置換されているフェノキシであるか;あるいは、R
3およびR
4は一緒になってアルキレンジオキシを形成していてもよく;あるいは、R
3およびR
4はそれらが結合している原子と一緒になって、O、SおよびNから選択される1または2個のヘテロ原子を含む5または6員環を形成していてもよく;あるいは、R
2およびR
3は一緒になってアルキレンジオキシを形成していてもよく;あるいは、R
2およびR
3はそれらが結合している原子と一緒になって、O、SおよびNから選択される1または2個のヘテロ原子を含む5または6員環を形成していてもよく;
R
6は、水素;アルキル;ハロアルキル;アミノ;またはアルコキシであり;
R
7およびR
8の一方は水素であり、他方は、水素;アルキル;シクロアルキル;シクロアルキルアルキル;ハロアルキル;ヒドロキシアルキル;アルコキシアルキル;アセチル;アルキルスルホニル;アルキルスルホニルアルキル;アリール;アラルキル;アリールスルホニル;ヘテロアリール;ヘテロアリールアルキル;ヘテロアリールスルホニル;ヘテロシクリル;またはヘテロシクリルアルキルである)
で示される化合物またはその薬学的に許容されうる塩、溶媒和物、もしくはプロドラッグを投与することを含む。
本発明はまた、該化合物を含む医薬組成物、該化合物の使用法、および該化合物の調製法も提供する。
特に断りない限り、明細書および特許請求の範囲を含む本出願で使用した以下の語句は、以下に示した定義を有する。明細書および添付の特許請求の範囲で使用した単数形は、内容から明らかに違うものとして示されない限り、複数の意味も含むことが特筆されなければならない。
「アゴニスト」は、別の化合物または受容体部位の活性を増強する化合物を意味する。
「アンタゴニスト」は、別の化合物または受容体部位の作用を消失または妨害する化合物を意味する。
「アルキル」は、1〜12個の炭素原子を有する、炭素原子および水素原子のみからなる、一価直鎖または分岐飽和炭化水素基を意味する。
「低級アルキル」は、1〜6個の炭素原子のアルキル基、すなわち、C1〜C6アルキルを意味する。アルキル基の例には、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、イソブチル、sec−ブチル、tert−ブチル、ペンチル、n−ヘキシル、オクチル、ドデシルなどが挙げられるがこれに限定されない。
「アルキレン」は、1〜6個の炭素原子の直鎖飽和二価炭化水素基、または3〜6個の炭素原子の分岐飽和二価炭化水素基、例えば、メチレン、エチレン、2,2−ジメチルエチレン、プロピレン、2−メチルプロピレン、ブチレン、ペンチレンなどを意味する。
「アルコキシ」は、式−ORで示される基を意味し、ここで、Rは、本明細書で定義したアルキル基である。アルコキシ基の例には、メトキシ、エトキシ、イソプロポキシなどが挙げられるがこれに限定されない。
「アルコキシアルキル」は、式Ra−O−Rb−で示される基を意味し、ここでのRaは本明細書で定義したアルキルであり、Rbは本明細書で定義したアルキレンである。例示的なアルコキシアルキル基は、例えば、2−メトキシエチル、3−メトキシプロピル、1−メチル−2−メトキシエチル、1−(2−メトキシエチル)−3−メトキシ−プロピル、および1−(2−メトキシエチル)−3−メトキシプロピルが挙げられる。
「アルキルカルボニル」は、式−R’−R’’で示される基を意味し、ここでのR’はオキソであり、R’’は本明細書で定義したアルキルである。
「アルキルスルホニル」は、式−R’−R’’で示される基を意味し、ここでのR’は−SO2−であり、R’’は本明細書で定義したアルキルである。
「アルキルスルホニルアルキル」は、式−R’−R’’−R’’’で示される基を意味し、ここでのR’は、本明細書で定義したアルキルであり、R’’は、−SO2−であり、R’’’は本明細書で定義したアルキルである。
「アルキルアミノ」は、式−NR−R’で示される基を意味し、ここでのRは、水素または本明細書で定義したアルキルであり、R’は本明細書で定義したアルキルである。
「アルコキシアミノ」は、式−NR−OR’で示される基を意味し、ここでのRは、水素または本明細書で定義したアルキルであり、R’は本明細書で定義したアルキルである。
「アルキルスルファニル」は、式−SRで示される基を意味し、ここでのRは本明細書で定義したアルキルである。
「アミノアルキル」は、−R−R’基を意味し、ここでのR’はアミノであり、Rは本明細書で定義したアルキレンである。「アミノアルキル」には、アミノメチル、アミノエチル、1−アミノプロピル、2−アミノプロピルなどが挙げられる。「アミノアルキル」のアミノ基は、アルキルで1回または2回置換されていてもよく、これによりそれぞれ「アルキルアミノアルキル」および「ジアルキルアミノアルキル」が得られる。「アルキルアミノアルキル」には、メチルアミノメチル、メチルアミノエチル、メチルアミノプロピル、エチルアミノエチルなどが挙げられる。「ジアルキルアミノアルキル」には、ジメチルアミノメチル、ジメチルアミノエチル、ジメチルアミノプロピル、N−メチル−N−エチルアミノエチルなどが挙げられる。
「アミノアルコキシ」は、−OR−R’基を意味し、ここでのR’はアミノであり、Rは本明細書で定義したアルキレンである。「アルキルスルホニルアミド」は、式−NR’SO2−Rで示される基であり、ここでのRはアルキルであり、R’は水素またはアルキルである。
「アリール」は、単環、二環、または三環式芳香族環からなる一価環式芳香族炭化水素基を意味する。アリール基は、本明細書に定義したように場合により置換されていてもよい。アリール基の例には、場合により置換されている、フェニル、ナフチル、フェナントリル、フルオレニル、インデニル、ペンタレニル、アズレニル、オキシジフェニル、ビフェニル、メチレンジフェニル、アミノジフェニル、ジフェニルスルフィジル、ジフェニルスルホニル、ジフェニルイソプロピリデニル、ベンゾジオキサニル、ベンゾフラニル、ベンゾジオキシリル、ベンゾピラニル、ベンゾオキサジニル、ベンゾオキサジノニル、ベンゾピペラヂニル(benzopiperadinyl)、ベンゾピペラジニル(benzopiperazinyl)、ベンゾピロリジニル、ベンゾモルホリニル、メチレンジオキシフェニル、エチレンジオキシフェニルなど(それらの部分的に水素化されている誘導体も含む)が挙げられるがこれに限定されない。
「アリールアルキル」および「アラルキル」は、同義語として使用できるが、これは−RaRb基(ここでのRaは、本明細書で定義したアルキレン基であり、Rbは本明細書で定義したアリール基である)を意味し;例えば、フェニルアルキル、例えばベンジル、フェニルエチル、3−(3−クロロフェニル)−2−メチルペンチルなどがアリールアルキルの例である。
「シアノアルキル」は、式−R’−R’’で示される基を意味し、ここでのR’は本明細書で定義したアルキレンであり、R’’はシアノまたはニトリルである。
「シクロアルキル」は、単環または二環からなる一価飽和炭素環式基を意味する。シクロアルキルは、1個以上の置換基により場合により置換されていてもよく、ここでの各置換基は、特に断りない限り、独立して、ヒドロキシ、アルキル、アルコキシ、ハロ、ハロアルキル、アミノ、モノアルキルアミノ、またはジアルキルアミノである。シクロアルキル基の例には、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチルなど(それらの部分的に不飽和な誘導体も含む)が挙げられるがこれに限定されない。
「シクロアルキルアルキル」は、式−R’−R’’で示される基を意味し、ここでのR’は本明細書で定義したアルキレンであり、R’’は本明細書で定義したシクロアルキルである。
「ヘテロアルキル」は、1、2、または3個の水素原子が、−ORa、−NRbRc、および−S(O)nRd(ここでのnは0〜2の整数である)からなる群より独立して選択される置換基に置き換えられている本明細書で定義したアルキル基を意味し、ヘテロアルキル基の結合点は、炭素原子を介してであると理解され、ここでのRaは、水素、アシル、アルキル、シクロアルキル、またはシクロアルキルアルキルであり;RbおよびRcは、互いに独立して、水素、アシル、アルキル、シクロアルキル、またはシクロアルキルアルキルであり;nが0である場合、Rdは、水素、アルキル、シクロアルキル、またはシクロアルキルアルキルであり、nが1または2である場合、Rdは、アルキル、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、アミノ、アシルアミノ、モノアルキルアミノ、またはジアルキルアミノである。代表例には、2−ヒドロキシエチル、3−ヒドロキシプロピル、2−ヒドロキシ−1−ヒドロキシメチルエチル、2,3−ジヒドロキシプロピル、1−ヒドロキシメチルエチル、3−ヒドロキシブチル、2,3−ジヒドロキシブチル、2−ヒドロキシ−1−メチルプロピル、2−アミノエチル、3−アミノプロピル、2−メチルスルホニルエチル、アミノスルホニルメチル、アミノスルホニルエチル、アミノスルホニルプロピル、メチルアミノスルホニルメチル、メチルアミノスルホニルエチル、メチルアミノスルホニルプロピルなどが挙げられるがこれに限定されない。
「ヘテロアリール」は、N、O、またはSから選択される1、2、または3個の環ヘテロ原子を含み、残りの環原子はCである、少なくとも1個の芳香族環を有する5〜12個の環原子の単環または二環式基を意味し、ヘテロアリール基の結合点は芳香族環上であると理解する。該ヘテロアリール環は、本明細書で定義したように場合により置換されていてもよい。ヘテロアリール基の例には、場合により置換されている、イミダゾリル、オキサゾリル、イソオキサゾリル、チアゾリル、イソチアゾリル、オキサジアゾリル、チアジアゾリル、ピラジニル、チエニル、ベンゾチエニル、チオフェニル、フラニル、ピラニル、ピリジル、ピロリル、ピラゾリル、ピリミジル、キノリニル、イソキノリニル、ベンゾフリル、ベンゾチオフェニル、ベンゾチオピラニル、ベンゾイミダゾリル、ベンゾオキサゾリル、ベンゾオキサジアゾリル、ベンゾチアゾリル、ベンゾチアジアゾリル、ベンゾピラニル、インドリル、イソインドリル、トリアゾリル、トリアジニル、キノキサリニル、プリニル、キナゾリニル、キノリジニル、ナフチリジニル、プテリジニル、カルバゾリル、アゼピニル、ジアゼピニル、アクリジニルなど(それらの部分的に水素化されている誘導体も含む)が挙げられるがこれに限定されない。
「ハロ」、「ハロゲン」および「ハロゲン化物」なる語句は、同義語として使用できるが、フルオロ、クロロ、ブロモ、またはヨード置換基を意味する。
「ハロアルキル」は、1個以上の水素が、同じまたは異なるハロゲンに置き換えられている本明細書で定義したアルキルを意味する。例示的なハロアルキルには、−CH2Cl、−CH2CF3、−CH2CCl3、ペルフルオロアルキル(例えば−CF3)などが挙げられる。
「ハロアルコキシ」は、式−ORで示される基を意味し、ここでのRは、本明細書で定義したハロアルキル基である。例示的なハロアルコキシは、ジフルオロメトキシである。
「ヘテロシクロアミノ」は、少なくとも1個の環原子がN、NH、またはN−アルキルであり、残りの環原子がアルキレン基を形成している、飽和環を意味する。
「ヘテロシクリル」は、1、2、3または4個のヘテロ原子(窒素、酸素、または硫黄から選択される)を取り込んだ、1〜3個の環からなる、一価飽和基を意味する。ヘテロシクリル環は、本明細書で定義したように場合により置換されていてもよい。ヘテロシクリル基の例には、場合により置換されている、ピペリジニル、ピペラジニル、ホモピペラジニル、アゼピニル、ピロリジニル、ピラゾリジニル、イミダゾリニル、イミダゾリジニル、ピリジニル、ピリダジニル、ピリミジニル、オキサゾリジニル、イソオキサゾリジニル、モルホリニル、チアゾリジニル、イソチアゾリジニル、キヌクリジニル、キノリニル、イソキノリニル、ベンゾイミダゾリル、チアジアゾリリジニル、ベンゾチアゾリジニル、ベンゾアゾリリジニル、ジヒドロフリル、テトラヒドロフリル、ジヒドロピラニル、テトラヒドロピラニル、チアモルホリニル、チアモルホリニルスルホキシド、チアモルホリニルスルホン、ジヒドロキノリニル、ジヒドロイソキノリニル、テトラヒドロキノリニル、テトラヒドロイソキノリニルなどが挙げられるがこれに限定されない。
「ヘテロシクリルアルキル」は、式−R−R’で示される基を意味し、ここでのRは本明細書で定義したアルキレンであり、R’は本明細書で定義したヘテロシクリルである。
「ヘテロシクリルオキシ」は、式−ORで示される基を意味し、ここでのRは、本明細書で定義したヘテロシクリルである。
「ヘテロシクリルアルコキシ」は、式−OR−R’で示される基を意味し、ここでのRは本明細書で定義したアルキレンであり、R’は本明細書で定義したヘテロシクリルである。
「ヒドロキシアルコキシ」は、式−ORで示される基を意味し、ここでのRは本明細書で定義したヒドロキシアルキルである。
「ヒドロキシアルキルアミノ」は、式−NR−R’で示される基を意味し、ここでのRは水素または本明細書で定義したアルキルであり、R’は本明細書で定義したヒドロキシアルキルである。
「ヒドロキシアルキルアミノアルキル」は、式−R−NR’−R’’で示される基を意味し、ここでのRは本明細書で定義したアルキレンであり、R’は水素または本明細書で定義したアルキルであり、R’’は本明細書で定義したヒドロキシアルキルである。
「ヒドロキシアルキル」は、1個以上、好ましくは1、2または3個のヒドロキシ基で置換されている本明細書で定義したアルキル基を意味し、ただし、同一の炭素原子が、2個以上のヒドロキシ基を有していない。代表例には、ヒドロキシメチル、2−ヒドロキシエチル、2−ヒドロキシプロピル、3−ヒドロキシプロピル、1−(ヒドロキシメチル)−2−メチルプロピル、2−ヒドロキシブチル、3−ヒドロキシブチル、4−ヒドロキシブチル、2,3−ジヒドロキシプロピル、2−ヒドロキシ−1−ヒドロキシメチルエチル、2,3−ジヒドロキシブチル、3,4−ジヒドロキシブチルおよび2−(ヒドロキシメチル)−3−ヒドロキシプロピルが挙げられるがこれに限定されない。
「ヒドロキシシクロアルキル」は、シクロアルキル基中の1、2、または3個の水素原子が、ヒドロキシ置換基に置き換えられている、本明細書で定義したシクロアルキル基を意味する。代表例には、2−、3−、または4−ヒドロキシシクロヘキシルなどが挙げられるがこれに限定されない。
「尿素」または「ウレイド」は、式−NR’−C(O)−NR’’R’’’で示される基を意味し、ここでのR’、R’’、およびR’’’は各々独立して、水素またはアルキルである。
「カルバメート」は、式−O−C(O)−NR’R’’ で示される基を意味し、ここでのR’およびR’’は各々独立して水素またはアルキルである。
「カルボキシ」は、式−O−C(O)−OHで示される基を意味する。
「スルホンアミド」は、式−SO2−NR’R’’ で示される基を意味し、ここでのR’、R’’、およびR’’’は各々独立して水素またはアルキルである。
「アリール」、「フェニル」、「ヘテロアリール」、「シクロヘキシル」、または「ヘテロシクリル」と合わせて使用されている場合の「場合により置換されている」は、アルキル、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、ヘテロアルキル、ヒドロキシアルキル、ハロ、ニトロ、シアノ、ヒドロキシ、アルコキシ、アミノ、アシルアミノ、モノ−アルキルアミノ、ジ−アルキルアミノ、ハロアルキル、ハロアルコキシ、ヘテロアルキル、−COR(ここでのRは、水素、アルキル、フェニル、またはフェニルアルキルである)、−(CR’R’’)n−COOR(ここでのnは0〜5の整数であり、R’およびR’’は独立して水素またはアルキルであり、Rは、水素、アルキル、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、フェニル、またはフェニルアルキルである)、または−(CR’R’’)n−CONRaRb(ここでのnは0〜5の整数であり、R’およびR’’は独立して水素またはアルキルであり、RaおよびRbは、互いに独立して、水素、アルキル、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、フェニル、またはフェニルアルキルである)から選択される1〜4個の置換基、好ましくは1または2個の置換基で独立して場合により置換されている、アリール、フェニル、ヘテロアリール、シクロヘキシル、またはヘテロシクリルを意味する。
「脱離基」は、合成有機化学で慣用的に伴う意味を有する基を意味し、すなわち、置換反応条件下で置換可能な原子または基を意味する。脱離基の例には、ハロゲン、アルカン−またはアリーレンスルホニルオキシ、例えばメタンスルホニルオキシ、エタンスルホニルオキシ、チオメチル、ベンゼンスルホニルオキシ、トシルオキシ、およびチエニルオキシ、ジハロホスフィノイルオキシ、場合により置換されているベンジルオキシ、イソプロピルオキシ、アシルオキシなどが挙げられるがこれに限定されない。
「モジュレーター」は、標的と相互作用する分子を意味する。相互作用には、本明細書で定義した、アゴニスト、アンタゴニストなどが挙げられるがこれに限定されない。
「任意選択の」または「場合により」は、その後に記載されている事象または環境が起こってもよいが起こる必要はなく、またこの記載には、事象または環境が起こる場合と起こらない場合とが含まれることを意味する。
「疾病」および「疾病状態」は、任意の疾病、容態、症状、障害、または適応症を意味する。
「不活性有機溶媒」または「不活性溶媒」は、溶媒が、その溶媒と共に記載されている反応条件下で不活性であることを意味し、これには、例えば、ベンゼン、トルエン、アセトニトリル、テトラヒドロフラン、N、N−ジメチルホルムアミド、クロロホルム、塩化メチレンすなわちジクロロメタン、ジクロロエタン、ジエチルエーテル、酢酸エチル、アセトン、メチルエチルケトン、メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、tert−ブタノール、ジオキサン、ピリジンなどが挙げられる。特に断りない限り、本発明の反応に使用する溶媒は不活性溶媒である。
「薬学的に許容されうる」は、一般的に安全で無毒性で生物学的にもその他の点でも望ましく、獣医学的使用及びヒトの医薬的使用にも許容されうるものを含む、医薬組成物の調製において有用であることを意味する。
化合物の「薬学的に許容されうる塩」は、本明細書で定義したように薬学的に許容されうる、親化合物の所望の薬理活性を有する塩を意味する。このような塩には、
塩酸、臭化水素酸、硫酸、硝酸、リン酸などの無機酸を用いて形成される酸付加塩;または、酢酸、ベンゼンスルホン酸、安息香酸、ショウノウスルホン酸、クエン酸、エタンスルホン酸、フマル酸、グルコヘプトン酸、グルコン酸、グルタミン酸、グリコール酸、ヒドロキシナフトエ酸、2−ヒドロキシエタンスルホン酸、乳酸、マレイン酸、リンゴ酸、マロン酸、マンデル酸、メタンスルホン酸、ムコン酸、2−ナフタレン−スルホン酸、プロピオン酸、サリチル酸、コハク酸、酒石酸、p−トルエンスルホン酸、トリメチル酢酸などの有機酸を用いて形成される酸付加塩;あるいは、
親化合物に存在する酸性プロトンが、金属イオン、例えばアルカリ金属イオン、アルカリ土類イオン、もしくはアルミニウムイオンにより置き換えられている場合に形成される塩;または、有機もしくは無機塩基と配位している場合に形成される塩が挙げられる。許容されうる有機塩基には、ジエタノールアミン、エタノールアミン、N−メチルグルカミン、トリエタノールアミン、トロメタミンなどが挙げられる。許容される無機塩基には、水酸化アルミニウム、水酸化カルシウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム、および水酸化ナトリウムが挙げられる。
好ましい薬学的に許容されうる塩は、酢酸、塩酸、硫酸、メタンスルホン酸、マレイン酸、リン酸、酒石酸、クエン酸、ナトリウム、カリウム、カルシウム、亜鉛、およびマグネシウムから形成される塩である。
薬学的に許容されうる塩への全ての言及には、同じ酸付加塩の本明細書で定義した溶媒付加形態(溶媒和物)または結晶形(多形)が含まれることを理解すべきである。
「プロ−ドラッグ」および「プロドラッグ」なる語句は、本明細書において同義語として使用できるが、これは、このようなプロドラッグを哺乳動物被験体に投与するとインビボで式Iに記載の活性親薬物を放出する、任意の化合物を意味する。式Iの化合物のプロドラッグは、インビボで修飾が切断されることにより親化合物が放出されるように、式Iの化合物に存在する1個以上の官能基を修飾することにより調製される。プロドラッグには、式Iの化合物中のヒドロキシ、アミノ、またはスルフヒドリル基が、インビボで切断されて遊離ヒドロキシル、アミノ、またはスルフヒドリル基をそれぞれ再生できるような任意の基に結合している、式Iの化合物が挙げられる。プロドラッグの例には、式Iの化合物中のヒドロキシ官能基のエステル(例えば、酢酸エステル、ギ酸エステル、および安息香酸誘導体)、カルバメート(例えばN,N−ジメチルアミノカルボニル)、アミノ官能基のN−アシル誘導体(例えばN−アセチル)、N−マンニッヒ塩基、シッフ塩基およびエナミノン、式Iの化合物中のケトンおよびアルデヒド官能基のオキシム、アセタール、ケタールおよびエノールエステルなどが挙げられるがこれに限定されず、Bundegaard、「プロドラッグの設計(Design of Prodrugs)」p1-92、Elsevier、ニューヨーク−オックスフォード(1985)などを参照されたい。
「保護基(protective group)」または「保護基(protecting group)」は、多官能基化合物中の1個の反応性部位を選択的に遮断する基を意味し、これにより、合成化学で慣用的に伴う意味において、別の保護されていない反応性部位で化学反応を選択的に行なうことができる。本発明の一部の工程は、反応体に存在する反応性窒素原子および/または酸素原子を遮断するための保護基の使用に依拠する。例えば、「アミノ保護基」および「窒素保護基」なる語句は、本明細書において同義語として使用され、合成手順中の望ましくない反応から窒素原子を保護することを目的とした有機基を意味する。例示的な窒素保護基には、トリフルオロアセチル、アセトアミド、ベンジル(Bn)、ベンジルオキシカルボニル(カルボベンジルオキシ、CBZ)、p−メトキシベンジルオキシカルボニル、p−ニトロベンジルオキシカルボニル、tert−ブトキシカルボニル(BOC)などが挙げられるがこれに限定されない。当業者は、除去し易さおよび次の反応に耐えられるかの観点から、基を選択する方法を知っているだろう。
「溶媒和物」は、化学量論的または非化学量論的な量の溶媒を含む、溶媒付加形態を意味する。いくつかの化合物は、結晶固体状態中に一定モル比の溶媒分子を補足し、これにより溶媒和物を形成する傾向がある。溶媒が水の場合、形成される溶媒和物は水和物であり、溶媒がアルコールである場合、形成される溶媒和物はアルコレートである。水和物は、1個以上の水分子と、1分子の物質との組合せにより形成され、ここでは水はH2Oとしてその分子状態を保持しており、このような組合せにより1種類以上の水和物を形成できる。
「被験体」は、哺乳動物および非哺乳動物を意味する。哺乳動物は、ヒト;非ヒト霊長類、例えばチンパンジー、および他の類人猿およびサル種;家畜動物、例えばウシ、ウマ、ヒツジ、ヤギ、およびブタ;ペット、例えばウサギ、イヌ、およびネコ;実験動物(げっ歯類、例えばラット、マウス、モルモットを含む)などが含まれるがこれに限定されない、哺乳類綱の任意のメンバーを意味する。非哺乳動物の例には、鳥類などが挙げられるがこれに限定されない。「被験体」なる語句は、特定の年齢または性別を意図しない。
「尿路の症状」と同義語として使用される「尿路の障害」または「尿路疾患」は、尿路の病的変化を意味する。尿路障害の例には、失禁、良性前立腺肥大症(BPH)、前立腺炎、排尿筋反射亢進、排出口閉塞、頻繁な排尿回数、夜間頻尿、尿意切迫、過活動膀胱、骨盤過敏症、切迫尿失禁、尿道炎、前立腺痛、膀胱炎、特発性膀胱過敏症などが挙げられるがこれに限定されない。
「尿素の症状」と同義語として使用される「尿路に関連した疾病状態」または「尿路疾病状態」または「尿路疾患」は、尿路の病的変化、または、異常な尿貯留もしくは排尿を引き起こす膀胱平滑筋もしくはその神経分布の機能不全を意味する。尿路の症状には、過活動性膀胱(排尿筋過活動としても知られる)、排出口閉塞、排出口不全、および骨盤過敏症などが挙げられるがこれに限定されない。
「過活動膀胱」または「排尿筋過活動」には、切迫、頻回、膀胱容量の変化、尿失禁、排尿閾値、不安定な膀胱収縮、括約筋痙縮、排尿筋反射亢進(神経性膀胱)、排尿筋不安定性などとして症候的に顕現する変化が挙げられるがこれに限定されない。
「排出口閉塞」には、良性前立腺肥大症(BPH)、尿道狭窄疾病、腫瘍、遅い流速、排尿を始めるのが困難であること、切迫、恥骨上疼痛などが挙げられるがこれに限定されない。
「排出口不全」には、尿道過度運動性、内因性括約筋不全、混合尿失禁、緊張性尿失禁などが挙げられるがこれに限定されない。
「骨盤過敏症」には、骨盤疼痛、間質(細胞)膀胱炎、前立腺痛、前立腺炎、外陰痛、尿道炎、精巣痛、過活動性膀胱などが挙げられるがこれに限定されない。
「治療有効量」は、疾病状態を処置するために被験体に投与する場合に、疾病状態のためのこのような処置を行なうのに十分な化合物の量を意味する。「治療有効量」は、該化合物、処置する疾病状態、処置する疾病の重症度、被験体の年齢および相対的健康状態、投与経路および投与形態、担当医師または獣医の判断、並びに他の因子に応じて変更する。
変化するものを言及する際の「先に定義したもの」および「本明細書で定義したもの」なる語句は、引用例として、広義な変化するものの定義、並びに好ましい、より好ましい、および最も好ましい定義(ある場合)を取り込む。
疾病状態の「を処置する」または「の処置」には、
(i)疾病状態を予防すること、すなわち、疾病状態にさらされているかまたはその素因がある可能性があるが、まだ疾病状態の症状を経験または呈していない、被験体の疾病状態の臨床症状を発症させないこと、
(ii)疾病状態を抑止すること、すなわち、疾病状態またはその臨床症状の発症を停止させること、
(iii)疾病状態を寛解すること、すなわち、疾病状態またはその臨床症状の一時的または永久的減退を引き起こすこと
が含まれる。
化学反応に言及する際の「処置する」、「接触させる」、および「反応させる」なる語句は、2種類以上の試薬を適切な条件下で添加または混合して、指定および/または所望の生成物を製造することを意味する。指定および/または所望の生成物を生成する反応は、最初に添加した2種類の試薬の組合せから必ずしも直接得られる必要はなく、すなわち、指定および/または所望の生成物の形成を最終的にもたらす、1種類以上の中間体が混合物中に生成されていてもよい。
一般に、本出願で使用した命名法は、IUPAC体統的命名法の作成のためのバイルシュタイン研究所のコンピューターシステムであるAUTONOM(登録商標)v.4.0に基づいている。本明細書で示される化学構造は、ISIS(登録商標)バージョン2.2を使用して作成した。本明細書の構造中の炭素原子、酸素原子、または窒素原子上に出現する全てのふさがっていない結合価(open valency)は、水素原子の存在を示す。
本明細書で同定される全ての特許および刊行物の全体を、引用例として本明細書に取り込む。
式(I)の特定の実施形態において、R5およびR6は、水素である。
式(I)の特定の実施形態において、R2は、水素である。
式(I)の特定の実施形態において、Xは、−CH2−または−O−である。好ましくは、XはOである。
式(I)の特定の実施形態において、Dは不在である。
式(I)の特定の実施形態において、R1は、アルキル、アルケニル、またはシクロアルキルである。好ましくは、R1は、エチル、シクロプロピル、イソプロペニル、またはイソプロピルである。より好ましくは、R1はイソプロピルである。
式(I)の特定の実施形態において、R7およびR8の一方は水素であり、他方は、アルキル;シクロアルキル;シクロアルキルアルキル;ハロアルキル;ヒドロキシアルキル;アルコキシアルキル;アルキルスルホニルアルキル;アセチル;アルキルスルホニル;アリール;アラルキル;アリールスルホニル;ヘテロアリール;ヘテロアリールアルキル;ヘテロアリールスルホニル;ヘテロシクリル;またはヘテロシクリルアルキルである。
式(I)の特定の実施形態において、R7およびR8の一方は水素であり、他方は、アルキル、ヒドロキシアルキル、またはハロアルキルである。
式(I)の多くの実施形態において、Yは−NRdReである。
式(I)の特定の実施形態において、Yは、−NRdReであり、RdおよびReの一方は水素であり、他方は、アルキル;シクロアルキル;シクロアルキルアルキル;ハロアルキル;ヒドロキシアルキル;アルコキシアルキル;アルキルスルホニルアルキル;アセチル;アルキルスルホニル;アリール;アラルキル;アリールスルホニル;ヘテロアリール;ヘテロアリールアルキル;ヘテロアリールスルホニル;ヘテロシクリル;またはヘテロシクリルアルキルである。
式(I)の特定の実施形態において、Yは、−NRdReであり、RdおよびReの一方は水素であり、他方は、アルキル、ヒドロキシアルキル、またはハロアルキルである。
式(I)の特定の実施形態において、R3およびR4は、各々独立して、ハロ、アルコキシ、ハロアルコキシ、またはアルキルスルホニルである。
式(I)の特定の実施形態において、R3は、ハロ、アルコキシ、ハロアルコキシ、またはヒドロキシである。好ましくは、R3は、メトキシ、フルオロ、またはクロロである。より好ましくは、R3はメトキシである。特定の実施形態において、R3はヒドロキシである。
式(I)の特定の実施形態において、R4は、ハロ、アルコキシ、アルキルスルホニル、またはヘテロアリールである。好ましくは、R4は、メトキシ、ヨード、メタンスルホニル、またはヘテロアリールである。より好ましくは、R4は、メトキシ、ブロモ、クロロ、またはヨードである。特定の実施形態において、R4はメトキシであってもよいが、他の実施形態においてはR4はヨードであってもよい。
式(I)の特定の実施形態において、R7、R8、RdおよびReは水素である。
式(I)の特定の実施形態において、R4は、ヘテロアリールである。該ヘテロアリールは、特定の実施形態において、テトラゾリル、ピラゾリル、オキサゾリル、イミダゾリル、チアゾリル、チオフェニル、トリアゾリル、フラニル、イソオキサゾリル、オキサジアゾリル、ベンゾチオフェニル、ピリジニル、またはピロリルであってもよい。より特定すると、該ヘテロアリールは、テトラゾール−5−イル、ピラゾール−1−イル、3−メチルピラゾール−1−イル、オキサゾール−2−イル、オキサゾール−5−イル、イミダゾール−2−イル、チアゾール−2−イル、チアゾール−4−イル、チオフェン−3−イル、5−クロロ−チオフェン−2−イル、1−メチル−イミダゾール−2−イル、イミダゾール−1−イル、ピラゾール−3−イル、2−メチル−チアゾール−4−イル、フラン−2−イル、3,5−ジメチル−ピラゾール−1−イル、4,5−ジヒドロオキサゾール−2−イル、イソオキサゾール−5−イル、[1,2,4]−オキサジアゾール−3−イル、ベンゾ[b]チオフェン−3−イル、オキサゾール−4−イル、フラン−3−イル、4−メチル−チオフェン−2−イル、チアゾール−5−イル、テトラゾール−1−イル、[1,2,4]トリアゾール−1−イル、2−メチル−チアゾール−5−イル、1−メチル−ピラゾール−4−イル、2−チオリル−イミダゾール−1−イル、ピリジン−2−イル、または2,5−ジメチル−ピロール−1−イルであってもよい。
式(I)の特定の実施形態において、R3およびR4は、それらが結合している原子と一緒になって、O、S、およびNから選択される1または2個のヘテロ原子を場合により含む5または6員環を形成していてもよい。多くのこのような実施形態において、R3およびR4は、それらが結合している原子と一緒になって、1個の窒素を有する5員環芳香族、すなわちピロール環;2個の窒素を有する5員環芳香族、すなわち、ピラゾールまたはイミダゾール環;1個の窒素および1個の酸素を有する5員環芳香族、すなわち、オキサゾールまたはイソオキサゾール環;1個の窒素および1個の硫黄を有する5員環芳香族、すなわち、チアゾールまたはイソチアゾール環;1個の酸素を有する5員環芳香族、すなわち、フラニル環;あるいは、1個の硫黄を有する5員環芳香族、すなわち、チオフェニル環を形成していてもよい。
式(I)の1つの好ましい実施形態において、Xは−O−であり、R1は、アルキル、アルケニル、シクロアルキル、またはハロであり、R2は水素であり、R3は、アルコキシ、ヒドロキシ、またはハロであり、R4は、アルコキシ、ハロ、アルケニル、またはヘテロアリール(テトラゾリル、ピラゾリル、オキサゾリル、イミダゾリル、チアゾリル、チオフェニル、トリアゾリル、フラニル、イソオキサゾリル、オキサジアゾリル、ベンゾチオフェニル、ピリジニル、およびピロリルから選択される)であり、R5およびR6は水素である。
式(I)の別の好ましい実施形態において、Xは−O−であり、R1は、アルキル、アルケニル、シクロアルキル、またはハロであり、R2は水素であり、R3は、アルコキシ、ヒドロキシ、またはハロであり、R4は、アルコキシ、ハロ、またはアルケニルであり、R5およびR6は水素である。
式(I)の別の好ましい実施形態において、Xは−O−であり、R1は、アルキル、アルケニル、シクロアルキル、またはハロであり、R2は水素であり、R3は、アルコキシ、ヒドロキシ、またはハロであり、R4は、テトラゾリル、ピラゾリル、オキサゾリル、イミダゾリル、チアゾリル、チオフェニル、トリアゾリル、フラニル、イソオキサゾリル、オキサジアゾリル、ベンゾチオフェニル、ピリジニル、およびピロリルから選択されるヘテロアリールであり、R5およびR6は水素である。
式(I)の別の好ましい実施形態において、Xは−O−であり、R1は、アルキル、アルケニル、シクロアルキル、またはハロであり、R2は水素であり、R3は、アルコキシ、ヒドロキシ、またはハロであり、R4は、アルコキシ、ハロ、またはアルケニルであり、R5およびR6は水素であり、R7およびR8は水素であり、RaおよびRbの一方は水素であり、他方は、水素、アルキル、ヒドロキシアルキル、またはハロアルキルである。
式(I)の別の好ましい実施形態において、Xは−O−であり、R1は、アルキル、アルケニル、シクロアルキル、またはハロであり、R2は水素であり、R3は、アルコキシ、ヒドロキシ、またはハロであり、R4は、テトラゾリル、ピラゾリル、オキサゾリル、イミダゾリル、チアゾリル、チオフェニル、トリアゾリル、フラニル、イソオキサゾリル、オキサジアゾリル、ベンゾチオフェニル、ピリジニル、およびピロリルから選択されるヘテロアリールであり、R5およびR6は水素であり、R7およびR8は水素であり、RaおよびRbの一方は水素であり、他方は、水素、アルキル、アセチル、ヒドロキシアルキル、またはハロアルキルである。
式(I)の別の好ましい実施形態において、Xは−O−または−CH2−であり、R1は、イソプロピル、イソプロペニル、シクロプロピル、またはヨードであり、R2は水素であり、R3は、アルコキシ、ヒドロキシ、またはハロであり、R4は、アルコキシまたはハロであり、R5およびR6は水素である。
式(I)の別の好ましい実施形態において、Xは−O−または−CH2−であり、R1は、イソプロピル、イソプロペニル、シクロプロピル、またはヨードであり、R2は水素であり、R3は、アルコキシ、ヒドロキシ、またはハロであり、R4は、アルコキシまたはハロであり、R5およびR6は水素であり、R7およびR8は水素であり、RaおよびRbの一方は水素であり、他方は、水素、アルキル、ヒドロキシアルキル、またはハロアルキルである。
式(I)の別の好ましい実施形態において、Xは−O−または−CH2−であり、R1は、イソプロピルまたはヨードであり、R2は水素であり、R3は、メトキシ、ヒドロキシ、クロロ、ブロモ、またはヨードであり、R4は、メトキシ、クロロ、ブロモ、またはヨードであり、R5およびR6は水素である。
式(I)の別の好ましい実施形態において、Xは−O−または−CH2−であり、R1は、イソプロピルまたはヨードであり、R2は水素であり、R3は、メトキシ、ヒドロキシ、クロロ、ブロモ、またはヨードであり、R4は、メトキシ、クロロ、ブロモ、またはヨードであり、R5およびR6は水素であり、R7およびR8は水素であり、RaおよびRbの一方は水素であり、他方は、水素、アルキル、ヒドロキシアルキル、またはハロアルキルである。
式(I)の別の好ましい実施形態において、Xは−O−または−CH2−であり、R1は、イソプロピルであり、R2は水素であり、R3は、メトキシ、ヒドロキシ、クロロ、ブロモ、またはヨードであり、R4は、メトキシ、クロロ、ブロモ、またはヨードであり、R5およびR6は水素である。
式(I)の別の好ましい実施形態において、Xは−O−または−CH2−であり、R1は、イソプロピルであり、R2は水素であり、R3は、メトキシ、ヒドロキシ、クロロ、ブロモ、またはヨードであり、R4は、メトキシ、クロロ、ブロモ、またはヨードであり、R5およびR6は水素であり、R7およびR8は水素であり、RaおよびRbの一方は水素であり、他方は、水素、アルキル、ヒドロキシアルキル、またはハロアルキルである。
本発明の化合物は、多くの実施態様において、式(II)
(式中、
Xは、−CH
2−;または−O−であり;
R
1は、アルキル;アルケニル;シクロアルキル;またはシクロアルケニル;またはハロであり;
R
3およびR
4は、各々独立して、水素;アルキル;アルケニル;アミノ;ハロ;アミド;ハロアルキル;アルコキシ;ヒドロキシ;ハロアルコキシ;ニトロ;ヒドロキシアルキル;アルコキシアルキル;ヒドロキシアルコキシ;アルキニルアルコキシ;アルキルスルホニル;アリールスルホニル;シアノ;アリール;ヘテロアリール;ヘテロシクリル;ヘテロシクリルアルコキシ;アリールオキシ;ヘテロアリールオキシ;アラルキルオキシ;ヘテロアラルキルオキシ;場合により置換されているフェノキシ;−(CH
2)
m−(Z)
n−(CO)−R
f、または−(CH
2)
m−(Z)
n−SO
2−(NR
g)
n−R
fであり、ここで、mおよびnは、各々独立して、0または1であり、Zは、OまたはNR
gであり、R
fは、水素、アルキル、ヒドロキシ、アルコキシ、アミノ、ヒドロキシアルキル、またはアルコキシアルキルであり、各R
gは、独立して、水素またはアルキルであるか;あるいは、R
3およびR
4は、一緒になって、アルキレンジオキシを形成していてもよく;あるいは、R
3およびR
4は、それらが結合している原子と一緒になって、O、S、およびNから選択される1または2個のヘテロ原子を場合により含む5または6員環を形成していてもよく;
R
7およびR
8の一方は水素であり、他方は、水素;アルキル;シクロアルキル;シクロアルキルアルキル;ハロアルキル;ハロアルコキシ;ヒドロキシアルキル;アルコキシアルキル;アセチル;アルキルスルホニル;アルキルスルホニルアルキル;アミノカルボニルオキシアルキル;ヒドロキシカルボニルアルキル;ヒドロキシアルキルオキシカルボニルアルキル;アリール;アラルキル;アリールスルホニル;ヘテロアリール;ヘテロアリールアルキル;ヘテロアリールスルホニル;ヘテロシクリル;またはヘテロシクリルアルキルであり;
R
dおよびR
eの一方は水素であり、他方は、水素;アルキル;シクロアルキル;シクロアルキルアルキル;ハロアルキル;ハロアルコキシ;ヒドロキシアルキル;アルコキシアルキル;アセチル;アルキルスルホニル;アルキルスルホニルアルキル;アミノカルボニルオキシアルキル;ヒドロキシカルボニルアルキル;ヒドロキシアルキルオキシカルボニルアルキル;アリール;アラルキル;アリールスルホニル;ヘテロアリール;ヘテロアリールアルキル;ヘテロアリールスルホニル;ヘテロシクリル;またはヘテロシクリルアルキルである)
で示されていてもよい。
式(II)の特定の実施形態において、R1は、アルキル、アルケニル、またはシクロアルキルである。好ましくは、R1は、エチル、シクロプロピル、イソプロペニル、またはイソプロピルである。より好ましくはR1はイソプロピルである。
式(II)の特定の実施形態において、R7およびR8の一方は水素であり、他方は、アルキル;シクロアルキル;シクロアルキルアルキル;ハロアルキル;ヒドロキシアルキル;アルコキシアルキル;アルキルスルホニルアルキル;アセチル;アルキルスルホニル;アリール;アラルキル;アリールスルホニル;ヘテロアリール;ヘテロアリールアルキル;ヘテロアリールスルホニル;ヘテロシクリル;またはヘテロシクリルアルキルである。
式(II)の特定の実施形態において、R7およびR8の一方は水素であり、他方は、アルキル、ヒドロキシアルキル、またはハロアルキルである。
式(II)の特定の実施形態において、RdおよびReの一方は水素であり、他方は、アルキル;シクロアルキル;シクロアルキルアルキル;ハロアルキル;ヒドロキシアルキル;アルコキシアルキル;アルキルスルホニルアルキル;アセチル;アルキルスルホニル;アリール;アラルキル;アリールスルホニル;ヘテロアリール;ヘテロアリールアルキル;ヘテロアリールスルホニル;ヘテロシクリル;またはヘテロシクリルアルキルである。
式(II)の特定の実施形態において、RdおよびReの一方は水素であり、他方は、アルキル、ヒドロキシアルキル、またはハロアルキルである。
式(II)の特定の実施形態において、R3およびR4は、各々独立して、ハロ、アルコキシ、ハロアルコキシ、またはアルキルスルホニルである。
式(II)の特定の実施形態において、R3は、ハロ、アルコキシ、ハロアルコキシ、またはヒドロキシである。好ましくは、R3は、メトキシ、フルオロ、またはクロロである。より好ましくは、R3はメトキシである。特定の実施形態において、R3はヒドロキシである。
式(II)の特定の実施形態において、R4は、ハロ、アルコキシ、アルキルスルホニル、またはヘテロアリールである。好ましくは、R4は、メトキシ、ヨード、メタンスルホニル、またはヘテロアリールである。より好ましくは、R4は、メトキシ、ブロモ、クロロ、またはヨードである。特定の実施形態において、R4はメトキシであってもよいが、他の実施形態においては、R4はヨードであってもよい。
式(II)の特定の実施形態において、R7、R8、Rd、およびReは水素である。
式(II)の特定の実施形態において、R4はヘテロアリールである。該ヘテロアリールは、特定の実施形態において、テトラゾリル、ピラゾリル、オキサゾリル、イミダゾリル、チアゾリル、チオフェニル、トリアゾリル、フラニル、イソオキサゾリル、オキサジアゾリル、ベンゾチオフェニル、ピリジニル、またはピロリルであってもよい。より特定すると、該ヘテロアリールは、テトラゾール−5−イル、ピラゾール−1−イル、3−メチルピラゾール−1−イル、オキサゾール−2−イル、オキサゾール−5−イル、イミダゾール−2−イル、チアゾール−2−イル、チアゾール−4−イル、チオフェン−3−イル、5−クロロ−チオフェン−2−イル、1−メチル−イミダゾール−2−イル、イミダゾール−1−イル、ピラゾール−3−イル、2−メチル−チアゾール−4−イル、フラン−2−イル、3,5−ジメチル−ピラゾール−1−イル、4,5−ジヒドロオキサゾール−2−イル、イソオキサゾール−5−イル、[1,2,4]−オキサジアゾール−3−イル、ベンゾ[b]チオフェン−3−イル、オキサゾール−4−イル、フラン−3−イル、4−メチル−チオフェン−2−イル、チアゾール−5−イル、テトラゾール−1−イル、[1,2,4]トリアゾール−1−イル、2−メチル−チアゾール−5−イル、1−メチル−ピラゾール−4−イル、2−チオリル−イミダゾール−1−イル、ピリジン−2−イル、または2,5−ジメチル−ピロール−1−イルであってもよい。
式(II)の特定の実施形態において、R3およびR4は、それらが結合している原子と一緒になって、O、S、およびNから選択される1または2個のヘテロ原子を場合により含む5または6員環を形成していてもよい。多くのこのような実施形態において、R3およびR4は、それらが結合している原子と一緒になって、1個の窒素を有する5員環芳香族、すなわちピロール環;2個の窒素を有する5員環芳香族、すなわち、ピラゾールまたはイミダゾール環;1個の窒素および1個の酸素を有する5員環芳香族、すなわち、オキサゾールまたはイソオキサゾール環;1個の窒素および1個の硫黄を有する5員環芳香族、すなわち、チアゾールまたはイソチアゾール環;1個の酸素を有する5員環芳香族、すなわち、フラニル環;あるいは、1個の硫黄を有する5員環芳香族、すなわち、チオフェニル環を形成していてもよい。
式(II)の1つの好ましい実施形態において、Xは−O−であり、R1は、アルキル、アルケニル、シクロアルキル、またはハロであり、R3は、アルコキシ、ヒドロキシ、またはハロであり、R4は、アルコキシ、ハロ、アルケニル、またはヘテロアリール(テトラゾリル、ピラゾリル、オキサゾリル、イミダゾリル、チアゾリル、チオフェニル、トリアゾリル、フラニル、イソオキサゾリル、オキサジアゾリル、ベンゾチオフェニル、ピリジニル、およびピロリルから選択される)である。
式(II)の別の好ましい実施形態において、Xは−O−であり、R1は、アルキル、アルケニル、シクロアルキル、またはハロであり、R3は、アルコキシ、ヒドロキシ、またはハロであり、R4は、アルコキシ、ハロ、またはアルケニルである。
式(II)の別の好ましい実施形態において、Xは−O−であり、R1は、アルキル、アルケニル、シクロアルキル、またはハロであり、R3は、アルコキシ、ヒドロキシ、またはハロであり、R4は、テトラゾリル、ピラゾリル、オキサゾリル、イミダゾリル、チアゾリル、チオフェニル、トリアゾリル、フラニル、イソオキサゾリル、オキサジアゾリル、ベンゾチオフェニル、ピリジニル、およびピロリルから選択されるヘテロアリールである。
式(II)の別の好ましい実施形態において、Xは−O−であり、R1は、アルキル、アルケニル、シクロアルキル、またはハロであり、R3は、アルコキシ、ヒドロキシ、またはハロであり、R4は、アルコキシ、ハロ、またはアルケニルであり、R7およびR8は水素であり、RaおよびRbの一方は水素であり、他方は、水素、アルキル、ヒドロキシアルキル、またはハロアルキルである。
式(II)の別の好ましい実施形態において、Xは−O−であり、R1は、アルキル、アルケニル、シクロアルキル、またはハロであり、R3は、アルコキシ、ヒドロキシ、またはハロであり、R4は、テトラゾリル、ピラゾリル、オキサゾリル、イミダゾリル、チアゾリル、チオフェニル、トリアゾリル、フラニル、イソオキサゾリル、オキサジアゾリル、ベンゾチオフェニル、ピリジニル、およびピロリルから選択されるヘテロアリールであり、R7およびR8は水素であり、RaおよびRbの一方は水素であり、他方は、水素、アルキル、アセチル、ヒドロキシアルキル、またはハロアルキルである。
式(II)の別の好ましい実施形態において、Xは−O−または−CH2−であり、R1は、イソプロピル、イソプロペニル、シクロプロピル、またはヨードであり、R3は、アルコキシ、ヒドロキシ、またはハロであり、R4は、アルコキシまたはハロである。
式(II)の別の好ましい実施形態において、Xは−O−または−CH2−であり、R1は、イソプロピル、イソプロペニル、シクロプロピル、またはヨードであり、R3は、アルコキシ、ヒドロキシ、またはハロであり、R4は、アルコキシまたはハロであり、R7およびR8は水素であり、RaおよびRbの一方は水素であり、他方は、水素、アルキル、ヒドロキシアルキル、またはハロアルキルである。
式(II)の別の好ましい実施形態において、Xは−O−または−CH2−であり、R1は、イソプロピルまたはヨードであり、R3は、メトキシ、ヒドロキシ、クロロ、ブロモ、またはヨードであり、R4は、メトキシ、クロロ、ブロモ、またはヨードである。
式(II)の別の好ましい実施形態において、Xは−O−または−CH2−であり、R1は、イソプロピルまたはヨードであり、R3は、メトキシ、ヒドロキシ、クロロ、ブロモ、またはヨードであり、R4は、メトキシ、クロロ、ブロモ、またはヨードであり、R7およびR8は水素であり、RaおよびRbの一方は水素であり、他方は、水素、アルキル、ヒドロキシアルキル、またはハロアルキルである。
式(II)の別の好ましい実施形態において、Xは−O−または−CH2−であり、R1はイソプロピルであり、R3は、メトキシ、ヒドロキシ、クロロ、ブロモ、またはヨードであり、R4は、メトキシ、クロロ、ブロモ、またはヨードである。
式(II)の別の好ましい実施形態において、Xは−O−または−CH2−であり、R1はイソプロピルであり、R3は、メトキシ、ヒドロキシ、クロロ、ブロモ、またはヨードであり、R4は、メトキシ、クロロ、ブロモ、またはヨードであり、R7およびR8は水素であり、RaおよびRbの一方は水素であり、他方は、水素、アルキル、ヒドロキシアルキル、またはハロアルキルである。
特定の実施形態における本発明の化合物は、式(III)
(式中、
R
1は、イソプロピル;イソプロペニル;シクロプロピル;またはヨードであり;
R
3およびR
4は、各々独立して、水素;アルキル;アルケニル;アミノ;ハロ;アミド;ハロアルキル;アルコキシ;ヒドロキシ;ハロアルコキシ;ニトロ;ヒドロキシアルキル;アルコキシアルキル;ヒドロキシアルコキシ;アルキニルアルコキシ;アルキルスルホニル;アリールスルホニル;シアノ;アリール;ヘテロアリール;ヘテロシクリル;ヘテロシクリルアルコキシ;アリールオキシ;ヘテロアリールオキシ;アラルキルオキシ;ヘテロアラルキルオキシ;場合により置換されているフェノキシ;−(CH
2)
m−(Z)
n−(CO)−R
f、または−(CH
2)
m−(Z)
n−SO
2−(NR
g)
n−R
fであり、ここで、mおよびnは、各々独立して、0または1であり、Zは、OまたはNR
gであり、R
fは、水素、アルキル、ヒドロキシ、アルコキシ、アミノ、ヒドロキシアルキル、またはアルコキシアルキルであり、各R
gは、独立して、水素またはアルキルであるか;あるいは、R
3およびR
4は、一緒になってアルキレンジオキシを形成していてもよく;あるいは、R
3およびR
4は、それらが結合している原子と一緒になって、O、S、およびNから選択される1または2個のヘテロ原子を場合により含む5または6員環を形成していてもよく;
R
7およびR
8の一方は水素であり、他方は、水素;アルキル;シクロアルキル;シクロアルキルアルキル;ハロアルキル;ハロアルコキシ;ヒドロキシアルキル;アルコキシアルキル;アセチル;アルキルスルホニル;アルキルスルホニルアルキル;アミノカルボニルオキシアルキル;ヒドロキシカルボニルアルキル;ヒドロキシアルキルオキシカルボニルアルキル;アリール;アラルキル;アリールスルホニル;ヘテロアリール;ヘテロアリールアルキル;ヘテロアリールスルホニル;ヘテロシクリル;またはヘテロシクリルアルキルであり;
R
dおよびR
eの一方は水素であり、他方は、水素;アルキル;シクロアルキル;シクロアルキルアルキル;ハロアルキル;ハロアルコキシ;ヒドロキシアルキル;アルコキシアルキル;アセチル;アルキルスルホニル;アルキルスルホニルアルキル;アミノカルボニルオキシアルキル;ヒドロキシカルボニルアルキル;ヒドロキシアルキルオキシカルボニルアルキル;アリール;アラルキル;アリールスルホニル;ヘテロアリール;ヘテロアリールアルキル;ヘテロアリールスルホニル;ヘテロシクリル;またはヘテロシクリルアルキルである)
で示されていてもよい。
他の実施形態において、主題化合物は、式(IV)
(式中、
R
1は、アルキル;アルケニル;シクロアルキル;またはシクロアルケニルであり;
R
3およびR
4は、各々独立して、水素;アルキル;アルケニル;アミノ;ハロ;アミド;ハロアルキル;アルコキシ;ヒドロキシ;ハロアルコキシ;ニトロ;ヒドロキシアルキル;アルコキシアルキル;ヒドロキシアルコキシ;アルキニルアルコキシ;アルキルスルホニル;アリールスルホニル;シアノ;アリール;ヘテロアリール;ヘテロシクリル;ヘテロシクリルアルコキシ;アリールオキシ;ヘテロアリールオキシ;アラルキルオキシ;ヘテロアラルキルオキシ;場合により置換されているフェノキシ;−(CH
2)
m−(Z)
n−(CO)−R
f、または−(CH
2)
m−(Z)
n−SO
2−(NR
g)
n−R
fであり、ここで、mおよびnは、各々独立して、0または1であり、Zは、OまたはNR
gであり、R
fは、水素、アルキル、ヒドロキシ、アルコキシ、アミノ、ヒドロキシアルキル、またはアルコキシアルキルであり、各R
gは、独立して、水素またはアルキルであるか;あるいは、R
3およびR
4は、一緒になってアルキレンジオキシを形成していてもよく;あるいは、R
3およびR
4は、それらが結合している原子と一緒になって、O、S、およびNから選択される1または2個のヘテロ原子を場合により含む5または6員環を形成していてもよく;
R
7およびR
8の一方は水素であり、他方は、水素;アルキル;シクロアルキル;シクロアルキルアルキル;ハロアルキル;ハロアルコキシ;ヒドロキシアルキル;アルコキシアルキル;アセチル;アルキルスルホニル;アルキルスルホニルアルキル;アミノカルボニルオキシアルキル;ヒドロキシカルボニルアルキル;ヒドロキシアルキルオキシカルボニルアルキル;アリール;アラルキル;アリールスルホニル;ヘテロアリール;ヘテロアリールアルキル;ヘテロアリールスルホニル;ヘテロシクリル;またはヘテロシクリルアルキルであり;
R
dおよびR
eの一方は水素であり、他方は、水素;アルキル;シクロアルキル;シクロアルキルアルキル;ハロアルキル;ハロアルコキシ;ヒドロキシアルキル;アルコキシアルキル;アセチル;アルキルスルホニル;アルキルスルホニルアルキル;アミノカルボニルオキシアルキル;ヒドロキシカルボニルアルキル;ヒドロキシアルキルオキシカルボニルアルキル;アリール;アラルキル;アリールスルホニル;ヘテロアリール;ヘテロアリールアルキル;ヘテロアリールスルホニル;ヘテロシクリル;またはヘテロシクリルアルキルである)
で示されていてもよい。
式(IV)の特定の実施形態において、R1は、アルキル、アルケニル、またはシクロアルキルである。好ましくは、R1は、エチル、シクロプロピル、イソプロペニル、またはイソプロピルである。より好ましくは、R1はイソプロピルである。
式(III)または式(IV)の特定の実施形態において、R7およびR8の一方は水素であり、他方は、アルキル;シクロアルキル;シクロアルキルアルキル;ハロアルキル;ヒドロキシアルキル;アルコキシアルキル;アルキルスルホニルアルキル;アセチル;アルキルスルホニル;アリール;アラルキル;アリールスルホニル;ヘテロアリール;ヘテロアリールアルキル;ヘテロアリールスルホニル;ヘテロシクリル;またはヘテロシクリルアルキルである。
式(III)または式(IV)の特定の実施形態において、R7およびR8の一方は水素であり、他方は、アルキル、ヒドロキシアルキル、またはハロアルキルである。
式(III)または(IV)の特定の実施形態において、RdおよびReの一方は水素であり、他方は、アルキル;シクロアルキル;シクロアルキルアルキル;ハロアルキル;ヒドロキシアルキル;アルコキシアルキル;アルキルスルホニルアルキル;アセチル;アルキルスルホニル;アリール;アラルキル;アリールスルホニル;ヘテロアリール;ヘテロアリールアルキル;ヘテロアリールスルホニル;ヘテロシクリル;またはヘテロシクリルアルキルである。
式(III)または式(IV)の特定の実施形態において、RdおよびReの一方は水素であり、他方は、アルキル、ヒドロキシアルキル、またはハロアルキルである。
式(III)または式(IV)の特定の実施形態において、R3およびR4は、各々独立して、ハロ、アルコキシ、ハロアルコキシ、またはアルキルスルホニルである。
式(III)または式(IV)の特定の実施形態において、R3は、ハロ、アルコキシ、ハロアルコキシ、またはヒドロキシである。好ましくは、R3は、メトキシ、フルオロ、またはクロロである。より好ましくは、R3はメトキシである。特定の実施形態において、R3はヒドロキシである。
式(III)または式(IV)の特定の実施形態において、R4は、ハロ、アルコキシ、アルキルスルホニル、またはヘテロアリールである。好ましくは、R4は、メトキシ、ヨード、メタンスルホニル、またはヘテロアリールである。より好ましくは、R4は、メトキシ、ブロモ、クロロ、またはヨードである。特定の実施形態において、R4はメトキシであってもよいが、他の実施形態においては、R4はヨードであってもよい。
式(III)または式(IV)の特定の実施形態において、R7、R8、Rd、およびReは、水素である。
式(III)または式(IV)の特定の実施形態において、R4は、ヘテロアリールである。該ヘテロアリールは、特定の実施形態において、テトラゾリル、ピラゾリル、オキサゾリル、イミダゾリル、チアゾリル、チオフェニル、トリアゾリル、フラニル、イソオキサゾリル、オキサジアゾリル、ベンゾチオフェニル、ピリジニル、またはピロリルであってもよい。より特定すると、該ヘテロアリールは、テトラゾール−5−イル、ピラゾール−1−イル、3−メチルピラゾール−1−イル、オキサゾール−2−イル、オキサゾール−5−イル、イミダゾール−2−イル、チアゾール−2−イル、チアゾール−4−イル、チオフェン−3−イル、5−クロロチオフェン−2−イル、1−メチル−イミダゾール−2−イル、イミダゾール−1−イル、ピラゾール−3−イル、2−メチル−チアゾール−4−イル、フラン−2−イル、3,5−ジメチル−ピラゾール−1−イル、4,5−ジヒドロオキサゾール−2−イル、イソオキサゾール−5−イル、[1,2,4]−オキサジアゾール−3−イル、ベンゾ[b]チオフェン−3−イル、オキサゾール−4−イル、フラン−3−イル、4−メチル−チオフェン−2−イル、チアゾール−5−イル、テトラゾール−1−イル、[1,2,4]トリアゾール−1−イル、2−メチル−チアゾール−5−イル、1−メチル−ピラゾール−4−イル、2−チオリル−イミダゾール−1−イル、ピリジン−2−イル、または2,5−ジメチル−ピロール−1−イルであってもよい。
式(III)または式(IV)の特定の実施形態において、R3およびR4は、それらが結合している原子と一緒になって、O、S、およびNから選択される1または2個のヘテロ原子を場合により含む5または6員環を形成していてもよい。多くのこのような実施形態において、R3およびR4は、それらが結合している原子と一緒になって、1個の窒素を有する5員環芳香族、すなわちピロール環;2個の窒素を有する5員環芳香族、すなわち、ピラゾールまたはイミダゾール環;1個の窒素および1個の酸素を有する5員環芳香族、すなわち、オキサゾールまたはイソオキサゾール環;1個の窒素および1個の硫黄を有する5員環芳香族、すなわち、チアゾールまたはイソチアゾール環;1個の酸素を有する5員環芳香族、すなわち、フラニル環;あるいは、1個の硫黄を有する5員環芳香族、すなわち、チオフェニル環を形成していてもよい。
特定の実施形態における本発明の化合物は、式(V)
(式中、
R
3およびR
4は、各々独立して、水素;アルキル;アルケニル;アミノ;ハロ;アミド;ハロアルキル;アルコキシ;ヒドロキシ;ハロアルコキシ;ニトロ;ヒドロキシアルキル;アルコキシアルキル;ヒドロキシアルコキシ;アルキニルアルコキシ;アルキルスルホニル;アリールスルホニル;シアノ;アリール;ヘテロアリール;ヘテロシクリル;ヘテロシクリルアルコキシ;アリールオキシ;ヘテロアリールオキシ;アラルキルオキシ;ヘテロアラルキルオキシ;場合により置換されているフェノキシ;−(CH
2)
m−(Z)
n−(CO)−R
f、または−(CH
2)
m−(Z)
n−SO
2−(NR
g)
n−R
fであり、ここで、mおよびnは、各々独立して、0または1であり、Zは、OまたはNR
gであり、R
fは、水素、アルキル、ヒドロキシ、アルコキシ、アミノ、ヒドロキシアルキル、またはアルコキシアルキルであり、各R
gは、独立して、水素またはアルキルであるか;あるいは、R
3およびR
4は、一緒になってアルキレンジオキシを形成していてもよく;あるいは、R
3およびR
4は、それらが結合している原子と一緒になって、O、S、およびNから選択される1または2個のヘテロ原子を場合により含む5または6員環を形成していてもよく;
R
7およびR
8の一方は水素であり、他方は、水素;アルキル;シクロアルキル;シクロアルキルアルキル;ハロアルキル;ハロアルコキシ;ヒドロキシアルキル;アルコキシアルキル;アセチル;アルキルスルホニル;アルキルスルホニルアルキル;アミノカルボニルオキシアルキル;ヒドロキシカルボニルアルキル;ヒドロキシアルキルオキシカルボニルアルキル;アリール;アラルキル;アリールスルホニル;ヘテロアリール;ヘテロアリールアルキル;ヘテロアリールスルホニル;ヘテロシクリル;またはヘテロシクリルアルキルであり;
R
dおよびR
eの一方は水素であり、他方は、水素;アルキル;シクロアルキル;シクロアルキルアルキル;ハロアルキル;ハロアルコキシ;ヒドロキシアルキル;アルコキシアルキル;アセチル;アルキルスルホニル;アルキルスルホニルアルキル;アミノカルボニルオキシアルキル;ヒドロキシカルボニルアルキル;ヒドロキシアルキルオキシカルボニルアルキル;アリール;アラルキル;アリールスルホニル;ヘテロアリール;ヘテロアリールアルキル;ヘテロアリールスルホニル;ヘテロシクリル;またはヘテロシクリルアルキルである)
で示されていてもよい。
他の実施形態において、主題化合物は、式(VI)
(式中、
R
3およびR
4は、各々独立して、水素;アルキル;アルケニル;アミノ;ハロ;アミド;ハロアルキル;アルコキシ;ヒドロキシ;ハロアルコキシ;ニトロ;ヒドロキシアルキル;アルコキシアルキル;ヒドロキシアルコキシ;アルキニルアルコキシ;アルキルスルホニル;アリールスルホニル;シアノ;アリール;ヘテロアリール;ヘテロシクリル;ヘテロシクリルアルコキシ;アリールオキシ;ヘテロアリールオキシ;アラルキルオキシ;ヘテロアラルキルオキシ;場合により置換されているフェノキシ;−(CH
2)
m−(Z)
n−(CO)−R
f、または−(CH
2)
m−(Z)
n−SO
2−(NR
g)
n−R
fであり、ここで、mおよびnは、各々独立して、0または1であり、Zは、OまたはNR
gであり、R
fは、水素、アルキル、ヒドロキシ、アルコキシ、アミノ、ヒドロキシアルキル、またはアルコキシアルキルであり、各R
gは、独立して、水素またはアルキルであるか;あるいは、R
3およびR
4は、一緒になってアルキレンジオキシを形成していてもよく;あるいは、R
3およびR
4は、それらが結合している原子と一緒になって、O、S、およびNから選択される1または2個のヘテロ原子を場合により含む5または6員環を形成していてもよく;
R
7およびR
8の一方は水素であり、他方は、水素;アルキル;シクロアルキル;シクロアルキルアルキル;ハロアルキル;ハロアルコキシ;ヒドロキシアルキル;アルコキシアルキル;アセチル;アルキルスルホニル;アルキルスルホニルアルキル;アミノカルボニルオキシアルキル;ヒドロキシカルボニルアルキル;ヒドロキシアルキルオキシカルボニルアルキル;アリール;アラルキル;アリールスルホニル;ヘテロアリール;ヘテロアリールアルキル;ヘテロアリールスルホニル;ヘテロシクリル;またはヘテロシクリルアルキルであり;
R
dおよびR
eの一方は水素であり、他方は、水素;アルキル;シクロアルキル;シクロアルキルアルキル;ハロアルキル;ハロアルコキシ;ヒドロキシアルキル;アルコキシアルキル;アセチル;アルキルスルホニル;アルキルスルホニルアルキル;アミノカルボニルオキシアルキル;ヒドロキシカルボニルアルキル;ヒドロキシアルキルオキシカルボニルアルキル;アリール;アラルキル;アリールスルホニル;ヘテロアリール;ヘテロアリールアルキル;ヘテロアリールスルホニル;ヘテロシクリル;またはヘテロシクリルアルキルである)
で示されていてもよい。
式(V)または式(V)の特定の実施形態において、R7およびR8の一方は水素であり、他方は、アルキル;シクロアルキル;シクロアルキルアルキル;ハロアルキル;ヒドロキシアルキル;アルコキシアルキル;アルキルスルホニルアルキル;アセチル;アルキルスルホニル;アリール;アラルキル;アリールスルホニル;ヘテロアリール;ヘテロアリールアルキル;ヘテロアリールスルホニル;ヘテロシクリル;またはヘテロシクリルアルキルである。
式(V)または式(V)の特定の実施形態において、R7およびR8の一方は水素であり、他方は、アルキル、ヒドロキシアルキル、またはハロアルキルである。
式(V)または式(V)の特定の実施形態において、RdおよびReの一方は水素であり、他方は、アルキル;シクロアルキル;シクロアルキルアルキル;ハロアルキル;ヒドロキシアルキル;アルコキシアルキル;アルキルスルホニルアルキル;アセチル;アルキルスルホニル;アリール;アラルキル;アリールスルホニル;ヘテロアリール;ヘテロアリールアルキル;ヘテロアリールスルホニル;ヘテロシクリル;またはヘテロシクリルアルキルである。
式(V)または式(V)の特定の実施形態において、RdおよびReの一方は水素であり、他方は、アルキル、ヒドロキシアルキル、またはハロアルキルである。
式(V)または式(V)の特定の実施形態において、R3およびR4は、各々独立して、ハロ、アルコキシ、ハロアルコキシ、またはアルキルスルホニルである。
式(V)または式(V)の特定の実施形態において、R3は、ハロ、アルコキシ、ハロアルコキシ、またはヒドロキシである。好ましくは、R3は、メトキシ、フルオロ、またはクロロである。より好ましくは、R3はメトキシである。特定の実施形態において、R3はヒドロキシである。
式(V)または式(V)の特定の実施形態において、R4は、ハロ、アルコキシ、アルキルスルホニル、またはヘテロアリールである。好ましくは、R4は、メトキシ、ヨード、メタンスルホニル、またはヘテロアリールである。より好ましくは、R4は、メトキシ、ブロモ、クロロ、またはヨードである。特定の実施形態において、R4はメトキシであってもよいが、他の実施形態においては、R4はヨードであってもよい。
式(V)または式(V)の特定の実施形態において、R7、R8、Rd、およびReは水素である。
式(V)または式(V)の特定の実施形態において、R4はヘテロアリールである。該ヘテロアリールは、特定の実施形態において、テトラゾリル、ピラゾリル、オキサゾリル、イミダゾリル、チアゾリル、チオフェニル、トリアゾリル、フラニル、イソオキサゾリル、オキサジアゾリル、ベンゾチオフェニル、ピリジニル、またはピロリルであってもよい。より特定すると、該ヘテロアリールは、テトラゾール−5−イル、ピラゾール−1−イル、3−メチルピラゾール−1−イル、オキサゾール−2−イル、オキサゾール−5−イル、イミダゾール−2−イル、チアゾール−2−イル、チアゾール−4−イル、チオフェン−3−イル、5−クロロ−チオフェン−2−イル、1−メチル−イミダゾール−2−イル、イミダゾール−1−イル、ピラゾール−3−イル、2−メチル−チアゾール−4−イル、フラン−2−イル、3,5−ジメチル−ピラゾール−1−イル、4,5−ジヒドロオキサゾール−2−イル、イソオキサゾール−5−イル、[1,2,4]−オキサジアゾール−3−イル、ベンゾ[b]チオフェン−3−イル、オキサゾール−4−イル、フラン−3−イル、4−メチル−チオフェン−2−イル、チアゾール−5−イル、テトラゾール−1−イル、[1,2,4]トリアゾール−1−イル、2−メチル−チアゾール−5−イル、1−メチル−ピラゾール−4−イル、2−チオリル−イミダゾール−1−イル、ピリジン−2−イル、または2,5−ジメチル−ピロール−1−イルであってもよい。
式(V)または式(V)の特定の実施形態において、R3およびR4は、それらが結合している原子と一緒になって、O、S、およびNから選択される1または2個のヘテロ原子を場合により含む5または6員環を形成していてもよい。多くのこのような実施形態において、R3およびR4は、それらが結合している原子と一緒になって、1個の窒素を有する5員環芳香族、すなわちピロール環;2個の窒素を有する5員環芳香族、すなわち、ピラゾールまたはイミダゾール環;1個の窒素および1個の酸素を有する5員環芳香族、すなわち、オキサゾールまたはイソオキサゾール環;1個の窒素および1個の硫黄を有する5員環芳香族、すなわち、チアゾールまたはイソチアゾール環;1個の酸素を有する5員環芳香族、すなわち、フラニル環;あるいは、1個の硫黄を有する5員環芳香族、すなわち、チオフェニル環を形成していてもよい。
特定の実施形態において、本発明の化合物は、式(VII)
(式中、
Xは、−CH
2−;または−O−であり;
R
1は、アルキル;アルケニル;シクロアルキル;またはシクロアルケニル;またはハロであり;
R
2は、水素;アルキル;アルケニル;アミノ;ハロ;アミド;ハロアルキル;アルコキシ;ヒドロキシ;ハロアルコキシ;ニトロ;ヒドロキシアルキル;アルコキシアルキル;ヒドロキシアルコキシ;アルキニルアルコキシ;アルキルスルホニル;アリールスルホニル;シアノ;アリール;ヘテロアリール;ヘテロシクリル;ヘテロシクリルアルコキシ;アリールオキシ;ヘテロアリールオキシ;アラルキルオキシ;ヘテロアラルキルオキシ;場合により置換されているフェノキシ;または−(CH
2)
m−(Z)
n−(CO)−R
f、または−(CH
2)
m−(Z)
n−SO
2−(NR
g)
n−R
fであり、ここで、mおよびnは、各々独立して、0または1であり、Zは、OまたはNR
gであり、R
fは、水素、アルキル、ヒドロキシ、アルコキシ、アミノ、ヒドロキシアルキル、またはアルコキシアルキルであり、各R
gは、独立して、水素またはアルキルであり;
R
7およびR
8の一方は水素であり、他方は、水素;アルキル;シクロアルキル;シクロアルキルアルキル;ハロアルキル;ハロアルコキシ;ヒドロキシアルキル;アルコキシアルキル;アセチル;アルキルスルホニル;アルキルスルホニルアルキル;アミノカルボニルオキシアルキル;ヒドロキシカルボニルアルキル;ヒドロキシアルキルオキシカルボニルアルキル;アリール;アラルキル;アリールスルホニル;ヘテロアリール;ヘテロアリールアルキル;ヘテロアリールスルホニル;ヘテロシクリル;またはヘテロシクリルアルキルであり;
R
dおよびR
eの一方は水素であり、他方は、水素;アルキル;シクロアルキル;シクロアルキルアルキル;ハロアルキル;ハロアルコキシ;ヒドロキシアルキル;アルコキシアルキル;アセチル;アルキルスルホニル;アルキルスルホニルアルキル;アミノカルボニルオキシアルキル;ヒドロキシカルボニルアルキル;ヒドロキシアルキルオキシカルボニルアルキル;アリール;アラルキル;アリールスルホニル;ヘテロアリール;ヘテロアリールアルキル;ヘテロアリールスルホニル;ヘテロシクリル;またはヘテロシクリルアルキルであり;
Qは、CR
9であり、AおよびEの一方はO、S、またはNR
10であり、他方はCR
9またはNであるか;あるいは
Qは、Nであり、AおよびEの一方はNR
10であり、他方はCR
9であり;
各R
9は、独立して、水素、アルキル、ハロ、またはアルコキシであり;
R
10は、水素、アルキル、ヒドロキシアルキル、アルコキシアルキル、−(CH
2)
m−(Z)
n−(CO)−R
f、または−(CH
2)
m−(Z)
n−SO
2−(NR
g)
n−R
fである)
で示されていてもよい。
式(VII)の特定の実施形態において、AはNR10であり、QおよびEはCR9である。
式(VII)の特定の実施形態において、EはNR10であり、AおよびQはCR9である。
式(VII)の特定の実施形態において、QはNR10であり、AおよびEはCR9である。
式(VII)の特定の実施形態において、AはOであり、EはNであり、QはCR9である。
式(VII)の特定の実施形態において、AはNであり、EはOであり、QはCR9である。
式(VII)の特定の実施形態において、AはSであり、EはNであり、QはCR9である。
式(VII)の特定の実施形態において、AはNであり、EはSであり、QはCR9である。
式(VII)の特定の実施形態において、EはSであり、AおよびQはCR9である。
式(VII)の特定の実施形態において、EはOであり、AおよびQはCR9である。
式(VII)の特定の実施形態において、AはSであり、EおよびQはCR9である。
式(VII)の特定の実施形態において、AはOであり、EおよびQはCR9である。
式(VII)の特定の実施形態において、AはNR10であり、QはNであり、EはCR9である。
式(VII)の特定の実施形態において、EはNR10であり、QはNであり、AはCR9である。
式(VII)の特定の実施形態において、R2は水素である。
式(VII)の特定の実施形態において、Xは−CH2−または−O−である。好ましくは、XはOである。
式(VII)の特定の実施形態において、R1は、アルキル、アルケニル、またはシクロアルキルである。好ましくは、R1は、エチル、シクロプロピル、イソプロペニル、またはイソプロピルである。より好ましくは、R1はイソプロピルである。
式(VII)の特定の実施形態において、R7およびR8の一方は水素であり、他方は、アルキル;シクロアルキル;シクロアルキルアルキル;ハロアルキル;ヒドロキシアルキル;アルコキシアルキル;アルキルスルホニルアルキル;アセチル;アルキルスルホニル;アリール;アラルキル;アリールスルホニル;ヘテロアリール;ヘテロアリールアルキル;ヘテロアリールスルホニル;ヘテロシクリル;またはヘテロシクリルアルキルである。
式(VII)の特定の実施形態において、R7およびR8の一方は水素であり、他方は、アルキル、ヒドロキシアルキル、またはハロアルキルである。
式(VII)の特定の実施形態において、RdおよびReの一方は水素であり、他方は、アルキル;シクロアルキル;シクロアルキルアルキル;ハロアルキル;ヒドロキシアルキル;アルコキシアルキル;アルキルスルホニルアルキル;アセチル;アルキルスルホニル;アリール;アラルキル;アリールスルホニル;ヘテロアリール;ヘテロアリールアルキル;ヘテロアリールスルホニル;ヘテロシクリル;またはヘテロシクリルアルキルである。
式(VII)の特定の実施形態において、RdおよびReの一方は水素であり、他方は、アルキル、ヒドロキシアルキル、またはハロアルキルである。
式(VII)の特定の実施形態において、R7、R8、Rd、およびReは水素である。
本発明の他の実施形態において、該化合物は、式(VIII)
(式中、
Xは、−CH
2−;または−O−であり;
R
1は、アルキル;アルケニル;シクロアルキル;またはシクロアルケニル;またはハロであり;
R
4は、水素;アルキル;アルケニル;アミノ;ハロ;アミド;ハロアルキル;アルコキシ;ヒドロキシ;ハロアルコキシ;ニトロ;ヒドロキシアルキル;アルコキシアルキル;ヒドロキシアルコキシ;アルキニルアルコキシ;アルキルスルホニル;アリールスルホニル;シアノ;アリール;ヘテロアリール;ヘテロシクリル;ヘテロシクリルアルコキシ;アリールオキシ;ヘテロアリールオキシ;アラルキルオキシ;ヘテロアラルキルオキシ;場合により置換されているフェノキシ;または−(CH
2)
m−(Z)
n−(CO)−R
f、または−(CH
2)
m−(Z)
n−SO
2−(NR
g)
n−R
fであり、ここで、mおよびnは、各々独立して、0または1であり、ZはOまたはNR
gであり、R
fは、水素、アルキル、ヒドロキシ、アルコキシ、アミノ、ヒドロキシアルキル、またはアルコキシアルキルであり、各R
gは、独立して、水素またはアルキルであり;
R
7およびR
8の一方は水素であり、他方は、水素;アルキル;シクロアルキル;シクロアルキルアルキル;ハロアルキル;ハロアルコキシ;ヒドロキシアルキル;アルコキシアルキル;アセチル;アルキルスルホニル;アルキルスルホニルアルキル;アミノカルボニルオキシアルキル;ヒドロキシカルボニルアルキル;ヒドロキシアルキルオキシカルボニルアルキル;アリール;アラルキル;アリールスルホニル;ヘテロアリール;ヘテロアリールアルキル;ヘテロアリールスルホニル;ヘテロシクリル;またはヘテロシクリルアルキルであり;
R
dおよびR
eの一方は水素であり、他方は、水素;アルキル;シクロアルキル;シクロアルキルアルキル;ハロアルキル;ハロアルコキシ;ヒドロキシアルキル;アルコキシアルキル;アセチル;アルキルスルホニル;アルキルスルホニルアルキル;アミノカルボニルオキシアルキル;ヒドロキシカルボニルアルキル;ヒドロキシアルキルオキシカルボニルアルキル;アリール;アラルキル;アリールスルホニル;ヘテロアリール;ヘテロアリールアルキル;ヘテロアリールスルホニル;ヘテロシクリル;またはヘテロシクリルアルキルであり;
Qは、CR
9であり、AおよびEの一方はO、S、またはNR
10であり、他方はCR
9またはNであるか;あるいは
Qは、Nであり、AおよびEの一方はNR
10であり、他方はCR
9であり;
各R
9は、独立して、水素、アルキル、ハロ、またはアルコキシであり;
R
10は、水素、アルキル、ヒドロキシアルキル、アルコキシアルキル、−(CH
2)
m−(Z)
n−(CO)−R
f、または−(CH
2)
m−(Z)
n−SO
2−(NR
g)
n−R
fである)
で示されていてもよい。
式(VIII)の特定の実施形態において、AはNR10であり、QおよびEはCR9である。
式(VIII)の特定の実施形態において、EはNR10であり、AおよびQはCR9である。
式(VIII)の特定の実施形態において、QはNR10であり、AおよびEはCR9である。
式(VIII)の特定の実施形態において、AはOであり、EはNであり、QはCR9である。
式(VIII)の特定の実施形態において、AはNであり、EはOであり、QはCR9である。
式(VIII)の特定の実施形態において、AはSであり、EはNであり、QはCR9である。
式(VIII)の特定の実施形態において、AはNであり、EはSであり、QはCR9である。
式(VIII)の特定の実施形態において、EはSであり、AおよびQはCR9である。
式(VIII)の特定の実施形態において、EはOであり、AおよびQはCR9である。
式(VIII)の特定の実施形態において、AはSであり、EおよびQはCR9である。
式(VIII)の特定の実施形態において、AはOであり、EおよびQはCR9である。
式(VIII)の特定の実施形態において、AはNR10であり、QはNであり、EはCR9である。
式(VIII)の特定の実施形態において、EはNR10であり、QはNであり、AはCR9である。
式(VIII)の特定の実施形態において、Xは−CH2−または−O−である。好ましくはXはOである。
式(VIII)の特定の実施形態において、R1は、アルキル、アルケニル、またはシクロアルキルである。好ましくは、R1は、エチル、シクロプロピル、イソプロペニル、またはイソプロピルである。より好ましくは、R1はイソプロピルである。
式(VIII)の特定の実施形態において、R7およびR8の一方は水素であり、他方は、アルキル;シクロアルキル;シクロアルキルアルキル;ハロアルキル;ヒドロキシアルキル;アルコキシアルキル;アルキルスルホニルアルキル;アセチル;アルキルスルホニル;アリール;アラルキル;アリールスルホニル;ヘテロアリール;ヘテロアリールアルキル;ヘテロアリールスルホニル;ヘテロシクリル;またはヘテロシクリルアルキルである。
式(VIII)の特定の実施形態において、R7およびR8の一方は水素であり、他方は、アルキル、ヒドロキシアルキル、またはハロアルキルである。
式(VIII)の特定の実施形態において、RdおよびReの一方は水素であり、他方は、アルキル;シクロアルキル;シクロアルキルアルキル;ハロアルキル;ヒドロキシアルキル;アルコキシアルキル;アルキルスルホニルアルキル;アセチル;アルキルスルホニル;アリール;アラルキル;アリールスルホニル;ヘテロアリール;ヘテロアリールアルキル;ヘテロアリールスルホニル;ヘテロシクリル;またはヘテロシクリルアルキルである。
式(VIII)の特定の実施形態において、RdおよびReの一方は水素であり、他方は、アルキル、ヒドロキシアルキル、またはハロアルキルである。
式(VIII)の特定の実施形態において、R7、R8、Rd、およびReは水素である。
式(VIII)の特定の実施形態において、R4は、ハロ、アルコキシ、ハロアルコキシ、またはアルキルスルホニルである。
式(VIII)の特定の実施形態において、R4は、ハロ、アルコキシ、アルキルスルホニル、またはヘテロアリールである。好ましくは、R4は、メトキシ、ヨード、メタンスルホニル、またはヘテロアリールである。より好ましくは、R4は、メトキシ、ブロモ、クロロ、またはヨードである。特定の実施形態において、R4はメトキシであってもよいが、他の実施形態においては、R4はヨードであってもよい。
式(VIII)の特定の実施形態において、R4はヘテロアリールである。該ヘテロアリールは、特定の実施形態において、テトラゾリル、ピラゾリル、オキサゾリル、イミダゾリル、チアゾリル、チオフェニル、トリアゾリル、フラニル、イソオキサゾリル、オキサジアゾリル、ベンゾチオフェニル、ピリジニル、またはピロリルであってもよい。より特定すると、該ヘテロアリールは、テトラゾール−5−イル、ピラゾール−1−イル、3−メチルピラゾール−1−イル、オキサゾール−2−イル、オキサゾール−5−イル、イミダゾール−2−イル、チアゾール−2−イル、チアゾール−4−イル、チオフェン−3−イル、5−クロロ−チオフェン−2−イル、1−メチル−イミダゾール−2−イル、イミダゾール−1−イル、ピラゾール−3−イル、2−メチル−チアゾール−4−イル、フラン−2−イル、3,5−ジメチル−ピラゾール−1−イル、4,5−ジヒドロオキサゾール−2−イル、イソオキサゾール−5−イル、[1,2,4]−オキサジアゾール−3−イル、ベンゾ[b]チオフェン−3−イル、オキサゾール−4−イル、フラン−3−イル、4−メチル−チオフェン−2−イル、チアゾール−5−イル、テトラゾール−1−イル、[1,2,4]トリアゾール−1−イル、2−メチル−チアゾール−5−イル、1−メチル−ピラゾール−4−イル、2−チオリル−イミダゾール−1−イル、ピリジン−2−イル、または2,5−ジメチル−ピロール−1−イルであってもよい。
R7、R8、Rd、またはReのいずれかがヘテロシクリルであるかまたはヘテロシクリル部分を含む基である本発明の実施形態において、このようなヘテロシクリルまたはヘテロシクリル部分は、ピペリジニル、ピペラジニル、テトラヒドロフラニル、テトラヒドロチオピラニル、または1,1−ジオキソテトラヒドロチオピラニルであってもよい。より好ましくは、このようなヘテロシクリルまたはヘテロシクリル部分は、ピペリジン−4−イル、1−メチル−ピペリジン−4−イル、1−メタンスルホニル−ピペリジン−4−イル、テトラヒドロピラン−4−イル、テトラヒドロチオピラン−4−イル、または1,1−ジオキソテトラヒドロチオピラン−4−イルであってもよい。
R1、R2、R3、R4、R5、R6、R7、R8、R9、R10、Rc、Rd、Re、Rf、Rg、またはRhのいずれかがアルキルであるかまたはアルキル部分を含む場合、このようなアルキルは、好ましくは、低級アルキル、すなわちC1〜C6アルキル、より好ましくはC1〜C4アルキルである。
本発明はまた、P2X3受容体アンタゴニスト、P2X2/3受容体アンタゴニスト、またはその両方により仲介される疾病を処置する方法であって、それを必要とする被験体に、有効量の式(I)〜(VIII)のいずれかの化合物を投与することを含む方法を提供する。該疾病は、泌尿生殖器疾病でもまたは尿路疾病であってもよい。他の場合、該疾病は、疼痛に関連する疾病であってもよい。尿路疾病は、膀胱容量の減少;頻尿;切迫尿失禁;緊張性尿失禁;膀胱過活動;良性前立腺肥大症;前立腺炎;排尿筋反射亢進;頻繁な排尿回数;夜間頻尿;尿意切迫;過活動膀胱;骨盤過敏症;尿道炎;前立腺炎;骨盤痛症候群;前立腺痛;膀胱炎;または特発性膀胱過敏症であり得る。疼痛に関連する疾病は、炎症性疼痛;手術による疼痛;内臓痛;歯痛;月経前疼痛;中枢の痛み;火傷による疼痛;偏頭痛もしくはクラスター頭痛症;神経損傷;神経炎;神経痛;中毒;虚血損傷;間質性膀胱炎;癌性疼痛;ウイルス性、寄生虫性、もしくは細菌性の感染;外傷後の損傷;または過敏腸管症候群に関連する疼痛であり得る。
本発明の方法による代表的な化合物を、表1に示す。
本発明の化合物は、以下に示し記載した例示的な合成反応スキームに示される様々な方法により製造できる。
これらの化合物の調製に使用する出発材料および試薬は、一般に、アルドリッチ・ケミカル社などの業者から入手できるか、または、Fieser and Fieser's Reagents for Organic Synthesis;Wiley & Sons:ニューヨーク、1991、Vol 1-15;Rodd's Chemistry of Cabon Compounds、Elsevier Science Publishers、1989、Vol 1-5および補刊;並びにOrganic Reactions、Wiley & Sons:ニューヨーク、1991、Vol 1-40などの文献に示される手順に従って、当業者に既知の方法により調製される。以下の合成反応スキームは、本発明の化合物を合成できるいくつかの方法の単なる実例であり、これらの合成反応スキームに様々な改変を行なうことができ、これは本出願に含まれる開示を参照すれば当業者には思い付くであろう。
合成反応スキームの出発材料および中間体は、所望であれば、慣用的な技術(ろ過、蒸留、結晶化、クロマトグラフィーなどが挙げられるがこれに限定されない)を使用して単離精製できる。このような材料は、慣用的な手段(物理定数およびスペクトルデータなどが挙げられる)を使用して特徴づけることができる。
特に断りない限り、本明細書に記載した反応は、好ましくは、不活性雰囲気下で、大気圧で、約−78℃〜約150℃、より好ましくは0℃〜約125℃、最も好ましく簡便にはほぼ室温(または周囲)温度(RT)で、例えば約20℃で行なう。
下記のスキームAは、特定の式(I)の化合物の調製に使用できる1つの合成手順を示し、ここで、Xはメチレンであり、Yは、−NRdReであり、R1、R2、R3、R4、R5、R6、R7、R8、Rd、およびReは、本明細書に定義した通りである。
スキームAの工程1において、ベンズアルデヒドaを、4−クロロ−5−ヨード−2−メチルスルファニル−ピリミジンbまたは同様のヨードピリミジンから導いたグリニャール試薬を用いてアルキル化し、α−ヒドロキシベンジルピリミジンcを得た。この工程で使用したヨードピリミジンは、Sakamotoら、Chem.Pharm.Bull.34:2719(1986)により記載された手順に従って調製できる。数多くの置換ベンズアルデヒドaが、市販されているか、または、当業者に公知の技術により容易に調製される。多くの場合、ベンズアルデヒドaに所望の官能基を導入できるようにするために、イミンまたはオキサゾリンなどの「遮蔽アルデヒド」を使用してもよく、その後、遮蔽アルデヒドを脱保護して、遊離アルデヒド基を得る。この種のアルデヒド保護に関するスキームは、以下の実験例に示されている。
工程1の反応は、臭化アルキルマグネシウムの存在下で乾燥極性非プロトン性溶媒条件下で行なってもよい。
工程2では、α−ヒドロキシベンジルピリミジンcを還元し、ベンジルピリミジンdを得る。工程2の還元は、トリエチルシランおよびトリフルオロ酢酸(TFA)を使用して極性溶媒条件下で達成することができる。
工程3では、アミンeをベンジルピリミジンdと反応させて1回目のアミノ化を行なうことにより、ベンジルアミノピリミジンfが得られる。アミンeには、本発明に記載の官能基R7またはR8を有する、任意の適切な第一級または第二級アミンを挙げることができる。アミンeには、例えば、アンモニア、メチルアミン、エチルアミン、イソプロピルアミン、アニリン、ベンジルアミン、フェニルエチルアミン、シクロプロピルアミン、ジメチルアミン、アジリジン、ピロリジン、ピペリジンなどを挙げることができる。工程3のアミノ化は、ベンジルピリミジンdを過剰のアミンeの存在下で密封条件下で加熱することにより行なうことができる。
工程4では、ベンジルアミノピリミジンfのメチルスルファニル基の酸化を行ない、アミノメタンスルホニルベンジルピリミジンgを得る。工程4の酸化は、メタクロロ過安息香酸(mCPBA)であるOXONE(登録商標)または同様の酸化剤を使用して、穏やかな極性溶媒条件下で行なうことができる。
第二のアミノ化を工程6で行ない、ここでは、アミノメタンスルホニルベンジルピリミジンgをアミンhで処理し、メタンスルホニル基を置き換え、ジアミノベンジルピリミジンiを得る。ジアミノベンジルピリミジンiは、式(I)の化合物であり、本発明の方法において使用できる。工程6のアミノ化は、アミノメタンスルホニルベンジルピリミジンgを、過剰なアミンhの存在下、軽度な加圧および極性溶媒条件下で加熱することにより達成することができる。
上記手順の数多くの変法が可能であり、本開示を検討すれば当業者には思い付くであろう。例えば、工程1においてヨードピリミジンbの代わりに、様々なピリミジン試薬を使用してもよい。下記の実験例で記載したこのような変法では、ベンズアルデヒドaを、5−リチオ−2,6−ジメトキシピリミジンで処理して[Mathsonら、JOC 55(10):3410-3412(1990)]ジメトキシベンジルピリミジンアルコールを形成し、これを続いてMnO2で酸化する。得られたケトンは、その後、アミノ化してメトキシ基を置き換え、本発明に記載のジアミノベンジルピリミジンを得ることができる。
下記のスキームBは、先の特定の式(I)の化合物の調製に使用できる別の合成手順を示し、ここで、XはOであり、Yは−NRdReであり、R7およびR8は水素であり、R1、R2、R3、R4、R5、Rd、およびReは、本明細書で定義した通りである。
スキームBの工程1において、フェノールjを、ヨードアセトニトリルkなどのハロアセトニトリルと反応させることによりO−アルキル化を行ない、シアノエーテルlを得る。数多くの置換フェノールjが、市販されているか、または、工程1に使用するための当該技術分野において公知である技術により調製できる。例えば、先のスキームAの置換ベンズアルデヒドaは、以下の実験例に示したように、mCPBAなどの過酸を使用して、バイヤービリガー酸化により、対応するフェノールjに変換することができる。工程1のアルキル化は、軽度の塩基の存在下で極性非プロトン性溶媒条件下で行なうことができる。
工程2では、シアノエーテルlを水素化ナトリウムなどの強塩基で処理し、続いて、エステルmを導入してエノレートを形成させ、これを次いで、ヨードメタンまたは他のハロゲン化アルキルを加えてアルキル化することにより、シアノエノールエーテル化合物nを形成する。この工程は、極性非プロトン性溶媒条件下で行なうことができる。
工程3では、シアノエノールエーテルnを、塩基の存在下、極性非プロトン性条件下でグアニジン化合物oと反応させ、ジアミノピリミジン(VI)を得る。ジアミノピリミジン(VI)は、本発明の方法において使用できる式(I)の化合物である。
先に考察したスキームAの場合と同様に、スキームBの手順にも数多くの変法が可能であり、当業者には容易に思い付くであろう。例えば、還元的アミノ化または同様の技術を使用するジアミノピリミジンpの−NH2基の選択的アミノ化を用いて、式(I)に記載のR7およびR8官能基を導入できる。
主題化合物の調製に使用できるさらに別の手順をスキームCに示し、ここで、R1、R2、R3、R4、およびR5は、本明細書で定義した通りである。スキームCは、「オルメトプリム」および「トリメトプリム」抗菌剤の周知の合成を示す。この合成手順は、Manchandら、J.Org.Chem.57.3531-3535(1992)により報告されている。
スキームCの手順において、工程1でベンズアルデヒドaを、ナトリウムメトキシドの存在下で、アクリロニトリルで処理し、フェニルメトキシメチルシンナモニトリル化合物qを得、これを次いで、工程2でグアニジンと反応させて、ジアミノピリミジンrを得る。ジアミノピリミジンrは、Xが−CH2−であり、Yが−NH2であり、R6、R7、およびR8が水素である、式(I)の化合物である。
スキームCの手順は、R1およびR5が小さく、このため、工程1のアルデヒド官能基および工程2のメトキシメチルシンナモニトリル官能基が比較的束縛されていないような、ベンズアルデヒドaを使用する際に効果的である。しかし、例えばイソプロピルまたはより大きなアルキル基などのR1を導入すれば、工程1の収率は名目上ゼロに低下する。以下の表2は、様々なベンズアルデヒド出発材料についてのスキームCにより提供される相対的収率の概要である。
本発明の化合物を製造するための具体的な詳細は、以下の実施例の章に記載されている。
本発明の化合物は、膀胱排出口閉塞に関連する尿路疾病状態および尿失禁容態、例えば膀胱容量の減少、頻尿、切迫尿失禁、緊張性尿失禁、膀胱過活動、良性前立腺肥大症(BPH)、前立腺炎、排尿筋反射亢進、頻繁な排尿回数、夜間頻尿、尿意切迫、過活動膀胱、骨盤過敏症、尿道炎、前立腺炎、骨盤痛症候群、前立腺痛、膀胱炎、および特発性膀胱過敏症、並びに過活動膀胱に関連する他の症状を含む、多種多様な泌尿生殖器の疾病、容態、および疾患の処置に使用できる。
本発明の化合物は、炎症性疼痛、手術による疼痛、内臓痛、歯痛、月経前疼痛、中枢の痛み、火傷による疼痛、偏頭痛もしくはクラスター頭痛症、神経損傷、神経炎、神経痛、中毒、虚血損傷、間質性膀胱炎、癌性疼痛、ウイルス性、寄生虫性、もしくは細菌性の感染、外傷後の損傷(骨折およびスポーツによる損傷を含む)、および過敏腸管症候群などの機能的腸疾患に関連する疼痛が挙げられるがこれに限定されない、多種多様の原因から来る疼痛に関連する疾病および容態の処置において鎮痛薬として有用性を見出すことが期待されている。
本発明は、少なくとも1種類の本発明の化合物、または個々の異性体、ラセミもしくは非ラセミ異性体混合物、またはその薬学的に許容されうる塩もしくは溶媒和物を、少なくとも1種類の薬学的に許容されうる担体および場合により他の治療成分および/または予防成分と一緒に含む、医薬組成物を含む。
一般に、本発明の化合物は、治療有効量で、類似の有用性をもたらす薬剤における任意の許容される投与形態により投与される。適切な用量範囲は、典型的には、処置する疾病の重症度、被験体の年齢および健康状態、使用する化合物の効力、投与経路および投与形態、投与が目指す適応症、並びに担当医師の選択と経験などの数多くの因子に応じて、1日あたり1〜500mg、好ましくは1日あたり1〜100mg、最も好ましくは1日あたり1〜30mgである。このような疾病を処置する専門家は、過度の実験を行なうことなく、個人の知識および本出願の開示を頼りにして、所与の疾病に関する本発明の化合物の治療有効量を確定することができる。
本発明の化合物は、経口(頬側および舌下を含む)、直腸、鼻腔、局所、肺内、膣内、または非経口(筋肉内、動脈内、髄腔内、皮下および静脈内を含む)投与に適した医薬製剤などの医薬製剤として、あるいは、吸入または注入による投与に適した形態の医薬製剤として投与してもよい。好ましい投与方法は、一般に、罹患度に応じて調整できる、簡便な1日量計画を使用して経口である。
本発明の化合物は、1種類以上の慣用的な補助剤、担体、または希釈剤と一緒に、医薬組成物または単位用量の形態に入れることができる。医薬組成物および単位用量形態は、追加の活性化合物または活性成分を含むかまたは含まない、慣用的な比率の慣用的な成分から構成されていてもよく、単位用量形態は、採用する目的の1日量範囲に相応する任意の適切な有効量の活性成分を含むことができる。医薬組成物は、錠剤もしくは充填カプセル剤、半固体剤、散剤、持続放出製剤などの固体として使用しても、または、液剤、懸濁剤、乳剤、エリキシル剤、もしくは経口使用のための充填カプセル剤などのように液体として使用してもよく、あるいは、直腸もしくは膣内投与のための坐剤の形態で使用してもよく、あるいは、非経口使用のための無菌注射溶液の形態で使用してもよい。したがって、錠剤1個あたり約1mgの活性成分、より広域には約0.01〜約100mgの活性成分を含む製剤が、適切な代表的な単位用量形態である。
本発明の化合物は、多種多様な経口投与用の用量形態で製剤化してもよい。医薬組成物および用量形態は、本発明の化合物またはその薬学的に許容されうる塩を活性成分として含むことができる。薬学的に許容されうる担体は、固体でも液体でもよい。固体形態の調製物には、散剤、錠剤、丸剤、カプセル剤、カシェ剤、坐剤、および分散性顆粒剤などが挙げられる。固体担体は、希釈剤、芳香剤、可溶化剤、滑沢剤、懸濁化剤、結合剤、保存剤、錠剤崩壊剤、またはカプセル化材料としても作用することのできる1種類以上の物質であってもよい。散剤では、担体は、一般に、微粉砕された活性成分との混合物である微粉砕された固体である。錠剤では、活性成分は、一般に、必要な結合能を有する担体と適切な比率で混合されており、所望の形状およびサイズに圧縮されている。散剤および錠剤は、好ましくは、活性化合物を約1〜約70%含む。適切な担体には、炭酸マグネシウム、ステアリン酸マグネシウム、タルク、糖、乳糖、ペクチン、デキストリン、デンプン、ゼラチン、トラガカント、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウム、低融点蝋、ココアバターなどが挙げられるがこれに限定されない。「調製物」なる語句は、担体を有するかまたは有さない活性成分がそれと関連する担体により周囲を囲まれているカプセル剤を提供する、担体としてのカプセル化材料を有する活性化合物の製剤を包含することが意図されている。同様に、カシェ剤およびトローチ剤も包含される。錠剤、散剤、カプセル剤、丸剤、カシェ剤、およびトローチ剤は、経口投与に適した固体形態であってもよい。
経口投与に適した他の形態には、乳剤、シロップ剤、エリキシル剤、水性液剤、水性懸濁剤などのような液体形態調製物、または、使用直前に液体形態調製物に変換されることが意図されている固体形態の調製物などがある。乳剤は、溶液中、例えばプロピレングリコール水溶液中で調製しても、または、例えばレシチン、ソルビタンモノオレエートもしくはアカシアなどの乳化剤を含んでいてもよい。水性液剤は、活性成分を水に溶かし、適切な着色剤、芳香剤、安定化剤および粘稠化剤を加えることにより調製することができる。水性懸濁剤は、微粉砕活性成分を、天然もしくは合成ガム、樹脂、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウムおよび他の公知の懸濁化剤などの粘性物質と一緒に水に分散させることにより調製することができる。固体形態の調製物には、液剤、懸濁剤、および乳剤が包含され、活性成分に加えて、着色剤、芳香剤、安定化剤、緩衝剤、人工および天然の甘味料、分散剤、粘稠化剤、可溶化剤などを含んでいてもよい。
本発明の化合物は、非経口投与(例えば、注射による投与、例えば、ボーラス注射または連続注入による投与)用に製剤化することが可能であり、アンプル、予め充填してある注射器もしくは小容積輸液内の単位投与形態で供することができるか、または、保存剤を添加してある複数回分の服用量のための容器で供することができる。該組成物は、懸濁液、溶液、または、油性もしくは水性ビヒクル中のエマルションのような形態、例えば、水性ポリエチレングリコール中の溶液の形態を取ることができる。油性もしくは非水性の担体、希釈剤、溶媒またはビヒクルの例としては、プロピレングリコール、ポリエチレングリコール、植物油(例えばオリーブ油)および注射可能な有機エステル類(例えば、オレイン酸エチル)などを挙げることができ、製剤助剤、例えば、保存剤、湿潤剤、乳化剤もしくは懸濁化剤、安定化剤および/または分散剤を含んでいてもよい。あるいは、該活性成分は、無菌の固体を無菌的に単離することにより得られるかまたは溶液から凍結乾燥により得られる、使用する前に適するビヒクル(例えば、無菌で、発熱性物質を含まない水)で構成するための粉末形態であり得る。
本発明の化合物は、表皮への局所投与用に、軟膏剤、クリーム剤もしくはローション剤または経皮貼付剤として製剤化してもよい。軟膏剤およびクリーム剤は、例えば、水性または油性の基剤を使用し、それに、適切な粘稠化剤および/またはゲル化剤を添加して製剤することができる。ローション剤は、水性または油性の基剤を使用して製剤化することができ、一般に、1種類以上の乳化剤、安定化剤、分散剤、懸濁化剤、粘稠化剤、または着色剤を含む。口内に局所投与するのに適する製剤には、風味を付けた基剤(通常、ショ糖およびアカシアまたはトラガカント)中に活性薬物を含有するトローチ剤;ゼラチンおよびグリセリンまたはショ糖およびアカシアのような不活性基剤中に活性成分を含有するパステル剤;並びに、適切な液体担体中に活性成分を含有する口内洗浄薬などがある。
本発明の化合物は、坐剤として投与するために製剤することができる。脂肪酸グリセリドまたはココアバターの混合物などの低融点蝋を最初に融解させ、例えば攪拌することにより、活性成分を均質に分散させる。次いで、融解している均質な混合物を好都合な寸法の型に注ぎ入れ、冷却し、凝固させる。
本発明の化合物は、膣内投与用に製剤化することができる。活性成分の他に、当該技術分野において適切であることが知られている担体を含有する、膣坐剤、タンポン剤、クリーム剤、ゲル剤、ペースト剤、泡剤、またはスプレー剤。
主題化合物は、鼻腔内投与用に製剤化することができる。上記液剤または懸濁剤を、慣用的な手段により、例えば、点滴器、ピペット、またはスプレーを用いて、鼻腔に直接適用する。該製剤は、単一用量形態または複数の用量を含む形態で供し得る。点滴器またはピペットの後者の場合、これは、適切な所定容積の上記液剤または懸濁剤を、患者が投与することによって達成し得る。スプレー剤の場合は、これは、例えば、計量噴霧スプレーポンプを用いて達成することができる。
本発明の化合物は、特に気道への、エーロゾル投与(鼻腔内投与を包含する)用に製剤化することができる。該化合物は、一般に、小さな粒径、例えば、5ミクロン以下の粒径を有する。このような粒径は、当該技術分野において既知の手段により、例えば、微粒化により得ることができる。該活性成分は、適切な噴射剤、例えばクロロフルオロカーボン(CFC)、例えばジクロロジフルオロメタン、トリクロロフルオロメタン、またはジクロロテトラフルオロエタン、または二酸化炭素、または他の適切なガスを用いた加圧パックに入れて供される。該エーロゾルは、好都合には、レシチンのような界面活性剤も含有することができる。薬物の用量は、計量バルブで調節することができる。あるいは、該活性成分は、乾燥粉末の形態で、例えば適切な粉末基剤(例えば、乳糖、デンプン、デンプン誘導体、例えば、ヒドロキシプロピルメチルセルロースおよびポリビニルピロリドン(PVP))内の該化合物の混合粉末の形態で供することができる。該粉末状担体は、鼻腔内でゲルを形成する。該粉末組成物は、単位投与形態で、例えば、カプセルまたはカートリッジ(例えば、ゼラチン製カプセルまたはカートリッジ)またはブリスターパックに入れて供することができ、そこから、吸入器を用いて該粉末を投与することができる。
望ましい場合には、製剤は、該活性成分の持続性放出投与または制御放出投与に適合させた腸溶性コーティングを施して調製することができる。例えば、本発明の化合物は、経皮薬物送達装置または皮下薬物送達装置内で製剤化することができる。これらの送達システムは、該化合物の持続放出が必要な場合、および、患者による治療計画のコンプライアンスが重要である場合に有利である。経皮送達システムにおける化合物は、多くの場合、皮膚−接着固体支持体に付着させる。対象の化合物は、浸透増強剤、例えばAzone(1−ドデシルアザシクロヘプタン−2−オン)と組み合わせることもできる。持続放出送達システムを、手術または注射により、皮下層に皮下挿入する。皮下インプラントでは、該化合物を、脂質可溶性膜(例えばシリコーンゴム)または生分解性ポリマー(例えばポリ乳酸)中にカプセル化する。
該医薬調製物は、好ましくは、単位投与形態である。そのような形態では、該調製物は、適切な量の活性成分を含有する単位用量に細分割する。該単位投与形態は、容器に入れられた調製物であることが可能であり、その際、該容器は、別個の量の調製物を含む。そのような単位投与形態は、例えば、小包にした錠剤、カプセル剤、バイアル瓶またはアンプル内の散剤などである。さらにまた、単位投与形態は、カプセル剤、錠剤、カシェ剤、またはトローチ剤自体であることも可能であり、または、これらのいずれかの適切な数を容器に入れた形態であることもできる。
適切な別の医薬担体およびその製剤については、Remington:The Science and Practice of Pharmacy 1995、Martin著、Mack Publishing Company、19版、ペンシルバニア州イーストンに記載されている。本発明の化合物を含有する代表的な医薬製剤については、下記されている。
実施例
下記の調製例及び実施例は、当業者が本発明をより明確に理解し、実施できるように示されている。それらは、本発明の範囲を制限するものと見なされるべきではなく、単に本発明の代表的なものとして見なされるべきである。
調製1:N−(2−(R)−ヒドロキシ−1−メチル−エチル)−グアニジン
工程1:ビス−ベンジルオキシカルボニル−N−(2−(R)−ヒドロキシ−1−メチル−エチル)−グアニジン
THF50mL中のR−(−)−2−アミノ−1−プロパノール(0.59g、8.0mmol)の溶液に、ピラゾールカルボキシアミジン(3.0g、8.0mmol、Berbatowicz et al., Tetrahedron 34:3389(1993)による記載と同様に調製)を加えた。16時間後、混合物を真空下で濃縮した。フラッシュクロマトグラフィー(93:7 酢酸エチル/CH2Cl2)により精製して、ビス−ベンジルオキシカルボニル−N−(2−(R)−ヒドロキシ−1−メチル−エチル)−グアニジン(3.0g、97%)を白色の固体として得た。
工程2:N−(2−(R)−ヒドロキシ−1−メチル−エチル)−グアニジン
EtOH 75mL中のビス−ベンジルオキシカルボニル−N−(2−(R)−ヒドロキシ−1−メチル−エチル)−グアニジンの溶液に、10%Pd/C(0.10g)を加えた。混合物をH2の1気圧下で撹拌した。16時間後、セライトパッドを通して混合物を濾過し、真空下で濃縮して、N−(2−(R)−ヒドロキシ−1−メチル−エチル)−グアニジン(0.44g、69%)を得た。
上記の手順に適切なアミンを使用して、以下のグアニジン化合物も同様に調製した:
N−(3−エタンスルホニル−1−メチル−プロピル)−グアニジン;
4−グアニジノ−ピペリジン−1−カルボン酸エチルエステル;
N−(1−シクロプロピル−エチル)−グアニジン;
N−(テトラヒドロ−チオピラン−4−イル)−グアニジン;
N−[2−(4−アセチル−ピペラジン−1−イル)−1−メチル−エチル]−グアニジン;
N−(1−ヒドロキシメチル−プロピル)−グアニジン;
N−(1−メタンスルホニル−ピペリジン−4−イル)−グアニジン;及び
N−[3−ヒドロキシ−1−(2−ヒドロキシ−エチル)−プロピル]−グアニジン。
実施例1:5−[4,5−ジメトキシ−2−(1−メチル−2−フェニル−エチル)−ベンジル]−ピリミジン−2,4−ジアミン
この実施例で使用される合成手順を、スキームDに概説する。
工程1.2−[4,5−ジメトキシ−2−(1−メチル−2−フェニル−エチル)−フェニル]−4,4−ジメチル−4,5−ジヒドロ−オキサゾール
この工程で使用される4,4−ジメチル−2−(2,4,5−トリメトキシ−フェニル)−4,5−ジヒドロ−オキサゾールを、Meyers et al., J Org Chem 43:1372-1379 (1978)により報告された手順に従って調製した。テトラヒドロフラン(THF)35mL中のマグネシウムの削り屑(1.32g、54.5mol)の急速に撹拌した懸濁液に、1,2−ジブロモエタン(0.10mL)を一度に加えた。2−ブロモ−1−フェニルプロパン(10.86g、54.5mmol)を内部温度を40℃に維持する速度で加えた。2.5時間後、濁った懸濁液を、THF 50mL中の4,4−ジメチル−2−(2,4,5−トリメトキシ−フェニル)−4,5−ジヒドロ−オキサゾール(10.013g、36.4mmol)の溶液にカニューレを介して移した。18時間後、溶液を0℃に冷却し、10%NH4Clをゆっくりと加えてクエンチした。H2O 500mLを加え、混合物を酢酸エチルで抽出し、H2Oで洗浄し、ブラインで洗浄した。合わせた有機物をNa2SO4で乾燥し、濾過し、真空下で濃縮して、粗固体を得た。フラッシュクロマトグラフィー(4:1 ヘキサン/酢酸エチル)により精製して、2−[4,5−ジメトキシ−2−(1−メチル−2−フェニル−エチル)−フェニル]−4,4−ジメチル−4,5−ジヒドロ−オキサゾールを明澄な粘性油状物として得た(7.833g、41%)。
工程2.ヨウ化2−[4,5−ジメトキシ−2−(1−メチル−2−フェニル−エチル)−フェニル]−3,4,4−トリメチル−4,5−ジヒドロ−オキサゾリウム
NO2CH3 50mL中の2−[4,5−ジメトキシ−2−(1−メチル−2−フェニル−エチル)−フェニル]−4,4−ジメチル−4,5−ジヒドロ−オキサゾール(7.515g、21.3mmol)の溶液に、ヨードメタン(2.65mL、42.5mmol)を加えた。溶液を110℃に温めた。3時間後、溶液を冷却し、真空下で濃縮して、ヨウ化2−[4,5−ジメトキシ−2−(1−メチル−2−フェニル−エチル)−フェニル]−3,4,4−トリメチル−4,5−ジヒドロ−オキサゾリウム(10.108g)を橙色の固体として得た。
工程3.4,5−ジメトキシ−2−(1−メチル−2−フェニル−エチル)−安息香酸メチルエステル
メタノール52mL中のヨウ化2−[4,5−ジメトキシ−2−(1−メチル−2−フェニル−エチル)−フェニル]−3,4,4−トリメチル−4,5−ジヒドロ−オキサゾリウム(5.132g、10.4mmol)の溶液に、4M NaOH(5.2mL、20.7mmol)を加えた。溶液を還流下で温めた。16時間後、溶液を0℃に冷却し、濃HClでpH=1に酸性化した。混合物を酢酸エチルで抽出し、H2Oで洗浄し、ブラインで洗浄した。合わせた有機物をNa2SO4で乾燥し、濾過し、真空下で濃縮して、粗酸性物を得た(3.228g)。この酸性物の一部(2.919g、9.73mmol)をベンゼン70mL及びMeOH 20mLの混合物に溶解した。トリメチルシリルジアゾメタン(6.3mL、ヘキサン中2.0M)を滴下により加えた。30分後、溶液を真空下で濃縮して、4,5−ジメトキシ−2−(1−メチル−2−フェニル−エチル)−安息香酸メチルエステルを油状物として得た(2.886g)。
工程4.[4,5−ジメトキシ−2−(1−メチル−2−フェニル−エチル)−フェニル]−メタノール
水素化アルミニウムジイソブチル(22.9mL、THF中1.0M)を、THF 100mL中の4,5−ジメトキシ−2−(1−メチル−2−フェニル−エチル)−安息香酸メチルエステル(2.886g、9.2mmol)の溶液に−78℃で10分かけて加えた。混合物を1時間撹拌し、室温に温めた。1.5時間後、飽和Rochelle塩50mLをゆっくりと加えて混合物をクエンチした。30分間急速に撹拌した後、セライトパッドを通して混合物を濾過し、真空下で濃縮した。H2Oを加え、スラリーを酢酸エチルで抽出し、H2Oで洗浄し、ブラインで洗浄した。合わせた有機物をNa2SO4で乾燥し、濾過し、真空下で濃縮して、粗油状物を得た。フラッシュクロマトグラフィー(3:1 ヘキサン/酢酸エチル)により精製して、[4,5−ジメトキシ−2−(1−メチル−2−フェニル−エチル)−フェニル]−メタノールを明澄な油状物として得た(1.269g、48%)。
工程5.4,5−ジメトキシ−2−(1−メチル−2−フェニル−エチル)−ベンズアルデヒド
CH2Cl2 40mL中のクロロクロム酸ピリジニウム(1.253g、5.8mmol)の溶液を、0℃に冷却した。CH2Cl2 5.0mL中の[4,5−ジメトキシ−2−(1−メチル−2−フェニル−エチル)−フェニル]−メタノール(1.110g、3.88mmol)を滴下により加え、45分間撹拌した。混合物をEt2O 200mL中で希釈し、セライトを通して濾過し、真空下で濃縮して、濃褐色の油状物を得た。フラッシュクロマトグラフィー(9:1 ヘキサン/酢酸エチル)により精製して、4,5−ジメトキシ−2−(1−メチル−2−フェニル−エチル)−ベンズアルデヒド(0.840g、76%)を明澄な油状物として得た。
工程6.[4,5−ジメトキシ−2−(1−メチル−2−フェニル−エチル)−フェニル]−(2,4−ジメトキシ−ピリミジン−5−イル)−メタノール
新たに蒸留した2,2,6,6−テトラメチルピペリジン(0.85mL、5.0mmol)をTHF 20mLに溶解し、0℃に冷却した。n−ブチルリチウム(2.0mL、ヘキサン中2.5M)を5分かけて滴下により加え、混合物を30分間撹拌し、次に−78℃に冷却した。2,4−ジメトキシピリミジン(0.353g、2.52mmol)を5分かけて滴下により加えた。45分後、溶液をTHF 20mL中の4,5−ジメトキシ−2−(1−メチル−2−フェニル−エチル)−ベンズアルデヒド(0.717g、2.52mmol)の溶液にドライアイスで冷却したカニューレを介して−78℃で移した。1時間撹拌した後、溶液を室温に温め、10%NH4C l50mLをゆっくりと加えてクエンチした。H2O 100mLを加えた後、混合物を酢酸エチルで抽出し、H2Oで洗浄し、ブラインで洗浄した。合わせた有機物をNa2SO4で乾燥し、濾過し、真空下で濃縮して、橙色の油状物を得た。フラッシュクロマトグラフィー(3:2 ヘキサン/酢酸エチル)により精製して、[4,5−ジメトキシ−2−(1−メチル−2−フェニル−エチル)−フェニル]−(2,4−ジメトキシ−ピリミジン−5−イル)−メタノール(0.551g、52%)を明澄な油状物として得た。
工程7.[4,5−ジメトキシ−2−(1−メチル−2−フェニル−エチル)−フェニル]−(2,4−ジメトキシ−ピリミジン−5−イル)−メタノン
トルエン20mL中の[4,5−ジメトキシ−2−(1−メチル−2−フェニル−エチル)−フェニル]−(2,4−ジメトキシ−ピリミジン−5−イル)−メタノール(0.418g、0.9mmol)の溶液に、MnO2(0.335g、4.7mmol)を加えた。混合物を還流下で温め、H2OをDean−Starkトラップにより除去した。1時間後、混合物を冷却し、セライトパッドを通して濾過し、真空下で濃縮して、粗油状物を得た。フラッシュクロマトグラフィー(7:3 ヘキサン/酢酸エチル)により精製して、[4,5−ジメトキシ−2−(1−メチル−2−フェニル−エチル)−フェニル]−(2,4−ジメトキシ−ピリミジン−5−イル)−メタノン(0.258g、62%)を明澄な油状物として得た。
工程8.(2,4−ジアミノ−ピリミジン−5−イル)−[4,5−ジメトキシ−2−(1−メチル−2−フェニル−エチル)−フェニル]−メタノン
MeOH 5.0mL中の[4,5−ジメトキシ−2−(1−メチル−2−フェニル−エチル)−フェニル]−(2,4−ジメトキシ−ピリミジン−5−イル)−メタノン(0.212g、0.5mmol)の溶液を、密閉管中のアンモニア(15mL、MeOH中7.0M)に加えた。混合物を80℃に加熱した。16時間後、溶液を冷却し、真空下で濃縮して、暗色の固体を得た。フラッシュクロマトグラフィー(95:5 CH2Cl2/MeOH)により精製して、(2,4−ジアミノ−ピリミジン−5−イル)−[4,5−ジメトキシ−2−(1−メチル−2−フェニル−エチル)−フェニル]−メタノン(0.162g、86%)を白色の固体として得た。
工程9.5−[4,5−ジメトキシ−2−(1−メチル−2−フェニル−エチル)−ベンジル]−ピリミジン−2,4−ジアミン
THF 10mL中の(2,4−ジアミノ−ピリミジン−5−イル)−[4,5−ジメトキシ−2−(1−メチル−2−フェニル−エチル)−フェニル]−メタノン(0.413g、0.4mmol)の溶液に、LiAlH4(0.73mL、THF中1.0M)を5分かけて加えた。ガス発生が停止した後、混合物を還流下で温めた。3時間後、混合物を0℃に冷却し、Fieser法によりクエンチした。30分後、セライトパッドを通して混合物を濾過し、真空下で濃縮して、粗白色の固体を得た。CH2Cl2 5mL中のこの固体の溶液に、TFA(1.1mL、14.0mmol)、続いてトリエチルシラン(0.4mL、2.8mmol)を加えた。30分後、10%K2CO3 50mLを加え、混合物を酢酸エチルで抽出し、ブラインで洗浄した。合わせた有機物をNa2SO4で乾燥し、濾過し、真空下で濃縮した。フラッシュクロマトグラフィー(95:5 CH2Cl2)により精製して、5−[4,5−ジメトキシ−2−(1−メチル−2−フェニル−エチル)−ベンジル]−ピリミジン−2,4−ジアミン(0.066g、58%)を白色の泡状物として得た;融点(HCl塩)227.1〜227−4℃。
上記実施例1の手順を使用するが、手順1の2−ブロモ−1−フェニルプロパンを2−ブロモプロパン又は他の臭化アルキルに代え、手順8のアンモニアを種々のアルキル又はベンジルアミンに代えて、必ず同じ反応条件下で種々の化合物を得た。実施例1で概説した手順を使用して調製した追加の化合物を、表1に示す。
実施例2:5−(5−ブロモ−2−イソプロピル−4−メトキシ−フェノキシ)−ピリミジン−2,4−ジアミン
この実施例で使用される合成手順を、スキームEに概説する。
工程1.2−ブロモ−5−イソプロピル−フェノール
CCl4 37mL中の3−イソプロピルフェノール(4.975g、36.5mmol)の溶液を、−20℃に冷却した。臭素(1.9mL、38.4mmol)をCCl4 5.0mLに溶解し、内部温度を−10℃未満に維持する速度で滴下により加えた。混合物を室温に温めた。12時間後、混合物をCH2Cl2 100mL中に取り、H2Oで、次にブラインで洗浄した。合わせた有機物をNa2SO4で乾燥し、濾過し、真空下で濃縮して、2−ブロモ−5−イソプロピル−フェノール及び4−ブロモ−5−イソプロピルフェノールの1:1混合物8.663gを暗色の油状物として得た。これら2つの異性体は不可分であり、以下の工程2で一緒に使用した。
工程2.1−ブロモ−4−イソプロピル−2−メトキシ−ベンゼン
DMF 50mL中の、工程1の2−ブロモ−5−イソプロピル−フェノール及び4−ブロモ−5−イソプロピルフェノール(8.663g、40.3mmol)、K2CO3(16.710g、120.9mmol)の混合物に、ヨードメタン(3.0mL、48.3mmol)を機械で撹拌しながら加えた。混合物を50℃に4時間温めた。室温に冷却した後、H2O 300mLを加え、溶液をジエチルエーテル(Et2O)で抽出し、H2Oで洗浄し、ブラインで洗浄した。合わせた有機物をMgSO4で乾燥し、濾過し、真空下で濃縮して、1−ブロモ−4−イソプロピル−2−メトキシ−ベンゼン及び1−ブロモ−2−イソプロピル−4−メトキシ−ベンゼン(6.621g、72%)を1:1の不可分混合物として淡黄色の油状物の形状で得た。このレジオイソマーの混合物を以下の工程3で直接使用した。
工程3.5−ブロモ−2−イソプロピル−4−メトキシ−ベンズアルデヒド
1,2ジクロロエタン100mL中の、工程2の1−ブロモ−4−イソプロピル−2−メトキシ−ベンゼン及び1−ブロモ−2−イソプロピル−4−メトキシ−ベンゼン(6.621g、28.9mmol)の溶液に、TiCl4(6.3mL、57.8mmol)を0℃で加えた。10分後、ジクロロメトキシメタン(Cl2CHOMe)(2.6mL、28.9mmol)を加え、混合物を還流下で温めた。3時間後、混合物を氷に注いで冷却し、2M HCl 50mLで酸性化した。得られたスラリーをCH2Cl2で抽出し、ブラインで洗浄した。合わせた有機物をMgSO4で乾燥し、濾過し、真空下で濃縮して、暗緑色の油状物を得た。フラッシュクロマトグラフィー(96:4 ヘキサン/酢酸エチル)により精製して、5−ブロモ−2−イソプロピル−4−メトキシ−ベンズアルデヒド及び5−ブロモ−4−イソプロピル−2−メトキシ−ベンズアルデヒド(2.876g、39%、6.621g、72%)を不可分異性体の1:1混合物として橙色の油状物の形状で得て、それを工程4で直接使用した。
工程4.5−ブロモ−2−イソプロピル−4−メトキシ−フェノール
CH2Cl2 25mL中の、工程3の5−ブロモ−2−イソプロピル−4−メトキシ−ベンズアルデヒド及び5−ブロモ−4−イソプロピル−2−メトキシ−ベンズアルデヒド(2.87g、11.2mmol)の溶液に、mCPBA(2.31g、13.4mmol)を加えた。16時間後、混合物をCH2Cl2 150ml中に取り、飽和NaHCO3で、次にブラインで洗浄した。合わせた有機層をNa2SO4で乾燥し、濾過し、真空下で濃縮して、油状物を得て、それをMeOH 50mL及び4M NaOH 30mL中に取った。2時間後、混合物を蒸発し、水で希釈し、濃HClでpH=1に酸性化した。混合物を酢酸エチル(3×100mL)で抽出し、ブライン100mLで洗浄した。合わせた有機物をNa2SO4で乾燥し、濾過し、蒸発して、5−ブロモ−2−イソプロピル−4−メトキシ−フェノールと2−ブロモ−5−イソプロピル−4−メトキシ−フェノールとの混合物を橙色の残渣として得た。このレジオイソマーをフラッシュクロマトグラフィー(勾配:ヘキサン、7:3、1:1 ヘキサン/−CH2Cl2)により分離して、5−ブロモ−2−イソプロピル−4−メトキシ−フェノール(0.929、34%)を黄色の油状物として得て、それを下記の工程に使用し、また2−ブロモ−5−イソプロピル−4−メトキシ−フェノール(0.404g、15%)を黄色の固体として得た。
工程5.(5−ブロモ−2−イソプロピル−4−メトキシ−フェノキシ)−アセトニトリル
ジメチルホルムアミド(DMF)17mL中の、工程4の5−ブロモ−2−イソプロピル−4−メトキシ−フェノール(0.831g、3.4mmol)及びK2CO3(0.562g、4.1mmol)の混合物に、ヨードアセトニトリル(0.594g、3.6mmol)を加えた。混合物を60℃に30分間温め、次に室温に冷却した。室温に冷却した後、混合物をH2O 50mL中に取り、1:1 トルエン/酢酸エチルで抽出し、H2Oで、次にブラインで洗浄した。合わせた有機層をNa2SO4で乾燥し、濾過し、真空下で濃縮して、粗固体を得た。フラッシュクロマトグラフィー(1:1 ヘキサン/CH2Cl2)により精製して、(5−ブロモ−2−イソプロピル−4−メトキシ−フェノキシ)−アセトニトリル(0.611g、63%)を白色の固体として得た。
工程6.2−(5−ブロモ−2−イソプロピル−4−メトキシ−フェノキシ)−3−メトキシ−アクリロニトリル
水素化ナトリウム(0.122g、5.0mmol、60%w/w)を乾燥ヘキサンで洗浄し、窒素気流下で蒸発した。THF 10mLを加え、混合物を0℃に冷却した。(5−ブロモ−2−イソプロピル−4−メトキシ−フェノキシ)−アセトニトリル(0.577g、2.03mmol)を少量ずつ加えた。30分後、ギ酸エチル(4.9mL、60.9mmol)を加え、溶液を80℃に温めた。4.5時間後、混合物を冷却し、ヨードメタン5.0mLを一度に加えた。16時間後、溶液をH2Oでクエンチし、真空下で濃縮し、酢酸エチルで抽出し、H2Oで洗浄し、次にブラインで洗浄した。合わせた有機層をNa2SO4で乾燥し、濾過し、真空下で濃縮した。フラッシュクロマトグラフィー(9:1 ヘキサン/酢酸エチル)により精製して、2−(5−ブロモ−2−イソプロピル−4−メトキシ−フェノキシ)−3−メトキシ−アクリロニトリル(0.319g、48%)を白色の固体として得た。
工程7.5−(5−ブロモ−2−イソプロピル−4−メトキシ−フェノキシ)−ピリミジン−2,4−ジアミン
ジメチルスルホキシド(DMSO)10.0mL中の2−(5−ブロモ−2−イソプロピル−4−メトキシ−フェノキシ)−3−メトキシ−アクリロニトリル(0.282g、0.9mmol)及びグアニジン炭酸塩(0.078g、0.4mmol)の溶液に、ナトリウムメトキシド(1.0mL、MeOH中1.0M)を加えた。混合物を120℃に温めた。メタノール短絡凝縮器を介して回収した。3時間後、混合物を冷却し、真空下で濃縮して、粗油状物を得た。フラッシュクロマトグラフィー(95:5 CH2Cl2/MeOH)により精製して、17(0.246g、77%)をピンク色の固体として得た;質量分析 M+H=352。
上記の手順を工程1の種々の異なるフェノール及び/又は工程7の置換グアニジンを使用して、基本的に同様の反応状況下で追加の化合物を製造できる。実施例2の手順に従って生成した追加の化合物を表1に示す。
実施例3:N*4*−エチル−5−(2−イソプロピル−4,5−ジメトキシ−ベンジル)−ピリミジン−2,4−ジアミン
この実施例で使用される合成手順を、スキームFに概説する。
工程1.(1−イソプロピル−2−メチル−プロピル)−(2,4,5−トリメトキシ−ベンジリデン)−アミン
トルエン200mL中の2,4,5−トリメトキシベンズアルデヒド(20.10g、102.4mmol)の溶液に、2,4−ジメチルペンチル−3−アミン及びp−トルエンスルホン酸(0.1g)を加えた。混合物を還流下で温めた。生成したH2OをDean−Starkトラップで除去した。3時間後、溶液を冷却し、飽和NaHCO3 50mLで洗浄し、Na2SO4で乾燥して、濾過した。溶液を真空下で濃縮して、黄色のシロップを得た。Kugel−Rhor蒸留(80℃、200mTorr)により精製して、(1−イソプロピル−2−メチル−プロピル)−(2,4,5−トリメトキシ−ベンジリデン)−アミン(28.70g、96%)を淡黄色の固体として得た。
工程2.(2−イソプロピル−4,5−ジメトキシ−ベンジリデン)−(1−イソプロピル−2−メチル−プロピル)−アミン
THF 35ml中の(1−イソプロピル−2−メチル−プロピル)−(2,4,5−トリメトキシ−ベンジリデン)−アミン(1.024g、3.5mmol)の溶液に、イソプロピルリチウム(6.0mL、ペンタン中0.7M)を−78℃で5分かけて滴下により加えた。溶液を−78℃で30分撹拌した。45分かけて室温に温めた後、10%NH4Cl 5mLを加えて混合物をクエンチし、真空下で濃縮した。H2O 100mLを加え、混合物を酢酸エチルで抽出し、H2Oで、次にブラインで洗浄した。合わせた有機層をNa2SO4で乾燥し、濾過し、真空下で濃縮して、(2−イソプロピル−4,5−ジメトキシ−ベンジリデン)−(1−イソプロピル−2−メチル−プロピル)−アミンを黄色の油状物として得た。
工程3.2−イソプロピル−4,5−ジメトキシ−ベンズアルデヒド
(2−イソプロピル−4,5−ジメトキシ−ベンジリデン)−(1−イソプロピル−2−メチル−プロピル)−アミンをTHF 30mlに溶解した。HCl(4.1mL、4M)を加え、混合物を還流下で温めた。3時間後、混合物を冷却し、真空下で濃縮した。H2O 100mLを加え、混合物を酢酸エチルで抽出し、H2Oで、次にブラインで洗浄した。合わせた有機層をNa2SO4で乾燥し、濾過し、真空下で濃縮して、橙色の油状物を得た。フラッシュクロマトグラフィー(85:15 ヘキサン/酢酸エチル)により精製して、2−イソプロピル−4,5−ジメトキシ−ベンズアルデヒド(0.331g、43%)を明澄な油状物として得た。
工程4.(4−クロロ−2−メチルスルファニル−ピリミジン−5−イル)−(2−イソプロピル−4,5−ジメトキシ−フェニル)−メタノール
この工程で使用される4−クロロ−5−ヨード−2−メチルスルファニル−ピリミジンを、Sakamoto et al., Chem. Pharm. Bull. 34:2719(1986)により記載された手順に従って調製した。THF 20mL中の4−クロロ−5−ヨード−2−メチルスルファニル−ピリミジン(1.10g、3.9mmol)の溶液に、臭化マグネシウムイソプロピル(2.3mL、THF中2M)を−40℃で5分かけて加えた。30分後、工程3の2−イソプロピル−4,5−ジメトキシ−ベンズアルデヒド(1.04g、4.6mmol)を加え、溶液を室温に温めた。ブラインを加えて混合物をクエンチし、CH2Cl2で抽出した。合わせた有機層をNa2SO4で乾燥し、濾過し、真空下で濃縮した。フラッシュクロマトグラフィー(酢酸エチル)により精製して、(4−クロロ−2−メチルスルファニル−ピリミジン−5−イル)−(2−イソプロピル−4,5−ジメトキシ−フェニル)−メタノール(1.168g、82%)を明黄色の固体として得た。
工程5.4−クロロ−5−(2−イソプロピル−4,5−ジメトキシ−ベンジル)−2−メチルスルファニル−ピリミジン
CH2Cl2 200mL中の(4−クロロ−2−メチルスルファニル−ピリミジン−5−イル)−(2−イソプロピル−4,5−ジメトキシ−フェニル)−メタノール(6.5g、17.6mmol)の溶液に、トリエチルシラン(28.0mL、176mmol)及びTFA(70mL、881mmol)を加えた。2時間後、溶液を真空下で濃縮し、10%K2CO3を加え、CH2Cl2で抽出した。合わせた有機層をブラインで洗浄し、Na2SO4で乾燥し、濾過し、真空下で濃縮した。フラッシュクロマトグラフィー(4:1 ヘキサン/酢酸エチル)により精製して、4−クロロ−5−(2−イソプロピル−4,5−ジメトキシ−ベンジル)−2−メチルスルファニル−ピリミジン(5.60g、91%)を明澄な油状物として得た。
工程6.エチル−[5−(2−イソプロピル−4,5−ジメトキシ−ベンジル)−2−メチルスルファニル−ピリミジン−4−イル]−アミン
4−クロロ−5−(2−イソプロピル−4,5−ジメトキシ−ベンジル)−2−メチルスルファニル−ピリミジン(0.212g、0.6mmol)を含むガラス製圧力容器に、エチルアミン5.0mLを冷却フィンガー濃縮器を介して加えた。容器に蓋をして、50℃に温めた。16時間後、溶液を室温に冷却し、蒸発し、H2Oに取った。混合物を酢酸エチルで抽出し、H2Oで洗浄し、次にブラインで洗浄した。合わせた有機層をNa2SO4で乾燥し、濾過し、真空下で蒸発した。フラッシュクロマトグラフィー(4:1 ヘキサン/酢酸エチル)により精製して、エチル−[5−(2−イソプロピル−4,5−ジメトキシ−ベンジル)−2−メチルスルファニル−ピリミジン−4−イル]−アミン(0.136g、63%)を白色の固体として得た。
工程7.エチル−[5−(2−イソプロピル−4,5−ジメトキシ−ベンジル)−2−メタンスルホニル−ピリミジン−4−イル]−アミン
1:1 H2O/THF 20mL中のエチル−[5−(2−イソプロピル−4,5−ジメトキシ−ベンジル)−2−メチルスルファニル−ピリミジン−4−イル]−アミン(0.129g、0.4mmol)の溶液に、H2O 4.0mL中のOXONE(登録商標)(0.461g、0.8mmol)を加えた。2時間後、H2O 50mLを加え、混合物を酢酸エチルで抽出し、H2Oで洗浄し、ブラインで洗浄した。合わせた有機層をNa2SO4で乾燥し、濾過し、真空下で濃縮して、エチル−[5−(2−イソプロピル−4,5−ジメトキシ−ベンジル)−2−メタンスルホニル−ピリミジン−4−イル]−アミン(0.131g、92%)を白色の泡状物として得た。
工程8.N*4*−エチル−5−(2−イソプロピル−4,5−ジメトキシ−ベンジル)−ピリミジン−2,4−ジアミン
マイクロ波反応バイアル中のエチル−[5−(2−イソプロピル−4,5−ジメトキシ−ベンジル)−2−メタンスルホニル−ピリミジン−4−イル]−アミン(0.078g、0.2mmol)に、ジメトキシエタン2.0mL及び濃NH4OH 0.5mLを加えた。バイアルに蓋をし、マイクロ波反応器内に配置した。内部温度を145℃に温めた。2時間後、追加の濃NH4OH 0.4mLを加え、混合物を更に2時間加熱した。混合物を冷却し、真空下で濃縮した。フラッシュクロマトグラフィー(96:4 CH2Cl2/MeOH)により精製して、N*4*−エチル−5−(2−イソプロピル−4,5−ジメトキシ−ベンジル)−ピリミジン−2,4−ジアミン(0.031g、47%)を淡黄色の固体として得た;質量分析 M+H=329。
上記手順の工程1の異なるアルキルリチウム試薬及び/又は工程6及び8の異なる置換アミンを使用して、同様の又は非常に似通った反応条件下で追加の化合物を得た。実施例3の手順により生成した追加の化合物を表1に示す。
実施例4:2−[4−アミノ−5−(5−クロロ−2−イソプロピル−4−メトキシ−フェノキシ)−ピリミジン−2−イル−アミノ]−(R)−プロパン−1−オール
この実施例で使用される合成手順を、スキームGに概説する。
工程1.2−クロロ−5−イソプロピル−フェノール
9:1 ベンゼン/CHCl3 350mL中の3−イソプロピルフェノール(10.0g、73.4mmol)の溶液を、0℃に冷却した。次亜塩素酸tert−ブチルエステル(8.77g、80.8mmol)を5分かけて滴下により加え、混合物を室温に温めた。16時間後、混合物を真空下で濃縮して、粗油状物を得た。フラッシュクロマトグラフィーにより精製して、2−クロロ−5−イソプロピル−フェノール及び4−クロロ−3−イソプロピル−フェノール(6.540g、52%)を7:3の不可分異性体混合物として淡黄色の油状物の形状で得た。合わせたレジオイソマーを下記の工程に一緒に使用した。
工程2.1−クロロ−4−イソプロピル−2−メトキシ−ベンゼン
DMF 50mL中の工程1の2−クロロ−5−イソプロピル−フェノール及び4−クロロ−3−イソプロピル−フェノール(8.694g、47.1mmol)の溶液に、K2CO3を加えた。ヨードメタン(3.5mL、56.5mmol)を加え、混合物を50℃に温めた。4時間後、H2Oを加えた。混合物を酢酸エチルで抽出し、H2Oで洗浄し、ブラインで洗浄した。合わせた有機層をNa2SO4で乾燥し、濾過し、真空下で濃縮して、1−クロロ−4−イソプロピル−2−メトキシ−ベンゼン及び1−クロロ−2−イソプロピル−4−メトキシ−ベンゼン(9.289g)を7:3の不可分混合物として淡黄色の油状物の形状で得て、それを下記の工程に直接使用した。
工程3.5−クロロ−2−イソプロピル−4−メトキシ−ベンズアルデヒド
実施例2の工程3の手順を使用して、合わせた1−クロロ−4−イソプロピル−2−メトキシ−ベンゼン及び1−クロロ−2−イソプロピル−4−メトキシ−ベンゼン(3.715g、20.1mmol)をTiCl4で、続いてCl2CHOMeで処理して、5−クロロ−2−イソプロピル−4−メトキシ−ベンズアルデヒド及び5−クロロ−4−イソプロピル−2−メトキシ−ベンズアルデヒドの混合物を黄色の油状物として得た。このレジオイソマーをフラッシュクロマトグラフィー(勾配:ヘキサン、7:3、1:1 ヘキサン/CH2Cl2)により分離して、5−クロロ−2−イソプロピル−4−メトキシ−ベンズアルデヒド(1.269g、30%)を淡黄色の固体として得た。
工程4.5−クロロ−2−イソプロピル−4−メトキシ−フェノール
上記実施例2の工程4の手順を使用して、5−クロロ−2−イソプロピル−4−メトキシ−ベンズアルデヒド(3.203g、15.1mmol)から5−クロロ−2−イソプロピル−4−メトキシ−フェノール(1.768g、58%)を明澄な油状物として得た。
工程5.(5−クロロ−2−イソプロピル−4−メトキシ−フェノキシ)−アセトニトリル
DMF 40mL中の5−クロロ−2−イソプロピル−4−メトキシ−フェノール(10.36g、51.6mmol)の溶液に、K2CO3(8.55g、62.0mmol)を加え、混合物を65℃に加熱した。15分後、ヨードアセトニトリル(9.05g、54.2mmol)を加え、混合物を80℃に1時間加熱した。混合物を冷却し、氷/H2O混合物中に注ぎ、1:1 トルエン/ヘキサンで抽出した。合わせた有機物をブラインで洗浄し、Na2SO4で乾燥し、濾過し、真空下で濃縮した。粗生成物をシリカの短いプラグに通して精製して、(5−クロロ−2−イソプロピル−4−メトキシ−フェノキシ)−アセトニトリル(11.97g、97%)を白色の固体として得た。
工程6.2−(5−クロロ−2−イソプロピル−4−メトキシ−フェノキシ)−3−メトキシ−アクリロニトリル
1,2−ジメトキシエタン7mL中の(5−クロロ−2−イソプロピル−4−メトキシ−フェノキシ)−アセトニトリル(1.44g、6.0mmol)及びギ酸エチル(2.2g、29.2mmol)の溶液に、95%NaH(0.15g、6.0mmol)を5℃で一度に加えた。混合物を室温に温めた。1時間後、95%NaH(0.15g、6.0mmol)を一度に加えた。1時間後、ヨードメタン10mLを加え、混合物を16時間撹拌した。混合物を真空下で濃縮し、1N HClを加え、混合物を酢酸エチルで抽出した。合わせた有機層をブラインで洗浄し、Na2SO4で乾燥し、濾過し、真空下で濃縮した。フラッシュクロマトグラフィー(85:15 ヘキサン/酢酸エチル)により精製して、2−(5−クロロ−2−イソプロピル−4−メトキシ−フェノキシ)−3−メトキシ−アクリロニトリル(1.41g、84%)を白色の固体として得た。
工程7.2−[4−アミノ−5−(5−クロロ−2−イソプロピル−4−メトキシ−フェノキシ)−ピリミジン−2−イルアミノ]−(R)−プロパン−1−オール
DMSO 1mL中の2−(5−クロロ−2−イソプロピル−4−メトキシ−フェノキシ)−3−メトキシ−アクリロニトリル(0.20g、0.7mmol)の溶液に、調製1のN−(2−(R)−ヒドロキシ−1−メチル−エチル)−グアニジン(0.10g、0.8mmol)を加えた。溶液を120℃に温めた。45分後、溶液を冷却し、H2O中に取り、酢酸エチルで抽出した。合わせた有機層をH2Oで洗浄し、NaSO4で乾燥し、濾過し、真空下で濃縮した。フラッシュクロマトグラフィー(95:5 CH2Cl2/MeOH)により精製して、2−[4−アミノ−5−(5−クロロ−2−イソプロピル−4−メトキシ−フェノキシ)−ピリミジン−2−イルアミノ]−(R)−プロパン−1−オール(0.128g、50%)を固体として得た;質量分析 M+H=366。
実施例5:2−[4−アミノ−5−(5−クロロ−2−エチル−4−メトキシ−フェノキシ)−ピリミジン−2−イルアミノ]−ブタン−1−オール
乾燥DMSO 1mL中の調製1のN−(2−(R)−ヒドロキシ−1−メチル−エチル)−グアニジン(0.15g、1.1mmol)の溶液に、実施例4の工程6の2−(5−クロロ−2−イソプロピル−4−メトキシ−フェノキシ)−3−メトキシ−アクリロニトリル(0.23g、0.9mmol)を加えた。混合物を120℃で3.0時間加熱した。反応混合物を冷却し、水20mLを加え、EtOAc(2×50mL)で抽出した。次に合わせた有機溶液を水(3×50mL)で、次にブラインで洗浄した。溶液をMgSO4で乾燥し、濾過し、濃縮した。2%MeOH/ジクロロメタンを使用して、化合物をシリカゲルのカラムクロマトグラフィーで精製した。生成物を含む有機画分を合わせ、減圧下で蒸発して、粗生成物を得た。この生成物をエーテル2mL中に懸濁し、1M HCl/エーテル(1.5当量)0.6mLを加えた。30分後、固体を濾過し、エーテルで洗浄して、2−[4−アミノ−5−(5−クロロ−2−イソプロピル−4−メトキシ−フェノキシ)−ピリミジン−2−イルアミノ]−(R)−プロパン−1−オール160mgをヒドロクロリド塩として得た:質量分析 M+H=367;融点;111.4〜116.9℃。
種々の異なるフェノール及びアミノグアニジンを用いて上記の手順を使用し、基本的に同様の反応状況下で追加の化合物を生成した。これを表1に示す。
実施例6:N*2*−(1,1−ジオキソ−ヘキサヒドロ−1λ*6*−チオピラン−4−イル)−5−(2−イソプロピル−4,5−ジメトキシ−フェノキシ)−ピリミジン−2,4−ジアミン
実施例5の手順に従い、2−(2−イソプロピル−4,5−ジメトキシ−フェノキシ)−3−メトキシ−アクリロニトリル(実施例4の手順を使用して調製)を調製1のN−(テトラヒドロ−チオピラン−4−イル)−グアニジンと一緒に使用して、5−(2−イソプロピル−4,5−ジメトキシ−フェノキシ)−N*2*−(テトラヒドロ−チオピラン−4−イル)−ピリミジン−2,4−ジアミンを調製した。
メタノール25mL及び水25mL中の5−(2−イソプロピル−4,5−ジメトキシ−フェノキシ)−N*2*−(テトラヒドロ−チオピラン−4−イル)−ピリミジン−2,4−ジアミン(0.19g、0.46mmol)の混合物に、OXONE(1.73g、1.4mmol)を加えた。この混合物を室温で一晩撹拌した。反応混合物を水(50mL)で希釈し、EtOAc(3×50mL)で抽出した。有機溶液をブラインで洗浄し、MgSO4で乾燥した。溶液を濾過し、濃縮した。残渣をEtOAcに遊離する分取TLCプレート(20×40cm)で精製した。回収した生成物を1M HCl/エーテル1.5当量で撹拌し、N*2*−(1,1−ジオキソ−ヘキサヒドロ−1λ*6*−チオピラン−4−イル)−5−(2−イソプロピル−4,5−ジメトキシ−フェノキシ)−ピリミジン−2,4−ジアミンHCl塩)25mgを得た:MS(M+H);441:融点:255.1〜257.8℃。
実施例7:メチル−カルバミン酸2−[4−アミノ−5−(5−クロロ−2−イソプロピル−4−メトキシ−フェノキシ)−ピリミジン−2−イルアミノ]−プロピルエステル
1,1−カルボニルジイミダゾール(0.97g、6mmol)をTHF 20mL中の実施例4の2−[4−アミノ−5−(5−クロロ−2−イソプロピル−4−メトキシ−フェノキシ)−ピリミジン−2−イルアミノ]−(R)−プロパン−1−オール(0.22g、0.6mmol)の溶液に室温で加えた。混合物を2時間撹拌し、メチルアミン(3mL、2M/THF、0.6mmol)を加えた。反応混合物を一晩撹拌し、減圧下で濃縮し、水(75mL)で希釈し、EtOAc(2×75mL)で抽出した。有機相をブラインで洗浄し、MgSO4で乾燥した。溶液を濾過し、濃縮した。残渣を5%MeOH/ジクロロメタンで遊離する2つのシリカ分取TLCプレート(20×40cm)で精製し、メチル−カルバミン酸2−[4−アミノ−5−(5−クロロ−2−イソプロピル−4−メトキシ−フェノキシ)−ピリミジン−2−イルアミノ]−プロピルエステル143mgを得た:MS(M+H);424:融点:63.5〜69.4℃。
実施例8:5−(4,5−ジメトキシ−2−メチル−ベンジル)−ピリミジン−2,4−ジアミン
この実施例で使用される合成手順を、スキームHに概説する。
この実施例はManchand et al., J. Org. Chem. 57:3531-3535(1992) に記載された手順に従う。要約すると、手順1において、4,5−ジメトキシ−2−メチル−ベンズアルデヒド及びナトリウムメトキシドを冷メタノールに溶解し、窒素下で室温にて18時間撹拌した。混合物を−15℃に冷却し、粗3−(4,5−ジメトキシ−2−メチル−フェニル)−2−メトキシ−メチル−アクリロニトリルを濾過により回収した。
工程2において、3−(4,5−ジメトキシ−2−メチル−フェニル)−2−メトキシメチル−アクリロニトリル及びナトリウムメトキシドを乾燥DMSOに溶解し、窒素下で85℃にて3.5時間撹拌した。次にグアニジン炭酸塩を撹拌溶液に加え、その後3時間温度を125℃に上げ、その間Dean−Starkトラップを介してメタノールを除去した。溶液を室温に冷却し、水で希釈し、粗濾液をDMF中で再結晶化して、5−(4,5−ジメトキシ−2−メチル−ベンジル)−ピリミジン−2,4−ジアミンを白色の固体として得た。融点:232℃。質量分析(M+H):275。
実施例8の手順により生成した追加の化合物を表1に示す。
実施例9:5−(6−イソプロピル−1,3−ジメチル−1H−インドール−5−イルオキシ)−ピリミジン−2,4−ジアミン
この実施例で使用される合成手順を、スキームIに概説する。
この実施例の工程1で使用した5−ベンジルオキシ−6−イソプロピル−1H−インドールを、Leonardi et al., Eur. J. Med. Chem. 29:551-559(1994) により報告された手順に従って、1−{2−[(5−ベンジルオキシ)−4−(1−メチルエチル)−2−ニトロフェニル]エテニル}−ピロリジンから調製した。下記工程3のメチル化も同様に、Leonardi et alにより記載された手順に従う。
工程1.5−ベンジルオキシ−6−イソプロピル−3−メチル−1H−インドール
メチル化を、Marino et al., J. Am. Chem. Soc. 114:5566-5572(1992) により報告されたインドールアルキル化の手順に従って、この工程で行った。5−ベンジルオキシ−6−イソプロピル−1H−インドール(0.855g、3.22mmol)を乾燥THF 20mLに溶解し、得られた溶液を氷浴中で冷却した。臭化マグネシウムエチル(4.9ml、エーテル中4.9mmol)を溶液に滴下により加え、次に溶液を4時間室温で撹拌した。次にヨウ化メチル(1.42g、10mmol)を加え、撹拌を室温で更に18時間続けた。反応混合物を氷水に注ぎ、酢酸エチルで抽出した。合わせた有機層を飽和塩化アンモニウムで洗浄し、乾燥(MgSO4)し、真空下で濃縮した。得られた残渣をフラッシュクロマトグラフィー(酢酸エチル/ヘキサン=1/9)で精製して、5−ベンジルオキシ−6−イソプロピル−3−メチル−1H−インドール325mgを得た。質量分析(M+H):280。
工程2.5−ベンジルオキシ−6−イソプロピル−1,3−ジメチル−1H−インドール
5−ベンジルオキシ−6−イソプロピル−3−メチル−1H−インドール(0.320g、1.15mmol)、KOH(0.264g、4.7mmol)塩化トリブチルアンモニウムベンジル(0.071g、0.230mmol)、及びヨウ化メチル(0.107mL、1.72mmol)をトルエン3mLに加えた。得られた混合物を90℃で4時間撹拌し、室温に冷却し、水に注ぎ、酢酸エチルで2回抽出した。合わせた有機層を水で洗浄し、乾燥(MgSO4)し、真空下で蒸発して、粗油状物を得て、それをフラッシュクロマトグラフィー(酢酸エチル/ヘキサン=1/9)により精製した;5−ベンジルオキシ−6−イソプロピル−1,3−ジメチル−1H−インドール270mgを得た。
工程3.6−イソプロピル−1,3−ジメチル−1H−インドール−5−オール
5−ベンジルオキシ−6−イソプロピル−1,3−ジメチル−1H−インドール(0.270g、1.30mmol)及びPd/C10%(0.150g)をメタノール10mLに加え、混合物をParr装置中で55psiにて室温で1.5時間水素化した。触媒を濾過により除去し、溶媒を真空下で除去した。残渣をフラッシュクロマトグラフィー(ヘキサン中5%酢酸エチル)で精製して、6−イソプロピル−1,3−ジメチル−1H−インドール−5−オール210mgを得た。
工程4.(6−イソプロピル−1,3−ジメチル−1H−インドール−5−イルオキシ)−アセトニトリル
上記実施例2の工程5の手順を使用し、ヨードアセトニトリルを処理して、(6−イソプロピル−1,3−ジメチル−1H−インドール−5−イルオキシ)−アセトニトリルを6−イソプロピル−1,3−ジメチル−1H−インドール−5−オールから調製した。
工程5.2−(6−イソプロピル−1,3−ジメチル−1H−インドール−5−イルオキシ)−4−メトキシ−ブタ−2−エンニトリル
2−(6−イソプロピル−1,3−ジメチル−1H−インドール−5−イルオキシ)−4−メトキシ−ブタ−2−エンニトリルを、上記実施例2の工程6の手順を使用し、水素化ナトリウム及びヨウ化メチルで処理して、(6−イソプロピル−1,3−ジメチル−1H−インドール−5−イルオキシ)−アセトニトリルから調製した。
工程6.5−(6−イソプロピル−1,3−ジメチル−1H−インドール−5−イルオキシ)−ピリミジン−2,4−ジアミン
5−(6−イソプロピル−1,3−ジメチル−1H−インドール−5−イルオキシ)−ピリミジン−2,4−ジアミンを、上記実施例2の工程7の手順を使用し、グアニジン炭酸塩及びナトリウムメトキシドを処理して、2−(6−イソプロピル−1,3−ジメチル−1H−インドール−5−イルオキシ)−4−メトキシ−ブタ−2−エンニトリルから調製した。この物質を無水エタノール2.5mlに溶解し、ジエチルエーテル中の1N HCl 820mlを撹拌しながら加えた。ジエチルエーテルを小さな結晶を形成するまでゆっくり加え、次に溶液を−10℃の冷凍庫に18時間配置した。形成した固体を濾過により回収し、ジエチルエーテルで洗浄し、真空下で45℃にて乾燥して、ヒドロクロリド塩171mgを得た、融点:185.1℃。
5−(6−イソプロピル−1−メチル−1H−インドール−5−イルオキシ)−ピリミジン−2,4−ジアミンも同様に、上記手順を使用するが工程1の3−メチル化を省略して調製した。MS(M+H):298。
実施例10:5−(2−イソプロピル−4−メトキシ−5−メチル−フェノキシ)−N*4*−フェニル−ピリミジン−2,4−ジアミン
この実施例で使用される合成手順を、スキームJに概説する。
工程1.(2−イソプロピル−4−メトキシ−5−メチル−フェノキシ)−酢酸エチルエステル
アセトン(100ml)中の2−イソプロピル−4−メトキシ−5−メチル−フェノール(3.933g、21.8mmol)の溶液に、炭酸カリウム(20g、145mmol)及びエチルブロモ酢酸(5ml、45.1mmol)を加えた。混合物を一晩還流し、セライトを通して濾過した。濾液を減圧下で濃縮し、残渣を酢酸エチルと水に分配した。有機相をブラインで洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。乾燥剤を除去した後、有機溶液を減圧下で濃縮した。残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(ヘキサン中10%〜15%塩化メチレン)で精製して、(2−イソプロピル−4−メトキシ−5−メチル−フェノキシ)−酢酸エチルエステルを白色の固体として得た(4.78g、82%)。
工程2.2−(2−イソプロピル−4−メトキシ−5−メチル−フェノキシ)−3−メトキシ−アクリル酸エチルエステル
無水1,2−ジメトキシエタン(60ml)中の(2−イソプロピル−4−メトキシ−5−メチル−フェノキシ)−酢酸エチルエステル(4.42g、16.6mmol)の溶液に、水素化ナトリウム(鉱油中60%、3.5g、87.5mmol)を室温で加えた。5分撹拌した後、ギ酸エチル(40ml、495mmol)を加えた。混合物を85℃で7時間加熱した。室温に冷却した後、ヨードメタンを加え、撹拌を一晩続けた。溶媒を減圧下で濃縮し、残渣を酢酸エチルと水に分配した。有機相をブラインで洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。乾燥剤を除去した後、有機溶液を減圧下で濃縮した。残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(ヘキサン中10%〜30%酢酸エチル)で精製して、2−(2−イソプロピル−4−メトキシ−5−メチル−フェノキシ)−3−メトキシ−アクリル酸エチルエステルを淡黄色の油状物として得た(1.19g、23%)。
工程3.2−アミノ−5−(2−イソプロピル−4−メトキシ−5−メチル−フェノキシ)−3H−ピリミジン−4−オン
NaOMeの溶液[無水メタノール(5ml)中のナトリウム(0.05g、2.17mmol)から調製]に、グアニジン炭酸塩を加えた。5分後、無水DMSO(10ml)中の2−(2−イソプロピル−4−メトキシ−5−メチル−フェノキシ)−3−メトキシ−アクリル酸エチルエステル(0.22g、0.713mmol)の溶液を加えた。混合物を120℃で3時間加熱し、冷却し、酢酸エチルと水に分配した。有機相をブラインで洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。乾燥剤を除去した後、有機溶液を減圧下で濃縮した。残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(塩化メチレン中5%メタノール/0.1%濃NH4OH)で精製して、2−アミノ−5−(2−イソプロピル−4−メトキシ−5−メチル−フェノキシ)−3H−ピリミジン−4−オンを淡黄色の固体として得た(0.045g、22%)。MS M+H=290。
工程4.4−クロロ−5−(2−イソプロピル−4−メトキシ−5−メチル−フェノキシ)−ピリミジン−2−イルアミン
オキシ塩化リン(5ml)中の2−アミノ−5−(2−イソプロピル−4−メトキシ−5−メチル−フェノキシ)−3H−ピリミジン−4−オンの混合物を、110℃で40分間加熱し、室温で一晩撹拌した。溶媒を減圧下で除去し、氷水を加えた。水溶液を炭酸カリウムでpH9に塩基性化し、塩化メチレンで抽出した。有機相をブラインで洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。乾燥剤を除去した後、有機溶液を減圧下で濃縮して、4−クロロ−5−(2−イソプロピル−4−メトキシ−5−メチル−フェノキシ)−ピリミジン−2−イルアミンを黄色の固体として得た(0.043g、88%)。MS M+H=308。
工程5.5−(2−イソプロピル−4−メトキシ−5−メチル−フェノキシ)−N*4*−フェニル−ピリミジン−2,4−ジアミン
アニリン(4ml)中の4−クロロ−5−(2−イソプロピル−4−メトキシ−5−メチル−フェノキシ)−ピリミジン−2−イル−アミン(0.043g、0.14mmole)の懸濁液を、密閉管中に配置し、100℃で一晩加熱した。塩化メチレンを加え、不溶性固体をセライトを通して濾過により除去した。合わせた塩化メチレン濾液を水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。乾燥剤を除去した後、有機相を減圧下で濃縮した。残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(塩化メチレン中2%メタノール)で精製して、黄色の油性残渣を得て、それを更に分取TLC及びHPLC(0.1%TFAを含む水中5〜100%アセトニトリル)で精製して、5−(2−イソプロピル−4−メトキシ−5−メチル−フェノキシ)−N*4*−フェニル−ピリミジン−2,4−ジアミンを得た、M+H:365。
実施例11:5−(2−シクロプロピル−4,5−ジメトキシ−フェノキシ)−ピリミジン−2,4−ジアミン
工程1.4−シクロプロピル−1,2−ジメトキシ−ベンゼン
乾燥THF(25ml)中のジルコノセンジクロリド(1.76g、6.02mmoles)の溶液に、エチルマグネシウムブロミド(12ml、THF中1M、12mmol)を−78℃でゆっくりと加えた。緑色の溶液を−78℃で15分間撹拌し、次に反応色が赤色に変わるまで(15分)2℃に温めた。乾燥THF(20ml)中の3、4−ジメトキシ−ベンズアルデヒド(1.00g、6.02mmol)の溶液を加え、反応物を1.5時間かけて室温に温めた。溶媒を減圧下で除去し、ジクロロメタン(20ml)を加えた。反応混合物を0℃に冷却し、塩化チタン(IV)(6ml、クロロメタン中1M、6mmol)を加えた。反応物を30分かけて室温に温め、飽和塩化アンモニウム溶液でクエンチした。セライトを通して混合物を濾過し、ジクロロメタンと水に分配した。合わせたジクロロメタン塩化アンモニウムの飽和水溶液、飽和重炭酸ナトリウム水溶液及びブラインで洗浄した。有機相を無水硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧下で濃縮した。残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(勾配:ヘキサン中の8%〜30%酢酸エチル)で精製して、4−シクロプロピル−1,2−ジメトキシ−ベンゼンを黄色の油性残渣として得た(0.2g、19%)。
工程2.5−(2−シクロプロピル−4,5−ジメトキシ−フェノキシ)−ピリミジン−2,4−ジアミン
上記実施例2の工程1及び工程3〜7の手順に従って、5−(2−シクロプロピル−4,5−ジメトキシ−フェノキシ)−ピリミジン−2,4−ジアミンを、4−シクロプロピル−1,2−ジメトキシ−ベンゼンから調製した。
実施例12:5−(5−クロロ−2−シクロプロピル−4−メトキシ−フェノキシ)−ピリミジン−2,4−ジアミン
工程1.1−クロロ−4−シクロプロピル−2−メトキシ−ベンゼン
乾燥THF(10ml)中の4−ブロモ−1−クロロ−2−メトキシ−ベンゼン(1.45g、6.55mmol)の溶液に、{1,3−ビス(ジフェニルホスフィノ)−プロパン}塩化ニッケル(II)及びシクロプロピルマグネシウムブロミド(46ml、THF中0.5M、23mmoles)を室温で加えた。溶液を室温で2時間撹拌し、次に65℃で48時間加熱した。塩酸水溶液(1N、20mL)を加え、次に混合物を室温に冷却し、30分間撹拌した。反応混合物を酢酸エチルと水に分配した。合わせた有機相をブラインで洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧下で濃縮した。残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(ヘキサン中の2%酢酸エチル)で精製して、1−クロロ−4−シクロプロピル−2−メトキシ−ベンゼンを黄色の油性残渣として得た(0.81g、67%)。
工程2.5−(5−クロロ−2−シクロプロピル−4−メトキシ−フェノキシ)−ピリミジン−2,4−ジアミン
上記実施例2の工程1及び工程3〜7の手順に従って、5−(5−クロロ−2−シクロプロピル−4−メトキシ−フェノキシ)−ピリミジン−2,4−ジアミンを4−シクロプロピル−1,2−ジメトキシ−ベンゼンから調製した。
実施例13:5−(2−イソプロピル−5−メタンスルホニル−4−メトキシ−フェノキシ)−ピリミジン−2,4−ジアミン
実施例2に従って調製した5−(2−イソプロピル−4−メトキシ−フェノキシ)−ピリミジン−2,4−ジアミン(0.32g、1.17mmol)、及びメタンスルホン酸無水物(0.81g、4.67mmole)の混合物に、トリフルオロメタンスルホン酸(0.45g、3.00mmol)を加え、混合物を80℃で16時間加熱した。反応混合物を氷水に注ぎ、飽和NaHCO3溶液で塩基性化し、ジクロロメタンに抽出し、それをNa2SO4で乾燥し、濾過し、真空下で濃縮した。残渣を、シリカゲルのフラッシュクロマトグラフィー(0.1%NH4OHを含むCH2Cl2中の3%CH3OH)により精製して、5−(2−イソプロピル−5−メタンスルホニル−4−メトキシ−フェノキシ)−ピリミジン−2,4−ジアミンを白色の固体として得た(0.248g、90%;0.107g)、MS(M+H):353。
実施例14:5−[5−(2,3−ジヒドロ−1H−テトラゾール−5−イル)−2−イソプロピル−4−メトキシ−フェノキシ]−ピリミジン−2,4−ジアミン
工程1:5−(5−ヨード−2−イソプロピル−4−メトキシ−フェノキシ)−ピリミジン−2,4−ジアミン
氷酢酸(4ml)中の5−(2−イソプロピル−4−メトキシ−フェノキシ)−ピリミジン−2,4−ジアミン(0.40g、1.44mmol)の溶液に、氷酢酸(4ml)中の一塩化ヨウ素(0.28g、1.76mmol)の溶液を室温で加えた。同様に水(6ml)を加え、反応物を16時間撹拌し、その後氷酢酸(4ml)中の一塩化ヨウ素(0.4g、2.47mmole)の別の部分を加えた。反応混合物を更に1時間室温で撹拌した。酸性混合物を飽和NaHCO3溶液で塩基性化し、ジクロロメタンに抽出した。有機層をNa2SO4で乾燥し、濾過し、真空下で濃縮した。残渣をフラッシュクロマトグラフィー(0.1%NH4OHを含むCH2Cl2中の5%CH3OH)により精製して、5−(5−ヨード−2−イソプロピル−4−メトキシ−フェノキシ)−ピリミジン−2,4−ジアミンをベージュ色の固体として得た(0.536g、92%)。M+H 400。
工程2.5−(2,4−ジアミノ−ピリミジン−5−イルオキシ)−4−イソプロピル−2−メトキシ−ベンゾニトリル
DMF(5ml)中の5−(5−ヨード−2−イソプロピル−4−メトキシ−フェノキシ)−ピリミジン−2,4−ジアミン(0.37g、0.925mmol)及びCuCN(0.12g、1.39mmole)の混合物を、120℃で3時間加熱した。水(100ml)を加え、沈殿物を回収した。残渣をメタノールのジクロロメタン(0.1%NH4OHを含むCH2Cl2中の10%CH3OH)で粉砕し、生成物をその銅錯体から放出し、濾過した。濾液を濃縮し、フラッシュクロマトグラフィー(0.1%NH4OHを含むCH2Cl2中の3%CH3OH)により精製して、5−(2,4−ジアミノ−ピリミジン−5−イルオキシ)−4−イソプロピル−2−メトキシ−ベンゾニトリルを白色の固体として得た(0.12g、44%):M+H 300。
工程3.5−[5−(2,3−ジヒドロ−1H−テトラゾール−5−イル)−2−イソプロピル−4−メトキシ−フェノキシ]−ピリミジン−2,4−ジアミン
キシレン(15ml)中の5−(2,4−ジアミノ−ピリミジン−5−イルオキシ)−4−イソプロピル−2−メトキシ−ベンゾニトリル(0.2g、0.67mmol)の高温溶液に、アジドトリブチルチン(1.10g、0.67mmol)を120℃で加え、反応混合物を2時間加熱した。アジドトリブチルチン(1.10g、3.34mmol)の別の部分を加え、混合物を更に5時間加熱した。反応混合物を0℃に冷却し、HClガスで5分間泡立てた。形成した固体を濾過により回収し、CH2Cl2(3×5ml)で洗浄した。固体を分取HPLC(水中15〜95%CH3CN、10分勾配)により精製して、5−[5−(2,3−ジヒドロ−1H−テトラゾール−5−イル)−2−イソプロピル−4−メトキシ−フェノキシ]−ピリミジン−2,4−ジアミンHCl塩を白色の固体として得た(62mg、25%)。M+H 343。
実施例15:5−[5−(1H−イミダゾール−2−イル)−2−イソプロピル−4−メトキシ−フェノキシ]−ピリミジン−2,4−ジアミン
工程1.5−[5−(4,5−ジヒドロ−1H−イミダゾール−2−イル)−2−イソプロピル−4−メトキシ−フェノキシ]−ピリミジン−2,4−ジアミン
乾燥メタノール(15ml)中の5−(2,4−ジアミノ−ピリミジン−5−イルオキシ)−4−イソプロピル−2−メトキシ−ベンゾニトリル(0.138g、0.461mmol)の冷却した(0℃)懸濁液を、HClで10分間泡立てて、一晩冷却した。溶媒を減圧下で蒸発して、黄色の固体を得て、それを乾燥メタノール(10ml)に再度溶解した。エチレンジアミン(0.034ml、0.509mmol)を加え、反応混合物を20時間還流し、減圧下で濃縮した。残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(勾配:塩化メチレン/0.1%濃NH4OH中7〜50%メタノール)で精製して、5−[5−(4,5−ジヒドロ−1H−イミダゾール−2−イル)−2−イソプロピル−4−メトキシ−フェノキシ]−ピリミジン−2,4−ジアミンを得て、それをメタノール/酢酸エチル/エーテルから結晶化し、白色の固体として得た(0.053g,33%)。
工程2.5−[5−(1H−イミダゾール−2−イル)−2−イソプロピル−4−メトキシ−フェノキシ]−ピリミジン−2,4−ジアミン
乾燥塩化メチレン(25ml)中の5−[5−(4,5−ジヒドロ−1H−イミダゾール−2−イル)−2−イソプロピル−4−メトキシ−フェノキシ]−ピリミジン−2,4−ジアミン(0.033g、0,096mmol)の溶液に、マンガン酸バリウム(0.4g、1.56mmol)を加えた。反応混合物を一晩還流し、その後更なるマンガン酸バリウム(0.1g)を加え、混合物を更に6時間還流した。セライトを通して反応混合物を濾過し、濾液を減圧下で濃縮した。残渣を分取TLC(塩化メチレン/0.1%濃水酸化アンモニウム中の8%メタノール)で精製して、5−[5−(1H−イミダゾール−2−イル)−2−イソプロピル−4−メトキシ−フェノキシ]−ピリミジン−2,4−ジアミンを淡黄色の固体として得た(0.026g、41%)。
実施例16:1−[5−(2,4−ジアミノ−ピリミジン−5−イルオキシ)−4−イソプロピル−2−メトキシ−フェニル]−エタノン及び1−[5−(2,4−ジアミノ−ピリミジン−5−イルオキシ)−2−ヒドロキシ−4−イソプロピル−フェニル]−エタノン
無水ジクロロエタン(20mL)中の5−(2−イソプロピル−4−メトキシ−フェノキシ)−ピリミジン−2,4−ジアミンをTFA(0.06mL、0.77mmol)、塩化アセチル(0.31mL、4.37mmol)、及び三塩化アルミニウム(583mg、4.37mmol)に加えた。22時間室温で撹拌した後、水(1.2mL)を反応物に0℃で加えた。混合物を無水硫酸ナトリウムを用いて乾燥し、真空下で濃縮した。水酸化ナトリウム水溶液(0.2M、10mL)を残渣に加え、混合物を100℃で1時間加熱した。冷却した後、反応物をジクロロメタンで抽出した。無水硫酸マグネシウムを用いてジクロロメタン層を乾燥し、濃縮し、96/4/0.1 ジクロロメタン/メタノール/水酸化アンモニウムで溶離するシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製して、1−[5−(2,4−ジアミノ−ピリミジン−5−イルオキシ)−4−イソプロピル−2−メトキシ−フェニル]−エタノン(72mg、31%)をオフホワイトの固体として得た、MS(M+H)=317。
1−[5−(2,4−ジアミノ−ピリミジン−5−イルオキシ)−2−ヒドロキシ−4−イソプロピル−フェニル]−エタノン(43mg、20%)も同様に、淡黄色の固体として回収した、MS(M+H)=303、
実施例17:5−(2,4−ジアミノ−ピリミジン−5−イルオキシ)−4−イソプロピル−2−メトキシ−安息香酸
エタノール(1mL)中の5−(2,4−ジアミノ−ピリミジン−5−イルオキシ)−4−イソプロピル−2−メトキシ−ベンゾニトリル(50mg、0.17mmol、実施例15より)の懸濁液に、水酸化ナトリウム(174mg、4.34mmol、水1mL中に溶解)を加えた。一晩還流した後、反応物を氷浴中で冷却した。塩酸水溶液(3M)を反応物のpHが7になるまで加えた。白色の固体沈殿物を回収し、少量の水及びジクロロメタンで洗浄し、乾燥して、5−(2,4−ジアミノ−ピリミジン−5−イルオキシ)−4−イソプロピル−2−メトキシ−安息香酸を得た:(51mg、96%、MS(M+H)=319)、それをヒドロクロリド塩に変換した:
実施例18:5−(2,4−ジアミノ−ピリミジン−5−イルオキシ)−4−イソプロピル−2−メトキシ−ベンズアミド
エタノール(1mL)中に懸濁した5−(2,4−ジアミノ−ピリミジン−5−イルオキシ)−4−イソプロピル−2−メトキシ−ベンゾニトリル(49mg、0.16mmol、実施例15より)に、水酸化ナトリウム(64mg、1.60mmol、水1mL中に溶解)を加えた。反応物を110℃で5時間加熱し、冷却し、ジクロロメタン(25mL)で洗浄した。ジクロロメタン層を濃縮し、予備TLCプレート(92/8/0.5 ジクロロメタン/メタノール/水酸化アンモニウム)で精製して、5−(2,4−ジアミノ−ピリミジン−5−イルオキシ)−4−イソプロピル−2−メトキシ−ベンズアミドを白色の固体として得て(9mg、17%、MS(M+H)=318)、それをヒドロクロリド塩に変換した:
実施例19:[5−(2,4−ジアミノ−ピリミジン−5−イルオキシ)−4−イソプロピル−2−メトキシ−フェニル]−尿素
工程1.5−(5−アミノ−2−イソプロピル−4−メトキシ−フェノキシ)−ピリミジン−2,4−ジアミン
Parr装置(Parr bomb)内のエタノール(150mL)中に懸濁した5−(2−イソプロピル−4−メトキシ−5−ニトロ−フェノキシ)−ピリミジン−2,4−ジアミン(2.1g、6.58mmol)に、10%パラジウム担持炭(210mg)を加えた。Parr水素化装置内で35psiにて一晩水素化した後、セライトを通して反応物を濾過した。セライトパッドをエタノール及び酢酸エチルで洗浄し、濾液を濃縮した。シリカゲルカラムクロマトグラフィー(92/8/0.1 ジクロロメタン/メタノール/水酸化アンモニウム)で精製して、5−(5−アミノ−2−イソプロピル−4−メトキシ−フェノキシ)−ピリミジン−2,4−ジアミンを淡橙色の固体として得て(468mg、25%、(M+H)+=290)、それをヒドロクロリド塩に変換した。
工程2.[5−(2,4−ジアミノ−ピリミジン−5−イルオキシ)−4−イソプロピル−2−メトキシ−フェニル]−尿素
水(3mL)に懸濁した5−(5−アミノ−2−イソプロピル−4−メトキシ−フェノキシ)−ピリミジン−2,4−ジアミン(314mg、1.09mmol)に、酢酸(0.25mL、4.34mmol)を加えた。一度全ての固体を溶解し、シアン化ナトリウム(71mg、1.09mmol、水1.5mLに溶解)を滴下により加えた。30分後、反応物を濃縮し、92/8/0.1 ジクロロメタン/メタノール/水酸化アンモニウムに溶離するシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製して、[5−(2,4−ジアミノ−ピリミジン−5−イルオキシ)−4−イソプロピル−2−メトキシ−フェニル]−尿素をオフホワイトの固体として得て(244mg、68%、(M+H)+=333)、それをヒドロクロリド塩に変換した:
実施例20:N−[5−(2,4−ジアミノ−ピリミジン−5−イルオキシ)−4−イソプロピル−2−メトキシ−フェニル]−アセトアミド
無水ジクロロメタン(10mL)に溶解した5−(5−アミノ−2−イソプロピル−4−メトキシ−フェノキシ)−ピリミジン−2,4−ジアミン(100mg、0.35mmol、実施例17より)に、無水ピリジン(0.03mL、0.38mmol)を加えた。この反応混合物に塩化アセチル(0.03mL、0.38mmol)を0℃で加えた。室温で1時間撹拌した後、反応物を濃縮し、予備TLC(93/7/0.5 ジクロロメタン/メタノール/水酸化アンモニウム)で精製して、オフホワイトの固体を得た(ビス−及びトリ−アセチル化生成物の混合物74mg)。この固体に水酸化ナトリウム水溶液(0.2M、2mL)を加え、混合物を1時間還流し、冷却し、ジクロロメタン(10mL)で洗浄した。無水硫酸マグネシウムを用いてジクロロメタン層を乾燥し、真空下で濃縮して、N−[5−(2,4−ジアミノ−ピリミジン−5−イルオキシ)−4−イソプロピル−2−メトキシ−フェニル]−アセトアミドを白色の固体として得て(53mg、46%、(M+H)+=332)、それをヒドロクロリド塩に変換した:
実施例21:5−(2−イソプロピル−4−メトキシ−5−ニトロ−フェノキシ)−ピリミジン−2,4−ジアミン
この実施例で使用される合成手順を、スキームKに概説する。
工程1.2−(1−ヒドロキシ−1−メチル−エチル)−4−メトキシ−フェノール
THF 800ml中の臭化メチルマグネシウム(221ml、665mmol)の溶液に、1−(2−ヒドロキシ−5−メトキシ−フェニル)−エタノン(20.21g、302mmol)を少量ずつ0℃で30分かけて加えた。混合物を室温に温めた。16時間後、10%NH4Clをゆっくりと加えて混合物をクエンチし、濃HClを用いて(ゆっくりと添加して)pH=1に注意深く酸性化し、Et2Oで抽出した。合わせた有機物をH2Oで洗浄し、ブラインで洗浄し、MgSO4で乾燥し、濾過し、真空下で濃縮して、2−(1−ヒドロキシ−1−メチル−エチル)−4−メトキシ−フェノール(50.57g、100%)を黄褐色の固体として得た。
工程2.2−イソプロピル−4−メトキシ−フェノール
AcOH 550ml中の2−(1−ヒドロキシ−1−メチル−エチル)−4−メトキシ−フェノール(50.57g、278mmol)の溶液に、10%Pd/C(H2O 20ml中のスラリーとして)を加えた。ギ酸アンモニウム(87.52g、1388mmol)を少量ずつ加えた。混合物を100℃に1時間温め、冷却し、セライトパッドを通して濾過した。セライトパッドを酢酸エチルで洗浄した。母液をH2Oと混合し、酢酸エチルで抽出した。合わせた有機物をH2Oで洗浄し、ブラインで洗浄し、Na2SO4で乾燥し、濾過し、真空下で濃縮して、2−イソプロピル−4−メトキシ−フェノール(44.74,97%)を淡黄色の油状物として得た。
工程3.トルエン−4−スルホン酸2−イソプロピル−4−メトキシ−フェニルエステル
CH2Cl2 750ml中の2−イソプロピル−4−メトキシ−フェノール(56.91g、342mmol)トリエチルアミン(57.3.0ml、411mmol)の溶液を0℃に冷却した。CH2Cl2 250ml中のp−トルエンスルホニルクロリド(68.54g、360mmol)を、内部温度を<10℃に維持する速度で滴下により加えた。混合物を室温に温めた。16時間後、H2Oを加え、混合物をCH2Cl2で抽出した。合わせた有機物をブラインで洗浄し、Na2SO4で乾燥し、濾過し、真空下で濃縮して、粗固体を得た。ヘキサンから再結晶化して、トルエン−4−スルホン酸2−イソプロピル−4−メトキシ−フェニルエステル(81.67g、74%)を白色の針状物として得た。
工程4.トルエン−4−スルホン酸2−イソプロピル−4−メトキシ−5−ニトロ−フェニルエステル
AcOH 118mL中のトルエン−4−スルホン酸2−イソプロピル−4−メトキシ−フェニルエステル(19.00g、59mmol)の溶液に、発煙HNO3 236mlを20分かけて加えた。16時間後、溶液を急速に撹拌した氷/H2O 2Lのスラリーに注いだ。15分後、沈殿物を濾過し、H2Oで洗浄し、真空下で乾燥して(50℃)、トルエン−4−スルホン酸2−イソプロピル−4−メトキシ−5−ニトロ−フェニルエステル(21.27g、98%)及びトルエン−4−スルホン酸2−イソプロピル−4−メトキシ−3−ニトロ−フェニルエステルを淡黄色の固体(7:1不可分混合物)として得た。
工程5.2−イソプロピル−4−メトキシ−5−ニトロ−フェノール
EtOH 350mL中のトルエン−4−スルホン酸2−イソプロピル−4−メトキシ−5−ニトロ−フェニルエステル及び2−イソプロピル−4−メトキシ−3−ニトロ−フェニルエステル(21.20g、58mmol)及び2M KOH 175mLの溶液を、100℃に温めた。45分後、混合物を冷却し、蒸発し、水1Lに取った。溶液を12M HClでpH=1に酸性化し、酢酸エチルで抽出した。合わせた有機物をH2O及びブラインで洗浄し、Na2SO4で乾燥し、濾過し、真空下で濃縮した。粗油状物をフラッシュクロマトグラフィー(勾配:95:5〜4:1 ヘキサン/酢酸エチル)により精製して、3−アミノ−2−イソプロピル−5−ニトロ−フェノール(10.03g、81%)を黄色の固体として、3−アミノ−2−イソプロピル−3−ニトロ−フェノール(1.32g、11%)を黄色の油状物として得た。
工程6.(2−イソプロピル−4−メトキシ−5−ニトロ−フェノキシ)−アセトニトリル
DMF 500mL中の3−アミノ−2−イソプロピル−5−ニトロフェノール(9.94g、47mmol)、K2CO3(13.00g、94mmol)及びベンゼンスルホン酸シアノメチルエステル(10.93g、52mmol)の混合物を、50℃に温めた。16時間後、混合物を冷却し、H2O 500mLに注ぎ、トルエン/酢酸エチル(1:1)で抽出した。合わせた有機物をH2Oで洗浄し、ブラインで洗浄し、濾過し、真空下で濃縮した。粗固体をEtOHから再結晶化して、(2−イソプロピル−4−メトキシ−5−ニトロ−フェノキシ)−アセトニトリル(8.95g、76%)を黄色の結晶質固体として得た。
工程7.5−(2−イソプロピル−4−メトキシ−5−ニトロ−フェノキシ)−ピリミジン−2,4−ジアミン
(2−イソプロピル−4−メトキシ−5−ニトロ−フェノキシ)−アセトニトリル(8.785g、35.5mmol)及びBreaderick試薬(14.6mL、70.9mmol)の混合物を、100℃に温めた。45分後、混合物を減圧下で蒸発して(50℃、50mtorr)、橙色の固体を得た。固体をEtOH 150mL中のアニリンヒドロクロリド塩(9.19g、70.9mmol)の溶液に加えた。混合物を還流下で温めた。16時間後、追加のアニリンヒドロクロリド塩(4.596g、35.5mmol)を加え、混合物の還流を4時間続けた。溶液を真空下で濃縮し、H2Oに注いだ。混合物を酢酸エチルで抽出し、H2Oで洗浄し、ブラインで洗浄し、Na2SO4で乾燥し、真空下で濃縮して、黄緑色の固体を得た。この粗生成物をNMP 200mL及びグアニジン炭酸塩(17.70g、98mmol)の混合物に加え、130℃に温めた。5時間後、混合物を冷却し、次に氷/H2O混合物2Lに注いだ。得られた沈殿物を濾過し、H2Oで洗浄し、真空下で乾燥した(50℃)。粗固体をEtOHから再結晶化して、5−(2−イソプロピル−4−メトキシ−5−ニトロ−フェノキシ)−ピリミジン−2,4−ジアミン(8.14g、63%、3工程)を黄色の結晶質固体(EtOHで1:1溶媒和化)として得た。
(M+H)+=320。
実施例22:1−[5−(2,4−ジアミノ−ピリミジン−5−イルオキシ)−4−イソプロピル−2−メトキシ−フェニル]−3−エチル−尿素
工程1.5−(5−アミノ−2−イソプロピル−4−メトキシ−フェノキシ)−ピリミジン−2,4−ジアミン
EtOH 250mL及びAcOH25中の5−(2−イソプロピル−4−メトキシ−5−ニトロ−フェノキシ)−ピリミジン−2,4−ジアミン(2.953g、9.2mmol)の溶液に、10%Pd/Cを加えた。Parr水素化装置を介して混合物をH2の50psi下に配置した。2.5時間後、セライトパッドを通して混合物を濾過した。パッドを酢酸エチルで洗浄し、溶液を部分的に真空下で濃縮した。残渣をH2O 500mLに取り、0℃に冷却した。溶液を、酢酸エチルで抽出した50%NaOHでpH=12にゆっくりと酸性化した。合わせた有機物をH2Oで洗浄し、ブラインで洗浄し、Na2SO4で乾燥し、濾過し、真空下で濃縮して、5−(5−アミノ−2−イソプロピル−4−メトキシ−フェノキシ)−ピリミジン−2,4−ジアミン(2.156g、82%)を暗橙色の固体として得た。
工程2.1−[5−(2,4−ジアミノ−ピリミジン−5−イルオキシ)−4−イソプロピル−2−メトキシ−フェニル]−3−エチル−尿素
トルエン4mL中の5−(5−アミノ−2−イソプロピル−4−メトキシ−フェノキシ)−ピリミジン−2,4−ジアミン(0.117g、0.4mmol)及びエチルイソシアナート(0.034g、0.5mmol)の溶液を、密閉管中で100℃に加熱した。5時間後、溶液を冷却し、真空下で濃縮して、褐色の固体を得た。フラッシュクロマトグラフィー(CH2Cl2/MeOH 97:3)により精製して、1−[5−(2,4−ジアミノ−ピリミジン−5−イルオキシ)−4−イソプロピル−2−メトキシ−フェニル]−3−エチル−尿素(0.120g、83%)を白色の固体として得た;(M+H)=361。
実施例23:1−[5−(2,4−ジアミノ−ピリミジン−5−イルオキシ)−4−イソプロピル−2−メトキシ−フェニル]−3−フェニル−尿素
5−(5−アミノ−2−イソプロピル−4−メトキシ−フェノキシ)−ピリミジン−2,4−ジアミン(0.309g、1.1mmol)を、上記手順に記載した通り、1−[5−(2,4−ジアミノ−ピリミジン−5−イルオキシ)−4−イソプロピル−2−メトキシ−フェニル]−3−フェニル−尿素(0.122g、28%)に変換し、白色の固体として得た;[MH]+=408。
実施例24:5−(2−イソプロピル−4−メトキシ−5−ピロール−1−イル−フェノキシ)−ピリミジン−2,4−ジアミン
AcOH 15mL中の5−(5−アミノ−2−イソプロピル−4−メトキシ−フェノキシ)−ピリミジン−2,4−ジアミン(0.303g、1.0mmol)の溶液に、2,5−ジメトキシピラン(0.152g、1.2mmol)を加えた。溶液を還流下で温めた。2時間後、溶液を冷却し、氷/H2Oに注いだ。溶液を50%NaOHでpH=8に変換し、酢酸エチル(3×75mL)で抽出した。合わせた有機物をH2Oで洗浄し、ブラインで洗浄し、Na2SO4で乾燥し、濾過し、真空下で濃縮して、褐色の固体を得た。フラッシュクロマトグラフィー(CH2Cl2/MeOH 97:3)により精製して、5−(2−イソプロピル−4−メトキシ−5−ピロール−1−イル−フェノキシ)−ピリミジン−2,4−ジアミン(0.244g、72%)を淡黄色の固体として得た。
(M+H)=340。
5−(5−アミノ−2−イソプロピル−4−メトキシ−フェノキシ)−ピリミジン−2,4−ジアミン(0.313g、1.1mmol)及び2,5−ヘキサンジオン(0.14ml、1.2mmol)から5−[5−(2,5−ジメチル−ピロール−1−イル)−2−イソプロピル−4−メトキシ−フェノキシ]−ピリミジン−2,4−ジアミン(0.259g、64%)を同様に精製した。(M+H)=368。
実施例25:5−(2−イソプロピル−4−メトキシ−5−[1,2,3]トリアゾール−1−イル−フェノキシ)−ピリミジン−2,4−ジアミン
Harada et al., Heterocycles 48: 695-702(1998) の手順に従って、メタノール5ml中の5−(5−アミノ−2−イソプロピル−4−メトキシ−フェノキシ)−ピリミジン−2,4−ジアミン(0.400g、1.8mmol)の溶液に、トリメチルアミン(0.308g、3.0mmol)及びヒドラジンX1(0.388g、1.4mmol)を0℃で加えた。溶液を50℃に温めた。4時間後、混合物を真空下で濃縮し、CH2Cl2で抽出した。合わせた有機物をH2Oで洗浄し、ブラインで洗浄し、Na2SO4で乾燥し、濾過し、真空下で濃縮した。フラッシュクロマトグラフィー(94:6 CH2Cl2/MeOH)により精製して、5−(2−イソプロピル−4−メトキシ−5−[1,2,3]トリアゾール−1−イル−フェノキシ)−ピリミジン−2,4−ジアミン(0.145g、31%)を白色の固体として得た;[MH]+=342。
実施例26:1−[5−(4−アミノ−2−メチル−ピリミジン−5−イルオキシ)−4−イソプロピル−2−メトキシ−フェニル]−ピロリジン−2−オン
工程1.4−クロロ−N−[5−(2,4−ジアミノ−ピリミジン−5−イルオキシ)−4−イソプロピル−2−メトキシ−フェニル]−ブチルアミド
CHCl3 15ml及びNa2HPO4(0.392g、2.8mmol)中の5−(5−アミノ−2−イソプロピル−4−メトキシ−フェノキシ)−ピリミジン−2,4−ジアミン(0.400g、1.4mmol)の溶液に、4−クロロブチリルクロリド(0.194g、1.4mmol)を滴下により加えた。4.5時間後、H2O及びCH2Cl2を加え、混合物を15分間撹拌した。混合物を2N Na2CO3で中和し、CH2Cl2で抽出した。合わせた有機物をブラインで洗浄し、Na2SO4で乾燥し、濾過し、真空下で濃縮して、4−クロロ−N−[5−(2,4−ジアミノ−ピリミジン−5−イルオキシ)−4−イソプロピル−2−メトキシ−フェニル]−ブチルアミド(0.495g、91%)を褐色の泡状物として得た;[MH]+=394。
工程2.1−[5−(4−アミノ−2−メチル−ピリミジン−5−イルオキシ)−4−イソプロピル−2−メトキシ−フェニル]−ピロリジン−2−オン
MeOH中の1.9M NaOMe 5mlの溶液に、4−クロロアミドX(0.495g、1.3mmol)を加えた。6時間後、溶液を真空下で濃縮した。残渣を酢酸エチルに取り、H2Oで洗浄し、ブラインで洗浄し、Na2SO4で乾燥し、濾過し、真空下で濃縮して、1−[5−(4−アミノ−2−メチル−ピリミジン−5−イルオキシ)−4−イソプロピル−2−メトキシ−フェニル]−ピロリジン−2−オン(0.230g、47%)を白色の固体として得た;[MH]+=358;融点(HCl塩)>300℃。
実施例27:1−[5−(2,4−ジアミノ−ピリミジン−5−イルオキシ)−4−イソプロピル−2−メトキシ−フェニル]−1H−イミダゾール−2−チオール
工程1.5−(2−イソプロピル−5−イソチオシアナート−4−メトキシ−フェノキシ)−ピリミジン−2,4−ジアミン
H2O 1ml及びTFA(0.040g、0.4mmol)中の5−(5−アミノ−2−イソプロピル−4−メトキシ−フェノキシ)−ピリミジン−2,4−ジアミン(0.100g、0.4mmol)の溶液に、チオホスゲン(0.040g、0.4mmol)を加えた。1時間後、混合物を2M NaOHで中和し、CH2Cl2で抽出した。合わせた有機物をブラインで洗浄し、Na2SO4で乾燥し、濾過し、真空下で濃縮して、5−(2−イソプロピル−5−イソチオシアナート−4−メトキシ−フェノキシ)−ピリミジン−2,4−ジアミン(0.042g、36%)を褐色の泡状物として得た[MH]+=334。
工程2.1−[5−(2,4−ジアミノ−ピリミジン−5−イルオキシ)−4−イソプロピル−2−メトキシ−フェニル]−1H−イミダゾール−2−チオール
EtOH 10ml中のアミノアセタール(0.173g、1.3mmol)の溶液に、EtOH 2ml中のチオ−イソシアナート(0.430g、1.3mmol)の溶液を加えた。混合物を還流下で温めた。30分後、混合物を冷却し、真空下で濃縮し、1M HCl中で懸濁し、再度更に30分間還流し、反応物を飽和NaHCO3で中和し、CH2Cl2で抽出した。合わせた有機物をブラインで洗浄し、Na2SO4で乾燥し、濾過し、真空下で濃縮して、1−[5−(2,4−ジアミノ−ピリミジン−5−イルオキシ)−4−イソプロピル−2−メトキシ−フェニル]−1H−イミダゾール−2−チオール(0.298g、50%)を白色の固体として得た[MH]+=373。
実施例28:5−(5−イミダゾール−1−イル−2−イソプロピル−4−メトキシ−フェノキシ)−ピリミジン−2,4−ジアミン
DMF 4ml中の5−ヨード−ジアミノピリミジン(0.294g、0.74mmol)、イミダゾール(0.120g、1.8mmol)、CuI(0.070g、0.4mmol)、Cs2CO3(0.616g、1.9mmol)の懸濁液を、100℃に加熱した。72時間後、混合物を冷却し、H2Oで希釈し、酢酸エチルで抽出した。合わせた有機物をブラインで洗浄し、Na2SO4で乾燥し、濾過し、真空下で濃縮した。分取TLC(94:6 CH2Cl2/MeOH)により精製して、5−(5−イミダゾール−1−イル−2−イソプロピル−4−メトキシ−フェノキシ)−ピリミジン−2,4−ジアミン(0.020g、8%)を白色の固体として得た;[MH]+=341。
実施例29:2−[5−(2,4−ジアミノピリミジン−5−イルオキシ)−4−イソプロピル−2メトキシ−フェニル]−プロパン−2−オール
THF 83mL中の臭化メチルマグネシウム(83.4mmol、27.8ml、Et2O中3.0M)の溶液に、1−[5−(2,4−ジアミノ−ピリミジン−5−イルオキシ)−4−イソプロピル−2−メトキシ−フェニル]−エタノン(2.523g、8.3mmol、実施例16より)を少量ずつ0℃で加えた。16時間後、混合物を0℃に冷却し、10%NH4Clを加えてクエンチした。H2Oを加え、混合物を酢酸エチルで抽出した。合わせた有機物をH2Oで洗浄し、ブラインで洗浄し、NaHCO3で乾燥し、濾過し、真空下で濃縮した。粗固体をフラッシュクロマトグラフィー(94:6 CH2Cl2/MeOH)により精製して、アセトフェノンX(1.00g、回収率40%)を白色の固体として、またアルコールX(1.00g、メチル化/ジメチル化 1:1混合物として)を得た。アルコールの混合物をDMF 31mlに取った。K2CO3(0.65g、4.7mmol)及びヨードメタン(0.098ml、1.6mmol)を加え、混合物を50℃に温めた。追加のヨードメタン(0.019mL、0.6mmol)を1、2及び3時間で加えた。16時間後、混合物を冷却し、10%NH4Clを酢酸エチルで抽出した。合わせた有機物をH2Oで洗浄し、ブラインで洗浄し、Na2SO4で乾燥し、濾過し、真空下で濃縮して、2−[5−(2,4−ジアミノピリミジン−5−イルオキシ)−4−イソプロピル−2−メトキシ−フェニル]−プロパン−2−オール(0.711g、収率)を白色の固体として得た。[MH]+=333。
実施例30:5−(2,5−ジイソプロピル−メトキシ−フェノキシ)−ピリミジン−2,4−ジアミン
CH2Cl2 10ml中の2−[5−(2,4−ジアミノピリミジン−5−イルオキシ)−4−イソプロピル−2−メトキシ−フェニル]−プロパン−2−オール(0.350g、1.1mmol)の溶液に、TFA(4.0ml、52.6mmol)及びトリエチルシラン(1.7ml、10.5mmol)を加えた。30分後、飽和NaHCO3を加え、混合物を酢酸エチルで抽出した。合わせた有機物をブラインで洗浄し、Na2SO4で乾燥し、濾過し、真空下で濃縮して、粗油状物を得た。フラッシュクロマトグラフィー(96:4 CH2Cl2/MeOH)により精製して、5−(2,5−ジイソプロピル−メトキシ−フェノキシ)−ピリミジン−2,4−ジアミン(0.225g、68%)を白色の固体として得た。[MH]+=317。
実施例31:1−[5−(2,4−ジアミノ−ピリミジン−5−イルオキシ)−4−イソプロピル−2−メトキシ−フェニル]−エタノール
MeOH 100ml中の1−[5−(2,4−ジアミノ−ピリミジン−5−イルオキシ)−4−イソプロピル−2−メトキシ−フェニル]−エタノン(2.500g、8.3mmol)の溶液に、NaBH4(1.566g、41.4mmol)を0℃でゆっくりと加えた。溶液を室温に温めた。20時間後、飽和NH4Clを加え、混合物を真空下で濃縮し、酢酸エチルで抽出した。合わせた有機物をブラインで洗浄し、Na2SO4で乾燥し、濾過し、真空下で濃縮した。シリカゲルカラムクロマトグラフィー(9:1 CH2Cl2/MeOH)により精製して、1−[5−(2,4−ジアミノ−ピリミジン−5−イルオキシ)−4−イソプロピル−2−メトキシ−フェニル]−エタノール(1.613g、60%)を白色の泡状物として得た;[MH]+=301。
実施例32:5−(2−イソプロピル−4−メトキシ−5−ビニル−フェノキシ)−ピリミジン−2,4−ジアミン及び5−[2−イソプロピル−4−メトキシ−5−(1−メトキシ−エチル)−フェノキシ]−ピリミジン−2,4−ジアミン
CH2Cl2 30ml中の1−[5−(2,4−ジアミノ−ピリミジン−5−イルオキシ)−4−イソプロピル−2−メトキシ−フェニル]−エタノール(1.613g、5.3mmol)の溶液に、(ジエチルアミノ)三フッ化硫黄(DAST)(0.935g、5.8mmol)を−78℃で加えた。1.5時間撹拌した後、飽和NaHCO3を加え、混合物をCH2Cl2により抽出した。合わせた有機物をブラインで洗浄し、Na2SO4で乾燥し、濾過し、真空下で濃縮した。シリカゲルクロマトグラフィー(95:5 CH2Cl2/MeOH)により精製して、5−(2−イソプロピル−4−メトキシ−5−ビニル−フェノキシ)−ピリミジン−2,4−ジアミン(0.044g、3%)を泡状物として([MH]+=301)、5−[2−イソプロピル−4−メトキシ−5−(1−メトキシ−エチル)−フェノキシ]−ピリミジン−2,4−ジアミン(0.075g、4%)を泡状物として得た。
[MH]+=303。
実施例33:5−(2−エチル−3−メトキシ−ベンジル)−ピリミジン−2,4−ジアミン
この実施例で使用される合成手順を、スキームMに概説する。
工程1.シクロヘキシル−(3−メトキシ−ベンジリデン)−アミン
3−メトキシベンズアルデヒド(10.105g、74.2mmol)を、実施例3の工程1に記載したように、シクロヘキシル−(3−メトキシ−ベンジリデン)−アミン(15.08g、94%)に変換し、明澄な油状物として得た。
工程2.2−エチル−3−メトキシベンズアルデヒド
THF 75ml中の2,2,6,6−テトラメチルピペリジン(4.67g、33mmol)の溶液に、内部温度を−10℃未満に維持しながら、n−ブチルリチウム(12.6ml、32mmol、ヘキサン中の2.5)を−15℃で滴下により加えた。15分後、THF 5.0ml中のシクロヘキシル−(3−メトキシ−ベンジリデン)−アミン(3.259g、15.0mmol)の溶液を加え、溶液を−15℃で撹拌した。1時間後、溶液を−78℃に冷却した。ヨードエタン(11.9ml、150mmol)を一度に加え、溶液を45分かけて室温に温め、10%NH4Clに注ぎ、Et2Oで抽出した。合わせた有機物をH2Oで洗浄し、ブラインで洗浄し、MgSO4で乾燥し、濾過し、真空下で濃縮して、粗イミンを油状物として得た。油状物をTHF 90ml及びHCl(22ml、89mmol、4.0M)に取り、還流下で温めた。2後、溶液を冷却した。H2Oを加え、混合物を酢酸エチルで抽出した。合わせた有機物をH2Oで洗浄し、ブラインで洗浄し、Na2SO4で乾燥し、濾過し、真空下で濃縮して、粗油状物を得た。フラッシュクロマトグラフィー(98:2 ヘキサン/酢酸エチル)により精製して、2−エチル−3−メトキシベンズアルデヒド(1.543g、63%、2工程)を明澄な油状物として得た。
工程3.5−(2−エチル−3−メトキシ−ベンジル)−ピリミジン−2,4−ジアミン
実施例3の工程4〜8の手順に従って、2−エチル−3−メトキシベンズアルデヒド(1.025g、6.24mmol)から、5−(2−エチル−3−メトキシ−ベンジル)−ピリミジン−2,4−ジアミン(0.154g、10%、2工程)を淡黄色の固体として得た。[MH+]=259。
実施例34:5−(5−クロロ−2−イソプロピル−4−メトキシ−ベンジル)−N2−(2,2,2−トリフルオロ−エチル)−ピリミジン−2,4−ジアミン
この実施例で使用される合成手順を、スキームMに概説する。
工程1.5−(5−クロロ−2−イソプロピル−4−メトキシ−ベンジル)−2−メチルスルファニル−ピリミジン−4−イルアミン
EtOH中の飽和NH3 25mlに、4−クロロ−5−(5−クロロ−2−イソプロピル−4−メトキシ−ベンジル)−2−メチルスルファニル−ピリミジン(0.580g、1.6mmol)を加えた。溶液を密閉反応容器中で85℃に温めた。3日後、溶液を冷却し、真空下で濃縮し、CH2Cl2で懸濁した。沈殿物を濾過し、母液を真空下で濃縮した。フラッシュクロマトグラフィー(7:3 ヘキサン/酢酸エチル)により精製して、5−(5−クロロ−2−イソプロピル−4−メトキシ−ベンジル)−2−メチルスルファニル−ピリミジン−4−イル−アミン(0.504g、92%)を白色の固体として得た。
工程2.5−(5−クロロ−2−イソプロピル−4−メトキシ−ベンジル)−2−メチルスルホニル−ピリミジン−4−イルアミン
THF 15ml及びH2O 15ml中の4−クロロ−5−(5−クロロ−2−イソプロピル−4−メトキシ−ベンジル)−2−メチルスルファニル−ピリミジン(0.320g、0.9mmol)の溶液に、Oxone(1.227g、2mmol)を少量ずつ加えた。16時間後、溶液を真空下で濃縮し、酢酸エチルで抽出した。合わせた有機物をブラインで洗浄し、Na2SO4で乾燥し、濾過し、真空下で濃縮した。フラッシュクロマトグラフィーにより精製して、5−(5−クロロ−2−イソプロピル−4−メトキシ−ベンジル)−2−メチルスルホニル−ピリミジン−4−イルアミン(0.333、96%)を白色の固体として得た。
工程3.5−(5−クロロ−2−イソプロピル−4−メトキシ−ベンジル)−N2−(2,2,2−トリフルオロ−エチル)−ピリミジン−2,4−ジアミン
エチレングリコールジメチルエーテル(DME)3ml中の5−(5−クロロ−2−イソプロピル−4−メトキシ−ベンジル)−2−メチルスルホニル−ピリミジン−4−イルアミン(0.050g、0.1mmol)の溶液に、2,2,2−トリフルオエチルアミン0.5mlを加えた。混合物をマイクロ波内(130℃、10barr)で加熱した。22時間後、混合物を真空下で濃縮した。逆相分取HPLCにより精製して、5−(5−クロロ−2−イソプロピル−4−メトキシ−ベンジル)−N2−(2,2,2−トリフルオロ−エチル)−ピリミジン−2,4−ジアミン(0.010g、19%)のTFA塩を白色の固体として得た;[MH]+=389。
5−(5−クロロ−2−イソプロピル−4−メトキシ−ベンジル)−2−メチルスルホニル−ピリミジン−4−イルアミン(0.100g、0.3mmol)から、2−メトキシエチルアミンを使用する以外は同様に調製して、5−(5−クロロ−2−イソプロピル−4−メトキシ−ベンジル)−N2−(2−メトキシ−エチル)−ピリミジン−2,4−ジアミン(0.068g、63%)を白色の固体として得た;[MH]+=365。
実施例35:5−[5−クロロ−2−(1−フルオロ−1−メチル−エチル)−4−メトキシ−フェノキシ]−ピリミジン−2,4−ジアミン
この実施例で使用される合成手順を、スキームNに概説する。
工程1.1−(4−クロロ−2−ヒドロキシ−5−メトキシ−フェニル)−エタノン
CH2Cl2中のAlCl3(8.89g、59mmol)の混合物に、内部温度を0℃未満に維持しながら塩化アセチル(4.1ml、58mmol)を−10℃で滴下により加えた。20分後、2−クロロ−1,4−ジメトキシベンゼン(10.0g、8.3mmol)をCH2Cl2 8mlに溶解し、上記の溶液に内部温度を0℃未満に維持しながら滴下により加えた。20分後、混合物を室温に1時間温め、次に還流下で温めた。21時間後、溶液を冷却し、氷及び濃HClの混合物に注ぎ、ジクロロメタンで抽出した。合わせた有機物を真空下で濃縮し、H2O/EtOHから再結晶化して、1−(4−クロロ−2−ヒドロキシ−5−メトキシ−フェニル)−エタノン(8.78g、85%)を固体として得た。
工程2.5−クロロ−2−(1−ヒドロキシ−1−メチル−エチル)−4−メトキシ−フェノール
THF 90mL中の1−(4−クロロ−2−ヒドロキシ−5−メトキシ−フェニル)−エタノン(9.80g、49mmol)の溶液に、臭化メチルマグネシウム(37mL、112mmol、Et2O中3.0M)を0℃で加えた。2時間後、10%NH4Clを加えて反応物をクエンチした。混合物を2M HClでpH=1に調整し、酢酸エチルで抽出した。合わせた有機物をH2Oで洗浄し、ブラインで洗浄し、MgSO4で乾燥し、濾過し、真空下で濃縮して、粗固体を得た。フラッシュクロマトグラフィーにより精製して、アルコール5−クロロ−2−(1−ヒドロキシ−1−メチル−エチル)−4−メトキシ−フェノール(11.85g、100%以上)を黄色の固体として得た。
工程3.[5−クロロ−2−(1−ヒドロキシ−1−メチル−エチル)−4−メトキシ−フェノキシ]−ピリミジン−2,4−ジアミン
DMF 50mL中の5−クロロ−2−(1−ヒドロキシ−1−メチル−エチル)−4−メトキシ−フェノール(2.00g、9mmol)及びK2CO3(2.55g、19mmol)の混合物に、トシラート試薬(2.34g、11mmol)を加えた。混合物を室温で撹拌した。16時間後、混合物を水200mlに注ぎ、酢酸エチルで抽出した。合わせた有機物を水で洗浄し、ブラインで洗浄し、Na2SO4で乾燥し、濾過し、真空下で濃縮して、粗固体を得た。フラッシュクロマトグラフィー(7:3 ヘキサン/酢酸エチル)により精製して、[5−クロロ−2−(1−ヒドロキシ−1−メチル−エチル)−4−メトキシ−フェノキシ]−ピリミジン−2,4−ジアミン(1.62g、69%)を白色の固体として得た。
工程4.5−[5−クロロ−2−(1−フルオロ−1−メチル−エチル)−メトキシ−フェノキシ]−アセトニトリル
CH2Cl2 50ml中の[5−クロロ−2−(1−ヒドロキシ−1−メチル−エチル)−4−メトキシ−フェノキシ]−ピリミジン−2,4−ジアミン(1.432g、5.6mmol)の溶液に、DAST(0.77ml、5.9mmol)を−78℃で滴下により加えた。1.5後、溶液を室温に温め、飽和NaHCO3溶液を加えてクエンチし、CH2Cl2で抽出した。合わせた有機物をブラインで洗浄し、Na2SO4で乾燥し、濾過し、真空下で濃縮して、5−[5−クロロ−2−(1−フルオロ−1−メチル−エチル)−メトキシ−フェノキシ]−アセトニトリル(1.543g)及び(5−クロロ−2−イソプロペニル−4−メトキシ−フェノキシ)−アセトニトリルの不可分混合物(9:1)を淡褐色の油状物として得た。
工程5.5−[5−クロロ−2−(1−フルオロ−1−メチル−エチル)−メトキシ−フェノキシ]−ピリミジン−2,4−ジアミン
5−[5−クロロ−2−(1−フルオロ−1−メチル−エチル)−メトキシ−フェノキシ]−アセトニトリル(1.447g、4.2mmol)を、実施例2の工程6及び7に記載のように、5−[5−クロロ−2−(1−フルオロ−1−メチル−エチル)−メトキシ−フェノキシ]−ピリミジン−2,4−ジアミン(0.263g、3工程で10%)に黄色の固体として変換した;融点=220.1〜220.6℃(HCl塩);[MH]+=328。
3−フルオロ−1,4−ジメトキシベンゼンで始め、DASTの代わりに工程4のPd/Cを用いる水素化を使用して、5−(5−フルオロ−2−イソプロピル−4−メトキシ−フェノキシ)−ピリミジン−2,4−ジアミン(0.778g、42%)を同様に調整した;融点(HCl塩)=239〜241℃;[MH]+=293。
実施例36:5−(8−ブロモ−5−エチル−2,3−ジヒドロ−ベンゾ[1,4]ジオキシン−6−イルオキシ)−ピリミジン−2,4−ジアミン
この実施例で使用される合成手順を、スキームOに概説する。
工程1.3−ブロモ−4,5−ジヒドロキシ−ベンズアルデヒド
AcOH 500ml中の3,4−ジヒドロキシベンズアルデヒド(15.48g、112mmol)の溶液に、AcOH 50ml中の臭素(6.1ml、118mmol)を10分かけて滴下により加えた。4時間後、混合物を冷H2Oに注いだ。沈殿物を濾過し、冷H2Oで洗浄し、真空下で乾燥して、3−ブロモ−4,5−ジヒドロキシ−ベンズアルデヒド(11.64g、48%)を灰色の固体として得た。
工程2.8−ブロモ−2,3−ジヒドロ−ベンゾ[1,4]ジオキシン−6−カルボキシアルデヒド
DMF 480ml中の3−ブロモ−4,5−ジヒドロキシ−ベンズアルデヒド(20.78g、95mmol)の溶液に、K2CO3(52.95g、383mmol)を、続いて1,2−ジブロモエタン(8.7ml、101mmol)を加えた。混合物を100℃に温めた。18後、追加の1,2ジブロモエタン(1.0mL)を加えた。2時間後、混合物を水に注ぎ、酢酸エチルで抽出した。合わせた有機物をブラインで洗浄し、Na2SO4で乾燥し、濾過し、真空下で濃縮した。粗固体をフラッシュクロマトグラフィー(9:1 ヘキサン/酢酸エチル)により精製して、8−ブロモ−2,3−ジヒドロ−ベンゾ[1,4]ジオキシン−6−カルボキシアルデヒド(15.82g、99%)を白色の固体として得た。
工程3.(8−ブロモ−2,3−ジヒドロ−ベンゾ[1,4]ジオキシン−6−イルメチレン)−シクロヘキシル−アミン
実施例3(工程1)の手順に従って、8−ブロモ−2,3−ジヒドロ−ベンゾ[1,4]ジオキシン−6−カルボキシアルデヒド(15.63g、64mmol))及びシクロヘキシルアミン(7.02g、71mmol)から、8−ブロモ−2,3−ジヒドロ−ベンゾ[1,4]ジオキシン−6−イルメチレン)−シクロヘキシル−アミン(24.2g)を粘性の油状物として得て、それを精製しないで下記の工程に使用した。
工程4.8−ブロモ−5−エチル−2,3−ジヒドロ−ベンゾ[1,4]ジオキシン−6−カルボキシアルデヒド
実施例33の工程2の手順に従って、8−ブロモ−2,3−ジヒドロ−ベンゾ[1,4]ジオキシン−6−イルメチレン)−シクロヘキシル−アミン(23.09g、71mmol)から、8−ブロモ−5−エチル−2,3−ジヒドロ−ベンゾ[1,4]ジオキシン−6−カルボキシアルデヒド(3.67g、24%)を得た。
工程5.8−ブロモ−5−エチル−2,3−ジヒドロ−ベンゾ[1,4]ジオキシン−6−オール
8−ブロモ−5−エチル−2,3−ジヒドロ−ベンゾ[1,4]ジオキシン−6−カルボキシアルデヒド(3.674g、13.5mmol)を、実施例2(工程4)に記載の手順を使用して、8−ブロモ−5−エチル−2,3−ジヒドロ−ベンゾ[1,4]ジオキシン−6−オール(3.182g、91%)に白色の固体として変換した。
工程6.(8−ブロモ−5−エチル−2,3−ジヒドロ−ベンゾ[1,4]ジオキシン−6−イルオキシ)−アセトニトリル
8−ブロモ−5−エチル−2,3−ジヒドロ−ベンゾ[1,4]ジオキシン−6−オール(3.182g、12.3mmol)を、実施例21の工程6の手順に記載したように、シアノメチルエーテル8−ブロモ−5−エチル−2,3−ジヒドロ−ベンゾ[1,4]ジオキシン−6−イルオキシ)−アセトニトリル(2.30g、63%)に変換した。
工程7.5−(8−ブロモ−5−エチル−2,3−ジヒドロ−ベンゾ[1.4]ジオキシン−6−イルオキシ)−ピリミジン−2,4−ジアミン
8−ブロモ−5−エチル−2,3−ジヒドロ−ベンゾ[1,4]ジオキシン−6−イルオキシ)−アセトニトリル(2.30g、8.7mmol)を、実施例2の工程6及び7の手順を使用して、5−(8−ブロモ−5−エチル−2,3−ジヒドロ−ベンゾ[1.4]ジオキシン−6−イルオキシ)−ピリミジン−2,4−ジアミン(0.951g、32%)に黄色の固体として変換した。;融点=291〜293℃;[MH]+=368。
実施例37:5−(7−ヨード−5−イソプロピル−2,3−ジヒドロ−ベンゾ[1,4]ジオキシン−6−イルオキシ)−ピリミジン−2,4−ジアミン
この実施例で使用される合成手順を、スキームPに概説する。
工程1.2,3−ジヒドロ−ベンゾ[1,4]ジオキシン−6−オール
CH2Cl2 500ml中の2,3−ジヒドロ−ベンゾ[1,4]ジオキシン−6−カルボキシアルデヒド(30.0g、183mmol)の溶液に、mCPBA(37.85g、219mmol)を加えた。懸濁液を50℃に加熱した。16時間後、飽和NaHCO3を加え、混合物をCH2Cl2で抽出した。合わせた有機物を真空下で濃縮し、MeOHに取り、4M NaOH 200mlを加えた。2時間後、混合物を4M HClで酸性化し、酢酸エチルで抽出した。合わせた有機物を飽和NaHCO3で洗浄し、ブラインで洗浄し、真空下で濃縮し、CH2Cl2に取った。溶液を濾過して沈殿物を除去した。得られた溶液を飽和NaHCO3で1時間撹拌し、分離し、MgSO4で乾燥し、濾過し、真空下で濃縮して、2,3−ジヒドロ−ベンゾ[1,4]−ジオキシン−6−オール(26.92g、94%)を得た。
工程2.6−メトキシ−2,3−ジヒドロ−ベンゾ[1,4]ジオキシン
DMF中のK2CO3(47.54g、344mmol)及びBu4NI(1.256g、3.4mmol)の混合物に、2,3−ジヒドロ−ベンゾ[1,4]ジオキシン−6−オール(26.2g、172mmol)を、続いてヨードメタン(16.1ml、258mmol)を加えた。16時間後、混合物を濾過した。溶液をH2Oと混合し、酢酸エチルで抽出した。合わせた有機物をブラインで洗浄し、MgSO4で乾燥し、濾過し、真空下で濃縮した。フラッシュクロマトグラフィー(95:5 ヘキサン/酢酸エチル)により精製して、6−メトキシ−2,3−ジヒドロ−ベンゾ−[1,4]ジオキシンメチル(24.23g、85%)を明澄な油状物として得た。
工程3.6−メトキシ−2,3−ジヒドロ−ベンゾ[1,4]ジオキシン−5−イル−ボロン酸
THF 50ml中のメチルエーテルX(10.0g、60mmol)の溶液に、n−ブチルリチウム(36ml、90mmol、ヘキサン中2.5M)を−78℃で滴下により加えた。1時間後、溶液を室温に温めた。1時間後、溶液を−78℃に冷却し、ホウ酸トリメチル(13.6ml、120mmol)を加えた。溶液を室温に温めた。16時間後、水を加えて混合物をクエンチし、得られた混合物をAcOHで酸性化し、酢酸エチルで抽出した。合わせた有機物を飽和NaHCO3で洗浄し、MgSO4で乾燥し、濾過し、真空下で濃縮した。得られた油状物をトルエンで共沸し、6−メトキシ−2,3−ジヒドロ−ベンゾ[1,4]ジオキシン−5−イル−ボロン酸(13.72g、98%)を油状物として得た。
工程4.5−イソプロペニル−6−メトキシ−2,3−ジヒドロ−ベンゾ[1,4]ジオキシン
DME 200mL中の2−ブロモプロパン(5.4ml、59mmol)の溶液に、Pd(Ph3P)4(3.116,2.8mmol)を加えた。30分後、6−メトキシ−2,3−ジヒドロ−ベンゾ[1,4]ジオキシン−5−イル−ボロン酸(13.320g、58.6mmol)及びK2CO3(8.099g、58.6mmol)を加えた。混合物を還流下で温めた。16時間後、混合物を冷却し、セライトパッドを通して濾過し、真空下で濃縮した。残渣をH2Oに溶解し、酢酸エチルで抽出した。合わせた有機物を飽和NaHCO3で洗浄し、MgSO4で乾燥し、濾過し、真空下で濃縮した。フラッシュクロマトグラフィーにより精製して、イソプレン5−イソプロペニル−6−メトキシ−2,3−ジヒドロ−ベンゾ[1,4]ジオキシン(5.542g、生成物/sm 1:1の不可分混合物として)を油状物として得た。
工程5.5−イソプロピル−6−メトキシ−2,3−ジヒドロ−ベンゾ[1,4]ジオキシン
MeOH 80ml中の5−イソプロペニル−6−メトキシ−2,3−ジヒドロ−ベンゾ[1,4]ジオキシン(5.00g、xmmol)の溶液に、10%Pd/C(0.18g)を加えた。混合物をH2 50psi下に配置した。16時間後、セライトパッドを通して混合物を濾過した。溶液を真空下で濃縮した。フラッシュクロマトグラフィー(97:3 ヘキサン/酢酸エチル)により精製して、イソプロピル5−イソプロピル−6−メトキシ−2,3−ジヒドロ−ベンゾ[1,4]ジオキシン(2.458g、ボロン酸から21%)を明澄な油状物として得た。
工程6.5−イソプロピル−6ヒドロキシ−2,3−ジヒドロ−ベンゾ[1,4]ジオキシン
CH2Cl2 15ml中の5−イソプロピル−6−メトキシ−2,3−ジヒドロ−ベンゾ[1,4]ジオキシン(1.011g、4.9mmol)の溶液に、BBr3(7.3ml、7.3mmol)を−78℃で加えた。溶液を室温に温めた。16時間後、溶液を−78℃に冷却し、H2Oでクエンチし、室温に温め、CH2Cl2で抽出した。合わせた有機物をブラインで洗浄し、MgSO4で乾燥し、濾過し、真空下で濃縮した。フラッシュクロマトグラフィー(7:3 ヘキサン/酢酸エチル)により精製して、5−イソプロピル−6ヒドロキシ−2,3−ジヒドロ−ベンゾ−[1,4]ジオキシン(0.622g、63%)を淡黄色の油状物として得た。
工程7.5−イソプロピル−2,3−ジヒドロ−ベンゾ[1,4]ジオキシン−6−イルオキシ)アセトニトリル
5−イソプロピル−6ヒドロキシ−2,3−ジヒドロ−ベンゾ[1,4]ジオキシン(0.622g、3.2mmol)を、実施例2(工程5)に記載したように、5−イソプロピル−2,3−ジヒドロ−ベンゾ[1,4]ジオキシン−6−イルオキシ)−アセトニトリル(0.544g、72%)に明澄な油状物として変換した。
工程8.5−(5−イソプロピル−2,3−ジヒドロ−ベンゾ[1,4]ジオキシン−6−イルオキシ)−ピリミジン−2,4−ジアミン
5−イソプロピル−2,3−ジヒドロ−ベンゾ[1,4]ジオキシン−6−イルオキシ)アセトニトリル(0.544g、2.3mmol)を、実施例21の工程6に記載したように、5−(5−イソプロピル−2,3−ジヒドロ−ベンゾ[1,4]−ジオキシン−6−イルオキシ)−ピリミジン−2,4−ジアミン(0.560g、86%)に黄色の泡状物として変換した。
工程9.5−(7−ヨード−5−イソプロピル−2,3−ジヒドロ−ベンゾ[1,4]ジオキシン−6−イルオキシ)−ピリミジン−2,4−ジアミン及び5−(7、8−ジヨード−5−イソプロピル−2,3−ジヒドロ−ベンゾ[1,4]ジオキシン−6−イルオキシ)−ピリミジン−2,4−ジアミン
酢酸(2ml)中の5−(5−イソプロピル−2,3−ジヒドロ−ベンゾ[1,4]ジオキシン−6−イルオキシ)−ピリミジン−2,4−ジアミン(250mg、0.83mmol)の溶液に、AcOH 3ml及びH2O 2ml中のICl(0.670g、4.13mmol)を加えた。20時間後、反応物をNa2CO3で中性化し、CH2Cl2で抽出した。合わせた有機物を10%NaHSO3で洗浄し、ブラインで洗浄し、Na2SO4で乾燥し、濾過し、真空下で濃縮した。フラッシュクロマトグラフィー(97:3 CH2Cl2/MeOH)により精製して、5−(7、8−ジヨード−5−イソプロピル−2,3−ジヒドロ−ベンゾ[1,4]ジオキシン−6−イルオキシ)−ピリミジン−2,4−ジアミン(0.049g、10%)を黄色の固体として([MH]+=555)、5−(7−ヨード−5−イソプロピル−2,3−ジヒドロ−ベンゾ[1,4]ジオキシン−6−イルオキシ)−ピリミジン−2,4−ジアミン(0.050g、14%)を泡状物として得た。[MH]+=429。
実施例38:2−[2−(2,4−ジアミノ−ピリミジン−5−イルオキシ)−4−ヨード−5−メトキシ−フェニル]−プロパン−1−オール
この実施例で使用される合成手順を、スキームQに概説する。
工程1.1−(2−ヒドロキシ−4−ヨード−5−メトキシ−フェニル)−エタノン
DMF 0.5ml中の水素化ナトリウム(0.044g、1.1mmol、鉱油中60%)の懸濁液に、5−ヨード−2−アセチル、4−メトキシフェノールナトリウム塩(0.292g、1mmol、実施例35に記載したように調製)をDMF 1.5ml中の溶液として加えた。10分後、クロロメトキシメタン(0.079g、1.0mmol)を加えた。30分後、混合物をCH2Cl2で抽出した。合わせた有機物をブラインで洗浄し、Na2SO4で乾燥し、濾過し、真空下で濃縮した。フラッシュクロマトグラフィー(88:12=ヘキサン/酢酸エチル)により精製して、1−(2−ヒドロキシ−4−ヨード−5−メトキシ−フェニル)−エタノン(0.314g、85%)を黄色の固体として得た;[MH]+=337。
工程2.1−ヨード−4−イソプレニル−2−メトキシ−5−メトキシメトキシ−ベンゼン
THF 8ml中のメチルトリフェニルホスホニウムブロミド(0.457g、1.3mmol)の懸濁液に、ナトリウムヘキサメチルジシラジド(1.3ml、1.29mmol、THF中1.0M)を加えた。1.5時間後、1−(2−ヒドロキシ−4−ヨード−5−メトキシ−フェニル)−エタノン(0.288g、0.9mmol)をTHF 8ml中の溶液として滴下により加えた。20時間後、セライトパッドを通して混合物を濾過し、CH2Cl2で抽出した。合わせた有機物をブラインで洗浄し、Na2SO4で乾燥し、真空下で濃縮した。フラッシュクロマトグラフィー(95:5 ヘキサン/酢酸エチル)により精製して、1−ヨード−4−イソプレニル−2−メトキシ−5−メトキシメトキシ−ベンゼン(0.224g、78%)を無色の液体として得た;[MH]+=335。
工程3.2−(2−ヒドロキシ−1−メチル−エチル)−5−ヨード−4−メトキシ−フェノール
DME 4ml中のNaBH4(0.051g、1.3mmol)の混合物に、TiCl4(0.67ml、0.67mmol、CH2Cl2中1.0M)を加えた。1時間後、DME 4ml中の2−メチル−1−ヨード−4−イソプレニル−2−メトキシ−5−メトキシメトキシ−ベンゼン(0.224g、0.7mmol)を加えた。20時間後、混合物をH2Oでクエンチし、酢酸エチルで抽出した。合わせた有機物をブラインで洗浄し、Na2SO4で乾燥し、濾過し、真空下で濃縮して、油状物を得た。イソプロパノール3ml中のこの油状物の溶液に、6M HCl 3mlを加えた。3時間後、混合物を飽和NaHCO3で中性化し、酢酸エチルで抽出した。合わせた有機物をブラインで洗浄し、Na2SO4で乾燥し、濾過し、真空下で濃縮して、油状物を得た。分取TLC(70:30 ヘキサン/酢酸エチル)により精製して、2−(2−ヒドロキシ−1−メチル−エチル)−5−ヨード−4−メトキシ−フェノール(0.080g、30%)を明澄な油状物として得た;[MH]+=309。
工程4.[2−(2−ヒドロキシ−メチル−エチル)−5−ヨード−4−メトキシ−フェノキシ]−アセトニトリル
2−(2−ヒドロキシ−1−メチル−エチル)−5−ヨード−4−メトキシ−フェノール(0.080g、0.3mmol)を、実施例21の工程6に記載したように、[2−(2−ヒドロキシ−メチル−エチル)−5−ヨード−4−メトキシ−フェノキシ]−アセトニトリル(0.076g、84%)に白色の固体として変換した;[MH]+=348。
工程5.2−[2−(2,4−ジアミノピリミジン−5−イルオキシ)−4−ヨード−5−メトキシ−フェニル]−プロパン−1−オール
[2−(2−ヒドロキシ−メチル−エチル)−5−ヨード−4−メトキシ−フェノキシ]−アセトニトリル(0.488g、1.4mmol)を、実施例21の工程7の手順を使用して、2−[2−(2,4−ジアミノ−ピリミジン−5−イルオキシ)−4−ヨード−5−メトキシ−フェニル]−プロパン−1−オール(0.459g、79%)に白色の固体として変換した;融点(HCl塩)=290.1〜292.2℃;[MH]+=417。
実施例39:5−(2,4−ジアミノ−ピリミジン−5−イルオキシ)−4−イソプロピル−2−メトキシ−N−メチル−ベンゼンメチルスルホンアミド
工程1.5−(2,4−ジアミノ−ピリミジン−5−イルオキシ)−4−イソプロピル−2−メトキシ−ベンゼンスルホニルクロリド
クロロスルホン酸2ml中のピリミジン(0.400g、1.5mmol)の混合物を、20分撹拌した。混合物を氷に注いだ。沈殿物を濾過し、冷H2Oで洗浄し、真空下で乾燥して、5−(2,4−ジアミノ−ピリミジン−5−イルオキシ)−4−イソプロピル−2−メトキシ−ベンゼンスルホニルクロリド(0.515g、95%)を白色の固体として得た;[MH]+=373。
工程2.5−(2,4−ジアミノ−ピリミジン−5−イルオキシ)−4−イソプロピル−2−メトキシ−N−メチル−ベンゼンメチルスルホンアミド
ネジキャップ試験管内のメチルアミン10mlに、5−(2,4−ジアミノ−ピリミジン−5−イルオキシ)−4−イソプロピル−2−メトキシ−ベンゼンスルホニルクロリド(0.300g、0.8mmol)を−78℃で加えた。混合物を室温に温めた。20時間後、混合物を蒸発し、H2Oで洗浄し、真空下で乾燥して、5−(2,4−ジアミノ−ピリミジン−5−イルオキシ)−4−イソプロピル−2−メトキシ−N−メチル−ベンゼンメチルスルホンアミド(0.170g、57%)を白色の固体として得た;融点(HCl塩)=252.3〜252.9℃;[MH]+=367。
メチルアミンをエチルアミンに代え、5−(2,4−ジアミノ−ピリミジン−5−イルオキシ)−N−エチル−4−イソプロピル−2−メトキシ−ベンゼンスルホンアミド(0.186g、61%)を白色の固体として同様に調製した;融点(HCl塩)=260〜265℃;[MH]+=382。
実施例40:5−[2−イソプロピル−4−メトキシ−5−(1−メチル−1H−イミダゾール−2−イル)−フェノキシ]−3,4−ジヒドロ−ピリミジン−2,4−ジアミン
アセトン(5ml)中の5−[5−(1H−イミダゾール−2−イル)−2−イソプロピル−4−メトキシ−フェノキシ]−3,4−ジヒドロ−ピリミジン−2,4−ジアミン(0.044g、0.129mmoles)及びヨードメタン(9ul、0.145mmoles)の溶液に、KOH(0.055g、0.98mmoles)を加え、混合物を30℃で20分加熱した。混合物をセライトを通して濾過し、CH2Cl2で洗浄し、合わせた有機溶液を真空下で濃縮した。残渣を2つのシリカ分取TLCプレート上で精製し、5%MeOH/CH2Cl2/NH4OHで4回溶離して、5−[2−イソプロピル−4−メトキシ−5−(1−メチル−1H−イミダゾール−2−イル)−フェノキシ]−3,4−ジヒドロ−ピリミジン−2,4−ジアミン(0.024g、52%)を得た。質量分析:M+H:355。
実施例41:5−(2,4−ジアミノ−ピリミジン−5−イルオキシ)4−イソプロピル−2−メトキシ−N,N−ジメチル−ベンズアミド
無水ジクロロメタン(5.6mL)中の5−(2,4−ジアミノ−ピリミジン−5−イルオキシ)−4−イソプロピル−2−メトキシ−安息香酸(180mg、0.57mmol、実施例17より)の懸濁液に、TFA(0.08mL、1.14mmol)を、次に塩化チオニル(0.36mL、5.65mmol)を加えた。1時間後、反応物を濃縮した。残渣に無水ジクロロメタン(4.5mL)及びジメチルアミン(THF中2M溶液の2.84mL、5.65mmol)を加えた。2時間後、室温で撹拌し、反応物を濾過し、濃縮した。95/5/0.1〜93/7/0.1 ジクロロメタン/メタノール/水酸化アンモニウムで溶離するシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製して、5−(2,4−ジアミノ−ピリミジン−5−イルオキシ)4−イソプロピル−2−メトキシ−N,N−ジメチル−ベンズアミド(40mg、20%)を淡黄色の固体として得た、MS(M+H)=346。
ジメチルアミンの代わりにメチルアミンを使用して同様に調製して、5−(2,4−ジアミノ−ピリミジン−5−イルオキシ)−4−イソプロピル−2−メトキシ−N−メチル−ベンズアミド(23mg、15%)を淡黄色の固体として調製した、MS(M+H)=332。
実施例42:4−(2,4−ジアミノ−ピリミジン−5−イルオキシ)−2−ヨード−5−イソプロピル−フェノール
ジクロロメタン(15ml)中の1(0.21g、0.52mmole)の冷却懸濁液に、BBr3(0.26g、1.05mmole)を0℃で加えた。反応混合物を室温で16時間撹拌し、水でクエンチし、飽和NaHCO3で塩基性化した。不溶性固体を濾過により回収した。濾液を水で洗浄し、Na2SO4で乾燥し、濾過し、真空下で濃縮した。合わせた残渣及び固体をシリカゲルのフラッシュクロマトグラフィー(0.1%NH4OHを含むジクロロメタン中の3〜5%メタノール)に付して、所望の生成物(0.174g、86%)を得た M+1 387。
実施例43:5−(5−ヨード−2−イソプロピル−4−プロパ−2−イニルオキシ−フェノキシ)−ピリミジン−2,4−ジアミン
無水N,N−ジメチルホルムアミド(2mL)に溶解した4−(2,4−ジアミノ−ピリミジン−5−イルオキシ)−2−ヨード−5−イソプロピル−フェノール(200mg、0.43mmol)に、無水炭酸カリウム(414mg、3.00mmol)及びプロパルギルクロリド(0.03mL、0.43mmol)を加えた。室温で一晩撹拌した後、反応物をジクロロメタン、水及びブラインで抽出した。ジクロロメタン層を無水硫酸マグネシウムを用いて乾燥し、濃縮し、95/5/0.1 ジクロロメタン/メタノール/水酸化アンモニウムに溶離するシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製して、5−(5−ヨード−2−イソプロピル−4−プロパ−2−イニルオキシ−フェノキシ)−ピリミジン−2,4−ジアミンを白色の固体として得た(131mg、71%)、MS(M+H)=425。
実施例44:N−[2−アセチルアミノ−5−(2−イソプロピル−4−メトキシ−5−メチル−ベンジル)−ピリミジン−4−イル]−アセトアミド
無水ピリジン(1mL)に溶解する5−(2−イソプロピル−4−メトキシ−5−メチル−ベンジル)−ピリミジン−2,4−ジアミン(30mg、0.10mmol)に、塩化アセチル(0.04mL、0.44mmol)を加えた。室温で30分撹拌した後、反応物を濃縮した。残渣をジクロロメタンに溶解し、水で洗浄した。予備TLCプレート(95/5 ジクロロメタン/メタノール)を用いて濃ジクロロメタン層を精製して、N−[2−アセチルアミノ−5−(2−イソプロピル−4−メトキシ−5−メチル−ベンジル)−ピリミジン−4−イル]−アセトアミド(7mg、18%)を得た、MS(M+H)=371。
実施例45:5−(2−イソプロピル−5−イソオキサゾール−5−イル−4−メトキシ−フェノキシ)−ピリミジン−2,4−ジアミン
この実施例で使用される合成手順を、スキームQに概説する。
工程1.N’−[5−[5−(3−ジメチルアミノ−アクリロイル)−2−イソプロピル−4−メトキシ−フェノキシ]−4−(ジメチルアミノ−メチレンアミノ)−ピリミジン−2−イル]−N,N−ジメチル−ホルムアミジン
無水N,N−ジメチルホルムアミド(0.6mL)に溶解した1−[5−(2,4−ジアミノ−ピリミジン−5−イルオキシ)−4−イソプロピル−2−メトキシ−フェニル]−エタノン(100mg、0.32mmol、実施例16より)に、N,N−ジメチルホルムアミドジメチルアセタール(0.17mL、1.26mmol)を加え、反応物を114℃で一晩加熱した。反応混合物を濃縮して、N’−[5−[5−(3−ジメチルアミノ−アクリロイル)−2−イソプロピル−4−メトキシ−フェノキシ]−4−(ジメチルアミノ−メチレンアミノ)−ピリミジン−2−イル]−N,N−ジメチル−ホルムアミジンを得た。
工程2.1−[5−(2,4−ジアミノ−ピリミジン−5−イルオキシ)−4−イソプロピル−2−メトキシ−フェニル]−3−ジメチルアミノ−プロペノン
工程1のN’−[5−[5−(3−ジメチルアミノ−アクリロイル)−2−イソプロピル−4−メトキシ−フェノキシ]−4−(ジメチル−アミノ−メチレンアミノ)−ピリミジン−2−イル]−N,N−ジメチル−ホルムアミジンを、メタノール(1mL)及び水酸化アンモニウム(1mL)に溶解した。室温で5日撹拌した後、反応物を濃縮し、予備TLCプレート(92/8/0.5 ジクロロメタン/メタノール/水酸化アンモニウム)で精製して、1−[5−(2,4−ジアミノ−ピリミジン−5−イルオキシ)−4−イソプロピル−2−メトキシ−フェニル]−3−ジメチルアミノ−プロペノン(34mg、29%)を白色の固体として得た。
工程3.5−(2−イソプロピル−5−イソオキサゾール−5−イル−4−メトキシ−フェノキシ)−ピリミジン−2,4−ジアミン
メタノール(1.5mL)及び水(0.4mL)の混合物に溶解した1−[5−(2,4−ジアミノ−ピリミジン−5−イルオキシ)−4−イソプロピル−2−メトキシ−フェニル]−3−ジメチル−アミノ−プロペノン(30mg、0.08mmol)に、ヒドロキシルアミン塩酸塩(14mg、0.20mmol)を加え、反応物を1時間還流した。予備TLCプレート(92/8/0.5 ジクロロメタン/メタノール/水酸化アンモニウム)により精製して、5−(2−イソプロピル−5−イソオキサゾール−5−イル−4−メトキシ−フェノキシ)−ピリミジン−2,4−ジアミン(8mg、29%)を白色の固体として得た、MS(M+H)=342。
実施例46:5−(2−イソプロピル−4−メトキシ−5−チアゾール−5−イル−フェノキシ)−ピリミジン−2,4−ジアミン
N,N−ジメチルアセトアミド(4.8mL)に溶解した5−(5−ヨード−2−イソプロピル−4−メトキシ−フェノキシ)−ピリミジン−2,4−ジアミン(600mg、1.5mmol、実施例14、工程1より)に、酢酸カリウム(221mg、2.24mmol)、チアゾール(0.53mL、7.5mmol)及びテトラキス(トリフェニルホスホリン)パラジウム(0)(70mg、0.06mmol)を加えた。115℃で一晩加熱した後、冷却反応物をジクロロメタン(100mL)及び水(2×100mL)で抽出した。ジクロロメタン層を無水硫酸ナトリウムを用いて乾燥し、濃縮し、95/5/0.1 ジクロロメタン/メタノール/水酸化アンモニウムで溶離するシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製して、5−(2−イソプロピル−4−メトキシ−5−チアゾール−5−イル−フェノキシ)−ピリミジン−2,4−ジアミン(49mg、9%)を淡黄色の固体として得た、MS(M+H)=358。
実施例47:5−(2−イソプロピル−3−メトキシ−フェノキシ)−ピリミジン−2,4−ジアミン
この実施例で使用される合成手順を、スキームRに概説する。
工程1.2−(1−ヒドロキシ−1−メチル−エチル)−3−メトキシ−フェノール
無水THF(20mL)中の臭化メチルマグネシウム(ジエチルエーテル中3M溶液の24mL、72.2mmol)の溶液に、無水THF(40mL)中の2'−ヒドロキシ−6'−メトキシ−アセトフェノン(4g、24.1mmol)の溶液を0℃で加え、添加の間温度を11℃未満に維持した。室温で1.5時間撹拌した後、氷冷浴を使用して温度を22℃未満に維持しながら10%塩化アンモニウム(30mL)の溶液をゆっくりと加えた。水(300mL)をゆっくりと加え、反応物を酢酸エチルで2回抽出した。合わせた酢酸エチル層を水、ブラインで洗浄し、無水硫酸ナトリウムを用いて乾燥し、濃縮して、2−(1−ヒドロキシ−1−メチル−エチル)−3−メトキシ−フェノール(4.52g)を淡黄色の固体として得た。
工程2.2−イソプロピル−3−メトキシ−フェノール
酢酸(50mL)に溶解した1(上記工程1からの物質)の溶液に、10%パラジウム担持炭(500mg)、水(6mL)、及びギ酸アンモニウム(7.82g、124mmol)を加えた。1時間還流した後、反応物を冷却し、セライトを通して濾過した。セライトパッドを酢酸エチル(500mL)で洗浄した。水(300mL)を濾液に加え、固体重炭素ナトリウムを用いて混合物を塩基性化した(pH=8)。酢酸エチル層を回収し、水、ブラインで洗浄し、無水硫酸ナトリウムを用いて乾燥し、濃縮して、2−イソプロピル−3−メトキシ−フェノール(3.68g、92%)を淡黄色の固体として得た。
工程3.
上記工程3の2−イソプロピル−3−メトキシ−フェノールを使用し、続いて実施例2の工程5〜7の手順を使用して、5−(2−イソプロピル−3−メトキシ−フェノキシ)−ピリミジン−2,4−ジアミンを調製した。MS(M+H)=275。
5−(2−イソプロピル−4−メトキシ−フェノキシ)−ピリミジン−2,4−ジアミンを同様に調製した。MS(M+H)=275。
実施例48:5−(5−エタンスルホニル−2−イソプロピル−4−メトキシ−フェノキシ)−ピリミジン−2,4−ジアミン
水(20mL)中の亜硫酸ナトリウム(541mg、4.29mmol)の溶液に、5−(2,4−ジアミノ−ピリミジン−5−イルオキシ)−4−イソプロピル−2−メトキシ−ベンゼンスルホニルクロリド(400mg、1.07mmol)を加え、反応物を80℃で1時間加熱した。重炭素ナトリウム(361mg、4.29mmol 水5mLに溶解)、ジオキサン(20mL)、及びヨウ化エチル(0.10mL、1.29mmol)を加え、反応物を80℃で2時間加熱した。反応物を濃縮し、ジクロロメタン(150mL)及び水(20mL)で抽出した。無水硫酸ナトリウムを用いてジクロロメタン層を乾燥し、濃縮し、95/5/0.1 ジクロロメタン/メタノール/水酸化アンモニウムで溶離するシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製して、5−(5−エタンスルホニル−2−イソプロピル−4−メトキシ−フェノキシ)−ピリミジン−2,4−ジアミン(77mg、20%)を白色の固体として得た、MS(M+H)=367。
実施例49:5−(2−イソプロピル−4−メトキシ−5−トリフルオロメチル−フェノキシ)−ピリミジン−2,4−ジアミン
この実施例で使用される合成手順を、スキームSに概説する。
工程1.1−ヨード−4−イソプロピル−2−メトキシ−5−(トルエン−4−スルホニル)−ベンゼン
HOAc(10ml)中の2−イソプロピル−4−メトキシ−1−(トルエン−4−スルホニル)−ベンゼン(10g、31.25mmole)の溶液に、HOAc(10ml)及びH2O(5ml)中のICl(9.6g、59.26mmole)の溶液を加えた。反応混合物を室温で16時間撹拌し、飽和NaHCO3溶液で塩基性化した。水溶液をEtOAcに抽出し、それを水、ブラインで洗浄し、Na2SO4で乾燥し、濾過し、真空下で濃縮して、1−ヨード−4−イソプロピル−2−メトキシ−5−(トルエン−4−スルホニル)−ベンゼン(12.35g、89%)を得た。
工程2.1−イソプロピル−5−メトキシ−2−(トルエン−4−スルホニル)−4−トリフルオロメチル−ベンゼン
無水DMF(10ml)中の1−ヨード−4−イソプロピル−2−メトキシ−5−(トルエン−4−スルホニル)−ベンゼン(0.5g、1.12mmole)、CuI、KFの高温混合物に、ヨウ化トリフルオロメチル(0.64g、4.48mmole)を油浴温度120℃で少量ずつ30分かけて加えた。反応混合物を4時間加熱し、H2O(100ml)に注いだ。濾過により回収した不溶性固体を、塩化メチレンで粉砕し、濾過し、濃縮して、1−イソプロピル−5−メトキシ−2−(トルエン−4−スルホニル)−4−トリフルオロメチル−ベンゼン(0.45g、100%)を固体として得た。
工程3.2−イソプロピル−4−メトキシ−5−トリフルオロメチル−フェノール
MeOH(5ml)及びH2O(5ml)中の1−イソプロピル−5−メトキシ−2−(トルエン−4−スルホニル)−4−トリフルオロメチル−ベンゼン(0.40g、1.03mmole)及びNaOH(0.5g、12.5mmole)の溶液を、90℃で2時間加熱した。冷却した反応混合物を3N HClで酸性化し、塩化メチレンに抽出した。合わせた抽出物をNa2SO4で乾燥し、濾過し、濃縮して、所望の2−イソプロピル−4−メトキシ−5−トリフルオロメチル−フェノール(0.194g、81%)を油状物として得た。
工程4.5−(2−イソプロピル−4−メトキシ−5−トリフルオロメチル−フェノキシ)−ピリミジン−2,4−ジアミン
実施例2の工程5〜7の手順に従って、2−イソプロピル−4−メトキシ−5−トリフルオロメチル−フェノールを、5−(2−イソプロピル−4−メトキシ−5−トリフルオロメチル−フェノキシ)−ピリミジン−2,4−ジアミンに変換した。M+H 343。
実施例50:5−(2−イソプロピル−4−メトキシ−5−チアゾール−4−イル−フェノキシ)−ピリミジン−2,4−ジアミン
この実施例で使用される合成手順を、スキームTに概説する。
工程1.1−[4−イソプロピル−2−メトキシ−5−(トルエン−4−スルホニル)−フェニル]−エタノン
DCE(50ml)中の2−イソプロピル−4−メトキシ−1−(トルエン−4−スルホニル)−ベンゼン(5.3g、16.56mmole)の明澄な溶液に、塩化アセチル(2.0g、24.84mmole)及びAlCl3(3.3g、24.84mmole)を室温で加えた。反応混合物を室温で16時間撹拌し、H2O(10ml)によりクエンチした。クエンチして10分後、水溶液をCH2Cl2に抽出した。合わせた抽出物をH2Oで洗浄し、Na2SO4で乾燥し、濾過し、濃縮した。シリカゲルのフラッシュクロマトグラフィー(Hex中0〜30%EtOAc)に付し、1−[4−イソプロピル−2−メトキシ−5−(トルエン−4−スルホニル)−フェニル]−エタノン(4.7g、79%)を白色の固体として得た。
工程2.2−ブロモ−1−[4−イソプロピル−2−メトキシ−5−(トルエン−4−スルホニル)−フェニル]−エタノン
EtOAc(1ml)中のCuBr2(0.25g、1.10mmole)の高温混合物に、CH3Cl(1ml)中の1−[4−イソプロピル−2−メトキシ−5−(トルエン−4−スルホニル)−フェニル]−エタノン(0.2g、0.55mmole)の溶液を加えた。反応混合物を16時間還流し、濾過し、濃縮して、2−ブロモ−1−[4−イソプロピル−2−メトキシ−5−(トルエン−4−スルホニル)−フェニル]−エタノン(0.23g、95%)を油状物として得た。
工程3.4−[4−イソプロピル−2−メトキシ−5−(トルエン−4−スルホニル)−フェニル]−チアゾール
無水ジオキサン(5ml)中の2−ブロモ−1−[4−イソプロピル−2−メトキシ−5−(トルエン−4−スルホニル)−フェニル]−エタノン(0.23g、0.51mmole)の溶液に、Na2CO3(1.1g、10.12mmole)及びチオアミド(5ml、0.31g、5.06mmole)を加えた。反応混合物を3時間還流し、H2Oと塩化メチレンに分配した。合わせた有機抽出物をNa2SO4で乾燥し、濾過し、濃縮した。シリカのフラッシュクロマトグラフィー(Hex中30%EtOAc)に付して、4−[4−イソプロピル−2−メトキシ−5−(トルエン−4−スルホニル)−フェニル]−チアゾール(0.19g、95%)を油状物として得た。
工程4.2−イソプロピル−4−メトキシ−5−チアゾール−4−イル−フェノール
無水MeOH(10ml)中の4−[4−イソプロピル−2−メトキシ−5−(トルエン−4−スルホニル)−フェニル]−チアゾール(1.0g、2.27mmole)及びK2CO3(1.6g、11.34mmole)の混合物を8時間還流した。溶媒を真空下で除去し、残渣を塩化メチレン及び水に分配した。合わせた有機抽出物をNa2SO4で乾燥し、濾過し、濃縮して、2−イソプロピル−4−メトキシ−5−チアゾール−4−イル−フェノールを得た。
工程5.(2−イソプロピル−4−メトキシ−5−チアゾール−4−イル−フェノキシ)−アセトニトリル
工程4の粗2−イソプロピル−4−メトキシ−5−チアゾール−4−イル−フェノール及び無水アセトニトリル(30ml)中のK2CO3(0.94g、6.81mmole)と一緒になったブロモアセトニトリル(0.33g、2.72mmole)を、60℃で3時間加熱した。反応混合物をEtOAc及び水に分配した。合わせた有機抽出物をNa2SO4で乾燥し、濾過し、濃縮した。シリカのフラッシュクロマトグラフィー(ヘキサン中10〜20%EtOAc)に付して、(2−イソプロピル−4−メトキシ−5−チアゾール−4−イル−フェノキシ)−アセトニトリル(0.47g、72%)を油状物として得た。
工程6.5−(2−イソプロピル−4−メトキシ−5−チアゾール−4−イル−フェノキシ)−ピリミジン−2,4−ジアミン
(2−イソプロピル−4−メトキシ−5−チアゾール−4−イル−フェノキシ)−アセトニトリル(0.27g、0.94mmole)及びBrederick試薬(0.35g、2.01mmole)の混合物を、100℃で2時間加熱した。過剰Brederick試薬を減圧下で除去した。残渣を無水EtOH(10ml)に溶解し、アニリンHCl(0.38g、2.93mmole)を加えた。反応混合物を80℃で18時間加熱し、EtOAcと水に分配した。合わせた有機抽出物をNa2SO4で乾燥し、濾過し、濃縮した。グアニジン炭酸塩(0.27g、1.49mmole)及びNMP(10ml)を加え、120℃に10時間加熱した。反応混合物を水に注ぎ、EtOAcに抽出した。合わせた有機抽出物をNa2SO4で乾燥し、濾過し、濃縮した。シリカのフラッシュクロマトグラフィー(0.1%NH4OHを含む塩化メチレン中3%MeOH)に付して、5−(2−イソプロピル−4−メトキシ−5−チアゾール−4−イル−フェノキシ)−ピリミジン−2,4−ジアミン(0.15g、68%)を固体として得た。M+H 358。
実施例51:5−[5−(N’−アリリデン−ヒドラジノメチル)−2−イソプロピル−4−メトキシ−フェノキシ]−ピリミジン−2,4−ジアミン
EtOH(6ml)中の1−[5−(2,4−ジアミノ−ピリミジン−5−イルオキシ)−4−イソプロピル−2−メトキシ−フェニル]−3−ジメチルアミノ−プロペノン(0.25g、0.67mmole)の溶液に、ヒドラジン水和物(0.076g、1.2mmole)を加えた。反応混合物を室温で16時間撹拌し、濃縮した。EtOH/EtOAc中の粗残渣を再結晶化して、5−[5−(N’−アリリデン−ヒドラジノメチル)−2−イソプロピル−4−メトキシ−フェノキシ]−ピリミジン−2,4−ジアミン(0.228g、100%)を得た。M+H 341。
実施例52:2−[4−(2,4−ジアミノ−ピリミジン−5−イルオキシ)−2−ヨード−5−イソプロピル−フェノキシ]−エタノール
工程1.5−[5−ヨード−2−イソプロピル−4−(2−トリメチルシラニルオキシ−エトキシ)−フェノキシ]−ピリミジン−2,4−ジアミン
無水DMF(5ml)中の4−(2,4−ジアミノ−ピリミジン−5−イルオキシ)−2−ヨード−5−イソプロピル−フェノール(0.3g、0.78mmole)、(2−ブロモエトキシ)−tert−ブチル−ジメチルシラン(0.28g、1.17mmole)、及びK2CO3(0.22g、1.56mmole)の混合物を、50℃で16時間加熱した。溶媒を真空下で除去した。残渣を塩化メチレンと水に分配した。合わせた有機抽出物を水で洗浄し、Na2SO4で乾燥し、濾過し、濃縮した。シリカのフラッシュクロマトグラフィー(0.1%NH4OHを含む塩化メチレン中の3%MeOH)に付して、5−[5−ヨード−2−イソプロピル−4−(2−トリメチルシラニルオキシ−エトキシ)−フェノキシ]−ピリミジン−2,4−ジアミン(0.38g、90%)を固体として得た。
工程2.2−[4−(2,4−ジアミノ−ピリミジン−5−イルオキシ)−2−ヨード−5−イソプロピル−フェノキシ]−エタノール
3:1:1.95mlの割合のHOAc/THF/H2Oの溶液中の5−[5−ヨード−2−イソプロピル−4−(2−トリメチルシラニルオキシ−エトキシ)−フェノキシ]−ピリミジン−2,4−ジアミン(0.38g、0.69mmole)を、65℃で16時間加熱した。反応混合物のpHをpH=9に調整し、塩化メチレンに抽出した。合わせた抽出物をNa2SO4で乾燥し、濾過し、濃縮した。シリカのフラッシュクロマトグラフィー(0.1%NH4OHを含む塩化メチレン中5%MeOH)に付して、2−[4−(2,4−ジアミノ−ピリミジン−5−イルオキシ)−2−ヨード−5−イソプロピル−フェノキシ]−エタノール(0.25g、86%)を白色の固体として得た。M+H 431。
実施例53:5−(4−アミノ−2−エチルアミノ−ピリミジン−5−イルオキシ)−4−イソプロピル−2−メトキシ−ベンズアミド
工程1.5−(4−アミノ−2−エチルアミノ−ピリミジン−5−イルオキシ)−4−イソプロピル−2−メトキシ−ベンゾニトリル
無水DMF(10ml)中のN*2*−エチル−5−(5−ヨード−2−イソプロピル−4−メトキシ−フェノキシ)−ピリミジン−2,4−ジアミン(1.65g、4.12mmole)の溶液に、CuCNを加え、反応混合物を120℃に3時間加熱した。反応混合物を水(200ml)に注ぎ、不溶性部分を濾過により回収した。固体を10%MeOH/塩化メチレン/0.1%NH4OH溶液(100ml)で粉砕し、再び濾過した。濾液を濃縮し、シリカのフラッシュクロマトグラフィー(0.1%NH4OHを含む塩化メチレン中の3%MeOH)に付して、5−(4−アミノ−2−エチルアミノ−ピリミジン−5−イルオキシ)−4−イソプロピル−2−メトキシ−ベンゾニトリル(0.87g、71%)を白色の固体として得た。
工程2.5−(4−アミノ−2−エチルアミノ−ピリミジン−5−イルオキシ)−4−イソプロピル−2−メトキシ−ベンズアミド
EtOH/H2O(1:1、10ml)中の5−(4−アミノ−2−エチルアミノ−ピリミジン−5−イルオキシ)−4−イソプロピル−2−メトキシ−ベンゾニトリル(0.3g、0.92mmole)の溶液に、H2O(1ml)中のNaOH(0.37g、9.17mmole)の溶液を加えた。反応混合物を100℃で24時間加熱し、3N HClで中性化した。エタノールを真空下で除去し、残留水溶液を塩化メチレンに抽出した。合わせた抽出物を水で洗浄し、Na2SO4で乾燥し、濾過し、濃縮した。シリカゲルのフラッシュクロマトグラフィー(ヘキサン中3〜8%EtOAc)に付して、5−(4−アミノ−2−エチルアミノ−ピリミジン−5−イルオキシ)−4−イソプロピル−2−メトキシ−ベンズアミド(0.086g、27%)を白色の固体として得た。M+H 346。
実施例54:N*2*−エチル−5−(2−イソプロピル−5−メタンスルホニル−4−メトキシ−フェノキシ)−ピリミジン−2,4−ジアミン
N*2*−エチル−5−(2−イソプロピル−4−メトキシ−フェノキシ)−ピリミジン−2,4−ジアミン(0.30g、0.99mmole)、メタンスルホン酸無水物(1.0g、5.96mmole)及びトリフルオロメタンスルホン酸(0.37g、2.48mmole)の混合物を、70℃で2時間加熱した。高温反応混合物を氷水に注ぎ、飽和NaHCO3溶液で塩基性化した。次に水溶液を塩化メチレンに抽出した。合わせた有機抽出物をH2Oで洗浄し、Na2SO4で乾燥し、濾過し、濃縮した。シリカのフラッシュクロマトグラフィー(1%NH4OHを含む塩化メチレン中1%MeOH)に付して、N*2*−エチル−5−(2−イソプロピル−5−メタンスルホニル−4−メトキシ−フェノキシ)−ピリミジン−2,4−ジアミン(87mg、23%)を固体として得た。
M+H 381。
実施例55:5−(2−イソプロピル−4−メトキシ−5−オキサゾール−4−イル−フェノキシ)−ピリミジン−2,4−ジアミン
工程1.2−ブロモ−1−[4−イソプロピル−2−メトキシ−5−(トルエン−4−スルホニル)−フェニル]−エタノン
無水DMF(3ml)中の2−ブロモ−1−[4−イソプロピル−2−メトキシ−5−(トルエン−4−スルホニル)−フェニル]−エタノン(0.2g、0.45mmole)及びギ酸ナトリウム(0.040g、0.60mmole)の混合物を、室温で16時間撹拌した。反応混合物をH2Oに注ぎ、EtOAcに抽出した。合わせた有機抽出物をNa2SO4で乾燥し、濾過し、濃縮して、2−ブロモ−1−[4−イソプロピル−2−メトキシ−5−(トルエン−4−スルホニル)−フェニル]−エタノンを得た。
工程2.4−[4−イソプロピル−2−メトキシ−5−(トルエン−4−スルホニル)−フェニル]−オキサゾール
HOAc(5ml)中の上記の粗2−ブロモ−1−[4−イソプロピル−2−メトキシ−5−(トルエン−4−スルホニル)−フェニル]−エタノン及び酢酸アンモニウム(0.17g、2.25mmole)の溶液を、100℃で2時間加熱した。反応混合物を塩化メチレンと飽和NaHCO3溶液に分配した。合わせた有機抽出物をNa2SO4で乾燥し、濾過し、濃縮した。シリカのフラッシュクロマトグラフィー(Hex中30〜50%EtOAc)に付して、4−[4−イソプロピル−2−メトキシ−5−(トルエン−4−スルホニル)−フェニル]−オキサゾール(25mg、14%)を白色の固体として得た。
工程3.5−(2−イソプロピル−4−メトキシ−5−オキサゾール−4−イル−フェノキシ)−ピリミジン−2,4−ジアミン
4−[4−イソプロピル−2−メトキシ−5−(トルエン−4−スルホニル)−フェニル]−オキサゾールを、実施例49の工程4〜6の手順を使用して、5−(2−イソプロピル−4−メトキシ−5−オキサゾール−4−イル−フェノキシ)−ピリミジン−2,4−ジアミンに変換した。M+H=342。
実施例56:5−(2−イソプロピル−4−メトキシ−5−チアゾール−2−イル−フェノキシ)−ピリミジン−2,4−ジアミン
工程1.5−(2,4−ジアミノ−ピリミジン−5−イルオキシ)−4−イソプロピル−2−メトキシ−チオベンズアミド
無水THF(20ml)中の5−(2,4−ジアミノ−ピリミジン−5−イルオキシ)−4−イソプロピル−2−メトキシ−ベンズアミド(0.25g、0.79mmole、実施例52の手順に従って調製)及びLawesson試薬(0.96g、2.37mmole)の混合物を、室温で16時間撹拌し、真空下で濃縮した。シリカのフラッシュクロマトグラフィー(1%NH4OHを含む塩化メチレン中の5%CH3OH)に付して、5−(2,4−ジアミノ−ピリミジン−5−イルオキシ)−4−イソプロピル−2−メトキシ−チオベンズアミド(0.201g、76%)を黄色の固体として得た。
工程2.5−(2−イソプロピル−4−メトキシ−5−チアゾール−2−イル−フェノキシ)−ピリミジン−2,4−ジアミン
HOAc(5ml)中の5−(2,4−ジアミノ−ピリミジン−5−イルオキシ)−4−イソプロピル−2−メトキシ−チオベンズアミド(0.23g、0.69mmole)の溶液に、ブロモアセトアルデヒドジエチルアセタール(0.18g、0.9mmole)及びTsOH(5mg)を触媒として加えた。反応混合物を110℃で16時間加熱し、飽和NaHCO3溶液で塩基性化した。水溶液を塩化メチレンに抽出した。合わせた有機抽出物をNa2SO4で乾燥し、濾過し、濃縮した。シリカのフラッシュクロマトグラフィー(1%NH4OHを含む塩化メチレン中の5%MeOH)に付して、5−(2−イソプロピル−4−メトキシ−5−チアゾール−2−イル−フェノキシ)−ピリミジン−2,4−ジアミン(0.070g、28%)を黄色の固体として得た。M+H=358。
実施例57:5−(4−エトキシ−5−ヨード−2−イソプロピル−フェノキシ)−ピリミジン−2,4−ジアミン
無水DMF(2ml)中の4−(2,4−ジアミノ−ピリミジン−5−イルオキシ)−2−ヨード−5−イソプロピル−フェノール(0.2g、0.52mmole)の溶液に、EtBr(57mg、0.52mmole)を少量ずつ加えた。反応混合物をEtOAcとH2Oに分配した。有機抽出物をNa2SO4で乾燥し、濾過し、濃縮した。シリカのフラッシュクロマトグラフィー(1%NH4OHを含む塩化メチレン中の3%MeOH)に付して、5−(4−エトキシ−5−ヨード−2−イソプロピル−フェノキシ)−ピリミジン−2,4−ジアミン(0.17g、28%)を黄色の固体として得た。M+H=415。
実施例58:5−(2−イソプロピル−4−メトキシ−5−[1,2,4]オキサジアゾル−3−イル−フェノキシ)−ピリミジン−2,4−ジアミン
この実施例で使用される合成手順を、スキームUに概説する。
スキームU
この実施例の工程1で使用した5−(2,4−ジアミノ−ピリミジン−5−イルオキシ)−4−イソプロピル−2−メトキシ−ベンゾニトリルを、スキーム1に記載したように調製した。
工程1:5−(2,4−ジアミノ−ピリミジン−5−イルオキシ)−N−ヒドロキシ−4−イソプロピル−2−メトキシ−ベンズアミジン
この工程で実施されたベンズアミジン化は、Meyer et al., Synthesis 6:899-905(2003) により報告された手順に従う。エタノール(1.4ml)及び水(0.3ml)中のヒドロキシルアミン塩酸塩(0.099g、1.43mmol)及び炭酸水素ナトリウム(0.119g、1.42mmol)の撹拌混合物に、5−(2,4−ジアミノ−ピリミジン−5−イルオキシ)−4−イソプロピル−2−メトキシ−ベンゾニトリル(0.385g、1.29mmol)を加え、混合物を5時間加熱還流した。ヒドロキシルアミン塩酸塩(0.049g、0.71mmol)及び炭酸水素ナトリウム(0.060g、0.71mmol)の第2の部分を加えた。更に2時間後、混合物を冷却し、真空下で濃縮し、次に水(10ml)で希釈し、酢酸エチルで抽出した。合わせた有機抽出物をブラインで洗浄し、次に乾燥(MgSO4)し、濾過し、真空下で濃縮して、5−(2,4−ジアミノ−ピリミジン−5−イルオキシ)−N−ヒドロキシ−4−イソプロピル−2−メトキシ−ベンズアミジン(355mg)を黄色の泡状物として得た。この物質を更に精製しないで直接使用した。
工程2:N−[2−アミノ−5−(2−イソプロピル−4−メトキシ−5−[1,2,4]オキサジアゾル−3−イル−フェノキシ)−ピリミジン−4−イル]ホルムアミド、N−[4−アミノ−5−(2−イソプロピル−4−メトキシ−5−[1,2,4]オキサジアゾル−3−イル−フェノキシ)−ピリミジン−2−イル]ホルムアミド及びN−[4−ホルミルアミノ−5−(2−イソプロピル−4−メトキシ−5−[1,2,4]オキサジアゾル−3−イル−フェノキシ)−ピリミジン−2−イル]−ホルムアミド
この工程で実施されたホルミル化反応は、Kitamura et al., Chem. Pharm. Bull. 49:268-277(2001)により報告された手順に従う。こうして、トリメチルオルトギ酸(1.12g、10.5mmol)中の5−(2,4−ジアミノ−ピリミジン−5−イルオキシ)−N−ヒドロキシ−4−イソプロピル−2−メトキシ−ベンズアミジン(0.350g、1.05mmol)の懸濁液に、三フッ化ホウ素ジエチルエーテラート(1滴)を窒素下で室温にて加え、次に混合物を1.5時間加熱還流した。得られた混合物を冷却し、ジクロロメタン(60ml)で希釈し、次に水(20ml)、ブライン(20ml)で洗浄し、次に乾燥(MgSO4)し、濾過し、真空下で濃縮して、N−[2−アミノ−5−(2−イソプロピル−4−メトキシ−5−[1,2,4]オキサジアゾル−3−イル−フェノキシ)−ピリミジン−4−イル]ホルムアミド、N−[4−アミノ−5−(2−イソプロピル−4−メトキシ−5−[1,2,4]オキサジアゾル−3−イル−フェノキシ)−ピリミジン−2−イル]ホルムアミド及びN−[4−ホルミルアミノ−5−(2−イソプロピル−4−メトキシ−5−[1,2,4]オキサジアゾル−3−イル−フェノキシ)−ピリミジン−2−イル]−ホルムアミドの混合物を黄色の固体として得た(260mg)。この物質を更に精製しないで直接使用した。
工程3:5−(2−イソプロピル−4−メトキシ−5−[1,2,4]オキサジアゾル−3−イル−フェノキシ)−ピリミジン−2,4−ジアミン
TFA(10mL)中のN−[2−アミノ−5−(2−イソプロピル−4−メトキシ−5−[1,2,4]オキサジアゾル−3−イル−フェノキシ)−ピリミジン−4−イル]ホルムアミド、N−[4−アミノ−5−(2−イソプロピル−4−メトキシ−5−[1,2,4]オキサジアゾル−3−イル−フェノキシ)−ピリミジン−2−イル]ホルムアミド及びN−[4−ホルミルアミノ−5−(2−イソプロピル−4−メトキシ−5−[1,2,4]オキサジアゾル−3−イル−フェノキシ)−ピリミジン−2−イル]−ホルムアミド(0.164g)の混合物を24時間、加熱還流した。次に混合物を冷却し、真空下で濃縮した。残渣をフラッシュクロマトグラフィー(ジクロロメタン中0〜5%メタノール)で精製して、5−(2−イソプロピル−4−メトキシ−5−[1,2,4]オキサジアゾル−3−イル−フェノキシ)−ピリミジン−2,4−ジアミン76mgをそのトリフルオロ酢酸塩として得た。
実施例59:5−(6−イソプロピル−4−メチル−3,4−ジヒドロ−2H−ベンゾ[1,4]オキサジン−7−イルオキシ)−ピリミジン−2,4−ジアミン
この実施例で使用される合成手順を、スキームVに概説する。
工程1.2−クロロ−N−(2,4−ジメトキシ−フェニル)−アセトアミド
塩化メチレン600mL中の2,4−ジメトキシアニリン(30.6g、0.2mol)、トリエチルアミン(27.9mL、0.2mol)の混合物を、窒素下で0℃にて撹拌した。クロロアセチルクロリド(16mL、0.2mol)を滴下により加え、反応混合物を0℃で15分撹拌し、次に更に2時間撹拌し、その間に反応混合物を室温に温めた。反応物を1N HCl、続いて飽和重炭素ナトリウム水溶液を加えてクエンチした。水性混合物をEtOAcで分配し、有機相を分離し、乾燥(MgSO4)し、濾過し、減圧下で蒸発して、粗2−クロロ−N−(2,4−ジメトキシ−フェニル)−アセトアミド45.58gを得た。MS(M+H)=230。
工程2.2−クロロ−N−(2−ヒドロキシ−4−メトキシ−フェニル)−アセトアミド
2−クロロ−N−(2,4−ジメトキシ−フェニル)−アセトアミド(45.8g、0.2mol)を塩化メチレン1000mLに溶解し、反応混合物を窒素下で0℃にて撹拌した。三塩化アルミニウム(78.9g、0.6mol)を少量ずつ30分かけて加え、反応混合物を17時間室温で撹拌した。反応混合物を減圧下で200mL容量に濃縮して、次に氷に注いだ。固体を濾過により除去し、液体をEtOAcに取り、ブラインで洗浄し、乾燥(MgSO4)し、濾過し、減圧下で蒸発して、2−クロロ−N−(2−ヒドロキシ−4−メトキシ−フェニル)−アセトアミド39.67gを得た。MS(M+H)=216。
工程3.7−メトキシ−4H−ベンゾ[1,4]オキサジン−3−オン
2−クロロ−N−(2−ヒドロキシ−4−メトキシ−フェニル)−アセトアミド(390.0g、0.18mol)及び粉末炭酸カリウム(27.6g、0.2mol)をアセトン1000mLに加え、反応混合物を窒素下で8時間還流した。反応混合物を冷却し、固体を濾過により除去し、液体を減圧下で濃縮して、粗7−メトキシ−4H−ベンゾ[1,4]オキサジン−3−オン32.56gを得た。(M+H)=180。
工程4.7−メトキシ−4−メチル−4H−ベンゾ[1,4]オキサジン−3−オン
乾燥DMF 100mL中の7−メトキシ−4H−ベンゾ[1,4]オキサジン−3−オン(11.61g、0.065mol)を窒素下で0℃にて撹拌した。水素化ナトリウム(60%、2.85g、0.0713mol)を少量ずつ30分かけて加え、その後ヨウ化メチル(4.44mL、0.071mol)を滴下により加えた。反応混合物を0℃で2.5時間撹拌し、次に水1400mLに注いだ。得られた水性混合物をEtOAc 400mLで4回抽出し、合わせた有機層を水、次にブラインで洗浄し、乾燥(MgSO4)し、濾過し、減圧下で蒸発して、7−メトキシ−4−メチル−4H−ベンゾ[1,4]オキサジン−3−オン13.07gを得た。(M+H)=194。
工程5.7−メトキシ−4−メチル−3,4−ジヒドロ−2H−ベンゾ[1,4]オキサジン
7−メトキシ−4−メチル−4H−ベンゾ[1,4]オキサジン−3−オン(13.07g、0.68mol)を乾燥THF 100mLに加え、反応混合物を窒素下で還流した。ボラン−ジメチルスルフィド(13.6mL、0.136mol)を1時間かけて滴下により加え、反応混合物を2時間還流した。反応混合物を冷却し、次に10%HCl水溶液50mLを加えてクエンチした。沈殿物を濾過により除去し、液体を減圧下で濃縮して、7−メトキシ−4−メチル−3,4−ジヒドロ−2H−ベンゾ[1,4]オキサジン11.17gを得た。(M+H)=180。
工程6.1−(7−メトキシ−4−メチル−3,4−ジヒドロ−2H−ベンゾ[1,4]オキサジン−6−イル)−エタノン
1,2−ジクロロエタン400mL中の7−メトキシ−4−メチル−3,4−ジヒドロ−2H−ベンゾ[1,4]オキサジン(11.17g、0.625mol)を窒素下で0℃にて撹拌した。三塩化アルミニウム(8.3g、0.625mol)を少量ずつ加え、続いて塩化アセチル(4.9mL、0.678mol)を滴下により加えた。反応混合物を0℃で2.5時間撹拌した。三塩化アルミニウム(3g)を加え、反応混合物を室温で24時間撹拌した。反応混合物を氷に注ぎ、3N HCl 550mLを加えた。水性混合物を塩化メチレンで抽出し、合わせた有機層を乾燥(MgSO4)し、濾過し、減圧下で蒸発して、1−(7−メトキシ−4−メチル−3,4−ジヒドロ−2H−ベンゾ[1,4]オキサジン−6−イル)−エタノン10.48gを得た。(M+H)=222。
工程7.6−イソプロピル−7−メトキシ−4−メチル−3,4−ジヒドロ−2H−ベンゾ[1,4]オキサジン
1−(7−メトキシ−4−メチル−3,4−ジヒドロ−2H−ベンゾ[1,4]オキサジン−6−イル)−エタノン(10.48g、0.473mol)を乾燥THF 25mLに溶解し、反応混合物を窒素下で0℃にて撹拌した。臭化メチルマグネシウム(Et2O中3M溶液の22mL、0.15mol)を滴下により加え、反応混合物を0℃で2時間撹拌した。反応物を10%塩化アンモニウム水溶液50mL、続いて水を滴下により加えてクエンチした。水性混合物をEtOAcで抽出し、合わせた有機層を乾燥(MgSO4)し、濾過し、減圧下で蒸発した。残渣を酢酸95mLに取り、反応混合物を窒素下で室温にて撹拌した。ギ酸アンモニウム(14.92g)及び10%パラジウム担持活性炭(1.0g)を加え、反応混合物を120℃に3時間加熱した。反応混合物を冷却し、固体を濾過により除去し、濾液を水で希釈し、固体重炭素ナトリウムを加えて中性化した。得られた水溶液をEtOAcで抽出し、合わせた有機層を乾燥(MgSO4)し、濾過し、減圧下で蒸発して、6−イソプロピル−7−メトキシ−4−メチル−3,4−ジヒドロ−2H−ベンゾ[1,4]オキサジン9.97gを得た。
工程8.5−(6−イソプロピル−4−メチル−3,4−ジヒドロ−2H−ベンゾ[1,4]オキサジン−7−イルオキシ)−ピリミジン−2,4−ジアミン
6−イソプロピル−7−メトキシ−4−メチル−3,4−ジヒドロ−2H−ベンゾ[1,4]オキサジン(2.21g、0.01mol)を塩化メチレン20mLに溶解し、反応混合物を−65℃に冷却した。三臭化ホウ素(塩化メチレン中の1M溶液の12mL、0.012mol)を15分かけて滴下により加え、反応混合物を5.5時間撹拌し、その間に反応混合物を0℃に温めた。次に反応混合物を室温で24時間撹拌した。反応混合物を0℃に冷却し、メタノールを発熱が停止するまでゆっくりと加えた。反応混合物を水と塩化メチレンに分配し、有機相を乾燥(MgSO4)し、濾過し、減圧下で蒸発して、5−(6−イソプロピル−4−メチル−3,4−ジヒドロ−2H−ベンゾ[1,4]オキサジン−7−イルオキシ)−ピリミジン−2,4−ジアミン1.38gを得た。(M+H)=208。
工程9.5−(6−イソプロピル−4−メチル−3,4−ジヒドロ−2H−ベンゾ[1,4]オキサジン−7−イルオキシ)−ピリミジン−2,4−ジアミン
5−(6−イソプロピル−4−メチル−3,4−ジヒドロ−2H−ベンゾ[1,4]オキサジン−7−イルオキシ)−ピリミジン−2,4−ジアミンを、実施例49の工程4〜6の手順を使用して、5−(6−イソプロピル−4−メチル−3,4−ジヒドロ−2H−ベンゾ[1,4]オキサジン−7−イルオキシ)−ピリミジン−2,4−ジアミンに変換した。(M+H)=316。融点=167.3〜170.1℃。
実施例60:5−(5−フラン−2−イル−2−イソプロピル−4−メトキシ−フェノキシ)−ピリミジン−2,4−ジアミン
5−(5−ヨード−2−イソプロピル−4−メトキシ−フェノキシ)−ピリミジン−2,4−ジアミン(400mg、1mmol)、フラン2−ボロン酸(285mg、1.5mmol)及びPd(Ph3)2Cl2(50mg)をネジキャップ耐圧フラスコ中の脱気ジオキサン13mLに取った。重炭素ナトリウム(2M水溶液2mL)を加え、反応混合物を105℃に40時間加熱した。反応混合物を冷却し、水と酢酸エチルに分配した。有機相を分離し、乾燥(MgSO4)し、濾過し、減圧下で蒸発した。残渣をフラッシュクロマトグラフィー(1%水酸化アンモニウムを含む塩化メチレン中の3%〜5%MeOH)で精製して、5−(5−フラン−2−イル−2−イソプロピル−4−メトキシ−フェノキシ)−ピリミジン−2,4−ジアミン53mgを得た。(M+H)=339。融点=253.7〜254.6℃。
実施例61:5−(5−フラン−2−イル−2−イソプロピル−4−メトキシ−フェノキシ)−ピリミジン−2,4−ジアミン
5−(5−ヨード−2−イソプロピル−4−メトキシ−フェノキシ)−ピリミジン−2,4−ジアミン(400mg、1.0mmol)、酢酸カリウム(147mg)、Pd(Ph3)2Cl2(ジメチルアセトアミド2mL中40mg)及びチアゾールをネジキャップ耐圧容器に加え、155℃に40時間加熱した。反応混合物を冷却し、水と酢酸エチルに分配した。有機相を分離し、乾燥(MgSO4)し、濾過し、減圧下で蒸発した。残渣をフラッシュクロマトグラフィー(1%水酸化アンモニウムを含む塩化メチレン中の3%〜5%MeOH)で精製して、5−(5−フラン−2−イル−2−イソプロピル−4−メトキシ−フェノキシ)−ピリミジン−2,4−ジアミン61mgを得た。(M+H)=356。融点=199.1〜203.3℃。
実施例62:5−[2−イソプロピル−5−(4−メタンスルホニル−ピペラジン−1−イル)−4−メトキシ−フェノキシ]−ピリミジン−2,4−ジアミン
工程1.1−[4−(4−ベンジル−ピペラジン−1−イル)−2−ヒドロキシ−5−メトキシ−フェニル]−エタノン
DMF 3mL中の1−(2−ベンジルオキシ−4−フルオロ−5−メトキシ−フェニル)−エタノン(4.25g、15.5mmol)の溶液に、1−ベンジル−ピペラジン(5.4mo、30.9mmol)及び炭酸カリウム(4.28g、30.9mmol)を加えた。反応混合物を窒素下で130〜140℃に18時間加熱した。反応混合物を室温に冷却し、氷水に注ぎ、EtOAcで抽出した。合わせた有機層をブラインで洗浄し、乾燥(MgSO4)し、濾過し、減圧下で蒸発した。得られた残渣をシリカゲルのフラッシュクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル 8.5:1.5)で精製して、1−[4−(4−ベンジル−ピペラジン−1−イル)−2−ヒドロキシ−5−メトキシ−フェニル]−エタノン4.5g(73%)を固体として得た。融点=90〜92℃。
工程2.2−[2−ベンジルオキシ−4−(4−ベンジル−ピペラジン−1−イル)−5−メトキシ−フェニル]−プロパン−2−オール
1−[4−(4−ベンジル−ピペラジン−1−イル)−2−ヒドロキシ−5−メトキシ−フェニル]−エタノン(4.25g、11.3mmol)を乾燥THF 100mLに溶解し、得られた溶液を0℃に冷却し、窒素下で撹拌した。臭化メチルマグネシウム(5.6mL、16.9mmol)を滴下により加え、反応混合物を0℃で30分撹拌した。反応混合物を室温で更に12時間撹拌し、次に氷水に注ぎ、EtOAcで抽出した。合わせた有機層を飽和塩化アンモニウム水溶液で洗浄し、乾燥(MgSO4)し、濾過し、減圧下で蒸発した。得られた残渣をシリカゲルのフラッシュクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル 8:2)で精製して、2−[2−ベンジルオキシ−4−(4−ベンジル−ピペラジン−1−イル)−5−メトキシ−フェニル]−プロパン−2−オール4.73g(94%)を固体として得た。融点=94〜96℃。
工程3.2−(1−ヒドロキシ−1−メチル−エチル)−4−メトキシ−5−ピペラジン−1−イル−フェノール
EtOH(60mL)中の2−[2−ベンジルオキシ−4−(4−ベンジル−ピペラジン−1−イル)−5−メトキシ−フェニル]−プロパン−2−オール(2.01g、4.5mmol)10%Pd/C(0.28g)の混合物を、50psiで室温にて12時間水素化した。反応混合物を濾過して溶媒を除去し、濾液を減圧下で濃縮して、2−(1−ヒドロキシ−1−メチル−エチル)−4−メトキシ−5−ピペラジン−1−イル−フェノール1.1g(92%)を得た。
工程4.2−イソプロピル−4−メトキシ−5−ピペラジン−1−イル−フェノール
ジクロロメタン中の2−(1−ヒドロキシ−1−メチル−エチル)−4−メトキシ−5−ピペラジン−1−イル−フェノール(0.5g、1.9mmol)の撹拌した懸濁液に、TFA(7.2mL、93.86mmol)を、続いてトリエチルシラン(3.0mL、18.8mmol)を窒素下で室温にて加えた。反応混合物を室温で18時間撹拌し、次に減圧下で蒸発した。残渣をジクロロメタンと飽和炭酸カリウム水溶液に分配した。有機層を分離し、水で洗浄し、乾燥(MgSO4)し、濾過し、減圧下で蒸発して、2−イソプロピル−4−メトキシ−5−ピペラジン−1−イル−フェノール0.47g(99%)を油状物として得た。
工程5.2−イソプロピル−5−(4−メタンスルホニル−ピペラジン−1−イル)−4−メトキシ−フェノール
ジクロロメタン中の2−イソプロピル−4−メトキシ−5−ピペラジン−1−イル−フェノール(0.47g、1.88mmol)の撹拌した溶液に、トリエチルアミン(0.26mL、1.89mmol)を、続いてメタンスルホニルクロリド(0.15mL、1.89mmol)を窒素下で0℃にて加えた。反応混合物を0℃で5分撹拌し、次に室温に温めた。反応混合物をジクロロメタン及び水に分配し、有機層を分離し、水で洗浄し、乾燥(MgSO4)し、濾過し、減圧下で蒸発した。残渣をフラッシュクロマトグラフィー(ヘキサン:EtOAc 3:2)により精製して、2−イソプロピル−5−(4−メタンスルホニル−ピペラジン−1−イル)−4−メトキシ−フェノール0.1g(16%)を油状物として得た。
工程6.5−[2−イソプロピル−5−(4−メタンスルホニル−ピペラジン−1−イル)−4−メトキシ−フェノキシ]−ピリミジン−2,4−ジアミン
2−イソプロピル−5−(4−メタンスルホニル−ピペラジン−1−イル)−4−メトキシ−フェノールを、実施例49の工程4〜6の手順を使用して、5−[2−イソプロピル−5−(4−メタンスルホニル−ピペラジン−1−イル)−4−メトキシ−フェノキシ]−ピリミジン−2,4−ジアミンに変換した。(M+H)=437。融点=115〜117℃。
実施例63:5−(4−エチル−7−メチル−ベンゾ[b]チオフェン−5−イルオキシ)−ピリミジン−2,4−ジアミン
この実施例で使用される合成手順を、スキームXに概説する。
工程1:N−メトキシ−N−メチル−ブチルアミド
ピリジン(100mL)を0℃に冷却し、N,O−ジメチルヒドロキシルアミン塩酸塩(20.14g、206mmol)を撹拌しながら加えた。この溶液を10分間撹拌し、次に塩化メチレン50mlに溶解したブチリルクロリド(19.5ml、20g、188mmol)の溶液を追加漏斗を介して30分かけて加えた。5分後、沈殿物を形成した。この懸濁液を撹拌し、室温に温めた。撹拌を2.0時間続け、反応物を水で希釈し、塩化メチレンで2回抽出した。塩化メチレン層を合わせ、1N HClで2回、ブラインで1回洗浄した。ジエチルエーテル(100mL)を加えてエマルジョン分離を促進し、有機層を分離し、飽和重炭酸溶液、ブラインで洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥した。溶液を濾過し、溶媒を真空下で除去し、N−メトキシ−N−メチル−ブチルアミドを油状物として得た(22.1g、89%)。
工程2.1−チオフェン−3−イル−ブタン−1−オン
ヘキサン(110ml)に溶解した3−ブロモチオフェン(11g、67mmol)をアセトン/水浴中で−20℃に冷却し、n−BuLi(28ml、71mmol、ヘキサン中2.5n溶液)を10分かけてゆっくりと加え、次に−20℃で10分撹拌した。THFを急速に撹拌しながら5分かけて加えた(10ml)。約2/3量を追加した後に沈殿物を形成した。THFを全て追加した後、反応混合物を−20℃で20分撹拌し、次にヘキサン20mlを加え、反応混合物を0℃に温めた。ヘキサン20mlに溶解したN−メトキシ−N−メチル−ブチルアミド(9.29g、71mmol)を、カニューレを介して5分かけて加え、反応混合物を0℃で1.5時間撹拌した。反応混合物を水、次に1N HCl(75ml)でクエンチし、エーテルで2回抽出し、1N HCl、ブラインで洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥した。溶媒を減圧下で除去し、油状物を得て、それをフラッシュクロマトグラフィー(5%EtOAc/ヘキサン)に付して、1−チオフェン−3−イル−ブタン−1−オン6.7g、64%を油状物として得た。
工程3.2−ブロモ−1−チオフェン−3−イル−ブタン−1−オン
ジエチルエーテル210mL中の1−チオフェン−3−イル−ブタン−1−オン(6.7g、43mmol)を0℃に冷却し、氷酢酸0.6mlを、続いて臭素(2.26ml、46mmol)を滴下により加えた。反応混合物を数時間かけて室温に温めた。反応混合物を水、1Nチオ硫酸ナトリウム、ブラインで洗浄し、次に硫酸マグネシウムで乾燥した。溶媒を減圧下で除去し、油状物を得て、それをクロマトグラフィー(5%EtOAc/ヘキサン)に付して、2−ブロモ−1−チオフェン−3−イル−ブタン−1−オン6.1g、79%を油状物として得た。
工程4.5−チオフェン−3−イル−ヘプタン−2,4−ジオン
ベンゼン(10ml)中EtMgBr(6.69ml、13mmol、エチルエーテル中2M)を0℃に冷却し、tBuOH(1.28ml、13mmol)をゆっくりと加えた。反応混合物を0℃で5分撹拌し、次にアセトン(530ul、7mmol)を、続いてベンゼン3ml中の2−ブロモ−1−チオフェン−3−イル−ブタン−1−オン(1.3g、6mmol)の溶液をカニューレを介して加えた。反応混合物を1時間に加熱還流し、アセトン(250ul)を加えた。反応混合物を2時間以上加熱還流した。反応物を冷却し、1N HCl(10ml)でクエンチし、ジエチルエーテルで3回抽出し、ブラインで洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥した。溶媒を真空下で除去し、残渣をクロマトグラフィー(5%酢酸エチル/ヘキサン)に付して、2−ブロモ−1−チオフェン−3−イル−ブタン−1−オン出発物質247mg及び5−チオフェン−3−イル−ヘプタン−2,4−ジオン520mg、44%を得た。
工程5.4−エチル−7−メチル−ベンゾ[b]チオフェン−5−オール
5−チオフェン−3−イル−ヘプタン−2,4−ジオン(410mg、2mmol)をベンゼン15mlに溶解し、p−トルエンスルホン酸一水和物(408mg、2mmol)を加えた。反応混合物を30分間加熱還流し、冷却し、ジエチルエーテルで希釈し、飽和重炭素ナトリウム、水、ブラインで洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥した。ロートベープにより、4−エチル−7−メチル−ベンゾ[b]チオフェン−5−オール370mg、98%を白色の固体として得た。
工程6.(4−エチル−7−メチル−ベンゾ[b]チオフェン−5−イルオキシ)−アセトニトリル
4−エチル−7−メチル−ベンゾ[b]チオフェン−5−オール(438mg、2mmol)をDMF 10mlに溶解し、反応混合物を0℃に冷却した。水素化ナトリウム(66mg、3mmol)を加え、反応混合物を0℃で30分撹拌した。ブロモアセトニトリル(170μl、3mmol)を加え、反応混合物を0℃で10分撹拌し、次に室温に温めた。1時間後反応物を室温にて水でクエンチし、酢酸エチルで希釈し、水、ブラインで洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥した。溶媒を真空下で除去し、残渣をクロマトグラフィー(ヘキサン中の10%酢酸ヘキサン中の)に付して、(4−エチル−7−メチル−ベンゾ[b]チオフェン−5−イルオキシ)−アセトニトリル422mg、80%を油状物として得た。
工程7.3,3−ビス−ジメチルアミノ−2−(4−エチル−7−メチル−ベンゾ[b]チオフェン−5−イルオキシ)−プロピオニトリル
3,3−ビス−ジメチルアミノ−2−(4−エチル−7−メチル−ベンゾ[b]チオフェン−5−イルオキシ)−プロピオニトリル(422mg、2mmol)をtert−ブトキシビス(ジメチルアミノ)メタン2.5mlに溶解し、反応混合物を100℃に1時間加熱した。反応物を室温に冷却し、容量を1mm真空下で60℃にて加熱しながら減量した。次に残渣を高真空ポンプに1時間入れ、3,3−ビス−ジメチルアミノ−2−(4−エチル−7−メチル−ベンゾ[b]チオフェン−5−イルオキシ)−プロピオニトリル、595mg、98%を油状物として得た。
工程8.2−(4−エチル−7−メチル−ベンゾ[b]チオフェン−5−イルオキシ)−3−フェニルアミノ−アクリロニトリル
無水エタノール5mL中の3,3−ビス−ジメチルアミノ−2−(4−エチル−7−メチル−ベンゾ[b]チオフェン−5−イルオキシ)−プロピオニトリル(590mg、2mmol)及びアニリンHCl(1.1g、9mmol)を2.0時間加熱還流した。別のフラスコで、グアニジンHCl(0.850mg、9mmol)及びナトリウムメトキシド溶液(1.83ml、9mmol、メタノール中4.9molar溶液)をエタノール1mlに混合した。グアニジン溶液を反応混合物にピペットを介して加え、反応混合物を5時間加熱還流し、次に冷却した。溶媒を真空下で除去し、残渣をクロマトグラフィー(5%MeOH/塩化メチレン/1%NH4OH)に付して、2−(4−エチル−7−メチル−ベンゾ[b]チオフェン−5−イルオキシ)−3−フェニルアミノ−アクリロニトリル368mg、61%を得た。5−(4−エチル−7−メチル−ベンゾ[b]チオフェン−5−イルオキシ)−ピリミジン−2,4−ジアミン50mg、9%も同様に得た。
工程9
無水エタノール5mL中2−(4−エチル−7−メチル−ベンゾ[b]チオフェン−5−イルオキシ)−3−フェニルアミノ−アクリロニトリル(360mg、1mmol)、グアニジンHCl(411mg、4mmol)及びナトリウムメトキシド(880ul、4mmol、メタノール中4.9M溶液)を無水エタノール5ml中で2時間加熱還流した。ピペットを介してEtOH 1ml中の予備混合したグアニジンHCl(411mg、4mmol)及びナトリウムメトキシド(880ul、4mmol、メタノール中4.9M溶液)を加え、反応混合物を2時間加熱還流した。反応混合物を冷却し、水で希釈し、EtOAcで2回抽出し、ブラインで洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥した。溶媒を真空下で除去し、5−(4−エチル−7−メチル−ベンゾ−[b]チオフェン−5−イルオキシ)−ピリミジン−2,4−ジアミン241mgを白色の固体として得た(74%)。質量分析 M+H=301、融点=181℃。この生成物175mgをMeOH及びHCl/ジエチルエーテルから再結晶化して、対応するHCl塩98mg、49%を得た。質量分析 M+H=301、融点>300℃。
実施例64:5−(1,3−ジメチル−6−トリフルオロメチル−1H−インドール−5−イルオキシ)−ピリミジン−2,4−ジアミン
この実施例で使用される合成手順を、スキームYに概説する。
工程1.4−メトキシ−3−トリフルオロメチル−フェニルアミン
1−メトキシ−4−ニトロ−2−トリフルオロメチル−ベンゼン(10g、45mmol)を、Parr装置内で振とうしながら50psiで4時間、10wt%Pd/C 1gを用いて水素化した。反応混合物をセライトを通して濾過し、濾液を真空下で蒸発して、4−メトキシ−3−トリフルオロメチル−フェニルアミン8.6g、99%を固体として得た。
工程2.5−メトキシ−3−メチル−6−トリフルオロメチル−1H−インドール−2−カルボン酸エチルエステル
水12mL中の4−メトキシ−3−トリフルオロメチル−フェニルアミン(5g、26mmol)を−5℃に冷却した(氷/メタノール浴)。濃HClを滴下により加え(7ml)、反応混合物を5分間撹拌した。水3mlに溶解したNaNO2(2.0g、29mmol)の溶液を、10分かけて滴下により加え、反応混合物を30分間撹拌した。次に酢酸ナトリウム(1.8g、22mmol)を加え、−5℃で撹拌を続けた。別のフラスコで、無水エタノール20ml中のα−アセト酢酸エチル(4.55g、29mmol)を撹拌し、水3mlに溶解したKOH(1.6g、29mmol)を、続いて氷(30g)を加えた。得られたジアゾニウム塩を反応混合物に急速に加え、EtOH 5mlですすぎ、反応混合物を0℃で3.5時間撹拌し、次に−10℃で16時間保存した。反応混合物を室温に温め、酢酸エチルで抽出し、ブラインで洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥した。溶媒を減圧下で除去すると、液体残渣が残った。別のフラスコで、EtOH 100ml及びアセチルクロリド21mlを氷浴中で冷却しながら混合し、次に70℃に加熱した。液体残渣をアセチルクロリド溶液にピペットを介して15分かけて加えた。この反応混合物を2.5時間加熱還流し、冷却し、減圧下で蒸発した。残渣をカラムクロマトグラフィー(10%酢酸エチル/ヘキサン)で精製して、5−メトキシ−3−メチル−6−トリフルオロメチル−1H−インドール−2−カルボン酸エチルエステル3.0g、38%を白色の固体として得た。また、ジエチルエーテルで粉砕して、5−メトキシ−3−メチル−6−トリフルオロメチル−1H−インドール−2−カルボン酸エチルエステル(1.0g)を白色の固体として、5−メトキシ−3−メチル−4−トリフルオロメチル−1H−インドール−2−カルボン酸エチルエステル(13.9%)を白色の固体として得た。
工程3.5−メトキシ−3−メチル−6−トリフルオロメチル−1H−インドール−2−カルボン酸
5−メトキシ−3−メチル−6−トリフルオロメチル−1H−インドール−2−カルボン酸エチルエステル(3.0g、10mmol)を無水エタノール10mlに溶解し、水7ml中のKOH(1.7g、30mmol)の溶液を加えた。反応混合物を2.5時間加熱還流し、次に冷却し、6N HClでpH=2にゆっくりと酸性化し、酢酸エチルで抽出した。合わせた有機層をブラインで洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥し、濾過し、減圧下で濃縮して、5−メトキシ−3−メチル−6−トリフルオロメチル−1H−インドール−2−カルボン酸2.0g、(73%)を得た。
工程4.5−メトキシ−3−メチル−6−トリフルオロメチル−1H−インドール
キノリン5ml中の5−メトキシ−3−メチル−6−トリフルオロメチル−1H−インドール−2−カルボン酸(2.0g、7mmol)の溶液に、銅粉末(50mg)を加え、反応混合物を1.5時間加熱還流した。銅粉末(50mg)を加え、反応混合物を1時間還流した。反応混合物を冷却し、EtOAcで希釈し、6N HCl 50mlに注ぎ、EtOAcで抽出した。合わせた有機層をブラインで洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥し、濾過し、減圧下で濃縮した。残渣をクロマトグラフィー(10%EtOAc/ヘキサン)に付して、5−メトキシ−3−メチル−6−トリフルオロメチル−1H−インドール(850mg、51%)を固体として得た。
工程5.5−メトキシ−1,3−ジメチル−6−トリフルオロメチル−1H−インドール
DMF 7ml中の5−メトキシ−3−メチル−6−トリフルオロメチル−1H−インドール(900mg、4mmol)の溶液を0℃に冷却し、水素化ナトリウム(104mg、4mmol、95%粉末)を加えた。反応混合物を0℃で15分撹拌し、次にヨードメタン(270μl、4mmol)を加えた。反応混合物を1時間撹拌し、室温に温めた。次に反応混合物を0℃に冷却し、1N NH4Clを加えてクエンチし、水で希釈し、EtOAcで抽出した。合わせた有機層を水、ブラインで洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥し、濾過し、減圧下で濃縮して、5−メトキシ−1,3−ジメチル−6−トリフルオロメチル−1H−インドール(725mg、75%)を固体として得た。
工程6
塩化メチレン(15ml)中の5−メトキシ−1,3−ジメチル−6−トリフルオロメチル−1H−インドール(725mg、3mmol)を0℃に冷却し、シリンジを介してBBr3(塩化メチレン中の1N溶液14.9ml)をゆっくりと加えた。反応混合物を0℃で15分撹拌し、次に1時間撹拌しながら室温に温めた。反応混合物を1N NaOH 75mLでゆっくりとクエンチした。混合物を1N HClでpH約5に酸性化し、塩化メチレンで抽出し、合わせた有機層を水、ブラインで洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥した。溶媒を減圧下で除去し、残渣をクロマトグラフィー(20%EtOAc/ヘキサン)に付して、1,3−ジメチル−6−トリフルオロメチル−1H−インドール−5−オール235mg(75%)を得た。
工程7
実施例62の工程6〜9の手順を使用して、1,3−ジメチル−6−トリフルオロメチル−1H−インドール−5−オールを、5−(1,3−ジメチル−6−トリフルオロメチル−1H−インドール−5−イルオキシ)−ピリミジン−2,4−ジアミンに変換した(70mg)。対応するヒドロクロリド塩をMeOH/ジエチルエーテルから再結晶化した。質量分析 M+H=338、融点256℃。
実施例65:6−(2,4−ジアミノ−ピリミジン−5−イルオキシ)−5−イソプロピル−3−メチル−1H−インドール−2−カルボン酸
この実施例で使用される合成手順を、スキームZに概説する。
工程1.N−(4−アセチル−3−メトキシ−フェニル)−アセトアミド
塩化メチレン中のN−(3−メトキシ−フェニル)−アセトアミド(17.7g、107mmol)を0℃に冷却し、塩化アセチル(19.0ml、268mmol)を、続いて塩化アルミニウム(35.7g、268mmol)を少量ずつ15分かけてゆっくりと加えた。反応混合物を0℃で15分撹拌し、次に撹拌しながら室温に温めた。反応混合物を氷に注ぎ、35分撹拌し、濾過した。固体を水で洗浄した。濾液をEtOAcで抽出し、溶媒を減圧下で除去した。合わせた固体から、N−(4−アセチル−3−メトキシ−フェニル)−アセトアミド(16.5g、74%)を固体として得た。
工程2.N−[4−(1−ヒドロキシ−1−メチル−エチル)−3−メトキシ−フェニル]−アセトアミド
THF 100ml中の塩化マグネシウムメチル(49.9ml、150mmol、THF中3M溶液)を0℃に冷却し、カニューレを介してTHF 200ml中のN−(4−アセチル−3−メトキシ−フェニル)−アセトアミド(14.1g、68mmol)を25分かけて加えた。反応混合物を撹拌し、2.5時間かけて室温に温めた。1N NH4Clを加えて反応物をクエンチし、EtOAcで抽出した。合わせた有機層を1N塩化アンモニウム、ブラインで洗浄し、MgSO4で乾燥し、減圧下で濃縮して、N−[4−(1−ヒドロキシ−1−メチル−エチル)−3−メトキシ−フェニル]−アセトアミド(16.4g、100%)を得た。
工程3.N−(4−イソプロピル−3−メトキシ−フェニル)−アセトアミド
氷酢酸100ml中のN−[4−(1−ヒドロキシ−1−メチル−エチル)−3−メトキシ−フェニル]−アセトアミド(16.4g)をN2下で室温にて撹拌し、パラジウム担持活性炭(3g、10重量%)を、続いてギ酸アンモニウム5gを加えた。反応混合物を加熱還流した。30分後、ギ酸アンモニウム5gを加え、45分後、更にギ酸アンモニウム8.5gを加えた。更に1時間還流を続け、次に反応混合物を冷却し、セライトを通して濾過した。濾液を水で希釈し、EtOAcで抽出し、合わせた有機層をブラインで洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥した。減圧下で蒸発して、N−(4−イソプロピル−3−メトキシ−フェニル)−アセトアミド(15.1g、99%)を得た。
工程4.4−イソプロピル−3−メトキシ−フェニルアミン
6N HCl 200ml中のN−(4−イソプロピル−3−メトキシ−フェニル)−アセトアミド(14.5g、69.9mmol)を、95℃に3.0時間加熱した。反応混合物を室温に冷却し、室温で72時間撹拌し、その間に結晶を形成した。反応混合物を濾過し、結晶を1N HClで洗浄し、真空下で乾燥して、4−イソプロピル−3−メトキシ−フェニルアミンをHCl塩(7.6g、60%)として得た。
工程5.5−イソプロピル−6−メトキシ−3−メチル−1H−インドール−2−カルボン酸エチルエステル
4−イソプロピル−3−メトキシ−フェニルアミンHCl塩(3.1g、19mmol)を−5℃に冷却し(氷/−メタノール浴)、水8ml及び濃HCl 5mlの混合物を滴下により加えた。反応混合物を5分間撹拌し、水3mlに溶解した亜硝煙ナトリウム(1.42g、21mmol)を10分かけて滴下により加えた。反応混合物を45分間撹拌し、次に酢酸ナトリウム(1.3g、16mmol)を加えた。別のフラスコで、無水エタノール15ml中のα−アセト酢酸エチル(3.26g、21mmol)の撹拌混合物に、水3ml中に溶解したKOH(1.2g、21mmol)、次に氷(10g)を加えた。この混合物をジアゾニウム塩に加え、反応混合物を0℃で3.5時間撹拌した。反応混合物を−10℃で16時間保存し、次にEtOAcで抽出した。合わせた有機層をブラインで洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥し、減圧下で濃縮して、液体残渣とした。別のフラスコで、混合EtOH 100mlを塩化アセチル22mlと氷浴で冷却しながらゆっくりと混合した。EtOH/塩化アセチル溶液を70℃に加熱し、残渣を10分かけてピペットを介して加えた。反応混合物を2.5時間に加熱還流し、冷却し、減圧下で蒸発して、スラリーを得た;水(100ml)で希釈し、濾過した。固体を水で洗浄した。固体をヘキサンで粉砕し、5−イソプロピル−6−メトキシ−3−メチル−1H−インドール−2−カルボン酸エチルエステル(1.7g、34%)を固体として得た。
工程6.6−(2,4−ジアミノ−ピリミジン−5−イルオキシ)−5−イソプロピル−3−メチル−1H−インドール−2−カルボン酸エチルエステル
実施例62の工程5〜9の手順を使用して、5−イソプロピル−6−メトキシ−3−メチル−1H−インドール−2−カルボン酸エチルエステルを、6−(2,4−ジアミノ−ピリミジン−5−イルオキシ)−5−イソプロピル−3−メチル−1H−インドール−2−カルボン酸エチルエステルに変換した。質量分析 M+H=370、融点188.2℃。
6−(2,4−ジアミノ−ピリミジン−5−イルオキシ)−5−イソプロピル−3−メチル−1H−インドール−2−カルボン酸エチルエステルを、エタノール性水酸化カリウムで処理して、6−(2,4−ジアミノ−ピリミジン5−イルオキシ)−5−イソプロピル−3−メチル−1H−インドール−2−カルボン酸に変換した。(91mg、76%)。
質量分析 M+H=342 融点>300℃。
実施例66:5−(7−イソプロピル−4−メチル−ベンゾオキサゾール−6−イルオキシ)−ピリミジン−2,4−ジアミン
工程1.7−イソプロピル−4−メチル−ベンゾオキサゾール−6−オール
4−アミノ−2−イソプロピル−5−メチル−ベンゼン−1,3−ジオール(450mg、2.5mmol)(Treibs and Albrecht、Journal fuer Praktische Chemie(1961), 13,291-305)を装填したフラスコに、アルゴンを掃気し、0℃に冷却し、続いてオルトギ酸トリエチル(0.7mL、4.2mmol)、EtOH(4mL)、及びEtOH(40μL)中のH2SO4の10%v/v溶液を加えた。反応物をゆっくりと室温に温め、一晩撹拌し、飽和NaHCO3でクエンチし、濃縮した。残渣を水と塩化メチレンに分配した。合わせた有機相をNa2SO4で乾燥し、濃縮して、7−イソプロピル−4−メチル−ベンゾオキサゾール−6−オール510mgを得た。
工程2.5−(7−イソプロピル−4−メチル−ベンゾオキサゾール−6−イルオキシ)−ピリミジン−2,4−ジアミン
実施例2の工程5〜7の手順を使用して、7−イソプロピル−4−メチル−ベンゾオキサゾール−6−オールを、5−(7−イソプロピル−4−メチル−ベンゾオキサゾール−6−イルオキシ)−ピリミジン−2,4−ジアミンに変換した。ヒドロクロリド塩をEtOH/ジエチルエーテルから再結晶化した。MS(M+H):300。
実施例67:5−(7−イソプロピル−2,4−ジメチル−ベンゾオキサゾール−6−イルオキシ)−ピリミジン−2,4−ジアミン
工程1.7−イソプロピル−2,4−ジメチル−ベンゾオキサゾール−6−オール
4−アミノ−2−イソプロピル−5−メチル−ベンゼン−1,3−ジオール(250mg、1.4mmol)[Treibs and Albrecht, Journal fuer Praktische Chemie 13:291-305(1961)]を装填したフラスコに、アルゴンを掃気し、0℃に冷却し、続いてオルトギ酸トリエチル(0.53mL、4.2mmol)、MeOH(2.5mL)、MeOH(25μL)中のH2SO4の10%v/v溶液を加えた。反応物をゆっくりと室温に温め、一晩撹拌し、飽和NaHCO3でクエンチし、濃縮した。残渣を水と塩化メチレンに分配した。合わせた有機相をNa2SO4で乾燥し、濃縮した。フラッシュクロマトグラフィーにより精製して、7−イソプロピル−2,4−ジメチル−ベンゾオキサゾール−6−オール175mgを得た。
工程2.5−(7−イソプロピル−2,4−ジメチル−ベンゾオキサゾール−6−イルオキシ)−ピリミジン−2,4−ジアミン
実施例2の工程5〜7の手順を使用して、7−イソプロピル−2,4−ジメチル−ベンゾオキサゾール−6−オールを、5−(7−イソプロピル−2,4−ジメチル−ベンゾオキサゾール−6−イルオキシ)−ピリミジン−2,4−ジアミンに変換した。ヒドロクロリド塩をEtOH/ジエチルエーテルから再結晶化した。MS(M+H):314、融点>300℃。
実施例68:5−(5−ヨード−2−イソプロピル−4−メトキシ−フェノキシ)−1−オキシ−ピリミジン−2,4−ジアミン
DMF/MeOH(30ml/10ml)中の5−(5−ヨード−2−イソプロピル−4−メトキシ−フェノキシ)−ピリミジン−2,4ジアミン(1.6g、4.0mmoles)化合物の溶液に、HF(48%水溶液、0.3ml、8.3mmoles)を加えた。3分後、m−クロロペルオキシ安息香酸(80%、2.16g、10.0mmoles)を加え、混合物を室温で1時間撹拌した。冷1N NaOH水溶液を加え、反応混合物を酢酸エチルと水に分配した。有機相をブラインで洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、真空下で濃縮した。残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(0.1%NH4OHを含むCH2Cl2中の2%、5%、6%、8%MeOH)で精製して、5−(5−ヨード−2−イソプロピル−4−メトキシ−フェノキシ)−1−オキシ−ピリミジン−2,4−ジアミン(0.2g、12%)を黄色の固体として得た。M+H:417。
実施例69:処方
種々の経路で送達される医薬製剤が下記の表で示されるように配合される。表中で使用される「活性成分」又は「活性化合物」は、1つ以上の式Iの化合物を意味する。
経口投与組成物
成分を混合し、それぞれ約100mgを含有するカプセルに調剤する。1カプセルが1日用量のほぼ全てとなる。
経口投与組成物
成分を合わせ、メタノールのような溶媒を使用して造粒する。次に配合物を乾燥させ、適切な錠剤成形機を用いて錠剤(活性化合物約20mg含有)を形成させる。
経口投与組成物
成分を混合して、経口投与用の懸濁剤を形成する。
非経口配合物
活性成分を注射用の水の一部に溶解する。次に塩化ナトリウムの十分な量を撹拌しながら加えて、溶液を等張にする。注射用の水の残りで溶液を増量して、0.2μ膜フィルタを通して濾過し、滅菌条件下で包装する。
坐剤配合物
成分を一緒に溶融し、蒸気浴で混合し、全重量2.5gを含有する型に注ぐ。
局所用配合物
水以外の全ての成分を合わせ、撹拌しながら約60℃に加熱する。次に、十分な量の水を激しく撹拌しながら約60℃で加え、成分を乳化し、次に、全量を約100gにするのに十分な量の水を加える。
鼻腔用スプレー製剤
約0.025〜0.5%の活性化合物を含むいくつかの水性懸濁剤を、鼻腔用スプレー製剤として調製した。該製剤は、場合により、例えば、微結晶セルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウム、デキストロースなどの不活性成分を含む。塩酸を加えてpHを調整してもよい。鼻腔用スプレー製剤は、典型的には1回の作動で約50〜100μlの製剤を送達する鼻腔用スプレー計量ポンプにより送達してもよい。典型的な投与スケジュールでは、4〜12時間毎に2〜4回噴霧する。
実施例70:P2X3/P2X2/3FLIPR(蛍光定量画像化プレート解読器)アッセイ
CHO−K1細胞を、クローン化ラットP2X3またはヒトP2X2/3受容体サブユニットでトランスフェクトさせ、フラスコ中で継代培養した。FLIPR実験の18〜24時間前に、細胞をそのフラスコから取り出し、遠心分離にかけ、2.5×105細胞/mlで栄養培地中に再懸濁した。細胞を、壁の黒い96ウェルプレートに50,000細胞/ウェルの密度で分注し、5%CO2中37℃で一晩インキュベートした。実験日に、細胞をFLIPR緩衝液(カルシウムおよびマグネシウムを含まないハンク平衡塩溶液、10mMのHEPES、2mMのCaCl2、2.5mMのプロベネシド;FB)中で洗浄した。各ウェルに、100μlのFBおよび100μlの蛍光ダイFluo−3AM[最終濃度2μM]を加えた。37℃での1時間のダイを負荷させたインキュベート後、細胞を4回FBで洗浄し、最後の75μl/ウェルのFBを各ウェルに残した。
試験化合物(DMSOに10mMで溶かし、FBで連続希釈した)またはビヒクルを各ウェルに加え(25μlの4×溶液)、20分間室温で平衡化させた。その後、プレートをFLIPRに入れ、100μl/ウェルのアゴニストまたはビヒクルを添加する前の蛍光測定ベースライン値(488nmで励起し、510〜570nmで発光)を10秒間で取得した。該アゴニストは、1μM(P2X3)または5μM(P2X2/3)の最終濃度を生じるα,β−meATPの2×溶液であった。蛍光は、該アゴニスト添加後さらに2分間、1秒間隔で測定した。FLIPR試験プレートの各ウェルへのイオノマイシン(5μM、最終濃度)の最終添加を行ない、細胞生存度およびダイに結合したサイトゾルカルシウムの最大蛍光を確立した。α,β−meATPの添加に応答する蛍光極大値を測定し(試験化合物の非存在下および存在下)、非線形回帰を使用して阻害曲線を作成した。標準的なP2XアンタゴニストであるPPADSを陽性対照として使用した。
先の手順を使用して、本発明の化合物は、P2X3受容体に対する活性を示した。化合物N*2*−イソプロピル−5−(2−イソプロピル−4,5−ジメトキシ−ベンジル)−ピリミジン−2,4−ジアミンは、例えば、先のアッセイを使用して、約7.54のpIC50を示した。
驚くべきでありまた意外なことに、R1がイソプロピルである式(I〜IV)の化合物は、R1が任意の他のアルキルまたは他の置換基である化合物よりも、P2X3に対するより良好な親和性を示した。以下の表3は、異なるR1置換基を有する様々な化合物に関するpIC50比較データを提供する。
表3から見てとれるように、R1がイソプロピルである本発明の化合物は、R1として他のアルキル置換基を有する類似化合物よりも、P2X3受容体に対してより良好な親和性を示した。
本発明はその特定の実施形態を参照して記載したが、様々な変更を加えてもよく、本発明の真の本質および範囲を逸することなく均等物で代用することができることを当業者は理解すべきである。さらに、特定の状況、材料、対象の組成、工程、工程工程を本発明の対象の本質および範囲に適合させるために、多くの改変を行なってもよい。全てのこのような改変は、添付の特許請求の範囲内であるものとする。